説明

役物動作ユニットおよび遊技機

【課題】モータなどの駆動手段の制御を比較的に簡単なものとしつつ、複数の回転板を高精度に所定の初期位置で停止させるようにする。
【解決手段】役物動作ユニット20は、遊技機の前後方向に所定間隔で配置され、それぞれ所定の回転軸周りに回転する複数の回転板31a,31b,31cと、それら複数の回転板のそれぞれを異なる周期で回転させるモータ61と、複数の回転板を挟んで配置される投光部と受光部とを有し、複数の回転板が前後方向に重なった状態となる初期位置を検知する検知センサ68とを備える。複数の回転板には、初期位置にあるときに投光部からの光を受光部に導くための孔が設けられており、検知センサ68は、投光部から発せられた光を受光部が検知することによって初期位置を検知する。モータ61は、検知センサ68が初期位置を検知したタイミングで複数の回転板の回転動作を停止させる構成である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機などの遊技機に設けられる役物動作ユニット、および、それを備えた遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ遊技機などの遊技機において、遊技盤面上に打ち出された遊技球が所定の始動口に入球することを条件として特別図柄の変動表示を行い、その変動表示が特定の図柄で停止すると大当たりとなって大入賞口を開閉する大入賞口開放遊技に移行し、遊技者に有利な遊技価値を付与するものが数多く提供されている。このような遊技機では、特別図柄の変動表示に伴い、遊技盤のほぼ中央に設けられる画像表示器において各種演出用の画像が表示されるようになっている。
【0003】
従来、この種の遊技機において、画像表示器の周囲に可動する役物を配置し、画像表示器で表示される演出用の画像と連動させてその役物を動作させるようにした演出を行うものが知られている。例えば、特許文献1には、画像表示器の上部又は左右側部に位置する演出役物が画像表示器の正面側ほぼ中央位置に進出し、その演出役物が画像表示器において表示される画像と有機的に一体となった演出を行うものが開示されている。また、例えば、特許文献2には、画像表示器の前方で複数のシャッタ部材(演出役物)が様々な動作を行うことにより、遊技状態に応じた演出を行う遊技機が開示されている。
【0004】
これらの従来技術では、演出役物を動作させるための駆動手段としてモータが採用されている。そして、このモータが回転駆動されることにより、演出役物が画像表示器の周囲の位置から前方位置に向かって移動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−219754号公報
【特許文献2】特開2008−229046号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記のような従来の遊技機における演出役物は、画像表示器の周囲の位置と、画像表示器の前方側の所定位置との間を直進往復移動するだけである。そのため、このような演出役物を動作させるための駆動制御は、比較的簡単である。なぜなら、演出役物の移動方向にストッパなどを設けておけば、演出役物はそのストッパによって停止するため、モータを駆動制御する際に高精度な位置制御を行う必要がないからである。
【0007】
しかしながら、演出役物を所定の回転軸周りに複数回転させることによって特定の演出を行うような場合には、演出終了時に演出役物の回転を所定の初期位置で停止させる必要がある反面、直進移動を停止させるようなストッパを配置することが難しい。そのため、このような場合においてモータを駆動制御する際には、例えばロータの位置を検知しながらモータの回転量を制御することが必要となり、モータ制御が複雑なものとなってしまうという問題がある。特に、1つのモータで複数の演出役物を異なる周期で回転させ、それら複数の演出役物のそれぞれが所定の初期位置に達したときにモータを停止させようとする場合、上記のような複雑なモータ制御を行ったとしても、複数の演出役物を毎回高精度に初期位置で停止させることが難しいという問題がある。
【0008】
そこで本発明は、モータなどの駆動手段の制御を比較的に簡単なものとしつつ、演出役物として設けられる複数の回転板を高精度に所定の初期位置で停止させることを可能にした役物動作ユニットおよびそれを備えた遊技機を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、請求項1にかかる発明は、遊技機に設けられる役物動作ユニットであって、遊技機の前後方向に所定間隔で配置され、それぞれ所定の回転軸周りに回転する複数の回転板と、前記複数の回転板のそれぞれを異なる周期で回転させる駆動手段と、前記複数の回転板を挟んで配置される投光部と受光部とを有し、前記複数の回転板が前後方向に重なった状態となる初期位置を検知する検知センサと、を備え、前記複数の回転板のそれぞれには、前記初期位置にあるときに前記投光部からの光を前記受光部に導くための孔が設けられており、前記検知センサは、前記投光部から発せられた光を前記複数の回転板のそれぞれに設けられた孔を介して前記受光部が検知することによって前記初期位置を検知し、前記駆動手段は、前記複数の回転板の回転動作を開始させた後、前記検知センサが前記初期位置を検知したタイミングで前記複数の回転板の回転動作を停止させることを特徴とする構成である。
【0010】
また請求項2にかかる発明は、請求項1に記載の役物動作ユニットにおいて、前記複数の回転板のうち少なくとも1つの回転板は、他の回転板と異なる方向に回転することを特徴とする構成である。
【0011】
また請求項3にかかる発明は、遊技球が打ち出される遊技領域を有し、該遊技領域の略中央に開口部が形成された遊技盤と、前記遊技盤の背面側に取り付けられ前記開口部を介して遊技盤の正面側から視認可能な画像表示器と、前記遊技盤に取り付けられる役物動作ユニットと、を備える遊技機であって、前記役物動作ユニットは、遊技機の前後方向に所定間隔で配置され、それぞれ所定の回転軸周りに回転する複数の回転板と、前記複数の回転板のそれぞれを異なる周期で回転させる回転駆動手段と、前記複数の回転板を挟んで配置される投光部と受光部とを有し、前記複数の回転板が前後方向に重なった状態となる初期位置を検知する検知センサと、を備え、前記複数の回転板のそれぞれには、前記初期位置にあるときに前記投光部からの光を前記受光部に導くための孔が設けられており、前記検知センサは、前記投光部から発せられた光を前記複数の回転板のそれぞれに設けられた孔を介して前記受光部が検知することによって前記初期位置を検知し、前記回転駆動手段は、前記複数の回転板の回転動作を開始させた後、前記検知センサが前記初期位置を検知したタイミングで前記複数の回転板の回転動作を停止させることを特徴とする構成である。
【0012】
また請求項4にかかる発明は、請求項3に記載の遊技機において、前記複数の回転板のうち少なくとも1つの回転板は、他の回転板と異なる方向に回転することを特徴とする構成である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、検知センサが、複数の回転板が前後方向に重なった状態となる初期位置を検知し、駆動手段が、複数の回転板の回転動作を開始させた後に検知センサが初期位置を検知したタイミングで複数の回転板の回転動作を停止させる構成であるため、駆動手段の制御を比較的に簡単なものにすることができる。また、検知センサは、複数の回転板が実際に前後方向に重なった状態となる初期位置を検知するため、異なる周期で回転する複数の回転板を高精度に所定の初期位置で停止させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】遊技機の外観構成の一例を示す正面図である。
【図2】遊技機の前枠部材を開放した状態を示す斜視図である。
【図3】遊技盤に取り付けられる役物動作ユニットの概略構成を示す斜視図である。
【図4】遊技盤に取り付けられる役物動作ユニットの概略構成を示す斜視図である。
【図5】遊技機の背面側に設けられる制御機構を示すブロック図である。
【図6】装飾可動物が退避位置にある状態での役物動作ユニットを背面側からみた斜視図である。
