説明

微小環境およびユーザ指示を伝える方法

【課題】保育器および放射暖房器などの微小環境の調整に関し、改良されたユーザインタフェースを有する微小環境と、微小環境を使用する臨床医にユーザ指示を伝える改良された方法を提供する。
【解決手段】乳児の体温を調節するための微小環境10は、ベッド12、ベッドのまわりに少なくとも部分的に配置された囲い13、ベッドに取り付けられた暖房アセンブリ15を含む。暖房アセンブリは、囲い13内に暖かさを提供するように構成される。微小環境は、ベッドに取り付けられたディスプレイ画面28、およびベッドに取り付けられたコンピュータ可読媒体32を含む。コンピュータ可読媒体は、微小環境に関するユーザ指示の動態イメージが符号化される。また、微小環境は、コンピュータ可読媒体に通信接続されたプロセッサを含む。プロセッサ30は、ユーザ指示を伝えるために動態イメージをディスプレイ画面28上に表示するように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、微小環境、および微小環境用のユーザ指示を伝える方法に関する。
【背景技術】
【0002】
保育器および放射暖房器などの微小環境は、通常、複雑なユーザインタフェース制御装置を有する。従来の微小環境は、よく訓練された看護職員および他の医療補助専門家が医師の命令で使用するためのものである。通常、低出生体重および/または他の医療問題をかかえる乳児に、生存および適切な発育の最高の機会を与えるために、温度、湿度および酸素濃度などのパラメータを、ユーザは微小環境によって細かいレベルで制御することができる。
【0003】
微小環境は、微小環境のセッティングに綿密な調整を頻繁に行って最適な患者治療を提供する必要のある、熟練した臨床医が使用するためのものである。従来の微小環境は先進国の臨床医用に設計される。しかしながら、多くの第二世界および第三世界で見られるように、農村部および低資源の医療環境では、職員の医療訓練のレベルは著しく低いことがある。したがって、農村部および低資源の医療環境における臨床医は、通常、微小環境のさまざまな機能に精通していない。さらに、農村部および低資源の医療環境で使用される機器は、何度も使用および/または寄付される。結果として、ユーザインタフェース制御装置は、現地の言葉でない可能性がある。したがって、臨床医は、微小環境に関連する指示、ラベルまたは制御装置を読むかまたは理解することができない可能性がある。上に列記された要因のうちの1つまたは複数に基づいて、かつ、従来の多くの微小環境がユーザインタフェースを複雑にした事実に起因して、臨床医は、未熟児に対して最適な医療を提供することができない可能性がある。
【発明の概要】
【0004】
したがって、上記その他の理由により、改良されたユーザインタフェースを有する微小環境と、微小環境を使用する臨床医にユーザ指示を伝える改良された方法との、どちらに対する要求も存在する。
【0005】
上述の短所、欠点および問題が本明細書において対処されるが、それは以下の明細書を読み理解することによって理解されよう。
【0006】
一実施形態では、乳児の体温を調節するための微小環境は、ベッド、ベッドのまわりに少なくとも部分的に配置された囲い、および、ベッドに取り付けられた暖房アセンブリを含む。微小環境は、ベッドに取り付けられたディスプレイ画面、および、ベッドに取り付けられたコンピュータ可読媒体を含む。コンピュータ可読媒体は、微小環境に関するユーザ指示の動態イメージが符号化されている。また、微小環境は、コンピュータ可読媒体に通信接続されたプロセッサを含み、プロセッサは、ユーザ指示を伝えるために動態イメージをディスプレイ画面上に表示するように構成される。
【0007】
一実施形態では、微小環境用のユーザ指示を伝える方法は、コンピュータ可読媒体からの動態イメージにアクセスすること、および、微小環境に通信接続されたディスプレイ画面上に動態イメージを表示することを含み、動態イメージは、微小環境に関して臨床医によって実行されるアクションの図を含む。
【0008】
一実施形態では、微小環境用のユーザ指示を伝える方法は、微小環境のパラメータが目標範囲外にあることの検出を含む。方法は、コンピュータ可読媒体に格納された複数の動態イメージから1つの動態イメージをプロセッサによって選択することを含む。選択された動態イメージは、パラメータを調節して目標範囲に戻すアクションの図を含む。また、方法は動態イメージをディスプレイ画面上に表示することを含む。
【0009】
