説明

引戸式の防火扉

【課題】フロアーを有効活用でき、建物全体の高さを低く抑えることができる引戸式の防火扉を提供する。
【解決手段】非常時に自動閉鎖装置により屋内の開口を閉鎖する2枚の扉本体11を備えた防火扉であって、扉本体11は、力骨21と、力骨21の表面側に設けられたドアパネル材22とを備えたパネルドアとした第1扉部111〜第3扉部113を連結して形成されている。これにより扉本体11の軽量化を図ることができる。そして、ドアパネル材22は、連結する他の力骨21に、一部が重なるように接続されていることで、扉本体11の平面度を向上させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋内の開口を、平常時には開放状態とし、火災などの非常時には閉鎖状態とする引戸式の防火扉に関する。
【背景技術】
【0002】
防火扉は、シャッター式、開き戸式、引戸式などがある。開き戸式の防火扉は、火災時に開き戸が円弧を描くように移動するので、開き戸の前に障害物があると閉鎖動作の邪魔になる。例えば、建物内に設けられる駐車場は、限られた面積の中で有効に車両を駐車させたり、通行させたりする必要がある。従って、設置する防火扉を開き戸式とすると、開き戸の移動範囲を駐車禁止領域や通行不可領域とする必要があるので、駐車場に防火扉を設置する場合には、シャッター式や引戸式が望ましい。
【0003】
従来の引戸式の防火扉としては、特許文献1および2に記載にされたものが知られている。特許文献1に記載の防火戸の取付構造は、引戸を構成した防火戸の閉じ状態において、引戸に熱感応型発泡材を設け、火災時に、高温の火災温度に感応した熱感応型発泡材が発泡膨張して、隙間を埋めるようにしたものである。また、特許文献2に記載の自動引き戸の非常時閉鎖装置は、非常時に引戸を閉鎖方向に移動させる自閉機構と、煙感知器等の信号によって作動し自閉機構を制御する制御機構からなるものである。
【0004】
【特許文献1】特開2002−38836号公報
【特許文献2】特開2006−89958号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
引戸式の防火扉は、駐車場に設置される場合だけでなく、他の場合においても、特許文献2に記載されているような、煙感知器等の信号によって閉鎖動作する自動閉鎖装置が、開閉する引戸の上方に設置されるので、引戸が開放状態のときの開口高さが、自動閉鎖装置の高さ分ほど低くなる。従って、駐車場に設置される場合には、この自動閉鎖装置によって、開口を通過する車両の高さが制限を受けるので、大型の車両の駐車ができないなどの不都合が生じる。
【0006】
開口を広く確保するために天井の高さを高くし、引戸の高さを高くすることが考えられるが、建物全体の高さが高くなってしまう。従来の引戸式の防火扉を、例えば地上階にのみに設置するのであれば影響が少ないかもしれないが、複数階にそれぞれ、従来の引戸式の防火扉を設置する場合では、各階ごとに高い天井を確保する必要がある。従って、建物全体の高さが高くなるので、工期が長くなったり、コストが上昇したり、その影響は大きいものとなる。
【0007】
これは、シャッター式の防火扉でも同じことがいえる。つまり、シャッター式の防火扉では、広い開口を確保しようと開口の高さを高くすればするほど、シャッターが巻かれたロール部分の直径が太くなるため、天井は更に高くする必要がある。従って、各階ごとにシャッター式の防火扉を設ける場合では、同様に建物全体の高さが高くなってしまう。
【0008】
従って、引戸式の防火扉において、自動閉鎖装置の高さを低く抑えることができれば、フロアーを有効活用でき、建物全体の高さを低く抑えることができる。
【0009】
そこで本発明は、フロアーを有効活用でき、建物全体の高さを低く抑えることができる引戸式の防火扉を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の引戸式の防火扉は、非常時に自動閉鎖装置により屋内の開口を、前記開口の上部に設けられたガイドレールに沿って移動することで閉鎖する引戸式の防火扉であって、引戸である扉本体は、力骨と、前記力骨の一面側に設けられたドアパネル材とを備えたパネルドアとしたことを特徴とする。
【0011】
