説明

彩色筆記具の容器

【課題】 この発明は、容器本体を傾斜状態に安定して保持し、収納された彩色筆記具を取り出しやすくすることを課題とするものである。
【解決手段】 この発明は、彩色筆記具1を並列させて収納できるようにした薄型の容器本体2に蓋体3を着脱自在に装着した平面長方形の彩色筆記具の容器4において、前記蓋体3の上壁5の内面の一方の長縁に沿って係止凸部6を設け、開蓋時に前記容器本体の底壁8の一方の長縁を前記凸部6に係止させ、他方の長縁側底壁を蓋体3の前記係止凸部の対向側の周壁10の端縁に載置することにより、容器本体1を傾斜させて保持できるようにして彩色筆記具の容器を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、クレヨンや色鉛筆などの彩色筆記具を収納するための容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
彩色筆記具を並列させて収納できるようにした薄型の容器本体に蓋体を着脱自在に装着した平面長方形の彩色筆記具の容器に平面長方形とした彩色筆記具用の容器は広く用いられている。
従来、この種の容器に入った彩色筆記具を使用する場合、容器本体から外された蓋体は、容器本体と別の場所に置くか、蓋体を反転させて蓋体の中に容器本体をはめ込んで使用するのが通例である。
【0003】
ところで、容器本体に収納された彩色筆記具を使用するためには、容器本体を傾斜させ、彩色筆記具を使用者側に向けて傾斜させると、彩色筆記具を取り出しやすい。
しかしながら、容器本体を傾斜させて保持できるようにした容器は知られていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明は、容器本体を傾斜状態に安定して保持し、収納された彩色筆記具を取り出しやすくすることを課題とするものである。請求項2、請求項3の発明は、上記に加えて蓋体の裏面に標示された色彩名と本体に収納された彩色筆記具との対応関係に齟齬が生じないようにすることを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は、彩色筆記具を並列させて収納できるようにした薄型の容器本体に蓋体を着脱自在に装着した平面長方形の彩色筆記具の容器において、前記蓋体の上壁内面の一方の長縁に沿って係止凸部を設け、開蓋時に前記容器本体の底壁の一方の長縁を前記凸部に係止させ、他方の長縁側底壁を蓋体の前記係止凸部の対向側の周壁端縁に載置することにより、容器本体を傾斜させて保持できるようにして彩色筆記具の容器を構成する。
請求項2の発明は、蓋体の上壁内面すなわち裏面には、係止凸部に沿って収納される彩色筆記具の色彩名を横一列に表示したものであり、請求項3の発明は、容器本体の底壁長手方向両側に異なる色彩のゴムバンドを取り付け、蓋体の上壁状面に前記ゴムバンドと同じ色彩を標示したものである。
【0006】
前記係止凸部は、蓋体の上壁のほぼ全長に亘る凸条若しくは複数の突起として構成する。要は容器本体の底壁の長縁が係止し得ればよいのであり、蓋体の上壁の長縁両側に各1つの突起を設けることでも足りる。
【0007】
前記前記彩色筆記具の色彩名の表示は、各色彩を表示する区画の横幅を筆記具の幅(太さ)と同等とし、蓋を開けたときに色彩名の表示と収納された筆記具の色彩とが上下に対応するようにする。
前記色彩名の表示は、文字による表示若しくは文字と色彩(着色)による表示の併用とする。
前記色彩名の表示と前記凸部の位置関係は、蓋体の上壁の長縁に沿って凸部を設けて、凸部に沿って凸部の対向長縁側に表示部を設ける配置と、上壁の長縁に沿って表示部を設け、表示部の縁に沿って表示部の対向長縁側に凸部を設ける配置(この場合凸部は蓋体上壁内面の中央寄りに位置することとなる)とが考えられる。後者の配置とすると、蓋を開けて蓋体を係止凸部に係止させた状態で色彩の表示部を見ることができる。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、蓋体の内面に係止凸部を設けたので、容器本体の底壁の縁を係止凸部に係止させ、底壁の他側を蓋体の周壁に載置することにより、容器本体を傾斜した状態で安定して保持することができる。したがって、彩色筆記具を容器本体から取り出しやすい。
そして、前記係止凸部によって、容器本体と蓋体との位置関係を特定することができる。すなわち、容器本体の筆記具の後端側を蓋体の係止凸部側に位置させることにより、容器本体と蓋体の位置関係が常に一定となる。
そこで、最初に蓋体に表された色彩名の標示取りの順序で容器本体に筆記具を収納すると、使用の都度、容器本体に収納された筆記具の配列と色彩名の表示とが自動的に対応することとなり、筆記具をしまう場合に順序が逆になったりすることがない。
また、容器本体の底壁両側に異なる色彩のゴムバンドを取り付け、蓋体の上面両側に前記ゴムバンドと同じ色彩を標示することにより、ゴムバンドの色彩と蓋体の色彩とを合わせることにより、このゴムバンドで閉蓋状態を保持することができ、加えて正しい向きで蓋体を本体に装着することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