【図7】装飾可動物が画像表示器の前方側の進出位置へ進出した状態での役物動作ユニットを背面側からみた斜視図である。
【図8】装飾可動物を正面側から見た外観構成を示す斜視図である。
【図9】装飾可動物を背面側から見た外観構成を示す斜視図である。
【図10】装飾可動物の分解斜視図である。
【図11】第3回転板を背面側から見た概略斜視図である。
【図12】第2回転板の背面側および正面側の外観を拡大して示す斜視図である。
【図13】第2回転板の分解斜視図である。
【図14】第1保持部材を正面側から見た拡大斜視図である。
【図15】第2回転板の一部を切り欠いた状態を背面側から見た図である。
【図16】プレート部材とLED搭載基板との構成を概略的に示す断面図である。
【図17】第1回転板の背面側および正面側の外観を拡大して示す斜視図である。
【図18】第1回転板の分解斜視図である。
【図19】装飾部材を背面側から見た斜視図である。
【図20】装飾可動物の3つの回転板が初期位置で重なった状態となる場合の一部切欠図である。
【図21】装飾可動物における3つの回転板の回転態様の一例を示す図である。
【図22】3つの回転板を回転させるための制御動作の一例を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下に説明する実施形態において互いに共通する部材には同一符号を付しており、それらについて重複する説明は省略する。
【0016】
図1は、本発明における遊技機1の外観構成の一例を示す正面図である。この遊技機1は、遊技者の指示操作により打ち出された遊技球が各種入賞口に入球すると賞球を払い出すように構成された弾球式の遊技機である。
【0017】
図1に示すように、遊技機1は、遊技機本体1aの正面側に開閉可能に取り付けられた前枠部材3を備えている。前枠部材3は、その中央に透明ガラス板2aが嵌め込まれた窓部2を有している。遊技者は、この透明ガラス板2aを介して遊技機1の正面側から遊技機本体1aに取り付けられる遊技盤10を視認可能である。前枠部材3は、窓部2の下部右側に、遊技者が操作するハンドルレバー4を備えている。遊技者がこのハンドルレバー4を右回り方向(時計回り方向)に回転操作すると、その操作角度に応じた打球力で遊技球が遊技盤10の盤面に所定の時間間隔で1球ずつ打ち出されるようになっている。
【0018】
前枠部材3は、窓部2の上部左右両側に設けられた一対のスピーカ5と、窓部2の上部および下部のそれぞれ中央に設けられた枠ランプ6とを備えている。スピーカ5は楽曲や音声、効果音などを発することで各種の演出を行い、枠ランプ6は点灯点滅のパターンや発光色の違いなどで各種の演出を行うように構成されている。
【0019】
図2は、遊技機1の前枠部材3を開放した状態を示す斜視図である。図2に示すように前枠部材3は、遊技機本体1aの左側に設けられた支持部1bにより回動可能に軸支されている。遊技者が遊技を行うときには、図1に示すように前枠部材3は遊技機本体1aに閉じられ、施錠された状態となる。遊技中、例えば遊技盤10の遊技領域11において球詰まりなどが生じると、店員が前枠部材3を解錠して図2に示すように前枠部材3を開放することにより、球詰まりなどを解消することができる。
【0020】
図2に示すように遊技機本体1aには、遊技盤10が取り付けられている。この遊技盤10の正面側には、遊技球が打ち出される略円形の遊技領域11が形成されている。また遊技盤10には、遊技領域11のほぼ中央に開口部10aが設けられており、この開口部10aの背面側に画像表示器8が設けられている。画像表示器8は、例えばカラー液晶ディスプレイなどで構成され、遊技の進行状況に応じて各種の演出用画像を表示する。このような演出用画像は、遊技者が遊技を行うとき、透明ガラス板2aを介して遊技機1の正面側から視認可能である。
【0021】
また図示を省略しているが、遊技領域11の内側には、多数の釘、スルーゲート、風車、普通入賞口、第1始動口、第2始動口、電動チューリップ、大入賞口等の公知の部材が配置される。そして遊技機1は、第1始動口又は第2始動口に遊技球が入球すると、それに伴って乱数を取得し、その取得した乱数が所定値であるか否かを判定することにより大当たり抽選を行う。遊技機1において大当たり抽選が行われると、画像表示器8は、例えば1〜9までの数字が付された3つの装飾図柄画像の変動表示を開始し、その変動表示を開始してから所定時間が経過したタイミングで3つの装飾図柄画像を停止させる。このとき、3つの装飾図柄画像が揃った状態で停止すれば大当たりとなり、遊技機1は大入賞口を開放させる大入賞口開放遊技へと移行し、遊技者に有利な遊技価値が付与される。すなわち、大入賞口開放遊技では、大入賞口に多数の遊技球が入球するので、遊技者は多くの賞球を獲得することができるようになる。
【0022】
また、図2に示すように、遊技盤10には、遊技機1において所定の演出が行われるときに作動する役物動作ユニット20が設けられている。この役物動作ユニット20は、遊技盤10に対し、開口部10aの上部の所定位置に取り付けられている。
【0023】
図3および図4は、遊技盤10に取り付けられる役物動作ユニット20の概略構成を示す斜視図である。この役物動作ユニット20は、遊技盤10の上部背面側に取り付けられるフレーム部材50を有し、このフレーム部材50が、演出役物として設けられる装飾可動物30を昇降可能に保持している。またフレーム部材50には、装飾可動物30を昇降駆動するための進退駆動手段として設けられるモータ51が取り付けられている。そしてモータ51が駆動されることにより、装飾可動物30が上下方向に移動する。つまり、装飾可動物30は、モータ51が駆動されることにより、図3に示すように画像表示器8の上方に退避した退避位置と、図4に示すように画像表示器8の前方側所定位置に進出した進出位置との間を往復移動するように構成される。
【0024】
また、装飾可動物30は、遊技機1の前後方向に沿って所定間隔で配置された複数の回転板31を備えており、それらの複数の回転板31の正面側に回転しない装飾部材32が設けられた構成となっている。本実施形態では、複数の回転板31として、遊技機1の正面側から順に、第1回転板31a、第2回転板31bおよび第3回転板31cの3つの回転板が設けられている。これら3つの回転板31a,31b,31cはそれぞれがほぼ同サイズの楕円形に形成されており、初期状態ではそれら3つの回転板31a,31b,31cが重なった状態となっており、遊技機1の正面側から見ると、第1回転板31aの背面側に、第2回転板31bおよび第3回転板31cが隠れた状態となっている。これらの回転板31a,31b,31cは、装飾可動物30が退避位置に保持されているとき、上記のような初期状態となっている。そして遊技機1において所定の演出が行われるタイミングとなり、装飾可動物30が画像表示器8の前方側の進出位置へ進出すると、第1回転板31a,第2回転板31bおよび第3回転板31cのそれぞれが遊技盤10に対して略直角となる前後方向の回転軸周りに回転するように構成されている。これらの各回転板31a,31b,31cは、進出位置へ進出した状態で回転するとき、その表面を発光させるように構成される。また、装飾部材32もその表面を発光させるように構成される。このような役物動作ユニット20は、第1回転板31a,第2回転板31bおよび第3回転板31cのそれぞれを回転させる際、それぞれ異なる周期で回転させることにより、第1回転板31aの背後から第2回転板31bおよび第3回転板31cを出現させるようになっている。また、役物動作ユニット20は、第1回転板31a,第2回転板31bおよび第3回転板31cのそれぞれを一方向へ回転させる構成であり、しかも少なくとも1つの回転板を他の回転板とは異なる方向へ回転させるように構成される。そして役物動作ユニット20は、第1回転板31a,第2回転板31bおよび第3回転板31cのそれぞれが再び初期状態へ戻ると回転動作を停止させ、その後、モータ51を駆動することにより装飾可動物30を進出位置から退避位置へと戻すようになっている。尚、このような役物動作ユニット20の詳細な動作機構については後述する。
【0025】