本発明の引戸式の防火扉は、引戸である扉本体を、力骨と、力骨の一面側に設けられたドアパネル材とを備えたパネルドアとすることで、表面側と裏面側との両方にドアパネル材を設けた両面フラッシュドアとするより、軽量化を図ることができる。扉本体が軽量化されることで、この扉本体を閉鎖する際の動力や、懸架する部材等も、両面フラッシュドアを閉鎖する場合より、小型のものが使用できる。従って、本発明の引戸式の防火扉は、自動閉鎖装置の高さを低く抑えることが可能なので、天井の高さを高くしなくても、広い開口を確保することが可能である。
【0012】
前記扉本体は、2枚以上のパネルドアを連結して形成されているのが望ましい。防火扉を設置する場合には、車両などで設置する建物まで運搬するが、建物に入れば作業者が持って運ぶことになる。しかし、扉本体が閉鎖する開口が大きい場合には、必然的に扉本体の大きさも大きくなり、重量が重くなるので、運搬が困難となる。また、耐火性の高い鋼板でドアパネル材が形成されている場合には、小さい扉本体でも相当な重量となる。設置する箇所が地上階でなく上階であれば、階段を使用して運搬することもあるので、更に運搬することが困難となる。扉本体を、2枚以上のパネルドアを連結して形成することで、作業者は、設置する場所まで分割した状態で運搬し、設置場所で連結することで、1枚の扉本体とすることができる。そうすることで、扉本体が分割された状態では、1枚の扉本体の状態で運搬するより重量が軽減できるので、容易に運搬することが可能である。また、分割された個々のパネルドアは、片面のみにドアパネル材が設けられているので、更に作業者の負担を軽減することができる。
【0013】
前記ドアパネル材は、連結する他のパネルドアの力骨に、一部が重なるように接続されているのが望ましい。扉本体を2枚以上のパネルドアを連結して形成する場合、連結状態や、重量の影響で、隣接するドアパネル材同士が一様な平面とならず、僅かに曲がった状態となるおそれがある。ドアパネル材を、連結する他のパネルドアの力骨に、一部が重なるように接続することで、隣接するドアパネル材同士が同じ力骨上で接続することになるので、連結したドアパネル材が曲がった状態となることを防止することができる。従って、本発明の引戸式の防火扉は、複数のパネルドアを連結した扉本体の平面度の向上を図ることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の引戸式の防火扉は、扉本体をパネルドアとすることで、扉本体の軽量化が図れるので、開閉する扉本体の上方の開口に設置される自動閉鎖装置として凝縮した小型のものを使用することができる。よって、本発明は、自動閉鎖装置の高さを抑えることで、広い開口を確保することが可能となるので、快活的となり、建築物全体として総経済的メリットが得られると共に、環境に配慮した引戸式の防火扉とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の実施の形態に係る引戸式の防火扉を、図面に基づいて説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る引戸式の防火扉の正面図である。図2は、図1に示す防火扉の平面図である。図3は、図1におけるA−A線要部拡大矢視図である。図4は、図3における要部拡大図である。図5は、図1におけるB−B線矢視図である。
【0016】
図1および図2に示す防火扉10は、マンションやテナントビルなどの屋内に設けられた屋内駐車場に設置されるもので、屋内駐車場を区画する壁面Wの開口Sを閉鎖する2枚の扉本体11を備えた引き分け戸(両引戸)である。防火扉10は、平時には、引戸である左右の扉本体11が壁面Wに重なるように位置して、開口Sを車両が通行可能な開放状態とし、火災などの非常時には、煙感知器などの火災報知器と連動した自動閉鎖装置が扉本体11を壁面Wに沿って移動させて、開口Sを閉鎖状態とすることで、火炎や煙の通過を阻止するものである。
【0017】
正面視して右側に配置された扉本体11には、閉鎖状態であるときに、避難者が通行可能な開き戸式の潜り戸12が設けられている。防火扉10上には、自動閉鎖装置100(図5参照)が配置され、収納部13に収納されている。
【0018】
扉本体11は、幅が2850mm、高さ2370mmに形成されたパネルドアである。この扉本体11は、それぞれがパネルドアで形成された、第1扉部111と、第2扉部112と、第3扉部113とで構成され、横方向を3分割するように形成されている。つまり、第1扉部111、第2扉部112と、第3扉部113とは、それぞれ幅が約950mmに形成されている。扉本体11は、開口Sの中央から第1扉部111、第2扉部112、第3扉部113の順に、左右が対称となるように形成されている。潜り戸12は、正面視して右側の第2扉部112に設けられている。また、図4に示すように第1扉部111には、それぞれに戸当たりゴム111aが設けられている。
