説明

引戸の上部ガイド構造

【課題】上レールの取付高さに多少の不均一があっても戸板を円滑に走行させることができ、不意の衝撃によっても戸板が上レールから外れることのない、使い勝手と安全性に優れる戸板の上部ガイド構造を提供する。
【解決手段】上レール12は下方に開口するリップ溝形断面形状を有し、ランナ部材41は、戸板10に取り付けられるケース部42と、ケース部42内に昇降自在に収容されるアジャスタ部43と、アジャスタ部43の上方に取り付けられて水平回転するレール係合部44とを有する。レール係合部44はバネ部材58を介して一方の回転方向に付勢され、回転軸を挟む略等距離位置に、上レール12の両リップ部23間隔よりも小径なる一対のガイドローラ55が取り付けられる。各ガイドローラ55の周面に形成された凹溝がリップ部23の端縁に係合して、レール係合部44が案内される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、戸板の上部が天井面等に取り付けられた上レールに案内されて走行する引戸の上部ガイド構造に関する。
【背景技術】
【0002】
室内空間の可動間仕切りとして設置されるような、比較的背が高くて重量の大きい引戸(引き違い戸を含む)を、天井面等に設置した上レールから吊持する上吊り方式の引戸は、戸板の荷重を負担する上レールに相当の強度が要求され、天井部分の構造設計やレールの部材設計における難易度が高い。また、戸板を上レールに吊り込む作業も手間がかかる。
【0003】
これに対し、引戸の荷重を床面に敷設した下レールで支承する床支持方式の引戸は、部材設計が経済的に済み、戸板の建て込み作業も比較的容易である。また、天井高に多少の不均一があっても、床面と戸板との間に生じるクリアランスを一定にできるので、床面と戸板との間に足指を挟むような事故は生じにくい。
【0004】
床支持方式の引戸においても、戸板の上部が天井面や上部枠などから外れて倒れるのを防ぎつつ、戸板を円滑に走行させるため、戸板の上部をガイドする上レールが天井面や上部枠に沿って設けられる。このような床支持方式の引戸における上部ガイド構造としては、天井面や上部枠に設けた溝の内側に戸板の上部を単純に嵌め込むけんどん方式のほか、例えば特許文献1、2等に記載の技術が公知である。
【特許文献1】特開平10−196200号公報
【特許文献2】特開2002−81265号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のけんどん方式や上記特許文献1記載のような上部ガイド構造では、上レールに対する戸板の掛かりしろを十分に確保しないと、戸板走行時の衝撃や人の寄り掛かり、あるいは地震の衝撃等によって戸板が上レールから外れ、倒れるおそれがある。
【0006】
ところが、一般的な天井仕上げとしては、天井面に厚さ十数ミリ程度の石こうボード等を貼設し、その石こうボード等の板厚内に上レールを埋め込むことも多い。このような条件下で、天井面一杯までの可動間仕切り等を建て込もうとすると、上レール自体の高さ寸法が小さいため、戸板の掛かりしろが少ししか確保できない。したがって、床面から上レールまでの高さを精度良く均一に仕上げなければならず、そのために必要以上の手間がかかり、天井面全体の施工性にも影響する。また、天井面に埋め込んだ上レールに、経年使用による若干の撓みや湾曲が生じることもあり、これによって戸板が上レールから外れやすくなったり、戸板の円滑な走行性が損なわれたりするおそれもある。
【0007】
上記特許文献2には、上レールの断面形状を下方に開口するリップ溝形形状とし、この上レール内に4個の走行輪を備えたランナ部材を組み込んで、上レールのリップ部上を走行させるガイド構造が開示されている。このようなガイド構造によると、上レールからランナ部材が外れてしまうおそれはないが、上レール自体の高さ寸法が小さい場合ば、ランナ部材が上レール内で上下動しうるクリアランスも少なくなるので、床面から上レールまでの高さに微小な不陸があるだけで戸板の走行に支障をきたす。したがって、このようなガイド構造を採用する場合も、床面から上レールまでの高さを精度良く均一に仕上げなければならず、施工面での負担が大きくなる。
【0008】