本発明のさまざまな他の特徴、目的、および利点は、添付図面およびその詳細説明から当業者に明らかにされよう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】一実施形態による微小環境を示す概略図である。
【図2】一実施形態による微小環境を示す概略図である。
【図3】一実施形態による方法を示す流れ図である。
【図4】一実施形態による動態イメージの3枚のフレームを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の詳細説明では、本明細書の一部をなす添付図面が参照され、その中では、実施することができる特定の実施形態が例として示される。これらの実施形態は、当業者が実施形態を実施することができるのに十分な詳細が記載され、他の実施形態を利用できること、ならびに、論理的、機械的、電気的および他の変更が、実施形態の範囲から逸脱することなく実施できることが理解される。したがって、以下の詳細説明は、本発明の範囲を限定するものとはとらえられない。
【0012】
図1を参照すると、微小環境10の概略図が一実施形態によって示される。微小環境10は、図1に示された例示的な実施形態による保育器であり得る。他の実施形態は、さまざまなタイプの保育器および放射暖房器を含む、さまざまなタイプの微小環境を含むことができる。微小環境10は、乳児(図示せず)を収容するためのベッド12を含む。ベッド12は、臨床医(図示せず)が微小環境をより快適に使用できるように高さを調節することができる。囲い13はベッド12のまわりに配置される。囲い13は、乳児を収容するように適合された微小環境10の一部を画定する。図1に示された実施形態の囲い13は乳児をほぼ完全に囲うが、他の実施形態は完全な囲いを含まない可能性がある。他の実施形態では、囲いは、ベッド12に対して配置された1つまたは複数の壁だけを含む可能性がある。さらに、囲い13の壁のうちの1つまたは複数は、臨床医がアクセスするために、または、微小環境10内のパラメータを制御するために、移動可能であり得る。例えば、一実施形態はベッド12のまわりに配置した4枚の壁をもつことができるが、介護士が乳児にアクセスするために無蓋にすることができる。
【0013】
対流ヒータ16などの暖房アセンブリ15はベッド12の表面の下に配置される。対流ヒータ16は周囲の空気を吸い込み、周囲の空気を加熱コイル(図示せず)または他の発熱体で暖め、暖められた空気を囲い13の中に吹きつける。囲い13はアクセスポート18を含み、そこを通じて介護士は、囲い13内で管理された環境に対する外乱を最小限にしながら、容易に乳児と触れ合うことができる。放射暖房器または導電性発熱体を含む他のタイプの暖房アセンブリは、対流ヒータ16などの対流ヒータの代わりに、または対流ヒータに加えて使用することができる。微小環境10の実施形態は、ベッド12の表面上に円形の回転ディスク(図示せず)を含むことができる。回転ディスクは、乳児に対する外乱を最小限にしながら、手順に対して最適の位置に乳児を向けるために使用することができる。
【0014】
微小環境10はハンドル20を含む。ハンドル20は、新生児集中治療処置室(NICU)または他のセッティング全体で微小環境を押し進めるために使用することができる。一実施形態によれば、温度制御装置22、湿度制御装置24、および気体流量制御装置26を含む複数の制御装置をハンドル20の上に取り付けることができる。また、ディスプレイ画面28をハンドル20の上に取り付けることができる。ディスプレイ画面28には、LCD画面、カソードレイチューブディスプレイ、または、ピクセルベースのイメージを表示するように適合されたその他のタイプの画面が含まれ得る。また、ディスプレイ画面28は、乳児のための生命兆候、囲い13内の現状、および、以下にさらに詳細に記載される動態イメージを含むデータを表示するために使用することができる。
【0015】
また、微小環境10は、コンピュータ可読媒体32に通信接続されたプロセッサ30を含む。プロセッサ30はディスプレイ画面にも通信接続する。開示を目的として、通信接続という用語は有線接続と無線接続のどちらをも含む。コンピュータ可読媒体32は、例示的な実施形態によればハードドライブであり得る。しかしながら、コンピュータ可読媒体32には、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM)、フラッシュメモリ、CD−ROMなどを含む、デジタルデータを格納するように適合されたその他のタイプのデバイスが含まれ得る。
【0016】
