説明

張り出し試料受入チャンバーを持つ試験ストリップ

試料受入開口部中で終結する新規な張り出し部分を有する試料受入チャンバーを有するテストストリップである。張り出し部分は、そこから試料流体がキャピラリーまたは試料受入チャンバーに引き込まれる貯蔵所を提供する。本発明によって提供される幅広な開口は、試料流体が「標的化」を容易にする。好ましい実施の形態において、親水性の試薬層は、試験ストリップの投与末端または側に延伸し、試料の試料受入チャンバーへの移送を促進し、投与のためらいを減少させる。好ましい実施の形態において、テーパされた投与末端は、張り出し部分と組み合わされて試験ストリップ上に提供され、この組み合わせによって、試料流体と試験ストリップの投与末端がどこで接触しようとも、試料流体を試料受入チャンバーに引き込む試験ストリップを作製する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願]
本明細書は2003年6月20日に出願された米国特許仮出願第60/480,397号に対する優先権を主張する。
【0002】
本発明は、一般的に、検体の濃度に関する、体液の試験に関し、よりとりわけ、そのような試験のための試験ストリップまたはバイオセンサーに関する。
【背景技術】
【0003】
試験ストリップはしばしば、試験試料中の選択された検体の存在、および/または濃度を測定するために使用される。たとえば、種々の試験ストリップが、糖尿病の患者の、血糖レベルをモニタするために、血中のグルコース濃度を測定するために使用される。これらの試験ストリップには、試薬組成物が配置される、反応チャンバーが含まれる。試験ストリップの現在のトレンドとしては、より少量の試験試料、およびより迅速な解析時間が要求される。このことにより、患者に対して有意な利益が提供され、体のそれほど感受性ではない部分から得ることが出来る、より少量の血液試料を使用することが可能になる。さらに、より迅速な試験時間と、より正確な結果によって、患者が、その血糖レベルをよりよく制御可能である。
【0004】
より小さな試料容量に関連して、試料流体を、その表面積を最小化するための、試料流体の表面張力と、液体の熱力学傾向の結果の現象である、キャピラリー活性によってそこに引くように、十分に小さな反応チャンバーを持つ試験ストリップが提供されることが知られている。たとえば、米国特許第5,141,868号は、キャピラリー活性によってそこに試料液体を引くために十分小さな大きさの溝を持つ、試験ストリップを開示している。溝は、プレートの側面にそって縦方向に伸びる2つのエポキシストリップによって、約1mm離れた2つの平行プレートによって定義される。溝は、両端で開いており、その一方が試料を受入し、他方が、空気を逃がす。溝には、電極構造が含まれ、試験ストリップによって実施されうる試験に適切な物質のコーティングがつくられる。
【0005】
種々の他の試験ストリップ設計には、その中に試料液体を引くキャピラリー溝が含まれ、空気を逃がす空間開口部が含まれる。現在の試験ストリップ設計中のキャピラリーチャネルは、典型的には非常に小さく、試験のために必要な試料の量を減少させるために、連続して小さく設計されることが理解されなければならない。しかしながら、キャピラリー入り口幅が小さければ小さいほど、試験ストリップのキャピラリーへ、少量の試料を正確に提供すること(または「標的化すること(target)」)がより難しくなる。標的化は、試験ストリップの投与縁部に、指を正確に整列することが、このセグメントにとって、より難しいので、視野が失われている、および/または器用さが減少している、人口統計のセグメントにおいて、より重要である。さらに、試料流体はしばしば、「投与のためらい(dose hesitation)」と呼ばれる現象である、キャピラリーに引かれる前の、好ましくなくためらわれる。試験ストリップ設計における小さなキャピラリーと関連する困難に打ち勝つことが望ましい。
【発明の開示】
【0006】
本発明は、試料受入開口部中で終結する、新規の張り出し部位を持つ、試料受入チャンバーを含む、試験ストリップを提供する。張り出し部位は、試料流体を、キャピラリーまたは試料受入チャンバーに引き入れることが可能である容器を提供し、試料を試験器具に導入することにおいて、利用者を補助し、投与のためらいを減少させる。好ましい実施形態において、親水性試薬層が、投与末端または試験ストリップの側まで伸長し、さらに、試料の試料受入チャンバーへのウィッキングを促進し、したがってさらに、投与ためらいを減少させる。
【0007】
その1つの形態において、本発明は、ベース基板と、そのベース基板を被覆するカバー層を含む試験ストリップを提供し、さらにカバー層は通気口を含む。スペーシング層を、カバー層とベース基板間に配置させ、スペーシング層が、ベース基板とカバー層の間に配置される試料受入チャンバーを定義する空間を持つ試料受入チャンバーは、流体受入開口部内で終結する、張り出し部位を定義する。空間は試料受入チャンバーと連結し、それによって、流体が試料受入チャンバーに引かれた時に、空気が空間より逃げることが可能である。
【0008】
その好ましい形態において、カバー層、ベース基板およびスペーシング層が、本質的に平面であり、それによって試料受入チャンバーが、張り出し部位にて変化する、実質的に一定の高さと幅を含む。より好ましくは試料受入チャンバーには、張り出し部位か内側に伸びている、実質的に一定な幅を持つ、細長い部位が含まれる。カバー層およびベース基板には、流体受入開口部が局在している、試験ストリップの流体受入末端または側を含む、実質的に整列した縁部が含まれる。
【0009】
好ましい形態において、整列した縁部には、さらに開口部を定義する切り欠きが含まれる。切り欠きは、張り出し部位よりも小さく、張り出し部位に関して、中心に配置される。
【0010】
他の好ましい形態において、少なくとも1つの電極および試薬層が、試料受入チャンバー内に配置され、試薬層が、少なくとも1つの電極をカバーする。より好ましくは、試薬層は、試料受入開口部まで伸長する。
【0011】
他の好ましい形態において、本発明は、その上に配置された試薬層を持つ、ベース基板を含む試験ストリップを提供する。カバー層が、ベース基板を被覆し試料受入チャンバーが、ベース基板とカバー層のあいだに配置される試料受入チャンバーには、試料受入開口部を定義している張り出し部位が含まれ、試薬層が、試料受入開口部まで伸びる。
【0012】
その好ましい形態において、試験ストリップには、試料受入チャンバーと連結したスロットが含まれ、そのスロットは、流体が試料受入チャンバーに入ったときに、空気が逃げられるようにする、カバー層中の通気開口部を定義している試料受入チャンバーは、張り出し部位から内側に伸びている細長い部位を含む。張り出し部位は、細長い部位への方向で細くなる、一対の開口壁によって定義され、一方で、細長い部位は、末端壁によって連結される、本質的に平行な壁によって定義される。
【0013】
その他の形態において、本発明は、試験ストリップを作製する方法を提供する。ベース基板、スペーシング層およびカバー層が提供される。空間が、スペーシング層中で形成され、前記空間が、細長い部位と球状部位を持つ。スペーシング層が、ベース基板に対して積層され、カバー層が、スペーシング層に対して積層され、それによって、試験ストリップ前駆体が形成される。試験ストリップを作製するために、前駆体を通して切断が行われ、その切断が、空間の球状部位を横切り、試験ストリップの試料受入縁部を形成し、そこで、空間が、試験ストリップの試料受入縁部における試験受入開口部中にて終結している、張り出し部位を持つ試料受入チャンバーを定義している。
【0014】
本発明の方法の好ましい形態において、試料受入縁部が、試験ストリップの末端を含み、試料受入開口部が外側に張り出し、試験ストリップの投与末端がテーパーしている。
【0015】
本発明は、非常に簡単に投与される試験ストリップを提供し、強固であるが、しかし順応性がある製造工程を提供する。本発明を特徴づける種々の他の特徴が、付随する請求項において、詳細に言及されている。
【0016】
本発明、その利点およびそれより得られる目的のよりよい理解のために、本発明の例示され、記述された好ましい実施形態が存在する、図面および付随する記述に対して、参照されるべきである。
【0017】
ここで図面を参照して、いくつかの図を通して、同様の参照番号および文字が、相当する構造を示唆する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の原理の理解を促進する目的のために、本明細書で例示した特定の実施形態に対して参照し、特定の言語を、同様に記述するために使用する。それによって本発明の目的の制限が意図されていないことが理解される。記述した工程または器具における、任意の変化およびさらなる改変、および本明細書で記述されたような本発明の原理のさらなる任意の適用が、本発明が関する技術分野の当業者に通常おこるように、意図される。
【0019】
システム
本発明は、試料流体中の検体を査定するために有用なシステムに関する。システムには、標的検体に対して、試料流体を評価するための器具および方法が含まれる。より完全に本明細書以下で記述されるように、評価は、検体の存在を検出することから、検体の濃度を決定することまでの範囲である。検体および試料流体は、試験システムが適切である任意のものでありうる。例示のみの目的のために、好ましい実施形態を、検体がグルコースで、試料流体が血液または間質液であるように記述する。しかしながら、本発明は、明確にその目的を制限されない。
【0020】
センサー
システムの1つのコンポーネントは、試料流体のための試料受入チャンバーと、試験検体の存在下で、電気化学シグナルを産出するために好適な試薬を含む、電気化学的センサーである。センサーは、好ましくは、使い捨て試験ストリップ、とりわけ、試料受入チャンバーと連結する縁部開口部を提供する、薄版状構造を持つものを含む。試薬が、チャンバー内に位置する作用電極へ、電気化学的シグナルを提供するための位置に、試料受入チャンバー内で配置される。グルコース検出のためのような、適切な環境において、試薬が、酵素および任意にメディエーターを含みうる。
【0021】
メーター
センサーは、試料液体中の検体の決定のために、メーターと組み合わせて使用される。メーターは通常、センサーの電極との連結を含み、検体の濃度に相当する電気化学的シグナルを評価するための回路を含む。メーターはまた、試料流体が、センサーによって受入されたこと、および試料の量が試験のために十分であること、を決定するための手段を含みうる。メーターは典型的に、解析の結果を保存し、表示し、または別の器具へ、データを提供してよい。
【0022】
検体−特性
システムは、検体に対する、定量的または定性的表示いずれかを提供可能である。1つの実施形態において、システムは、単に、試料流体中の検体の存在を示唆する。システムはまた、試料流体中の検体の量または濃度の読みとりを提供しうる。好ましい実施形態において、検体濃度の非常に正確で、精密な読み取りが、少量の試料流体から迅速に得られることが、本発明の特徴である。
【0023】
検体−型
システムは、広い範囲の検体の定量のために有用である。たとえば、試験ストリップは、検体の存在を査定するために使用可能である、任意の好適な化学反応との使用に、簡単に適合する。もっとも好ましくは、システムは、生物学的流体中の検体の試験のために配置され、使用される。そのような検体には、たとえば、グルコース、コレステロール、HDLコレステロール、トリグリセリド、乳酸、乳酸デヒドロゲナーゼ、アルコール、尿酸および3−ヒドロキシブチル酸(ケトン体)が含まれうる。システムに対する相応の改変が、当業者に対して理解されうる。説明の目的のために、そしてとりわけ好ましい実施形態において、システムが、生物学的流体中のグルコースの検出に関して、記述される。
【0024】
干渉物
試験法は、試料流体中の干渉物の存在によって、様々に影響を受けうる。たとえば、血液試料中のグルコースに関する試験は、酸素、ビリルビン、ヘマトクリット、尿酸、アスコルビン酸塩、アセトアミノフェン、ガラクトース、マルトースおよび脂質のような因子によって影響を受けうる。本システムは、試料流体にまた存在しうる干渉物の悪影響を最小化または削除するために適合可能である。これらの影響は、影響が少ないことが公知な化学物質の選択、または可能な干渉物などによって、試験物質およびパラメータの適切な選択によって、解決されうる。本技術分野で公知なように、干渉物が試験ゾーンへ侵入することから防止する、コーティングまたはフィルムの使用のような、他の段階を実施して、可能性のある干渉物効果を解決しうる。さらに、電極配置または問い合わせ方法に対する改変を、干渉物の効果を最小化するために使用可能である。
【0025】
流体型
本システムは、広い範囲の種々の試料流体で有用であり、好ましくは、生物学的流体中の検体の検出のために使用される。この文脈において、語句「生物学的流体(biological fluid)」には、検体が測定可能である任意の体液、たとえば間質液、皮膚液、汗、涙、尿、羊膜液、髄液および血液が含まれる。本発明の文脈において、語句「血液(blood)」には、全血およびその細胞を含まない成分、すなわち、血漿および血清が含まれる。さらに、本システムは、試験のためのシステムの完全性を確認するために、従来の方法にて使用される、対照流体と連結して有用である。
【0026】
好ましい実施形態において、本システムは、グルコースの試験のために使用される。本例の試料流体は、とりわけ、たとえば、指先または許可された他の部位(たとえば、前腕、掌、耳たぶ、上腕、カーフおよび大腿部)より得られた、新鮮なキャピラリー血液、新鮮な静脈血、およびシステムとともに、またはシステムのために供給された対照溶液が含まれうる。
【0027】
流体は、任意の様式で取得され、試験ストリップに伝達しうる。たとえば、血液試料を、ランセットなどで、皮膚を切開し、ついで、試験ストリップを、皮膚表面に現れた流体と接触させることによって、従来の様式にて得ることが可能である。試験ストリップが、非常に小さな流体試料で有用であることが、本発明の一つの観点である。したがって、皮膚をわずかに切開することのみが、試験に必要な流体の容量を産出するために必要であること、およびそのような方法に関する痛みや他の問題を、最小化するか、排除することが可能であることが、本発明の望ましい特徴である。
【0028】
皮膚上の異なる局所が、ランセットで切開する場合に、より多くの、またはより少ない血液量を産出しうることがまた公知である。たとえば、ランセットで切開する場合に、比較的多量の血液を産出するので、指先が、血液試料を得るための、一般的に使用される部位である。しかしながら、より多量の血液を産出する領域は、一般的に、利用者にとってより大きな程度の痛みを伴うことも知られている。したがって、本システムのさらなる利点は、試料流体の容量が充分に少なく、さらに試験ストリップが、典型的に、掌および上腕のようなあまり生産的ではないが痛みが少ない皮膚の領域を、ランセット切開して得られた、血液量で有用である。試験のための試料流体を得るために、これらの部位を使用することは、しばしば「代替部位試験(alternate site testing)」と呼ばれる。本発明は、とりわけ、これらの代替部位で得られた、試料流体、たとえば、血液または間質液との使用によく適合する。
【0029】
試験ストリップ−一般
イントロダクション
試験ストリップは、いくつかの基礎的成分を含む。ストリップは、試料流体が試験のために受入されるチャンバーを定義している小体を含む。この「試料受入チャンバー(sample-receiving chamber)」が、好適な手段、好ましくは、キャピラリー活性によって、また任意に圧力または吸引によって補助されて、試料流体で満たされる。試料受入チャンバーには、電極および、試料流体中の検体を示す電気化学シグナルを産出するために好適な化学物質が含まれる。
【0030】
基本的概要
とりわけ、図面を参照して、本発明にしたがって有用である試験ストリップの好ましい実施形態が示されている。試験ストリップ10には、ベース基板12、スペーシング層14、および本体カバー18とチャンバーカバー20を含むカバー層16が含まれる。スペーシング層14には、ベース基板12およびカバー層16間に伸びている、試料受入チャンバー24を提供するために空間部位22が含まれる。
【0031】
ベース基板12が、複数の電極28と、コンタクトパッド32中で終結している電極トレース30を含む、電極システム26を持つ。電極は、試料受入チャンバー24内に配置されている、電極トレース30のそれらの部分として定義される。電極システム26の種々の配置が、本明細書以下で列記されるように、使用されうる。好適な試薬システム33が、試料受入チャンバー内の、少なくとも一部分の電極または電極対28を被覆する。
【0032】
スペーシング層16を被覆している本体カバー18およびチャンバーカバー20が、そのあいだのスロット34を定義し、そのスロットが、試料が、縁部開口部または流体受入開口部35から、チャンバーへ入った時に、空気がチャンバーから逃げられるように、試料受入チャンバーと連結している通気開口部を定義している。したがって、試験ストリップには、投与末端36およびメーター挿入末端38が含まれる。投与末端の形態は、典型的には、利用者を補助するために、メーター末端から区別可能である。図1で示したように、好ましくは、投与末端36は流体試料と、試験ストリップ10の試料受入チャンバー24を整列させる場合に、利用者を補助するために、台形形態を形成させるために、テーパーしている、または細くなる。投与末端36のテーパー形態によって、利用者の皮膚への、投与末端の可能な接触表面が最小化され、それによって、以下でより詳細に記述するように、試料受入チャンバー24の、流体試料との整列を補助する。
【0033】
さらに、投与末端でのストリップグラフィックおよび対照色が、好ましくは、ストリップ設計の直感性をさらに改善するために使用される。同様に、メーター挿入末端にて、山形紋31が、メーター内へのストリップの挿入の方向を示唆している。さらに、山形紋31は、試験ストリップ10の大きさに合わされ試験ストリップ上に配置されているため、山形紋31はメーターの内部であり、したがって、試験ストリップ10が適切にメーター内に挿入された場合に、視界から隠れる。(矢印と反対の)山形紋31の大きさおよび位置は、利用者が、山形紋31でマークされた試験ストリップを、メーター内に無理に押し込み、試験ストリップ10に障害を与えるか、または破壊する可能性を減少させる。
【0034】
一般的寸法
試験ストリップは、保存および利用のコンパクトさ、および簡便さのために大きさを設定される、比較的小さな器具である。典型的な実施形態において、ストリップ長さは、長さにして、20〜50mm程度、好ましくは約33〜約38mmであり、幅にして、5〜15mm程度、好ましくは約7〜約9mmある。スロットまたは通気開口部34から、メーターの縁部までの距離は、血圧が存在しない「グラブエリア(grab area)」を提供するように、そして、メーター接触領域の血液汚染に対して防御するために、大きさが決められ、したがって、5〜35mm、好ましくは13mm以上の範囲でありうる。メーターに挿入される、(メーター挿入末端38からの)試験ストリップ部位の長さは、好ましくは、試験ストリップの長軸にそって、6.0mm以下である。
【0035】
試験ストリップの好ましい薄版構造はまた、比較的薄い器具を提供する。ストリップの最小の厚さによって、利用者に便利な適切な容器内のストリップの準備されたパッケージングが可能になる。たとえば、試験ストリップの全厚は、約500〜525μmでありうる。メーター接触内へ挿入される試験ストリップ部位の厚さは、約250μmでありうる。
【0036】
基質
試験ストリップは、電極システムおよび他のコンポーネントを支持する絶縁物質を含む、ベース基板12を含む。典型的には、ビニルポリマー類、ポリイミド類、ポリエステル類およびスチレン類のようなプラスチックが、必要な電気的および構造的特性を提供する。さらに、試験ストリップが、好ましくは、物質のロールからマス産出可能であることから、物質特性が、ロール処理に対して十分な柔軟性を持つことが望ましく、また、完成したストリップに対して有用な堅さを与えることが望ましい。ベース基板は、ポリエステル、とりわけ高温ポリエステル物質、ポリエチレンナフタラート(PEN)、およびポリイミド、またはこれらの2つまたはそれ以上の混合物などの、可塑性重合性物質として選択可能である。ポリイミド類は、たとえば、デラウエア州、ウィルミントンのデュポン社(E.I.duPont de Nemours and Company)より、Kapton(登録商標)の商品名で市販されている。とりわけ好ましいベース基板物質は、デュポン社から入手可能なMELINEX(登録商標)329である。
【0037】
電極

