説明

復調装置

【課題】ビット・パターン化媒体およびそのサーボセクタ・ヌルパターンを用いてヘッダの位置検出を行う。
【解決手段】パターン化記録媒体はセグメントおよびその中に形成されたヌルパターンを含む。セグメントは非磁性材料により分離された個別磁気素子の第1および第2行、および第1および第2行間に配置された非磁性材料行を含む。ヌルパターンはセグメントの第1および第2行内の個別磁気素子の連続グループを含む。第1行内の各グループは第1行内の隣接グループの磁気極性とは反対の磁気極性を有する。第2行内の各グループは第2行内の隣接グループの磁気極性とは反対の磁気極性を有する。これらの個別磁気素子の連続グループのリードバック信号の和を第1および第2行において求め、これらの和の減算値に基づいてヘッダ位置に対応する復調位置信号を生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はデータ記憶装置に関し、特に、限定はしないが、ビット・パターン化媒体およびそのサーボセクタ・ヌルパターンに関する。
【背景技術】
【0002】
本発明はデータ記憶装置に関し、特に、ビット・パターン化媒体およびそのサーボセクタ・ヌルパターンに関する。
【0003】
従来の磁気ディスク装置では、データは1つ以上のディスク上に格納され、それらは薄くて磁気的に硬い層で被覆されている。磁性層自体は非常に細かい単磁区粒子の1枚のシートにより構成されている。データのあらゆる情報ビットが多くの粒子により格納される。この粒状記録媒体は典型的には複数の一般的に平行なデータトラックに分割され、それらはディスク半径に垂直に互いに同心的に配置される。
【0004】
このような従来の磁気媒体を使用して良好な信号対ノイズ比を保証するために、あらゆるビット内の粒子数はあるレベルよりも上でなければならない。定められたディスクエリア上により多くのビットを蓄える(すなわち、面密度を高める)ために、単粒子のサイズは減少される。これはスケーリングと呼ばれる。
【0005】
スケーリングは超常磁性の開始により制限されることが理解されている。粒径が小さすぎる場合、粒子の磁気エネルギは熱エネルギに較べて十分大きくはないため、磁化は不安定となって情報を確実に格納できなくなる。超常磁性により垂直記録に対する面密度は0.5Tb/in2に制限される。
【0006】
この面密度制限はビット・パターン化媒体を使用すると越えてしまうことがある。パターン化媒体記録では、個別磁気素子の順序付けされたアレイがデータを格納するのに使用される。磁気素子は非磁性材料により互いに分離されている。個別磁気素子すなわちアイランドの各々が単粒子であり1情報ビットを格納する。
【0007】
各々を同極性(正または負)に磁化してデータのビットを規定しなければならない多くの隣接磁性粒子のアライメントを必要とする従来の磁気媒体とは異なり、ビット・パターン化媒体の隣接磁気素子すなわちアイランドは非磁性材料により互いに分離されているため磁気極性は同じでも異なっていてもよい。この違いによりビット・パターン化媒体は従来の磁気記録媒体よりも遥かに高い面密度を有することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ビット・パターン化媒体を使用する高面密度記録は、媒体のトラックに関してヘッドの精密な配置を必要とする。残念ながら、粒状磁気媒体のトラックに関してヘッド位置を制御するためのサーボシステムを用いて使用される従来のヌルパターンは、ビット・パターン化媒体と互換性がない。
【0009】
本発明の実施例はこれらおよびその他の問題に対する解決策を提供し、従来技術に優る他の利点を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
パターン化記録媒体を用いた位置制御のための復調装置が開示される。パターン化記録媒体はセグメントおよびセグメント内に形成されたヌルパターンを含んでいる。セグメントは非磁性材料により分離された第1および第2行の個別磁気素子、および第1および第2行間に配置された1行の非磁性材料を含んでいる。ヌルパターンはセグメントの第1および第2行内の個別磁気素子の連続グループを含む。第1行内の各グループは第1行内の隣接グループの磁気極性とは反対の磁気極性を有する。第2行内の各グループは第2行内の隣接グループの磁気極性とは反対の磁気極性を有する。
【0011】
復調装置は、個別磁気素子上を通過するリードヘッドに応答して発生された時間変化リードバック信号のサンプルを得るステップであって、各サンプルがヌルパターンの磁気素子の1つに対応する手段と、リードバック信号サンプルに基づいて、セグメントに対するヘッドの位置に対応する復調位置信号を発生する手段とを含む。
【0012】
ヌルパターンの第1および第2の各行内の連続グループが第1および第2の隣接グループを含み、第1行内の前記第1グループの磁気素子の磁気極性は第2行内の第1グループの磁気素子の磁気極性とは反対である。
【0013】
復調位置信号を発生する手段は、第1グループの個別磁気素子に対応するリードバック信号サンプルを加算して和Aを形成する手段と、第2グループの個別磁気素子に対応する前記リードバック信号サンプルを加算して和Bを形成する手段と、これらAおよびB間の差に基づいて復調位置信号を発生する手段とを備える。
【0014】
本発明を特徴づけるこれらおよび他の特徴および利点は下記の詳細な説明を読み添付図を見れば明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】ディスク装置の等角図である。
【図2】本発明の実施例に従ったパターン化記録媒体の部分的模式的断面等角図である。
【図3】本発明の実施例に従ったパターン化記録媒体のトラックの部分的平面図である。
【図4】本発明の実施例に従った単一トラックを例示するパターン化記録ディスクの部分的平面図である。
【図5】本発明の実施例に従った典型的なサーボシステムのブロック図である。
【図6】本発明の実施例に従ったパターン化記録媒体の多数のトラックの部分を例示する単純化された図である。
【図7】本発明の実施例に従ったパターン化記録媒体のヌルパターンの単純化された説明図である。
【図8】本発明の実施例に従った時間変化リードバック信号を示す図である。
