説明

弾球遊技機

【課題】複数種類のキャラクタの画像を順に表示するステップアップ演出をする場合に、遊技者の期待感を低下させることなく、遊技への関心を高めて継続して遊技に引き付ける可能性のある弾球遊技機を提供する。
【解決手段】キャラクタの種類及びその表示属性の情報を含む複数種類のキャラクタの画像と、単位遊技が行わる複数回のタイミングと、の対応を定めた対応関係であって、複数種類のキャラクタの画像が複数回のタイミングの各々に対して定められた第一の対応関係と、第一対応関係とは異なる複数種類のキャラクタ画像と複数回のタイミングとの対応関係である第二の対応関係と、単位遊技が行われている間において、複数回のタイミングのうちの少なくとも1回の所定のタイミングで、第一対応関係に基づく第一対応キャラクタの画像、及び第二対応関係に基づく第二対応キャラクタの画像の少なくともいずれかを、画像表示手段に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
演出画像を表示する画像表示手段を有する弾球遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従前から弾球遊技機には、種々の画像を表示する画像表示手段が設けられている。この画像表示手段では、図柄の画像を表示してスロットゲームを模した図柄画像遊技が行われる。さらに、この図柄画像遊技がリーチや大当たりに至るときには、その予告を遊技者に報知するためのキャラクタの画像による予告演出も行われる場合もあった。
【0003】
従来の弾球遊技機では、この予告演出としてステップアップ演出と称されるものが行われていた。このステップアップ演出は、図柄画像遊技が行われているときに、複数種類のキャラクタを順に表示して、図柄画像遊技がリーチや大当たりになるのではないかという遊技者の期待感をそのキャラクタの種類によって徐々に高めるために行われていた。
【0004】
例えば、従来の遊技機として、3つの図柄の画像を変動表示し、図柄の画像を最初に停止表示するとき、又は2番目に図柄の画像を停止表示するときの少なくとも一方のときに、キャラクタが走るような態様でキャラクタの画像を表示するものがあった。この従来の遊技機は、このようなタイミングでキャラクタの画像を表示することによって、リーチや大当たりの予告として遊技者に報知するもので、遊技がリーチや大当たりに至るのではないかという遊技者の期待感を高めようとするものであった。(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−355417号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した従来の弾球遊技機では、図柄の画像を最初に停止表示するとき、又は2番目に図柄の画像を停止表示するときにキャラクタの画像を表示するものであったため、何れのときにもキャラクタの画像が表示されなかったときには、遊技が大当たりには至らないだろうと遊技者は判断してしまい、遊技者の期待感を低減させるとともに、遊技に対する関心を急速に低下させてしまうものであった。
【0007】
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、複数種類のキャラクタの画像を順に表示するステップアップ演出をする場合に、キャラクタが一旦表示されなくなった場合でも、遊技者の期待感を低下させることなく、遊技への関心を高めて継続して遊技に引き付ける可能性のある弾球遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以上のような目的を達成するために、本発明においては、単位遊技におけるタイミングと、そのタイミングで表示させるキャラクタとの対応関係を予め記憶させておき、単位遊技が行われている間において、複数回のタイミングのうちの少なくとも1回の所定のタイミングで、そのタイミングに対応したキャラクタの画像と、所定のタイミングに対応しないキャラクタの画像とを、画像表示手段に表示させる。
【0009】
具体的には、
図柄の画像と複数種類のキャラクタの画像とを含む演出画像が表示される画像表示手段を含む弾球遊技機であって、
遊技球の流下の態様に基づいて遊技の進行が定まる弾球遊技が行われる遊技盤と、
前記演出画像を画像データとして記憶する画像データ記憶手段と、
前記画像データ記憶手段から図柄の画像の画像データを読み出し、前記図柄の画像を変動表示させてから停止表示させるまでを単一の行程とした単位遊技を前記画像表示手段で行う単位遊技制御手段と、
前記キャラクタを識別するための識別情報、前記キャラクタの画像の表示属性又は前記キャラクタの動作を示す表示態様のうちの少なくとも1つを含むキャラクタ表示情報と、前記単位遊技が行われる間において前記キャラクタの画像を表示し得る複数回のタイミングと、の対応を定めた対応関係であって、前記複数回のタイミングの各々で前記識別情報、前記表示属性又は前記表示態様のうちの少なくとも1つが互いに相違するように、前記キャラクタ表示情報が前記複数回のタイミングの各々に対して定められた標準対応関係が記憶された標準対応関係記憶手段と、
前記単位遊技が行われている間において、前記複数回のタイミングのうちの少なくとも1回の所定のタイミングで、前記標準対応関係に基づいて定まり前記所定のタイミングに対応したキャラクタの画像と、前記所定のタイミングに対応しないキャラクタの画像とを、前記画像表示手段に表示させる画像表示制御手段と、を含むことを特徴とする。
【0010】
上述したように、単位遊技が行われている間において、複数回のタイミングのうちの少なくとも1回の所定のタイミングで、そのタイミングに対応したキャラクタの画像と、そのタイミングには対応しないキャラクタの画像とを表示するので、複数種類のキャラクタの各々が一の単位遊技内で漸次表示されることを演出の前提としているときに、ある所定のタイミングで、そのタイミングで表示されるべきキャラクタの画像のみならず、本来そのタイミングでは表示されることのないキャラクタの画像も表示されるため、遊技者を驚かせたり意外性を感じさせる可能性が生ずる。
【0011】
また、単位遊技の途中の所定のタイミングで本来表示されるキャラクタが表示されなかったとしても、その後の別のタイミングで、そのときのタイミングで表示されるべきキャラクタの画像と、それよりも前のタイミングで表示されなかったキャラクタとが表示されたときには、ステップアップ演出が引き続き行われていることを遊技者に明示することができるとともに、単位遊技が遊技者に有利になり得るのではないかという期待感を遊技者に与える可能性が生ずる。
【0012】
ここで、図柄の画像の変動表示は、図柄画像を構成する識別情報が順次変更されるような態様で図柄画像を表示したり、図柄画像の表示位置を変更するような態様で図柄画像を表示したりする表示方法である。この図柄画像の変動表示が開始されたときが、単位遊技の開始のときである。変動表示された図柄画像は、所定の時間経過後に停止表示される。図柄の画像の停止表示は、画像表示手段の一定の位置において一定の識別情報を表示する。尚、停止表示の態様は、画像表示手段の一定の位置を中心として微動したり、揺動したりする態様も含まれ、図柄の画像の変動表示に対して停止していると遊技者が認識できる態様で表示されるものであればよい。
【0013】
また、「キャラクタ」とは、人間、動物等の生命体のほか、ロボット等の人口生命体や擬似生命体のような何らかの意思をもって行動すると遊技者が視認できる動体物のみならず、図柄や背景とは異なる別個の存在として遊技者が視認できるように表現された車両や船や武器等の物体も含まれる。
【0014】
さらに、「キャラクタを識別するための識別情報」とは、キャラクタ自体を定めるための情報であり、複数種類のキャラクタが互いに異なるキャラクタであると遊技者が視認できる場合には、識別情報も異なることになる。例えば、犬、赤子、女性、男性及び船の5種類のキャラクタを画像表示手段に表示する場合には、これらのキャラクタは、異なるキャラクタであると遊技者は視認できるので、これらを定めるための識別情報は異なる。
さらにまた、「キャラクタの画像の表示属性」とは、キャラクタの画像を表示するために必要な表示要素の情報であり、キャラクタの画像を構成する画像の全体又は一部の色、大きさ、変形の度合い、点滅の仕方のほか、ハッチング、線種、線幅、テクスチャ等も含まれる。さらに、キャラクタの画像を修飾するための修飾画像を付加したり削除したりすることもキャラクタの画像の表示属性に含まれる。例えば、一の女性のキャラクタを表示する場合に、一の女性であると遊技者が視認できる場合には上述した識別情報は同一である。これに対して、一の女性であると遊技者が視認できる場合であっても、この女性の洋服や髪型等を異ならしめて表示する場合もある。このような場合には、洋服の色や形を変更したり、髪の形を変更したり表示するため、キャラクタの画像の表示属性を変更して表示することになる。さらにまた、一の女性が同様の洋服を着ているような場合であっても単に洋服の色のみが異なる場合には、表示属性は異なる。このように、表示属性を変更して表示するには、識別情報は同一であっても表示属性は異なる。
【0015】
また、「キャラクタの動作を示す表示態様」とは、キャラクタの画像を表示する際に、そのキャラクタの動作等を表現するために、キャラクタの画像を動的に画像表示手段に表示する表示態様を定める情報を意味する。このキャラクタを動的に表示する表示態様は、遊技者が異なると視認できれば異なる情報である。例えば、一の女性が、歩いている表示態様や、走っている表示態様、男性に抱きかかえられている表示態様等、遊技者が異なる態様であると視認できれば、表示態様は異なる情報となる。
【0016】
上述した「キャラクタを識別するための識別情報」、「キャラクタの画像の表示属性」又は「キャラクタの動作を示す表示態様」のうちの少なくとも1つの情報からなる情報をキャラクタ表示情報と称する。即ち、キャラクタ表示情報は、「キャラクタを識別するための識別情報」、「キャラクタの画像の表示属性」又は「キャラクタの動作を示す表示態様」のうちの少なくとも1つの情報が含まれていればよい。
【0017】
また、画像表示手段にキャラクタの画像を表示し得るタイミングは複数回あり、この複数回のタイミングは、予め定められた一定のタイミングとしても、乱数等を発生させてその都度定めてもよい。この「タイミング」は、画像表示手段に表示するキャラクタの「キャラクタを識別するための識別情報」、「キャラクタの画像の表示属性」又は「キャラクタの動作を示す表示態様」に応じて適切に定められる。即ち、画像表示手段にキャラクタが表示されるタイミングは、遊技者が極めて短い一瞬と感じられるような時間間隔であっても、遊技者が十分に長いと感じられるようなある程度の長さのある時間間隔であっても、キャラクタの画像を表示するのに適宜定められたタイミングであればよい。さらに、タイミングは、制御手段のタイマー等の計時手段によって定められる時間のような絶対的なものであっても、画像表示手段で行われる演出の進行状況に応じて適宜変更されうる相対的なものであってもよい。
【0018】
