説明

微細化混合装置

【課題】構造が簡易で小型化が容易であり、また、安価に製造できる微細化混合装置を提供すること。
【解決手段】微細化混合装置1は、流路20を形成する流路管2内に振動オリフィス部材3を備える。振動オリフィス部材3はシールリング4と振動オリフィス板5で形成され、互いに螺合する入口管21と出口管22との間に挟持されて固定される。振動オリフィス板5はステンレス製の円盤からなり、同心の円形の貫通孔51と、貫通孔51に連なる放射状のスリット52,52,・・・を備える。空気と水が予め混合された混合流体が、流路管2の入口管21の入口開口21aから流入し、振動オリフィス部材3の振動オリフィス板5の貫通孔51を通過する際に急縮作用と振動作用を受け、空気が微細化して直径10nm〜数10μmのマイクロナノバブルが生成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば液体中に微細気泡が分散する混合流体や、液体中に他の液体の微細粒子が分散する混合流体を生成する微細化混合装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、流体を微細化して他の流体に分散させてなる混合流体は、微細化された流体の粒子がバルク状態の場合と異なる物性を示すことから、多くの技術分野で活用されている。
【0003】
例えば、約10nm〜数100nmの直径のナノバブルを水中に分散させてなるナノバブル水を、汚水の浄化や、養殖における成長促進や、植物の栽培促進に利用することが研究されている。ナノバブル水の生成方法としては、水と空気の混合流体にせん断力を作用させてナノバブルを生成する気液せん断方式によるものが知られている。気液せん断方式のナノバブル生成装置としては、筒状のケーシング内に、螺旋状に形成された流路を有する上流側のスクリュー部と、流路壁に突起が配置された下流側のカッター部とを備えたものがある(例えば特許文献1参照)。
【0004】
このナノバブル生成装置は、ポンプでケーシング内に圧送した空気と水の混合流体に、スクリュー部で旋回力と遠心力とを付与した後、カッター部で混合流体中の気泡の分断、微細化を行ない、直径が0.5〜3μm程度の微細気泡を含有する気液混合流体を吐出するように構成されている。
【0005】
また、ディーゼルエンジン、タービンエンジン又はボイラー等の燃料として、水油エマルジョンを用いることにより、COやNOx等の発生を低減することが研究されている。水油エマルジョンは、水又は油をサブミクロンオーダーの直径に微細化して油又は水に分散させたものであり、一般的に乳化剤が添加されて水と油の分離が抑制される。水油エマルジョンを生成する装置としては、筒状ケーシング内に、ナノメートルオーダーの微細孔が無数に形成された管状の多孔質ガラス膜を設置したものがある(例えば特許文献2参照)。
【0006】
この水油エマルジョン生成装置は、乳化剤が添加された水を管状の多孔質ガラス膜内に流した状態で、ケーシングと多孔質ガラス膜の間に油を圧送することにより、微細孔を通過して微細化した油を水に混合して水油エマルジョンを生成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002−085949号公報
【特許文献2】特許第2733729号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載のナノバブル生成装置は、ケーシング内のスクリュー部に螺旋状の流路を有すると共に、カッター部に突起が設けられた流路を有するので、構造が複雑であり、装置の大型化とコスト高を招くという問題がある。また、螺旋状の流路と突起が設けられた流路は圧力損失が比較的大きいので、ポンプによる混合流体の圧送圧力を高く設定する必要があり、その結果、配管系統の耐圧化が必要となってコスト高を招くという問題がある。
【0009】
一方、特許文献2に記載の水油エマルジョン生成装置は、多孔質ガラス膜の表裏に圧力差を与え、押し出し作用によって水又は油の微細化を行うので、水油エマルジョンの生成量に応じた多孔質ガラス膜の表面積が必要となり、装置の大型化を招くという問題がある。また、微細化を行うにあたり、水又は油が微細孔を通過する時間がかかり、微粒子の生成効率が悪いという問題がある。また、多孔質ガラス膜が破損し易いので、車両のエンジン等には適用が困難であるという問題がある。さらに、水油エマルジョンに添加された乳化剤に起因して、燃焼時に有害物質が発生する不都合がある。
【0010】
