説明

強化された耐水性を備えた硫酸カルシウム系製品

耐水性である硫酸カルシウム系の物体であって、結晶質の硫酸カルシウム無水石膏のマトリクスを含む物体であり、マトリクスの結晶は、耐水性のリン酸結合領域によって互いに結合されており、選択的には、アルミニウムを含むことができる。この物体は、リン酸塩イオンの供給源(あるいは選択的にアルミニウムを含む)で多孔質の硫酸カルシウムを含浸させて、続いてか焼することで製造することができる。又は、この物体は、硫酸カルシウムとリン酸塩イオンの供給源(あるいは選択的にアルミニウムを含む)を含むペーストを加熱するか或いは圧縮することで、未焼結の物体を形成し、引き続きか焼することで製造できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は強化された耐水性を備えた硫酸カルシウム系製品(硫酸カルシウムを主原料とする製品)及びその製造方法に関する。
【0002】
現在のところ、二水石膏(ジプサム、すなわち硫酸カルシウム二水和物)は、外部の環境において利用可能である材料としては考えられていない。あるいは水との継続的な接触が想定される他の形態での利用が可能な材料とは考えられていない。これは二水石膏の溶解性並びに多晶質マトリクス(多晶質体)における結晶間の化学結合の不在による。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭52−114495号公報
【特許文献2】特開平04−016537号公報
【特許文献3】国際公開第2006/134670号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
水との長期の接触後の圧縮強度が向上した硫酸カルシウム系の耐水性物体に対する継続的な要求が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、硫酸カルシウム無水石膏(硬石膏)の多晶質マトリクス(多晶質体)を含む、耐水性の硫酸カルシウム系物体が提供される。このマトリクス(母材)の結晶は、耐水性のリン酸塩の結合領域によって、互いに結合されている。このマトリクス及び結合領域は、非連続的(非連続なマトリクスは従来の再水和した二水石膏に類似)と言うよりも、セラミックのように連続的(実質的に非連続な部分あるいは孔部が存在しないこと)である。結合領域は実質的に水に対する感受性がなく、且つポリリン酸塩の形態のリン酸塩を含んでいる。
【0006】
結合領域が本質的に非結晶リン酸塩で成ることが、特に望ましい。または無水アルミノリン酸塩を含むことが望ましい。このことは以下において更に詳細に解説する。
【0007】
リン酸及びリン酸塩は、硫酸カルシウム配合物に使用されることが知られている。例えば、特開昭52−114495号公報(小野田セメント株式会社、特許文献1)、特開平04−016537号公報(第一セメント株式会社、特許文献2)及び国際公開第2006/134670号パンフレット(特許文献3)が解説している。しかしこれらは、結合領域を提供する目的ではなく、その結果としての耐水性を提供する目的のものではない。
【0008】
本発明で利用される硫酸カルシウム無水石膏マトリクスは、好適には、実質的に硫酸カルシウム半水塩を含まない。
【0009】
本発明に係る物体は、同時に従来の二水石膏製品と較べて、より高い硬度及び耐火性と、低溶解性と、向上した湿潤状態の強度とを有するであろう。
【0010】
本発明に係る物体は、好適には、実質的にセメント(無機質接合剤)を含まない。なぜなら、セメントは、マトリクスを互いに結合するためには不要だからである。前述したように、本発明によれば、この結合機能は、本物体の中に存在するリン酸塩の結合領域によって提供される。
【0011】
更に本発明は、耐水性の硫酸カルシウム物体の製造方法を含む。本方法では、多孔質の硫酸カルシウム物体は、リン酸塩イオンを含浸させてから、か焼(焼結)され、耐水性リン酸塩で結合された多孔質結晶構造の硫酸カルシウム無水石膏を含んだ物体が製造される。
【0012】
か焼される多孔質硫酸カルシウムは、例えば、リン酸塩イオンの供給源を含浸した、実質的に乾燥した多孔質の硫酸カルシウム材料(例えば無水物または水和物)の形態をしている。