本発明は、センサー内での電気化学的酸化および還元反応によって、検体の存在を検出するため、および/または検体の濃度を測定するために、配置された器具である、「電気化学的センサー(electrochemical sensor)」に関する。これらの反応は、検体の量または濃度に相関する電気信号に変換される。したがって、試験ストリップは、一組の測定電極、たとえば、少なくとも1つの作用電極と一つの対極を含む、電極システム26を、試料受入チャンバー内に含む。試料受入チャンバーは、チャンバー内に入る試料流体が、作用電極および対極両方と、電解接触にて配置されるように、配列される。このことによって、電流が、測定電極間を流れて、検体の電気酸化または電気還元に影響を与える。
【0038】
本発明の文脈にて、「作用電極(working electrode)」は、酸化還元メディエーターの仲介ありまたはなしで、検体が電気酸化または電気還元される、電極である。語句「対極(counter electrode)」は、本明細書にて、作用電極と対となり、作用電極を通過する電流と程度が等しく、符号が反対である電気化学的電流が流れる、電極を意味する。語句「対極」は、参照電極としても機能する対極(すなわち、カウンター/参照電極)も含むことを意味する。
【0039】
作用および対極、および電極システムの残りの部分は、本技術分野で公知の、種々の物質から形成されうる。電極は、比較的低い電気的抵抗を持つべきであり、試験ストリップの操作範囲にわたり、電気化学的に不活性であるべきである。作用電極の好適なコンダクターには、金、パラジウム、白金、炭素、チタン、二酸化ルテニウム、および酸化インジウムスズ、およびイリジウム、ならびに他のものが含まれる。対極は、同一または異なる物質、たとえば銀/塩化銀からなってよい。好ましい実施形態において、ワーキングおよび対極は両方とも金電極である。
【0040】
電極適用
電極は、適切な伝導性および完全性の電極を産出する任意の様式で、ベース基板に適用しうる。例示的工程は、本技術分野でよく知られており、たとえば、スパッタリング、印刷などが含まれる。好ましい実施形態において、金電極が、ベース基板をコートし、ついで、コーティングの選択された部位を取り除いて、電極システムを産出することによって提供される。好ましい除去方法は、レーザー切断であり、より好ましくは、広領域レーザー切断である。
【0041】
レーザー切断技術には典型的に、単一金属層、または絶縁物質と伝送性物質を含む多重層組成物、たとえば、絶縁物質上にコートされたか、または絶縁物質に積層された金属層の金属性−ラミネート(以下で議論する)を切断することが含まれる。金属性層には、純粋な金属、合金、酸化物または金属性コンダクターである、他の物質が含まれる。金属または金属様コンダクターの例には、アルミニウム、(グラファイトなどの)炭素、コバルト、銅、ガリウム、金、インジウム、イリジウム、鉄、鉛、マグネシウム、水銀(アマルガムとして)、ニッケル、ニオビウム、オスミウム、パラジウム、白金、レニウム、ロージウム、セレニウム、シリコーン(高度にドープされた多晶質性シリコンなど)、銀、タンタル、スズ、チタニウム、タングステン、ウラニウム、バナジウム、亜鉛、ジルコニウム、これらの混合物、これらの金属の合金または固体溶液が含まれる。好ましくは、物質は、生物学的システムに対して、本質的に不応答性であるように選択され、このような物質には、金、白金、パラジウム、イリジウム、銀またはこれらの物質の合金または酸化インジウムスズが含まれる。金属性層は、任意の所望の厚さであり得る。好ましい実施形態において、厚さは約50nmである。
【0042】
配置
電極システムは、試験ストリップおよびメーターの操作に適合する種々の配置を持ちうる。任意の実施形態に関して、作用および対極は好ましくは、これらを覆うのに必要な試料流体の量を最小化させるために、配置され、必要な大きさにする。また、電極は、比較的安価な携帯型メーターを用いて測定可能であるように、十分な程度の電流束を維持するために配置されることが好ましい。
【0043】
さらなる例の方法によって、好ましい実施形態には、作用電極の両側の周りに伸びる、対極が含まれる。したがって、対極は2つの要素を持ち、試料流体が、試料受入チャンバーに入る時に、一つは作用電極の前であり、他は作用電極の後ろにある。よりとりわけ、対極には、試料受入チャンバーを越えて伸びている、要素40および42が含まれる。これらの要素のそれぞれが、約250μmの幅である。作用電極要素44は、約250μmの幅を持ち、2つの対極要素のそれぞれから約255μm離れている。これは、測定電極に関する多数の配置のただ1つであることが理解されるであろう。
【0044】
トレース30およびコンタクトパッド32は、試験ストリップに関する意図する機能と一致する多数の様式で提供されうる。電極システムのこれらのコンポーネントは、好ましくは、電極と同一の物質からなり、同様の様式で、電極の適用と同時に、ベース基板に好ましく適用される。好ましい実施形態において、とりわけ、参考文献によって本明細書にて組み込まれている開示物である、表題「バイオセンサーを作製する方法(Method of Making a Biosensor)」の、2003年6月20日に出願された、米国特許出願第10/601,144号にて記述されたような、トレースおよびコンタクトパッドは金であり、レーザー切断によって形成される。しかしながら、他の物質および適用方法を利用して良い。
【0045】
化学物質
試薬組成物
試験ストリップには、試料受入チャンバー内に、試料流体中の検体の存在を表す、電気化学的シグナルを産出するために、試験検体と反応するための、化学試薬が含まれる。試薬層には、種々の検体の存在、および/または濃度を決定するために選択された種々の活性コンポーネントを含みうる。試験化学物質はしたがって、査定されるべき検体に関して選択される。本技術分野で良く公知のように、種々の検体それぞれとの使用のために利用可能な多数の化学物質が存在する。たとえば、1つの好ましい実施形態において、本発明の試験ストリップは、血中のグルコースの存在を決定するために選択可能である、1つまたはそれ以上の酵素、補酵素、および補因子を含みうる。したがって、適切な化学物質の選択は、当業者によく知られており、本明細書でのさらなる記述は、種々の検体と、試験ストリップを作製し、使用することを可能にするために必要ではない。
【0046】
アジュバント
従来の様式において、試薬化学物質は、試薬特性または特徴を増強するための、種々のアジュバントを含んで良い。たとえば、化学物質は、試薬ストリップ上への試薬組成物の配置を促進するため、およびストリップへのその接着を改善するため、または試料流体による、試薬組成物の加水分解の速度を増大させるための、物質を含んで良い。さらに、試薬層は、得られる乾燥試薬層の物理的特徴、および解析のための液体試験試料の取り込みを増強するために選択した成分を含んで良い。試薬組成物と使用するためのアジュバント物質の例には、濃縮物、粘土調節物、フィルム形成物、安定化剤、緩衝液、洗浄剤、ゲル化剤、充填剤、フィルムオープナー、着色剤、および揺変性付与試薬が含まれる。
【0047】
試験試料の好ましい実施形態において、主なチャンバーは使用の前に空である。本発明にしたがった試験ストリップの非常に小さな試料チャンバーにおいて、試薬層が薄く、均一であることが好ましい。試料受入チャンバーが非常に小さく、約1μl以下であるので、チャンバーの深さ、または垂直高さが小さい。したがって、試薬層は、チャンバーの内部キャビティのほとんどを占拠すべきでない。試薬層は、チャンバー内の試験試料のために、豊富な空間を残すために十分薄いべきである。さらに、液体試験試料が、薄い試薬層をより迅速に加水分解または溶解する。上の反応スキーム中で議論されるように、メディエーターおよびメディエーター酸化還元産物が、電極へ、試薬層/勾配を通して、およびその中で拡散する。反応性コンポーネントおよび中間体は、薄い試薬を通して拡散するために短い距離を持ち、したがって、電極への拡散が、少ない時間で生じる。さらに、電極での、メディエーター酸化還元産物の捕獲効率は、厚い層よりも、酵素の薄い層に関して大きい。
【0048】
逆に、厚い試薬層は、液体試験試料を加水分解する、または溶解するために、より時間がかかり、厚い試薬層は、メディエーター/メディエーター酸化還元産物にとって、電極へ接近するためにかかる時間を増加させる。これは、検体濃度を決定するための時間を遅らせ、決定に間違いを生じ得る。
【0049】
試薬層は、均一な厚さをもつことが望ましい。厚さが不均質であることは、検体濃度を決定することにおいて変動を導きうる。好ましい実施形態において、試薬層は、全試料受入チャンバーを通して、均質な厚さを持つ。この好ましい実施形態において、試薬層は、チャンバーを定義している垂直側壁に隣接した試料受入チャンバーの周辺で、チャンバーの中心部位よりも厚くはない。したがって、試薬層は、メニスカス輪郭形状を示さない。
【0050】
試薬組成物は、基体層上で、薄く、均一な層内に沈着可能な、粘性溶液として処方される。試薬組成物には、試薬層の物理的特性を増強するために、濃縮物および揺変性物が含まれる。濃縮物は、そこに均質に分散している残りのコンポーネントを持つ濃い、液体マトリックスを提供するために選択される。濃縮物および揺変性物はまた、沈着した後、および乾燥前に、液体または半ペースト物質が、基体層の表面上に流れることまたは広がることから阻止する。試薬組成物が沈着した後、簡単に加水分解可能なマトリックスまで、迅速に乾燥する。
【0051】
試薬組成物が、風乾または熱乾燥いずれかで、迅速に乾燥するために提供される。乾燥後、沈着した試薬層が、約1ミクロン〜約20ミクロンのあいだの厚さを表す。よりとりわけ、乾燥試薬層が、約2ミクロン〜約6ミクロンのあいだの厚さを示す。
【0052】
試薬組成物は、スロット染色コーティング、カーテンコーティング、熱融解コーティング、ロータリースクリーンコーティング、ドクターブレードまたは空気ナイフコーティング、マイヤーバーコーティングおよび逆ロールコーティング技術を含む、種々のコーティング方法を用いて、試験ストリップ表面上に沈着可能である。これらの技術は、当業者に公知である。好ましくは、試薬層は、約40μm〜約100μmのあいだの厚さで、ウェット組成物として、柔軟性のウェブ上に沈着する。より好ましくは、試薬組成物は、約60μm〜約80μmのあいだの厚さで、ウェット組成物として沈着する。組成物は、測定電極の最上に直接、そして、連続した細いバンドとして、多重試験ストリップのウェブの長さにそって、試薬の均質薄層として適用して良い。好ましい実施形態において、細いバンドは、約7mm〜8mmのあいだの幅と、約3um〜約20umのあいだの乾燥厚さを持つ。組成物はまた、そのような外側電極の所望の機能性に依存して、試料受入チャンバー内に存在しうる他の電極上に適用され得る。
【0053】
スペーシング層
配置
試験ストリップは、基質基体を被覆し、部分的に、試料受入チャンバーを定義する、スペーシング層14を含む。とりわけ、スペーシング層14は、実質的に、試料受入チャンバー24の高さと境界線を定義している、空間部位22を含む。空間部位22は、縁部開口部を持つように都合良く配置し、それによって試料流体が、縁部開口部と接触して、試料受入チャンバー内へ入る。縁部開口部は、好ましくは、側縁部上の配置も有用であるが、試験ストリップの末端に局在する。
【0054】
物質
スペーシング層14は、試験ストリップとの作製のために有用な任意の物質からなって良い。スペーシング層は部分的に、試料受入チャンバーの高さを定義するので、物質は、所望のチャンバーの高さに適切な厚さで、十分な強さを持つべきである。スペーシング層の他の機能は、ベース基板12の上表面に沿って伸びる電極トレースを保護することである。物質はまた、熱感受性または圧力感受性接着剤、または熱またはレーザー溶接のような、他の手段のいずれかによって、ベース基板およびカバー物質に簡単に接着すべきである。好適な物質の例には、100μm PET、またはアドヘジブズ リサーチ インコーポレイテッド(Adhesives Research Inc.)から入手できるARCare 90132のような接着剤質でコートされたか、または混合したPET箔が含まれる。
【0055】
カバー層
配置
カバー層16は、スペーシング層14上で受けられ、接着する。カバー層の1つの機能は、試料受入チャンバーの最上表面を形成することである。他の機能は、試験試料の獲得を助けるための、親水性表面の提供である。さらに、カバー層16は、好ましくは、試料流体が、試料受入チャンバー内に入り、移動する時に、チャンバーの中より空気が逃げることが出来るように、通気開口部34を定義する。
【0056】
カバー層は、図1Bで示したように、その下側に凹所として形成されたスロット34’を持つ、単一部として形成可能である。マス産出の目的のために、スロット34’は、空気が、試料受入チャンバー24から、試験ストリップの反対横側上に形成された空間開口部へ排出されるように、示したように、本質的に直線であり、試験ストリップの全幅を超えて伸長する。しかしながら、そのような配置は、マス産出目的のために好ましくはないが、スロットは、チャンバー24から、試験ストリップの1つの側面へのみ伸びる、溝または凹所を含んで良い。
【0057】
他の実施形態を図1Cで示しており、そこでは、チャンバーカバー20が、本体カバー18と「重なる(overlap)」。この配置において、カバー層20の小末端部位37は、上方に曲がり、本体カバー18の縁部を越えて伸びる。それによって、スロット34’’は、その場で、空気が逃げることが可能なように、三角形の開口部が存在する、ストリップの縁部にて見られるように、おおよそ三角形の断面を持って形成される。この「重なり」配置において、ストリップの長さ方向にそった、本体カバー18に関して、チャンバーカバー20の正確な配置は、それほど重要ではない。すなわち、本体カバー18に重なるチャンバーカバー物質の量は、スロットの寸法または配置に影響を与えることなく、変化可能である。これは、以下での議論に関して、明らかになるように、製造にて利点である。
【0058】
好ましくは、本体カバー18およびチャンバーカバー20は、作製および通気開口部の形成における簡便さのために、2つの分離した部材を含む。本体カバー18とチャンバーカバー20は、両方とも、実質的に同一の水平面に沈着する。チャンバーカバー20は、実質的にスペーシング層の空間部位22をカバーし、試料受入チャンバーの最上部を形成する。チャンバーカバーは、好ましくは、さらに詳細に以下で記述するように、その下側に親水性コーティングまたは処理21を含む。本体カバーおよびチャンバーカバーは、試験ストリップにそった縦方向にて、末端から末端に位置し、図1Aで示したように、そのあいだにスロット34を含む。スロットは、スペーシング層の空間部位22の内末端に隣接して局在し、図1A中の好ましい実施形態では、本体カバー18から、チャンバーカバー20の間隔をあける、小ギャップを形成する。ギャップは、試料受入チャンバーと連通して、空間開口部34を構成する。スロット34は、実質的に直線であり、試験ストリップ10の幅を超えて伸びる。スロット34は、実質的に、試験ストリップ10の縦または長さ軸に対して垂直の方向である。試料受入チャンバーに入る試料流体は、スロット34によって定義された空間開口部を介して、空気を放出する。スロットがギャップとして形成され場合、放出されたいくらかの、またはほとんどの空気が、試験ストリップの上より出る。
【0059】
スロットは、電極システム26の局所の内部である、試料受入チャンバーに関する位置で局在する。試料受入チャンバーに入る試料流体は、通気開口部まで進むが、それ以上は進まない。上から見た場合、スロットが、本明細書で記述するように、「フィルライン」の視覚表示を提供する。したがって、通気開口部の配置が、十分な試料流体が、電極システムを完全に覆うように受入可能であることを確かにする。同時に、空間開口部の配置が、電極システムの領域を越える試料流体の連続ウィッキングを阻害する。
【0060】
カバー層または基体層中に開口を形成する必要がなくなるので、本体カバーおよびチャンバーカバーのスペーシングによる、スロットと通気開口部の形成が、さらに利点である。先行技術では、試料受入チャンバーを形成している最上または底フィルムいずれかに穴を開けることによって、通気開口部を形成するアプローチが存在し、試料受入チャンバーに対して穴を、正確に局在化させる必要があることから、作製上の問題を示す。このアプローチはまた、試験ストリップに対して好適であるけれども、本明細書で記述した好ましい設計によって、試験ストリップに対して側面で、通気開口部を整列させる必要がなくなる。さらに、本設計は、本明細書以下で記述するように、ロール処理技術によって、試験ストリップのマス産出によく適合する。
【0061】
同時に、通気口構造が試料受入チャンバー24を被覆する中間領域を越える、スロットにそって側面への、試料流体のウィッキングを阻害する様式で作製して良い。たとえば、本体カバーは、好ましくは、図3で示したように、接着剤46よって、スペーシング層に対して固定される。疎水性接着剤を使用することで、血液、間質液、および他の水性溶液がキャピラリー活性によって、側面に伸びているスロットにそって動くことを阻害する。全本体カバー、または通気開口部に隣接する部分はまた、ウィキングを阻害するために疎水性である。物質の表面に対して、疎水性特性を提供するための物質および方法は、本技術分野でよく知られている。チャンバーカバーは、以下で説明するように、接着剤46と同一または異なる接着剤によって、スペーシング層に固定されうる。
【0062】
接着剤49は、ベース基板12に、スペーシング層を固定する。接着剤46、ならびに接着剤49とスペーシング層14のための物質は、すべて、例示した実施形態中で、実質的に疎水性の物質から形成される。そのようなものとして、ストリップ10中で形成されたキャピラリーチャンバーの垂直壁は疎水性である。反対に、チャンバーのフロアは、親水性試薬によって覆われており、層20の下側は、親水性コーティング21でコートされている(図2)。言い換えれば、キャピラリー中の水平表面は親水性であり、垂直表面は疎水性である。このことは、試料のキャピラリーチャンバーへのよいウィッキングを促進し、チャンバーから側面に沿っての試料の望ましくない移動、たとえば、スペーサー層とベース基板間の移動を防止することがわかった。
【0063】
物質
本体カバーおよびチャンバーカバーは、試験ストリップとの構成のために有用な任意の物質からなりうる。本体カバーおよびチャンバーカバーのための物質は、同一であるか、または異なって良い。物質は、熱感受性または圧力感受性接着剤、または熱またはレーザー溶接のような他の手段のいずれかによって、簡単にスペーシング層に接着すべきである。チャンバーカバーと本体カバー両方のために好適な物質の例には、およそ127μm厚のPET箔が含まれる。チャンバーカバーは、好ましくは、国際特許第WO02/085285号で開示されたような、親水性層21、アドヘジブス リサーチ インコーポレイテッド(Adhesives Research Inc.)からのARFlow(登録商標)90191が含まれる。