【図9】本発明の実施例に従ったリードバック信号を復調する方法を示すフロー図である。
【図10】本発明の実施例に従った時間変化リードバック信号を示す図である。
【図11】本発明の実施例に従ったステップ214の一実施例を例示するフロー図である。
【図12】本発明の実施例に従ったサーボ復調器の単純化されたブロック図である。
【図13】本発明の実施例に従ったヌルパターンの単純化された平面図である。
【図14】図13に示すヌルパターンに対応するリードバック信号とトラックの中心に関してリードヘッドが配置される距離との間の理想的関係を説明する図である。
【図15】本発明の実施例に従ったパターン化記録媒体のヌルパターンの単純化された平面図である。
【図16】本発明の実施例に従った単一トラックを例示するパターン化記録ディスクの部分的平面図である。
【図17】本発明の実施例に従ったヌルパターンの単純化された平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図面を参照しながら、以下に、本発明の実施例について説明する。本発明はここに単独で記述される実施例、およびここに記述される1つ以上の他の実施例と組み合わせて記述される実施例を含むことが理解される。さらに、図面に同じ参照番号で示される要素は、要素のさまざまな実施例を含めて同じまたは類似の要素を一般的に示す。
【0017】
図1は本発明の実施例に従ったディスク装置100の等角図である。ディスク装置100はベース102およびトップカバー(図示せず)を有するハウジングを含んでいる。さらに、ディスク装置100はディスクパック104を含み、それはディスククランプ106によりスピンドルモータ(図示せず)上に搭載される。ディスクパック104は複数の個別ディスク108を含み、それらは方向112の中心(スピン)軸110周りに同時回転するために搭載される。一実施例では、ディスク108はパターン化磁気表面114を有するパターン化記録媒体であり、それについては後述する。
【0018】
各ディスク108はパターン化記録表面114と連絡するためにディスク装置100に搭載される関連するディスク・ヘッド・スライダ116を有する。図1に示す例では、スライダ116はサスペンション118により支持され、それはアクチュエータ122のトラック・アクセス・アーム120に取り付けられる。図1に示すアクチュエータはロータリ・ムービングコイル・アクチュエータとして知られるタイプであり、一般的に124に示すボイスコイルモータ(VCM)を含んでいる。ボイスコイルモータ124はその付属ヘッド116を有するアクチュエータ122をピボット軸126周りに回転させ、ディスク内径130およびディスク外径132間のアクチュエータパス128に沿った表面114の所望のデータトラック上に、スライダ116およびその対応するリードおよび/またはライト・変換ヘッドを位置決めする。ボイスコイルモータ124は、ディスク装置内の変換ヘッドおよび埋め込みコントローラにより発生される信号に基づいてサーボシステム134により駆動される。
【0019】
図2は本発明の実施例に従った典型的なパターン化記録媒体140の一部の単純化された断面等角図を示し、図3はその単純化された平面図である。パターン化記録媒体140の一実施例は、その上にパターン化記録層または膜144がはり付けられる基板142を含んでいる。
【0020】
パターン化記録媒体140の一実施例は、非磁性材料148により互いに分離される記録層144内のパターン化個別磁気素子、すなわちアイランド146の順序付けられたアレイを含んでいる。個別磁気素子146は図3および後続する図に陰影付きの箱により示されており、非磁性材料148は一般的に陰影無しの箱により示されている。
【0021】
個別磁気素子146は任意の適切な方法を使用して形成することができる。磁気素子の形は楕円形(図2)、不均整、矩形または任意の他の形とすることができる。図3に示す典型的な媒体では、個別磁気素子は長さTの辺を有する方形である。
【0022】
ここで使用される用語「磁性」は強磁性またはフェリ磁性を意味する。用語「非磁性」は常磁性、反強磁性または反磁性を意味し、弱磁性材料も含む。
【0023】
個別磁気素子146は各々が素子の磁気極性に基づいてデータの1ビットを表す。たとえば、正極性を有する個別磁気素子は論理ゼロを表すことができ、負極性を有する磁気素子は論理1を表す。正または負極性を表す磁気素子の磁区の特定の方位および方向を、使用される記録方法に基づいて必要に応じて選出することができる。さらに、一実施例では、磁気素子により発生される磁界は実質的に同じ大きさを有する。
【0024】
パターン化記録媒体140の一実施例は1つ以上のトラックすなわちセグメント150を有する。各トラック150は個別磁気素子146の第1行152および個別磁気素子146の第2行154を含む。図3に示すように、行152および154はトラック150に沿って長さ方向156に延びる。材料148等の非磁性材料の行158は、磁気素子146の第1および第2行152および154間に位置決めされる。
【0025】
一実施例では、個別磁気素子146の行152および154はジグザグ状配置にされている。ここで使用される用語「ジグザグ」は、第1行152の個別磁気素子がクロストラック、すなわち半径方向160において第2行154の磁気素子と一直線に揃えられないことを意味する。クロストラックすなわち半径方向160は長さ方向156を横断する。
【0026】
当業者ならば、図3および後述する同様な実例に例示されている媒体140の一部は、トラック行が直線に見えるように著しく拡大されることが理解される。しかしながら、図4に示すように、トラックおよびそれらの対応する行はディスク108上に円形トラックとして形成することができる。
【0027】
図4は個別磁気素子146の第1および第2のジグザグ行152および154を含む単一トラック150を例示するパターン化記録ディスク108の部分平面図である。ディスク108の一実施例では、個別磁気素子146の第1および第2の行152および154は中心軸110と実質的に同心である。一実施例では、個別磁気素子146の第1行152の半径方向位置は第2行154の半径方向位置とは異なる。もう1つの実施例では、トラック150の第1および第2の行152および154内の個別磁気素子146は、半径方向線162A−Eで示すように、中心軸110に対して異なる角位置に配置されている。その結果、第1および第2の行152および154はジグザグとなる。