【0013】
その実質的に乾燥した多孔質硫酸カルシウムは、例えば、リン酸塩イオンの供給源を含浸した硫酸カルシウムのペーストで形成され、焼成処理(か焼)前に未焼結の物体(グリーンボディ、加工途中の物体)を形成するように圧縮処理される。
【0014】
代替的には、硫酸カルシウムとリン酸塩イオンの供給源を含んだペーストが、加熱されるか、あるいは「未焼結の物体」を形成するために圧縮されるかして、その後続けて耐水性リン酸塩により結合された多孔質結晶構造の無水硫酸カルシウムからなる物体を製造するためにか焼する方法によって、耐水性の二水石膏を主原料とする物体が製造される。もしも出発物質が硫酸カルシウム無水石膏であれば、熱による相変化が起きないので、未焼結の物体を形成するためには圧縮処理が必要とされる。
【0015】
リン酸塩イオンが含浸された未焼結の物体、またはリン酸塩イオンで後の工程に於いて含浸がなされる物体のか焼は、少なくとも400℃、より好適には少なくとも500°の温度で実行される。しかし好適には温度は600℃を超えない。このか焼処理は、得られる物体が実質的に硫酸カルシウム半水塩を含まないように行われるべきである。さもないとその物体の特性に悪影響が及ぶ恐れが生じるであろう。
【0016】
本発明によれば、未焼結の物体は、その物体の圧縮処理と、圧縮された物体のか焼の前に、リン酸塩イオンを含浸されることが特に好適である。なぜなら、これは5重量%未満の含水率を結果としてもたらし、外部環境及び荷重支持状態での使用に適した物体が得られるからである。
【0017】
本発明方法のいずれの形態でも、リン酸塩イオンは、硫酸カルシウムの総量を基準として20モル%以上50モル%以下の範囲で使用されるのが望ましい。
【0018】
リン酸(すなわち化学式HPOであるオルトリン酸)が好適なリン酸塩イオンの供給源である。その他のそのようなイオンの供給源としては、ピロリン酸(化学式H)及びそれらの酸の塩類であって、好適には遊離酸基を含んでいるものが挙げられる。リン酸塩イオンの供給源に存在するカチオンは、得られる物体の所望される特性に対して、悪影響を及ぼさないか、あるいは(好適には)有利なものであるべきである。
【0019】
リン酸塩イオンが、そのような有利なイオンとして、アルミニウムを含むイオンを更に含んでいることが、特に好適である。この場合結合領域は、上述したように、アルミノリン酸塩を含んでいる。アルミニウム含有イオンは、例えばオルトリン酸塩アルミニウムとして供給される。
【0020】
アルミノリン酸塩の結合剤は、例えばL−Yホンらの「クロムを含まないリン酸塩アルミニウム結合剤及びその複合利用」(複合科学と技術(Composite Science and Technology)、67(2007年)1195頁〜1201頁)において解説されている。この記事は、硫酸カルシウム系物体に使用するアルミノリン酸塩結合剤を、開示も示唆もしていない。
【0021】
本発明の方法に使用可能な、例示的である無害なカチオンには、典型的にはオルトリン酸塩モノナトリウムまたはオルトリン酸塩ジナトリウムとして提供される、ナトリウムが含まれる。
【0022】
本発明によれば、乾燥した多孔質の硫酸カルシウム無水石膏は、リン酸塩イオンの供給源を含浸されており、その後乾燥されることができる。代替的には、乾燥された多孔質の硫酸カルシウム無水石膏は、リン酸塩イオンの供給源を含んだ水と粉末石膏(プラスター)とを混合することで得られる、湿った状態の多孔質の二水石膏を、乾燥してか焼することによって製造することができる。
【0023】
乾燥した多孔質の二水石膏が利用される場合、この二水石膏は、粉末石膏を水と混合して得られた湿った状態の多孔質の二水石膏を乾燥させることで得られるであろう。
【0024】
本発明に係る方法の一つの好適な実施態様では、か焼処理される多孔質の硫酸カルシウム無水石膏は、典型的には密閉容器またはオートクレーブ内において、リン酸塩イオンの供給源により処理された二水石膏の予備成型品の混合物を加熱することで製造される、湿った状態の多孔質の「未焼結の」物体の形態である。このような混合物は、リン酸塩イオンを既に含有している二水石膏の廃棄物の流れを含んでいることがある。
