説明

微弱放射線照射用組成物並びにこれを用いた内燃機関の燃費向上材、湯冷め防止材及び血行改善材

【課題】放射性物質を増量することなく、被照射物に実際に照射される放射線量を安全に且つ効率的に増幅させることが可能な微弱放射線照射用組成物を提供する。
【解決手段】微弱な放射線を放出する微弱放射性物質と、被照射物に対する放射線量を人体に悪影響を及ぼさない範囲で増幅する放射線増幅材と、成形材とを含んでなる微弱放射線照射用組成物である。この組成物は、放射線増幅材として、繊維状、糸状、針状又は棒状の形状及び0.01〜10mmmの粒子長を有する炭素含有物質を用いたことにより、放射線増幅材のアンテナ効果により照射線量の減衰を最小限に留めることができるので、被照射物に対して極めて効率的に放射線を照射することができるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、含有する微弱放射性物質の放出する放射線を被照射物に対して効率的に照射することのできる微弱放射線照射用組成物並びにこれを用いた内燃機関の燃費向上材等の成形品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、モナズ石粉末等の放射性物質を含有した鉱石粉末を合成樹脂に煉り込んで成形加工した燃費向上材等が知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。これらは、放射性物質から放出される放射線によってエンジン等の内燃機関に供給される空気をイオン化して活性化し、燃焼効率の向上を図るものである。
【特許文献1】特開昭52−131024号公報
【特許文献2】特開昭53−16118号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来技術では、放射能を有する鉱石粉末を合成樹脂に煉り込むと、放出される放射線が減衰するという問題があった。そのため、内燃機関への吸気を活性化させようとすると、大量に放射線を放出する放射性物質を用いるか、或いは放射性物質を大量に用いるしか方法が無かった。
【0004】
本発明は上記従来技術の有する問題点に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、放射性物質を増量することなく、被照射物に実際に照射される放射線量を安全に且つ効率的に増幅させることが可能な微弱放射線照射用組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の上記目的は、下記の手段によって達成される。
(1)即ち、本発明は、微弱な放射線を放出する微弱放射性物質と、被照射物に実際に照射される放射線量を人体に悪影響を及ぼさない範囲で増幅する放射線増幅材と、成形材と、を含む、微弱放射線照射用組成物である。
(2)本発明は、また、前記微弱放射性物質は、放射性元素又は放射性同位体の単体、水素化物、ハロゲン化物、酸化物、水酸化物、カルコゲン化物、窒化物、炭化物若しくはホウ化物又はこれらの混合物を含む、(1)に記載の微弱放射線照射用組成物である。
(3)本発明は、また、前記放射性元素又は前記放射性同位体は、トリウム、ウラン又はラジウムである、(2)に記載の微弱放射線照射用組成物である。
(4)本発明は、また、前記放射線増幅材は、繊維状、糸状、針状又は棒状の形状を有し、炭素含有物質である、(1)〜(3)の何れか1項に記載の微弱放射線照射用組成物である。
(5)本発明は、また、前記炭素含有物質は、炭素繊維若しくは炭素クラスター又はこれらの混合物である、(4)に記載の微弱放射線照射用組成物である。
(6)本発明は、また、前記放射線増幅材は、0.01〜10mmの粒子長である、(1)〜(5)の何れか1項に記載の微弱放射線照射用組成物である。
(7)本発明は、また、前記放射線増幅材は、前記放射線量を1.1〜2.0倍に増幅するものである、(1)〜(6)の何れか1項に記載の微弱放射線照射用組成物である。
(8)また、本発明は、被照射物に実際に照射される増幅された放射線量が、0.4〜0.7μSv/hである、(1)〜(7)の何れか1項に記載の微弱放射線照射用組成物である。
