説明

循環式水洗トイレ

【課題】上水の使用量を抑止出来るとともに、洗浄水を常時使用出来る循環式水洗トイレを提供すること。
【解決手段】便器8の下流に配設され被処理水を固液分離し排出する固液分離槽4を少なくとも備えた浄化装置2と、浄化装置2から導入した被処理水を少なくとも使用時に便器8に送り出す送水手段14を備えた送水槽3と、からなる循環水路が構成され、循環水路内に被処理水を循環送水し浄化処理する循環式水洗トイレ1であって、循環水路と別に、固液分離槽4において被処理水を固液分離した後の濃縮物を搬出する搬出手段19、22と、該搬出した濃縮物を貯留する貯留槽9とが構成され、貯留槽9に下水管41と接続された排出手段40が設置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、便器の下流に配設され被処理水を固液分離し排出する固液分離槽を少なくとも備えた浄化装置と、この浄化装置から導入した被処理水を少なくとも使用時に便器に流出させる流出手段を備えた送水槽と、からなる循環水路が構成され、循環水路内に被処理水を循環送水し浄化処理する循環式水洗トイレに関する。
【背景技術】
【0002】
上水の使用量を抑止出来る従来の水洗トイレは、上水の排水及び雨水を備蓄して水洗トイレの洗浄水等として使用するように洗浄水路が構成されるとともに、下水管と接続されトイレ使用後の汚水及び使用後の洗浄水等を下水として排水するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平8−19773号公報(第3頁、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1にあっては、上水の排水及び雨水を、濁度に応じて洗浄水として再利用するか若しくは排水するかを選別し備蓄しているため、洗浄水の備蓄量は、上水の排水の濁度若しくは雨水量に影響され、水洗トイレの洗浄水として安定的に供給することが出来ない場合があり、このような場合は水洗トイレを常時使用できない虞があった。
【0005】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、上水の使用量を抑止出来るとともに、洗浄水を常時使用出来る循環式水洗トイレを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の循環式水洗トイレは、便器の下流に配設され被処理水を固液分離し排出する固液分離槽を少なくとも備えた浄化装置と、該浄化装置から導入した被処理水を少なくとも使用時に前記便器に送り出す送水手段を備えた送水槽と、からなる循環水路が構成され、該循環水路内に被処理水を循環送水し浄化処理する循環式水洗トイレであって、
前記循環水路と別に、前記固液分離槽において被処理水を固液分離した後の濃縮物を搬出する搬出手段と、該搬出した濃縮物を貯留する貯留槽とが構成され、該貯留槽に下水管と接続された排出手段が設置されていることを特徴としている。
この特徴によれば、被処理水を循環水路にて循環送水し、浄化装置を構成する固液分離槽で固液分離された濃縮物を、循環水路と別に構成された貯留槽に搬出し排出手段にて下水管に排出して、循環水路に残った被処理水を洗浄水として再利用するため、通常の水洗トイレと比べ上水の使用量を抑止出来るとともに、長期に亘り安定した洗浄水を得られる。
【0007】
本発明の請求項2に記載の循環式水洗トイレは、請求項1に記載の循環式水洗トイレであって、前記貯留槽に、濃縮物の所定の水位を検知する水位検知手段が設けられており、前記排出手段が、前記水位検知手段により起動することを特徴としている。
この特徴によれば、濃縮物を貯留槽における所定の水位まで貯留できるとともに、貯留した濃縮物を纏めて排出できるため、濃縮物の排出に要する動力を省ける。
【0008】
本発明の請求項3に記載の循環式水洗トイレは、請求項1または2に記載の循環式水洗トイレであって、前記送水槽に、被処理水の所定の水位を検知する水位検知手段が設けられており、濃縮物を搬出する前記搬出手段が、前記水位検知手段により起動することを特徴としている。
この特徴によれば、トイレの使用により被処理水が増量し送水槽が所定の水位に達した場合のみ濃縮物を搬出するため、固液分離槽において効率的に被処理水を濃縮できる。
【0009】
本発明の請求項4に記載の循環式水洗トイレは、請求項1ないし3のいずれかに記載の循環式水洗トイレであって、前記搬出手段が、前記固液分離槽と前記貯留槽とに開口する搬出管と、該搬出管の内部に前記貯留槽に向かって送風可能な送風手段とからなることを特徴としている。
この特徴によれば、送風手段により送られた空気を搬出管内に流動させることにより、固液分離槽で固液分離された濃縮物を一定量の水分とともに貯留槽に搬出する際に、濃縮物が分散し粒状化され一定量の水分と混合できるため、排出手段により下水管に排出し易い。
【0010】
本発明の請求項5に記載の循環式水洗トイレは、請求項1ないし4のいずれかに記載の循環式水洗トイレであって、少なくとも前記送水槽が前記便器の下方に設けられており、前記送水手段と前記便器との間の水路に、前記便器側から順に、前記水路を開閉するバルブと、前記水路内の水圧を検知する水圧検知手段と、そして前記送水手段とが配置されており、前記水圧検知手段により検知された前記水路内の水圧に応じて、前記送水手段を制御可能となっていることを特徴とすることを特徴としている。
