弾球遊技機
【課題】先読み判定における乱数読み出し処理を簡素化することが可能な弾球遊技機を提供する。
【解決手段】先入れ先出し式の保留記憶領域55bと、図柄変動開始時に保留記憶領域55b上の待ち行列の先頭に記憶されている乱数情報の判定を行う変動開始時判定手段65と、この変動開始時判定手段65による判定よりも前に乱数情報の判定を行う先読み判定処理手段63bとを備え、図柄始動条件が成立することに基づいて、図柄始動条件の成立時に取得された大当たり判定用乱数値を乱数値記憶領域55aに格納する乱数取得処理を含む乱数管理処理を実行し、図柄始動条件が成立することに基づいて、乱数値記憶領域55a上の乱数情報を保留記憶領域55bの最後尾に記憶させる乱数記憶処理と、乱数値記憶領域55a上の乱数情報を用いて先読み判定処理手段63bによる判定を行う先読み判定処理とを含む始動入賞処理を実行するように構成されているものである。
【解決手段】先入れ先出し式の保留記憶領域55bと、図柄変動開始時に保留記憶領域55b上の待ち行列の先頭に記憶されている乱数情報の判定を行う変動開始時判定手段65と、この変動開始時判定手段65による判定よりも前に乱数情報の判定を行う先読み判定処理手段63bとを備え、図柄始動条件が成立することに基づいて、図柄始動条件の成立時に取得された大当たり判定用乱数値を乱数値記憶領域55aに格納する乱数取得処理を含む乱数管理処理を実行し、図柄始動条件が成立することに基づいて、乱数値記憶領域55a上の乱数情報を保留記憶領域55bの最後尾に記憶させる乱数記憶処理と、乱数値記憶領域55a上の乱数情報を用いて先読み判定処理手段63bによる判定を行う先読み判定処理とを含む始動入賞処理を実行するように構成されているものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、いわゆる先読み判定結果に基づく演出機能を備えた弾球遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えばパチンコ機では、図柄始動手段への遊技球の入賞等(図柄始動条件の成立)に基づいて、大当たり判定用乱数等の乱数を取得すると共にそれら乱数値を図柄変動に供されるまで所定の保留上限数を限度として記憶し、図柄変動可能な状態となった場合に(変動開始条件の成立)、記憶されていた大当たり判定用乱数値が大当たり判定値と一致するか否かの大当たり判定、その他の乱数判定を行うと共にその判定結果に基づいて図柄変動を行い、その図柄変動後の停止図柄が大当たり態様(特定態様)となることに基づいて大入賞手段の開放等の利益状態を発生させるものが主流である。
【0003】
またこの種の弾球遊技機では、保留記憶された乱数値を、例えばそれらが取得された直後(図柄始動手段への入賞直後)に先読み判定し、その先読み判定結果に基づいて図柄変動結果を予告する予告演出を行う先読み演出機能を備えたものも多い(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−136047号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図柄始動手段への入賞時に取得された乱数値は、保留上限数分の記憶領域を有するキューに格納され、先入れ先出しにより図柄変動に供されるようになっている。これにより、新たに記憶される乱数値の記憶位置はその時点の保留個数等によって相違するため、先読み判定を行う際には、その時点の保留個数等に応じて乱数値の読み出し位置を決定する必要があり、処理が複雑になる問題があった。
【0006】
本発明は、このような従来の問題点に鑑み、いわゆる先読み判定における乱数読み出し処理を簡素化することが可能な弾球遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、所定の図柄始動条件が成立することに基づいて取得される一又は複数種類の乱数値よりなる乱数情報を所定の保留上限数分記憶可能な先入れ先出し式の保留記憶領域55bと、所定の変動開始条件が成立することに基づいて、前記保留記憶領域55b上の待ち行列の先頭の前記乱数情報に含まれる第1乱数値が所定の第1判定値と一致するか否かを判定する変動開始時判定手段65と、前記変動開始条件が成立することに基づいて図柄の変動表示を開始し、前記変動開始時判定手段65によって前記第1乱数値が前記第1判定値と一致すると判定された場合には特定態様で、それ以外の場合には前記特定態様とは異なる所定態様で前記図柄変動を停止する図柄表示手段23a,23bと、前記図柄表示手段23a,23bによる図柄変動後の停止図柄が前記特定態様となることに基づいて利益状態を発生させる利益状態発生手段45と、前記変動開始時判定手段65による判定よりも前の所定のタイミングで、前記第1乱数値が前記第1判定値と一致するか否かを判定する先読み判定処理手段63bと、前記先読み判定処理手段63bによる判定結果に基づく演出を制御する予告演出制御手段75とを備えた弾球遊技機において、一組の前記乱数情報を記憶可能な乱数値記憶領域55aを備え、前記図柄始動条件が成立することに基づいて、前記図柄始動条件の成立時に取得された前記第1乱数値を前記乱数値記憶領域55aの第1領域に格納する乱数取得処理を含む乱数管理処理を実行し、前記図柄始動条件が成立し且つ前記保留記憶領域55bに記憶されている前記乱数情報の数が前記保留上限数未満であることに基づいて、前記乱数値記憶領域55aに記憶されている前記乱数情報を前記保留記憶領域55b上の待ち行列の最後尾に記憶させる乱数記憶処理と、前記乱数値記憶領域55aに記憶されている前記乱数情報を用いて前記先読み判定処理手段63bによる判定を行う先読み判定処理とを含む始動入賞処理を実行するように構成されているものである。
【0008】
また、前記乱数情報は第2乱数値を含み、前記乱数管理処理は、前記乱数値記憶領域55aの第2領域に記憶されている前記第2乱数値を更新する乱数更新処理を含み、前記先読み判定処理手段63bは前記第2領域に記憶されている前記第2乱数値に基づいて前記停止図柄の種類に関する判定を行うように構成してもよい。また、前記乱数管理処理と前記始動入賞処理とは、所定時間毎にその順序で実行するように構成してもよい。
【0009】
前記乱数取得処理では、前記保留記憶領域55bに記憶されている前記乱数情報の数に拘わらず前記第1乱数値を前記第1領域に上書きにより記憶させるように構成してもよい。
【0010】
また、一組の前記乱数情報を記憶可能な変動用記憶領域55cを備え、前記変動開始条件が成立することに基づいて、前記変動開始時判定手段65による判定処理に先立って、前記保留記憶領域55b上の待ち行列の先頭の前記乱数情報を前記変動用記憶領域55cに格納すると共に、その他の乱数情報を待ち行列の前側にシフトする乱数シフト処理を実行するように構成され、前記変動用記憶領域55cに記憶されている前記乱数情報に基づいて前記変動開始時判定手段65による判定処理を実行するように構成してもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、先読み判定処理を行う際に保留個数に応じて乱数値の読み出し位置を決定する必要がなく、常に一定の記憶領域から先読み判定用の乱数値を読み出すことができ、先読み判定処理における乱数読み出し処理が簡素化される利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態を示すパチンコ機における全体斜視図である。
【図2】同パチンコ機における遊技盤の正面図である。
【図3】同パチンコ機における制御系のブロック図である。
【図4】同パチンコ機における特別図柄処理手段の概略構成を示すブロック図である。
【図5】同パチンコ機における特別乱数記憶手段の構成を示す説明図である。
【図6】同パチンコ機における割込み時処理のフローチャートである。
【図7】同パチンコ機における乱数管理処理のフローチャートである。
【図8】同パチンコ機における第1(第2)始動入賞処理のフローチャートである。
【図9】同パチンコ機における特別図柄変動開始処理のフローチャートである。
【図10】同パチンコ機における保留加算コマンドの構成を示す図である。
【図11】同パチンコ機における割込み時処理での各乱数値の格納・読み出し処理の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図11は本発明をパチンコ機に採用した一実施形態を例示している。図1において、遊技機本体1は、矩形状の外枠2と、この外枠2の前側に開閉自在に枢着された前枠3とを備えている。前枠3の前側には、ガラス扉4と前面板5とが上下に配置され、前枠3に開閉自在に枢支されている。
【0014】
前面板5には、その前側に、発射手段(図示省略)に供給するための遊技球を貯留する貯留皿6、発射手段を作動させるための発射ハンドル7等が設けられている。
【0015】
ガラス扉4の後側には、図2に示す遊技盤11が前枠3に対して着脱自在に装着されている。遊技盤11の前面側には、発射手段から発射された遊技球を案内するガイドレール12が環状に装着されると共に、そのガイドレール12の内側の遊技領域13に、センターケース14、普通図柄始動手段15、第1特別図柄始動手段16a、第2特別図柄始動手段16b、大入賞手段17、普通入賞手段18等の各種遊技部品が配置されている。
【0016】
センターケース14は、例えば遊技領域13の略中央に配置されており、発射手段により遊技領域13の上部側に打ち込まれた遊技球はこのセンターケース14の左右何れかを流下するようになっている。このセンターケース14には、左右方向の一方側、例えば左側に向けて開口するワープ入口19と、このワープ入口19に入球した遊技球を左右に転動させた後、例えば左右方向中央の中央落下部20a又はその左右から再び遊技領域13内に落下させるステージ20とが設けられると共に、画像表示手段21、普通図柄表示手段22、第1,第2特別図柄表示手段(図柄表示手段)23a,23b、普通保留個数表示手段24等の各種表示手段が設けられている。画像表示手段21は、例えば液晶式の表示手段であり、演出図柄表示手段25、第1,第2特別保留個数表示手段26a,26b、予告演出表示手段27等を構成している。
【0017】
普通図柄始動手段15は、普通図柄表示手段22による図柄変動を開始させるためのもので、遊技球が通過可能な通過ゲート等により構成されており、例えばセンターケース14の右側に配置されている。
【0018】
普通図柄表示手段22は、普通図柄を変動表示するためのもので、例えば「○」「×」の2種類の普通図柄に対応する2個の発光体(例えばLED)により構成されており、普通図柄始動手段15が遊技球を検出することを条件にそれら2つの発光体が所定時間交互に点滅して、普通図柄始動手段15による遊技球検出時に取得された当たり判定用乱数値が予め定められた当たり判定値と一致する場合には当たり態様に対応する「○」側の発光体が発光した状態で、それ以外の場合には外れ態様に対応する「×」側の発光体が発光した状態で、点滅が終了するようになっている。
【0019】
また、普通図柄表示手段22の変動表示中、又は後述する普通利益状態中に普通図柄始動手段15が遊技球を検出した場合には、その検出時に取得された当たり判定用乱数値が予め定められた保留上限数、例えば4個を限度として記憶されると共に、例えば保留上限個数と同数の発光体よりなる普通保留個数表示手段24がその発光個数により当たり判定用乱数値の記憶個数(以下、普通保留個数)を表示して、その時点での普通保留個数を遊技者に報知するようになっている。
【0020】
第1特別図柄始動手段16aは、第1特別図柄表示手段23aによる図柄変動を開始させるためのもので、開閉手段等を有しない非開閉式入賞手段により構成されており、例えばセンターケース14の下側で且つ中央落下部20aの真下に配置されている。第2特別図柄始動手段16bは、第2特別図柄表示手段23bによる図柄変動を開始させるためのもので、開閉手段28により遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに切り換え可能な開閉式入賞手段により構成されており、例えば普通図柄始動手段15と同じセンターケース14の右側で且つ普通図柄始動手段15よりも下流側に配置されている。この第2特別図柄始動手段16bは、普通図柄表示手段22の変動後の停止図柄が当たり態様となって普通利益状態が発生したときに、開閉手段28が所定時間、所定回数だけ閉状態から開状態に変化するように構成されている。なお、第2特別図柄始動手段16bは閉状態のときにも入賞可能な構成であってもよい。