図5は、遊技機本体1aの背面側に取り付けられる遊技機1の制御機構を示すブロック図である。遊技機本体1aの背面側には、遊技機1の主たる動作を制御するメイン制御基板100と、メイン制御基板100から出力される信号やコマンドに基づいて各部を制御するサブ制御基板110とが取り付けられる。サブ制御基板110は、払出制御基板120、演出制御基板130、画像制御基板140、役物制御基板150等で構成されている。尚、この他にもハンドルレバー4の操作角度に応じて遊技球を発射する発射機構などが設けられるが、図4では図示を省略している。
【0026】
メイン制御基板100は、CPU101とROM102とRAM103とを備えている。このメイン制御基板100には、遊技球が第1始動口に入球したことを検知する第1始動口スイッチ41、遊技球が第2始動口に入球したことを検知する第2始動口スイッチ42、電動チューリップを開閉駆動する電チューソレノイド43、遊技球がスルーゲートを通過したことを検知するゲートスイッチ44、遊技球が普通入賞口に入球したことを検知する普通入賞口スイッチ45、遊技球が大入賞口に入球したことを検知する大入賞口スイッチ46、および、大入賞口を開閉駆動する大入賞口ソレノイド47が接続されている。
【0027】
メイン制御基板100は、第1始動口スイッチ41、第2始動口スイッチ42、普通入賞口スイッチ45および大入賞口スイッチ46のそれぞれが遊技球の入球を検知した場合、払出制御基板120に対して賞球コマンドを送出する。払出制御基板120は、CPU121とROM122とRAM123とを備え、遊技機本体1aの背面側に設けられた払出モータ124を制御するように構成されている。この払出制御基板120は、メイン制御基板100から賞球コマンドを入力すると、払出モータ124を駆動することにより、入球した入賞口に応じて所定球数の遊技球を賞球として払い出す。
【0028】
またメイン制御基板100は、普通図柄の抽選や大当たり抽選(大当たり判定)を行うように構成されている。例えば遊技球がスルーゲートを通過したことをゲートスイッチ44が検知すると、メイン制御基板100は、電動チューリップを開閉するための普通図柄抽選を行い、当選すれば電チューソレノイド43を所定時間及び所定回数駆動させて電動チューリップを開放させる。またメイン制御基板100は、遊技球が第1始動口又は第2始動口に入球したことを第1始動口スイッチ41又は第2始動口スイッチ42が検知すると、その入球した始動口に応じた大当たり抽選を行い、その大当たり抽選の結果に応じた演出を行わせるべく、演出制御基板130に対して信号やコマンドを送出する。
【0029】
メイン制御基板100は、大当たり抽選の結果、大当たりに当選している場合には、演出制御基板130によって行われる演出のための所定時間が経過した後、遊技機1の遊技状態を大入賞口開放遊技へと移行させる。この大入賞口開放遊技では、メイン制御基板100が大入賞口ソレノイド47を駆動して大入賞口を開閉させることにより、遊技者が多くの賞球を獲得し得る状態に制御する。
【0030】
演出制御基板130は、CPU131とROM132とRAM133とリアルタイムクロック(RTC)134とを備えており、メイン制御基板100からの信号やコマンドなどに基づいて、メイン制御基板100から指定される所定時間内で行う具体的な演出内容を決定する。そして演出制御基板130は、その決定した演出内容に基づいて、画像制御基板140と役物制御基板150とを制御する。例えば、メイン制御基板100において大当たり抽選が行われることに伴って送信される変動開始コマンドを受信すると、演出制御基板130は、画像表示器8や役物動作ユニット20を駆動して行う演出パターンを決定し、画像制御基板140および役物制御基板150を制御することで、その演出パターンに対応した演出を実行させる。ここで決定される演出パターンは、メイン制御基板100から送出される信号やコマンドに対応する演出パターンとなる。また、ここで決定される演出パターンにより、役物動作ユニット20を作動させる演出であるか否かが決定される。そして演出制御基板130は、メイン制御基板100から変動停止コマンドを受信すると、上記のようにして決定された演出パターンに基づく演出の実行を終了させると共に、メイン制御基板100における大当たり抽選の結果に対応した停止図柄で装飾図柄画像を停止させるべく、画像制御基板140および役物制御基板150を制御する。
【0031】
画像制御基板140は、CPU141と、ROM142と、RAM143と、VRAM144とを備えており、演出制御基板130から指示される演出パターンに基づいて画像表示器8およびスピーカ5を制御することにより、画像表示器8における装飾図柄画像の変動表示を行うと共に、リーチ演出などの各種の演出を行う。VRAM144は、画像表示器8に表示するための画像を書き込むメモリである。CPU141はこのVRAM144に対して背景画像表示処理、装飾図柄表示処理、キャラクタ画像表示処理などの各種処理を実行することにより、画像表示器8に対して、背景画像、装飾図柄画像、キャラクタ画像などを重畳的に表示することができる。また画像制御基板140は、演出制御基板130で決定される演出パターンに対応する演出用の動画像などを画像表示器8に表示させることも可能である。このような画像制御基板140の制御により、画像表示器8に表示される画像は、役物動作ユニット20の動作と連動した画像として表示することもできる。
【0032】
役物制御基板150は、CPU151とROM152とRAM153とを備えており、演出制御基板130から指示される演出パターンに基づいて各種ランプ49を点灯させると共に、役物動作ユニット20を制御するように構成される。役物制御基板150が点灯させる各種ランプ49には、上述した枠ランプ6の他、役物動作ユニット20に設けられるLEDなどの光源や、その他遊技盤10に設けられたLEDなどの光源が含まれる。役物制御基板150は、そのような各種ランプ49に含まれる各種の光源を必要に応じて適宜点灯させるように制御する。また、役物制御基板150が役物動作ユニット20を制御することにより、役物動作ユニット20が作動する。このとき、役物制御基板150は、演出制御基板130で決定される演出パターンに基づいて役物動作ユニット20の動作を制御するため、役物動作ユニット20の動作を、画像表示器8において表示される演出用の画像と連動させることも可能である。
【0033】
このようにして遊技機1では、第1始動口又は第2始動口に遊技球が入球することに伴って各種の演出が行われるようになる。そして遊技機1において所定の演出パターンが実行されるときには、役物動作ユニット20が駆動されることにより、装飾可動物30が画像表示器8の周囲の退避位置から画像表示器8の前方側の進出位置へと移動し、更に複数の回転板31が回転することにより、通常とは異なる演出が行われるようになる。このような演出は、例えば、遊技機1におけるリーチ演出のひとつとして行われる。そして、所定の演出パターンが終了すると、複数の回転板31は再び3つの回転板31a,31b,31cが重なった状態の初期位置へと戻り、その後、装飾可動物30が退避位置へと退避して動作前の状態へと戻るようになる。以下、このような役物動作ユニット20の詳細について説明する。
【0034】
まず、役物動作ユニット20の昇降機構について説明する。図6および図7は、役物動作ユニット20の背面側からみた斜視図である。図6は、装飾可動物30を退避位置に保持している状態を示しており、図7は、装飾可動物30を画像表示器8の前方側の進出位置へ進出させた状態を示している。図6および図7に示すように、役物動作ユニット20は、装飾可動物30を昇降させるためのモータ51が回転軸52を正逆双方向に回転させる。この回転軸52は、従動ギア53を回転させるようになっている。また従動ギア53には、さらギア54が歯合している。このギア54には、図7に示すように揺動アーム56を支持する支持棒55が設けられている。したがって、このギア54は、従動ギア53に連動して所定角度範囲内で回動することにより、支持棒55を昇降させることにより、その支持棒55の下端部で支持されている揺動アーム56を上下に揺動させることができるようになっている。
【0035】
