説明

情報処理システムおよびプログラム

【課題】利用者が自発的に所定の処理を実行するように利用者の意志や意識に働きかける機能を実現・提供できるようにして、上記所定の処理を確実にかつ徹底して行なえるシステム環境を提供する。
【解決手段】クライアント端末10が、所定の処理を完了したことを検知して管理サーバ20に通知する検知手段12をそなえて構成されるとともに、管理サーバ20が、所定の処理を実行したクライアント端末10から前記所定の処理の完了通知を受けていない場合に、前記所定の処理を完了していない旨を示す未完了デスクトップスタンプを発行しクライアント端末10のデスクトップ上に刻印表示させるデスクトップスタンプ発行手段23をそなえて構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クライアント端末とファイルサーバとを、LAN(Local Area Network)等のネットワークを介して相互に通信可能に接続して構築された情報処理システムや、同情報処理システムにおけるファイルサーバのためのプログラムに関し、例えば、企業内において、クライアント端末を使用する社員に、そのクライアント端末を用いて、eラーニング(e-learning;インターネットやイントラネットを使った電子教育システム)による社員教育を確実に実行させるための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、企業内等で構築される情報処理システムにおいては、各社員によって操作・使用されるPC(Personal Computer)等のクライアント端末(情報処理装置;以下、単に
「端末」という場合がある)が、LANを介し、他のクライアント端末と相互に通信可能に接続されるとともに、各種ファイルの管理を行なうファイルサーバと通信可能に接続され、このファイルサーバで管理される各種ファイルを利用することができるようになっている。
【0003】
このようなシステムにおいて、会社側(管理者)が、クライアント端末を使用する社員に対しそのクライアント端末を用いて社内情報等の通知やeラーニングによる社員教育を行なう場合、通常、各社員が、都合のよい時に自分の意志でクライアント端末を操作し、社内情報等を掲示するサイトやファイルを呼び出して開いたり、社員教育用のサイトにアクセスすることによって、社内情報等の通知やeラーニングによる社員教育を受けている(例えば下記特許文献1参照)。
【0004】
また、下記特許文献2では、コンピュータを操作するユーザが当該コンピュータの操作に関して学習できるよう当該ユーザを教育支援するシステム,教育支援方法,教育支援用プログラムが開示されており、コンピュータにオペレーティングシステム(OS)が組み込まれる前であっても、ブートドライブから所定の起動用プログラムが組み込まれ、ユーザはサーバから送信された教育コンテンツの画面を参照しながらOSのインストールや環境設定などのコンピュータ操作の学習効率の向上をはかるための技術が開示されている。特に、この特許文献2では、ユーザが、コンピュータの電源を投入した後、通信制御機能,教育コンテンツ表示機能,操作画面表示機能およびユーザ操作データ送信機能を実現するためのプログラム(起動用プログラム)を格納したフロッピー(登録商標)ディスク(FD)をFDドライブ(FDD)にセットすると、起動用プログラムが読み出されCPUに組み込まれて実行され、上記の各種機能がOS組込前のコンピュータにおいて実現されるようになっている。
【特許文献1】特開2004−077740号公報(段落0049,0050および図11のF−1,F−2)
【特許文献2】特開2003−141270号公報(段落0015,0016,0038,0066,0067)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、現状のシステム(例えば上記特許文献1に開示された技術)では、各社員が端末によって社内情報等の掲示を参照したりeラーニングによる社員教育を受けたりする場合、上述のごとく、各社員が、都合のよい時に自分の意志で端末から社内情報掲示用サイトや社員教育用サイトにアクセスしているので、会社側(管理者)が各社員に対する社内情報の通知やeラーニングによる社員教育をいくら徹底させたくても、各社員の意
志や意識に頼らざるを得ない。
【0006】
また、上記特許文献2に開示された技術でも、利用者がフロッピー(登録商標)ディスクを入れたことをトリガとして、教育支援のための機能(通信制御機能,教育コンテンツ表示機能,操作画面表示機能およびユーザ操作データ送信機能)が起動されており、利用者の意志や意識が働かないと、即ち、そもそもフロッピディスクを挿入するという動作を利用者が実行しないと、上記教育支援のための機能は起動されない。
【0007】
