説明

形状記憶合金アクチュエータを一体に備えたゲージ指示針

駆動されたときにゲージ指示針を動かすように構成されている形状記憶合金素子を含む表示器を提供する。このゲージ指示針は、第1の形状記憶合金素子をゲージ指示針ハウジングの周縁の内側に配置して含む。更にこのゲージ指示針は、温度補償を行うための第2の形状記憶合金素子およびゲージ指示針を初期の状態に復帰させるための付勢部材を含み得る。この表示器の指示針は、軽量で薄く、表示器の視認性の向上に寄与し、自動車用として特に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、計器およびゲージ並びに回転アクチュエータ全般に関係し、詳しくはゲージの指示針等の表示器の駆動機構として使用される形状記憶合金アクチュエータに関する。
【背景技術】
【0002】
計器盤や計器群は、様々な車両および産業用設備において、一般的に見かけられる。これら盤の計器は、システムおよびそのコンポーネントの状態又は挙動についての情報を提供し、該情報は、通常遠方に位置するセンサから提供される。かかる計器の1つは、何らかの表示目盛りに対し移動するゲージ指示針からなるアナログ式のゲージである。その様な目盛りの例は、標示「E」が空の状態を示し、「1/4」、「1/2」、「3/4」等他の様々な標示が他の燃料のレベルを示し、更に「F」が満タンを示す燃料計である。従来からのゲージ指示針は、一般に、表示すべきシステムの状態を反映すべく指示針を位置させるために回転モータを使用する。現在の技術の回転モータは、主に空芯モータおよびステッピングモータである。該モータは一般的であるが、それらの形状因子と重量は、より軽量でかつより薄く、照明が良好であるゲージへと向かう進歩の妨げとなっている。この様な特徴は、重量および厚さの削減がコストおよび環境の面で有利であり、表示器の視認性の改善が乗員の安全向上をもたらすであろう自動車用の用途において、特に望まれている。
【0003】
形状記憶合金(SMA)の熱弾性特性は、1930年代から知られているが、SMAの商業的な使用は1990年代迄広まることがなかった。今日では、SMAについて、様々な産業分野で特有の用途が見出されている。かかる用途の1つは、SMAによって駆動されるゲージ指示針であって、タボリスキ等の米国特許第6441746号明細書に記載されている。しかしタボリスキ等により提案された指示針機構は、従来公知のステッピングモータによって駆動される指示針とまったく同様に、大きな占有面積に複雑な歯車機構を必要とする。更に、タボリスキ等の提案する指示針機構は、SMA素子について熱補償を欠いており、従って周囲の温度の変動に敏感である。補償機構を欠いているため、タボリスキ等のゲージ機構は、一般に、信頼できない測定結果をもたらす傾向にある。
【0004】
以上に照らし、改善された回転アクチュエータが求められており、更に具体的には、SMAにより駆動されるゲージ指示針であって、ゲージ指示針アクチュエータ等の既存の計器装置の上記欠点と他の欠点を克服すべく改善したゲージ指示針が求められている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、回転アクチュエータと、形状記憶合金回転アクチュエータを使用して回転運動を生ずる方法を提供する。様々なSMA回転アクチュエータを例として開示するが、それらを例示のための用途、即ちゲージ指示針の駆動に関して説明する。しかし本発明のアクチュエータは、ゲージ指示針の駆動に限らず、回転運動の生成を必要とする任意の適切な用途に実装可能である。本発明の少なくとも1つの実施形態では、形状記憶合金で駆動される指示器を提供する。この指示器は、ハウジングと、指示器ハウジングの周縁の内部に配置された形状記憶合金素子とを備える。形状記憶合金素子を駆動することで、指示器ハウジングの動きが生ずる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
他の実施形態では、典型的なゲージ指示針が、形状記憶合金により駆動されるゲージ指示針ハウジングを含む。この指示針は、ゲージ支持針ハウジングの周縁の内側又は当該周縁を越えない面積又は領域に配置される第1および第2の形状記憶合金素子であって、第1の形状記憶合金素子を駆動することで前記ゲージ支持針ハウジングの第1の方向への動きが生じ、第2の形状記憶合金素子を駆動することで前記ゲージ支持針ハウジングの第2の方向への動きが生じるように構成した第1および第2の形状記憶合金素子を含む。
【0007】
特定の実施形態では、制御システムが、ゲージ表示器の位置を管理する。このシステムは、周縁を有するゲージ表示器と、完全にゲージ表示器の周縁の内側に配置される形状記憶合金素子を有し、該素子が形状記憶素子を駆動することで、ゲージ表示器の動きが生ずるように構成する。更にこのシステムは、形状記憶合金を駆動した後のゲージ表示器の位置情報を知らせる位置センサと、演算装置(例えばマイクロコントローラ)等の状況応答制御装置を含み、該演算装置が、位置センサから提供される位置情報と、監視対象の状況を表わす外部からの信号に応答し、形状記憶合金素子の駆動を制御すべく構成される。
【0008】
本発明を、添付の図面と併せて説明する以下の詳細な説明に基づき、より完全に理解されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1Aは、SMAで駆動される本発明の一実施形態による典型的なゲージ指示針の上面図を示す。ゲージ指示針100は、周縁140と、遠端105と、近端110を持つゲージ指示針ハウジング102を含む。周縁140の内部には、第1のSMA素子115、第2のSMA素子120、ピン125、レバー130および付勢部材135が配置されている。SMA「素子」とは、細長い形状を持ち、長手軸に沿って伸縮できるSMA材料を指す。この素子は、ワイヤ等のような円形の断面や、楕円、正方形又は矩形等の様々な断面形状を持ち得る。SMAとは、擬似的な弾性および形状記憶効果という2つの極めて独特な特性を呈する金属を指す。擬似的な弾性とは、SMAのあたかもゴムの様な柔軟性を意味する。形状記憶効果とは、大きく変形させられた後に単に加熱することで元の形状に復帰する形状記憶合金の独特な能力を指す。あく迄例であってこれに限定される訳ではないが、形状記憶合金にはNiTi、CuZnAlおよびAuAlNi等が含まれる。