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたもので、上レールの取付高さに多少の不均一があっても戸板を円滑に走行させることができ、かつ、不意の衝撃によっても戸板が上レールから外れることのないような、使い勝手と安全性に優れる戸板の上部ガイド構造を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記した目的を達成するため、本発明の引戸の上部ガイド構造は、下レール上を走行する戸板の上部に、戸板1枚につき少なくとも2個のランナ部材が取り付けられ、このランナ部材が戸板の上方に配設された上レールに沿って案内される引戸の上部ガイド構造であって、上レールは、下方に開口するリップ溝形断面形状を有し、ランナ部材は、戸板の隅部に取り付けられる、天面の開口したケース部と、このケース部内に、一定範囲内を自由に昇降しうる状態で収容されるアジャスタ部と、アジャスタ部の上方に取り付けられるレール係合部とを有し、レール係合部は、アジャスタ部に設けられた垂直回転軸を介して水平面内を回転しうるように保持されるとともに、バネ部材を介して一方の回転方向に付勢され、上記垂直回転軸を挟む略等距離位置に、上レールの両リップ部間隔よりも直径の小さい一対のガイドローラが、それぞれ略水平に回転しうるように取り付けられ、各ガイドローラが、その周面に形成された凹溝をリップ部の端縁に係合させることにより、レール係合部が上レールに弾性的に係合した状態で上レールに沿って案内されることを特徴とする。
【0010】
この発明によると、戸板に取り付けられるケース部に対して、上レールに係合するレール係合部がアジャスタ部を介して自由に昇降するので、上下レール間の高さに不陸がある場合でも、アジャスタ部がその不陸を吸収して、上レールに対するレール係合部の係合状態が常に良好に保持される。
【0011】
さらに、レール係合部は、水平回転する一対のガイドローラによって上レールのリップ部の端縁に係合するので、上レールの高さが小さい場合でも、上レールの幅さえ確保すれば、ガイドローラの径も大きくすることができ、走行が円滑になる。
【0012】
ガイドローラの径は上レールの両リップ部間隔よりも小さいので、上レールの任意の位置で、下方から挿入して上レールに係合させることができる。したがって、上レールにレール係合部を挿入するための欠取部等を形成する必要がない。上レールに係合されたガイドローラには、レール係合部を一方向に回転させる付勢力が作用し、ガイドローラが両リップ部間に突っ張り状態で係合されるので、戸板は常に上レールの軸心の直下に保持される。ガイドローラには、レール係合部を回転させる付勢力と、レール係合部及びアジャスタ部の自重による鉛直荷重しか作用しないので、戸板走行時の摩擦抵抗が小さく、部品の構造も簡素で済み、耐久性も向上する。
【0013】
さらに本発明は、上記レール係合部におけるガイドローラよりも上方位置に、短辺が上レールの両リップ部間隔よりも僅かに小さく、長辺が両リップ部間隔よりも大きい略矩形または略長円形の外れ止め板が、略水平に取り付けられたことを特徴とする。
【0014】
この発明によると、万一、不意の衝撃を受けてガイドローラが上レールのリップ部から脱輪しても、両リップ部間隔より大きい長辺寸法を有する外れ止め板が、レール係合部を回転させる付勢力を受けた状態で上レールのリップ部上に引っ掛かり、戸板が倒れるのを防ぐことができる。
【0015】
上記レール係合部に保持される一対のガイドローラは、短辺が上レールの両リップ部間隔よりも大きい略矩形または略長円形のガイドベース板の両端部近傍にそれぞれ軸着されるのが好ましい。これによると、アジャスタ部上で水平方向に回転するレール係合部の回転姿勢が安定し、レール係合部が戸板の上框や上レールの下面に引っ掛かるのを防ぎやすくなる。
【0016】
レール係合部を昇降させるアジャスタ部は、例えば、ケース部内に設けられた4節の平行リンク機構を介して垂直方向に平行移動しうるように保持されたものとすることができる。
【0017】
また、上記発明におけるケース部は、戸板の隅部に対して側方から取着し得るように形成されるのが好ましい。この構成によると、戸板を建て込む前に上レールにランナ部材のレール係合部を予め係合させておき、戸板を建て込む際に、上レールからぶら下がったランナ部材のケース部を戸板の隅部に取り付けることができるので、施工が容易になる。
