説明

弾性材料を備えた複合シートを含む吸収性物品

吸収性物品において有用な、糞便物質を受容するための、1つ以上の開口部(11)を有するトップシートとして有用な複合シート(10)を作製するためのプロセスが特許請求され、複合シート(10)は、皺付けされ、パターン付けされた伸縮性区域(12)を備え、これはパターン付けされた第1シート(13)及び弾性材料(15)を含み、この第1シート(13)は、弾性材料(15)への取り付けの前に、典型的にはより圧密された、即ちより高い密度である凹部(16)でパターン付けされる。凹部(16)は、弾性材料(15)に取り付けられる。得られる複合シート(10)は、均一な皺パターンを備える。特定の吸収性物品もまた特許請求される。特定の残留歪み及び剥離力値を有する複合シート(10)もまた特許請求される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内部に1つ以上の開口部を有するトップシートとして、又はトップシート内で有用な、特定の複合シートを作製するためのプロセスであって、このシートが改善された皺特性を有する特定の伸縮性区域を備えたプロセスと、このような特定の(バリア)複合シート材料を含む吸収性物品とを目的とする。
【背景技術】
【0002】
糞便物質は多くの場合、ユーザーの皮膚から、特に敏感な皮膚、例えば幼い乳児の、及び例えば生殖器周囲の皮膚から取り除くのが困難であることは、周知である。その上、皮膚上の糞便物質は、皮膚の炎症及び赤色化、並びに場合によって、更に皮膚炎をも引き起こし得ることも周知である。
【0003】
皮膚上の糞便物質を低減する解決策の1つは、排泄直後に糞便物質を皮膚から離し隔離する手段を設けることである。例えば、それを通して糞便がトップシートと吸収性コアとの間の空間に移動することができる、肛門及び/又は生殖器用カフとも称される、開口部を有する伸縮性トップシートを備えるおむつが開発されてきた。糞便物質は、その結果、このトップシートの下に皮膚から離れて格納される。このようなトップシートがバリア特性を有する材料から作製されることは、特に有益であり得る。
【0004】
発明者らは、良好なバリアを提供する材料が、多くの場合、使用に際して快適でないことを見出した。発明者らは更に、これらのバリア材料は、場合によって伸縮性をもたせることが困難であること、又はこのような材料中に快適な弾性区域を提供することが困難であることを見出した。発明者らは、肛門及び/又は生殖器カフとも称されるトップシート、また他の伸縮性構成要素が、敏感な(乳児の)肌のために、より柔軟な弾性区域を有することが望ましい場合があることを見出した。弾性区域によって生じる皺が、より少ない圧力跡を残すことが重要であることが見出された。したがって皺は均一であるべきであることが見出された。しかしながら、場合によって、特に曲線状パターンで弾性部材が適用される場合、及び/又は弾性部材が高い歪みの下で適用される場合、及び/又は高バリア材料に当てはまり得るように、伸縮性材料が厚いか、若しくは剛性である場合において、均一な弾性部材を有する伸縮性物品を、高速で製造することが困難であり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
発明者らは、先行技術のプロセスにおいて、弾性材料が伸張状態において接着剤で不織布に単純に取り付けられ、この弾性材料の伸張状態における取り付けが、不規則な取り付け領域、及び続いて不規則な皺を生じ得ることを見出した。
【0006】
ここで、発明者らは1つ以上の開口部を有するトップシートに、快適な伸縮性区域を提供する、改善されたプロセスを見出し、発明者らはこのようなトップシート中で、又はトップシートとして有用であり、吸収性物品内で有用である、改善された伸縮性複合シート材料を見出した。本発明のこの改善されたプロセスでは、第1シートがパターン付けする工程にかけられて凹部を形成し、これらは次に、弱い圧力の適用によって伸張された弾性材料に同時に取り付けられる(即ち、伸縮性区域を弛緩させて、皺を形成させる前)。生じるパターン付けされ、皺付けされた複合シート材料は、より柔軟であり、及び/又はユーザーにとってより快適である、改善された皺パターンを有する。凹部で第1シートをパターン付けし、これら又はこれらの一部分を、弾性部材の弛緩前に弾性材料に取り付けることにより、望ましい均一性を有するように、続く皺形成及び皺パターンを調節することができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、吸収性物品のために有用な複合シート(10)を作製するためのプロセスに関し、複合シート(10)は、パターン付けされた第1シート(13)及び弾性材料(15)を含む、皺付けされ、パターン付けされた伸縮性区域(12a又は12b)を備え、複合シート(10)は、
a)Y方向及びX方向を有する第1シート(13)を得る工程と、
b)少なくとも伸張の平均長手方向Y(例えば、実質的にシートのY方向に沿った)を有する、少なくとも部分的に伸張された弾性材料(15)を得る工程と、
c)i)第1シート(13)又はその一部分を、パターン付けする加圧工程にかけて、凹部(trough)(16)を含むパターン付けされた第1シート(13)を得て、次に、少なくとも部分的に伸張された弾性材料(15)を、パターン付けされた第1シート(13)に隣接するように位置付けて、組み合わせ材料を得る工程、又は
ii)少なくとも部分的に伸張された弾性材料(15)を、第1シート(13)に隣接するように位置付けて、組み合わせ材料を得て、同時に又は続いて、組み合わせ材料又はその一部分を、パターン付けする加圧工程にかけて、凹部(16)を含むパターン付けされた第1シート(13)を有するパターン付けされた組み合わせ材料を得る工程と、
d)工程c)と同時に又はこれに続いて、パターン付けされた第1シート(13)における、前述のようにして形成された凹部(16)又はその一部分を、弾性材料(15)に取り付け、パターン付けされた伸縮性区域を備えた伸張された複合シート(10)を得る工程と、
e)工程d)の複合シート(10)を弛緩させて、ピーク部(21)及び谷部(22)を有する皺を含む、皺付けされ、パターン付けされた伸縮性区域(12)を備えた複合シート(10)を得る工程であって、谷部(22)は弾性材料(15)と第1シートの凹部(16)の両方によって形成される、工程と、によって得ることができ、
複合シート(10)、及び任意に第1シート(13)は、本明細書に記載される、糞便物質を受容するための1つ以上の開口部を含む。
【0008】
本発明のプロセスは、弾性材料及び第1シート(13)を備えた、又は更に追加のシート材料を備えた、任意の複合シート(10)を作製するために使用されてよいが、プロセスは、本明細書に記載されるバリア第1シート;本明細書に記載される曲げ剛性を有する、厚い、又は剛性の第1シート;湾曲した、又は角度を有する弾性部材、例えば曲線状の弾性部材;伸縮性区域(12)であって、弾性材料及び第1シート(13)の接着が圧力及び任意に熱の適用によって達成される(例えば、接着剤が存在しない)、伸縮性区域(12);及び/又は高歪み下で適用される弾性材料を備えた複合シート(10)を作製するために特に有用である(そして本発明はこれらを有する複合シートに関連する)。
【0009】
プロセスは例えば、(それぞれ)1つ以上のスパンボンド及び1つ以上のメルトブローンウェブの積層体である1つ以上の不織布層を含む、不織布シートである第1シート(13)、及び/又は本明細書に記載される好ましい静水頭値及び/若しくは曲げ剛性値を有する第1シート(13)を備えた複合シート(10)を作製するために使用され得る(そして本発明はこれらを有する複合シートに関連する)。
【0010】
好ましい実施形態では、プロセスは、工程c ii)を含み、第1シート及び弾性材料は、互いに隣接するように位置付けられ、同時に又は続いて第1シートがパターン付けされ、好ましくは次に、凹部の取り付けが同時に達成される。
【0011】
一実施形態では、弾性材料に面していない第1シート(13)の表面は、起立部分を有する第1パターン付けツールの表面によって加圧され(及び場合によりこれと接触し)、弾性材料に面する第1シート(13)の反対側の表面は、ツールの第2の噛み合わない表面、例えば平坦な表面によって加圧され(及び好ましくは、間接的に接触し)、したがって、第1ツールの表面(31)は、起立部分を有する、パターン付けされたロールの表面であってよく、第2ツールの表面は、噛み合わない起立部分を有する、又は好ましくは起立部分を有さない、例えば、平坦な表面を有するアンビルロールの表面である。
【0012】
第1シート(13)の凹部(即ち、凹部を形成する第1シート(13)の部分)は、凹部を形成しない第1シート(13)の部分(例えば、頂部(17)を含む、隣接する凹部(16)の間の第1シートの部分、並びに任意にパターンを有さない、及び/又はパターン付けツールによって加圧されていない第1シート(13)の部分)よりも、典型的には圧密され、高い密度を有する。
【0013】
第1シート(13)に凹部を有するパターンを提供し、これらの凹部を弾性材料に選択的に取り付けることは、最低量の弾性材料で第1シート(13)の有効な取り付けを可能にすることがあり(これが伸張状態にあるとき)、したがって、結果として、複合シートの弛緩の後に、伸張状態に留まる弾性材料が最低限となることが更に見出された。したがって、弾性材料(15)の第1シート(13)への取り付けの最適な強度が達成され得て、一方で同時に最適な弾性が維持され得る。
【0014】
本明細書における一実施形態では、本発明は、皺付けされ、パターン付けされた伸縮性区域(12)を備えた複合シート(10)を含む吸収性物品を提供し、この区域は第1シート(13)及び弾性材料(15)を含み、伸縮性区域(12)は30%未満、好ましくは20%未満、又は2〜20%の残留歪みを有し、本明細書における一実施形態では、第2シート(14)が存在する場合(本明細書において記載されるように)、少なくとも1.4N、又は少なくとも2.0N、又は少なくとも2.4N又は少なくとも3.0Nの剥離力を有する。
【0015】
プロセスは、第1ツールの表面と第2ツール(即ち、第2)表面との間、又は第1ツールの第1表面と第1シート(13)との間の圧力が、138kPa〜551.5kPa(20,000〜80,000psi)であるようなものであってよい。
【0016】
ツールは、実質的にツールのX方向に沿った横列に配置され、及び実質的にツールのY方向に沿った縦列に配置されたスタッド又は歯を含んでもよく、したがって、複合シート材料及びその伸縮性区域は、複合シートのY方向(凹部の1つ以上の縦列)に沿った、及びX方向(凹部の横列)に沿った多数の凹部を含んでもよい。
【0017】
プロセス及び得られる複合シートは、第1シート(13)の凹部(16)が、凹部(16)を形成しない第1シート(13)の部分(例えば、ツールと接触しない部分)よりも高い密度を有するようなものであってよい。
【0018】
複合シート(10)は、少なくとも1.5kPa(15mbar)の静水頭を有する複合バリアシートであってもよく、及び/又は第1シート(13)は、少なくとも1.5kPa(15mbar)の静水頭を有するバリアシートである。
【0019】
第1シート(13)は、少なくとも2つのスパンボンドウェブ及び少なくとも1つのメルトブローンウェブを有する不織布シート又は不織布層であってもよく、シート又は層は、少なくとも17g/mの坪量を有し、シート又は層は、少なくとも3g/mのメルトブローン繊維を含む。
【0020】
複合シート(10)は、本明細書における一実施形態では、スリット開口部(11)及び少なくとも2つの伸縮性区域(12a、b)を含んでもよく、伸縮性区域はそれぞれ、スリット開口部(11)の長手方向側部の一方に沿って位置付けられる。
【0021】
本明細書における一実施形態では、弾性材料(15)は、3mm〜25mmの平均幅を有する弾性バンドであってもよく、パターン付けされた第1シート(13)は、弾性材料(15)の幅の70%〜300%の幅を有するパターンを有する。
【0022】
以下で詳細に記載されるように、伸縮性区域(12)は、20%未満の残留歪みを有してもよい。
【0023】
弾性材料を第1シートに取り付けるために接着剤が使用されてもよい。一実施形態では、接着剤が、例えば、200マイクロメートル未満の平均直径を有する(本明細書において測定される際;複合シート内で決定される)薄いフィラメントとして適用される。
【0024】
弾性材料(15)は、本明細書において記載されるように、緩慢に回復するエラストマーであってよく、このとき、本明細書における一実施形態においては、接着剤が更に省かれてもよい。
【0025】
本明細書における一実施形態では、複合シート(10)は、以下の弾性特性を有する:
1.1N未満の第1負荷力により1.5Lt、2.1N未満の第1負荷力により3.0Lt、及び3.0N未満の第1負荷力により4.5Lt、並びに4.5Ltで0.9N過の第2除荷力、3.0Ltで0.5N超の第2除荷力、及び1.5Ltで0.1N超の第2除荷力。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】パターン付けされ、皺付けされた伸縮性区域(12a、12b)を備えた複合シート(10)を含む、本明細書における好ましい吸収性物品の斜視図。
【図1a】図1の物品の部分Aの斜視図。
【図2a】パターン付けされた第1シート(13)を有する、本明細書における複合シート(10)の、完全に伸張された伸縮性区域(12)の断面図。
【図2b】部分的に伸張された状態の、図2aの伸縮性区域(12)を示す図。
【図2c】収縮し、弛緩した状態の、図2aの伸縮性区域(12を示す図)。
【図3a】パターン付けされた第1シート(13)及び第2シート(14)を有する、完全に伸張された状態の、本明細書における複合シート(10)の別の伸縮性区域(12)の断面図。
【図3b】部分的に伸張された状態の、図3aの伸縮性区域(12)を示す図。
【図3c】収縮し、弛緩した状態の、図3aの伸縮性区域(12)を示す図。