(9)本発明は、また、前記成形材は、ゴム、熱可塑性エラストマー、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、セラミック、粘土又は金属である、(1)〜(8)の何れか1項に記載の微弱放射線照射用組成物である。
(10)本発明は、また、前記成形材は、シリコーンゴム、セラミック、粘土又は金属である、(1)〜(9)の何れか1項に記載の微弱放射線照射用組成物である。
(11)また、本発明は、(1)〜(10)に記載の微弱放射線照射用組成物を用いることを特徴とする、内燃機関の燃費向上材である。
(12)また、本発明は、板状、帯板状、円盤状又はパイプ状の形状を有し、ラジエーター、吸入経路、エアクリーナー、スロットルバルブ、インテークマにホールド、ヘッドカバー、エンジンブロック、オイルパン、冷却水路、潤滑油経路、オイルフィルター又はオイルクーラーの内部に投下し又は内外壁に貼付して使用される、(11)に記載の内燃機関の燃費向上材である。
(13)また、本発明は、(1)〜(10)に記載の微弱放射線照射用組成物を用いることを特徴とする、湯冷め防止材である。
(14)また、本発明は、板状、帯板状、円盤状、球状、棒状又は楕円体状の形状を有し、湯船に投下して使用される、(13)に記載の湯冷め防止材である。
(15)また、本発明は、(1)〜(10)に記載の微弱放射線照射用組成物を用いることを特徴とする、血行改善材である。
(16)更に、本発明は、シート状、フィルム状又は円盤状の形状を有し、患部近辺の表皮に貼付して使用される、(15)に記載の血行改善材である。
【発明の効果】
【0006】
本発明の微弱放射線照射用組成物によれば、微弱な放射線を放出する微弱放射性物質と、被照射物に実際に照射される放射線量を人体に悪影響を及ぼさない範囲で増幅する放射線増幅材と、成形材とを含んでいるので、微弱放射性物質の放出する放射線を被照射物に対して効率的に照射することができる。即ち、微弱放射性物質を成形品に加工した場合、微弱放射性物質の放出する放射線は成形材等により遮蔽され、被照射物に実際に照射される放射線量は減衰するが、本発明の微弱放射線照射用組成物では、成形品に加工しても放射線増幅材の存在により放射線量の減衰が抑制されるので、微弱放射性物質の放出する放射線が被照射物に対して有効に照射されるものである。特に、放射線増幅材として所定形状及び所定粒子長を有する炭素含有物質を用いることによって、放射線増幅材のアンテナ効果により照射線量の減衰を最小限に留めることができるので、被照射物に対して極めて効率的に放射線を照射することができる。
【0007】
従って、本発明の微弱放射線照射用組成物によれば、微弱放射性物質の含有量を抑えつつ被照射物に有効な照射線量を照射することができるので、成形物の製造コストが低減されるばかりでなく、成形性や強度等の物理特性に優れた成形物を得ることができる。また、高い放射能を有する物質を用いる必要がないので安全性が高く製造工程等における取り扱いも容易であり、防放射線層等の放射線防護構造を備える必要がないのでコンパクトで低コストの成形品を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0009】
本実施形態にかかる微弱放射線照射用組成物は、微弱な放射線を放出する微弱放射性物質と、被照射物に実際に照射される放射線量を人体に悪影響を及ぼさない範囲で増幅する放射線増幅材と、成形材とを含むものである。
【0010】
本発明における微弱放射性物質とは、人体に悪影響を及ぼさない程度の微弱な放射線を放出する放射性物質である。この放射性物質には、自身が放射能を有する物質だけでなく、他の放射線に曝されることにより放射能を持つようになった物質(放射化物質)も含まれる。このような微弱放射性物質としては、トリウム、ウラン等の放射性元素、ラジウム等の放射性同位体等の単体、水素化物、ハロゲン化物、酸化物、水酸化物、カルコゲン化物、窒化物、炭化物、ホウ化物等、或いはこれらの混合物等が挙げられる。また、本発明においては、放射性物質を含んだ鉱物等が用いられてもよい。また、微弱放射性物質の粒径は、5μm〜100μmであることが好ましく、20μm〜80μmであることが更に好ましく、35μm〜65μmが特に好ましい。上記範囲の下限値を下回った場合には、微弱放射性物質が周辺に飛散する可能性があるので好ましくなく、上限値を上回った場合には、成形加工に適さないので好ましくない。
