引出部材のアシスト機構
【課題】 引出部材の重量に伴うアシスト力の変動を抑制する。
【解決手段】収納部5に対する引出9の引き出し及び引き込み動作の少なくとも一方をアシストするアシスト機構11であって、前記収納部5及び引出9の一方側に前記引出9の動作方向に沿って設けられたガイドレール13と、前記収納部5及び引出部材9の他方側に支持され前記引出9の動作に応じて前記ガイドレール13に倣って進退移動するガイドローラ15と、該ガイドローラ15を前記ガイドレール13側に進出付勢するコイルばね45とを備え、前記ガイドレール13は、少なくとも前記引出9の動作方向の一側に設けられ端部側に向けて後傾のアシスト面35,37を有することを特徴とする。
【解決手段】収納部5に対する引出9の引き出し及び引き込み動作の少なくとも一方をアシストするアシスト機構11であって、前記収納部5及び引出9の一方側に前記引出9の動作方向に沿って設けられたガイドレール13と、前記収納部5及び引出部材9の他方側に支持され前記引出9の動作に応じて前記ガイドレール13に倣って進退移動するガイドローラ15と、該ガイドローラ15を前記ガイドレール13側に進出付勢するコイルばね45とを備え、前記ガイドレール13は、少なくとも前記引出9の動作方向の一側に設けられ端部側に向けて後傾のアシスト面35,37を有することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家具の引出等の引き込みや引き出し動作をアシストする引出部材のアシスト機構に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のアシスト機構としては、例えば特許文献1のように、冷蔵庫に適用されたものがある。この冷蔵庫は、庫内に対して引き出し及び引き込み自在に支持された引出部材としての収納容器を備え、この収納容器の引き込み動作をアシスト機構によってアシストするようになっている。
【0003】
アシスト機構は、冷蔵庫内に設けられたレール後端に傾斜部を備えると共に、収納容器に冷蔵庫内のレール上を転動するローラを備えている。収納容器の引き込み操作時には、収納容器の自重及び収納物の重量(収納容器の重量)を利用してローラをレールの傾斜部に沿って転動させ、収納容器を自動的に引き込むことができる。
【0004】
このようにアシスト機構は、収納容器の重量を利用した自動的な引き込みにより引き込み動作をアシストすることができる。
【0005】
しかしながら、かかる従来の構造では、収納容器の重量が大きくなると、これに伴ってアシスト力も大きくなる。結果として、反アシスト方向への引き出し操作が困難となるおそれがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実公平5−41349号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
解決しようとする問題点は、引出部材の重量に伴ってアシスト力が変動する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、引出部材の重量に伴うアシスト力の変動を抑制するために、収納部に対する引出部材の引き出し及び引き込み動作の少なくとも一方をアシストする引出部材のアシスト機構であって、前記収納部及び引出部材の一方側に前記引出部材の動作方向に沿って設けられたガイド部と、前記収納部及び引出部材の他方側に支持され前記引出部材の動作に応じて前記ガイド部に倣って進退移動する被ガイド部と、該被ガイド部を前記ガイド部側に進出付勢する付勢部材とを備え、前記ガイド部は、少なくとも前記引出部材の動作方向の一側に設けられ端部側に向けて傾斜したアシスト面を有することを最も主な特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明では、被ガイド部がガイド部に倣って進退移動することで、ガイド部のアシスト面上において付勢部材の付勢力の分力による引き込み及び引き出し方向の少なくとも一方側へのアシスト力を発生させることができる。
【0010】
このため、本発明では、引出部材を収納部に対する自動的な引き込み及び引き出し動作の少なくとも一方を行わせることができ、引出部材の動作をアシストすることができる。
【0011】
しかも、本発明では、付勢部材の付勢力によってアシスト力を発生させるため、引出部材の重量変動に伴うアシスト力の変動を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】アシスト機構を有する収納家具の一部を切り欠いた正面図である(実施例1)。
【図2】図1の収納家具の一部を切り欠いた側面図である(実施例1)。
【図3】(a)は図1のアシスト機構の拡大側面図、(b)は図2のアシスト機構の拡大正面図である(実施例1)。
【図4】図1のアシスト機構を背面側から示す拡大斜視図である(実施例1)。
【図5】図1のアシスト機構を正面側から示す拡大斜視図である(実施例1)。
【図6】図1のアシスト機構のダンパーを示す斜視図である(実施例1)。
【図7】(a)〜(e)は、収納位置からの引き出し動作時に係るアシスト機構の動作を示す側面図である(実施例1)。
【図8】(a)〜(e)は、収納位置からの引き出し動作時に係るアシスト機構の動作を示す側面図である(実施例2)。
【図9】アシスト機構のガイドレールを示す側面図である(実施例3)。
【図10】アシスト機構のガイドレールを示す側面図である(実施例4)。
【図11】アシスト機構のガイドレールを示す側面図である(実施例5)。
【図12】アシスト機構のガイドレールを示す側面図である(実施例6)。
【図13】アシスト機構のガイドレールを示す側面図である(実施例7)。
【図14】アシスト機構を示す側面図である(実施例8)。
【図15】アシスト機構の支持ユニットを示す正面図である(実施例9)。
【発明を実施するための形態】
【0013】
引出部材の重量に伴うアシスト力の変動を抑制するという目的を、付勢部材の付勢力によってアシスト力を発生させることで実現した。
【実施例1】
【0014】
[収納家具の概略構成]
図1は、本発明の実施例1に係るアシスト機構を有する収納家具の一部を切り欠いた正面図、図2は、同側面図である。
【0015】
収納家具1は、図1及び図2のように、上段収納部3及び下段収納部5を備えている。上段収納部3は、観音開きの扉7によって開閉されるようになっている。下段収納部5は、引出部材としての引出9を複数収納して多段に構成されている。なお、本実施例では、下段収納部5が4段構成となっている。
【0016】
各段の引出9は、下段収納部5に設けられたスライドレール10を介して前後方向に直線移動自在に支持されている。かかる直線移動により、引出9が下段収納部5に対して引き出し及び引き込み動作する。この引出9と下段収納部5との間には、アシスト機構11が設けられている。
[アシスト機構の構成]
図3(a)は図1のアシスト機構の拡大側面図、図3(b)は図2のアシスト機構の拡大正面図、図4は図1のアシスト機構を背面側から示す拡大斜視図、図5は図1のアシスト機構を正面側から示す拡大斜視図、図6は図1のアシスト機構のダンパーを示す斜視図である
アシスト機構11は、図1〜図6のように、ガイド部としてのガイドレール13と、被ガイド部としてのガイドローラ15と、ダンパー17,19とを備えている。
【0017】
ガイドレール13は、例えば、ステンレス等の金属板からなっている。ガイドレール13は、図2〜図5のように、引出9の側面21に取り付けられ、引出9の動作方向である前後方向に沿って設けられている。このガイドレール13は、本体部23及び傾斜部25,27からなっている。
【0018】
本体部23は、ガイドレール13の前後方向の中間部に形成されている。本体部23の上面は、前後方向に沿った非アシスト面29となっている。本体部23の下面側には、締結プレート31が一体に設けられている。締結プレート31は、ねじ33によって引出9の側面21に締結固定されている。本体部23の前後方向両側には、傾斜部25,27が一体に設けられている。
【0019】
傾斜部25,27は、本体部23に対して折り曲げ形成されている。この傾斜部25,27は、それぞれ前端部及び後端部に向けて漸次下降するように傾斜設定されている。傾斜部25,27の上面には、それぞれアシスト面35,37が形成されている。このため、本実施例のアシスト面35,37は、ガイドレール13の前後方向の両側に設けられた構成となっている。
【0020】
アシスト面35,37は、傾斜部25,27の傾斜設定に応じ、傾きが一定の斜面からなっている。すなわち、アシスト面35,37は、それぞれ前端部及び後端部に向けて漸次下方に傾斜している。
【0021】