【0025】
硫酸カルシウム無水石膏が、本発明の方法で使用されるとき、それは、例えば無水石膏II型または無水石膏III型であってよい。無水石膏II型が使用されるとき、それは図7で示す方式1及び方式3で利用することができ、無水石膏III型が使用されるときには、添付の図7で示す方式2で利用することができる。
【0026】
本発明に係る物体は、例えば充填剤(例えばシリカ)または触媒のような、二水石膏で利用される、一般的に知られた種類の添加物を、更に含むことができる。
【0027】
本発明に係る物体は、好適には、成型された物品、ブロックまたは板材(ボード)といった硬化した粉末石膏物体である。物体が成型された物品であるときには、例えばそれは生物学的な環境で使用される物品である(それは、例えばバイオセラミックである)。物体がブロックであるときには、例えばそれは外部環境で使用するためのレンガ、タイル、またはその他の荷重支持要素の形態であってもよい。
【0028】
物体が、例えば石膏ボードのような板材であるとき、その板材は表面が強化されているか、あるいは裏打ちシートで補強された板材であっても、若しくはそのような加工が施されていない板材であってもよい。表面強化が施された板材の場合は、補強用の裏打ちシートは、例えば繊維のスクリム(強度の高い織物、例えばグラスファイバ製)あるいは繊維のメッシュ(網目状の編地)とすることができる。本発明に係る板材は、荷重の耐久性があり、外部環境での使用に適している。
【0029】
適当であると考えられる場合には、その他の無害材料、補助剤及び原料が、本発明に係る二水石膏物体に使用される。このような無害材料の例には、選択可能なものとして、架橋剤、疎水性物質(シリコーンまたは反応性シラン、等々)、澱粉、強化繊維、硬化促進剤と凝結遅延剤、超可塑化剤、変形防止剤(抗垂下剤等)、抗縮添加剤、再焼結防止剤、泡安定剤、殺菌剤、pH調節剤、着色剤、防火剤及び充填剤(拡張された形態の中の特定の実施形態では、微粒子の鉱物またはプラスチック等)といった原料が更に含まれる。
【0030】
本発明の利点及び特徴の一部は、添付の図面を参照して、例示のみを目的に下記において説明されている。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】図1は、本発明に係る第一の物体の切片の、倍率2500倍である走査電子顕微鏡写真を示す。
【図2A】図2Aは、本発明に係る第二の物体の切片の、倍率1000倍である走査電子顕微鏡写真を示す。
【図2B】図2Bは、本発明による第二物体の切片の、倍率10000倍である走査電子顕微鏡写真を示す。
【図3】図3は、縦軸の圧縮ピーク応力(MPa)と横軸の密度(kg/m)との関係をグラフ化した、本発明に係るそれぞれの物体の特性を表すグラフである。
【図4】図4は、縦軸の圧縮ピーク応力(MPa)と横軸の密度(kg/m)との関係をグラフ化した、本発明のそれぞれの物体の特性を表すグラフである。
【図5】図5は、縦軸の圧縮ピーク応力(MPa)と横軸の密度(kg/m)との関係をグラフ化した、本発明のそれぞれの物体の特性を表すグラフである。
【図6】図6は、縦軸の圧縮ピーク応力(MPa)と横軸の密度(kg/m)との関係をグラフ化した、本発明のそれぞれの物体の特性を表すグラフである。
【図7】図7は本発明の物体を製造する三種類の方式を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図7は本発明の物体を製造する三種類の方式を概略的に示す図である。これらのうちの方式1は最も好ましさに乏しい。なぜなら(上述したように)リン酸塩イオンで含浸する前に硫酸カルシウムをか焼することは、含浸後のか焼と比して好適ではないからである。
【0033】
図3と図4では、図示されているエラーバー(誤差を示す棒線)は標準偏差の一単位(一シグマ)に相当する。
【0034】
図1は、5M(モル濃度)のオルトリン酸を使用して、図7の方式1により製造された物体の顕微鏡写真である。また図2aと図2bは、7.5Mのオルトリン酸を使用して、図7の方式2により製造された物体の顕微鏡写真である(以下の実施例1で更に詳細に説明する)。