【0010】
代表的な実施形態では、ピン125が、ゲージ指示針ハウジング102を動作可能に接続しつつ計器盤に固定され、従ってゲージ指示針ハウジング102が、ピン125に対して運動、即ち回転できる。ピン125は、図2に関して以下で説明するとおり、第1のSMA素子115に電圧および接地帰路の接続を提供するように構成されている。
【0011】
図1Bは、SMAで駆動される本発明の一実施形態による計器装置の典型的な用途を示す。この例では、ゲージ指示針を、計器ゲージ、例えば電圧計に取り付け、車両のダッシュボード等の計器の一部を構成する。ここで計器ゲージ20は、10〜14Vの範囲の電圧を表示するバッテリ電圧計である。以下で説明する如く、SMAによって駆動されるヨーク130の動きにより、計器ゲージ20に対する針、即ちゲージ指示針ハウジング102の弧状の動きが生ずる。通常SMAによって駆動される動きは、バッテリの電圧を測定する通常の制御および/又は監視システムにより行なわる測定に応答する。その様な監視システムの1つは、遠方に配置された電圧センサである。幾つかの実施形態では、SMAフィードバック制御システムが、測定したバッテリの状態を示すように遠端105並びに周縁140の内側にあるSMA素子を動かすべく、ゲージ指示針100を駆動する。
【0012】
再び図1Aを参照すると、ヨーク130は、根元端145と弧状部150を含む。ヨーク根元端145は、近端110に接続されている。ヨーク130は、近端110を中心とする回転運動を増幅するためのレバーとして機能するが、この回転運動は、SMA素子を駆動することで生ずる。構造的には、ヨーク130は、FR4(プリント回路基板に広く用いられている)等のガラス繊維補強板又は多数ある充分な剛性の成形可能プラスチックの何れかで製造できる。或いはヨーク130を、剛でかつ軽量な他の任意の材料で形成してもよい。一実施形態では、ヨーク130を、ヨーク枢支点155によってゲージ指示針ハウジング102へ回転可能に接続する。弧状部150は、遊星歯車機構180を経てピン125に動作可能に接続する。殆どの実施形態では、ピン125が、市販のスプリングピン等の略円柱形の構造部材であるが、他の構造的結合手段と接続方法も当業者にとって理解かつ利用可能であろう。即ちその様な構造的結合部材は、少なくともゲージ指示針100を支持できればよい。幾つかの実施形態では、ピン125がSMAアクチュエータへ電圧および接地帰路を与える導電路を提供する。更に付勢部材135が、ヨーク130とゲージ指示針ハウジング102の間に配置されてSMAが駆動される際に復帰力を蓄え、SMA素子の駆動が停止したときに蓄えた復帰力を解放するように構成している。付勢部材135をばねクリップとして例示しているが、他の等価な任意の公知の力貯蔵機構も、代替品として適当である。
【0013】
第1のSMA素子115は、取り付け点107で遠端105に接続した第1の端部と、ヨーク根元端145でヨーク枢支点155に近接して位置する接続点192に接続した第2の端部とを備える。同様に、第2のSMA素子120は、取り付け点107で遠端105に接続した第1の端部、ヨーク根元端145で接続点190に接続した第2の端部を各々有し、従って第2のSMA素子120が第1のSMA素子115に対抗する構成となっている。第1のSMA素子115と第2のSMA素子120は、例えばはんだ付けやクリンプ等の任意の適切な手段でヨーク130に接続できる。第2のSMA素子120は、寸法、形状および番手、即ち断面積が第1のSMA素子115と同じであるが、駆動されないSMA素子として構成できる。即ち第2のSMA素子120は、第1のSMA素子115の動作に対し温度補償を行う。このように駆動されない第2のSMA素子120を、駆動される第1のSMA素子115に対し対抗する配置に構成することで、さもなければこれら素子に意図せぬ収縮を生じさせるSMA素子の周囲の温度上昇に対し、第2のSMA素子120が温度補償を行う。第2のSMA素子120を、第1のSMA素子115と対抗する関係に構成したため、周温の上昇に起因するSMA素子115による収縮を、温度によって生じる第2のSMA素子120の対応する収縮により相殺できる。
【0014】
一実施形態においては、典型的な遊星歯車機構180が、遊星歯車205をピン125に堅固に接続して含む。更に遊星歯車機構180は、リングギア210を弧状部150に連結して含み、遊星歯車205と噛み合うように構成されている。遊星歯車205は、従来からの任意の固定方法を使用してピン125に接続できる。或いは遊星歯車205を、ピン125の一部として一体に形成してもよい。同様に、リングギア210を、従来からの任意の固定方法を使用して弧状部150に取り付けてもよい。更に、リングギア210を、ヨーク130の一部として一体に形成してもよい。遊星歯車機構180により、SMAによって駆動され、幾つかの利点をもたらす小型で薄型のゲージ指示針が得られる。利点の1つは、遊星歯車機構180が、小型な装置でありながら、ピン125に対するゲージ指示針の回転に2段階の増幅を行う点にある。第1の増幅において、第1のSMA素子115のストロークが、レバーとしてのヨーク130を介してリングギア210へ接続されることで増幅される。第2の増幅において、ゲージ指示針100の回転が、遊星歯車205とリングギア210との間の比較的小さいギア比によって増幅される。図1Aに符号を付してある他の要素について、図2に関連して次に説明する。
【0015】