この特徴によれば、便器の下方で循環送水されている被処理水が、送水手段により送水槽から便器に向かって送水される水圧を高めることで、便器の洗浄水として使用できる。
【0011】
本発明の請求項6に記載の循環式水洗トイレは、請求項2ないし5のいずれかに記載の循環式水洗トイレであって、非常時を検知する非常時検知手段が設けられており、該非常時検知手段が所定の非常時を検知するとともに、前記下水管と接続された前記排出手段の起動を不能とすることを特徴としている。
この特徴によれば、非常時を検知したときに、下水管にも何らかの破損が発生し使用不能となったものと判断して、排出手段による被処理水の下水管への排出を停止し、以降の濃縮物を貯留槽内に貯留することで、非常時にあっても平常時と同様にトイレ使用できる。
【0012】
本発明の請求項7に記載の循環式水洗トイレは、請求項6に記載の循環式水洗トイレであって、被処理水を前記便器に送り出す前記送水手段が電動の送水ポンプであり、前記下水管と接続された前記排出手段が電動の排出ポンプであって、前記送水ポンプと前記排出ポンプとに、自家発電機によって得られる内部電源と外部電源との両電源を切替可能に供給する切替手段が設けられており、前記外部電源による電源供給が不能となったときに、前記切替手段が電源供給元を前記自家発電機に切替えるとともに、該切替手段の切替を前記所定の非常時と判断し、前記排出ポンプへの電源供給を停止することを特徴としている。
この特徴によれば、切替手段を非常時検知手段として利用して、外部電源による電源供給が不能となったことを地震等の災害による所定の非常時として判断することができる。
【0013】
本発明の請求項8に記載の循環式水洗トイレは、請求項6に記載の循環式水洗トイレであって、被処理水を前記便器に送り出す前記送水手段が電動の送水ポンプであり、前記下水管と接続された前記排出手段が電動の排出ポンプであって、前記送水ポンプと前記排出ポンプとに電源を供給可能となっており、震度を検知する震度計が設けられており、該震度計が検知した所定の震度を前記所定の非常時と判断し、前記排出ポンプへの電源供給を停止することを特徴としている。
この特徴によれば、震度計を非常時検知手段として利用して、所定の震度を検知したことを所定の非常時として判断することができる。
【0014】
本発明の請求項9に記載の循環式水洗トイレは、請求項6に記載の循環式水洗トイレであって、被処理水を前記便器に送り出す前記送水手段が電動の送水ポンプであり、前記下水管と接続された前記排出手段が電動の排出ポンプであって、前記送水ポンプと前記排出ポンプとに、自家発電機によって得られる内部電源と外部電源との両電源を切替可能に供給する切替手段と、震度計とが設けられているとともに、該切替手段からの信号と該震度計からの信号とを受ける制御部を備えており、該制御部は、前記外部電源による電源供給が不能となったときに前記切替手段が電源供給元を前記自家発電機に切替えるとともに発信する第1の信号と、前記震度計が所定の震度を検知するとともに発信する第2の信号と、の両信号を受信した場合に前記所定の非常時と判断し、前記排出ポンプへの電源供給を停止することを特徴としている。
この特徴によれば、切替手段及び震度計を非常時検知手段として利用して、外部電源による電源供給が不能となり、且つ震度計が所定の震度を検知したことを、所定の非常時として認識することにより、下水管に何らかの破損が発生し使用不能となったものと判断する判断材料を、より確実なものにできる。
【0015】
本発明の請求項10に記載の循環式水洗トイレは、請求項1ないし9のいずれかに記載の循環式水洗トイレであって、被処理水をオゾン処理するオゾン処理手段が、前記循環水路に接続されていることを特徴としている。
この特徴によれば、被処理水をオゾン処理手段により浄化処理することで、脱臭・殺菌効果が得られた被処理水を、洗浄水として再使用できる。
【0016】
本発明の請求項11に記載の循環式水洗トイレは、請求項10に記載の循環式水洗トイレであって、前記循環水路が、少なくとも前記浄化装置を備えた第1循環水路と、
該第1循環水路の所定箇所に設けられ少なくとも一部の被処理水を分岐可能とする分岐管と、該分岐管に接続された前記オゾン処理手段と、該オゾン処理手段でオゾン処理された被処理水を前記第1循環水路に供給する供給管と、からなる第2循環水路と、
から構成されており、前記第2循環水路の所定箇所に、前記第1循環水路内の被処理水を前記第2循環水路内に導入する導入手段が設けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、固液分離槽を備えた第1循環水路と、オゾン処理手段が構成された第2循環水路とを組合せ、第2循環水路に被処理水を循環送水可能とする導入手段が設けられていることにより、オゾン処理の要不要に応じて導入手段を起動停止し、人体に悪影響を及ぼす虞のあるオゾン処理を適宜使用して被処理水を安全に浄化処理できる。
【0017】
