説明

微細気泡発生器

【課題】発明の目的とするところは、ブラウン運動等の分子運動、温度変化、流体の圧力変化以外の流体運動の影響を受けない、低レイノルズ数の大きさの微細気泡を含む、気液混合液を、障碍が発生しにくく簡素な構造で効率良く生成することができ、どこでも簡便に使用できる、微細気泡発生器を提供することにある。
【解決手段】自由渦の原理を使い、動力、附帯設備を使用せず、水道圧力程度で液体を注入し、旋回流速を加速させ、強制渦と自由渦の境界に気体導入細管先端を置くことにより微細気泡が生成され、噴出口より気液混合液をスワール噴流によって、液体中または大気中に噴出することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気体を液体中に溶解させる、微細気泡を効率的に液体中また大気中に発生させ、発生器構造が簡素で、簡便に使用できる、微細気泡発生器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の発生器で微細な気泡を液体中に発生させる方法は、超音波、衝撃波など急激な圧力変動、加圧溶解、ベンチュリー管などによる発生装置である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来、このような方式で微細気泡を液体中に発生させる装置が提供されているが、いずれの装置も気体をいかに微細気泡にするかが課題であった。
現在提供されている装置はいずれも動力及び附帯の装置によるものである、動力及び附帯設備を使用せずに発生させる簡素で簡便な使用ができるようにしなければならない。
【0004】
この発明は、上記のような課題に鑑み、その課題を踏まえ考案されたものである。
その目的とするところは、ブラウン運動等の分子運動、温度変化、流体の圧力変化以外の流体運動の影響を受けない、低レイノルズ数の大きさの微細気泡を含む、気液混合液を、障碍が発生しにくい簡素な構造で効率よく生成することができ、様々な目的に使用できる、微細気泡発生器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の目的を達成するために、請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、記載の発明は、水道の低い圧力で微細気泡を含む気液混合液を生成噴出することのできる発生器である。
この発生器は自由渦の原理を使い、旋回流速を加速し、様々な目的に合致した噴出流速で、外部にスワール噴流を形成させる、発生器は円筒部本体と本体内内管および、気体導入本管とその管先に接続する数本の細管で構成した構造である。
微細気泡を安定し、効率よく生成させるための考案を述べる。
発生器円筒部本体に液体を注入し旋回流を起こし、自由渦領域と強制渦領域を構成する。
強制渦の渦芯を安定させるために発生器円筒部本体と本体内内管を設け、二重円筒の構造とする。
更に、発生器内部に半球または三角錐を設け、中心部に気体導入本管を挿入し、これを介して気体を導入するとともに強制渦の安定と旋回速度を向上させる。
強制渦と自由渦の境界に、気体導入本管の管先細管の先端を置き高速旋回流の運動量により、微細気泡を発生させる。
上記のようにして、低出力または小さな位置エネルギーで簡易に微細気泡を含む気液混合液を液体中または大気中に噴出流として生成させることのできる発生器を作り出した。
【発明の効果】
【0006】
以上に記載した、この発明による微細気泡発生器による効果は、
1 微細気泡を簡易に、簡潔な構造で効率よく生成することができる。
2 微細気泡を、気体導入細管の径、導入気体の圧調整により、気泡径の調整ができ、安定した生成を可能にした。
3 微細気泡を多量に含む液体を大気中に噴出することを可能にした。
4 発生器の構造が簡潔なので、操作が簡単で障碍がすくない。
5 発生させるエネルギーは水道圧から駆動エネルギーまで対応できるため各種水槽などの酸素供給などの利用範囲まで使用することができる。
6 気体導入管より様々な気体、液体を注入することができるため、様々な分野での利用ができる。
7 液体と気体の関係での使用以外に、異なる種類の気体、液体でも使用することができ、気体どうしの相性で、簡易に拡散、混合、融合したり、コロイド状にして拡散することができる。
8 発生器本体噴出口側に円筒枠を付けることによりスワール噴流中心部の吸引、吸着を応用した分野での利用ができる。
9 発生器本体噴出口を純銀材質にすることによって銀イオンを含む噴出流となることを応用した分野での利用ができる。
上記した9項目に示すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
この発明を実施するための最良の形態を、以下に具体的に説明する。
本発明の発生器が摘要できうる範囲とは、液体の粘度が水程度の粘性率以下で、かつ本発生器より噴出する、外部の液体圧力は、水を対象とした水道圧の場合、水位2m以下の水圧までを対象にして発明した。
【0008】
以下、図によって説明するにあたって、図1は本発明の発生器縦断面と構成の説明図、図2は本発明の発生器の横断面図で、液体注入口(3)から、水道圧程度で、液体を注入させ、円筒部本体(1)内で、整流リード弁(5)により旋回流を形成し内部円筒(2)との二重間層内(9)に沿って強制渦を安定させながら中心部に導入し、内部に設けた半球または三角錐(10)に沿って旋回流を加速させ自由渦領域と強制渦領域を構成する。
中心部に気体導入本管(7)を挿入し、これを介して気体を導入するとともに再度強制渦の安定と旋回速度を向上させて、強制渦と自由渦の境界位置(A)に気体導入細管(8)の先端(B)を置き、旋回流の運動量により気体導入本管から自給で気体を取り入れ微細気泡を発生させる。気圧、水圧などの外部要因で変化する微細気泡の径は気体流量調整バルプ(6)で調整する。微細気泡を含んだ液体は本体噴出口(4)からスワール噴流(C)を形成し、スワール噴流の中心部は負圧の領域(D)となり吸引された外部からの流れも発生し、大きな剪断力が働き、より高率よく微細気泡を発生させる。
【産業上の利用可能性】
【0009】
本発生器噴出口側に、図3の円筒枠(F)を付けることによってスワール噴流(C)中心部の負圧領域(D)に発生する吸引、吸着を応用し、洗顔、マッサージ等の美容機器および噴出口に、図4の純銀材質を用いることによって噴出抵抗による銀イオンを含んだ微細混合液を噴出させ、微量の洗剤で洗浄効果があり環境に優しく、除菌効果など、水道蛇口取付器具の開発等
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の発生器断面図と構成の説明図
【図2】本発明の発生器横断面図
【図3】本発明の発生器に円筒枠を取り付けた断面図
【図4】本発明の発生器の噴出口に取り付けた純銀材質
【符号の説明】
【0011】
1 円筒部本体外形
2 本体二重内管
3 液体注入口
4 本体噴出口
5 整流リード弁
6 気体流量調整バルプ
7 気体導入本管
8 気体導入細管
9 本体二重間層
10 半球または三角錐
A 強制渦と自由渦の境界
B 気体導入細管先端
C スワール噴流
D 負圧領域
E 細管の境界位置範囲
F 円筒枠
G 純銀材質