さらに、「標準対応関係」は、上述した「複数回のタイミング」と「キャラクタ表示情報」との対応関係であり、「キャラクタを識別するための識別情報」、「キャラクタの画像の表示属性」又は「キャラクタの動作を示す表示態様」のうちの少なくとも1つの情報の内容がタイミングによって相違するように定められている。この少なくとも1つの情報の内容がタイミングによって相違するとは、以下のような場合が挙げられる。
【0019】
先ず、「複数回のタイミング」と「キャラクタを識別するための識別情報」との対応関係は、複数回のタイミングの各々で表示される異なるキャラクタであると遊技者が視認できるような対応関係である。例えば、第1のタイミングでは、犬を表示し、第2のタイミングでは、赤子を表示し、第3のタイミングでは、女性を表示し、第4のタイミングでは、男性を表示し、第5のタイミングでは、船を表示するような対応関係である。
【0020】
また、「複数回のタイミング」と「キャラクタの画像の表示属性」との対応関係は、複数回のタイミングの各々で表示されるキャラクタの表示属性が異なると遊技者が視認できるような対応関係である。例えば、複数回のタイミングの各々で表示されるキャラクタ自体は同一であるが、その複数回のタイミングの各々で表示されるキャラクタの画像の色が異なるような対応関係である。より具体的には、複数回のタイミングの各々で表示されるキャラクタは、同一の女性であるが、第1のタイミングでは、女性が青色の洋服を着ており、第2のタイミングでは、女性が赤色の洋服を着ており、第3のタイミングでは、女性が黄色の洋服を着ており、第4のタイミングでは、女性がピンク色の洋服を着ており、第5のタイミングでは、女性が白色の洋服を着ていると視認できるような対応関係である。また、「キャラクタの画像の表示属性」が異なればよいので、キャラクタの画像の大きさが次第に変化していくと視認できるような、例えば、第1のタイミングではキャラクタの画像を小さく表示し、第2のタイミングではキャラクタの画像の大きさをそれよりも大きく表示し、第3のタイミングではキャラクタの画像の大きさをさらに大きく表示するような対応関係でもよい。
【0021】
さらに、「複数回のタイミング」と「キャラクタの動作を示す表示態様」との対応関係は、複数回のタイミングの各々で表示されるキャラクタの動作を示す表示態様が異なると遊技者が視認できるような対応関係である。例えば、複数回のタイミングの各々で表示されるキャラクタ自体は同一であるが、その複数回のタイミングの各々で表示されるキャラクタの動きが異なるような対応関係である。より具体的には、複数回のタイミングの各々で表示されるキャラクタは、同一の男性であるが、第1のタイミングでは、男性が歩いている動作をし、第2のタイミングでは、男性が走っている動作をし、第3のタイミングでは、男性が泳いでいる動作をし、第4のタイミングでは、男性が物を食べている動作をし、第5のタイミングでは、男性が歌を歌っている動作をしていると遊技者が視認できるような対応関係である。
【0022】
上述した「複数回のタイミング」と「キャラクタを識別するための識別情報」との対応関係、「複数回のタイミング」と「キャラクタの画像の表示属性」との対応関係、又は「複数回のタイミング」と「キャラクタの動作を示す表示態様」との対応関係のうちの少なくとも1つの対応関係が定められていれば本発明に含まれる。
【0023】
また、上述した「複数回のタイミング」と「キャラクタを識別するための識別情報」との対応関係が定められている場合に、複数回のタイミングの各々で表示される異なるキャラクタであると遊技者が視認できるような対応関係が定められていれば、本発明に含まれる。さらに、「複数回のタイミング」と「キャラクタの画像の表示属性」との対応関係が定められている場合に、複数回のタイミングの各々で表示されるキャラクタの表示属性が異なると遊技者が視認できるような対応関係が定められていれば、本発明に含まれる。さらにまた、「複数回のタイミング」と「キャラクタの動作を示す表示態様」との対応関係が定められている場合に、複数回のタイミングの各々で表示されるキャラクタの動作を示す表示態様が異なると遊技者が視認できるような対応関係が定められていれば、本発明に含まれる。
【0024】
さらに、「前記キャラクタを識別するための識別情報、前記キャラクタの画像の表示属性又は前記キャラクタの動作を示す表示態様のうちの少なくとも1つを含むキャラクタ表示情報と、前記単位遊技が行われる間において前記キャラクタの画像を表示し得る複数回のタイミングと、の対応を定めた対応関係」とは、キャラクタの画像が実際に画像表示手段に表示されるか否かに拘らず、このような対応関係が定められていればよいことを意味する。従って、複数回のタイミングの各々で、対応関係に応じてキャラクタの画像が画像表示手段に表示される場合と表示されない場合との双方の場合があることを意味する。
【0025】
さらにまた、「前記標準対応関係に基づいて定まり前記所定のタイミングに対応したキャラクタの画像と、前記所定のタイミングに対応しないキャラクタの画像とを、前記画像表示手段に表示させる」とは、単位遊技が行われている間の一のタイミングにおいて、そのタイミングに対応したキャラクタの画像と、そのタイミングに対応していないキャラクタの画像とが表示されることを意味する。このような表示をするための制御は、本来そのタイミングに対応していないキャラクタとタイミングとの対応関係を非標準対応関係として非標準対応関係記憶手段に予め記憶させておき、その非標準対応関係を読み出すことによって行うことができる。さらに、非標準対応関係記憶手段を用いずに、乱数等を発生させて、乱数値に応じてそのタイミングに対応していないキャラクタをその都度選択して表示してもよい。
【0026】
また、前記所定のタイミングに対応しないキャラクタは、前記所定のタイミングより前のタイミングに対応したキャラクタであることが好ましい。
【0027】
このようにすることで、所定のタイミングで表示されるべきキャラクタの画像と、そのタイミングよりも前のタイミングのキャラクタの画像とが表示されるので、キャラクタの画像が一旦表示されなくなったときには、ステップアップ演出が途中で終わってしまったと遊技者に思わせておき、実はステップアップ演出が引き続き行われていることを遊技者に明示することができ、その単位遊技を諦めかけていた遊技者にさらなる期待感を与える可能性が生ずる。
【0028】
さらに、前記単位遊技制御手段が、前記画像表示手段に表示させる図柄の画像の図柄表示態様を特定の図柄表示態様にする単位遊技を行うときに、画像表示制御手段は、前記複数回のタイミングのうちの少なくとも1回の所定のタイミングで、前記標準対応関係に基づいて定まり前記所定のタイミングに対応したキャラクタと、前記所定のタイミングに対応しないキャラクタとを、前記画像表示手段に表示させることが望ましい。
【0029】
このようにすることで、そのタイミングに対応したキャラクタの画像と、そのタイミングに対応していないキャラクタの画像とが表示されたときには、図柄の画像の表示態様が特定のものになるのではないかという予告を遊技者にすることができるとともに、その単位遊技の遊技結果への期待感を高めることができる。
【0030】
ここで、「図柄の画像の図柄表示態様」とは、図柄自体を識別するための識別情報、図柄の画像を表示するために必要な表示要素についての情報、及び図柄の画像を変動表示させるときの図柄の画像の動きを定めるための情報のうちの少なくとも1つの情報によって定まる図柄の画像の表示の態様を意味する。
【発明の効果】
【0031】
複数種類のキャラクタの画像を順に表示するステップアップ演出をする場合に、キャラクタが一旦表示されなくなった場合でも、遊技者の期待感を低下させることなく、遊技への関心を高めて継続して遊技に引き付ける可能性が生ずる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明に係る弾球遊技機の一つの実施の形態であるパチンコ遊技機の一例の概略を示す正面図である。
【図2】パチンコ遊技機10の背面を示す背面図である。
【図3】パチンコ遊技機10における主要な制御機能の概略を示す機能ブロック図である。
【図4】主制御手段510において実行される入賞処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図5】主制御手段510において実行される判定結果を副制御手段610に送信する処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図6】副制御手段610において実行される画像を表示する処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図7】図6のステップS87で読み出されて実行されるステップアップ演出の処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図8】単位遊技内における複数のタイミングと、その複数のタイミングの各々で表示され得るキャラクタの種類と、の複数の対応関係を定めた表である。
【図9】ステップアップ演出で画像表示手段330に表示される画像の第1の例を示す図である。
【図10】ステップアップ演出で画像表示手段330に表示される画像の第2の例を示す図である。
【図11】ステップアップ演出で画像表示手段330に表示される画像の第3の例を示す図である。
【図12】ステップアップ演出で画像表示手段330に表示される画像の第4の例を示す図である。
【図13】ステップアップ演出で画像表示手段330に表示される画像の第5の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下に、本発明の実施例について図面に基づいて説明する。
【0034】
<<パチンコ遊技機10の前面の構成>>
図1は、本発明に係る弾球遊技機の一つの実施の形態であるパチンコ遊技機の一例の概略を示す正面図である。尚、図1に示した例は、パチンコ遊技機10の前面を示す図である。
【0035】
図1に示すように、パチンコ遊技機10は、外枠12と、前枠14と、遊技盤24と、を含む。
【0036】
<外枠12>
外枠12は、パチンコ遊技機10の外郭を構成し、方形状の形状を有する。尚、パチンコホールにおいては、この外枠12を介して、パチンコ遊技機10は、遊技島の支持部材(図示せず)に取り付けられる。
【0037】
<前枠14>
外枠12には、開閉自在に軸支される前枠14が設けられている。前枠14には、ガラス扉16や、遊技球を受けるための受け皿18や、打球ハンドル22や、遊技盤24を収容する収容部等の各種の部材が設けられている。
【0038】
<遊技盤24>
遊技盤24には、レール26により区画された遊技領域28が形成されている。遊技領域28の略中央部には、図柄の画像等の種々の画像を表示する画像表示装置30が設けられている。さらに、遊技領域28には、図柄の画像の変動表示の開始の条件を定める始動入賞口32や、遊技が大当たりとなったときに開閉する特別入賞口34や、普通図柄変動表示口36及び38や、その他複数の一般入賞口39a〜39dや、遊技球の落下に影響を及ぼす風車40及び42や、多数の遊技釘や、アウト口44も設けられている。
【0039】
上述した打球ハンドル22を遊技者が回動操作したときには、受け皿18から打球発射部(図示せず)へ遊技球が1個ずつ供給され、遊技球は、打球ハンドル22の回動操作に応じた強度で、打球発射装置(図示せず)によって遊技領域28に打球として発射される。
【0040】