本発明の請求項12に記載の循環式水洗トイレは、請求項1ないし11のいずれかに記載の循環式水洗トイレであって、前記貯留槽に貯留した濃縮物を、バイオ処理するバイオ処理手段又は燃焼処理する燃焼手段が、更に構成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、貯留槽に貯留した濃縮物をバイオ処理手段又は燃焼手段により減容化することが出来る。更に、循環水路と別の貯留槽に貯留した濃縮物を減容化できるため、下水管が使用不能となる非常時が長期に及んでも、トイレ使用が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の実施例を以下に説明する。
【実施例】
【0019】
本発明の実施例を図面に基づいて説明すると、先ず図1は、循環式水洗トイレの特定時間帯における浄化処理を示す概略図である。図2は、特定時間帯を除いた時間帯における浄化処理を示す概略図である。図3は、循環式水洗トイレの概略配線図である。図において、点線は圧縮空気若しくはオゾンガスの導管を示し、一点鎖線は信号線を示し、太実線は電源ケーブルを示している。
【0020】
先ず図1に示されるように、本実施例における循環式水洗トイレ1(以下、トイレ1と省略する)は、被処理水としてのトイレ汚水を、後述する浄化装置2及びオゾン処理手段としてのオゾン処理室7を循環移送することで浄化処理し、処理済水をトイレ洗浄水として再利用するものである。尚、被処理水とは、後述する浄化処理若しくはオゾン処理する前の水、処理中の水、処理済水を全て包含するものとする。
【0021】
トイレ1における装置構成の概略について説明すると、トイレ1は、内部に便器8が設置されたトイレユニット1aと、内部にオゾン処理室7等が配設された地上処理ユニット1bと、内部に浄化装置2等を構成し便器8の下方であって地下に埋設された地下処理ユニット1cとから構成されており、各ユニットは適宜、配管及び配線にて接続されている。
【0022】
トイレ1における処理の概要について説明すると、トイレ1は、トイレ1使用による被処理水としてのトイレ汚水を、後述する第1循環水路と第2循環水路とからなる循環水路内に繰り返し循環送水し浄化処理した後に、排出手段としての排出ポンプ40により濃縮物を適宜下水管Gに排出するものである。
【0023】
地下処理ユニット1c内に配設された浄化装置2と、同様に地下処理ユニット1c内に配設され、浄化装置2から導入した被処理水を送水ポンプ14により便器8に送出し可能とする送水槽3と、からなる第1循環水路が構成されている(図示白抜矢印参照)。また、送水槽3に、浄化装置2から導入した被処理水を便器8を介さずに直接浄化装置2に環流する環流手段としての環流ポンプ12aが、更に構成されている。
【0024】
また、送水槽3の最下部に設けられた分岐管10と、この分岐管10に接続され、被処理水をオゾン処理するオゾン処理室7と、オゾン処理室7でオゾン処理された被処理水を上述した第1循環水路に供給する供給管11と、からなる第2循環水路が構成されており、この第2循環水路に被処理水を循環送水可能とする導入手段としての導入ポンプ21が設けられている(図示黒塗矢印参照)。尚、オゾン処理室7は、地上に配設されている地上処理ユニット1b内に設置され、浄化装置2及び送水槽3と区画されている。
【0025】
更に、被処理水を環流管12内にて送出し可能とする送水手段としての環流ポンプ12aに、タイマTが接続されており、タイマTに予め特定された特定時間帯において、環流ポンプ12aが運転動作するようになっている。同期して、分岐管10を開閉可能とする分岐バルブ10a及び導入ポンプ21も、タイマTに予め特定された特定時間帯において、開閉動作するようになっている。
【0026】
次に、浄化装置2の構成について説明する。浄化装置2は、固液分離槽4と微生物処理槽5と分離槽6とから構成されている。固液分離槽4と微生物処理槽5とは、仕切壁25で区画され、堰部25aを介して互いに連通し、同様に微生物処理槽5と分離槽6とは、仕切壁26で区画され、ダクト27の上部孔27aを介して互いに連通している。
【0027】
固液分離槽4は、堰部25aを被覆する様に設置され導入した被処理水を通過させるスクリーン4aと、スクリーン4aの面に沿って上昇する気泡を発生する散気孔23とを備え、被処理水を固液分離し排出するように成っている。
【0028】
また、微生物処理槽5は、仕切壁26で分離槽6と区画され、導入した被処理水を通過させる微生物固定化担体5aと、微生物固定化担体5aに向かって気泡を発生する曝気孔24と、上部孔27aと下部孔27bとが内部で連通し上下方向に設置されたダクト27とを備え、被処理水を微生物処理し排出するように成っている。
【0029】
更に、分離槽6は、仕切壁36で送水槽3と区画され、ダクトの上部孔27aから導入した被処理水を一定時間静置し滞留させ、被処理水に未だ含まれる微細の粒子分を沈降させた後に、被処理水を送水槽3に排出するように成っている。
【0030】
また、トイレ1は自家発電機35を備えており、自家発電機35は、上述した送水ポンプ14、排出ポンプ40、導入ポンプ21、ブロア22等の電動により運転可能に設けられた各電動機器に接続され、電源を供給できるようになっている。このようにすることで、トイレ1の外部からの電源供給を要することなく、自家発電機35により供給される電源で被処理水を循環送水できる。
【0031】
