説明

弾性材を備える電気歯ブラシ

電気歯ブラシは、1つ以上の弾性要素を有する1つ以上の毛プレートを有することができる。弾性要素は、プロフィーカップを含んだ、様々な寸法及び形状であってもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1つ以上の弾性要素を有する電気歯ブラシの分野に関する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0002】
電気歯ブラシは、モーターが設けられたハンドルと長手方向軸線を有するヘッドと、ネックとを含むことができる。ヘッドは、第1の毛プレート、第2の毛プレート、及び/又は第3の毛プレートを有することができる。第1の毛プレートは、振動する又は回転軸の周りで回転することができる。第2の毛プレートは、ヘッドの長手方向軸線に沿って、ヘッドの長手方向軸線に対して横方向に、或いはヘッドから上下に往復運動することができる。第1の毛プレートは、プロフィーカップを含めた複数個の弾性要素を有することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0003】
図1に示すように、歯ブラシ20は、ヘッド44、ネック46、及びハンドル48を含むことができる。ハンドル48はモーターを含むことができる。ヘッド44は長手軸50(これは、図1に示すように、ハンドル46、ヘッド44、及び歯ブラシ20の長手方向軸線と同じであってもよい)を有することができる。ヘッド44は複数の毛プレートを有することができ、それらの毛プレートには、移動毛プレート及び静止毛プレート(静止毛プレートは、「静止毛領域」とも呼ばれることがあり、歯ブラシ20のヘッド44によって直接支持されてもよい)を挙げることができる。ヘッド44は、振動毛プレート22、往復毛プレート24、及び静止毛プレート26を含むことができる。振動毛プレート22及び/又は往復毛プレート24は、歯ブラシ20の長手軸に沿って、歯ブラシ20の長手軸に対して横方向に、歯ブラシ20から上下に、振動する又は往復運動することが可能であり、他の複合方向に運動することもでき、その方向は、2003年11月5日出願の米国特許出願第10/701,694号、2001年5月7日出願の米国特許出願第09/850,662号、2001年11月7日出願の米国特許出願第10/036,613号、2001年11月6日出願の米国特許出願第09/993,167号、2002年4月22日出願の米国特許出願第10/128,018号、2002年7月30日出願の米国特許出願第10/208,213号、2002年12月3日出願の米国特許出願第10/308,959号、2003年3月10日出願の米国特許出願第10/384,806号、2003年4月9日出願の米国特許出願第10/410,038号、及び2004年4月16日出願の米国特許出願第10/825,792号に記載されている。歯ブラシ20の長手方向軸線に対する可動毛プレートの動作は、その「移動動作」とみなされるべきである。使用者が移動させるように設計された移動又は固定プレートの、歯ブラシ20の長手方向軸線に対する動作は、その「ブラッシング動作」とみなされるべきである。
【0004】
また図1に示すように、毛プレートは、振動プレート22がヘッド44の最遠位端上に設置するか、ヘッドの最近位端上に(すなわち、ネック46に最も近接して)設置する、又はヘッド44の中央に設置し且つ他の毛プレートの脇に設置するように、ヘッド44上に設置されてもよい。加えて、毛プレート同士の間に間隙が形成されてもよい。往復毛プレート24は、ヘッド44の最遠位端上に配置されるか、ヘッドの最近位端上に(すなわち、ネック46に最も近接して)配置される、又はヘッド44の中央に配置され且つ他の毛プレートの脇に位置してもよい。固定毛プレート26は、ヘッド44の最遠位端上に配置されるか、ヘッドの最近位端上に(すなわち、ネック46に最も近接して)配置される、又はヘッド44の中央に配置され且つ他の毛プレートの脇に置かれてもよい。
【0005】
図2に示すように、振動プレート22は1つ以上のエラストマー要素28’及び28”を含んでもよい。複数のエラストマー要素28’及び28”又は非弾性毛は、弾性基部から又は弾性プレート自体から延びていてもよい。例えば、弾性要素28”は、従来の束ホール32(図3参照)から延びていてもよい。加えて、往復毛プレート24及び/又は静止毛プレート26は、1つ以上の弾性要素28’及び28”を含んでもよい。
【0006】