【0035】
以下の実施例は、本発明の解説のみを目的に提供されている。
【実施例1】
【0036】
100gのサンゴバン(Saint-Gobain)社の配合アルファタイプの粉末石膏が、手動によって、100gの脱イオン水と1分間混合された(水:粉末石膏の比率1:1)。続いて、シリコンゴムの型に注入された。それぞれの寸法が12mm(直径)×24mm(高さ)である一定数の円柱状の物体が一単位として成型された。その一単位の円柱状の物体は、40℃で12時間から18時間乾燥される前に、水和処理が1時間かけて行われた。
【0037】
オルトリン酸は、それぞれ2.5M、5M及び7.5Mの濃度で調製され、真空条件下で、二水石膏からなる前記円筒の多孔質の構造の中に含浸された(これは添付の図7の、方式2で説明する工程の一例である)。
【0038】
サンプルは40℃で再度一晩乾燥された。その後サンプルは、5℃/分で温度上昇させた500℃の炉内でか焼し、そして2時間の保持を行った。冷却後、サンプルは40℃のオーブンに移された。評価されるべき各条件のために、それぞれ3つの円柱状の物体が試験された。
【0039】
2つの試験条件は「乾燥状態」と「湿った状態」である。即ち、「乾燥」は40℃のオーブンから出された処理状態である。「湿った状態」とは、具体的には脱イオン水による完全に飽和した状態である。圧縮強度試験は、ズィック汎用試験機(Zwick Universal Testing Machine)のピストン棒の頭部(クロスヘッド)の速度が2mm/分のものを使用して行われた。ピーク荷重は、このサンプルの荷重がピーク値から50%低減した後に決定された。
【0040】
試験結果は図3に示されており、湿った状態の物体の圧縮強度が、乾燥状態の物体の圧縮強度と大きく異ならないことが示されている。
【0041】
5Mのリン酸を使用したそれら円柱状の物体のうちの1つの顕微鏡写真が、図1に示されている。この顕微鏡写真は、マトリクスがセラミックのような連続した形態であり、再水和した二水石膏のような非連続な形態ではないことを示している(二水石膏では、結晶間の結合は感水性であり、本発明に係る物体においては無水石膏の結晶間の結合剤は、不溶性であり且つ非結晶性である)。異なる実施形態における同様な試験結果が、図2aと図2bで示されている。
【実施例2】
【0042】
実施例1が、以下の変更点を除いて、反復された。二水石膏からなる円柱状の物体は、水:粉末石膏の比の値を、0.6から1の間で変更することで密度/孔隙率を変更して製造された。各試験で含浸されたリン酸の同一濃度は2.5Mであった。
【0043】
試験結果は図4で示されており、湿った状態の物体の圧縮強度が、乾燥した物体の圧縮強度と大きく異ならないことが示されている。
【実施例3】
【0044】
10gの二水石膏粉末(フィッシャ・サイエンティフィック社の分析グレードの二水硫酸カルシウム)が、それぞれ2.5M、5M、10Mの濃度の5mlのオルトリン酸と、ガラス乳棒及び乳鉢を使用して1分間混合された。得られたペースト状の物体は、底部に蓋がされた200mm(高さ)×10mm(直径)の、蓋付きのテフロン(登録商標)の円柱状の型内に注入され、表面を平らにされた。円柱状の型は、20mlの内径でテフロン(登録商標)の裏打ちがなされた「パー(Parr)」社製の密封型オートクレーブに投入された。
【0045】
充填された円柱状の型は、250℃の強制対流オーブンの中で30分間加熱され、その後に冷却された。得られた未焼結の物体は、円柱状の型から外されて、40℃で一晩乾燥された。次に物体は、か焼処理及び実施例1で解説した試験の前が行われた。これは、添付した図7の方式3で図示する工程の一例である。
【0046】
試験結果は図5で示されており、湿った状態の物体の圧縮強度が、乾燥物体の圧縮強度とさほど大きく異ならないことが示されている。
【実施例4】
【0047】
実施例1が、以下の変更点を除いて、反復された。即ち、Al3+:HPOのモル比が0.33:1となっている40重量%のリン酸塩アルミニウム溶液が、含浸溶液として使用された。
【0048】
実施例1から実施例4の試験結果は、更に以下の表のように要約することができる。