【0021】
第1,第2特別図柄表示手段(図柄表示手段)23a,23bは、夫々1個又は複数個、例えば各1個の特別図柄を変動表示可能な7セグメント式等の表示手段により構成されており、第1特別図柄表示手段23aは第1特別図柄始動手段16a、第2特別図柄表示手段23bは第2特別図柄始動手段16bに遊技球が入賞し、それら第1,第2特別図柄始動手段16a,16bが遊技球を検出することを条件に第1,第2特別図柄を所定時間変動表示して、それら第1,第2特別図柄始動手段16a,16bへの入賞時に取得された第1,第2大当たり判定用乱数値(第1乱数値)が予め定められた大当たり判定値(第1判定値)と一致する場合には所定の大当たり態様(特定態様)で、それ以外の場合には外れ態様(所定態様)で停止するようになっている。
【0022】
第1,第2特別図柄は、例えば数字図柄等ではなく、それ自体としては特別な意味を持たない線と点の組み合わせ等よりなる複数種類の図柄で構成され、それらの図柄のうちの1又は複数が大当たり態様、それ以外が外れ態様に設定されている。
【0023】
また、第1,第2特別図柄の変動表示中、又は後述する特別利益状態中に第1,第2特別図柄始動手段16a,16bに遊技球が入賞した場合には、その入賞時に取得された大当たり判定用乱数値等が夫々所定の保留上限数、例えば各4個を限度として記憶されると共に、第1,第2特別保留個数表示手段26a,26bが夫々大当たり判定用乱数値の記憶個数(以下、第1,第2特別保留個数)を表示して、その時点での第1,第2特別保留個数を遊技者に報知するようになっている。
【0024】
なお、本実施形態では、特別利益状態中には第1,第2特別図柄表示手段23a,23bの図柄変動を開始しない他、第1,第2特別図柄表示手段23a,23bの何れか一方の図柄変動中には他方の図柄変動を開始せず、両方が同時に変動中となることはないように制御される。更に、本実施形態では、第1,第2特別保留個数が共に1以上である場合には、その保留記憶順に拘わらず、第1特別図柄表示手段23aの図柄変動よりも第2特別図柄表示手段23bの図柄変動を優先して行うように構成されている。
【0025】
演出図柄表示手段25は、例えば第1,第2特別図柄表示手段23a,23bによる第1,第2特別図柄の変動表示と時間的に同調して演出図柄を変動表示するもので、1個又は複数個、例えば左右方向に3個の演出図柄を例えば各種の演出画像と共に画像表示手段21の表示画面21aに変動表示可能に構成されており、第1,第2特別図柄始動手段16a,16bに遊技球が入賞することを条件に、第1,第2特別図柄の変動開始と同時に所定の変動パターンに従って演出図柄の変動を開始すると共に、第1,第2特別図柄の変動停止と同時に最終停止するように、演出図柄を左、右、中等の所定の順序で停止させるようになっている。
【0026】
演出図柄には、例えば「0」〜「9」の10種類の数字図柄が用いられ、「6・6・6」「7・7・7」等、3つの図柄が全て同じ図柄で揃ったものが大当たり態様、少なくとも1つの図柄が異なるものが外れ態様となっている。また、演出図柄表示手段25による演出図柄の変動後の停止図柄は、第1,第2特別図柄表示手段23a,23bによる第1,第2特別図柄が大当たり態様で停止する場合には大当たり態様となり、第1,第2特別図柄が外れ態様で停止する場合には任意の外れ態様となる。なお、演出図柄表示手段25は、第1,第2特別図柄の変動内容とは直接関係のない演出を行う場合があってもよい。
【0027】
第1,第2特別保留個数表示手段26a,26bは、第1,第2特別保留個数分の第1,第2保留表示画像X,Yの表示個数により第1,第2特別保留個数を表示するもので、同一の表示画面21a上の所定部分、例えば下部側に、第1,第2保留個数分の第1,第2保留表示画像X,Yを例えば互いに上下に対応させて表示するようになっている。
【0028】
大入賞手段17は、遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに切り換え可能な開閉板29を備えた開閉式入賞手段で、第1,第2特別図柄表示手段23a,23bの変動後の第1,第2特別図柄が大当たり態様となることに基づいて特別利益状態が発生したときに、開閉板29が例えば複数種類の開放パターンの何れかに従って前側に開放して、その上に落下した遊技球を内部へと入賞させるようになっている。
【0029】
図3は本パチンコ機の制御系のブロック図である。図3において、31は主制御基板、32は演出制御基板で、これら各制御基板31,32は、遊技盤11に装着されたセンターケース14、その他の複数個の遊技部品を裏側から一括して覆う裏カバーの裏側等、前枠3及び遊技盤11を含む遊技機本体1の裏側の適宜箇所に着脱自在に装着された基板ケースに夫々収納されている。
【0030】
主制御基板31は、遊技動作を統括的に制御するもので、CPU,ROM,RAM等により構成される普通図柄処理手段41、普通利益状態発生手段42、普通図柄表示制御手段43、特別図柄処理手段44、特別利益状態発生手段(利益状態発生手段)45、特別図柄表示制御手段46、特別遊技状態発生手段47、制御コマンド送信手段48等を備えている。
【0031】
普通図柄処理手段41は、普通図柄の変動表示に関する処理を行うもので、普通図柄始動手段15が遊技球を検出することに基づいて、当たり判定乱数値を取得すると共にその当たり判定乱数値を予め定められた保留上限数(例えば4個)を限度として先入れ先出し式の普通乱数記憶手段41aに記憶させ、また普通図柄表示手段22が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段41aに1個以上の当たり判定乱数値が記憶されていること(普通保留個数が1以上であること)を条件に、普通乱数記憶手段41aから待ち行列の先頭の当たり判定乱数値を取り出し、その当たり判定乱数値が予め定められた当たり判定値と一致するか否かに応じて当たり/外れの判定を行い、また普通図柄の変動後の停止図柄及び変動時間を選択するように構成されている。
【0032】
なお本実施形態では、当たり判定に用いる当たり判定値の数を後述する特別遊技状態中とそれ以外の通常遊技状態中とで異ならせることにより、特別遊技状態中の当たり確率 (例えば1/1.3)が通常遊技状態中の当たり確率(例えば1/10)よりも高く設定され、また特別遊技状態中における変動時間(例えば2.7秒)が通常遊技状態中における変動時間(例えば27秒)よりも短くなるように設定されている。
【0033】
普通利益状態発生手段42は、普通図柄処理手段41によって当たりの判定結果が得られ、普通図柄表示手段22の変動後の停止図柄が当たり態様となったときに、第2特別図柄始動手段16bの開閉手段28を複数種類の開閉パターンの何れかに従って開状態に変化させるようになっている。
【0034】
本実施形態では、第2特別図柄始動手段16bの開閉パターンとして、通常開閉パターン(例えば0.2秒×1回開放)と、この通常開閉パターンよりも開放時間及び/又は開放回数が大となるように設定された特別開閉パターン(例えば2秒×3回開放)の2種類が設定されており、通常遊技状態中は通常開閉パターンが、特別遊技状態中は特別開閉パターンが選択されるようになっている。
【0035】
普通図柄表示制御手段43は、普通図柄処理手段41による普通図柄処理に基づいて普通図柄表示手段22の表示制御を行うもので、普通図柄表示手段22が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段41aに1個以上の当たり判定乱数値が記憶されていること(普通保留個数が1以上であること)を条件に普通図柄表示手段22による普通図柄の変動を開始させ、普通図柄処理手段41で選択された変動時間が経過することに基づいて、同じく普通図柄処理手段41で選択された停止図柄で普通図柄の変動を停止させるようになっている。
【0036】
特別図柄処理手段44は、第1,第2特別図柄の変動表示に関する処理を行うもので、図4に示すように、始動入賞時処理手段51、割込み時処理手段52、乱数カウンタ53、一時記憶手段54、特別乱数記憶手段55等を備えている。また、特別乱数記憶手段55には、図5に示すように乱数値記憶領域55a、保留記憶領域55b、変動用記憶領域55c等が設けられている。
【0037】
始動入賞時処理手段51は、第1特別図柄始動手段16aと第2特別図柄始動手段16bとの何れかに遊技球が入賞した時点で始動入賞時処理を行うものである。この始動入賞時処理では、例えば乱数生成用IC等よりなる乱数カウンタ53からカウント値(2バイト)が取得され、そのカウント値が一時記憶手段54に格納される。
【0038】
割込み時処理手段52は、所定時間毎(ここでは4ms毎)の定期割込み時に割込み時処理を実行するもので、始動入賞確認処理手段61、乱数管理処理手段62、始動入賞処理手段63、特別図柄処理手段64等を備えている。また、乱数管理処理手段62は乱数取得処理手段62a、乱数更新処理手段62b等を、始動入賞処理手段63は乱数記憶処理手段63a、先読み判定処理手段63b等を、特別図柄処理手段64は変動開始処理手段64a、変動中処理手段64b、確認時間中処理手段64c等を夫々備えている。更に変動開始処理手段64aは変動開始時判定手段65等を備えている。
【0039】
この割込み時処理手段52によって定期割込み時(4ms毎)に実行される割込み時処理は例えば図6に示すような手順で実行される。即ち、まず始動入賞確認処理手段61によって始動入賞確認処理(S1)が実行される。この始動入賞確認処理(S1)では、前回の割込み時から今回までの間に第1特別図柄始動手段16aと第2特別図柄始動手段16bとの何れかに遊技球の入賞があったか否か(図柄始動条件が成立したか否か)が判定される。
【0040】
続いて乱数管理処理手段62によって乱数管理処理(S2)が実行される。この乱数管理処理では、例えば図7に示すように、乱数取得処理手段62aによる乱数取得処理(S11〜S14)と、乱数更新処理手段62bによる乱数更新処理(S15)とが実行されるようになっている。
【0041】
乱数取得処理(S11〜S14)では、始動入賞確認処理(S1)によって第1特別図柄始動手段16aへの入賞があったと判定されたことを条件に(S11:Yes)、一時記憶手段54に格納されているカウント値(2バイト)が、第1大当たり判定用乱数値 (第1乱数値)として、図11(a)に示すように特別乱数記憶手段55の乱数値記憶領域55aにおける第1大当たり判定用乱数バッファ(第1領域)に格納される(S12)。同様に、始動入賞確認処理(S1)によって第2特別図柄始動手段16bへの入賞があったと判定されたことを条件に(S13:Yes)、一時記憶手段54に格納されているカウント値(2バイト)が、第2大当たり判定用乱数値(第1乱数値)として、図11 (a)に示すように特別乱数記憶手段55の乱数値記憶領域55aにおける第2大当たり判定用乱数バッファ(第1領域)に格納される(S14)。
【0042】
このように、乱数取得処理(S11〜S14)では、第1,第2特別保留個数に拘わらず、第1,第2大当たり判定用乱数値(第1乱数値)を乱数値記憶領域55aにおける第1,第2大当たり判定用乱数バッファ(第1領域)に上書きにより格納されるようになっている。
【0043】
また、乱数更新処理(S15)では、特別乱数記憶手段55の乱数値記憶領域55aにおける特別図柄用乱数カウンタ領域(第2領域)に格納されているカウント値(1バイト)、即ち特別図柄用乱数値(第2乱数値)が更新(例えば1加算)される(図11(a))。図5,図11に示すように、乱数値記憶領域55aには、第1,第2大当たり判定用乱数バッファ、特別図柄用乱数カウンタ領域、変動パターン用乱数1カウンタ領域、変動パターン用乱数2カウンタ領域等が設けられており、それらのうち、第1,第2大当たり判定用乱数バッファには上述したようにハードウェア乱数値が格納されるが、特別図柄用乱数カウンタ領域、変動パターン用乱数1カウンタ領域、変動パターン用乱数2カウンタ領域等に格納される各乱数はプログラムによって更新されるソフトウェア乱数となっている。但し本実施形態では、ソフトウェア乱数の全てがこの4ms毎の割込み時処理で更新されるのではなく、例えば変動パターン用乱数1カウンタ領域、変動パターン用乱数2カウンタ領域の各乱数についてはメインループで更新されるようになっている。なお、変動パターン用乱数1及び2についても4ms毎の割込み時処理で更新するようにしてもよい。