【0011】
放射線増幅材とは、被照射物に実際に照射される放射線量を人体に悪影響を及ぼさない範囲で増幅するものである。即ち、本発明においては、微弱放射性物質から放出される放射線量を減衰させずに、被照射物に対して有効に照射させることができればよい。そのような放射線増幅材の好ましい形状としては、繊維状、糸状、針状、棒状等が挙げられ、好ましい物質としては、炭素含有物質等が挙げられ、炭素含有物質としては、炭素繊維、炭素原子クラスター等、或いはこれらの混合物等が挙げられ、炭素繊維としては、アクリル繊維系炭素繊維(PAN)、ピッチ系炭素繊維(PITCH)等、或いはこれらの混合物等が挙げられ、炭素原子クラスターとしては、カーボンナノチューブ、C60、C63等のフラーレン等、或いはこれらの混合物等が挙げられる。
【0012】
また、放射線増幅材の好ましい粒子長としては、0.01〜10mmであることが好ましく、0.03〜5mmであることが更に好ましく、0.06〜3mmが特に好ましい。上記範囲の下限値を下回った場合には、アンテナ効果を利用して被照射物に実際に照射される放射線量を増幅させることができなくなるので好ましくなく、上限値を上回った場合には、微弱放射線照射用組成物の成形性に悪影響を及ぼすので好ましくない。
【0013】
この結果として、放射線増幅材は、被照射物に実際に照射される放射線量を増幅させることができる。その増幅量としては、放射線増幅材を含まない成形品と比較して、1.1〜2.0倍程度が特に好ましい。なお、一般的に日本国においては、天然の放射線を人間が1年間に浴びる量は1mSv程度であるので、一般公衆の人工放射線量の限度を1年間に1mSv以下にすることを目標としている。よって、微弱放射性物質の放射能は、1年間に1mSv以下であることが望ましい。また、上述した通りの放射線増幅材を有する微弱放射線照射用組成物から放出されて被照射物に実際に照射される放射線量としては、0.4〜0.7μSv/h程度が特に好ましい。
【0014】
成形材としては、天然ゴム、アクリルゴム(ACM)、アクリロニトリルブタジエンゴム(ニトリルゴム;NBR)、イソプレンゴム(IR)、ウレタンゴム(U)、エチレンプロピレンゴム(EPM,EPDM)、エピクロルヒドリンゴム(CO,ECO)、クロロプレンゴム(CR)、シリコーンゴム(Q)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、フッ素ゴム(FKM)、ポリイソブチレン(ブチルゴム;IIR)等の合成ゴム等のゴム、スチレン系(SBC)、オレフィン系(TPO)、塩ビ系(TPVC)、ウレタン系(PU)、エステル系(TPEE)、アミド系(TPAE)等の熱可塑性エラストマー、フェノール樹脂(PF)、エポキシ樹脂(EP)、メラミン樹脂(MF)、尿素樹脂(ユリア樹脂;UF)、不飽和ポリエステル樹脂(UP)、アルキド樹脂、ポリウレタン(PUR)、熱硬化性ポリイミド(PI)等の熱硬化性樹脂、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン(PS)、ポリ酢酸ビニル(PVAc)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ABS樹脂(アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂)、AS樹脂、アクリル樹脂(PMMA)、ポリアミド(PA)、ポリアセタール(POM)、ポリカーボネート(PC)、変性ポリフェニレンエーテル(m−PPE、変性PPE、PPO)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、グラスファイバー強化ポリエチレンテレフタレート(GF−PET)、環状ポリオレフィン(COP)、ポリフェニレンスルファイド(PPS)、ポリテトラフロロエチレン(PTFE)、ポリスルホン(PSF)、ポリエーテルサルフォン(PES)、非晶ポリアリレート(PAR)、液晶ポリマー(LCP)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、熱可塑性ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)等の熱可塑性樹脂、セラミック、粘土、金属等が挙げられる。