そこで、本発明の課題は、少なくとも1つの流体を微細化して他の流体に分散させて微細化混合流体を生成する微細化混合装置に関し、構造が簡易で小型化が容易であり、また、安価に製造できる微細化混合装置を提供することにある。また、破損し難くて耐久性の良好な微細化混合装置を提供することにある。さらに、生成した微細化混合流体が燃料に使用された場合、微細化混合流体の燃焼に伴う有害物質の発生を削減できる微細化混合装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため、本発明の微細化混合装置は、複数種類の流体が予め混合された混合流体のうちの少なくとも一種類の流体を微細化して微細化混合流体を生成する微細化混合装置であって、
混合流体が導かれる流路と、
上記流路の途中に配設され、上記流路の断面よりも小さい断面を有する縮小通路と、この縮小通路を取り囲む振動体とを有する縮小振動部材を備えることを特徴としている。
【0012】
上記構成によれば、流路に導かれた混合流体は、縮小振動部材の縮小通路を通る際の急縮作用と、振動体による振動作用により、少なくとも1種類の流体が微細化され、この微細化された流体が他の流体に拡散して微細化混合流体が生成される。このように、本発明の微細化混合装置は、縮小通路と振動体とを有する縮小振動部材を用いて比較的簡易な構造で構成されるので、小型化が容易であり、比較的低コストで作製できる。
【0013】
また、本発明の微細化混合装置は、主に縮小通路で圧力損失が生じるので、例えば螺旋状の通路と突起が設けられた流路とを流下させる従来のナノバブル生成装置よりも圧力損失量が少ない。したがって、微細化混合装置への混合流体の供給圧を低くできるから、混合流体を供給する配管系統の耐圧規格を低くでき、コスト削減ができる。
【0014】
また、本発明の微細化混合装置は、縮小振動部材による急縮及び振動作用によって流体の微細化を行うので、例えば多孔質ガラス膜を用いた水油エマルジョン生成装置よりも、小型化ができ、また、微細粒子の生成時間を短縮して効率を向上できる。さらに、流路及び縮小振動部材は、樹脂材料や金属材料で形成できるので、例えば多孔質ガラス膜で形成された従来の水油エマルジョン生成装置よりも破損し難く、良好な耐久性が得られる。
【0015】
また、本発明の微細化混合装置は、縮小振動部材による急縮及び振動作用によって流体の微細化を行うので、例えば油及び水の混合流体に対して、油又は水を微細化してエマルジョンを生成する場合においても、乳化剤が不要である。したがって、この微細化混合装置により生成した微細化混合流体が油及び水を含み、燃料として使用された場合、乳化剤に起因する有害物質の発生を防止できる。
【0016】
本発明において、混合流体を形成する複数種類の流体は、気体及び液体のいずれでもよく、複数の気体と複数の液体で混合流体が形成されてもよい。また、複数の液体で混合流体が形成されてもよい。
【0017】
また、本発明において、微細化とは、流体の粒径を10nm〜数10μmの範囲に小さくすることをいう。例えば、微細化の対象が気体である場合、直径が10nm〜数10μmのマイクロナノバブルを生成することをいい、好ましくは、10nm〜数100nmのナノバブルを生成することをいう。
【0018】
一実施形態の微細化混合装置は、上記縮小振動部材は、板状体と、この板状体に形成された貫通孔と、この貫通孔に連なって板状体に形成された切り込みとを有し、
上記貫通孔が縮小通路であり、上記板状体の切り込みの隣接部分が振動体である。
【0019】
上記実施形態によれば、板状体に、貫通孔と、この貫通孔に連なる切り込みとを形成することにより、縮小通路と振動体とを一体に形成することができる。したがって、少ない部品点数によって微小振動部材を作製できるので、縮小通路と振動体を別体に形成するよりも微小振動部材を容易に作製でき、微小振動部材の小型化ができ、また、微細化混合装置の組み立てを容易にできる。さらに、切り込みの寸法を適宜変更することにより、振動モードの異なる振動体を形成できるので、複数の振動モードの振動体を少ない手間で安価に製造できる。
【0020】
なお、本発明において、縮小振動部材の切り込みの形状は特に限定されず、細長のスリット形状や、等辺の切欠き形状等の種々の形状を設定できる。要は、貫通孔に連なる切り込みにより、板状体の切り込みの隣接部分が振動可能となれば、切り込みの形状は限定されない。ここで、板状体の切り込みを複数個規制し、板状体の切り込みの間の部分が振動体であるのが、振動体の動数モードを容易に設定できる点で好ましい。
【0021】
他の実施形態の微細化混合装置では、上記縮小振動部材は、板状体と、この板状体に形成された複数の貫通孔とを有し、
上記複数の貫通孔が縮小通路であり、上記板状体の複数の貫通孔の隣接部分が振動体である。
【0022】
上記実施形態によれば、板状体に複数の貫通孔を形成することにより、混合流体に対する急縮作用と振動作用を奏することができる。ここで、上記貫通孔は、互いに異なる径を有し、板状体に偏在して形成されるのが好ましい。
【0023】
一実施形態の微細化混合装置は、流路の軸線方向に複数の縮小振動部材を備える。
【0024】
