説明

応力センサ

【課題】水晶振動子等の圧電素子の輪郭方向の荷重対動作周波数変動特性を積極的に利用して、僅かなスペースであっても取り付け可能であって、かつ、耐圧性に優れ、高感度な応力センサを提供する。
【解決手段】板状の圧電素子と、その内部空間に前記圧電素子を気密状態で収容可能であり、前記圧電素子の先端の側周面に対向する頭部が薄膜状である筐体を備えており、前記薄膜状である頭部を介して前記圧電素子の側周面から荷重を受けるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、水晶振動子等の圧電素子の輪郭方向の荷重対動作周波数変動特性を積極的に利用して、僅かなスペースであっても取り付け可能であって、かつ、耐圧性に優れ、高感度な応力センサに関するものである。
【背景技術】
【0002】
水晶振動子は、周波数制御・選択用の圧電素子で、その動作、電気的特性の安定性が極めて高いので、通信機器、電子機器の周波数制御・選択用素子、コンピュータのクロック周波数、ラジオ・TV・音響機器等のチューナ、時計の基準等の周波数制御・選択用素子等として利用されている。
【0003】
従来、水晶振動子を応力センサに用いる場合、水晶板の振動面から荷重を受けるように構成するのが一般的である(特許文献1、特許文献2)。
【0004】
しかし、水晶板の振動面から荷重を受けるように構成した応力センサは、取り付けにある程度のスペースが必要となり、例えば、管内を流れる流体の圧力を測定する場合は、取り付け対象となる管にはある程度の太さが必要となる。このため、細管を流れる流体の圧力を測定することは困難である。
【0005】
また、水晶板の振動面から荷重を受けるように構成した従来の応力センサは、微小な荷重を検出するためには有効であるが、振動している部分で荷重を受けるため、荷重自体が振動特性に大きく影響する。また、振動面は耐圧性に乏しく、小さい荷重しか測定できないという欠点を有する。
【0006】
水晶振動子が、図8に示すような、輪郭方向(図中Z´方向)の荷重対動作周波数変動特性を有し、輪郭への荷重に対する周波数変化量が弾性限界内で直線性に優れていること、周波数安定度も10−7オーダーで計測できることは、従来公知である。
【0007】
しかしながら、水晶板の振動面から荷重を受けるように構成した従来の応力センサでは、輪郭方向への荷重変動は周波数安定度を損なう要因であり、水晶振動子の製造時や使用時には高い周波数安定性が必要であるので、輪郭部分への加圧、歪み等が発生しないような工夫がなされており、輪郭方向の荷重対動作周波数変動特性を積極的に利用したセンサは知られていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008−128724
【特許文献2】特開2008−196932
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで本発明は、水晶振動子等の圧電素子の輪郭方向の荷重対動作周波数変動特性を積極的に利用して、僅かなスペースであっても取り付け可能であって、かつ、耐圧性に優れ、高感度な応力センサを提供すべく図ったものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者が、水晶振動子の輪郭方向の荷重対動作周波数変動特性を精査したところ、その直線性、再現性、温度特性等が非常に優れたものであることが確認された。このため、本発明者は、従来は水晶振動子の特性として積極的に使用されなかった輪郭方向の荷重対動作周波数変動特性を積極的に利用することにより、優れた応力センサを得ることができることを見出し、これに基づき本発明を完成させるに至った。
【0011】
すなわち第1の本発明に係る応力センサは、板状の圧電素子と、その内部空間に前記圧電素子を気密状態で収容可能であり、前記圧電素子の先端の側周面に対向する頭部が薄膜状である筐体を備えており、前記薄膜状である頭部を介して前記圧電素子の側周面から荷重を受けることを特徴とする。
【0012】
このようなものであれば、前記圧電素子の側周面から前記筐体の前記薄膜状の頭部を介して荷重を受けるものであるので、圧電素子の振動面から荷重を受ける従来の応力センサに比べて、取り付けに要するスペースが少なくて済む。
【0013】
