説明

微小中空球を含有する樹脂発泡体

本発明は、連続気泡型ポリマー発泡体及び微小中空球の全質量に対して、連続気泡型ポリマー発泡体40〜85質量%と、柔軟な外層を有する微小中空球15〜60質量%とを含有する、吸音のための微小中空球を含有する発泡体であって、その際、該微小中空球が、少なくとも70マイクロメートルでかつ多くとも250マイクロメートルのD50値を有している、微小中空球を含有する発泡体、並びに、以下の工程:I)連続気泡型ポリマー発泡体に、膨張可能な微小中空球を含有する液体分散液を含浸させる工程、II)場合により、該ポリマー発泡体をプレス/圧縮及び/又は乾燥させる工程、及び、III)含浸された該ポリマー発泡体を、膨張可能な該微小中空球の膨張温度を上回りかつ分解温度を下回る温度で熱処理し、該微小中空球を膨張させる工程を含む、該発泡体の製造法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、柔軟な外層を有する微小中空球を含有し、その際、該微小中空球が少なくとも70μmでかつ多くとも250μmのD50値を有する、吸音のための連続気泡型発泡体、その製造法、及び、吸音及び/又は断熱のためのその使用に関する。
【0002】
現代社会において、吸音性及び防音性の材料に対する要求は高い。吸音性及び防音性の材料は、室内音響の改善のために、例えば不所望なホール効果の低減のために使用される。しばしば、このために、その卓越した粘弾性、その容易な加工性及び商業的入手可能性のために好適な材料であるプラスチックが用いられる。ここで、プラスチックはしばしば多孔質発泡体の形で使用される。
【0003】
多孔質材料は、高周波数で良好な吸音を示すものの、低周波数では低い吸音能を有することを特徴としている。低周波数でのプラスチックフォームの吸音の改善は、例えば薄いフィルム及び膜の使用により(振動)、又は共振器により達成することができる。しかしながら、これらの措置の効果は、制限された周波数範囲並びに構造的障害、例えば幅及び質量のために、限定的である。
【0004】
プラスチックの防音及び吸音特性を改善するための他の可能性の一つに、プラスチックへの種々の充填材の導入がある。
【0005】
US5,378,733には、二成分系ポリウレタンバインダー、5を上回る密度を有する粒状充填材、及び第二の充填材としての0.5を下回る密度を有する中空ポリマー微小球を含有する、音の減衰のためのポリウレタン組成物が記載されている。微小中空球は、成分を反応させてポリウレタンにする前に、ポリオール中に分散させることにより導入される。
【0006】
WO2004/022298A1は、熱可塑性ゴム粒子及びPURプラスチック粒子を、発泡剤としての膨張可能な微小中空球の添加下に押出成形することにより製造される、遮音材に関する。
【0007】
WO98/52997A1から、エポキシ樹脂と熱可塑性樹脂との混合物からの発泡体が公知である。発泡剤として、とりわけ熱膨張可能な微小中空球を使用することができる。WO98/52997に記載されている発泡体は、とりわけ自動車における防音体として使用可能である。
【0008】
US5,272,001は、弾性及び衝撃吸収特性の改善のために35〜60μmの平均直径を有する微小中空球を含有する、柔軟な連続気泡型ポリウレタンフォームに関する。
【0009】
改質された発泡体はすでに公知ではあるが、低周波数の範囲内での改善された吸音及び防音特性を有する発泡体が求められている。
【0010】
前記課題は、本発明によれば、
ポリマー発泡体及び微小中空球の全質量に対して、
連続気泡型ポリマー発泡体40〜85質量%と、
柔軟な外層を有する微小中空球15〜60質量%
とを含有する、吸音のための微小中空球を含有する発泡体であって、その際、該微小中空球が、少なくとも70μmでかつ多くとも250μmのD50値を有している、微小中空球を含有する発泡体
により解決される。
【0011】