上記実施形態によれば、流路を流れる混合流体に、複数の縮小振動部材によって急縮作用と振動作用を順次与えることにより、効果的に微細化混合流体が得られる。ここで、混合流体に含まれる流体の種類に応じて、縮小振動部材の設置数を変更することにより、同一の部品を用いて種々の用途に対応することができる。また、生成すべき粒径に応じて縮小振動部材の数を変更することにより、同一の部品を用いて種々の粒径の微粒子を有する微細化混合流体が得られる。このように、縮小振動部材と流路の形成部材とを規格化することにより、幅広い用途及び粒子径の微細化混合流体を安価に提供することができる。
【0025】
一実施形態の微細化混合装置は、流路の縮小振動部材の近傍に接続され、流路との間で混合流体が流通するように形成された緩衝容器を備える。
【0026】
上記実施形態によれば、緩衝容器内で混合流体と気体との間に境界面が形成されることにより、混合流体に緩衝作用が与えられ、縮小振動部材による混合流体の微細化を促進することができる。なお、緩衝容器内で混合流体との間に境界面を形成する気体は、混合流体に含まれる流体でもよく、或いは、空気でもよい。また、緩衝容器と縮小振動部材との間に共鳴効果が得られるように形成してもよい。例えば、緩衝容器の寸法に基づいて求められる振動数を、振動体の振動数に対応した値に設定することができる。
【0027】
一実施形態の微細化混合装置は、流路の軸線方向に複数の縮小振動部材を備え、
複数の縮小振動部材の間の少なくとも1箇所に、上記緩衝容器が設けられている。
【0028】
上記実施形態によれば、緩衝容器を複数の縮小振動部材の間に適宜設置することにより、縮小振動部材による混合流体の微細化を促進することができる。また、縮小振動部材と流路の形成部材と共に緩衝容器を規格化することにより、縮小振動部材と流路の形成部材と緩衝容器の組み合わせを適宜設定できるので、幅広い用途及び粒子径に対応して比較的安価に微細化混合装置を製造できる。
【0029】
一実施形態の微細化混合装置は、上記縮小振動部材の貫通孔が多角形に形成され、
上記縮小振動部材の切り込みが、上記多角形の貫通孔の1つの辺の両端から、各辺に対応して2本ずつ互いに平行に延在するように形成されている。
【0030】
上記実施形態によれば、多角形の貫通孔の1つの辺ごとに、この辺の両端から平行に延在する2本の切り込みの間に、矩形の振動体を形成することができる。
【0031】
一実施形態の微細化混合装置は、上記縮小振動部材の縮小通路が、下流側が拡径したテーパ状に形成されている。
【0032】
上記実施形態によれば、混合流体の圧力損失を低減できるので、混合流体の微細化効率を向上することができる。ここで、縮小通路のテーパ状の部分は、出口側の一部であってもよく、縮小通路の全部であってもよい。
【0033】
一実施形態の微細化混合装置は、混合流体は、気相の第1流体と液相の第2流体とが混合されている。
【0034】
上記実施形態によれば、気相の第1流体の微細気泡を、液相の第2流体中に拡散してなる微細化混合流体が得られる。ここで、第1流体が空気であり、第2流体が水である場合、汚水の浄化や、養殖の成長促進や、植物の栽培促進に用いるマイクロナノバブル水が得られる。特に、オゾンのナノバブルを含む水は、1ヶ月以上に渡って殺菌効果等を持続できる。また、酸素が添加されていると共にナノバブルを包含する水は、生物に対する活性効果が認められる。したがって、ナノバブル及びマイクロナノバブルは、特に、医療、食品加工及び農水産業等での利用が期待できる。
【0035】
ここで、第1流体の微細気泡を第2流体の水中に拡散して微細化混合流体を生成する場合、水に電解質イオンを添加し、この電解質イオンを含んだ水の中でマイクロバブルを圧壊させることにより、特にナノバブルを安定して生成することができる。これは、バブル界面に集積した電荷の静電気的反発力とイオン類とが、バブルを包み込む殻として作用したことによると考えられる。
【0036】
一実施形態の微細化混合装置は、混合流体は、液相の第1流体と液相の第2流体とが混合されている。
【0037】
上記実施形態によれば、液相の第1流体の微粒子を、液相の第2流体中に拡散してなる微細化混合流体が得られる。ここで、第1流体が油であると共に第2流体が水である場合、又は、第1流体が水であると共に第2流体が油である場合、燃料としてエンジン、タービン、バーナ及びボイラ等に適用可能な水油エマルジョンが得られる。なお、水油エマルジョンを燃料として利用する場合、例えばオゾン等の酸化剤を添加しておくことにより、燃料の完全燃焼を促進することができる。
【発明の効果】
【0038】
本発明によれば、縮小振動部材の縮小通路によって流体に急縮作用を与えると共に、振動体によって流体に振動作用を与えることにより、簡易な構造で流体の微細化を行うことができ、小型化とコスト低減が可能な微細化混合装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1A】本発明の第1実施形態の微細化混合装置を示す縦断面図である。
