説明

情報処理システム、携帯端末及びプログラム

【課題】携帯端末で処理不能なファイルの処理を、PCリモートを用いてサーバに処理させるシステムにおいて、使い勝手を向上させた情報処理システムを提供する。
【解決手段】サーバ200と携帯端末100とが通信可能に接続する情報処理システム1であって、携帯端末100は、表示しようとするファイルが処理不能であるか否かを判定し、処理不能である場合に、前記ファイルか前記ファイルが存在するアドレスを示す情報(URI)の少なくともいずれかをサーバ200に送信する処理可否判定手段102を有し、サーバ200は、受信した前記ファイル又は前記ファイルが存在するアドレスを示す情報に基づき取得したファイルを、処理実行する処理手段202と、処理手段202による処理実行の表示出力を、携帯端末100に転送する画面転送手段203とを有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、携帯端末及びプログラムに関し、特に、シンクライアントシステムにおいてサーバのデスクトップ画面の送受信を行う技術の応用に関する。
【背景技術】
【0002】
ハイパーテキストで記述されたページを閲覧するブラウザの特性の違いにより、ページの表示がページ制作者側の意図とは異なるものとなってしまうことがある。このことは、例えば、パーソナルコンピュータ(以下、「PC」と呼ぶ)向けのウェブサイトのページを、携帯電話や、シンクライアント端末におけるクライアント装置などの携帯端末に向けて設計されたブラウザで閲覧しようとした場合に起きる。
【0003】
特許文献1には、上記のような課題に関連して、PC向けのウェブページを携帯端末で表示しようとする際に正しく表示されないことを解消するため、ウェブサーバと携帯端末の間にあるプロクシサーバ等で、PC向けのウェブページを携帯端末向けの書法で記述されたハイパーテキストに変換して中継する技術が開示されている。しかしながら、ページを変換しているため、PC向けのウェブページの表示とはならない。
【0004】
他方で、サーバとクライアントからなるシンクライアントシステムにおいて、サーバのデスクトップ画面の送受信を行う技術が従来公知である。「デスクトップ画面の送受信」とは、サーバ上で走るオペレーティングシステム(以下、「OS」)のグラフィカルユーザインタフェースが提供するデスクトップ画面を、クライアントに送り、表示させる機能のことをいうものとする。送信するデスクトップ画面は、画面全体でもよいし一部でもよい。また、このような機能のことを、以下では、「PCリモート」と呼ぶ場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−271508号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のようなシンクライアントシステムのクライアント端末で例えばPC向けのページを閲覧する際、PCと同じ再現性が得られない場合があった。クライアント端末としては一例として携帯電話機やスマートフォン等の携帯端末が用いられ、これら携帯端末の性能の向上は近年著しい。PC向けのページの閲覧においても同じような再現性で閲覧できるようにはなってきたが、完全に互換性があるわけではないので、同じように見ることのできないウェブページも依然として存在する。携帯端末向けの技術同様、PC向けの技術も日々進化していることもあり、この性能のギャップは将来においても完全に埋まらず今後も全く同じ表現、再現性が実現するようにはならないと予想される。
【0007】
そこで、すべてのページの閲覧をサーバで行い、そのページ表示を上記PCリモートで携帯端末に送信することを考える。この場合、常に、携帯端末においてもPCと同じ再現性を実現することが可能なるとは予想される。しかしながら、この場合は、次の2点が問題となる。
【0008】
第1点目は、例えば、携帯端末に届いたメールに記載されているリンクからウェブサイトを閲覧するといった、携帯端末の他のアプリケーションとの連携ができなくなるという点である。また、携帯端末に届いたメールに添付されたファイルや、携帯端末に接続した周辺機器(デジタルカメラやカムコーダなど)から取り込んだファイルなど、携帯端末側にしかないデータは、PCリモートで閲覧することができない。
【0009】
第2点目は、PCリモートの接続、とりわけ、最初にリモートのサーバと接続する際に時間がかかるという点である。携帯端末からリモートのサーバと接続するためには、まず、サーバのネットワーク上の位置を特定してこれと接続を確立し、サーバの電源が落とされている状態であればその起動から始めなくてはならない。