【図4】パターン付けされた複合シート(10)を形成するために、本明細書において使用され得る、第1ツール及び第2ツールの斜視図。
【図5】パターン付けされた複合シート(10)を形成するために、本明細書において使用され得る、別の第1ツール(30)及び第2ツールの斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本明細書で使用するとき、次の用語は次の意味を有する。
【0028】
「吸収性物品」とは、体液を吸収することができ、ユーザーの皮膚(例えば、ユーザーの生殖器及び/又は肛門)の近位に、又はこれに接するように配置されるために好適な、任意の物品(特に婦人用衛生物品、並びに、乳児、幼児、よちよち歩きの幼児の締結具を備えるおむつ、及びいわゆるトレーニング又はプルアップパンツ、並びに成人用失禁物品を含む、成人、乳児、又は幼児のおむつ若しくはパッドを含む)を意味する。
【0029】
本明細書で使用するとき、「前側区域」及び「後側区域」は、使用中に、それぞれ着用者の前側及び着用者の後側に最も近接する物品の2つの区域を指す。
【0030】
本明細書で使用するとき、「空間」という用語は、少なくとも弛緩状態のときに存在する物品内の空洞であり、糞便物質のような身体排泄物を受容し、収容する役割を果たし、例えば、弛緩状態において少なくとも3、又は更には5cmの体積を有する。
【0031】
本明細書で使用するとき、「長手方向」又は「長手方向寸法」は、シート又は物品の最大直線方向又は寸法と、それぞれ「実質的に平行」に走る、方向又は寸法である。これは、特に記載のない限り、方向Yとして示される。
【0032】
「横方向」若しくは「横方向寸法」又は「横断方向」若しくは「横断方向寸法」は、それぞれ、長手方向又は寸法に対して垂直であり、それぞれ、物品又は(複合)シート及び長手方向軸の大部分と同じ平面にある、方向又は寸法である。これは、特に記載のない限り、方向Xとして示される。
【0033】
「実質的に垂直」及び「実質的に平行」とは、特に記載又は指定のない限り、正確に垂直又は平行な方向から、30°以内、ただし好ましい実施形態では20〜15°以内の方向を含む。
【0034】
「伸張の方向」は、本明細書において使用するとき、伸張の平均的な方向と考えられる。
【0035】
本明細書で使用するとき、「沿う」は、「少なくとも部分的に(実質的に)平行であり、かつ隣接する」ことを意味する。
【0036】
隣接するとは、「〜と近接して」及び「〜と接触して」を含む。
【0037】
本明細書で使用するとき、「開口部(11)」(複合シート(10)又は第1シート(13)又はトップシートに存在する)は、シートによって囲まれるが、シート材料が存在せず、糞便物質を受容するために十分大きく、例えば、少なくとも2cm長さ若しくは幅であるか、又は少なくとも2cmの表面積を有する領域を意味する。
【0038】
本明細書で使用するとき、「弛緩した」若しくは「弛緩状態」又は「収縮した」若しくは「収縮状態」とは、例えば、物品が水平表面上にあるときに、本明細書における物品に、複合シート(10)に、伸縮性区域(12)に、又は伸縮性トップシート若しくはカフに、力(重力などの自然に生じる力を除き)が適用されていない状態を意味する。
【0039】
本明細書に値が規定されている特定の特性又は寸法によって規定されている各実施形態には、機能的に同等の特性又は寸法を備えている実施形態が含まれるものと理解すべきであり、例えば0.5cmの寸法は、「約0.5cm」を意味するものと理解すべきである。
【0040】
複合シート(10)及び複合シート(10)を作製するためのプロセス
本明細書における複合シート(10)は、吸収性物品のためのトップシート又はいわゆる肛門カフとして有用であり、これは、本明細書においてより詳細に記載されるように、糞便物質を受容するための、少なくとも1つの開口部を含む。第1シートは、本明細書におけるプロセスの工程a)において、1つ以上の開口部を含み得る。
【0041】
複合シート(10)は、少なくとも1つの第1シート(13)及び弾性材料(15)を含む。弾性材料(15)及び第1シート(13)の両方が存在する(例えば、一方が他方に重なる)場所では、伸縮性区域(12a及び/又は12b)が形成される。第1シート(13)は、横断方向において、弾性材料(15)よりも、少なくとも幅が広い場合がある。第1シート(13)はまた、2つ以上の弾性材料(15)に取り付けられてもよく、したがって、複合シート(10)には、2つ以上の伸縮性区域(12a、b)が存在してもよい。
【0042】
複合シート(10)及び第1シート(13)、又はこれらの一部分(例えば、伸縮性区域を形成する第1シート(13)の全て又は一部分)はパターン付けされ、多数の凹部(16)を含む。これは、第1シート(13)に加圧し、任意に接触する、パターン付けツール(30)によって行われてよく、起立部分(32)がこのツールの表面(31)から延びて、第1シートの凹部(16)を形成する。第1シート(13)は、複合シート(10)に一度存在すると、典型的には多数の凹部(16)、及び多数の頂部(17)を含む。
【0043】
凹部(16)を形成する第1シート(13)の部分は、典型的にはこのパターン付けする工程によって圧密され、したがって圧密凹部(18)(又は圧密取り付け領域18)となり、したがって、凹部(16)を形成する第1シート(13)の部分は、したがって、この凹部を形成しない第1シート(13)の部分、例えば、頂部(17)及び/又はパターン付けされない場合がある第1シート(13)の部分よりも、高い密度を有してもよい。
【0044】
本明細書における一実施形態では、第1シート(13)又はその一部分は、工程cii)でパターン付けされて凹部(16)を含むが、弾性材料(15)はパターン付けされず、及び/又は弾性材料(15)は凹部(16)を含まない。別の実施形態では、弾性材料(15)が工程cii)でパターン付けされ得るが、第1シートのパターン付けよりも少なく、即ち、その結果、パターン付けする工程によって得られる弾性材料(15)の凹部(16)は、第1シートの凹部(16)よりも、高さが、典型的には少なくとも50%低い。これは、例えば、弾性材料(15)が熱可塑性構成要素を含み、パターン付けする工程が熱の適用を伴う場合に適用可能であり得る。
【0045】
弛緩状態においては、パターン付けされた伸縮性区域は、パターン付けされた第1シート(13)及びパターン付けされた伸縮性区域(12)に皺を生じさせる、弾性材料(15)の収縮力のために、皺付けされた伸縮性区域(12)である。やはり本明細書において更に記載されるように、パターン付けする工程により、皺の谷部(22)は凹部(16)と一致する(そして第1シート(13)の頂部(17)が皺のピーク部(21)と一致する)。
【0046】
弾性材料(15)は、伸張した、又は部分的に伸張した状態で第1シート(13)に適用され、好ましくは弾性材料(15)は第1シートに適用されるときに、その完全に収縮した長さの、少なくとも150%、又は少なくとも200%まで伸張され、これは、その本来の収縮した長さの少なくとも250%、少なくとも300%、又は少なくとも330%まで伸張され得るが、例えば、600%未満である。
【0047】
弾性材料(15)は、少なくとも部分的に、好ましくはその長さの少なくとも30%、又は少なくとも50%で、長手方向Yと実質的に平行に位置付けられる。これは、この長手方向と実質的に平行な、伸張又は弾性の平均方向を有する。一実施形態では、弾性材料(15)が曲線状のパターンに沿って適用され、例えば、それによって弾性材料(15)が、複合シート(10)の各横断方向軸をただ一度のみ横断する。これは、例えば、図1に示される。
【0048】
パターン付けする工程にかけられる第1シート(13)の部分、又は第1シート(13)全体は、パターン付けする工程の前、及び弾性材料(15)を適用する工程の前では、典型的には弾性ではない。
【0049】
パターン付けされた第1シート(13)は、シート(13)又はその伸縮性区域(12)の、その長さ(長手方向Y)の一部分若しくは全体にわたって、及び/又はその幅(横断方向X)の全体若しくは一部分にわたって、凹部(16)のパターンを備える。したがって、第1シート(13)はまた、伸縮性区域(12)の外側にパターンを備えてもよい。
【0050】
第1シート及び/又は伸縮性区域(12a、b)は、横断方向Xに、少なくとも1つ、又は1つのみの凹部を含んでもよく、例えば、この区域、シート、及び/又は物品の長手方向に、少なくとも15個の凹部、又は少なくとも50個の凹部、又は少なくとも100個の凹部を含んでもよい。
【0051】
伸縮性区域(12)を形成する第1シート(13)の長さの少なくとも10%が、凹部(16)のパターンを、好ましくはその長さの少なくとも30%、又は更に少なくとも40%、又は更に少なくとも60%、又は更に少なくとも75%、又は更に少なくとも90%、又は更に約100%で含んでもよい。
【0052】
伸縮性区域(12)を形成する、第1シート(13)の部分の幅の少なくとも30%が、又は例えば少なくとも50%、又は少なくとも70%、又は少なくとも80%、又は少なくとも90%、又は更に約100%が、凹部(16)のパターンを備えてもよい。更に、凹部(16)を含む、第1シート(13)の一部分の幅は、伸縮性区域(12)の幅より大きくてよく(かつ弾性材料(15)の幅より大きくてよい)、例えば、伸縮性区域(12)の平均幅の100%〜500%、又は100%〜250%、又は100%〜150%であってよい。凹部は、第1シート(13)の、実質的に全体の幅にわたって存在してもよい。
【0053】
実質的にY方向における、伸縮性区域(12)に沿った、cm当たりの凹部(16)の数は変化してよく、一実施形態では、伸縮性区域(12)及び/又は第1シート(13)は、収縮状態において、平均してcm当たり5〜25個の凹部、又はcm当たり5〜20個の凹部、又はcm当たり7〜15個の凹部を有する。
【0054】
パターン付けする工程は、第1ツール(30)のパターン付けされた表面を、弾性材料(15)に面していない(典型的には使用中にユーザーの皮膚に面する)第1シート(13)の表面に適用する(間接的又は直接的に)ことによって行われ得る。このツールの表面(31)は、連続的な表面であってもよく、ツールは例えばパターン付けされたロール(30)である。第1ツールの表面(31)は、起立部分(32)を含む。
【0055】
例えば、図4に示されるように、各起立部分は、ツールの表面の幅と実質的に平行な(及び、ツールがロールである場合に、典型的にはツールの軸(33)と実質的に平行な)、幅寸法Xを有する。例えば、図4に示されるように、各起立部分はまた、ツールの表面の長さと実質的に平行な(及び、ツールがロールである場合に、典型的にはツールの軸(33)と実質的に垂直な)、長さ寸法Yも有する。
【0056】
起立部分(32)は任意の形状を有してよく、例えば、これらは、例えば図4に示されるようなスタッド又は歯の形状、及び/又は、例えば図5に示されるような隆起部の形状であってもよい。表面が、実質的にX方向に沿って、スタッド及び/又は歯の横列(例えば、一列当たり、少なくとも2つ、又は少なくとも3つ、又は少なくとも4つのこのような起立部分)を有することが好ましい場合があり、表面はまた、Y方向(実質的にX方向に垂直)に縦列で、及び典型的には表面の長さ寸法Yにわたって、この起立部分を含む。起立部分のパターンは、起立部分の縦列Y方向が整列しないようなものであり、その結果パターンが互い違い、又は交互になることが好ましい場合がある。
【0057】
弾性材料(15)に面する、第1シート(13)の反対側の表面は、加圧されて、好ましくは第2ツール(34)の表面(35)と間接的に接触し、第1ツールの表面(31)に逆圧力を加える。この第2ツールの表面(35)は、好ましくは、平坦であり、即ち、第1ツールの表面(31)と噛み合わない。したがって、平坦な表面、又は噛み合わない起立部分を備えた表面(噛み合う起立部分を備えた表面ではない)を有する第2ツールが好ましい場合がある。第2表面(35)はまた、第2ロール(34)の表面など、連続的な第2表面であってもよい。第2ツールの表面(35)は、第1ツール(30)の起立部分に、噛み合わない様式で接触する起立部分を含んでもよい。一実施形態では、第2ツールの表面(35)は、起立部分を含まず、これは平坦な表面を有してもよい。第2ツール(34)は、アンビルロール(34)であってもよい。弾性材料(15)又は、本明細書において以降に記載される第2シート(14)は、この第2ツール(34)、例えば、アンビルロール(34)と直接接触してもよい。
【0058】
本明細書において好ましいプロセスは、工程c i)ではなく、工程c ii)を含み、したがって、本明細書における好ましい特徴は、工程c ii)に適用される。
【0059】
パターン付けする工程は、典型的には、第1シート(13)のパターン付けと、これによって形成される凹部(16)と弾性材料(15)の接触と、場合により、弾性材料(15)へのこれらの取り付けの補助とを確実にするために十分な大きさの圧力を適用する。適用される圧力は、第1シート(13)の頂部(17)の弾性材料(15)への付着を避けるために、極小化されてよい。好適な圧力は、第1シートの化学、曲げ剛性、厚さを含む第1シートの特性、及び化学、厚さを含む、弾性材料(15)の特性によることがあり、圧力はまた、熱又は接着剤などの他の取り付け手段が使用されるかどうかによって調節されてもよい。
【0060】
起立部分(32)によって、第1シート(13)に、又は第2ツール(34)に適用される平均圧力は、例えば、69kPa〜690kPa(10,000〜100,000psi)、138kPa〜551.5kPa(20,000〜80,000psi)、又は例えば、206.8kPa〜414kPa(30,000〜60,000psi)(計算によって得られる)であり得る。
【0061】
第1ツール(30)の起立部分(X−Y平面の)の最高点と、第2ツール(34)の表面上の最高点との間の平均間隔は、0.01mm〜1.0mm、又は0.025mm〜0.6mm、又は〜0.5mm、又は〜0.3mm、又は〜0.25mmであることが好ましい場合がある。