【0019】
この第1扉部111と、第2扉部112と、第3扉部113とは、図3から図5に示すように、力骨21と、力骨21の表面側に設けられたドアパネル材22とを備えている。第1扉部111と、第2扉部112と、第3扉部113は、外形を形成する力骨21の表面側のみに、ドアパネル材22を設けることで、それぞれが片面フラッシュドア構造となっている。
【0020】
力骨21は、縦枠材21a,21aと、上枠材21bと、下枠材21cとが略矩形状に溶接されることで形成され、鋼板で形成されている。
【0021】
図4に示すように、縦枠材21a,21aは、第1扉部111の突き合わせ部分Zを除く部分が断面コ字状に形成されている。また、第1扉部111の突き合わせ部分Zの縦枠材21aは、扉本体11を閉鎖したときに、火炎や煙の通過を阻止するために相補的な凹凸形状に形成されている。また、図3に示すように、第3扉部113の外側の縦枠材21a,21aには、閉鎖状態となるときに、開口Sの両側に設けられた支柱24に設けられた凹部24aに係止することで扉本体11のストッパの役目をする、断面L字状の縦部外枠材21axが設けられている。
【0022】
図5に示すように、上枠材21bは、断面コ字状に形成されている。上枠材21bの上面には、扉本体11の上端の移動をガイドする断面L字状の上部外枠材21bxが、ビス21byにより固定されている。このビス21byは、上枠材21bにドアパネル材22も固定している。
【0023】
下枠材21cは、開口を下方に向けた断面コ字状の枠材21cxと、扉本体11が移動するときに、扉本体11の下端が振り子のように揺動する範囲を規制するために、床面に設けられたガイドローラ23を覆うように形成された直線状凹部が形成された断面S字状の枠材21cyとで形成されている。この断面コ字状の枠材21cxと断面S字状の枠材21cyとは、ビス21czにより固定されている。また、このビス21czは、下枠材21cにドアパネル材22も固定している。
【0024】
第1扉部111と、第2扉部112と、第3扉部113とは、図4に示すように、隣接する縦枠材21a同士をボルト11xおよびナット11yとで固定することで、1枚の扉本体11としている。
【0025】
ドアパネル材22は、溶融亜鉛めっき処理を施した鋼板や、溶融亜鉛・アルミ・マグネシウム合金めっき処理した鋼板を用いることができる。ドアパネル材22を、溶融亜鉛・アルミ・マグネシウム合金めっき処理した鋼板とする場合には、例えば、日新製鋼株式会社製のZAM(Zinc Aluminum Magnesium:登録商標)などが使用できる。溶融亜鉛・アルミ・マグネシウム合金めっき処理した鋼板は、溶融亜鉛めっき処理を施した鋼板より10倍から20倍の耐食性を有しているので錆びにくい。従って、溶融亜鉛めっき処理を施した鋼板をドアパネル材22に使用した場合には、防錆塗装を施していても、環境によっては1年から3年の範囲で再度塗り直しを行わないと錆びが発生するおそれがある。しかし、溶融亜鉛・アルミ・マグネシウム合金めっき処理した鋼板をドアパネル材22に使用することで、3年から5年、環境によっては塗り直しを行う必要がない。従って、メンテナンスに要する費用を抑制することができる。
【0026】
図4に示すように、第1扉部111のドアパネル材22は、突き合わせ部分Zが縦枠材21aを覆うように折り曲げてあり、第2扉部112側が縦枠材21aの表面側の端部を露出するように形成されている。第1扉部111のドアパネル材22と縦枠材21aとは、溶接X1にて固定されている。
【0027】
第2扉部112のドアパネル材22は、第1扉部111の縦枠材21aの露出した部分に、一部を重ねるように接続されている。つまり、第2扉部112のドアパネル材22は、第2扉部112が連結する第1扉部111の縦枠材21aに接続されていることで、第1扉部111と第2扉部112とが強固に連結されている。また、第2扉部112のドアパネル材22は、第3扉部113側が縦枠材21aの表面側の端部を露出するように形成されている。
【0028】
第2扉部112のドアパネル材22は、第1扉部111の縦枠材21aとビス21ayにより上下方向に沿って400mm間隔でネジ止めされ、第2扉部112の縦枠材21aと溶接X2により固定されている。
【0029】