遊技領域28に発射された打球は、上述した風車や遊技釘との接触を繰り返して移動方向を変えながら落下し、上述した各種の入賞口32〜38及び39a〜39dやアウト口44に流入する。この遊技盤24上を流下する遊技球によって「弾球遊技」が行われ、遊技球の流下の態様に基づいて弾球遊技の進行が定まり、遊技球が、各種の入賞口32〜38及び39a〜39dやアウト口44に流入することによって、弾球遊技の結果が定まる。
【0041】
<入賞検出センサ>
上述した入賞口32〜38及び39a〜39dの各々には、これらの入賞口に打球が入賞したことを示す検出信号を発する入賞検出センサ(図示せず)が設けられている。入賞検出センサは、これらの入賞口の背面で遊技球が通過できるように形成された流路に設けられて、この流路を遊技球が通過したことを検出する度に、検出信号を発する。尚、後述する図3においては、入賞口32〜38及び39a〜39dの各々に設けられている入賞検出センサの全てを、入賞検出センサ群70として示す。入賞検出センサは、後述する主制御回路50(図2に示す)に信号ケーブルによって電気的に接続されている。入賞検出センサから発せられた検出信号は、主制御回路50に送信される。主制御回路50は、検出信号が送信されることで、入賞口32〜38又は39a〜39dのうちのいずれかの入賞口に遊技球が入賞したことを得ることができる。後述するように、打球が、いずれかの入賞口32〜38及び39a〜39dに入賞したときには、所定数の遊技球が賞球として受け皿18に払い出される。尚、本実施の形態においては、入賞口32に入賞したときには、4個の賞球が払い出され、入賞口34に入賞したときには、15個の賞球が払い出され、入賞口39a〜39dに入賞したときには、13個の賞球が払い出される。
【0042】
<払出口>
上述した受け皿18の奥側には、遊技球を賞球として払い出すための払出口(図示せず)が形成されている。上述したいずれかの入賞口32〜38及び39a〜39dに打球が入賞したと、主制御回路50(図2に示す)が判別したときには、主制御回路50(図2に示す)は、払出制御回路(図示せず)に制御命令を発する。払出制御回路には、払出モータ(図示せず)が電気的に接続されており、制御命令を受信した払出制御回路は、その制御命令に含まれている賞球の個数を示す情報に基づいて、払出モータに駆動信号を発する。払出モータが駆動されると、払い出される賞球の数を計数しながら、賞球が受け皿18に送出される。
【0043】
<画像表示装置30>
上述したように、遊技領域28の略中央部には、画像表示装置30が設けられている。後述するように、画像表示装置30には、図柄の画像やキャラクタの画像等の種々の画像が演出画像として表示される。画像表示装置30においては、図柄の画像による遊技、いわゆるスロットマシンにおいて行われるスロットゲームを模した図柄画像遊技が実行される。
【0044】
図柄は、この図柄画像遊技の結果を示すための識別情報、例えば、「0」、「1」〜「9」等の数字やその他の文字や絵柄による識別情報からなる。図柄の画像は、この識別情報を遊技者に視認可能に画像表示装置30に表示される画像である。図柄の画像は、後述する画像制御回路52によって、この画像表示装置30において変動表示されたり停止表示されたりする。図柄の画像の変動表示は、図柄の画像を構成する識別情報が順次変更されるような態様で表示したり、図柄の画像の表示位置や図柄の画像の大きさや色を変更するような図柄の画像の表示の態様を変更するように表示したりする表示方法である。この図柄の画像の変動表示が開始されたときが、図柄画像遊技の開始のときである。変動表示された図柄の画像は、画像制御回路52によって所定の時間経過後に停止表示される。図柄の画像の停止表示は、画像表示装置30の一定の位置において一定の識別情報を遊技者に視認できるように示す表示態様である。特に、図柄画像遊技のうち、図柄画像が変動表示されてから停止表示されるまでを単位遊技と称する。
【0045】
また、画像表示装置30には、図柄の画像のみならず、図柄画像遊技の演出効果を高めるためのキャラクタ画像や背景画像も表示される。
【0046】
<始動入賞口32>
上述した入賞口32〜38及び39a〜39dのうちの始動入賞口32に打球が入賞したときには、画像表示装置30に表示された図柄の画像は変動表示を開始し、所定の動画像や図柄の画像が変動する態様で所定時間だけ表示された後、図柄の画像は停止表示される。即ち、始動入賞口32に1個の打球が入賞する度に、1回の単位遊技が開始される。尚、後述するように、画像表示装置30において単位遊技が行われているときに始動入賞口32に打球が入賞した場合には、入賞したことを所定数、例えば4個まで保留する。始動入賞口32への入賞が保留されている場合に、1つの単位遊技が終了したときには、保留されていることに基づいて次の単位遊技が開始される。
【0047】
図柄の画像が停止表示されたときに、画像表示装置30に表示された図柄の画像の態様が特定のものとなった場合には、図柄画像遊技はいわゆる大当たりとなる。例えば、3つの図柄の画像を画像表示装置30に表示して、変動表示の後に停止表示された3つの図柄の全てがいわゆるぞろ目となった場合には、図柄画像遊技は大当たりとなる。図柄画像遊技が大当たりとなったときには、弾球遊技を特別遊技に移行させる。この特別遊技に移行したときには、画像表示装置30では所定のデモ画像が表示されるとともに、上述した特別入賞口34を開放して遊技球を入賞容易状態にし、遊技球を特別入賞口34に流入しやすい状態となる。このように図柄画像遊技を大当たりにすることで、弾球遊技は遊技者にとって有利な特別遊技に移行する。
【0048】
尚、始動入賞口32の左右の近傍には動作可能に設けられた2つの可動片33a及び33bが設けられている。上述した普通図柄変動表示口36及び38を遊技球が通過すると、遊技盤24の左側に設けられている普通図柄表示部31において普通図柄遊技が開始される。この普通図柄遊技の遊技結果が当りとなったときには、2つの可動片33a及び33bを所定時間だけ開状態にして、遊技球が始動入賞口32に入賞しやすい状態にする。図1に示した普通図柄表示部31は、2つのランプからなり、普通図柄変動表示口36及び38を遊技球が通過したときには、2つのランプの点滅が始まる。その後、所定の時間経過後にいずれか一方のみが点灯し、その点灯した方のランプによって普通図柄遊技の当り又は外れが定まる。
【0049】
<特別入賞口34>
上述したように、画像表示装置30における図柄画像遊技が大当たりとなったときには、弾球遊技を特別遊技に移行させて、特別入賞口34を開放して打球の入賞を容易な状態にする。この特別入賞口34の入賞容易状態は、特別入賞口34に打球が所定数入賞するまで、例えば10個入賞するまで、又は特別入賞口34が開放されてから所定時間経過するまで、例えば30秒経過するまで継続する。その後、特別入賞口34を閉鎖して入賞困難状態にする。尚、特別入賞口34の背面には、特定領域(図示せず)が設けられている。特別入賞口34が開放されている間に、この特定領域を打球が通過したことは、特別入賞口34を再度開放する条件となる。即ち、特別入賞口34が開放されている間に、特定領域を打球が通過したときには、所定時間経過後に特別入賞口34を一旦閉鎖し、その後再び開放して入賞容易状態にする。この特別入賞口34の開放と閉鎖との動作は、複数回、例えば15回に至るまで繰り返され、その後、特別入賞口34は閉鎖される。尚、特別入賞口34が開放されてから次いで閉鎖されるまでの遊技を単一特別遊技と称し、単一特別遊技が行われた回数をラウンド数と称する。
【0050】
<<パチンコ遊技機10の背面の構成>>
図2は、パチンコ遊技機10の背面を示す背面図である。
【0051】
<主制御回路50>
図2に示すように、パチンコ遊技機10の背面の下部には主制御回路50の回路基板が設けられている。主制御回路50は、パチンコ遊技機10の全体の制御を行う。例えば、主制御回路50は、始動入賞口32や特別入賞口34等の入賞口に遊技球が入賞したときに、その入賞口に応じた数の遊技球を賞球として払い出す制御をする。
【0052】
主制御回路50は、演算等を行うCPU(中央処理装置)(図示せず)、パチンコ遊技機10の全体を制御するためのプログラムが記憶されたROM(リードオンリーメモリー)(図示せず)、及び各データを一時的に記憶するRAM(ランダムアクセスメモリー)(図示せず)等を含む。これらのCPU、ROM及びRAMは、入出力バス(図示せず)によって電気的に接続されており、入出力バスに各種のデータ信号やアドレス信号が送出できるようになされている。
【0053】
本実施の形態においては、上述したROMには、パチンコ遊技機10の全体を制御するためのプログラムのほか、図4に示す遊技球の入賞の処理を実行するプログラムや、図5に示す抽選処理の判定結果を送信する処理を実行するプログラムが記憶されている。また、RAMには、これらのプログラムで用いられる変数の値が記憶される。さらに、後述するように、RAMには、乱数の値を記憶する通常記憶手段や保留領域が割り当てられている。
【0054】
<画像制御回路52>
また、主制御回路50の上部には画像表示装置30が設けられており、画像表示装置30の背面(図2では図面の手前側)には、画像制御回路52の回路基板が設けられている。この画像制御回路52は、主制御回路50に信号ケーブル(図示せず)によって電気的に接続されている。画像制御回路52は、主制御回路50から発せられた制御信号に基づいて画像表示装置30を制御する。画像制御回路52は、演算等を行うCPU(中央処理装置)(図示せず)、画像表示装置30を制御するためのプログラムが記憶されたROM(リードオンリーメモリー)(図示せず)、及び各データを一時的に記憶するRAM(ランダムアクセスメモリー)(図示せず)等を含む。これらのCPU、ROM及びRAMは、入出力バス(図示せず)によって電気的に接続されており、入出力バスに各種のデータ信号やアドレス信号が送出できるようになされている。
【0055】
本実施の形態においては、上述したROMには、図柄の画像やキャラクタの画像の表示を制御するためのプログラム、例えば後述する図6に示すような画像表示処理のプログラムや、図7に示すようなステップアップ演出の処理のプログラムが記憶されている。さらに、ROMには、図柄の画像やキャラクタの画像の画像データも記憶されている。この画像制御回路52によって、ROMに記憶されている画像データが読み出されて、図柄の画像やキャラクタの画像が所定の表示態様で画像表示装置30に表示される。
【0056】
<<パチンコ遊技機10における機能>>
図3は、パチンコ遊技機10における主要な制御機能の概略を示す機能ブロック図である。
【0057】
図3に示すように、パチンコ遊技機10は、制御手段500と、入賞検出手段400と、演出手段300と、を含む。制御手段500は、入賞検出手段400と演出手段300とに電気的に接続され、入賞検出手段400から発せられた入賞検出信号は、制御手段500に送信される。さらに、制御手段500から発せられた制御信号は、演出手段300に送信される。
【0058】
<入賞検出手段400>
入賞検出手段400は、遊技盤上を移動していた遊技球が所定の入賞口に入賞したか否かを検出する。例えば、入賞口32〜38及び39a〜39dのいずれかに遊技球が入賞したか否かを検出する。入賞検出手段400は、入賞口に入賞した遊技球の通過を検出したときには、検出信号を発する入賞検出センサ群70からなる。この入賞検出センサ群70は、上述した入賞口32〜38及び39a〜39dの各々の背後に形成された遊技球の流路に設けられて遊技球の通過を検出する入賞検出センサが好ましい。