【0062】
上記のように、第1ツール(30)のパターン付けされた表面は、任意の形状を有し得る起立部分を含む。起立部分は例えば、スタッド、歯、又は隆起部であり得る。この起立部分はZ寸法、例えば、起立部分の高さを有し、ツールがロールの場合、このZ寸法は第1ツールのX及びY寸法に対して垂直であり、例えばツールの軸に対して垂直であり、ツールの面外にある。
【0063】
1つの好ましい実施形態では、起立部分(及び、特に、本明細書における隆起部及びスタッド)は、例えば使用中にシート材料に最初に接触する、第1の平坦な(遠位)表面(X−Y平面内)を含む。この表面は、例えば0.05mm〜0.5mm、又は好ましくは0.1mm又は0.2mm〜0.4mmのY寸法(ツールがロールの場合、シートのMD方向と実質的に平行、及び/又はツールのX方向、例えばツールの軸と実質的に垂直)を有してもよい。このような第1の平坦な表面のX寸法は、例えば、0.05〜2.0mm、若しくは〜1.5mm、又は好ましくは0.1mm若しくは0.2mm〜0.5mm若しくは0.4mmであってよい。
【0064】
起立部分が隆起部である場合、これはツールの幅(X方向)の実質的な部分(例えば、90%以上)にわたって存在してもよく、X方向のその寸法はしたがって、ツールの幅と実質的に同じであってもよい。
【0065】
縦列においては、起立部分の最高点、又は代わりに上記の起立部分の平坦な表面の中心点と、方向Yにおいて隣接する起立部分の最高点、又は隣接する起立部分の平坦な表面の中心点との間のY方向の間隔は、本明細書における一実施形態において、1.0mm〜3.0mm、好ましくは〜2.0mm、又は例えば、1.3mm〜2.0mmである。これは本明細書において、以降、隆起部のY方向における周期性と称される。
【0066】
横列においては、起立部分の最高点、又は代わりに上記の起立部分の表面の中心点と、方向Xにおいて隣接する起立部分の最高点、又は隣接する起立部分の表面の中心点との間のX方向の間隔は、本明細書における一実施形態において、0.2mm〜2.0mm、好ましくは〜1.5mm、又は例えば、0.5mm〜1.5mm、又は0.7mm〜1.3mmである。
【0067】
好ましい実施形態(特に、ツールのX方向が弾性材料の伸張の平均方向に実質的に垂直に、及び/又は第1シートのY方向又は機械方向(MD)と実質的に垂直に配置される場合)では、X方向において隣接する2つの起立部分の間の谷部の最低点から、起立部分の最高点又は中心点まで測定される、起立部分の高さ(本明細書では、X方向に画定される高さと称される)は、Y方向に隣接する2つの起立部分の間の谷部の最下部から隆起部の最高点で測定される、同隆起部のY方向に画定される高さ(本明細書では、Y方向高さと称される)よりも小さい。
【0068】
Y方向の起立部分の間の谷部の平均Z方向高さ、又はY方向の起立部分の間の谷部の全てのZ方向高さは、X方向の起立部分の平均Z方向高さ又は全てのZ方向高さよりも大きいことが好ましい場合がある。例えば、Y方向に画定される高さの、X方向に画定される高さに対する比率は、少なくとも3:2、若しくは少なくとも2:1、若しくは少なくとも5:2、若しくは少なくとも3:1、若しくは少なくとも4:1、若しくは少なくとも5:1、又は例えば、10:1まで、若しくは8:1までであることが好ましい場合がある。
【0069】
X方向に画定される高さは、例えば(絶対的に又は平均的に)、0.1mm〜1.0mm、又は例えば、0.2mm〜0.6mm、又は例えば、〜0.4mm、若しくは〜0.3mmであってもよい。Y方向に画定される高さは、例えば(平均的に又は絶対的に)、0.4mm〜3mm、又は0.6mm〜、若しくは0.8mm〜、若しくは1.0mm〜2.5mm、若しくは〜2.0mmであってよい。
【0070】
したがって、好ましい実施形態では、複合シート若しくは第1シート又はその皺付けされ、パターン付けされた伸縮性区域が、Y方向及びX方向の両方に凹部のパターンを備え、ここで凹部(1つ又は複数)は凹部のX方向高さ(この高さは上記の起立部分谷部分(the raised portions valleys)のように画定される)よりも大きなY方向高さを有する。Y方向高さのX方向高さに対する比率は、例えば、少なくとも3:2、若しくは少なくとも2:1、若しくは少なくとも5:2、若しくは少なくとも3:1、若しくは少なくとも4:1、若しくは少なくとも5:1、又は例えば10:1まで、若しくは8:1までであることが好ましい場合がある。
【0071】
隣接する起立部分の間の1つ以上又は全ての谷部は、実質的にX−Y方向において、平坦な表面領域(例えば、谷部の最も低い表面領域)を画定し得る。
【0072】
上記の好ましい実施形態では、ツールは、実質的にツールのX方向に沿った横列に配置される、及び実質的にツールのY方向に沿った縦列に配置されるスタッド又は歯を含み、したがって、本明細書に記載される吸収性物品の第1シート、又は伸縮性区域、又は組み合わせ材料は、そのY方向に沿って、及びX方向に沿って凹部を有する。
【0073】
一実施形態では、複合シート又はその伸縮性区域は、側部に沿って整列される、2つ又は3つ又はそれ以上の弾性のひも又はストランド又はバンドを含み、それぞれ少なくとも部分的に実質的にY方向に延びる。次に、ツールが、実質的にツールのX方向及びY方向に多数の歯又はスタッドを含み、このツールは、第1シートと接触又は近接するように、かつ弾性ストランドに近接するように配置され、それによって、X方向のツールのスタッド又は歯の間の谷部が、X方向の弾性ストランド又はひもの間の領域と対応し、したがって凹部は、X方向に沿って、弾性のひも又はストランドの間に形成されることが好ましい場合がある。
【0074】
したがって、本明細書における好ましい複合シートは、X及びY方向の凹部、及びY方向の皺を備える第1シート及び伸縮性区域を備え、例えば、多数の弾性バンドを備えた伸縮性区域は、少なくとも部分的に、実質的にY方向に延び、実質的にY方向に弾性力を提供し、複合シートは、弾性ストランド、ひも、又はバンドの間に1つ以上の凹部を、好ましくは2つの隣接するストランド、ひも、又はバンドの間に単一の凹部を含む。
【0075】
本明細書における一実施形態では、第1シート(13)の平均キャリパーは、上記のY方向の起立部分の間の平均間隔の、50%未満、又は40%未満、又は25%未満である。
【0076】
パターン付けツールは、第1シート上に、直接的又は間接的に配置される。これは、ツールの幅寸法(寸法は方向X)が、伸縮性区域(12)及び/又は弾性材料(15)の平均横断方向X(幅)から45°以内、又は30°以内、又は20°以内、又は10°以内であるように行われ得る(この幅及び横断方向は、伸張の方向に対して垂直である)。
【0077】
一実施形態では、ツール(33)は、隆起部、又は歯若しくはスタッドの横列である起立部分を含み、これらはそれぞれ、ツール(33)の軸と平行な線に対して30°以内、若しくは20°以内、若しくは10°以内、若しくは10°以内、又は一実施形態においては5°〜20°、若しくは5°〜15°で配置される。
【0078】
パターン付けツールによって適用されるパターンが、弾性材料とこのような対応角度を有することが好ましい場合があり、凹部の少なくとも50%、又は凹部の全てに関し、凹部の幅と平行な線が、この凹部での弾性材料の伸張方向と平行な、又は第1シートのMD方向(Y方向)と平行な線に対して、5°〜又は10°〜40°、又は〜30°、又は〜25°、又は〜20°の角度を有することが好ましい場合がある。
【0079】
本発明の一実施形態では、パターン付けする工程はまた、任意に、熱結合若しくは超音波結合の使用及び/又は接着剤の使用に加えて、弾性材料を第1シート(13)に接着させる役割を果たす。発明者らは、本プロセスが、使用される結合方法とは別個の、例えば、使用される接着剤パターンとは別個の、取り付け及び皺形成を可能にすることを見出した。第1シート(13)と弾性材料(15)の取り付けは、本発明のプロセスでは、接着剤パターンではなく、パターン付けする工程及びそのパターンによって制御される(弾性材料(15)の不織布への適用のための、先行技術のプロセスに典型的に当てはまるように)ものと考えられる。
【0080】
本明細書のいくつかの実施形態においては、発明者らは更に、使用され得る接着剤の量が、弾性材料の第1シートへの結合の強度を低減させることなく、著しく削減され得ることを見出し、例えば、20g/m未満(第1シート(13)又は弾性材料の表面積当たり)、又は10g/m未満、又は8g/m未満の接着剤が使用され得る(例えば、ただし、好ましくは少なくとも1g/m)。
【0081】
発明者らは、接着剤(本明細書におけるいくつかの実施形態において望ましいことがあるように、例えば20g/m超など、上記よりも多い量で使用された場合でも)が、非常に薄いフィラメント又は繊維として適用され得ることを見出し、例えば、得られる伸縮性区域又は複合シートは、顕微鏡の使用によって複合シート(10)の伸縮性区域(12)で視覚化され得るような、200マイクロメートル未満、又は50〜150マイクロメートルの平均又は絶対直径の接着剤フィラメントを含み得る。本明細書において良好に使用され得る接着剤は、ミネソタ州、St.Paulの、H.B.Fuller社によって製造され、HL−1620、及びHL−1358−XZPとして市販される接着剤、及びNational Starchからの接着剤が挙げられる。接着剤は、噴霧、又はメルトブローイングを含む、既知の技術で適用され得る。接着剤は、螺旋、又は二重螺旋、又はオメガパターンなどのパターンで適用されてもよく、又はこれは、一実施形態ではランダムに適用されてもよい。しかしながら、これは表面積当たり、例えばcm当たりの一定量で適用されてもよい。一実施形態では、接着剤は、例えば上記のような均一な量で、ランダムに配向された接着剤繊維として適用される。別の実施形態では、接着剤は、例えば(二重)螺旋、又は(二重)オメガパターンなど、反復形状のパターンで適用されてもよい。接着剤が、例えば、形状の連続的なパターンなど、連続的な様式で適用され、これらの形状が互いに結合していることが好ましい場合がある。
【0082】
特に、2つ以上の弾性のひも又はストランドが存在する場合、又は1つ以上の弾性バンドが存在する場合(弾性区域当たり)(例えば、3mm〜25mmの平均幅の1つ以上の弾性バンド)、接着剤が、それぞれ弾性材料(1つ又は複数)の伸張方向に延びる、少なくとも2つ又は少なくとも3つの平行な領域で適用される(例えば、少なくとも2つ、又は少なくとも3つの、反復形状の連続的なパターン)ことが好ましい場合がある。例えば、少なくとも2つ、又は好ましくは少なくとも3つ、又は好ましくは4つの平行なオメガ又は螺旋の接着剤パターンが、好ましくは弾性材料の平均伸張方向、又はシート若しくは物品のY方向に沿って、弾性材料又は好ましくはシートへのいずれかに適用されてもよい。
【0083】
本明細書における1つの好ましい実施形態では、接着剤は、形状の選択される点から隣接する形状の同じ選択される点までの距離、例えばオメガ形状の最高点と、隣接するオメガ形状の最高点との間のY方向に沿った距離によって画定され得る、反復パターンの一定の周期性を有する形状のパターンで適用され、この間隔は、例えば0.05mm〜2.5mm、又は0.05mm〜2.0mm、若しくは〜1.7mmであり得る。cm当たり5〜14のオメガパターン、又は例えば、5〜12、又は6〜12若しくは〜10のオメガパターン(全長及び全幅の第1シート上で測定され得る際)を有することが例えば有用であり得る。
【0084】
ツールの起立部分の周期性、及び/又は第1シートの凹部の周期性の、接着剤パターンの周期性に対する比率は、0.7〜、若しくは0.8〜、又は0.9〜2.0若しくは〜1.5、若しくは〜1.3、若しくは更に約1.0であることが好ましい場合がある(実質的にY方向)。
【0085】
一実施形態では、接着剤の使用は更に省かれてもよく、パターン付けする工程が使用されて、圧力及び任意に熱もまた適用して、第1シートの凹部と、弾性材料との部分的な取り付けを達成する。得られる複合シートは、したがって、接着剤を含まない伸縮性区域を備え得る。
【0086】
一実施形態では、パターン付けする工程は第1シート(13)及び/又は弾性材料(15)に熱を適用し、弾性材料(15)及び第1シート(13)は、この熱とこの圧力(任意に接着剤)によって、互いに取り付けられる。この実施形態では、弾性材料(15)が、この工程の処理温度下において、第1シート(13)に接着する熱可塑性構成要素を含むことが有用であり得る。弾性材料(15)は、熱可塑性であり、パターン付けする工程の処理熱下で第1シート(13)に接着する弾性構成要素を含んでもよく、及び/又はこれは、弾性構成要素及び熱可塑性構成要素、例えばエラストマー材料上の熱可塑性コーティングを含んでもよく、これがパターン付けする工程の処理温度下で第1シート(13)に接着する。処理温度は、例えば30℃〜165℃、又は40℃〜150℃、又は50℃〜150℃であってよい。
【0087】
好ましい熱可塑性構成要素は本明細書において以下に記載される。
【0088】
本明細書のプロセスはまた、工程c)、d)及び/又はe)において、第1シート(13)及び/又は複合シート(10)の冷却下、例えば、パターン付けツールの表面の冷却下(例えば、起立部分を有する第1ツールの表面(31)を冷却することによる、及び/又は第2ツールの表面を冷却することによる)で行われてもよい。例えば、プロセスは、第1シート(13)及び/又は得られる複合シート(10)が、−20℃〜15℃、又は−20℃〜10℃、又は−10℃〜5℃の温度を有する表面と接触するようにして行われてもよい。本明細書における好ましい器具は、起立部分を有するパターン付けされた表面を備えた第1ツールと、対向する第2ツールの組み合わせであり、第1及び/又は第2ツールは冷却装置を含み、本明細書において記載されるツールは、例えば、上記の起立部分を有するとともに好ましい起立部分寸法、並びにX方向谷部寸法、及び/又はY方向谷部寸法を含む。
【0089】