第3扉部113のドアパネル材22は、第2扉部112と同様に、第2扉部112の縦枠材21aの露出した部分に、一部を重ねるように接続されている。つまり、第3扉部113のドアパネル材22は、第3扉部113が連結する第2扉部112の縦枠材21aに接続されている。また、図3に示すように、第3扉部113のドアパネル材22は、縦部外枠材21axと同面となるようにL字状に折り曲げ加工されている。
【0030】
なお、図1から図5に示す本実施の形態に係る扉本体11は、第1扉部111〜第3扉部113において、下枠材21cと上枠材21bとの間に上下方向に沿って配置された中骨(補強材)が設けられているが、図示していない。
【0031】
図5に示すように、自動閉鎖装置100が収納された収納部13は、断面略矩形状に形成された箱状体で、高さが210mmに形成され、扉本体11が移動する範囲の上方に配置されている。この収納部13は、壁面Wにアンカーボルト14a(図3参照)により固定された支持柱14により両端部が担持されている。
【0032】
収納部13の前面および底面の前部は、自動閉鎖装置100をメンテナンスするための蓋13aとなっており着脱自在に形成されている。
自動閉鎖装置100は、収納部13の長手方向に沿って、扉本体11に設けられた戸車11aを左右方向に滑走させるガイドレール101と、このガイドレール101に沿って扉本体11を移動させる駆動モータ102とを備えている。駆動モータ102は、図示しない煙感知器などの火災報知器と接続され、火災報知器からの信号により駆動を開始する。
【0033】
自動閉鎖装置100は、扉本体11をパネルドアとしたことで、扉本体11の重量が左側で145kg、右側で180kgと軽量化を実現することができるので、小型のものが採用できる。左側と右側とのそれぞれの扉本体11で重量が異なり、右側の扉本体11の方が重いのは、潜り戸12の重量があるからである。
【0034】
例えば、扉本体を、本実施の形態に係る扉本体11と同じサイズの両面フラッシュドアとした場合には、扉本体の重量が左側で230kg、右側で255kgとなり、パネルドアとした場合と比較すると相当重くなる。
【0035】
このように、扉本体11をパネルドアとしたことで、自動閉鎖装置100として小型のものを使用することができるので、収納部13の高さHを、両面フラッシュドアとするより100mmほど低くすることができる。従って、開口Sの高さを100mm大きく確保することができるので、フロアーを有効活用できると共に、建物全体の高さを低く抑えることができる。また、自動閉鎖装置100として小型のものを使用することができるので、自動閉鎖装置100のコストを抑制することが可能である。従って、本実施の形態に係る防火扉10は、経済的効果を得ることができる。また、扉本体11をドアパネル材22が力骨21の片面(表面)側のみに設けられたパネルドアとしても、扉本体11の裏面側は、平時には壁面Wに重なるように位置しているので、駐車場の利用者にはパネルドアなのか、両面フラッシュドアなのか区別がつかない。従って、扉本体11を、パネルドアとしても、美観に影響を与えることがない。
【0036】
本実施の形態に係る防火扉10を設置する場合には、まず、防火扉10を設置する屋内駐車場の開口S部分に、支持柱14および収納部13を設置して、自動閉鎖装置100を設置する。次に、扉本体11を搬入して設置するが、扉本体11を搬入するときには、第1扉部111、第2扉部112および第3扉部113をそれぞれ個々に分割された状態で搬入する。また、右側の第2扉部112の潜り戸12についても、外れた状態で搬入する。そうすることで、扉本体11の重量を、約1/3とすることができる。また、扉本体11全体が、単に、分割された状態となっただけでなく、第1扉部111、第2扉部112および第3扉部113は、それぞれパネルドア構造で形成されているので、両面フラッシュドアを分割した場合より軽量である。従って、一人の作業者で、それぞれの扉本体11の搬入作業を行うことができる。また、設置する駐車場が、地上階でなく上階であっても、階段による搬入が容易である。更に、設置する建物によっては、エレベータによる搬入が可能である。
【0037】
第1扉部111、第2扉部112および第3扉部113を、それぞれ分割した状態で搬入した作業者は、それぞれの縦枠材21a同士をボルト11xとナット11yとで連結していく。また、ドアパネル材22を、ビス21ayにより縦枠材21aに固定する。
【0038】