【0064】
カバー層16はまた、試料受入チャンバーに入る時に、試料流体の観察を促進するために使用して良い。これは、チャンバーと周辺領域間で、色または影においてコントラストを提供することによって達成される。たとえば、1つのアプローチにおいて、空間22を取り囲むスペーシング層14の部位が、試料受入チャンバーの底の色、たとえば、チャンバーの底に位置する化学試薬層の色と対照な色で提供される。この対照色は、たとえば、インクまたは他の着色剤を、試料受入チャンバーに隣接するスペーシング層の部分に適用することによって提供されうる。層14の着色区画23を、図2にて表示している。ついで、チャンバーカバー20は、チャンバーと隣接するスペーシング層を利用者が見ることが可能な、透明または半透明物質として提供される。試料流体が、試験ストリップの縁部から入る時に、利用者が、通気開口部へキャピラリー活性によって移動する際の進行を観察可能である。この型の特徴は、さらに、1999年12月7日に、クリスモア(Crismore)らに付与された米国特許第5,997,817号で記述されており、参考文献によって本明細書に組み込まれている。
【0065】
キャピラリー
ベース基板、スペーシング層およびチャンバーカバーによって形成された、試料受入チャンバーは、試料流体がその中で移動する、いくつかの区画を本質的に含む。まず、入り口区画48が開口部から、測定電極システムの領域まで伸びる。第二に、試験区画50が、電極システムの領域を越えて伸びる。第三区画52が、測定電極システムから、空間開口部まで伸びる。試料流体の試験が、試験区画中の電極システムの領域でおこると理解されるであろう。しかしながら、試料流体はまた、試験ストリップを充填する過程で、チャンバーの他の区画を充填する。
【0066】
寸法
試料受入チャンバーの高さおよび幅は、試験されている流体および問題の検体を含む、種々の考慮に基づいて選択される。たとえば、チャンバー寸法は、好ましくは、チャンバー内への試験試料のキャピラリーフローを促進するような大きさである。血液との使用のための、好ましいチャンバー高さは、たとえば、約50μm〜約200μmであり、もっとも好ましくは、120〜180μmである。好ましい実施形態において、チャンバー高さは、約150μmである。チャンバーの幅は同様に、所望の試料流体および検体に適合するように選択してよい。たとえば、チャンバーは、所望の量の作用および対極を暴露するのに十分な幅であるべきであり、必要以上の量の、試験のための試料流体の必要性を排除するのに十分狭くすべきである。試料受入チャンバーの幅と、作用電極の幅が、作用電極の領域を定義する。領域は、さらに、信号増幅および器具設計に関連するので、設計のための考慮を表す。
【0067】
試料受入チャンバーは、好ましくは、試験を実施するために必要な試料流体の量を減少するために、最小の容量を持つように提供される。縁部開口部から通気開口部まで伸びている3つの全ての区画を含む、全試料受入チャンバー全体は、縁部から通気口までのチャンバーの領域の要素、およびベース基板からチャンバーカバー20までのチャンバーの高さであると考えることが出来る、総容量を持つ。しかしながら、「正味チャンバー容量(net chamber volume)」には、この区間を満たすために必要な試料流体の容量が含まれる。試料受入チャンバーの正味チャンバー容量は、総チャンバー容量から電極、試薬、そしておそらく、含まれるのならば、吸着剤物質のような他の物質によって占領されている容量を差し引いたものである。
【0068】
先に示したように、総試料受入チャンバーの容量は、チャンバーの3つの区画に起因する容量からなる。それぞれの区画は、一般的に、試験ストリップの操作に対して実用的であると同じくらい小さい大きさである。しかしながら、各区画の大きさに影響を与えうる、考慮およびおそらく他の機能が存在する。
【0069】
チャンバー容量は、高さおよび面積両方の係数である。高さは、スペーシング層の厚さと、他の層へスペーシング層を固定するために使用する接着剤の厚さの結果である。たとえば、ベース基板およびチャンバーカバーが、スペーシング層の反対側に接着する。接着の1つの方法は、物質の熱またはレーザーシーリングである。しかしながら熱感受性または圧力感受性接着剤のような、好適な接着剤の利用によって、これらの層を接着させることが好ましい。このアプローチにおいて、試料受入チャンバーの高さ、すなわち、底基質とチャンバーカバーの面している表面間の距離は、接着剤層の厚さによって影響を受けうる。図3で示したように、チャンバー24が、試薬層33によって、その底側に結合し、チャンバーカバー20のコーティング21によってその最上側に結合する。しかしながら、接着剤層46および49、ならびにスペーシング層14は、チャンバー24の総高さを定義する。
【0070】
さらに、好ましい実施形態において、試薬層33は、ベース基板12とスペーシング層14間で伸び、以下で記述するように、試験ストリップの全幅を実際に延ばす。チャンバーの高さはしたがって、スペーシング層の下にある試薬層の存在によって、増加もしうる。この実施形態において、接着剤が使用される場合、少なくとも、接着剤が、試薬内またはその周りでいくらか満たすようになる程度まで、接着剤が、試験試薬と結合しうることがわかった。試薬および接着剤層の高さはしたがって、完成した試験ストリップにおいて、必ずしも付加的ではない。むしろ、ベース基板とスペーシング層間で得られる空間は、積層前の分離試薬および接着剤層の高さの組み合わせよりいくらか少ない。
【0071】
接着剤と試薬の組み合わせが、試料受入チャンバーの縁部にそって、密封を作成することを有利に助けることもわかった。このことにより、試料流体が、試験を実施するために必要なタイムフレームにおいて、ベース基板とスペーシング層間の空間に存在する試薬物質へのウィッキングすることを防止する。
【0072】
第一入り口区画は、試料流体を受入し、測定電極に指向するために利用可能である。この区画は、大きさが非常に小さくてよく、チャンバーの短い区画のみを含みうる。この区画の長さは、好ましくは1200μm以下である。
【0073】
第二試験区画は、試験または測定電極を含み、また、試料流体の最小容量を必要とするための大きさである。この第二区画の大きさを制御する第一の因子は、測定電極の型、数、大きさ、シグナル強度、および配置である。この区画の長さは、好ましくは、約1260μmである。好ましい容量は、約0.265μLであり、0.15mmのキャピラリー高さ、および1.4mmのキャピラリー幅に基づく。
【0074】
試料流体は、測定電極を通過して移動し、第三区画に入る。これにより、測定電極が、適当な湿潤が保証され、おそらく、特定の確証が許容される。この確証は、利用者による視覚観察によって、または自動検出手段によってされ得る。たとえば、容量充足電極は、試料流体がこの区画内へ、測定電極が湿ること保証された点まで進んだ時に検出されるように、この区画内に配置される。これは、電極への電位の印加を開始するためのトリガーとして使用可能である。この区画の長さは、好ましくは50〜500μm、より好ましくは255〜400μmである。容量は、好ましくは0.01〜0.1μL、より好ましくは0.05〜0.08μLである。
【0075】
好ましい実施形態において、試料受入チャンバーの総正味チャンバー容量は、約1μL以下であり、より好ましくは、約0.5μl以下である。試料受入チャンバーの総正味チャンバー容量の望ましい範囲は、約0.15〜約1.4μL、より好ましくは約0.4〜0.7μlの容量を含む。
【0076】
吸着剤
試料チャンバーは、他では好ましく空であり得るか、または、吸着物質を含んでよい。好適な吸着物質は、ポリエステル、ナイロン、セルロース、およびニトロセルロースのようなセルロース誘導体が含まれる。吸着物質に、流体をチャンバー内にウィッキングすることを補助することによって、試料流体のとりこみを促進するために含まれうる。吸着物質の使用は、さらに、試料流体の受理のための、試料受入チャンバーの空間容量を減少させるために役立ちうる。
【0077】
充填方法
試料チャンバーを満たす好ましい方法は、キャピラリー活性によってである。さらに、試験ストリップの充填は、試料流体上に圧力を印加して、試料チャンバー内へ押し出すこと、および/または試料チャンバー上を真空にして、チャンバーに試料流体をなど他の方法で増進可能である。
【0078】
親水性コーティング
試料受入チャンバーのキャピラリー充填の目的のために、種々のアプローチが、チャンバー内への試料流体の移動を促進するために利用可能である。たとえば、チャンバーを定義している任意の、または全ての表面を、親水性を改善するために、選択または処理してよい。そのような処理には、以下で記述するような、公知の親水性物質の使用、表面上への親水性物質の適用、または親水性を増加させるための表面の処理が含まれうる。さらに、試薬組成物を、簡単に水和させるため、および試料受入チャンバーの充填を促進するために処方しうる。先に示したように、接着剤をまた使用してよい。
【0079】
検体の試験
電気化学的センサーを、作用および対極を通して、および容量充足電極を通して、好適な電位、または連続電位を印加することによって操作する。メディエーターを利用する場合、作用および対極を通る必要な電位は、酸化還元メディエーターに依存する。さらに、検体が電解する電極における電位は、典型的には、電気化学反応を駆動するのに、またはほぼ完了するのに十分大きいが、電位の程度は、好ましくは、インターフェラントの重要な電気化学反応を誘導するのに十分な程大きくない。たとえば、グルコースに関して、適用電位差は、典型的には、DC電位を使用する場合、約+100mVと約+550mVのあいだである。AC電位を使用する場合、これらは、典型的には、5〜100mV RMSでありうる。
【0080】
電位は、試料受入チャンバーに試料が入り始める前または後で印加して良い。しかしながら、電位は、好ましくは、試料がチャンバーに入った後に適用し、より好ましくは、試験を実施するために十分な量の試料が、試料受入チャンバー内に存在することを確定した後に適用する。電位の印加のタイミングは、利用者による視覚観察、試験ストリップへの流体のサンプリングに続く時間遅延、またはチャンバー内の十分な量の試料の電気的または他の自動検出を含む、種々の様式にてトリガされる。視覚および電気的な別法はまた、器具の正しい操作を確かにするための、重複する安全装置として働きうる。好ましくは、試験ストリップおよびシステムは、流体試料が、十分にチャンバーを満たした時を決定するために、容量充足電極のような、別の検出手段を使用する。
【0081】
電位を印加し、試料受入チャンバー内に試料流体がある場合、電流が、作用電極と対極間を流れる。電流は、十分な大きさの電位を印加した場合に、試料流体中の検体の電気分解の結果であり得る。この場合、電気化学的反応が、一般的にすでに記述されたように、酸化還元メディエーターを介して発生する。小程度の電位が印加された場合、とりわけ、AC電位の場合、電流は、必ずしも電気分解によっては産出されず、試料チャンバー内の誘電体のイオン性運動と応答によって産出される。当業者は、同一の結果を達成しうる、多くの異なる反応機構が存在することを認識するであろう。
【0082】
対照溶液
試験は、対照溶液、さらに訂正対照溶液が投与されたことを確認するために、投与の後に、試験ストリップに適用して良い。対照溶液は、全システムが、設計仕様内で機能していること、および試験ストリップが、好ましくなく保存されてはいないこと、または間違えて処理されていないことを確認することにおいて、利用者を補助する。許容可能なストリップは、試験されている特定のストリップに対して、特定された許容範囲内の値を回復する。問題の許容範囲は、容器ラベル上に、各ストリップロットに対して公表される。
【0083】
ストリップを作製する方法
好ましい実施形態において、センサーは、多重層の、ラミネート試験ストリップ10を含む。先に記述したように、ラミネートには、ベース基板12、スペーシング層14およびカバー層16が含まれる。これらのコンポーネントは、種々の方式で組み立てられて良い。たとえば、コンポーネントを、接着剤、熱シーリング、レーザー溶接、および隣接物質を固定するために適切な、種々の他の好適な技術を用いて組み立ててよい。試験ストリップは、好ましくは、単一シートまたはウェブ上で多数組み立ててよく、その後、ストリップは、保存および利用のために分離される。
【0084】
ラミネート試験ストリップは、引き続いて、一度に1つの層をしくことによって連続して組み立ててよい。あるいは、試験ストリップを、個々のコンポーネントまたは層を組み立て、処理し、続いて、一緒に積層して、機能的な試験ストリップを提供することによって調製可能である。1つの好ましい形態において、2つまたはそれ以上の、試験ストリップの基礎コンポーネントを、同時に調製する。ついで、1つまたは連続するアセンブリまたは積層工程にて、基礎コンポーネントを組みあわせて試験ストリップを産出し、これは、さらなる処理を必要としてよく、またはしなくて良い。好ましい実施形態において、試験ストリップを、3つの基礎コンポーネント、基質上で定義された金属性電極上でコートされた試薬層を好ましくは持つ、金属性基質、その中で形成された溝を持つスペーシング層、および1つまたはそれ以上の最上またはカバー層により組み立てられる。
【0085】
試料受入チャンバーに対するそのような小さな寸法で、試薬層の特性が、とりわけ、水和反応および混合特性の観点において、試験ストリップの操作において、明らかな影響を持ちうる。試薬層の品質、局所、厚さおよび他の特性の再現性がしたがって重要である。したがって、適用した層の、均質性および平面性のような、物理的特性を特に増強する物質を含むことが、組成に対して望ましい。
【0086】
1つの特定の観点において、試験ストリップには、試薬を組み込む固有の様式が含まれる。試薬は、少なくとも作用電極上、そして好ましくは対極上でも、試料受入チャンバー中に位置する。試薬は、本技術分野でよく理解されている種々の様式にて、試験ストリップに適用してよい。
【0087】
よりとりわけ、試薬は、ベース基板とスペーシング層のあいだに、試薬組成物を配置する様式で、基質基体上へ配置される。この適用の様式によって、試薬層がより平面となり、厚さが均一となることが補助される。反対に、先行技術の手順では、まず、反応ウェルまたは溝を調製し、ついでウェル内に試薬を満たす。しかしながら、これは、結果として、ウェルの周辺での、メニスカスの形成のような現象による、より不均一な試薬層となりうる。このことにより、試薬が内部分中とは異なる、反応壁の側壁に隣接する厚さを持つことになり、チャンバーの充填の不一致、分解間隔の延長、および試料流体と試薬との混合の不一致、および最終試験結果の不一致を引き起こしうる。試薬を、スペーシング層を加える前にベース基板上に配置することによって、ベース基板上で乾燥するので、試薬の均一な層を乱す、メニスカス効果は存在しない。さらに、本適用方法は、試験ストリップのマス産出を促進する。
【0088】
図面を参照して、試験ストリップ10は、底基質12とスペーシング層14間に伸びる試薬層33を含んで示されている。よりとりわけ、試薬は、底基質12の最上表面と電極28両方を覆う、層33を形成する。試薬は、少なくとも作用電極、好ましくは、対極も覆う。もっとも好ましい実施形態において、試薬層は、試験ストリップの全幅に伸びる。試薬層はまた、好ましくは、末端縁部から、容量充足電極まで、もっとも好ましくは、通気開口部まで伸長する。試薬層はしたがって、スペーシング層下で伸び、スペーシング層とベース基板間で挟まれる。
【0089】
試薬組成物は、最終的に、スペーシング層下で伸びる、所望のそして均一な層を提供する、任意の好適な様式で、底またはベース基板に適用する。試薬は、好ましくは、底基質上へ、そしてその上に受入された電極上へ、直接連続コーティングで適用される。本明細書以下で記述するように、試薬組成物は、もっとも好ましくは、物質のウェビング上で、多量の試験ストリップを産出する過程で適用される。この様式にて、試薬を、後に個々の試験ストリップに分離される、基質ロール上で伸びる、物質の連続縞の方法で適用して良い。試薬組成物は、乾燥されるか、または設定され、スペーシング層がその上に適用される。
【0090】
関連観点において、スペーシング層を底基質に固定する好ましい様式は、接着剤の利用である。一緒に層を固定することに加えて、接着剤が、底基質とスペーシング層間の空間をシールすることを助けるように、試薬組成物と十分に係合する。接着剤は好ましくは、スペーシング層上に配置され、ベース基板上に積層される。接着剤はそれによって、スペーシング層下で伸びる、試薬の部分と接触する。
【0091】
例示した実施形態のスペーシング層が、その両側上に接着剤を含む、Melinex(登録商標)物質より形成されるが、二重側面テープのような、連続接着剤質として、スペーシング層14を形成することも可能である。たとえば、5〜6ミリメートル厚のARCare Adhesiveを、スペーシング層14のかわりに使用可能である。
【0092】
さらなる観点において、検体がグルコースである好ましい実施形態が記述される。グルコースの場合、試薬組成物の活性コンポーネントは、典型的に、グルコースに対する酵素などの、酸化還元酵素、任意に補酵素または補因子、および酸化還元メディエーターを含む。これらのコンポーネントは、典型的には、マトリックス中に溶解されるか、懸濁される。液体試験試料が、マトリックスを水和または溶解し、検体が、マトリックスを通して拡散して、1つまたはそれ以上の活性コンポーネントと反応する。典型的には、酵素が、試験試料中のグルコースを、グルコノラクトンおよび/またはグルコン酸に酸化する。同様に、メディエーターが、還元された酵素と反応または酸化し、結果として、メディエーターが、この工程で還元される。還元されたメディエーターを、試験ストリップ上の電極の1つで検出可能である。
【0093】
ヒト血液中のグルコースを検出することに有用な酸化/還元反応スキームの特定の例において、グルコースを含む試験試料が、グルコース−Di−オキシドリダクターゼ(Gluc−Dor)などの酵素、また任意に、ピローロ−キノリン−キノン(PQQ)などの補酵素または補因子と、酸化還元メディエーターの存在下で反応する。メディエーターには、たとえば、ベンゾキノン、遷移金属錯体、たとえばフェリシアニドカリウム、オスミウム誘導体(たとえば国際特許第WO98/35225号で記述されたようなビピリジル錯体)およびニトロソアニリン誘導体(米国特許第5,286,362号を参照のこと)が含まれうる。これによって、検体の酸化形態、グルコノラクトン、および酸化還元メディエーターの還元形態が産出される。その後、メディエーターが、メディエーター産物の酸化還元等価物、還元メディエーターを、分散によって、電極表面に移動させる。そこで、メディエーターが定義された陽極電位にて定量的に酸化され、得られた電流が擬似グルコース濃度に関連する。
【0094】
ニトロソアニリン誘導体を用いる反応システムに関する、反応列の例を、式1にて次に示す。
【0095】
【化1】