本明細書における複合シート(10)は、弛緩状態において皺を含み、そのピーク部(21)は第1シート(13)によって形成され、谷部(22)は、第1シートの凹部(16)及び弾性材料(15)によって形成される。
【0090】
複合シート(10)は、均一な皺(例えば、均一な皺のパターン)を備えた第1シート(13)を有する伸縮性区域(12)を備えてもよい。第1シート(13)は、均一なしわ高さ及び/又は均一な皺密度を有する皺を有してもよく、即ち、
a)その完全に伸張した長さの2/3(即ち、66.7%)である、複合シート(10)の部分的な伸長、εにおいて、伸縮性区域(12)に存在する第1シート(13)は、150マイクロメートル〜600マイクロメートル、又は少なくとも180マイクロメートル〜、若しくは少なくとも200マイクロメートル〜550マイクロメートル、又は〜550マイクロメートル、又は〜500マイクロメートルである、平均しわ高さH(プリモス(PRIMOS)器具を使用して、以下で説明される「プリモス(Primos)」方法により測定した際の)を有する皺を有してもよい。「方法」の節に記載されるように、この高さは、第1シートの、皺のピーク部の最高点と、皺の谷部の最低点との間の距離である。
【0091】
上記の平均しわ高さは、100マイクロメートル未満、好ましくは、75マイクロメートル未満、又は50マイクロメートル未満の標準偏差(STD)を有してもよく、RSD(STD/Hである)は、30%未満、又は20%未満、又は10%未満である。
【0092】
b)加えて、又は別の方法として、完全に伸張した長さの2/3(=66.7%)の伸長εでは(上記のように、及びプリモス方法で測定される)、本明細書における複合シート(10)の伸縮性区域(12)の第1シート(13)は、皺の隣接するピーク部の最高点の間、又は隣接するピーク部の最高区域の中心点の間(いずれも適用可能)の平均間隔が、500〜1500マイクロメートル、又は750〜1400マイクロメートル、800〜1300マイクロメートル、又は900〜1200マイクロメートルであり、標準偏差が250マイクロメートル未満、又は200マイクロメートル未満、又は100マイクロメートル未満であり得るような皺を有してもよい。
【0093】
RSD(=STD/平均)はここで、30%未満、又は20%未満、又は10%未満であってよい。
【0094】
c)上記のb)に加えて、又は別の方法として、完全に伸張した長さの2/3(=66.7%)の伸長εでは(上記のように、及びプリモス方法で測定される)、本明細書における複合シート(10)の伸縮性区域(12)の第1シート(13)は、皺の隣接する谷部の最低点の間、又は隣接する谷部の最低区域の中心点の間(いずれも適用可能)の平均間隔が、500〜1500マイクロメートル、又は750〜1400マイクロメートル、又は800〜1300マイクロメートル、又は900〜1200マイクロメートルであり、標準偏差が250マイクロメートル未満、又は200マイクロメートル未満、又は100マイクロメートル未満であり得るような皺を有してもよい。
【0095】
RSD(=STD/平均)はここで、30%未満、又は20%未満、又は10%未満であってよい。
【0096】
c)別の方法として、又は加えて、第1シート(13)の皺(上記で定義された、かつ上記で測定された)の少なくとも80%、又は少なくとも90%、又は更に100%が、650マイクロメートル〜180マイクロメートル、又は600マイクロメートル〜180若しくは200マイクロメートル、500マイクロメートル〜180若しくは200若しくは300マイクロメートルのしわ高さを有し、例えば、10%未満、又は更に5%未満の皺が、700マイクロメートル以上の高さを有する。
【0097】
d)別の方法として、又は加えて、完全に伸張した長さの2/3(=66.7%)の伸長εでは、本明細書における伸縮性区域(12)の第1シート(13)は、本明細書において記載されるプリモス方法で測定した際に、cm当たり5〜25個、又はcm当たり6〜20個、6〜15個、又はcm当たり6〜10個、又はcm当たり6〜9個の皺の平均皺密度を有し、30%未満、又は20%未満、又は10%未満のRSDを有してもよい。
【0098】
一実施形態では、第1シート(13)は、弾性材料(15)の周囲でC折り畳み部として折り畳まれ、これは、カバーシート材料としての役割を果たし、又は弾性材料(15)の反対側として、本明細書において「第2シート(14)」と称される。
【0099】
別の方法として、又は加えて、第1シート(13)に面していない弾性材料(15)の反対側の表面は、追加のカバーシート材料、即ち、第2シート(14)に接触し、取り付けられてよい。
【0100】
本明細書における一実施形態では、第1シート(13)及び弾性材料(15)は、プロセス工程b)、c)又はd)のいずれかにおいて、第2シート(14)に隣接するように位置付けられ、弾性材料は、このとき第1シートと第2シートの間に存在し得る。第2シート(15)は、パターン付けする工程の間に存在してもよい。
【0101】
この第2シートは、したがって、第1シートから形成されてもよく、又はこれは、柔軟であり、弾性材料の弾性力下で皺を形成することのできる、任意の材料から作製される追加のシートであってもよい。本明細書に記載される不織布が好ましく、又は一実施形態では、これは、第1シート(13)のための好ましい不織布として以下に記載される不織布であってもよい。第2シート(14)は、典型的には、第1シートに関して本明細書で記載されるものを含む、任意の方法によって、伸張状態で弾性材料(15)に取り付けられる。第2シート(14)は、第1シート(13)に関して本明細書で記載されるプロセスにより、凹部(16)でパターン付けされ、この凹部(16)で弾性材料(15)に取り付けられてもよい。本明細書において記載されるように、これは、第1シート(13)のパターン付けプロセス工程の前、又は後の別個のプロセス工程で行われてもよく、又はこれは、第1シートをパターン付けするパターン付けする工程と同時に行われてもよい。本明細書に記載されるように、これは、第1ツール(30)の使用によって行われる場合もあり、又はこれは、第2ツール(34)よって行われてもよく、第2ツールは上面が第1ツールの起立部分(31)の上面に接触する起立部分を有している。一実施形態では、第2シート(14)は、工程c)又はd)で弾性材料(15)及び第1シート材料(13)と組み合わされて、組み合わせ材料を形成し、これは次に、本明細書において記載される第1ツール(30)によって加圧されて、第1及び第2シート両方の凹部(16)のパターンを形成し、凹部は例えば、本明細書において記載されるように、皺均一性を有する。第2シート、又は第1シートのいずれかが、第1ツールと接触し得る。
【0102】
伸縮性区域(12)の弾性材料(15)の両面がそれぞれ第1シート(13)及び第2シート(14)に接触し、接着される実施形態が、図2a、b、c、及び図3a、b、cに図示される。図3a、b、cに示されるように、第2シート(14)はまた、本明細書に記載されるようにパターン付けされてもよく、これは、第1シート(13)の凹部のパターンと同じ凹部のパターンであっても、又はそうでなくてもよい。これはまた、ちょうど第1シート(13)に関して本明細書において記載されたように、第2シート(14)の凹部を形成しない第2シート(14)の部分よりも高い密度を有する圧密化された凹部(16)を含んでもよい。これは、上記の均一な皺パターンを備えてもよい。
【0103】
あるいは、図2a、b、cに示されるように第2シート(14)が凹部(16)でパターン付けされていなくてもよく、第1シートに関して本明細書で記載される要件を満たさずに、不均一な皺パターンを備えてもよい。
【0104】
第1シート(13)、及び任意の種類の第2シート(14)を有する、本明細書において記載される、皺を有し、パターン付けされた伸縮性区域(12)を備えた複合シート(10)は、少なくとも1.4N、好ましくは少なくとも2.0N、又は少なくとも2.4N、又は少なくとも3.0Nの剥離力を有してもよい。
【0105】
本明細書における伸縮性区域(12)は、本明細書において以下に記載される方法で測定した際に、30%未満、又は20%未満、又は1%〜30%、又は5%〜20%の残留歪みを有し得る。
【0106】
弾性材料(15)
本明細書における弾性材料(15)は、任意の弾性材料(15)であってよく、かつ任意の形態又は形状であってよい。弾性材料(15)は、1:1〜1:4の厚さ対幅比を有し、例えば実質的に円形の断面を有する、ひもの形態であってもよく、又はこれは、1:4を超える厚さ対幅比を有するバンドの形態であってもよい。本明細書における伸縮性区域(12a、b)は、弾性材料の多数のひも又はバンドを含んでもよい。
【0107】
本明細書において使用される弾性材料(15)は非常に薄くてもよく、例えば、〜約200マイクロメートル、又は更に〜150マイクロメートル、又は更に〜110マイクロメートル、又は〜100マイクロメートルの厚さ若しくはキャリパー(例えば、ゲージ)を有する。本明細書における弾性材料(15)は、任意の最小キャリパーを有してよいが、これは、本明細書で定義される際、少なくとも20マイクロメートル、より好ましくは少なくとも40マイクロメートル、又は更に少なくとも60マイクロメートルであってよい。弾性材料(15)は、約70〜100マイクロメートルの厚さを有してもよい。
【0108】
好適な弾性材料は、これらが複合シート(10)に以下の弾性特性を提供するようなものであり得る。
【0109】
1.1N未満の第1負荷力により1.5Lt、2.1N未満の第1負荷力により3.0Lt、及び3.0N未満の第1負荷力により4.5Lt、並びに4.5Ltで0.9N超の第2除荷力、3.0Ltで0.5N超の第2除荷力、及び1.5Ltで0.1N超の第2除荷力。
【0110】
これは以下の弾性特性を有し得る:
1.1N未満の第1負荷力により1.5Lt、2.1N未満の第1負荷力により3.0Lt、及び3.0N未満の第1負荷力により4.5Lt、並びに4.5Ltで0.9N超の第2除荷力、3.0Ltで0.5超の第2除荷力、及び1.5Ltで0.1N超の第2除荷力。
【0111】
本明細書における複合シート(10)の弾性特性は以下であり得る:
0.6N未満の第1負荷力により1.5Lt、1.1N未満の第1負荷力により3.0Lt、及び1.5N未満の第1負荷力により4.5Lt、並びに4.5Ltで0.9N超の第2除荷力、3.0Ltで0.5N超の第2除荷力、及び1.5Ltで0.1N超の第2除荷力。
【0112】
ここで、Ltは、複合シート(10)の長さであるか、又は欧州特許第1201212−A号に記載される通りに決定され得るように、(複合シート(10)が物品のトップシートである場合)Ltは短縮されたトップシート長さである(短縮トップシート長さと称される)。この特許はまた、上記及び下記の弾性特性を得るための試験方法も説明している。
【0113】
好適な弾性材料は、架橋ゴムを含む、架橋弾性ポリマーを含む。好適な弾性材料(15)は、例えば、FulfleX(アイルランド、Limerick)から入手可能な2L−89である。
【0114】
本明細書における吸収性物品において有用な弾性材料は、同時係属出願である国際公開特許第2005/020222号(欧州特許出願第056760373.0号)に記載される、いわゆる、緩慢に回復するエラストマーであり得る。本明細書において使用するとき、緩慢に回復する弾性部材は、典型的には、この特許出願で説明される2サイクルヒステリシス試験によって測定する際に、37℃において少なくとも約0.04N/mmの、正規化された除荷力を呈する、エラストマーである。緩慢に回復するエラストマーは、上記の出願に記載される伸長後回復試験(Post Elongation Recovery Test)で測定した際に、22℃で15秒間の回復後に、少なくとも20%、又は少なくとも35%、又は少なくとも50%の伸長後歪みを呈する。
【0115】
この緩慢に回復するエラストマーは、約20重量%〜約70重量%の、少なくとも1つのエラストマーポリマーを含んでもよく、残りの部分は、以下に記載されるもののような構成成分である。
【0116】
これは、37℃における少なくとも約0.16N/mmの正規化された除荷力、及び22℃における15秒間の回復後の10%伸長後歪みを有し得る。
【0117】
この同時係属出願に記載されるように、緩慢に回復するエラストマーは、37℃における約0.04N/mm超の正規化された除荷力、及び22℃における15秒間の回復後の少なくとも約20%伸張後歪みを呈し得る。
【0118】
好ましくは、緩慢に回復するエラストマーは、37℃において約0.08N/mmを超える正規化された除荷力を呈し、及び最も好ましくは、37℃において約0.12N/mmを超える正規化された除荷力を呈し得る。他の好適な実施形態では、緩慢に回復するエラストマーは、22℃で15秒間の回復後、約75%〜約150%の伸長後歪みを呈す。しかしながら、22℃で15秒間回復した後の伸長後歪みは、約170%を超えてもよい。更に、緩慢に回復するエラストマーは、22℃での30秒間、60秒間、又は3分間の回復の後に、特定の伸長後歪みを呈してもよい。特定の実施形態では、緩慢に回復するエラストマーは、22℃で30秒間の回復の後に、少なくとも約70%の伸長後歪みを呈してもよい。他の実施形態では、緩慢に回復するエラストマーは、22℃で60秒間の回復の後に、少なくとも約40%の伸長後歪みを呈してもよい。
【0119】
好適なエラストマー性ポリマーは、スチレン系ブロックコポリマー、天然及び合成ゴム、ポリイソプレン、ネオプレン、ポリウレタン、シリコーンゴム、炭化水素エラストマー、アイオノマーなどを含む。一実施形態では、エラストマー性ポリマーは、ブロックコポリマーであってよい。緩慢に回復するエラストマーを調製するため、多元ブロックコポリマー、先細ブロックコポリマー、及び星型ブロックコポリマーなどを含む、多数のブロックコポリマーが使用されてよい。一般に、緩慢に回復するエラストマーに使用するのに好適なブロックコポリマーは、エラストマー特性と熱可塑性特性の両方を呈する。そのようなブロックコポリマーにおいて、硬ブロック(又はセグメント)は、約25℃超過のガラス転移温度(Tg)を有してもよく、又は融解温度(Tm)が約25℃超の結晶質又は半結晶質である。硬ブロックは、約35℃超のTgを有してもよく、又は約35℃超のTmを有する結晶質若しくは半結晶質である。硬ブロック部分は通常、スチレン及びα−メチル−スチレン又はこれらの組み合わせなどのビニルアレーンを含む、ビニルモノマーから誘導される。