【発明の効果】
【0018】
上述のように構成される本発明の引戸の上部ガイド構造によれば、戸板に取り付けられるケース部に対し、上レールに係合するレール係合部がアジャスタ部を介して自由に昇降するので、上下レール間の高さに不陸がある場合でも、アジャスタ部がその不陸を吸収して、上レールに対するレール係合部の係合状態が常に良好に保持される。
【0019】
レール係合部は、水平回転する一対のガイドローラによって、上レールのリップ部の端縁に係合するので、上レールの高さが小さい場合でもガイドローラの径を適切に確保することができる。さらに、ガイドローラは上レールの両リップ部間隔よりも小径なので、上レールに対して任意の位置から係合させることができる。そして、このガイドローラに、レール係合部を一方向に回転させる付勢力を作用させることによって、上レールへの係合状態が安定し、戸板の走行が円滑になるとともに、戸板が常に上レールの軸心の直下に保持されることとなる。
【0020】
さらに、ガイドローラの上方に外れ止め板を取り付けることにより、万一、不意の衝撃を受けてガイドローラが上レールのリップ部から脱輪した場合でも、戸板が倒れるのを防ぐことができる。
【0021】
このような利点を生かせば、厚さ十数ミリ程度の天井仕上材の板厚内に上レールを埋め込むことも容易になり、天井全体の構造設計や部材設計における経済性が向上するとともに施工性も良好になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
【0023】
図1は、本発明の引戸の上部ガイド構造を採用した引戸の概略構成を示す。この引戸は、開口部の略半分幅の2枚の戸板10が引き違い可能に配置されたもので、2枚の戸板10は、床面に敷設された2本の下レール11と、天井面に取り付けられた2本の上レール12とによってそれぞれガイドされる。
【0024】
下レール11は、本発明の要部ではなく、その構造は特に限定されないが、例えば床面に埋め込まれる略U字状の形状をなし、その溝上を戸板10の下部に取り付けられた高さ調整機能付きの下戸車13が転動しうるようなものである。
【0025】
図2〜図5は、本発明の引戸の上部ガイド構造の実施形態を示す。
【0026】
上レール12は、戸板10の厚みと略同幅に形成された上底部21と、上底部21の両縁から垂下する一対の側壁部22と、側壁部22の下縁から内側に向かって水平に張り出す一対のリップ部23とを備えた、いわゆるリップ溝形断面形状をなしている。例示の上レール12は、上底部21を天井下地材31にビス止めすることにより天井面に固定され、その両側に上レール12と略同厚の天井仕上材(例えば石こうボード等)32が貼設されている。
【0027】
上レール12を2本引きに配設する場合には、例えば2本の上レール12を、上底部21を延設して形成した適宜幅の連結板を介して一体に成形し、その連結板を天井下地材31に固定するようにしてもよい。
【0028】
上レール12における側壁部22の外側には、天井仕上材32の端面を当接させるための凸条24が、材軸方向に沿って形成されている。さらに、側壁部22の下縁部には、リップ部23の外方に延設された張出片25と、この張出片よりやや上方に突設された突片26からなる溝部が形成されている。この溝部は、天井仕上材32の下面に貼設されるクロス材33の端部を美麗に仕舞って、クロス材33の端部がめくれるのを防ぐのに寄与する。
【0029】
ランナ部材41は、戸板10の隅部2ヶ所にて戸板10を上レール12に係合する部材であって、戸板10の隅部に取り付けられるケース部42と、ケース部42内に収容されるアジャスタ部43と、アジャスタ部43の上方に取り付けられるレール係合部44とを備える。
【0030】
ケース部42は、天面が開口して内側に中空部を有する略箱状の部材であって、その前後幅が戸板10の厚みに収まる寸法に形成され、図5に示すように、戸板10の隅部に形成された取付用切欠部14に側方から取り付けられる。ケース部42と戸板10との固定は、ケース部42本体、またはケース部42の一部から延設された適宜形状の固定片45を戸板10にビス止めすることにより行われる。
【0031】