そこで、端末の立ち上げ時に所定のプログラムを自動的に起動し、利用者に社内情報等の通知やeラーニングによる社員教育を半強制的に実行することも考えられるが、このように構成した場合、通常、その機能をスキップさせる機能も併設されることが多く、このスキップ機能のために、社内情報等の通知やeラーニングによる社員教育の徹底をはかれない。
【0008】
このため、各社員(利用者)の意志や意識に働きかけて、端末を使用する各社員に対する社内情報の通知やeラーニングによる社員教育などの所定の処理を端末上で確実に実行させ、社内情報の通知やeラーニングによる社員教育などを徹底して行なえるようにすることが望まれている。
【0009】
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、利用者が自発的に所定の処理としてのeラーニング(電子教育)による社員教育などを実行するように利用者の意志や意識に働きかける機能を実現・提供できるようにして、上記所定の処理を確実にかつ徹底して行なえるシステム環境を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明の情報処理システム(請求項1)は、クライアント端末と、該クライアント端末と相互に通信可能に接続され、該クライアント端末において所定の電子教育が実行されたか否かを管理する管理サーバとをそなえ、該クライアント端末は、該クライアント端末を構成するCPUが所定のプログラムを実行することにより、前記所定の電子教育を完了したことを検知して該管理サーバに通知する検知手段をそなえて構成されるとともに、該管理サーバは、該管理サーバを構成するCPUが所定のプログラムを実行することにより、前記所定の電子教育の完了通知を行なっていないクライアント端末に対して前記所定の電子教育が未だ完了していない旨を表示させる手段と、当該クライアント端末に前記表示をしてから所定時間だけ経過しても当該クライアント端末が前記所定の電子教育の完了通知を行なわない場合に、当該クライアント端末において前記所定の電子教育を強制実行させるように当該クライアント端末を制御する制御手段とをそなえて構成されていることを特徴とする。
【0011】
本発明の情報処理システム(請求項2)は、クライアント端末と、該クライアント端末と相互に通信可能に接続され、該クライアント端末において所定の電子教育が実行されたか否かを管理する管理サーバとをそなえ、該クライアント端末は、該クライアント端末を構成するCPUが所定のプログラムを実行することにより、前記所定の電子教育を完了したことを検知して該管理サーバに通知する検知手段をそなえて構成されるとともに、該管理サーバは、該管理サーバを構成するCPUが所定のプログラムを実行することにより、前記所定の電子教育の完了通知を行なっていないクライアント端末に対して前記所定の電子教育が未だ完了していない旨を表示させる手段と、当該クライアント端末に前記表示をしてから所定時間だけ経過しても当該クライアント端末が前記所定の電子教育の完了通知を行なわない場合に、当該クライアント端末において前記所定の電子教育を完了していない旨を当該クライアント端末の利用者本人もしくは管理者に対して通知する通知手段と、該管理サーバを構成するCPUが所定のプログラムを実行することにより、該通知手段に
よる通知を行なってから所定時間だけ経過しても当該クライアント端末が前記所定の電子教育の完了通知を行なわない場合に、当該クライアント端末において前記所定の電子教育を強制実行させるように当該クライアント端末を制御する制御手段とをそなえて構成されていることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の情報処理システム(請求項3)は、各種ファイルの管理を行なうファイルサーバと、該ファイルサーバにおける前記各種ファイルを利用すべく該ファイルサーバと相互に通信可能に接続されたクライアント端末とをそなえ、該ファイルサーバは、所定の電子教育を該クライアント端末に実行させるエージェントファイルを保持する保持手段と、該ファイルサーバを構成するCPUが所定のプログラムを実行することにより、該ファイルサーバにログオンした該クライアント端末から実行指示を受けた場合に該保持手段における該エージェントファイルを実行する実行手段と、該ファイルサーバを構成するCPUが所定のプログラムを実行することにより、該実行手段による該エージェントファイルの実行に伴って前記所定の電子教育の完了通知を行なっていないクライアント端末に対して前記所定の電子教育が未だ完了していない旨を表示させる手段と、当該クライアント端末に前記表示をしてから所定時間だけ経過しても当該クライアント端末が前記所定の電子教育の完了通知を行なわない場合に、当該クライアント端末において前記所定の電子教育を強制実行させるように当該クライアント端末を制御する制御手段とをそなえて構成されるとともに、該クライアント端末は、該クライアント端末を構成するCPUが所定のプログラムを実行することにより、該クライアント端末の利用者が該クライアント端末を立ち上げ該ファイルサーバにログオンする都度、該ファイルサーバにおける該エージェントファイルを実行させるべく前記実行指示を該ファイルサーバに送信する実行指示手段と、該クライアント端末を構成するCPUが所定のプログラムを実行することにより、前記所定の電子教育を完了したことを検知して該ファイルサーバに通知する検知手段とをそなえて構成されていることを特徴とする。
