説明

引手及びそれを用いた引戸

【課題】引戸Dの開き操作での指詰めを防止しつつ、引手Pの回転板40に対する衝撃を緩和してその耐久性を高め、指掛けの深さを十分に確保する。
【解決手段】引戸Dにおける戸パネルD2(D1)の取付穴D3に嵌挿され、指掛け部10を有する引手本体11と、引手本体11に回転軸44回りに非操作位置及び操作位置の間で回転可能に取り付けられ、回転軸44両側に操作部42及びストッパ部43を有し、非操作位置では操作部42で指掛け部10の開口部を塞ぎ、操作位置ではストッパ部43が開口部から突出し、ストッパ部43裏面に操作位置で戸パネルD2(D1)の表面に対して垂直な戸当たり面45が設けられた回転板40と、引手本体11の指掛け部10内の側壁部に設けられ、操作位置にある回転板40の戸当たり面45に加わる衝撃を分散するように回転板40の操作部42裏面に対し複数の点で接触する接触部20とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、引手及びそれを用いた引戸に関し、特に指詰めの防止と引手の耐久性の向上とを図る技術に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、引戸においては、その開閉を戸パネルの面に沿った方向(戸パネルと平行方向)のスライド移動により行うようになっており、この引戸の開閉を行い易くするために、従来、戸パネルにその表裏面に亘り貫通する穴を設けるか、又は戸パネルの表裏面の少なくとも一方に有底の穴を設けて、これらの取付穴に引手を取り付けることが行われている。この引手には、指が掛けられる指掛け凹部が設けられており、戸パネルの取付穴にそれを塞ぐように取付固定される。
【0003】
しかしながら、この従来の引手を用いた引戸は、それを開くときに、戸パネルと控え壁又は引違い戸パネル(引戸が引き違い型であるときの他の戸パネル)との間の隙間に指が挟みこまれる、いわゆる指詰めの虞れがある。
【0004】
これを解決するために、従来、引手に回転板をその指掛け凹部が塞がれるように回転可能に設け、その回転板の一端側を指掛け凹部内に向かって押すことで、回転板を回転軸を中心に回転させ、回転板の一端が指掛け凹部の底面に接した状態では、他端側が戸パネルの表面に対して斜めに立ち上がるようにすることが提案されている(特許文献1参照)。
【0005】
このような回転板を設けた引手を引戸に用いると、斜めに立ち上がった回転板の他端側が控え壁又は引違い戸パネルに当たるので、その回転板がストッパとなって指詰めを防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開昭61−237775号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、上記提案例の引手では、回転板はその他端部が斜めに立ち上がり、一端が指掛け凹部の底面に接した状態で控え壁又は引違い戸パネルに当たる構造となっているため、回転板が控え壁又は引違い戸パネルに当たった際に、その衝撃を回転軸と指掛け凹部の底面に接する一端部とで受けることになり、回転軸や回転板が壊れ易く、引手の耐久性に劣るという問題があった。
【0008】
さらに、控え壁又は引違い戸パネルに回転板が当たる際に、その衝撃を斜めに立ち上がった回転板の他端という線状の部位で受けるため、衝撃の集中によって回転板が曲がる等の変形が起こる虞れがあり、また回転板が当たる控え壁又は引違い戸パネルの端部が傷付き易いという問題もある。
【0009】
また、回転板が一端部を指掛け凹部内に配置して斜めに立ち上がっているため、その回転板に邪魔されて指掛けの深さを十分に確保することができず、特に手のカが弱い高齢者等にとって引戸の開閉が困難となる場合があった。
【0010】
本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたもので、その目的は、引戸の開き操作での指詰めを防止しつつ、引手の回転板に対する衝撃を緩和して引手の耐久性を高めるとともに、指掛けの深さを十分に確保しようとすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するために、この発明では、回転板の引手本体から突出した部分の裏面に、戸パネルと垂直であって控え壁又は引違い戸パネルと面で接触する戸当たり面を形成する一方、引手本体の指掛け部内の側壁部には、この戸当たり面から回転板に加わった荷重を面ないし複数の点で受ける接触部を設けることで、回転板に加わった衝撃を分散させるようにした。尚、本発明では、戸パネルとは引戸を構成する戸をいうものとし、引違い戸パネルとは、対象とする戸パネルと組み合わされて引戸を構成する戸パネルをいうものとする。
【0012】
具体的には、請求項1の発明では、引戸における戸パネルの取付穴に取り付けられる引手として、上記戸パネルの取付穴に嵌挿され、開口部を有する指掛け部が形成された引手本体と、この引手本体に上下方向の回転軸を中心として非操作位置及び操作位置の間で回転可能に取り付けられ、かつ上記回転軸の両側にそれぞれ操作部及びストッパ部を有し、上記非操作位置では上記操作部により上記指掛け部の開口部の少なくとも一部を塞ぐ一方、操作部を指掛け部内へ押すことで上記非操作位置から操作位置に回転して、その操作位置ではストッパ部が指掛け部の開口部から突出し、上記ストッパ部の裏面には、上記操作位置でストッパ部が指掛け部の開口部から突出した際に戸パネルの表面に対して垂直となる戸当たり面が設けられた回転板と、上記引手本体の指掛け部内の側壁部に設けられ、上記回転板の操作位置で上記戸当たり面に衝撃が加わった際に、その衝撃を分散するように回転板の操作部裏面に対し面ないし複数の点で接触する接触部とを備えることを特徴とする。
【0013】
この請求項1の発明では、引手に指を入れて引戸の戸パネルを開くときには、非操作位置にある回転板の操作部を指掛け部内に押し込むことで回転板を操作位置に回転させる。その操作位置では回転板のストッパ部が指掛け部の開口部から突出し、そのストッパ部裏面の戸当たり面が戸パネルの表面に対して垂直となる一方、操作部の裏面は指掛け部内の側壁部の接触部に当接する。そして、戸パネルの開き動作時には、回転板の操作部裏面を接触部に押し付けたまま戸パネルを開き方向にスライドさせると、その開き位置では、指掛け部の開口部から突出したストッパ部裏面の戸当たり面が控え壁又は引違い戸パネル(引戸が引き違い型であるときの他の戸パネル)の端部に当たって引戸の開き動作が停止する。この回転板による停止規制により、指掛け部に挿入した指が戸パネルと控え壁又は引違い戸パネルとの間に挟まれることはなく、指詰めが防止される。
【0014】
一方、引戸を閉じるときには、指掛け部内に指を挿入して接触部と反対側の側壁部に引っ掛け、戸パネルを閉じ方向にスライドさせればよい。
【0015】
上記回転板の操作位置では、そのストッパ部裏面の戸当たり面は戸パネルの表面に対し垂直となって立ち上がっているので、そのストッパ部の戸当たり面に控え壁又は引違い戸パネルの端部が当たる際に、戸当たり面と控え壁又は引違い戸パネルとが面接触状態で当たるようになる。しかも、この戸当たり面に控え壁又は引違い戸パネルが当たったときには、操作部の裏面も接触部と面ないし複数の点で接触する。これらにより、控え壁又は引違い戸パネルが当たった際の衝撃が戸当たり面での面接触状態と接触部での面ないし複数の点の接触状態とで分散されることとなり、耐久性に優れた引手とすることができる。