前記ガイドローラ15は、支持ユニット39を介して下段収納部5の前端側に支持され、支持ユニット39と共にユニット化されている。支持ユニット39は、支持部41と、可動部43と、付勢部材としてのコイルばね45とからなっている。
【0022】
支持部41は、例えばステンレス等の金属板からなる支持プレート47を備えている。この支持プレート47は、引出9の動作方向に対する交差方向である上下方向に沿って配置されている。
【0023】
支持プレート47の下端は、収納家具1側のスライドレール10の外側面49にボルト51により締結固定されている。支持プレート47の上端には、ボルト55によって端プレート53が締結固定されている。端プレート53は、支持プレート47からスライドレール10上に向けて延設されている。
【0024】
支持プレート47の内側面には、支持レール57が上下方向に沿って設けられている。この支持レール57を介して、可動部43が上下方向移動自在に支持されている。
【0025】
可動部43は、断面矩形の箱状に形成されている。可動部43は、引出9側のガイドレール13外側に隙間を有して配置されている。可動部43の背面側には、ボルト61によってベース59が締結固定されている。ベース59は、支持プレート47の支持レール57にスライド自在に係合している。この可動部43と支持部41の端プレート53との間には、コイルばね45が設けられている。
【0026】
コイルばね45は、その両端が可動部43及び端プレート53にボルト63,65を介して嵌合固定されている。このコイルばね45は、端プレート53に対して可動部43を下方側に付勢している。
【0027】
前記ガイドローラ15は、例えばステンレス等の金属からなっている。ガイドローラ15は、ガイドレール13上に配置されて回転軸67周りに回転自在に支持されている。ガイドローラ15の回転軸67は、支持ユニット39の可動部43に固定されている。このため、ガイドローラ15は、可動部43と共に上下動し、ガイドレール13に対して進退移動する。
【0028】
このガイドローラ15は、可動部43を介してコイルばね45の付勢力によってガイドレール13側である下方側に進出付勢されている。従って、ガイドローラ15は、ガイドレール13上に弾接している。
【0029】
前記ダンパー17,19は、ピストンロッド69,71の収縮移動によってダンパー抗力を発生させる。このダンパー17,19は、内部のリターンスプリングによりピストンロッド69,71が伸張方向へ付勢されている。
【0030】
一方のダンパー17は、ステー73を介して下段収納部5側のスライドレール10上に固定されている。ステー73は、そのベースプレート75がスライドレール10上にボルト77により締結固定されている。
【0031】
ベースプレート75には、縦プレート79が立設され、縦プレート79には、ダンパー17がクランプ81及びボルト83によって締結固定されている。この縦プレート79には、突当プレート85が一体に設けられ、突当プレート85には、ダンパー17の後端が突き当て支持されている。
【0032】
このダンパー17は、引出9の後方に配置されている。ダンパー17のピストンロッド69は、引出9の側面21後端側に固定された押圧ブロック87に前後方向で対向している。これにより、ピストンロッド69は、引出9の引き込み動作時に押圧ブロック87に押圧されて収縮移動するようになっている。
【0033】
他方のダンパー19は、一体のフランジ部91及びねじ93を介して引出9の側面21後端側に固定されている。ダンパー19のピストンロッド71は、下段収納部5の内側面前端側に固定された押圧ブロック89に前後方向で対向している。これにより、ピストンロッド71は、引出9の引き出し動作時に押圧ブロック89に押圧されて収縮移動するようになっている。
[アシスト機構の動作]
図7(a)〜(e)は、アシスト機構の動作を示す側面図である。
【0034】
アシスト機構11は、下段収納部5に対する引出9の引き出し及び引き込み動作をアシストする。以下、引出9の収納位置からの引き出し動作を行う場合について説明する。
【0035】
図7(a)のように、収納位置では、引出9が下段収納部5内に全体として引き込み収納されている。この状態で、下段収納部5側のガイドローラ15は、引出9側のガイドレール13前端側のアシスト面35に弾接している。
【0036】
すなわち、ガイドローラ15は、コイルばね45の付勢力により、前端部に向けて下方へ傾斜したアシスト面35を押圧している。このため、ガイドローラ15は、付勢力の分力による引き込み方向(後方側)への移動力(アシスト力)を発生させている。このアシスト力により、引出9は、下段収納部5に対する収納位置に確実に保持されている。
【0037】
また、収納位置では、ダンパー17のピストンロッド69が、引出9側の押圧ブロック87によって収縮位置に押し込まれている。
【0038】
かかる収納位置から引出9を引き出し操作すると、引出9と共にガイドレール13が引き出し方向(前方側)へ移動する。これによりガイドローラ15は、図7(b)のように、転動しながらガイドレール13のアシスト面35に倣って漸次上方へ退避移動する。
【0039】
このとき、ガイドローラ15は、コイルばね45の付勢力に抗して退避移動するため、上記収納位置同様の引き込み方向へのアシスト力を発生させる。従って、引出9は、引き込み方向へのアシスト力に抗して引き出し動作する。
【0040】
なお、かかる移動時には、ダンパー17のピストンロッド69が、リターンスプリングの付勢によって引出9側の押圧ブロック87に追従して伸張動作する。
【0041】
こうしてガイドローラ15は、ガイドレール13前端側のアシスト面35から中間部の非アシスト面29側に移行する。
【0042】
非アシスト面29上では、図7(c)のように、ガイドローラ15が転動しながら後端側アシスト面37側へ移行する。このとき、非アシスト面29が前後方向に沿っているため、引き込み及び引き出しの何れの方向にもアシスト力が発生しない。従って、引き出し動作の中間段階では、その操作を円滑に行わせることができる。
【0043】
ガイドレール13のアシスト面37上では、図7(d)のように、ガイドローラ15が転動しながらガイドレール13のアシスト面37に倣って漸次下方へ進出移動する。
【0044】
このとき、ガイドローラ15は、コイルばね45の付勢力によって、後端部に向けて下方へ傾斜したアシスト面37を押圧する。従って、ガイドローラ15は、付勢力の分力による引き出し方向への移動力(アシスト力)を発生させることができる。このアシスト力により、引出9は、図7(e)のように、下段収納部5から全体として引き出された突出位置へ自動的に引き出される。
【0045】
このようにアシスト機構11は、引出9の自動的な引き出しによって引き出し動作をアシストすることができる。
【0046】
かかる自動的な引き出し時には、突出位置直前で引出9側のダンパー19による緩衝が行われる。すなわち、ダンパー19は、引出9の引き出し動作に応じて、ピストンロッド71が下段収納部5側の押圧ブロック89に当接すると共に相対的に押圧される。
【0047】
このため、ダンパー19は、ピストンロッド71が収縮移動してダンパー抗力を発生させることができる。従って、アシスト機構11では、衝撃を緩衝しながら引出9の自動的な引き出しアシスト動作を円滑に行わせることができる。
【0048】
なお、突出位置からの引き込み動作は、上記引き出し動作と逆の手順で同様に行わせることができる。
[実施例1の効果]
本実施例のアシスト機構11は、下段収納部5及び引出9の一方側に引出9の動作方向に沿って設けられたガイドレール13と、下段収納部5及び引出部材9の他方側に支持され引出9の動作に応じて前記ガイドレール13に倣って進退移動するガイドローラ15と、ガイドローラ15をガイドレール13側に進出付勢するコイルばね45とを備え、ガイドレール13が、少なくとも引出9の動作方向の一側に設けられ端部側に向けて傾斜したアシスト面35,37を有している。
【0049】
従って、アシスト機構11は、ガイドローラ15がガイドレール13に沿って進退移動することで、ガイドレール13のアシスト面35,37上でコイルばね45の付勢力の分力による引き込み及び引き出し方向の少なくとも一方側へのアシスト力を発生させることができる。
【0050】
このため、アシスト機構11では、引出9を下段収納部5に対する自動的な引き込み及び引き出し動作の少なくとも一方を行わせることができ、引出9の動作をアシストすることができる。
【0051】
しかも、アシスト機構11では、コイルばね45の付勢力によってアシスト力を発生させるため、引出9の重量増加に伴うアシスト力の変動を抑制できる。この結果、アシスト力の変動によって反アシスト方向への操作が困難になることを抑制できる。
【0052】