本発明による発泡体は、約300〜1600Hzの周波数範囲内で、微小中空球を含有していないか又はわずかに含有している同様の発泡体よりも高い吸音率を有する。意想外にも、発泡体中に含まれている微小中空球の作用は、そのサイズに依存する。微小中空球は、プラスの効果、即ち、吸音特性の所望の改善を生じさせるための最小サイズを有していなければならない。約35〜55μmのD50値を有する微小中空球は発泡体の吸音に対して影響を与えないが、それに対して発泡体が≧70μmのD50値を有するより大きな微小中空球を含有する場合には、該発泡体はより高い吸音率及びより高い流れ抵抗を示し、これは同様に、改善された防音と相関している。本発明による発泡体の機械的特性は、意想外にも、比較的大きな微小中空球を使用しなければならないにもかかわらず、微小中空球の存在により不利な影響を受けないか、又は極めてわずかに不利な影響を受けるに過ぎない。
【0012】
以下に、本発明を詳説する。
【0013】
本発明による発泡体は、連続気泡型ポリマー発泡体及び微小中空球の全質量に対して、連続気泡型ポリマー発泡体を40〜85質量%、有利には50〜80質量%含有する。
【0014】
フォーム骨格が本質的に多数の相互に結合した三次元の分枝した気泡壁からなるものが、連続気泡型フォームと称される。連続気泡型ポリマー発泡体が含有する、ポリマー膜により封止された面積が少ないほど、該発泡体はより弾性となる。
【0015】
有利には、多数の相互に結合した三次元の分枝した気泡壁を含む本発明による連続気泡型ポリマー発泡体が使用され、その際、気泡壁の長さ対厚さの平均比は10:1を上回り、有利には12:1を上回り、特に15:1を上回り、かつ気泡壁の密度は1.1g/cm3を上回り、有利には1.2g/cm3を上回り、特に1.3g/cm3を上回る。
【0016】
長さ対厚さの平均比は顕微鏡により測定され、その際、気泡壁長さ及び気泡壁厚さは統計学的評価法により測定される。2つの結合箇所の中心間の距離が気泡壁長さと定義され、それぞれ顕微鏡写真で測定された気泡壁の最も幅の狭い箇所の厚さが気泡壁厚さと定義される。発泡体気泡壁の密度を測定する際に、発泡体は好適な液体、例えばイソプロパノールに装入され、該発泡体はその連続気泡性に基づき完全にこれを吸収する。その後、気泡壁の密度がアルキメデスの原理により測定される。
【0017】
本発明によれば有利には、連続気泡型ポリマー発泡体は弾性である。
【0018】
弾性発泡体は、変形後の大きな復元力を有する。特に、DIN53580によりその厚さの50%まで圧縮変形させた際に、その初期体積の2%を超える残留変形を示さないものが弾性発泡体と称される(Roempp Chemie-Lexikon, 第9版 1995, 第4016頁)。
【0019】
原則的に、ポリマー発泡体は、連続気泡型ポリマー発泡体の製造に好適であるとして当業者に公知であるいずれのポリマーから製造されてもよい。有利には、ポリマー発泡体は熱硬化性発泡体から選択され、特に有利には、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂発泡体、尿素−ホルムアルデヒド樹脂発泡体及びメラミン−ホルムアルデヒド樹脂発泡体からなる群から選択され、特に有利なものはメラミン−ホルムアルデヒド樹脂発泡体である。
【0020】
好適なメラミン−ホルムアルデヒド樹脂発泡体の製造は、例えばEP0017671B1に記載されており、好適な尿素−ホルムアルデヒド樹脂発泡体は、例えばEP0031513B1から公知である。本発明により使用可能な熱硬化性発泡体、例えばフェノール−ホルムアルデヒド樹脂発泡体の製造は、例えばEP0049768B1に記載されている。
【0021】
極めて特に有利には、本発明によれば、例えばEP0017672B1に記載されており、かつ商品名Basotect(R)で商業的に入手可能であるようなメラミン−ホルムアルデヒド樹脂発泡体が使用される。
【0022】
連続気泡型発泡体の見かけ密度は、通常は5〜100g/lの範囲内、有利には8〜20g/lの範囲内である。引張り強さは、有利には100〜150kPaの範囲内であり、破断点伸びは8〜20%の範囲内である。
【0023】
本発明による発泡体は、柔軟な外層を有する微小中空球15〜60質量%、有利には20〜50質量%を含有しており、その際、該微小中空球は少なくとも70μmでかつ多くとも250μmのD50値を有している。
【0024】
微小中空体は柔軟な外層を有しており、即ち、微小中空球は容易に押し潰すことができ、かつ、その外殻の破裂なしに複数の負荷−ないし加圧サイクルに耐えるほどの弾性を有する。有利には、その外層が、ガラス転移温度が発泡体の使用温度を下回っている1以上のホモポリマー及び/又は1以上のコポリマーから形成されている微小中空球が使用される。特に有利には、微小中空球の外層は、1以上の熱可塑性ホモポリマー及び/又はコポリマーから形成される。