そして、圧電素子の輪郭方向に未知の荷重をかけた場合、動作周波数変動量を計測すれば、圧電素子の輪郭方向に加えられた荷重を導き出すことができる。しかも、圧電素子が水晶振動子である場合、7桁程度の周波数が容易に計測できるので、これに作用する荷重の計測精度を10−7以上とすることも可能である。
【0014】
また、従来からある天秤に比し、高分解能であることはもちろんのこと、更に高安定度と高精度化が容易に得られる。
【0015】
更に、本発明では、荷重を受けるために圧電素子の振動面を使用していないので、振動特性に影響を与えずに生じた応力を測定することができる。また、圧電素子の振動面は機械的強度が弱いのに対して、輪郭方向の機械的強度は非常に強いので、耐加重が大幅に増加し、極めて優れた耐圧性を有するものとなる。
【0016】
前記圧電素子の先端の側周面に荷重が加わった際に、前記圧電素子が移動してしまうと荷重が充分に伝わらない。このため、前記圧電素子が移動することを防ぐために、前記圧電素子は、その基端にオリエンテーションフラット(以下、オリフラという。)が形成されている円盤状のものであって、当該基端が保持台に保持されていることが好ましい。
【0017】
前記圧電素子は、精度の高い発振周波数が安定して得られることより、水晶振動子であるのが好ましい。そして、各種水晶振動子のなかでも、高い周波数帯に適合する厚みすべり振動子は、高い周波数帯において、外部環境の変化に対する発振周波数安定度及び信頼性が高いものであり、特にATカット水晶振動子が好適である。また、水晶振動子をコンベックス形状とすることにより、より高い周波数安定性を得ることも可能である。
【0018】
前記筐体としては、例えば、前記圧電素子の先端の側周面に対向して設けられた薄膜状のシール部材と、前記シール部材とともに、その内部空間に前記圧電素子を気密状態で収容可能な容器を構成する筐体本体から構成され、前記筐体本体には、スリットが設けられていて、前記スリットから前記圧電素子の先端が突出しており、前記スリットを覆うように前記シール部材が取り付けられているものが挙げられる。このようなものであれば、前記シール部材を介して前記圧電素子の側周面に荷重が加わった際に、前記圧電素子が移動することを、前記スリットが前記保持台とともに防ぐことができ、かつ、前記筐体の内部空間を気密に保つことが容易である。
【0019】
第1の本発明に係る応力センサは、圧電素子が筐体内に密閉してあり、外部環境の変化による影響を直接受けないので、長期にわたり信頼性を確保することができるが、短期間使用できればよい場合は、より簡易な構成であってもよい。すなわち、第2の本発明に係る応力センサは、板状の圧電素子と、前記圧電素子の先端に嵌合されたキャップ部材を備えており、前記キャップ部材を介して前記圧電素子の先端の側周面から荷重を受けることを特徴とする。
【0020】
第2の本発明に係る応力センサを長期にわたる使用にも耐えうる耐候性に優れたものとするためには、その内部空間に前記圧電素子を気密状態で収容可能な筐体を備えており、前記筐体の頭部には、その先端に押圧部を有し、内部が筐体の内部空間と連通している管が設けてあり、前記管内にはその基端が前記キャップ部材に固定されている棒状体が挿入されているようにすることが好ましい。
【発明の効果】
【0021】
このように本発明によれば、水晶振動子等の圧電素子の輪郭方向の荷重対動作周波数変動特性を積極的に利用して、取り付けに要するスペースが少なくて済むとともに、耐加重が大幅に増加し、極めて優れた耐圧性を有し、高感度な応力センサを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る応力センサの正面図(a)、平面図(b)及び側面図(c)。
【図2】負荷重量と発振周波数変化量との関係を調べる際に用いた応力センサの状態を示す模式図。
【図3】負荷重量と発振周波数変化量との関係を示すグラフ。
【図4】荷重作用方向による水晶振動子の感度の差異を示すグラフ。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る応力センサの正面図(a)及びキャップ部材の側面図(b)。
【図6】本発明の第3の実施形態に係る応力センサの正面図(a)及び押圧部近傍の断面図(b)。
【図7】第1の実施形態におけるシール部材がケース状のものである場合を示す斜視図(取り付け前(a)及び取り付け後(b))。
【図8】水晶振動子の輪郭方向の荷重対動作周波数変動特性を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0023】