【0044】
乱数管理処理手段62による乱数管理処理(S2)が終了すると、続いて始動入賞処理手段63による第1始動入賞処理(S3)及び第2始動入賞処理(S4)が実行される (始動入賞処理)。図8は、第1始動入賞処理(S3)の詳細を示したものである。なお、第1始動入賞処理(S3)と第2始動入賞処理(S4)とは、対象とする始動手段が異なるだけで基本的処理内容は共通であるため、第2始動入賞処理(S4)が第1始動入賞処理(S3)と異なる部分について図8にカッコ書きで示し、第2始動入賞処理(S4)の詳細については説明を省略する。
【0045】
第1始動入賞処理(図8)では、まず第1特別図柄始動手段16aへの入賞があったか否かが判定され(S21)、第1特別図柄始動手段16aへの入賞がなかった場合にはここで第1始動入賞処理は終了する。
【0046】
S21において第1特別図柄始動手段16aへの入賞があったと判定された場合には (S21:Yes)、保留加算コマンド(2バイト)の下位バイトを構成する入賞コマンドデータに、オーバーフローを示す00Hがセットされ(S22)、第1特別保留個数が保留上限数(ここでは4個)に達しているか否かが判定される(S23)。そして、S23において保留上限数に達していると判定された場合には、S24〜S35の処理がスキップされ、S36において、第1特別保留個数等に基づいて作成した上位バイトと入賞コマンドデータ(下位バイト)とで保留加算コマンドが作成され、その保留加算コマンドが演出制御基板32に送信される(S37)。
【0047】
ここで、保留加算コマンドの上位バイト及び下位バイトは、例えば図10に示すように規定されている。S23において保留上限数に達していると判定された場合には、入賞コマンドデータにはオーバーフローに対応する00Hが格納されているため、保留加算コマンドは例えば“B400H”となる。なお、オーバーフローの場合には保留加算コマンドを送信しないようにしてもよい。
【0048】
S23において第1特別保留個数が保留上限数未満であると判定された場合には、第1特別保留個数に1が加算される(S24)と共に、乱数記憶処理手段63aにより、乱数値記憶領域55aに記憶されている複数種類の乱数値(乱数情報)を保留記憶領域55b上の待ち行列の最後尾に記憶させる乱数記憶処理(S25,S26)が行われる(図11(a))。即ち、加算後の第1特別保留個数に対応する保留記憶領域55bのアドレスが算出され(S25)、乱数値記憶領域55aに格納されている各乱数値が、その算出されたアドレスに対応する記憶領域に格納される(S26)。ここで、保留記憶領域55bには、例えば乱数値記憶領域55aと同容量の記憶領域が、第1,第2特別図柄に対して夫々保留上限数分確保されている(図5)。例えば加算後の第1特別保留個数が3個の場合には、第1特別図柄保留3記憶領域のアドレスが算出され、この第1特別図柄保留3記憶領域に、乱数値記憶領域55aに格納されている第1大当たり判定用乱数値、特別図柄用乱数値、変動パターン用乱数値1、変動パターン用乱数値2が夫々格納される。
【0049】
続いて、入賞コマンドデータに先読み禁止を示す01Hがセットされ(S27)、先読み判定処理を行わない先読み禁止条件が満たされているか否かが判定される(S28)。そして、先読み禁止条件が満たされていると判定された場合には(S28:Yes)、S29〜S35の先読み判定処理等がスキップされ、保留加算コマンドの作成、送信処理 (S36,S37)が実行される。この場合には、入賞コマンドデータには先読み禁止に対応する01Hが格納されているため、保留加算コマンドは例えば“B401H”となる。
【0050】
S28において先読み禁止条件が満たされていないと判定された場合には(S28:No)、乱数値記憶領域55aに記憶されている各乱数値(乱数情報)を用いて先読み判定処理手段63bによる先読み判定処理(S29〜S34)が行われる(図11(a))。即ち、まず第1大当たり判定用乱数バッファから第1大当たり判定用乱数値が取得され (S29)、その第1大当たり判定用乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致するか否かに応じて大当たり/外れの判定が行われる(S30)。また、特別図柄用乱数カウンタ領域から特別図柄用乱数値が取得され(S31)、その特別図柄用乱数値と、大当たり/外れの判定結果に基づいて選択される大当たり図柄テーブル又は外れ図柄テーブルとに基づいて第1特別図柄の停止図柄を判定する特別停止図柄判定処理(S32)が行われる。
【0051】
更に、変動パターン用乱数1カウンタ領域から変動パターン用乱数値1が取得され(S33)、その変動パターン用乱数値1と、大当たり/外れの判定結果に基づいて選択される大当たり変動パターン選択テーブル1又は外れ変動パターン選択テーブル1とに基づいて演出図柄表示手段25の変動パターンを判定する変動パターン判定処理(S34)が行われる。なお本実施形態では、変動パターン用乱数値1に基づいて大分類の変動パターンを選択し、更に変動パターン用乱数値2に基づいてより詳細な小分類の変動パターンを選択するようになっているが、この先読み判定処理では、変動パターン用乱数値1に基づく大分類の変動パターンのみを判定するようになっている。
【0052】
以上の先読み判定処理(S29〜S34)が終了すると、その先読み判定結果に基づいて入賞コマンドデータ、即ち保留加算コマンドの下位バイトのデータが作成される(S35)。本実施形態では、保留加算コマンドの下位バイトは図10(b)のように規定されている。例えば大当たり/外れの判定結果が大当たりであると判定され、変動パターンがスーパーリーチ1であると判定された場合には、入賞コマンドデータには“11H”がセットされる。なお、図10(b)では、保留加算コマンドの下位バイトが“03H”の場合は「不定(ノーマルリーチorリーチなし)」となっているが、これは先読み判定処理では変動パターン用乱数値1に基づく大分類の変動パターンのみを判定しているため、最終的にノーマルリーチ変動パターンとリーチなし変動パターンのどちらが選択されるかまでは判定できないことを示している。
【0053】
先読み判定結果に基づく入賞コマンドデータが作成されると(S35)、第1特別保留個数等に基づいて作成される上位バイト(図10(a))と入賞コマンドデータにセットされている下位バイト(図10(b)))とを結合して保留加算コマンドが作成され(S36)、その保留加算コマンドが演出制御基板32に送信される(S37)。
【0054】
以上の第1始動入賞処理(S3)及び第2始動入賞処理(S4)では、乱数記憶処理 (S25,S26)後の保留記憶領域55bではなく、乱数値記憶領域55aに記憶されている各乱数値に基づいて先読み判定処理(S29〜S34)を行うようになっているため、保留個数に応じて乱数値の読み出し位置を決定する必要がなく、常に一定の記憶領域から先読み判定用の乱数を読み出すことができる。
【0055】
始動入賞処理手段63による第1始動入賞処理(S3)及び第2始動入賞処理(S4)が終了すると、続いて第1,第2特別図柄の変動に関する状況を示す図柄変動ステータスに応じて、特別図柄処理手段64による特別図柄処理が行われる。即ち、まず図柄変動ステータスが「変動待機中」であれば、変動開始処理手段64aによる特別図柄変動開始処理(S6a)が実行される。
【0056】
この特別図柄変動開始処理(S6a)では、例えば図9に示すように、まず第2特別保留個数が0であるか否かが判定され(S41)、第2特別保留個数が0でないと判定された場合には、第2特別保留個数が1減算される(S41a)と共に、第2特別図柄についてS43以下の処理が実行される。また、S41において第2特別保留個数が0であると判定された場合には、第1特別保留個数が0であるか否かが判定され(S42)、第1特別保留個数が0でないと判定された場合には、第1特別保留個数が1減算される(S42a)と共に、第1特別図柄についてS43以下の処理が実行される。第1,第2特別保留個数が共に0であれば、ここで特別図柄変動開始処理は終了する。このような構成により、第1特別図柄の図柄変動よりも第2特別図柄の図柄変動の方が優先して処理される。
【0057】
なお、第1,第2特別図柄の変動中でなく、特別利益状態中でもなく、更にS41,S42において第1,第2特別保留個数の何れかが1以上であると判定されることが、変動開始条件の成立の一例である。
【0058】
以下、S41において第2特別保留個数が0でないと判定されたものとしてS43以下の処理を説明する。S41において第2特別保留個数が0でないと判定され、第2特別保留個数が1減算されると(S41a)、続いて保留減算コマンドが演出制御基板32に送信され(S43)、乱数シフト処理(S44)が行われる。
【0059】
この乱数シフト処理(S44)では、保留記憶領域55b上の待ち行列の先頭に記憶されている各乱数値が変動用記憶領域55cに格納されると共に、待ち行列の2番目以降の各乱数値が待ち行列の前側にシフトされる(図11(b))。なお、変動用記憶領域55cには、保留記憶領域55bにおける保留1個分の記憶領域と同容量(例えば5バイト)が確保されている。例えば、第2特別保留個数が3個の場合、第2特別図柄保留1記憶領域に格納されている各乱数値が変動用記憶領域55cに格納され、第2特別図柄保留2記憶領域及び第2特別図柄保留3記憶領域に格納されている各乱数値が夫々第2特別図柄保留1記憶領域及び第2特別図柄保留2記憶領域に格納され、第2特別図柄保留3記憶領域は例えばクリアされる。
【0060】
乱数シフト処理(S44)が終了すると、変動用記憶領域55cに記憶されている各乱数値に基づいて変動開始時判定手段65による変動開始時判定処理(S45〜S50)が実行される(図11(b))。即ち、まず変動用記憶領域55cから第2大当たり判定用乱数値が取得され(S45)、その第2大当たり判定用乱数値(第1乱数値)が予め定められた大当たり判定値(第1判定値)と一致するか否かに応じて大当たり/外れの判定が行われる(S46)。また、変動用記憶領域55cから特別図柄用乱数値(第2乱数値)が取得され(S47)、その特別図柄用乱数値と、大当たり/外れの判定結果に基づいて選択される大当たり図柄テーブル又は外れ図柄テーブルとに基づいて第2特別図柄の停止図柄を作成する特別停止図柄作成処理(S48)が行われる。
【0061】
更に、変動用記憶領域55cから変動パターン用乱数値1及び変動パターン用乱数値2が取得され(S49)、その変動パターン用乱数値1,2と、大当たり/外れの判定結果に基づいて選択される大当たり変動パターン選択テーブル1,2又は外れ変動パターン選択テーブル1,2とに基づいて演出図柄表示手段25の変動パターンを選択する変動パターン選択処理(S50)が行われる。なお、この変動パターン選択処理(S50)において、選択された変動パターンに対応する変動パターン指定コマンドが演出制御基板32に送信される。
【0062】
以上の変動開始時判定処理(S45〜S50)が終了すると、第2特別図柄の変動が開始される(S51)と共に、S48で作成された停止図柄に対応する特別図柄指定コマンドが演出制御基板32に送信され(S52)、図柄変動ステータスが「変動中」に変更されて(S53)この特別図柄変動開始処理は終了する。
【0063】
以上の特別図柄変動開始処理(S6a)では、保留記憶領域55b上の待ち行列の先頭に記憶されている各乱数値を変動用記憶領域55cに格納し、その変動用記憶領域55cに記憶されている各乱数値に基づいて変動開始時判定処理(S45〜S50)を実行するようになっているため、変動開始する図柄が第1特別図柄であるか第2特別図柄であるかに拘わらず常に一定の記憶領域から変動開始時判定用の乱数を読み出すことができる。
【0064】
特別図柄変動開始処理(S6a)が終了して図柄変動ステータスが「変動中」になると、次回の割り込み時処理(図6)からは変動中処理手段64bにより特別図柄変動中処理(S6b)が実行される。この特別図柄変動中処理(S6b)では、例えば第1,第2特別図柄の変動開始から、S50で選択された変動パターンに対応する変動時間が経過することに基づいて、第1,第2特別図柄の変動が停止されると共に変動停止コマンドが演出制御基板32に送信され、また図柄変動ステータスが「確認中」に変更される。