【0015】
なお、本発明においては、用途に応じて他の添加剤が含まれてもよい。そのような添加剤としては、耐熱安定剤、耐光安定剤、抗菌剤等の機能性添加剤、均一分散剤、可塑剤、揮発防止剤等の樹脂改質剤、撥水撥油性、防汚性、非粘着性、
滑り性等を付与する表面改質剤等が挙げられる。
【0016】
次に、本実施形態に係る微弱放射線照射用組成物の製造方法について説明する。
【0017】
まず、微弱放射性物質及び成形材の総量が所定量になるように容器の中に入れる。次いで、所定の長さにカットした炭素含有物質を所定量だけ上記容器の中に入れ、これらを混練して所定の形状になるように形を整える。その後、これを所定の方法で乾燥させて成形品を得る。ただし、微弱放射性物質、炭素含有物質及び成形材の添加割合は、1:1:8〜8:1:1程度が特に好ましい。上記範囲を外れた場合には、組成物が硬化し難くなるので好ましくない。また、用途に応じて固定手段が設けられてもよい。そのような固定手段としては、両面テープ、面ファスナー等が挙げられる。
【0018】
次に、本実施形態に係る微弱放射線照射用組成物の用途について説明する。
【0019】
本発明は、内燃機関の燃費向上材として、例えば、ラジエーター、吸入経路、エアクリーナー、スロットルバルブ、インテークマにホールド、ヘッドカバー、エンジンブロック、オイルパン、冷却水路、潤滑油経路、オイルフィルター、オイルクーラー等の内部に投下し又は内外壁に貼付して使用することができる。このような用途の場合には、その形状を、例えば板状、帯板状、円盤状、パイプ状等に成形して利用することができる。本発明を内燃機関の内部に投下し又は内外壁に貼付又は置換して使用することで、周囲の水等を活性化して内燃機関の燃焼効果等を高めることができる。
【0020】
また、本発明は、例えば、入浴時に湯船に投下して用いる湯冷め防止材として使用することができる。このような用途の場合には、その形状を、例えばA4サイズや葉書サイズ等の板状、帯板状、円盤状、球状、棒状、楕円体状等に成形して利用することができる。本発明を入浴時に用いることで、浴槽内の水分や血液等が活性化され、湯冷めを防止することができる。
【0021】
更に、本発明は、例えば、電子レンジや湯煎等で加熱した後に、患部に貼付する血行改善材として使用することができる。このような用途の場合には、その形状を、例えばシート状、フィルム状又は円盤状等に成形して利用することができる。本発明を患部に貼付して血液等が活性化されて血行が改善されることで、肩凝り、腰痛、膝痛、患部の疼痛、強直性脊椎炎、慢性進行性多発関節炎、軟組織リュウマチ、関節炎等のリュウマチ等が緩和される。
【実施例】
【0022】
次に、本発明の微弱放射線照射用組成物を、実施例を参照して詳細に説明するが、本発明は、下記の実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0023】
[参考例1]
鉱石の全元素分析
【0024】
カルシウム含有鉱石((株)チエ、『アパタイト』)を、粒径47μm程度になるように粉砕し、白色粉末を得た。次いで、波長分散型蛍光X線分析装置(理学電機工業(株)、『ZSX101e』)を用いて得られた粉末の全元素測定を行い、その結果を図1〜図4に示した。なお、全元素測定は、測定径30mm、測定元素F〜Uで行った。
【0025】
図1〜図4の結果から明らかなとおり、この粉末には、放射性元素であるトリウムが酸化トリウムとして、及びウランが酸化ウランとして含まれていることがわかった。
【0026】
[参考例2]
鉱石の全元素分析
【0027】
ケイ酸含有鉱石((株)チエ、『A−071』)を、参考例1と同様にして、粉砕した後に全元素測定を行い、その結果を図5〜図7に示した。