<第1の実施形態>
以下に、本発明の第1の実施形態を、図面を参照して説明する。
【0024】
本実施形態に係る応力センサ1は、図1に示すように、板状の圧電素子2と、その内部空間に圧電素子2を気密状態で収容可能であり、圧電素子2の先端2aの側周面に対向する頭部がシール部材3からなる筐体4を備えている。
【0025】
板状の圧電素子2は、例えば、オリフラが形成された円盤状の水晶片21が2枚の電極板22a、bに挟まれてなるATカット9MHzコンベックス形状水晶振動子であって、オリフラを基端2bとし、その両側端がスリット付き弾性支持体23a、bのスリット231に挿入されることにより支持され、その基端2bが保持台24に接着剤等を用いて固着されており、先端2aの側周面に荷重を受けた場合には、縦方向には荷重がそのまま伝わり圧縮変形して撓むが、前後方向や横方向には移動しないように設置されている。
【0026】
なお、保持台24はベース7に接着剤等を用いて固着されている。また、スリット付き弾性支持体23a、bは金属等の導電性材料からなり、電極板22a、bと接するように圧電素子2を支持しており、リード線を兼ねている。
【0027】
筐体4は、シール部材3と、当該シール部材3とともに内部空間に圧電素子2を気密状態で収容可能な容器を構成する筐体本体41から構成されるものである。
【0028】
シール部材3は、荷重変化に応じて変形する薄膜状のものであって、例えば、10〜30μm程度の厚さを有するSUS等の金属薄膜からなるものである。初期状態において、シール部材3と水晶振動子2の先端2aの側周面とは0.1〜0.3mm程度のストロークを有するが、一旦使用した後は、シール部材3が水晶振動子2の先端2aの側周面に接し、水晶振動子2の先端2aの側周面に僅かな荷重がかかった状態となる。
【0029】
筐体本体41は、例えば、金属等からなり、その頭部にはスリット42が設けられていて、スリット42からは圧電素子2の先端2aが0.1〜0.2mm程度突出しており、スリット42を覆うようにシール部材3が固着してある。シール部材3を筐体本体41に固着して封止するには、乾燥雰囲気下において、接着剤を使用したり、抵抗溶接したりする。なお、筐体本体41は、スリット42が設けられた上部と、リード線43が設けられたベース7に分けられるが、これらも同様にして封止される。
【0030】
筐体4の内部空間には、Nガス等の不活性ガスが乾燥した状態で封入されており、基材が金蒸着されてなる電極板22a、b等が腐食しないように構成されている。
【0031】
本実施形態における筐体4は、その底部に金属等の導電性材料からなるリード線43a、bを備えている。リード線43a、bはスリット付き弾性支持体23a、bと電気的に連絡しており、水晶発振回路により、圧電素子2で発生した出力信号を得ることができる。
【0032】
本実施形態に係る応力センサ1は、シール部材3を介して圧電素子2の先端2aの側周面に荷重が加わると、圧電素子2が圧縮変形し撓み、応力が生じ、その発振周波数が変化する。そして、その電気信号をスリット付き弾性支持体23a、b及びリード線43a、bを介して出力信号が得られる。
【0033】
そして、保持台24、オリフラの方向と寸法、スリット付き弾性支持体23a、bの寸法の適正化により、水晶振動子2の先端2aの側周面から受ける荷重の許容範囲を定めることができる。
【0034】
本実施形態に係る応力センサ1の性能を評価するために、一例として、図2に示すような状態の、或る設計条件で作られたむき出しの水晶振動子2に、先端2aの側周面からX軸の垂直方向に荷重を加えて、その発振周波数の変化を測定した。結果は表1及び図3に示した。
【0035】
【表1】

【0036】
表1及び図3に示すように、負荷重量と周波数変化量とは一次関数の関係にある。
【0037】
なお、荷重を加える方向を変えると、例えば、表2及び図4に示すように、水晶振動子の設計により、荷重と周波数変化量との関係は変化するが、このような荷重作用方向による感度の差異は、周波数を荷重に換算するプログラムを修正することにより調整することができる。また、シール部材3が水晶振動子2の先端2aの側周面に接することにより加わる僅かな荷重は同様に周波数調整により修正することができる。
【0038】
【表2】

【0039】
