微細気泡発生装置付き浴槽
【課題】微細気泡発生ユニットの吐出口及び吸込口と、これらに対向する吐出配管及び吸込配管とが、仮にそれぞれ同軸線上に位置していなくても、配管接続管における折れ(キンク)の発生を極力減らすことができる微細気泡発生装置付き浴槽を提供する。
【解決手段】本発明の微細気泡発生装置付き浴槽Bは、浴槽1と、吸込口24及び吐出口25を有する微細気泡発生ユニット2と、浴槽1内外を連通する吐出配管31及び吸込配管32とを備えている。吸込配管32及び吐出配管31の浴槽1外側の開口端面と、吸込口24の及び吐出口25の開口端面とがそれぞれ対向配置されると共に、可撓性のある配管接続管4により連通接続されている。配管接続管4は、接続されていない状態で、両端面が互いに略平行となり且つ流体の入方向と出方向とが略同方向となり、両端面の開口が流体の入出方向と略直角方向にずれて位置している。
【解決手段】本発明の微細気泡発生装置付き浴槽Bは、浴槽1と、吸込口24及び吐出口25を有する微細気泡発生ユニット2と、浴槽1内外を連通する吐出配管31及び吸込配管32とを備えている。吸込配管32及び吐出配管31の浴槽1外側の開口端面と、吸込口24の及び吐出口25の開口端面とがそれぞれ対向配置されると共に、可撓性のある配管接続管4により連通接続されている。配管接続管4は、接続されていない状態で、両端面が互いに略平行となり且つ流体の入方向と出方向とが略同方向となり、両端面の開口が流体の入出方向と略直角方向にずれて位置している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微細気泡発生装置付き浴槽に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、微細気泡を生成する微細気泡発生装置が取り付けられた浴槽として、例えば特許文献1により示されたものが知られている。
【0003】
この微細気泡発生装置は、例えば図10に示されるようなもので、吸込口24から吐出口25まで連通する流路に空気混入部・ポンプ部22・気液溶解タンク23が設けられた微細気泡発生ユニット2と、浴槽1側壁に設けられて浴槽1内外を連通する吐出配管31及び吸込配管32とを備えている。微細気泡発生ユニット2の吸込口24には、その開口端面に対向するようにして浴槽1外側の吸込配管32の開口端面が対向配置されており、同様にして、微細気泡発生ユニット2の吐出口25には、その開口端面に対向するようにして浴槽1外側の吐出配管31の開口端面が対向配置されている。これら対向した各開口端面同士が可撓性のある配管接続管7により連通接続されている。
【0004】
そして、このような微細気泡発生装置A´により浴槽1内に微細気泡を噴出するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−153611号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、このような構成の微細気泡発生ユニット2を浴槽1に取り付けるに当たり、微細気泡発生ユニット2の吐出口25及び吸込口24と、これらに対向する浴槽1側壁に設けられた吐出配管31及び吸込配管32との各中心がそれぞれ同軸線上に位置していれば、上記配管接続管7を曲げることなく取り付けることができて好ましい。
【0007】
しかしながら、微細気泡発生ユニット2の吐出口25及び吸込口24と、これらに対向する浴槽1側壁に設けられた吐出配管31及び吸込配管32とをそれぞれ同軸線上に位置させるためには、対向する各配管同士を一直線となるように保持しつつ、微細気泡発生ユニット2を配置する必要がある。つまり、微細気泡発生ユニット2の吐出口25及び吸込口24の位置をまず決め、先に決めた吐出口25及び吸込口24の向きや位置に基づいて微細気泡発生ユニット2の位置が定まる。このため、微細気泡発生ユニット2における吐出口25及び吸込口24の位置関係によっては、相当の設置スペースを確保する必要があり、浴槽1周囲に広範囲のスペースを要する場合がある。
【0008】
しかしながら、浴槽1周囲における微細気泡発生ユニット2の設置スペースが限られている場合がある。この場合、設置スペースの制約により、微細気泡発生ユニット2の吐出口25及び吸込口24と、これらに対向する浴槽1側壁に設けられた吐出配管31及び吸込配管32とをそれぞれ同軸線上に位置させることは困難である。この場合には、図11に示されるように、微細気泡発生ユニット2は浴槽1側に寄せた状態で設置されるため、各配管24,25,32,31の向きや位置に合わせるようにして設置された配管接続管7は変形して接続される。
【0009】
また、ポンプ駆動等により微細気泡発生ユニット2は駆動時に振動するため、微細気泡発生ユニット2が浴槽1に接触すると騒音が発生してしまう。このため、微細気泡発生ユニット2が移動してしまわないように、微細気泡発生ユニット2を浴槽1から離した状態で固定する必要がある。このように、浴槽1及び微細気泡発生ユニット2を固定し、その後に配管接続管7を接続するようにした場合、位置の決められた吐出口25及び吸込口24と、予め位置の決められた吐出配管31及び吸込配管32とを、その向きや位置に合わせるようにして配管接続管7を設置しなければならないため、図12のように配管接続管7は変形した状態で接続されるのがほとんどである。特に、図12に示される例によれば、2箇所(曲げ部分71,72)で曲がっている。
【0010】
このように、可撓性を有した配管接続管7において曲げが生じ、この曲げ部分における曲率半径が所定の値よりも小さくなると、折れ(キンク)が発生してしまうことがある。特に、図12のように2箇所に曲げ部分71,72が存在すると、この曲げ部分71,72にかかる負担は大きく、折れ(キンク)の発生の要因となりやすい。この折れ(キンク)は、配管内の断面積を極端に狭めてしまい、流量を大幅に低下させる原因となる。さらに、この折れが発生したままで使用を継続すると、配管接続管7は、劣化が進行したり早期に破損したりしてしまう。
【0011】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、微細気泡発生ユニットの吐出口及び吸込口と、これらに対向する浴槽側壁に設けられた吐出配管及び吸込配管とが、仮にそれぞれ同軸線上に位置していなくても、配管接続管における折れ(キンク)の発生を極力減らすことができる微細気泡発生装置付き浴槽を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために本発明の微細気泡発生装置付き浴槽は以下の構成とする。