図2は、一実施形態による微小環境の概略図である。一実施形態によれば、図2に示された微小環境は、図1に示された微小環境10と同じであり得る。図1と図2の間で同一の構成物を識別するために共通の参照番号が使用される。
【0017】
図2を参照すると、微小環境10は、図1に関して以前に記載された、プロセッサ30、ディスプレイ画面28、およびコンピュータ可読媒体32を含む。一実施形態によれば、また、微小環境10はプロセッサに通信接続された複数のセンサ33を含む。センサ33のうちの1つまたは複数は、パラメータが所定の範囲外にある場合などの、障害を検出するように構成することができる。例えば、微小環境は、温度センサ34、湿度センサ36、酸素センサ38、および水分センサ40を含むことができる。温度センサ34は、(図1に示された)囲い13内に配置される温度計を含むことができ、この温度計は囲い13内のリアルタイムの温度を検出するように適合される。一実施形態によれば、臨床医は、(図1に示された)温度制御装置22を使用して、目標温度を設定することができる。温度センサ34は、囲い13内の温度をプロセッサ30に一定の間隔で伝送する。同様に、湿度センサ36は、囲い13の内部に取り付けることができて、微小環境10の囲い13内の湿度のリアルタイムサンプルを取得することができる。酸素センサ38も、囲い内部の酸素濃度などの囲い内部のリアルタイムの気体濃度をモニタするために囲い13の内部に取り付けることができ、酸素濃度をプロセッサ30に伝送することができる。水分センサ40は、加湿器44の水槽42に取り付けることができる。一実施形態によれば、水分センサは、水槽42内の現在の水位を検出し、水位データをプロセッサ30に伝送することができる。
【0018】
図3は、一実施形態による方法300を示す流れ図である。流れ図における各ブロックは、一実施形態によって実行されるステップを表す。方法300の技術的効果は、微小環境のディスプレイ装置上に動態イメージを表示してユーザ指示を伝えることである。
【0019】
図2および図3を参照すると、ステップ302で、図2に関して記載された複数のセンサ33のうちのいずれか1つなどによってパラメータをモニタする。方法300は、モニタされるパラメータが加湿器用の水位である例示的な実施形態によって記載される。水位は水分センサ40などのセンサでモニタすることができる。一実施形態によれば、水分センサ40はデータをプロセッサ30に所定のサンプル間隔で伝送することができる。ステップ304で、プロセッサ30は、パラメータ、この場合水位が目標範囲内にあるかどうかを判定する。水位が許容できる場合、方法300はステップ302に戻り、水分センサが別のサンプルを収集する。しかしながら、水位が目標範囲外である場合、方法300はステップ306に進む。一実施形態によれば、プロセッサ30は、加湿器44の水槽42の中の給水量が所定の最低レベルに達すると、水位が目標範囲外にあると考えられるように構成することができる。ステップ306で、プロセッサ30は、モニタされたパラメータに応答して是正処置を識別する。例示的な実施形態によれば、プロセッサ30は、適切な是正処置として「加湿器の水槽に水を追加する」是正処置を識別することができる。次にステップ308で、プロセッサ30は、コンピュータ可読媒体32に格納された動態イメージを選択することができる。
【0020】
この開示を目的として、用語「動態イメージ」は、時間変化して動きを示すイメージをユーザに提供するために連続して示される複数のイメージフレームを含むように規定される。ビデオイメージおよびアニメ化された動態イメージはどちらも動態イメージの例である。動態イメージは、任意のタイプのディスプレイ装置上に表示することができ、この開示を目的として、さらに、1秒間に少なくとも3〜5フレーム、好ましくは1秒間に少なくとも15フレームの最小フレームレートを含むように規定される。さらに、アニメ化された動態イメージは、臨床医を表す棒線画などのキャラクタの概略図、またはアクションを行う漫画キャラクタを含むことができる。さらに、ビデオイメージの場合、俳優が特定の微小環境に関するアクションを行うことを示すことができる。
【0021】
ステップ308で、プロセッサ30は、ステップ306中で識別された是正処置を示す動態イメージを選択することができる。他の実施形態によれば、ステップ306およびステップ308は、1つのステップに連結することができる。例えば、特定のパラメータに関連する動態イメージが1つしかない場合、プロセッサ30は、目標範囲から外れた特定のパラメータに対応する動態イメージを自動的に選択することができる。そのように、例示的な実施形態によれば、ステップ308で、プロセッサ30は水槽42に水を追加する工程を示す動態イメージをコンピュータ可読媒体32から選択する。水を追加する工程を示す動態イメージについてのさらなる詳細を、以下に詳細に記載する。