【0059】
<制御手段500>
制御手段500は、主制御手段510と副制御手段610とを含む。この主制御手段510と副制御手段610とは互いに電気的に接続されており、主制御手段510から発せられた制御命令は、副制御手段610に送出される。
【0060】
<主制御手段510>
主制御手段510は、後述する抽選手段512と、乱数記憶手段540と、弾球遊技制御手段520と、入賞判断処理手段530と、単位遊技開始信号送信手段560と、を含む。この主制御手段510は、上述した主制御回路50から構成されるのが好ましい。
【0061】
<抽選手段512>
抽選手段512は、当り又は外れの抽選を行うものである。この当り又は外れによって、後述する特別遊技に移行させるか否かが定められる。
【0062】
抽選手段512は、例えば、当り又は外れの抽選用の乱数発生手段(ハードウェア乱数等)514と、この乱数発生手段が発生する乱数を抽出する乱数抽出手段516と、乱数抽出手段516が抽出した乱数値に基づいて、当りの当選の有無を判定する乱数判定手段518とを含む。
【0063】
抽選手段512の乱数発生手段514は、所定の正の整数の範囲(例えば10進法で0〜65535)の乱数を発生させる。乱数抽出手段516は、乱数発生手段によって発生させた乱数を、所定のタイミングで抽出する。乱数判定手段518は、乱数抽出手段516によって抽出された乱数値を、抽選テーブル(図示せず)と照合することにより、その乱数値が属する領域に応じて当りか外れかを定める。
【0064】
尚、乱数判定手段518によって定められる当り又は外れには、上述した図柄画像遊技における当りの態様や外れの態様に関する情報も含まれる。例えば、外れの場合には、単に図柄画像遊技を外れにする場合のほか、図柄画像遊技を一旦リーチにした後に外れにする場合のように、外れに至らしめる途中の経過の情報等の種々の外れの態様の情報も含まれる。また、当りの場合には、図柄画像遊技を単に当りにする通常当りの場合のほか、確率変動状態へ移行させるいわゆる確変当りや、図柄画像遊技を一旦リーチやスーパーリーチにした後、当りにする場合のように、当りの種類の情報や当りに至らしめる途中の経過の情報等の種々の当りの態様の情報も含まれる。
【0065】
上述した乱数発生手段514による乱数の発生は、後述する図4のステップS13又はS17において実行される。また、乱数判定手段518による判定の処理は、後述する図5のステップS46において実行される。
【0066】
<乱数記憶手段540>
乱数記憶手段540は、通常記憶手段542と、保留領域544とからなる。この乱数記憶手段540は、上述した主制御回路50のRAMからなることが好ましい。この通常記憶手段542と保留領域544との双方は、上述した乱数発生手段514によって発生させた乱数の値を記憶する。
【0067】
<通常記憶手段542>
通常記憶手段542は、始動入賞口32に遊技球が入賞したときに、画像表示手段330において単位遊技が実行されておらず、かつ、後述する保留領域544の全てが空いている場合に、乱数発生手段514によって発生させた乱数の値を記憶する。この場合の乱数の値の記憶の処理は、後述する図4のステップS14において実行され、通常記憶手段542に記憶された乱数の値の読出しの処理は、後述する図5のステップS44において実行される。
【0068】
<保留領域544>
保留領域544は、複数個、例えば4つの記憶領域からなる。この保留領域544は、画像表示手段330において単位遊技が実行されており、かつ、保留領域544を構成する記憶領域の少なくとも1つの記憶領域が空いている場合に、乱数発生手段514によって発生させた乱数の値を記憶する。この複数個の記憶領域には、優先順位が定められており、4つの記憶領域からなる場合には、優先順位の高い順に第1候補記憶領域、第2候補記憶領域、第3候補記憶領域、及び第4候補記憶領域からなる。乱数の値の記憶の処理は、後述する図4のステップS18において実行され、保留領域544に記憶された乱数の値の読出しの処理は、後述する図5のステップS48において実行される。
【0069】
乱数の値を保留領域544に記憶させる処理においては、複数個ある記憶領域のうち優先順位が高い記憶領域から順に使用される。保留領域544のいずれの記憶領域にも乱数の値が記憶されていないときには、優先順位の最も高い記憶領域に乱数の値が記憶される。例えば、4つの記憶領域からなる場合に、4つの記憶領域のいずれも乱数の値が記憶されていないときには、第1候補記憶領域に乱数の値が記憶される。また、第1候補記憶領域に乱数の値が既に記憶されているときには、第2候補記憶領域に乱数の値が記憶される。このようにして、順に第4候補記憶領域まで乱数の値が記憶されていく。
【0070】
また、乱数の値を保留領域544から読み出す処理は、乱数の値が記憶されている記憶領域の数に拘らず、常に優先順位が最も高い記憶領域から読み出される。上述した4つの記憶領域からなる場合には、常に第1候補記憶領域から読み出される。優先順位の最も高い記憶領域から乱数の値が読み出された後には、この記憶領域をクリアする。次いで、次に優先順位の高い記憶領域に乱数の値が記憶されているときには、その乱数の値を優先順位の最も高い記憶領域に記憶させ直す。このようにして、乱数の値が記憶されていない記憶領域に至るまで、優先順位が1つ高い記憶領域に乱数の値を記憶させ直す。
【0071】
例えば、保留領域544が4つの記憶領域からなる場合には、第1候補記憶領域の乱数の値が読み出された後、第1候補記憶領域をクリアする。さらに、第2候補記憶領域以降に乱数の値が記憶されているときには、優先順位が1つ高い記憶領域に乱数の値を記憶させ直す。即ち、第1候補記憶領域から乱数の値が読み出された後、第2候補記憶領域にも乱数の値が記憶されている場合には、第2候補記憶領域に記憶されていた乱数の値を第1候補記憶領域に記憶させ直す。第3候補記憶領域にも乱数の値が記憶されている場合には、第3候補記憶領域に記憶されていた乱数の値を第2候補記憶領域に記憶させ直す。尚、以下においては、この優先順位が1つ高い記憶領域に乱数の値を記憶させ直す処理を、「シフト」させる処理と称する。
【0072】
<弾球遊技制御手段520>
弾球遊技制御手段520は、上述した遊技盤24における遊技球の流下の態様に基づいて遊技の進行や結果が定まる弾球遊技を制御する。主に、後述する入賞判断処理手段530によって入賞口32〜38及び39a〜39dに打球が入賞したか否かを判断し、打球が入賞したときには、その入賞口に応じて所定数の遊技球を受け皿18に払い出す制御をしたり、上述した乱数判定手段518の判定結果に基づいて、弾球遊技を特別遊技に移行させて、特別入賞口34の開閉制御をする。
【0073】
<特別遊技制御手段522>
特別遊技制御手段522は、所定の確率に基づいて、後述する画像表示手段330で停止表示された図柄の画像表示態様が、特定の図柄の画像からなる表示態様であるときや特定の表示態様であるときに、弾球遊技を遊技者にとって有利な特別遊技に移行させる。
【0074】
この所定の確率とは、上述した抽選手段512の処理で定められている確率である。具体的には、上述した乱数判定手段518によって定められる判定結果が所望する確率になるように予め定められている。従って、この所定の確率に基づいて、乱数判定手段518によって判定結果が定められ、この判定結果に応じて上述した特別入賞口34を開閉動作して、遊技球の入賞容易状態にしたり、入賞困難状態にしたりして、特別遊技の進行を制御する。特に、特別遊技制御手段522は、抽選手段512の判定結果が、当りになったときには、弾球遊技を遊技者にとって有利な特別遊技に移行させる。
【0075】
また、特定の図柄の画像とは、遊技者に特定の識別情報であることを示すことができる図柄の画像をいい、特定の表示態様とは、図柄の画像の表示態様が遊技者に特定のものとなったことを視認させることができることをいい、例えば、「2」−「2」−「2」のような、いわゆるぞろ目となった表示態様のみならず、図柄の画像の特定の配列や図柄の画像の色や大きさが特定の態様となる場合も含まれる。
【0076】
<入賞判断処理手段530>
入賞判断処理手段530は、上述した入賞検出手段400から発せられた検出信号を検出して、入賞口32〜38及び39a〜39dのいずれかに遊技球が入賞したか否かを判断する。この判断処理は、後述する図4のステップS11又はS19の処理で実行される。この判断の結果に応じて、上述したように、入賞口に応じて所定数の遊技球を受け皿18に払い出す制御をする。また、打球が始動入賞口32に入賞したタイミングに応じて、上述した通常記憶手段542、又は保留領域544に乱数を記憶させる。
【0077】
<単位遊技開始信号送信手段560>
単位遊技開始信号送信手段560は、入賞判断処理手段530によって、始動入賞口32に遊技球が入賞したと判別したときには、後述する副制御手段610に、単位遊技開始信号として、抽選手段512による判定結果が送信される。この処理は、後述する図5のステップS47において実行される。
【0078】
<副制御手段610>
上述した副制御手段(演出制御手段)610は、単位遊技開始信号受信手段620と、単位遊技制御手段630と、画像表示制御手段660と、表示用データ記憶手段680と、標準対応関係記憶手段690とを含む。特に、この副制御手段610は、上述した画像制御回路52からなることが好ましい。
【0079】
<単位遊技開始信号受信手段620>
単位遊技開始信号受信手段620は、上述した主制御手段510の単位遊技開始信号送信手段560から発せられた単位遊技開始信号を受信する。この信号を受信したことにより、単一行程の遊技が開始される。単位遊技開始信号を受信する処理は、後述する図6のステップS71において実行される。尚、この単位遊技開始信号は、上述したように、抽選手段512による判定結果の内容を示す信号である。
【0080】
<単位遊技制御手段630>
単位遊技制御手段630は、後述する画像データ記憶手段670の図柄画像データ記憶手段672から図柄の画像の画像データを読み出し、読み出した画像データを図柄の画像として画像表示手段330において変動表示させたり停止表示させたりする。図柄の画像を変動表示させたときが単位遊技の開始のときで、その後所定のタイミングで図柄の画像を停止表示させたときが単位遊技の終了のときである。単位遊技制御手段630は、主制御手段510から発せられた単位遊技開始信号を単位遊技開始信号受信手段620が受信する毎に、単位遊技を画像表示手段330において実行する。この処理は、後述する図6において実行される。
【0081】
さらに、単位遊技制御手段630は、図柄の画像の表示のみならず、画像データ記憶手段670のキャラクタ画像データ記憶手段674からキャラクタの画像の画像データや、背景画像データ記憶手段676から背景の画像の画像データを読み出し、読み出した画像データをキャラクタの画像や背景の画像として画像表示手段330に表示させる。
【0082】
<画像表示制御手段660>