【0049】
【表1】

【実施例5】
【0050】
二水石膏からなる円柱状の物体は、以下の相違点を除いて実施例1の方法で成型された。
【0051】
(実施例5.1)
20重量%の微粉末アルミナが、水で硬化される前に、粉末石膏と乾式混合された。
【0052】
(実施例5.2)
20重量%の水酸化アルミニウムが、水で硬化される前に、粉末石膏と乾式混合された。
【0053】
両物体は、5Mのリン酸で含浸され、実施例1と同様にか焼された。
【0054】
それぞれのサンプル(3g未満)は予備計量され、100mlの脱イオン水に4時間浸漬されて、試験された。液から取り出した後、サンプルは40℃の強制対流オーブンに入れられ、約12時間乾燥された。それぞれのサンプルは、再計量されて、新鮮な脱イオン水に浸漬された。この工程は、3回の浸漬周期(サイクル)で反復された。
【実施例6】
【0055】
実施例3により作成されたサンプルは、(比較のため)実施例6.1として、5Mのリン酸濃度で使用された。実施例6.2は、リン酸を加える前に、微粉末アルミナが二水石膏粉末と乾式混合されたことを除いて、同じ手順に従った。微粉末アルミナの追加量は、Al3+:HPOが、モル比で0.33となるように計算された。試験は実施例5で説明したものと同様に実施された。
【0056】
浸漬周期の間の、実施例5と実施例6のそれぞれの乾燥サンプルの重量の相違から計算された重量変化は、図6で示されている。これらの結果は、アルミニウムの存在が、硫酸カルシウムの耐久性と、再度の湿潤に対する抵抗性とを増加させることを示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
結晶構造の硫酸カルシウム無水石膏のマトリクスからなり、耐水性である硫酸カルシウム系物体であり、前記マトリクスの結晶が、耐水性のリン酸塩結合領域によって互いに結合されている物体。
【請求項2】
前記結合領域は、本質的に非結晶リン酸塩でなることを特徴とする請求項1記載の物体。
【請求項3】
前記結合領域は、無水アルミノリン酸塩でなることを特徴とする請求項1記載の物体。
【請求項4】
耐水性である硫酸カルシウム系物体を製造する方法であって、
(a)多孔質の硫酸カルシウム物体を、リン酸塩イオンの供給源に含浸させる工程と、
その後、(b)前記含浸が行われた物体をか焼して、耐水性リン酸塩に結合されている多孔性結晶構造の硫酸カルシウム二水石膏からなる物体を製造する工程と、を備えていることを特徴とする製造方法。
【請求項5】
耐水性である硫酸カルシウム系物体を製造する方法であって、
(a)硫酸カルシウムと、リン酸塩イオンの供給源とを含むペーストを、未焼結の物体を形成するために、加熱しまたは圧縮する工程と、
その後、(b)前記未焼結の物体をか焼する工程と、を備えており、前記か焼された物体は、耐水性リン酸塩により結合された多孔質結晶構造の硫酸カルシウム二水石膏でなることを特徴とする製造方法。
【請求項6】
前記リン酸塩イオンの供給源は、オルトリン酸と、ピロリン酸の少なくとも一方、若しくはそれらの塩のうちのいずれかを含んでいることを特徴とする請求項4または5記載の製造方法。
【請求項7】
前記塩はアルミニウム塩であることを特徴とする請求項6記載の製造方法。
【請求項8】
前記リン酸塩イオンの供給源は、アルミニウムイオンを含んでいることを特徴とする請求項5または6記載の製造方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2012−527394(P2012−527394A)
【公表日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−511358(P2012−511358)
【出願日】平成22年5月24日(2010.5.24)
【国際出願番号】PCT/GB2010/050848
【国際公開番号】WO2010/133898
【国際公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【出願人】(508120260)ビーピービー リミテッド (5)
【Fターム(参考)】