したがって、このように構成した本実施形態に係る応力センサ1によれば、圧電素子2の先端2aの側周面からシール部材3を介して荷重を受けるものであるので、圧電素子2の振動面から荷重を受ける従来の応力センサに比べて、取り付けに要するスペースが少なくて済む。
【0040】
また、荷重を受けるために圧電素子の振動面を使用していないので、振動特性に影響を与えずに生じた応力を測定することができる。更に、圧電素子の振動面は機械的強度が弱いのに対して、輪郭方向の機械的強度は非常に強いので、耐加重が大幅に増加し、極めて優れた耐圧性を有する。そして、予め周波数変化と荷重との関係を調べておけば、周波数変化から応力センサ1に加わった荷重を導き出すことができる。
【0041】
また、筐体本体41の頭部には、スリット42が設けられていて、スリット42から圧電素子2の先端2aが突出しており、スリット42を覆うようにシール部材3が固着してあるので、圧電素子2にその先端2aの側周面から荷重が加わった際に、圧電素子2が移動するのを保持台24とともに防ぐことができ、かつ、筐体4の内部空間を気密に保つことが容易である。
【0042】
更に、圧電素子2としてATカット9MHzコンベックス形状水晶振動子を用いることにより、精度の高い発振周波数を安定して得ることができる。
【0043】
また、シール部材3としてSUS等からなる金属薄膜を用いることより、当該金属薄膜は容易に変形可能であるので荷重が損失せずに伝わり易く、また、強度が高いので圧電素子2の鋭利な先端2aと接触しても破損しにくく、更に、筐体4内部を気密に維持することが容易である。
【0044】
更に、圧電素子2が筐体4内に密閉してあり、外部環境の変化による影響を直接受けないので、応力センサ1の長期にわたる信頼性を確保することができる。
【0045】
<第2の実施形態>
以下に、本発明の第2の実施形態を、図面を参照して説明する。なお、以下においては第1の実施形態と異なる構成を採る部分を中心に説明し、第1の実施形態と同じ構成を採る部分については説明を省略する。
【0046】
第1の実施形態は長期間にわたる使用が可能なものであるが、短期間使用できればよい場合は、図5に示すように、水晶振動子2が筐体4に気密状態で収容されていなくてもよい。そして、本実施形態では、水晶振動子2の先端2aには、金属製又はプラスチック製のキャップ部材5が嵌合しあい、キャップ部材5を介して水晶振動子2の先端2aの側周面に荷重が加わるように構成してある。
【0047】
キャップ部材5には、水晶振動子2の先端2aに嵌合するための溝51が設けられてあり、また、頭部には孔52が設けてある。
【0048】
<第3の実施形態>
第2の実施形態に係る応力センサ1には、荷重作用部としてキャップ部材5が設けられているが、第3の実施形態においては、このような第2の実施形態に係る応力センサ1を、長期にわたる使用にも耐えられるようにするために、図6に示すように、その内部空間に圧電素子2を気密状態で収容可能な筐体4を備えており、筐体4の頭部には、その先端に押圧部61を有し、内部が筐体4の内部空間と連通している管62が設けてあり、管62内にはその基端がキャップ部材5に固定されている棒状体63が挿入されている。棒状体63は管62内を摺動可能である。
【0049】
管62と筐体4とは抵抗溶接され、押圧部61と管62との間にはOリング64が設けられていることにより、筐体4の内部空間は気密状態に保たれている。
【0050】
キャップ部材5には、頭部に孔52が設けてあるが、棒状体63の基端が孔52にネジ込み固定されている。そして、押圧部61に荷重が加わった場合、当該荷重は、棒状体63を介してキャップ部材5に伝達され、更にキャップ部材5を介して圧電素子2の先端2aの側周面に加わる。
【0051】
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。
【0052】
例えば、圧電素子2は受ける荷重により発振振動数が変化するものであればいずれのものであってもよく、水晶振動子に限定されず、圧電体としてセラミックス等の水晶以外の材料が用いられたものであってもよい。
【0053】
また、シール部材3は荷重の変化に応じて変形するものであればいずれのものであってもよく、金属薄膜に限定されず、カーボン等の他の材料からなるものや、又は、ダイヤフラム、ベローズが用いられてもよい。
【0054】
更に、図7に示すように、シール部材3が1面が開口したケース状のものであって、筐体本体41の頭部からかぶせるように取り付けられるものであってもよい。
【0055】
