説明

弾球遊技機

【課題】ミッションが提示される頻度が低下することを抑制しつつミッションを達成させる楽しみをより多く遊技者に与えることが可能な弾球遊技機を提供する。
【解決手段】ぱちんこ遊技機において、演出表示制御手段は、指定期間内に第1ミッションを達成させることを遊技者に指令する第1ミッション演出を実行させる場合であって、指定期間内に第1ミッションを達成させる演出を実行させたときには、指定期間内に第2ミッションを達成させることを遊技者に指令する第2ミッション演出を実行させる。第2ミッション演出を実行させた場合であって、指定期間内に当否抽選の結果が当たりとなったときには、第2ミッションを満たす演出を実行した後に当たりを示す態様で装飾図柄を停止表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ぱちんこ遊技機等の弾球遊技機に関し、特に弾球遊技機における画面表示内容を制御する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各種の弾球遊技機のうち、いわゆる第1種ぱちんこ遊技機と呼ばれていた遊技機は、遊技盤の略中央に設けられた液晶ディスプレイなどの表示領域に複数の図柄を変動させながら表示する(以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という)。この遊技機は、複数列の図柄変動を停止させたときの図柄の組合せが特定の態様となった場合に、通常遊技より多くの賞球が得られる、いわゆる大当たりと呼ばれる特別遊技へと移行するものとして知られている(例えば、特許文献1参照)。表示領域における図柄の変動表示は、単に複数の図柄が変動表示されるだけでなく、いわゆるリーチ画面と呼ばれる状態のように、あと一つ図柄が揃えば大当たりとなる状態で変動表示の時間を通常よりも長くする等、遊技者の期待感を高めるための演出が図られている。また、図柄等の画像にキャラクタを用いて変動表示にストーリーを持たせる演出を施したり、特別遊技への移行確率を変動させる確率変動等の特定遊技の制御によっても遊技者の期待感を高めている。また、達成することにより大当たりになることを示唆するミッションを提示することによりミッションを達成させることを遊技者に指令する演出を実行するパチンコ遊技機が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−230714号公報
【特許文献2】特開2005−192718号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般にパチンコ遊技機において当否抽選にて当たりとなる確率を常に高く設定することは困難である。したがって、上述の特許文献に記載されるように、当否抽選にて当たりであったときにミッションを達成させる演出を表示させるぱちんこ遊技機では、例えば高い頻度でミッションを提示させると、ミッションを達成させる演出を表示させる確率を高くすることが困難となる。このため、ミッションを提示することにより遊技者に大きな期待を抱かせることは困難となる。逆に、当否抽選の結果が当たりのときに高い頻度で、外れのときに低い頻度でミッションを提示することによりミッションを達成させる演出を表示させる確率を高くすると、ミッションを高い頻度で提示することが困難となる。このため、ミッションが提示される演出を遊技者が楽しみたいと思ってもなかなかミッションを提示させることができず、遊技者の希望に叶った演出を実行することが困難となる。
【0005】
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ミッションが提示される頻度が低下することを抑制しつつミッションを達成させる楽しみをより多く遊技者に与えることが可能な弾球遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の弾球遊技機は、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球が入球可能な始動口と、始動口へ遊技球が入球したことを契機として、当否抽選を実行する当否抽選手段と、遊技領域の所定位置に設けられる開放可能な大入賞口と、当否抽選の結果が当たりであったときに、大入賞口を開放させる特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、当否抽選の結果を示す図柄の変動表示の変動表示を含む演出が実行される演出実行装置と、始動口への入球を契機に、図柄の変動表示を含む演出が実行される変動パターンを決定すると共に、満たすことで特別遊技が実行される可能性の増大に繋がることを示唆する条件であって、指定期間内に特定の演出が実行されることを内容とする条件を提示することにより、指定期間内にその条件を満たすよう遊技者に指令する演出であるミッション演出を実行するか否かを、所定の基準により決定する演出決定手段と、決定された変動パターンにしたがって演出を実行し、および実行させることが決定されたミッション演出を演出実行装置において実行させる演出実行手段と、を備える。演出実行手段は、第1の指定期間内に第1の条件を満たすことを遊技者に指令する第1のミッション演出を実行させる場合であって、第1の指定期間内に第1の条件を満たす演出を実行させたときには、第2の指定期間内に第2の条件を満たすことを遊技者に指令する第2のミッション演出を実行させ、第2のミッション演出を実行させた場合であって、第2の指定期間内に当否抽選の結果が当たりとなったときには、第2の条件を満たす演出を実行した後に当たりを示す態様で図柄を停止表示させる。
【0007】
この態様によれば、例えば当否抽選の結果が特別遊技に移行するものではなかった場合でも、第1のミッション演出で提示される第1の条件を達成させる演出を実行することが可能となる。このため、ミッションが提示される頻度が低下することを抑制しつつミッションを達成させる楽しみを遊技者に与えることが可能となる。また、ミッション演出の表示制御の開発において、ミッションを達成させる確率を容易に高くすることができる。
【0008】
なお、演出実行手段によって連続して実行されるミッション演出の段数は、上述の第1のミッション演出および第2のミッション演出の2段に限られず、例えば、3段以上であってもよい。たとえば3段以上のミッション演出を表示させる場合、演出実行手段は、第3の指定期間内に第3の条件を満たすことを遊技者に指令する第3のミッション演出を表示させる場合であって、第3の指定期間内に第3の条件を満たす演出を実行させたときに、当たりを示す態様で図柄を停止表示させてもよい。
【0009】
「指定期間」は、条件が提示されたときから図柄の回転数が所定数に達するまでの期間であってもよく、条件が提示されたときから所定時間が経過するまでの期間であってもよい。また、所定の図柄が停止表示することが条件として提示されてもよく、図柄以外の画像が表示されることが条件として提示されてもよい。モータなどのアクチュエータにより動作する演出装置が弾球遊技機に設けられている場合、この演出装置が所定の動作をすることが条件として提示されてもよい。
【0010】
特別遊技制御手段は、当否抽選の結果が第1の当たりであったときに、所定の開放回数で大入賞口を開放させる第1特別遊技を特別遊技として実行し、当否抽選の結果が第2の当たりであったときに、特別遊技を実行させたことを遊技者に気づきにくくするよう、第1特別遊技よりも短い開放時間且つ少ない開放回数で大入賞口を開放させる第2特別遊技を特別遊技として実行し、演出実行手段は、第1のミッション演出を実行させる場合であって、第1の指定期間内における当否抽選の結果が第2の当たりであったとき、第1の条件を満たす演出を実行させた後、第2のミッション演出を実行させ、第2のミッション演出を実行させた場合であって、第2の指定期間内に当否抽選の結果が第1の当たりとなったとき、第2の条件を満たす演出を実施した後に当たりを示す態様で図柄を停止表示させてもよい。
【0011】
この態様によれば、第1の条件を満たす演出を実行させるタイミングの設定を、第2特別遊技の実行の契機となる第2の当たりであった場合に設定するという簡易なものとすることができ、ミッション演出の表示制御の開発を容易なものとすることができる。
【0012】
特別遊技の実行終了後、所定の移行条件を満たす場合に、当否抽選にて当たりとなる確率が通常よりも高確率の状態となる確率変動状態へ移行させる特定遊技制御手段をさらに備えてもよい。特定遊技制御手段は、第2特別遊技の実行終了後に確率変動状態へ移行させてもよい。
【0013】
この態様によれば、第1のミッション演出において提示される第1の条件が達成されたときに、当否抽選にて当たりとなる確率を高くすることができる。このため、第1の条件が達成されるか否かを注目することにより、第1特別遊技に移行する可能性が増大するか否かを楽しむことができ、また、第2の条件が達成されるか否かで最終的に第1特別遊技が実行されるか否かを楽しむことができる。これによって、段階的に実行されるミッション演出を通じて段階的に増加する第1特別遊技の実行可能性を遊技者に与えることができ、ミッション演出に対する遊技者の興味が減退することを抑制することが可能となる。
【0014】