弾性要素28’及び28”は、「マッサージ毛先/毛/要素」、「磨き仕上げ毛先/毛/要素」、又は「ホワイトニング毛先/毛/要素」とも呼ばれることがあり、フィンガー(フィンガー部)及びプロフィーカップを含んでもよい。弾性要素28’及び28”はゴム又はゴム状の組成物を含んでもよく、これらの組成物には、限定はしないが、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロックコポリマー、シリコーンゴム(ダウ・コーニング・コーポレーション(Dow Corning Corporation)によって製造されているシラスティック(登録商標)など、シリカで強化された架橋ポリマー)、並びに1999年7月12日出願の米国特許第6,151,745号に記載されている組成物が挙げられる。弾性要素28’及び28”は、約10、約20、約30、約40よりも大きく且つ約50、約60、約70、及び約80よりも小さいショアA硬度を有してもよい。
【0007】
弾性要素28’及び28”は様々な形状をとることができ、その形状には、限定はしないが、円筒形、楕円形、方形、三角形、又は円錐形が挙げられる。弾性要素28’及び28”は中実であってもよく、完全に(端から端まで)又は部分的に空洞であってもよい。空洞の弾性要素28’及び28”は両端部で閉じられていても、上端部(すなわち、毛プレートに固定されていない端部)で開いていてもよい。弾性要素28’及び28”は、先細になっていてもよいし、曲線状になっていてもよい。単一の弾性要素が壁(不図示)を形成することができる。弾性壁及び壁の形状の例は、2003年1月10日出願の米国特許出願第60/439,17号、2003年4月15日出願の米国特許出願第60/463,347号、2003年4月9日出願の米国特許出願第10/410,038号、2002年9月27日出願の米国特許出願第10/260,585号、及び2002年9月27日出願の米国特許出願第10/260,586号、並びに1999年6月11日出願の米国特許第6,319,332号、2000年6月5日出願の米国特許第6,571,417号、2000年6月26日出願の米国特許第6,446,295号に開示されている。弾性要素28’及び28”は、毛プレート22、24及び26に対して90度で延びていてもよいし、鋭角で延びていてもよい。
【0008】
弾性要素28”は、従来の非弾性毛(例えばナイロン)の直径程度よりも小さくてもよいし、従来の毛の直径程度又は実質的により大きな直径程度のものであってもよく、その結果、弾性要素28”は、1つ以上の従来の毛の直径程度又は1以上の従来の毛束の直径程度となる。複数の弾性要素28”は、要素の弾性を有する束(これは「弾性毛束」とも呼ばれることがある)を形成するように従来の方式で集められ、折られ、ステープル留めされてもよいし、「混成束」(これは「混成毛束」と呼ばれることもある)を形成するように非弾性毛と混合されてもよい。単一の空洞又は中実の弾性要素は、複数のより小さな弾性要素がその上部部分に形成されるように、その上部部分を先細りにされてもよい。
【0009】
毛プレート22、24及び26はまた、非弾性毛30(束として図示)を含んでもよい。弾性要素28’及び28”は、非弾性毛30の高さよりも低くても、非弾性毛30の高さと同じであっても、非弾性毛30の高さよりも高くてもよい。弾性要素28’及び28”の高さは、非弾性毛30の一部よりも低い一方で、他の非弾性毛30の高さよりも高くてもよい。非弾性毛30並びに弾性毛28’及び28”は、およそ同じ高さであってもよい。また、弾性要素28’及び28”は高さが互いに変動することがあり、その結果、あるものは他のものよりも短くなる又は高くなる。さらに、弾性要素28’及び28”はおよそ同じ高さであってもよい。
【0010】
図2に示すように、振動毛プレート22は、1以上のプロフィーカップ28’を形成する1以上の弾性要素を含んでいてもよい。プロフィーカップ28’は、2003年1月10日出願の米国特許出願第60/438,317号、2003年4月15日出願の米国特許出願第60/463,347号、及び1917年8月3日出願の米国特許第1,255,028号、1916年12月18日出願の米国特許第1,268,544号、1924年6月30日出願の米国特許第1,588,785号、1928年4月25日出願の米国特許第1,720,017号、1931年6月10日出願の米国特許第1,907,286号、1932年9月28日出願の米国特許第1,918,521号、1932年8月27日出願の米国特許第1,935,099号、1935年9月3日出願の米国特許第1,992,770号、1934年10月29日出願の米国特許第1,993,763号、1935年9月3日出願の米国特許第2,093,007号、1938年5月20日出願の米