【0120】
本明細書で言及されるガラス転移温度は、温度勾配方法を使用し周波数1Hzにて材料の線状伸縮性区域(12)において実施される、引張り動的機械的分析により決定される。好適には、約0.3mm以下の均一な厚さを有するフィルムサンプルが、約1℃/分以下の温度変化速度で使用されてもよい。Tanδのピーク温度が、特定の材料又は相のTgとしてとられる。
【0121】
本明細書で言及される結晶の融解温度は、10℃/分の温度勾配率を用いて、示差走査熱量計により決定される。融解吸熱ピーク温度は、特定の結晶性区域のTmとされる。
【0122】
ブロックコポリマーは、軟ブロック(又はセグメント)を含んでもよい。軟ブロックは一般に、コポリマーの使用温度においてガラス状又は結晶性の領域を形成しないように、十分に低いガラス転移温度及び/又は融解温度を示す。一実施形態では、使用温度は、ほぼ室温(約22℃)〜ほぼ体温(約32℃)であってよい。しかしながら、他の使用温度も可能であって、本発明の範囲内である。そのような軟ブロックは一般に、硬ブロックと物理的相溶性がなく、別個の領域、ドメイン、又は相を形成する。
【0123】
軟ブロック部分は、共役脂肪族ジエンモノマーから誘導されたポリマーであってよい。典型的には、軟ブロックモノマーは、約6個未満の炭素原子を含有する。好適なジエンモノマーとして、ブタジエン、イソプレンなどが挙げられる。特に好適な軟ブロックポリマーとして、ポリ(ブタジエン)及びポリ(イソプレン)が挙げられる。更に、軟ブロックのTgを調整するために、軟ブロックが修飾されてもよいと考えられている。例えば、イソプレンとスチレンのランダムコポリマーが使用されてもよく、又はポリ(イソプレン)上にスチレンのグラフトコポリマーが使用されてもよい。そのような場合、より少ない量の変性樹脂が使用できる。
【0124】
本発明において使用するために好適なブロックコポリマーは、少なくとも1つの硬ブロック(A)と少なくとも1つの軟ブロック(B)とを含んでもよい。好ましい実施形態では、ブロックコポリマーは、A−B−A三元ブロックコポリマー、A−B−A−B四元ブロックコポリマー、又はA−B−A−B−A五元ブロックコポリマーであってもよい。また、端末ブロックA及びA’を有し、A及びA’が異なるビニル化合物から誘導され得る、三元ブロックコポリマーが本明細書において有用である。
【0125】
好ましいエラストマー性ポリマーとしては、スチレン−ブタジエン−スチレン(S−B−S)、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレン(S−EB−S)、スチレン−エチレン/プロピレン−スチレン(S−EP−S)、スチレン−イソプレン−スチレン(S−I−S)、水素添加ポリスチレン−イソプレン/ブタジエン−スチレン(S−EEP−S)、及びそれらの混合物などの、スチレン−オレフィン−スチレン三元ブロックコポリマーが挙げられる。そのブロックコポリマーは、単独で使用されても、又はブロックコポリマーのブレンド中で使用されてもよい。特に好ましいブロックコポリマーとしては、スチレン−ブタジエン−スチレン(S−B−S)及びスチレン−イソプレン−スチレン(S−I−S)のブロックコポリマーが挙げられる。スチレン−ブタジエン−スチレン(S−B−S)及びスチレン−イソプレン−スチレン(S−I−S)のそのような直鎖ブロックコポリマーは、テキサス州ヒューストン(Houston, TX)のデクスコポリマーズ社(Dexco Polymers L.P.)から商標表記ベクター(Vector)で、及びテキサス州ヒューストン(Houston, TX)のクラトンポリマーズ(Kraton Polymers)から商標表記クラトン(Kraton)で市販されている。
【0126】
変性樹脂が使用されてもよく、これらは、軟ブロックのガラス転移温度を上昇させ、その結果、22℃で15秒間回復した後の伸長後歪みを増加させるために、十分に高い平均分子量を有するべきである。緩慢に回復するエラストマーは、約0重量%〜約60重量%の量で変性樹脂を含んでもよい。好ましくは、組成物は、約20%〜約55%、更により好ましくは約35%〜約45%の変性樹脂を含む。
【0127】
本明細書で有用である好適な変性樹脂は、約60℃〜約180℃、より好ましくは約70℃〜約150℃、及びより好ましくは約90℃〜約130℃の範囲のガラス転移温度を有してもよい。
【0128】
本明細書で有用な変性樹脂として、水素添加のないC5炭化水素樹脂又はC9炭化水素樹脂、部分的又は完全に水素添加されたC5炭化水素樹脂又はC9炭化水素樹脂;脂環式樹脂;テルペン樹脂;ポリスチレン及びスチレンオリゴマー;ポリ(t−ブチルスチレン)又はそのオリゴマー;ロジン及びロジン誘導体;クマロンインデン;ポリシクロペンタジエン及びそのオリゴマー;ポリメチルスチレン又はそのオリゴマー;フェノール樹脂;インデンのポリマー、オリゴマー、及びコポリマー;アクリレート及びメタクリレートのオリゴマー、ポリマー、又はコポリマー;これらの誘導体;並びにこれらの組み合わせが挙げられる。好ましくは、樹脂は、t−ブチルスチレン、シクロペンタジエン、イソボルニルメタクリレート、メチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、インデン、クマロン、ビニルシクロヘキサン、メチルスチレン、及び3,3,5−トリメチルシクロヘキシルメタクリレート由来の、オリゴマー、ポリマー、及び/又はコポリマーからなる群から選択される。好適な変性樹脂としてはまた、脂環式テルペン、炭化水素樹脂、脂環式樹脂、ポリ−β−ピネン、テルペンフェノール樹脂、及びこれらの組み合わせが挙げられる。「C5炭化水素樹脂」及び「C9炭化水素樹脂」は、米国特許第6,310,154号に開示されている。
【0129】
緩慢に回復するエラストマーは、温度応答性を呈してもよい。一実施形態において、温度応答性の緩慢に回復するエラストマーは、32℃で15秒間の回復後に、22℃で15秒間回復した後の伸長後歪みよりも少なくとも35%少ない伸長後歪みを呈してもよい。好ましくは、伸長後歪みにおける、少なくとも50%の低下を呈する。最も好ましくは、伸長後歪みにおいて、少なくとも75%の低下を呈する。温度応答性を示す緩慢に回復するエラストマーは、おむつの適用を更に容易にし得ると考えられる。吸収性物品がほぼ室温(例えば、約22℃)で適用されたとき、緩慢に回復するエラストマーは、規定の期間において比較的高い程度の伸長後歪みを呈する。おむつを適用する際、緩慢に回復するエラストマーは、着用者の皮膚に近接することに起因して温度が上昇するであろう。緩慢に回復するエラストマーの温度が上昇し、ほぼ体温(例えば、約32℃)に近付くにしたがって、低減された伸長後歪みを呈する。温度応答性は、「跳ね戻り」なしにおむつを適用することを可能とし、一方、適用後の回復の増大をもたらす。
【0130】
他の構成成分は、安定剤、酸化防止剤、及び静菌薬であり得る(緩慢に回復するエラストマーの劣化を避けるため)。一般に、添加剤(1つ又は複数)は、緩慢に回復するエラストマー構成成分の総重量の、約0.01%〜約60%、又は〜約25%、又は〜約10%を占めてよい。
【0131】
その他の任意添加物として、熱可塑性ポリマー又は熱可塑性ポリマー組成物が挙げられ、これはブロックコポリマーの硬ブロック又はセグメントと優先的に会合する。理論に束縛されるものではないが、これらの熱可塑性ポリマーは、硬相の絡み合った三次元ネットワーク構造に取り込まれると考えられている。この絡み合ったネットワーク構造は、エラストマー性組成物の引張り弾性及び応力緩和特性に改善をもたらすことができる。エラストマー性ポリマーがスチレンブロックコポリマーを含む場合、ポリフェニレンオキサイド、並びにスチレン、α−メチルスチレン、パラメチルスチレン、他のアルキルスチレン誘導体、ビニルトルエン、及びそれらの混合物などのモノマー由来のビニルアレーンポリマーなどの熱可塑性ポリマー添加剤は、一般にブロックコポリマーのスチレン硬ブロックと化学的に適合性であると考えられるので、本発明において有用である。
【0132】
加工油などの加工助剤もまた含まれてもよく、これらは当該技術分野において既知であり、合成油及び天然油、ナフテン油、パラフィン油、オレフィンオリゴマー及び低分子量ポリマー、植物油、動物油、水素添加したものを含むそれらの誘導体、好ましくは鉱油を包む。当該技術分野において周知であるものなど、粘度調整剤もまた使用され得る。例えば、石油抽出ワックスを使用すると、熱加工中の緩慢に回復するエラストマーの粘度を低下させることができる。好適なワックスとして、低い数平均分子量(例えば600〜6000)のポリエチレン、パラフィンワックス及びマイクロクリスタリンワックスなどの石油系ワックス、アタクチックポリプロピレン、フィッシャー・トロプシュワックスのような一酸化炭素と水素の重合により製造される合成ワックス、及びポリオレフィンワックスなどが挙げられる。
【0133】
第1シート(13)
第1シート(13)は、織布シート、不織布シート、フィルムを含む、吸収性物品のために有用な任意のシート材料であり得る。
【0134】
好ましい実施形態では、第1シート(13)は、例えば通常のプロセスの歪みにおいて、弾性的に延伸可能でも伸張可能でもない。
【0135】
本明細書における好ましい一実施形態では、第1シート(13)は、不織布シートである。第1シート(13)は、2つ以上の不織布層、及び/又は2つ以上の不織布ウェブの積層体である、不織布シートであり得る。
【0136】
本明細書で使用するとき、「不織布ウェブ」は単一ウェブであり、一方「不織布層」は多数の不織布ウェブを含んでよく、「不織布シート」は多数の不織布層を含んでよい。
【0137】
第1シート(13)は、少なくとも1kPa(10mbar)、若しくは少なくとも1.5kPa(15mbar)、若しくは少なくとも1.8kPa(18mbar)、又は一実施形態では、少なくとも2kPa(20mbar)、若しくは少なくとも2.5kPa(25mbar)、若しくは少なくとも2.8kPa(28mbar)、若しくは3kPa(30mbar)、又は一実施形態では少なくとも3.5kPa(35mbar)の静水頭値(本明細書において説明される静水頭試験で測定される)を有する第1シートなどの、(不織布)バリアシートであり得る。
【0138】
一実施形態では、第1シート(13)の静水頭は、1〜5kPa(10〜50mbar)である。
【0139】
一実施形態では、複合シート(10)が、別の方法として、又は加えて、上記の静水頭値を有してもよい。
【0140】
第1シート(13)又は複合シート(10)は、本明細書におけるプロセスの弾性材料(15)への取り付けの前に、伸縮性領域、若しくは他の材料に取り付けられる縁部を有する領域を除く、第1シート(13)材料の任意の部分でこの値を有する場合、及び/又は、弾性材料(15)への取り付けの後に、伸縮性区域(12)若しくは他の材料に取り付けられる縁部を有する領域を除く、第1シート(13)の任意の部分でこの値を有する場合、上記の静水頭値を有するものと考えられる(即ち、測定は、弾性材料(15)、又は別の材料に取り付けられる領域の第1シート(13)の縁部を含まないサンプルのシートにおいて行われる)。一実施形態では、第1シート(13)及び/又は複合シートは、少なくとも2.5cm×2.5cmの、弾性部材又は縁部を含まない表面領域を有する。
【0141】
第1シート(13)は、本明細書において説明される、ハンドル−O−メータ試験(handle-o-meter test)で測定した際に、20グラム以下、又は16グラム以下、又は更に14グラム以下、又は12グラム以下の曲げ剛性を有し得る。別の方法として、又は加えて、複合シート(10)は上記のように、35グラム未満、若しくは30グラム未満、若しくは25グラム未満、若しくは20グラム未満、若しくは18グラム未満、又は上記の曲げ剛性を有してもよい。
【0142】
本明細書における、第1シート(13)又は複合シート(10)は、これが、本明細書における伸縮性区域(12)を含む弾性材料を含む領域、又は他の材料に取り付けられる縁部(これらの領域は試験に含まれるべきではない)を除く、材料の任意の部分でこの値を有する場合、上記の曲げ剛性値を有するものと考えられる。
【0143】
本明細書で言及され、本明細書における方法で測定される曲げ剛性は、特に指定されない限り、任意の方向におけるシートの剛性である。
【0144】
一実施形態では、第1シート(13)は、例えば、弾性材料(15)に取り付けられず、パターン付けツールに面する一表面において、平均繊維方向を有する繊維を含む不織布ウェブを含み、第1シート(13)は、その繊維方向において、上記で指定された値の曲げ剛性を有する。パターン付けツールに接触する、及び/又は弾性材料(15)に取り付けられない第1シート(13)の表面にある、好ましい不織布ウェブは、スパンボンドウェブ(平均繊維方向を有する繊維を有する)である。
【0145】
平均繊維方向は、典型的には、複合シート(10)の長手方向、及び/又は吸収性物品の機械方向(MD)であり得る。
【0146】
第1シート(13)又は複合シート(10)は、一実施形態において、本明細書において記載される方法で決定した際に、少なくとも30秒、又は例えば少なくとも50秒、又は更に少なくとも60秒の、低い表面張力裏抜け値を有する。裏抜け値は、200秒未満、又は150秒未満、又は100秒未満であり得る。第1シート(13)又は複合シート(10)は、これが、伸縮性区域を含む弾性材料(15)を含む領域、又は他の材料に取り付けられる縁部を除く、材料の任意の部分でこの値を有する場合に、上記の低い表面張力裏抜け値を有するものと考えられる。
【0147】