【0028】
媒体140等のビットパターン化媒体の面密度は高いものと予期され、それはTで示す個別磁気素子146のサイズを小さくすべきことを意味する。たとえば、0.155テラビット/平方cm(1テラビット/平方インチ)の面密度はT≦13ナノメータを必要とする。所望の小さな磁気アイランド146上にリード/ライトヘッドを正しく位置決めするために、サーボシステム134は現在のヘッド位置、特に、トラック150の中心、またはトラック150に対する非磁性材料の行158に対してのクロストラック・ヘッド位置を精密に測定する必要がある。
【0029】
図5は本発明の実施例に従った典型的なサーボシステム134のブロック図である。前記したように、サーボシステム134は、パターン化記録媒体140のトラック150の1つに関して変換リードヘッドの位置を制御するように作動し、それは媒体140のトラック150内に格納されたサーボセクタ・データを使用してスライダ116(図1)により実施することができる。サーボシステム134はコントローラ170、装置172、サーボ復調器174、および和分接合点176を含む制御ループとして構成される。
【0030】
和分接合点176は基準位置信号178および位置推定出力信号180を受信する。基準位置信号178はリードベッドにより読み出されているトラック150の中心に対する所望のヘッド位置を示す。和分接合点176は所望および推定信号178および180間の差を計算してヘッドスライダ116の所望の位置調節を表す誤差出力182を与える。
【0031】
誤差出力182はコントローラ170に与えられ、それは次に装置172に対する制御出力184を生じる。装置172は変換ヘッドを運ぶスライダ116を、信号178により示される所望の位置へ向けて移動させるようにアクチュエータ122(図1)を指令する制御出力184に応答して制御信号187を発生する。
【0032】
装置172は、そのサーボセクタ出力信号186が特定サーボ位置情報を有するリードバック信号である磁気(または多分光学)記録システムである。リードバック信号は、スライダ116の変換リードヘッドにより、ディスク108等の記録媒体140上のサーボセクタ・データの感知に応答して発生される。後述するように、サーボセクタの実施例は、現在のトラックの中心に関するヘッドの位置を示すリードバック信号186内に、位置誤差信号を発生するのに使用される1つ以上のサーボヌルまたはバーストパターンを含む各トラックに対する記録位置データを含んでいる。したがって、サーボセクタに応答するリードバック信号186を使用して、現在のトラックおよびその中心に関するヘッドの位置を含むヘッドスライダに対する現在位置データを得ることができる。
【0033】
リードバック信号186はサーボ復調器174へ与えられ、それは位置データを復調および復号して位置誤差信号、および位置推定出力信号180内に与えられる現在のトラック位置を抽出する回路を含んでいる。基準信号178により示されるヘッドの所望位置がトラック中心に対してゼロに設定されると、位置推定信号180と基準または所望位置信号178との差は、ヘッドが所望のトラック上に位置決めされれば位置誤差信号となる。しかしながら、ヘッドの所望位置はトラックの中心からのオフセット値とすることができる。その結果、ヘッドが所望のトラック上に一度位置決めされると、誤差出力182はトラック内の所望位置を表す所望の位置誤差信号と、トラック中心に関するヘッドの現在位置を表すサーボ復調器174により作り出される推定位置誤差信号との間の差から構成されてもよい。
【0034】
図6は本発明の実施例に従ったパターン化記録媒体140の多数のトラック150の部分を例示する単純化された図である。各トラック150は磁気素子が変換ヘッドにより読み書きすることができるデータのビットを表すデータセクタ190を含んでいる。各トラック150のデータセクタ190間にサーボセクタ192があり、それはサーボシステム134が変換ヘッドの位置を制御するのに使用する情報を含んでいる。
【0035】
サーボセクタ192の一実施例は各トラック150に対して、194A(PS1)および194B(PS2)等の、1つ以上のヌルパターン194を含んでいる。さらに、サーボセクタ192は、その上にヘッドが位置決めされる媒体140の特定のトラック150を識別するグレイコード・トラック識別196を含むことができる。サーボセクタ192の実施例は他の情報も含むことができる。
【0036】
図7は、本発明の実施例に従った、パターン化記録媒体140のトラック150のヌルパターン194の実例である。各トラック150のサーボセクタ192内に形成されるヌルパターン194は、個別磁気素子146のジグザグ行152および154を含んでいる。一実施例では、ヌルパターン194は一般的に200として示す複数の連続グループを含み、各々がジグザグな第1行152および第2行154内に1つ以上の個別磁気素子146を含んでいる。各グループ200は太線ボックスにより表される。各行152および154内に2つのグループ200しか示されていないが、ヌルパターン194は所望によりさらに多くのグループを含むことができる。グループ200の実施例は、グループ200当たり同数の素子146およびグループ200当たり可変数の素子を含んでいる。
【0037】
一実施例では、各行152または154内のグループ200の磁気極性は同じである。すなわち、各グループ200の個別磁気素子146は同じ磁気極性を有する。図7および後続図面において、磁気素子146の磁気極性はページに対して上向き方向または下向き方向を指す対応した矢印により示される。たとえば、上向き方向を指す矢印は正極性を表すことができ、下向き方向を指す矢印は負極性を表すことができる。矢印は極性を表すにすぎず、実際にはパターン化記録層144(図2)に関して垂直または水平方位とすることができる。
【0038】