【0065】
また、特別図柄変動中処理(S6b)が終了して図柄変動ステータスが「確認中」になると、次回の割り込み時処理(図6)からは確認時間中処理手段64cにより特別図柄確認時間中処理(S6c)が実行される。この特別図柄確認時間中処理(S6c)では、第1,第2特別図柄の変動に係る各種変数等を初期化すると共に、その変動後の停止図柄が大当たり態様となった場合には、例えば特別利益状態に係る各種変数等に初期値を設定するなど、特別利益状態を開始するための準備処理を行うようになっている。
【0066】
特別利益状態発生手段45は、変動開始時判定手段65による大当たり判定処理(S46)において大当たりと判定され、第1特別図柄表示手段23a又は第2特別図柄表示手段23bの変動後の停止図柄が大当たり態様となることに基づいて遊技者に有利となる特別利益状態を発生させるものである。特別利益状態中は、大入賞手段17が所定の開放パターンに従って開放されるようになっている。大入賞手段17の開放パターンは例えば複数種類用意されており、特別利益状態発生手段45によってそれらのうちの1つが選択されるようになっている。
【0067】
なお、特別利益状態によって遊技者が得られる平均利益は、第1特別図柄で大当たり態様となった場合よりも第2特別図柄で大当たり態様となった場合の方が大きくなるように設定することが望ましい。
【0068】
特別図柄表示制御手段46は、第1,第2特別図柄表示手段23a,23bの表示制御を行うもので、特別図柄処理手段44による特別図柄処理に基づいて、第1,第2特別図柄表示手段23a,23bによる第1,第2特別図柄の変動開始、変動停止等を制御するようになっている。
【0069】
特別遊技状態発生手段47は、特別利益状態の発生後の所定期間に遊技者に有利な特別遊技状態を発生させるためのもので、例えばこの特別遊技状態中は、第1,第2特別図柄が大当たり態様となる確率が通常確率(例えば1/350)よりも高い高確率(例えば1/35)に切り換えられると共に、例えば第1,第2特別図柄に関して、第1,第2特別図柄表示手段23a,23bの変動時間が夫々通常変動時間よりも短い短縮変動時間に切り換えられ、普通図柄に関して、当たり確率が通常確率(例えば1/10)から高確率 (例えば1/1.3)へ、変動時間が通常変動時間(例えば27秒)から短縮変動時間 (例えば2.7秒)へ、第2特別図柄始動手段16bの開閉手段28の開閉パターンが通常開閉パターン(例えば0.2秒×1回開放)から延長開閉パターン(例えば2秒×3回開放)へ、夫々切り換えられるようになっている。
【0070】
制御コマンド送信手段48は、所定の制御コマンドを一方向通信により演出制御基板32等のサブ制御基板側に送信して制御指令を与えるためのもので、例えば第1,第2特別図柄の変動に関しては、特別図柄処理手段44による特別図柄処理に基づいて、第1,第2特別図柄始動手段16a,16bへの遊技球入賞時に演出制御基板32に対して保留加算コマンドを送信し、また第1,第2特別図柄の変動開始時に、保留減算コマンド、変動パターン指定コマンド、特別図柄指定コマンドを演出制御基板32に送信すると共に、第1,第2特別図柄の変動停止時に変動停止コマンドを演出制御基板32に送信するようになっている。
【0071】
演出制御基板32は、演出図柄表示手段25、第1,第2特別保留個数表示手段26a,26b、予告演出表示手段27、音声出力手段71、電飾手段72等の各種演出手段を制御するためのもので、特別保留個数表示制御手段73、演出図柄表示制御手段74、予告演出制御手段75等を備えている。
【0072】
特別保留個数表示制御手段73は、第1,第2特別保留個数表示手段26a,26bの表示制御を行うもので、主制御基板31から保留加算コマンドを受信したときに、その保留加算コマンドに基づいて、画像表示手段21の表示画面21a上の所定位置に増加後の第1,第2特別保留個数分の第1,第2保留表示画像X,Yを表示し、例えば主制御基板31から保留減算コマンドを受信することに基づいて、表示中の第1,第2保留表示画像X,Yの数を1個減少させて前側にシフトさせるように構成されている。
【0073】
演出図柄表示制御手段74は、演出図柄表示手段25の表示制御を行うもので、主制御基板31から変動パターン指定コマンド及び特別図柄指定コマンドを受信した場合に、その変動パターン指定コマンドに対応する変動パターンに基づいて画像表示手段21の表示画面21a上で演出図柄の変動を開始させると共に演出図柄の変動後の停止図柄を抽選により決定し、その後に変動停止コマンドを受信したときに、抽選により決定した停止図柄で演出図柄の変動を停止させ、またその演出図柄の変動表示に合わせて音声出力手段71から所定の効果音を出力し、電飾手段72を所定のパターンで発光させるようになっている。
【0074】
予告演出制御手段75は、先読み判定結果に基づく予告演出の一例としての連続予告演出を制御するもので、主制御基板31から受信した保留加算コマンドが所定の連続予告開始条件を満たしている場合に、その保留記憶が図柄変動に供されるまでの複数回の演出図柄変動において予告演出表示手段27に所定の演出表示を行う連続予告演出を行うようになっている。例えば、加算後の保留個数が所定個数(例えば3個)以上であり、先読み判定結果が大当たり且つ大当たり用の予告開始抽選で当選するか、先読み判定結果がリーチ外れで且つ外れ用の予告開始抽選で当選した場合(いわゆるガセの連続予告)に、連続予告開始条件を満たしたものと判定される。なお、大当たり用の予告開始抽選と外れ用の予告開始抽選とでは、大当たり用の予告開始抽選の方が高い当選確率に設定されている。
【0075】
以上説明したように、本実施形態に係るパチンコ機では、大当たり判定用乱数値を含む一又は複数種類の乱数値よりなる一組の乱数情報を記憶可能な乱数値記憶領域55aを備え、図柄始動条件が成立することに基づいて、図柄始動条件の成立時に取得された第1大当たり判定用乱数値又は第2大当たり判定用乱数値(第1乱数値)を乱数値記憶領域55aの第1大当たり判定用乱数バッファ又は第2大当たり判定用乱数バッファ(第1領域)に格納する乱数取得処理を含む乱数管理処理を実行し、図柄始動条件が成立し且つ保留記憶領域55bに記憶されている乱数情報の数が保留上限数未満であることに基づいて、乱数値記憶領域55aに記憶されている乱数情報を保留記憶領域55b上の待ち行列の最後尾に記憶させる乱数記憶処理と、乱数値記憶領域55aに記憶されている乱数情報を用いて先読み判定処理手段63bによる判定を行う先読み判定処理とを含む始動入賞処理を実行するように構成されているため、先読み判定処理を行う際に第1,第2特別保留個数に応じて乱数値の読み出し位置を決定する必要がなく、常に一定の記憶領域から先読み判定用の乱数値を読み出すことができ、先読み判定処理における乱数読み出し処理が簡素化される利点がある。
【0076】
また、一組の乱数情報を記憶可能な変動用記憶領域55cを備え、変動開始条件が成立することに基づいて、変動開始時判定手段65による判定処理に先立って、保留記憶領域55b上の待ち行列の先頭の乱数情報を変動用記憶領域55cに格納すると共に、その他の乱数情報を待ち行列の前側にシフトする乱数シフト処理を実行するように構成され、変動用記憶領域55cに記憶されている乱数情報に基づいて変動開始時判定手段65による判定処理を実行するように構成されているため、変動開始時判定処理においては、第1特別図柄と第2特別図柄との何れが変動対象であるかに拘わらず常に一定の記憶領域から変動開始時判定処理用の乱数値を読み出すことができ、変動開始時判定処理における乱数読み出し処理が簡素化される利点がある。
【0077】
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、実施形態では二つの特別図柄表示手段、即ち第1,第2特別図柄表示手段23a,23bを搭載したパチンコ機の場合を例示したが、特別図柄表示手段を一つしか搭載していない弾球遊技機でも同様に実施可能である。
【0078】
先読み判定結果に基づく予告演出は、連続予告演出に限られるものではなく、例えば特別保留個数表示手段による保留表示画像によってその保留記憶の内容を報知するもの等、どのようなものでもよい。
【0079】
先読み判定処理による判定内容は任意である。例えば、大当たり判定用乱数値に基づく大当たり判定のみを行うようにしてもよいし、変動開始時判定処理と全く同じ判定を行うようにしてもよい。
【0080】
また本発明は、パチンコ機に限らず、アレンジボール機、雀球遊技機等の各種の弾球遊技機においても同様に実施することが可能である。
【符号の説明】
【0081】
23a 第1特別図柄表示手段(図柄表示手段)
23b 第2特別図柄表示手段(図柄表示手段)
45 特別利益状態発生手段(利益状態発生手段)
55a 乱数値記憶領域
55b 保留記憶領域
55c 変動用記憶領域
63b 先読み判定処理手段
65 変動開始時判定手段
75 予告演出制御手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、いわゆる先読み判定結果に基づく演出機能を備えた弾球遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えばパチンコ機では、図柄始動手段への遊技球の入賞等(図柄始動条件の成立)に基づいて、大当たり判定用乱数等の乱数を取得すると共にそれら乱数値を図柄変動に供されるまで所定の保留上限数を限度として記憶し、図柄変動可能な状態となった場合に(変動開始条件の成立)、記憶されていた大当たり判定用乱数値が大当たり判定値と一致するか否かの大当たり判定、その他の乱数判定を行うと共にその判定結果に基づいて図柄変動を行い、その図柄変動後の停止図柄が大当たり態様(特定態様)となることに基づいて大入賞手段の開放等の利益状態を発生させるものが主流である。
【0003】
またこの種の弾球遊技機では、保留記憶された乱数値を、例えばそれらが取得された直後(図柄始動手段への入賞直後)に先読み判定し、その先読み判定結果に基づいて図柄変動結果を予告する予告演出を行う先読み演出機能を備えたものも多い(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−136047号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図柄始動手段への入賞時に取得された乱数値は、保留上限数分の記憶領域を有するキューに格納され、先入れ先出しにより図柄変動に供されるようになっている。これにより、新たに記憶される乱数値の記憶位置はその時点の保留個数等によって相違するため、先読み判定を行う際には、その時点の保留個数等に応じて乱数値の読み出し位置を決定する必要があり、処理が複雑になる問題があった。
【0006】
本発明は、このような従来の問題点に鑑み、いわゆる先読み判定における乱数読み出し処理を簡素化することが可能な弾球遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、所定の図柄始動条件が成立することに基づいて取得される一又は複数種類の乱数値よりなる乱数情報を所定の保留上限数分記憶可能な先入れ先出し式の保留記憶領域55bと、所定の変動開始条件が成立することに基づいて、前記保留記憶領域55b上の待ち行列の先頭の前記乱数情報に含まれる第1乱数値が所定の第1判定値と一致するか否かを判定する変動開始時判定手段65と、前記変動開始条件が成立することに基づいて図柄の変動表示を開始し、前記変動開始時判定手段65によって前記第1乱数値が前記第1判定値と一致すると判定された場合には特定態様で、それ以外の場合には前記特定態様とは異なる所定態様で前記図柄変動を停止する図柄表示手段23a,23bと、前記図柄表示手段23a,23bによる図柄変動後の停止図柄が前記特定態様となることに基づいて利益状態を発生させる利益状態発生手段45と、前記変動開始時判定手段65による判定よりも前の所定のタイミングで、前記第1乱数値が前記第1判定値と一致するか否かを判定する先読み判定処理手段63bと、前記先読み判定処理手段63bによる判定結果に基づく演出を制御する予告演出制御手段75とを備えた弾球遊技機において、一組の前記乱数情報を記憶可能な乱数値記憶領域55aを備え、前記図柄始動条件が成立することに基づいて、前記図柄始動条件の成立時に取得された前記第1乱数値を前記乱数値記憶領域55aの第1領域に格納する乱数取得処理を含む乱数管理処理を実行し、前記図柄始動条件が成立し且つ前記保留記憶領域55bに記憶されている前記乱数情報の数が前記保留上限数未満であることに基づいて、前記乱数値記憶領域55aに記憶されている前記乱数情報を前記保留記憶領域55b上の待ち行列の最後尾に記憶させる乱数記憶処理と、前記乱数値記憶領域55aに記憶されている前記乱数情報を用いて前記先読み判定処理手段63bによる判定を行う先読み判定処理とを含む始動入賞処理を実行するように構成されているものである。