更に、送水ポンプ14、排出ポンプ40等の各電動機器は、上述した自家発電機35と併せて外部電源とも接続されており、平常時においては、外部電源により供給された電源を用いている。しかし後述する地震等の災害による非常時において、外部電源が供給されなくなった場合は、自家発電機35により電源が供給されるようになっている。
【0032】
次に、特定時間帯としての夜間(例えば、18:00〜6:00の12時間)におけるトイレ1の浄化処理フローについて、図1に基づいて説明する。夜間においては後述する昼間と比較してトイレ1使用は頻繁でなく、昼間にトイレ1使用で発生した被処理水としてのトイレ汚水は、第1循環水路及び第2循環水路を循環移送されるとともに浄化処理される。
【0033】
予めタイマTに特定された特定時間帯(18:00〜6:00)において、タイマTに接続された導入手段としての導入ポンプ21が起動し分岐バルブ10aが開状態となるとともに、同期して送水槽3の環流ポンプ12aが起動状態となる。この動作により被処理水が、夜間において定常的に第1循環水路及び第2循環水路を循環移送される。
【0034】
先ず、第1循環水路における被処理水の循環移送について説明すると、送水槽3において被処理水は、環流ポンプ12aにより環流管12を介して固液分離槽4に向かって送り出される。
【0035】
被処理水の流動について説明すると、固液分離槽4において、被処理水は、堰部25aの周囲に配設された細目多孔のスクリーン4aを通過するとともに、固液分離されてスクリーン4aを通過した被処理水が、後述する微生物処理槽5に移動し、固形分はスクリーン4aに捕捉される。
【0036】
スクリーン4aに捕捉された固形分は、ブロア22により散気孔23を介して散気されスクリーン4aの面に沿って上昇する気泡により剥離し、固液分離槽4内部に生じた対流とともに、その重量により下方に沈降し、経時的に濃縮して後述する濃縮物を生成する。
【0037】
次に、固液分離槽4を通過した被処理水は、仕切壁25の堰部25aを通過し、微生物処理槽5内に導入される。
【0038】
微生物処理槽5において、被処理水は、微生物処理槽5内に充填された多数個の微生物固定化担体5aを通過するとともに、上方から下方に向かって流動する。この流動により微生物固定化担体5aに固定付着した微生物が、被処理水に含有された有機分を捕捉し、有機分解処理する。同時に、ブロア33により曝気孔24を介して微生物固定化担体5aに向かって曝気されることで、微生物が活性化し、微生物処理能力が向上できる。
【0039】
このように、微生物処理槽5において、上方から下方に向かって流動した被処理水は、上下方向に設けられたダクト27の下部孔27bからダクト27内部に流入し、上部孔27aを介して分離槽6内に導入される。分離槽6内において、被処理水を一定時間静置し滞留する。
【0040】
固液分離槽4及び微生物処理槽5を通過した被処理水に、未だ微細の粒子分等が含有されている場合には、この粒子分等はその重量により分離槽6内の下方に自然沈降することで、被処理水は更に浄化処理される。分離槽6の下部に堆積した粒子分等は、分離槽6の下部と固液分離槽4とに開口した回流管37の内部に、ブロア33により発生する圧縮空気をエアバルブ34で固液分離槽4に向かって適宜流動させることで、エアリフト効果で固液分離槽4に回流させる。上述のように分離槽6を通過した被処理水は、送水槽3内に導入される。
【0041】
そして上述したように、送水槽3において被処理水は、環流ポンプ12aにより繰り返し固液分離槽4に向かって送り出され、第1循環水路を形成する。
【0042】
次に、第2循環水路における被処理水の循環移送について説明すると、タイマTと接続された導入ポンプ21の起動により、送水槽3内の被処理水は、送水槽3の最下部において接続された分岐管10を介してオゾン処理室7に供給され、オゾン発生装置17にて発生するオゾンガスによりオゾン処理される。オゾン処理された被処理水は、送水槽3の上部に接続された供給管11を介して第1循環水路を構成する送水槽3内に供給される。
【0043】
このように、第1循環水路において浄化装置2より下流側の送水槽3に分岐管10が接続されていることで、浄化装置2を構成する固液分離槽4にて固液分離されるとともに微生物処理槽5にて微生物処理されることにより一定程度浄化処理された後の被処理水を、第2循環水路に導入しオゾン処理室7でオゾン処理できるため、オゾン処理に掛かる負荷を小さく抑えることが出来る。
【0044】
また、このようにすることで、送水槽3内における略全量の被処理水をオゾン処理できる。また、上述した第1循環水路を循環移送する浄化処理された被処理水と、第2循環水路を循環移送するオゾン処理された被処理水とが、送水槽3内において流動撹拌することで混合し、浄化効率が高まる。
【0045】
送水槽3内に供給された被処理水は、供給管11より下方において設置された環流ポンプ12aにより、上述したように、第1循環水路を循環移送される。
【0046】
このように、オゾン処理前の被処理水と比較して比重の大きいオゾン処理後の被処理水を、環流管12より上方に設けられた供給管11より第1循環水路に環流させることで、送水槽3内においてオゾン処理された被処理水が効率よく対流し、第1循環水路において循環送水される。