アジャスタ部43は、垂直方向の軸孔を有する筒体46と、この筒体46をケース部42内で自由に昇降させる昇降手段を有している。例示の形態に係る昇降手段は、筒体46の側部に形成された袖板47と、ケース部42の内側に突設されたアジャスタ支持片48、49とが、上下2本のリンクアーム51、52を介してピン連結されることにより、いわゆる4節の平行リンク機構となるように構成されている。これにより、筒体46が一定範囲内で自由に昇降しうるように保持される。
【0032】
レール係合部44は、上記筒体46の軸孔に挿入されて上方に突出する軸ピン53と、軸ピン53に取り付けられたガイドベース板54と、ガイドベース板54の両端部近傍にそれぞれ軸着されて水平に回転する一対のガイドローラ55と、ガイドローラ55よりも上方位置にて軸ピン53に取り付けられた外れ止め板56とを有している。
【0033】
軸ピン53は、筒体46の底部に挿通されたビス57によって筒体46から抜け出さないように保持され、筒体46の軸孔内で自由に回転する。ガイドベース板54は、短辺が上レール12の両リップ部23間隔(図4における符号W)よりも大きい略矩形または略長円形の形状をなし、その中心に軸ピン53が挿通されて、軸ピン53ととともに水平面内を回転しうるように保持される。このガイドベース板54と筒体46との間には、例えばトーションバネのようなバネ部材58が掛着され、ガイドベース板54を一方の回転方向に付勢している。
【0034】
ガイドローラ55は、その最大外径が上レール12の両リップ部23間隔よりもわずかに(数ミリ程度)小さくなるように形成され、軸ピン53を挟んで等距離かつ正反対の位置となるように、ガイドベース板54に軸着されている。ガイドローラ55の周面には凹溝が形成されて、この凹溝が上レール12のリップ部23の端縁に係合する。
【0035】
軸ピン53の頂部はガイドローラ55よりも上方まで突出しており、その頂部に外れ止め板56が水平に固着されている。外れ止め板56の形状は、短辺が上レール12の両リップ部23間隔よりも僅かに小さく、長辺が両リップ部23間隔よりも大きい略矩形または略長円形となされている。
【0036】
このようなランナ部材41を介して戸板10を上レール12に係合すれば、上下レール間の高さに不陸がある場合でも、その不陸をアジャスタ部43が吸収するので、上レール12に対するレール係合部44の係合状態が常に良好に保持される。また、ガイドローラ55には、レール係合部44を一方向に回転させる付勢力が作用し、一対のガイドローラ55が両リップ部23間に突っ張り状態で係合されるので、戸板10は常に上レール12の軸心の直下に保持される。ガイドローラ55には、レール係合部44を回転させる付勢力と、レール係合部44及びアジャスタ部43の自重による鉛直荷重しか作用しないので、戸板10を走行させるときの摩擦抵抗は小さくて済み、戸板10が円滑に走行する。
【0037】
さらに、このガイドローラ55は、上レール12のリップ部23に対して簡単に係合させることができる。すなわち、図6に示すように、ガイドベース板54の長軸を上レール12と平行にした状態でランナ部材41を持ち上げれば、最大外径が上レール12の両リップ部23間隔よりもわずかに小さいガイドローラ55は、簡単に両リップ部23間に挿入されて両リップ部23に係合する。したがって、上レール12にランナ部材41を挿入するための欠取部を形成したり、その欠取部を閉鎖するためのストッパ部材を用意したりする必要は一切ない。
【0038】
予め、戸板1枚あたり2個ずつのランナ部材41を、戸板10に取り付けていない状態で上レール12に係合させ、その後、戸板10を下レール11に載せて建て起こし、戸板10の隅部にランナ部材41のケース部42を固定すれば、戸板10を持ち上げることなく、開口面内の任意の位置で、戸板10とランナ部材41とを容易に連結することができる。
【0039】
また、万一、戸板10に強い衝撃が加わってガイドローラ55が上レール12のリップ部23から脱輪しても、両リップ部23間隔より大きい長辺寸法を有する外れ止め板56が、レール係合部44を回転させる付勢力を受けた状態で上レール12のリップ部23上に引っ掛かるので、戸板10が倒れるのを防ぐことができる。