画像表示制御手段660は、演出画像が漸次変化する表示態様で後述する画像表示手段330に表示させる。具体的には、画像表示制御手段660は、後述する画像データ記憶手段670から読み出した画像データを、漸次変化する表示態様で画像表示手段330に演出画像として表示させる。好ましくは、画像表示制御手段660は、複数種類の図柄の画像と図柄の画像以外の表示画像とからなる演出画像を画像表示手段330に表示させる。
【0083】
この画像表示制御手段660は、画像データ記憶手段670を含む。この画像表示制御手段660は、上述した画像制御回路52からなるのが好ましい。
【0084】
<画像データ記憶手段670>
画像データ記憶手段670には、演出画像が画像データとして記憶されている。ここで、演出画像は、図柄の画像と図柄の画像以外の複数の表示画像とからなる。この図柄の画像以外の複数の表示画像は、例えば、キャラクタの画像や背景の画像を含む。この画像データ記憶手段670は、図柄画像データ記憶手段672、キャラクタ画像データ記憶手段674及び背景画像データ記憶手段676からなるのが好ましい。
【0085】
<ステップアップ演出制御手段678>
ステップアップ演出制御手段678は、単位遊技が行われている間の複数回のタイミングの各々において、複数のキャラクタのうちの1のものをタイミングの各々で異なるように画像表示手段330に表示する。特に、単位遊技が行われている間において、複数回のタイミングのうちの少なくとも1回の所定のタイミングで、標準対応関係に基づいて定まり所定のタイミングに対応したキャラクタの画像と、所定のタイミングに対応しないキャラクタの画像とを、画像表示手段330に表示させる。この処理は、後述する図7の処理において実行される。
【0086】
<表示用データ記憶手段680>
表示用データ記憶手段680は、図柄の画像や図柄の画像以外の複数の表示画像を画像表示手段330に表示させるときに一時的に画像データを記憶するためのものである。上述したように、図柄の画像以外の複数の表示画像は、例えば、キャラクタの画像や背景の画像があり、これらの画像データも図柄の画像データと同様に、この表示用データ記憶手段680に書き込むことによって画像表示手段330に表示させることができる。この表示用データ記憶手段680への画像データの書き込みは、後述する図6のS75〜S76、S86〜S87及びS77並びに図7のステップS97の処理で実行される。
【0087】
<標準対応関係記憶手段690>
標準対応関係記憶手段690は、キャラクタを識別するための識別情報、キャラクタの画像の表示属性又はキャラクタの動作を示す表示態様のうちの少なくとも1つを含むキャラクタ表示情報と、単位遊技が行われる間においてキャラクタの画像を表示し得る複数回のタイミングと、の対応を定めた対応関係であって、複数回のタイミングの各々で識別情報、表示属性又は表示態様のうちの少なくとも1つが互いに相違するように、キャラクタ表示情報が複数回のタイミングの各々に対して定められた標準対応関係を記憶する。
【0088】
上述した「複数回のタイミング」と「キャラクタを識別するための識別情報」との対応関係、「複数回のタイミング」と「キャラクタの画像の表示属性」との対応関係、又は「複数回のタイミング」と「キャラクタの動作を示す表示態様」との対応関係のうちの少なくとも1つの対応関係が定められていれば本発明に含まれる。
【0089】
また、「複数回のタイミング」と「キャラクタを識別するための識別情報」との対応関係が定められている場合に、複数回のタイミングの各々で表示される異なるキャラクタであると遊技者が視認できるような対応関係が定められていれば、本発明に含まれる。さらに、「複数回のタイミング」と「キャラクタの画像の表示属性」との対応関係が定められている場合に、複数回のタイミングの各々で表示されるキャラクタの表示属性が異なると遊技者が視認できるような対応関係が定められていれば、本発明に含まれる。さらにまた、「複数回のタイミング」と「キャラクタの動作を示す表示態様」との対応関係が定められている場合に、複数回のタイミングの各々で表示されるキャラクタの動作を示す表示態様が異なると遊技者が視認できるような対応関係が定められていれば、本発明に含まれる。
【0090】
この標準対応関係は、例えば、図8に示すような表として定められているものが好ましい。また、標準対応関係は、上述した画像制御回路52のROMに記憶されているのが好ましい。
【0091】
<<演出手段300>>
演出手段300は、後述する画像表示手段330を含む演出手段であり、演出手段300では遊技者が認識し得る演出が行われる。具体的には、演出手段300は、画像表示手段330からなり、これらの各々において遊技者が認識し得る演出が行われる。
【0092】
<画像表示手段330>
画像表示手段330には、上述した副制御手段610の画像表示制御手段660から発せられた制御信号に基づいて、図柄の画像やキャラクタの画像や背景の画像が表示される。この画像表示手段330は、上述した画像表示装置30からなるのが好ましい。
【0093】
<<制御処理>>
以下に、上述した主制御手段510及び副制御手段610において行われる各種の制御について説明する。以下においては、パチンコ遊技機10は予め起動されており、上述した主制御手段510や副制御手段610においては、制御に用いられる種々の変数の初期化等の起動処理は終えて、パチンコ遊技機10は定常動作しているものとする。
【0094】
以下で説明する図4及び図5は、主制御手段510において実行されるサブルーチンを示し、図6及び図7は、副制御手段610において実行されるサブルーチンを示す。尚、これらの図4〜図7に示すフローチャートは、主制御手段510又は副制御手段610における制御処理を実行するための1つの例を示したにすぎず、同等の処理をできるものであれば、これらのフローチャートに示した手順には限られない。
【0095】
<入賞処理>
図4は、主制御手段510において実行される入賞処理のサブルーチンを示すフローチャートである。この図4に示したサブルーチンは、主制御手段510で予め実行されているメインプログラム(図示せず)から所定のタイミング毎に呼び出されて繰り返し実行される。
【0096】
最初に、遊技盤24の盤面上を移動している遊技球が始動入賞口32に入賞したか否かを判断する(ステップS11)。尚、上述したように、始動入賞口32には、遊技球が通過したことを検出して検出信号を主制御手段510へ発する入賞検出センサ(図示せず)が設けられている。ステップS11の処理は、上述した入賞判断処理手段530によって、入賞検出センサから発せられた検出信号が主制御手段510に送信されたか否かによって判断する。
【0097】
ステップS11で遊技球が始動入賞口32に入賞したと判別したときには、画像表示手段330で図柄の画像が変動表示されている最中であるか否かを判断する(ステップS12)。この判断は、後述する図5のステップS47で、乱数判定手段518によって決定された判定結果を副制御手段610に送信したときを基準として計時を開始した時間によって判断する。副制御手段610では、後述する図6に示すように、判定結果を主制御手段510から受信したときから図柄の画像の変動表示を開始する。さらに、副制御手段610において図柄の画像が変動表示されている時間は、図5のステップS46の判定処理で定められた判定結果に応じて定まる。このことから、上述したステップS12における判断は、図5のステップS46で定められた判定結果と、ステップS47で計時を開始した時間と、から図柄の画像が画像表示手段330で変動表示されている最中であるか否かを主制御手段510で判断することができる。
【0098】
上述したステップS12で、画像表示手段330において図柄の画像が変動表示されている最中でないと判別したときには、上述した乱数発生手段514によって乱数を取得し(ステップS13)、主制御手段の乱数記憶手段540に予め割り当てられている通常記憶手段542に取得した乱数の値を記憶させる(ステップS14)。次いで、フラグF_flowの値を1に設定する(ステップS15)。このフラグF_flowは、始動入賞口32に遊技球が入賞し、かつ、画像表示手段330において図柄の画像が変動表示されていないか否かを示すフラグである。始動入賞口32に遊技球が入賞し、かつ、画像表示手段330において図柄の画像が変動表示されていないときには、フラグF_flowの値は1である。一方、始動入賞口32に遊技球が入賞していないとき、又は、画像表示手段330において図柄の画像が変動表示されているときには、フラグF_flowの値は0である。このフラグF_flowの値については、後述する図5のステップS43で判断する。
【0099】
一方、上述したステップS12で、画像表示手段330において図柄の画像が変動表示されている最中であると判別したときには、主制御手段の乱数記憶手段540に予め割り当てられている保留領域544に空きがあるか否かを判断する(ステップS16)。上述したように、保留領域544は、所定の複数個、例えば4個の記憶領域からなる。ステップS16で保留領域544に空きがあると判別したときには、乱数を取得し(ステップS17)、その乱数の値を保留領域544の空き領域に記憶する(ステップS18)。
【0100】
また、上述したステップS16で保留領域544に空きがないと判別したとき、又はステップS15若しくはS18の処理を実行したときには、後述するステップS20に処理を移す。
【0101】
上述したステップS11〜S18の処理をすることにより、始動入賞口32に遊技球が入賞した場合に、図柄の画像が画像表示手段330において変動表示されていないときには、直ちに乱数を取得してその値を通常記憶手段542に記憶する。一方、始動入賞口32に遊技球が入賞したときに、図柄の画像が画像表示手段330で変動表示されていた場合において、保留領域544に空きがあるときには、その空いている保留領域544に取得した乱数の値が順次記憶されていき、保留領域544に空きがなくなったときには、始動入賞口32に遊技球が入賞したことは無視される。
【0102】
上述したステップS11で、遊技球が始動入賞口32に入賞していないと判別したときには、他の入賞口36や38等に遊技球が入賞したか否かを判断する(ステップS19)。他の入賞口36や38等にも遊技球が入賞していないと判別したときには、本サブルーチンを直ちに終了する。
【0103】
ステップS19で他の入賞口36や38等に遊技球が入賞したと判別したとき、上述したステップS16で保留領域544に空きがないと判別したとき、又は上述したステップS15若しくはS18の処理を実行した後には、その入賞口の種類に応じた数だけ受け皿18に遊技球を払い出す処理を実行し(ステップS20)、本サブルーチンを終了する。
【0104】
<判定結果送信処理>
図5は、主制御手段510において実行される判定結果送信処理のサブルーチンを示すフローチャートである。この図5に示したサブルーチンは、主制御手段510で予め実行されているメインプログラム(図示せず)から所定のタイミング毎に呼び出されて繰り返し実行される。
【0105】
最初に、画像表示手段330において図柄の画像が変動表示されている最中であるか否かを判断する(ステップS41)。図柄の画像が変動表示されている最中であると判別したときには、直ちに本サブルーチンを終了する。
【0106】