第1扉部111と、第2扉部112と、第3扉部113とは、突き合わせた縦枠材21a同士を、ボルト11xとナット11yとで連結するだけで、1枚の扉本体11とすることができる。しかし、突き合わせた縦枠材21a同士を、ボルト11xとナット11yとで連結するだけでは、連結状態や、重量の影響で、隣接するドアパネル材22同士が一様な平面とならず、平面視したときに「ヘ」字状に曲がった状態となるおそれがある。
【0039】
本実施の形態に係る扉本体11は、第2扉部112と、第3扉部113とのドアパネル材22が、連結する隣の縦枠材21a(力骨21)に、一部が重なるように接続されていることで、隣接するドアパネル材22同士が同じ縦枠材21a上で接続している。従って、第1扉部111と、第2扉部112と、第3扉部113とが、曲がった状態となることを防止することができるので、扉本体11の平面度の向上を図ることができる。
【0040】
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではない。例えば、本実施の形態では、3枚(第1扉部111〜第3扉部113)を連結して1枚の扉本体11としているが、2枚でも、4枚以上でも可能である。また、本実施の形態に係る防火扉10は、駐車場に設置する以外に、建物内の通路や、階段を閉鎖したり、部屋を区画したりするためのものとして使用することも可能である。
また、本実施の形態では、扉本体11として、3枚のパネルドアを連結することで1枚のパネルドアとしているが、例えば、図6(A)に示すように閉鎖状態では分割状態のそれぞれのパネルドア31a〜31cが重なるように壁面Wに位置し、閉鎖するときには、先頭のパネルドア31aが閉鎖動作するに従って、次々にパネルドア31b,31cがそれぞれのガイドレール(図示せず)に沿って引き出されて開口Sを閉鎖する引戸式の防火扉31としてもよい。更に、図6(B)に示すように、それぞれのパネルドア32a〜32dが、進行方向に対して左右交互に折れ曲がって蛇腹のように連結された引戸式の防火扉32としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明は、建物の開口を、平常時には開放状態とし、火災時には閉鎖状態とする引戸式の防火扉に好適であり、特に、建物内の駐車場に設けられる広い開口を閉鎖する防火扉には最適である。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の実施の形態に係る引戸式の防火扉の正面図である。
【図2】図1に示す防火扉の平面図である。
【図3】図1におけるA−A線要部拡大矢視図である。
【図4】図3における要部拡大図である。
【図5】図1におけるB−B線矢視図である。
【図6】(A)および(B)は、他の実施の形態に係る引戸式の防火扉を示す概略断面図である。
【符号の説明】
【0043】
10 防火扉
11 扉本体
111 第1扉部
111a 戸当たりゴム
112 第2扉部
113 第3扉部
11a 戸車
11x ボルト
11y ナット
12 潜り戸
13 収納部
13a 蓋
14 支持柱
14a アンカーボルト
21 力骨
21a 縦枠材
21ax 縦部外枠材
21ay ビス
21b 上枠材
21bx 上部外枠材
21by ビス
21c 下枠材
21cx 断面コ字状の枠材
21cy 断面S字状の枠材
21cz ビス
22 ドアパネル材
23 ガイドローラ
24 支柱
31 防火扉
31a〜31c パネルドア
32 防火扉
32a〜32d パネルドア
100 自動閉鎖装置
101 ガイドレール
102 駆動モータ
H 高さ
S 開口
W 壁面
Z 突き合わせ部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非常時に自動閉鎖装置により屋内の開口を、前記開口の上部に設けられたガイドレールに沿って移動することで閉鎖する引戸式の防火扉であって、
引戸である扉本体は、力骨と、前記力骨の一面側に設けられたドアパネル材とを備えたパネルドアとしたことを特徴とする引戸式の防火扉。
【請求項2】
前記扉本体は、2枚以上のパネルドアを連結して形成されていることを特徴とする請求項1記載の引戸式の防火扉。
【請求項3】
前記ドアパネル材は、連結する他のパネルドアの力骨に、一部が重なるように接続されていることを特徴とする請求項2記載の引戸式の防火扉。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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