本実施例のアシスト機構11では、引出9の動作方向の両側にアシスト面35,37が設けられているため、引き込み及び引き出し動作の双方に対してアシスト動作を行うことができる。
【0053】
前記アシスト面35,37は、傾きが一定の斜面からなるため、容易且つ確実に付勢力の分力によるアシスト力を発生させることができる。
【0054】
また、本実施例では、被ガイド部としてのガイドローラ15がガイドレール13上を転動するため、ガイドローラ15をガイドレール13に倣って円滑に進退移動させることができ、アシスト力を円滑に発生させることができる。
【0055】
また、アシスト機構11では、下段収納部5及び引出9の他方側に取り付けられた支持部41と、支持部41に引出9の動作方向に対する交差方向に移動自在に支持された可動部43とを備え、ガイドローラ15が、可動部43に取り付けられ、コイルばね45が、可動部43を付勢する。
【0056】
従って、本実施例では、支持部41、可動部43、ガイドローラ15及びコイルばね45をユニット化することができ、構成を簡素化することができる。
【0057】
また、本実施例のアシスト機構11では、引出9のアシスト動作を緩衝するダンパー17,19を備えたため、衝撃を緩衝しながらアシスト動作を円滑に行わせることができる。
【0058】
しかも、本実施例では、ダンパー17,19を引出9のストッパとして用いることができ、緩衝機能を備えながら構成を簡素化することができる。
【実施例2】
【0059】
図8(a)〜(e)は、本発明の実施例2に係るアシスト機構の動作を示す側面図である。なお、本実施例は、上記実施例1と基本構造が共通しているため、対応する部分に同符号或いは同符号にAを付して重複した説明を省略する。
【0060】
本実施例のアシスト機構11Aは、上記実施例1の一対のダンパー17,19に代えて、単一のダンパー95を設けたものである。
【0061】
ダンパー95は、両側のピストンロッド69A,71Aが図示しないピストンを介して連動構成されており、ピストンロッド69A,71Aの一方が収縮すると他方が伸張する。なお、ピストンロッド69A及び71Aは、内部のリターンスプリングにより伸張方向へ付勢されており、フリー状態で中立位置に保持される。このダンパー95は、ピストンロッド69A,71Aの収縮移動によって双方向でのダンパー抗力を発生させるようになっている。
【0062】
かかるダンパー95は、引出9の側面21後端側に対してクランプ81によって固定されている。一方のピストンロッド69Aは、引出9後方でスライドレール10上に固定された押圧ブロック87Aに前後方向で対向している。他方のピストンロッド71Aは、下段収納部5の前端側に固定された押圧ブロック89Aに前後方向で対向している。
【0063】
従って、本実施例のアシスト機構11Aにおいても、上記実施例1と同様の作用効果を奏することができる。
【0064】
加えて、アシスト機構11Aでは、自動的な引き込み及び引き出しによる何れのアシスト動作時にも、単一のダンパー95によってダンパー抗力を発生させることができ、構成を簡素化することができる。
【実施例3】
【0065】
図9は、本発明の実施例3に係るアシスト機構のガイドレールを示す側面図である。なお、本実施例は、上記実施例1及び2と基本構造が共通しているため、対応する部分に同符号或いは同符号にBを付して重複した説明を省略する。
【0066】
本実施例では、図9のように、上記実施例1のガイドレール13に代えて、前後方向中間部に凹部99を備えたガイドレール13Bが用いられている。
【0067】
すなわち、ガイドレール13Bは、本体部23Bの中間部に湾曲形成された凹部99を備えている。この凹部99は、その曲率がガイドローラ15の曲率とほぼ同一となっており、ガイドローラ15の下部側を嵌合させるようになっている。
【0068】
従って、本実施例では、上記実施例1と同様の作用効果を奏することができるのに加え、ガイドローラ15がガイドレール13Bの凹部99に嵌合することで、引出9を収納位置及び突出位置の中間位置で保持することができる。
【実施例4】
【0069】
図10は、本発明の実施例4に係るアシスト機構のガイドレールを示す側面図である。なお、本実施例は、上記実施例1及び2と基本構造が共通しているため、対応する部分に同符号或いは同符号にCを付して重複した説明を省略する。
【0070】
本実施例では、図10のように、上記実施例1のガイドレール13に代えて、アシスト面35C,37Cの中間部にステップ面101を有するガイドレール13Cが用いられている。
【0071】
すなわち、ガイドレール13Cは、傾斜部25C,27Cの中間部に、前後方向に沿ったステップ部103を備えている。このステップ部103の上面に、ステップ面101が形成されている。
【0072】
従って、本実施例においても、上記実施例1と同様の作用効果を奏することができる。加えて、本実施例では、アシスト面35C,37Cの中間部にアシスト力が発生しないステップ面101が存在するため、反アシスト方向への操作時にステップ面101において引出9を加速等させることができる。従って、より容易に反アシスト方向への操作を行わせることができる。
【0073】
また、アシスト動作時には、ステップ面101においてアシスト力を発生しないため、引出9を惰性で動作させることができる。結果として、本実施例では、ダンパー17,19,95の負荷を軽減することができる。
【実施例5】
【0074】
図11は、本発明の実施例5に係るアシスト機構のガイドレールを示す側面図である。なお、本実施例は、上記実施例1及び2と基本構造が共通しているため、対応する部分に同符号或いは同符号にDを付して重複した説明を省略する。
【0075】
本実施例では、図11のように、上記実施例1のガイドレール13に代えて、前後方向の両端部に返し部105を備えたガイドレール13Dが用いられている。
【0076】
すなわち、ガイドレール13Dは、傾斜部25D,27Dの先端部に返し部105が湾曲形成されている。この返し部105は、先端が上方に向けて延設され、傾斜部25D,27Dとは逆向きに傾斜している。この返し部105に倣ってガイドローラ15が移動することで、反アシスト力が発生するようになっている。
【0077】
従って、本実施例では、上記実施例1と同様の作用効果を奏することができるのに加え、アシスト動作終了時に返し部105による反アシスト力を作用させてダンパー効果を発揮することができる。この結果、ダンパー17,19,95の負荷を軽減することができる。
【実施例6】
【0078】
図12は、本発明の実施例6に係るアシスト機構のガイドレールを示す側面図である。なお、本実施例は、上記実施例1及び2と基本構造が共通しているため、対応する部分に同符号或いは同符号にEを付して重複した説明を省略する。
【0079】
本実施例では、図12のように、上記実施例1のガイドレール13に代えて、アシスト面35E,37Eの前後方向位置を変更したガイドレール13Eが用いられている。
【0080】
すなわち、ガイドレール13Eは、前後端部に対する中間部寄りに傾斜部25E,27Eが設けられている。この傾斜部25E,27Eの表面に、アシスト面35E,37Eが形成されている。
【0081】
傾斜部25E,27Eに対する前後端部側には、前後方向に沿ったボトム部107が形成されている。ボトム部107の表面には、ボトム面109が形成されている。
【0082】
従って、本実施例においても、上記実施例1と同様の作用効果を奏することができる。
【0083】
加えて、本実施例では、アシスト面35E,37Eに対する前後端部側にアシスト力が発生しないボトム面109が存在するため、反アシスト方向への操作時にボトム面109において引出9を加速等させることができる。従って、より容易に反アシスト方向への操作を行わせることができる。
【0084】
また、本実施例では、ボトム面109においてアシスト力を発生しないため、アシスト動作終了直前に引出9を惰性で動作させることができる。結果として、本実施例では、ダンパー17,19,95の負荷を軽減することができる。
【実施例7】
【0085】
図13は、本発明の実施例7に係るアシスト機構のガイドレールを示す側面図である。なお、本実施例は、上記実施例1及び2と基本構造が共通しているため、対応する部分に同符号或いは同符号にFを付して重複した説明を省略する。
【0086】
本実施例では、図13のように、上記実施例1のガイドレール13に代えて、複数の斜面からなるアシスト面35F,37Fを備えたガイドレール13Fが用いられている。
【0087】
すなわち、ガイドレール13Fは、傾斜部25F,27Fが前後方向中間部で折り曲げられて、本体部23F側の第1傾斜部111及び端部側の第2傾斜部113を備えている。第1傾斜部111は、第2傾斜部113よりも傾斜角が小さくなっている。