【0025】
極めて有利には、本発明による発泡体中に含まれる微小中空球は、膨張可能な微小中空球の膨張により得られた膨張した微小中空球である。このような微小中空球は、本質的に、気密のポリマー外層とその中に封入された液状又はガス状の発泡剤とからなる。膨張可能な、又は膨張した微小中空球の外層は、通常は、発泡剤が加熱により広がる際に、膨張可能な微小中空球の軟化及び膨張を可能にするために、熱可塑性樹脂のように挙動する。外層内で使用されるホモポリマー及び/又はコポリマーは、直鎖、分枝鎖であってよく、又は架橋されていてもよい。外層のために、しばしば、アクリル酸、メタクリル酸、スチレン、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等並びにその混合物を含むポリマー及びコポリマーが使用される。発泡剤として、通常は低級炭化水素、例えばプロパン、n−ブタン、イソブタン、イソペンタン、n−ペンタン、ネオペンタン、ヘキサン、ヘプタン及び石油エーテル及びハロゲン化炭化水素、例えば塩化メチル、塩化メチレン、トリクロロフルオロメタン及びジクロロジフルオロメタンが使用される。膨張可能な微小中空球は、例えばUS3,615,972に記載されているような公知の方法により製造することができる。膨張可能な微小中空球の平均直径は、膨張した際に通常約4〜6倍に増加する。
【0026】
膨張可能な、及び膨張した形での好適な微小中空球は、例えば商品名EXPANCEL(R)でAkzo Nobel社より市販されている。
【0027】
本発明によれば、発泡体中に含まれている微小中空球は、少なくとも70μm、有利には少なくとも90μm、極めて特に有利には少なくとも100μmのD50値を有する。D50値は、粒子の50%がより小さな直径を有し、かつ粒子の50%がより大きな直径を有する粒径を示す。D50値は、例えば光散乱により測定できる。D50値の測定の実施が可能な方法の一つは、例えば Akzo Nobel社の技術公報No. 3Bに記載されている。
【0028】
本発明によれば有利には、発泡体中に含まれている微小中空球は、多くとも250μmのD50値を有する。微小中空球は発泡体細孔の体積を満たすことが望ましいが、但し、発泡体の細孔及び流路を閉塞しないことが望ましい。
【0029】
本発明によれば有利には、微小中空球は連続気泡型ポリマー発泡体の細孔中に存在する。
【0030】
さらに、本発明は、以下の工程:
I)連続気泡型ポリマー発泡体に、膨張可能な微小中空球を含有する液体分散液を含浸させる工程、
II)場合により、該ポリマー発泡体をプレス/圧縮及び/又は乾燥させる工程、及び、
III)含浸された該ポリマー発泡体を、膨張可能な該微小中空球の膨張温度を上回りかつ分解温度を下回る温度で熱処理し、該微小中空球を膨張させる工程
を含む、微小中空球を含有する発泡体を製造するための、特に、上記の微小中空球を含有する発泡体を製造するための方法に関する。
【0031】
工程I)において、連続気泡型ポリマー発泡体に、膨張可能な微小中空球を含有する液体分散液を含浸させる。この含浸は、例えば、ポリマー発泡体の細孔体積をほぼ同体積の含浸溶液で満たし、かつ担体を乾燥させるIncipient-Wetness法により、膨張可能な微小中空球を含む分散液の吹き付け、浸漬及び浸潤により行うことができる。過剰の溶液を用いて作業することもでき、その際、この溶液の体積はポリマー発泡体の細孔体積よりも大きい。この場合、ポリマー発泡体を含浸溶液と混合し、十分に長い間撹拌する。
【0032】
含浸に使用される混合物は、液体分散液の全質量に対して、膨潤可能な微小中空球0.01〜50質量%、有利には1〜10質量%、及び、液体分散媒50〜99.99質量%、有利には90〜99質量%を含有している。含浸に使用される混合物の濃度及び量は、当業者により、含浸すべきポリマー発泡体、及び、微小中空球を含有する発泡体の所望の組成に適合される。例えば、比較的低い密度を有するポリマー発泡体の場合には、低濃度の微小中空球を有する含浸混合物が使用される。
【0033】
含浸に使用される膨張可能な微小中空球は、有利には>16μm、有利には>20、特に有利には>25μmのD50値を有している。細孔及び流路の閉塞なしに細孔空間への微小中空球の均質な導入を保証するために、有利には、それぞれ膨張前のサイズに関して、≦100μm、特に有利には、≦50μmのD50値を有する微小中空球が使用される。