【0016】
また、指掛け部に指を挿入したときに、回転板は操作部裏面が接触部と接触した状態で立ち上がった状態となるので、指掛け部の深さが回転板に干渉されることなく深くなり、指掛けの深さが十分に確保され、操作性を向上させることができる。
【0017】
請求項2の発明では、戸パネルに、その表裏面間を貫通する取付穴が形成され、この取付穴に嵌挿される引手本体には、戸パネルの表面側から裏面側まで貫通しかつ両端に開口部を有する貫通穴からなる指掛け部が形成されており、この指掛け部の両開口部をそれぞれ塞ぐ2つの回転板が設けられている。
【0018】
この請求項2の発明では、引手本体の指掛け部が、戸パネルの一方の表面側から他方の表面側に貫通する貫通穴であるため、この指掛け部の深さが戸パネルの厚さ近くまで深くなって、操作時に指掛け部に指を深く掛けることができ、操作性をさらに向上させることができる。
【0019】
請求項3の発明では、請求項2の引手において、非操作位置にある回転板の操作部と指掛け部の開口部との間の隙間を通って戸パネル両側の一方の空間の明かりが他方の空間に漏れることを規制する明かり漏れ規制機構を備える。
【0020】
この請求項3の発明では、明かり漏れ規制機構を備えているため、2つの空間が例えば居室で、それら居室間の引戸に適用した場合に、一方の部屋の光が引手の指掛け部を通して他方の部屋に漏れることを防止することができる。
【0021】
請求項4の発明では、上記明かり漏れ規制機構は、指掛け部の開口部壁面から開口部中央側へ延びる突起部を備えていて、その突起部が非操作位置にある回転板の操作部にその外側となるように重なり合うことにより明かりの漏れを規制するものとする。
【0022】
この請求項4の発明では、非操作位置にある回転板と、指掛け部の開口部壁面からその中央側へ延びる突起部とが重なり合って明かりの漏れが規制されるため、回転板と指掛け部との間の隙間の明かり漏れを防止できる。しかも、突起部が回転板の外側にあるため、回転板の回転動作が妨げられることはない。
【0023】
請求項5の発明では、請求項1の引手において、指掛け部は有底の穴からなり、回転板の操作部は、非操作位置にあるときに開口部の一部から指掛け部内に指が挿入可能となるように該開口部を部分的に塞ぐものとする。
【0024】
この請求項5の発明では、回転板が回転していない非操作位置にあるときに、その操作部は指掛け部に指が挿入可能なようにその開口部を部分的に塞いでいるため、戸を閉める際に指掛け部内に回転板以外の部分から指を挿入することができ、例えば回転板が操作位置に向かって回転付勢されている場合であっても、その回転板から指が押圧されるようなことは生じない。
【0025】
請求項6の発明では、上記請求項1〜5のいずれか1つの引手において、引手本体は、回転板を取り付けるための回転板取付部を備え、この回転板取付部は戸パネルに対し、操作位置にある回転板の戸当たり面と平行に延びる固定部材により固定されていることを特徴とする。
【0026】
この請求項6の発明では、回転板を取り付けるための回転板取付部が、操作位置にある回転板の戸当たり面と平行に延びる固定部材により固定されるため、引戸の開き動作で回転板が控え壁又は引違い戸パネルに当たった際に回転板に作用する衝撃の方向は常に固定部材の軸線方向と直交する方向となり、その衝撃により回転板取付部がずれてしまうのを防止することができる。
【0027】
請求項7の発明は引戸に関するものであり、この引戸は、請求項1〜6のいずれか1つの引手が戸パネルに対し、回転板が戸パネルの表裏面の少なくとも控え壁側又は引違い戸パネル側の面に位置するように取り付けられ、上記引手における回転板の回転軸からストッパ部先端までの長さよりも、上記戸パネルと控え壁又は引違い戸パネルとの間の隙間の間隔が短いことを特徴とする。
【0028】
この請求項7の発明では、引手の回転軸から回転板のストッパ部先端までの長さよりも、戸パネルと控え壁又は引違い戸パネルとの間の隙間の間隔が短いので、引戸の開き動作時に、指掛け部の開口部から突出したストッパ部裏面の戸当たり面が確実に控え壁又は引違い戸パネルの端部に当たって引戸の開き動作が停止するようになり、この回転板による停止規制により、指詰めを防止できるとともに、その回転板の戸当たり面が控え壁又は引違い戸パネルの端部に当たる際の衝撃を面ないし複数の点で分散して受けて、引手ないしは引戸の耐久性を高めることができる。
【発明の効果】
【0029】
以上説明したように、請求項1又は7の発明によると、引戸の戸パネルに取り付けられる引手として、その引手本体に対し回転板を、指掛け部の開口部の少なくとも一部を塞ぐ非操作位置と、操作部が指掛け部内へ移動してストッパ部が開口部から突出する操作位置との間で回転可能に支持し、そのストッパ部裏面に回転板の操作位置で戸パネルと垂直になる戸当たり面を設ける一方、引手本体の指掛け部内の側壁部に、操作位置で回転板の操作部裏面に対し面ないし複数の点で接触する接触部を設けたことにより、戸パネルを開くときの開き位置間際の開き動作を、非操作位置にある回転板の突出したストッパ部と控え壁又は引違い戸パネルとの当接により停止規制して指詰めの防止を図るとともに、そのストッパ部に加わった衝撃を、ストッパ部裏面の戸当たり面と控え壁又は引違い戸パネルとの面接触状態での接触、及び回転板の操作部裏面と接触部との面ないし複数点の接触状態で分散して受けて、引手延いては引戸の耐久性の向上を図ることができる。
【0030】
請求項2の発明によると、引手本体の指掛け部は、戸パネルの一方の表面側から他方の表面側まで貫通する貫通穴とし、その貫通穴の両開口部をそれぞれ塞ぐ2つの回転板を設けたことにより、操作時に指掛け部内に指を深く掛けて操作性の向上を図ることができる。
【0031】
請求項3の発明によると、非操作位置にある回転板の操作部と指掛け部の開口部との間の隙間を通って戸パネル両側の一方の空間の明かりが他方の空間に漏れることを規制する明かり漏れ規制機構を設けたことにより、引戸両側の一方の空間の光が引手を通じて他方の空間に漏れるのを防止することができる。
【0032】
請求項4の発明によると、明かり漏れ規制機構として、指掛け部の開口部壁面から開口部中央側へ延びる突起部を設け、その突起部に非操作位置にある回転板の操作部を内側から重なり合わせるようにしたことにより、回転板の回転動作を妨げることなく、回転板と指掛け部の開口部との間の隙間の明かり漏れを防止することができる。
【0033】
請求項5の発明によると、指掛け部を有底の穴とし、回転板の操作部は、非操作位置にあるときに開口部の一部から指掛け部内に指が挿入可能となるように開口部を部分的に塞ぐものとしたことにより、戸パネルを閉める際に指掛け部内に回転板以外の部分から指を挿入することができ、操作位置に向かって回転付勢されている回転板により指が押圧されるのを防止することができる。
【0034】