【0028】
図5〜図7の結果から明らかなとおり、この粉末には、放射性元素であるトリウムが酸化トリウムとして含まれていることがわかった。
【0029】
[実施例1]
本発明の成形品の作製
【0030】
一辺が15mmの炭素繊維クロス(三菱レイヨン(株)、『パイロフィルクロス』)を1mmの長さにカットしてカーボンファイバーを得た。次いで、得られたカーボンファイバー0.0075g並びに参考例1のカルシウム含有鉱石粉末及び型取り用シリコーンゴム(旭化成ワッカーシリコーン(株)、『SLJ3266』)との所定割合の混合物5.0gとをシャーレにそれぞれ入れて混練して室温で一晩放置して硬化させた後、シャーレから取り出して本発明の成形品(以下、『本発明品』という)を得た。
各試料の放射線量の測定
【0031】
得られた本発明品を容器に入れ、ガイガーカウンター放射線測定器(S.E.International社製、『インスペクター』)を用いて放射線量を測定した。また、本発明品と比較するために、カーボンファイバーを用いずに成形した以外は本発明品と同様にして作製した従来の成形品(以下、『比較品』という)と、参考例1のカルシウム含有鉱石粉末5.0gとを用い、本発明品と同様にして放射線量を測定した。
【0032】
その結果、本発明品の放射線量は0.587〜0.658μSv/hであり、比較品の放射線量は0.329〜0.527μSv/hであり、カルシウム含有鉱石粉末の放射線量は0.634〜0.796μSv/hであった。この結果から明らかなように、本発明品は、成形加工したにもかかわらず、比較品の放射線量よりも多く、またカルシウム含有鉱石試料とほぼ同等の放射線量が放出されていることから、放射線の減衰が抑制されていることがわかった。
【0033】
[実施例2]
本発明の成形品の調製
【0034】
参考例2のケイ酸含有鉱石粉末を用いた以外は実施例1と同様にして、本発明品a〜eを得た。なお、ケイ酸含有鉱石粉末の混合割合は、シリコーンゴムに対してそれぞれ0,10,20,30,40%である。また、各成形品と比較するために、カーボンファイバーを用いずに成形した以外は本発明品a〜eと同様にして、比較品a〜hを作製した。なお、ケイ酸含有鉱石粉末の混合割合は、混合物に対してそれぞれ0,10,20,30,40,50,60,70%である。
マイナスイオン発生量の測定
【0035】
得られた本発明品a〜e及び比較品a〜hについて、マイナスイオン測定器((株)佐藤商事、『COM−3010PRO』)を用いてマイナスイオンの発生量をそれぞれ測定した結果を表1に示した。
【表1】

【0036】
表1から明らかなように、本発明品a〜eのケイ酸含有鉱石粉末の混合割合に依らずに、比較品a〜hと比べてマイナスイオン発生量が増加していることがわかった。また、本発明品a〜eにおいて、ケイ酸含有鉱石粉末の混合割合が40%以上になると硬化し難いことがわかった。
【0037】
[実施例3]
本発明の成形品の調製
【0038】
炭素繊維クロスを0.03,3,5mm長さにそれぞれカットしてカーボンファイバーを得た以外は実施例2と同様にして、本発明品f〜hを作製した。なお、ケイ酸含有鉱石粉末の混合割合は、得られた混合物に対して50%である。
マイナスイオン発生量の測定
【0039】
得られた本発明品f〜hについて、実施例2と同様にしてマイナスイオンの発生量をそれぞれ測定した結果を表1に示した。
【0040】
表1から明らかなように、本発明品f〜hに添加したカーボンファイバーの長さに比例して、マイナスイオン発生量が増加していることがわかった。
【産業上の利用可能性】
【0041】
上述したように、本発明は、微弱放射性物質の含有量を抑えつつ被照射物に有効な照射線量を照射することができるので、成形物の製造コストが低減されるばかりでなく、成形性や強度等の物理特性に優れた成形物を得ることができ、また、高い放射能を有する物質を用いる必要がないので安全性が高く製造工程等における取り扱いも容易であり、防放射線層等の放射線防護構造を備える必要がないのでコンパクトで低コストの成形品を提供することができるので、内燃機関の燃費向上材、湯冷め防止材或いは血行改善材として利用した場合極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明に利用される鉱石のSQX分析結果を示す図である(参考例1)。