更に、保持台24には水晶振動子2の基端2bに嵌合するための溝が形成されていてもよく、また、筐体本体41と一体成形されていてもよい。
【0056】
また、水晶振動子は温度による影響を受けるので、本発明に係る応力センサは温度による影響を補正するために温度センサを備えていてもよい。
【0057】
本発明に係る応力センサ1は、水晶振動子2の輪郭方向の荷重対動作周波数変動特性による大変優れた特性を持つが、動作の誤差要因としては、(1)大気中で計測する場合は、気候による変化、(2)筐体4の頭部の初期歪みの影響、(3)水晶振動子2の劣化による周波数変化等の影響、(4)荷重作用方向が異なるための感度誤差、が考えられる。
【0058】
(1)については、過去の周波数基準としての気候による水晶振動子周波数安定度を把握しておくことにより、大気中の条件を設定して計測誤差の限界値を設定することができ、簡易計測に容易に使用することができる。
【0059】
(2)については、もし、バラツキが発生したとしても、輪郭方向の荷重対動作周波数変動特性の直線性が優れているために直線性のある範囲内での感度は不変で、計測時の周波数−荷重換算プログラムの選択のみで対応できる。
【0060】
(3)については、5〜10MHz帯の周波数帯を選ぶことにより高い安定性・精度も得られるし、水晶振動子2を気密状態下に置くことにより、更に安定度、精度向上を図ることができる。更に、ある一定の期間使用後の校正により、更に精度向上を図ることが可能である。
【0061】
(4)については、周波数を荷重に換算するプログラムを修正することにより、荷重作用方向の違いによる感度の誤差を調整することができる。
【0062】
その他、前述した実施形態や変形実施形態の一部又は全部を適宜組み合わせてもよく、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明を適用することにより、応力センサの取り付けに要するスペースが少なくて済むので、例えば、細管に取り付けて内部を流れる流体の荷重を測定することが可能になる。
【符号の説明】
【0064】
1・・・応力センサ
2・・・圧電素子
3・・・シール部材
4・・・筐体
41・・・筐体本体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状の圧電素子と、
その内部空間に前記圧電素子を気密状態で収容可能であり、前記圧電素子の先端の側周面に対向する頭部が薄膜状である筐体を備えており、
前記薄膜状である頭部を介して前記圧電素子の側周面から荷重を受けることを特徴とする応力センサ。
【請求項2】
板状の圧電素子と、
前記圧電素子の先端に嵌合されたキャップ部材を備えており、
前記キャップ部材を介して前記圧電素子の先端の側周面から荷重を受けることを特徴とする応力センサ。
【請求項3】
前記圧電素子は、その基端にオリエンテーションフラットが形成されている円盤状のものであって、当該基端が保持台に保持されている請求項1又は2記載の応力センサ。
【請求項4】
前記圧電素子は、水晶振動子である請求項1、2又は3記載の応力センサ。
【請求項5】
前記筐体が、
前記圧電素子の先端の側周面に対向して設けられた薄膜状のシール部材と、
前記シール部材とともに、その内部空間に前記圧電素子を気密状態で収容可能な容器を構成する筐体本体から構成され、
前記筐体本体には、スリットが設けられていて、前記スリットから前記圧電素子の先端が突出しており、前記スリットを覆うように前記シール部材が取り付けられている請求項1記載の応力センサ。
【請求項6】
その内部空間に前記圧電素子を気密状態で収容可能な筐体を備えており、
前記筐体の頭部には、その先端に押圧部を有し、内部が筐体の内部空間と連通している管が設けてあり、前記管内にはその基端が前記キャップ部材に固定されている棒状体が挿入されている請求項2記載の応力センサ。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2010−276532(P2010−276532A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−130938(P2009−130938)
【出願日】平成21年5月29日(2009.5.29)
【出願人】(502110780)ピエゾパーツ株式会社 (1)
【出願人】(592187534)株式会社 堀場アドバンスドテクノ (26)