【0047】
このようにすることで、被処理水をオゾン処理手段としてのオゾン処理室7により浄化処理することで、脱臭・殺菌効果が得られた被処理水を、洗浄水として再使用できる。
【0048】
また、浄化装置2が構成された第1循環水路と、オゾン処理室7が構成された第2循環水路とを組合せ、第2循環水路に被処理水を循環送水可能とする導入手段としての導入ポンプ21が設けられていることにより、オゾン処理の要不要に応じて導入ポンプ21を起動・停止し、人体に悪影響を及ぼす虞のあるオゾン処理を適宜使用して被処理水を安全に浄化処理できる。
【0049】
更に、第1循環水路において被処理水を浄化処理するとともに、その被処理水を第2循環水路に導入しオゾン処理できるため、循環移送される被処理水の略全量をオゾン処理することが出来る。特に、人体に悪影響を及ぼす虞のあるオゾン処理を、タイマTにより予め任意に特定した特定時間帯内に限定して行うことが出来、特定時間以外である昼間においてはオゾン処理を除いた浄化処理が出来るため、安全性が向上する。
【0050】
更に、分岐管10に接続された色度検知手段としての色度センサ29により検知された被処理水の色度に応じて、導入ポンプ21が起動・停止可能となっている。即ち、被処理水が比較的清浄であることにより色度が所定の設定値より小さい場合には、導入ポンプ21が停止し、第2循環水路における被処理水の流動は止まる。また、被処理水が比較的汚濁していることにより色度が所定の設定値より大きい場合には、導入ポンプ21が起動し、第2循環水路における被処理水の流動は再び始まる。
【0051】
このようにすることで、色度センサ29により検知された被処理水の色度に応じて、被処理水をオゾン処理室7に導入するか否かを切替できるため、効率的なオゾン処理が可能となる。特に、本実施例のように、夜間の特定時間帯においてオゾン処理が行われ、特定時間帯且つ被処理水の色度が所定値以上の場合に限定して行われるため、更に効率的となる。
【0052】
また、地上処理ユニット1bから地下処理ユニット1c側に向けてオゾンを導入するオゾン導入管15が設けられており、このようにすることで、オゾンガスの一部を地下処理ユニット1c側に導入し、オゾン処理することで、浄化装置2周辺が脱臭・殺菌処理されて衛生的となる。
【0053】
次に、図2に示されるように、上述した特定時間帯を除いた時間帯としての昼間(例えば、6:00〜18:00の12時間)におけるトイレ1の浄化処理フローについて説明する。昼間においては後述のように、被処理水は、第1循環水路を循環移送される(図示白抜矢印参照)とともに浄化処理され、第2循環水路には循環移送されない。また、昼間においては環流ポンプ12aは、タイマTにより停止するようになっている。
【0054】
送水ポンプ14と便器8との間の水路としての洗浄水管13に、便器8側から順に、洗浄水管13を開閉するフラッシュバルブ13aと、洗浄水管13内の水圧を検知する水圧検知手段としての水圧センサ20と、そして送水ポンプ14とが配置されており、水圧検知センサ20により検知された洗浄水管13内の水圧に応じて、送水ポンプ14を制御可能となっている。
【0055】
即ち、水圧センサ20より検知した洗浄水管13内の水圧が、所定圧に達した場合に送水ポンプ14の運転が停止し、所定圧より低い場合に、送水ポンプの運転が再開するように成っている。
【0056】
使用者のトイレ1使用により、被処理水としてのトイレ汚水が、便器8下方の固液分離槽4に貯留されるとともに、使用者の洗浄水スイッチSの操作により、フラッシュバルブ13aが開状態となり、便器8の洗浄水として上述のように浄化処理した処理済の被処理水が、送水ポンプ14による水圧で送水槽3から便器8に向かって送り出される。
【0057】
このようにすることで、便器8の下方で循環送水されている被処理水が、送水ポンプ14により送水槽3から便器8に向かって送水される水圧を高めることで、便器8の洗浄水として使用できる。
【0058】
昼間においてトイレ1使用に伴う洗浄水の使用により、被処理水が固液分離槽4に移送される。そして、上述と同様に、被処理水は、固液分離槽4と微生物処理槽5と分離槽6とからなる浄化装置2を通過するとともに浄化処理され、送水槽3内に導入される。
【0059】
次に、固液分離槽4内に蓄積された濃縮物の搬出について説明すると、搬出手段として、固液分離槽4の下部と貯留槽9とに夫々開口する搬出管19と、搬出管19の内部に貯留槽9に向かって送風可能な送風手段としてのブロア22が設置されており、搬出管19内に圧縮空気を流入できるようになっている。
【0060】
昼間におけるトイレ1使用により、第1循環水路を流動する被処理水の全水量が増加し、この増加量分は送水槽3に蓄積されるようになる。送水槽3に設けられた水位検知手段28が、所定の水位を検知すると、エアバルブ31が開放するとともに、固液分離槽4の下層に蓄積された濃縮物としての被処理水の固形分が、搬出管19内にブロア22により供給される圧縮空気が貯留槽9に向かって流動することにより、エアリフト効果で、固液分離槽4から貯留槽9に向かって搬出され、第1循環水路とは別に設けられた貯留槽9内に貯留される。図示しないタイマにより設定した所定時間後、エアバルブ31は閉じて濃縮物の搬出は終了する。このようにエアリフトによる濃縮物の搬出は、送水槽3の水位に応じて間欠運転するようになっている。