【0008】
また、前記乱数情報は第2乱数値を含み、前記乱数管理処理は、前記乱数値記憶領域55aの第2領域に記憶されている前記第2乱数値を更新する乱数更新処理を含み、前記先読み判定処理手段63bは前記第2領域に記憶されている前記第2乱数値に基づいて前記停止図柄の種類に関する判定を行うように構成してもよい。また、前記乱数管理処理と前記始動入賞処理とは、所定時間毎にその順序で実行するように構成してもよい。
【0009】
前記乱数取得処理では、前記保留記憶領域55bに記憶されている前記乱数情報の数に拘わらず前記第1乱数値を前記第1領域に上書きにより記憶させるように構成してもよい。
【0010】
また、一組の前記乱数情報を記憶可能な変動用記憶領域55cを備え、前記変動開始条件が成立することに基づいて、前記変動開始時判定手段65による判定処理に先立って、前記保留記憶領域55b上の待ち行列の先頭の前記乱数情報を前記変動用記憶領域55cに格納すると共に、その他の乱数情報を待ち行列の前側にシフトする乱数シフト処理を実行するように構成され、前記変動用記憶領域55cに記憶されている前記乱数情報に基づいて前記変動開始時判定手段65による判定処理を実行するように構成してもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、先読み判定処理を行う際に保留個数に応じて乱数値の読み出し位置を決定する必要がなく、常に一定の記憶領域から先読み判定用の乱数値を読み出すことができ、先読み判定処理における乱数読み出し処理が簡素化される利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態を示すパチンコ機における全体斜視図である。
【図2】同パチンコ機における遊技盤の正面図である。
【図3】同パチンコ機における制御系のブロック図である。
【図4】同パチンコ機における特別図柄処理手段の概略構成を示すブロック図である。
【図5】同パチンコ機における特別乱数記憶手段の構成を示す説明図である。
【図6】同パチンコ機における割込み時処理のフローチャートである。
【図7】同パチンコ機における乱数管理処理のフローチャートである。
【図8】同パチンコ機における第1(第2)始動入賞処理のフローチャートである。
【図9】同パチンコ機における特別図柄変動開始処理のフローチャートである。
【図10】同パチンコ機における保留加算コマンドの構成を示す図である。
【図11】同パチンコ機における割込み時処理での各乱数値の格納・読み出し処理の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図11は本発明をパチンコ機に採用した一実施形態を例示している。図1において、遊技機本体1は、矩形状の外枠2と、この外枠2の前側に開閉自在に枢着された前枠3とを備えている。前枠3の前側には、ガラス扉4と前面板5とが上下に配置され、前枠3に開閉自在に枢支されている。
【0014】
前面板5には、その前側に、発射手段(図示省略)に供給するための遊技球を貯留する貯留皿6、発射手段を作動させるための発射ハンドル7等が設けられている。
【0015】
ガラス扉4の後側には、図2に示す遊技盤11が前枠3に対して着脱自在に装着されている。遊技盤11の前面側には、発射手段から発射された遊技球を案内するガイドレール12が環状に装着されると共に、そのガイドレール12の内側の遊技領域13に、センターケース14、普通図柄始動手段15、第1特別図柄始動手段16a、第2特別図柄始動手段16b、大入賞手段17、普通入賞手段18等の各種遊技部品が配置されている。
【0016】
センターケース14は、例えば遊技領域13の略中央に配置されており、発射手段により遊技領域13の上部側に打ち込まれた遊技球はこのセンターケース14の左右何れかを流下するようになっている。このセンターケース14には、左右方向の一方側、例えば左側に向けて開口するワープ入口19と、このワープ入口19に入球した遊技球を左右に転動させた後、例えば左右方向中央の中央落下部20a又はその左右から再び遊技領域13内に落下させるステージ20とが設けられると共に、画像表示手段21、普通図柄表示手段22、第1,第2特別図柄表示手段(図柄表示手段)23a,23b、普通保留個数表示手段24等の各種表示手段が設けられている。画像表示手段21は、例えば液晶式の表示手段であり、演出図柄表示手段25、第1,第2特別保留個数表示手段26a,26b、予告演出表示手段27等を構成している。
【0017】
普通図柄始動手段15は、普通図柄表示手段22による図柄変動を開始させるためのもので、遊技球が通過可能な通過ゲート等により構成されており、例えばセンターケース14の右側に配置されている。
【0018】
普通図柄表示手段22は、普通図柄を変動表示するためのもので、例えば「○」「×」の2種類の普通図柄に対応する2個の発光体(例えばLED)により構成されており、普通図柄始動手段15が遊技球を検出することを条件にそれら2つの発光体が所定時間交互に点滅して、普通図柄始動手段15による遊技球検出時に取得された当たり判定用乱数値が予め定められた当たり判定値と一致する場合には当たり態様に対応する「○」側の発光体が発光した状態で、それ以外の場合には外れ態様に対応する「×」側の発光体が発光した状態で、点滅が終了するようになっている。
【0019】
また、普通図柄表示手段22の変動表示中、又は後述する普通利益状態中に普通図柄始動手段15が遊技球を検出した場合には、その検出時に取得された当たり判定用乱数値が予め定められた保留上限数、例えば4個を限度として記憶されると共に、例えば保留上限個数と同数の発光体よりなる普通保留個数表示手段24がその発光個数により当たり判定用乱数値の記憶個数(以下、普通保留個数)を表示して、その時点での普通保留個数を遊技者に報知するようになっている。
【0020】
第1特別図柄始動手段16aは、第1特別図柄表示手段23aによる図柄変動を開始させるためのもので、開閉手段等を有しない非開閉式入賞手段により構成されており、例えばセンターケース14の下側で且つ中央落下部20aの真下に配置されている。第2特別図柄始動手段16bは、第2特別図柄表示手段23bによる図柄変動を開始させるためのもので、開閉手段28により遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに切り換え可能な開閉式入賞手段により構成されており、例えば普通図柄始動手段15と同じセンターケース14の右側で且つ普通図柄始動手段15よりも下流側に配置されている。この第2特別図柄始動手段16bは、普通図柄表示手段22の変動後の停止図柄が当たり態様となって普通利益状態が発生したときに、開閉手段28が所定時間、所定回数だけ閉状態から開状態に変化するように構成されている。なお、第2特別図柄始動手段16bは閉状態のときにも入賞可能な構成であってもよい。
【0021】
第1,第2特別図柄表示手段(図柄表示手段)23a,23bは、夫々1個又は複数個、例えば各1個の特別図柄を変動表示可能な7セグメント式等の表示手段により構成されており、第1特別図柄表示手段23aは第1特別図柄始動手段16a、第2特別図柄表示手段23bは第2特別図柄始動手段16bに遊技球が入賞し、それら第1,第2特別図柄始動手段16a,16bが遊技球を検出することを条件に第1,第2特別図柄を所定時間変動表示して、それら第1,第2特別図柄始動手段16a,16bへの入賞時に取得された第1,第2大当たり判定用乱数値(第1乱数値)が予め定められた大当たり判定値(第1判定値)と一致する場合には所定の大当たり態様(特定態様)で、それ以外の場合には外れ態様(所定態様)で停止するようになっている。
【0022】
第1,第2特別図柄は、例えば数字図柄等ではなく、それ自体としては特別な意味を持たない線と点の組み合わせ等よりなる複数種類の図柄で構成され、それらの図柄のうちの1又は複数が大当たり態様、それ以外が外れ態様に設定されている。
【0023】
また、第1,第2特別図柄の変動表示中、又は後述する特別利益状態中に第1,第2特別図柄始動手段16a,16bに遊技球が入賞した場合には、その入賞時に取得された大当たり判定用乱数値等が夫々所定の保留上限数、例えば各4個を限度として記憶されると共に、第1,第2特別保留個数表示手段26a,26bが夫々大当たり判定用乱数値の記憶個数(以下、第1,第2特別保留個数)を表示して、その時点での第1,第2特別保留個数を遊技者に報知するようになっている。
【0024】
なお、本実施形態では、特別利益状態中には第1,第2特別図柄表示手段23a,23bの図柄変動を開始しない他、第1,第2特別図柄表示手段23a,23bの何れか一方の図柄変動中には他方の図柄変動を開始せず、両方が同時に変動中となることはないように制御される。更に、本実施形態では、第1,第2特別保留個数が共に1以上である場合には、その保留記憶順に拘わらず、第1特別図柄表示手段23aの図柄変動よりも第2特別図柄表示手段23bの図柄変動を優先して行うように構成されている。
【0025】
演出図柄表示手段25は、例えば第1,第2特別図柄表示手段23a,23bによる第1,第2特別図柄の変動表示と時間的に同調して演出図柄を変動表示するもので、1個又は複数個、例えば左右方向に3個の演出図柄を例えば各種の演出画像と共に画像表示手段21の表示画面21aに変動表示可能に構成されており、第1,第2特別図柄始動手段16a,16bに遊技球が入賞することを条件に、第1,第2特別図柄の変動開始と同時に所定の変動パターンに従って演出図柄の変動を開始すると共に、第1,第2特別図柄の変動停止と同時に最終停止するように、演出図柄を左、右、中等の所定の順序で停止させるようになっている。
【0026】
演出図柄には、例えば「0」〜「9」の10種類の数字図柄が用いられ、「6・6・6」「7・7・7」等、3つの図柄が全て同じ図柄で揃ったものが大当たり態様、少なくとも1つの図柄が異なるものが外れ態様となっている。また、演出図柄表示手段25による演出図柄の変動後の停止図柄は、第1,第2特別図柄表示手段23a,23bによる第1,第2特別図柄が大当たり態様で停止する場合には大当たり態様となり、第1,第2特別図柄が外れ態様で停止する場合には任意の外れ態様となる。なお、演出図柄表示手段25は、第1,第2特別図柄の変動内容とは直接関係のない演出を行う場合があってもよい。
【0027】
第1,第2特別保留個数表示手段26a,26bは、第1,第2特別保留個数分の第1,第2保留表示画像X,Yの表示個数により第1,第2特別保留個数を表示するもので、同一の表示画面21a上の所定部分、例えば下部側に、第1,第2保留個数分の第1,第2保留表示画像X,Yを例えば互いに上下に対応させて表示するようになっている。
【0028】
大入賞手段17は、遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに切り換え可能な開閉板29を備えた開閉式入賞手段で、第1,第2特別図柄表示手段23a,23bの変動後の第1,第2特別図柄が大当たり態様となることに基づいて特別利益状態が発生したときに、開閉板29が例えば複数種類の開放パターンの何れかに従って前側に開放して、その上に落下した遊技球を内部へと入賞させるようになっている。
【0029】
図3は本パチンコ機の制御系のブロック図である。図3において、31は主制御基板、32は演出制御基板で、これら各制御基板31,32は、遊技盤11に装着されたセンターケース14、その他の複数個の遊技部品を裏側から一括して覆う裏カバーの裏側等、前枠3及び遊技盤11を含む遊技機本体1の裏側の適宜箇所に着脱自在に装着された基板ケースに夫々収納されている。