上記のように、一実施形態では、第1シート(13)は、互いに取り付けられるが、一実施形態では、互いに完全に積層されない(即ち、100%積層されない)2つ以上の不織布層を含む、不織布シートである。一実施形態では、2つ(又はそれ以上)の不織布層は、(2つの隣接する不織布層の間の総重複面積の)60%以下、40%以下、又は更には20%以下の取り付け面積を有する。一実施形態では、第1シート(13)は、重複領域の側縁部に沿って、例えば、不織布ウェブ(周囲)のそれぞれ又は一方の縁部に沿って、及び任意に弾性材料(15)が存在する領域に沿って、互いに取り付けられる2つ以上の不織布層を含み、不織布層は、両方の層が存在するが、互いに取り付けられない、例えば少なくとも0.5cmの面積を含む。一実施形態では、第1シート(13)は、その少なくとも2つの不織布層が互いに部分的にのみ取り付けられ、取り付けられていない(及び、弾性部材又は縁部を含まない)2.5cm×2.5cmの領域が少なくとも1つ存在する。
【0148】
一実施形態では、第1シート(13)は、1.0マイクロメートル以下の平均直径を有するナノ繊維を含む、不織布シートである。第1シート(13)が2つ以上の不織布層を含んでよく、これらの1つ以上、又はそれぞれがこのようなナノ繊維を含む不織布ウェブを含むことが好ましいことがある。不織布シート、又は層、又はウェブは、例えば、少なくとも2g/mのナノ繊維、少なくとも3g/m、又は少なくとも5g/mのナノ繊維を含んでもよい。ナノ繊維は、0.8マイクロメートル以下、又は0.6マイクロメートル以下の平均直径を有し得る。ナノ繊維は、米国特許第6,315,806号及び米国特許第6,695,992号に記載されているように、既知のメルトフィブリル化法又はメルトフィルムフィブリル化法により作製できる。好ましいナノ繊維ウェブ及び層は、同時係属出願である国際公開特許WO2005/103355号に記載されている。
【0149】
一実施形態では、第1シート(13)は、例えば、不織布層の重量で、少なくとも5g/m、又は例えば、少なくとも5.7g/m、又は少なくとも7g/m、ただし例えば、不織布層の重量で、20未満又は15g/m未満で存在する、メルトブローン繊維の少なくとも1つの不織布ウェブを含む、少なくとも1つの不織布層を含む、不織布シートである。第1シート(13)の坪量は、一般的に、少なくとも5g/m、又は少なくとも7g/m、又は少なくとも10g/m、又は少なくとも17g/m、又は少なくとも22g/mであり、坪量は60g/m以下、又は45g/m以下、又は40g/m以下、又は35g/m以下であることが好ましい。
【0150】
第1シート(13)が2つの不織布層を含み、それぞれが2つ以上の不織布ウェブを含む場合、第1シート(13)に存在する各不織布層の坪量は、24g/m以下、若しくは22g/m以下、若しくは18g/m以下、及び/又は少なくとも5g/m、若しくは少なくとも7g/m、若しくは少なくとも10g/mであることが好ましい場合がある。
【0151】
本明細書における好適な第1シートは、例えば5.7gsm(g/m)メルトブローン繊維を含む、17gsmのSMMMS又はSMMS不織布層に取り付けられた、例えば7.3gsmのメルトブローン繊維を有する、例えば22gsmのSMMMS不織布層を含む不織布シートが挙げられる、別の17又は22gsmのSMMMS又はSMMS不織布層(例えば、その各層のメルトブローンレベルがそれぞれ5.7又は7.3gsmである)に取り付けられている(ただし、積層していない)17又は22gsmのSMMMS又はSMMS不織布層を含む不織布シート;別の17gsm又は22gsmのSNS又はSMS不織布層に取り付けられている、17gsm又は22gsmのSMS又はSNS不織布層を含む不織布シートである。
【0152】
第1シート(13)は、例えば、ワックス、又は好ましくは1つ以上のシリコーンポリマー若しくはフッ素化ポリマーを含む疎水性表面コーティングなどの、当該技術分野において既知の疎水性表面コーティングを含み得る。好適なシリコーンポリマーは、例えば、シリコーンMQ樹脂、ポリジメチルシロキサン、架橋シリコーン、シリコーン液体エラストマー、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。典型的には、このようなシリコーンポリマーの分子量は、少なくとも約4000MW、好ましくは少なくとも約10,000MW、より好ましくは約15,000MW、更により好ましくは約20,000MW、及び最も好ましくは約25,000MWであるべきである。好ましいポリジメチルシロキサンは、ビニル末端ポリジメチルシロキサン、メチル水素ジメチルシロキサン、ヒドロキシル末端ポリジメチルシロキサン、有機変性ポリジメチルシロキサン、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。好適なフッ素化ポリマーは、テトラフルオロエチレン及び/又はペルフルオロ化アルキル鎖を含有するテロマー及びポリマーからなる群から選択される。例えば、Dupontから商標名Zonyl(登録商標)で市販されているフッ素化界面活性剤が、本明細書で使用するのに好適である。特に、Zonyl(登録商標)321、329、8740、9027、及び9360は、本発明での使用に適している。更に、マイクロパウダーのようなフッ素系添加物が含まれる他のZonyl(登録商標)材料が、本明細書で有用である場合がある。これらとしては、Zonyl(登録商標)MP1100、MP1200、MP1400、MP1500J、MP1600N、TE−3667N(これは水分散液である)が挙げられるが、それらに限定されない。好ましくは、コーティングは、アミノシリコーンを含まなくともよい。
【0153】
材料は、複合シート(10)上に、少なくとも約0.01gsm(材料(グラム)/複合シート(平方メートル))〜、又は少なくとも約0.05gsm〜、及び/又は、少なくとも約0.1gsm〜の量で堆積され得る。
【0154】
本明細書における好ましい第1シート又は複合シート(10)は、低い表面エネルギー及び均一な孔径分布を有するとき、例えば、同時係属中の欧州特許出願公開第1417945(A)号に記載されている低い表面エネルギー値、孔径、及び空気透過率値を有するとき、尿不透過性及び糞便不透過性であり、したがって、本明細書での使用において好適であると考えられる。例えば、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、又は少なくとも8の撥アルコール性を有し、例えば20〜35mN/mの表面エネルギーを有し、所望により、100°を超える水との接触角を有し、所望により、50マイクロメートル未満、好ましくは30マイクロメートル未満、又は20マイクロメートル未満であるが、所望により少なくとも2マイクロメートル、又は少なくとも5マイクロメートルである平均孔径を有する実質的に不浸透性である材料が、有用な材料であり得る。第1シート(13)又は複合シート(10)は、少なくとも3ダルシー、又は少なくとも10ダルシー、又は少なくとも20ダルシー、又は少なくとも30ダルシーの空気透過性を有し得る。
【0155】
吸収性物品
本明細書における吸収性物品は、着用者の少なくとも肛門に近接して(又は接触して)着用される吸収性物品、例えば、成人用失禁物品、例えば、ブリーフ、パッド、又はおむつ、及び乳児用おむつ、よちよち歩きの幼児用おむつ、例えば、締結具を備えるおむつ及びプルオンおむつ(又はパンツ)である。
【0156】
本明細書における複合シート(10)は、物品のトップシートであるか又はその一部分を形成し、これは使用中に着用者に面し、例えば、それによって、複合シート(10)は、ユーザーの皮膚に接触し得る。したがって、トップシートは、複合シート(10)を含むか、若しくは複合シート(10)によって形成されるか、又はこれは複合シート(10)からなってもよい。
【0157】
複合シート又はトップシート、及び任意に第1シートは、糞便物質を受容するための、1つ以上(好ましくは1つ又は2つ、最も好ましくは1つ)の開口部(11)を有する。
【0158】
このような複合シート/トップシートを備える代表的なおむつが図1に示される。
【0159】
好ましくは、開口部は、単一のスリット開口部(11)の形態である。開口部は、好ましくは、トップシートの前側区域の部分(横断方向軸Xからおむつの前部へ、及びしたがって、使用中にユーザーの前部にむかう)、及びトップシートの後側区域の部分に存在する。好ましくは、トップシートは、スリット開口部(11)を有してもよく、これは、トップシート及び物品の長手方向軸Yと実質的に平行な長手方向寸法(長さ;Y方向)を有する。複合シート(10)の伸張方向は、好ましくは長手方向軸に沿っている。(伸張状態において)トップシートの開口部(1つ又は複数)(11)は、開口部の長さ(又は複数の開口部の全長)の20%〜40%が、又は20%〜30%が、トップシートの横断方向軸からトップシートの前側縁部に向かって延在し、残りの割合がトップシートの後側縁部に向かって延びるように構成されることがある。
【0160】
開口部(1つ又は複数)(11)の寸法及び正確な形状は、トップシート及び/又は吸収性物品の大きさに応じて変化してもよい。例えば、好ましい実施形態において、開口部は、V字形又は丸みを帯びたV字形の前側縁部及び後側縁部によって前及び後で結合する、実質的に平行な長手方向の側縁部を有するスリット開口部の形状であり、前及び後のV字形縁部は2つの角度のついた縁部を含む。スリット開口部(11)(完全に伸張した状態)の最大長さは、例えば、吸収性物品の全長Lの、例えば、40%〜90%、又は50%〜80%、又は約60%〜70%であり得る。本明細書における開口部(11)の平均幅は、66.7%伸張状態で、トップシート(開口部幅を含む)の平均幅の5%〜30%、若しくは10%〜25%、又はサイズ4のおむつで、15mm〜60mm、若しくは20mm〜40mmが好ましい。
【0161】
複合シート(10)である、又は複合物を含むトップシートは、複合シート(10)の伸縮性区域(例えば、12a及び/又はb)を、これが好ましくは開口部(1つ又は複数)の長手方向側縁部に沿い、トップシートの前側及び/又は後側横断方向縁部に向って、又は完全にこれまで延びるように、有する。伸縮性区域(12a、12b)は、好ましくは開口部(1つ又は複数)(11)よりも長い。1つ以上の開口部(11)を含み、複合シート(10)によって形成された、又は複合シート(10)を含む、トップシートは、好ましくは、本明細書において記載されるように、少なくとも2つの伸縮性区域(12a、b)を含み、それぞれが、開口部(1つ又は複数)(11)の長手方向に延びる側縁部のいずれかに沿って延びる。伸縮性区域(12a、b)、及び好ましくは側縁部は、典型的にはトップシート又は物品のY軸において互いに鏡像を成している。
【0162】
伸縮性区域(12a、12b)の幅は、典型的にはトップシート若しくはカフ及び/又は物品の正確な寸法によって変化し、例えば、伸縮性区域(12)は、(弛緩した収縮状態において)約1mm〜40mm、又は2mm〜30mm、又は2mm若しくは更に3mm〜20mm、又は5〜12mmの平均幅を有し得る。
【0163】
2つの対向する伸縮性区域(12a、12b)の前端部は、(トップシートの面内で)互いから離れる方向に曲がってもよく、その結果2つの対向する伸縮性区域(12a、12b)の対向する前端部の端縁部間の距離は、2つの対向する伸縮性区域(12a、12b)の2つの長手方向中央点間の距離よりも大きく、同様に、2つの対向する伸縮性区域(12a、12b)の対向する後端部の端縁部間の距離は、2つの対向する伸縮性区域の長手方向中央点間の距離よりも大きくてもよい。これは、図1で更に例示される。
【0164】
伸縮性区域(12)の前端部は、伸縮性区域の中央点を通り、トップシートの長手方向軸と平行な長手方向線に対して角度を成してもよく、その角度は、10°〜40°、又は17°〜35°、又は20°〜35°である。伸縮性区域(12)の後端部もまた、伸縮性区域(12)の中央部分を通り、トップシートの長手方向軸と平行な長手方向線に対して角度を成してもよく、その角度は、10°〜50°、又は17°〜45°、又は25°〜45°である。
【0165】
両前端部、及び両後端部が上記の角度を有する場合、伸縮性区域(12a、12b)は、いわゆるX形状を有する。
【0166】
複合シート(10)又はトップシートは、長手方向において、トップシートの中央30%である股部領域を有してもよく、これは、例えば、開口部(1つ又は複数)(11)又はその一部分の長手方向側部のいずれかにおいて、その股部領域に1つ以上の二次伸縮性区域を含んでもよく、典型的にはトップシート又は複合シート(10)の長手方向側縁部と、縁部に近いほうの伸縮性区域(12a、12b)(上記)との間で長手方向に延びる。二次伸縮性区域は、上記の近いほうの伸縮性区域から遠ざかるように湾曲する、全体的な湾曲を有してもよい。本明細書において先に説明された、伸縮性区域(12)と同じように、二次伸縮性区域はパターンを備えてもよく、これは、本明細書において記載されるプロセスによって入手可能であり得、弾性材料(15)の記載、パターン付けのプロセス、及び伸縮性区域(12)に関して得られるパターンは、同等に二次伸縮性領域に適用することができる。
【0167】
トップシート又は複合シート(10)の好ましい伸縮性区域(12a、12b)は、この区域の弾性材料(15)の側部上の材料である、カバーシート又は第2シート(14)を含んでもよく、これは、上記の第1シートに面していない(これに部分的に接着されている)。
【0168】
トップシートの長手方向側縁部は、好ましくは当該技術分野で既知のいずれかの取り付け手段によって、バックシートの長手方向側縁部に接合されるか、又は取り付けられて、長手方向の対向する取り付け領域を形成する。本発明の一実施形態では、トップシート及びバックシートは、いくつかの位置では互いに直接取り付けられ、他の位置では互いに間接的に取り付けられる。
【0169】
好ましくは、本発明の吸収性物品は、耐垂れ下がり性(sag-tolerable)であり得、それに加えて、欧州特許出願公開第1279388(A)号に定義及び記載されているような、耐垂れ下がり性のトップシートを有することが好ましい。