【0061】
このようにすることで、送風手段としてのブロア22により送られた空気を搬出管19内に流動させることにより、固液分離槽4で固液分離された固形分を中心とした濃縮物を貯留槽9に搬出する際に、濃縮物を分散し粒状化され一定量の水分と混合できるため、排出手段としての排出ポンプ40により下水管に排出し易い。
【0062】
またこのようにすることで、トイレ1の使用により被処理水が増量し所定の水位に達した場合のみ濃縮物を搬出するため、固液分離槽4において効率的に被処理水を濃縮できる。
【0063】
次に、貯留槽9は、上述のように搬出した濃縮物を貯留可能に設けられているとともに、下水管Gと接続された濃縮物の排出手段としての排出ポンプ40が設置されており、また濃縮物の所定の水位を検知する水位検知手段30が設置されている。上述のように搬出された濃縮物が貯留槽9に経時的に蓄積されて前記水位に達すると、排出ポンプ40が一定時間起動し、濃縮物を下水管Gに向けて排出する。
【0064】
このようにすることで、濃縮物を貯留槽9における所定の水位まで貯留できるとともに、貯留した濃縮物を纏めて排出できるため、濃縮物の排出に要する動力を省ける。
【0065】
尚、前記した排出する水位は、貯留槽9内において比較的低位に設定することが好ましい。このようにすることで、貯留槽9内の水位を常時低位に保ち貯留可能容量を維持することができるため、後述する地震等の災害による非常時において、下水管Gへの排出が不可能となった場合でも、以降のトイレ1使用により発生した濃縮物を、貯留槽9内に十分量貯留できる。
【0066】
上述したように、被処理水を循環水路にて循環送水し、浄化装置2を構成する固液分離槽4で固液分離された濃縮物を、循環水路と別に構成された貯留槽9に搬出し排出ポンプ40にて下水管Gに排出して、循環水路に残った被処理水を洗浄水として再利用するため、通常の水洗トイレと比べ上水の使用量を抑止出来るとともに、長期に亘り安定した洗浄水を得られる。
【0067】
更に、上記したように、循環水路と別に濃縮物を貯留可能な貯留槽9を有しているために、例えば、地震等の災害により上水管及び下水管Gが破損し使用不能となる非常時にあっては、通常の水洗トイレであれば使用できなくなるが、循環式水洗トイレ1は、被処理水を循環送水し浄化処理しトイレ洗浄水として再使用するとともに、排出ポンプ40の運転を停止状態として、貯留槽9内に濃縮物を貯留することで、平常時と同様にトイレ1使用が可能となる。
【0068】
このように、ライフラインが寸断され、上下水道が使用不能となる非常時においては、循環式水洗トイレ1は災害用トイレとして、ライフラインが復旧に至るまで多人数のトイレ使用を可能とする。
【0069】
図3に示されるように、本実施例の送水ポンプ14、排出ポンプ40、環流ポンプ12a、導入ポンプ21、ブロア22等の各機器は、電動で運転可能と成っており、これら各機器に、自家発電機35によって得られる内部電源と、トイレ1外部からの外部電源との両電源が、切替手段としての切替装置39を介して供給可能となっている。また、トイレ1には適所に震度計41が設置されており、後述する制御を行う制御部42が、信号線により切替装置39と接続され、同様に信号線により震度計41と接続されている。
【0070】
即ち、地震等の災害による非常時において、外部からの電源供給が不可能な場合には、切替装置39が、外部からの電源供給の不足を検知することで、電源供給元を所定に切替え、自家発電機35が起動して送水ポンプ14等の各機器に電源を供給できるため、平常時と同様にトイレ使用が可能となる。
【0071】
制御部42は、外部電源による電源供給が不能となったときに切替装置39が電源供給元を自家発電機35に切替えるとともに発信する第1の信号と、震度計41が所定の震度を検知するとともに発信する第2の信号と、の両信号を受信した場合に、所定の非常時と判断し、排出ポンプ40側の電源ケーブルに介設された開閉器38を開状態とし、排出ポンプ40への電源供給を停止し、即ち上述した水位検知手段30による排出ポンプ40の起動を不能とする。
【0072】
このようにすることで、非常時を検知したときに、下水管Gにも何らかの破損が発生し使用不能となったものと判断して、排出ポンプ40による被処理水の下水管Gへの排出を停止し、以降の濃縮物を貯留槽9内に貯留することで、非常時にあっても平常時と同様にトイレ1使用できる。
【0073】
また、このようにすることで、切替装置39及び震度計41を非常時検知手段として利用して、外部電源による電源供給が不能となり、且つ震度計41が所定の震度を検知したことを、所定の非常時として認識することにより、下水管Gに何らかの破損が発生し使用不能となったものと判断する判断材料を、より確実なものにできる。
【0074】
尚、非常時検知手段として本実施例のように、必ずしも切替装置39及び震度計41の両方を利用するに限られず、何れか一方のみを利用してもよい。例えば、切替装置39が電源供給元を自家発電機35に切替えるとともに、この切替装置39による切替を所定の非常時と判断し、排出ポンプ40への電源供給を停止してもよい。
【0075】