一方、画像表示手段330において図柄の画像が変動表示されている最中でないと判別したときには、保留領域544に乱数の値が記憶されているか否かを判断する(ステップS42)。保留領域544に乱数の値が記憶されていないと判別したときには、上述したフラグF_flowの値が1であるか否かを判断する(ステップS43)。フラグF_flowの値が1でないと判別したとき、即ち、画像表示手段330において図柄の画像が変動表示されている最中ではなく、かつ、入賞口32に遊技球が入賞していないときには、直ちに本サブルーチンを終了する。
【0107】
上述したステップS43でフラグF_flowの値が1であると判別したときには、通常記憶手段542に記憶された乱数の値を読み出し(ステップS44)、フラグF_flowの値を0に設定する(ステップS45)。次いで、乱数判定手段518が、上述したステップS13又はS17で取得した乱数の値に基づいて判定処理を実行する(ステップS46)。この判定処理は、乱数判定手段518によって当りか外れかを定める処理であり、上述したように乱数発生手段514によって発生させた乱数の値を、抽選テーブル(図示せず)と照合することにより、その乱数値が属する領域に応じて当りか外れかを定める。尚、上述したように、この乱数判定手段518が判定結果として定める当りや外れには、画像表示手段330で行われる図柄画像遊技の当りの態様や外れの態様に関する種々の情報も含まれる。
【0108】
後述するように、ステップS46の判定処理によって定められた判定結果は、副制御手段610に送信される。副制御手段610は、主制御手段510から判定結果が送信されると、画像表示手段330において、図柄の画像の変動表示を開始して単位遊技を実行する。特に、主制御手段から送信された判定結果が当りの場合には、副制御手段610は、図柄の画像の変動表示を開始して図柄の画像を停止表示させたときに単位遊技を大当たりにする。その後、副制御手段610は、後述する図6のステップS83で大当たり演出処理を実行し、その一方、主制御手段510は、弾球遊技を特別遊技に移行させる。
【0109】
このようにして、判定結果が当りのときには、主制御手段510は、弾球遊技を特別遊技に移行させるとともに、副制御手段610は、画像表示手段330において大当たり演出処理を行う。尚、上述したように、主制御手段510が弾球遊技を特別遊技に移行させたときには、上述した特別入賞口34を開放して遊技球を入賞容易状態にし、遊技球を特別入賞口34に流入しやすくする特別遊技が行われる。このようにして、弾球遊技は、遊技者にとって有利な特別遊技に移行する。
【0110】
上述したステップS46の判定処理を実行した後、ステップS46の処理で決定した判定結果を副制御手段610に送信し(ステップS47)、本サブルーチンを終了する。
【0111】
上述したステップS42で、保留領域544に乱数の値が記憶されていると判別したときには、複数個ある保留領域544のうちの優先順位が最も高い記憶領域に記憶されている乱数の値を読み出す(ステップS48)。次いで、保留領域544に残された乱数の値を1つずつ優先順位が1つ高い記憶領域にシフトさせて記憶させ直す(ステップS49)。即ち、例えば、保留領域544が4つの記憶領域からなる場合には、第2候補記憶領域に記憶されていた乱数の値を第1候補記憶領域にシフトさせ、第3候補記憶領域に記憶されていた乱数の値を第2候補記憶領域にシフトさせ、第4候補記憶領域に記憶されていた乱数の値を第3候補記憶領域にシフトさせる。
【0112】
上述したステップS49の処理を実行した後、上述したステップS46に処理を移して、上述と同様の処理を実行し、本サブルーチンを終了する。
【0113】
<画像表示処理>
図6は、上述した副制御手段610において実行される画像表示処理のサブルーチンを示す。この図6に示したサブルーチンは、副制御手段610で予め実行されているメインプログラム(図示せず)から所定のタイミング毎に呼び出されて繰り返し実行される。
【0114】
最初に、主制御手段510から発せられた判定結果を受信する(ステップS71)。この処理は、上述した図5のステップS47の処理に対応する処理である。
【0115】
次いで、受信した判定結果に基づいてステップアップ演出パターンを選択する(ステップS85)。ステップアップ演出パターンは、後述する図7のステップアップ演出の処理をする際に参照すべき、キャラクタを表示するタイミングと、そのタイミングで表示すべきキャラクタの種類との関係を定めたパターンである。例えば、図8に示すように、ステップアップ演出パターンは、単位遊技内における複数のタイミングと、その複数のタイミングの各々で表示され得るキャラクタの種類と、の複数の対応関係を定めたものである。
【0116】
図8の示した例は、単位遊技内における複数のタイミングとして5つのタイミングA〜Eを定め、その5つのタイミングの各々で表示され得る5つのキャラクタC1〜C5を定めたものである。後述するように、本実施の形態では、タイミングAは、図柄の画像の変動表示を開始してから2秒経過したときを示し、タイミングBは、図柄の画像の変動表示を開始してから3秒経過したときを示し、タイミングCは、左図柄の画像を停止表示してから1秒経過したときを示し、タイミングDは、右図柄の画像を停止表示したときを示し、タイミングEは、現在行っている単位遊技をリーチにしてから1秒経過したときを示す。また、本実施の形態では、キャラクタC1は、「犬」であり、キャラクタC2は、「赤子」であり、キャラクタC3は、「女性」であり、キャラクタC4は、「男性」であり、キャラクタC5は、「船」である。
【0117】
図8に示した左列に示したパターン番号を定めることにより、タイミングとキャラクタの種類との1つの対応関係が定まる。上述したステップS85の処理は、この図8の左列のパターン番号を1つ定める処理である。また、ステップS71で受信した判定結果が、リーチや大当たりに至るものであるときに、ステップアップ演出をする、即ち図8に示したパターン番号2以降のパターン番号を選択するものが好ましい。
【0118】
尚、図8に示した対応関係のうち、パターン番号1〜6に示す対応関係が標準対応関係である。この図8に示した標準対応関係は、キャラクタを識別するための識別情報と、単位遊技が行われる間においてキャラクタの画像を表示し得る複数回のタイミングと、の対応を定めた対応関係であって、複数回のタイミングの各々で識別情報が互いに相違するように、識別情報が複数回のタイミングの各々に対して定められた関係である。
【0119】
また、図8に示した対応関係のうち、パターン番号7〜20に示す対応関係が標準対応関係に基づかない対応関係である。
【0120】
上述したステップS85の処理を実行した後、ステップS85で選択したステップアップ演出パターンに基づいて、画像表示手段330に表示するために必要な画像の画像データを選択する(ステップS72)。
【0121】
次に、ステップS72の画像データ選択の処理に基づいて、画像データを画像データ記憶手段670から読出し、それらの画像表示手段330における表示位置を決定する(ステップS74)。画像データは、図柄の画像データ、キャラクタの画像データ及び背景の画像データであり、図柄の画像データは、図柄画像データ記憶手段672から読出され、キャラクタの画像データは、キャラクタ画像データ記憶手段674から読出され、背景の画像データは、背景画像データ記憶手段676から読出される。次いで、読み出した図柄の画像データを画像表示制御手段660の表示用データ記憶手段680に書き込んで図柄の画像を画像表示手段330に表示し(ステップS75)、読み出した背景の画像データを画像表示制御手段660の表示用データ記憶手段680に書き込んで背景の画像を画像表示手段330に表示する(ステップS76)。
【0122】
次に、上述したステップS71の処理で受信した判定結果に基づいて後述するステップアップ演出をするか否かを判断する(ステップS86)。ステップアップ演出をすると判別したときには、後述する図7に示すステップアップ演出処理のサブルーチンを呼び出して実行する(ステップS87)。一方、ステップアップ演出をしないと判別したときには、ステップS74で読み出したキャラクタの画像データを画像表示制御手段660の表示用データ記憶手段680に書き込んでキャラクタの画像を画像表示手段330に表示する(ステップS77)。上述したステップS74〜S76、S86〜S87及びS77の処理を繰り返し実行することにより、画像表示手段330には、図柄の画像が変動表示されるとともに、キャラクタが所定の動作をする画像が表示される。
【0123】
また、上述したステップS86〜S87の処理を繰り返し実行することにより、ステップアップ演出が画像表示手段330において行われる。例えば、後述する図9〜図13に示すような画像が画像表示手段330に表示される。尚、図9〜図13に示した例は、背景の画像を省略して示し、図柄の画像とキャラクタの画像とのみを示した。
【0124】
上述したステップS77又はS87の処理を実行した後、図柄の画像を停止表示するタイミングであるか否かを判断する(ステップS79)。図柄の画像を停止表示するタイミングであると判別したときには、3つの図柄の画像のうちの1つの図柄の画像を停止表示する(ステップS80)。
【0125】
上述したステップS79において、図柄の画像を停止表示するタイミングでないと判別したとき、又はステップS80の処理を実行したときには、全ての図柄の画像が停止表示されたか否かを判断する(ステップS81)。全ての図柄の画像が停止表示されていないと判別したときには、上述したステップS74に処理を戻す。
【0126】
一方、全ての図柄の画像が停止表示されたと判別したときには、ステップS71で受信した判定結果に基づいて画像表示手段330において大当たり演出をするか否かを判断する(ステップS82)。画像表示手段330において大当たり演出をすると判別したときには、大当たり演出の処理(図示せず)を呼び出して実行する(ステップS83)。画像表示手段330において大当たり演出をしないと判別したとき、又はステップS83の処理を実行した後には、本サブルーチンを終了する。
【0127】
<ステップアップ演出処理>
図7は、上述した図6のステップS87で呼び出されて実行されるステップアップ演出の処理のサブルーチンを示すフローチャートである。尚、ステップアップ演出の処理は、上述したステップS85で選択されたステップアップ演出パターンに基づいて処理される。
【0128】
最初に、現在行っている単位遊技をリーチにしてから1秒経過したときであるか否かを判断する(ステップS91)。この現在行っている単位遊技をリーチにしてから1秒経過したときというタイミングは図8のタイミングEに対応する。現在行っている単位遊技をリーチにしてから1秒経過したときであると判別したときには、後述するステップS96に処理を移す。
【0129】
一方、ステップS91の処理で、現在行っている単位遊技をリーチにしてから1秒経過したときでないと判別したときには、右図柄の画像を停止表示したときか否かを判断する(ステップS92)。この右図柄の画像を停止表示したときというタイミングは図8のタイミングDに対応する。右図柄の画像を停止表示したときであると判別したときには、後述するステップS96に処理を移す。
【0130】