図7に例示する実施例では、各トラック150の第1行152の各グループ200内の個別磁気素子146は交番する磁気極性を有する。このように、各トラックのヌルパターン194の第1行152内の各グループ200は第1行152内の隣接グループ200とは反対の磁気極性を有する。同様に、各トラック150の第2行154のグループ200内の個別磁気素子146は交番する磁気極性を有する。このように、各トラックのヌルパターン194の第2行154内の各グループ200は第2行154内の隣接グループ200とは反対の磁気極性を有する。あるいは、グループ200の磁気極性は各行152および154内で同じとすることができる。
【0039】
一実施例では、各ヌルパターン194の第1行152内の第1グループ200Aはヌルパターン194の第2行154内の第1グループ200Aの磁気極性とは反対の磁気極性を有する。
【0040】
一実施例では、一トラックの第1行152内の第1グループ200Aの磁気極性は、一行の非磁性材料202により前記第1行152から分離される隣接トラック150の第2行154内の第1グループ200Aの磁気極性と同じである。たとえば、トラックNの第1行152内の第1グループ200Aは正極性を有し、それはトラックN−1の第2行154内の第1グループ200Aのそれと同じである。さらに、トラックN内の第1行は非磁性材料202の行によりトラックN−1内の第2行から分離される。一実施例では、このパターンはパターン化媒体140のトラック150の全ヌルパターンに対して有効である。
【0041】
前記したように、たとえば、スライダ116(図1)上で運ばれる変換ヘッド(すなわち、リードヘッド)204は記録媒体140上を進行し、ヘッドにごく接近した(たとえば、ヘッド直下)個別磁気素子146の磁界感知に応答してリードバック信号186を発生する。図7において、εはここではトラックNの中心である基準位置信号178(図5)により識別されるトラック内の所望位置(たとえば、中心)に対するヘッド204の位置(たとえば、ヘッドの中心)を表す。
【0042】
粗いヘッド位置調節を最初に行い、グレイコード・トラック識別196(図6)を使用してヘッド204を所望トラックN内に配置することができる。このような粗いヘッド位置調節に続いて、ヘッド位置εの観察可能範囲は一般的に式1で与えられるものに制限される。
【0043】
【数1】

【0044】
式1の定められたε範囲に対して、トラックN内のヌルパターン194のリードバック信号は次式で表され、
【0045】
【数2】

【0046】
ここに、y1(k)およびy2(k)はk列の所望トラックNの第1行152および第2行154によりそれぞれ発生されるリードバック信号を表し、α1(ε)およびα2(ε)はトラックNの第1行152および第2行154にそれぞれ重畳するヘッドの幅部分(Whead)である。前記したように、Tは磁気素子146のサイズを表す。
【0047】
ジグザグ状アイランド構造であるため、{y1(k)}および{y2(k)}はそれらの関係により時間変化リードバック信号186となる。図8は、ヘッド204がトラックN内の中心にある間に、ヌルパターン194上を通過して列k=1から列k=8へ移動する時にヘッド204により発生される時間変化リードバック信号186を示す図である。このように、リードバック信号186はヘッドがトラックN内の中心にある時でも(すなわち、ε=0)非ゼロである。これは従来の粒状磁気記録媒体に関して使用されるヌルサーボ・パターンとは著しく異なる。その結果、ジグザグ状個別磁気素子146を利用する本発明の実施例に従ったヌルパターンは、従来の(すなわち、非パターン化)記録媒体で使用されるものとは異なる復調テクニックを必要とする。
【0048】
本発明の一実施例は個別磁気素子146により形成されたヌルパターンに対応するリードバック信号186を復調する方法を目指しており、それは図9のフロー図に例示されている。この方法の一実施例では、媒体140(図7)等のパターン化媒体がステップ210において提供され、それは非磁性材料(148)により互いに分離される個別磁気素子(146)により形成されるヌルパターン(194)を含んでいる。
【0049】
ステップ212において、ヌルパターンの個別磁気素子上を通過するリードヘッド(204)に応答して時間変化リードバック信号(186)のサンプルが得られる。図7に示すように、トラックNの中心から距離εだけ変位した時に1列から8列へ移動するリードヘッド204のリードバック信号186が図10に例示されている。一般的に213として示すリードバック信号のサンプルが、ヌルパターン194の個別磁気素子146に応答する、トラックNの各列におけるリードバック信号186の大きさおよび符号を構成する。したがって、リードバック信号サンプル213A−Hは、それぞれ、トラックNに対する列k=1からk=8内のヌルパターン194の磁気素子146に対応する。
【0050】
最後に、ステップ214において、トラックに対するヘッドの位置に対応する復調位置信号(180)が、リードバック信号サンプル213に基づいて発生される。ステップ214の一実施例では、復調位置信号はリードバック信号サンプル213の和分に基づいて発生される。
【0051】
この方法の一実施例では、パターン化記録媒体140は図7に関して前記したヌルパターン194の実施例を含み、トラック150のジグザグ状第1行152および第2行154内の1つ以上の個別磁気素子146の複数の連続グループ200を含んでいる。第1行152内の各グループ200の個別磁気素子146は第1行152内の隣接グループ200のそれとは反対の磁気極性を有する。同様に、第2行154内の各グループ200の個別磁気素子146は第2行154内の隣接グループ200のそれとは反対の磁気極性を有する。
【0052】
さらに、ヌルパターンの連続グループ200は、各行152および154内で互いに隣接する交番する第1および第2グループ200Aおよび200Bを含んでいる。一実施例では、第1行152内の第1グループ200Aの磁気極性は、同じトラック150の第2行154内の第1グループ200Aの磁気極性とは反対である。図11はヌルパターン194のこれらの実施例に従ったステップ214の一実施例を例示するフロー図である。
【0053】
ステップ216において、第1グループ200Aの個別磁気素子146に対応するリードバック信号サンプル213が加算されて和Aを形成する。さらに、ステップ218において、第2グループ200Bの個別磁気素子146に対応するリードバック信号サンプル213が加算されて和Bを形成する。