【0022】
ステップ310で、プロセッサ30は、動態イメージを(図1に示された)ディスプレイ画面28上に表示する。例示的な実施形態によれば、動態イメージは水槽に水を追加する工程を含むことができる。しかしながら、動態イメージは別の実施形態に応じた多くのさまざまなアクションの図を含むことができることを理解すべきである。
【0023】
図4は、例示的な実施形態による動態イメージのいくつかのフレームの概略図である。図4は、第1のイメージフレーム320、第2のイメージフレーム322、および第3のイメージフレーム324を含む。図1および図4を参照すると、第1のイメージフレーム320は、図1に示された微小環境10などの微小環境に関するキャラクタの概略図を含む。第2のイメージフレーム322は、微小環境10の水槽42の中に水を注ぐキャラクタの概略図を含む。第3のイメージフレーム324は、水槽へのアクセスパネルを閉めるキャラクタの概略図を含む。例示的な実施形態によれば、動態イメージは複数のイメージフレームを含み、図4はそれらのイメージフレームのうちの3枚だけを示すことを理解すべきである。さらに、図4のイメージフレームは連続して表示されることを意図していないことを理解すべきである。言い換えれば、動態イメージは、図4の第1、第2および第3のイメージフレーム(320、322、324)の間に多くの別のイメージフレームを含むことができる。また、別のイメージフレームは、動態イメージが表示されている間動きがスムーズに見えるために、中間の位置にキャラクタを見せることができる。例えば、18と24の間のフレームレートは、通常、動態イメージが表示されるとスムーズな動きを生み出すが、この範囲外のフレームレートも使用することができる。
【0024】
したがって、一実施形態によれば、図4に一部が示された動態イメージは、微小環境10に向かって歩くキャラクタの概略図を示す別のイメージフレームを含むことができる。別のフレームは、アクセスパネルを開いて水槽にアクセスするキャラクタを示すことができる。このように、水槽へのアクセスが微小環境10上のどこに位置しているかは、臨床医に非常に明らかである。さらに、別のイメージフレームは、水槽に補充するとディスプレイ画面28上の任意の警告灯またはインジケータがどのように取り除かれるかを示すことができる。
【0025】
図4に関して記載された動態イメージなどの動態イメージを表示してアクションを実演することは、微小環境の中の乳児に最高レベルの患者治療を提供することを保証するために実行することが必要な是正処置を伝える効率的な方法である。例えば、臨床医が高度の訓練を受けていないかぎり、彼または彼女は、微小環境によって提供されるアラームまたはアラートに応答して実行する最も適切な是正処置を知ることができない。しかしながら、動態イメージを表示することで是正処置を実演することによって、臨床医は、適正な是正処置を微小環境の現在の状況に、容易に関連付けることができる。さらに、(図2に示された)コンピュータ可読媒体32の中に格納された音声ファイルを、動態イメージが表示される同じ時間の間に再生することができるが、動態イメージは、臨床医が音声またはテキストに依存する必要なしに、微小環境内の環境条件を正しく維持および/または微調整することを可能にするのに十分な情報を提供する。これは、装置の使用説明が書かれている、または音声ファイルを介して話される言語に臨床医が流暢でない場合に、特に有効である。図4に概略的に表された動態イメージは、メンテナンスアクション、すなわち加湿器の水槽の補充を示すが、他の実施形態が他のアクションを示す動態イメージを表示できることを理解すべきである。例えば、動態イメージは、臨床医が他のメンテナンスアクションをどのように実行するかを示すことができる。また、動態イメージは、特定のアラームまたはアラートに応答して是正処置を実行するユーザまたはキャラクタの図を描写することができる。例えば、ある特定のアラームが鳴った場合、動態イメージは、臨床医がそのアラームの原因にどのように対処するかを示して表示することができる。
【0026】