【図1B】振動オリフィス部材のシールリングを示す正面図である。
【図1C】振動オリフィス部材の振動オリフィス板を示す正面図である。
【図1D】変形例の振動オリフィス板を示す正面図である。
【図2A】第2実施形態の微細化混合装置を示す縦断面図である。
【図2B】振動オリフィス部材の振動オリフィス板を示す正面図である。
【図2C】変形例の振動オリフィス板を示す正面図である。
【図3A】第3実施形態の微細化混合装置を示す縦断面図である。
【図3B】変形例の微細化混合装置を示す縦断面図である。
【図3C】変形例の微細化混合装置を示す縦断面図である。
【図4A】第4実施形態の振動オリフィス部材の振動オリフィス板を示す平面図である。
【図4B】振動オリフィス板の断面図である。
【図4C】振動オリフィス板の小貫通孔の拡大断面図である。
【図5】第5実施形態の燃料供給装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0041】
(第1実施形態)
図1Aは、本発明の第1実施形態の微細化混合装置を示す縦断面図である。この微細化混合装置1は、気体としての空気を微細化して液体としての水に分散させて、マイクロナノバブルを生成する微細化混合装置である。
【0042】
この微細化混合装置1は、内部に流路20を形成する流路管2と、流路管2内に流路20を横断するように設置された縮小振動部材としての振動オリフィス部材3を備える。
【0043】
流路管2は、円形断面を有する円筒管であり、混合流体の入口側の入口管21と、混合流体の出口側の出口管22とで形成されている。入口管21と出口管22は、塩化ビニル等の樹脂、又は、ステンレス等の金属により形成することができる。入口管21は一端に入口開口21aを有し、この入口開口21aの周りに形成されたフランジを介して、混合流体を供給する図示しない供給管に接続される。出口管22は一端に出口開口22aを有し、この出口開口22aの周りのフランジを介して、微細化後の混合流体を排出する図示しない排出管に接続される。
【0044】
入口管21の他端と、出口管22の他端には、互いに螺合する螺旋溝が設けられている。入口管21の他端の内周側には、螺旋溝に隣接して環状の段部が設けられている。また、出口管22の他端の内周側には、螺旋溝に隣接して環状の段部が設けられている。これら入口管21の環状段部と出口管22の環状段部との間に振動オリフィス部材3を挟み、螺旋溝を互いに螺合することにより、入口管21と出口管22との間に振動オリフィス部材3を固定している。
【0045】
振動オリフィス部材3は、流路管2の内周面に対してシールを行うシールリング4と、シールリング4の内周側に配置される振動オリフィス板5とを有する。図1Bはシールリング4の正面図であり、図1Cは振動オリフィス板5の正面図である。振動オリフィス板5は、ステンレス製の円盤に、貫通孔51と、切り込みとしてのスリット52とが形成されている。ステンレス製円盤は直径が約22mm、厚みが約0.8mmである。貫通孔51は、振動オリフィス板5と同心の円形であり、直径が約5mmに形成されている。スリット52は、貫通孔51の周面から径方向に延びる細長の貫通孔であり、幅が約3mm、長さが約6mmに形成されている。スリット52は12本設置され、互いに等角度をおいた放射状をなしている。これら12本のスリット52,52,・・・の間の振動オリフィス板5の部分が、振動体として機能する。
【0046】
入口管21に接続された供給管の上流側には、空気と水を予め混合する前混合装置が接続されている。前混合装置としては、例えば、水を加圧するポンプと、ポンプの吐出側に配置されて空気を吐出するエジェクタノズルとを有し、ポンプが吐出する圧力水にエジェクタノズルで空気を混合させるように形成したものを用いることができる。なお、前混合装置としては、公知の気液混合ポンプを用いてもよい。
【0047】
上記微細化混合装置1は、以下のようにして動作する。まず、前混合装置が作動し、気泡を含んだ水である混合流体が、供給管を経て入口管21に供給される。前混合装置から供給される混合流体の気泡は、直径が約数100μm〜数ミリ程度であるのが好ましい。また、混合流体は、入口管21の入口開口21aにおいて、流速が約1〜50L/min、かつ、圧力が約0.1〜5MPaであるのが好ましい。
【0048】
入口開口21aから流路管2の流路20内に流入した混合流体は、振動オリフィス部材3の貫通孔51を通過するに伴って流速が上昇すると共に下流側の圧力が低下する。この圧力の変化と流れにより、振動オリフィス板5のスリット52,52の間の部分が振動する。このような混合流体が貫通孔51を通過する際の急縮作用と、振動オリフィス板5の振動作用により、混合流体の気泡が微細化され、直径が10nm〜数10μmのマイクロナノバブルが生成される。こうして振動オリフィス部材3で生成されたマイクロナノバブルが水に分散してなる微細化混合流体が、出口管22の出口開口22aから排出管に排出される。