【0013】
本発明の情報処理システム(請求項4)は、各種ファイルの管理を行なうファイルサーバと、該ファイルサーバにおける前記各種ファイルを利用すべく該ファイルサーバと相互に通信可能に接続されたクライアント端末とをそなえ、該ファイルサーバは、所定の電子教育を該クライアント端末に実行させるエージェントファイルを保持する保持手段と、該ファイルサーバを構成するCPUが所定のプログラムを実行することにより、該ファイルサーバにログオンした該クライアント端末から実行指示を受けた場合に該保持手段における該エージェントファイルを実行する実行手段と、該ファイルサーバを構成するCPUが所定のプログラムを実行することにより、該実行手段による該エージェントファイルの実行に伴って前記所定の電子教育の完了通知を行なっていないクライアント端末に対して前記所定の電子教育が未だ完了していない旨を表示させる手段と、当該クライアント端末に前記表示をしてから所定時間だけ経過しても当該クライアント端末が前記所定の電子教育の完了通知を行なわない場合に、当該クライアント端末において前記所定の電子教育を完了していない旨を当該クライアント端末の利用者本人もしくは管理者に対して通知する通知手段と、該ファイルサーバを構成するCPUが所定のプログラムを実行することにより、該通知手段による通知を行なってから所定時間だけ経過しても当該クライアント端末が前記所定の電子教育の完了通知を行なわない場合に、当該クライアント端末において前記所定の電子教育を強制実行させるように当該クライアント端末を制御する制御手段とをそなえて構成されるとともに、該クライアント端末は、該クライアント端末を構成するCPUが所定のプログラムを実行することにより、該クライアント端末の利用者が該クライアント端末を立ち上げ該ファイルサーバにログオンする都度、該ファイルサーバにおける該エージェントファイルを実行させるべく前記実行指示を該ファイルサーバに送信する実行指示手段と、該クライアント端末を構成するCPUが所定のプログラムを実行することにより、前記所定の電子教育を完了したことを検知して該ファイルサーバに通知する検知手段とをそなえて構成されていることを特徴とする。
【0014】
このとき、該保持手段が、前記所定の電子教育として複数の異なる科目の電子教育を該クライアント端末にそれぞれ実行させる複数のエージェントファイルを保持するとともに、該複数のエージェントファイルの実行スケジュールを保持し、該実行手段が、該クライアント端末からの実行指示を受けると、前記実行スケジュールに従って該複数のエージェントファイルのうちの少なくとも一つを実行するように構成してもよい(請求項5)。
【0015】
また、該ファイルサーバおよび該クライアント端末と相互に通信可能に接続され、該クライアント端末を管理する管理サーバをさらにそなえ、該管理サーバを構成するCPUが所定のプログラムを実行することにより、該ファイルサーバでの該エージェントファイルの実行に応じて、該クライアント端末に前記所定の電子教育を実行させてもよい(請求項6)。
【0016】
この管理サーバは、該管理サーバを構成するCPUが所定のプログラムを実行することにより、該クライアント端末における資産情報を収集し該クライアント端末における資産を管理する資産管理サーバとしてもよく(請求項7)、その場合、該クライアント端末が、該クライアント端末の起動時に、該資産管理サーバによる前記資産情報の収集動作と並行して前記所定の電子教育を実行するように構成することが望ましい(請求項8)。
【0017】
なお、該エージェントファイルとしては、前記所定の処理として、該クライアント端末の利用者に対する電子教育を該クライアント端末に実行させるものを用いることができる。この場合、該保持手段が、前記所定の処理として、曜日毎に異なる科目の電子教育を行なうべく複数の科目の電子教育を該クライアント端末にそれぞれ実行させる複数のエージェントファイルを保持するとともに、該複数のエージェントファイルの曜日毎の実行スケジュールを保持し、該実行手段が、該クライアント端末からの実行指示を受けると、前記実行スケジュールを参照し曜日に応じたエージェントファイルを実行するように構成してもよい。
【0018】
また、該検知手段が、該クライアント端末において該クライアント端末の利用者が所定数の問題について解答を行なったことを、前記所定の処理の完了として検知するように構成してもよい。
【0019】