【0013】
すなわち、本発明の微細気泡発生装置付き浴槽は、浴槽1と、吸込口24から吐出口25まで連通する流路に空気混入部・ポンプ部22・気液溶解タンク23が設けられた微細気泡発生ユニット2と、浴槽1側壁に設けられ浴槽1内外を連通する吐出配管31及び吸込配管32とを備えている。また、吸込配管32の浴槽1外側の開口端面と微細気泡発生ユニット2の吸込口24の開口端面とが対向配置されると共に、吐出配管31の浴槽1外側の開口端面と微細気泡発生ユニット2の吐出口25の開口端面とが対向配置されている。この対向配置された各開口端面同士が可撓性のある配管接続管4により連通接続されている。微細気泡発生装置付き浴槽Bは浴槽1内に微細気泡を噴出するようになっている。この前記配管接続管4は、前記対向配置された各開口端面同士に接続されていない状態で、両端面が互いに略平行となり且つ両端面における流体の入方向と出方向とが略同方向となるように形成され、両端面の開口の中心同士が両端面における流体の入出方向と略直角な方向に相互にずれて位置しており、該形状にあらかじめ保持されている。
【0014】
微細気泡発生ユニット2の吐出口25又は吸込口24と、これらに対向する浴槽1側壁に設けられた吐出配管31又は吸込配管32とを配管接続管4により接続するに当たり、微細気泡発生ユニット2側の配管の開口中心と、これらに対向する配管の開口中心とがそれぞれ同軸上になくても、本発明の配管接続管4は、その非直線部分があらかじめ形状を保持するように形成されたものであるため、直線状態から曲げるよりも少ない変形量で設置することができる。つまり、本発明の配管接続管4は、直線状の配管接続管よりも負荷の少ない状態で取り付けることが可能となる。
【0015】
他方、微細気泡発生ユニット2側の配管の開口中心と、これらに対向する配管の開口中心とがそれぞれ同軸上ある場合においても、配管接続管4は、あらかじめ形成された非直線部分が直線に近づく方向に伸張されるようにして取り付けられる。このとき、折れ(キンク)の発生しやすい曲率半径を小さくするような変形は起こりにくく、配管の折れ(キンク)の発生を極力減らすことが可能となる。
【0016】
また、本発明の微細気泡発生装置付き浴槽Bは、前記配管接続管4が複数の屈曲部41を有しており、該屈曲部41のなす角がいずれも鈍角となっているのが好ましい。
【0017】
このように屈曲部41のなす角がいずれも鈍角となっていると、配管接続管4の屈曲部41により生じる圧力損失を低減させることができる。
【0018】
また、本発明の微細気泡発生装置付き浴槽Bは、前記配管接続管4がらせん状の湾曲部5を有しているのが好ましい。
【0019】
このようにらせん状の湾曲部5が設けられると、屈曲部41のように曲げ部分を有さず、この曲げ部分に負荷が集中してしまうことがなくなるので、配管の折れ(キンク)の発生を極力減らすことが可能となる。
【発明の効果】
【0020】
本願発明によれば、微細気泡発生ユニットの吐出口及び吸込口と、これらに対向する浴槽側壁に設けられた吐出配管及び吸込配管とが、仮にそれぞれ同軸線上に位置していなくても、配管接続管における折れ(キンク)の発生を極力減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】(a)〜(c)は、本発明の一実施形態の配管接続管の設置状態を説明するための上方から見た要部断面図である。
【図2】本実施形態の配管接続管を説明する図であり(a)は側断面図、(b)は斜視図である。
【図3】本実施形態の浴槽の斜視図である。
【図4】本実施形態の微細気泡発生装置の側断面図である。
【図5】同上の気液溶解タンクを説明するための概略図である。
【図6】同上の吸込み・噴出部を説明するための要部側面図である。
【図7】本実施形態の配管接続管の変形例を説明する図であり(a)は側断面図、(b)は斜視図である。
【図8】他の変形例を説明する図であり(a)は側面図、(b)は斜視図である。
【図9】(a)〜(c)は、比較例として直線状の配管接続管の設置状態を説明するための上方から見た要部断面図である。
【図10】従来例を説明するための要部斜視図である。
【図11】従来の配管接続管の設置状態を説明する要部上面図である。
【図12】従来の配管接続管の設置状態を説明する要部上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態について添付図面に基づいて説明する。
【0023】
本実施形態の微細気泡発生装置付き浴槽Bは、図3に示されるように、浴室の床パン61上に載設される浴槽1と、浴槽1に取り付けられた微細気泡発生装置Aとを備えている。
【0024】
本実施形態の浴室は、ユニットバスルームであり、このユニットバスルームは、浴槽設置部610と洗い場部611とを有する床パン61の周囲から壁パネル62を立設し、壁パネル62上に天井パネル63を載設することで構成されている。この天井パネル63上に微細気泡発生装置Aの制御装置64が設けられており、壁パネル62の浴室内側の面に微細気泡発生装置Aの操作部65が設けられている。
【0025】
浴槽1は床パン61の浴槽設置部610に載設されている。浴槽1は、図3に示されるように、上方が開口した有底箱状の貯溜部11と、この貯溜部11の上端から外方に向けて延設されたフランジ部12とを有している。浴槽1の長辺部分の洗い場側のフランジ部12の下面と床パン61との間には、フランジ部12の長手方向の略全長に亙って浴槽エプロン13が配設されている。
【0026】
微細気泡発生装置Aは、図3に示されるように、浴槽1と浴槽エプロン13との間の空間に収容されている。この微細気泡発生装置Aは、図4に示されるように、吸込口24から吐出口25まで連通する流路に空気混入部・ポンプ部22・気液溶解タンク23が設けられた微細気泡発生ユニット2と、浴槽1側壁に設けられた吸込み・噴出部3とを備えている。
【0027】
微細気泡発生ユニット2は、図4に示されるように、ポンプ室内が吸込口24に連通すると共に気液溶解タンク23に湯水を圧送するポンプ部22と、ポンプ部22に流路を介して連通し該ポンプ部22の下流側に位置する気液溶解タンク23と、ポンプ部22の上流側に設けられると共に流路を通流する流体に空気を混入する空気混入部(図示せず)とを備え、気液溶解タンク23内は下流側に位置する吐出口25と連通している。微細気泡発生ユニット2は、下端部に浴槽設置部610に載置固定可能な脚部26を有しており、下方から上方にかけて、脚部26・ポンプ部22・気液溶解タンク23の順に形成された縦長の形状となっている。