図2は、本発明の一実施形態により、どのように第1のSMA素子115へと電圧を供給し、かつそこで生じた機械的な力をどのように利用するのかについて、一例を示す。図2は、ゲージ指示針100の一部分の上面図を示し、ヨーク130とピン125とを接続する遊星歯車機構180と、第1のSMA素子115へ電圧を供給するための接続を示している。後者に関しては、ピン125が、相互に絶縁された内側の接続部212と外側の接続部220の各々により、電圧を供給すると共に接地帰路として機能するよう構成している。接地帰路215が、内側の接続部212に接続され、遠端105の取り付け点107迄延びている。電源(図示せず)は、外側の接続部220に接続され、更に外側の接続部220が、遊星歯車205に電気的に接続されている。電気的接続を形成するための多数ある方法のうちの任意の1つを、遊星歯車205を導電路225へと電気的に接続すべく使用できる。例えば比較的薄い弾性導電円板(図示せず)又は同様の部材を、当該円板の外縁が導電路225に覆いかぶさるように、遊星歯車205に堅固に接合できる。即ち円板をピン125の先端に同軸に取り付け得る。更に、円板と導電路225との間に電気の通り道を形成すべく、円板にコンタクト部材、例えば摺動コンタクトを設け得る。この構成では、弧状部150が円板の下方で移動するとき、導電路225がコンタクトを掃くように横切ると共に、円板の弾性により導電路225に接する円板の接触が維持される。言う迄もないが、コンタクト円板の最上面は、付近のSMA素子115と120への意図せぬ直接接触を防止すべく、電気的に絶縁され、例えば絶縁材料で被覆されている。このように、遊星歯車機構180およびピン125が、少なくとも第1のSMA素子115へ電圧を供給する小型な手段を、好都合に提供する。この設計により、ゲージ指示針100内に電気部品および接続部を別個に設ける必要がなくなる。
【0016】
動作時、電流を、既に述べた導電路225を経て第1のSMA素子115に供給する。SMAを駆動すべく供給する電流値は、遠方のシステムにより指示される所望のゲージ変位量によって決定される(例えば図8を参照)。電流により、第1のSMA素子115の収縮、即ち駆動が生じる。本明細書で、「収縮」又は「駆動」という用語は、SMA素子に当該素子がマルテンサイトからオーステナイトへの少なくとも部分的な相変化を受けるために充分なエネルギを加えることを表す。第1のSMA素子115を駆動することで、リングギア210が遊星歯車205の周りを時計回りに回転(例えば噛合)し、ピン125を中心とするゲージ指示針100の時計回りの回転を起こす。ピン125が、例えばダッシュボード(図示せず)等の固定されたハウジングに取り付けられているならば、ゲージ指示針100が、図1Bに関して述べたバッテリセンサ等の対象センサによる遠方の状態を表示すべく、この固定されたハウジングに対し所定の位置迄回転する。
【0017】
ヨーク130が、第1のSMA素子115の収縮により偏向させられる際、付勢部材135に荷重が加わる。ヨーク130が偏向するに伴い、付勢部材135が圧縮され、復帰エネルギが生じて蓄えられる。電流が第1のSMA素子115から除かれると、付勢部材135に蓄えられた復帰エネルギが解放され、ヨーク130を初期の位置へと復帰させると共に、第1のSMA素子115を引き伸ばす。この一連の現象が、ゲージ指示針110を、第1のSMA素子115を駆動する前の初期の状態迄回転させる。
【0018】
本発明の実施形態によれば、第1のSMA素子115への電圧が消滅又は中断すると、常にゲージ指示針100が初期状態に戻る。この初期状態が、監視され、ゲージにより表示されるシステムに関し、ゼロ表示状態を表現することが考えられる。しかし、本発明の他の実施形態では、動力断又は動力中断状態や他の様々な状態の何れか等、非ゼロ表示状態を含み得る。その様な他の実施形態を、図4Aに関連して後で説明する。
【0019】
図3は、一体に組み込んだSMAによって駆動される本発明の他の実施形態によるゲージ指示針の斜視図である。駆動される図3のゲージ指示針200は、構成および動作に関しゲージ指示針100と一体化したSMAアクチュエータに類似しているが、図1の遊星歯車機構180と付勢部材135は存在しない。柔軟な機械式リンク312が、ピン125をレバー230に接続する。ピン125を近端110へと弾性的に接続して復帰エネルギを保存および解放すべく、ねじりばね305を用いる。柔軟な機械式リンク312は、ピン125の周囲への巻き付けと巻き戻しのサイクルを多数回繰り返しても寸法安定性を失うとなく撓み得る任意の材料で形成できる。本発明の一実施形態では、柔軟な機械式リンク312がひもである。しかし他の実施形態では、プラスチックの帯、織物或いはナイロン又は他の可撓性材料で形成したワイヤ等、他の柔軟な材料を使用してもよい。
【0020】
ねじりばね305も、同様に電圧を供給可能に構成し、第1の経路と第2の経路を経てSMA素子115に電気的に接続している。第1の経路は、ピン125の外側の接続部220に位置する端部310から、ねじりばね305を経てレバー枢支点255迄延びる。更に第1の経路は、レバー枢支点255から端部315迄続き、端部315を第1のSMA素子115の一端に接続している。第2の経路は、取り付け点107(図示せず)から接地帰路ワイヤ215を介し、ピン125の内側の接続部212迄延びている。両方の経路により、SMA素子を経て電流を流す導電経路が生ずる。
【0021】
動作時、電圧が、マイクロプロセッサやマイクロコントローラ等の演算装置(例えば図8参照)の制御下に、第1と第2の経路を経てSMA素子115に加わる。該素子115が収縮すると、レバー230の根元端245がハウジング102に対しレバー枢支点255を中心に反時計回りに回転し、レバー230の遠端250をピン125から離れるように動かす。レバー230がピン125から離れるように偏向する際、ピン125の周囲に巻付いていた柔軟な機械式リンク312が、時計方向に途中迄引き出される。ハウジング102上又はハウジング102と共に移動する座標系から見ると、柔軟な機械式リンク312を引き出すことで、ピン125の反時計回りの回転が生じる。ピン125は、実際には計器盤、例えば図1Bの計器ゲージ20に固定されている。従ってレバー230の遠端250の実際の経路は、前以って反時計方向に巻き付けたひもや他の柔軟なリンクの引き出しから予想される如く、半径の増大を伴いつつ時計方向である。ハウジング102の回転時、ねじりばね305が、ピン125の周囲を時計回りの方向に引き締められ、復帰エネルギを蓄える。一度第1のSMA素子115への給電を止めると、ねじりばね305が蓄積した復帰エネルギを解放し、前記一連の動作が逆に起りゲージ指示針200が最初の状態、即ち第1のSMA素子115を駆動する前の位置に戻る。更に復帰エネルギの解放により、柔軟な機械式リンク312がピン125の周囲に反時計方向に巻付き、第1のSMA素子115を引き伸ばすようレバー230を最初の位置に復帰させる。