さらに、該クライアント端末において、該クライアント端末の利用者が所定数の問題について解答を行なった後に当該問題についての解説を参照したことを確認するための参照確認ボタンを該クライアント端末の表示部に表示し、該検知手段が、当該参照確認ボタンがクリック操作されたことを、前記所定の処理の完了として検知するように構成してもよく、その場合、前記所定数の問題についての解答が不正解であった場合に前記解説および該参照確認ボタンの表示を行なう一方、前記所定数の問題についての解答が正解であった場合には前記解説および該参照確認ボタンの表示を行なうことなく前記電子教育を完了させてもよい。
【0020】
また、該エージェントファイルとしては、前記所定の処理として、該クライアント端末の利用者に対する情報通知を該クライアント端末に実行させるものを用いることができる。この場合、該クライアント端末において、該クライアント端末の利用者が前記情報通知の内容を参照したことを確認するための参照確認ボタンを該クライアント端末の表示部に表示し、該検知手段が、当該参照確認ボタンがクリック操作されたことを、前記所定の処理の完了として検知するように構成してもよい。
【0021】
一方、本発明のプログラム(請求項9)は、クライアント端末と相互に通信可能に接続され、該クライアント端末において所定の電子教育が実行されたか否かを管理する管理サ
ーバを構成するCPUによって実行されるプログラムであって、該CPUが該プログラムを実行することにより、前記所定の電子教育の完了通知を行なっていないクライアント端末に対して前記所定の電子教育が未だ完了していない旨を表示させる手段、および、当該クライアント端末に前記表示をしてから所定時間だけ経過しても当該クライアント端末が前記所定の電子教育の完了通知を行なわない場合に、当該クライアント端末において前記所定の電子教育を強制実行させるように当該クライアント端末を制御する制御手段として、該CPUを機能させることを特徴とする。
【0022】
本発明のプログラム(請求項10)は、クライアント端末と相互に通信可能に接続され、該クライアント端末において所定の電子教育が実行されたか否かを管理する管理サーバを構成するCPUによって実行されるプログラムであって、該CPUが該プログラムを実行することにより、前記所定の電子教育の完了通知を行なっていないクライアント端末に対して前記所定の電子教育が未だ完了していない旨を表示させる手段、当該クライアント端末に前記表示をしてから所定時間だけ経過しても当該クライアント端末が前記所定の電子教育の完了通知を行なわない場合に、当該クライアント端末において前記所定の電子教育を完了していない旨を当該クライアント端末の利用者本人もしくは管理者に対して通知する通知手段、および、該通知手段による通知を行なってから所定時間だけ経過しても当該クライアント端末が前記所定の電子教育の完了通知を行なわない場合に、当該クライアント端末において前記所定の電子教育を強制実行させるように当該クライアント端末を制御する制御手段として、該CPUを機能させることを特徴とする。
【0023】
また、本発明のプログラム(請求項11)は、クライアント端末によって利用される各種ファイルの管理を行なうファイルサーバを構成するCPUによって実行されるプログラムであって、該CPUが該プログラムを実行することにより、所定の電子教育を該クライアント端末に実行させるエージェントファイルを保持する保持手段、該ファイルサーバにログオンした該クライアント端末から実行指示を受けた場合に該保持手段における該エージェントファイルを実行する実行手段、該実行手段による該エージェントファイルの実行に伴って前記所定の電子教育の完了通知を行なっていないクライアント端末に対して前記所定の電子教育が未だ完了していない旨を表示させる手段、および、当該クライアント端末に前記表示をしてから所定時間だけ経過しても当該クライアント端末が前記所定の電子教育の完了通知を行なわない場合に、当該クライアント端末において前記所定の電子教育を強制実行させるように当該クライアント端末を制御する制御手段として、該CPUを機能させることを特徴とする。
【0024】
本発明のプログラム(請求項12)は、クライアント端末によって利用される各種ファイルの管理を行なうファイルサーバを構成するCPUによって実行されるプログラムであって、該CPUが該プログラムを実行することにより、所定の電子教育を該クライアント端末に実行させるエージェントファイルを保持する保持手段、該ファイルサーバにログオンした該クライアント端末から実行指示を受けた場合に該保持手段における該エージェントファイルを実行する実行手段、該実行手段による該エージェントファイルの実行に伴って該デスクトップスタンプ発行手段が、前記所定の電子教育の完了通知を行なっていないクライアント端末に対して前記所定の電子教育が未だ完了していない旨を表示させる手段、当該クライアント端末に前記表示をしてから所定時間だけ経過しても当該クライアント端末が前記所定の電子教育の完了通知を行なわない場合に、当該クライアント端末において前記所定の電子教育を完了していない旨を当該クライアント端末の利用者本人もしくは管理者に対して通知する通知手段、および、該通知手段による通知を行なってから所定時間だけ経過しても当該クライアント端末が前記所定の電子教育の完了通知を行なわない場合に、当該クライアント端末において前記所定の電子教育を強制実行させるように当該クライアント端末を制御する制御手段として、該CPUを機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