【0054】
前記したように、ヌルパターン194は図7に示すものよりも遥かに多くの(または少ない)個別磁気素子146を含むことができる。さらに、ヌルパターン194は、図7の典型的なヌルパターン194に示す一行当たり2つのグループ200よりも多くのグループを含むことができる。一般的に、行152または154内の第1グループ200Aは同じ行内の第2グループ200Bと交番する。すなわち、ヌルパターン194の定められた行152または154に対して、行内のグループ200の数に応じて、第1グループ200Aには第2グループ200Bが続き、それには第1グループ200Aが続き、それには第2グループ200Bが続く。したがって、和Aはヌルパターンの各第1グループ200A内の各個別磁気素子146に対応するリードバック信号サンプル213の和であり、和Bは定められたトラック150のヌルパターンの各第2グループ200B内の各個別磁気素子146に対応するリードバック信号サンプル213の和である。
【0055】
図7の典型的なヌルパターン194に対して、リードバック信号サンプル213A−Dは、それぞれ、ヌルパターン194の1、2、3および4列内の個別磁気素子146に対応し、ステップ216において加算されて和Aを形成する。第2グループ200Bの個別磁気素子146に対応するリードバック信号サンプル213E−Hが、ステップ218において、加算されて和Bを形成する。したがって、図7の典型的なヌルパターン194に対して、トラックNに対するパターン194の1−4列内の個別磁気素子146に対応するリードバック信号サンプル213が加算されて和Aを形成し、ヌルパターン194の5−8列内の個別磁気素子146に対応するサンプル213が加算されて和Bを形成する。
【0056】
最後に、ステップ220において、和AおよびB間の差に基づいて復調位置信号が発生させる。一実施例では、復調位置信号は和Aからの和B間の減算に基づいて発生する。
【0057】
和AおよびB間の差が実質的にゼロであれば、恐らくはリードバック信号186内のノイズを考慮した後で、ヘッド204はトラックNの中心に位置決めされ、トラックNのデータセクタ190内でリード操作を開始することができる。AおよびBの和がゼロでない時は、差の大きさは中心からのヘッド204の距離εに対応する。和Aから和Bを減じて得られる差の符号は、ヘッド204が第1行152により近く位置決めされるかまたは第2行154により近く位置決めされるかを示す。たとえば、トラックNのヌルパターン194に関して図7に示すヘッド204の位置に対して、和Aから和Bを減じて得られる符号は正値であり、それはトラックNに対してヘッド204がトラックNの中心からトラックNの第1行152へ向かって変位されることを示す。AからのBの減算結果の符号により提供される方向表示はヌルパターン194に基づいてトラック毎に変動することがある。
【0058】
図12は前記したパターン化媒体リードバック信号を復調する方法の実施例を実現して、ヘッド204の位置決めを案内するためにサーボシステム134により使用されるεの線型関数として推定位置信号180を発生するように構成されたサーボ復調器174の単純化されたブロック図である。復調器174は装置172(図5)からリードバック信号186を受信する。リードバック信号186は式2に関して前記したようにy(k)として表現することができる。
【0059】
図12のパラメータ{c(k)}は復調基準信号を表し、性能および計算量間のトレードオフに基づいて選択することができる。一実施例では、{c(k)}は最高性能を得る(すなわち、位置信号の最少分散)ための式3で与えられる関係を有する整合フィルタとして選択される。
【0060】
【数3】

【0061】
{c(k)}に対して1ビットしか考慮されない場合、k=8m+{1,2,3,4}に対してはc(k)=1、k=8m+{5,6,7,8}に対してはc(k)=−1を定義することにより、サーボ復調の計算量を低減することができる。c(k)に対するこの選出は式4に示され、mは任意の整数とすることができる。1ビット復調基準信号c(k)に対するこの選出は最適性能復調基準信号の1ビットの量子化バージョンと理解することができる。
【0062】
【数4】

【0063】
トラックNのヌルパターン194上を通過する時にヘッド204により発生されるリードバック信号186および復調基準信号c(k)が復調器174の信号乗算器230へ供給される。信号乗算器230は信号186とc(k)の乗算に対応する修正リードバック信号232を出力する。次に、修正リードバック信号232は総和ブロック234へ与えられ、それはヌルパターン194の関連グループ200に対応する修正リードバック信号232のサンプルを総和する。
【0064】
図7に示すヌルパターンに対して、c(k)は式4で与えられるように選出することができ、サーボ復調器174はk∈8m+{1,2,3,4,5,6,7,8}に対応するリードバック信号の瞬間をサンプルする。すなわち、サーボ復調器174はリードバック信号の1−8列に対応する部分をサンプルしてリードバック信号サンプル213を発生する。得られるリードバック信号サンプル213の各々がヌルパターン194の個別磁気素子146の1つに対応する。さらに、ヌルパターン194の第2グループ200B(すなわち、k∈8m+{5,6,7,8})に対応するサンプル213はc(k)に対する対応する値が−1であるため反転された後で他のサンプル213と総和される。
【0065】
総和ブロック234は素子146の第1グループ200Aに対応するサンプル213を加算して和Aを形成し、第2グループ200Bに対応するサンプル213を加算して和Bを形成する。一実施例では、次に式5に従って推定位置信号180(PS)が発生される。
【0066】
【数5】

【0067】
図6に示すように、サーボセクタ192はヌルパターン194Aおよび194B等の多数のヌルパターンを含むことができる。本発明の一実施例に従って、媒体140のトラック150は少なくとも2つのヌルパターンを含み、図13の略図に例示されているように、ヌルパターン194の実施例に従って形成されたもの(サーボバースト・ヌルパターン)および直交サーボバースト・ヌルパターン240である。