示したように、ニトロソアニリン誘導体、o−メトキシ−[N,N−ビス−(2−ヒドロキシエチル)]−p−ニトロソアニリンが、まず、互いに等量で、2つの異性体または互変体の混合物として存在する。試験試料中のGluc−Dorのグルコースとの反応によって、グルコノラクトンとGluc−Dorの還元形態(Gluc−Dor’2H+)が産出される。Gluc−Dorの還元形態(Gluc−Dor’2H+)が、迅速にニトロソアニリン誘導体と反応し、還元され、Gluc−Dorを再産出する。還元ニトロソアニリン誘導体がついで加水分解して、キノンジイミン(QD)を形成する。第二酵素、酸化還元反応にて、Gluc−Dorが、グルコースと反応して、Gluc−Dor’2H+とグルコノラクトンの他の分子を産出する。Gluc−Dor’2H+がキノンジイミンと反応して(によって酸化されて)、Gluc−Dorを再産出し、フェニレンジアミン誘導体(PD)を産出する。PDがついで、作用電極にて酸化されて、グルコース濃度に関連する電流を産出する。さらに、対極にて、QDがPDに還元されうる。
【0096】
アジュバント
そのような小さな寸法の試料受入チャンバーで、試薬層の特徴が、とりわけ、水和および混合特性の観点において、試験ストリップの操作において、明らかな影響を持ちうる。数量、位置、幅、厚さ、および試薬層の他の特徴の制御および再現性が、チャンバー容量が減少し、試験時間が少なくなるにつれ、より重要になる。したがって、組成物が、適用された層の均質性および平面性のような、物理的特性をとりわけ増強する物質を含むことが望ましい。さらに、適用の方法が、試薬層の物理的特性、制御および再現性に影響を与えうる。
【0097】
したがって、試薬組成物はまた、試薬特性または特徴を増強する、種々のアジュバントを含みうる。たとえば、組成物には、試験ストリップ上への試薬組成物の配置を促進し、そのストリップへの接着を改善するための、アジュバント物質が含まれて良い。組成物にはまた、水和のその速度を増加させ、および/または試験試料でチャンバーを満たす、キャピラリー活性におけるその影響を相加させるための、物質も含まれてよい。試薬組成物と使用される追加物質の例には、濃縮剤、粘性調節剤、フィルム形成剤、安定剤、緩衝液、洗浄剤、ゲル化剤、充填剤、フィルム開口剤、着色剤およびチキソトロープ剤が含まれる。
【0098】
アジュバント物質またはコンポーネントは、試薬層の適用、再現性および物理的特性に影響を与えうる。アジュバント物質には、1つまたはそれ以上の次のものが含まれうる。
【0099】
濃縮剤には、たとえば(1)デンプン、ガム(たとえばペクチン、グアーガム、イナゴマメ(カロブ種)ガム、コンニャクガム、キサンタンガム、アルギネート、および寒天)、カゼイン、ゼラチン、およびフィココロイド、(2)セルロースおよび半合成セルロース誘導体(カルボキシメチル−セルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース)、(3)ポリビニルアルコールおよびカルボキシ−ビニル酸、および(4)ベントナイト、シリケートおよびコロイドシリカが含まれる。好ましい濃縮剤には、シーピー ケルコ ユナイテッドステイツインコーポレイテッド(CP Kelco US,Inc.)によるKeltrol F(商品名)にて販売されているキサンタンガムの混合物、およびハーキュールズ インコーポレイテッド(Hercules Inc.)、アクアロン ディビジョン(Aqualon Division)による、AQUALON(登録商標)CMC 7F PHで販売されているカルボキシメチルセルロースが含まれる。
【0100】
試薬組成物中で有用であるフィルム形成剤およびチキソトロープ剤には、ポリマー類およびシリカが含まれる。好ましいチキソトロープ剤には、デグッサアクチェンゲゼルシャフト(Degussa AG)によって、Kieselsaure Sipernate FK320 DSの商品名で販売されているシリカが含まれる。好ましいフィルム形成剤には、BASFによって商標名ポリビニルピロリドンKollidon25として販売されている、ポリビニルピロリドン、およびポリビニルプロピオン酸塩分散液が含まれる。
【0101】
試薬中の酵素のための安定剤は、サッカリドおよびモノまたはジ脂肪酸塩から選択可能である。好ましい安定剤は、シグマケミカルコーポレーション(Sigma Chemical Co.)によってD-(+)-Trehalose dihydrate(商品名)で販売されているトレハロースおよびコハク酸ナトリウムが含まれる。
【0102】
洗浄剤は、水溶性石けん、ならびに、たとえばオレイン酸またはステアリン酸のような、高脂肪酸の、アルカリ、アルカリ土類、または任意に置換されたアンモニウム塩、たとえば、ココナッツまたはタロー油からの、天然脂肪酸の混合物、脂肪硫酸、スルホン酸のエステル、脂肪酸のアルカリスルホン酸タウリン塩の塩、脂肪酸アミドおよびエステルアミドのような、水溶性合成表面活性化合物から選択可能である。本発明のために好ましい洗浄剤には、エステルアミド、ドジンド モレキュラー テクノロジーズ インコーポレイテッド(Dojindo Molecular Technologies,Inc.)によって、Mega−8(商品名)で販売されている、n−オクタノイル−N−メチルグルカミド、および脂肪酸塩、ローディアHPCII(ホーム、パーソナルケア アンド インドストリアル イングリディエンツ(Rhodia HPCII(Home,Personal Care and Industrial Ingredients))によって、Geropon T77(商品名)で販売されている、N−メチルオレイルタウリン酸ナトリウム塩が含まれる。
【0103】
1つまたはそれ以上の、以上で記述された特定の添加物が、さらなる特性を示し得、それによって、以上で言及した1つまたはそれ以上の種類に分類されうることが理解されるべきである。
【0104】
試薬組成物中での使用のためのメディエーターは、酵素、検体、および任意に補因子、およびその反応産物が関与する反応スキームに関与して、検出可能な電気活性反応産物を産出可能である、任意の化学種(一般的に電気活性)として選択可能である。典型的には、反応中のメディエーターの関与は、検体、酵素または補因子、またはこれらの1つの反応産物である種(たとえば、異なる酸化状態に反応した補因子)のうちの1つとの相互作用において、その酸化還元状態の変化(たとえば還元)を伴う。種々のメディエーターが、好適な電位化学的挙動を示す。メディエーターは、好ましくはまた、その酸化形態で安定であり得、任意に、可逆的酸化還元電気化学を示し、好ましくは、水溶液中で良好な可溶性を示し、好ましくは、反応して迅速に電気活性反応産物を産出する。好適なメディエーターの例には、ベンゾキノン、メルダーラブルー、他の遷移金属錯体、フェリシアン化カリウム、オスミウム誘導体(国際公開第98/35225号パンフレットを参照のこと)、およびニトロソアニリンに基づくメディエーター(米国特許第5,286,362号を参照のこと)が含まれる。好ましい実施形態において、試薬組成物は、ニトロソアニリンに基づく化学物質を利用する。
【0105】
好ましいメディエーターには、N−(2−ヒドロキシエチル)−N’−p−ニトロソフェニル−ピペラジン、N,N−ビス−(2−ヒドロキシエチル)−p−ニトロソアニリン、o−メトキシ−[N,N−ビス−(2−ヒドロキシエチル)]−p−ニトロソアニリン、p−ヒドロキシニトロソベンゼン、N−メチル−N’−(4−ニトロソフェニル)−ピペラジン、p−キノン ジオキシム、N,N−ジメチル−p−ニトロソアニリン、N,N−ジエチル−p−ニトロソアニリン、N−(4−ニトロソフェニル)−モルホリン、N−ベンジル−N−(5’−カルボキシペンチル)−p−ニトロソアニリン、N,N−ジメチル−4−ニトロソ−1−ナフチルアミン、N,N,3−トリメチル−4−ニトロソアニリン、N−(2−ヒドロキシエチル)−5−ニトロソインドリン、N,N−ビス−(2−ヒドロキシエチル)−3−クロロ−4−ニトロソアニリン、2,4−ジメトキシ−ニトロソベンゼン、N,N−ビス−(2−メトキシエチル)−4−ニトロソアニリン、3−メトキシ−4−ニトロソフェノール、N−(2−ヒドロキシエチル)−6−ニトロソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン、N,N−ジメチル−3−クロロ−4−ニトロソアニリン、N,N−ビス−(2−ヒドロキシエチル)−3−フルオロ−4−ニトロソアニリン、N,N−ビス−(2−ヒドロキシエチル)−3−メチルチオ−4−ニトロソアニリン、N−(2−ヒドロキシエチル)−N−(2−(2−メトキシエトキシ)−エチル)−4−ニトロソアニリン、N−(2−ヒドロキシエチル)−N−(3−メトキシ−2−ヒドロキシ−1−プロピル)−4−ニトロソアニリン、N−(2−ヒドロキシエチル)−N−(3−(2−ヒドロキシエトキシ)−2−ヒドロキシ−1−プロピル)−4−ニトロソアニリン、N−(2−ヒドロキシエチル)−N−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)−エチル)−4−ニトロソアニリンが含まれる。本発明にしたがったとりわけ好ましいメディエーターには、N,N−ビス−(2−ヒドロキシエチル)−p−ニトロソアニリン、o−メトキシ−[N,N−ビス−(2−ヒドロキシエチル)]−p−ニトロソアニリン、およびN−(2−ヒドロキシエチル)−N−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)−エチル)−4−ニトロソアニリンが含まれる。
【0106】
例示的試薬組成物を、表Iにて以下で列記している。
【0107】
【表1】