【図2】本発明に利用される鉱石の定性分析チャートを示す図である(参考例1)。
【図3】本発明に利用される鉱石のピーク同定結果を示す図である(参考例1)。
【図4】図3の続きを示す図である(参考例1)。
【図5】本発明に利用される鉱石のSQX分析結果を示す図である(参考例2)。
【図6】本発明に利用される鉱石の定性分析チャートを示す図である(参考例2)。
【図7】本発明に利用される鉱石のピーク同定結果を示す図である(参考例2)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
微弱な放射線を放出する微弱放射性物質と、
被照射物に実際に照射される放射線量を人体に悪影響を及ぼさない範囲で増幅する放射線増幅材と、
成形材と、
を含む、微弱放射線照射用組成物。
【請求項2】
前記微弱放射性物質は、放射性元素又は放射性同位体の単体、水素化物、ハロゲン化物、酸化物、水酸化物、カルコゲン化物、窒化物、炭化物若しくはホウ化物又はこれらの混合物を含む、請求項1に記載の微弱放射線照射用組成物。
【請求項3】
前記放射性元素又は前記放射性同位体は、トリウム、ウラン又はラジウムである、請求項2に記載の微弱放射線照射用組成物。
【請求項4】
前記放射線増幅材は、繊維状、糸状、針状又は棒状の形状を有し、炭素含有物質である、請求項1〜3の何れか1項に記載の微弱放射線照射用組成物。
【請求項5】
前記炭素含有物質は、炭素繊維若しくは炭素クラスター又はこれらの混合物である、請求項4に記載の微弱放射線照射用組成物。
【請求項6】
前記放射線増幅材は、0.01〜10mmの粒子長である、請求項1〜5の何れか1項に記載の微弱放射線照射用組成物。
【請求項7】
前記放射線増幅材は、前記放射線量を1.1〜2.0倍に増幅するものである、請求項1〜6の何れか1項に記載の微弱放射線照射用組成物。
【請求項8】
被照射物に実際に照射される増幅された放射線量が、0.4〜0.7μSv/hである、請求項1〜7の何れか1項に記載の微弱放射線照射用組成物。
【請求項9】
前記成形材は、ゴム、熱可塑性エラストマー、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂である、請求項1〜8の何れか1項に記載の微弱放射線照射用組成物。
【請求項10】
前記成形材は、シリコーンゴム、セラミック、粘土又は金属である、請求項1〜9の何れか1項に記載の微弱放射線照射用組成物。
【請求項11】
請求項1〜10に記載の微弱放射線照射用組成物を用いることを特徴とする、内燃機関の燃費向上材。
【請求項12】
板状、帯板状、円盤状又はパイプ状の形状を有し、ラジエーター、吸入経路、エアクリーナー、スロットルバルブ、インテークマにホールド、ヘッドカバー、エンジンブロック、オイルパン、冷却水路、潤滑油経路、オイルフィルター又はオイルクーラーの内部に投下し又は内外壁に貼付して使用される、請求項11に記載の内燃機関の燃費向上材。
【請求項13】
請求項1〜10に記載の微弱放射線照射用組成物を用いることを特徴とする、湯冷め防止材。
【請求項14】
板状、帯板状、円盤状、球状、棒状又は楕円体状の形状を有し、湯船に投下して使用される、請求項13に記載の湯冷め防止材。
【請求項15】
請求項1〜10に記載の微弱放射線照射用組成物を用いることを特徴とする、血行改善材。
【請求項16】
シート状、フィルム状又は円盤状の形状を有し、患部近辺の表皮に貼付して使用される、請求項15に記載の血行改善材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−71124(P2010−71124A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−237538(P2008−237538)
【出願日】平成20年9月17日(2008.9.17)
【出願人】(508281251)株式会社ハシモト (1)
【Fターム(参考)】