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒型の発生器本体は、円筒部本体外形(1)と本体二重内管(2)の二重円筒構造とし、外部円周部に開口した液体導入口(3)を設け、導入口内部には旋回流を形成させるための整流リード弁(5)を取り付ける、本体二重内管は円筒部本体外形の長さより短くし、本体噴出口径(4)は流速に叶う径とし、本体噴出口の反対側中心に半球または三角錐の形状(9)とし、形状に沿って旋回流の運動量を向上させる、半球または三角錐の中心に気体導入本管(6)を挿入し、気体細管先端(B)は強制渦と自由渦の境界(A)に置く、境界に置くとは、半球または三角錐先端より噴出口入口(E)までを指し、これを介して気体を導入するとともに強制渦の渦芯を安定させながら旋回速度を向上させることによって微細気泡を生成し、液体中または大気中に微細気泡混合液を噴出させることを特徴とする微細気泡発生器。
【請求項2】
気体導入細管(7)の先端(B)を強制渦と自由渦の境界(A)に置くことで、大気中に微細気泡を多量に含む気液混合液を噴出することができる。
【請求項3】
発生器本体噴出口側に円筒枠(F)を付け、スワール噴流(C)の中心部の負圧領域(D)に発生する吸引、吸着を応用した吸着、吸引機器。
【請求項4】
発生器本体噴出口(4)は、図4の純銀材質(G)とし、噴出抵抗により銀イオンを含んだ微細気泡混合液が噴出する微細気泡発生器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−106918(P2009−106918A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−306491(P2007−306491)
【出願日】平成19年10月31日(2007.10.31)
【出願人】(506112052)
【Fターム(参考)】