請求項6の発明によると、引手本体の回転板取付部を戸パネルに対し、操作位置にある回転板の戸当たり面と平行に延びる固定部材を介して固定したことにより、引戸の開き動作で回転板が控え壁又は引違い戸パネルに当たった際の回転板に作用する衝撃により回転板取付部がずれてしまうことを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】図1は、引戸の戸パネルに取り付けられた本発明の実施形態1に係る引手の両回転板がいずれも非操作位置にある状態を示す断面図である。
【図2】図2は、引手の一方の回転板が非操作位置から操作位置に回転した状態を示す図1相当図である。
【図3】図3は回転板が非操作位置にあるときの引手の正面図である。
【図4】図4は回転板が操作位置にあるときの引手の正面図である。
【図5】図5は図4のV−V線断面図である。
【図6】図6はケースの側面図である。
【図7】図7はケースの正面図である。
【図8】図8はカバーの正面図である。
【図9】図9はカバーの平面図である。
【図10】図10は図8のX−X線断面図である。
【図11】図11は図8のXI−XI断面図である。
【図12】図12は突起部を示す拡大断面図である。
【図13】図13は回転板の側面図である。
【図14】図14は回転板の正面図である。
【図15】図15は図14のXV−XV線拡大断面図である。
【図16】図16は回転板の操作部先端の拡大断面図である。
【図17】図17は、引戸の戸パネルが開いて引手の回転板が引き違い戸パネルに当たる状態を示す断面図である。
【図18】図18は、引違い戸からなる引戸が開いた状態を示す斜視図である。
【図19】図19は実施形態2を示す図1相当図である。
【図20】図20は実施形態3を示す図2相当図である。
【図21】図21は実施形態4を示す図2相当図である。
【図22】図22は実施形態5を示す図2相当図である。
【図23】図23は実施形態6を示す図2相当図である。
【図24】図24は実施形態7を示す図2相当図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものでは全くない。
【0037】
(実施形態1)
図18は建物内における例えば部屋等としての室内空間R1から例えば他の部屋等としての室外空間R2側を見たものであり、1は室内空間R1の天井、2は床、3は室外空間R2との間を仕切る壁である。
【0038】
上記壁3には両空間R1,R2を往来するための出入口4が開口され、この出入口4の周囲は左右の縦枠5,5、上側の鴨居6及び下側の敷居(図示せず)で囲まれている。図示しないが、鴨居6の下面には2条の溝が、また敷居の上面には2条の溝又はレールがそれぞれ上下に対応して設けられ、これら鴨居6の溝と敷居の溝又はレールとの間にそれぞれ互いに同じ大きさの矩形板状の室内側及び室外側の戸パネルD1,D2がそのパネル面に沿った方向(図18で左右方向)にスライド可能に支持されており、これら2枚の戸パネルD1,D2により本発明の実施形態に係る引違い戸タイプの引戸Dが構成されている。
【0039】
すなわち、この引戸Dは、室内側戸パネルD1を左端にスライドさせかつ室外側戸パネルD2を右端にスライドさせることによって両戸パネルD1,D2の端部同士が部分的に重なった状態で出入口4を閉じる一方、室内側戸パネルD1を右端にスライドさせるか、或いは図示のように室外側戸パネルD2を左端にスライドさせることによって両戸パネルD1,D2の殆どが重なった状態で出入口4を開くようになっている。
【0040】
上記室内側戸パネルD1の左端部及び室外側戸パネルD2の右端部にはそれぞれ本発明の実施形態1に係る引手P,Pが取り付けられている。両戸パネルD1,D2の引手P,Pは互いに同じものが用いられており、以下の説明では、室外側戸パネルD2の右端部に取り付けられている引手Pについて説明することとし、室内側戸パネルD1の左端部の引手Pについての説明は省略する。
【0041】
すなわち、図1及び図2に示すように、戸パネルD2(D1)の表面から裏面まで貫通する縦長矩形状の貫通穴からなる取付穴D3に取り付けられている。また、図1〜図5に示すように、引手Pは、戸パネルD2(D1)の表裏側に開口された指掛け部10を有する1つの引手本体11と、2枚の回転板40,40とを備え、引手本体11は1つのケース12と1対のカバー24,24とに分割されている。この引手本体11及び回転板40の材料には、鉄、亜鉛、アルミニウム、ステンレス等の金属や合金、合成樹脂等を用いることができる。
【0042】
上記ケース12は、図6及び図7に示すように、戸パネルD2(D1)の厚さと同じ幅の板状の基部13を有する。この基部13は両端部が同じ向きに直角に折れ曲がったコ字状のもので、その上下方向の長さは戸パネルD2(D1)の取付穴D3の同長さよりも少し短く、左右方向の長さ(折れ曲がり部分の長さ)は取付穴D3の左右幅の略半分とされている。基部13の内側面には1つの縦リブ14と2つの横リブ15,15とが基部13内側面から突出するように一体に形成され、これら縦リブ14及び横リブ15,15間には1つの補助リブ16が一体に形成されている。縦リブ14は基部13の幅方向中央位置に基部13の折れ曲がり部分間を接続するように全体に亘って一体に形成され、両横リブ15,15は基部13の長さ方向中間部の両端寄り位置にそれぞれ縦リブ14と幅方向中央で直交するように形成され、この各横リブ15の縦リブ14からの高さは基部13よりも少し短くされ、その基端は基部13の内面に接続されている。補助リブ16は、縦リブ14の表裏面において2つの横リブ15,15同士を接続しかつ幅方向中央で縦リブ14と直交するように形成され、補助リブ16の幅は基部13と略同じとされている。この補助リブ16の両端部で横リブ15,15との交差部分には基部13の幅方向と平行に延びる円柱状のボス部17,17が一体に形成され、この各ボス部17の中心にはねじ取付孔18が貫通形成されている。また、基部13の折れ曲がり部分には縦リブ14の両側にねじ通し孔19が貫通形成されている。
【0043】
そして、横リブ15,15の先端面15a,15aと、この各横リブ15に十字状に交差する縦リブ14の先端面14aとは互いに同じ平面上(面一状)に位置している。これらの先端面14a,15aは、リブ14,15の厚さに相当する比較的幅の広い線状のもので、両先端面14a,15aによって接触部20が構成されている。また、図1及び図2に示すように、ケース12は、戸パネルD2(D1)の取付穴D3に対し、その戸パネルD2(D1)が開く方向にスライドする際の前側となる開き側半部に、基部13の外面を取付穴D3内側面に密着させて嵌合される。尚、以下の説明では、このように戸パネルD2(D1)が開く方向にスライドする際の前側を「開き側」といい、閉じ方向にスライドする際の前側を「閉じ側」ということもある。
【0044】
上記各カバー24は、回転板40を引手本体11に取付支持するための回転板取付部を構成している。この1対の両カバー24,24は互いに面対称な2種類のものからなり、上記戸パネルD2(D1)の取付穴D3に対し、戸パネルD2(D1)の表裏両側から上記ケース12を間に挟むように取り付けられる。
【0045】