【0088】
アシスト面35F,37Fは、傾斜部25F,27Fの第1傾斜部111及び第2傾斜部113の表面に形成された斜面115,117からなっている。すなわち、アシスト面35F,37Fは、傾きの異なる2つの斜面115,117からなっている。なお、アシスト面は、3つ以上の傾きの異なる斜面によって構成してもよい。
【0089】
なお、本実施例のガイドレール13Fでは、本体部23Fの下面側に一体のリブ119が設けられ、剛性の向上が図られている。
【0090】
本実施例においても、上記実施例1と同様の作用効果を奏することができる。
【0091】
加えて、本実施例では、アシスト力を段階的に変化させることで、アシスト力の発生をダンパー17,19,95のダンパー特性に合わせることができる。この結果、本実施例では、より円滑に引出9のアシスト動作を行うことができる。
【実施例8】
【0092】
図14は、本発明の実施例8に係るアシスト機構を示す側面図である。なお、本実施例は、上記実施例1と基本構造が共通しているため、対応する部分に同符号或いは同符号にGを付して重複した説明を省略する。
【0093】
本実施例では、図14のように、上記実施例1の単一のガイドレール13に代えて、一対の引き出し及び引き込み用のガイドレール13G,14Gが用いられている。
【0094】
ガイドレール13G,14Gは、引出9の前後方向両側に対称に配置され、両者間に隙間121が形成されている。この隙間121側の傾斜部25Fは、傾斜部27Fよりも緩やかに傾斜設定され、反アシスト力の低減が行われている。
【0095】
傾斜部25Fの先端は、フリー状態のガイドローラ15の回転軸心よりも下方に配置されている。これにより、傾斜部25Fは、隙間121でフリー状態となったガイドローラ15を乗り上げ可能としている。
【0096】
かかる本実施例においても、上記実施例1と同様の作用効果を奏することができる。
【0097】
加えて、本実施例では、ガイドレール13G,14Gが分割構成されて引出9の前後方向両側に配置されているため、引出9の前後方向の長さ変更に対して容易に対応することができる。
【0098】
また、ガイドレール13G,14G間では、隙間121内でガイドローラ15をフリー状態とすることができ、引き出し及び引き込み動作を容易に行わせることができる。
【実施例9】
【0099】
図15は、本発明の実施例9に係るアシスト機構に用いられる支持ユニットを示す正面図である。なお、本実施例は、上記実施例1と基本構造が共通しているため、対応する部分に同符号或いは同符号にHを付して重複した説明を省略する。
【0100】
本実施例では、上記実施例1の支持ユニット39に代えて、ダンパー123を備えた支持ユニット39Hが用いられている。
【0101】
支持ユニット39Hは、可動部43H内にダンパー123が収容支持されている。ダンパー123のピストンロッド125は、可動部43Hの下面から突出し、上下方向に伸縮動作するようになっている。このピストンロッド125の先端部127は、下段収納部5のスライドレール10上面に対向配置されている。
【0102】
このような支持ユニット39Hでは、引出9の引き出し及び引き込み動作に応じて、ピストンロッド125の先端部127が下段収納部5のスライドレール10上面に当接すると共に押圧される。
【0103】
このため、アシスト機構11Hでは、支持ユニット39Hの可動部43H内のダンパー123によって衝撃を緩衝しながら引出9の自動的な引き出しアシスト動作を円滑に行わせることができる。
【0104】
かかる本実施例においても、上記実施例1と同様の作用効果を奏することができる。
【0105】
加えて、本実施例では、支持ユニット39Hの可動部43H内のダンパー123によって、引き出し及び引き込み動作時の衝撃を緩衝することができる。
【0106】
このため、本実施例では、ガイドローラ15側にダンパー123を含めてユニット化することができ、上記実施例のダンパーや押圧ブロック等を省略して構造の簡素化、部品点数の削減、組付作業性の向上等を図ることができる。
[その他]
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各種の設計変更が可能である。
【0107】
例えば、上記実施例では、アシスト機構11〜11Hをガイドレール13〜13Hの上方からガイドローラ15を弾接させるように設置していたが、全体して上下逆向きに設置してガイドローラ15をガイドレール13〜13Hの下方側から弾接するように構成することもできる。同様に、アシスト機構11〜11Hを水平方向に寝かせて設置することも可能である。この場合は、ガイドレール13〜13Hを引出9の下面側に取り付ければよい。
【0108】
また、上記実施例では、ガイドレール13〜13Hを引出9側に設けると共にガイドローラ15を下段収納部5側に設けていたが、これとは逆にガイドレール13〜13Hを下段収納部5側に設けると共にガイドローラ15を引出9側に設けてもよい。
【0109】
また、上記実施例では、ガイド部としてガイドレール13〜13Hを用いていたが、例えば、ブロック状のガイド部を用いることも可能である。
【0110】
上記実施例では、アシスト面35〜35H,37〜37Hを斜面によって構成していたが、例えば傾きの異なる微小な複数の斜面からなる曲面によって構成してもよい。
【0111】
上記実施例3〜9のガイドレールの構成は、適宜組み合わせて用いることができる。
【0112】
また、本発明のアシスト機構は、例えば引出部材としての収納家具や建具の引き戸にも適用することができる。
【符号の説明】
【0113】
5 下段収納部
9 引出(引出部材)
11 アシスト機構
13 ガイドレール(ガイド部)
15 ガイドローラ(被ガイド部)
17,19,95 ダンパー
35,37 アシスト面
41 支持部
43 可動部
45 コイルばね(付勢部材)
99 凹部
101 ステップ面
109 ボトム面
【技術分野】
【0001】
本発明は、家具の引出等の引き込みや引き出し動作をアシストする引出部材のアシスト機構に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のアシスト機構としては、例えば特許文献1のように、冷蔵庫に適用されたものがある。この冷蔵庫は、庫内に対して引き出し及び引き込み自在に支持された引出部材としての収納容器を備え、この収納容器の引き込み動作をアシスト機構によってアシストするようになっている。
【0003】
アシスト機構は、冷蔵庫内に設けられたレール後端に傾斜部を備えると共に、収納容器に冷蔵庫内のレール上を転動するローラを備えている。収納容器の引き込み操作時には、収納容器の自重及び収納物の重量(収納容器の重量)を利用してローラをレールの傾斜部に沿って転動させ、収納容器を自動的に引き込むことができる。
【0004】
このようにアシスト機構は、収納容器の重量を利用した自動的な引き込みにより引き込み動作をアシストすることができる。
【0005】
しかしながら、かかる従来の構造では、収納容器の重量が大きくなると、これに伴ってアシスト力も大きくなる。結果として、反アシスト方向への引き出し操作が困難となるおそれがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実公平5−41349号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
解決しようとする問題点は、引出部材の重量に伴ってアシスト力が変動する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、引出部材の重量に伴うアシスト力の変動を抑制するために、収納部に対する引出部材の引き出し及び引き込み動作の少なくとも一方をアシストする引出部材のアシスト機構であって、前記収納部及び引出部材の一方側に前記引出部材の動作方向に沿って設けられたガイド部と、前記収納部及び引出部材の他方側に支持され前記引出部材の動作に応じて前記ガイド部に倣って進退移動する被ガイド部と、該被ガイド部を前記ガイド部側に進出付勢する付勢部材とを備え、前記ガイド部は、少なくとも前記引出部材の動作方向の一側に設けられ端部側に向けて傾斜したアシスト面を有することを最も主な特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明では、被ガイド部がガイド部に倣って進退移動することで、ガイド部のアシスト面上において付勢部材の付勢力の分力による引き込み及び引き出し方向の少なくとも一方側へのアシスト力を発生させることができる。
【0010】
このため、本発明では、引出部材を収納部に対する自動的な引き込み及び引き出し動作の少なくとも一方を行わせることができ、引出部材の動作をアシストすることができる。