【0030】
主制御基板31は、遊技動作を統括的に制御するもので、CPU,ROM,RAM等により構成される普通図柄処理手段41、普通利益状態発生手段42、普通図柄表示制御手段43、特別図柄処理手段44、特別利益状態発生手段(利益状態発生手段)45、特別図柄表示制御手段46、特別遊技状態発生手段47、制御コマンド送信手段48等を備えている。
【0031】
普通図柄処理手段41は、普通図柄の変動表示に関する処理を行うもので、普通図柄始動手段15が遊技球を検出することに基づいて、当たり判定乱数値を取得すると共にその当たり判定乱数値を予め定められた保留上限数(例えば4個)を限度として先入れ先出し式の普通乱数記憶手段41aに記憶させ、また普通図柄表示手段22が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段41aに1個以上の当たり判定乱数値が記憶されていること(普通保留個数が1以上であること)を条件に、普通乱数記憶手段41aから待ち行列の先頭の当たり判定乱数値を取り出し、その当たり判定乱数値が予め定められた当たり判定値と一致するか否かに応じて当たり/外れの判定を行い、また普通図柄の変動後の停止図柄及び変動時間を選択するように構成されている。
【0032】
なお本実施形態では、当たり判定に用いる当たり判定値の数を後述する特別遊技状態中とそれ以外の通常遊技状態中とで異ならせることにより、特別遊技状態中の当たり確率 (例えば1/1.3)が通常遊技状態中の当たり確率(例えば1/10)よりも高く設定され、また特別遊技状態中における変動時間(例えば2.7秒)が通常遊技状態中における変動時間(例えば27秒)よりも短くなるように設定されている。
【0033】
普通利益状態発生手段42は、普通図柄処理手段41によって当たりの判定結果が得られ、普通図柄表示手段22の変動後の停止図柄が当たり態様となったときに、第2特別図柄始動手段16bの開閉手段28を複数種類の開閉パターンの何れかに従って開状態に変化させるようになっている。
【0034】
本実施形態では、第2特別図柄始動手段16bの開閉パターンとして、通常開閉パターン(例えば0.2秒×1回開放)と、この通常開閉パターンよりも開放時間及び/又は開放回数が大となるように設定された特別開閉パターン(例えば2秒×3回開放)の2種類が設定されており、通常遊技状態中は通常開閉パターンが、特別遊技状態中は特別開閉パターンが選択されるようになっている。
【0035】
普通図柄表示制御手段43は、普通図柄処理手段41による普通図柄処理に基づいて普通図柄表示手段22の表示制御を行うもので、普通図柄表示手段22が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段41aに1個以上の当たり判定乱数値が記憶されていること(普通保留個数が1以上であること)を条件に普通図柄表示手段22による普通図柄の変動を開始させ、普通図柄処理手段41で選択された変動時間が経過することに基づいて、同じく普通図柄処理手段41で選択された停止図柄で普通図柄の変動を停止させるようになっている。
【0036】
特別図柄処理手段44は、第1,第2特別図柄の変動表示に関する処理を行うもので、図4に示すように、始動入賞時処理手段51、割込み時処理手段52、乱数カウンタ53、一時記憶手段54、特別乱数記憶手段55等を備えている。また、特別乱数記憶手段55には、図5に示すように乱数値記憶領域55a、保留記憶領域55b、変動用記憶領域55c等が設けられている。
【0037】
始動入賞時処理手段51は、第1特別図柄始動手段16aと第2特別図柄始動手段16bとの何れかに遊技球が入賞した時点で始動入賞時処理を行うものである。この始動入賞時処理では、例えば乱数生成用IC等よりなる乱数カウンタ53からカウント値(2バイト)が取得され、そのカウント値が一時記憶手段54に格納される。
【0038】
割込み時処理手段52は、所定時間毎(ここでは4ms毎)の定期割込み時に割込み時処理を実行するもので、始動入賞確認処理手段61、乱数管理処理手段62、始動入賞処理手段63、特別図柄処理手段64等を備えている。また、乱数管理処理手段62は乱数取得処理手段62a、乱数更新処理手段62b等を、始動入賞処理手段63は乱数記憶処理手段63a、先読み判定処理手段63b等を、特別図柄処理手段64は変動開始処理手段64a、変動中処理手段64b、確認時間中処理手段64c等を夫々備えている。更に変動開始処理手段64aは変動開始時判定手段65等を備えている。
【0039】
この割込み時処理手段52によって定期割込み時(4ms毎)に実行される割込み時処理は例えば図6に示すような手順で実行される。即ち、まず始動入賞確認処理手段61によって始動入賞確認処理(S1)が実行される。この始動入賞確認処理(S1)では、前回の割込み時から今回までの間に第1特別図柄始動手段16aと第2特別図柄始動手段16bとの何れかに遊技球の入賞があったか否か(図柄始動条件が成立したか否か)が判定される。
【0040】
続いて乱数管理処理手段62によって乱数管理処理(S2)が実行される。この乱数管理処理では、例えば図7に示すように、乱数取得処理手段62aによる乱数取得処理(S11〜S14)と、乱数更新処理手段62bによる乱数更新処理(S15)とが実行されるようになっている。
【0041】
乱数取得処理(S11〜S14)では、始動入賞確認処理(S1)によって第1特別図柄始動手段16aへの入賞があったと判定されたことを条件に(S11:Yes)、一時記憶手段54に格納されているカウント値(2バイト)が、第1大当たり判定用乱数値 (第1乱数値)として、図11(a)に示すように特別乱数記憶手段55の乱数値記憶領域55aにおける第1大当たり判定用乱数バッファ(第1領域)に格納される(S12)。同様に、始動入賞確認処理(S1)によって第2特別図柄始動手段16bへの入賞があったと判定されたことを条件に(S13:Yes)、一時記憶手段54に格納されているカウント値(2バイト)が、第2大当たり判定用乱数値(第1乱数値)として、図11 (a)に示すように特別乱数記憶手段55の乱数値記憶領域55aにおける第2大当たり判定用乱数バッファ(第1領域)に格納される(S14)。
【0042】
このように、乱数取得処理(S11〜S14)では、第1,第2特別保留個数に拘わらず、第1,第2大当たり判定用乱数値(第1乱数値)を乱数値記憶領域55aにおける第1,第2大当たり判定用乱数バッファ(第1領域)に上書きにより格納されるようになっている。
【0043】
また、乱数更新処理(S15)では、特別乱数記憶手段55の乱数値記憶領域55aにおける特別図柄用乱数カウンタ領域(第2領域)に格納されているカウント値(1バイト)、即ち特別図柄用乱数値(第2乱数値)が更新(例えば1加算)される(図11(a))。図5,図11に示すように、乱数値記憶領域55aには、第1,第2大当たり判定用乱数バッファ、特別図柄用乱数カウンタ領域、変動パターン用乱数1カウンタ領域、変動パターン用乱数2カウンタ領域等が設けられており、それらのうち、第1,第2大当たり判定用乱数バッファには上述したようにハードウェア乱数値が格納されるが、特別図柄用乱数カウンタ領域、変動パターン用乱数1カウンタ領域、変動パターン用乱数2カウンタ領域等に格納される各乱数はプログラムによって更新されるソフトウェア乱数となっている。但し本実施形態では、ソフトウェア乱数の全てがこの4ms毎の割込み時処理で更新されるのではなく、例えば変動パターン用乱数1カウンタ領域、変動パターン用乱数2カウンタ領域の各乱数についてはメインループで更新されるようになっている。なお、変動パターン用乱数1及び2についても4ms毎の割込み時処理で更新するようにしてもよい。
【0044】
乱数管理処理手段62による乱数管理処理(S2)が終了すると、続いて始動入賞処理手段63による第1始動入賞処理(S3)及び第2始動入賞処理(S4)が実行される (始動入賞処理)。図8は、第1始動入賞処理(S3)の詳細を示したものである。なお、第1始動入賞処理(S3)と第2始動入賞処理(S4)とは、対象とする始動手段が異なるだけで基本的処理内容は共通であるため、第2始動入賞処理(S4)が第1始動入賞処理(S3)と異なる部分について図8にカッコ書きで示し、第2始動入賞処理(S4)の詳細については説明を省略する。
【0045】
第1始動入賞処理(図8)では、まず第1特別図柄始動手段16aへの入賞があったか否かが判定され(S21)、第1特別図柄始動手段16aへの入賞がなかった場合にはここで第1始動入賞処理は終了する。
【0046】
S21において第1特別図柄始動手段16aへの入賞があったと判定された場合には (S21:Yes)、保留加算コマンド(2バイト)の下位バイトを構成する入賞コマンドデータに、オーバーフローを示す00Hがセットされ(S22)、第1特別保留個数が保留上限数(ここでは4個)に達しているか否かが判定される(S23)。そして、S23において保留上限数に達していると判定された場合には、S24〜S35の処理がスキップされ、S36において、第1特別保留個数等に基づいて作成した上位バイトと入賞コマンドデータ(下位バイト)とで保留加算コマンドが作成され、その保留加算コマンドが演出制御基板32に送信される(S37)。
【0047】
ここで、保留加算コマンドの上位バイト及び下位バイトは、例えば図10に示すように規定されている。S23において保留上限数に達していると判定された場合には、入賞コマンドデータにはオーバーフローに対応する00Hが格納されているため、保留加算コマンドは例えば“B400H”となる。なお、オーバーフローの場合には保留加算コマンドを送信しないようにしてもよい。
【0048】
S23において第1特別保留個数が保留上限数未満であると判定された場合には、第1特別保留個数に1が加算される(S24)と共に、乱数記憶処理手段63aにより、乱数値記憶領域55aに記憶されている複数種類の乱数値(乱数情報)を保留記憶領域55b上の待ち行列の最後尾に記憶させる乱数記憶処理(S25,S26)が行われる(図11(a))。即ち、加算後の第1特別保留個数に対応する保留記憶領域55bのアドレスが算出され(S25)、乱数値記憶領域55aに格納されている各乱数値が、その算出されたアドレスに対応する記憶領域に格納される(S26)。ここで、保留記憶領域55bには、例えば乱数値記憶領域55aと同容量の記憶領域が、第1,第2特別図柄に対して夫々保留上限数分確保されている(図5)。例えば加算後の第1特別保留個数が3個の場合には、第1特別図柄保留3記憶領域のアドレスが算出され、この第1特別図柄保留3記憶領域に、乱数値記憶領域55aに格納されている第1大当たり判定用乱数値、特別図柄用乱数値、変動パターン用乱数値1、変動パターン用乱数値2が夫々格納される。
【0049】
続いて、入賞コマンドデータに先読み禁止を示す01Hがセットされ(S27)、先読み判定処理を行わない先読み禁止条件が満たされているか否かが判定される(S28)。そして、先読み禁止条件が満たされていると判定された場合には(S28:Yes)、S29〜S35の先読み判定処理等がスキップされ、保留加算コマンドの作成、送信処理 (S36,S37)が実行される。この場合には、入賞コマンドデータには先読み禁止に対応する01Hが格納されているため、保留加算コマンドは例えば“B401H”となる。
【0050】
S28において先読み禁止条件が満たされていないと判定された場合には(S28:No)、乱数値記憶領域55aに記憶されている各乱数値(乱数情報)を用いて先読み判定処理手段63bによる先読み判定処理(S29〜S34)が行われる(図11(a))。即ち、まず第1大当たり判定用乱数バッファから第1大当たり判定用乱数値が取得され (S29)、その第1大当たり判定用乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致するか否かに応じて大当たり/外れの判定が行われる(S30)。また、特別図柄用乱数カウンタ領域から特別図柄用乱数値が取得され(S31)、その特別図柄用乱数値と、大当たり/外れの判定結果に基づいて選択される大当たり図柄テーブル又は外れ図柄テーブルとに基づいて第1特別図柄の停止図柄を判定する特別停止図柄判定処理(S32)が行われる。
【0051】