【0049】
以上のように、第1実施形態の微細化混合装置1は、流路管2内に振動オリフィス部材3を備える比較的簡易な構成により、マイクロナノバブルを生成することができる。したがって、この微細化混合装置1は小型化が容易であり、また、少ない部品点数で作成できてコスト削減を比較的容易に行うことができる。また、本実施形態の微細化混合装置1は、従来の旋回状の流路と突起が設けられた流路とを備えるナノバブル生成装置よりも圧力損失が小さい。したがって、従来よりも低圧及び低流速で動作できるので、耐圧対策を簡素にでき、コスト削減を行うことができる。
【0050】
また、本実施形態の微細化混合装置1は、気泡の微細化を行う振動オリフィス部材3を、互いに螺合する入口管21と出口管22との間に固定するので、振動オリフィス部材3の交換を容易に行うことができ、メンテナンスの手間を削減できる。また、微細化混合装置1は、混合流体の供給管や排出管と概ね同じ径の円筒形状であるので、効果的に小型化を行うことができる。したがって、この微細化混合装置1を適用する各種装置の小型化を図ることができる。
【0051】
この微細化混合装置1により生成したマイクロナノバブルを含む微細化混合流体は、ミクロンレベルの気泡を含む水と比較して特有の物理化学特性を有し、例えば、水質浄化や、養殖における成長促進や、植物の栽培促進に利用することができる。なお、本実施形態の微細化混合装置1は、微細化混合流体の使用目的に応じて、空気に替えて酸素や他の気体を混合することができる。
【0052】
上記実施形態において、振動オリフィス部材3には、微細化する気体の種類や、気泡を分散させる流体の種類や、予め混合される気泡の大きさや、混合流体の流速に応じて、種々の形状の振動オリフィス板5を採用することができる。例えば、図1Dに示すように、スリット52の長さを長く形成することができ、これにより、振動オリフィス板5のスリット52相互間に形成される振動体の固有振動数を低減させて、低流速の混合流体の微細化に適した振動オリフィス部材3が得られる。
【0053】
また、振動オリフィス板5の貫通孔51は、混合流体の流れ方向に向かって径が拡大するテーパ形状に形成するのが好ましく、これにより、急縮作用を安定して奏することができる。
【0054】
(第2実施形態)
図2Aは、本発明の第2実施形態の微細化混合装置を示す縦断面図である。この微細化混合装置11は、第1液相流体としての油を微細化し、第2液相流体としての水に分散させて、微細化混合流体としての水油エマルジョンを生成する微細化混合装置である。
【0055】
この微細化混合装置11は、第1実施形態の微細化混合装置1の構成部品と同様の部品を用いて構成され、内部に流路20を形成する流路管2内に、縮小振動部材としての振動オリフィス部材3が2つ設置されている。第2実施形態において、第1実施形態と同一の部分には同一の参照番号を付して、詳細な説明を省略する。
【0056】
流路管2は、第1実施形態の微細化混合装置と同様の入口管21と出口管22との間に、中継管23を配置している。中継管23の両端には、螺旋溝と環状段部が設けられている。中継管23の一端の環状段部と入口管21の他端の環状段部との間に振動オリフィス部材3を挟んで螺旋溝が互いに螺合し、また、中継管23の他端の環状段部と出口管22の他端の環状段部との間に振動オリフィス部材3を挟んで螺旋溝が互いに螺合している。これにより、入口管21と中継管23と出口管22との間に、夫々振動オリフィス部材3を固定している。
【0057】
第2実施形態の振動オリフィス板5は、図2Bに示すように、正六角形の貫通孔151を中央に有し、この正六角形の貫通孔151の各辺の両端から、互いに平行かつ貫通孔151の各辺と直角をなす2つのスリット152,152が設けられている。これにより、正六角形の貫通孔151の頂点から、2つのスリット152,152が隣り合う辺に対して夫々直角方向に延びている。これらのスリット152,152,・・・の間に、貫通孔151の各辺の外径側に延びるリード状の振動体と、貫通孔151の頂点の外径側に延びる鋭角の振動体を形成している。スリット152の長さは、貫通孔151の対向する辺間の距離の約1.5倍程度の長さに設定されている。
【0058】
第2実施形態の微細化混合装置11は、入口管21に接続された供給管の上流側に、油と水を予め混合する混合ポンプが接続されている。混合ポンプは、公知のミキシングポンプを用いることができる。
【0059】