当否抽選が当たり以外の所定の結果であったときに、第2特別遊技と同様の開放時間および開放回数で大入賞口を開放させる特殊遊技を実行する特殊遊技制御手段をさらに備えてもよい。特定遊技制御手段は、特殊遊技の実行終了後に、当否抽選にて当たりとなる確率を通常のまま維持し、演出実行手段は、第1のミッション演出を実行させる場合、第1の指定期間内における当否抽選の結果が特殊遊技の実行を示す所定の結果であったとき、第1の条件を満たす演出を実行させた後、第2のミッション演出を実行させてもよい。
【0015】
この態様によれば、第2特別遊技と同様の開放時間および開放回数で大入賞口が開放された場合においても、遊技者は確率変動状態へ移行しているかどうかを判断することが困難となる。これを利用して、例えば確率変動状態における大当たりとなる確率よりも、第2のミッション演出において第2の条件が達成される確率を低く設定することなどが可能となる。これにより、第2の条件が達成される確率を高い自由度で設定することが可能となる。
【0016】
演出実行手段は、第2のミッション演出を演出実行装置において実行させる場合、第1のミッションにおいて提示され得る条件と異なる条件を第2の条件として提示してもよい。
【0017】
この態様によれば、ミッション演出において条件を提示することにより、第1のミッション演出が実行されているのか第2のミッション演出が実行されているのかを遊技者に容易に理解させることができる。
【0018】
なお、演出実行手段は、第2の指定期間内において当否抽選の結果が当たりとなったときであっても、その当たりが第2の当たりであったとき、第2の条件を満たさない演出を実行してもよい。また、演出実行手段は、第1の指定期間内において当否抽選の結果が第1の当たりとなったとき、第1の条件を満たさない演出を実行した後に当たりを示す態様で図柄を停止表示させてもよい。
【0019】
なお、以上の構成要素の任意の組合せや、本発明の構成要素や表現を方法、装置、システム、コンピュータプログラム、コンピュータプログラムを格納した記録媒体、データ構造などの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0020】
本発明の弾球遊技機によれば、ミッションが提示される頻度が低下することを抑制しつつミッションを達成させる楽しみをより多く遊技者に与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す図である。
【図2】ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す図である。
【図3】本実施例におけるぱちんこ遊技機の機能ブロックを示す図である。
【図4】(a)は、第1ミッション演出において最初に演出表示装置に表示される一例を示す図であり、(b)は、(a)のように表示された直後における演出表示装置の表示態様を示す図である。
【図5】(a)は、第1ミッション演出の表示中に第1ミッションを達成させるように装飾図柄を停止表示させた一例を示す図であり、(b)は、(a)のように表示された直後における演出表示装置の表示態様を示す図である。
【図6】(a)は、図5(b)のように表示された直後に演出表示装置に表示される第2ミッション演出の最初の表示態様の一例を示す図であり、(b)は、(a)のように表示された直後における演出表示装置の表示態様を示す図である。
【図7】(a)は、第2ミッション演出の表示中に第2ミッションを達成させるように装飾図柄の一部を停止表示させた一例を示す図であり、(b)は、(a)のように表示された後における演出表示装置の表示態様を示す図である。
【図8】第1ミッションの具体的な内容を示すテーブルである。
【図9】第2ミッションの具体的な内容を示すテーブルである。
【図10】ぱちんこ遊技機における基本的な動作過程を示すフローチャートである。
【図11】図10におけるS14の通常遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。
【図12】図11におけるS34の当否判定処理を詳細に示すフローチャートである。
【図13】図12におけるS110を詳細に示すフローチャートである。
【図14】図12におけるS114を詳細に示すフローチャートである。
【図15】図12におけるS116を詳細に示すフローチャートである。
【図16】図12におけるS118を詳細に示すフローチャートである。
【図17】図10におけるS16を詳細に示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。以下、弾球遊技機として従来にいういわゆる第1種ぱちんこ遊技機を例に説明する。ぱちんこ遊技機10は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。ぱちんこ遊技機10の遊技機枠は、外枠11、前枠12、透明板13、扉14、上球皿15、下球皿16、および発射ハンドル17を含む。外枠11は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機10を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠12は、外枠11の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠11へ開閉可能に取り付けられる。前枠12は、遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。
【0023】
透明板13は、ガラスなどにより形成され、扉14により支持される。扉14は、図示しないヒンジ機構により前枠12へ開閉可能に取り付けられる。上球皿15は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿16への遊技球の抜き取り等の機構を有する。下球皿16は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。上球皿15と下球皿16の間にはスピーカ18が設けられており、遊技状態などに応じた効果音が出力される。
【0024】
遊技盤50は、外レール54と内レール56により区画された遊技領域52上に、アウト口58、特別図柄表示装置61、演出表示装置60、始動入賞口(以下、「始動口」という)62、センター飾り64、大入賞口66、作動口68、一般入賞口72を含む。さらに遊技領域52には、図示しない複数の遊技釘や風車などの機構が設置される。始動口62は、遊技球の入球を検出するための始動入賞検出装置74と、始動口62の拡開機構を拡開させるための普通電動役物ソレノイド76を備える。始動口62の拡開機構が拡開されたとき、始動口62の開口幅が拡がって入球容易性が向上する。始動入賞検出装置74は、始動口62への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す始動入賞情報を生成する。一般入賞口72は、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置73を備える。一般入賞検出装置73は、一般入賞口72への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す一般入賞情報を生成する。大入賞口66は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置78と、大入賞口66を拡開させるための大入賞口ソレノイド80を備える。入賞検出装置78は、大入賞口66への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す大入賞口入賞情報を生成する。
【0025】
大入賞口66は、特別図柄192が所定の態様にて停止したときに「大当たり」として開放状態となる横長方形状の入賞口である。大入賞口66はアウト口58の上方等の位置に設けられる。大入賞口66の入賞検出装置78は、遊技球の通過を検出するセンサを備えて構成される。
【0026】
遊技領域52の左方に設けられた特別図柄表示装置61および遊技領域52の略中央に設けられた演出表示装置60は、それぞれの画面に特別図柄192の変動と、特別図柄192に連動する装飾図柄190を含む演出画像の変動を表示する(以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という)。ここで、特別図柄192は、始動口62への遊技球の落入を契機として行われる抽選の結果に対応した図柄であり、その変動表示が停止されたときの図柄態様が当たりと定められた図柄であった場合、その停止図柄が表示されたタイミングが大当たり発生タイミングとなる。特別図柄表示装置61は、例えば7セグメントLEDで構成される表示手段である。演出表示装置60は、特別図柄192の変動表示と連動する形で装飾図柄190を変動表示する液晶ディスプレイである。装飾図柄190は、特別図柄192で示される抽選の結果表示を視覚的に演出するための図柄である。演出表示装置60は、装飾図柄190として、例えばスロットマシンのゲームを模した複数列の図柄変動の動画像を画面の中央領域に表示する。演出表示装置60は、この実施例では液晶ディスプレイで構成されるが、ドラムなどの機械式回転装置やLEDなどの他の表示手段で構成されてもよい。なお、特別図柄192は必ずしも演出的な役割をもつことを要しないため、本実施例では演出表示装置60の左下方の特別図柄表示装置61にて目立たない大きさで表示させるが、特別図柄自体に演出的な役割をもたせて装飾図柄を表示させないような手法を採用する場合には、特別図柄を演出表示装置60のような液晶ディスプレイに表示させてもよい。作動口68は、遊技盤50の左側方位置に設けられる。作動口68は、通過検出装置69を含む。通過検出装置69は、作動口68への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。作動口68への遊技球の通過は始動口62の拡開機構を拡開させるか否かを決定する開放抽選の契機となる。作動口68を遊技球が通過すると、開放抽選の結果を示す図柄である普通図柄が普通図柄表示装置59に変動表示される。普通図柄表示装置59は演出表示装置60の右下方に設けられる。所定時間の経過後に普通図柄の変動表示が停止すると、通常、50%から80%程度の確率で始動口62が所定時間拡開する。
