説明

張力付与機構

【課題】ロッドが良好にスライド移動できる張力付与機構を提供する。
【解決手段】緊張輪15を回動可能に支持する支持部材21と、支持部材21に固定されたロッド22と、トラックフレーム14に固定されたパイプ23とを備え、ロッド22をパイプ23に挿入して、そのロッド22をスライド可能に構成し、少なくともトラックフレーム14およびパイプ23のいずれか一方に固定された受け部材24と、受け部材24に位置変更可能に支持されたばね受け部材25と、支持部材21とばね受け部材25とに亘って架設された圧縮ばね26,27とを備え、パイプ23の支持部材21とは反対側の端部を開放してある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、緊張輪および複数の転輪に亘って巻回されたクローラベルトの緊張方向に前記緊張輪を付勢する張力付与機構に関する。
【背景技術】
【0002】
かかる張力付与機構は、トラクタ等の作業車に装備されて、クローラベルトの緊張方向に緊張輪を付勢することにより、クローラベルトの張力を維持できるようにしたものである。
【0003】
従来、この種の張力付与機構では、図7に示すように、緊張輪15を回動可能に支持する支持部材21と、その支持部材21に端部が固定されたロッド22と、複数の転輪を支持するトラックフレーム14に固定されたパイプ23と、を備え、ロッド22をパイプ23に挿入して、そのロッド22を緊張および弛緩方向にスライド可能に構成し、トラックフレーム14に固定される受け部材24と、その受け部材24に緊張および弛緩方向に位置変更可能に支持されたばね受け部材25と、支持部材21とばね受け部材25とに亘って架設された内側の圧縮ばね26および外側の圧縮ばね27と、を備え、受け部材24が、パイプ23の支持部材21とは反対側の端部を覆う状態で固定するものがあった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の張力付与機構においては、ロッドのスライドに伴って、土や泥等がロッドとパイプの支持部材側の端部の隙間からパイプの内部に入り込み、パイプと受け部材とで囲まれる空間に入り込んで該空間に溜まることがある。このとき、前記空間に溜まった土や泥等によってロッドのスライド距離が短くなり、ロッドがスライド移動しなくなることがある。
【0005】
本発明の目的は、ロッドが良好にスライド移動できる張力付与機構を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の張力付与機構は、緊張輪および複数の転輪に亘って巻回されたクローラベルトの緊張方向に前記緊張輪を付勢するものであって、
その第1特徴構成は、前記緊張輪を回動可能に支持する支持部材と、前記支持部材に端部が固定されたロッドと、前記複数の転輪を支持するトラックフレームに固定されたパイプと、を備え、前記ロッドを前記パイプに挿入して、そのロッドを前記クローラベルトの緊張および弛緩方向にスライド可能に構成し、少なくとも前記トラックフレームおよび前記パイプのいずれか一方に固定された受け部材と、前記受け部材および前記支持部材の一方に前記緊張および弛緩方向に位置変更可能に支持されたばね受け部材と、前記受け部材および前記支持部材の他方と前記ばね受け部材とに亘って架設された圧縮ばねと、を備え、前記パイプの前記支持部材とは反対側の端部を開放してある点にある。
【0007】
本構成によれば、ロッドのスライドに伴って、土や泥等がパイプの内部に入り込んだとしても、パイプの内部に入り込んだ土や泥等は、パイプの支持部材側から排出されたり、パイプの内部に入り込んだとしても、パイプの支持部材とは反対側の端部を開放してあることにより、パイプの支持部材とは反対側の端部から外部に排出される。このため、土や泥等がパイプの内部に溜まってロッドのスライド距離が短くなることは無い。よって、ロッドが良好にスライド移動できる。
【0008】
本発明の第2特徴構成は、前記クローラベルトが前記緊張輪に巻回された状態で、前記ロッドが前記パイプの前記支持部材とは反対側の端部から突出する点にある。
【0009】