【0028】
空気混入部は、上述のようにポンプ部22の上流側の流路に設けられている。空気混入部は、流路の径を絞った縮径部の下流側の周辺に逆止弁を有する空気供給路が接続されることで構成されており、縮径部から湯水が吐出されることで生じる負圧によって、空気を混入して湯水内に空気供給路からの空気が混入され空気混合水が生成される。
【0029】
気液溶解タンク23は、例えば図5に示されるように、略筒状をしており、内部が仕切り縦板230により攪拌槽231と非攪拌槽232とに仕切られている。攪拌槽231は、湯水中に空気が混合した空気混合水をバブリングすることで気体を浴水中に溶解し、空気溶解水を生成する。非攪拌槽232の側面上部には側上方に向けて空気抜き部233が突設されており、この空気抜き部233の上端には余剰となった未溶解の空気を排出するための空気抜き弁234が設けられている。非攪拌槽232の側部の下部には吐出口25と連通する出口部235が設けられている。仕切り縦板230の上方及び下方は、攪拌槽231と非攪拌槽232との両空間を連通している。気液溶解タンク23の攪拌槽231の上方には噴射ノズル236が設けられており、噴射ノズル236は攪拌槽231の界面に臨んで設けられている。
【0030】
吸込み・噴出部3は、図4及び図6に示されるように、浴槽1外側に吐出配管31及び吸込配管32の一部が突出するように設けられており、吐出配管31及び吸込配管32はその内部が浴槽1内部と連通している。つまり、吐出配管31及び吸込配管32は浴槽1内外を連通している。吸込み・噴出部3の吐出配管31の浴槽1内側の端部には、減圧手段を有する噴出口部33が設けられており、噴出口部33から減圧手段(図示せず)を介して吐出された空気溶解水は、微細気泡となって浴湯中に噴出される。また、吸込み・噴出部3の吸込配管32の浴槽1内側の端部は、噴出口部33の周囲に環状に設けられており、その吸込方向が噴出方向と直角となっている。なお、減圧手段は例えばベンチュリ管構造により構成される。
【0031】
なお、本実施形態の吐出配管31及び吸込配管32は上記のように一体的な構成となっているが、本発明の吸込配管32及び吐出配管31は浴槽1側壁にそれぞれが別々に取り付けられていてもよい。
【0032】
微細気泡発生装置Aは、図4に示されるように、吸込配管32の浴槽1外側の開口端面と微細気泡発生ユニット2の吸込口24の開口端面とが対向配置されるように構成されると共に、吐出配管31の浴槽1外側の開口端面と微細気泡発生ユニット2の吐出口25の開口端面とが対向配置されるように構成されており、この対向配置された各開口端面同士が配管接続管4により連通接続されている。
【0033】
配管接続管4は、可撓性のある可撓管により構成されており、図1及び図2に示されたような形状にあらかじめ保持形成されている。つまり、配管接続管4は、前記のように対向配置された各開口端面同士に接続されていない自然状態(無負荷状態)で以下のような形状となっている。
【0034】
配管接続管4は、図2に示されるように、長手方向の両端面が互いに略平行となっており、流体の入方向と出方向とが略同方向となるように形成されている。さらに、両端面の開口の中心が両端面における流体の入出方向と略直角な方向に相互にずれて位置している。配管接続管4の両端面間には、非直線部分となる屈曲部41が複数箇所(本実施形態は2箇所)に設けられており、この屈曲部41のなす角s,tはいずれも鈍角となっている。本実施形態の配管接続管4は、屈曲部41における曲率半径がいずれもR100とされ、両端面の開口の中心の相互のずれ(図2中符号i)が15mmとされ、全長(図2中符号L)が200mmとされている。
【0035】
配管接続管4の両端には、図4に示されるように、接続継手42が装着されている。配管接続管4は、この接続継手42を介して、互いに対向する吸込配管32の浴槽1外側の開口端面と微細気泡発生ユニット2の吸込口24の開口端面とを連通接続する。また、同様にして、吐出配管31の浴槽1外側の開口端面と微細気泡発生ユニット2の吐出口25の開口端面とを連通接続する。
【0036】
ここで、接続された配管接続管4は図1に示されるような形状となる。なお、図9中(a)〜(c)には、比較例として直線状の配管接続管4を装着した例が示されている。微細気泡発生ユニット2側の配管と浴槽1側の配管との位置関係については、図1(a)と図9(a)とが対応し、図1(b)と図9(b)とが対応し、図1(c)と図9(c)とが対応している。
【0037】
図1(a)及び図9(a)には、対向する配管が、それぞれの中心軸を同軸上にし、略一直線状となった場合を示している。この場合、本実施形態の配管接続管4(図1(a))は、あらかじめ形状保持された屈曲部41から先端側を構成する直線部分が、僅かに撓んで取り付けられており、屈曲部41が直線に近づく方向に伸張されるようにして取り付けられている。具体的には、屈曲部41から先端側の直線部分が、それぞれ7.5mm程度ずつ撓んでいる。この撓みは僅かであり、また屈曲部41における変形も、折れ(キンク)の発生しやすい曲率半径を小さくするような変形とはなりにくいため、本実施形態の配管接続管4における折れ(キンク)の発生を極力減らすことが可能となる。
【0038】
図1(b)及び図9(b)には、対向する配管が、一方は水平方向に臨み、他方は傾斜して配置された場合を示している。なお、対向する配管の中心同士のずれ(図9中符号j)は、30mmとなっている。この場合、直線状の配管接続管4(図9(b))は、接続状態で略中央部分で屈曲した状態となっており、直線状態から30mm程度変形させる必要がある。しかも屈曲した部分に負荷が集中しやすいため、配管接続管4における折れ(キンク)が発生する危険がある。
【0039】
これに対し、本実施形態の配管接続管4(図1(b))は、あらかじめ屈曲した形状に保持されたことにより、接続状態において僅かな変形量で接続可能となる。本実施形態の配管接続管4は、2箇所の屈曲部41があらかじめ保持形成されており、具体的には以下のような変形をする。つまり、一方の屈曲部41(図1(b)中の左側の屈曲部41)においては曲率半径が略一定に保たれたまま、他方の屈曲部41(図1(b)中の右側の屈曲部41)においては曲率半径が大きくなり、さらに、両屈曲部41から先端側を構成する直線部分が僅かに撓むような変形が起こる。このように本実施形態の配管接続管4によれば、折れ(キンク)が発生しやすい曲率半径を小さくするような曲げは生じにくく、且つ直線部分の撓みも僅かであるため、直線状の配管接続管4を設置するよりも、僅かな変形量で配管接続管4を設置することができ、折れ(キンク)の発生を極力減らすことが可能となる。