他の実施形態によれば、動態イメージは臨床医がパラメータをどのように調節するかを示すために使用することができる。例えば、以前記載したように、微小環境の主要目標の1つは、適正な環境条件の環境を提供して、乳児のストレスを最小限にすることである。例えば、これは、しばしば温度、湿度および酸素濃度を、特定の乳児の大きさおよびニーズに基づいて変化するかなり固有の帯域内に維持することを含む。図2を参照すると、プロセッサ30などのプロセッサが乳児の体温が低すぎることを検出すると、プロセッサ30は、臨床医が微小環境内の温度を上げるのに必要なステップを実行するキャラクタを描写する動態イメージを選択することができる。これは、暖房アセンブリ15の温度、すなわちブロワにより発熱体に吹きつけられる空気流量を調節するキャラクタを示す動態イメージを含むことができる。さらに、一実施形態によれば、微小環境は、(図1に示された)囲い13の壁または上部の位置を検出するセンサを備えることができる。プロセッサ30は、囲い内の対流熱損失を最小限にするために、1つまたは複数の壁を上げること、および/または、囲い13の開口を調節することを臨床医に示す動態イメージを選択することができる。体温が高すぎる場合、動態イメージは、反対の、すなわち微小環境10を冷やす方法を示すためにも使用できることを理解すべきである。
【0027】
別の実施形態によれば、(図2に示された)プロセッサ30は、微小環境10内の酸素含有量が正しくない場合、気体流量率をどのように調節するかを臨床医に示す、1つまたは複数の動態イメージを表示することができる。例えば、酸素含有量が低すぎる場合、動態イメージは、酸素の流量を増やすためにバルブを調節するキャラクタを示すことができる。酸素含有量が高すぎる場合、酸素含有量を所望の範囲内に戻すために、動態イメージは、バルブを調節して酸素の流量を減らすか、または(図2に示された)囲い13の気体を抜くキャラクタを示すことができる。別の実施形態によれば、プロセッサ30は、微小環境10内の湿度を調節するキャラクタを示す、1つまたは複数の動態イメージを表示することができる。別の実施形態によれば、プロセッサ30は、使用に際して微小環境をどのようにセットアップするかの実演を示す動態イメージを表示することができる。例えば、微小環境10の構成部品の多くは調整可能または構成可能である。動態イメージは、微小環境10のさまざまな構成部品をどのように物理的に配置するかの実演を含むことができる。さらに、動態イメージは、1つまたは複数の患者モニタリングセンサを乳児に付ける適正な方法を臨床医に実演することもできる。
【0028】
別の実施形態によれば、動態イメージは、微小環境10に乳児をどのように入れるかを示す実演を含むことができる。例えば、動態イメージは、患者情報を入力するために、および/または、乳児を入れた微小環境10を使い始めるために、ユーザインタフェースをどのように操作するかをユーザに示す実演を含むことができる。動態イメージは、微小環境10をどのように調節して良いデフォルトのパラメータ値を与えるかの実演を含むことができる。または、動態イメージは、特定の患者用の適正なパラメータを、彼または彼女の大きさおよび重さに基づいて、どのように選択するかの実演を含むことができる。動態イメージは、上述の例示的な実施形態以外の仕事をどのように行うかを、オペレータまたは臨床医に示すために使用できることを、当業者は理解すべきである。
【0029】
ここに記述した説明は、最良の形態を含んで本発明を開示するために、ならびに、任意の装置またはシステムを作成し使用すること、および任意の組み込まれた方法を実行することを含めて、いかなる当業者も本発明を実施することができるように例を使用した。本発明の特許性のある範囲は特許請求の範囲によって規定され、当業者が思いつく他の例を含むことができる。そのような他の例は、それらが特許請求の範囲の文字通りの言葉と異ならない構成要素を有する場合、または、それらが特許請求の範囲と実質的な違いのない均等な構成要素を含む場合、特許請求の範囲の範囲内にあることを意図している。
【符号の説明】
【0030】
10 微小環境
12 ベッド
13 囲い
15 暖房アセンブリ
16 対流ヒータ
18 アクセスポート
20 ハンドル
22 温度制御装置
24 湿度制御装置
26 気体流量制御装置
28 ディスプレイ画面
30 プロセッサ
32 コンピュータ可読媒体
33 センサ
34 温度センサ
36 湿度センサ
38 酸素センサ
40 水分センサ
42 水槽
44 加湿器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
乳児の体温を調節するための微小環境(10)であって、
ベッド(12)と、