彩色筆記具であるクレヨン1を並列させて収納できるようにした薄型で厚紙製の容器本体2に厚紙製の蓋体3を着脱自在に装着して平面長方形の彩色筆記具の容器4が構成してある。前記蓋体4の上壁5の内面の一方の長縁に沿って、長縁のほぼ全長に亘り係止凸条6が設けてある。この係止凸条6は帯状の厚紙であって、蓋体の上壁内面に糊付けされている。
【0010】
前記係止凸条6の図中上方には、前記係止凸条6に沿って、収納されるクレヨン1の色彩名表示7が横一列に表示してある。色彩名標示7の各表示区画の幅は、前記クレヨン1の幅(太さ)と同等としてあり、容器本体2と蓋体3とを上下に並べて位置させたときに、各色彩名表示7に対応した色彩のクレヨン1が上下に揃うようにしてある。
【0011】
前記容器本体2の底壁8の長手方向両側には、異なる色彩のゴムバンド9、9aがそれぞれ取り付けてある。他方蓋体3の上壁5の上面両側には正しい向きで装着したときに極バンド9側となる部分にゴムバンド9と同じ色彩の標示12を、ゴムバンド9a側となる部分にゴムバンド9aと同じ色彩の標示12aを施してある。
【0012】
上記実施形態に示す容器4は、不使用時には容器本体2に蓋体3を被せてゴムバンド9、9aで留める。
使用する際には、蓋体3を容器本体2から外し、内側を上に向けて机上におく。次いで容器本体2の一方の長縁側(クレヨン1の基端側)を蓋体3内へはめ込み、底壁8の長縁を前記係止凸部6に係止させ、底壁8の他側を蓋体3の前記係止凸条6の対向側周壁10の上縁に載せる。
このようにすることにより、容器本体2を傾斜した状態で安定させて保持することができる。
【0013】
しまうときには、容器本体2をスライドさせて蓋体3と図1中上下に並べる。次いで蓋体3の色彩名表示7にしたがって、対応する色彩のクレヨンを色彩名表示7の上の位置に収納する。
上記において、蓋体3に容器本体2を傾斜させて保持するためには、係止凸条6を手前側にして蓋体3を机上におかなければならない。そして、しまうときには容器本体2をスライドさせて蓋体3の上方に並べる。したがって、使用の前後に亘り容器本体と蓋体との位置関係(向き)は常に一定であり、蓋体3の色彩名表示7と容器本体2に収納されたクレヨン1の対応位置関係も一定となる。
そのために、クレヨンをしまうとき、色彩表示7の順序通りに間違いなくしまうことができる。
また、容器本体2と蓋体3の向きはゴムバンド9,9aと色彩標示12,12aとの対応関係でも識別することができるので、使用中に蓋体の向きを変更した場合であっても、正しい位置関係で蓋体3を容器本体2に装着することができる。
【0014】
図3,図4は別の実施形態であり、蓋体3の長縁に沿って色彩名表示7を表示し、色彩名表示7よりも中央側に係止凸部11を設けたものである。前記係止凸部は厚紙であり蓋体3の両側に各1箇所設けてある。
【0015】
この実施形態においては、蓋体3の係止凸部11に容器本体2の長縁を係止させたとき、容器本体2よりも手前に色彩名表示7が表れる。したがって、クレヨンを容器本体から取り出すときに色彩名表示7を確認することができるので、色彩を覚えやすい。
【産業上の利用可能性】
【0016】
この発明は、クレヨンなど彩色筆記具を容器から取り出しやすく、蓋体に色彩名表示をした場合には色彩名表示に従って彩色筆記具を容器に収納しやすいものであり、幼児向けの彩色筆記具の容器として好適なものである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】この発明実施形態の分解斜視図
【図2】同じく容器本体を蓋体の係止凸条に係止させた状態の斜視図
【図3】同じく別の実施形態の蓋体の斜視図
【図4】同じく容器本体を蓋体の係止凸部に係止させた状態の斜視図
【符号の説明】
【0018】
1 クレヨン
2 容器本体
3 蓋体
4 容器
5 上壁
6 係止凸条
7 色彩名表示
8 底壁
9、9a ゴムバンド
10 周壁
11 係止凸部
12,12a 色彩標示

【特許請求の範囲】
【請求項1】
彩色筆記具を並列させて収納できるようにした薄型の容器本体に蓋体を着脱自在に装着した平面長方形の彩色筆記具の容器において、
前記蓋体の上壁内面の長縁方向に係止凸部を設け、
開蓋時に前記容器本体の一方の長縁を前記凸部に係止させ、他方の長縁側底部を蓋体の前記係止凸部の対向側の周壁端縁に載置することにより、容器本体を傾斜させて保持できるようにした、彩色筆記具の容器
【請求項2】
蓋体の上壁内面には、係止凸部に沿って収納される彩色筆記具の色彩名が横一列に表示された、彩色筆記具の容器
【請求項3】
容器本体の底壁長手方向両側に色彩の異なるゴムバンドが取り付けられ、蓋体の上面両側には前記ゴムバンドと同じ色彩が表された、請求項1又は2に記載の彩色筆記具の容器

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−224969(P2006−224969A)
【公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−37215(P2005−37215)
【出願日】平成17年2月15日(2005.2.15)
【出願人】(591121498)株式会社ベネッセコーポレーション (30)
【Fターム(参考)】