ステップS92の処理で、右図柄の画像を停止表示したときでないと判別したときには、左図柄の画像を停止表示してから1秒経過したときか否かを判断する(ステップS93)。この左図柄の画像を停止表示してから1秒経過したときというタイミングは図8のタイミングCに対応する。左図柄の画像を停止表示してから1秒経過したときであると判別したときには、後述するステップS96に処理を移す。
【0131】
ステップS93の処理で、左図柄の画像を停止表示してから1秒経過したときでないと判別したときには、図柄の画像の変動表示を開始してから3秒経過したときか否かを判断する(ステップS94)。この図柄の画像の変動表示を開始してから3秒経過したときというタイミングは図8のタイミングBに対応する。図柄の画像の変動表示を開始してから3秒経過したときであると判別したときには、後述するステップS96に処理を移す。
【0132】
ステップS94の処理で、図柄の画像の変動表示を開始してから3秒経過したときでないと判別したときには、図柄の画像の変動表示を開始してから2秒経過したときか否かを判断する(ステップS95)。この図柄の画像の変動表示を開始してから2秒経過したときというタイミングは図8のタイミングAに対応する。図柄の画像の変動表示を開始してから2秒経過したときであると判別したときには、後述するステップS96に処理を移す。
【0133】
ステップS95の処理で、図柄の画像の変動表示を開始してから2秒経過したときでないと判別したときには、直ちに本サブルーチンを終了する。
【0134】
上述したステップS91で現在行っている単位遊技をリーチにしてから1秒経過したときであると判別したとき、ステップS92で右図柄の画像を停止表示したときであると判別したとき、ステップS93で左図柄の画像を停止表示してから1秒経過したときであると判別したとき、ステップS94で図柄の画像の変動表示を開始してから3秒経過したときであると判別したとき、又はステップS95で図柄の画像の変動表示を開始してから2秒経過したときであると判別したときには、ステップS85の処理で選択したステップアップ演出パターンのデータに基づいて、現在のタイミングにおけるキャラクタを表示し終えたか否かを判断する(ステップS96)。
【0135】
ステップS96の処理で現在のタイミングにおけるキャラクタを表示し終えていないと判別したときには、変数stepの値を1だけ増やす(ステップS97)。
【0136】
この変数stepは、上述した5つのタイミングA〜Eの各々を示し、タイミングAのときには変数stepの値は1であり、タイミングBのときには変数stepの値は2であり、タイミングCのときには変数stepの値は3であり、タイミングDのときには変数stepの値は4であり、タイミングEのときには変数stepの値は5である。尚、この変数stepの値は、画像表示手段330において単位遊技が開始されたときに0に設定されるものとする。
【0137】
ステップS97の処理を実行した後、変数stepの値に応じてキャラクタの画像を表示し(ステップS98)、本サブルーチンを終了する。
【0138】
一方、上述したステップS96で現在のタイミングにおけるキャラクタを表示し終えたと判別したときには、直ちに本サブルーチンを終了する。
【0139】
<<ステップアップ演出処理の具体例>>
上述した図7のステップアップ演出処理について、図8に示したステップアップ演出パターンの表と、図9〜13とを用いて説明する。尚、図8に示したキャラクタC1は、「犬」を示し、キャラクタC2は、「赤子」を示し、キャラクタC3は、「女性」を示し、キャラクタC4は、「男性」を示し、キャラクタC5は、「船」を示す。また、上述したように、タイミングAは、図柄の画像の変動表示を開始してから2秒経過したときであり、タイミングBは、図柄の画像の変動表示を開始してから3秒経過したときであり、タイミングCは、左図柄の画像を停止表示してから1秒経過したときであり、タイミングDは、右図柄の画像を停止表示したときであり、タイミングEは、現在行っている単位遊技をリーチにしてから1秒経過したときである。
【0140】
<パターン番号6の場合>
上述した標準対応関係の第1の例として、上述した図6のステップS85の処理でパターン番号6が選択されたときには、図8に示すように、タイミングAでキャラクタC1が表示され、タイミングBでキャラクタC2が表示され、タイミングCでキャラクタC3が表示され、タイミングDでキャラクタC4が表示され、タイミングEでキャラクタC5が表示される。
【0141】
即ち、単位遊技が開始されて、図7のステップS95で図柄の画像の変動表示を開始してから2秒経過したときであると判別したときには、変数stepの値は1であり、ステップS98では、タイミングAに対応するキャラクタC1が表示される。例えば、図9(a)に示すように、「犬」が画面の下部で左方向に向かって歩いている態様の画像が画像表示手段330に表示される。
【0142】
さらに、単位遊技が進んで、図7のステップS94で図柄の画像の変動表示を開始してから3秒経過したときであると判別したときには、変数stepの値は2となっており、ステップS98では、タイミングBに対応するキャラクタC2が表示される。例えば、図9(b)に示すように、「赤子」が画面の下部でハイハイをして左方向に進んでいる態様の画像が画像表示手段330に表示される。
【0143】
さらに、単位遊技が進み、図7のステップS93で左図柄の画像を停止表示してから1秒経過したときであると判別したときには、変数stepの値は3となっているので、ステップS98では、タイミングCに対応するキャラクタC3が表示される。例えば、図9(c)に示すように、「女性」が画面の右側から左側へ走っていく態様の画像が画像表示手段330に表示される。
【0144】
さらに、単位遊技が進み、図7のステップS92で右図柄の画像を停止表示したときであると判別したときには、変数stepの値は4であるので、ステップS98では、タイミングDに対応するキャラクタC4が表示される。例えば、図10(a)に示すように、「男性」が画面の右側から左側へ走っていく態様の画像が画像表示手段330に表示される。
この後、停止表示された左側の図柄と右図柄とが同一の図柄となって単位遊技がリーチとなった場合には、図10(b)に示すような画像が表示される。
【0145】
さらに、単位遊技が進んで、図7のステップS91で現在行っている単位遊技をリーチにしてから1秒経過したときであると判別したときには、変数stepの値は5であり、ステップS98では、タイミングEに対応するキャラクタC5が表示される。例えば、図10(c)に示すように、「船」が突然画面の右側から左側へ動いていく態様の画像が画像表示手段330に表示される。
【0146】
<パターン番号1又は4の場合>
上述したパターン番号6が選択された場合には、キャラクタC1〜C5の全てが所定のタイミング毎に表示されたが、これらのキャラクタを全く表示しなかったり、一部のキャラクタのみを表示したりしてもよい。標準対応関係の第2の例として、例えば、上述した図6のステップS85の処理でパターン番号1が選択されたときには、1つの単位遊技においてキャラクタは全く表示されない。また、パターン番号4が選択されたときには、図8の表示に示すように、タイミングAでキャラクタC1が表示され、タイミングBでキャラクタC2が表示され、タイミングCでキャラクタC3が表示される。尚、パターン番号4が選択されたときにおいて画像表示手段330に表示されるキャラクタの画像は、上述した図9(a)〜(c)と同様の画像が表示される。
【0147】
<パターン番号12又は20の場合>
上述した例では、単位遊技内のある1つのタイミングで、そのタイミングに対応したキャラクタのみが表示される場合、又はそのキャラクタが表示されない場合を示したが、単位遊技内の少なくとも1つのタイミングで、そのタイミングに対応したキャラクタと、そのタイミングには対応していないキャラクタとが表示される場合、即ち標準対応関係に基づかずにキャラクタの画像が表示される場合の第1の例として、パターン番号12又は20が選択されたときの場合を以下に示す。
【0148】
図8に示すように、タイミングAでキャラクタC1が表示され、タイミングBでキャラクタC2が表示される。この後、タイミングCではキャラクタC3は表示されず、タイミングDでキャラクタC3とC4とが表示される。このようにタイミングAからDまでは、パターン番号12が選択された場合でも、パターン番号20が選択された場合でも、同様の表示がされる。しかし、タイミングEでは、パターン番号12が選択されたときにはキャラクタC5が表示されるのに対して、パターン番号20が選択されたときにはキャラクタC5は表示されない。
【0149】
単位遊技が開始されて、図7のステップS95で図柄の画像の変動表示を開始してから2秒経過したときであると判別したときには、変数stepの値は1であり、ステップS98では、タイミングAに対応するキャラクタC1が表示される。例えば、図9(a)に示すように、「犬」が画面の下部で左方向に向かって歩いている態様の画像が画像表示手段330に表示される。さらに、単位遊技が進んで、図7のステップS94で図柄の画像の変動表示を開始してから3秒経過したときであると判別したときには、変数stepの値は2となっており、ステップS98では、タイミングBに対応するキャラクタC2が表示される。例えば、図9(b)に示すように、「赤子」が画面の下部でハイハイをして左方向に進んでいる態様の画像が画像表示手段330に表示される。
【0150】
次に、単位遊技が進み、図7のステップS93で左図柄の画像を停止表示してから1秒経過したときであると判別したときには、変数stepの値は3となっているが、図8に示すようにパターン番号12におけるタイミングCでは、表示すべきキャラクタは指定されていないので、ステップS97では本来表示されるべきキャラクタC3はこのタイミングでは表示されない。
【0151】
さらに、単位遊技が進み、図7のステップS92で右図柄の画像を停止表示したときであると判別したときには、変数stepの値は4であり、図8に示すようにパターン番号12におけるタイミングDでは、表示すべきキャラクタはC3とC4とであるので、ステップS98では、キャラクタC3とC4との双方の画像が表示される。例えば、図11(a)に示すように、「男性」が「女性」を抱きかかえて画面の右側から左側へ走っていく態様の画像が画像表示手段330に表示される。
【0152】
このように、パターン番号12が選択された場合であっても、パターン番号20が選択された場合であっても、タイミングDまでは、同様の表示がされる。しかし、タイミングEでは、以下で説明するように、パターン番号12と20とでは、異なる表示がされる。
【0153】
即ち、この後、単位遊技が進んで、図7のステップS91で現在行っている単位遊技をリーチにしてから1秒経過したときには、変数stepの値は5であり、ステップS98では、パターン番号12が選択されているときには、タイミングEに対応するキャラクタC5が表示されるのに対して、パターン番号20が選択されているときには、キャラクタC5は表示されない。
【0154】
このようにパターン番号12や20が選択されたときには、単位遊技の途中のタイミングCでキャラクタC3が表示されないが、タイミングDでキャラクタC3及びC4が表示されるので、ステップアップ演出が引き続き行われていることを遊技者に明示することができるとともに、単位遊技が遊技者に有利になり得るのではないかという期待感を改めて遊技者に与える可能性が生ずる。