【0040】
図1(c)及び図9(c)には、対向する配管が、それぞれ水平方向に臨んでいるが、それぞれの開口は流体の移動方向とは直角な方向に相互にずれて位置した場合を示している。なお、対向する配管の中心同士のずれ(図9中符号k)は、30mmとなっている。この場合、直線状の配管接続管4(図9(c))は、接続状態で略中央で2度屈曲した状態(符号71,72)となっており、しかも一方の端部が15mm程度変形し、且つ他方の端部が15mm程度変形しており、つまり直線状態から30mm程度変形させる必要がある。しかも屈曲した部分71,72に負荷が集中しやすいため、上記図9(b)の場合よりも一層、配管接続管4における折れ(キンク)が発生する危険がある。
【0041】
これに対し、本実施形態の配管接続管4(図1(c))は、あらかじめ屈曲した形状に保持されたことにより、接続状態において僅かな変形量で接続できる。本実施形態の配管接続管4は、2箇所の屈曲部41があらかじめ保持形成されており、具体的には以下のような変形をする。つまり、両屈曲部41において曲率半径を大きくするような変形が起こり、そのうえで、両屈曲部41から先端側を構成する直線部分が僅かに撓むような変形が起こる。このように本実施形態の配管接続管4によれば、折れ(キンク)が発生しやすい曲率半径を小さくするような曲げは生じにくく、且つ直線部分の撓みも僅かであるため、直線状の配管接続管4を設置するよりも、僅かな変形量で配管接続管4を設置することができ、折れ(キンク)の発生を極力減らすことが可能となる。
【0042】
また、本実施形態の配管接続管4は、屈曲部41がいずれも鈍角となるように構成されているため、上記いずれの場合においても配管接続管4の屈曲部41により生じる圧力損失を低減させることができる。
【0043】
さらに、本実施形態の配管接続管4は、あらかじめ屈曲した形状に保持されるため、屈曲部41の強度をあらかじめ向上させておくことも可能である。
【0044】
ところで、本実施形態の配管接続管4の変形例として、図7及び図8に示されるものが挙げられる。
【0045】
この変形例の配管接続管4は、非直線部分がらせん状の湾曲部5となっている。このらせん状の湾曲部5は、両端が同位相に位置すると共に、両端間はらせん状に一周した形状であらかじめ保持されており、全長において均等な曲率半径となっている。このため、一箇所に集中した曲げが発生しないため、均等に負荷が分散され、曲げに対する耐性が強いものとなる。これにより、配管の折れ(キンク)の発生を極力減らすことが可能となる。
【0046】
なお、本変形例の配管接続管4は、該接続管4の中心軸Cが直径φ8mm(図7中符号M)の大きさで、図示しない仮想中心線周りに、らせんを描いており(図7中符号Mが示す寸法はらせんの略半周を表す)、全長長さ(図7中符号L;らせんの略一周)が200mm程度の形状で形成されている。
【0047】
また、別の変形例として、図8に示されるように、4箇所の屈曲部41が設けられた配管接続管4である。このように屈曲部41を多く形成することで、対向する配管のずれが小さい場合でも対応しやすいものとなる。
【0048】
以上のような構成の微細気泡発生装置付き浴槽Bを運転した場合には、以下のような動作となる。以下、図4等に基づいて説明する。
【0049】
ポンプ部22を運転すると、浴槽1内側の吸込配管32の開口から浴槽1内の湯水が流入する。すると吸込まれた湯水は、吸込配管32・配管接続管4・空気混入部・ポンプ部22の順に通流し、空気混入部を通流すると負圧により空気供給路を介して取り込まれた空気と混合し、空気混合水となる。この空気混合水は、気液溶解タンク23の攪拌槽231の上方に設けられた噴射ノズル236に送られ、図5のように噴出ノズルから攪拌槽231内に噴射される。噴射された空気混合水により、攪拌槽231が攪拌され、攪拌槽231内で攪拌槽231上部の空気が空気混合水と溶解する。これにより空気溶解水が生成され、この空気溶解水が気液溶解タンク23の出口部235に流れ込み、その後吐出口25に至る。吐出口25に至った空気溶解水は、図4のように配管接続管4・吐出配管31を経て減圧手段により減圧されると共に浴湯内に吐出され、このとき溶解された空気が析出する。このようにして浴槽1内の湯水に微細気泡が噴出される。
【0050】
なお、本実施形態の微細気泡発生装置付き浴槽Bは、微細気泡発生ユニット2の吐出口25及び吸込口24と、これらに対向する浴槽1側壁に設けられた吐出配管31及び吸込配管32とを配管接続管4によりそれぞれ接続するような構成となっていたが、本発明の微細気泡発生装置付き浴槽Bは、浴槽1に設けられた吸込配管32の浴槽1外側の開口端部と微細気泡発生ユニット2の吸込口24の開口端部とを接続する配管、あるいは、浴槽1に設けられた吐出配管31の浴槽1外側の開口端部と微細気泡発生ユニット2の吐出口25の開口端部とを接続する配管、のうち少なくとも一方に上記した配管接続管4を用いていればよく、他方に直線状の配管接続管7を用いたものであってもよいものとする。
【符号の説明】
【0051】
1 浴槽
2 微細気泡発生ユニット
22 ポンプ部
23 気液溶解タンク
24 吸込口
25 吐出口
31 吐出配管
32 吸込配管
4 配管接続管
41 屈曲部
42 接続継手
7 (直線状の)配管接続管
71 曲げ部
72 曲げ部
A 微細気泡発生装置
B 微細気泡発生装置付き浴槽
【技術分野】
【0001】
本発明は、微細気泡発生装置付き浴槽に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、微細気泡を生成する微細気泡発生装置が取り付けられた浴槽として、例えば特許文献1により示されたものが知られている。
【0003】
この微細気泡発生装置は、例えば図10に示されるようなもので、吸込口24から吐出口25まで連通する流路に空気混入部・ポンプ部22・気液溶解タンク23が設けられた微細気泡発生ユニット2と、浴槽1側壁に設けられて浴槽1内外を連通する吐出配管31及び吸込配管32とを備えている。微細気泡発生ユニット2の吸込口24には、その開口端面に対向するようにして浴槽1外側の吸込配管32の開口端面が対向配置されており、同様にして、微細気泡発生ユニット2の吐出口25には、その開口端面に対向するようにして浴槽1外側の吐出配管31の開口端面が対向配置されている。これら対向した各開口端面同士が可撓性のある配管接続管7により連通接続されている。