【0027】
演出表示装置60の周囲には、センター飾り64が設けられる。センター飾り64は、遊技球の流路、特別図柄表示装置61および演出表示装置60の保護、装飾等の機能を有する。演出表示装置60の下方には、抽選保留ランプ20が設けられ、その対称的な位置である遊技領域52の右下部には、普通図柄表示装置59の下に作動保留ランプ22が設けられている。抽選保留ランプ20は、4個のランプからなり、その点灯個数によって当否抽選の保留数を表示する。当否抽選の保留数は、図柄変動中または後述する特別遊技中に始動口62へ入賞した抽選結果の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。作動保留ランプ22もまた4個のランプからなり、その点灯個数によって普通図柄変動の保留数を表示する。普通図柄変動の保留数は、普通図柄の変動中に作動口68を通過した遊技球の個数であり、普通図柄の変動がまだ実行されていない普通図柄抽選の数を示す。さらに演出表示装置60の上方および下方には、それぞれ遊技効果ランプ90が設けられている。操作ボタン82は、遊技者が遊技機へ所定の指示を入力するために操作するボタンである。操作ボタン82は、上球皿15近傍の外壁面に設けられる。
【0028】
遊技者が発射ハンドル17を手で回動させると、その回動角度に応じた強度で上球皿15に貯留された遊技球が1球ずつ内レール56と外レール54に案内されて遊技領域52へ発射される。遊技者が発射ハンドル17の回動位置を手で固定させると一定の時間間隔で遊技球の発射が繰り返される。遊技領域52の上部へ発射された遊技球は、複数の遊技釘や風車に当たりながらその当たり方に応じた方向へ落下する。遊技球が一般入賞口72や始動口62、大入賞口66の各入賞口へ落入すると、その入賞口の種類に応じた賞球が上球皿15または下球皿16に払い出される。一般入賞口72等の各入賞口に落入した遊技球はセーフ球として処理され、アウト口58に落入した遊技球はアウト球として処理される。なお、各入賞口は遊技球が通過するゲートタイプのものを含み、本願において「落入」「入球」「入賞」というときは「通過」を含むものとする。
【0029】
遊技球が始動口62に落入すると、特別図柄表示装置61および演出表示装置60において特別図柄192および装飾図柄190が変動表示される。特別図柄192および装飾図柄190の変動表示は、表示に先立って決定された表示時間の経過後に停止される。停止時の特別図柄192および装飾図柄190が大当たりを示す図柄である場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、大入賞口66の開閉動作が開始される。このときスロットマシンのゲームを模した装飾図柄190は、3つの図柄を一致させるような表示態様をとる。
【0030】
図2は、ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す。電源スイッチ40はぱちんこ遊技機10の電源をオンオフするスイッチである。メイン基板102は、ぱちんこ遊技機10の全体動作を制御し、特に始動口62へ入賞したときの抽選等、遊技動作全般を処理する。サブ基板104は、液晶ユニット42を備え、演出表示装置60における表示内容や複数の可動役物140の動作、遊技効果ランプ90の点灯を制御し、特にメイン基板102による抽選結果に応じて表示内容を変動させ、その演出の進行に沿って可動役物140や遊技効果ランプ90の点灯を作動させる。メイン基板102およびサブ基板104は、遊技制御装置100を構成する。セット基盤39は、賞球タンク44や賞球の流路、賞球を払い出す払出ユニット43等を含む。払出ユニット43は、各入賞口への入賞に応じて賞球タンク44から供給される遊技球を上球皿15へ払い出す。払出制御基板45は、払出ユニット43による払出動作を制御する。発射装置46は、上球皿15の貯留球を遊技領域52へ1球ずつ発射する。発射制御基板47は、発射装置46の発射動作を制御する。電源ユニット48は、ぱちんこ遊技機10の各部へ電力を供給する。
【0031】
図3は、本実施例におけるぱちんこ遊技機10の機能ブロックを示す。ぱちんこ遊技機10において、遊技制御装置100は、始動口62、大入賞口66、一般入賞口72、作動口68、特別図柄表示装置61、演出表示装置60、普通図柄表示装置59、操作ボタン82、スピーカ18、遊技効果ランプ90、可動役物140のそれぞれと電気的に接続されており、各種制御信号の送受信を可能とする。遊技制御装置100は、遊技の基本動作だけでなく、図柄変動表示や可動役物140、電飾等の演出的動作も制御する。遊技制御装置100は、遊技の基本動作を含むぱちんこ遊技機10の全体動作を制御するメイン基板102と、図柄の演出等を制御するサブ基板104とに機能を分担させた形態で構成される。遊技制御装置100は、ハードウエア的にはデータやプログラムを格納するROMやRAM、演算処理に用いるCPU等の素子を含んで構成される。
【0032】
本実施例におけるメイン基板102は、入球判定手段110、当否抽選手段112、図柄決定手段114、保留制御手段116、メイン表示制御手段118、特別遊技制御手段120、特定遊技実行手段122、特殊遊技制御手段123、開閉制御手段124を備える。本実施例におけるサブ基板104は、パターン記憶手段130、演出決定手段132、演出表示制御手段134、役物制御手段136を備える。なお、メイン基板102に含まれる各機能ブロックは、いずれかがメイン基板102ではなくサブ基板104に搭載されるかたちで構成されてもよい。同様に、サブ基板104に含まれる各機能ブロックは、いずれかがサブ基板104ではなくメイン基板102に搭載されるかたちで構成されてもよい。
【0033】
入球判定手段110は、各入賞口への遊技球の入球を判定する。入球判定手段110は、始動入賞情報を受け取ると遊技球が始動口62に入賞したと判断し、大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が大入賞口66に入賞したと判断し、一般入賞情報を受け取ると遊技球が一般入賞口72に入賞したと判断する。入球判定手段110は、通過情報を受け取ると遊技球が作動口68を通過したと判断する。
【0034】
当否抽選手段112は、始動口62への遊技球の入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定するために乱数の値を当否抽選値として取得する。たとえば、当否抽選値は「0」から「65535」までの値範囲から取得される。なお、本願にいう「乱数」は、数学的に発生させる乱数でなくてもよく、ハードウエア乱数やソフトウエア乱数などにより発生させる疑似乱数でもよい。当否抽選手段112は、当否判定で参照する当否テーブルを複数保持する。複数の当否テーブルには、当たりまたは外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられた当たりの範囲設定に応じて当否確率が定まる。当否抽選手段112は、通常時には通常確率による当否判定のための当否テーブルを参照し、確率変動時には通常確率より当たりの確率が高くなる当否テーブルを参照する。当否抽選手段112は、複数の当否テーブルのうちいずれかを参照し、当否抽選値が当たりであるか否かを判定する。当否抽選手段112による判定結果は、特別図柄表示装置61において特別図柄の形で変動表示される。また、当否抽選手段112による判定結果を演出的に示す装飾図柄が演出表示装置60において変動表示される。
【0035】
図柄決定手段114は、特別図柄表示装置61に表示させる特別図柄の停止図柄と変動パターンを、当否抽選手段112による抽選の結果に応じて決定する。また、図柄決定手段114は、普通図柄表示装置59に表示させる普通図柄の停止図柄を抽選により決定する。停止図柄は、図柄変動の終了時に表示すべき図柄である。図柄決定手段114は、特別図柄や普通図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルや、変動パターンを決定するために参照すべきパターン決定テーブルを保持する。
【0036】
図柄決定手段114は、特別図柄を決定するための図柄決定抽選値を取得し、当否抽選手段112による当否判定結果と図柄決定抽選値とに応じて特別図柄の停止図柄を決定する。図柄決定手段114は、当否抽選手段112による当否判定結果に応じて複数の変動パターンからいずれかのパターンを選択する。図柄決定手段114は、決定した停止図柄および変動パターンを示すデータをメイン表示制御手段118および演出決定手段132へ送出する。