上記のように、1対の両カバー24,24は互いに面対称であるので、以下の説明では、室外側戸パネルD2に取り付けられた引手Pにおいて室内側に位置するカバー24(室内側戸パネルD1に取り付けられた引手Pの室外側カバー24と同じである)についてのみ図8〜図11に基づいて説明し、室外側に位置するカバー24(室内側戸パネルD1の引手Pの室内側カバー24と同じである)についての説明を省略する。
【0046】
すなわち、カバー24は、図8〜図11に示すように、戸パネルD2(D1)の取付穴D3の周囲縁部を戸パネルD2(D1)の表側から覆う大きさの縦長の矩形枠状のフレーム部25を備えている。このフレーム部25内において、戸パネルD2(D1)が閉じる方向にスライドする際の前側となる閉じ側半部は指掛け部10の開口部として開放され、この指掛け部10の開口部に対応するフレーム部25の裏面には、フレーム部25の外周端縁よりも内側に、フレーム部25の幅方向半部に亘り連続して裏側に突出する指受け部としての側板部26が一体に形成されており、指掛け部10内に開口部から挿入した指で側板部26を押すことで、戸パネルD2(D1)を閉じるようにしている。
【0047】
一方、フレーム部25内において、戸パネルD2(D1)が開く方向にスライドする際の前側となる開き側半部は平板状のプレート部27により閉塞されている。このプレート部27はフレーム部25の裏面に一体に形成されていて、フレーム部25に対しプレート部27がフレーム部25表面よりも裏側に位置するように段差を介して接続されており、図1及び図2に示すように、カバー24のケース12への組付固定時に、この段差の外側にケース12の基部13を係合して位置決めするようにしている。
【0048】
プレート部27の側板部26側(閉じ側半部側)の端部には、上下の中央位置から等間隔をあけた位置にそれぞれ上下方向に延びる円筒状の2つの軸受部28,28が上下に並んで一体に形成され、これら軸受部28,28間のプレート部27には裏側に突出する板状のスプリング受け29が一体に形成されている(図10参照)。また、プレート部27の上下寄り部分には2つのねじ挿通孔30,30が上記ケース12のねじ取付孔18,18に対応して貫通形成されており、このねじ挿通孔30,30にねじS1,S1を挿通してケース12のねじ取付孔18,18に螺合締結することで、各カバー24をケース12と一体的に組付固定する。
【0049】
そして、両カバー24,24をケース12に一体的に組み付けることで引手本体11を組み立て、この引手本体11の組立状態では、図1及び図2に示すように、両カバー24,24の側板部26,26同士を突き合わせて面一状に連続させることで、戸パネルD2(D1)の表面側から裏面側まで貫通しかつ両端に開口部を有する貫通穴からなる指掛け部10を形成するとともに、カバー24,24のフレーム部25,25において、その側板部26よりも外側部とケース12の基部13よりも外側部とを外向きフランジ状に突出させて、これら両カバー24,24のフランジ状部分間に戸パネルD2(D1)の取付穴D3周縁部を挟み込むようにしている。
【0050】
また、図8及び図10に示すように、上記プレート部27において上側ねじ挿通孔30の上側には上側に向かって裏側に向かうように傾斜する中心線を有する半円筒状の凹陥部31が、また下側ねじ挿通孔30,30の下側にも下側に向かって裏側に向かうように傾斜する中心線を有する半円筒状の凹陥部31がそれぞれ形成されている。この各凹陥部31の中心線上の底部には貫通孔からなるねじ挿通孔32が上記ケース12のねじ通し孔19に対応して形成されており、図5に示すように、引手本体11に2枚の回転板40,40を取り付けて引手Pを組み立て、その引手Pを戸パネルD2(D1)の取付穴D3に取り付けた状態で、カバー24のねじ挿通孔32とケース12のねじ通し孔19とにねじS2を挿通して取付穴D3周縁の戸パネルD2(D1)に締結することにより、引手Pを戸パネルD2(D1)に固定するようになっている。
【0051】
上記カバー24をケース12に固定する4本のねじS1,S1,…、及びカバー24(引手本体11)を戸パネルD2(D1)に固定する4本のねじS2,S2,…はいずれも本発明でいう固定部材を構成していて、戸パネルD2(D1)の表裏方向に沿った鉛直上下面内に位置している。このことで、回転板取付部としてのカバー24,24は戸パネルD2(D1)に対し、操作位置にある回転板40の後述する戸当たり面45と平行に延びるねじS1,S2(固定部材)により固定されている。
【0052】
さらに、図12に拡大詳示するように、上記フレーム部25において指掛け部10の開口部壁面に相当する、閉じ側端部(側板部26側)ないしその両側に連続する上下端部には、当該部分から開口部中央側に突出する突条からなる突起部33が形成され、この突起部33の裏側にはフレーム部25の裏側に向かって外側(閉じ側端)に向かうように傾斜する傾斜面33aが形成されている。
【0053】
上記各回転板40は、上記各カバー24におけるフレーム部25内の全体を閉塞する大きさの矩形状の平板からなり、このことで上記引手本体11における貫通状の指掛け部10の両開口部をそれぞれ回転板40,40によって塞ぐようになっている。図13〜図15に示すように、各回転板40裏面の幅方向略中央部には、上下中央位置から等間隔をあけた位置に、上下方向に延びる円筒状の2つの軸受部41,41が上下に並んで一体に形成されており、これら2つの軸受部41,41内を通る直線(後述する回転軸44)を境にして、回転板40は、その一方(閉じ側半部)に操作部42が、また他方(開き側半部)にストッパ部43がそれぞれ形成されている。
【0054】
そして、上記2つの軸受部41,41の対向端部間の間隔は、上記カバー24,24における2つの軸受部28,28の対向端部と反対側端部間の間隔よりも少し大きく設定されており、図4に示すように、この回転板40裏面の上下2つの軸受部41,41間にカバー24,24における上下2つの軸受部28,28を4つの軸受部28,28,41,41が直線状に並ぶように直列に上下方向に配置して、それらの軸受部28,28,41,41内に亘り2つのワッシャ47,47を介して1本のピンからなる回転軸44を挿通させることで、回転板40を幅方向の略中央部でカバー24,24(引手本体11)に対し上下方向の回転軸44を中心として非操作位置と操作位置との間で略90°の範囲を回転可能(揺動可能)となるように取付支持している。その非操作位置では、図1及び図3に示すように、回転板40の全体つまり操作部42及びストッパ部43で引手本体11におけるカバー24のフレーム部25内を覆い、操作部42により指掛け部10の開口部全体を塞ぐ一方、その非操作位置で回転板40の操作部42(閉じ側半部)の表面を指掛け部10内へ押すことで非操作位置から略90°回転して操作位置に至り、その操作位置では、図2及び図4に示すように、ストッパ部43(開き側半部)が引手本体11における指掛け部10の開口部から突出して、室外側戸パネルD2が開き位置にスライドしたときに回転板40の後述する戸当たり面45が室内側戸パネルD1(引違い戸パネル)の端面に当たるようになっている。
【0055】
回転板40のストッパ部43(開き側半部)裏面には平面状の戸当たり面45が形成されており、この戸当たり面45は、回転板40の操作位置でストッパ部43が指掛け部10の開口部から突出した際に戸パネルD2(D1)の表面に対して垂直となる。