【0004】
そして、このような微細気泡発生装置A´により浴槽1内に微細気泡を噴出するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−153611号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、このような構成の微細気泡発生ユニット2を浴槽1に取り付けるに当たり、微細気泡発生ユニット2の吐出口25及び吸込口24と、これらに対向する浴槽1側壁に設けられた吐出配管31及び吸込配管32との各中心がそれぞれ同軸線上に位置していれば、上記配管接続管7を曲げることなく取り付けることができて好ましい。
【0007】
しかしながら、微細気泡発生ユニット2の吐出口25及び吸込口24と、これらに対向する浴槽1側壁に設けられた吐出配管31及び吸込配管32とをそれぞれ同軸線上に位置させるためには、対向する各配管同士を一直線となるように保持しつつ、微細気泡発生ユニット2を配置する必要がある。つまり、微細気泡発生ユニット2の吐出口25及び吸込口24の位置をまず決め、先に決めた吐出口25及び吸込口24の向きや位置に基づいて微細気泡発生ユニット2の位置が定まる。このため、微細気泡発生ユニット2における吐出口25及び吸込口24の位置関係によっては、相当の設置スペースを確保する必要があり、浴槽1周囲に広範囲のスペースを要する場合がある。
【0008】
しかしながら、浴槽1周囲における微細気泡発生ユニット2の設置スペースが限られている場合がある。この場合、設置スペースの制約により、微細気泡発生ユニット2の吐出口25及び吸込口24と、これらに対向する浴槽1側壁に設けられた吐出配管31及び吸込配管32とをそれぞれ同軸線上に位置させることは困難である。この場合には、図11に示されるように、微細気泡発生ユニット2は浴槽1側に寄せた状態で設置されるため、各配管24,25,32,31の向きや位置に合わせるようにして設置された配管接続管7は変形して接続される。
【0009】
また、ポンプ駆動等により微細気泡発生ユニット2は駆動時に振動するため、微細気泡発生ユニット2が浴槽1に接触すると騒音が発生してしまう。このため、微細気泡発生ユニット2が移動してしまわないように、微細気泡発生ユニット2を浴槽1から離した状態で固定する必要がある。このように、浴槽1及び微細気泡発生ユニット2を固定し、その後に配管接続管7を接続するようにした場合、位置の決められた吐出口25及び吸込口24と、予め位置の決められた吐出配管31及び吸込配管32とを、その向きや位置に合わせるようにして配管接続管7を設置しなければならないため、図12のように配管接続管7は変形した状態で接続されるのがほとんどである。特に、図12に示される例によれば、2箇所(曲げ部分71,72)で曲がっている。
【0010】
このように、可撓性を有した配管接続管7において曲げが生じ、この曲げ部分における曲率半径が所定の値よりも小さくなると、折れ(キンク)が発生してしまうことがある。特に、図12のように2箇所に曲げ部分71,72が存在すると、この曲げ部分71,72にかかる負担は大きく、折れ(キンク)の発生の要因となりやすい。この折れ(キンク)は、配管内の断面積を極端に狭めてしまい、流量を大幅に低下させる原因となる。さらに、この折れが発生したままで使用を継続すると、配管接続管7は、劣化が進行したり早期に破損したりしてしまう。
【0011】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、微細気泡発生ユニットの吐出口及び吸込口と、これらに対向する浴槽側壁に設けられた吐出配管及び吸込配管とが、仮にそれぞれ同軸線上に位置していなくても、配管接続管における折れ(キンク)の発生を極力減らすことができる微細気泡発生装置付き浴槽を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために本発明の微細気泡発生装置付き浴槽は以下の構成とする。
【0013】
すなわち、本発明の微細気泡発生装置付き浴槽は、浴槽1と、吸込口24から吐出口25まで連通する流路に空気混入部・ポンプ部22・気液溶解タンク23が設けられた微細気泡発生ユニット2と、浴槽1側壁に設けられ浴槽1内外を連通する吐出配管31及び吸込配管32とを備えている。また、吸込配管32の浴槽1外側の開口端面と微細気泡発生ユニット2の吸込口24の開口端面とが対向配置されると共に、吐出配管31の浴槽1外側の開口端面と微細気泡発生ユニット2の吐出口25の開口端面とが対向配置されている。この対向配置された各開口端面同士が可撓性のある配管接続管4により連通接続されている。微細気泡発生装置付き浴槽Bは浴槽1内に微細気泡を噴出するようになっている。この前記配管接続管4は、前記対向配置された各開口端面同士に接続されていない状態で、両端面が互いに略平行となり且つ両端面における流体の入方向と出方向とが略同方向となるように形成され、両端面の開口の中心同士が両端面における流体の入出方向と略直角な方向に相互にずれて位置しており、該形状にあらかじめ保持されている。
【0014】
微細気泡発生ユニット2の吐出口25又は吸込口24と、これらに対向する浴槽1側壁に設けられた吐出配管31又は吸込配管32とを配管接続管4により接続するに当たり、微細気泡発生ユニット2側の配管の開口中心と、これらに対向する配管の開口中心とがそれぞれ同軸上になくても、本発明の配管接続管4は、その非直線部分があらかじめ形状を保持するように形成されたものであるため、直線状態から曲げるよりも少ない変形量で設置することができる。つまり、本発明の配管接続管4は、直線状の配管接続管よりも負荷の少ない状態で取り付けることが可能となる。
【0015】
他方、微細気泡発生ユニット2側の配管の開口中心と、これらに対向する配管の開口中心とがそれぞれ同軸上ある場合においても、配管接続管4は、あらかじめ形成された非直線部分が直線に近づく方向に伸張されるようにして取り付けられる。このとき、折れ(キンク)の発生しやすい曲率半径を小さくするような変形は起こりにくく、配管の折れ(キンク)の発生を極力減らすことが可能となる。
【0016】
また、本発明の微細気泡発生装置付き浴槽Bは、前記配管接続管4が複数の屈曲部41を有しており、該屈曲部41のなす角がいずれも鈍角となっているのが好ましい。
【0017】
このように屈曲部41のなす角がいずれも鈍角となっていると、配管接続管4の屈曲部41により生じる圧力損失を低減させることができる。