更に、変動パターン用乱数1カウンタ領域から変動パターン用乱数値1が取得され(S33)、その変動パターン用乱数値1と、大当たり/外れの判定結果に基づいて選択される大当たり変動パターン選択テーブル1又は外れ変動パターン選択テーブル1とに基づいて演出図柄表示手段25の変動パターンを判定する変動パターン判定処理(S34)が行われる。なお本実施形態では、変動パターン用乱数値1に基づいて大分類の変動パターンを選択し、更に変動パターン用乱数値2に基づいてより詳細な小分類の変動パターンを選択するようになっているが、この先読み判定処理では、変動パターン用乱数値1に基づく大分類の変動パターンのみを判定するようになっている。
【0052】
以上の先読み判定処理(S29〜S34)が終了すると、その先読み判定結果に基づいて入賞コマンドデータ、即ち保留加算コマンドの下位バイトのデータが作成される(S35)。本実施形態では、保留加算コマンドの下位バイトは図10(b)のように規定されている。例えば大当たり/外れの判定結果が大当たりであると判定され、変動パターンがスーパーリーチ1であると判定された場合には、入賞コマンドデータには“11H”がセットされる。なお、図10(b)では、保留加算コマンドの下位バイトが“03H”の場合は「不定(ノーマルリーチorリーチなし)」となっているが、これは先読み判定処理では変動パターン用乱数値1に基づく大分類の変動パターンのみを判定しているため、最終的にノーマルリーチ変動パターンとリーチなし変動パターンのどちらが選択されるかまでは判定できないことを示している。
【0053】
先読み判定結果に基づく入賞コマンドデータが作成されると(S35)、第1特別保留個数等に基づいて作成される上位バイト(図10(a))と入賞コマンドデータにセットされている下位バイト(図10(b)))とを結合して保留加算コマンドが作成され(S36)、その保留加算コマンドが演出制御基板32に送信される(S37)。
【0054】
以上の第1始動入賞処理(S3)及び第2始動入賞処理(S4)では、乱数記憶処理 (S25,S26)後の保留記憶領域55bではなく、乱数値記憶領域55aに記憶されている各乱数値に基づいて先読み判定処理(S29〜S34)を行うようになっているため、保留個数に応じて乱数値の読み出し位置を決定する必要がなく、常に一定の記憶領域から先読み判定用の乱数を読み出すことができる。
【0055】
始動入賞処理手段63による第1始動入賞処理(S3)及び第2始動入賞処理(S4)が終了すると、続いて第1,第2特別図柄の変動に関する状況を示す図柄変動ステータスに応じて、特別図柄処理手段64による特別図柄処理が行われる。即ち、まず図柄変動ステータスが「変動待機中」であれば、変動開始処理手段64aによる特別図柄変動開始処理(S6a)が実行される。
【0056】
この特別図柄変動開始処理(S6a)では、例えば図9に示すように、まず第2特別保留個数が0であるか否かが判定され(S41)、第2特別保留個数が0でないと判定された場合には、第2特別保留個数が1減算される(S41a)と共に、第2特別図柄についてS43以下の処理が実行される。また、S41において第2特別保留個数が0であると判定された場合には、第1特別保留個数が0であるか否かが判定され(S42)、第1特別保留個数が0でないと判定された場合には、第1特別保留個数が1減算される(S42a)と共に、第1特別図柄についてS43以下の処理が実行される。第1,第2特別保留個数が共に0であれば、ここで特別図柄変動開始処理は終了する。このような構成により、第1特別図柄の図柄変動よりも第2特別図柄の図柄変動の方が優先して処理される。
【0057】
なお、第1,第2特別図柄の変動中でなく、特別利益状態中でもなく、更にS41,S42において第1,第2特別保留個数の何れかが1以上であると判定されることが、変動開始条件の成立の一例である。
【0058】
以下、S41において第2特別保留個数が0でないと判定されたものとしてS43以下の処理を説明する。S41において第2特別保留個数が0でないと判定され、第2特別保留個数が1減算されると(S41a)、続いて保留減算コマンドが演出制御基板32に送信され(S43)、乱数シフト処理(S44)が行われる。
【0059】
この乱数シフト処理(S44)では、保留記憶領域55b上の待ち行列の先頭に記憶されている各乱数値が変動用記憶領域55cに格納されると共に、待ち行列の2番目以降の各乱数値が待ち行列の前側にシフトされる(図11(b))。なお、変動用記憶領域55cには、保留記憶領域55bにおける保留1個分の記憶領域と同容量(例えば5バイト)が確保されている。例えば、第2特別保留個数が3個の場合、第2特別図柄保留1記憶領域に格納されている各乱数値が変動用記憶領域55cに格納され、第2特別図柄保留2記憶領域及び第2特別図柄保留3記憶領域に格納されている各乱数値が夫々第2特別図柄保留1記憶領域及び第2特別図柄保留2記憶領域に格納され、第2特別図柄保留3記憶領域は例えばクリアされる。
【0060】
乱数シフト処理(S44)が終了すると、変動用記憶領域55cに記憶されている各乱数値に基づいて変動開始時判定手段65による変動開始時判定処理(S45〜S50)が実行される(図11(b))。即ち、まず変動用記憶領域55cから第2大当たり判定用乱数値が取得され(S45)、その第2大当たり判定用乱数値(第1乱数値)が予め定められた大当たり判定値(第1判定値)と一致するか否かに応じて大当たり/外れの判定が行われる(S46)。また、変動用記憶領域55cから特別図柄用乱数値(第2乱数値)が取得され(S47)、その特別図柄用乱数値と、大当たり/外れの判定結果に基づいて選択される大当たり図柄テーブル又は外れ図柄テーブルとに基づいて第2特別図柄の停止図柄を作成する特別停止図柄作成処理(S48)が行われる。
【0061】
更に、変動用記憶領域55cから変動パターン用乱数値1及び変動パターン用乱数値2が取得され(S49)、その変動パターン用乱数値1,2と、大当たり/外れの判定結果に基づいて選択される大当たり変動パターン選択テーブル1,2又は外れ変動パターン選択テーブル1,2とに基づいて演出図柄表示手段25の変動パターンを選択する変動パターン選択処理(S50)が行われる。なお、この変動パターン選択処理(S50)において、選択された変動パターンに対応する変動パターン指定コマンドが演出制御基板32に送信される。
【0062】
以上の変動開始時判定処理(S45〜S50)が終了すると、第2特別図柄の変動が開始される(S51)と共に、S48で作成された停止図柄に対応する特別図柄指定コマンドが演出制御基板32に送信され(S52)、図柄変動ステータスが「変動中」に変更されて(S53)この特別図柄変動開始処理は終了する。
【0063】
以上の特別図柄変動開始処理(S6a)では、保留記憶領域55b上の待ち行列の先頭に記憶されている各乱数値を変動用記憶領域55cに格納し、その変動用記憶領域55cに記憶されている各乱数値に基づいて変動開始時判定処理(S45〜S50)を実行するようになっているため、変動開始する図柄が第1特別図柄であるか第2特別図柄であるかに拘わらず常に一定の記憶領域から変動開始時判定用の乱数を読み出すことができる。
【0064】
特別図柄変動開始処理(S6a)が終了して図柄変動ステータスが「変動中」になると、次回の割り込み時処理(図6)からは変動中処理手段64bにより特別図柄変動中処理(S6b)が実行される。この特別図柄変動中処理(S6b)では、例えば第1,第2特別図柄の変動開始から、S50で選択された変動パターンに対応する変動時間が経過することに基づいて、第1,第2特別図柄の変動が停止されると共に変動停止コマンドが演出制御基板32に送信され、また図柄変動ステータスが「確認中」に変更される。
【0065】
また、特別図柄変動中処理(S6b)が終了して図柄変動ステータスが「確認中」になると、次回の割り込み時処理(図6)からは確認時間中処理手段64cにより特別図柄確認時間中処理(S6c)が実行される。この特別図柄確認時間中処理(S6c)では、第1,第2特別図柄の変動に係る各種変数等を初期化すると共に、その変動後の停止図柄が大当たり態様となった場合には、例えば特別利益状態に係る各種変数等に初期値を設定するなど、特別利益状態を開始するための準備処理を行うようになっている。
【0066】
特別利益状態発生手段45は、変動開始時判定手段65による大当たり判定処理(S46)において大当たりと判定され、第1特別図柄表示手段23a又は第2特別図柄表示手段23bの変動後の停止図柄が大当たり態様となることに基づいて遊技者に有利となる特別利益状態を発生させるものである。特別利益状態中は、大入賞手段17が所定の開放パターンに従って開放されるようになっている。大入賞手段17の開放パターンは例えば複数種類用意されており、特別利益状態発生手段45によってそれらのうちの1つが選択されるようになっている。
【0067】
なお、特別利益状態によって遊技者が得られる平均利益は、第1特別図柄で大当たり態様となった場合よりも第2特別図柄で大当たり態様となった場合の方が大きくなるように設定することが望ましい。
【0068】
特別図柄表示制御手段46は、第1,第2特別図柄表示手段23a,23bの表示制御を行うもので、特別図柄処理手段44による特別図柄処理に基づいて、第1,第2特別図柄表示手段23a,23bによる第1,第2特別図柄の変動開始、変動停止等を制御するようになっている。
【0069】
特別遊技状態発生手段47は、特別利益状態の発生後の所定期間に遊技者に有利な特別遊技状態を発生させるためのもので、例えばこの特別遊技状態中は、第1,第2特別図柄が大当たり態様となる確率が通常確率(例えば1/350)よりも高い高確率(例えば1/35)に切り換えられると共に、例えば第1,第2特別図柄に関して、第1,第2特別図柄表示手段23a,23bの変動時間が夫々通常変動時間よりも短い短縮変動時間に切り換えられ、普通図柄に関して、当たり確率が通常確率(例えば1/10)から高確率 (例えば1/1.3)へ、変動時間が通常変動時間(例えば27秒)から短縮変動時間 (例えば2.7秒)へ、第2特別図柄始動手段16bの開閉手段28の開閉パターンが通常開閉パターン(例えば0.2秒×1回開放)から延長開閉パターン(例えば2秒×3回開放)へ、夫々切り換えられるようになっている。
【0070】
制御コマンド送信手段48は、所定の制御コマンドを一方向通信により演出制御基板32等のサブ制御基板側に送信して制御指令を与えるためのもので、例えば第1,第2特別図柄の変動に関しては、特別図柄処理手段44による特別図柄処理に基づいて、第1,第2特別図柄始動手段16a,16bへの遊技球入賞時に演出制御基板32に対して保留加算コマンドを送信し、また第1,第2特別図柄の変動開始時に、保留減算コマンド、変動パターン指定コマンド、特別図柄指定コマンドを演出制御基板32に送信すると共に、第1,第2特別図柄の変動停止時に変動停止コマンドを演出制御基板32に送信するようになっている。
【0071】
演出制御基板32は、演出図柄表示手段25、第1,第2特別保留個数表示手段26a,26b、予告演出表示手段27、音声出力手段71、電飾手段72等の各種演出手段を制御するためのもので、特別保留個数表示制御手段73、演出図柄表示制御手段74、予告演出制御手段75等を備えている。
【0072】
特別保留個数表示制御手段73は、第1,第2特別保留個数表示手段26a,26bの表示制御を行うもので、主制御基板31から保留加算コマンドを受信したときに、その保留加算コマンドに基づいて、画像表示手段21の表示画面21a上の所定位置に増加後の第1,第2特別保留個数分の第1,第2保留表示画像X,Yを表示し、例えば主制御基板31から保留減算コマンドを受信することに基づいて、表示中の第1,第2保留表示画像X,Yの数を1個減少させて前側にシフトさせるように構成されている。
【0073】
演出図柄表示制御手段74は、演出図柄表示手段25の表示制御を行うもので、主制御基板31から変動パターン指定コマンド及び特別図柄指定コマンドを受信した場合に、その変動パターン指定コマンドに対応する変動パターンに基づいて画像表示手段21の表示画面21a上で演出図柄の変動を開始させると共に演出図柄の変動後の停止図柄を抽選により決定し、その後に変動停止コマンドを受信したときに、抽選により決定した停止図柄で演出図柄の変動を停止させ、またその演出図柄の変動表示に合わせて音声出力手段71から所定の効果音を出力し、電飾手段72を所定のパターンで発光させるようになっている。