【0011】
しかも、本発明では、付勢部材の付勢力によってアシスト力を発生させるため、引出部材の重量変動に伴うアシスト力の変動を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】アシスト機構を有する収納家具の一部を切り欠いた正面図である(実施例1)。
【図2】図1の収納家具の一部を切り欠いた側面図である(実施例1)。
【図3】(a)は図1のアシスト機構の拡大側面図、(b)は図2のアシスト機構の拡大正面図である(実施例1)。
【図4】図1のアシスト機構を背面側から示す拡大斜視図である(実施例1)。
【図5】図1のアシスト機構を正面側から示す拡大斜視図である(実施例1)。
【図6】図1のアシスト機構のダンパーを示す斜視図である(実施例1)。
【図7】(a)〜(e)は、収納位置からの引き出し動作時に係るアシスト機構の動作を示す側面図である(実施例1)。
【図8】(a)〜(e)は、収納位置からの引き出し動作時に係るアシスト機構の動作を示す側面図である(実施例2)。
【図9】アシスト機構のガイドレールを示す側面図である(実施例3)。
【図10】アシスト機構のガイドレールを示す側面図である(実施例4)。
【図11】アシスト機構のガイドレールを示す側面図である(実施例5)。
【図12】アシスト機構のガイドレールを示す側面図である(実施例6)。
【図13】アシスト機構のガイドレールを示す側面図である(実施例7)。
【図14】アシスト機構を示す側面図である(実施例8)。
【図15】アシスト機構の支持ユニットを示す正面図である(実施例9)。
【発明を実施するための形態】
【0013】
引出部材の重量に伴うアシスト力の変動を抑制するという目的を、付勢部材の付勢力によってアシスト力を発生させることで実現した。
【実施例1】
【0014】
[収納家具の概略構成]
図1は、本発明の実施例1に係るアシスト機構を有する収納家具の一部を切り欠いた正面図、図2は、同側面図である。
【0015】
収納家具1は、図1及び図2のように、上段収納部3及び下段収納部5を備えている。上段収納部3は、観音開きの扉7によって開閉されるようになっている。下段収納部5は、引出部材としての引出9を複数収納して多段に構成されている。なお、本実施例では、下段収納部5が4段構成となっている。
【0016】
各段の引出9は、下段収納部5に設けられたスライドレール10を介して前後方向に直線移動自在に支持されている。かかる直線移動により、引出9が下段収納部5に対して引き出し及び引き込み動作する。この引出9と下段収納部5との間には、アシスト機構11が設けられている。
[アシスト機構の構成]
図3(a)は図1のアシスト機構の拡大側面図、図3(b)は図2のアシスト機構の拡大正面図、図4は図1のアシスト機構を背面側から示す拡大斜視図、図5は図1のアシスト機構を正面側から示す拡大斜視図、図6は図1のアシスト機構のダンパーを示す斜視図である
アシスト機構11は、図1〜図6のように、ガイド部としてのガイドレール13と、被ガイド部としてのガイドローラ15と、ダンパー17,19とを備えている。
【0017】
ガイドレール13は、例えば、ステンレス等の金属板からなっている。ガイドレール13は、図2〜図5のように、引出9の側面21に取り付けられ、引出9の動作方向である前後方向に沿って設けられている。このガイドレール13は、本体部23及び傾斜部25,27からなっている。
【0018】
本体部23は、ガイドレール13の前後方向の中間部に形成されている。本体部23の上面は、前後方向に沿った非アシスト面29となっている。本体部23の下面側には、締結プレート31が一体に設けられている。締結プレート31は、ねじ33によって引出9の側面21に締結固定されている。本体部23の前後方向両側には、傾斜部25,27が一体に設けられている。
【0019】
傾斜部25,27は、本体部23に対して折り曲げ形成されている。この傾斜部25,27は、それぞれ前端部及び後端部に向けて漸次下降するように傾斜設定されている。傾斜部25,27の上面には、それぞれアシスト面35,37が形成されている。このため、本実施例のアシスト面35,37は、ガイドレール13の前後方向の両側に設けられた構成となっている。
【0020】
アシスト面35,37は、傾斜部25,27の傾斜設定に応じ、傾きが一定の斜面からなっている。すなわち、アシスト面35,37は、それぞれ前端部及び後端部に向けて漸次下方に傾斜している。
【0021】
前記ガイドローラ15は、支持ユニット39を介して下段収納部5の前端側に支持され、支持ユニット39と共にユニット化されている。支持ユニット39は、支持部41と、可動部43と、付勢部材としてのコイルばね45とからなっている。
【0022】
支持部41は、例えばステンレス等の金属板からなる支持プレート47を備えている。この支持プレート47は、引出9の動作方向に対する交差方向である上下方向に沿って配置されている。
【0023】
支持プレート47の下端は、収納家具1側のスライドレール10の外側面49にボルト51により締結固定されている。支持プレート47の上端には、ボルト55によって端プレート53が締結固定されている。端プレート53は、支持プレート47からスライドレール10上に向けて延設されている。
【0024】
支持プレート47の内側面には、支持レール57が上下方向に沿って設けられている。この支持レール57を介して、可動部43が上下方向移動自在に支持されている。
【0025】
可動部43は、断面矩形の箱状に形成されている。可動部43は、引出9側のガイドレール13外側に隙間を有して配置されている。可動部43の背面側には、ボルト61によってベース59が締結固定されている。ベース59は、支持プレート47の支持レール57にスライド自在に係合している。この可動部43と支持部41の端プレート53との間には、コイルばね45が設けられている。
【0026】
コイルばね45は、その両端が可動部43及び端プレート53にボルト63,65を介して嵌合固定されている。このコイルばね45は、端プレート53に対して可動部43を下方側に付勢している。
【0027】
前記ガイドローラ15は、例えばステンレス等の金属からなっている。ガイドローラ15は、ガイドレール13上に配置されて回転軸67周りに回転自在に支持されている。ガイドローラ15の回転軸67は、支持ユニット39の可動部43に固定されている。このため、ガイドローラ15は、可動部43と共に上下動し、ガイドレール13に対して進退移動する。
【0028】
このガイドローラ15は、可動部43を介してコイルばね45の付勢力によってガイドレール13側である下方側に進出付勢されている。従って、ガイドローラ15は、ガイドレール13上に弾接している。
【0029】
前記ダンパー17,19は、ピストンロッド69,71の収縮移動によってダンパー抗力を発生させる。このダンパー17,19は、内部のリターンスプリングによりピストンロッド69,71が伸張方向へ付勢されている。
【0030】
一方のダンパー17は、ステー73を介して下段収納部5側のスライドレール10上に固定されている。ステー73は、そのベースプレート75がスライドレール10上にボルト77により締結固定されている。
【0031】
ベースプレート75には、縦プレート79が立設され、縦プレート79には、ダンパー17がクランプ81及びボルト83によって締結固定されている。この縦プレート79には、突当プレート85が一体に設けられ、突当プレート85には、ダンパー17の後端が突き当て支持されている。
【0032】
このダンパー17は、引出9の後方に配置されている。ダンパー17のピストンロッド69は、引出9の側面21後端側に固定された押圧ブロック87に前後方向で対向している。これにより、ピストンロッド69は、引出9の引き込み動作時に押圧ブロック87に押圧されて収縮移動するようになっている。
【0033】
他方のダンパー19は、一体のフランジ部91及びねじ93を介して引出9の側面21後端側に固定されている。ダンパー19のピストンロッド71は、下段収納部5の内側面前端側に固定された押圧ブロック89に前後方向で対向している。これにより、ピストンロッド71は、引出9の引き出し動作時に押圧ブロック89に押圧されて収縮移動するようになっている。
[アシスト機構の動作]
図7(a)〜(e)は、アシスト機構の動作を示す側面図である。
【0034】
アシスト機構11は、下段収納部5に対する引出9の引き出し及び引き込み動作をアシストする。以下、引出9の収納位置からの引き出し動作を行う場合について説明する。
【0035】
図7(a)のように、収納位置では、引出9が下段収納部5内に全体として引き込み収納されている。この状態で、下段収納部5側のガイドローラ15は、引出9側のガイドレール13前端側のアシスト面35に弾接している。