【0056】
また、図4に示すように、上記各カバー24の2つの軸受部41,41間の回転軸44(ピン)周りには捩りコイルばね46(トーションスプリング)が外嵌合され、このばね46の一端部は上記カバー24のスプリング受け29に、また他端部は回転板40の裏面にそれぞれ係止状態に当接しており、この捩りコイルばね46のばね力により回転板40を常時は非操作位置に位置するように回転付勢し、操作位置にある回転板40の操作部42から指先を離した際に回転板40が非操作位置(回転板40を指先で押していない状態)に自動的に戻るようにしている。
【0057】
以上の構造により、引手Pは室外側戸パネルD2に対し、その回転板40,40が戸パネルD2の表裏面、つまり引違い戸パネルである室内側戸パネルD1側の面と室内側戸パネルD1に対し反対側の面とに位置するように取り付けられ、図17に示すように、この室内側戸パネルD1側の面に取り付けられた回転板40の回転軸44からストッパ部43先端までの長さL1と、室外側戸パネルD2及びその引違い戸パネルである室内側戸パネルD1との間、換言すれば両戸パネルD1,D1間の隙間L2との関係は、後者の間隔L2が前者の長さL1よりも短いものとされている(L2<L1)。
【0058】
また、回転板40の操作部42の周端部には、図16に拡大して示すように、回転板40の外側に向かって裏側に向かうように傾斜する傾斜面42aが形成されている。
【0059】
そして、上記各カバー24におけるフレーム部25の突起部33で明かり漏れ規制機構43が構成されている。この明かり漏れ規制機構43は、両回転板40,40の少なくとも一方が指掛け部10の開口部を閉じている非操作位置にあるときに、その非操作位置にある回転板40の操作部42の周端部にカバー24におけるフレーム部25の突起部33が、該突起部33を回転板40の操作部42外側に配置しかつ各々の傾斜面33a,42aを当接させた状態で重なり合うことにより、各回転板40の操作部42と指掛け部10の開口部との間の隙間を通って戸パネルD2(D1)両側の一方の空間(例えば室内)の明かりが他方の空間(例えば室外)に漏れることを規制するようにしている。
【0060】
また、上記ケース12における接触部20(横リブ15,15の先端面15a,15a及び縦リブ14の先端面14a)は、引手本体11の指掛け部10内の側壁部において室外側戸パネルD2の表面に対して垂直に設けられており、回転軸44(ピン)の位置設定により、回転板40が操作位置にある状態では回転板40の操作部42の平面状の裏面が接触部20と平行となって該接触部20の全体と接触するものとされ、この接触状態で上記ストッパ部43裏面の戸当たり面45に対し引違い戸パネルである室内側戸パネルD1との衝突による衝撃が加わった際に、その衝撃を分散するように回転板40の操作部42裏面に対し接触部20が、横リブ15,15の先端面15a,15a及び縦リブ14の先端面14aにより複数の点で接触するようになっている。
【0061】
次に、上記実施形態の引手Pの使用操作方法について説明する。以下の説明でも、例示として、図18に示す引戸Dにおいて室外側戸パネルD2を室内側から開閉するために、その引手Pを室内側から操作する場合について説明する。尚、室内側戸パネルD1を室外側から開閉するために、その引手Pを室外側から操作する場合についても同じである。また、室外側戸パネルD2を室外側から開閉する場合や室内側戸パネルD1を室内側から開閉する場合には、引違い戸パネルD1,D2が操作者の側にないので、回転板40が操作位置に回転するものの、その引違い戸パネルD1,D2との間の指詰めや回転板40の衝突は生じない。
【0062】
まず、引戸Dの開閉が不要で室外側戸パネルD2の引手Pを操作しないときには、図1及び図3に示すように、その引手Pの各回転板40は捩りコイルばね46の付勢力によって非操作位置に位置しており、各回転板40の操作部42及びストッパ部43(回転板40の全体)が引手本体11におけるカバー24のフレーム部25内を覆い、操作部42は指掛け部10の開口部全体を塞いでいる。
【0063】
このように、回転板40の非操作位置で操作部42が指掛け部10を塞ぐので、その引手Pを操作していない状態(回転板40を指先で押していない状態)では、引手P内の指掛け部10が外部から見えないとともに、回転板40の全体がカバー24のフレーム部25内を隠すので、見映えや意匠性のよい引手Pとすることができる。
【0064】
次に、引戸Dの室外側戸パネルD2を操作者が開閉するときには、まず、指により、非操作位置にある回転板40の操作部42を指掛け部10内に捩りコイルばね46の付勢力に抗して押し込み、回転板40を回転させながら引手Pの指掛け部10に開口部から指を入れる。この操作により、図2及び図4に示すように、回転板40が非操作位置から略90°回転して操作位置に移行する。この操作位置では、回転板40のストッパ部43が指掛け部10の開口部から戸パネルD2の表面よりも操作者側に突出し、そのストッパ部43裏面の戸当たり面45が戸パネルD2の表面に対して垂直となるとともに、操作部42の裏面が指掛け部10の内側壁部の接触部20に押し付けられた当接状態となる。
【0065】
このように指掛け部10に指を挿入したときに、回転板40は操作部42裏面が接触部20と接触した状態で立ち上がった状態となるので、指掛け部10の深さが回転板40に干渉されることなく深く保たれる。このことで、引手Pに対する指掛けの深さが十分に確保され、操作性を向上させることができる。
【0066】
しかも、上記指掛け部10が、戸パネルD2の一方の表面側から他方の表面側に貫通する貫通穴であり、この指掛け部10の両開口部がそれぞれ回転板40,40により塞がれているので、回転板40の操作時には、非操作位置にある相手側(室外側)の回転板40の操作部42が指掛け部10の底部となり、その指掛け部10の深さが戸パネルD2における取付穴D3の厚さ方向の略全体を占める深さとなり、その深い指掛け部10に指を深く掛けることができ、操作性をさらに向上させることができる。これらの結果、手のカが弱い高齢者等にとっても引戸Dの開閉が容易となる。
【0067】
そして、このように指掛け部10に指を挿入したまま回転板40の操作部42を上記指掛け部10内の接触部20に押し付ける側、つまり室外側戸パネルD2を開く側に押すことで、室外側戸パネルD2が開き方向にスライドして引戸Dが開く。この操作位置にある回転板40の回転軸44からストッパ部43先端までの長さL1が、戸パネルD1,D1間の隙間L2よりも大きいので、室外側戸パネルD2が全開位置に達する前の位置では、指掛け部10の開口部から突出したストッパ部43裏面の戸当たり面45が室内側戸パネルD1(引違い戸パネル)の端部に当たり、この当接規制によって室外側戸パネルD2の開き動作が停止する。このような回転板40との当接による停止規制により、指掛け部10に挿入した指が室内側戸パネルD1との間に挟まれることはなく、指詰めを防止することができる。
【0068】