【0022】
図4Aは、一体に組み込んだSMAにより駆動される本発明の更に他の実施形態によるゲージ指示針300の斜視図である。上記のアクチュエータと異なり、SMAによって駆動される図4Aのゲージ指示針300は、図1Aのクリップ135や図3のねじりばね305等の付勢部材ではなく、能動的に動作する対抗用のSMA素子320を含む。能動的に動作する第2のSMA素子320は、第1のSMA素子115に対抗する関係で設けられている。第1のSMA素子115と第2のSMA素子320は、両者とも、遠端105の共通の取り付け点105に電気的に接続されている。更に、接地帰路215が、取り付け点107とピン125の内側の接続部212に接続されている。電圧は、第1のSMA素子115および第2のSMA素子320に、別個に供給される。或いは、電圧を、ピン125上の別個の接続部によって供給できる。図4AのSMA素子115と320に電圧を供給するための典型的な構成を、次に説明する。
【0023】
図4Bは、本発明の実施形態により、1つ以上のSMA素子に電圧を供給するため幾つかの方法の内の一例を示す。この場合、ピン125が、導体125a、125bおよび125cとして象徴的に示す3つの導体を含むべく構成され、導体125aと125bが、各々SMA素子320と115に電圧を供給する。第3の導体である導体125cが、接地への接続を行うと共に、SMA素子350と115からの接地帰路215に接続されている。これらの導体の各々は、相互に電気的に絶縁されている。図示のとおり、導体125aは、可撓ワイヤ470aを経て取り付け点472aに接続され、同様に導体125bは、可撓ワイヤ470bを経て取り付け点472bに接続されている。可撓ワイヤ470aと470bは、何れかのワイヤからゲージ指示針内の他の導電性表面(例えばSMA素子)へと至る電気的短絡路が生じないよう絶縁する。
【0024】
他の実施形態では、可撓ワイヤ470aと470bの第1の端部を、複数の導体125a、125bと125cの1つへ接続するのではなく、ピン125の中央の貫通路(図示せず)に挿入し、各々の電源(例えば図4Bには示さないコントローラのそれ)に接続する点に注目すべきである。同様に、ゲージ指示針ハウジング302内のピン125と、第1の電源接続部410および第2の電源接続部405の両者との間の接続も、根元端345を経て第1のSMA素子115と第2のSMA素子320(図示せず)迄各々延びるゲージ指示針ハウジング302内の導電路を介する等、他の適切な手段で行える。一実施形態では、第1の電源接続部410と第2の電源接続部405を、第2のSMA素子320と第1のSMA素子115に別個独立した駆動制御を行うべく、各々第1の電源と第2の電源(両者とも図示せず)に接続する。
【0025】
図4Bに示す如く、導電路225aと225bが、取り付け点472aおよび472bから各々延びている。導電路225aと225bは、各々第1の電源接続部410および第2の電源接続部405で終端している。図示していないが、第2のSMA素子320の一端が、第1の電源接続部410に接続され、第1のSMA素子115の一端が、第2の電源接続部405に接続される。従って、図4Bに示すとおり、本発明の特定の実施形態では、ゲージ指示針内に位置する導電路225aおよび225b等の導電路により、少なくとも2つの電源信号を、少なくとも2つのSMA素子に印加できる。
【0026】
再び図4Aを参照すると、ゲージ指示針300は、コントローラ、例えばマイクロプロセッサが上述の導電路を介して第1のSMA素子115又は第2のSMA素子320の何れかへ電流を供給した際に回転する。第1のSMA素子115を駆動することで、ヨーク330が、ゲージ指示針300に対し第1の方向、即ち反時計方向に偏向され、第1の柔軟な機械式リンク415が、ピン125から途中迄引き出される。同時に、第2の機械式リンク420が、ピン125の周囲に途中迄巻き取られる。この巻き取りと引き出しの動作は、図3に関して説明したそれに類似し、これらの動作により、ゲージ指示針ハウジング302が、ピン125に対し、例えば時計回りに回転する。更に、第1の方向へのヨーク330の偏向によって、第2のSMA素子320が引き伸ばされる。
【0027】
同様に、第2のSMA素子320の駆動に伴い、ヨーク330が、ゲージ指示針300に対し第1の方向と反対の第2の方向、即ち時計回りに偏向され、第2の柔軟な機械式リンク420が、ピン125から途中迄引き出される一方で、同時に第1の機械式リンク415が、ピン125の周囲に途中迄巻き取られる。これが図4Aに示す状態であり、第2の柔軟な機械式リンク420を引き出す動作に伴い、ゲージ指示針ハウジング302が、ピン125に対し反時計回りに回転する。第2の方向へのヨーク330の偏向により、第1のSMA素子115の伸縮が生じる。この実施形態の有利な特徴の1つは、ゲージ指示針300が、電圧の消滅又は中断時に最後の状態に留まる点にある。ゲージ指示針300は、復帰力を保存又は付与する付勢部材が存在しないため、自身の最後の状態に留まる。SMAを対抗させる設計の特徴として、復帰力が、対抗するSMA素子を駆動することで生ずる。ここで、例えばSMA素子115が駆動され又は移動し、第2のSMA素子320を駆動することで引き伸ばされる迄、収縮しその位置を保つ。このゲージ指示針300の「動きと保持」の特徴は、先の状態の機械的な記憶が望まれる用途で望ましい。
【0028】
図5は、一体に組み込んだSMAにより駆動される、本発明の一実施形態による典型的なゲージ指示針の上面図である。ゲージ指示針400は、付勢部材135が除かれ、SMA素子120が能動的に動作する対抗用のSMA素子320で置換された点を除き、図1Aと2で既に説明したゲージ指示針100に類似している。ゲージ指示針400は、図4Aのゲージ指示針300に関し既に説明した如く、第1と第2のSMA素子115、320の対抗駆動に伴い動作するが、ゲージ指示針100(図1Aと2)に関し既に述べた回転動作を伴っている。電圧および接地帰路を、先の実施形態で説明したもの等、任意の適切な手段により第1のSMA素子115と第2のSMA素子320に提供することができる。特に、電圧と接地を、図4Bにおいて説明した様な方法で提供できる。