本構成によれば、ロッドがパイプを貫通しているので、小石等がロッドとパイプの支持部材とは反対側の端部との隙間に入り込み難く、小石等が噛み込み難い。よって、ロッドがスムーズにスライド移動できる。つまり、ロッドがパイプの支持部材とは反対側の端部から引退すると、ロッドとパイプの支持部材とは反対側の端部とによって凹部が形成されるので、パイプの支持部材とは反対側の端部に小石等が溜まり易い。このとき、ロッドがスライドすると、小石等がロッドとパイプの支持部材とは反対側の端部との隙間に入り込み易く、小石等が噛み込み易くなる。これに対し、本構成では、そのような凹部が形成されないので、パイプの支持部材とは反対側の端部に小石等が溜まり難く、ロッドがスライドしても、小石等がロッドとパイプの支持部材とは反対側の端部との隙間に入り込み難く、小石等が噛み込み難くなる。
【0010】
また、例えば、緊張輪が支持部材に片持ち支持されている場合、緊張輪がクローラベルトから受ける反力によって、支持部材およびロッドに左右方向への力が掛かる。しかしながら、ロッドがパイプの支持部材とは反対側の端部から突出してあることにより、パイプがその全長に亘ってロッドを支持するので、ロッドが左右にこじれ難くなる。しかも、ロッドの端面の外周部がパイプの内周面を摺動することが無く、ロッドの端面の外周部がパイプの内周面に食い込んで引っ掛かることが無い。よって、ロッドがスムーズにスライド移動できる。
【0011】
本発明の第3特徴構成は、前記ロッドを2つ設け、前記パイプを2つ設けて、前記2つのロッドおよび前記2つのパイプを並列配置してあり、それらパイプの間に前記受け部材を設けてある点にある。
【0012】
本構成によれば、2つのパイプの間の空間を利用して受け部材をコンパクトに配置することができる。
【0013】
本発明の張力付与機構は、緊張輪および複数の転輪に亘って巻回されたクローラベルトの緊張方向に前記緊張輪を付勢するものであって、
その第4特徴構成は、前記緊張輪を回動可能に支持する支持部材と、前記支持部材に固定されたパイプと、前記複数の転輪を支持するトラックフレームに端部が固定されたロッドと、を備え、前記ロッドを前記パイプに挿入して、そのパイプを前記クローラベルトの緊張および弛緩方向にスライド可能に構成し、少なくとも前記トラックフレームおよび前記ロッドのいずれか一方に固定された受け部材と、前記受け部材および前記支持部材の一方に前記緊張および弛緩方向に位置変更可能に支持されたばね受け部材と、前記受け部材および前記支持部材の他方と前記ばね受け部材とに亘って架設された圧縮ばねと、を備え、前記パイプの前記支持部材側の端部を開放してある点にある。
【0014】
本構成によれば、パイプのスライドに伴って、土や泥等がパイプの内部に入り込んだとしても、パイプの内部に入り込んだ土や泥等は、パイプの支持部材とは反対側に排出されたり、パイプの内部に入り込んだとしても、パイプの支持部材側の端部を開放してあることにより、パイプの支持部材側の端部から外部に排出される。このため、土や泥等がパイプの内部に溜まってロッドのスライド距離が短くなることは無い。よって、ロッドが良好にスライド移動できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1実施形態におけるトラクタを示す側面図である。
【図2】第1実施形態におけるクローラ走行装置を示す側面図である。
【図3】第1実施形態における図2のIII−III矢視断面図である。
【図4】第1実施形態における張力付与機構を示す横断面図である。
【図5】第1実施形態における張力付与機構を示す分解斜視図である。
【図6】第2実施形態における張力付与機構を示す横断面図である。
【図7】従来の張力付与機構を示す横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
〔第1実施形態〕
以下、本発明に係る張力付与機構Aを装備したトラクタについて説明する。
【0017】
〔全体構成〕
図1に示すように、トラクタは、機体1の前部に装備されたエンジン(図示しない)および左右の前車輪3と、機体1の後部に装備されたキャビン4、ミッションケース5および左右のクローラ走行装置6と、を備えている。
【0018】
(クローラ走行装置)
図1〜図3に示すように、前記クローラ走行装置6は、ミッションケース5から突出する後車軸11に取り付けられたスプロケット12と、ミッションケース5の下部に取り付けられた支持フレーム(図示しない)に揺動可能に取り付けられた支持ブラケット13と、その支持ブラケット13の下部に固定されたトラックフレーム14と、そのトラックフレーム14の前方に張力付与機構Aを介して取り付けられた前アイドラ15(緊張輪の一例)と、トラックフレーム14の中間に前後方向に間隔を隔てて3つ取り付けられた接地転輪16(転輪の一例)と、トラックフレーム14の後方に取り付けられた後アイドラ17(遊動輪の一例)と、トラックフレーム14の下方に取り付けられた脱輪防止用ガイド19と、スプロケット12、接地転輪16、前アイドラ15、および後アイドラ17に亘って巻回されたクローラベルト18と、を備えている。