揺動アーム56は、その基端部が従動ギア53の下方において回動可能に軸支されており、この基端部を中心にアーム先端部を所定角度範囲内で揺動させるようになっている。揺動アーム56のアーム先端部は、フレーム部材50の中央背面側に上下方向に沿って形成されたガイド部57に向かって延びている。そして、図示を省略する連結部材を介して、揺動アーム56のアーム先端部が、ガイド部57に設けられる第1昇降部材58を支持する構成である。
【0036】
第1昇降部材58は、揺動アーム56が上下方向に揺動することに伴い、ガイド部57に沿って上下方向に移動するプレート状の部材として構成される。この第1昇降部材58は、左右両側に複数のギアを有するギア部58aが設けられている。このギア部58aは、ガイド部57の左右両側において上下方向に沿って設けられたラックギア57aに歯合している。またギア部58aは、第1昇降部材58の更に背面側で昇降する第2昇降部材60の左右両側に設けられたラックギア60aに歯合した状態となっており、これにより第2昇降部材60を第1昇降部材58に対して更に昇降可能に保持している。
【0037】
したがって、モータ51が駆動されることによってギア54が所定角度範囲内で回転すると、第1昇降部材58が揺動アーム56の揺動角度に応じた移動量だけ上下方向に移動し、更に第1昇降部材58が移動することに伴ってギア部58aが回転することにより、第2昇降部材60が第1昇降部材58の移動量よりも増幅された移動量で上下方向に移動するようになる。
【0038】
第2昇降部材60は、逆T字型の形状を有しており、その下端部で装飾可動物30の背面側を保持している。そして上記のようにして第2昇降部材60が昇降することにより、装飾可動物30は、退避位置と進出位置との間を往復移動するようになっている。
【0039】
次に装飾可動物30の構成について説明する。図8は、装飾可動物30を正面側から見た外観構成を示す斜視図である。また図9は、装飾可動物30を背面側から見た外観構成を示す斜視図である。図8および図9に示すように、装飾可動物30は、第1回転板31a、第2回転板31bおよび第3回転板31cを回転可能に保持している。より具体的に説明すると、装飾可動物30の背面側には、3つの回転板31a,31b,31cのそれぞれを回動可能に軸支する回転保持部材62が設けられている。この回転保持部材62は、3つの回転板31a,31b,31cのほぼ中央部分を正面側に向かって貫通し、第1回転板31aの正面側で装飾部材32を保持するように構成される。また、この回転保持部材62には、3つの回転板31a,31b,31cのそれぞれを回転させるためのギア機構や、3つの回転板31a,31b,31cのそれぞれを点灯させるためのLEDなどの発光部材が設けられ、それらの背面側に背面プレート63が取り付けられた構成である。この背面プレート63は、略円形の外形を有し、その下半部にモータ61を支持するためのモータブラケット64が取り付けられる。モータブラケット64によって支持されるモータ61は、3つの回転板31a,31b,31cのそれぞれを異なる周期で回転させるための回転駆動手段として設けられるものである。また背面プレート63には、略円形の外形の一部から側方に延びるセンサ保持部63aが設けられており、3つの回転板31a,31b,31cの背面側で後述する検知センサ68を保持するようになっている。
【0040】
図10は、装飾可動物30の分解斜視図である。図10に示すように、この装飾可動物30は、主として遊技機1の背面側から順に、モータ61、モータブラケット64、背面プレート63、モータ制御基板67、第3回転板31c、第2回転板31b、第1回転板31aおよび装飾部材32を備えており、これらが組み付けられる構成となっている。モータ61は、背面プレート63の内側に取り付けられるモータブラケット64によって支持され、その回転軸61aが背面プレート63の内側に導かれる。このモータ61は、回転軸61aを一方向にのみ回転駆動されるものである。背面プレート63の内側には、モータ61の回転軸61aに軸着される駆動ギア65aと、この駆動ギア65aを歯合する従動ギア65bとが設けられる。そのため、モータ61が駆動されると、背面プレート63の内側で駆動ギア65aと従動ギア65bとが回転するようになる。
【0041】
また背面プレート63の内側には、そのほぼ中央位置に、円柱状に突出した軸受け部63bが設けられている。この軸受け部63bは、第3回転板31cの回転軸として設けられ、第3回転板31cの中心に設けられる孔72aを回動可能に軸支する。また、この軸受け部63bの先端部には、第2回転板31bの中央に設けられる回転保持部材62の背面側を、回転しないように保持するためのボス63cが設けられている。
【0042】
さらに背面プレート63の内側には、駆動ギア65a、従動ギア65bおよび軸受け部63bが設けられる位置を回避するようにしてモータ制御基板67が装着される。このモータ制御基板67には、モータ61を駆動するための駆動回路が実装されており、第1昇降部材58および第2昇降部材60の背面側を通って配線される電源ケーブルが接続されると共に、モータ61に対して制御信号を出力するためのケーブルが接続されるようになっている。また、このモータ制御基板67には、検知センサ68を構成するLEDなどの投光部68aが設けられる。この投光部68aと対になる受光部68bは、装飾部材32に設けられる。そのため、投光部68aと受光部68bとは、3つの回転板31a,31b,31cを挟むようにして配置されている。そして検知センサ68は、3つの回転板31a,31b,31cの所定位置に設けられる貫通孔71a,74a,75aを介して投光部68aから発せられた光が受光部68bで検知されることにより、各回転板31a,31b,31cが重なった状態となる初期位置を検知する。モータ制御基板67は、役物制御基板150から送出される指令を受信すると、モータ61の駆動を開始して3つの回転板31a,31b,31cをそれぞれ回転させ、検知センサ68が初期位置を検知すると、モータ61の回転を停止させるように制御する。
【0043】
第3回転板31cは、楕円形状のプレート部材71と、そのプレート部材71の中央に嵌め込まれたギア部材72とを有し、ギア部材72の中央には、背面プレート63の軸受け部63bに対して回動可能に装着される孔72aが形成されている。また、プレート部材71には、モータ制御基板67において投光部68aが保持されている位置に対応して貫通孔71aが形成されている。
【0044】
図11は、第3回転板31cを背面側から見た概略斜視図である。図11に示すように、第3回転板31cに設けられるギア部材72は、その背面側に従動ギア65bと歯合する第1ギア72bが設けられている。そのため、モータ61が駆動されて従動ギア65bが所定方向に回転すると、それに伴って第3回転板31cが回転するようになっている。また、このギア部材72には、図10に示すように、その正面側に第2ギア72cが設けられている。この第2ギア72cは、第2回転板31bの背面側に設けられる小径ギア77と歯合し、第2回転板31bを回転させるようになっている。
【0045】
次に、第2回転板31bについて説明する。図12は、第2回転板31bの背面側および正面側の外観を拡大して示す斜視図である。図12(a)は、第2回転板31bの背面側を見た図であり、図12(b)は正面側を見た図である。また図13は、第2回転板31bの分解斜視図である。まず、図13に示すように、この第2回転板31bは、遊技機1の背面側から順に、第1LED搭載基板78、第1保持部材76、コネクタ基板79、楕円形状のプレート部材73、リング状のギア部材80、第2LED搭載基板81および第2保持部材74を備えており、これらが組み付けられることによって形成される。
【0046】
プレート部材73は、その中央にリング状のギア部材80を嵌め込むための孔73dを有している。リング状のギア部材80は、その背面側にギア80aを有し、さらに正面側にギア80bを有している。このギア部材80は、プレート部材73の孔73dに嵌め込まれることにより、プレート部材73と一体化される。また、プレート部材73には、ギア部材80が嵌め込まれる孔73dの外側の所定位置に、検知センサ68の投光部68aが発する光を透過させるための貫通孔73aが設けられている。
【0047】