国特許第2,189,175号、1936年2月24日出願の米国特許第2,202,299号、1955年6月27日出願の米国特許第2,789,352号、1962年9月25日出願の米国特許第3,195,537号、1967年3月15日出願の米国特許第3,452,746号、1971年9月22日出願の米国特許第3,727,313号、1973年7月12日出願の米国特許第3,939,599号、1982年3月18日出願の米国特許第4,424,036号、1982年4月23日出願の米国特許第4,432,729号、1988年12月7日出願の米国特許第4,929,180号、1992年1月16日出願の米国特許第5,131,846号、1994年3月1日出願の米国特許第5,360,339号、1995年10月12日出願の米国特許第5,584,690号、1999年7月7日出願の米国特許第6,146,140号、並びに2004年1月27日出願の国際出願WO2004/071237に記載されている様々な組成物、寸法、形状、及び配置であってもよい。プロフィーカップ28’は円筒形であってもよいし、往復毛プレート22の回転軸60と同軸に配置されていてもよい。プロフィー28’カップの上部部分は、十分に又はわずかに凹状であってもよい。しかしながら、プロフィーカップ28’は概ね平坦な上部部分を有してもよく、その概ね平坦な上部部分は、多量の歯磨き粉を保持しないことがあるが、使用者の歯に対して歯磨き粉を塗りつけることができる。
【0011】
振動毛プレート22は、フィンガー(フィンガー部)28”を形成する1つ以上の弾性要素を含んでもよい。フィンガー28”は、2000年1月26日出願の米国特許第6,446,295号、及び2002年8月8日出願の米国特許出願第10/214,687号、2003年11月5日出願の米国特許出願第10/701,694号、並びに2001年8月6日出願の国際特許出願WO02/11583、2003年8月8日出願の国際特許出願WO2004/014181、及び2003年8月8日出願のWO2004/014183に記載されているように、様々な組成物、寸法、形状、及び配置であってもよい。フィンガー28”はプロフィーカップ28’にすぐに隣接して配置されており、そのため、それらによって形成された内側の列の中間に他の毛又は物体は存在しない。
【0012】
図4に示すように、一実施形態は、外側の列(「周囲」とも呼ばれる)のフィンガー28”が内側の列のフィンガー28”よりも高くなるように、外側の列並びに内側の列に配置されたフィンガー28”を含んでもよい。あるいは、図5に示すように、非弾性毛30が外側の列のフィンガー28”同士の間に配置されてもよい。約2本から約100本、約10本から約80本、約30本から約60本、約40本から約50本、約2本から約8本、約3本から約7本、約4本から約6本、又は約4本から約5本の弾性要素28’及び28”が毛プレートに、又は共に特定の領域内に配置されてもよい。弾性要素28’及び28”は、互いに直径の約1倍から約10倍、約2倍から約9倍、約3倍から約8倍、約4倍から約7倍、又は約5倍から約6倍、互いに離隔されていてもよい。弾性要素28’及び28”は、互いに触れないように、若しくは、それらの下部(すなわち、それらの取付け端部)では互いに触れるが、それらの上部(すなわち、自由端部分)では触れないように、又は互いに寄せ集まって、互いにほぼ移動し合うように設置されてもよい。
【0013】
弾性要素28’及び28”は、直線状又は弧状の一本の線に設置されてもよい。弾性要素28’及び28”は、移動又はブラッシング動作に対して横方向の、又は移動若しくはブラッシング動作と同一方向の可動毛プレート上のどこに設置されてもよい。加えて、弾性要素28’及び28”は、ブラッシング動作に対して横方向の、又はブラッシング動作と同一方向の静止毛プレート上のどこに設置されてもよい。弾性要素28’及び28”は、振動毛プレート22の周囲又は振動毛プレート22の直径に沿って配置されてもよい。弾性要素28’及び28”は、振動毛プレート22の中心40の周り、及び/又は振動毛プレート22の間の列の領域42に寄せ集められてもよい。
【0014】
本発明は、本発明の使用により弾性要素に関連する効果がもたらされるということを言葉及び/又は絵で消費者に伝達する情報を付加的に含むことがある。この情報は、他の類似製品に対する優位性の主張を含むことがある。したがって、本発明の使用により、上述したように、特定の及び関連する効果がもたらされるということを言葉及び又は絵で消費者に伝達する情報を付随した包装の使用。この情報は、例えば、通常の器具におけるすべての広告、並びに、包装又は第1の包装、第2の包装、包装された物質、及び/若しくは包装装置における、消費者に伝える記述及び像を含むことがある。