【0029】
図6は、SMAで駆動される本発明の特定の実施形態による他の代表的なゲージ指示針を示す。SMAで駆動されるゲージ指示針600は、SMAで駆動される図3のゲージ指示針200と同様に動作する。SMAで駆動される図6のゲージ指示針600は、先の実施形態の小型な設計を依然利用しつつ、素子が必ずしもゲージ指示針ハウジングの物理的パラメータ内に制約されない点で、ゲージ指示針200と異なる。ゲージ指示針600の動作機構は、ダッシュボードや計器盤等他の構造(図示せず)の背後に配置できる。
【0030】
図6は、一体化されずに駆動されるゲージ指示針600の斜視図であり、固定のハウジング680、針605、レバー610、第1のSMA素子615、第2のSMA素子620およびねじりばね625を含む。固定されたハウジング680は、自動車用の場合にはダッシュボード等、固定された任意の表面であり得る。ここでゲージ指示針600は、ピン630を、固定されたハウジング680に回転可能に接続されたシャフトとして含む。レバー610は、先端635と根元端640を含み、レバー枢支点645により固定されたハウジング680に回転可能に接続されている。ねじりばね625は、固定されたハウジング680の、例えばレバー枢支点645と、ピン630との間に位置する。柔軟な機械式リンク650が、レバー610の先端635をピン630に接続している。
【0031】
1つの例では、第1のSMA素子615と第2のSMA素子620を、対抗する構成で固定されたハウジング680とレバー610との間に接続している。この構成では、第1のSMA素子615は、固定されたハウジング680を経て電圧と接地帰路を得るが、それらは、多数ある従来からの方法で或いは上述の方法で供給できる。第2のSMA素子620は、図1のSMA素子120に関して既に説明した如く、周囲温度に対する第1のSMA素子615の温度補償のため、受動的な役割で使用される。
【0032】
第1のSMA素子615を駆動すると、レバー610が偏向し、柔軟な機械式リンク650が、ピン630から途中迄引き出される。この動作に伴い、ピン630と針605が固定のハウジング680に対し回転する。ピン630が固定されたハウジング680に対し回転すると、ねじりばね625が捩られ、復帰エネルギが生じて蓄えられる。一度第1のSMA素子615から電流が除かれると、ねじりばね625に蓄積されていた復帰エネルギが解放され、ピン630と針605の両者が、初期の状態に回転して戻る。ピン630の回転によって、柔軟な機械式リンク650がピン630の周囲に巻き付けられると共に、レバー610が初期の位置に復帰し、第1のSMA素子615が引き伸ばされる。
【0033】
測定した状態を正確に反映させるべくゲージ指示針を位置決めする際の回転の程度は、例えば表示器の寸法と形状、ゲージ面における付加的測定単位の刻みの間隔と監視対象である遠方のシステムの状態(例えば周温)等、多数の要因に応じて決まる。図1Aに示す例では、監視システムが、バッテリ電圧を検出するセンサである。更に車両の全体に広がる様々なシステムに位置する種々のセンサからの検出情報をコントローラへ供給する際、SMA素子が、マイクロプロセッサ等の演算装置で制御される。特定の実施形態では、コントローラが、ゲージ表示器のみを制御すべく指示を実行するよう構成した専用のマイクロコントローラであり得る。しかし本発明のゲージ指示針は、比較的単純な入力と出力しか必要とせず、プロセッサの能力に多くを要求しない故、車両に既に存在する任意の制御システム、即ちエンジンコントローラや車両の他のコンピュータによりSMAの駆動を制御できる。SMA素子は、マイクロプロセッサが様々な実施形態について既に説明した導電路に出力電圧を供給することで駆動される。従って駆動を実行するための出力電圧は、図1Bのバッテリ電圧等、検出された状態に基づいている。アナログ制御システム又は他の任意の種類の制御機構で、マイクロプロセッサを置換できる点に注意されたい。
【0034】
図7は、本発明の一実施形態による汎用的な回転アクチュエータを示す。ここ迄の典型的な実施形態についての説明の大部分では、ゲージ指示針の駆動に関し回転アクチュエータを説明したが、本発明のアクチュエータは、ゲージ指示針以外の用途にも使用できる。
【0035】
図7のSMA回転アクチュエータ700は、図6に示したのと類似の各要素を含む。しかし図7に示す如く、ピン630をシャフト690で置換している。即ち、SMA回転アクチュエータ700は、独立したアクチュエータである。この例では、レバー枢支点645を固定したハウジング680に取り付けている。シャフト690を或る方向に回転させるため、柔軟な機械式リンク650が巻き付けから解放される一方で、シャフト690を他方に回転させるため、ねじりばね625の巻きが緩められる。この結果、柔軟な機械式リンク650は巻き取られる。シャフト690がSMA回転アクチュエータ700の機械的出力であり、負荷、例えばゲージ指示針、歯車又は回転運動を有用な仕事へ変換する他の任意の部材に堅固に固定できる。更に、SMA回転アクチュエータ700は、SMA素子615と620への電圧と接地(図示せず)を、既に述べた中央のピンを経由してではなく、他の方法で持ち得る。図6の中央のピン630を経由する以外に、SMA素子615と620に電圧と接地を提供する様々な方法は、当業者に自明である。
【0036】
SMAで駆動されるゲージ指示針について既に説明した他の実施形態も、図7について説明したのと同様にして、簡単にSMA回転アクチュエータを実現すべく変更できる。例えばSMAで駆動される図1Aのゲージ指示針100を、ヨーク根元端145を固定したハウジング又は他の不動の表面に接続し、ピン125を回転可能なシャフト(図1Aには図示せず)で置換し、ハウジング102と接地帰路215を取り去り、更に付勢部材135を付勢部材135の一端がヨーク130と接する他端から受け取った機械的エネルギを蓄えるべく接続および/又は固定される他の点(図示せず)に設けるよう変更できる。例えば当該他の点を、固定したハウジングや不動の表面に接続できる。これらの変更により、本発明の特定の実施形態では、SMAで駆動されるゲージ指示針100を、SMA回転アクチュエータとして機能させ得る。SMAにより駆動される他の全てのゲージ指示針についても、本発明のSMA回転アクチュエータを構成すべく、同様の変更を行える。