そのとき、室内側戸パネルD1(引違い戸パネル)の端部と回転板40のストッパ部43裏面の戸当たり面45との衝突により回転板40に衝撃が加わるが、その戸当たり面45は回転板40の操作位置で戸パネルD2(D1)の表面に対して垂直であるので、その戸当たり面45が室内側戸パネルD1(引違い戸パネル)の端部に面接触状態で当たるようになる。また、回転板40の操作部42裏面も引手本体11の指掛け部10内の接触部20と面ないし複数の点で接触する。そのため、回転板40に対する衝撃は、戸当たり面45での面接触状態と接触部20における複数の点での接触状態とによって分散され、その衝撃の集中によって回転板40の変形が生じることがなく、よって引手Pの耐久性を優れたものとすることができる。
【0069】
しかも、引手本体11は、回転板40を取り付けるカバー24,24(回転板取付部)と、接触部20を備えるケース12とからなり、各カバー24は、ケース12に対しねじS1,S1により固定されているとともに、戸パネルD2に対しカバー24のねじ挿通孔32,32及びケース12のねじ通し孔19,を通過するねじS2,S2により固定されている。これら2種類のねじS1,S2は、回転板40が操作位置に回転してストッパ部43が突出した際の戸当たり面45と平行に延びるように固定されているため、上記室外側戸パネルD2の開き動作で回転板40が室内側戸パネルD1に当たった際に回転板40に作用する衝撃の方向はいずれも常に各ねじS1,S2の軸線方向と直交する方向となり、ねじS1,S2を軸線方向に引き抜く方向とはならず、その衝撃の繰返し等によりカバー24ないし回転板40が位置ずれするのを防止することができる。尚、本実施形態のようなねじS1,S2に代えて、引手本体11(ケース12)が外れない程度の保持力を持つものであれば、釘等の固定部材を用いてもよい。
【0070】
また、上記回転板40が平板であり、指掛け部10内の接触部20が室外側戸パネルD2の表面に対して垂直に設けられているので、操作位置にある回転板40が戸パネルD2の表面に対して垂直に立ち上がるようになり、回転板が戸パネル表面に対して斜めに立ち上がる場合に比べ、引手Pの指掛け部10が引違い戸パネルである室内側戸パネルD1により一層近接した位置まで室外側戸パネルD2を開くことができ、その分、引戸Dの開き状態での出入口4の幅を広く取ることができる。
【0071】
一方、室外側戸パネルD2を閉じるときには、上記引手Pの指掛け部10に指を挿入して接触部20と反対側の内側壁部(両カバー24,24の側板部26,26)に引っ掛け、戸パネルD2を閉じ方向にスライドさせればよい。このとき、回転板40を捩りコイルばね46の回転付勢力に抗して指掛け部10内に押し込みながら、その側縁部を押すので、そのばね46の回転付勢力によって指が押される。
【0072】
尚、上記のように、引手Pの回転板40を操作位置に回転させてストッパ部43を戸パネルD2の表面に対して垂直に立ち上げた状態で、戸パネルD2を開き方向にスライドさせると、その開き位置に達する際の指詰めを防止することができるが、このような指詰め防止の操作に代えて次の操作を行うこともできる。すなわち、室外側戸パネルD2がある程度開いた状態で、操作位置にある回転板40のストッパ部43が室内側戸パネルD1の端部に当たる前に、指を引手Pの回転板40から離して指掛け部10から抜き出す。すると、その回転板40は捩りコイルばね46の付勢力により非操作位置に戻り、ストッパ部が戸パネルD2から突出しない状態となる。この状態となった後、戸パネルD2の端部を押す等の操作を行って戸パネルD2を引き続き開き位置にスライドさせれば、戸パネルD2を完全に開く(図18において2枚の戸パネルD1,D2が完全に重なった状態にする)ことができる。
【0073】
このようにして引戸Dを完全に開くと、引き残しをなくすことができ、その出入口4の幅を最大限に広く確保することができる。そのため、車椅子等を用いる場合等、出入口4の幅を比較的広く取る必要がある引戸Dの場合においても有用である。すなわち、指詰めの防止を優先する態様と引戸Dの出入口4の確保を優先する態様とを切り換えて使用できる。
【0074】
こうして引戸Dが完全に開いた状態から戸パネルD2を閉める際の操作性を向上させるために、戸パネルD2の引手Pよりも外側の側端面に指先を掛ける取手や掘り込みを設けておくのが望ましい。
【0075】
また、この実施形態においては、引手Pの各ケース12に指掛け部10内の開口部壁面から開口部中央側へ延びる突起部33が形成され、この突起部33が非操作位置にある回転板40の操作部42先端にその外側となって各々の傾斜面33a,42aで重なり合うようになっている。そのため、引手本体11の指掛け部10が貫通穴からなり、この指掛け部10の両開口部をそれぞれ回転板40,40で塞ぐ構造の引手Pであっても、その非操作位置にある回転板40の操作部42と指掛け部10の開口部との間の隙間を通って戸パネルD2両側の一方の空間(例えば室内)の明かりが他方の空間(例えば室外)に漏れるのを防止することができる。この明かり漏れの防止は、両回転板40,40が同時に非操作位置にならない限り維持される。
【0076】
そのとき、上記突起部33は非操作位置にある回転板40の操作部42外側に形成されているため、その突起部33が回転板40の回転動作を妨げることはない。
【0077】
(実施形態2)
図19は本発明の実施形態2を示し(尚、以下の各実施形態では、図1〜図18と同じ部分については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する)、明かり漏れ規制機構43の構造を変えたものである。
【0078】
すなわち、この実施形態では、上記実施形態1とは異なり、各カバー24におけるフレーム部25に突起部33が設けられていない。その代わり、両カバー24,24における側板部26,26の先端部にそれぞれ指掛け部10の中央側に突出する突出部34,34が一体に形成されている。これらの突出部34,34は互いに対称な断面略三角形状の突条からなり、両突出部34,34が互いに突き合わせられて1つの断面略三角形状の突条をなしており、これらの突出部34,34によって明かり漏れ規制機構43が構成されている。突出部34,34の突出方向の高さHは、回転板40の操作部42と指掛け部10内の壁面との間の隙間hよりも高く(H>h)、かつ回転板40が回転したときに干渉しない高さとなっている。
【0079】
その他の構成は実施形態1と同じであり、この実施形態でも実施形態1と同様の作用効果を奏することができる。
【0080】
(実施形態3)
図20は実施形態3を示し、回転板40の操作位置、その戸当たり面45及び引手本体11の接触部20の形状を変更したものである。
【0081】
この実施形態では、引手本体11におけるケース12の縦リブ14先端部の突出高さは、実施形態1とは異なり、全体として両横リブ15,15先端部の突出高さよりも高くなっている。また、各横リブ15はその幅方向中央にある縦リブ14との交差部分が縦リブ14の突出高さと同じで最も高く、幅方向両側の端部に向かって突出高さが低くなっている。このことで、各横リブ15の先端部は略三角形状で、その先端面15aは1対の傾斜面からなるテーパ面となっており、この両横リブ15,15のテーパ状の先端面15a,15aで接触部20が構成されている。そして、回転板40が操作位置に回転したときに、この接触部20をなす、両横リブ15,15のテーパ状先端面15a,15aのうちの一方の傾斜面に操作部42裏面が当接することで、戸パネルD2(D1)の表面に対し直角ではなく傾斜して立ち上がるようになっている。