【0034】
分散媒として、有利には水及び/又はC1〜C4−アルコールが使用され、これは特に、ポリマー発泡体が極性ポリマーから選択されている場合に、特に、ポリマー発泡体が、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂発泡体、尿素−ホルムアルデヒド樹脂発泡体及びフェノール−ホルムアルデヒド樹脂発泡体から選択されている場合に該当する。
【0035】
含浸に使用される混合物は、他の成分、例えば
a)疎水化のためのフルオロカーボン樹脂(WO2008/037600を参照のこと)
b)疎水性及び難燃性の物質(WO2007/023118を参照のこと)
を含有してよい。
【0036】
場合により、含浸されたポリマー発泡体は工程II)においてプレスないし圧縮及び乾燥され、これは有利には、膨張可能な微小中空球の膨張温度を下回る温度で行われる。
【0037】
プレスは、例えばEP0451535Aに記載されているように、発泡体を逆方向に回転する並列に並べられた2つのローラー間の所定の間隙に貫通させることにより実施されてよい。
【0038】
発泡体を2つの同方向に回転するローラー間の間隙に通過させることの他に、含浸された発泡体を搬送ベルト上で輸送し、かつ、発泡体の動く速度と同じ周速度で回転するローラーがプレスすることによって、必要な圧力を発泡体にかけることも可能である。さらに、発泡体を例えばプレス機に装入し、該プレス機においてラムが発泡体をプレスすることにより、発泡体に圧力をかけることができる。しかしながらこの場合、連続的なプレスは不可能である。
【0039】
本発明による方法の工程III)において、含浸されたポリマー発泡体を、膨張可能な微小中空球の膨張温度を上回りかつ該微小中空球の分解温度を下回る温度で熱処理し、それにより微小中空球が膨張する。熱処理の厳密な温度は、熱処理の期間と同様に、使用される膨張可能な微小中空球に依存する。
【0040】
本発明による微小中空球を含有する発泡体のための上記の製造法の利点は、ベースとなる連続気泡型ポリマー発泡体の構造の保持が保証されていることである。膨張前には比較的小さい微小中空球が、含浸工程においてポリマー発泡体の細孔中に均一に分配され、かつこの細孔内で膨張する。柔軟な外層を有する本発明による微小中空球を使用するため、この微小中空球は膨張後に、ポリマー発泡体骨格を破壊することなくそれぞれの細孔を完全に満たすことができ、それというのも、該微小中空球はそれぞれの細孔に適合し得るためである。
【0041】
同様に、特に自動車製造、列車製造、船舶製造及び航空機製造における、及び宇宙飛行における、吸音のため、消音のため、及び断熱のための、上記の微小中空球を含有する発泡体の使用も本発明の対象である。上記の発泡体を含む吸音要素及び断熱要素、例えば壁パネル及び天井パネルも、本発明の対象である。
【0042】
以下に本発明を例示する。
【実施例】
【0043】
実施例
実施例1(本発明による)
メラミン−ホルムアルデヒド樹脂発泡体(Basotect(R) G、密度 7.3g/l、BASF SE)に、膨張可能な微小中空球の水性分散液を含浸させた。該微小中空球は、Akzo Nobel社製EXPANCEL(R) 091DU140であった。該球の外層は、アクリレート、塩化ビニリデン及びアクリロトニトリルからのコポリマーから構成されている。該微小中空球は発泡剤(イソブタン又はイソペンタン)を内包して含有している。膨張可能な粒子のD50値は、製造者による仕様書によれば35〜45μmであった。含浸されたポリマーフォームを乾燥棚内で100℃で乾燥させ、次いで130℃で1時間保持し、その際、EXPANCEL(R)−微小中空球が約100〜150μmのサイズに膨張した。
【0044】
実施例2(比較)
実施例1と同様に行ったが、但し、膨張可能な微小中空球として、10〜16μmのD50値を有するEXPANCEL(R) 820SL40を使用した。該微小中空球は、膨張後に約35〜55μmのD50値を有していた。
【0045】
実施例3 吸音率の測定
吸音を、実施例1及び2からの微小中空球が含浸されたポリマー発泡体に関して、ISO10534−2により測定した。結果を、実施例1に関しては第1表に、実施例2に関しては第2表に示す。