【0068】
直交サーボバースト・ヌルパターン240は、たとえば、εに関して完全に線型ではない推定位置信号180となることがあるリーダヘッド幅の不確定性および磁気応答の変動等の、非理想的要因を補償するために前記したサーボバースト・ヌルパターン194と組み合わせて使用される。
ヌルパターン240の一実施例は、各トラック150に対して、第1ヌルパターン194の第1行152内の最後のグループ200Bに隣接する第1グループ242Aを含む第1行152内の1つ以上の個別磁気素子146の、一般的に242として示す、複数の連続グループを含んでいる。一実施例では、第2ヌルパターン240の第1行152内の各グループ242の磁気極性は、第2ヌルパターン240の第1行152内の隣接グループ242の磁気極性とは反対である。
【0069】
さらに、パターン240は、第1ヌルパターン194の第2行154内の最後のグループ200Bに隣接する第1グループ242Aを含むトラック150の第2行154内の個別磁気素子146の連続グループ242を含んでいる。一実施例では、第2ヌルパターン240の第2行154内の各グループ242の磁気極性は、第2ヌルパターン240の第2行154内の隣接グループ242の磁気極性とは反対である。あるいは、グループ242の磁気極性は各行152および154内で同じとすることができる。
【0070】
ヌルパターン194に関して前記したように、ヌルパターン240の行152および154内の交番磁気極性を有するグループ242の数は、所望により変動することがある。したがって、図13に示す行当たり2グループよりも多いことがある。
【0071】
一実施例では、図13に矢印で示すように、定められたトラック150の行152および154内の第1グループ242Aは同じ磁気極性を有する。
【0072】
もう1つの実施例では、定められたトラック150の第2ヌルパターン240の第1行152内の第1グループ242Aの磁気極性は、トラック150の第1ヌルパターンの第1行内の最後のグループ200Bの磁気極性と反対である。
【0073】
もう1つの実施例では、定められたトラック150の第2ヌルパターン240の第2行154内の第1グループ242Aの磁気極性は、トラック150の第1ヌルパターン194の第2行154内の最後のグループ200Bの磁気極性と同じである。
【0074】
ヌルパターン194(PS1)およびヌルパターン240(PS2)に対応するリードバック信号、すなわち位置誤差信号(PES)186を復調器174に関して前記したように処理して、各々に対する位置信号186を発生することができる。図14はヌルパターン194(PS1)および240(PS2)に対応するリードバック信号186とε間の理想的関係を例示している。このような完全線型位置信号(εに関する)をヌルパターン194および240から発生することができる多くの後処理アルゴリズムがある。
【0075】
媒体140のジグザグ磁気素子146を使用してサーボセクタ192内にヌルパターン194および240を形成することに多くの利点がある。1つの利点は、データセクタ190およびサーボセクタ192に対して異なるパターンの個別磁気素子146を有する必要がないことである。このように、サーボセクタ192の個別磁気素子146は、データセクタ190の個別磁気素子146と一緒に作り出すことができる。ヌルパターンに対する追加製造工程は必要がないため、製造コストは節減される。
【0076】
さらに、粒状媒体等の従来の(すなわち、非パターン化)磁気記録媒体では、データおよびサーボセクタは製造中に予め定義される。ヌルパターン194および/または240の個別磁気素子146は、データセクタ190の個別磁気素子146と同じ構造を有するため、データセクタ190およびサーボセクタ192を形成するのに使用されるデータエレメント数は調節できる。たとえば、データセクタ190のいくつかのデータエレメントは、サーボセクタ192のヌルパターン内で使用するために割当てることができる。その結果、サーボバースト長Lが増加してサーボシステム134の位置推定性能が改善される。逆に、ヌルパターンのサーボバースト長Lはヌルパターンの個別磁気素子のいくつかをデータセクタ190に割り当てて低減することができ、フォーマット効率が改善される。
【0077】
さらに、サーボセクタ192の頻度(すなわち、トラック当たりのデータセクタ190およびサーボセクタ192数)も容易に調節することができる。サーボシステム134のヘッド位置決め性能は、サーボセクタ192の最適頻度を選択することにより大幅に改善することができ、最適サンプルレートが得られる。
【0078】
図15は、本発明のもう1つの実施例に従った、パターン化記録媒体140のヌルパターン250の単純化された平面図である。この実施例では、各ヌルパターン250がジグザグではなく揃えられた個別磁気素子146の行152および154を含んでいる。ここで使用される「ジグザグでない」すなわち「揃えられた」という用語は、第1行152の個別磁気素子が、長さ方向156を横断するクロストラック方向160の第2行154の磁気素子に揃えられることを意味する。
【0079】
図16は、図5に示すサーボデータ192のヌルパターン(すなわち、PS1)として使用できる、単一トラック150のヌルパターン250の実施例を例示するパターン化記録ディスク108の部分平面図である。ディスク108の一実施例では、トラック150の第1および第2行152および154は中心軸110と実質的に同心であるが、中心軸110に関して異なる半径方向位置を有する。一実施例では、半径方向線251A−Eで示すように、ヌルパターン250の第1行152内の各個別磁気素子146が、ヌルパターン250の第2行内の個別磁気素子146の1つの角位置と一致する中心軸に対する角位置を有する。その結果、第1および第2行152および154は揃えられる。
【0080】
各トラック150内に形成されるヌルパターン250の一実施例は、揃えられた第1および第2行152および154内の1つ以上の個別磁気素子146の、一般的に252として示す複数の連続グループを含んでいる。各グループ252は太線ボックスで表される。各行152および154内には2つのグループ252しか示されていないが、所望により、ヌルパターン250はさらに多くのグループを含むことができる。グループ252の実施例は、グループ252当たり同数の素子146およびグループ252当たり可変数の素子を含んでいる。