第1保持部材76は、その外形が略円形状に構成され、その背面側にリング状の第1LED搭載基板78を保持すると共に、その背面側から小径ギア77が装着され、その小径ギア77を回動可能に保持する。このような第1保持部材76の背面側には、図12(a)に示すように、背面プレート63に設けられたボス63cに装着して固定されるための装着孔76dが設けられている。つまり、この第1保持部材76は、背面プレート63に対して固定された状態となり、回転保持部材62の一部を構成する。
【0048】
このような第1保持部材76の正面側には、図13に示すように、リング状のギア部材80の内周面を回動可能に軸支する軸受け部76aが突設されている。この軸受け部76aは、第1保持部材76の外形の中心位置から外れた位置に設けられており、プレート部材73の回転軸を規定するものである。
【0049】
図14は、第1保持部材76を正面側から見た拡大斜視図である。図14に示すように、第1保持部材76の軸受け部76aにはその一部に切欠部76bが設けられている。そして、第1保持部材76の背面側から装着される小径ギア77の一部が、その切欠部76bから軸受け部76aの外側に向かって露出するようになっている。プレート部材73に嵌め込まれたギア部材80は軸受け部76aに装着されると、その背面側に設けられたギア80aがこの切欠部76bから露出する小径ギア77と歯合するようになり、小径ギア77が回転すると、それに伴ってプレート部材73を回転させるようになる。
【0050】
また第1保持部材76の軸受け部76aの内側には、図13に示すように、コネクタ基板79が装着される。このコネクタ基板79は、軸受け部76aの内側に設けられた孔を介して役物制御基板150とケーブル接続されると共に、第1LED搭載基板78および第2LED搭載基板81ともケーブル接続される。また、このコネクタ基板79には、第1回転板31aに対して電源を供給するためのケーブルも接続されるようになっている。
【0051】
また、第1保持部材76の軸受け部76aの内側には、第2保持部材74を固定するための取付部76cが設けられている。第2保持部材74は、概略卵形の外形を有し、その背面側にC字型の第2LED搭載基板81を保持するように構成されている。この第2保持部材74には、その中央にケーブルを通すための孔74cが設けられると共に、その中央の孔74cから離れた側方の所定位置に窓孔74bが設けられている。第2LED搭載基板81は、C字型に開放する部分がその窓孔74bに対応して設置されるようになっている。また、第2LED搭載基板81と第2保持部材74のそれぞれには、検知センサ68の投光部68aが発する光を透過させるための貫通孔81a,74aが設けられており、これらの貫通孔81a,74aが重なった状態で取り付けられる。
【0052】
また第2保持部材74には、第1保持部材76の取付部76cに対してビス留めするための孔74dが設けられると共に、第1回転板31aを支持するための取付部74eが設けられる。第2保持部材74は、その背面側に第2LED搭載基板81が取り付けられた状態で上記の孔74dを介して第1保持部材76の取付部76cに対してビス留めされることにより、第1保持部材76との間にプレート部材73を挟んだ状態となって第1保持部材76に固定される。つまり、第2保持部材74は、プレート部材73が第1保持部材76の軸受け部76aから抜け落ちることを防止するための押さえ部材となり、回転保持部材62の一部を構成する。
【0053】
このようにして各部材が組み付けられることにより、第2回転板31bは、図12(a)および(b)に示すような状態となる。そして図12(a)に示すように、第2回転板31bの背面側に設けられた小径ギア77は、第3回転板31cの正面側に設けられた第2ギア72cと歯合した状態となる。そのため、モータ61が駆動され、第3回転板31cが回転すると、この小径ギア77も回転するようになり、それに伴ってプレート部材73が軸受け部76aを回転軸として回転するようになる。このとき、第2回転板31bを構成するプレート部材73は、第3回転板31cを構成するプレート部材71とは逆方向に回転するようになる。また本実施形態では、第2ギア72c、小径ギア77およびギア80aのギア比を所定の比率に設定することにより、第3回転板31cを構成するプレート部材71が1回転する周期と、第2回転板31bを構成するプレート部材73が1回転する周期とがそれぞれ異なる周期となるように設計されている。
【0054】
また図12(b)に示すように、プレート部材73に嵌め込まれたギア部材80の正面側に設けられたギア80bは、第2保持部材74に設けられた窓孔74bからその一部を露出させた状態となる。この窓孔74bを介してギア80bが第1回転板31aの背面側に設けられる2段ギア86と歯合するようになっており、プレート部材73が回転すると、それに伴って第1回転板31aを回転させるように構成されている。
【0055】
また図12(b)に示すように、第2保持部材74の中央に設けられた孔74cからは、第1回転板31aに対して電源を供給するためのケーブル79aが配線されるようになっている。さらに、図12(a)および(b)に示すように、プレート部材73が初期位置にあるとき、第2回転板31bにおいて、検知センサ68の光を通過させるために設けられている上述した孔73a,81a,74aは全て重なった状態となるように配置されている。
【0056】
次に図15は、上記のように組み付けられた第2回転板31bの一部を切り欠いた状態を背面側から見た図であり、第1および第2LED搭載基板78,81の配置状態を示す図である。図15に示すように、第1および第2LED搭載基板78,81のそれぞれには、その背面側に複数のLED69がほぼ等間隔で配置されている。これら複数のLED69は、第2回転板31bを構成するプレート部材73および第3回転板31cを構成するプレート部材71の表面を発光させるための光源(発光手段)として設けられており、回転しない回転保持部材62によって保持された構成となっている。そして第1LED搭載基板78は、第3回転板31cの回転軸近傍においてプレート部材71と対向するように配置されており、この第1LED搭載基板78に設けられたLED69は第3回転板31cのプレート部材71の表面全体を点灯させるようになっている。また、第2LED搭載基板81は、第2回転板31bの回転軸近傍においてプレート部材73と対向するように配置されており、この第2LED搭載基板81に設けられたLED69は第2回転板31bのプレート部材73の表面全体を点灯させるようになっている。このようなLED69は、例えば赤色、青色、黄色、緑色などの所定波長の光を発する光源である。
【0057】
図16は、各プレート部材71,73と、各LED搭載基板78,81との位置関係を概略的に示す断面図である。尚、図16において紙面上方向が遊技機1の正面側に相当し、紙面下方向が遊技機1の背面側に相当する。図16に示すように、第1LED搭載基板78に設けられたLED69は、第3回転板31cの回転軸側から外向きに光を発するように構成されている。このようなLED69は回転保持部材62によって保持された状態となっており、プレート部材71が回転してもLED69は回転しないようになっている。そして第3回転板31cを構成する楕円形状のプレート部材71は、図16に示すように、LED69が発する波長の光を透過させる透明な板状母材71bによって形成され、その板状母材71bの背面側にはLED69が発する波長の光を反射させる反射膜71cが設けられている。尚、反射膜71cは、シート状のものが貼付されたものであっても良いし、また反射塗料が塗布されることによって形成されたものであっても良い。また、このような反射膜71cは、LED69が発する光を乱反射させるものであることが好ましい。
【0058】
そのため、第3回転板31cを構成するプレート部材71は、第1LED搭載基板78に設けられたLED69が点灯すると、その光を内周部表面から入射させる。そしてその光を、内部反射を繰り返しながら回転板のほぼ全面に伝搬させていく。つまり、プレート部材71は、いわゆる光ファイバー効果によって板状母材71bの全体にLED69からの光を伝搬させていく。そして、板状母材71bの背面側に設けられた反射膜71cにおいて所定角度以上で反射する光が板状母材71bの表面側(正面側)から出射するようになる。