【0082】
また、回転板40のストッパ部43の裏面には、断面略三角形状の板状部50が一体に形成され、その板状部50の先端に戸パネルD2(D1)の表面に対して垂直となる戸当たり面45が設けられている。
【0083】
その他は実施形態1と同様であり、よって、この実施形態でも実施形態1と同様の作用効果が得られる。
【0084】
(実施形態4)
図21は実施形態4を示し、上記実施形態3と同様の構造を有するケース12の他に補助ケース12′が設けられている。この補助ケース12′は、ケース12の基部13と同様に、両端部が同じ向きに直角に折れ曲がったコ字状のもので、その長さは戸パネルD2(D1)の取付穴D3の長さよりも少し短く、左右長さ(折れ曲がり部分の長さ)は取付穴D3の幅の略半分とされ、幅方向の端部は指掛け部10の外側に段差状に突出している。そして、補助ケース12′は戸パネルD2(D1)の取付穴D3にケース12と反対側半部に、その折れ曲がり部分の先端部をケース12の基部13の折れ曲がり部分先端と突き合わせた状態で嵌装されている。
【0085】
一方、各カバー24においてはフレーム部25の閉じ側半部裏面に側板部26が設けられておらず、裏面側に突出する突条部35が一体に形成されている。そして、このフレーム部25の突条部35が上記補助カバー24の幅方向端部の段差部の内側に段差部を除く部分と面一になるように重なった状態で両カバー24,24が補助ケース12′に組み付けられており、上記両カバー24,24の側板部26,26の代わりに、この補助ケース12′で指受け部が構成されている。
【0086】
そして、フレーム部25には突起部33が形成されておらず、それに代えて、上記補助ケース12′の幅方向中央部には指掛け部10中央側に断面半円弧状に膨出する膨出部36が形成され、この膨出部36により明かり漏れ規制機構43が構成されている。この膨出部36の膨出方向の高さHは、上記実施形態2と同様に、回転板40の操作部42と指掛け部10内の壁面との間の隙間hよりも高く(H>h)、かつ回転板40が回転したときに干渉しない高さとなっている。
【0087】
その他の構成は実施形態3と同じであり、この実施形態でも実施形態3と同様の作用効果を奏することができる。
【0088】
(実施形態5)
図22は実施形態5を示し、以上の各実施形態では指掛け部10が貫通穴であるのに対し、有底穴とするとともに、その指掛け部10の開口の一部を非操作位置で開放するようにしたものである。
【0089】
すなわち、この実施形態では、引手本体11のケース12における横リブ15,15は上記実施形態1,2と同様に戸パネルD2(D1)における取付穴D3の略中央まで突出し、その先端面15a,15a(接触部20)は戸パネルD2(D1)と直交する方向に延びている。これに対し、縦リブ14は横リブ15,15よりも延長され、その先端部は戸パネルD2(D1)の取付穴D3の閉じ側半部周縁まで延びて両カバー24,24の側板部26,26間に挟持されており、この縦リブ14の延長部分により戸パネルD2(D1)の取付穴D3が戸パネル厚さ方向に2分割されて、引手本体11内に有底の穴からなる2つの指掛け部10,10が区画され、その各指掛け部10の底部は縦リブ14の延長部分で構成されている。
【0090】
そして、各回転板40については、その操作部42の幅が上記各実施形態のものよりも短く、操作位置に回転したときに、操作部42の先端が上記各指掛け部10の底部(縦リブ14の延長部分)と干渉しないようになっている。また、回転板40は操作部42がストッパ部43との境界部分(回転軸44の位置)から裏側に斜めに折れ曲がっている。さらに、実施形態3と同様に(図20参照)、回転板40のストッパ部43の裏面に断面略三角形状の板状部50が一体に形成されて、その板状部50の先端に戸パネルD2(D1)の表面に対して垂直となる戸当たり面45が設けられており、回転板40の操作位置では、操作部42裏面が戸パネルD2(D1)と直交する方向に延びて引手本体11におけるケース12の横リブ15,15のみからなる接触部20と当接し、ストッパ部43が斜めに突出して戸当たり面45が戸パネルD2(D1)と直交する方向になる一方、非操作位置では、操作部42が指掛け部10内に開口部から少し落ち込み、かつその開口部を一部から指掛け部10内に指が挿入可能となるように部分的に塞ぐものとなっている(図22下側参照)。また、この実施形態では、指掛け部10が有底の穴であるので、明かり漏れ規制機構43は設けられていない。その他は上記実施形態1と同じである。
【0091】
したがって、この実施形態においても実施形態1と同様の作用効果が得られる。また、回転板40が回転していない非操作位置にあるときに指掛け部10の開口部を塞がず、その指掛け部10内に開口部から指が挿入可能となっている。このため、上記各実施形態のものでは、戸パネルD2(D1)を閉めるときにも、回転板40を捩りコイルばね46の回転付勢力に抗して指掛け部10内に押し込みながら、その指掛け部10内の指受け部を押すので、ばね46の回転付勢力によって指が押されるのに対し、この実施形態では、戸パネルD2(D1)を閉める際に指掛け部10内に開口部から指を挿入しても、その指が回転板40で押圧されることはない。
【0092】
(実施形態6)
図23は実施形態6を示し、上記実施形態5において、引手本体11の接触部20(横リブ15,15の先端面15a,15a)を斜めにし、かつ回転板40を折れ曲がりをなくしたものである。
【0093】
すなわち、この実施形態では、上記実施形態3(図20参照)と同様に、引手本体11におけるケース12の横リブ15,15先端部は略三角形状で、その先端面15a,15aが1対の傾斜面からなるテーパ面であり、この横リブ15,15の先端面15a,15aで接触部20が構成されている。その他の構成は上記実施形態5(図22参照)と同様であり、この実施形態でも実施形態5と同様の作用効果を奏することができる。
【0094】
(実施形態7)
図24は実施形態7を示し、以上の実施形態では戸パネルD2(D1)にその表裏面両側から操作可能な引手Pを取り付けているのに対し、片側のみから操作可能な引手Pを取り付けたものである。
【0095】
すなわち、この実施形態では、室外側戸パネルD2の室内側表面(室内側戸パネルD1の室外側表面)に、引手Pを取り付けるための有底の取付穴D3が形成されている。また、引手本体11のケース12には、その基部13の一方の端部から縦リブ14と平行に戸パネルD2(D1)の取付穴D3の閉じ側半部周縁まで延びる底壁部21と、この底壁部21の先端ないし側端から直角に基部13と対向するようにかつ縦リブ14の延長面上の位置まで延びるコ字状の側壁部22とがそれぞれ一体に形成され、横リブ15,15及び補助リブ16は底壁部21にも一体に接続されている。尚、ボス部17及びねじ取付孔18は、補助リブ16の端部と横リブ15,15との交差部分のうち底壁部21と反対側に位置する半部のみに設けられており、底壁部21側に位置する半部には設けられていない。
【0096】