【0036】
すなわち、ガイドローラ15は、コイルばね45の付勢力により、前端部に向けて下方へ傾斜したアシスト面35を押圧している。このため、ガイドローラ15は、付勢力の分力による引き込み方向(後方側)への移動力(アシスト力)を発生させている。このアシスト力により、引出9は、下段収納部5に対する収納位置に確実に保持されている。
【0037】
また、収納位置では、ダンパー17のピストンロッド69が、引出9側の押圧ブロック87によって収縮位置に押し込まれている。
【0038】
かかる収納位置から引出9を引き出し操作すると、引出9と共にガイドレール13が引き出し方向(前方側)へ移動する。これによりガイドローラ15は、図7(b)のように、転動しながらガイドレール13のアシスト面35に倣って漸次上方へ退避移動する。
【0039】
このとき、ガイドローラ15は、コイルばね45の付勢力に抗して退避移動するため、上記収納位置同様の引き込み方向へのアシスト力を発生させる。従って、引出9は、引き込み方向へのアシスト力に抗して引き出し動作する。
【0040】
なお、かかる移動時には、ダンパー17のピストンロッド69が、リターンスプリングの付勢によって引出9側の押圧ブロック87に追従して伸張動作する。
【0041】
こうしてガイドローラ15は、ガイドレール13前端側のアシスト面35から中間部の非アシスト面29側に移行する。
【0042】
非アシスト面29上では、図7(c)のように、ガイドローラ15が転動しながら後端側アシスト面37側へ移行する。このとき、非アシスト面29が前後方向に沿っているため、引き込み及び引き出しの何れの方向にもアシスト力が発生しない。従って、引き出し動作の中間段階では、その操作を円滑に行わせることができる。
【0043】
ガイドレール13のアシスト面37上では、図7(d)のように、ガイドローラ15が転動しながらガイドレール13のアシスト面37に倣って漸次下方へ進出移動する。
【0044】
このとき、ガイドローラ15は、コイルばね45の付勢力によって、後端部に向けて下方へ傾斜したアシスト面37を押圧する。従って、ガイドローラ15は、付勢力の分力による引き出し方向への移動力(アシスト力)を発生させることができる。このアシスト力により、引出9は、図7(e)のように、下段収納部5から全体として引き出された突出位置へ自動的に引き出される。
【0045】
このようにアシスト機構11は、引出9の自動的な引き出しによって引き出し動作をアシストすることができる。
【0046】
かかる自動的な引き出し時には、突出位置直前で引出9側のダンパー19による緩衝が行われる。すなわち、ダンパー19は、引出9の引き出し動作に応じて、ピストンロッド71が下段収納部5側の押圧ブロック89に当接すると共に相対的に押圧される。
【0047】
このため、ダンパー19は、ピストンロッド71が収縮移動してダンパー抗力を発生させることができる。従って、アシスト機構11では、衝撃を緩衝しながら引出9の自動的な引き出しアシスト動作を円滑に行わせることができる。
【0048】
なお、突出位置からの引き込み動作は、上記引き出し動作と逆の手順で同様に行わせることができる。
[実施例1の効果]
本実施例のアシスト機構11は、下段収納部5及び引出9の一方側に引出9の動作方向に沿って設けられたガイドレール13と、下段収納部5及び引出部材9の他方側に支持され引出9の動作に応じて前記ガイドレール13に倣って進退移動するガイドローラ15と、ガイドローラ15をガイドレール13側に進出付勢するコイルばね45とを備え、ガイドレール13が、少なくとも引出9の動作方向の一側に設けられ端部側に向けて傾斜したアシスト面35,37を有している。
【0049】
従って、アシスト機構11は、ガイドローラ15がガイドレール13に沿って進退移動することで、ガイドレール13のアシスト面35,37上でコイルばね45の付勢力の分力による引き込み及び引き出し方向の少なくとも一方側へのアシスト力を発生させることができる。
【0050】
このため、アシスト機構11では、引出9を下段収納部5に対する自動的な引き込み及び引き出し動作の少なくとも一方を行わせることができ、引出9の動作をアシストすることができる。
【0051】
しかも、アシスト機構11では、コイルばね45の付勢力によってアシスト力を発生させるため、引出9の重量増加に伴うアシスト力の変動を抑制できる。この結果、アシスト力の変動によって反アシスト方向への操作が困難になることを抑制できる。
【0052】
本実施例のアシスト機構11では、引出9の動作方向の両側にアシスト面35,37が設けられているため、引き込み及び引き出し動作の双方に対してアシスト動作を行うことができる。
【0053】
前記アシスト面35,37は、傾きが一定の斜面からなるため、容易且つ確実に付勢力の分力によるアシスト力を発生させることができる。
【0054】
また、本実施例では、被ガイド部としてのガイドローラ15がガイドレール13上を転動するため、ガイドローラ15をガイドレール13に倣って円滑に進退移動させることができ、アシスト力を円滑に発生させることができる。
【0055】
また、アシスト機構11では、下段収納部5及び引出9の他方側に取り付けられた支持部41と、支持部41に引出9の動作方向に対する交差方向に移動自在に支持された可動部43とを備え、ガイドローラ15が、可動部43に取り付けられ、コイルばね45が、可動部43を付勢する。
【0056】
従って、本実施例では、支持部41、可動部43、ガイドローラ15及びコイルばね45をユニット化することができ、構成を簡素化することができる。
【0057】
また、本実施例のアシスト機構11では、引出9のアシスト動作を緩衝するダンパー17,19を備えたため、衝撃を緩衝しながらアシスト動作を円滑に行わせることができる。
【0058】
しかも、本実施例では、ダンパー17,19を引出9のストッパとして用いることができ、緩衝機能を備えながら構成を簡素化することができる。
【実施例2】
【0059】
図8(a)〜(e)は、本発明の実施例2に係るアシスト機構の動作を示す側面図である。なお、本実施例は、上記実施例1と基本構造が共通しているため、対応する部分に同符号或いは同符号にAを付して重複した説明を省略する。
【0060】
本実施例のアシスト機構11Aは、上記実施例1の一対のダンパー17,19に代えて、単一のダンパー95を設けたものである。
【0061】
ダンパー95は、両側のピストンロッド69A,71Aが図示しないピストンを介して連動構成されており、ピストンロッド69A,71Aの一方が収縮すると他方が伸張する。なお、ピストンロッド69A及び71Aは、内部のリターンスプリングにより伸張方向へ付勢されており、フリー状態で中立位置に保持される。このダンパー95は、ピストンロッド69A,71Aの収縮移動によって双方向でのダンパー抗力を発生させるようになっている。
【0062】
かかるダンパー95は、引出9の側面21後端側に対してクランプ81によって固定されている。一方のピストンロッド69Aは、引出9後方でスライドレール10上に固定された押圧ブロック87Aに前後方向で対向している。他方のピストンロッド71Aは、下段収納部5の前端側に固定された押圧ブロック89Aに前後方向で対向している。
【0063】
従って、本実施例のアシスト機構11Aにおいても、上記実施例1と同様の作用効果を奏することができる。
【0064】
加えて、アシスト機構11Aでは、自動的な引き込み及び引き出しによる何れのアシスト動作時にも、単一のダンパー95によってダンパー抗力を発生させることができ、構成を簡素化することができる。
【実施例3】
【0065】
図9は、本発明の実施例3に係るアシスト機構のガイドレールを示す側面図である。なお、本実施例は、上記実施例1及び2と基本構造が共通しているため、対応する部分に同符号或いは同符号にBを付して重複した説明を省略する。
【0066】
本実施例では、図9のように、上記実施例1のガイドレール13に代えて、前後方向中間部に凹部99を備えたガイドレール13Bが用いられている。
【0067】
すなわち、ガイドレール13Bは、本体部23Bの中間部に湾曲形成された凹部99を備えている。この凹部99は、その曲率がガイドローラ15の曲率とほぼ同一となっており、ガイドローラ15の下部側を嵌合させるようになっている。
【0068】
従って、本実施例では、上記実施例1と同様の作用効果を奏することができるのに加え、ガイドローラ15がガイドレール13Bの凹部99に嵌合することで、引出9を収納位置及び突出位置の中間位置で保持することができる。
【実施例4】
【0069】
図10は、本発明の実施例4に係るアシスト機構のガイドレールを示す側面図である。なお、本実施例は、上記実施例1及び2と基本構造が共通しているため、対応する部分に同符号或いは同符号にCを付して重複した説明を省略する。