【0040】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されず、戸板10及びレールの数や開閉形態(片引き、引き違い、引き込み、引き分け等)を変えたり、上レール12を天井以外の部位(例えば梁下等)に取り付けたりするなどの形態によっても実施することは可能である。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明の引戸の上部ガイド構造は、各種建築物や家具の引戸式建具、可動間仕切り壁等に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の実施形態に係る引戸の概略構成を示す立面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る引戸の上部ガイド構造を示す図であって、上レール及びランナ部材を上レールの材軸と直交する方向に切断した縦断面である。
【図3】同じく、上レール及びランナ部材を上レールの材軸と平行な方向に切断した縦断面である。
【図4】同じく、上レールに係合したランナ部材を上から見た上面図である。
【図5】ランナ部材と、その戸板への取り付け形態を示す部分斜視図である。
【図6】ランナ部材のレール係合部を上レールに係合させる方法を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0043】
10 戸板
11 下レール
12 上レール
23 リップ部
41 ランナ部材
42 ケース部
43 アジャスタ部
44 レール係合部
54 ガイドベース板
55 ガイドローラ
56 外れ止め板
58 バネ部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下レール上を走行する戸板の上部に、戸板1枚につき少なくとも2個のランナ部材が取り付けられ、このランナ部材が戸板の上方に配設された上レールに沿って案内される引戸の上部ガイド構造であって、
上レールは、下方に開口するリップ溝形断面形状を有し、
ランナ部材は、戸板の隅部に取り付けられる、天面の開口したケース部と、このケース部内に、一定範囲内を自由に昇降しうる状態で収容されるアジャスタ部と、アジャスタ部の上方に取り付けられるレール係合部とを有し、
レール係合部は、アジャスタ部に設けられた垂直回転軸を介して水平面内を回転しうるように保持されるとともに、バネ部材を介して一方の回転方向に付勢され、上記垂直回転軸を挟む略等距離位置に、上レールの両リップ部間隔よりも直径の小さい一対のガイドローラが、それぞれ略水平に回転しうるように取り付けられ、各ガイドローラが、その周面に形成された凹溝をリップ部の端縁に係合させることにより、レール係合部が上レールに弾性的に係合した状態で上レールに沿って案内されることを特徴とする引戸の上部ガイド構造。
【請求項2】
レール係合部におけるガイドローラよりも上方位置に、短辺が上レールの両リップ部間隔よりも僅かに小さく、長辺が両リップ部間隔よりも大きい略矩形または略長円形の外れ止め板が、略水平に取り付けられたことを特徴とする請求項1に記載の引戸の上部ガイド構造。
【請求項3】
レール係合部に保持される一対のガイドローラは、短辺が上レールの両リップ部間隔よりも大きい略矩形または略長円形のガイドベース板の両端部近傍にそれぞれ軸着されたことを特徴とする請求項1に記載の引戸の上部ガイド構造。
【請求項4】
アジャスタ部は、ケース部内に設けられた4節の平行リンク機構を介して垂直方向に平行移動しうるように保持されたことを特徴とする請求項1に記載の引戸の上部ガイド構造。
【請求項5】
ケース部は、戸板の隅部に対して側方から取着し得るように形成されたことを特徴とする請求項1に記載の引戸の上部ガイド構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−194027(P2006−194027A)
【公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−8621(P2005−8621)
【出願日】平成17年1月17日(2005.1.17)
【出願人】(000198787)積水ハウス株式会社 (748)
【Fターム(参考)】