【0074】
予告演出制御手段75は、先読み判定結果に基づく予告演出の一例としての連続予告演出を制御するもので、主制御基板31から受信した保留加算コマンドが所定の連続予告開始条件を満たしている場合に、その保留記憶が図柄変動に供されるまでの複数回の演出図柄変動において予告演出表示手段27に所定の演出表示を行う連続予告演出を行うようになっている。例えば、加算後の保留個数が所定個数(例えば3個)以上であり、先読み判定結果が大当たり且つ大当たり用の予告開始抽選で当選するか、先読み判定結果がリーチ外れで且つ外れ用の予告開始抽選で当選した場合(いわゆるガセの連続予告)に、連続予告開始条件を満たしたものと判定される。なお、大当たり用の予告開始抽選と外れ用の予告開始抽選とでは、大当たり用の予告開始抽選の方が高い当選確率に設定されている。
【0075】
以上説明したように、本実施形態に係るパチンコ機では、大当たり判定用乱数値を含む一又は複数種類の乱数値よりなる一組の乱数情報を記憶可能な乱数値記憶領域55aを備え、図柄始動条件が成立することに基づいて、図柄始動条件の成立時に取得された第1大当たり判定用乱数値又は第2大当たり判定用乱数値(第1乱数値)を乱数値記憶領域55aの第1大当たり判定用乱数バッファ又は第2大当たり判定用乱数バッファ(第1領域)に格納する乱数取得処理を含む乱数管理処理を実行し、図柄始動条件が成立し且つ保留記憶領域55bに記憶されている乱数情報の数が保留上限数未満であることに基づいて、乱数値記憶領域55aに記憶されている乱数情報を保留記憶領域55b上の待ち行列の最後尾に記憶させる乱数記憶処理と、乱数値記憶領域55aに記憶されている乱数情報を用いて先読み判定処理手段63bによる判定を行う先読み判定処理とを含む始動入賞処理を実行するように構成されているため、先読み判定処理を行う際に第1,第2特別保留個数に応じて乱数値の読み出し位置を決定する必要がなく、常に一定の記憶領域から先読み判定用の乱数値を読み出すことができ、先読み判定処理における乱数読み出し処理が簡素化される利点がある。
【0076】
また、一組の乱数情報を記憶可能な変動用記憶領域55cを備え、変動開始条件が成立することに基づいて、変動開始時判定手段65による判定処理に先立って、保留記憶領域55b上の待ち行列の先頭の乱数情報を変動用記憶領域55cに格納すると共に、その他の乱数情報を待ち行列の前側にシフトする乱数シフト処理を実行するように構成され、変動用記憶領域55cに記憶されている乱数情報に基づいて変動開始時判定手段65による判定処理を実行するように構成されているため、変動開始時判定処理においては、第1特別図柄と第2特別図柄との何れが変動対象であるかに拘わらず常に一定の記憶領域から変動開始時判定処理用の乱数値を読み出すことができ、変動開始時判定処理における乱数読み出し処理が簡素化される利点がある。
【0077】
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、実施形態では二つの特別図柄表示手段、即ち第1,第2特別図柄表示手段23a,23bを搭載したパチンコ機の場合を例示したが、特別図柄表示手段を一つしか搭載していない弾球遊技機でも同様に実施可能である。
【0078】
先読み判定結果に基づく予告演出は、連続予告演出に限られるものではなく、例えば特別保留個数表示手段による保留表示画像によってその保留記憶の内容を報知するもの等、どのようなものでもよい。
【0079】
先読み判定処理による判定内容は任意である。例えば、大当たり判定用乱数値に基づく大当たり判定のみを行うようにしてもよいし、変動開始時判定処理と全く同じ判定を行うようにしてもよい。
【0080】
また本発明は、パチンコ機に限らず、アレンジボール機、雀球遊技機等の各種の弾球遊技機においても同様に実施することが可能である。
【符号の説明】
【0081】
23a 第1特別図柄表示手段(図柄表示手段)
23b 第2特別図柄表示手段(図柄表示手段)
45 特別利益状態発生手段(利益状態発生手段)
55a 乱数値記憶領域
55b 保留記憶領域
55c 変動用記憶領域
63b 先読み判定処理手段
65 変動開始時判定手段
75 予告演出制御手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の図柄始動条件が成立することに基づいて取得される一又は複数種類の乱数値よりなる乱数情報を所定の保留上限数分記憶可能な先入れ先出し式の保留記憶領域と、所定の変動開始条件が成立することに基づいて、前記保留記憶領域上の待ち行列の先頭の前記乱数情報に含まれる第1乱数値が所定の第1判定値と一致するか否かを判定する変動開始時判定手段と、前記変動開始条件が成立することに基づいて図柄の変動表示を開始し、前記変動開始時判定手段によって前記第1乱数値が前記第1判定値と一致すると判定された場合には特定態様で、それ以外の場合には前記特定態様とは異なる所定態様で前記図柄変動を停止する図柄表示手段と、前記図柄表示手段による図柄変動後の停止図柄が前記特定態様となることに基づいて利益状態を発生させる利益状態発生手段と、前記変動開始時判定手段による判定よりも前の所定のタイミングで、前記第1乱数値が前記第1判定値と一致するか否かを判定する先読み判定処理手段と、前記先読み判定処理手段による判定結果に基づく演出を制御する予告演出制御手段とを備えた弾球遊技機において、一組の前記乱数情報を記憶可能な乱数値記憶領域を備え、前記図柄始動条件が成立することに基づいて、前記図柄始動条件の成立時に取得された前記第1乱数値を前記乱数値記憶領域の第1領域に格納する乱数取得処理を含む乱数管理処理を実行し、前記図柄始動条件が成立し且つ前記保留記憶領域に記憶されている前記乱数情報の数が前記保留上限数未満であることに基づいて、前記乱数値記憶領域に記憶されている前記乱数情報を前記保留記憶領域上の待ち行列の最後尾に記憶させる乱数記憶処理と、前記乱数値記憶領域に記憶されている前記乱数情報を用いて前記先読み判定処理手段による判定を行う先読み判定処理とを含む始動入賞処理を実行するように構成されていることを特徴とする弾球遊技機。
【請求項2】
前記乱数情報は第2乱数値を含み、前記乱数管理処理は、前記乱数値記憶領域の第2領域に記憶されている前記第2乱数値を更新する乱数更新処理を含み、前記先読み判定処理手段は前記第2領域に記憶されている前記第2乱数値に基づいて前記停止図柄の種類に関する判定を行うように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の弾球遊技機。
【請求項3】
前記乱数管理処理と前記始動入賞処理とは、所定時間毎にその順序で実行するように構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の弾球遊技機。
【請求項4】
前記乱数取得処理では、前記保留記憶領域に記憶されている前記乱数情報の数に拘わらず前記第1乱数値を前記第1領域に上書きにより記憶させるように構成されていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の弾球遊技機。
【請求項5】
一組の前記乱数情報を記憶可能な変動用記憶領域を備え、前記変動開始条件が成立することに基づいて、前記変動開始時判定手段による判定処理に先立って、前記保留記憶領域上の待ち行列の先頭の前記乱数情報を前記変動用記憶領域に格納すると共に、その他の乱数情報を待ち行列の前側にシフトする乱数シフト処理を実行するように構成され、前記変動用記憶領域に記憶されている前記乱数情報に基づいて前記変動開始時判定手段による判定処理を実行するように構成されていることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の弾球遊技機。
【請求項1】
所定の図柄始動条件が成立することに基づいて取得される一又は複数種類の乱数値よりなる乱数情報を所定の保留上限数分記憶可能な先入れ先出し式の保留記憶領域と、所定の変動開始条件が成立することに基づいて、前記保留記憶領域上の待ち行列の先頭の前記乱数情報に含まれる第1乱数値が所定の第1判定値と一致するか否かを判定する変動開始時判定手段と、前記変動開始条件が成立することに基づいて図柄の変動表示を開始し、前記変動開始時判定手段によって前記第1乱数値が前記第1判定値と一致すると判定された場合には特定態様で、それ以外の場合には前記特定態様とは異なる所定態様で前記図柄変動を停止する図柄表示手段と、前記図柄表示手段による図柄変動後の停止図柄が前記特定態様となることに基づいて利益状態を発生させる利益状態発生手段と、前記変動開始時判定手段による判定よりも前の所定のタイミングで、前記第1乱数値が前記第1判定値と一致するか否かを判定する先読み判定処理手段と、前記先読み判定処理手段による判定結果に基づく演出を制御する予告演出制御手段とを備えた弾球遊技機において、一組の前記乱数情報を記憶可能な乱数値記憶領域を備え、前記図柄始動条件が成立することに基づいて、前記図柄始動条件の成立時に取得された前記第1乱数値を前記乱数値記憶領域の第1領域に格納する乱数取得処理を含む乱数管理処理を実行し、前記図柄始動条件が成立し且つ前記保留記憶領域に記憶されている前記乱数情報の数が前記保留上限数未満であることに基づいて、前記乱数値記憶領域に記憶されている前記乱数情報を前記保留記憶領域上の待ち行列の最後尾に記憶させる乱数記憶処理と、前記乱数値記憶領域に記憶されている前記乱数情報を用いて前記先読み判定処理手段による判定を行う先読み判定処理とを含む始動入賞処理を実行するように構成されていることを特徴とする弾球遊技機。
【請求項2】
前記乱数情報は第2乱数値を含み、前記乱数管理処理は、前記乱数値記憶領域の第2領域に記憶されている前記第2乱数値を更新する乱数更新処理を含み、前記先読み判定処理手段は前記第2領域に記憶されている前記第2乱数値に基づいて前記停止図柄の種類に関する判定を行うように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の弾球遊技機。
【請求項3】
前記乱数管理処理と前記始動入賞処理とは、所定時間毎にその順序で実行するように構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の弾球遊技機。
【請求項4】
前記乱数取得処理では、前記保留記憶領域に記憶されている前記乱数情報の数に拘わらず前記第1乱数値を前記第1領域に上書きにより記憶させるように構成されていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の弾球遊技機。
【請求項5】
一組の前記乱数情報を記憶可能な変動用記憶領域を備え、前記変動開始条件が成立することに基づいて、前記変動開始時判定手段による判定処理に先立って、前記保留記憶領域上の待ち行列の先頭の前記乱数情報を前記変動用記憶領域に格納すると共に、その他の乱数情報を待ち行列の前側にシフトする乱数シフト処理を実行するように構成され、前記変動用記憶領域に記憶されている前記乱数情報に基づいて前記変動開始時判定手段による判定処理を実行するように構成されていることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の弾球遊技機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
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【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−34647(P2013−34647A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−172902(P2011−172902)
【出願日】平成23年8月8日(2011.8.8)
【出願人】(391010943)株式会社藤商事 (1,465)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月8日(2011.8.8)
【出願人】(391010943)株式会社藤商事 (1,465)
【Fターム(参考)】
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