【0108】
混合
試薬組成物のコンポーネントを、水と混合して、均質で、粘性の懸濁液を提供する。添加の順番は、本明細書に関して重要ではない。十分な量の緩衝溶液を加えて、試薬組成物を、約7のpHに維持する。典型的に、選択したコンポーネントを、水と前混合して、最終試薬組成物を産出するために混合可能である、種々の原液を提供する。たとえば、緩衝溶液を、リン酸塩と、任意にコハク酸ナトリウムを混合することによって調製可能である。他の原液には、濃縮剤、すなわちKeltrol Fおよびカルボキシメチルセルロース、界面活性剤、すなわちGeroppon T77およびMega8、酵素および補酵素または補因子、およびメディエーターが含まれる。
【0109】
以下で、試薬組成物の調製の例を提供する。試薬組成物は、以下の原液をまず調製することによって調製可能である。
【0110】
【表2】

【0111】
【表3】

【0112】
【表4】

【0113】
【表5】

【0114】
【表6】

【0115】
【表7】

【0116】
【表8】

【0117】
【表9】

【0118】
【表10】

【0119】
緩衝溶液、Keltrol F溶液、CMC溶液およびSilica懸濁液を一日前に調製した。ついで、これらの溶液を、次に列記したように混合し、試薬組成物を調製した。
【0120】
【表11】