【0037】
図柄決定手段114は、特別図柄を変動表示させるときの変動開始から停止までの変動態様が定められた複数種の変動パターンを記憶する。複数種の変動パターンは、長短様々な変動時間をもつ。すなわち、各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に特別図柄の変動が停止される。
【0038】
図柄決定手段114は、遊技球が作動口68を通過した場合に、普通図柄を決定するための抽選乱数を取得し、その抽選乱数に応じて普通図柄の停止図柄を決定する。普通図柄の停止図柄が特定の図柄であった場合、開閉制御手段124が始動口62の普通電動役物を所定時間拡開する。
【0039】
保留制御手段116は、当否抽選手段112により取得された当否抽選値を保留球として保持する。当否抽選値は、その保留数が所定の上限に達するまで蓄積される。保留数の上限は4である。
【0040】
メイン表示制御手段118は、当否抽選手段112による抽選の結果を、図柄決定手段114により決定された変動パターンにしたがって特別図柄の変動表示として特別図柄表示装置61に表示させる。メイン表示制御手段118は、特別図柄の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出表示制御手段134へ送信することにより、メイン表示制御手段118および演出表示制御手段134による変動表示が同期し、連動が保たれる。メイン表示制御手段118は、普通図柄の変動を普通図柄表示装置59に表示させる。
【0041】
特別遊技制御手段120は、当否抽選手段112による当否抽選結果が当たりであった場合に、特別遊技の実行処理を制御する。特別遊技は、大入賞口66の開閉動作を複数回数連続して継続する遊技であり、1回の開閉を単位とした1回または複数回の単位遊技で構成される。特別遊技制御手段120は、単位遊技の継続回数が上限回数に達していなければ、現在の単位遊技の終了後に次の単位遊技を開始させる。単位遊技の上限回数を消化した場合には、特別遊技を終了させる。
【0042】
ここで、特別遊技制御手段120は、読み出した当否抽選値が所定の第1範囲内または所定の第2範囲内の値であった場合、特別遊技として第1特別遊技を実行する。第1特別遊技では、30秒経過するまで、または30秒経過前に9球以上の遊技球が落入するまで大入賞口66を開放させて一旦閉鎖させる単位遊技が繰り返される。このとき、このように大入賞口66が1回開放される間に遊技球が少なくとも1球以上特定領域へ落入することを条件に所定回数(本実施形態では15回)を限度として、大入賞口66を開閉させるこのような単位遊技が繰り返される。
【0043】
また、特別遊技制御手段120は、読み出した当否抽選値が所定の第3範囲内の値であった場合、特別遊技として第2特別遊技を実行する。第2特別遊技では、特別遊技を実行させたことを遊技者に気づかれにくくするよう、第1特別遊技よりも短い開放時間且つ少ない開放回数で大入賞口66を開放させる。具体的には、第2特別遊技では、大入賞口66を約0.2秒間開放した後に一旦閉鎖する単位遊技が、0.1秒の閉鎖時間を介して2回繰り返される。
【0044】
特定遊技実行手段122は、遊技状態を通常状態から特定遊技状態へ移行させる制御と、特定遊技状態から通常状態へ戻す制御を実行する。特定遊技実行手段122は、読み出した当否抽選値が第1範囲内または第3範囲内の値であった場合に、特別遊技の実行終了後に特定遊技として確率変動遊技を開始する。確率変動遊技中においては、通常の確率状態より当たりの確率が高い設定で当否抽選が行われ、比較的早期に新たな特別遊技が発生しやすくなる。以下、「確率変動」を必要に応じて「確変」と略して説明する。また、第1特別遊技の実行終了後に確変に移行する当たりを必要に応じて「確変標準当たり」といい、第1特別遊技の実行終了後に通常状態に移行する当たりを必要に応じて「確変なし当たり」という。確変状態は原則として次の大当たりが発生するまで続行され、その間は当否抽選手段112によって当たりと判定される確率が高い値のまま維持される。
【0045】
読み出した当否抽選値が第3範囲内の値であった場合、第2特別遊技の実行終了後に確変状態に移行することになる。第2特別遊技では、特別遊技を実行させたことを遊技者に気づかれにくくするよう短い開放時間且つ少ない開放回数で大入賞口66を開放させるため、これによって、確変状態への移行が、あたかも第1特別遊技を経ることなく突然になされたように遊技者に思わせることが可能となる。以下、第2特別遊技を実行した後に確変状態に移行する遊技形態を、適宜「突然確変」という。
【0046】
また、特定遊技実行手段122は、当否抽選値の如何に関わらず、特別遊技が終了した後の通常遊技において特定遊技の一つである変動短縮遊技(以下、適宜「時短」という)を開始する。時短中においては、特定遊技実行手段122は特別図柄および装飾図柄の変動時間を通常より短縮する。特定遊技実行手段122は、特別遊技後の特別図柄の変動回数が所定回数(本実施形態では100回)に至るまで時短を継続させ、所定の変動回数の変動表示がなされた後で特別図柄および装飾図柄の変動時間を元の変動時間に戻す。
【0047】
特殊遊技制御手段123は、読み出した当否抽選値が所定の第4範囲内の値であった場合に、特殊遊技(以下、適宜「小当たり」という)を実行させる。小当たりでは、第2特別遊技と同様の開放時間および開放回数で前記大入賞口が開放される。具体的には、小当たりでは、大入賞口66を約0.2秒間開放した後に一旦閉鎖する単位遊技が、0.1秒の閉鎖時間を介して2回繰り返される。特定遊技実行手段122は、読み出した当否抽選値が所定の第4範囲内の値であった場合に、特殊遊技の実行終了後に確変状態に移行させず通常状態のまま維持する。このような小当たりを設けることにより、大入賞口66を2回開放した場合においても、確変状態か通常状態かを遊技者に判断させにくくすることができる。
【0048】
開閉制御手段124は、始動口62の普通電動役物や大入賞口66の開閉を制御する。開閉制御手段124は、普通図柄が特定の図柄で停止されると、普通電動役物ソレノイド76に開放指示を送り、始動口62を開放させる。また、開閉制御手段124は、特別遊技中、大入賞口ソレノイド80に開放指示を送り、大入賞口66を開放させる。
【0049】
パターン記憶手段130は、装飾図柄を含む演出画像の変動パターンとして変動表示における変動開始から停止までの変動過程が定められた複数の変動パターンデータを保持する。変動パターンには、通常の外れ図柄を表示するときのパターンと、あと一つ図柄が揃えば大当たりとなるリーチ状態を経て外れ図柄を表示するときのパターンと、リーチ状態を経て大当たり図柄を表示するときのパターンが含まれる。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれる。各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段132は、特別図柄の変動パターンに応じて、特別図柄と変動時間が等しい演出画像の変動パターンを選択する。
【0050】
演出決定手段132は、装飾図柄の停止図柄の組合せとその配置および変動パターンを、当否抽選手段112による抽選の結果、特別図柄の停止図柄、特別図柄の変動パターンに応じて決定する。演出決定手段132は、装飾図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルや、変動パターンを決定するために参照すべきパターンテーブルを保持する。
【0051】
装飾図柄の停止図柄は、3つの図柄の組合せとして形成され、たとえば当否抽選手段112による判定結果が特別遊技への移行を示す場合は「777」や「111」のように3つの図柄が揃った組合せが選択される。この場合、装飾図柄として揃える数字には、特別図柄と同じ数字が選ばれるのが好ましい。たとえば、特別図柄が「3」の場合は装飾図柄が「333」となる。当否抽選手段112による判定結果が特別遊技へ移行しない旨を示す場合は、「312」や「946」のように3つの図柄が揃っていない組合せが選択される。ただし、当否判定結果が特別遊技へ移行しない旨を示す場合であって、リーチ付きの外れを示す特別図柄の変動パターンが選択された場合は、「191」や「727」のように一つだけ図柄が揃っていない組合せを選択する。演出決定手段132は、装飾図柄の停止図柄と演出画像の変動パターンの情報を演出表示制御手段134へ送る。
【0052】
演出表示制御手段134は、当否抽選手段112による当否抽選の結果として、選択された変動パターンデータにしたがって演出表示装置60へ演出画像を変動表示させる。演出表示制御手段134は、遊技効果ランプ90の点灯および消灯や、スピーカ18からの音声出力などの演出処理をさらに制御する。したがって、演出表示制御手段134は、選択された変動パターンにしたがって演出を実行する演出実行手段として機能する。
【0053】
役物制御手段136は、演出表示制御手段134から受け取る指示にしたがい、演出表示装置60における演出内容や遊技効果ランプ90の点滅過程に沿って、可動役物140を演出的に動作させる。
【0054】