上述した本発明の情報処理システムおよびプログラムによれば、クライアント端末において自動実行された所定の電子教育を完了した場合にその旨が管理サーバもしくはファイルサーバに通知されれ、完了通知を行なっていないクライアント端末(スキップ操作等により所定の電子教育を完了していない端末)のデスクトップ上には、前記所定の電子教育を未だ完了していない旨を示す未完了デスクトップスタンプが表示される。
【0026】
このデスクトップスタンプ(ビットマップ画像)は、クライアント端末側では削除/移動不可能な状態で、デスクトップの壁紙上に貼り付けられるため、利用者が自分で操作を行なってデスクトップスタンプを削除したり移動させたりすることができず、デスクトップ上で常に表示され、利用者本人だけでなく他の人の目にもさらされることになる。
【0027】
従って、未完了デスクトップスタンプがデスクトップ上で表示されることにより、利用者が自発的に所定の電子教育を実行するように利用者の意志や意識に働きかけることができ、上記所定の電子教育を確実にかつ徹底して行なえるシステム環境が提供される。
【0028】
このとき、クライアント端末の起動時(立ち上げ時)にはクライアント端末からファイルサーバに実行指示が送信されてファイルサーバでエージェントファイルが実行され、所定の電子教育がクライアント端末上で自動的に実行されることになる。そして、上述したクライアント端末での機能は、各クライアント端末に当該クライアント端末を実行指示手段や検知手段として機能させるプログラムをインストールするとともに、エージェントファイルをファイルサーバに設定することによって実現することができる。つまり、上記機能を実現するにあたり各クライアント端末には簡単なプログラムをインストールするだけでよく、各クライアント端末のメモリ領域を無駄に消費することがない。また、管理者は、複数のクライアント端末によって共用される一つのファイルサーバにエージェントファイルを設定するだけでよく、管理者に負担を掛けることなく、共通の電子教育(管理者の望む電子教育)を全てのクライアント端末に自動実行させることができる。これにより、上記所定の電子教育を確実かつ徹底して行なえるシステム環境を、クライアント端末のメモリ領域を無駄に消費することなく且つ管理者に負担を掛けることなく提供することができる。
【0029】
上述のごとき未完了デスクトップスタンプを表示する機能のほかに、未完了デスクトップスタンプを表示してから所定時間だけ経過しても所定の電子教育の完了通知を行なわないクライアント端末については、その旨をクライアント端末の利用者本人もしくは管理者に対してメール等によって通知したり、所定の電子教育の完了通知が行なわれるまで所定の電子教育を強制実行させたりすることで、いつまで経っても所定の電子教育を完了しないクライアント端末においては所定の電子教育が強制的に実行されることになり、上記所定の電子教育が確実にかつ徹底して行なわれることになる。
【0030】
このとき、ファイルサーバにおいて、実行スケジュールに従って複数のエージェントファイルのうちの少なくとも一つを実行するように構成することにより、管理者は、曜日や日時などに応じた電子教育を各クライアント端末に自動実行させることが可能になる。
【0031】
また、管理サーバにより、ファイルサーバでのエージェントファイルの実行に応じてクライアント端末に所定の電子教育を実行させるように構成するとともに、この管理サーバとして資産管理サーバを用い、クライアント端末が、その起動時に、資産管理サーバによる資産情報収集動作と並行して上記所定の電子教育を実行するように構成することで、クライアント端末において、資産情報収集動作中の無駄時間を、上記所定の電子教育を行なう時間として有効利用することが可能になる。
【0032】
なお、所定の処理として、クライアント端末の利用者に対する電子教育(例えばeラーニングによる社員教育など)をクライアント端末に実行させる場合、その利用者がクライアント端末を立ち上げた際に電子教育を自動的に受けさせられることになり、電子教育を確実に且つ徹底して行なうことができる。この場合、曜日毎の実行スケジュールに従って曜日に応じたエージェントファイルを実行することで、曜日毎に異なる科目の電子教育を行なうことが可能になる。
【0033】
また、クライアント端末の利用者が所定数の問題について解答を行なったことを所定の処理の完了として検知することにより、利用者は、所定数の問題の解答を行なわない限り、完了デスクトップスタンプを得ることができず、利用者に対する電子教育をより確実に且つ徹底して行なうことができる。
【0034】