【0121】
コーティング前の本試薬に関して、最終pHは6.96であり、5N KOH溶液による調整の必要はなかった。測定した粘性は、111mPasであり、これは、105〜115mPasのコーティングに対して正しい範囲内である。
【0122】
図5および5Aは、本発明にしたがって有用である試験ストリップを調製するための、好ましい工程100を例示しているフローチャートを表している。工程100は、基体層またはベース基板に対するフィルム物質の選択をともなうステージ102にて、中央処理ライン101にて開始する。好ましい実施形態において、フィルムは、多数の試験ストリップを作製するために好適な幅と長さを持つ、連続ロールとして提供される。続く仕上げ工程にて、処理されたフィルムを副分割して、試験ストリップの長さに近い幅を持つ、単一ストリップまたはウェブを提供し、一連の試験ストリップを含み、または個々の試験センサーを提供するように、ダイカット可能である。
【0123】
ステージ102より、フィルムは、金属コーティングを受けるように前処理される金属でコートされるステージ104に進み、1つの連続工程において金属コートされる。前処理164(以下で議論する)を使用して、表面を清浄するか、または表面を改変し、均一のコーティング厚、および続く金属性層166(以下で議論する)のよりよい接着を提供可能である。前処理には、フィルムを、コロナ放電またはアルゴンプラズマにかけることが含まれる。この前処理後すぐに、均質な伝導性コーティングを、106にて示したように、フィルムに適用する。あるいは、金属コーティングされた好適な基質が購入可能である。
【0124】
金属性層は、純粋な金属、酸化物、合金または他の物質が含んでよく、これらは金属性伝導体である。金属または金属様伝導体の例には、アルミニウム、(グラファイトなどの)炭素、コバルト、銅、ガリウム、金、インジウム、イリジウム、鉄、鉛、マグネシウム、水銀(アマルガムのような)、ニッケル、ニオビウム、オスミウム、パラジウム、白金、レニウム、ロージウム、セレニウム、(高度にドープされたポリ晶質性シリコンのなどの)シリコン、銀、タンタル、スズ、チタニウム、タングステン、ウラニウム、バナジウム、亜鉛、ジルコニウム、これらの混合物、およびこれらの物質の合金または固体溶液が含まれる。好ましくは、物質は、生物学的システムに対して、本質的に不応答性であるように選択され、そのような物質には、金、白金、パラジウム、イリジウム、またはこれらの金属の合金が含まれる。金属性層は、任意の所望の厚さでありうる。
【0125】
伝導性コーティングは、好ましくは、限定はしないが、スパッタリング、物理的気相成長法(PVD)、プラズマ補助気相成長法(PAVD)、化学的気相成長法(CVD)、電子ビーム物理的気相成長法(EBPVD)、および/または有機金属化学気相成長法(MOCVD)を含む、種々の方法によって適用される、金属層である。気相成長法は、典型的には真空下で実施される。これら技術は、本技術分野でよく知られており、基質上への金属の均質で薄いコーティングを選択的に提供するために使用可能である。得られる金属性フィルムは、金属コーティングが均質であり、物質欠陥がないことを確かにするために、検査可能である。
【0126】
金属性フィルムのロールが、次に、副分割および/または大きさにされ、個々の試験ストリップの最終の長さに近づく幅を持つウェブを提供する、ステージ108に入る。スライシングが、本技術分野でよく知られている、固定ナイフスリッティング器具を用いて達成可能である。
【0127】
単一ウェブは、電極、トレース、およびコンタクトまたはパッドをパターン化するために、ステージ10に進む。この段階で、電極、トレース、およびコンタクトパッドが、ウェブストリップの表面から、金属を除去することによって形成される。過剰な金属が、本技術分野でよく知られている種々の技術を用いて除去可能である。この工程で、1つまたはそれ以上のインデックスまたは登録マークを、電極に近い第一縁部、電極パッドに近い反対の第二縁部上いずれか、または両方の縁部またはそのあいだのどこにでも形成可能である。インデックスマーク、とりわけ縁部上のものは、別の操作で前に作製された層コンポーネントを配列させるための続く操作で使用可能である。
【0128】
好ましい方法において、金属をレーザー切断し、金属の不要な部分を除去し、所望の電気的コンポーネントを残す。本方法にしたがって、選択された領域を、焦点レーザービームの直線移動を用いるのとは対称的に、「広領域(broad field)」にて、同時にレーザーエッチングする。この広領域レーザー切断方によって、正確な金属パターンが、他のアプローチと比較して、迅速に、そして少ないコストで提供される。ついで、パターン化された基質のコロナ処理を、ステージ111で実施する。
【0129】
試薬層が電極上に沈着する、ステージ112に、パターン化ウェブを進める。好ましい実施形態において、試薬層が、第一縁部に隣接してまたは近くに伸びる、連続する細長いストリップとして沈着し、パターン化ウェブ上に形成された測定電極を被覆する。先に言及したように、試薬は、結果として、試料受入チャンバーの側面外側、およびベース基板とスペーシング層のあいだの領域を含む、試験ストリップの全幅を超えて局在する。また言及したように、このことにより、試薬受入チャンバー内で、薄く、平面で、均質な試薬層を提供することを損なう不連続性、縁部効果、または他の変動なしに、試薬の乾燥が促進される。試薬は、コンポーネントの組み合わせが含み、典型的には、コートされた試薬層のチキソトロピーを操作することによって、沈着後、流れが最小であるか、ないように、迅速に乾燥するように処方される。
【0130】
このストリップを、厚さの所望の広がりと均一性、ストリップ縁部の正確さ、均質性などを提供する、任意の好適な様式で適用しうる。好ましい方法は、比較的高速および大きなバッチサイズで、所望のコーティングに適用可能である。適用の好適な方法は、本技術分野でよく知られており、したがって、本明細書では詳述しない。
【0131】
スペーシング層の調製
ここで、工程ライン114を参照して、スペーシング層を調製するための工程フローを例示している。ステージ116で開始して、物質を、ステージ112で調製した試薬コートウェブの上に積層するための、スペーシング層を調製するために選択する。基質のための基体フィルムは、種々の物質より調製可能である。基体層と同様に、スペーシング層物質を、都合良く迅速に処理可能であり、高い効率で処理可能である、細長いロールとして提供可能である。好ましい物質には、デュポン社(DuPont)による、商標名MELINEX(登録商標)で販売されている、ポリエステルフィルムが含まれる。本発明での使用に好適な他の物質には、PENが含まれうる。スペーシング層物質は、とりわけ、スペーサーを他のストリップコンポーネントに積層するために使用される、任意の結合層の厚さと組み合わせた場合、各試験ストリップ中で、所望のチャンバーの深さ(または高さ)を提供するように選択された厚さを持つ。好ましい実施形態において、スペーシング層は、約75μm〜約150μmのあいだ、より好ましくは、約100μm〜約125μmのあいだの厚さを有するように選択される。以上で言及したように、スペーシング層は、両面接着剤からなってよい。
【0132】
スペーシング層は、好ましくは、底基質ウェビング上で、電極と配列しうる一連のギャップを持つ、連続フィルムとして形成される。スペーシング層および底基質を連結する様式が、スペーシング層を調製するための方法に影響を与える。たとえば、スペーシング層が底基質へ熱溶接されるべき場合、スペーシング層を、単純に、適切に間隔が空いたチャンバーギャップを提供するために、ダイカットして良い。しかしながら、好ましい方法は、隣接層に連結する、薄く、不干渉接着剤の使用である。好ましい方法にしたがって、スペーシング層を、本明細書以下で列記するように、先に記述した基質との組み合わせのために調製する。
【0133】
スペーシング層フィルムを、試験ストリップコンポーネントの残りと組み合わせるために、所望の幅を持って調製する。スペーシング層フィルムは、不透明な部分、たとえば、他の場所で記述したように、試料受入チャンバーを視覚化するときに使用するために、青色または他の色に印刷された区画23を含んで良い。スペーシング層フィルムを、組み合わせ接着剤および放出ライナーを持つ底側上、および同様の組み合わせ接着剤およびライナーを含む最上側に積層する。
【0134】
ステージ118にて、2つの伝達接着剤を、スペーシング層物質に対して積層し、第一伝達接着剤を、スペーシング層の最上表面に積層し、スペーシング層の底表面に、第二伝達接着剤を積層する。好ましくは、伝達接着剤は、同一の接着剤であるが、しかしながら、他の実施形態において、第一および第二伝達接着剤は、互いに異なりうる。好ましい実施形態において、伝達接着剤は、圧力感受性接着剤を含む、一般的に使用され、知られている接着剤より選択される。好ましい接着剤は、チャンバー内の試験試料を、スペーシング層および試薬層またはベース基板間から外にウィッキングすること予防する、または阻害するのに十分な疎水性を示す。好適な感受性接着剤の例は、アドヘジブス リサーチ社からのARCare90132である。接着剤は、処理のあいだ、スペーシング層の早期接着を防止するために、放出ライナーとともに提供される。放出ライナーは、第一および第二伝達接着剤の外表面上に配置され、スペーシング層物質より外側に面する。
【0135】
最上および底表面上の接着剤放出ライナーを含むスペーシング層が、ステージ120に進む。ステージ120にて、試料受入チャンバーを形成する溝が、スペーシング層内にあけられる。1つの実施形態において、溝は、「キスカット(kiss cut)」法を用いてあけられる。キスカット法は、上部放出ライナー、上部接着剤、スペーシング層、および下部接着剤を通して切断するが、下部放出ライナーは切断しない。続く操作で、単純に下部放出ライナーを除去することで、下部接着剤、スペーシング層、上部接着剤、および上部放出ライナーが、穴を開けたスペーシング層より取り除かれる。他の実施形態において、溝を、くぼみ金型を用いて、穴を開けることが可能である。くぼみ金型は、スペーシング層、2つの接着剤、および2つの放出ライナーを通して、完全に穴を開けるか、または切断し、つづいて、穴を開けた部分が、くぼみ金型中に除去される。各溝間の空間またはピッチは、1つまたは両方の、試薬コートウェブ中でパターン化されたインデックスマスクを使用して、電極上に穴があいたスペーシング層の正確な適合を許容するように、決定され、正確に制御される。
【0136】
ステージ122にて、スペーシング層上の下部放出ライナーを除去し、キスカット部位をとり、スペーシング層の下側表面上の接着剤を暴露する。処理ライン101中のステージ124まで進めて、スペーシング層を、1つまたはそれ以上のウェブ上で先にパターン化されたインデックスマークを用いて、試薬−コートウェブ上に積層し、ウェブスペーシング層ラミネートを提供するために、電極組の最上に直接、穴を開けたスペーシング層中で形成された各溝を正しく整列させる。中央処理ライン101中のステージ126にて、ウェブスペーシング層ラミネート上の、上部接着剤を覆っている上部放出ライナーを、カバー層を接着させるための、調製において除去する。
【0137】
カバー部位上への積層
ステージ128にて、本体カバーのための物質を工程内に導入する。好ましい実施形態において、物質は、可塑性重合性物質であり、たとえば、デュポン社(du Pont)からのMELINEX 454またはMELINEX 339から選択しうる。本体カバーのための物質を、試験ストリップの試料受入チャンバー中の、電極トレースの少なくとも一部分を重ねるのに十分な幅を持つような大きさにする。
【0138】
ここで、工程ライン130を参照し、ステージ131にて開始して、フィルム物質を、ウェブスペーシング層ラミネート上の、溝、試薬そして測定電極上に、チャンバーカバーを提供するように、選択する。好ましい実施形態において、本体カバー物質は、約100μm〜約200μmのあいだの厚さを持つ、透明なポリ(エチレンン−テレフタレート)(PET)またはポリ(エチレンン−ナフタレート)(PEN)フィルムとして提供される。コーティングには、好ましくは、放出ライナーが含まれ得、これは、ウェブスペーシング層上に積層する直前に除去可能である。チャンバーカバーは好ましくは、親水性物質からなり、またはチャンバーカバーの底表面が、134で示したように、親水性にするように、処理されるか、またはコートされてよい。
【0139】
ステージ138にて、フィルム物質は、溝および電極を覆うための、チャンバーカバーを形成するのに十分な所望の幅の大きさであり得る。
【0140】
ステージ140に進めて、ステージ128からの本体カバーと、ステージ138からのチャンバーカバーを、ウェブスペーシング層ラミネートに積層する。好ましい実施形態において、本体カバーおよびチャンバーカバーを、ウェブスペーシング層ラミネートに同時に積層する。本体カバーは、ベース基板上に形成された電極に近接した、電極トレースの一部分上に位置する。チャンバーカバーは、ウェブスペーシング層ラミネート上の溝、試薬、測定電極上に位置する。本体カバーおよびチャンバーカバーは、ギャップによって分離され、試験ストリップ中に形成された溝の内末端にて、通気口34を形成する。
【0141】
記述したように、チャンバーカバーは、スペーシング層の切欠き部分を重ねるために、ストリップの縁部の近くに配置し、覆われていない切欠きの最も内側の部分が残される。ちょうど記述したように、このチャンバーカバーは、好ましくは、試薬チャンバー内への流体のウィッキングを促進するために、親水性下側を含む。チャンバーカバーは、以上で記述したように、それによって、試料受入チャンバーと連通し、流体がチャンバー内に入るときに、空気が逃げるための、通気開口として機能するギャップを形成するために、本体カバーからわずかに離れて配置される。
【0142】
スペーシング層の不透明度と、チャンバーカバーの透明度が共同して、最終試験ストリップの利用者が、試験の進行をよく見られるようにする。構築したように、底基質またはその上にコートされた試薬層は、スペーシング層中の切欠きを介して、および透明なチャンバーカバーを介して見ることが可能である。底基質および/または試薬は、明るい色、たとえば明黄色であり、これは、スペーシング層のくすんだ色とは対照的である。したがって、キャピラリーチャンネルを通した流体の進行が、試験を使用している利用者によって簡単にモニタされる。さらに、スロット34が、本体カバー側で疎水性であり、チャンバーカバー側で親水性であるように配置されるので、流体がスロットに到達したときに、急に止まり、したがって、チャンバー内へ十分な流体試料が受入されたということの、利用者に対する明確な表示が提供される、はっきりとみえるフィルラインが提示される。
【0143】
試験ストリップの分離
ステージ140より、試験ストリップの作製のための最終処理工程が実施される。ステージ141にて、試験ストリップ10のウェブの末端を通して、輪郭形状カットされる。典型的には、輪郭形状カットは2段階でされる。第一に、ウェブが、ウェブを通って移動する切断刃によって剪断され、それによって直線縁部が形成され、ついで、ウェブが金型切断されて、試験ストリップの投与末端36の、所望の輪郭形状の形態(例示実施形態ではテーパー)が産出される。
【0144】
ステージ142にて、任意のグラフィックまたはロゴが、試験ストリップ10上に印刷される。
【0145】
ステージ143にて、以上で議論した単一試験ストリップ10と同様の、単一の、金型切断試験ストリップを製造するかどうかの決定がなされる。もしそうであれば、ついで、ステージ143からの多重層ラミネートが、ステージ144に進み、単一試験ストリップに金型切断される。
【0146】
あるいは、ステージ143からの多重層ラミネートが、ステージ148に進み、そこで、キスカットされて、個々の試験ストリップを定義し、リボン上の隣接する試験ストリップ間の境界線を、穿孔するか、弱める。さらに、ステージ149にて、試験ストリップの末端を、積層されたリボンにそって金型切断する。ウェブの1つの末端を切断して、溝に導かれる、Y型開口部を持つ、試験センサーの流体受入末端を形成する。試験ストリップを、多数、たとえば25の、柵切断され、ついで、バイアルまたはディスペンサー内に積み重なるように折りたたまれる、ストリップを含む、カードに分けて良い。
【0147】
ステージ144または149から進行して、処理されたストリップまたはストリップのリボンを、それぞれステージ146または150にて、検査し、消費者による使用のために、完全にパッケージする。
【0148】
図6〜16は、図5および5Aに関して先に記述されたコンポーネントおよび/または処理ステージのいくつかを詳細に例示している。図6は、試験ストリップを形成する際の使用のための、基体フィルムの1つの実施形態の、透視図を例示している。基体フィルム160は、好ましくは、ロール間の物質上に進む、処理164、166にて、1つまたはそれ以上のロール162上へ巻かれる、可塑性フィルムまたはウェブ物質として提供される。
【0149】
前処理したフィルムの上部表面を、参考番号166によって例示し、より完全に以上で記述した、スパッタリング、PVD、CVD、EBPVD、MOCVD、または他の好適な処理を用いて、金属化して、金属または金属合金の均質コーティングを沈着させる。この処理は、金属層のための、単一または多重標的供給源を利用可能である。金属化フィルム168をついで、参考番号172によって例示したように、フィルムを切断またはスライシングすることによって、複数の金属化フィルム、たとえば170a、170bおよび170cに区画化するか、副分解可能である。それぞれの分離された伝導性、金属化フィルム170のロールを、ついで、好ましく望まれるように、単一コア、または多数の異なるコア上に巻くことが可能である。
【0150】
電気的コンポーネントを、図7にて一つの実施形態で示したように、伝導性フィルムより形成する。フィルム170の金属性表面を処理して、電極、トレース、コンタクトパッド、または他の意図する特徴を形成することが望まれない、任意の金属性コンポーネントを除去する。この工程は、レーザー切断または他の技術を用いて、正確に制御可能である。この工程によって、複数の電極182、トレース184、およびコンタクトパッド186の組が提供される。この工程はまた、第一縁部178にそった、複数のインデックスまたは登録マーク176、および/または反対縁部180にそって、同様の登録マーク177を提供することも可能である。図7で示したように、電極パターンの特徴を繰り返すことによって、登録マーキング177が形成される。好ましくは、電極および/またはコンタクトの各組が、それぞれ、少なくとも1つのインデックスまたは登録マーク、176および177と関連する。
【0151】
図8は、試薬コートウェブ188の一部を例示している。試薬組成物が、可塑性ウェブ物質の表面上に沈着する。試薬層190を、カーテンコーティング、熱融解コーティング、ロータリースクリーンコーティング、医学刀または空気ナイフコーティング、マイヤーバーコーティングおよび逆ロールコーティング技術を含む、種々のコーティング法を用いて沈着させる。好ましくは、試薬層は、約50μm〜約100μmのあいだ、より好ましくは約60μm〜約90μmのあいだの厚さで、ウェット組成物として、可塑性ウェブ上に沈着する。ウェブ188を、連続した細いバンド192として、電極組182の最上上に、そしてウェブ188の長さにそって、直接、均一に試薬の薄い層190をコートすることによって提供可能である。好ましい実施形態において、細いバンド192は、約5mm〜9mmのあいだの幅と、約2μm〜約10μmのあいだの乾燥厚を持つ。図8で描写したように、試薬層190は半透明である。
【0152】
図9は、スペーシング層アセンブリ194の拡大図であり、本発明にしたがって組み立て可能である。スペーシング層アセンブリ194には、好ましくは多重性物質から形成される、スペーシング層196を含む。スペーシング層196には、(図2、区画23に相当する)着色したバンドまたは区画197が含まれる。製造工程において、スペーシング層196は、ロール198で提供され、ついで、最上および底上の接着剤でオーバーコートされる。
【0153】
最上接着剤が、さらに、さらなる処理に耐えることに適合する、最上または「きつい(tight)」放出ライナー202、接着剤204、および下方の、または「簡単な(easy)」放出ライナー206を含む、ロール200で提供される。本発明での使用のために好ましい接着剤204には、アドヘジブス リサーチ社によって、商標名ARCare90132で販売されている、圧力感受性接着剤が含まれる。組み立てのあいだ、底放出ライナー206を除去し、まだ存在する最上放出ライナー202を有する得られた接着剤208が、図9の上方で示したような、スペーシング層196に接着する。
【0154】