【0059】
また第2LED搭載基板81もこれと同様であり、第2LED搭載基板81に設けられたLED69は、第2回転板31bの回転軸側から外向きに光を発するように構成されている。このようなLED69もまた、回転保持部材62によって保持された状態となっており、プレート部材73が回転してもLED69は回転しないようになっている。そして第2回転板31bを構成する楕円形状のプレート部材73についても上記と同様であり、図16に示すように、LED69が発する波長の光を透過させる透明な板状母材73bによって形成され、その板状母材73bの背面側にLED69が発する波長の光を反射させる反射膜73cが設けられた構成である。
【0060】
そのため、第2回転板31bを構成するプレート部材73は、第2LED搭載基板81に設けられたLED69が点灯すると、その光を内周部表面から入射させ、光ファイバー効果によって板状母材73bの全体に伝搬させていく。そして、板状母材73bの背面側に設けられた反射膜73cにおいて所定角度以上で反射する光が板状母材73bの表面側(正面側)から出射するようになる。
【0061】
このようなLED69の点灯は、モータ61が駆動されるタイミングとほぼ同時に行われる。したがって、遊技機1をその正面側から見ながら遊技を行う遊技者にとっては、プレート部材71,73それ自体にはLEDが設けられていないにもかかわらず、これらのプレート部材71,73が発光しながら回転しているように見えるようになる。また、このような点灯方式によれば、第3回転板31cにおいて回転するプレート部材71や、第2回転板31bにおいて回転するプレート部材73に対して直接LEDを実装しなくても、これらのプレート部材71,73が発光しながら回転しているように見せることができる。それ故、回転するプレート部材71,73に対して常時通電を行えるような配線構造を設ける必要がなく、配線構造を簡略化できるという利点がある。
【0062】
次に、第1回転板31aについて説明する。図17は、第1回転板31aの背面側および正面側の外観を拡大して示す斜視図である。図17(a)は、第1回転板31aの背面側を見た図であり、図17(b)は正面側を見た図である。また図18は、第1回転板31aの分解斜視図である。まず、図18に示すように、この第1回転板31aは、遊技機1の背面側から順に、回転プレート83、第3LED搭載基板84、リング状ギア85、2段ギア86、第3保持部材89、電極部材87、電極基板88および回転装飾部材75を備え、これらが組み付けられることによって形成される。
【0063】
回転プレート83は、その外形が楕円形状を有し、その中央に略円形の孔83cが形成されると共に、更にその孔83cの左右両側部に、第3LED搭載基板84とリング状ギア85とを取り付けるための取付部83bが設けられた構成である。また、この回転プレート83には、所定位置に検知センサ68の光を通過させるための孔83aが設けられている。
【0064】
第3LED搭載基板84は、回転プレート83よりも若干小さな楕円形状の外形を有し、その中央に回転プレート83に設けられた孔83cとほぼ同サイズの孔84bを有している。また、第3LED搭載基板84の正面側には、複数のLED69がそれぞれ所定箇所に配置されている。さらに、この第3LED搭載基板84には、所定位置に検知センサ68の光を通過させるための孔84aが設けられている。このような第3LED搭載基板84は、略円形の孔84bが回転プレート83に設けられた孔83cと重なるようにして回転プレート83に装着される。そして第3LED搭載基板84が回転プレート83の正面側に装着されると、検知センサ68の光を通過させるための孔84a,83aは同じ位置に配置されるようになる。
【0065】
リング状ギア85は、上記のように第3LED搭載基板84が回転プレート83に装着された状態の中央の略円形の孔83c,84bに対して嵌め込まれるリングサイズを有し、その内周面にギア85aを有している。またリング状ギア85はその左右両側部に、回転プレート83に設けられた取付部83bに装着するための装着孔85bが設けられている。この装着孔85bが取付部83bに対して取り付けられることにより、リング状ギア85が、回転プレート83および第3LED搭載基板84と一体化される。
【0066】
一方、第3保持部材89は、その背面側中央部分が第2回転板31bを保持する第2保持部材74に固定される。そのため、この第3保持部材89もまた、回転保持部材62の一部を構成する。この第3保持部材89は、円盤状の外形を有し、リング状ギア85の内周面に摺接することにより、第1回転板31aの回転軸として設けられ、回転プレート83を回動可能に軸支する。また、この第3保持部材89の背面側には、図17(a)に示すように、直径の異なる2つのギア86a,86bを有する2段ギア86が設けられる。第3保持部材89は、この2段ギア86を回動可能に軸支している。
【0067】
2段ギア86は、2つのギア86a,86bのうち、大径のギア86bがリング状ギア85の内周面に形成されたギア85aと歯合している。また小径のギア86aは、第2回転板31bの正面に位置する窓孔74bから第2回転板31bの内側に挿入され、その内側にあるギア部材80の正面側に設けられたギア80bと歯合する。そのため、第2回転板31bのプレート部材73が所定方向に回転すると、それに伴って2段ギア86が回転し、回転プレート83を第2回転板31bのプレート部材73とは逆方向に回転させるようになっている。
【0068】
また第3保持部材89の正面側の中央には、装飾部材32を背面から支持するための支持部89aが突設されている。そして、その支持部89aの周囲に、環状の電極部材87が装着されるようになっている。電極部材87には、第3保持部材89の内側に設けられた開口部89bを介して上述したケーブル79a(図12(b)参照)が接続される。また、この電極部材87は、その正面側に板バネ状の電極87aを有している。そしてこの板バネ状の電極87aは、電極基板88の背面側に設けられる環状の電極パターンと接触するようになっている。電極基板88は、第3LED搭載基板84に対して電源を供給するためのものであり、図示を省略するケーブルが第3保持部材89の外側を通って電極基板88と第3LED搭載基板84との間に接続される。このような電極基板88は、回転装飾部材75の背面側に装着されるようになっている。
【0069】
回転装飾部材75は、第3LED搭載基板84のLED69が発する光を透過させる部材で構成され、楕円形状の外形を有している。この回転装飾部材75は、その背面側が回転プレート83に対してビス留めされ、回転プレート83と一体となって回転する。また、この回転装飾部材75のほぼ中央には、第3保持部材89の中央に設けられた支持部89aを挿通する孔75bが設けられる。さらに回転装飾部材75には、回転プレート83に設けられた孔83aおよび第3LED搭載基板84に設けられた孔84aと同じ位置に対応して検知センサ68の光を通過させるための孔75aが形成されている。
【0070】
このようにして各部材が組み付けられることにより、第3回転板31aは、図17(a)および(b)に示すような状態となる。そして図17(a)に示すように、第3保持部材89は、背面側に設けられたビス留め孔89dを介して第2回転板31bの正面側の取付部74eに対してビス留めされる。これにより、第1回転板31aが第2回転板31bに支持された状態となる。このとき、上述したように2段ギア86の小径のギア86aが第2回転板31bに設けられたギア80bと歯合した状態となる。そして第2回転板31bのプレート部材73が所定方向に回転すると、第1回転板31aでは、回転プレート83、第3LED搭載基板84および回転装飾部材75が一体となって第2回転板31bのプレート部材73と逆方向に回転するようになる。また本実施形態では、2段ギア86を構成する2つのギア86a,86bのギア比を所定の比率に設定することにより、第2回転板31bのプレート部材73が1回転する周期と、第1回転板31aを構成する回転装飾部材75が1回転する周期とがそれぞれ異なる周期となるように設計されている。そして本実施形態では、第1回転板31a、第2回転板31bおよび第3回転板31cのそれぞれが異なる周期で回転するように設計されており、これら3つの回転板31a,31b,31cのそれぞれが個別に所定回数回転すると、3つの回転板31a,31b,31cが同時に元の初期位置に戻るようになっている。