さらに、クライアント端末の利用者によって解説の参照確認ボタンがクリック操作されたことを所定の処理の完了として検知することにより、利用者に問題の解説を半強制的に読ませて問題の内容を確実に理解させることができる。このとき、解答が不正解であった場合に前記解説および参照確認ボタンの表示を行ない、解答が正解であった場合には前記解説および参照確認ボタンの表示を行なうことなく電子教育を完了させることにより、不正解者に対してのみ問題の内容を徹底して理解させてから、また、正解者のクライアント端末に対しては直ちに完了デスクトップスタンプが発行され、通常の運用状態へ移行させることができ、徹底した電子教育を行ないながら効率のよいシステム運用を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
〔1〕本実施形態の情報処理システムの構成
図1は本発明の一実施形態としての情報処理システムの構成を示すブロック図で、この図1に示す本実施形態の情報処理システム1は、例えば企業等の社内に構築されるもので、複数のクライアント端末10のほかにファイルサーバ20,資産管理サーバ30,社内コンテンツサーバ40および管理コンソール端末50をそなえて構成され、これらの端末10,50およびサーバ20,30,40が社内LAN(Local Area Network)60を介して相互に通信可能に接続されている。
【0036】
各クライアント端末10は、企業等の社内において各社員(利用者)によって使用されるパーソナルコンピュータ(PC)等の情報処理装置によって構成され、後述する実行指示手段11および検知手段12としての機能を有している。
【0037】
ファイルサーバ20は、複数のクライアント端末10によって共用され、各クライアント端末10から社内LAN60を介してアクセス/利用される各種ファイルの保持や管理を行なうもので、保持手段21,実行手段22,デスクトップスタンプ発行手段23,通知手段24および制御手段25としての機能を有している。本実施形態では、このファイルサーバ20が、クライアント端末10において所定の処理(例えば電子教育や情報通知など)が実行されたか否かを管理する管理サーバとして機能する。
【0038】
保持手段21は、実際にはハードディスク等の記憶装置によって構成されるもので、上述した各種ファイルを保持するほか、本実施形態では、図2に示すごとく、所定の処理(例えば電子教育や情報通知など)をクライアント端末10に実行させるための5つのエージェントファイル213−1〜213−5を保持するとともに、これらのエージェントファイル213−1〜213−5の実行を制御するための制御プログラムファイル211およびスケジュールファイル212を保持している。
【0039】
ここで、5つのエージェントファイル213−1〜213−5は、資産管理サーバ30を介して、それぞれ異なる処理をクライアント端末10に強制実行させるべく、実行手段22によって実行されるものである。より具体的に説明すると、本実施形態では、エージェントファイル213−1〜213−5が、前記所定の処理として、例えば、クライアント端末10の利用者に対する電子教育(eラーニングによる社員教育;以下、単にeラーニングという場合がある)をクライアント端末10に実行させるものであり、曜日毎に異なる科目の電子教育を行なうべく、各曜日に応じた科目の電子教育をクライアント端末10にそれぞれ実行させるものとなっている。電子教育の内容としては、各科目について一日一問の出題を行なうものとする。このとき、曜日毎の科目としては、例えば、月曜:情報漏洩対策、火曜:業務アプリケーション、水曜:個人情報保護、木曜:危機管理、金曜:簿記といった設定を行なうことができる。なお、何曜日に、エージェントファイル213−1〜213−5のうちのどれを実行するかについては、後述するスケジュールファイル212によって設定される。
【0040】
制御プログラムファイル(ACP:Agent Control Program)211は、ファイルサー
バ20を構成するCPU(Central Processing Unit;図示略)によって実行され、後述
する実行手段22としての機能をファイルサーバ20に実現させるものである。
【0041】
スケジュールファイル212は、5つのエージェントファイル213−1〜213−5の曜日毎の実行スケジュール、つまり、各曜日に実行すべきエージェントファイル213−i(i=1〜5)を指定する実行スケジュールを保持するものである。この実行スケジュールは、例えば、5つのエージェントファイル213−1〜213−5をそれぞれ月曜,火曜,水曜,木曜,金曜に実行するように設定されている。
【0042】
実行手段22は、前述した通り、ファイルサーバ20を構成するCPUが制御プログラムファイル211を実行することにより実現される機能であって、ファイルサーバ20にログオンしたクライアント端末10から実行指示(後述)を受けると制御プログラムファイル211が起動され、スケジュールファイル212における実行スケジュールに従って、5つのエージェントファイル213−1〜213−5のうちの一つ(本実施形態では、クライアント端末10を起動した日の曜日に応じた科目のeラーニングを行なうエージェントファイル213−i)を選択して実行するようになっている。