このようにすることで、切替装置39を非常時検知手段として利用して、外部電源による電源供給が不能となったことを地震等の災害による所定の非常時として判断することができる。
【0076】
同様に、震度計41が検知した所定の震度を所定の非常時と判断し、排出ポンプ40への電源供給を停止してもよい。
【0077】
このようにすることで、震度計41を非常時検知手段として利用して、所定の震度を検知したことを所定の非常時として判断することができる。
【0078】
更に、貯留槽9の最下部に、貯留槽9の下層を形成する濃縮物を地上に排出する排出ポンプ18aと、排出ポンプ18aに接続された排出管18とが設けられており、地上に排出した濃縮物は、図示しないバイオ処理手段によりバイオ処理するようになっている。バイオ処理の一例として、おが屑を利用した処理が挙げられる。おが屑を利用した処理とは、おが屑に含まれている微生物の働きで、濃縮物が水と二酸化炭素に分解処理するものである。
【0079】
このように、バイオ処理により、循環水路と別の貯留槽9に貯留した濃縮物を減容化できるため、下水管Gが使用不能となる非常時が長期に及んでも、トイレ使用が可能となる。尚、バイオ処理とは、必ずしも上記おが屑を利用した処理に限られず、濃縮物を生物学的に処理するものであればよい。
【0080】
尚、排出した濃縮物は、上述したバイオ手段に限られず、例えば図示しない燃焼手段により燃焼処理するようになっていてもよい。このようにすることで同様に、貯留槽9に貯留した濃縮物を減容化できるため、下水管Gが使用不能となる非常時が長期に及んでも、トイレ使用が可能となる。また、上述したバイオ手段若しくは燃焼手段は、予め貯留槽9に設置されており、貯留槽9内において、バイオ処理若しくは燃焼処理を行うものであってもよい。
【0081】
更に、排出した濃縮物は、上述したバイオ処理若しくは燃焼処理に代えて、例えば排出ポンプ18aと、排出ポンプ18aに接続された排出管18とにより地上に排出するいわゆる汲取り処理をするとともに、運搬手段としてのバキューム車等により、し尿処理場に運搬してもよい。このようにすることで、貯留槽9内を空状態とすることができ、長期に亘るトイレ使用が可能となる。
【0082】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0083】
例えば、上記実施例では、特定時間帯としての夜間において、被処理水のオゾン処理を行っているが、オゾン処理は特定時間帯に限らず、被処理水を第2循環水路に人の操作により任意に流動可能としてもよい。
【0084】
また、上記実施例では、オゾン処理を行う特定時間帯として夜間を設定しているが、トイレ1を頻繁に使用する時間帯を避ければ、特定時間とは夜間でなくてもよく、例えば深夜若しくは早朝であっても構わない。更に、特定時間帯とは、上述のように1日(24時間)単位において特定した時間帯に限られず、例えば、1月(30日)単位において予め特定した日の時間帯であってもよいし、1年(365日)単位において予め特定した時期の時間帯であってもよい。
【0085】
また、上記実施例では、固液分離槽4と微生物処理槽5と分離槽6とからなる浄化装置2により、被処理水を浄化処理しているが、浄化装置は、他の公知の浄化技術を利用した浄化槽からなる装置であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】循環式水洗トイレの特定時間帯における浄化処理を示す概略図である。
【図2】特定時間帯を除いた時間帯における浄化処理を示す概略図である。
【図3】循環式水洗トイレの概略配線図である。
【符号の説明】
【0087】
1 循環式水洗トイレ
1a トイレユニット
1b 地上処理ユニット
1c 地下処理ユニット
2 浄化装置
3 送水槽
4 固液分離槽
4a スクリーン
5 微生物処理槽
5a 微生物固定化担体
6 分離槽
7 オゾン処理室(オゾン処理手段)
8 便器
9 貯留槽
10 分岐管
10a 分岐バルブ
11 供給管
12 環流管
12a 環流ポンプ(環流手段)
13 洗浄水管(水路)
13a フラッシュバルブ(バルブ)
14 送水ポンプ(送水手段)
15 オゾン導入管
17 オゾン発生装置
18 排出管
18a 排出ポンプ
19 搬出管
20 水圧検知センサ(水圧検知手段)
21 導入ポンプ(導入手段)
22 ブロア(送風手段)
23 散気孔
24 曝気孔
25 仕切壁
25a 堰部
26 仕切壁
27 ダクト
27a 上部孔
27b 下部孔
28 水位検知手段
29 色度センサ
30 水位検知手段
31 エアバルブ
33 ブロア
34 エアバルブ
35 自家発電機
36 仕切壁
37 回流管
38 開閉器
39 切替装置(切替手段)
40 排出ポンプ(排出手段)
41 震度計
42 制御部
G 下水管
S 洗浄水スイッチ
T タイマ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
便器の下流に配設され被処理水を固液分離し排出する固液分離槽を少なくとも備えた浄化装置と、該浄化装置から導入した被処理水を少なくとも使用時に前記便器に送り出す送水手段を備えた送水槽と、からなる循環水路が構成され、該循環水路内に被処理水を循環送水し浄化処理する循環式水洗トイレであって、