【0010】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、携帯端末で処理不能なファイルの処理を、PCリモートを用いてサーバに処理させるシステムにおいて、使い勝手を向上させた情報処理システム、携帯端末及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために本発明は、第1の態様として、サーバと携帯端末とが通信可能に接続する情報処理システムであって、前記携帯端末は、表示しようとするファイルが処理不能であるか否かを判定し、処理不能である場合に、前記ファイルか前記ファイルの所在地情報の少なくともいずれかを前記サーバに送信する処理可否判定手段を有し、前記サーバは、受信した前記ファイル又は前記所在地情報に基づき取得したファイルを、処理実行する処理手段と、前記処理手段による処理実行の表示出力を、前記携帯端末に転送する画面転送手段とを有することを特徴とする、情報処理システムを提供するものである。
【0012】
上記目的を達成するために本発明は、第2の態様として、サーバと通信可能に接続する携帯端末であって、表示しようとするファイルが処理可能であるか否かを判定し、処理不能である場合に、前記ファイルか前記ファイルが存在するアドレスを示す情報の少なくともいずれかを、前記サーバに送信し、前記サーバに、前記サーバが前記ファイルか前記ファイルが存在するアドレスを示す情報の少なくともいずれかに基づいて処理実行した表示出力を、携帯端末へ転送させることを特徴とする、携帯端末を提供するものである。
【0013】
上記目的を達成するために本発明は、第3の態様として、サーバと通信可能に接続する携帯端末に、表示しようとするファイルが処理可能であるか否かを判定する処理と、前記判定する処理の結果、処理不能である場合に、前記ファイルか前記ファイルが存在するアドレスを示す情報の少なくともいずれかを前記サーバに送信する処理と、前記サーバに、前記サーバが前記ファイルか前記ファイルが存在するアドレスを示す情報の少なくともいずれかに基づいて処理実行した表示出力を、携帯端末へ転送させる処理と、を実行させることを特徴とする、プログラムを提供するものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、携帯端末で処理不能なファイルの処理を、PCリモートを用いてサーバに処理させるシステムにおいて、使い勝手を向上させた情報処理システム、携帯端末及びプログラムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1の実施形態のネットワーク全体の構成を示すブロック図である。
【図2】第1の実施形態の機能ブロック図である。
【図3】第1の実施形態の処理の手順を示すフローチャート図である。
【図4】第1の実施形態の変形実施形態の処理の手順を示すフローチャート図である。
【図5】第2の実施形態のネットワーク全体の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0017】
(第1の実施形態)
図1に、本実施形態のネットワーク全体の構成を示す。
図示のように、本実施形態の情報処理システム1は、通信ネットワーク300を介して、携帯端末100とサーバ200が相互に通信可能に接続したシステムである。本実施形態では、通信ネットワーク300をインターネットとするが、インターネットに限定しなくてもよい。
【0018】
サーバ200は、サーバ200上で走るOSのデスクトップ画面を通信ネットワーク300を介してクライアントである携帯端末100に送信し、携帯端末100では、受信したデスクトップ画面を表示する。この一連の処理又は同処理がもたらす機能を「PCリモート」と呼ぶ。
【0019】
また、携帯端末100は、通信ネットワーク300を介して外部のウェブサーバ600に接続してハイパーテキストで記述されたページ等を取得して内部のブラウザで解釈して表示する。すなわち、ページを構成するファイルを取得し、内部で処理して、処理結果を出力する。なお、ファイルの取得の際には、プロクシサーバ400に代理させてもよい。
【0020】
同様に、携帯端末100は、携帯端末100に直接接続する周辺機器500に接続し、静止画像ファイルや動画像ファイル等を取得し、内部で処理して、処理結果を出力する。周辺機器500は、例えば、動画ファイルや静止画ファイルが格納されたデジタルカメラなどが該当する。
【0021】
しかしながら、携帯端末100の性能によっては、処理が不可能である場合や可能であっても処理が不十分である場合がある。処理が不可能である場合とは、編集しようとするファイルが、携帯端末が対応していないファイル形式であった場合などが該当する。処理が不十分な場合とは、例えば、PC向けのウェブページをブラウズしようとした結果、ウェブページの解釈処理が不十分で、再現性が劣る表示出力が得られた場合などが該当する。なお、以下では、「処理が不可能である場合や可能であっても処理が不十分である場合」をまとめて、「処理不能の場合」と呼ぶ。
【0022】
そこで、本実施形態では、携帯端末100で処理不能である否かを判定して不能である場合に、サーバ200へその旨を伝え、PCリモートによりサーバ200での処理結果をサーバ200に送信させる。
【0023】
図2に、本実施形態の機能ブロック図を示す。