【0155】
さらに、パターン番号12が選択されたときには、最終的にはキャラクタC1〜C5の全てが表示されるので、単位遊技の遊技結果の信頼度が高くなっているのではないかと遊技者に感じさせる可能性が生ずる。
【0156】
これに対してパターン番号20が選択されたときには、単位遊技の途中でキャラクタC5が表示されなくなるので、キャラクタが表示されて欲しいという期待感を遊技者に与えるとともに、キャラクタが表示されるときに備えてその表示を見逃すまいとして遊技への注意力を高める必要が生じるため、遊技者は遊技から目を離せなくなり、遊技者を遊技に引き付ける可能性が生ずる。
【0157】
<パターン番号11の場合>
標準対応関係に基づかずにキャラクタの画像が表示される場合の第2の例として、パターン番号11が選択されたときの場合を以下に示す。
【0158】
このパターン番号11が選択されたときには、図8に示すように、タイミングAでキャラクタC1が表示された後、タイミングB及びCでは、キャラクタC2及びC3は表示されず、タイミングDでキャラクタC2とC3とC4とが表示され、タイミングEでキャラクタC5が表示される。
【0159】
単位遊技が開始されて、図7のステップS95で図柄の画像の変動表示を開始してから2秒経過したときであると判別したときには、変数stepの値は1であり、ステップS98では、タイミングAに対応するキャラクタC1が表示される。例えば、図9(a)に示すように、「犬」が画面の下部で左方向に向かって歩いている態様の画像が画像表示手段330に表示される。その後、単位遊技が進んで、タイミングBやCのときには、即ち、図7のステップS94で図柄の画像の変動表示を開始してから3秒経過したときであると判別したとき、又は図7のステップS93で左図柄の画像を停止表示してから1秒経過したときであると判別したときであっても、キャラクタC2及びC3は画像表示手段330には表示されない。
【0160】
さらに単位遊技が進んで、図7のステップS92で右図柄の画像を停止表示したときであると判別したときには、変数stepの値は4であり、図8に示すようにパターン番号11におけるタイミングDでは、表示すべきキャラクタはC2とC3とC4とであるので、ステップS98では、キャラクタC2とC3とC4との3つの画像が表示される。例えば、図12(a)に示すように、「赤子」を抱きかかえて画面の右側から左側へ走っていく「女性」を「男性」が追いかけていく態様の画像が画像表示手段330に表示される。
【0161】
上述したように、パターン番号11が選択されたときには、単位遊技の途中のタイミングB及びCでキャラクタC2及びC3が表示されないが、タイミングDでキャラクタC2、C3及びC4が表示されるので、ステップアップ演出が引き続き行われていることを遊技者に明示することができるとともに、単位遊技が遊技者に有利になり得るのではないかという期待感を改めて遊技者に与える可能性が生ずる。
【0162】
さらに、タイミングEでキャラクタC5が表示されるので、その単位遊技内で全てのキャラクタが表示されるため、その単位遊技の遊技結果の信頼度が高くなっているのではないかと遊技者に感じさせる可能性が生ずる。
【0163】
<パターン番号15の場合>
標準対応関係に基づかずにキャラクタの画像が表示される場合の第3の例として、パターン番号15が選択されたときの場合を以下に示す。
【0164】
このパターン番号15が選択されたときには、図8に示すように、タイミングA〜CではキャラクタC1〜C3は表示されず、タイミングDでキャラクタC1とC2とC3とC4とが表示される。
【0165】
単位遊技が開始されて、図7のステップS95で図柄の画像の変動表示を開始してから2秒経過したときであると判別したとき、ステップS94で図柄の画像の変動表示を開始してから3秒経過したときであると判別したとき、又は図7のステップS93で左図柄の画像を停止表示してから1秒経過したときであると判別したときであっても、キャラクタC1、C2及びC3は画像表示手段330には表示されない。
【0166】
さらに単位遊技が進んで、図7のステップS92で右図柄の画像を停止表示したときであると判別したときには、変数stepの値は4であり、図8に示すようにパターン番号15におけるタイミングDでは、表示すべきキャラクタはC1とC2とC3とC4とであるので、ステップS98では、キャラクタC1とC2とC3とC4との4つの画像が表示される。例えば、図12(b)に示すように、飛び上がっている「犬」が「赤子」をくわえて画面の右側から左側へ移動し、それを「女性」が追いかけて、さらに、それを「男性」が追いかけていく態様の画像が画像表示手段330に表示される。
【0167】
このようにパターン番号15が選択されたときには、単位遊技の途中のタイミングA〜CではキャラクタC1〜C3が表示されないが、タイミングDでキャラクタC1〜C4が表示されるので、ステップアップ演出が引き続き行われていることを遊技者に明示することができるとともに、単位遊技が遊技者に有利になり得るのではないかという期待感を改めて遊技者に与える可能性が生ずる。
【0168】
さらに、パターン番号15が選択されたときには、単位遊技の途中でキャラクタC5が表示されなくなるので、キャラクタが表示されて欲しいという期待感を与えるとともに、キャラクタが表示されるときに備えてその表示を見逃すまいとして遊技への注意力を高める必要が生じるため、遊技者は遊技から目を離せなくなり、遊技者を遊技に引き付ける可能性が生ずる。
【0169】
<その他のパターンの例1>
上述したパターン番号12又は20の場合では、タイミングDで2つのキャラクタC3とC4とが表示される場合を示した。この場合の具体例として、上述したように、図11(a)に示すように、「男性」が「女性」を抱きかかえて画面の右側から左側へ走っていく態様の画像が画像表示手段330に表示される。この2つのキャラクタである「男性」と「女性」とを表示する場合に、他の表示態様で表示してもよい。例えば、図11(b)に示すように、画面の左側から右側へ走っていく「女性」を「男性」が追いかけるように表示してもよい。このように、表示されるキャラクタは同じであっても、その表示態様が異なるように、即ち、キャラクタの動作等を表現するために、キャラクタの画像を動的に画像表示手段に表示するための情報が異なるように定めてもよい。
【0170】
<その他のパターンの例2>
さらに、上述した例では、複数のタイミングの各々で、表示されるキャラクタは全て異なる場合を示したが、複数のタイミングの各々で、表示されるキャラクタは同一であるが、その表示属性を異ならしめて表示してもよい。この場合には、例えば、タイミングAでは,図13(a)に示すように白い「犬」が表示され、タイミングBでは,図13(b)に示すようにいわゆるブチ模様の「犬」を表示するように、キャラクタの画像を表示するために必要な表示要素の情報が異なるように定めてもよい。
【0171】
<表示制御の他の例>
上述した例では、図8に示した表のように、タイミング及びキャラクタの種類の標準対応関係と、標準対応関係でない関係との双方の関係を予め定めておく場合を示した。これに対して、標準対応関係のみを定めておき、標準対応関係でない関係のキャラクタについては、乱数等を発生させてその乱数の値に基づいて、その都度表示すべきキャラクタの種類を定めてキャラクタを表示するようにしてもよい。このようにした場合には、対応関係を予め記憶すべき記憶領域を小さくすることができる。
【符号の説明】
【0172】
10 弾球遊技機
24 遊技盤
30 画像表示装置(画像表示手段)(演出手段)
510 主制御手段
512 抽選手段
522 特別遊技制御手段
610 副制御手段(演出制御手段)
620 単位遊技開始信号受信手段
630 単位遊技制御手段
660 画像表示制御手段
670 画像データ記憶手段
690 標準対応関係記憶手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
図柄の画像と複数種類のキャラクタの画像とが表示される画像表示手段を含む弾球遊技機であって、
遊技盤と、
前記図柄の画像と前記複数種類のキャラクタの画像とを画像データとして記憶する画像データ記憶手段と、
前記画像データ記憶手段から前記図柄の画像の画像データを読み出し、前記図柄の画像を変動表示させてから停止表示させるまでを単一の行程とした単位遊技を前記画像表示手段で行う単位遊技制御手段と、
抽選処理に基づき、遊技者にとって有利な特別遊技に移行させる特別遊技制御手段と、
前記キャラクタの種類及びその表示属性の情報を含む前記複数種類のキャラクタの画像と、前記単位遊技が行われる間において前記複数種類のキャラクタの画像のうち少なくともいずれかの画像を表示し得る複数回のタイミングと、の対応を定めた対応関係であって、前記複数種類のキャラクタの画像が前記複数回のタイミングの各々に対して定められた第一の対応関係が記憶された第一対応関係記憶手段と、
前記第一対応関係とは異なる前記複数種類のキャラクタ画像と前記複数回のタイミングとの対応関係である第二の対応関係が記憶された第二対応関係記憶手段と、
前記単位遊技が行われている間において、前記複数回のタイミングのうちの少なくとも1回の所定のタイミングで、前記第一対応関係に基づく第一対応キャラクタの画像、及び前記第二対応関係に基づく第二対応キャラクタの画像の少なくともいずれかを、前記画像表示手段に表示させることが可能な画像表示制御手段と、を含み、
前記複数のタイミングにおいて前記第一対応キャラクタまたは前記第二対応キャラクタの画像を表示する演出の進行によって、前記単位遊技の結果が大当たりとなって前記特別遊技に移行する可能性を遊技者に示唆するとともに、
前記第一対応キャラクタの画像を表示する演出の進行においては、各タイミングにおいて表示され得る第一対応キャラクタの種類がそれぞれ異なる一方、前記第二対応キャラクタの画像を表示する演出の進行においては、各タイミングにおいて表示され得る第二対応キャラクタの種類が前記複数種類キャラクタのうちいずれかのキャラクタのみで構成され、
前記第二対応キャラクタの画像を表示する演出の進行を実行するに際して、一の単位遊技内における前記複数回のタイミングのうちの第1の所定のタイミングにおいて前記複数種類のキャラクタのうち特定のキャラクタを前記第一対応キャラクタの画像として表示した後、前記第1の所定のタイミングの後のタイミングである当該一の単位遊技内における第2の所定のタイミングにおいても前記特定のキャラクタを前記第二対応キャラクタの画像として表示する場合、前記キャラクタの種類は同一であるが、前記表示属性を異ならしめて表示することが可能なことを特徴とする弾球遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−81811(P2013−81811A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−4523(P2013−4523)
【出願日】平成25年1月15日(2013.1.15)
【分割の表示】特願2010−90560(P2010−90560)の分割
【原出願日】平成16年4月1日(2004.4.1)
【出願人】(390031783)サミー株式会社 (5,279)
【Fターム(参考)】