【0019】
(張力付与機構)
図4,図5に示すように、トラックフレーム14の前部には、斜め上方(図2の紙面左上方向)に沿って延びる先端部14aが形成されている。先端部14aの上部には、取付部材10が固定されている。取付部材10は、斜め前方下方(クローラベルト18の緊張および弛緩方向、図2の紙面左下方向)に傾斜した前側部分10aと斜め前方上方に傾斜した後側部分10bとを備えて、上向き凸の屈曲状に構成してある。前側部分10aと前アイドラ15とに亘って張力付与機構Aが固定されている。
【0020】
図4,図5に示すように、前記張力付与機構Aは、斜め前方下方に前アイドラ15を付勢するものであって、前アイドラ15を回動可能に支持する支持部材21と、前側(一方側、支持部材21の側、図4の紙面左側)の端部が支持部材21に固定された左右の丸棒状のロッド22と、そのロッド22が挿入されかつ下側部分が取付部材10の前側部分10aに固定された左右の円筒状のパイプ23と、取付部材10の前側部分10aに立設されて左右のパイプ23の端部の間に配置された矩形板状の受け部材24と、受け部材24に斜め下方に位置変更可能に支持されたばね受け部材25と、支持部材21とばね受け部材25とに亘って架設された内側の圧縮ばね26および外側の圧縮ばね27(圧縮ばねの一例)と、を備えている。これにより、支持部材21およびロッド22を斜め下方にスライド可能に構成してある。
【0021】
また、パイプ23の後側の端部が開放されて開口23aを形成しており、クローラベルト18がスプロケット12、接地転輪16、前アイドラ15、および後アイドラ17に巻回された状態で、ロッド22の後側(他方側、支持部材21とは反対側、図4の紙面上側)の端部がパイプ23の後側の端部から突出している。
【0022】
図4,図5に示すように、前記支持部材21は、ロッド22を支持する矩形板状のロッド支持部分31と、前アイドラ15の軸部34を片持ち支持する前アイドラ支持部分32とを備えている。ロッド支持部分31の後側面における下部の左右側には、ロッド22の前側の端部が一体的に固定されている。ロッド支持部分31の後側面における上下中間部の左右中央側には、内側の圧縮ばね26の前側の端部の内方側に挿入する円柱状の前側係合部33が一体的に固定されている。内側の圧縮ばね26および外側の圧縮ばね27が内外2重筒状に設けられている。これにより、前側係合部33が内側の圧縮ばね26および外側の圧縮ばね27の前側の端部の位置を固定する。また、ロッド支持部分31の後側面は、内側の圧縮ばね26および外側の圧縮ばね27の前側の端部が当接する当接面として機能する。
【0023】
図4,図5に示すように、前記受け部材24は、パイプ23の後部の間に位置している。受け部材24は、その左右側の側面の夫々が左右のパイプ23の夫々に固定され、取付部材10の前側部分10aに固定されている。受け部材24は、その中央部にねじ穴24aを有している。ばね受け部材25は、雄ねじ部25aと円板状のねじ頭部25bとを備えており、雄ねじ部25aがねじ穴24aに螺合するように構成してある。雄ねじ部25aの先端には、断面形状が六角状の操作部分25cが形成されており、レンチ等の工具でばね受け部材25を回転操作することによって、ばね受け部材25の位置を調節可能に構成してある。雄ねじ部25aの途中には、ナット35が螺合されており、このナット35で調整したばね受け部材25の位置を固定するように構成してある。
【0024】
図4,図5に示すように、前記ねじ頭部25bの前面には、内側の圧縮ばね26の後側の端部の内方側に挿入する円柱状の後側係合部36が固定されている。これにより、後側係合部36が内側の圧縮ばね26および外側の圧縮ばね27の後側の端部の位置を固定する。また、ねじ頭部25bの前面は、内側の圧縮ばね26および外側の圧縮ばね27の前側の端部が当接する当接面として機能する。
【0025】
前記ロッド22およびそのロッド22が挿入されるパイプ23を左右並列配置すると共に、それらロッド22およびそのロッド22の間に、受け部材24、ばね受け部材25、内側の圧縮ばね26および外側の圧縮ばね27を直列配置してある。これにより、並列配置した2つのロッド22およびパイプ23の間の空間を有効に活用して、受け部材24、ばね受け部材25、内側の圧縮ばね26および外側の圧縮ばね27を収容することができる。また、並列配置した2つのロッド22およびパイプ23によって内側の圧縮ばね26および外側の圧縮ばね27が左右側へ撓むことを防止できる。