ここで、本実施形態に係るぱちんこ遊技機10は、ミッション演出を実行することが可能となっている。ミッション演出とは、ミッションを提示することにより、指定期間内にそのミッションを達成するよう遊技者に指令する演出をいう。ミッションとは、例えば、「5回転以内に5を止めろ!」、「3分以内に7でリーチをかけろ!」など、指定期間内に特定の演出が実行されることを内容とする条件をいう。「指定期間」には、例えば「5回転以内に」など、ミッションが提示された後、装飾図柄190の回転数が所定数に達するまでの期間や、例えば「3分以内に」など、ミッションが提示された後所定時間が経過するまでの期間が含まれる。ミッションは、達成することで特別遊技が実行される可能性の増大に繋がることを示唆する条件として利用される。
【0055】
パターン記憶手段130は、ミッション演出を演出表示装置60に表示させるためのミッション演出パターンを複数保持する。演出決定手段132は、新たに抽選を実施することによりミッション演出を実行するか否かを決定する。演出表示制御手段134は、選択されたミッション演出パターンにしたがって演出表示装置60にミッション演出を表示させる。
【0056】
さらに、本実施形態に係るパターン記憶手段130は、第1ミッション演出を演出表示装置60に表示させる第1ミッション演出パターン、および第2ミッション演出を演出表示装置60に表示させる第2ミッション演出パターンを保持する。第1ミッション演出とは第1ミッションが提示されるミッション演出をいい、第2ミッション演出とは第2ミッションが提示されるミッション演出をいう。第1ミッションは、達成することで第2ミッション演出が演出表示装置60に表示されることを示唆する条件として利用され、第2ミッションは、達成することで第1特別遊技が実行されることを示唆する条件として利用される。
【0057】
図4(a)は、第1ミッション演出において最初に演出表示装置60に表示される一例を示す図である。第1ミッション演出パターンが選択された場合、演出表示制御手段134は、第1ミッション演出として、遊技者に第1ミッション演出であることを示すための「第1ミッション」の文字と共に第1ミッションの内容を示す文字を演出表示装置60に表示させる。図4(a)に示す例では、第1ミッションの内容を示すものとして、指定期間を示す「5回転以内に」の文字、および演出に関する条件を示す「1を止めろ!」の文字を表示させている。
【0058】
図4(b)は、図4(a)のように表示された直後における演出表示装置60の表示態様を示す図である。演出表示制御手段134は、図4(a)のように表示させた後、まず「第1ミッション」の文字を演出表示装置60から消去する。次に演出表示制御手段134は、指定期間である5回転から1回転分を減算して、残りの期間を示す「残り4回転」の文字を演出表示装置60に表示させ、その下に「1をとめろ!」の文字を表示させて装飾図柄190の変動を開始させる。
【0059】
図5(a)は、第1ミッション演出の表示中に第1ミッションを達成させるように装飾図柄190を停止表示させた一例を示す図である。この例では、第1ミッションが「1をとめろ!」であることから、右の装飾図柄190を1で停止させている。図5(b)は、図5(a)のように表示された直後における演出表示装置60の表示態様を示す図である。演出表示制御手段134は、第1ミッションを達成させるように装飾図柄190を停止表示させた後、指定期間を示す文字、および演出に関する条件を示す文字を演出表示装置60から消去し、新たに「ミッション達成!」の文字を演出表示装置60に表示させる。なお、演出表示制御手段134は、いずれかの装飾図柄190をミッションを達成させるように停止表示させたとき、3つすべての装飾図柄190を停止表示させる前であっても、「ミッション達成!」の文字を演出表示装置60に表示させる。例えばミッションの内容が装飾図柄190に関するものではなく、装飾図柄190の変動中に表示される画像、すなわち予告演出に関するものであった場合、演出表示制御手段134は、演出表示装置60にミッションを達成させる予告演出が表示された直後に「ミッション達成!」の文字を演出表示装置60に表示させる。ここで、予告演出とは、図柄変動と合わせて、変動する図柄が重ねられるように表示される特定の演出を演出表示装置60に表示させることにより、大当たりの可能性の変化を遊技者に示唆する演出をいう。このようにミッションを達成させる演出内容が表示された直後にミッション達成を示す内容を演出表示装置60に表示させることにより、当否抽選が当たりであったことを遊技者に迅速に報知することができる。
【0060】
図6(a)は、図5(b)のように表示された直後に演出表示装置60に表示される第2ミッション演出の最初の表示態様の一例を示す図である。演出表示制御手段134は、第2ミッション演出として、遊技者に第2ミッション演出であることを示すための「第2ミッション」の文字と共に第2ミッションの内容を示す文字を演出表示装置60に表示させる。図6(a)に示す例では、第2ミッションの内容を示すものとして、指定期間を示す「3分以内に」の文字、および演出に関する条件を示す「3でリーチをかけろ!」の文字を表示させている。
【0061】
図6(b)は、図6(a)のように表示された直後における演出表示装置60の表示態様を示す図である。演出表示制御手段134は、図6(a)のように表示させた後、まず「第2ミッション」の文字を演出表示装置60から消去する。次に演出表示制御手段134は、指定期間である3分から1秒毎に減算した時間を示す文字を演出表示装置60に表示させ、その下に「3でリーチをかけろ!」の文字を表示させて装飾図柄190の変動を開始させる。この場合においても、演出表示制御手段134は、左右2つの装飾図柄190をミッションを達成させるようにリーチ状態として停止表示させたとき、中央の装飾図柄190を停止表示させる前であっても、「ミッション達成!」の文字を演出表示装置60に表示させる。
【0062】
図7(a)は、第2ミッション演出の表示中に第2ミッションを達成させるように装飾図柄190の一部を停止表示させた一例を示す図である。この例では、第2ミッションが「3でリーチをかけろ!」であることから、左右の装飾図柄190を3で停止させて、あと中央の列の装飾図柄190が3で停止すれば大当たりとなるリーチ状態としている。図7(b)は、図7(a)のように表示された後における演出表示装置60の表示態様を示す図である。演出表示制御手段134は、第2ミッションを達成させるように装飾図柄190を停止表示させた後、指定期間を示す文字、および演出に関する条件を示す文字を演出表示装置60から消去し、新たに「ミッション達成!」の文字を演出表示装置60に表示させる。
【0063】
図8は、第1ミッションの具体的な内容を示すテーブルである。パターン記憶手段130は、第1ミッションにおける演出に関する条件として、図8に示すように、「〜でとめろ!」など、装飾図柄190の停止態様に関する条件や、「雨を降らせろ!」など、装飾図柄190以外の予告演出に関する条件をデータとして保持している。図8に示すように、本実施形態に係るパターン記憶手段130は、リーチに関する条件を含む第1ミッションを保持していない。
【0064】
図9は、第2ミッションの具体的な内容を示すテーブルである。パターン記憶手段130は、第2ミッションのうち指定期間以外の演出に関する条件として、例えば「1でリーチをかけろ!」など、リーチ状態における装飾図柄190の停止態様に関する条件や、例えばスーパーリーチにおいて、「キャラクタAを出せ!」など、スーパーリーチ状態において表示される演出に関する条件を保持している。ここで、スーパーリーチとは、左右の装飾図柄190を停止させてリーチ状態とした後、すぐに残りの中央の装飾図柄190を停止させるのではなく、中央の装飾図柄190を変動させたまま所定の演出を演出表示装置60に表示させた後、中央の装飾図柄190を停止させる演出をいう。図9に示すように、本実施形態に係るパターン記憶手段130は、リーチに関する条件を含む第2ミッションを保持している。
【0065】
このように、第1ミッションと第2ミッションとは異なるものとなっている。これによって遊技者は、提示されたミッションを見ることにより、第1ミッションか第2ミッションかを容易に判別することができる。さらに、第2ミッションがリーチに関する条件を含むものとなっているため、第2ミッションを達成させることにより、そのまま装飾図柄190を当たり態様で停止させることができ、遊技を円滑に進行させることができる。
【0066】
図10は、ぱちんこ遊技機における基本的な動作過程を示すフローチャートである。まず、遊技球が始動口62、一般入賞口72、大入賞口66などへ入賞した場合や、遊技球が作動口68を通過した場合の処理を実行し(S10)、特別遊技中でなければ(S12のN)、当否抽選などの通常遊技の制御処理を実行し(S14)、特別遊技中であれば(S12のY)、特別遊技の制御処理を実行し(S16)、S10からS16までの処理における各種入賞に応じた賞球払出を処理する(S18)。
【0067】
図11は、図10におけるS14の通常遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。通常遊技制御処理において、当否抽選値の保留がなされている場合であって(S30のY)、図柄変動が表示中でなければ(S32のN)、当否抽選手段112が当否判定処理を実行する(S34)。その判定結果に応じてメイン表示制御手段118が変動表示を開始するとともに、変動開始コマンドを演出表示制御手段134へ送信し、これを受信した演出表示制御手段134が変動パターンデータにしたがって演出画像の変動表示を開始する(S36)。S30において当否抽選値が保留されていなかった場合は(S30のN)、S32からS36までの処理がスキップされ、S32において図柄変動が表示中であった場合は(S32のY)、S34およびS36の処理がスキップされる。続いて、図柄変動表示がすでに開始されていれば(S38のY)、図柄変動表示処理を実行し(S40)、図柄変動表示が開始されていないときは(S38のN)、S40をスキップする。