図示のように、携帯端末100は、処理開始通知手段101、処理可否判定手段102、処理手段103を備える。他方、サーバ200は、初期化手段201、処理手段202、画面転送手段203を備える。
【0024】
処理開始通知手段101は、処理手段103を用いた処理が始められるタイミングで、処理が始められた旨をサーバ200に通知する機能を備える。例えば、処理手段103による処理がウェブページの閲覧であった場合には、ブラウザアプリケーションが起動したタイミングで、ブラウジング処理が始められた旨をサーバ200に通知する。動画再生処理であった場合には、動画再生アプリケーションが起動したタイミングで、その旨をサーバ200に通知する。
【0025】
処理可否判定手段102は、処理手段103が処理しようとしているファイルが処理不能であるか否か、判定する機能を備える。また、当該ファイルがサーバ200によって取得可能であるか否かも判定する。
【0026】
処理手段103は、ユーザによる操作等により、処理対象のファイルを処理する手段である。具体的には、ブラウザアプリケーションや、動画再生アプリケーションや、文書ファイルの表示アプリケーションなどがある。
【0027】
初期化手段201は、例えば、WoL(Wake on Lan)などを用いてサーバ200自体を起動し、携帯端末100からリクエストがあったときにすぐにPCリモート機能を提供できるよう、サーバ200を準備する機能を備える。
【0028】
処理手段202は、携帯端末100の処理手段103と同様であるが、通常は、処理手段103よりも処理可能なファイルの種類が多い。
【0029】
画面転送手段203は、PCリモートにより、処理手段202による表示出力を携帯端末100に送信する。送信する表示出力は、全部であっても、一部をトリミングしたものであってもよい。
【0030】
次に、本実施形態の動作を説明する。
図3に、本実施形態の処理の手順を示す。
【0031】
携帯端末100において、処理手段103による処理が始められた場合、処理開始通知手段101は、その旨をサーバ200に通知し、この通知を受けて初期化手段201がPCリモートの初期化をする(ステップS101)。
【0032】
ここでのPCリモートの初期化は、初期化手段201がサーバ200を起動してPCリモートに備える処理の他、携帯端末100がサーバ200のネットワーク上の位置を特定し、サーバ200と通信ネットワーク300を通じて通信可能にする処理も含まれる。
【0033】
次に、処理手段103は、ユーザ操作等にしたがって、順次ファイルを処理していくが、その都度、処理するファイルが処理手段103によって処理不能なものであるか否か、処理可否判定手段102によって判定される(ステップS102、S103)。
【0034】
ここでのファイルが処理不能であるか否かの判定方法としては、ファイルがHTMLファイルであれば、HTMLファイルのサイズが携帯端末のブラウザで想定しているサイズを超えていないかどうか、ウェブページで使用しているプラグインの種類が対応しているものであるかどうか、表示にかかる処理時間を監視して表示完了までにあらかじめ定めた閾値以上の処理時間がかかるかどうか、といった判定方法を用いる。
【0035】
処理不能である場合、処理可否判定手段102は、続けて、処理不能であると判定したファイルがサーバ200によってアクセス可能か、取得可能であるか否かを判定する(ステップS104)。なお、この判定は、サーバ200に判定させ、判定結果を処理可否判定手段102が受信してもよい。取得できないと判定された場合、当該ファイルもサーバ200に送信する(ステップS105)。
【0036】
ここでのファイルが取得可能であるか否かの判定は、ファイルの所在によって判断する。通信ネットワーク300に接続するウェブサーバ600にファイルが存在すれば、取得可能であると判断する。他方、周辺機器500内にファイルが存在すれば、取得不可能であると判断する。
【0037】
次に、携帯端末100の処理可否判定手段102は、サーバ200にファイルの存在する位置を示すURI(Uniform Resource Indicator)を送信する(ステップS106)。このステップは、ファイルを送信している場合(ステップS105)は、省略可能である。
【0038】
ファイルか、ファイルが存在するネットワーク上の位置を示すURI(あるいはその両方)を受け取ったサーバ200では、処理手段202が、当該ファイルを処理する(ステップS107)。PC向けのウェブページを処理する場合、携帯端末100ではメモリ不足などで処理不能であったウェブページであっても、通常、サーバ200側では問題なく処理できる。
【0039】
次に、画面転送手段203は、ステップS107における処理結果をPCリモートにより携帯端末100に送信する(ステップS108)。ステップS107がウェブページの閲覧であれば、ブラウザの表示出力を携帯端末100に送信する。
【0040】