【0018】
また、本発明の微細気泡発生装置付き浴槽Bは、前記配管接続管4がらせん状の湾曲部5を有しているのが好ましい。
【0019】
このようにらせん状の湾曲部5が設けられると、屈曲部41のように曲げ部分を有さず、この曲げ部分に負荷が集中してしまうことがなくなるので、配管の折れ(キンク)の発生を極力減らすことが可能となる。
【発明の効果】
【0020】
本願発明によれば、微細気泡発生ユニットの吐出口及び吸込口と、これらに対向する浴槽側壁に設けられた吐出配管及び吸込配管とが、仮にそれぞれ同軸線上に位置していなくても、配管接続管における折れ(キンク)の発生を極力減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】(a)〜(c)は、本発明の一実施形態の配管接続管の設置状態を説明するための上方から見た要部断面図である。
【図2】本実施形態の配管接続管を説明する図であり(a)は側断面図、(b)は斜視図である。
【図3】本実施形態の浴槽の斜視図である。
【図4】本実施形態の微細気泡発生装置の側断面図である。
【図5】同上の気液溶解タンクを説明するための概略図である。
【図6】同上の吸込み・噴出部を説明するための要部側面図である。
【図7】本実施形態の配管接続管の変形例を説明する図であり(a)は側断面図、(b)は斜視図である。
【図8】他の変形例を説明する図であり(a)は側面図、(b)は斜視図である。
【図9】(a)〜(c)は、比較例として直線状の配管接続管の設置状態を説明するための上方から見た要部断面図である。
【図10】従来例を説明するための要部斜視図である。
【図11】従来の配管接続管の設置状態を説明する要部上面図である。
【図12】従来の配管接続管の設置状態を説明する要部上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態について添付図面に基づいて説明する。
【0023】
本実施形態の微細気泡発生装置付き浴槽Bは、図3に示されるように、浴室の床パン61上に載設される浴槽1と、浴槽1に取り付けられた微細気泡発生装置Aとを備えている。
【0024】
本実施形態の浴室は、ユニットバスルームであり、このユニットバスルームは、浴槽設置部610と洗い場部611とを有する床パン61の周囲から壁パネル62を立設し、壁パネル62上に天井パネル63を載設することで構成されている。この天井パネル63上に微細気泡発生装置Aの制御装置64が設けられており、壁パネル62の浴室内側の面に微細気泡発生装置Aの操作部65が設けられている。
【0025】
浴槽1は床パン61の浴槽設置部610に載設されている。浴槽1は、図3に示されるように、上方が開口した有底箱状の貯溜部11と、この貯溜部11の上端から外方に向けて延設されたフランジ部12とを有している。浴槽1の長辺部分の洗い場側のフランジ部12の下面と床パン61との間には、フランジ部12の長手方向の略全長に亙って浴槽エプロン13が配設されている。
【0026】
微細気泡発生装置Aは、図3に示されるように、浴槽1と浴槽エプロン13との間の空間に収容されている。この微細気泡発生装置Aは、図4に示されるように、吸込口24から吐出口25まで連通する流路に空気混入部・ポンプ部22・気液溶解タンク23が設けられた微細気泡発生ユニット2と、浴槽1側壁に設けられた吸込み・噴出部3とを備えている。
【0027】
微細気泡発生ユニット2は、図4に示されるように、ポンプ室内が吸込口24に連通すると共に気液溶解タンク23に湯水を圧送するポンプ部22と、ポンプ部22に流路を介して連通し該ポンプ部22の下流側に位置する気液溶解タンク23と、ポンプ部22の上流側に設けられると共に流路を通流する流体に空気を混入する空気混入部(図示せず)とを備え、気液溶解タンク23内は下流側に位置する吐出口25と連通している。微細気泡発生ユニット2は、下端部に浴槽設置部610に載置固定可能な脚部26を有しており、下方から上方にかけて、脚部26・ポンプ部22・気液溶解タンク23の順に形成された縦長の形状となっている。
【0028】
空気混入部は、上述のようにポンプ部22の上流側の流路に設けられている。空気混入部は、流路の径を絞った縮径部の下流側の周辺に逆止弁を有する空気供給路が接続されることで構成されており、縮径部から湯水が吐出されることで生じる負圧によって、空気を混入して湯水内に空気供給路からの空気が混入され空気混合水が生成される。
【0029】
気液溶解タンク23は、例えば図5に示されるように、略筒状をしており、内部が仕切り縦板230により攪拌槽231と非攪拌槽232とに仕切られている。攪拌槽231は、湯水中に空気が混合した空気混合水をバブリングすることで気体を浴水中に溶解し、空気溶解水を生成する。非攪拌槽232の側面上部には側上方に向けて空気抜き部233が突設されており、この空気抜き部233の上端には余剰となった未溶解の空気を排出するための空気抜き弁234が設けられている。非攪拌槽232の側部の下部には吐出口25と連通する出口部235が設けられている。仕切り縦板230の上方及び下方は、攪拌槽231と非攪拌槽232との両空間を連通している。気液溶解タンク23の攪拌槽231の上方には噴射ノズル236が設けられており、噴射ノズル236は攪拌槽231の界面に臨んで設けられている。
【0030】
吸込み・噴出部3は、図4及び図6に示されるように、浴槽1外側に吐出配管31及び吸込配管32の一部が突出するように設けられており、吐出配管31及び吸込配管32はその内部が浴槽1内部と連通している。つまり、吐出配管31及び吸込配管32は浴槽1内外を連通している。吸込み・噴出部3の吐出配管31の浴槽1内側の端部には、減圧手段を有する噴出口部33が設けられており、噴出口部33から減圧手段(図示せず)を介して吐出された空気溶解水は、微細気泡となって浴湯中に噴出される。また、吸込み・噴出部3の吸込配管32の浴槽1内側の端部は、噴出口部33の周囲に環状に設けられており、その吸込方向が噴出方向と直角となっている。なお、減圧手段は例えばベンチュリ管構造により構成される。
【0031】
なお、本実施形態の吐出配管31及び吸込配管32は上記のように一体的な構成となっているが、本発明の吸込配管32及び吐出配管31は浴槽1側壁にそれぞれが別々に取り付けられていてもよい。
【0032】