【0068】
なお、S40において、演出表示制御手段134は、ミッション演出を表示させることが決定されている場合、演出決定手段132によって選択されたミッション演出パターンにしたがってミッション演出の内容を演出表示装置60に表示させる。このとき演出表示制御手段134は、第1ミッション演出パターンが選択されている場合、第1ミッション演出の内容を表示させると共に、第1ミッション演出フラグをオンに設定する。また、演出表示制御手段134は、第2ミッション演出パターンが選択されている場合、第2ミッション演出の内容を表示させると共に、第2ミッション演出フラグをオンに設定する。演出表示制御手段134はミッション演出の表示を終了するとき、オンにされていたこれらのフラグをオフに設定する。
【0069】
ここで、演出表示制御手段134は、第1ミッション演出または第2ミッション演出を演出表示装置60に表示させる場合、指定期間のうち残りの期間を算出し、算出した残りの期間を表示させる。例えば、指定期間として「3分以内」など時間によって指定期間が特定される場合、演出表示制御手段134は、1秒毎に残り時間を減数して演出表示装置60に表示する。また、例えば指定期間として「5回転以内」など装飾図柄190の変動回数によって指定期間が特定される場合、演出表示制御手段134は、装飾図柄190の変動を開始するたびに回転数を限定する数字を減数して演出表示装置60に表示させる。指定期間が終了すると、演出表示制御手段134は、例えば「残念」などと表示した後、表示されていた第1ミッション演出または第2ミッション演出を消去する。
【0070】
また、演出表示制御手段134は、第1ミッションを達成させる演出を表示した後に第2ミッションを表示させる場合、特別図柄192および装飾図柄190の変動が終了してから次の変動が開始されるまでの間に第2ミッションを表示させる。ここで、当否抽選の結果が突然確変または小当たりを示した場合に第1ミッションを達成させる演出が表示される。このため、第1ミッションを達成する演出を実施して特別図柄192および装飾図柄190の変動が終了してから、第2特別遊技を実行後、次の変動が開始される。この第2特別遊技では、大入賞口を開放する単位遊技が2回繰り返され、その後、所定のデモ演出の演出内容が演出表示装置60に表示される。演出表示制御手段134は、このデモ演出が実施されている時間に、第2ミッションを提示する第2ミッション演出を実施する。
【0071】
図12は、図11におけるS34の当否判定処理を詳細に示すフローチャートである。まず、当否抽選手段112が当否抽選値を読み出して(S100)、その当否抽選値に基づいて当否を判定する(S102)。図柄決定手段114は、当否判定結果に基づいて特別図柄の停止図柄を決定し(S104)、特別図柄の変動パターンを選択する(S106)。メイン基板102は、当否判定結果を示す当否情報および特別図柄の変動パターンを示す変動パターン識別情報をサブ基板104に送信する。
【0072】
演出表示制御手段134は、第1ミッション演出を表示しているときは第1ミッション演出フラグをオンに設定し、第2ミッション演出を表示しているときは第2ミッションフラグをオンに設定している。当否情報および変動パターン識別情報を受信すると、演出決定手段132は、第1ミッション演出フラグがオンに設定されているか否かを判定することにより、第1ミッション演出が表示されているか否かを判定する(S108)。第1ミッション演出が表示されている場合(S108のY)、演出決定手段132は、受信した変動パターン識別情報が示す特別図柄192の変動時間と、指定期間のうち残っている期間とを比較することにより、指定期間の終了前に特別図柄192が変動を終了するか否かを判定する(S109)。指定期間の終了前に特別図柄192が変動を終了する場合(S109のY)、演出決定手段132は、第1演出決定処理を実行する(S110)。第1ミッション演出が表示されているが、指定期間の終了前に特別図柄192の変動が終了しない場合(S109のN)、演出決定手段132は、第4演出決定処理を実施する(S118)。
【0073】
第1ミッション演出が表示されていない場合(S108のN)、演出決定手段132は、第2ミッション演出フラグがオンに設定されているか否かを判定することにより、第2ミッション演出が表示されているか否かを判定する(S112)。第2ミッション演出が表示されている場合(S112のY)、演出決定手段132は、受信した変動パターン識別情報と、指定期間のうち残っている期間とを比較することにより、指定期間の終了前に特別図柄192が変動を終了するか否かを判定する(S113)。指定期間の終了前に特別図柄192が変動を終了する場合(S113のY)、演出決定手段132は、第2演出決定処理を実行する(S114)。第2ミッション演出が表示されているが、指定期間の終了前に特別図柄192の変動が終了しない場合(S113のN)、演出決定手段132は、第4演出決定処理を実施する(S118)。第1ミッション演出も第2ミッション演出も表示されていない場合(S112のN)、演出決定手段132は、第3演出決定処理を実行する(S116)。
【0074】
図13は、図12におけるS110を詳細に示すフローチャートである。演出決定手段132は、受信した当否情報を利用して、読み出した当否抽選値が第1範囲内の値か否かを判定する(S120)。第1範囲内の値の場合(S120のY)、演出決定手段132は、確変標準当たりを示す装飾図柄190の停止態様を決定する(S122)。演出表示制御手段134は、第1ミッション演出または第2ミッション演出を表示させているとき、表示されているミッションの内容を識別するためのミッション識別情報をRAMに格納している。第1ミッションは、達成することにより第2ミッションが提示されることを示唆するものであり、第1特別遊技が実行されることを示唆するものではないため、第1特別遊技が実行される確変標準当たりの場合は第1ミッションを未達とする必要がある。このため演出決定手段132は、格納されたミッション識別情報を利用して、表示されている第1ミッションが装飾図柄190の停止態様に関するものか否かを判定し、装飾図柄190の停止態様に関するものである場合、装飾図柄190の停止態様を、表示されている第1ミッションを達成させないものに決定する。
【0075】
装飾図柄190の停止態様が決定されると、演出決定手段132は、受信した変動パターン識別情報を利用して、特別図柄の変動時間と同様の変動時間を有する変動パターンをパターン記憶手段130に保持された変動パターンの中から選択する。このとき、格納されたミッション識別情報が示すミッションが、装飾図柄190の停止態様に関するものではなく予告演出に関するものである場合、演出決定手段132は、パターン記憶手段130に格納された変動パターンの中から第1ミッションを達成させない変動パターンを選択する(S124)。
【0076】
読み出した当否抽選値が第1範囲内の値でない場合(S120のN)、演出決定手段132は、受信した当否情報を利用して、読み出した当否抽選値が第2範囲内の値か否かを判定する(S126)。第2範囲内の値の場合(S126のY)、演出決定手段132は、確変なし当たりを示す装飾図柄190の停止態様を決定する(S128)。このとき、確変なし当たりの場合も第1特別遊技が実行されることから第1ミッションを未達とする必要がある。このため演出決定手段132は、表示されている第1ミッションが装飾図柄190の停止態様に関するものである場合、装飾図柄190の停止態様を、表示されている第1ミッションを達成させないものに決定する。装飾図柄190の停止態様が決定されると、S124に移行する。
【0077】
読み出した当否抽選値が第2範囲内の値でない場合(S126のN)、演出決定手段132は、受信した当否情報を利用して、読み出した当否抽選値が第3範囲内の値か否かを判定する(S130)。第3範囲内の値の場合(S130のY)、演出決定手段132は、突然確変を示す装飾図柄190の停止態様を決定する(S132)。このとき、表示されている第1ミッションが装飾図柄190の停止態様に関するものである場合、演出決定手段132は、装飾図柄190の停止態様を、表示されている第1ミッションを達成させるものに決定する。
【0078】
装飾図柄190の停止態様が決定されると、演出決定手段132は、受信した変動パターン識別情報を利用して、特別図柄の変動時間と同様の変動時間を有する変動パターンをパターン記憶手段130に保持された変動パターンの中から選択する。このとき、格納されたミッション識別情報が示すミッションが、装飾図柄190の停止態様に関するものではなく予告演出に関するものである場合、演出決定手段132は、パターン記憶手段130に格納された変動パターンの中から第1ミッションを達成させる演出を実行する変動パターンを選択する(S134)。このように、突然確変時に第1ミッションを達成させることにより、その直後に第2ミッションを表示させるときには当否抽選にて当たりとなる確率を高くすることができる。このため、第1ミッションが達成されるか否かを注目することにより、第1特別遊技に移行する可能性が増大するか否かを楽しむことができる。