【0071】
また図17(b)に示すように、第3回転板31aの正面側においては、回転装飾部材75のほぼ中央に設けられた孔75bから第3保持部材89の支持部89aが露出した状態となり、この支持部89aが装飾部材32を回転しないように保持する。またこの支持部89aには、図17(a)に示すように底部を開放した開口部89cが設けられている。この開口部89cは、装飾部材32の内側に設けられる図示しないLEDに接続されるケーブルや、検知センサ68の受光部68bに接続されるケーブルを挿通するためのものである。これらのケーブルは、図17(b)に示すように、回転装飾部材75のほぼ中央に露出する支持部89aの内側を通って装飾部材32へと配線される。
【0072】
図19は、装飾部材32を背面側から見た斜視図である。図19に示すように、装飾部材32の背面側中央には、第3回転板31aの支持部89aによって支持される突起部32aが設けられている。この突起部32aの内側には開口部32bが形成されており、この開口部32bを介して、上述したケーブルが内側に導かれる。また装飾部材32の背面側には、モータ制御基板67に設けられた検知センサ68の投光部68aと対向する位置に孔32cが設けられており、この孔32cの内側にフォトダイオードなどで構成される受光部68bが配置されている。この受光部68bは、上述したように3つの回転板31a,31b,31cの中央部で連結される回転保持部材62を通って配線されるケーブルにより、モータ制御基板67に接続される。
【0073】
図20は、装飾可動物30の3つの回転板31a,31b,31cが重なった状態となる場合の一部切欠図である。図20に示すように、3つの回転板31a,31b,31cが重なる初期位置にあるとき、各回転板31a,31b,31cのそれぞれに設けられた検知センサ68の投光部68aが発する光を透過させる孔71a,74a,75aが全て前後方向に重なった状態となる。そのため、この状態になると、投光部68aから発せられる光が受光部68bによって受光され、3つの回転板31a,31b,31cが初期位置にあることが検知される。したがって、モータ制御基板67は、モータ61の駆動を開始した後、検知センサ68によって3つの回転板31a,31b,31cが初期位置に戻ってきたことが検知されたタイミングでモータ61を停止させることにより、3つの回転板31a,31b,31cを毎回初期位置に戻した状態で停止させることができる。それ故、モータ61の回転位置を常時検知しながらモータ61の駆動を行う場合と比較すると、制御が簡単であり、しかも3つの回転板31a,31b,31cを精度良く初期位置で停止させることができるようになっている。
【0074】
図21は、装飾可動物30における3つの回転板31a,31b,31cの回転態様の一例を示す図である。上述したように本実施形態では、モータ61の回転駆動が開始されると、第1回転板31a、第2回転板31bおよび第3回転板31cのそれぞれが異なる周期で回転する。そのため、3つの回転板31a,31b,31cが、図21(a)に示す初期位置にある状態でモータ61の回転駆動が開始されると、例えば、図21(b),(c),(d),(e),(f)の順序で各回転板31a,31b,31cが回転していく。このとき、第1回転板31aと第3回転板31cとは同じ方向に回転し、第2回転板31bはそれとは逆方向に回転する。そして、3つの回転板31a,31b,31cの回転周期が異なっているため、モータ61が駆動されると、初期状態では第1回転板31aの背後に隠れている第2回転板31bおよび第3回転板31cが、第1回転板31aの背後に現れ、遊技機1の正面側から視認可能な状態となる。このとき、第1回転板31aは、第3LED搭載基板84に設けられたLED69が点灯することにより、その表面全体が発光しているように見えると共に、第2回転板31bおよび第3回転板31cのそれぞれも第2LED搭載基板81および第1LED搭載基板78に設けられたLED69が点灯することにより、その表面全体が発光しているように見える。
【0075】
図22は、3つの回転板31a,31b,31cを回転させるための制御動作の一例を示すタイミングチャートである。尚、図22では、第1回転板31aが3回転すると、第2回転板31bが2回転し、第3回転板31cが2.5回転する場合を例示している。図22に示すように、モータ61の駆動が開始される前の状態では、第1回転板31a、第2回転板31bおよび第3回転板31cのそれぞれは初期位置にあり、検知センサ68は投光部68aからの光を受光部68bが検知しているのでオン状態となっている。
【0076】
そしてタイミングT1でモータ61の駆動が開始されると、それと同時に各LED搭載基板78,81,84に設けられたLED69が一斉に点灯する。また、モータ61が駆動されると、それに伴い、第1回転板31a、第2回転板31bおよび第3回転板31cのそれぞれが異なる周期で回転を始める。そして各回転板31a,31b,31cが回転し始めることにより、検知センサ68はオフとなる。そして第1回転板31aが3回転し、第2回転板31bが2回転し、第3回転板31cが2.5回転したとき、遊技機1の正面側から見るとそれら3つの回転板31a,31b,31cは瞬間的に重なった状態となるが、このとき第2回転板31bは他の2つの回転板31a,31cに対して180度ずれた位置にあるため、検知センサ68はオフ状態が継続する。そのため、モータ61の回転駆動が継続され、各回転板31a,31b,31cは回転動作を継続する。
【0077】
そしてタイミングT2で、第1回転板が6回転し、第2回転板31bが5回転し、第3回転板31cが5回転したとき、遊技機1の正面側から見るとそれら3つの回転板31a,31b,31cは再び重なった状態となる。このとき3つの回転板31a,31b,31cは全て同じ位置で重なった状態となるため、検知センサ68がオン状態となる。そして検知センサ68がオンすることによってモータ61の駆動が停止し、各回転板31a,31b,31cが初期位置で停止する。またこのとき、各LED搭載基板78,81,84に設けられたLED69が一斉に消灯する。
【0078】
このように本実施形態の装飾可動物30は、画像表示器8の周囲の退避位置から画像表示器8の前方側の進出位置へ往復移動するだけでなく、画像表示器8の前方側の進出位置へ移動した状態で、第1回転板31a,第2回転板31bおよび第3回転板31cのそれぞれがその表面全体を発光させながら異なる周期で回転するようになる。このような装飾可動物30の動作は、従来のように退避位置と進出位置の間を単に往復移動するだけではないため、遊技者が予測困難な動作が実現され、遊技者に対してより一層大きなインパクを与えるような演出効果を発揮することができる。そして、第1回転板31a,第2回転板31bおよび第3回転板31cのそれぞれが回転するときには、その表面全体を発光させながら回転するため、遊技者に与えるインパクトはより一層大きなものとなっている。
【0079】
そして本実施形態においては、遊技機1に設けられる役物動作ユニット20が、上述したように、所定の回転軸周りに回転する複数の回転板31a,31b,31cと、それら複数の回転板31a,31b,31cの回転軸を規定し、各回転板31a,31b,31cを回転可能に保持する回転保持部材62と、各回転板31a,31b,31cを回転軸周りに回転させるためのモータ61とを備える構成である。そして、それら複数の回転板31a,31b,31cのうち、第2回転板31bおよび第3回転板31cの表面全体を発光させるための発光手段として、回転保持部材62によって保持された状態で各回転板31b,31cの回転軸側から外向きに光を発するLED69を備えている。そして更に、第2回転板31bおよび第3回転板31bのそれぞれは、LED69が発する光に対して透明な板状母材71b,73bによって構成され、その板状母材71b,73bの背面側にLED69が発する光を表面側に向けて反射させるための反射膜71c,73cを設けた構成を有している。
【0080】