前記循環水路と別に、前記固液分離槽において被処理水を固液分離した後の濃縮物を搬出する搬出手段と、該搬出した濃縮物を貯留する貯留槽とが構成され、該貯留槽に下水管と接続された排出手段が設置されていることを特徴とする循環式水洗トイレ。
【請求項2】
前記貯留槽に、濃縮物の所定の水位を検知する水位検知手段が設けられており、前記排出手段が、前記水位検知手段により起動することを特徴とする請求項1に記載の循環式水洗トイレ。
【請求項3】
前記送水槽に、被処理水の所定の水位を検知する水位検知手段が設けられており、濃縮物を搬出する前記搬出手段が、前記水位検知手段により起動することを特徴とする請求項1または2に記載の循環式水洗トイレ。
【請求項4】
前記搬出手段が、前記固液分離槽と前記貯留槽とに開口する搬出管と、該搬出管の内部に前記貯留槽に向かって送風可能な送風手段とからなることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の循環式水洗トイレ。
【請求項5】
少なくとも前記送水槽が前記便器の下方に設けられており、前記送水手段と前記便器との間の水路に、前記便器側から順に、前記水路を開閉するバルブと、前記水路内の水圧を検知する水圧検知手段と、そして前記送水手段とが配置されており、前記水圧検知手段により検知された前記水路内の水圧に応じて、前記送水手段を制御可能となっていることを特徴とすることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の循環式水洗トイレ。
【請求項6】
非常時を検知する非常時検知手段が設けられており、該非常時検知手段が所定の非常時を検知するとともに、前記下水管と接続された前記排出手段の起動を不能とすることを特徴とする請求項2ないし5のいずれかに記載の循環式水洗トイレ。
【請求項7】
被処理水を前記便器に送り出す前記送水手段が電動の送水ポンプであり、前記下水管と接続された前記排出手段が電動の排出ポンプであって、前記送水ポンプと前記排出ポンプとに、自家発電機によって得られる内部電源と外部電源との両電源を切替可能に供給する切替手段が設けられており、前記外部電源による電源供給が不能となったときに、前記切替手段が電源供給元を前記自家発電機に切替えるとともに、該切替手段の切替を前記所定の非常時と判断し、前記排出ポンプへの電源供給を停止することを特徴とする請求項6に記載の循環式水洗トイレ。
【請求項8】
被処理水を前記便器に送り出す前記送水手段が電動の送水ポンプであり、前記下水管と接続された前記排出手段が電動の排出ポンプであって、前記送水ポンプと前記排出ポンプとに電源を供給可能となっており、震度を検知する震度計が設けられており、該震度計が検知した所定の震度を前記所定の非常時と判断し、前記排出ポンプへの電源供給を停止することを特徴とする請求項6に記載の循環式水洗トイレ。
【請求項9】
被処理水を前記便器に送り出す前記送水手段が電動の送水ポンプであり、前記下水管と接続された前記排出手段が電動の排出ポンプであって、前記送水ポンプと前記排出ポンプとに、自家発電機によって得られる内部電源と外部電源との両電源を切替可能に供給する切替手段と、震度計とが設けられているとともに、該切替手段からの信号と該震度計からの信号とを受ける制御部を備えており、該制御部は、前記外部電源による電源供給が不能となったときに前記切替手段が電源供給元を前記自家発電機に切替えるとともに発信する第1の信号と、前記震度計が所定の震度を検知するとともに発信する第2の信号と、の両信号を受信した場合に前記所定の非常時と判断し、前記排出ポンプへの電源供給を停止することを特徴とする請求項6に記載の循環式水洗トイレ。
【請求項10】
被処理水をオゾン処理するオゾン処理手段が、前記循環水路に接続されていることを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載の循環式水洗トイレ。
【請求項11】
前記循環水路が、少なくとも前記浄化装置を備えた第1循環水路と、
該第1循環水路の所定箇所に設けられ少なくとも一部の被処理水を分岐可能とする分岐管と、該分岐管に接続された前記オゾン処理手段と、該オゾン処理手段でオゾン処理された被処理水を前記第1循環水路に供給する供給管と、からなる第2循環水路と、
から構成されており、前記第2循環水路の所定箇所に、前記第1循環水路内の被処理水を前記第2循環水路内に導入する導入手段が設けられていることを特徴とする請求項10に記載の循環式水洗トイレ。
【請求項12】
前記貯留槽に貯留した濃縮物を、バイオ処理するバイオ処理手段又は燃焼処理する燃焼手段が、更に構成されていることを特徴とする請求項1ないし11のいずれかに記載の循環式水洗トイレ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−308949(P2007−308949A)
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−138475(P2006−138475)
【出願日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【出願人】(502080380)株式会社オリエント・エコロジー (4)
【Fターム(参考)】