【0070】
本実施例では、図10のように、上記実施例1のガイドレール13に代えて、アシスト面35C,37Cの中間部にステップ面101を有するガイドレール13Cが用いられている。
【0071】
すなわち、ガイドレール13Cは、傾斜部25C,27Cの中間部に、前後方向に沿ったステップ部103を備えている。このステップ部103の上面に、ステップ面101が形成されている。
【0072】
従って、本実施例においても、上記実施例1と同様の作用効果を奏することができる。加えて、本実施例では、アシスト面35C,37Cの中間部にアシスト力が発生しないステップ面101が存在するため、反アシスト方向への操作時にステップ面101において引出9を加速等させることができる。従って、より容易に反アシスト方向への操作を行わせることができる。
【0073】
また、アシスト動作時には、ステップ面101においてアシスト力を発生しないため、引出9を惰性で動作させることができる。結果として、本実施例では、ダンパー17,19,95の負荷を軽減することができる。
【実施例5】
【0074】
図11は、本発明の実施例5に係るアシスト機構のガイドレールを示す側面図である。なお、本実施例は、上記実施例1及び2と基本構造が共通しているため、対応する部分に同符号或いは同符号にDを付して重複した説明を省略する。
【0075】
本実施例では、図11のように、上記実施例1のガイドレール13に代えて、前後方向の両端部に返し部105を備えたガイドレール13Dが用いられている。
【0076】
すなわち、ガイドレール13Dは、傾斜部25D,27Dの先端部に返し部105が湾曲形成されている。この返し部105は、先端が上方に向けて延設され、傾斜部25D,27Dとは逆向きに傾斜している。この返し部105に倣ってガイドローラ15が移動することで、反アシスト力が発生するようになっている。
【0077】
従って、本実施例では、上記実施例1と同様の作用効果を奏することができるのに加え、アシスト動作終了時に返し部105による反アシスト力を作用させてダンパー効果を発揮することができる。この結果、ダンパー17,19,95の負荷を軽減することができる。
【実施例6】
【0078】
図12は、本発明の実施例6に係るアシスト機構のガイドレールを示す側面図である。なお、本実施例は、上記実施例1及び2と基本構造が共通しているため、対応する部分に同符号或いは同符号にEを付して重複した説明を省略する。
【0079】
本実施例では、図12のように、上記実施例1のガイドレール13に代えて、アシスト面35E,37Eの前後方向位置を変更したガイドレール13Eが用いられている。
【0080】
すなわち、ガイドレール13Eは、前後端部に対する中間部寄りに傾斜部25E,27Eが設けられている。この傾斜部25E,27Eの表面に、アシスト面35E,37Eが形成されている。
【0081】
傾斜部25E,27Eに対する前後端部側には、前後方向に沿ったボトム部107が形成されている。ボトム部107の表面には、ボトム面109が形成されている。
【0082】
従って、本実施例においても、上記実施例1と同様の作用効果を奏することができる。
【0083】
加えて、本実施例では、アシスト面35E,37Eに対する前後端部側にアシスト力が発生しないボトム面109が存在するため、反アシスト方向への操作時にボトム面109において引出9を加速等させることができる。従って、より容易に反アシスト方向への操作を行わせることができる。
【0084】
また、本実施例では、ボトム面109においてアシスト力を発生しないため、アシスト動作終了直前に引出9を惰性で動作させることができる。結果として、本実施例では、ダンパー17,19,95の負荷を軽減することができる。
【実施例7】
【0085】
図13は、本発明の実施例7に係るアシスト機構のガイドレールを示す側面図である。なお、本実施例は、上記実施例1及び2と基本構造が共通しているため、対応する部分に同符号或いは同符号にFを付して重複した説明を省略する。
【0086】
本実施例では、図13のように、上記実施例1のガイドレール13に代えて、複数の斜面からなるアシスト面35F,37Fを備えたガイドレール13Fが用いられている。
【0087】
すなわち、ガイドレール13Fは、傾斜部25F,27Fが前後方向中間部で折り曲げられて、本体部23F側の第1傾斜部111及び端部側の第2傾斜部113を備えている。第1傾斜部111は、第2傾斜部113よりも傾斜角が小さくなっている。
【0088】
アシスト面35F,37Fは、傾斜部25F,27Fの第1傾斜部111及び第2傾斜部113の表面に形成された斜面115,117からなっている。すなわち、アシスト面35F,37Fは、傾きの異なる2つの斜面115,117からなっている。なお、アシスト面は、3つ以上の傾きの異なる斜面によって構成してもよい。
【0089】
なお、本実施例のガイドレール13Fでは、本体部23Fの下面側に一体のリブ119が設けられ、剛性の向上が図られている。
【0090】
本実施例においても、上記実施例1と同様の作用効果を奏することができる。
【0091】
加えて、本実施例では、アシスト力を段階的に変化させることで、アシスト力の発生をダンパー17,19,95のダンパー特性に合わせることができる。この結果、本実施例では、より円滑に引出9のアシスト動作を行うことができる。
【実施例8】
【0092】
図14は、本発明の実施例8に係るアシスト機構を示す側面図である。なお、本実施例は、上記実施例1と基本構造が共通しているため、対応する部分に同符号或いは同符号にGを付して重複した説明を省略する。
【0093】
本実施例では、図14のように、上記実施例1の単一のガイドレール13に代えて、一対の引き出し及び引き込み用のガイドレール13G,14Gが用いられている。
【0094】
ガイドレール13G,14Gは、引出9の前後方向両側に対称に配置され、両者間に隙間121が形成されている。この隙間121側の傾斜部25Fは、傾斜部27Fよりも緩やかに傾斜設定され、反アシスト力の低減が行われている。
【0095】
傾斜部25Fの先端は、フリー状態のガイドローラ15の回転軸心よりも下方に配置されている。これにより、傾斜部25Fは、隙間121でフリー状態となったガイドローラ15を乗り上げ可能としている。
【0096】
かかる本実施例においても、上記実施例1と同様の作用効果を奏することができる。
【0097】
加えて、本実施例では、ガイドレール13G,14Gが分割構成されて引出9の前後方向両側に配置されているため、引出9の前後方向の長さ変更に対して容易に対応することができる。
【0098】
また、ガイドレール13G,14G間では、隙間121内でガイドローラ15をフリー状態とすることができ、引き出し及び引き込み動作を容易に行わせることができる。
【実施例9】
【0099】
図15は、本発明の実施例9に係るアシスト機構に用いられる支持ユニットを示す正面図である。なお、本実施例は、上記実施例1と基本構造が共通しているため、対応する部分に同符号或いは同符号にHを付して重複した説明を省略する。
【0100】
本実施例では、上記実施例1の支持ユニット39に代えて、ダンパー123を備えた支持ユニット39Hが用いられている。
【0101】
支持ユニット39Hは、可動部43H内にダンパー123が収容支持されている。ダンパー123のピストンロッド125は、可動部43Hの下面から突出し、上下方向に伸縮動作するようになっている。このピストンロッド125の先端部127は、下段収納部5のスライドレール10上面に対向配置されている。
【0102】
このような支持ユニット39Hでは、引出9の引き出し及び引き込み動作に応じて、ピストンロッド125の先端部127が下段収納部5のスライドレール10上面に当接すると共に押圧される。
【0103】
このため、アシスト機構11Hでは、支持ユニット39Hの可動部43H内のダンパー123によって衝撃を緩衝しながら引出9の自動的な引き出しアシスト動作を円滑に行わせることができる。
【0104】
かかる本実施例においても、上記実施例1と同様の作用効果を奏することができる。
【0105】
加えて、本実施例では、支持ユニット39Hの可動部43H内のダンパー123によって、引き出し及び引き込み動作時の衝撃を緩衝することができる。
【0106】
このため、本実施例では、ガイドローラ15側にダンパー123を含めてユニット化することができ、上記実施例のダンパーや押圧ブロック等を省略して構造の簡素化、部品点数の削減、組付作業性の向上等を図ることができる。
[その他]
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各種の設計変更が可能である。
【0107】