【0079】
本実施形態では、第1ミッションを達成させる演出を実施した後には、第2ミッション演出を表示させる。このため、第1ミッションを達成させる演出を実行する変動パターンを選択すると、演出決定手段132は、パターン記憶手段130に格納された複数の第2ミッション演出パターンから、第1ミッションを達成させる演出を実施した直後に第2ミッション演出を表示させるための第2ミッション演出パターンを選択する(S136)。
【0080】
読み出した当否抽選値が第3範囲内の値でない場合(S130のN)、演出決定手段132は、受信した当否情報を利用して、読み出した当否抽選値が第4範囲内の値か否かを判定する(S138)。第4範囲内の値の場合(S138のY)、演出決定手段132は、小当たりを示す装飾図柄190の停止態様を決定する(S140)。このとき、表示されている第1ミッションが装飾図柄190の停止態様に関するものである場合、演出決定手段132は、装飾図柄190の停止態様を、表示されている第1ミッションを達成させるものに決定する。装飾図柄190の停止態様が決定されると、S134に移行する。このように、小当たり時に第1ミッションを達成させることにより、第2ミッションが達成される確率を、突然確変時の当たりとなる確率よりも低くすることができる。さらに小当たりとなる確率を調整することにより、第2ミッションが達成される確率を高い自由度で設定することが可能となる。
【0081】
読み出した当否抽選値が第4範囲内の値でない場合(S138のN)、演出決定手段132は、外れを示す装飾図柄190の停止態様を決定する(S142)。このとき、表示されている第1ミッションが装飾図柄190の停止態様に関するものである場合、演出決定手段132は、装飾図柄190の停止態様を、表示されている第1ミッションを達成させないものに決定する。装飾図柄190の停止態様が決定されると、S124に移行する。
【0082】
図14は、図12におけるS114を詳細に示すフローチャートである。演出決定手段132は、受信した当否情報を利用して、読み出した当否抽選値が第1範囲内の値か否かを判定する(S160)。第1範囲内の値の場合、(S160のY)、演出決定手段132は、確変標準当たりを示す装飾図柄190の停止態様を決定する(S162)。ここで、第2ミッションは達成することにより第1特別遊技が実行されることを示唆するものであるため、第1特別遊技が実行される確変標準当たりの場合は、表示されている第2ミッションを達成させる必要がある。このため演出決定手段132は、格納されたミッション識別情報を利用して、表示されている第2ミッションが装飾図柄190の停止態様に関するものか否かを判定し、装飾図柄190の停止態様に関するものである場合、装飾図柄190の停止態様を表示されている第2ミッションを達成させるものに決定する。
【0083】
装飾図柄190の停止態様が決定されると、演出決定手段132は、受信した変動パターン識別情報を利用して、特別図柄の変動時間と同様の変動時間を有する変動パターンをパターン記憶手段130に保持された変動パターンの中から選択する。このとき、格納されたミッション識別情報が示すミッションが、装飾図柄190の停止態様に関するものではなく予告演出に関するものである場合、演出決定手段132は、パターン記憶手段130に格納された変動パターンの中から第2ミッションを達成させる演出を実行する変動パターンを選択する(S164)。
【0084】
読み出した当否抽選値が第1範囲内の値でない場合(S160のN)、演出決定手段132は、受信した当否情報を利用して、読み出した当否抽選値が第2範囲内の値か否かを判定する(S166)。第2範囲内の値の場合(S166のY)、演出決定手段132は、確変なし当たりを示す装飾図柄190の停止態様を決定する(S168)。このとき、確変なし当たりとなった場合も第1特別遊技が実行されるため、表示されている第2ミッションを達成させる必要がある。このため演出決定手段132は、表示されている第2ミッションが装飾図柄190の停止態様に関するものである場合、装飾図柄190の停止態様を、表示されている第2ミッションを達成させるものに決定する。装飾図柄190の停止態様が決定されると、S164に移行する。
【0085】
読み出した当否抽選値が第2範囲内の値でない場合(S166のN)、演出決定手段132は、受信した当否情報を利用して、読み出した当否抽選値が第3範囲内の値か否かを判定する(S170)。第3範囲内の値の場合(S170のY)、演出決定手段132は、突然確変を示す装飾図柄190の停止態様を決定する(S172)。このとき、突然確変は第1特別遊技が実行されないため表示されている第2ミッションを未達とする必要がある。このため演出決定手段132は、表示されている第2ミッションが装飾図柄190の停止態様に関するものである場合、装飾図柄190の停止態様を、表示されている第2ミッションを達成させないものに決定する。なお、本実施形態では、異なる第2ミッションが連続して表示されることを回避すべく、当否抽選の結果が突然確変を示す場合でも、第2ミッションが表示されているときは第2ミッション演出パターンを選択しないこととしている。
【0086】
装飾図柄190の停止態様が決定されると、演出決定手段132は、受信した変動パターン識別情報を利用して、特別図柄の変動時間と同様の変動時間を有する変動パターンをパターン記憶手段130に保持された変動パターンの中から選択する。このとき、格納されたミッション識別情報が示すミッションが、装飾図柄190の停止態様に関するものではなく予告演出に関するものである場合、演出決定手段132は、パターン記憶手段130に格納された変動パターンの中から第2ミッションを達成させない変動パターンを選択する(S174)。
【0087】
読み出した当否抽選値が第3範囲内の値でない場合(S170のN)、演出決定手段132は、外れを示す装飾図柄190の停止態様を決定する(S176)。なお、当否抽選値が当否抽選値が第4範囲内の値であった場合、演出決定手段132は小当たりを示す装飾図柄190の停止態様を決定する。このとき、表示されている第2ミッションが装飾図柄190の停止態様に関するものである場合、演出決定手段132は、装飾図柄190の停止態様を、表示されている第2ミッションを達成させないものに決定する。装飾図柄190の停止態様が決定されると、S174に移行する。本実施形態では、異なる第2ミッションが連続して表示されることを回避すべく、当否抽選の結果が小当たりを示す場合でも、第2ミッションが表示されているときは第2ミッション演出パターンを選択しないこととしている。このため、この場合当否抽選の結果が小当たりでも他の外れと同様の処理としている。
【0088】
図15は、図12におけるS116を詳細に示すフローチャートである。演出決定手段132は、受信した当否情報を利用して、読み出した当否抽選値が第1範囲内の値か否かを判定する(S200)。第1範囲内の値の場合、(S200のY)、演出決定手段132は、通常通り確変標準当たりを示す装飾図柄190の停止態様を決定し(S202)、通常通り変動パターンを選択する(S204)。第1範囲内の値でない場合(S200のN)、演出決定手段132は、受信した当否情報を利用して、読み出した当否抽選値が第2範囲内の値か否かを判定する(S206)。第2範囲内の値の場合(S206のY)、演出決定手段132は、通常通り確変なし当たりを示す装飾図柄190の停止態様を決定し(S208)、S204に移行する。
【0089】
読み出した当否抽選値が第2範囲内の値でない場合(S206のN)、演出決定手段132は、受信した当否情報を利用して、読み出した当否抽選値が第3範囲内または第4範囲内の値か否かを判定する(S210)。第3範囲内または第4範囲内の値の場合(S210のY)、演出決定手段132は、新たに第1ミッション抽選を実施することにより第1ミッション演出を表示させるか否かを判定する(S212)。第1ミッション演出を表示させない場合(S212のN)、演出決定手段132は通常通り、当否抽選の結果が突然確変を示す場合は突然確変を示す装飾図柄190の停止態様を決定し、小当たりを示す場合は小当たりを示す装飾図柄190の停止態様を決定する(S222)、S204に移行する。第1ミッション演出を表示させる場合(S212のY)、演出決定手段132は、第1ミッション抽選の結果を利用して、パターン記憶手段130に保持された複数の第1ミッション演出パターンの中から第1ミッション演出パターンを選択する(S214)。
【0090】
第1ミッション演出パターンを選択すると、演出決定手段132は、当否抽選の結果が突然確変を示す場合は突然確変を示す装飾図柄190の停止態様を決定し、小当たりを示す場合は小当たりを示す装飾図柄190の停止態様を決定する(S216)。このとき、突然確変または小当たりであることから、選択された第1ミッション演出パターンにて提示される第1ミッションを達成とさせる必要がある。このため演出決定手段132は、選択された第1ミッション演出パターンにて提示される第1ミッションが装飾図柄190の停止態様に関するものである場合、装飾図柄190の停止態様を、表示されている第1ミッションを達成させるものに決定する。