【0081】
一実施例では、各行152または154内のグループ252の磁気極性は同じである。すなわち、各グループ252の個別磁気素子146は同じ磁気極性を有する。
【0082】
図16の実施例では、各トラック150の第1行152内のグループ252内の個別磁気素子146は交番する磁気極性を有する。このように、各トラック150のヌルパターン250の第1行152内の各グループ252は、第1行152内の隣接グループ252のそれとは反対の磁気極性を有する。同様に、各トラック150の第2行154内のグループ252内の個別磁気素子146は、交番する磁気極性を有する。このように、各トラックのヌルパターン250の第2行154内の各グループ252は第2行154内の隣接グループ252のそれとは反対の磁気極性を有する。
【0083】
一実施例では、定められたトラック150内の各ヌルパターン250の第1行152内の第1グループ252Aが、トラックの第2行154内の第1グループ252Aのそれとは反対の磁気極性を有する。その結果、第1および第2行152および154に対応するヌルパターン250上を通過する時にリードヘッド204により発生されるリードバック信号186のコンポーネントは、式6で与えられるように、180度位相が外れる。
【0084】
【数6】

【0085】
図15のパターンの全体リードバック信号は式2も満たす。ε=0であれば、リードバック信号は0となる。
【0086】
ジグザグでないすなわち揃えられたヌルサーボパターン250を使用してεの線型関数である推定位置信号180を発生することができる。ヌルパターン250への1つの利点は、ヌルパターン194および250が同じバースト長Lを有する場合、ヌルパターン250に応答して作り出される推定位置信号の分散が、図7に示すヌルパターン194に応答して作り出されるものよりも小さいことである。その結果、発生された位置信号186の変動がより小さいという意味において、図15のヌルパターン250は図7のヌルパターン194よりも性能がすぐれている。
【0087】
図15のジグザグではないヌルパターン250のこの性能上の利点は、データセクタ190がジグザグ個別磁気素子146を含む場合、媒体140のサーボおよびデータセクタだけでなく固定バースト長Lを犠牲にして達成される。磁気素子146の同じパターンを媒体140のデータセクタとして利用するヌルパターン194は、バースト長Lおよび媒体140のサーボおよびデータセクタを調節可能にする。
【0088】
ヌルパターン250の一実施例では、1つのトラックの第1行152内の第1グループ252Aの磁気極性は、1行の非磁性材料254により前記第1行152から分離される隣接トラック150の第2行154内の第1グループ252Aの磁気極性と同じである。たとえば、トラックNの第1行152内の第1グループ252Aは正極性を有し、それはトラックN−1の第2行154内の第1グループ252Aのそれと同じである。さらに、トラックN内の第1行152は1行の非磁性材料254によりトラックN−1内の第2行から分離される。一実施例では、このパターンはパターン化媒体140のトラック150の全ヌルパターンに対して有効である。
【0089】
ヌルパターン194と同様に、直交サーボバースト・ヌルパターン260(PS2)は、図17の媒体の一部の単純化された平面図に例示するように、サーボバースト・ヌルパターン250(PS1)に加えて組み合わせて使用することができる。ヌルパターン260はリーダヘッド幅の不確定性および、たとえば、ヌルパターン250しか使用されない時に、εに関して完全に線型ではない推定位置信号186を生じることがある磁気応答の変動のような非理想的要因を補償するのに使用することができる。
【0090】
ヌルパターン260の一実施例は、各トラック150に対して、第1ヌルパターン250の第1行内の最後のグループ252Bに隣接する第1グループ262Aを含む、第1行152内の1つ以上の個別磁気素子146の、一般的に262で示す複数の連続グループを含んでいる。一実施例では、第2ヌルパターン260の第1行152内の各グループ262の磁気極性が、第2ヌルパターン260の第1行152内の隣接グループの磁気極性とは反対である。
【0091】
さらにパターン260は、第1ヌルパターン250の第2行154内の最後のグループ252Bに隣接する第1グループ262Aを含むトラック150の第2行154内の個別磁気素子146の連続グループを含んでいる。一実施例では、第2ヌルパターン260の第2行154内の各グループ262の磁気極性が、第2ヌルパターン260の第2行154内の隣接グループ262の磁気極性とは反対である。
【0092】
ヌルパターン250に関して前記したように、ヌルパターン260の行152および154内に交番する磁気極性を有するグループ262の数は、所望により変動することができる。したがって、図17に示す行当たり2グループよりも多いことがある。
【0093】
一実施例では、定められたトラック150の行152および154内の第1グループ262Aは、図17に矢印で示すように、同じ磁気極性を有する。
【0094】
もう1つの実施例では、トラック150の第1行152内の第1グループ262Aの磁気極性は、図17に示すように、第1ヌルパターンの第1行内の最後のグループ252Bの磁気極性と同じである。
【0095】
もう1つの実施例では、トラック150の1つのヌルパターン260の第2行154内の第1グループ262Aの磁気極性は、同じトラック150の第1ヌルパターン250の第2行154内の最後のグループ252Bの磁気極性とは反対である。
【0096】
本発明のさまざまな実施例の非常に多くの特性および利点を、本発明のさまざまな実施例の構造および機能の詳細と共に、前記明細書に記載してきたが、本開示は単なる図解用であって、特に、部品の構造および配置に関して、本発明の原理内で添付特許請求の範囲が表現される用語の広範な一般的意味合いにより示される限界まで、詳細を変更することができる。
【符号の説明】
【0097】