例えば、上記実施例では、アシスト機構11〜11Hをガイドレール13〜13Hの上方からガイドローラ15を弾接させるように設置していたが、全体して上下逆向きに設置してガイドローラ15をガイドレール13〜13Hの下方側から弾接するように構成することもできる。同様に、アシスト機構11〜11Hを水平方向に寝かせて設置することも可能である。この場合は、ガイドレール13〜13Hを引出9の下面側に取り付ければよい。
【0108】
また、上記実施例では、ガイドレール13〜13Hを引出9側に設けると共にガイドローラ15を下段収納部5側に設けていたが、これとは逆にガイドレール13〜13Hを下段収納部5側に設けると共にガイドローラ15を引出9側に設けてもよい。
【0109】
また、上記実施例では、ガイド部としてガイドレール13〜13Hを用いていたが、例えば、ブロック状のガイド部を用いることも可能である。
【0110】
上記実施例では、アシスト面35〜35H,37〜37Hを斜面によって構成していたが、例えば傾きの異なる微小な複数の斜面からなる曲面によって構成してもよい。
【0111】
上記実施例3〜9のガイドレールの構成は、適宜組み合わせて用いることができる。
【0112】
また、本発明のアシスト機構は、例えば引出部材としての収納家具や建具の引き戸にも適用することができる。
【符号の説明】
【0113】
5 下段収納部
9 引出(引出部材)
11 アシスト機構
13 ガイドレール(ガイド部)
15 ガイドローラ(被ガイド部)
17,19,95 ダンパー
35,37 アシスト面
41 支持部
43 可動部
45 コイルばね(付勢部材)
99 凹部
101 ステップ面
109 ボトム面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
収納部に対する引出部材の引き出し及び引き込み動作の少なくとも一方をアシストする引出部材のアシスト機構であって、
前記収納部及び引出部材の一方側に前記引出部材の動作方向に沿って設けられたガイド部と、
前記収納部及び引出部材の他方側に支持され前記引出部材の動作に応じて前記ガイド部に倣って進退移動する被ガイド部と、
該被ガイド部を前記ガイド部側に進出付勢する付勢部材とを備え、
前記ガイド部は、少なくとも前記引出部材の動作方向の一側に設けられ端部側に向けて傾斜したアシスト面を有する、
ことを特徴とする引出部材のアシスト機構。
【請求項2】
請求項1記載の引出部材のアシスト機構であって、
前記アシスト面は、前記引出部材の動作方向両側に設けられた、
ことを特徴とする引出部材のアシスト機構。
【請求項3】
請求項1又は2記載の引出部材のアシスト機構であって、
前記アシスト面は、傾きが一定の斜面からなる、
ことを特徴とする引出部材のアシスト機構。
【請求項4】
請求項1又は2記載の引出部材のアシスト機構であって、
前記アシスト面は、傾きが異なる複数の斜面からなる、
ことを特徴とする引出部材のアシスト機構。
【請求項5】
請求項1〜4の何れかに記載の引出部材のアシスト機構であって、
前記アシスト面は、中間部に前記引出部材の動作方向に沿ったステップ面を備えている、
ことを特徴とする引出部材のアシスト機構。
【請求項6】
請求項1〜5の何れかに記載の引出部材のアシスト機構であって、
前記アシスト面は、前記端部側に反アシスト力を発生する返し部を備えた、
ことを特徴とする引出部材のアシスト機構。
【請求項7】
請求項1〜5の何れかに記載の引出部材のアシスト機構であって、
前記アシスト面は、前記端部側に前記引出部材の動作方向に沿ったボトム面を備えている、
ことを特徴とする引出部材のアシスト機構。
【請求項8】
請求項1〜7の何れかに記載の引出部材のアシスト機構であって、
前記ガイド部は、前記引出部材の動作方向中間部に前記被ガイド部を嵌合させる凹部を備えた、
ことを特徴とする引出部材のアシスト機構。
【請求項9】
請求項1〜8の何れかに記載の引出部材のアシスト機構であって、
前記ガイド部は、ガイドレールであり、
前記被ガイド部は、前記ガイドレール上を転動するローラである、
ことを特徴とする引出部材のアシスト機構。
【請求項10】
請求項1〜9の何れかに記載の引出部材のアシスト機構であって、
前記収納部及び引出部材の他方側に取り付けられた支持部と、
該支持部に前記引出部材の動作方向に対する交差方向に移動自在に支持された可動部とを備え、
前記被ガイド部は、前記可動部に取り付けられ、
前記付勢部材は、前記可動部を付勢する、
ことを特徴とする引出部材のアシスト機構。
【請求項11】
請求項1〜10の何れかに記載の引出部材のアシスト機構であって、
前記引出部材のアシスト動作を緩衝するダンパーを備えた、
ことを特徴とする引出部材のアシスト機構。
【請求項1】
収納部に対する引出部材の引き出し及び引き込み動作の少なくとも一方をアシストする引出部材のアシスト機構であって、
前記収納部及び引出部材の一方側に前記引出部材の動作方向に沿って設けられたガイド部と、
前記収納部及び引出部材の他方側に支持され前記引出部材の動作に応じて前記ガイド部に倣って進退移動する被ガイド部と、
該被ガイド部を前記ガイド部側に進出付勢する付勢部材とを備え、
前記ガイド部は、少なくとも前記引出部材の動作方向の一側に設けられ端部側に向けて傾斜したアシスト面を有する、
ことを特徴とする引出部材のアシスト機構。
【請求項2】
請求項1記載の引出部材のアシスト機構であって、
前記アシスト面は、前記引出部材の動作方向両側に設けられた、
ことを特徴とする引出部材のアシスト機構。
【請求項3】
請求項1又は2記載の引出部材のアシスト機構であって、
前記アシスト面は、傾きが一定の斜面からなる、
ことを特徴とする引出部材のアシスト機構。
【請求項4】
請求項1又は2記載の引出部材のアシスト機構であって、
前記アシスト面は、傾きが異なる複数の斜面からなる、
ことを特徴とする引出部材のアシスト機構。
【請求項5】
請求項1〜4の何れかに記載の引出部材のアシスト機構であって、
前記アシスト面は、中間部に前記引出部材の動作方向に沿ったステップ面を備えている、
ことを特徴とする引出部材のアシスト機構。
【請求項6】
請求項1〜5の何れかに記載の引出部材のアシスト機構であって、
前記アシスト面は、前記端部側に反アシスト力を発生する返し部を備えた、
ことを特徴とする引出部材のアシスト機構。
【請求項7】
請求項1〜5の何れかに記載の引出部材のアシスト機構であって、
前記アシスト面は、前記端部側に前記引出部材の動作方向に沿ったボトム面を備えている、
ことを特徴とする引出部材のアシスト機構。
【請求項8】
請求項1〜7の何れかに記載の引出部材のアシスト機構であって、
前記ガイド部は、前記引出部材の動作方向中間部に前記被ガイド部を嵌合させる凹部を備えた、
ことを特徴とする引出部材のアシスト機構。
【請求項9】
請求項1〜8の何れかに記載の引出部材のアシスト機構であって、
前記ガイド部は、ガイドレールであり、
前記被ガイド部は、前記ガイドレール上を転動するローラである、
ことを特徴とする引出部材のアシスト機構。
【請求項10】
請求項1〜9の何れかに記載の引出部材のアシスト機構であって、
前記収納部及び引出部材の他方側に取り付けられた支持部と、
該支持部に前記引出部材の動作方向に対する交差方向に移動自在に支持された可動部とを備え、
前記被ガイド部は、前記可動部に取り付けられ、
前記付勢部材は、前記可動部を付勢する、
ことを特徴とする引出部材のアシスト機構。
【請求項11】
請求項1〜10の何れかに記載の引出部材のアシスト機構であって、
前記引出部材のアシスト動作を緩衝するダンパーを備えた、
ことを特徴とする引出部材のアシスト機構。
【図1】
【図3】
【図4】
【図5】
【図7】
【図8】
【図14】
【図15】
【図2】
【図6】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図3】
【図4】
【図5】
【図7】
【図8】
【図14】
【図15】
【図2】
【図6】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−254997(P2011−254997A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−132260(P2010−132260)
【出願日】平成22年6月9日(2010.6.9)
【出願人】(000236665)不二ラテックス株式会社 (82)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月9日(2010.6.9)
【出願人】(000236665)不二ラテックス株式会社 (82)
【Fターム(参考)】
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