なお、図3における各ステップの主体は、ステップS101がサーバ200の初期化手段201、ステップS102とS103とS104とS105とS106が携帯端末100の処理可否判定手段102、ステップS107がサーバ200の処理手段202、ステップS108がサーバ200の画面転送手段203である。
【0041】
本実施形態は、以上のように構成され、また、動作するので、クライアントである携帯端末で処理不能なファイルであっても、携帯端末で処理結果を得ることができ、使い勝手が向上する。ウェブページの閲覧で、携帯端末で処理不能なページがあったとしても、そのページについてだけ、サーバ側にURIを送りブラウジング処理をさせ、表示出力を送信させるため、携帯端末では、サーバで処理した画面でページを見られることとなり、再現性の問題が解消する。
【0042】
また、主な操作は携帯端末側に搭載されているアプリケーションで実施し、処理不能なファイルだけをサーバで処理するため、携帯端末のアプリケーションの操作性や、アプリケーション間の連携などの携帯端末の操作性は損なわれない。
【0043】
また、処理が開始されるタイミングでサーバとの接続確立やサーバの起動を行うため、PCリモートを用いても、ユーザが感じる処理の遅れを最小限にとどめることができる。例えば、ウェブブラウズを開始した際に、バックグラウンドでサーバとの接続確立やサーバの起動を行っておくため、表示できないウェブページに行き当たったときには、既に、接続確立がなされており、スムーズにPCリモートによる表示がなされる。
【0044】
上記実施形態は、処理不能なファイルが、ウェブページに埋め込まれた特定形式の動画ファイル(例えば、Adobe(登録商標)のFlash(登録商標)ファイル)であった場合は、埋め込まれた画面の該当部分のみをサーバから送信する形態でもよい。
【0045】
この場合、ウェブページ中の埋め込みタグに、動画ファイルのURIがパラメータとして存在しているので、処理可否判定手段102がURIに含まれる動画ファイルの拡張子から、携帯端末100では処理不能であると判定して、同URIをサーバ200に送信する。サーバ200では、処理手段202が同URIから動画ファイルを取得し、表示出力を画面転送手段203が、携帯端末100に転送する。携帯端末100では、処理手段103が、埋め込みタグやウェブページ全体から動画ファイルが表示されるべき位置を判断し、その位置に、転送されてきた表示出力を嵌め込む。
【0046】
この場合は、アプリケーションのタッチ操作などの操作性や携帯端末側の固有の設定を利用できるため、携帯端末の操作性が損なわれない。
【0047】
上記実施形態では、携帯端末100が外部のウェブサーバ600からウェブページを構成するファイルを取得する際に、プロクシサーバ400に代理させて取得してもよい。この実施形態の場合、ウェブページのキャッシュがプロクシサーバ400に残るので、携帯端末100で所定のアドレスのウェブページを表示させようとしたが表示できないためサーバ200が前記所定のアドレスのウェブページを構成するファイルを取得する際、プロクシサーバ400に残っているキャッシュを利用できる。したがって、この実施形態によれば、表示が高速に行われ、使い勝手が向上する。
【0048】
また、上記実施形態は、次のように変形実施してもよい。
本変形実施形態のブロック構成は、図1と図2に示したものと同じである。図4に、本変形実施形態の動作を示す。図4に示すように、図3のフローチャートと似ているが、異なる点としては、処理可否判定手段102が、「携帯端末100が処理しようとするファイルは処理手段101による処理ができない」と判断する処理(ステップS202,S203)のあと、PCリモートのサーバ200がプロクシサーバ400経由で処理しようとするファイルを取得する(ステップS205)点がある。
【0049】
本変形実施形態において、端末100は、所定のアドレスのWebページをプロクシサーバ400を経由して表示させようとしたが不可能であると判断された場合、その旨の情報をURIとともにサーバ200へ送信する(ステップS204)。次に、サーバ200は、プロクシサーバ400経由で表示しようとするファイルを取得する(ステップS205)。次に、処理手段202が取得したファイル(Webページを構成するファイル)を表示する処理を行う(ステップS206)。次に、画面転送手段203は、ステップS206における表示処理結果をPCリモートにより携帯端末100に送信する(ステップS207)。
【0050】
なお、図4における各ステップの主体は、ステップS201がサーバ200の初期化手段201、ステップS202とS203とS204が携帯端末100の処理可否判定手段102、ステップS205とS206がサーバ200の処理手段202、ステップS207がサーバ200の画面転送手段203である。
【0051】
本変形実施形態によれば、サーバ200による処理がプロクシサーバ400を経由して行われるので、サーバ200の処理手段202が表示処理等行う際に、プロクシサーバ400に蓄積されているファイルを利用することができる。そのため、サーバ200とウェブサーバ600間の通信の効率化が実現し、携帯端末100は高速に処理結果が得られる。なお、本変形実施形態においては、携帯端末100とサーバ200が同じプロクシサーバ400を利用した場合にのみ、通信の効率化や処理の高速化が図れる。