【0170】
トップシートの任意の部分が、当該技術分野において既知の、スキンケア組成物又はローション又は粉末でコーティングされてもよい。スキンケア組成物又はローションは、本明細書における伸縮性区域(12a、12b)上に、及び任意に二次伸縮性区域上に存在してもよい。ローションの例としては、米国特許第5,607,760号、米国特許第5,609,587号、米国特許第5,635,191号、米国特許第5,643,588号、国際公開特許第95/24173号に記載されるものが挙げられるが、ローションが弾性材料(15)と適合し、弾性材料(15)を破壊しないか、又はその弾性を低減しないことを条件とする。
【0171】
本明細書における好適な吸収性物品は少なくともまた、バックシート、使用中に着用者に面するコアカバーシートを有する吸収性コア、及び好ましくはカフ、例えば、バリアカフ及び/又はレッグカフを有してもよく、カフは本明細書において複合シート(10)に関して記載されたように、伸縮性であり、かつパターンを備え、皺付けされた伸縮性区域を備えてもよい。
【0172】
当該技術分野において既知であるように、バックシートは液体不透過性であってもよい。好ましい実施形態では、液体不透過性のバックシートは、約0.01.mm〜約0.05mmの厚さを有する熱可塑性フィルムなどの、薄いプラスチックフィルムを含む。好適なバックシート材料は、典型的には、おむつから水蒸気を逃がすものの、排出物がバックシートを通り抜けることを防ぐ、通気性の材料を含む。好適なバックシートフィルム類としては、インディアナ州テレ・ホート(Terre Haute)のトレデガー・インダストリーズ社(Tredegar Industries Inc)によって製造され、商品名X15306、X10962、及びX10964として販売されているものが挙げられる。
【0173】
バックシート又はそのいずれかの部分は、1つ以上の方向に弾性的に延伸可能であってもよい。バックシートは、当技術分野において既知の任意の取付け手段によって、トップシート、吸収性コア、又は他の任意のおむつの要素に、取り付け又は接合することができる。トップシート及びバックシートの長手方向側縁部が互いに直接付着し、しかしトップシート及びコアの長手方向縁部が互いに付着しないことが、非常に好ましい場合がある。
【0174】
吸収性コアは、粉砕木材パルプ、縮みセルロース詰め物;コフォームを含むメルトブロウンポリマー;化学的に剛化、変性、又は架橋されたセルロース繊維;ティッシュラップ及びティッシュラミネートを含むティッシュ;吸収性フォーム;吸収性スポンジ;超吸収性ポリマー;吸収性ゲル材料;又は任意の他の既知の吸収性材料若しくは材料の組み合わせのような、一般に圧縮性であり、順応性があり、着用者の皮膚を刺激することなく、尿を吸収及び保持可能である、いかなる吸収性材料を含んでもよく;吸収性コア内容物(例えばコアラップを除く)の80重量%超の吸収性ゲル材料を備え、及び、好ましくはエアフェルトを含まない、吸収性格納層を有する吸収性コアであることが好ましい。
【0175】
吸収性物品は、また、トップシートと吸収性コアとの間に配置された、身体排泄物、典型的には糞便物質を受け入れ、かつ/又は固定化することができる副層を包含してもよい。副層として使用するのに好適な材料としては、大きな開放セルの発泡体、マクロ孔質の耐圧縮性嵩高不織布、大きなサイズの粒子状の開放気泡発泡体及び閉塞気泡発泡体(マクロ孔質及び/又はミクロ孔質)、嵩高不織布、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリウレタン発泡体又は粒子、垂直方向に配向された、好ましくはループ状の、多数の繊維ストランド、又は生殖器カバーシートに関連して上述したような、好ましくは孔あき成形フィルムを含む構造を挙げることができる。(本明細書で使用するとき、用語「ミクロ孔質」は、毛管現象によって流体を移送することができるが、50マイクロメートルを超える平均孔径を有する材料を指す。用語「マクロ孔質」は、流体を毛管移送するには大き過ぎる細孔を有し、一般に直径が約0.5mm(平均)を超える細孔を有し、より具体的には直径が約1.0mm(平均)を超える、ただし典型的には10mm未満、又は更には6mm(平均)未満の細孔を有する材料を指す。
【0176】
本明細書におけるおむつは、ウエストバンドを含んでもよく、これは、本明細書の複合シート(10)に関して本明細書において記載された伸縮性区域を含む、伸縮性ウエストバンドであってよい。本明細書のおむつは、当技術分野において既知のように、典型的にはウエストバンドに接合された締結装置を有してよい。好適な締結装置は、締結タブ及びランディングゾーンを包含することがあり、締結タブは、おむつの後側区域に取り付けられるか、又は接合され、ランディングゾーンは、おむつの前側区域の部分である。
【0177】
好ましくは、本発明の物品(例えば、おむつ)は、その包装材料内に詰められたとき、2つの横断方向の折り畳みを含んでもよく、その結果、使用のためにユーザー又は世話人が開いたときに、物品(例えば、おむつ)はU形状であり、適用するのがより容易である。
【0178】
試験方法
ハンドル−O−メータ曲げ剛性試験
この方法は、本明細書に記載したような、不織布層又は不織布シートの曲げ剛性(及びそれにより、柔軟性)を決定するのに役立ち、材料のたわみ性及び表面摩擦を反映する。この試験では、不織布が、プランジャの使用により、スロットを通じて変形され、必要とする力が測定される。この方法は、INDA標準試験IST90.3−92に基づく。
【0179】
25mm×25mm(長さ1インチ×幅1インチ)の不織布シート又は不織布層のサンプル材料を切り取り、INDA試験に記載のように湿度65%、21℃で調湿する。サンプルは、弾性材料(15)又は他の材料に取り付けられる縁部を含まない。一実施形態では、使用中に皮膚と接触する不織布ウェブ又は不織布層の平均繊維方向を測定することができ、これはY方向(例えば、使用中、典型的には、吸収性物品のMD方向に対応する)であろう。
【0180】
米国フィラデルフィア(Philadelphia)トウィング−アルバート・インストルメント社(Twingh- Albert Instruments Co.)から入手可能なトウィング−アルバート・ハンドル−O−メータ(Thwing−Albert Handle−O−Meter)が、そのユーザー使用説明書に記載されるように較正される。
【0181】
スロット幅は6.35mmである。
【0182】
サンプルは、プランジャの下、及びスロットの上に配置され、使用中に皮膚に接触する、又は面する表面が上を向く。第1の寸法は、スロットに対して垂直であり、これは、本明細書で曲げ剛性を報告するために、試験される方向である。一実施形態では、これは皮膚に面する表面、例えばスパンボンド層の平均繊維方向である。サンプルをスロットの中心に位置付け、試験を実行し、力を測定する。この値に4を乗じ(例えば、10.16cm×10.16cm(4インチ×4インチ)のサンプルに標準化する)、曲げ剛性として、本明細書ではグラムで報告する。
【0183】
静水頭(水頭)
本明細書で使用するとき、静水頭(水頭とも呼ばれる)は、低表面張力液体、即ち49mN/mの液体(溶液)を用いて測定される。
【0184】
この液体は、以下に記載のように調製する。
【0185】
この試験は、米国不織布協会(Inda)/欧州不織布協会(Edana)試験WSP80.6(05)に従った、同時係属出願である国際公開第2005/112854(A)号に記載の通りに実施された。しかしながら、水圧は(下方より)上昇率6kPa/分(60mbar/分)で上昇させる。
【0186】
5cmのサンプルが、本明細書における、複合シート、第1シート、又はトップシートからとられる。サンプルは、弾性材料(15)、又は他の材料に取り付けられる縁部を含むべきではない。
【0187】
使用される試験頭部は、2.5cm直径を有し、使用される保護スリーブ(protective sleeve)は、2.2cm直径を有した。
【0188】
試験はこのサンプル上で実施され、静水頭値が得られ、本明細書に参照される。
【0189】
49mN/m(ダイン/cm)の液体の調製:
栓の付いた10リットルのキャニスタを、2リットルのポリエチレンで3回、次いで2リットルの蒸留/脱イオン水で3回、よく洗浄する。
【0190】
次に、10リットルの蒸留/脱イオン水を充填し、清浄な撹拌子で2時間撹拌し、その後栓を介して水を除く。
【0191】
5リットルのグラスを水で6回、次に蒸留/脱イオン水で6回洗浄する。
【0192】
次いで、30.00gのコール酸ナトリウム及び5リットルの蒸留/脱イオン水を、洗浄した5リットルのガラス瓶に入れる。(コール酸ナトリウムは>99%のTLC純度を有するべきであり、例えばCalbiochemから、カタログ番号229101より供給される。)これを清浄な撹拌子で、コール酸ナトリウムが明らかに溶解するまで約5分間撹拌する。
【0193】
撹拌子を磁気スティックで(溶液に触れずに)ガラス瓶から取り除き、次にコール酸ナトリウム溶液を10リットルのキャニスタの中に流し込み、最終溶液の濃度が3g/Lとなるように更なる蒸留/脱イオン水を加える。これを撹拌子で更に2時間撹拌して使用する。
【0194】
溶液の調製及びその使用は、溶液が使用される試験について記載された温度で行うが、温度が記載されていない場合は溶液を20℃に保つ。
【0195】
溶液の表面張力を測定し、これは本来49mN/m(+/−2)である。(表面張力は、クリュス(Kruss)K−12張力計を使用して、ASTM D1331−56(界面活性剤溶液の表面張力及び界面張力の標準試験法(Standard test method for surface and interfacial tension of solution of surface active agents)により測定してもよい。)
【0196】
裏抜け値法
本明細書で言及される低い表面張力の裏抜け値は、表面張力の低い液体(以下を参照のこと)を使用し、25mm×25mm(1インチ×1インチ)のサンプルを使用してもよいことを除いては、欧州不織布協会(Edana)方法WSP70.3(05)により得ることができる。サンプルは、弾性材料(15)、又は他の材料に接続された縁部を含むべきではない。
【0197】
このサンプル測定で得た値が本明細書で報告される。
【0198】
低表面張力液体は、以下のように調製される32mN/mの表面張力を有する液体である。
【0199】
清浄なフラスコ内の500mLの蒸留水(すでにフラスコに入っている)に2.100グラムのトリトン(Triton)−X−100を加え、次に5000mLの蒸留水を加える。溶液を30分間混合した後、表面張力を測定するが、これは32mN/mであるべきである。
【0200】
(表面張力は、クリュスK−12張力計を使用して、ASTM D1331−56(界面活性剤溶液の表面張力及び界面張力の標準試験法(Standard test method for surface and interfacial tension of solution of surface active agents)により測定してもよい。
【0201】
皺特性/均一性を測定する方法(プリモス方法)
本明細書に記載される、高さなどの皺寸法、及び皺密度、及びその均一性は以下のように測定され得る。
【0202】
伸長可能性、しわ高さ及び皺密度が変わらないようにして、吸収性物品から伸縮性区域(12)を備えた複合シート(10)が取り除かれる(プリモス器具及び以下の方法が、複合シート(10)を含む吸収性物品上に直接使用され得る場合、複合シート(10)は取り除かれる必要がない)。
【0203】
これは、以下の伸長/伸張工程の前に、25℃及び湿度50%で24時間放置され、同じ条件下で実施される。
【0204】
1つ以上のサンプルが、部分的に伸張された複合シート(10)内でマークを付けられ、又はこれから切り取られ(以下の通りにプリモス測定を行うために必要な場合)、複合シート(10)が、水平方向でかつ平坦な表面上で、完全に伸張した長さまで丁寧に、均等に伸張され、これが完全に伸張した長さの66.7%(2/3)を有するまで、解放される。次に、1つ以上のサンプルが複合シート(10)内でマークを付けられる。66.7%伸張したサンプルは、任意の長さであってよいが、例えば、サンプルは、伸張方向で7.5cmの寸法を有し得る(例えば、66.7%伸張状態における、7.5cmの複合シート(10)の長さ)。サンプルは、伸縮性区域(12)の全幅、及び可能であれば、複合シート(10)の全幅を有するべきである。
【0205】
サンプルの長さの測定は、例えば、マイクロメートルねじで行うことができる。
【0206】
その完全に伸張された長さの66.7%を有する、部分的に伸張されたサンプルは(例えば、7.5cmのサンプル)は次に、メーカーの取扱説明書に従い、13×18mmレンズを使用して、プリモス器具及びそのデータ捕捉ソフトウェアの使用によって観察された。
【0207】
プリモス器具、及びソフトウェアは、全てのピーク部の高さ、幅などを測定し、これにより、本明細書において記載される値を算出することができる。高さは、ピーク部の最高点と最低点との間の距離である。「ショルダーピーク」は、当該技術分野で既知の手法のように、本明細書における皺のピークとしてはみなされないことに留意すべきである。即ち、2つの隣接するピーク部A及びBが、谷部によって接合され、a)ピーク部Aの最高点から谷部の最低点までの距離がピーク部Aの高さの30%未満であるか、又はb)ピーク部Bの最高点から谷部の最低点までの距離がピーク部Bの高さの30%未満であるか、のいずれかの場合、このピーク部Bは、ショルダーピークとみなされ、個別のピークではなく、したがって、ピーク部A及びBは、単一のピーク部Aとみなされる(例えば、単一の幅、単一の高さなどを有する)。したがって、上記のa)又はb)のいずれかが当てはまる場合、A及びBは、単一のピーク部としてみなされる。
【0208】
残留歪み