【0026】
(運転時における張力付与機構の挙動)
トラクタが凹凸のある地面を運転するときに、内側の圧縮ばね26および外側の圧縮ばね27の付勢力に抗してロッド22がパイプ23の内部を往復スライド移動する。このとき、土や泥等がパイプ23の内部に入り込んだとしても、パイプ23の内部に入り込んだ土や泥等は、パイプ23の前側から排出されたり、パイプ23の内部に入り込んだとしても、パイプ23の前側の端部を開放してあることにより、パイプ23の後側の端部から外部に排出される。よって、土や泥等がパイプ23の内部に溜まること無く、支持部材21およびロッド22が良好にスライド移動できる。また、ロッド22の後側の端部がパイプ23の後側の端部から突出しているので、パイプ23の後側の端部に小石等が溜まり難く、小石等が噛み込み難くなる。
【0027】
〔第2実施形態〕
上記第1実施形態では、図4,図5に示すように、支持部材21にロッド22を固定するとともに、取付部材10の前側部分10aにパイプ23を固定する。これに対し、この実施形態では、図6に示すように、支持部材21にパイプ23を固定するとともに、取付部材10の前側部分10aにロッド22を固定する。したがって、この実施形態では、第1実施形態の構成と異なる構成についてのみ説明し、同じ構成については説明を省略する。
【0028】
具体的には、張力付与機構Aは、前アイドラ15を回動可能に支持する支持部材21と、取付部材10の前側部分10aに立設された受け部材24と、支持部材21に前側(一方側、支持部材21側)の端部が固定されるように支持部材21に一体的に形成されたパイプ23と、そのパイプ23に挿入されかつ受け部材24に後側(他方側、支持部材21とは反対側)の端部が固定されたロッド22と、受け部材24に斜め下方に位置変更可能に支持されたばね受け部材25と、支持部材21とばね受け部材25とに亘って架設された内側の圧縮ばね26および外側の圧縮ばね27(圧縮ばねの一例)と、を備えている。これにより、支持部材21およびパイプ23を斜め下方にスライド可能に構成してある。
【0029】
また、パイプ23の前側の端部が開放されて開口23aを形成しており、クローラベルト18がスプロケット12、接地転輪16、前アイドラ15、および後アイドラ17に巻回された状態で、ロッド22の前側の端部がパイプ23の前側の端部から引退している。
【0030】
〔別実施形態〕
(1)上記第2実施形態では、クローラベルト18がスプロケット12、接地転輪16、前アイドラ15、および後アイドラ17に巻回された状態で、ロッド22の前側の端部がパイプ23の前側の端部から引退しているが、これに代えて、クローラベルト18がスプロケット12、接地転輪16、前アイドラ15、および後アイドラ17に巻回された状態で、ロッド22の前側の端部がパイプ23の前側の端部から突出し、ロッド22が前アイドラ15に干渉しないように、前アイドラ支持部分32を前側に延ばすように構成してもよい。
【0031】
(2)張力付与機構Aは、トラクタの他、コンバインやバックホウのクローラ走行装置に装備してもよい。具体的には、コンバインやバックホウのクローラ走行装置のトラックフレームの前後方向の一方側に緊張輪を取り付けるとともに、トラックフレームの前後方向の他方側に駆動輪を取り付け、トラックフレームの中間に接地転輪を前後方向に間隔を隔てて複数取り付け、クローラベルトが、緊張輪、接地転輪、および駆動輪に巻回され、トラックフレームと緊張輪とに亘って張力付与機構Aが固定されてもよい。
【0032】
(3)上記各実施形態では、トラックフレーム14の前方に張力付与機構Aを介して前アイドラ15を取り付け、トラックフレーム14の後方に後アイドラ17を取り付ける構成を例示したが、このような構成に代えて、トラックフレーム14の前方に前アイドラ15を取り付け、トラックフレーム14の後方に張力付与機構Aを介して後アイドラ17を取り付けたり、トラックフレーム14の前方に張力付与機構Aを介して前アイドラ15を取り付け、トラックフレーム14の後方にも張力付与機構Aを介して後アイドラ17を取り付けてもよい。
【0033】