【0046】
【表1】

【0047】
【表2】

【0048】
10%超の負荷において、EXPANCEL(R) 091DU140を用いた場合には低〜中周波数(250〜1500Hz)で吸収の明らかな改善を達成することができたが、それに反してEXPANCEL(R) 820SL40を用いた場合にはこの周波数範囲内で未処理の発泡体と比較して悪化が認められる。
【0049】
実施例4 流れ抵抗の測定
実施例1及び2からの微小中空球を含有するポリマー発泡体に関して、流れ抵抗をISO9053により測定した。結果を第3表及び第4表に示す。
【0050】
【表3】

【0051】
流れ抵抗は、30%の負荷において、標準と比較してほぼ2倍であった。
【0052】
【表4】

【0053】
Basotectに、より小さな微小中空球であるExpancel SL40を浸潤させたため、吸収及び流れ抵抗の改善は達成し得なかった。従って、球のサイズは音響特性に重大な影響を及ぼす。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続気泡型ポリマー発泡体及び微小中空球の全質量に対して、連続気泡型ポリマー発泡体40〜85質量%と、柔軟な外層を有する微小中空球15〜60質量%とを含有する、吸音のための微小中空球を含有する発泡体であって、その際、該微小中空球が、少なくとも70マイクロメートルでかつ多くとも250マイクロメートルのD50値を有している、微小中空球を含有する発泡体。
【請求項2】
連続気泡型ポリマー発泡体が5〜100g/lの密度を有している、請求項1記載の発泡体。
【請求項3】
ポリマー発泡体が、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂発泡体、尿素−ホルムアルデヒド樹脂発泡体及びメラミン−ホルムアルデヒド樹脂発泡体、有利にはメラミン−ホルムアルデヒド樹脂発泡体からなる群から選択されている、請求項1又は2記載の発泡体。
【請求項4】
微小中空球の外層が、発泡体の使用温度を下回るガラス転移温度を有する1以上のホモポリマー及び/又はコポリマーから形成されている、請求項1から3までのいずれか1項記載の発泡体。
【請求項5】
微小中空球が90マイクロメートル以上のD50値を有している、請求項1から4までのいずれか1項記載の発泡体。
【請求項6】
以下の工程:
I)連続気泡型ポリマー発泡体に、膨張可能な微小中空球を含有する液体分散液を含浸させる工程、
II)場合により、該ポリマー発泡体をプレス/圧縮及び/又は乾燥させる工程、及び、
III)含浸された該ポリマー発泡体を、膨張可能な該微小中空球の膨張温度を上回りかつ分解温度を下回る温度で熱処理し、該微小中空球を膨張させる工程
を含む、請求項1から5までのいずれか1項記載の微小中空球を含有する発泡体の製造法。
【請求項7】
含浸のために使用される膨張可能な微小中空球が、16マイクロメートル超でかつ100μm以下、有利には50μm以下のD50値を有している、請求項6記載の方法。
【請求項8】
工程I)において、含浸に使用される混合物が、液体分散液の全質量に対して、膨張可能な微小中空球0.01〜50質量%及び液体分散媒50〜99.99質量%を含有している、請求項6又は7記載の方法。
【請求項9】
工程I)において、分散媒として水及び/又はC1〜C4−アルコールを使用する、請求項6から8までのいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
吸音及び/又は断熱のための、請求項1から5までのいずれか1項記載の微小中空球を含有する発泡体の使用。
【請求項11】
請求項1から5までのいずれか1項記載の微小中空球を含有する発泡体を含む、吸音要素及び/又は断熱要素。

【公表番号】特表2013−511583(P2013−511583A)
【公表日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−539299(P2012−539299)
【出願日】平成22年11月16日(2010.11.16)
【国際出願番号】PCT/EP2010/067556
【国際公開番号】WO2011/061178
【国際公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】