【0015】
上記に引用された全ての文献は、参考として本明細書に組み込まれるが、いずれの文献の引用も、本発明に対する先行技術であることを容認するものとして解釈されるべきではない。
【0016】
本発明の特定の実施形態を図示し説明してきたが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、多様な他の変更及び修正が可能であることが、当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にある前記変更及び修正のすべてを、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。
【0017】
本発明は、様々な構成要素及び構成要素の設置、並びに様々な技法、方法、又は工程の手順及び配列の形態をとることができる。参照図面は、好ましい実施形態を図示する目的だけであり、必ずしも寸法には従っておらず、本発明を限定するものと解すべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】電気歯ブラシの部分断面平面図。
【図2】振動毛プレートが弾性要素を含む、図1の電気歯ブラシの上部部分の別の実施形態の平面図。
【図3】図2の振動毛プレートの側断面図。
【図4】外側の列が弾性要素を含んでおり、外側の列の弾性要素は内側の列の弾性要素よりも高い、図3の振動毛プレートの別の実施形態の側断面図。
【図5】外側の列が弾性要素及び非弾性毛束を含む、図2の振動毛プレートの別の実施形態の平面図。
【図6】非弾性の細長い束を含む、図2の振動毛プレートの別の実施形態の平面図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部にモーターが設けられたハンドルと、
長手方向軸線を有するヘッドと、
前記ハンドルと前記ヘッドとの間に配置されたネックと、
振動する又は回転軸の周りで回転する第1の毛プレートであって、プロフィーカップを含んだ第1の毛プレートと、を有し、
前記プロフィーカップは少なくとも3つの群の束によって囲まれており、少なくとも1つの群の束が非弾性毛を含んでいる、電気歯ブラシ。
【請求項2】
少なくとも1つの群の束が、前記プロフィーカップにすぐに隣接して配置された弾性フィンガーを含んでいる、請求項1に記載の電気歯ブラシ。
【請求項3】
前記非弾性毛の少なくとも一部分が、前記第1の毛プレートの上面に対して鋭角で延びている、請求項1または2に記載の電気歯ブラシ。
【請求項4】
前記フィンガーが前記非弾性毛よりも短い、請求項2に記載の電気歯ブラシ。
【請求項5】
前記電気歯ブラシが第2の毛プレートを含み、
前記第2の毛プレートは、前記ヘッドの前記長手方向軸線に対して概ね横方向に往復運動し、
前記第2の毛プレートが少なくとも1つの弾性要素を含んでいる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の電気歯ブラシ。
【請求項6】
前記プロフィーカップの上部はわずかに凹状である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の電気歯ブラシ。
【請求項7】
少なくとも1つの群の束が弾性毛束を含んでいる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の電気歯ブラシ。
【請求項8】
少なくとも1つの群の束が混成毛束を含んでいる、請求項1〜7のいずれか一項に記載の電気歯ブラシ。
【請求項9】
前記プロフィーは束の第1の環によって囲まれており、前記束の第1の環は束の第2の環によって囲まれており、前記第1の環は前記束の第2の環よりも短い、請求項1に記載の電気歯ブラシ。
【請求項10】
少なくとも1つの群の束は細長い、請求項1〜9のいずれか一項に記載の電気歯ブラシ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2008−513165(P2008−513165A)
【公表日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−532699(P2007−532699)
【出願日】平成17年9月23日(2005.9.23)
【国際出願番号】PCT/US2005/034886
【国際公開番号】WO2006/037065
【国際公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】