微細気泡発生装置Aは、図4に示されるように、吸込配管32の浴槽1外側の開口端面と微細気泡発生ユニット2の吸込口24の開口端面とが対向配置されるように構成されると共に、吐出配管31の浴槽1外側の開口端面と微細気泡発生ユニット2の吐出口25の開口端面とが対向配置されるように構成されており、この対向配置された各開口端面同士が配管接続管4により連通接続されている。
【0033】
配管接続管4は、可撓性のある可撓管により構成されており、図1及び図2に示されたような形状にあらかじめ保持形成されている。つまり、配管接続管4は、前記のように対向配置された各開口端面同士に接続されていない自然状態(無負荷状態)で以下のような形状となっている。
【0034】
配管接続管4は、図2に示されるように、長手方向の両端面が互いに略平行となっており、流体の入方向と出方向とが略同方向となるように形成されている。さらに、両端面の開口の中心が両端面における流体の入出方向と略直角な方向に相互にずれて位置している。配管接続管4の両端面間には、非直線部分となる屈曲部41が複数箇所(本実施形態は2箇所)に設けられており、この屈曲部41のなす角s,tはいずれも鈍角となっている。本実施形態の配管接続管4は、屈曲部41における曲率半径がいずれもR100とされ、両端面の開口の中心の相互のずれ(図2中符号i)が15mmとされ、全長(図2中符号L)が200mmとされている。
【0035】
配管接続管4の両端には、図4に示されるように、接続継手42が装着されている。配管接続管4は、この接続継手42を介して、互いに対向する吸込配管32の浴槽1外側の開口端面と微細気泡発生ユニット2の吸込口24の開口端面とを連通接続する。また、同様にして、吐出配管31の浴槽1外側の開口端面と微細気泡発生ユニット2の吐出口25の開口端面とを連通接続する。
【0036】
ここで、接続された配管接続管4は図1に示されるような形状となる。なお、図9中(a)〜(c)には、比較例として直線状の配管接続管4を装着した例が示されている。微細気泡発生ユニット2側の配管と浴槽1側の配管との位置関係については、図1(a)と図9(a)とが対応し、図1(b)と図9(b)とが対応し、図1(c)と図9(c)とが対応している。
【0037】
図1(a)及び図9(a)には、対向する配管が、それぞれの中心軸を同軸上にし、略一直線状となった場合を示している。この場合、本実施形態の配管接続管4(図1(a))は、あらかじめ形状保持された屈曲部41から先端側を構成する直線部分が、僅かに撓んで取り付けられており、屈曲部41が直線に近づく方向に伸張されるようにして取り付けられている。具体的には、屈曲部41から先端側の直線部分が、それぞれ7.5mm程度ずつ撓んでいる。この撓みは僅かであり、また屈曲部41における変形も、折れ(キンク)の発生しやすい曲率半径を小さくするような変形とはなりにくいため、本実施形態の配管接続管4における折れ(キンク)の発生を極力減らすことが可能となる。
【0038】
図1(b)及び図9(b)には、対向する配管が、一方は水平方向に臨み、他方は傾斜して配置された場合を示している。なお、対向する配管の中心同士のずれ(図9中符号j)は、30mmとなっている。この場合、直線状の配管接続管4(図9(b))は、接続状態で略中央部分で屈曲した状態となっており、直線状態から30mm程度変形させる必要がある。しかも屈曲した部分に負荷が集中しやすいため、配管接続管4における折れ(キンク)が発生する危険がある。
【0039】
これに対し、本実施形態の配管接続管4(図1(b))は、あらかじめ屈曲した形状に保持されたことにより、接続状態において僅かな変形量で接続可能となる。本実施形態の配管接続管4は、2箇所の屈曲部41があらかじめ保持形成されており、具体的には以下のような変形をする。つまり、一方の屈曲部41(図1(b)中の左側の屈曲部41)においては曲率半径が略一定に保たれたまま、他方の屈曲部41(図1(b)中の右側の屈曲部41)においては曲率半径が大きくなり、さらに、両屈曲部41から先端側を構成する直線部分が僅かに撓むような変形が起こる。このように本実施形態の配管接続管4によれば、折れ(キンク)が発生しやすい曲率半径を小さくするような曲げは生じにくく、且つ直線部分の撓みも僅かであるため、直線状の配管接続管4を設置するよりも、僅かな変形量で配管接続管4を設置することができ、折れ(キンク)の発生を極力減らすことが可能となる。
【0040】
図1(c)及び図9(c)には、対向する配管が、それぞれ水平方向に臨んでいるが、それぞれの開口は流体の移動方向とは直角な方向に相互にずれて位置した場合を示している。なお、対向する配管の中心同士のずれ(図9中符号k)は、30mmとなっている。この場合、直線状の配管接続管4(図9(c))は、接続状態で略中央で2度屈曲した状態(符号71,72)となっており、しかも一方の端部が15mm程度変形し、且つ他方の端部が15mm程度変形しており、つまり直線状態から30mm程度変形させる必要がある。しかも屈曲した部分71,72に負荷が集中しやすいため、上記図9(b)の場合よりも一層、配管接続管4における折れ(キンク)が発生する危険がある。
【0041】
これに対し、本実施形態の配管接続管4(図1(c))は、あらかじめ屈曲した形状に保持されたことにより、接続状態において僅かな変形量で接続できる。本実施形態の配管接続管4は、2箇所の屈曲部41があらかじめ保持形成されており、具体的には以下のような変形をする。つまり、両屈曲部41において曲率半径を大きくするような変形が起こり、そのうえで、両屈曲部41から先端側を構成する直線部分が僅かに撓むような変形が起こる。このように本実施形態の配管接続管4によれば、折れ(キンク)が発生しやすい曲率半径を小さくするような曲げは生じにくく、且つ直線部分の撓みも僅かであるため、直線状の配管接続管4を設置するよりも、僅かな変形量で配管接続管4を設置することができ、折れ(キンク)の発生を極力減らすことが可能となる。
【0042】
また、本実施形態の配管接続管4は、屈曲部41がいずれも鈍角となるように構成されているため、上記いずれの場合においても配管接続管4の屈曲部41により生じる圧力損失を低減させることができる。
【0043】
さらに、本実施形態の配管接続管4は、あらかじめ屈曲した形状に保持されるため、屈曲部41の強度をあらかじめ向上させておくことも可能である。
【0044】
ところで、本実施形態の配管接続管4の変形例として、図7及び図8に示されるものが挙げられる。
【0045】