【0043】
デスクトップスタンプ発行手段23は、実行手段22によるエージェントファイル213−iの実行に伴ってeラーニング(所定の処理)を実行したクライアント端末10からそのeラーニングについての完了通知を受けた場合に、eラーニングを完了した旨を示す完了デスクトップスタンプ(図9の符号101参照)を発行しクライアント端末10の表示部(図示略;LCD,CRT等のディスプレイ)に表示されるデスクトップ100(図9参照)上に刻印表示させる一方、そのeラーニングについての完了通知を行なっていないクライアント端末10に対してeラーニングを未だ完了していない旨を示す未完了デスクトップスタンプ(図10の符号102参照)を発行し当該クライアント端末10の表示部に表示されるデスクトップ100(図10参照)上に刻印表示させるように機能するものである。
【0044】
このデスクトップスタンプ発行手段23は、図9や図10に示すごとく、前記デスクトップスタンプ101,102としてのビットマップ画像を、クライアント端末10側で利用者が削除/移動することは不可能な状態で、クライアント端末10の表示部に表示されたデスクトップ100の壁紙上に貼り付けることにより、前記デスクトップスタンプ101,102をクライアント端末10のデスクトップ100上に刻印表示させるようになっている。このデスクトップスタンプ101,102は、クライアント端末10の利用者が壁紙を変更しても削除することはできず、ファイルサーバ20や後述する資産管理サーバ
30,管理コンソール端末50などから、権限を有する管理者がタスク実行することによってのみ、削除することが可能になっている。このようなデスクトップスタンプ101,102を用いることにより、非常に強制力のあるメッセージングを行なうことが可能になっている。
【0045】
なお、図9に示す完了デスクトップスタンプ101は、クライアント端末10においてeラーニングによって利用者が2005年上半期に受講すべき「個人情報保護教育」を所定期間内に受講して試験に合格したことを示すものであり、また、図10に示す未完了デスクトップスタンプ102は、その「個人情報保護教育」をまだ終了していないことを示すものとなっている。
【0046】
通知手段24は、未完了デスクトップスタンプ102をクライアント端末10のデスクトップ100上に刻印表示してから所定時間だけ経過しても、そのクライアント端末10がeラーニングについての完了通知を行なわない場合に、そのクライアント端末10においてeラーニングを完了していない旨を、そのクライアント端末10の利用者本人もしくは管理者に対して、つまり、そのクライアント端末10もしくは管理コンソール端末50に対して、例えば電子メールによって通知するものである。
【0047】
制御手段25は、通知手段24による通知を行なってからさらに所定時間だけ経過しても、そのクライアント端末10がeラーニングについての完了通知を行なわない場合に、eラーニングについての完了通知が行なわれるまでそのクライアント端末10においてeラーニングを継続実行(強制実行)させるようにそのクライアント端末10を制御するものである。
【0048】
資産管理サーバ(管理サーバ)30は、各クライアント端末10の管理、より具体的には各クライアント端末10における資産情報を収集し各クライアント端末10における資産を管理するもので、本実施形態では、この資産管理サーバ30が、ファイルサーバ20で実行されたエージェントファイル213−iに応じたタスクを実行することにより、そのエージェントファイル213−iに応じたアプリケーションプログラムを、資産管理サーバ30の管理下にあるプログラムの中から選択して起動し、クライアント端末10に所定の処理(曜日に応じたeラーニング)を実行させるものである。
【0049】
なお、資産管理サーバ30により各クライアント端末10から収集される資産情報(インベントリ/実行環境情報)には、各クライアント端末10におけるハードウエア資源やソフトウエア資源に関する情報が含まれる。ハードウエア資源に関する情報としては、例えば、コンピュータ名/OS/CPU/CPUスピード/キーボードタイプ/物理メモリ/利用可能メモリ/ビデオカード/解像度/プリンタ/スワップサイズ/ドメイン名/ログオンユーザ名/モデル名/ネットワークカード/MACアドレス/IPアドレス/ネットマスク/デフォルトゲートウェイ/DNSサーバ/ソケットバージョン/ローカルドライブ毎の総容量や空き容量/BIOSバージョン/BIOSメーカ/マシンメーカ/マシン名/マシンシリアルマシンUUID/マザーボードメーカ名/マザーボード名/CPU
ID/CPU外部クロックなどに関する情報が挙げられる。また、ソフトウエア資源に