【0091】
このとき、選択された第1ミッション演出パターンにて提示される第1ミッションが装飾図柄190の停止態様に関するものではなく予告演出に関するものである場合、演出決定手段132は、パターン記憶手段130に格納された変動パターンの中から第1ミッションを達成させる変動パターンを選択する(S218)。
【0092】
上述のように、本実施形態では、第1ミッションを達成させる演出を実施した後には、第2ミッション演出を表示させる。このため、第1ミッションを達成させる演出を実行する変動パターンを選択すると、演出決定手段132は、パターン記憶手段130に格納された複数の第2ミッション演出パターンから、第1ミッションを達成させる演出を実施した直後に第2ミッション演出を表示させるための第2ミッション演出パターンを選択する(S220)。
【0093】
読み出した当否抽選値が第3範囲内または第4範囲内の値でない場合(S210のN)、演出決定手段132は、新たに第1ミッション抽選を実施することにより第1ミッション演出を表示させるか否かを判定する(S224)。第1ミッション演出を表示させない場合(S224のN)、通常通り外れを示す装飾図柄190の停止態様を決定し(S232)、S204に移行する。第1ミッション演出を表示させる場合(S224のY)、演出決定手段132は、第1ミッション抽選の結果を利用して、パターン記憶手段130に保持された複数の第1ミッション演出パターンの中から第1ミッション演出パターンを選択する(S226)。
【0094】
第1ミッション演出パターンを選択すると、演出決定手段132は、外れを示す装飾図柄190の停止態様を決定する(S228)。このとき、当否抽選の結果は外れであることから、選択された第1ミッション演出パターンにて提示される第1ミッションを未達とする必要がある。このため演出決定手段132は、選択された第1ミッション演出パターンにて提示される第1ミッションが装飾図柄190の停止態様に関するものである場合、装飾図柄190の停止態様を、表示されている第1ミッションを達成させないものに決定する。
【0095】
次に演出決定手段132は、第1ミッション抽選の結果を利用して、パターン記憶手段130に保持された複数の第1ミッション演出パターンの中から第1ミッション演出パターンを選択する。このとき、選択された第1ミッション演出パターンにて提示される第1ミッションが装飾図柄190の停止態様に関するものではなく予告演出に関するものである場合、演出決定手段132は、パターン記憶手段130に格納された変動パターンの中から第1ミッションを達成させない変動パターンを選択する(S230)。
【0096】
図16は、図12におけるS118を詳細に示すフローチャートである。演出決定手段132は、当否抽選の結果に応じて装飾図柄190の停止態様を決定する(S250)。このとき、指定期間の終了前に表示されている第1ミッションまたは第2ミッションを達成させる演出を実施することは困難であることから、演出決定手段132は、表示されている第1ミッションまたは第2ミッションが装飾図柄190の停止態様に関するものである場合、装飾図柄190の停止態様を、表示されている第1ミッションまたは第2ミッションを達成させないものに決定する。
【0097】
次に演出決定手段132は、受信した変動パターン識別情報を利用して、特別図柄の変動時間と同様の変動時間を有する変動パターンをパターン記憶手段130に保持された変動パターンの中から選択する。このとき、格納されたミッション識別情報が示すミッションが、装飾図柄190の停止態様に関するものではなく予告演出に関するものである場合、演出決定手段132は、パターン記憶手段130に格納された変動パターンの中から、表示されている第1ミッションまたは第2ミッションを達成させない変動パターンを選択する(S252)。
【0098】
図17は、図10におけるS16を詳細に示すフローチャートである。まず、大入賞口66が開放済でなければ(S70のN)、演出表示制御手段134が特別遊技の演出処理を開始し(S72)、開閉制御手段124が大入賞口66を開放する(S74)。大入賞口66が開放済であればS72およびS74をスキップする(S70のY)。大入賞口66が開放されてから所定の開放時間が経過した場合(S76のY)、または、開放時間が経過していないものの(S76のN)、大入賞口66へ遊技球が9球以上入球した場合(S78のY)、開閉制御手段124が大入賞口66を閉鎖させる(S80)。開放時間が経過しておらず(S76のN)、大入賞口66への入球数も9球以上に達していない場合は(S78のN)、S80以降の処理をスキップしてS16のフローを終了する。
【0099】
S80における大入賞口66の閉鎖後、単位遊技のラウンド数が15に達していた場合(S82のY)、演出表示制御手段134は特別遊技の演出処理を終了させ(S84)、特別遊技制御手段120は特別遊技を終了させる(S86)。ラウンド数が15に達していなければ(S82のN)、ラウンド数に1を加算してS16のフローを終了する(S90)。
【0100】
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例はあくまで例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【符号の説明】
【0101】
10 ぱちんこ遊技機、 50 遊技盤、 52 遊技領域、 60 演出表示装置、 61 特別図柄表示装置、 62 始動口、 90 遊技効果ランプ、 100 遊技制御装置、 112 当否抽選手段、 114 図柄決定手段、 118 メイン表示制御手段、 120 特別遊技制御手段、 122 特定遊技実行手段、 123 特殊遊技制御手段、 130 パターン記憶手段、 132 演出決定手段、 134 演出表示制御手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球が入球可能な始動口と、
前記始動口へ遊技球が入球したことを契機として、当否抽選を実行する当否抽選手段と、
前記遊技領域の所定位置に設けられる開放可能な大入賞口と、
前記当否抽選の結果が当たりであったときに、前記大入賞口を開放させる特別遊技を実行する特別遊技制御手段であって、前記当否抽選の結果が第1の当たりであったときに、所定の開放回数で前記大入賞口を開放させる第1特別遊技を前記特別遊技として実行し、前記当否抽選の結果が第2の当たりであったときに、前記特別遊技を実行させたことを遊技者に気づきにくくするように前記第1特別遊技よりも短い開放時間且つ少ない開放回数で前記大入賞口を開放させる第2特別遊技を前記特別遊技として実行する特別遊技制御手段と、
前記当否抽選の結果を示す図柄の変動表示を含む演出が実行される演出実行装置と、
前記始動口への入球を契機に、図柄の変動表示を含む演出が実行される変動パターンを決定すると共に、満たすことで前記特別遊技が実行される可能性の増大に繋がることを示唆する条件であって、指定期間内に特定の演出が実行されることを内容とする条件を提示することにより、前記指定期間内にその条件を満たすよう遊技者に指令する演出であるミッション演出を実行するか否かを、所定の基準により決定する演出決定手段と、
決定された前記変動パターンにしたがって演出を実行し、および実行させることが決定された前記ミッション演出を前記演出実行装置において実行させる演出実行手段と、
前記特別遊技の実行終了後、所定の移行条件を満たす場合に、前記当否抽選にて当たりとなる確率が通常よりも高確率の状態となる確率変動状態へ移行させる特定遊技制御手段と、
前記当否抽選が当たり以外の所定の結果であったときに、前記第2特別遊技と同様の開放時間および開放回数で前記大入賞口を開放させる特殊遊技を実行する特殊遊技制御手段と、
を備え、
前記特定遊技制御手段は、前記第2特別遊技の実行終了後は前記確率変動状態へ移行させ、前記特殊遊技の実行終了後は前記当否抽選にて当たりとなる確率を維持し、
前記演出実行手段は、
前記ミッション演出として、第1の指定期間内に第1の条件を満たすことを遊技者に指令する第1のミッション演出を実行させた場合であって、前記第1の指定期間内における前記当否抽選の結果が前記第2の当たりまたは前記所定の結果であったとき、前記第1の条件を満たす演出を実行させた後、当該変動における前記当否抽選の結果を示す図柄の変動が終了してから次の当否抽選の結果を示す図柄の変動が開始されるまでの間に、第2の指定期間内に第2の条件を満たすことを遊技者に指令する第2のミッション演出を実行し、
前記第2のミッション演出を実行させた場合であって、前記第2の指定期間内に前記当否抽選の結果が第1の当たりとなったときには、前記第2の条件を満たす演出を実行した後に当たりを示す態様で図柄を停止表示させることを特徴とする弾球遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−210454(P2012−210454A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−149377(P2012−149377)
【出願日】平成24年7月3日(2012.7.3)
【分割の表示】特願2007−256368(P2007−256368)の分割
【原出願日】平成19年9月28日(2007.9.28)
【出願人】(390031783)サミー株式会社 (5,279)
【Fターム(参考)】