このような構成により、役物動作ユニット20は、上記のように遊技者に対してより一層大きなインパクを与えるような演出効果を発揮すると共に、第2回転板31bおよび第3回転板31cを発光させるために、ケーブルを第2回転板31bおよび第3回転板31cに対して直接接続する必要がないように実現されている。それ故、このような構成によれば、第2回転板31bおよび第3回転板31cを発光させるための配線構造を複雑にすることなく、演出役物として設けられる第2回転板31bおよび第3回転板31cを発光させながら回転させることが可能である。
【0081】
以上のように本実施形態の遊技機1は、遊技盤10に取り付けられる役物動作ユニット20を備えており、この役物動作ユニット20は、上述したように、遊技機1の前後方向に所定間隔で配置され、それぞれ所定の回転軸周りに回転する複数の回転板31と、それら複数の回転板31のそれぞれを異なる周期で回転させるモータ61と、複数の回転板31を挟んで配置される投光部68aと受光部68bとを有し、複数の回転板31が前後方向に重なった状態となる初期位置を検知する検知センサ68と、を備えている。そして複数の回転板31のそれぞれには、それら回転板31が初期位置にあるときに投光部68aからの光を受光部68bに導くための孔75a,74a,71aが設けられており、検知センサ68は、投光部68aから発せられた光を複数の回転板31のそれぞれに設けられた孔75a,74a,71aを介して受光部68bが検知することによって、複数の回転板31のそれぞれが初期位置にあることを検知する。そしてモータ61は、複数の回転板31の回転動作を開始させた後、検知センサ68が初期位置を検知したタイミングで複数の回転板31の回転動作を停止させるように構成されている。
【0082】
したがって、本実施形態では、異なる周期で回転する複数の回転板31を回転させる際、例えばロータの位置を検知しながらモータ61の回転量を制御するといったような複雑なモータ制御を行う必要がなく、モータ61の制御が比較的簡単なものとなる。また、検知センサ68が複数の回転板31が実際に前後方向に重なった状態となる初期位置を検知するため、モータ61は、検知センサ68が初期位置を検知したタイミングで複数の回転板31の回転動作を停止させることにより、複数の回転板31を毎回高精度に初期位置で停止させることができるという利点がある。そして役物動作ユニット20は、複数の回転板31のそれぞれを初期位置で正確に停止させた状態で、装飾可動物30を画像表示器8の前方側に進出した状態から、退避位置へと退避させることができるようになる。
【0083】
また本実施形態では、複数の回転板31のうち少なくとも1つの回転板が、他の回転板と異なる方向に回転するようになっているため、遊技者に与えるインパクトはより一層大きなものとなり、興趣性の高い演出が行われるようになる。
【0084】
(変形例)
以上、本発明に関する実施形態について説明したが、本発明は上述した内容に限られるものではなく、種々の変形例が適用可能である。
【0085】
例えば上記実施形態においては、第1回転板31aの回転する回転プレート83に対して第3LED搭載基板84を設けているため、第1回転板31aについては板バネ状の電極87aを有する電極部材87を配置している。そのため、第1回転板31aについては、他の第2回転板31bおよび第3回転板31cと比較して複雑な配線構造が必要となっている。しかしながら、この第1回転板31aについても、第2回転板31bおよび第3回転板31cと同様の構成を採用して配線構造を複雑にすることなく、第1回転板31aの表面全体を発光させるようにしても良い。
【0086】
また、上記実施形態では、複数の回転板31のそれぞれが楕円形状である場合を例示したが、その形状は楕円形に限られるものではない。ただし、複数の回転板31が異なる周期で回転するとき、正面側に位置する第1回転板31aの背後から第2回転板31bおよび第3回転板31cが出現し、遊技機1の正面側からそれら第2回転板31bおよび第3回転板31cの回転動作を視認できるようにするためには、円形以外の形状であることが好ましい。
【0087】
また、上記実施形態では、始動口に遊技球が入球するとそれに伴って大当たり抽選が行われ、大当たりに当選すると大入賞口を開放して遊技者に有利な遊技価値を付与するようにした遊技機1を例示したが、上述した役物動作ユニット20を搭載可能な遊技機は必ずしもそのような遊技機に限られない。例えば、所謂羽根モノなどと呼ばれる遊技機であっても上述した役物動作ユニット20を搭載することが可能である。
【0088】
また上記実施形態では、一例として、装飾可動物30が進出する進出位置が画像表示器8の前方である場合を説明した。しかしながら、装飾可動物30の進出する進出位置は、必ずしも画像表示器8の前方には限られない。
【符号の説明】
【0089】
1 遊技機
8 画像表示器
10 遊技盤
11 遊技領域
20 役物動作ユニット
30 装飾可動物
31 回転板
31a 第1回転板
31b 第2回転板
31c 第3回転板
51 モータ(進退駆動手段)
61 モータ(駆動手段,回転駆動手段)
62 回転保持部材
68 検知センサ
68a 投光部
68b 受光部
69 LED(発光手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機に設けられる役物動作ユニットであって、
遊技機の前後方向に所定間隔で配置され、それぞれ所定の回転軸周りに回転する複数の回転板と、
前記複数の回転板のそれぞれを異なる周期で回転させる駆動手段と、
前記複数の回転板を挟んで配置される投光部と受光部とを有し、前記複数の回転板が前後方向に重なった状態となる初期位置を検知する検知センサと、
を備え、
前記複数の回転板のそれぞれには、前記初期位置にあるときに前記投光部からの光を前記受光部に導くための孔が設けられており、
前記検知センサは、前記投光部から発せられた光を前記複数の回転板のそれぞれに設けられた孔を介して前記受光部が検知することによって前記初期位置を検知し、
前記駆動手段は、前記複数の回転板の回転動作を開始させた後、前記検知センサが前記初期位置を検知したタイミングで前記複数の回転板の回転動作を停止させることを特徴とする役物動作ユニット。
【請求項2】
前記複数の回転板のうち少なくとも1つの回転板は、他の回転板と異なる方向に回転することを特徴とする請求項1に記載の役物動作ユニット。
【請求項3】
遊技球が打ち出される遊技領域を有し、該遊技領域の略中央に開口部が形成された遊技盤と、
前記遊技盤の背面側に取り付けられ前記開口部を介して遊技盤の正面側から視認可能な画像表示器と、
前記遊技盤に取り付けられる役物動作ユニットと、
を備える遊技機であって、
前記役物動作ユニットは、
遊技機の前後方向に所定間隔で配置され、それぞれ所定の回転軸周りに回転する複数の回転板と、
前記複数の回転板のそれぞれを異なる周期で回転させる回転駆動手段と、
前記複数の回転板を挟んで配置される投光部と受光部とを有し、前記複数の回転板が前後方向に重なった状態となる初期位置を検知する検知センサと、
を備え、
前記複数の回転板のそれぞれには、前記初期位置にあるときに前記投光部からの光を前記受光部に導くための孔が設けられており、
前記検知センサは、前記投光部から発せられた光を前記複数の回転板のそれぞれに設けられた孔を介して前記受光部が検知することによって前記初期位置を検知し、
前記回転駆動手段は、前記複数の回転板の回転動作を開始させた後、前記検知センサが前記初期位置を検知したタイミングで前記複数の回転板の回転動作を停止させることを特徴とする遊技機。
【請求項4】
前記複数の回転板のうち少なくとも1つの回転板は、他の回転板と異なる方向に回転することを特徴とする請求項3に記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2012−157414(P2012−157414A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−17474(P2011−17474)
【出願日】平成23年1月31日(2011.1.31)
【出願人】(000161806)京楽産業.株式会社 (4,820)
【Fターム(参考)】