第2実施形態の微細化混合装置11は、ミキシングポンプから供給された水と油の混合流体が、供給管を経て入口管21に供給される。ミキシングポンプから供給される混合流体は、直径が約数100μm〜数ミリ程度の粒径の油が水に分散しているのが好ましい。また、水と油の混合流体は、入口管21の入口開口21aにおいて、流速が約10〜50m/s、かつ、圧力が約0.3〜1MPaであるのが好ましい。
【0060】
入口開口21aから流路管2の流路20内に流入した混合流体は、2つの振動オリフィス部材3を通過することにより、各振動オリフィス部材3の貫通孔151を通過する際の急縮作用と、振動オリフィス板5の振動作用が繰り返される。これにより、油粒子が微細化され、直径が10nm〜数10μmの油の微粒子が生成され、この油微粒子が水に分散した水油エマルジョンが得られる。こうして生成された水油エマルジョンが出口管22の出口開口22aから排出管に排出され、排出管の下流側に接続されたプランジャポンプ等の燃料噴射装置を通して、バーナやエンジン等に供給される。
【0061】
本実施形態の微細化混合装置11によれば、流路管2内に複数の振動オリフィス部材3を備える比較的簡易な構成により、水油エマルジョンを生成することができる。したがって、この微細化混合装置11は、多孔質ガラス膜で油の微細化を行う従来の水油エマルジョン生成装置よりも、小型化ができる。また、振動オリフィス部材3の急縮作用と振動作用によって油の微細化を行うので、従来の水油エマルジョン生成装置よりも油粒子の生成時間を大幅に短縮でき、したがって、水油エマルジョンの生成効率を効果的に向上できる。さらに、本実施形態の微細化混合装置11は、一般的な樹脂材料や金属材料で作製できるので、ガラス材料を用いた従来の水油エマルジョン生成装置よりも良好な耐久性が得られる。したがって、車両のエンジン等の振動や衝撃を受ける環境下においても安定して水油エマルジョンを生成できる。
【0062】
本実施形態において、油としては、軽油、灯油、重油又は植物油、或いは廃油等の種々の油を採用できる。特に、本実施形態の微細化混合装置11は、C重油や廃動植物油のような粘性の高い油を効果的に微粒子化することができる。粘性の高い油を微粒子化する場合、振動オリフィス部材3の個数を2以上とするのが好ましい。また、上流側の振動オリフィス部材3の貫通孔151よりも、上流側の振動オリフィス部材3の貫通孔151を小さく形成すると共に、上流側の振動オリフィス部材3の振動オリフィス板5の厚みよりも、上流側の振動オリフィス部材3の振動オリフィス板5の厚みを小さくするのが好ましい。これらの構成により、下流側の振動オリフィス部材3に向かうにつれて、混合流体に与える急縮作用及び振動作用が増大し、粒子径を順次小さくして微粒子化を効果的に行うことができる。なお、振動オリフィス部材3の振動作用は、スリット152の長さや配置位置を変えて調整してもよい。
【0063】
このように、粘性度に応じて振動オリフィス部材3の個数や設定を適宜変更することにより、種々の油を微粒子化することができる。
【0064】
また、本実施形態の微細化混合装置11は、油を微粒子して水に分散させる以外に、水を微粒子化して油中に分散させることもできる。
【0065】
上記実施形態において、振動オリフィス部材3には、図2Cに示すような振動オリフィス板5を用いてもよい。この振動オリフィス板5は、正六角形の貫通孔151の各辺の両端から各辺と直角方向に延在するスリット152,152を短く形成したものであり、図2Bの振動オリフィス板5よりも、スリット152,152,・・・の間に形成される振動体の固有振動数を低く設定できる。これにより、高流速の混合流体の微細化に適した振動オリフィス部材3が得られる。また、低粘性の流体に対して微細化の効果を高めることができる。
【0066】
また、振動オリフィス板5の貫通孔151は、混合流体の流れ方向に向かって径が拡大するテーパ形状に形成するのが好ましく、これにより、急縮作用を安定して奏することができる。
【0067】
(第3実施形態)
図3Aは、本発明の第3実施形態の微細化混合装置101を示す縦断面図である。この微細化混合装置1は、気体としての空気を微細化して液体としての水に分散させて、マイクロナノバブルを生成する微細化混合装置である。
【0068】
この微細化混合装置101は、第1実施形態の微細化混合装置1に、緩衝容器6を備えたものである。本実施形態において、第1実施形態と同一の部分には同一の参照番号を付して、詳細な説明を省略する。
【0069】
本実施形態の微細化混合装置101は、流路管2の側面に、流路管2の軸線と略直角に延在する緩衝容器6が設けられている。この緩衝容器6は、流路管2の中継管23の側面に固定されて流通管2内に連通する円筒管61と、この円筒管61の上端に固定されたキャップ62とを有する。この微細化混合装置101は、緩衝容器6内に空気が残留した状態で、混合流体が流路管2内に供給される。緩衝容器6内の空気により、混合流体に対する緩衝作用が得られるので、振動オリフィス部材3により混合流体の気泡の微細化を促進することができる。