同様に、底接着剤は、さらなる処理に耐えることに適合する、最上または「きつい」放出ライナー212、接着剤214、および下方の、または「簡単な」放出ライナー216を含む、ロール210で提供される。本発明での使用のために好ましい接着剤214には、アドヘジブス リサーチ社によって、商標名ARCare90132で販売されている、圧力感受性接着剤が含まれる。組み立てのあいだ、底放出ライナー216を除去し、スペーシング層196から離れて面している、最上放出ライナー212を持つ、得られた接着剤218が、図9で示されるように、スペーシング層196に接着する。接着剤204が、接着剤214と同様であるか、または異なってよいことが理解されるべきである。
【0155】
図10は、プレキャピラリー220a、220b、220cなどを形成するために金型切断され、図8を参照して記述されたように、ベース基板物質のウェブ188に対して積層されるスペーシング層196を示す。金型切断が、プレキャピラリー220を、最上放出ライナー202、接着剤204、スペーシング層196、および接着剤214を通すが、しかし、以上で言及したように、スペーシング層196から離れて面する放出ライナー212は通さず切断する、「キスカット(kiss−cut)」を用いて形成可能である。ついで、放出ライナー212を、切断された、最上放出ライナー202、接着剤204、スペーシング層196、および接着剤214の部分にそって除去する。切断されるこれらの部位には、「キャピラリートリム(capillary trim)」、すなわちプレキャピラリー220のような形態の層のサンドイッチを含む。この「トリム」を、放出ライナー212にそって除去し、任意の物質を含まない溝220が残る。放出ライナー212が除去された時に、ちょうど記述したキャピラリートリムをいつも含むことを確かにするために確認可能である。得られる一連の溝220は、試験ストリップ中の測定電極組の真上に、一連のチャンネル220の、各1つのチャンネルを位置決めするために選択した、互いに所望の距離で空間があく。その下方に暴露された接着剤を持つスペーシング層196をついで、インデックスマーク176によって、ウェブ188と整列可能であり、そこに積層可能である。一連のチャンネル220の各キャピラリーチャンネルが、測定電極182の1つの組に被覆する。
【0156】
図11は、ウェブ188へのスペーシング層196のラミネーションによって形成したアセンブリ230を例示している。図11にて、上部放出ライナー202を最上接着剤208から除去し、それへのさらなる物質の組み立ての準備が出来ているアセンブリ230を作製する。図12で示したように、チャンバーカバー層物質のウェブ240と、本体カバー物質のウェブ234が、アセンブリ230の暴露された上部接着剤208上に配列され、そこに接着する準備が出来ている。図12で描写したように、チャンバーカバー層240は透明であり、溝220に面する少なくとも側面上に、親水性コーティングを含む(図2、コーティング21を参照のこと)。これにより、試料受入チャンバー内への、そして電極および試薬層上への、液体試料のウィッキングまたは輸送が促進される。本体カバー234は不透明であり、示したように着色され、好ましくは疎水性である。カバー層240および本体カバー234は、図9に関して以上で記述されたようなリール上に提供可能である。
【0157】
好ましくは、チャンバーカバー物質240は、本体カバー物質234よりもわずかに薄い。チャンバーカバー物質240および本体カバー物質234を、(以下に記述した)他の層に積層した後、アセンブリを巻き戻して、最終処理段階を待つ。本体カバー物質234が、チャンバーカバー物質240よりも太い場合に、本体カバー物質234が、巻き戻し、保存する時に、ウェブにかかる圧力または力を吸収する。したがって、接着剤が、巻き戻す時にウェブのそとに押し出される場合、接着剤は、チャンバーカバー物質240ではなく、本体カバー物質234の周りに押し出される。有利に、より薄いチャンバーカバーが、したがって、ロールが、最終的に作製される試験ストリップを劣化するか、または破壊しうるキャピラリーゾーンを処理し、入るあいだに、接着剤が下から押し出される可能性を減少させる。さらに、(以下議論する)アセンブリ260がコア上へ再ロールされる時に、チャンバーカバー物質240上にかかる圧力は、キャピラリーチャンバーの処理あいだ、損害の可能性を最小化する本体カバー物質234上にかかるものよりも小さい。
【0158】
図13で示したアセンブリ260が、ウェブ234と240を、図12で示したアセンブリ230に積層し、ついで、ウェブの末端をトリミングして、投与縁部250を形成することによって産出される。投与縁部250は、好ましくは、矢印252によって示したように、切断刀が、ウェブの末端を越えて動く、剪断切断によって形成される。反対に、キャピラリーに損害を与えることなしに、金型穴あけ技術を使用することはより難しい。投与縁部250にそった剪断切断がまた、プレキャピラリー220の一部分を切り取り、キャピラリー222の最終容量を定義する。キャピラリー222には、好ましくは、示したように、張り出しまたはY型開口部が含まれる。好ましくは、ギャップ262が、チャンバーカバーウェブと本体カバーウェブ間に形成され、このギャップは、最終的に、個々の試験ストリップ中に通気開口部を提供する。好ましい実施形態において、ギャップは、1.0mm〜約1.6mm間の幅を持つ。しかしながら、以上で言及したように、ギャップを、その下側に形成された切り欠きを持つ、単一カバー層を用いることによって(図1B)、または本体カバーにオーバーラップしているチャンバーカバーまたはその逆を有することによって置換可能である。
【0159】
図13をさらに参照して、組み立て160は、点線262および264によって示されるように、さらなる処理のために準備される。図14にて、脱離可能に連結した、複数の試験ストリップ、たとえば278a、278bおよび278cを持つキスカットストリップ276が示されている。キスカットストリップ276が、図13にて、線262にそって、その上部末端にて、トリミングされるか、切断され、一連のキャピラリーチャンネル222のそれぞれに、非常に少量の流体試料を獲得することを促進するために好適な輪郭形状および/または配置を持つことが観察可能である。例示実施形態において、キスカットストリップ276は、Y切断キャピラリーチャンネル222の組の末端に暴露している、平面ワーキング末端280を持つ。第二縁部282の得られる配置は、単一ストリップのメーター内への挿入を促進するように提供可能である(図示せず)。たとえば、第二縁部282は、登録マークおよび/またはタブ、切断スロット、または一方向のみで、単一ストリップのメーター内への挿入を可能にするために設計された他の配置を持ちうる。たとえば、図13を参照して、コンタクトパッド288の縁部177は、「P」と示した、コンタクトピッチによって間隔があき、したがって縁部177が、登録マークとして使用可能である。他の処理工程中のように、第一縁部および/または第二縁部いずれかの上の、インデックスまたは登録マーク176および177を、個々の試験ストリップを、積層構造260から、正確に「キスカット」およびトリミングするために使用可能である。
【0160】
図15は、図13および14で示した点線264を介して切断することによって形成された、穴を開けた切断試験ストリップ290の1つの実施形態の透視図である。図15で例示したストリップ290を、試験ストリップ10として実質的に以上で記述した。ストリップ290は、任意の他の試験ストリップから分離される、個々の試験ストリップとして提供される。
【0161】
試料受入チャンバーの張り出し部位
以上で議論し、本項目でより詳細に記述するように、付随する請求項にて列挙される、本発明に含まれる実施形態には、試料受入開口部中で終結する張り出し部位を持つ試料受入チャンバーが含まれる。理解されるべきであるように、試料流体を、キャピラリーの大きさの試料受入チャンバー内へ引くキャピラリー活性は、キャピラリーチャンネルの壁への流体の接着、ならびにサンプリングされるべき流体の表面張力の結果である。流体の、キャピラリーチャンネル壁への接着によって、結果として、その縁部での流体に作用する力となり、メニスカスとなる。表面張力、または流体の液体分子の凝集は、表面を普遍に保つ働きをし、よって、キャピラリー内で内側に移動する縁部の代わりに、全液体試料が、キャピラリー内に引かれる。キャピラリーチャンネルの壁への接着が、サンプリングされた体液中の液体分子間の凝集力より強い場合に、キャピラリー活性が発生する。
【0162】
均一キャピラリーチューブ内で、キャピラリー活性が液体を持ち上げることが可能である高さは、液体の表面張力と液体の重さに依存する。キャピラリーのサイズを減少させることによって、キャピラリー内へ引かれるべき液体の質量または量に対する、キャピラリー表面への流体の接着の比率が増加し、それによって、流体をキャピラリー内に引く正味力が増加する。したがって、サイズが小さいキャピラリーは、流体をより迅速に引くことが可能であり、より大きなキャピラリーに比べて大量に引くことが可能である。したがって、キャピラリーチャンネルは、典型的には非常に小さく、試験のために必要な試料の量を減少させるように、継続的に小さく設計される。
【0163】
しかしながら、キャピラリー入り口幅が小さければ小さいほど、試験ストリップのキャピラリーに、0.05μlまたは1μlの試料容量を正確に適用すること(または「標的化する」)ことが難しくなる。以下に記述する実施形態において、キャピラリーチャンネルは、張り出すか、または「Y形態」であり、すなわち、これらは、試料受入開口部の内側に向かって細くなる。有利に、キャピラリーチャンネルが、開口部または入り口を越えて狭くなるので、チャンネルの狭く、細長い部分によって提供される力が増加し、流体を張り出し部位から引き、また、これは、「プレチャンバー」として引用し、考えることも可能である。さらに、プレチャンバーは、仮想「貯蔵庫」として働き、アンダードーズを最小化し、ストリップに供給されなければならない試料の量を最小化する。
【0164】
試料が、試験ストリップの開口部に適用されるが、キャピラリー内に引かれることがためらわれる現象が、投与のためらいとして知られる。理解されるべきであるように、投与のためらいは、適量の試料を集めるために必要な時間を増加させる。親水性試薬層を、試験ストリップの投与末端まで伸長させ、チャンバーカバーの下側を、親水性試薬でコーティングすることによって、投与のためらいが減少し、流体試料のキャピラリー内への良好なウィッキングが促進される。すなわち、投与のためらいを減少させることによって、流体収集時間が減少し、流体収集が容易になる。
【0165】
図16〜19にて例示した実施形態におけるキャピラリーチャンネルは、張り出しているか、「Y形態」である。張り出し部分は、試験ストリップ上へ流体試料を沈着させるための、より広い標的領域を提供する。さらに、試験ストリップまたはバイオセンサーの投与末端36は、テーパーされており、試験ストリップの投与縁部39(図1)が、試験ストリップの残りの部分の幅よりも狭い、台形型輪郭形状を形成する。テーパー末端は、浪費される縁部の長さ、すなわち、試料流体が接触可能であるが、試料受入チャンバーへ入ることができない縁部の部分の長さを減少させる。さらに、Y型開口部は、流体試料のための標的面積を増加させる。このテーパー末端と、張り出し部位の組み合わせによって相乗効果が産出され、投与縁部39にそって、どこで試料が接触されようとも試料受入チャンバーへ試料流体を引く、試験ストリップが提供される。このことによって、ストリップへ投与する時の、利用者の間違えの機会が非常に減る。さらに、試料流体で、全開口部を覆う必要がない。この特徴は、小さな液体容量の使用を促進する。
【0166】
ここで図16Aをみると、試験ストリップまたはバイオセンサー300が示されており、実質的に、本明細書以上で例示したバイオセンサー10と同一である。図16Bは、前駆体またはウェブ302の一部分を例示しており、チャンバーカバー240と本体カバー234を積層した後の、図12で示した構造に相当する。図16Bで示したように、チャンバーカバー304は透明であり、本体カバー306と空間的に離れている。チャンバーカバー304は、連続する空間308で形成されるスペーサー層を被覆する。空間には、細長い部位310と、球状部位312が含まれる。球状部位は、種々の形態を取りえ、以下でより詳細に記述されるように、最終的に、張り出し開口部の形態を決定する形態を含む。図16Bで、そこから空間308が形成されるスペーシングまたはスペーサー層は、以上で記述した、図10〜12で示したものと同様である。すなわち、空間が、スペーシング層の縁部の方へすべて伸長し、したがって、不連続の周縁を定義する。言い換えれば、空間は、スペーシング層の縁部まで伸びる。
【0167】
反対に、図16Cで示したように、連続周縁を持つ、空間の他の組314が、前駆体またはウェブのスペーシング層315中に形成される。空間314は、球状部位316と、細長い部位318を持つ、光バルブ形態を含む。いずれの場合でも、試験ストリップの投与縁部は、点線320(図16B)または点線322(図16C)に沿って前駆体を通して切断することによって形成され、これによって、図13で示した構造260を形成する。好ましくは、図13で示した方向で、ウェブを越えて剪断することによって切断を行うときに、切断が空間の球状部分を越えて伸びるか、または広がる。切断の位置(線320と322)が、完成したバイオセンサーのキャピラリーが一定であり、厳密な許容範囲内であるように、最終的にウェブから形成される試験ストリップの長さまたは縦方向に関して、性格に切断されるべきである。もちろん、投与縁部の置き間違いが、平行壁を持つ時よりも、キャピラリーまたは試料受入チャンバーが張り出し部位を持つ場合に、キャピラリー容量に影響を与える。線320と322にそって切断することは、バイオセンサーの投与末端を形成するだけではなく、試験ストリップの試料受入開口部も形成し、開口部は、投与縁部と一直線に並ぶ。例示実施形態では投与縁部が、試験スリップの末端上に形成されたが、たとえば一つの側上に配置することも可能であることも理解されるべきである。
【0168】
ウェブの投与縁部が形成された後、ウェブを、個々のバイオセンサーまたは試験ストリップ300を形成するために、線324にそって切断して良い。図16Aで示したように、バイオセンサー300は、試料受入開口部330中で終結する、張り出し部位328を含む、キャピラリーまたは試料受入チャンバーを含む。細長い部位332が、前記張り出し部位から内側に伸びる。図16A〜16Cで示すように、細長い部位が、スペーシング層中の空間によって定義される、実質的に平行な壁から形成される一方で、張り出し部位の壁は、張り出し部位が、細長い部位から伸びるように、外側または横側に角度をなす。キャピラリーまたは試料受入チャンバー326が、他でまた記述するように、チャンバーカバー304と本体カバー306間のギャップとして形成される、通気開口部334と連結する。
【0169】
好ましい実施形態において、図16B〜Cの線320と322にそった切断がまた、本明細書の他の部分で議論した図2に関して理解可能であるように、バイオセンサーの投与縁部まで試薬層が伸び、これと同一の広がりを持つように、試薬層を通して切断する(図10〜14を参照のこと)。試薬が親水性であるので、これは有利に、バイオセンサー内への試料のウィッキングを促進し、したがってさらに、投与のためらいを阻止する。さらに、投与縁部を形成する切断はまた、有意に、試薬層の最も不均一な部分を取り除き、それによって、試料受入チャンバー内に、非常に平坦で、均一な試薬層を残す。
【0170】
非限定例のみの目的で、張り出し部位328は、約0.80+/−0.2mmの長さ、約2.9mmの試料受入開口部での幅を持ちえ、張り出し壁が、約110°の角度を形成する試料受入チャンバーの他の好適な寸法は、本明細書以上で列記している。当業者は簡単に、ここで言及した寸法は、単に例として与えられたものであり、付随する請求項の制限の範囲内にあるバイオセンサーの寸法は、ここで与えられたものから、広く変化しうることを理解すべきである。
【0171】
実際、張り出し部位に関する多くの他の形態が可能である。たとえば、図17A〜17Cをみると、バイオセンサー350は試料受入チャンバー354の張り出し部位352が、直線壁ではなく、曲線壁を持つことを除いて、図16Aで示したバイオセンサー300と同様である。図17Bにて、空間356が、杯形態として形成され、一方で、図17Cでの空間358は、鍵穴様に形つくられる。いずれの場合においても、点線362にそった切断が、線364にそって切断することによって形成される、ストリップの投与縁部を形成する。
【0172】
同様に、図18A〜18Cをみると、バイオセンサー400は試料受入チャンバー404の張り出し部位402が、T形態を持つことを除いて、図16Aで示したバイオセンサー300と同様である。図18Bにて、空間406が、T−形態として形成され、図18C中の空間408はまたT形態を持ち、「T」のより薄い交差部材を持つ。いずれの場合にも、点線410(図18B)および412(図18C)にそった切断が、線364に沿って切断することによって形成される、ストリップの投与縁部を形成する。
【0173】
図1Cを参照して、任意の切り欠き41が、試験ストリップ10の投与末端にて形成されうる。切り欠き41は、投与のためらいを減少させることを助け得、血液試料を沈着させる時に、バイオセンサー10に対して正確に、指または他の部位を配置することを、利用者に対して触覚感覚を与えうる。切り欠きは、流体受入開口部に関して中心に配置され、それぞれカバー層16とベース基板12の配列縁部で、同一の大きさおよび形態の切り欠き部位43および45を切断することによって形成される。切り欠き部位43および45は、示したように、互いに一列に並ぶ。
【0174】
図19A〜19Cは、本発明によって形成可能である、張り出し部位および/または切り欠きを持つ、試験ストリップまたはバイオセンサーの種々の他の実施形態を例示している。図19Aにて、バイオセンサー500の末端は、投与末端502が、平面または直線縁部を持つように示されている試料受入チャンバー504は、細長い部位508へ、試験ストリップ上で中側に導かれる、Y−形態張り出し部位506を含む。任意のV型切り欠き510が、カバー層およびベース基板を通して切断可能である。図19Bにて、バイオセンサー512の末端は、投与末端514が、曲線輪郭形状をもつように記述されている。試料受入チャンバー516には、細長い部位520へ、ストリップ上で内側に導かれる、曲線形態張り出し部位518が含まれる。任意の曲線切り欠き522を、カバー層およびベース基板を通して切断可能である。最後に、図19Cにて、バイオセンサー524の末端が、投与末端526が、曲線凹状輪郭形状を含むように示されている。試料受入チャンバー528は、細長い部位532へ、ストリップ上の内側に導かれる、Y形態張り出し部位530を含む。任意のV型切り欠き534を、カバー層およびベース基板を通して切断可能である。
【実施例】
【0175】
特定の例の方法によって、試験ストリップが、記載された方法に基づいて、そして以下の物質を用いて形成される。底基質は、50nmの金の層にて表面コートされ、43〜45mmの幅で細長く切断される。レーザー切断(308nm)を、およそ40mm×10mmの視野サイズを用いて実施する。スペーシング層アセンブリは、まとめて、白色Melinex TM 339のスペーシング層フィルムと、0.1016または0.127mm(4または5mil)厚さを含む。底および最上接着剤は、0.0254または0.0127mm(1または1/2mil)でのAdhesive Research Arcare 90132であり、0.0508mm(2mil)の厚さを持つ放出ライナー間で挿まれる。キャピラリーチャンネルが、1.500mm、+/−0.050mmの幅、および9mm、+/−0.150mmのピッチ(スペーシング)にて形成される。
【0176】
本体カバー18は、0.127mm(5mil)の厚さで、Melinex454、453、または339のストリップを含む。チャンバーカバー20は、たとえば、Melinex 454または453、0.1016mm(4mil)厚から形成された、ポリエステルまたはポリエチレンナフタレートを含む。示したように、チャンバーカバーは、好ましくは、血液標本のチャンネル内へのウィッキングを促進するために、キャピラリーチャンネルに隣接した、親水性底側を持つように処理するか、コートしてよい。好ましい実施形態において、チャンバーカバー20のためのMelinex 453箔(4mil)を、その下側にて、アドヘジブス リサーチ社からの親水性物質21、ARCare 90037でコートする。好ましくは、チャンバーカバー物質はまず、幅広い物質として形成し、調製の後に、所望の幅に細長く切断される。
【0177】
試験ストリップ実施例
以下の物質をストリップ中で使用される。
【0178】