本明細書におけるプロセスによって得られる、吸収性物品、又は複合シート(10)の残留歪みは、以下のように算出することができる。
【0209】
弾性材料(15)は、上記のように調湿される。本明細書における複合シート(10)を形成するための、プロセスで使用される弾性材料(15)又は伸縮性区域(12)の、収縮し、弛緩した長さが測定される。これは、lである。
【0210】
上記の方法で説明されたように調湿され、平坦な表面上にある、収縮した吸収性物品又は複合シート(10)における、弾性材料(15)又は伸縮性区域(12)の長さが測定される。これは、lである。
【0211】
そして、残留歪みS=[(l−l)/l]が算出され得る。
【0212】
例えば、10cmの弾性材料(15)が、40cmの長さにわたって第1シート(13)に取り付けられ、得られる複合シート(10)が、15cmの収縮長さを有する場合、残留歪みは(15−10)/15=33.3%である。
【0213】
完成した物品において、弾性材料(15)を物品から取り除くことができ、次にその収縮長さを上記のように算出することができる場合、残留歪みを算出することができる。(これは当然lを算出した後である)
【0214】
剥離力方法
この方法は、弾性材料(15)並びに第1シート(13)及び第2シート(14)の複合シート(10)における結合の強度を決定する役割を果たし、本明細書において報告される剥離力は、弾性部材及びシートの結合を解く(層剥離させる)ために必要な力である。
【0215】
測定は、例えば50Nのロードセルを備えるZwick2.5KN引張試験機で行ってもよい。試験パスは100mmである。速度は、100mm/分に設定される。クランプは例えば、25mm×40mmである。目標標点距離は、例えば25mmなど、好適に設定することができる。(一般的に、予測される測定値が、ロードセルの最大容量の目盛りの範囲内である(例えば、最大容量の0.2〜100%、これは、50Nロードセルでは0.1N〜50N)ような方法で選択されるべきであることに留意する)。
【0216】
伸縮性区域(12)(及び弾性材料(15))の全幅が、サンプルに含まれ、かつ一方の長手方向側部(伸張の方向)に、弾性材料ではなく第1及び第2シート材料によって形成される領域が存在するように、サンプルが複合シート(10)から切り取られる。
【0217】
米国のThwings−Albert Instrument社による、JDCプレシジョン・サンプルカッター(JDC precision Sample cutter)が使用され得る。
【0218】
好適なサンプルは、25.4mm(1インチ)長さ(伸張方向、Y方向)であり、幅は、弾性材料(15)+サンプルの一方の長手方向側部に沿った、伸縮性区域(12)の一部分ではない、隣接する第1シート(13)及び第2シートのいくらか(例えば、弾性材料(15)に取り付けられる)、例えば、40mmを有する。
【0219】
サンプルは、50%相対湿度、及び20℃で、16時間調湿される。
【0220】
次に、第1シート及び第2シートによって形成される領域が、弾性材料まで注意深く剥がされ、第1シート及び第2シートの剥がされた領域は、試験器具のクランプの間で、サンプル中にスラグがないように取り付けられる。試験は次に実行されて弾性材料並びに第1シート及び/又は第2シートを剥離するための力が、本明細書において使用される剥離力値として記録及び報告され得る。複合シートから、より多くのサンプルをとることが可能であれば、この試験はより多くのサンプルについて繰り返すことができ、平均剥離力が得られ、剥離力値として本明細書に報告される。
【0221】
本発明の特定の実施形態について例証し説明したが、本発明の範囲内にある様々な他の変更及び修正が当業者には明白であろう。
【0222】
本明細書に開示されている寸法及び値は、列挙した正確な数値に厳しく制限されるものとして理解すべきではない。それよりむしろ、特に指定されない限り、各こうした寸法は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味することを意図する。例えば、「40mm」として開示された寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。
【0223】
「発明を実施するための形態」で引用した全ての文献は、関連部分において本明細書に参考として組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本発明に関して先行技術であることを容認するものとして解釈すべきではない。この文書における用語のいずれかの意味又は定義が、参考として組み込まれる文献における用語のいずれかの意味又は定義と対立する範囲については、本文書におけるその用語に与えられた意味又は定義を適用するものとする。
【0224】
本発明の特定の諸実施形態を図示し、記載したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることが当業者には自明である。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を添付の特許請求の範囲で扱うものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸収性物品のために有用な複合シート(10)を作製するためのプロセスであって、前記複合シート(10)は、パターン付けされた第1シート(13)及び弾性材料(15)を含む、皺付けされ、パターン付けされた伸縮性区域(12a又は12b)を備え、前記複合シート(10)は、
a.長手方向Y及び横断方向Xを有する第1シート(13)を得る工程と、
b.少なくとも部分的に伸張された弾性材料(15)を得る工程と、
c.i)前記第1シート(13)又はその一部分を、パターン付けする加圧工程にかけて、凹部(trough)(16)を含むパターン付けされた第1シート(13)を得て、次に、前記少なくとも部分的に伸張された弾性材料(15)を、前記パターン付けされた第1シート(13)に隣接するように位置付けて、組み合わせ材料を得る工程、又は
ii)前記少なくとも部分的に伸張された弾性材料(15)を、前記第1シート(13)に隣接するように位置付けて、組み合わせ材料を得て、同時に又は続いて、前記組み合わされた材料又はその一部分を、パターン付けする加圧工程にかけて、凹部(16)を含むパターン付けされた第1シート(13)を有するパターン付けされた組み合わせ材料を得る工程と、
d)工程c)と同時に又はこれに続いて、前記パターン付けされた第1シート(13)における、前記のようにして形成された凹部(16)又はその一部分を、前記弾性材料(15)に取り付け、パターン付けされた伸縮性区域を備えた伸張された複合シート(10)を得る工程と、
e)工程d)の前記複合シート(10)を弛緩させて、ピーク部(21)及び谷部(22)を有する皺を含む、皺付けされ、パターン付けされた伸縮性区域(12)を備えた複合シート(10)を得る工程と、
によって得られ、
前記複合シート(10)は、糞便物質を受容するための1つ以上の開口部を含む、プロセス。
【請求項2】
前記パターン付けする加圧工程の前に又はこれと同時に、前記第1シート(13)及び弾性材料(15)が、互いに隣接するように位置付けられる前記工程cii)を含み、前記工程cii)及びd)が同時に行われる、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
工程c)において、前記弾性材料(15)に面さない、又は面していない前記第1シート(13)の第1表面又はその一部分が、多数の起立部分(32)を有する第1ツール(30)の第1表面(31)によって加圧され、及び任意にこれと接触し、前記起立部分は、前記第1シート(13)又はその一部分に前記凹部(16)を形成し、前記弾性材料(15)に面する前記第1シートの第2表面は、第2ツール(34)の第2の、噛み合わない表面(35)によって加圧され、及び任意に間接的にこれと接触する、請求項1に記載のプロセス。
【請求項4】
前記第1ツール(30)は、横断方向軸(33)を有し、前記起立部分(32)は、a)多数の隆起部であって、各隆起部が前記横断方向軸(33)と平行な線に対して0°〜45°の角度で位置付けられる、隆起部の形態、及び/又はb)前記ツールの表面の前記X及びY方向に沿って位置付けられる多数の歯及び/若しくはスタッドであって、第1列は前記横断方向軸(33)と平行な線に対して0°〜45°の角度で位置付けられ、第2列は前記第1列に対して垂直に位置付けられる、歯及び/若しくはスタッドの形態である、請求項3に記載のプロセス。
【請求項5】
前記起立部分(32)と、前記第2ツールの表面(35)との間の距離が、0.01mm〜0.25mmである、請求項3に記載のプロセス。
【請求項6】
前記起立部分が、前記第1シート材料と接触する第1の平坦な表面(x−y平面)を含み、前記第1表面は、0.05mm〜0.5mm、又は好ましくは、0.1mm又は0.2mm〜0.4mmであるY寸法(前記ツールの前記X方向と実質的に垂直)を有し、前記起立部分がスタッド又は歯である場合、0.05mm〜2.0mm、又は好ましくは0.1mm又は0.2mm〜0.4mmのX寸法を有する、請求項3に記載のプロセス。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載のプロセスによって得ることができる、複合シート(10)材料を含む、吸収性物品。
【請求項8】
糞便物質を受容するための1つ以上の開口部(11)を有し、かつ、長手方向Y及び横断方向Xを有するとともに第1シート(13)及び弾性材料(15)を含む皺付けされパターン付けされた伸縮性区域を備えた複合シート(10)を含む、吸収性物品であって、前記弾性材料(15)は、実質的に長手方向に延びるとともに実質的に前記長手方向において弾性を提供し、前記第1シート又はその一部分は、長手方向に、及び任意に横断方向に、多数の凹部(16)及び多数の頂部(17)からなるパターンを含み、前記第1シート(13)の前記凹部(16)は、前記第1シートの前記頂部(17)よりも高い密度を有し、前記弾性材料(15)は、前記第1シートの前記凹部(16)に取り付けられる、吸収性物品。
【請求項9】
前記複合シートの前記伸縮性区域が、実質的に前記複合シートの前記Y方向に延びる、2つ、又は3つ、又はそれ以上の弾性のひも又はストランドを含み、前記複合シートは、前記Y方向に沿った多数の凹部、及び前記X方向に沿った多数の凹部を有し、前記X方向の1つ以上の凹部、又はその一部分が、前記弾性のひも又はストランドの間に存在する、請求項8に記載の吸収性物品。
【請求項10】
前記伸縮性区域(12)の前記第1シート(13)は、66.67%の伸長において、150マイクロメートル〜600マイクロメートル、又は少なくとも180マイクロメートル若しくは少なくとも200マイクロメートル〜550マイクロメートル、又は〜550マイクロメートル、又は〜500マイクロメートル、又は〜350マイクロメートルの平均しわ高さHの皺を有し、及び好ましくは、100マイクロメートル未満のしわ高さ標準偏差(STD)を有する、均一な皺パターンを備え、かつ任意により、RSD(STD/平均Hである)は20%未満である、請求項7又は8に記載の吸収性物品。
【請求項11】
前記伸縮性区域(12)の前記第1シート(13)は、66.67%の伸長において、ピーク部及び谷部を含む皺を有する均一な皺パターンを備え、皺の隣接するピーク部の最高点の間の平均距離は、800〜1300マイクロメートルであり、前記標準偏差は200マイクロメートル未満であり、好ましくは、前記RSDは20%未満である、請求項7又は8に記載の吸収性物品。
【請求項12】
前記複合シート(10)は、少なくとも1.5kPa(15mbar)の静水頭を有する複合バリアシートであり、及び/又は前記第1シート(13)は、少なくとも1.5kPa(15mbar)の静水頭を有するバリアシートである、請求項7又は8に記載の吸収性物品。
【請求項13】
前記第1シート(13)は、少なくとも2つのスパンボンドウェブ及び少なくとも1つのメルトブローンウェブを有する、不織布シート又は不織布層であり、前記シート又は層は、少なくとも17g/mの坪量を有し、前記シート又は層は、少なくとも3g/mのメルトブローン繊維を含む、請求項7又は8に記載の吸収性物品。
【請求項14】
前記伸縮性区域(12)は、前記第1シートの前記弾性材料(15)及び前記凹部(16)を接着させる200マイクロメートル未満の平均直径を有する接着剤フィラメントを含む、請求項7又は8に記載の吸収性物品。
【請求項15】
パターン付けされ、皺付けされた伸縮性区域(12)を備えた複合シート(10)を含む吸収性物品であって、前記伸縮性区域(12)は、弾性材料(15)と、前記弾性材料に取り付けられる、又は前記弾性材料に部分的に取り付けられる凹部(16)を有するパターン付けされ皺付けされた第1シート(13)と、を含み、前記伸縮性区域(12)は、30%未満の残留歪みを含み、好ましくは前記複合シート(10)は、任意にパターン付けされ得る皺付けされた第2シート(14)を備え、前記弾性材料(15)は、前記第1シート(13)と前記第2シート(14)との間に位置付けられ、前記伸縮性区域(12)は、少なくとも1.4N、好ましくは少なくとも2.0Nの剥離力を有する、吸収性物品。

【図1】
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【図1A】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2011−505946(P2011−505946A)
【公表日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−537557(P2010−537557)
【出願日】平成20年12月3日(2008.12.3)
【国際出願番号】PCT/IB2008/055070
【国際公開番号】WO2009/074922
【国際公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】