【0037】
図8は、一実施形態による典型的な閉ループフィードバックシステム700の動作を示す機能ブロック図である。この例では、システム700が車両のバッテリ電圧の状態等、状況を正確に表示するのに必要な回転の程度を決定する。この際、状況センサが、ゲージ指示針の特定の角度位置を示すため状況を認識する。図8に示す如く、遠方のシステム702が、監視を要するシステムコンポーネント、例えばバッテリを含む。特にバッテリ710を自動車のボンネットの下に配置し、電圧センサ712も同様に遠方のシステム702、又は電圧の測定に適した他の任意の位置に配置する。センサ712は、バッテリ710の電圧を表わす電圧データ信号を定期的に送信すべく動作する。電圧データ信号は、コントローラ704で受信され、コントローラ704は、ゲージ指示器の制御を実行するコンピュータが読解可能な一式の指示に応じ動作するマイクロコントローラである。
【0038】
本明細書で説明した種々の実施形態の何れかによるゲージ指示針720が、自動車のダッシュボード上の計器ゲージ706に位置している。更に、計器ゲージ706には、周知の如く反射された変調光を使用して指示針の角度位置を割り出すように構成された光ダイオード等、位置センサ722が位置している。位置を検出した後、位置センサ722は、ゲージ指示針720の角度位置をあらわす位置データ信号を生成する。
【0039】
動作時、コントローラ704が、位置データ信号により表わされる測定された角度位置を、例えば参照テーブルに保存し或いは遠方の状況を表わす信号として表現されている予測値714と比較する。センサ712で測定された電圧の離散値について、対応して期待される位置を、参照のために参照テーブルに保存できる。例えば12.9Vが、参照テーブルに保存された1200「測定単位」に関連付けられている場合、1200測定単位を位置データ信号に関連付けられる測定単位と比較できる。これら測定単位が同じならば、補正動作は不要であり、指示針720の角度位置が正確な情報を伝えている。一方、測定単位が一致しない場合には、比較器716が、指示針720の周縁の内側に位置するSMA素子へと電圧信号を送るよう、ドライバ718に指示する。即ち指示針720の角度位置を補正すべく、誤差補正の電気信号を指示針720のアクチュエータ素子に印加する。この誤差補正の電気信号は、例えばSMAで駆動されるゲージ表示器を、遠方のシステム702の状態を表示するよう適切な量だけ偏向させるように意図し、その様な遠方のシステム702の状態には、自動車用を例に更に幾つか挙げるなら、油圧、燃料又は他の液体の量、或いはエンジンの温度が含まれる。
【0040】
角度位置を検出するために、幾つかの方法が当分野において知られており、従って以下での特定の方法への言及は、本明細書で開示する本発明の教示の範囲を限定するものと解釈すべきではない。これら方法は、様々な物理法則を使用しているが、何れも角度位置を報知する信号を生成するという能力を共有している。位置検出の一実施形態では、遊星歯車機構180のリングギア210を、ピン125に対するゲージ指示針ハウジング100の向きを割り出すよう構成したポテンショメータを含むように、更に適合できる。ゲージ指示針ハウジング100の向きは、リングギア210が遊星歯車205と噛み合っているリングギア210の途中の位置から計算できる。歯車同士の噛合の位置は、当該位置においてポテンショメータによって生成される抵抗値を使用して割り出すことができる。
【0041】
上記の実施形態において、更に他の検出法も利用可能である。検出法の例としては、以下のものが含まれる。
(a)光学的検出。アジマス方向において反射率が変化する表面を、ゲージ指示針ハウジング100に同軸に連結する。更に少なくとも1つの固定された発光ダイオードから前記反射表面に向かってビームを送り、変調された反射ビームを受信するよう配置する。次いで、この変調をデジタルパルスカウンタで計数し、ゲージ指示針の角度位置を割り出す。
(b)容量による検出。ゲージ指示針と一緒に動く電極と、ダッシュボードに固定した電極とから、可変のコンデンサを形成する。タイミング回路が、可変の容量と較正済みの固定抵抗とで定まる回路のRC時定数を測定する。このようにして得られた時定数は、移動する電極の位置、即ち指示針の位置を表わしている。
(c)抵抗による検出。抵抗帯をダッシュボード上の固定位置に形成し、摺動コンタクトを回転するゲージ指示針ハウジング100に連結して回路を形成する。可変抵抗又は該可変抵抗での電圧降下を測定し、ゲージ指示針の角度位置を割り出す。
【0042】
上記検出要素の他の配置や他の検出原理も、本発明の基本的教示から逸脱することなく使用可能である。
【0043】
説明を目的とする上述の記載においては、本発明の全体にわたる理解をもたらすべく特定の専門用語を使用した。しかし特定の細部が本発明を実施するために必須ではないことは、当業者に明らかである。即ち本発明の特定の実施形態についての上述の説明は、例示と説明の目的でなされたものである。それらは、全てを説明し尽くすものではなく、本発明を開示した形態そのものに限定するものでもなく、上記の教示に照らして多数の変更および変形が可能であることは明白である。それらの実施形態は、本発明の原理およびその実際の適用をもっとよく説明し、当業者が、本発明および様々な変更を含む様々な実施形態を、想定される特定の用途に適したものとして最も上手く利用できるようにするために、選択および説明されている。本発明の範囲は、特許請求の範囲およびそれらの均等物によって定められるものである。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1A】本発明の一実施形態によるゲージ支持針の上面図である。