(4)上記第1実施形態では、受け部材24は、取付部材10、および、左右のパイプ23の夫々に固定される構成を例示したが、このような構成に代えて、受け部材24は、取付部材10に固定され、左右のパイプ23の夫々に固定されなくてもよく、あるいは、受け部材24は、左右のパイプ23の夫々に固定され、取付部材10に固定されなくてもよい。
【0034】
(5)上記第2実施形態では、受け部材24は、取付部材10に固定される構成を例示したが、このような構成に代えて、受け部材24は、取付部材10、および、左右のロッド22の夫々に固定されてもよく、あるいは、受け部材24は、左右のロッド22の夫々に固定され、取付部材10に固定されなくてもよい。
【0035】
(6)上記各実施形態では、ばね受け部材25の雄ねじ部25aが受け部材24のねじ穴24aに螺合させることにより、ばね受け部材25を受け部材24に支持させて、支持部材21とばね受け部材25とに亘って内側の圧縮ばね26および外側の圧縮ばね27を取り付ける構成を例示したが、このような構成に代えて、ばね受け部材25の雄ねじ部25aを支持部材21のねじ穴に螺合させることにより、ばね受け部材25を支持部材21に支持させて、受け部材24とばね受け部材25とに亘って内側の圧縮ばね26および外側の圧縮ばね27を取り付けてもよい。
【0036】
(7)上記各実施形態では、2つのロッド22およびパイプ23を左右に並列配置する構成を例示したが、このような構成に代えて、2つのロッド22およびパイプ23を上下に並列配置してもよい。また、ロッド22およびパイプ23の数は2つに限られるものではなく、1つ、あるいは、3以上であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明の張力付与機構は、トラクタや建設機械等の各種作業機に適応可能である。
【符号の説明】
【0038】
14 トラックフレーム
15 緊張輪
16 転輪
18 クローラベルト
21 支持部材
22 ロッド
23 パイプ
24 受け部材
25 ばね受け部材
26,27 圧縮ばね

【特許請求の範囲】
【請求項1】
緊張輪および複数の転輪に亘って巻回されたクローラベルトの緊張方向に前記緊張輪を付勢する張力付与機構であって、
前記緊張輪を回動可能に支持する支持部材と、
前記支持部材に端部が固定されたロッドと、
前記複数の転輪を支持するトラックフレームに固定されたパイプと、を備え、
前記ロッドを前記パイプに挿入して、そのロッドを前記クローラベルトの緊張および弛緩方向にスライド可能に構成し、
少なくとも前記トラックフレームおよび前記パイプのいずれか一方に固定された受け部材と、
前記受け部材および前記支持部材の一方に前記緊張および弛緩方向に位置変更可能に支持されたばね受け部材と、
前記受け部材および前記支持部材の他方と前記ばね受け部材とに亘って架設された圧縮ばねと、を備え、
前記パイプの前記支持部材とは反対側の端部を開放してある張力付与機構。
【請求項2】
前記クローラベルトが前記緊張輪に巻回された状態で、前記ロッドが前記パイプの前記支持部材とは反対側の端部から突出する請求項1に記載の張力付与機構。
【請求項3】
前記ロッドを2つ設け、前記パイプを2つ設けて、
前記2つのロッドおよび前記2つのパイプを並列配置してあり、
それらパイプの間に前記受け部材を設けてある請求項1又は2に記載の張力付与機構。
【請求項4】
緊張輪および複数の転輪に亘って巻回されたクローラベルトの緊張方向に前記緊張輪を付勢する張力付与機構であって、
前記緊張輪を回動可能に支持する支持部材と、
前記支持部材に固定されたパイプと、
前記複数の転輪を支持するトラックフレームに端部が固定されたロッドと、を備え、
前記ロッドを前記パイプに挿入して、そのパイプを前記クローラベルトの緊張および弛緩方向にスライド可能に構成し、
少なくとも前記トラックフレームおよび前記ロッドのいずれか一方に固定された受け部材と、
前記受け部材および前記支持部材の一方に前記緊張および弛緩方向に位置変更可能に支持されたばね受け部材と、
前記受け部材および前記支持部材の他方と前記ばね受け部材とに亘って架設された圧縮ばねと、を備え、
前記パイプの前記支持部材側の端部を開放してある張力付与機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−140274(P2011−140274A)
【公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−2264(P2010−2264)
【出願日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)