【0070】
図3Bは、本実施形態の変形例の微細化混合装置111を示す縦断面図である。この微細化混合装置111は、図3Aの微細化混合装置101を流路管2の軸線方向に順次接続して形成されている。すなわち、変形例の微細化混合装置111は、入口管21と出口管22との間に複数の中継管23を配置し、各中継管23の間に振動オリフィス部材3を配置すると共に、中継管23に一つおきに緩衝容器6を配置している。変形例の微細化混合装置111によれば、複数の振動オリフィス部材3による急縮作用及び振動作用と、緩衝容器6による緩衝作用により、微細化効果をさらに高めることができる。したがって、気体と液体の混合流体以外に、粘性の高い液体と液体の混合流体に対して微細化を行うことができる。
【0071】
図3Cは、本実施形態の変形例の微細化混合装置102を示す縦断面図である。この微細化混合装置102は、タンク型の緩衝容器6を備えたものである。この緩衝容器6は、中継管23の側面に固定されて中継管23内に連通する接続管65と、接続管65に接続されたタンク66とを有する。タンク型の緩衝容器6により、混合流体に対する緩衝作用を増大することができる。
【0072】
(第4実施形態)
図4Aは、第4実施形態の振動オリフィス部材3の振動オリフィス板5を示す平面図である。本実施形態の振動オリフィス板5は、大径の大貫通孔55と小径の小貫通孔56が設けられている。大貫通孔55と小貫通孔56は、直径の比率が2.5:1に設定されており、同一直径上に偏心して配置されている。大貫通孔55と小貫通孔56は、図4Bの断面図に示すように、一方から他方の面に向かって径が拡大するテーパ形状に形成されており、小貫通孔56の拡大断面図である図4Cに矢印Aで示すように、混合流体が大貫通孔55と小貫通孔56を小径側から大径側に向かって流れる。これにより、大貫通孔55と小貫通孔56との両方において急縮作用が得られると共に、振動オリフィス板5の大貫通孔55と小貫通孔56の隣接部分に振動作用が得られる。その結果、例えば空気と水の混合流体のうちの空気が微細化され、マイクロナノバブルが生成される。また、例えば油と水の混合流体のうちの油が微細化され、水油エマルジョンが生成される。
【0073】
本実施形態において、大貫通孔55と小貫通孔56は、同一直径上に配置しなくてもよく、円形の振動オリフィス板5に偏心して配置されていればよい。また、大貫通孔55と小貫通孔56の直径の比率は、混合流体の種類や流速に応じて他の比率に設定することもできる。
【0074】
(第5実施形態)
図5は、本発明の微細化混合装置を用いて構成した燃料供給装置を示す図である。この燃料供給装置8は、水と油を混合してなる水油エマルジョンを生成してバーナに供給する装置である。この燃料供給装置8は、水を貯留する水タンク81と、油を貯留する油タンク82と、水タンク81からの水と油タンク82からの油とを前混合状態で圧送するポンプ83と、ポンプ83から圧送された水と油の混合流体を微細化して水油エマルジョンを生成する微細化混合装置84と、微細化混合装置84からの水油エマルジョンを外気に対して気密状態で貯留する貯留装置85で構成されている。
【0075】
水タンク81と油タンク82は、貯留装置85からのオーバーフローを戻す戻し管87に接続されている。水タンク81と戻し管87との間には、流量制御弁101と流量計102が介設されている。油タンク82と戻し管87との間には、流量制御弁201と流量計202が介設されている。各流量計102,202の計測値に基づいて、流量制御弁101,201の開度が調整されて、戻し管87に適量の水と油が供給されるようになっている。なお、流量制御弁101,201は、流量計102,202の計測値以外に、貯留装置85からバーナへの水油エマルジョンの供給量に基づいて制御してもよい。
【0076】
水タンク81の水には、電解質としての食塩と、酸化剤としてのオゾンが添加されている。食塩により、水又は油が微粒子化された際の安定化を促進することができ、長期に渡って油水分離を効果的に防止することができる。また、オゾンにより、水と油の微粒子混合流体が燃料として燃焼する際、水及び油からの生成物の酸化を促して、燃料の完全燃焼を促進することができる。
【0077】
ポンプ83は、水と油の混合流体を適切に加圧できればよく、水と油の攪拌機能は不要である。このポンプ83から送られた所定圧力及び流量の混合流体は、第2実施形態の微細化混合装置11と同様の構成の微細化混合装置84に供給される。ポンプ83の吐出量は、水タンク81の流量計102の計測値と、油タンク82の流量計202の計測値とに基づき、また、供給管89を通したバーナへの供給量に基づいて制御する。
【0078】
ポンプ83から送られた混合流体が、微細化混合装置84で水又は油が微細化されて水油エマルジョンが生成される。微細化混合装置84で生成された水油エマルジョンは、貯留装置85に供給される。