【図1B】図1Aのゲージ指示針を使用する用途を示す。
【図2】図1Aのゲージ支持針の拡大上面図である。
【図3】本発明の特定の実施形態による他のゲージ指示針の斜視図である。
【図4A】本発明の一実施形態の更に別の典型的なゲージ指示針の上面図である。
【図4B】SMA素子に電圧を供給するための幾つかの方法の一例を示す。
【図5】本発明の別の典型的なゲージ指示針の上面図である。
【図6】本発明のSMAアクチュエータで駆動されるゲージ指示針の斜視図である。
【図7】本発明の特定の実施形態による典型的なSMA回転アクチュエータを示す。
【図8】本発明の一実施形態による制御システムの機能ブロック図である。
【符号の説明】
【0045】
20 計器ゲージ、100、200、300、400、600、605、720 ゲージ指示針、102、302、680 ハウジング、107 取り付け点、105 遠端、110 近端、115、120、320、615、620 SMA素子、125、630 ピン、130、330 ヨーク、135 付勢部材、140 周縁、145 根元端、150 弧状部、155 ヨーク枢支点、180 遊星歯車機構、190 接続点、205 遊星歯車、210 リングギア、212、220 接続部、215 接地帰路、225 導電路、230、610 レバー、305、625 ねじりばね、312、415、650 機械式リンク、420、650 リンク、690 シャフト、700 フィードバックシステム、704 コントローラ、706 計器ゲージ、710 バッテリ、712 電圧センサ、716 比較器、718 ドライバ、722 位置センサ



【特許請求の範囲】
【請求項1】
形状記憶合金によって駆動される表示器であって、
ハウジングを有する表示器、および
前記ハウジングの周縁を超えない領域内に配置された形状記憶合金素子
を含み、
前記形状記憶合金素子を駆動することによって前記表示器の動きが生じる表示器。
【請求項2】
前記表示器ハウジングの前記領域内に配置されると共に、前記形状記憶合金素子に対して対抗する配置に構成された第2の形状記憶合金素子を更に含む請求項1記載の表示器。
【請求項3】
前記表示器ハウジングに連結されると共に、前記形状記憶合金素子に電流を供給するように構成されているピンを更に含む請求項1記載の表示器。
【請求項4】
前記表示器ハウジングの前記周縁の内側に配置されると共に、前記形状記憶合金素子を駆動することで動かされて前記表示器を動かすべく、前記形状記憶合金素子に連結された遊星歯車機構を更に含む請求項1記載の表示器。
【請求項5】
前記ハウジングの前記周縁の内側に配置されると共に、前記ハウジングに連結されたレバーであって、前記形状記憶合金素子が、前記形状記憶合金素子を駆動することで前記レバーとハウジングが動かされるように連結されたレバーを更に含む請求項1記載の表示器。
【請求項6】
前記レバーが、完全に前記ハウジングの前記周縁の内側に配置されている請求項5記載の表示器。
【請求項7】
前記形状記憶合金素子の駆動が停止したときに前記形状記憶合金素子を引き伸ばして前記ハウジングを初期の状態へと動かすように前記ハウジングの前記周縁の内側に配置された付勢部材を更に含む請求項1記載の表示器。
【請求項8】
前記付勢部材が、完全に前記ハウジングの前記周縁の内側に配置された請求項7記載の表示器。
【請求項9】
形状記憶合金によって駆動されるゲージ指示針であって、
周縁を有するゲージ指示針ハウジング、および
前記ゲージ指示針ハウジングの前記周縁の内側に配置された第1および第2の形状記憶合金素子であって、第1の形状記憶合金素子を駆動することによって前記ゲージ支持針ハウジングの第1の方向への動きが生じ、第2の形状記憶合金素子を駆動することによって前記ゲージ支持針ハウジングの第2の方向への動きが生じる第1および第2の形状記憶合金素子を含むゲージ指示針。
【請求項10】
前記第2の方向が前記第1の方向と反対である請求項9記載のゲージ指示針。
【請求項11】
前記ゲージ指示針ハウジングに連結されると共に、前記第1と第2の形状記憶合金素子の各々に電流を供給するよう構成されたピンを更に含む請求項9記載のゲージ指示針。
【請求項12】
前記ゲージ指示針ハウジングの前記周縁の内側に配置されると共に、前記第1又は第2の形状記憶合金素子の何れかを駆動することで動かされ、前記ゲージ指示針ハウジングを動かすべく、前記第1および第2の形状記憶合金素子に連結された遊星歯車機構を更に含む請求項9記載のゲージ指示針。
【請求項13】
前記ゲージ指示針ハウジングの前記周縁の内側に配置されると共に、前記ゲージ指示針ハウジングに連結されたレバーを更に含み、
前記第1および第2の形状記憶合金素子が各々、前記第1又は第2の形状記憶合金素子の何れかを駆動することで前記レバーが動かされて前記ゲージ指示針ハウジングを動かすべく、前記レバーおよび前記ゲージ指示針ハウジングに連結された請求項9記載のゲージ指示針。
【請求項14】
前記レバーが、完全に前記ゲージ指示針ハウジングの前記周縁の内側に配置された請求項13記載のゲージ指示針。
【請求項15】
駆動されるゲージ指示針であって、
固定されたハウジング、
前記固定されたハウジングに連結されたゲージ支持針、
前記固定されたハウジングおよび前記ゲージ支持針に連結されたレバー、および
前記固定されたハウジングおよび前記レバーに連結された形状記憶合金素子であって、前記形状記憶合金素子を駆動することによって前記ゲージ支持針の動きが引き起こされるように構成されている形状記憶合金素子を含むゲージ指示針。
【請求項16】
前記固定されたハウジングに連結されると共に、前記形状記憶合金素子に対し対抗する配置に構成された第2の形状記憶合金素子を更に含む請求項15記載のゲージ指示針。
【請求項17】
前記形状記憶合金素子の駆動が停止したときに前記形状記憶合金素子を引き伸ばして前記ゲージ支持針を初期の状態へと動かすべく、前記固定されたハウジングに連結された付勢部材を更に含む請求項15記載のゲージ指示針。
【請求項18】
ゲージ表示器の位置を制御するためのシステムであって、
周縁を有するゲージ表示器、