この変形例の配管接続管4は、非直線部分がらせん状の湾曲部5となっている。このらせん状の湾曲部5は、両端が同位相に位置すると共に、両端間はらせん状に一周した形状であらかじめ保持されており、全長において均等な曲率半径となっている。このため、一箇所に集中した曲げが発生しないため、均等に負荷が分散され、曲げに対する耐性が強いものとなる。これにより、配管の折れ(キンク)の発生を極力減らすことが可能となる。
【0046】
なお、本変形例の配管接続管4は、該接続管4の中心軸Cが直径φ8mm(図7中符号M)の大きさで、図示しない仮想中心線周りに、らせんを描いており(図7中符号Mが示す寸法はらせんの略半周を表す)、全長長さ(図7中符号L;らせんの略一周)が200mm程度の形状で形成されている。
【0047】
また、別の変形例として、図8に示されるように、4箇所の屈曲部41が設けられた配管接続管4である。このように屈曲部41を多く形成することで、対向する配管のずれが小さい場合でも対応しやすいものとなる。
【0048】
以上のような構成の微細気泡発生装置付き浴槽Bを運転した場合には、以下のような動作となる。以下、図4等に基づいて説明する。
【0049】
ポンプ部22を運転すると、浴槽1内側の吸込配管32の開口から浴槽1内の湯水が流入する。すると吸込まれた湯水は、吸込配管32・配管接続管4・空気混入部・ポンプ部22の順に通流し、空気混入部を通流すると負圧により空気供給路を介して取り込まれた空気と混合し、空気混合水となる。この空気混合水は、気液溶解タンク23の攪拌槽231の上方に設けられた噴射ノズル236に送られ、図5のように噴出ノズルから攪拌槽231内に噴射される。噴射された空気混合水により、攪拌槽231が攪拌され、攪拌槽231内で攪拌槽231上部の空気が空気混合水と溶解する。これにより空気溶解水が生成され、この空気溶解水が気液溶解タンク23の出口部235に流れ込み、その後吐出口25に至る。吐出口25に至った空気溶解水は、図4のように配管接続管4・吐出配管31を経て減圧手段により減圧されると共に浴湯内に吐出され、このとき溶解された空気が析出する。このようにして浴槽1内の湯水に微細気泡が噴出される。
【0050】
なお、本実施形態の微細気泡発生装置付き浴槽Bは、微細気泡発生ユニット2の吐出口25及び吸込口24と、これらに対向する浴槽1側壁に設けられた吐出配管31及び吸込配管32とを配管接続管4によりそれぞれ接続するような構成となっていたが、本発明の微細気泡発生装置付き浴槽Bは、浴槽1に設けられた吸込配管32の浴槽1外側の開口端部と微細気泡発生ユニット2の吸込口24の開口端部とを接続する配管、あるいは、浴槽1に設けられた吐出配管31の浴槽1外側の開口端部と微細気泡発生ユニット2の吐出口25の開口端部とを接続する配管、のうち少なくとも一方に上記した配管接続管4を用いていればよく、他方に直線状の配管接続管7を用いたものであってもよいものとする。
【符号の説明】
【0051】
1 浴槽
2 微細気泡発生ユニット
22 ポンプ部
23 気液溶解タンク
24 吸込口
25 吐出口
31 吐出配管
32 吸込配管
4 配管接続管
41 屈曲部
42 接続継手
7 (直線状の)配管接続管
71 曲げ部
72 曲げ部
A 微細気泡発生装置
B 微細気泡発生装置付き浴槽
【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴槽と、
吸込口から吐出口まで連通する流路に空気混入部・ポンプ部・気液溶解タンクが設けられた微細気泡発生ユニットと、
浴槽側壁に設けられ浴槽内外を連通する吐出配管及び吸込配管とを備え、
吸込配管の浴槽外側の開口端面と微細気泡発生ユニットの吸込口の開口端面とが対向配置されると共に、吐出配管の浴槽外側の開口端面と微細気泡発生ユニットの吐出口の開口端面とが対向配置され、
この対向配置された各開口端面同士が可撓性のある配管接続管により連通接続され、
浴槽内に微細気泡を噴出するようにした微細気泡発生装置付き浴槽であって、
前記配管接続管は、前記対向配置された各開口端面同士に接続されていない状態で、両端面が互いに略平行となり且つ両端面における流体の入方向と出方向とが略同方向となるように形成され、両端面の開口の中心同士が両端面における流体の入出方向と略直角な方向に相互にずれて位置しており、該形状にあらかじめ保持されていることを特徴とする微細気泡発生装置付き浴槽。
【請求項2】
前記配管接続管が複数の屈曲部を有しており、該屈曲部のなす角がいずれも鈍角となっている請求項1記載の微細気泡発生装置付き浴槽。
【請求項3】
前記配管接続管がらせん状の湾曲部を有している請求項1記載の微細気泡発生装置付き浴槽。
【請求項1】
浴槽と、
吸込口から吐出口まで連通する流路に空気混入部・ポンプ部・気液溶解タンクが設けられた微細気泡発生ユニットと、
浴槽側壁に設けられ浴槽内外を連通する吐出配管及び吸込配管とを備え、
吸込配管の浴槽外側の開口端面と微細気泡発生ユニットの吸込口の開口端面とが対向配置されると共に、吐出配管の浴槽外側の開口端面と微細気泡発生ユニットの吐出口の開口端面とが対向配置され、
この対向配置された各開口端面同士が可撓性のある配管接続管により連通接続され、
浴槽内に微細気泡を噴出するようにした微細気泡発生装置付き浴槽であって、
前記配管接続管は、前記対向配置された各開口端面同士に接続されていない状態で、両端面が互いに略平行となり且つ両端面における流体の入方向と出方向とが略同方向となるように形成され、両端面の開口の中心同士が両端面における流体の入出方向と略直角な方向に相互にずれて位置しており、該形状にあらかじめ保持されていることを特徴とする微細気泡発生装置付き浴槽。
【請求項2】
前記配管接続管が複数の屈曲部を有しており、該屈曲部のなす角がいずれも鈍角となっている請求項1記載の微細気泡発生装置付き浴槽。
【請求項3】
前記配管接続管がらせん状の湾曲部を有している請求項1記載の微細気泡発生装置付き浴槽。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−130851(P2011−130851A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−291457(P2009−291457)
【出願日】平成21年12月22日(2009.12.22)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月22日(2009.12.22)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
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