100 ディスク装置、102 ベース、104 ディスクパック、106 ディスククランプ、108 ディスク、110 中心軸、114 パターン化磁気表面、116 ディスク・ヘッド・スライダ、118 サスペンション、120 アーム、122 アクチュエータ、124 ボイスコイルモータ、126 ピボット軸、128 パス、130 ディスク内径、132 ディスク外形、134 サーボシステム、140 パターン化記録媒体、142 基板、144 パターン化記録層、146 個別磁気素子、148 非磁性材料、150 トラック、152 第1行、154 第2行、158,202,254 非磁性材料の行、170 コントローラ、172 装置、174 サーボ復調器、176 和分接合点、178 基準位置信号、180 位置推定出力信号、182 誤差出力、184 制御出力、186 リードバック信号、187 制御信号、190 データセクタ、192 サーボセクタ、194,250 ヌルパターン、196 グレイコード・トラック識別、200,242,252,262 連続グループ、200A,242A,252A,262A 第1グループ、200B,252B 最後のグループ、204 リードヘッド、213 リードバック信号サンプル、220,230 信号乗算器、232 修正リードバック信号、224,234 総和ブロック、240,250,260 直交サーボバースト・ヌルパターン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非磁性材料により互いに分離された個別磁気素子により形成されるヌルパターンからなるセグメントを含むパターン化媒体を支持する手段と、
前記個別磁気素子上を通過するリードヘッドに応答して発生された時間変化リードバック信号の、各々が前記ヌルパターンの磁気素子の1つに対応するサンプルを得る手段と、
前記リードバック信号のサンプルに基づいて、前記セグメントの非磁性材料の行に対応するヘッドの位置に対応する復調位置信号を発生する復調手段とを備え、
前記ヌルパターンは、
前記セグメントの第1セグメントの第1行内の個別磁気素子の連続グループ備え、該連続グループにおいて各グループの磁気素子が前記第1行内の隣接グループの磁気極性とは反対の磁気極性を有し、
前記第1セグメントの第2行内の個別磁気素子の連続グループをさらに備え、該連続グループにおいて前記第2行内の各グループの磁気素子が前記第2行内の隣接グループの磁気極性とは反対の磁気極性を有し、
前記ヌルパターンの前記第1および第2行各々内の前記連続グループが、隣接する第1および第2グループを含み、
前記第1行内の前記第1グループの磁気素子の磁気極性は前記第2行内の前記第1グループの磁気素子の磁気極性とは反対であり、
前記復調手段は、
前記第1グループの個別磁気素子に対応する前記リードバック信号のサンプルを加算して和Aを形成する手段と、
前記第2グループの個別磁気素子に対応する前記リードバック信号のサンプルを加算して和Bを形成する手段と、
前記Aおよび前記B間の差に基づいて前記復調位置信号を発生する手段とを含む、復調装置。
【請求項2】
前記AおよびB間の差に基づいて前記復調位置信号を発生する手段は、前記Aからの前記Bの減算に基づいて前記復調位置信号を発生する、請求項1に記載の復調装置。
【請求項3】
前記ヌルパターンの前記第1および第2行の磁気素子はジグザグ状に配置される、請求項1記載の復調装置。
【請求項4】
前記パターン化媒体は、さらに、前記非磁性材料により互いに分離された前記第1および第2行の個別磁気素子と、該第1および第2行間に配置された非磁性材料の行とを含む第2セグメントとを含み、
前記第2セグメント内に形成された第1ヌルパターンは、前記第2セグメントの前記第1行内の個別磁気素子の連続グループおよび前記第2セグメントの前記第2行内の個別磁気素子の連続グループを備え、
前記第2セグメントの前記第1行の連続グループにおいて、前記第2セグメントの前記第1行内の各グループが前記第2セグメントの前記第1行内の隣接グループの磁気極性とは反対の磁気極性を有し、
前記第2セグメントの前記第2行の連続グループにおいて、前記第2セグメントの前記第2行内の各グループが前記第2セグメントの前記第2行内の隣接グループの磁気極性とは反対の磁気極性を有し、
前記第2セグメントの前記第1ヌルパターンの前記第1行内の第1グループの磁気極性は前記第1セグメントの第1ヌルパターンの前記第2行内の第1グループの磁気極性と同じであり、さらに、
前記第2セグメントの前記第1ヌルパターンの前記第1行と前記第1セグメントの前記ヌルパターンの前記第2行の両方に隣接する非磁性材料の行を含む、請求項1に記載の復調装置。
【請求項5】
前記パターン化媒体は、さらに、前記第1ヌルパターンに隣接する第2のヌルパターンを含み、
前記第2のヌルパターンは、前記第1ヌルパターンの前記第1行内の最後のグループに隣接する第1グループを含む前記第1行内の個別磁気素子の第1連続グループと、前記第1ヌルパターンの前記第2行内の最後のグループに隣接する第1グループを含む前記第2行内の個別磁気素子の第2連続グループとを含み、
前記第1連続グループにおいて、前記第2ヌルパターンの前記第1行内の各グループの磁気極性が前記第2ヌルパターンの前記第1行内の隣接グループの磁気極性とは反対であり、
前記第2連続グループにおいて、前記第2のヌルパターンの前記第2行内の各グループの磁気極性が前記第2のヌルパターンの前記第2行内の隣接グループの磁気極性とは反対である、請求項4記載の復調装置。
【請求項6】
前記第2ヌルパターンの前記第1グループは同じ磁気極性を有する、請求項5記載の復調装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate


【公開番号】特開2011−60420(P2011−60420A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−257681(P2010−257681)
【出願日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【分割の表示】特願2008−235036(P2008−235036)の分割
【原出願日】平成20年9月12日(2008.9.12)
【出願人】(500373758)シーゲイト テクノロジー エルエルシー (278)
【Fターム(参考)】