【0079】
貯留装置85は、水槽501と、水槽501内に配置されて下端が開放されたドーム容器502と、ドーム容器502内に配置されて微細化混合装置84からの水油エマルジョンを受ける受容器503と、受容器503から溢れた余剰の水油エマルジョンを回収する回収容器504を有する。水槽内501内に収容された各容器類は、水槽501内の水によって大気と遮断されるようになっている。受容器503に流入した水油エマルジョンは、供給管89を介して図示しないバーナ本体に送られて燃焼する。一方、余剰の水油エマルジョンは回収容器504から戻し管87を介してポンプ83に吸引される。
【0080】
本実施形態の燃料供給装置によれば、微細化混合装置84により、直径が10nm〜数10μmの水又は油の微粒子を生成できるので、乳化剤を添加しなくても微粒子が長時間に亘って保持される。したがって、水油エマルジョンを燃料として用いても、乳化剤の燃焼に起因する有害物質の生成を防止できる。また、水油エマルジョンの微粒子を持続できるので、エマルジョン形成の後に貯留装置85に貯留しても、再度攪拌等を行うことなくプランジャ等の加圧装置を介してバーナに送ることができる。したがって、燃料供給装置の構成部品を少なくでき、また、バーナへの燃料供給量の制御を容易かつ良好な応答で行うことができる。
【0081】
本実施形態の燃料供給装置は、水と混合する油として、軽油、灯油、重油又は植物油、或いは廃油等を用いることができる。
【0082】
また、本実施形態の燃料供給装置は、バーナ以外に、エンジンやタービン等に用いることができる。
【0083】
また、上記各実施形態において、振動オリフィス部材3の振動オリフィス板5は、例えばエンジニアプラスチックや繊維強化プラスチック等の樹脂や、ステンレスやチタン等の金属等、混合流体に応じて種々の材料を採用することができる。
【符号の説明】
【0084】
1 微細化混合装置
2 流路管
3 振動オリフィス部材
4 シールリング
5 振動オリフィス板
21 入口管
22 出口管
51 貫通孔
52 スリット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種類の流体が予め混合された混合流体のうちの少なくとも一種類の流体を微細化して微細化混合流体を生成する微細化混合装置であって、
混合流体が導かれる流路と、
上記流路の途中に配設され、上記流路の断面よりも小さい断面を有する縮小通路と、この縮小通路を取り囲む振動体とを有する縮小振動部材を備え、
上記流路の縮小振動部材の近傍に接続され、流路との間で混合流体が流通するように形成された緩衝容器を備えることを特徴とする微細化混合装置。
【請求項2】
請求項1に記載の微細化混合装置において、
上記縮小振動部材は、板状体と、この板状体に形成された貫通孔と、この貫通孔に連なって板状体に形成された切り込みとを有し、
上記貫通孔が縮小通路であり、上記板状体の切り込みの隣接部分が振動体であることを特徴とする微細化混合装置。
【請求項3】
請求項1に記載の微細化混合装置において、
流路の軸線方向に複数の縮小振動部材を備え、
複数の縮小振動部材の間の少なくとも1箇所に、上記緩衝容器が設けられていることを特徴とする微細化混合装置。
【請求項4】
請求項2に記載の微細化混合装置において、
上記縮小振動部材の貫通孔が多角形に形成され、
上記縮小振動部材の切り込みが、上記多角形の貫通孔の1つの辺の両端から、各辺に対応して2本ずつ互いに平行に延在するように形成されていることを特徴とする微細化混合装置。
【請求項5】
請求項1に記載の微細化混合装置において、
上記縮小振動部材の縮小通路が、下流側が拡径したテーパ状に形成されていることを特徴とする微細化混合装置。
【請求項6】
請求項1に記載の微細化混合装置において、
混合流体は、気相の第1流体と液相の第2流体とが混合された流体であることを特徴とする微細化混合装置。
【請求項7】
請求項1に記載の微細化混合装置において、
混合流体は、液相の第1流体と液相の第2流体とが混合された流体であることを特徴とする微細化混合装置。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−55891(P2012−55891A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−239615(P2011−239615)
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【分割の表示】特願2008−186754(P2008−186754)の分割
【原出願日】平成20年7月18日(2008.7.18)
【出願人】(591119624)株式会社御池鐵工所 (86)
【Fターム(参考)】