【0052】
(第2の実施形態)
図5に、本実施形態のネットワーク全体の構成を示す。
図示のように、ネットワーク全体の構成の点で第1の実施形態(図1)と異なるところは、サーバ200が除かれ、PCリモートサーバ200aが置かれるところである。
【0053】
PCリモートサーバ200aは、第1の実施形態におけるサーバ200同様、PCリモートサーバ200a上で走るOSのデスクトップ画面を通信ネットワーク300を介してクライアントである携帯端末100に送信し、携帯端末100では、受信したデスクトップ画面を表示する。
【0054】
第1の実施形態においては、サーバ200は、携帯端末100のユーザが所有するPCリモート機能を持つサーバである。したがって、ユーザが普段使っているパーソナルコンピュータなので、上述したように、履歴やユーザID/パスワードの自動入力機能などの利用を含むアプリケーションのタッチ操作などの操作性や携帯端末側の固有の設定を利用できる。
【0055】
これに対して、上記特徴を持つ第2の実施形態のネットワーク構成では、PCリモートサーバ200aをPCリモート機能を持つサーバとして機能させ、サービス事業者がサービスとして不特定多数のユーザに提供する形態である。
【0056】
本実施形態によれば、サービス事業者が提供するサーバであるPCリモートサーバ200aが、携帯端末100で処理不能なファイルの処理を処理するため、ユーザがPCリモートサーバ200aの電源を入れる必要がない。代行処理が始まって始めてPCリモートサーバ200aの電源を入れる場合よりも時間が短縮される効果がある。また、携帯端末100のユーザの自宅等にPCリモート機能を有するサーバ200をおかなくてもよい。
【符号の説明】
【0057】
1 情報処理システム
100 携帯端末
101 処理開始通知手段
102 処理可否判定手段
103 処理手段
200 サーバ
200a PCリモートサーバ
201 初期化手段
202 処理手段
203 画面転送手段
300 通信ネットワーク
400 プロクシサーバ
500 周辺機器
600 ウェブサーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバと携帯端末とが通信可能に接続する情報処理システムであって、
前記携帯端末は、
表示しようとするファイルが処理不能であるか否かを判定し、処理不能である場合に、前記ファイルか前記ファイルが存在するアドレスを示す情報の少なくともいずれかを前記サーバに送信する処理可否判定手段を有し、
前記サーバは、
受信した前記ファイル又は前記ファイルが存在するアドレスを示す情報に基づき取得したファイルを、処理実行する処理手段と、
前記処理手段による処理実行の表示出力を、前記携帯端末に転送する画面転送手段とを有する
ことを特徴とする、情報処理システム。
【請求項2】
前記携帯端末は、前記処理可否判定手段による処理不能であるか否かの判定の前に、前記サーバの起動か前記サーバとの接続の少なくともいずれかを実行する処理開始通知手段を有することを特徴とする、請求項1記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記処理可否判定手段は、ファイルが処理不能であるか否かの判定方法として、ファイルサイズが所定の大きさを超えているか否か、前記ファイルのファイル形式が対応している形式であるか否か、又は、表示にかかる時間が所定の閾値を超えるか否かを判定する方法を用いることを特徴とする、請求項1又は2記載の情報処理システム。
【請求項4】
サーバと通信可能に接続する携帯端末であって、
表示しようとするファイルが処理可能であるか否かを判定し、処理不能である場合に、前記ファイルか前記ファイルが存在するアドレスを示す情報の少なくともいずれかを、前記サーバに送信し、
前記サーバに、前記サーバが前記ファイルか前記ファイルが存在するアドレスを示す情報の少なくともいずれかに基づいて処理実行した表示出力を、携帯端末へ転送させる
ことを特徴とする、携帯端末。
【請求項5】
サーバと通信可能に接続する携帯端末に、
表示しようとするファイルが処理可能であるか否かを判定する処理と、
前記判定する処理の結果、処理不能である場合に、前記ファイルか前記ファイルが存在するアドレスを示す情報の少なくともいずれかを前記サーバに送信する処理と、
前記サーバに、前記サーバが前記ファイルか前記ファイルが存在するアドレスを示す情報の少なくともいずれかに基づいて処理実行した表示出力を、携帯端末へ転送させる処理と、
を実行させる
ことを特徴とする、プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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