完全に前記ゲージ表示器の周縁の内側に配置された形状記憶合金素子であって、前記形状記憶合金素子を駆動することによってゲージ表示器の動きがもたらされるように構成された形状記憶合金素子、
形状記憶合金を駆動した後の前記ゲージ表示器の前記位置情報を知らせる位置センサ、および
前記位置センサによってもたらされる前記位置情報に応じ、かつ遠方の状況を知らせる信号に従って、前記形状記憶合金素子の駆動を制御するように適応された状況応答装置を含むシステム。
【請求項19】
前記位置センサが、抵抗式位置センサ、容量式位置センサおよび光学式位置センサのうちの1つである請求項18記載のシステム。
【請求項20】
ゲージ表示器の位置決めのための方法であって、
ゲージ表示器のハウジング内に電気信号を加えるステップ、
完全に前記ゲージ表示器の周縁の内側に配置された形状記憶合金(「SMA」)素子を、前記電気信号に応じて駆動するステップ、および
レバー状の部材を回転させるステップを含み、
前記レバー状の部材の回転がピンを回転させて、前記ハウジングを回転させる方法。
【請求項21】
前記ゲージ指示針の位置を検出するステップ、
前記ゲージ表示器の位置を知らせる情報を含む位置信号を生成するステップ、および
前記情報が前記位置が期待される位置と異なっていることを示している場合に、前記電気信号を変更するステップを更に含む請求項20記載の方法。
【請求項22】
形状記憶合金回転アクチュエータであって、
第1の固定点、第2の固定点、およびレバー枢支点、
或る軸を中心として回転するように構成された回転可能シャフト、
一端が前記回転可能シャフトに接続されている柔軟な機械式リンク、
第1の端部が前記レバー枢支点に接続されると共に、第2の端部が前記柔軟な機械式リンクのもう一方の端部に接続されており、前記レバー枢支点を中心として回転するように構成されているレバー、および
第1の端部および第2の端部を各々前記第1の固定点および前記第2の固定点に接続して有する形状記憶合金素子を含み、
前記形状記憶合金素子を駆動することによって前記回転可能シャフトの回転が生じる、形状記憶合金回転アクチュエータ。
【請求項23】
前記柔軟な機械式リンクが、前記回転可能シャフトの一部分の周囲に巻き付けられることによって、前記回転可能シャフトに対し接線方向に接続された請求項22記載のアクチュエータ。
【請求項24】
第1の端部および第2の端部を各々前記第1の固定点および第3の固定点に接続して有する第2の形状記憶合金素子を更に含み、
前記第2の形状記憶合金が、前記形状記憶合金素子に対して対抗する配置に構成されている請求項22記載のアクチュエータ。
【請求項25】
第1の端部を第3の固定点に取り付けて有すると共に、第2の端部を前記形状記憶合金素子の駆動が停止したときに前記形状記憶合金素子を引き伸ばして前記回転可能シャフトを初期の状態へと動かすように構成して備えている付勢部材を更に含む請求項22記載の形状記憶合金回転アクチュエータ。
【請求項26】
形状記憶合金回転アクチュエータであって、
第1の固定点、第2の固定点および枢支点、
遊星歯車、
前記遊星歯車内に配置されると共に、或る軸を中心として同時に一緒に回転するように前記遊星歯車に連結されている回転可能シャフト、
リングギア、
前記リングギアを前記遊星歯車と噛合するように構成して含む第1の部位と、前記枢支点に接続された第2の部位とを有すると共に、前記枢支点を中心として回転するように構成された部材、および
第1の端部および第2の端部を各々前記第1の固定点および前記第2の固定点に接続して有する形状記憶合金素子を含み、
前記形状記憶合金素子を駆動することによって前記回転可能シャフトの回転が生じるアクチュエータ。
【請求項27】
第1の端部および第2の端部を各々前記第1の固定点および第3の固定点に接続して有する第2の形状記憶合金素子を更に含み、
前記第2の形状記憶合金が、前記形状記憶合金素子に対して対抗する配置に構成されている請求項26記載のアクチュエータ。
【請求項28】
前記部材、前記リングギアおよび前記遊星歯車が遊星歯車機構を構成し、
前記遊星歯車機構が、前記形状記憶合金素子を駆動することによって前記遊星歯車機構が動かされて前記回転可能シャフトを回転させるべく、前記形状記憶合金素子に連結された請求項26記載のアクチュエータ。
【請求項29】
形状記憶合金回転アクチュエータであって、
第1の固定点、第2の固定点および枢支点、
第1の柔軟な機械式リンク、および第2の柔軟な機械式リンク、
第1の回転方向に回転するよう、前記第1の柔軟な機械式リンクの第1の端部が接線方向に接続されると共に、第2の回転方向に回転するよう、前記第2の柔軟な機械式リンクの第1の端部が接線方向に接続される回転可能シャフト、
前記第1の柔軟な機械式リンクの第2の端部へと接続された第1の部位、前記第2の柔軟な機械式リンクの第2の端部へと接続された第2の部位および前記枢支点へと接続された第3の部位を有し、前記枢支点を中心として回転するように構成された部材、および
第1の端部および第2の端部が各々前記第1の固定点および前記第2の固定点に接続された形状記憶合金素子を含み、
前記形状記憶合金素子を駆動することによって前記回転可能シャフトの回転が生じるアクチュエータ。
【請求項30】
第1の端部および第2の端部を各々前記第1の固定点および第3の固定点に接続して有する第2の形状記憶合金素子を更に含み、
前記第2の形状記憶合金が、前記形状記憶合金素子に対して対抗する配置に構成された請求項29記載のアクチュエータ。

【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2006−525526(P2006−525526A)
【公表日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−514251(P2006−514251)
【出願日】平成16年5月3日(2004.5.3)
【国際出願番号】PCT/US2004/013730
【国際公開番号】WO2004/099730
【国際公開日】平成16年11月18日(2004.11.18)
【出願人】(505237112)アルフマイヤー プレチジオーン アクチエンゲゼルシャフト バウグルッペン ウント ジステームレーズンゲン (1)
【Fターム(参考)】