前記ベッド(12)のまわりに少なくとも部分的に配置された囲い(13)と、
前記ベッド(12)に取り付けられた暖房アセンブリ(15)であって、前記囲い(13)内に暖かさを提供するように構成された暖房アセンブリ(15)と、
前記ベッド(12)に取り付けられたディスプレイ画面(28)と、
前記ベッド(12)に取り付けられたコンピュータ可読媒体(32)であって、前記微小環境(10)に関するユーザ指示の動態イメージが符号化されたコンピュータ可読媒体(32)と、
前記コンピュータ可読媒体(32)に通信接続されたプロセッサ(30)であって、前記ユーザ指示を伝えるために前記動態イメージを前記ディスプレイ画面(28)上に表示するように構成されたプロセッサ(30)と
を含む微小環境(10)。
【請求項2】
前記プロセッサに通信接続されたセンサ(33)であって、障害を検出するように適合されたセンサ(33)をさらに含む、請求項1記載の微小環境(10)。
【請求項3】
前記センサ(33)が、温度センサ(34)、湿度センサ(36)、酸素センサ(38)、または水分センサ(40)を含む、請求項2記載の微小環境(10)。
【請求項4】
前記プロセッサ(30)が、前記センサ(33)による前記障害の検出に応答して前記動態イメージを表示するように構成された、請求項2記載の微小環境(10)。
【請求項5】
前記コンピュータ可読媒体(32)が、複数の動態イメージが符号化され、前記複数の動態イメージのそれぞれが前記微小環境(10)に関する異なる仕事の実行を示す、請求項1記載の微小環境(10)。
【請求項6】
前記プロセッサ(30)が、前記動態イメージを表示する前に前記複数の動態イメージから前記動態イメージを選択するように構成され、前記選択された動態イメージが前記微小環境(10)のために実行する必要のある是正処置を示す、請求項4記載の微小環境(10)。
【請求項7】
前記動態イメージがアニメ化された動態イメージを含む、請求項1記載の微小環境(10)。
【請求項8】
前記アニメ化された動態イメージがアクションを実行するキャラクタの概略図を含む、請求項7記載の微小環境(10)。
【請求項9】
前記動態イメージがアクションを実行する俳優のビデオを含む、請求項1記載の微小環境(10)。
【請求項10】
前記動態イメージが前記微小環境(10)でメンテナンスアクションを実行する臨床医の図を含む、請求項1記載の微小環境(10)。
【請求項11】
前記動態イメージが、制御装置を調整して前記微小環境(10)内の環境要因を調節する臨床医の図を含む、請求項1記載の微小環境(10)。
【請求項12】
乳児の体温を調節するための微小環境(10)であって、
ベッド(12)と、
前記ベッド(12)のまわりに少なくとも部分的に配置された囲い(13)と、
前記ベッド(12)に取り付けられた暖房アセンブリ(15)であって、前記囲い(13)内に暖かさを提供するように構成された暖房アセンブリ(15)と、
前記ベッド(12)に取り付けられたディスプレイ画面(28)と、
前記ベッド(12)に取り付けられたコンピュータ可読媒体(32)であって、ユーザ指示の動態イメージが符号化されたコンピュータ可読媒体(32)と、
前記囲い(13)内のパラメータを検出するように適合されたセンサ(33)と、
前記コンピュータ可読媒体(32)および前記センサ(33)に通信接続されたプロセッサ(30)であって、前記プロセッサ(30)が、前記パラメータが所定の範囲外にあることを検出し前記動態イメージを表示するように構成され、前記動態イメージが前記パラメータを前記所定の範囲内に戻すアクションの図を含む、プロセッサ(30)と
を含む、微小環境(10)。
【請求項13】
前記センサ(33)が、温度センサ(34)、湿度センサ(36)、または酸素センサ(38)を含む、請求項12記載の微小環境(10)。
【請求項14】
前記コンピュータ可読媒体(32)が、複数の異なる動態イメージが符号化され、前記複数の異なる動態イメージのそれぞれが異なるアクションの図を含む、請求項12記載の微小環境(10)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−56155(P2013−56155A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−193652(P2012−193652)
【出願日】平成24年9月4日(2012.9.4)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【Fターム(参考)】