そして、カバー24は戸パネルD2(D1)の取付穴D3の開口側に1つのみ設けられている。このカバー24のねじS1,S1によるケース12への組付けにより、カバー24の側板部26先端がケース12における側壁部22の先端と面一状に突き合わされて連続しており、このことで引手本体11には有底穴からなる1つの指掛け部10のみが形成されている。その他の構成は、上記実施形態1と同様である。
【0097】
したがって、この実施形態でも実施形態1と同様の作用効果が得られる。
【0098】
(その他の実施形態)
尚、本発明は以上の実施形態に限定されるものではなく、その他の種々の実施形態をも包含している。例えば、上記実施形態7では、戸パネルD2(D1)に有底の取付穴D3を形成し、この取付穴D3に戸パネルD2(D1)の一方の面からのみ操作する引手Pを取り付けているが、この実施形態7の構造の2つの引手P,Pをそれぞれ戸パネルD2(D1)の表裏面両側に取り付けてもよい。さらには、実施形態7の構造の引手Pを戸パネルD2(D1)の表裏面の一方に取り付ける一方、他方には従来知られている指掛け凹部を設けた引手を取り付けることもでき、これらの場合は戸パネルD2(D1)の取付穴D3を実施形態1の如く貴通穴とすればよい。
【0099】
また、上記実施形態では、引手本体11の接触部20を、ケース12の1条の縦リブ14及び2条の横リブ15,15の各先端面14a,15aが十字状に交差したもの(実施形態1参照)、或いは一定間隔をあけて平行に並んだ2条の横リブ15,15の先端面15a,15a(実施形態3参照)で構成しているが、この接触部20は、これらの構成に限定されず、さらに別の配置を持つ複数の点や面板状のものであってもよい。つまり、回転板40の操作位置で戸当たり面45に加わる衝撃を分散するように回転板40の操作部42裏面に対し面ないし複数の点で接触するものであれば任意のものを採用することができる。
【0100】
さらに、上記実施形態では、引戸Dとして、2枚の戸パネルD2(D1)を用いた引違い戸を例示しているが、3枚以上の複数の戸パネルが水平方向にスライドすることにより出入口を開閉する引違い戸、その他、1枚の戸パネルを1つの控え壁の内部や側方にスライドさせて開閉する片引戸や、2枚の戸パネルをそれぞれ2つの控え壁間でスライドさせて開閉するいわゆる引分の両引戸等、開いた際に戸パネルが控え壁に収まる引込み戸で構成される引戸に対しても本発明を適用することができる。
【0101】
また、上記実施形態では、建物内の部屋間の壁に設けられた出入口4を開閉する引戸D及びそれに用いられる引手Pに本発明を適用した例であるが、本発明は収納の引戸等についても適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0102】
本発明は、引戸の開き操作での指詰めの防止と引手の耐久性の向上とを併せ図る点で極めて有用であり、産業上の利用可能性が高い。
【符号の説明】
【0103】
D 引戸
D1 室内側戸パネル
D2 室外側戸パネル
D3 取付穴
P 引手
10 指掛け部
11 引手本体
14 縦リブ
14a 先端面
15 横リブ
15a 先端面
20 接触部
24 カバー(回転板取付部)
25 フレーム部
26 側板部
27 プレート部
S1 ねじ(固定部材)
S2 ねじ(固定部材)
33 突起部
34 突出部
36 膨出部
H 高さ
h 回転板と指掛け部の内壁面との間の隙間
40 回転板
42 操作部
43 ストッパ部
44 回転軸
45 戸当たり面
46 捩りコイルばね
48 明かり漏れ規制機構
L1 回転板の回転軸からストッパ部先端までの長さ
L2 両戸パネル間の隙間
50 板状部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
引戸における戸パネルの取付穴に取り付けられる引手であって、
上記戸パネルの取付穴に嵌挿され、開口部を有する指掛け部が形成された引手本体と、
上記引手本体に上下方向の回転軸を中心として非操作位置及び操作位置の間で回転可能に取り付けられ、かつ上記回転軸の両側にそれぞれ操作部とストッパ部とを有し、上記非操作位置では上記操作部により上記指掛け部の開口部の少なくとも一部を塞ぐ一方、操作部を指掛け部内へ押すことで上記非操作位置から操作位置に回転して、該操作位置ではストッパ部が指掛け部の開口部から突出し、上記ストッパ部の裏面には、上記操作位置でストッパ部が指掛け部の開口部から突出した際に戸パネルの表面に対して垂直となる戸当たり面が設けられた回転板と、
上記引手本体の指掛け部内の側壁部に設けられ、上記回転板の操作位置で上記戸当たり面に衝撃が加わった際に、該衝撃を分散するように回転板の操作部裏面に対し面ないし複数の点で接触する接触部とを備えることを特徴とする引手。
【請求項2】
請求項1において、
戸パネルには、その表裏面間を貫通する取付穴が形成され、
上記取付穴に嵌挿される引手本体には、戸パネルの表面側から裏面側まで貫通しかつ両端に開口部を有する貫通穴からなる指掛け部が形成されており、
上記指掛け部の両開口部をそれぞれ塞ぐ2つの回転板が設けられていることを特徴とする引手。
【請求項3】
請求項2において、
非操作位置にある回転板の操作部と指掛け部の開口部との間の隙間を通って戸パネル両側の一方の空間の明かりが他方の空間に漏れることを規制する明かり漏れ規制機構を備えることを特徴とする引手。
【請求項4】
請求項3において、
明かり漏れ規制機構は、指掛け部の開口部壁面から開口部中央側へ延びる突起部を備えていて、該突起部が非操作位置にある回転板の操作部にその外側となるように重なり合うことにより明かりの漏れを規制するものであることを特徴とする引手。
【請求項5】
請求項1において、
指掛け部は有底の穴からなり、
回転板の操作部は、非操作位置にあるときに開口部の一部から指掛け部内に指が挿入可能となるように該開口部を部分的に塞ぐものであることを特徴とする引手。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1つにおいて、
引手本体は、回転板を取り付けるための回転板取付部を備え、
上記回転板取付部は戸パネルに対し、操作位置にある回転板の戸当たり面と平行に延びる固定部材により固定されていることを特徴とする引手。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1つの引手が戸パネルに対し、回転板が戸パネルの表裏面の少なくとも控え壁側又は引違い戸パネル側の面に位置するように取り付けられ、
上記引手における回転板の回転軸からストッパ部先端までの長さよりも、上記戸パネルと控え壁又は引違い戸パネルとの間の隙間の間隔が短いことを特徴とする引戸。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2011−12439(P2011−12439A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−156941(P2009−156941)
【出願日】平成21年7月1日(2009.7.1)
【出願人】(000204985)大建工業株式会社 (419)
【出願人】(500049060)株式会社田辺金属工業所 (5)