【0179】
ストリップの保存
ストリップは、種々の方法にてパッケージしてよい。たとえば、ストリップを、フ押し上げ式プラスチックバイアル(たとえば10、25または50カウント)内にパッケージしうる。全ての容器には、許容可能な貯蔵寿命を確かにするために必要な、乾燥物質が含まれる。試験ストリップは好ましくは、提供したような、密封容器中、4°〜32℃で保存したときに、18ヶ月の最短貯蔵寿命を示す。
【0180】
本発明の原理を組み込んだ、好ましい実施形態が、本明細書以上で記述されてきたが、本発明は、開示された実施形態に制限されない。事実、本明細書は、本発明が属する技術分野での実施で、公知であるか、一般的であり、本発明が、付随する請求項の制限内であるので、本開示物からのそのような解離をカバーする意図がある。
【図面の簡単な説明】
【0181】
【図1】図1は本発明にしたがった、試験ストリップまたはバイオセンサーの透視図である。
【図1A】図1Aは新規の空間開口部またはスロットの1つの実施形態を例示している、図1で示した試験ストリップの細長い断片からなる透視図である。
【図1B】図1Bは新規の空間開口部またはスロットの他の実施形態を例示している、細長い断片からなる透視図である。
【図1C】図1Cは空間開口部またはスロットの他の実施形態を例示しており、また、本発明にしたがったバイオセンサーの試料受入チャンバーに対する、開口部に他の配置を例示している、細長い断片からなる透視図である。
【図2】図2は、図1のバイオセンサーの拡大、透視図である。
【図3】図3は、さらに、図1〜2から省いた接着層を例示している、図1のバイオセンサーの一部分の切断面図である。
【図4】図4は、基礎をなす詳細を示すために、切欠した部分の、図1のバイオセンサーの一部分の最上、平面図である。
【図5】図5は、本発明にしたがったバイオセンサーを作製するための方法に関する、工程フローダイアグラムを示している。
【図5A】図5Aは、本発明にしたがったバイオセンサーを作製するための方法に関する、工程フローダイアグラムを示している。
【図6】図6は、本発明のバイオセンサーの底基質を形成することにおいて有用な、ウェブ物質のリール−リール処理および切断を示している、透視図である。
【図7】図7は、ベース基板上の電気的成分の例示パターンを示している、ウェブ化の一部分の透視図である。
【図8】図8は、図7のウェブ化の一部分の透視図であり、その上にコートされた試薬組成物を含んでいる。
【図9】図9は、スペーシング層および関連接着層および放出ライナーを示している、拡大、透視図である。
【図10】図10は、プレキャピラリーチャンバーカットアウトを持つスペーシング層の一部の拡大透視図であり、スペーシング層は、その上に電極パターンを持っているベース基板に対する積層のために整列している。
【図11】図11は、スペーシング層を持つベース基板のアセンブリの透視図である。
【図12】図12は、ベース基板およびスペーシング層上へのアセンブリのための、ボディーおよびチャンバーカバーの組み合わせを示している拡大、透視図である。
【図13】図13は、バイオセンサーを含む、いくつかの層を含む、アセンブリの一部分の透視図である。
【図14】図14は、いくつかの脱離可能バイオセンサーを含むウェブ化の一部分の透視図である。
【図15】図15は、組み立てされたウェブ化から分離された、単一バイオセンサーの透視図である。
【図16】図16Aは、組み立てされたウェブ化から分離された、単一バイオセンサーの最上図である。
【図16B】図16Bは、最終的に、図16Aで示したような、バイオセンサーの試料受入チャンバーを形成しうる、張り出し末端を持つ空間を例示している、ウェブまたは試験ストリップ前駆体の断片からなる最大図である。
【図16C】図16Cは、最終的に、図16Aで示したような、バイオセンサーの試料受入チャンバーを形成しうる、電球形態の空間を示している、ウェブまたは試験ストリップ前駆体の断片からなる最大図である。
【図17】図17Aは、組み立てされたウェブ化から分離された、単一バイオセンサーの最上図である。
【図17B】図17Bは、最終的に、図17Aで示したような、バイオセンサーの試料受入チャンバーを形成しうる、杯状の空間を示している、ウェブまたは単一バイオセンサーの最上図である。
【図17C】図17Cは、最終的に、図17Aで示したような、バイオセンサーの試料受入チャンバーを形成しうる、鍵穴形態の空間を示している、ウェブまたは単一バイオセンサーの最上図である。
【図18A】図18Aは、組み立てされたウェブ化から分離された、単一バイオセンサーの最上図である。
【図18B】図18Bは、最終的に、図18Aで示したような、バイオセンサーの試料受入チャンバーを形成しうる、T−形態空間を示している、ウェブまたは単一バイオセンサーの最上図である。
【図18C】図18Cは、最終的に、図17Aで示したような、バイオセンサーの試料受入チャンバーを形成しうる、T−形態空間を示している、ウェブまたは単一バイオセンサーの最上図である。
【図19A】図19Aは、試験ストリップの直線投与縁部から、細長い部分へ、内側に向かう、Y−形態張り出し部位を例示している、単一試験ストリップの、断片からなる最上図である。
【図19B】図19Bは、試験ストリップ状で、細長い部位へ、内側に向かう、投与縁部および曲線形態張り出し部位に関する曲線輪郭形状を例示している、単一試験ストリップの、断片からなる最上図である。
【図19C】図19Cは、試験ストリップ状で、細長い部位へ、内側に向かう、投与縁部およびY−形態張り出し部位に関する曲線輪郭形状を例示している、単一試験ストリップの、断片からなる最上図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体受入開口部中で終結している張り出し部位と、前記張り出し部位から内部に伸長している細長い部位を持つ、試料受入チャンバーを定義している試験ストリップ本体、
前記試料受入チャンバーと連結する空間を定義している試験ストリップ本体であり、それによって、流体が試料受入チャンバー内に引かれる時に、空間から空気が逃げることが可能であって、および
流体の解析のための試料受入チャンバー内に位置する試験領域、
を含む流体を解析するための試験ストリップ。
【請求項2】
前記張り出し部位が、細長い部位に向かう方向に細くなる一対の開口壁によって定義される請求項1記載の試験ストリップ。
【請求項3】
前記張り出し部位が、一対の曲線開口壁によって定義される請求項1記載の試験ストリップ。
【請求項4】
前記細長い部位が、一対の実質的に平行な反対側壁と、前記側壁に連結している末端壁によって定義され、そして
前記張り出し部位が、細長い部位への方向にて細くなる、一対の壁によって定義される請求項1記載の試験ストリップ。
【請求項5】
前記試験ストリップ本体が、さらに、
ベース基板、
前記ベース基板を被覆しているカバー層、および
ベース基板およびカバー層間で挿まれたスペーシング層を含み、前記スペーシング層が、ベース基板とカバー層間の試料受入チャンバーの境界線を定義する空間を定義している請求項1記載の試験ストリップ。
【請求項6】
前記空間が、カバー層内で形成される請求項5記載の試験ストリップ。
【請求項7】
前記カバー層が、試料受入チャンバーに被覆し、通気口を定義するギャップによって分離された、2つの部分を含む請求項6記載の試験ストリップ。
【請求項8】
前記カバー層、前記スペーシング層および前記ベース基板が、すべて実質的に平面である請求項5記載の試験ストリップ。
【請求項9】
前記カバー層と前記ベース基板が、流体受入開口部が配置される、試験ストリップの流体受入末端を含む実質的に整列した縁部を含む請求項5記載の試験ストリップ。
【請求項10】
前記整列した縁部が、実質的に直線である請求項9記載の試験ストリップ。
【請求項11】
前記整列した縁部が、凸面輪郭形状を含む請求項9記載の試験ストリップ。
【請求項12】
前記整列した縁部が、曲線である請求項9記載の試験ストリップ。
【請求項13】
前記整列した縁部が、さらに開口部を定義する切り欠きを含む請求項9記載の試験ストリップ。
【請求項14】
前記試料受入チャンバーが、1.0μlより小さいか、または等しい容量を持つ請求項1記載の試験ストリップ。
【請求項15】
前記試験受入チャンバーが、0.5μlより小さいか、または等しい容量を持つ請求項1記載の試験ストリップ。
【請求項16】
前記試料受入チャンバーが、少なくとも1つの電極、および前記少なくとも1つの電極をカバーしている試薬層を含む請求項1記載の試験ストリップ。
【請求項17】
前記試薬層が、試験受入開口部に広がる請求項16記載の試験ストリップ。
【請求項18】
前記流体受入開口部が、試験ストリップのテーパー流体受入末端に配置される請求項1記載の試験ストリップ。
【請求項19】
前記流体受入末端が、互いに対して角度をなし、試験ストリップの幅よりも狭い投与縁部中で終結する2つの側を含む請求項18記載の試験ストリップ。
【請求項20】
前記投与縁部が、実質的に直線である請求項19記載の試験ストリップ。
【請求項21】
ベース基板、
前記ベース基板を被覆し、空間を含むカバー層、
前記カバー層と、前記ベース基板間に配置されたスペーシング層で、前記スペーシング層が、ベース基板とカバー層間に配置された試料受入チャンバーの境界線を定義する空間を定義し、および
流体受入開口部中にて終結する張り出し部位を定義している試料受入チャンバーを含む試験ストリップ。
【請求項22】
前記カバー層、前記ベース基板および前記スペーシング層が、実質的に平面であり、さらに前記試料受入チャンバーが、張り出し部位にて変化する、実質的に一定の高さと幅を持つ請求項21記載の試験ストリップ。
【請求項23】
前記試料受入チャンバーが、前記張り出し部位から伸びる、実質的に一定な幅を持つ細長い部位を含む請求項22記載の試験ストリップ。
【請求項24】
前記試料受入チャンバーが、前記張り出し部位から伸びる、実質的に一定な幅を持つ細長い部位を含む請求項21記載の試験ストリップ。
【請求項25】
前記通気口が、前記試料受入チャンバーの末端に隣接して配置される請求項21記載の試験ストリップ。
【請求項26】
前記カバー層および前記ベース基板が、流体受入末端または、流体受入開口部が位置する試験ストリップの側を含む、実質的に整列した縁部を含む請求項21記載の試験ストリップ。
【請求項27】
前記整列した縁部が、実質的に直線である請求項26記載の試験ストリップ。
【請求項28】
前記整列した縁部が、凸面輪郭形状を含む請求項26記載の試験ストリップ。
【請求項29】
前記整列した縁部が、曲線である請求項26記載の試験ストリップ。
【請求項30】
前記整列した縁部が、流体受入末端を含む請求項26記載の試験ストリップ。
【請求項31】
前記整列した縁部が、開口部をさらに定義する切り欠きを含む請求項26記載の試験ストリップ。
【請求項32】
前記切り欠きが、張り出し部位よりも小さい請求項31記載の試験ストリップ。
【請求項33】
前記切り欠きと、張り出し部位が、実質的に適合した形態を持つ請求項31記載の試験ストリップ。
【請求項34】
前記切り欠きが、張り出し部位に関して中心に配置される請求項31記載の試験ストリップ。
【請求項35】
さらに、前記試料受入チャンバー内に配置された少なくとも1つの電極と、試薬層を含み、前記試薬層が、前記少なくとも1つの電極をカバーしている請求項21記載の試験ストリップ。
【請求項36】
前記試薬層が、試料受入開口部に伸びる請求項35記載の試験ストリップ。
【請求項37】
前記試料受入開口部が、試験ストリップのテーパー流体受入末端にて配置される請求項21記載の試験ストリップ。
【請求項38】
前記流体受入末端が、互いに向かって角度をなし、試験ストリップの幅よりも狭い投与縁部中で終結する2つの側を含む請求項37記載の試験ストリップ。
【請求項39】
前記投与縁部が、実質的に直線である請求項38記載の試験ストリップ。
【請求項40】
その上に配置された試薬層を持つベース基板、
前記ベース基板を被覆し、そのあいだにスロットを持つチャンバーカバーおよび本体カバーを含むカバー層、
前記ベース基板と前記カバー層間に配置された試料受入チャンバーであって、前記スロットが、試料受入チャンバーと連結し、流体が試料受入チャンバーへ入る時に、空気が逃げられるような、カバー層中の通気開口部を定義している、および
前記試料受入チャンバーが、試料受入開口部を定義している張り出し部位を含む試験ストリップ。
【請求項41】
前記スロットが、チャンバーカバーから、本体カバーの間隔をあけるギャップを含む請求項40記載の試験ストリップ。
【請求項42】
前記試料受入チャンバーが、張り出し部位から、内部に伸長する細長い部位を含む請求項40記載の試験ストリップ。
【請求項43】
前記張り出し部位が、細長い部位に向かう方向で細くなる一対の開口壁によって定義される請求項42記載の試験ストリップ。
【請求項44】
前記張り出し部位が、一対の曲線開口壁によって定義される請求項42記載の試験ストリップ。
【請求項45】
前記細長い部位が、一対の実質的に平行な反対側壁と、前記側壁に連結している末端壁によって定義され、そして
前記張り出し部位が、細長い部位の方向に細くなる一対の壁によって定義される請求項42記載の試験ストリップ。
【請求項46】
前記カバー層および前記基質基体が、流体受入末端と、前記試料受入開口部が配置された試験ストリップの側を含む、実質的に整列した縁部を含む請求項40記載の試験ストリップ。
【請求項47】
前記整列した縁部が、実質的に直線である請求項46記載の試験ストリップ。
【請求項48】
前記整列した縁部が、凸面輪郭形状を含む請求項46記載の試験ストリップ。
【請求項49】
前記整列した縁部が、曲線である請求項46記載の試験ストリップ。
【請求項50】
前記整列した縁部が、試料受入開口部をさらに定義する切り欠きを含む請求項46記載の試験ストリップ。
【請求項51】
前記整列した縁部が、前記試験ストリップの流体受入末端を含む請求項46記載の試験ストリップ。
【請求項52】
さらに、前記試料受入チャンバー中に配置された電極を含み、前記電極が試薬層によってカバーされる請求項40記載の試験ストリップ。
【請求項53】
前記チャンバーカバーが、前記試料受入チャンバーに被覆する請求項40記載の試験ストリップ。
【請求項54】
さらに、前記カバー層と前記ベース基板間に配置されたスペーシング層を含み、前記スペーシング層が、前記ベース基板と前記カバー層間の前記試料受入チャンバーの高さおよび境界をさらに定義する、空間部分を定義している請求項40記載の試験ストリップ。
【請求項55】
前記空間部位が、押出し部位を定義し、さらに前記押出し部位から内側に伸長している細長い部位を定義する請求項54記載の試験ストリップ。
【請求項56】
前記空間が、前記スロットと実質的に整列した位置で終結する請求項54記載の試験ストリップ。
【請求項57】
前記試料受入開口部が、前記試験ストリップのテーパー流体受入末端にて配置される請求項40記載の試験ストリップ。
【請求項58】
前記流体受入末端が、互いに向かって角度をなし試験ストリップの幅よりの狭い、投与縁部中で終結する、2つの側を含む請求項57記載の試験ストリップ。
【請求項59】
前記投与縁部が、実質的に直線である請求項58記載の試験ストリップ。
【請求項60】
その上に配置された試薬層を有するベース基板、
前記ベース基板を被覆しているカバー層、
前記ベース基板と、前記カバー層間に配置された試料受入チャンバーを含む試験ストリップであって、前記試料受入チャンバーが、試験ストリップの縁部にて局在する試料受入開口部中で終結している張り出し部位を含み、および
前記試料層が、前記張り出し部位中に配置され、試験ストリップの縁部にて局在する開口部まで伸びる試験ストリップ。
【請求項61】
さらに前記試料受入チャンバーと連結するスロットを含み、前記スロットが試料受入チャンバーに流体が入った時に、空気が逃げることが出来るように、カバー層中の通気開口部を定義している請求項60記載の試験ストリップ。
【請求項62】
前記試験受入チャンバーが、張り出し部位から内側に伸びている細長い部位を含む請求項60記載の試験ストリップ。
【請求項63】
前記張り出し部位が、細長い部位に向かう方向で細くなる一対の開口壁によって定義される請求項62記載の試験ストリップ。
【請求項64】
前記張り出し部位が、一対の曲線開口壁によって定義される請求項62記載の試験ストリップ。
【請求項65】
前記細長い部位が、一対の実質的に平行な反対側壁と、前記側壁に連結している末端壁によって定義され、そして
前記張り出し部位が、細長い部位の方向に細くなる一対の壁によって定義される請求項62記載の試験ストリップ。
【請求項66】
前記カバー層および前記基質基体が、流体受入末端と、前記試料受入開口部が配置された試験ストリップの側を含む実質的に整列した縁部を含む請求項60記載の試験ストリップ。
【請求項67】
前記整列した縁部が、実質的に直線である請求項66記載の試験ストリップ。
【請求項68】
前記整列した縁部が、凸面輪郭形状を含む請求項66記載の試験ストリップ。
【請求項69】
前記整列した縁部が、曲線である請求項66記載の試験ストリップ。
【請求項70】
前記整列した縁部が、試料受入開口部をさらに定義する切り欠きを含む請求項66記載の試験ストリップ。
【請求項71】
前記実質的に整列した縁部が、前記試験ストリップの流体受入末端を含む請求項66記載の試験ストリップ。
【請求項72】
さらに、前記試料受入チャンバー中に配置された電極を含み、前記電極が、試薬層によってカバーされる請求項60記載の試験ストリップ。
【請求項73】
さらに、前記カバー層と前記ベース基板間に配置されたスペーシング層を含み、前記スペーシング層が、前記ベース基板と前記カバー層間の前記試料受入チャンバーの高さおよび境界をさらに定義する、空間部分を定義している請求項60記載の試験ストリップ。
【請求項74】
前記高さが試料受入チャンバーのいたるところで、実質的に一定である請求項73に記載の試験ストリップ。
【請求項75】
前記試料受入開口部が、前記試験ストリップのテーパー流体受入末端に配置される請求項60記載の試験ストリップ。
【請求項76】
前記流体受入末端が、互いに向かって角度をなし、試料受入開口部が局在する縁部中で終結する2つの側を含み、そして
前記縁部が、前記試験ストリップの幅より短い請求項75記載の試験ストリップ。
【請求項77】
前記縁部が、実質的に直線である請求項76記載の試験ストリップ。
【請求項78】
(a)ベース基板、スペーシング層およびカバー層を提供すること、
(b)スペーシング層内に空間を形成することであって、前記空間が、細長い部位と球状部位を持っており、
(c)前記ベース基板に、スペース層を積層し、前記スペーシング層へ前記カバー層を積層し、これによって試験ストリップ前駆体を形成すること、および、
(d)前記試験ストリップを作製するために、前記前駆体を通して切断することを含む試験ストリップを作製する方法であって、前記切断が、空間の球状部位を横切り、試験ストリップの試料受入縁部を形成し、前記空間が、前記試験ストリップの試料受入縁部で、試料受入開口部中で終結している張り出し部位を持っている試料受入チャンバーを定義する試験試料を作製する方法。
【請求項79】
前記試料受入縁部が、前記試験ストリップの末端を含む請求項78記載の方法。
【請求項80】
前記試料受入縁部が、前記試験ストリップの側を含む請求項78記載の方法。
【請求項81】
段階(b)中に形成された前記空間が、連続周縁を持つ請求項78記載の方法。
【請求項82】
段階(b)中に形成された前記空間が、不連続周縁を持つ請求項78記載の方法。
【請求項83】
前記張り出し部位が、Y型である請求項78記載の方法。
【請求項84】
さらに、前記張り出し部位から内面に伸びている前記試料受入チャンバーの細長い部位を含む請求項78記載の方法。
【請求項85】
前記空間が、スペーシング層を通して伸び、前記試料受入チャンバーにカバー層および前記ベース基板が結合する請求項78記載の方法。
【請求項86】
前記ベース基板が、ベース基板物質のウェブを含み、スペーシング層が、スペーシング層物質のウェブを含み、カバー層が、カバー層物質のウェブを含み、
段階(b)で形成された空間が、複数の離間した空間を含み、
前記方法がさらに、複数の試験ストリップ中に前駆体を切断することを含む請求項78記載の方法。
【請求項87】
さらに、前記試験ストリップ前駆体上にグラフィックを印刷することを含む請求項78記載の方法。
【請求項88】
さらに、前記試験ストリップ前駆体上にグラフィックを印刷することを、段階(d)を実施した後に実施することを含む請求項78記載の方法。
【請求項89】
前記試料受入縁部が、前記試験ストリップの投与末端に配置され、前記投与末端がテーパーである請求項78記載の方法。
【請求項90】
前記投与末端が、お互いに対して角度をなし、前記試験ストリップの幅より狭い投与縁部中で終結する2つの側を含む請求項89記載の方法。
【請求項91】
前記投与縁部が、実質的に直線である請求項89記載の方法。
【請求項92】
その上に配置された試薬層を有するベース基板、
前記ベース基板を被覆しているカバー層、
前記ベース基板と前記カバー層間に配置された試料受入チャンバーを含む試験ストリップであって、前記試料受入チャンバーが、試験ストリップの投与末端での試料受入開口部中で終結している張り出し部位を含み、および
前記投与末端がテーパーである試験ストリップ。
【請求項93】
前記試薬層が、前記張り出し部位中に配置され投与末端の投与縁部までのびる請求項92記載の試験ストリップ。
【請求項94】
前記カバー層が、前記試料受入チャンバーを被覆しているチャンバーカバーを含む請求項92記載の試験ストリップ。
【請求項95】
前記チャンバーカバーが、さらにその上に配置された親水性コーティングを含み、前記親水性コーティングが、前記試料受入チャンバーのシーリングを定義している請求項94記載の試験ストリップ。
【請求項96】
前記試料受入チャンバーに面している、チャンバーカバーの一部分が親水性である請求項94記載の試験ストリップ。
【請求項97】
前記試薬層が、投与末端の投与縁部まで伸びる請求項96記載の試験ストリップ。
【請求項98】
前記チャンバーカバーが、親水性である請求項94記載の試験ストリップ。
【請求項99】
前記試薬層が、投与末端の投与縁部まで伸びる請求項98記載の試験ストリップ。
【請求項100】
前記チャンバーカバーが、実質的に透明な物質を含む請求項94記載の試験ストリップ。
【請求項101】
前記投与末端が、互いに対して角度をなし、前記試験ストリップの幅より狭い投与縁部中で終結する2つの側を含む請求項92記載の試験ストリップ。
【請求項102】
前記投与縁部が、実質的に直線である請求項101記載の試験ストリップ。
【請求項103】
前記投与縁部が、曲線形態を含む請求項92記載の試験ストリップ。
【請求項104】
さらに、前記ベース基板とカバー層間に配置されたスペーシング層を含み、前記スペーシング層が、前記ベース基板と前記カバー層間の試料受入チャンバーを定義する空間を定義する請求項92記載の試験ストリップ。
【請求項105】
前記スペーシング層が、第一色を含み、前記試薬層が、第一色と対照をなす第二色を含む請求項104記載の試験ストリップ。
【請求項106】
前記カバー層が、前記試料受入チャンバー上で実質的に透明であり、これによって、前記試薬層と前記スペーシング層の対照色が、カバー層を通して見ることができる請求項105記載の試験ストリップ。
【請求項107】
前記第一色と第二色が、血液と対照である請求項106記載の試験ストリップ。
【請求項108】
前記カバー層が、チャンバーカバーを含み、前記チャンバーカバーが、実質的に透明であり、前記試薬層および前記スペーシング層の色の対照が、チャンバーカバーを通して見ることができる請求項105記載の試験ストリップ。
【請求項109】
前記第一色と第二色が、血液と対照である請求項108記載の試験ストリップ。
【請求項110】
さらに、スペーシング層上に配置されたグラフィックを含む請求項104記載の試験ストリップ。
【請求項111】
前記グラフィックが、山形紋を含む請求項110記載の試験ストリップ。
【請求項112】
その上に配置された試薬層を持つベース基板であって、前記試薬層が、第一色を含み、
前記ベース基板を被覆するカバー層、
前記ベース基板と前記カバー層間に配置されたスペーシング層を含む試験ストリップであって、前記スペーシング層が、前記ベース基板と前記カバー層の間の試料受入チャンバーを定義する空間を定義しており、前記スペーシング層が、第一色と対照である第二色を含み、および
前記試料受入チャンバーが、前記ストリップの投与末端での試料受入開口部中で終結している張り出し部位を含む試験ストリップ。
【請求項113】
前記カバー層が、前記試料受入チャンバーを被覆するチャンバーカバーを含む請求項112記載の試験ストリップ。
【請求項114】
前記チャンバーカバーが、透明または半透明の物質を含み、これによって、前記試薬層とスペーシング層の対照色が、チャンバー層を通して見ることができる請求項113記載の試験ストリップ。
【請求項115】
前記試薬層と前記スペーシング層の対照色が、血液と対照である請求項114記載の試験ストリップ。
【請求項116】
前記チャンバーカバーが、親水性底面を含む請求項113記載の試験ストリップ。
【請求項117】
さらに、前記スペーシング層上に配置されたグラフィックを含む請求項112記載の試験ストリップ。
【請求項118】
前記グラフィックが、山形紋を含む請求項117記載の試験ストリップ。
【請求項119】
前記投与末端が、テーパーである請求項112記載の試験ストリップ。
【請求項120】
前記投与末端が、互いに対して角度をなし、前記試験ストリップの幅より狭い投与縁部中で終結する2つの側を含む請求項119記載の試験ストリップ。
【請求項121】
前記投与縁部が、実質的に直線である請求項120記載の試験ストリップ。
【請求項122】
前記試薬層が、前記試験ストリップの投与縁部まで伸長する請求項112記載の試験ストリップ。

【図1】
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【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図5A】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19A】
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【図19B】
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【図19C】
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【公表番号】特表2007−524821(P2007−524821A)
【公表日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−517459(P2006−517459)
【出願日】平成16年6月18日(2004.6.18)
【国際出願番号】PCT/US2004/019684
【国際公開番号】WO2004/113900
【国際公開日】平成16年12月29日(2004.12.29)
【出願人】(501205108)エフ ホフマン−ラ ロッシュ アクチェン ゲゼルシャフト (285)