関する情報としては、各クライアント端末10に保有されているソフトウエア(各種アプリケーションプログラム)に関する情報(例えば、製品名,詳細バージョン,ファイルサイズ,ファイル更新日など)が挙げられる。
【0050】
社内コンテンツサーバ40は、例えばインターネット(WEB)経由でeラーニングのためのコンテンツ(科目毎の問題等)を定期的に受けて蓄積するもので、本実施形態における各クライアント端末10は、資産管理サーバ30によるタスク実行に伴ってeラーニングを実行する際には、この社内コンテンツサーバ40にアクセスして曜日に応じた科目
の問題提供(出題)を社内コンテンツサーバ40から受けることになる。
【0051】
管理コンソール端末50は、管理者等によって操作され、本実施形態の情報処理システム1の管理を行なうためのもので、特に、本実施形態では、ファイルサーバ20の保持手段21におけるスケジュールファイル212やエージェントファイル213−1〜213−5の内容の設定や変更などを行なうもので、管理者は、この管理コンソール端末50を用いてスケジュールファイル212やエージェントファイル213−1〜213−5の内容を設定・変更することが可能になっている。
【0052】
そして、各クライアント端末10の実行指示手段11は、クライアント端末10の利用者がこのクライアント端末10を立ち上げファイルサーバ20にログオンする都度、ファイルサーバ20におけるエージェントファイル213−iを実行させるべく実行指示をファイルサーバ20に送信するもので、より具体的には、各クライアント端末10のレジストリにACP(制御プログラムファイル211)の起動用キーを設定することにより実現され、クライアント端末10の起動時にファイルサーバ20において制御プログラムファイル211を起動させてエージェントファイル213−1〜213−5のうちの一つを実行させるべく、実行指示(制御プログラム211の起動指示)をファイルサーバ20に送信するものである。
【0053】
また、各クライアント端末10の検知手段12は、クライアント端末10において、このクライアント端末10の利用者が所定の処理の完了を確認したことを検知してファイルサーバ20に通知するもので、本実施形態においては、後述する参照確認ボタンが利用者によってクリック操作されたことを検知することにより、上記所定の処理(曜日に応じたeラーニング)の完了確認を検知してファイルサーバ20に通知するようになっている。また、検知手段12は、上述のごとく曜日毎に完了確認を検知してファイルサーバ20に通知してもよいし、所定数の問題を所定期間内に回答・正解した場合を完了条件として設定しておき、その完了条件を満たしたことを完了確認として検知してファイルサーバ20に通知してもよい。
【0054】
本実施形態の各クライアント端末10では、後述するごとく、検知手段12によって上記完了確認を検知するまで上記所定の処理(曜日に応じたeラーニング)が実行されるようになっている。また、本実施形態の各クライアント端末10では、このクライアント端末10の起動時に、資産管理サーバ30による資産情報の収集動作(もしくは一般的なウイルス駆除ツールによるウイルス駆除動作)と並行して上記所定の処理(曜日に応じたeラーニング)が実行されるようになっている。
【0055】
各クライアント端末10は、eラーニングを実行する際、上述した通り、社内コンテンツサーバ40にアクセスして曜日に応じた科目の問題提供(出題)を受け、利用者に対する出題を行なう。そして、クライアント端末10において、このクライアント端末10の利用者が出題された問題(ここでは一問)について解答を行なうことになるが、通常、利用者は、必要に応じてこのeラーニング(所定の処理)をスキップさせて通常業務へ直ちに移行することもできるようになっている。ただし、本実施形態では、制御手段25の機能により、通知手段24による通知を行なってからさらに所定時間だけ経過しても、そのクライアント端末10がeラーニングについての完了通知を行なわない場合には、上記完了確認が検知手段12によって検知されるまで、eラーニングが継続実行つまり強制実行され、通常業務へのスキップはできないようになっている。
【0056】
より具体的に説明すると、本実施形態では、クライアント端末10において、このクライアント端末10の利用者が出題された問題に対する解答を行なった後にその問題についての解説を参照したことを確認するための参照確認ボタン(図示略)をクライアント端末
10の表示部(図示略;LCD,CRT等のディスプレイ)に表示し、この参照確認ボタンが利用者によってクリック操作されるまでeラーニングについての表示画面を上記表示部上で強制的に継続表示させるようになっている。
【0057】
また、変形例として、クライアント端末10において、出題された問題に対する解答が不正解であった場合にその問題の解説および上記参照確認ボタンの表示を行ない、この参照確認ボタンが利用者によってクリック操作されるまでeラーニングについての表示画面を上記表示部上で強制的に継続表示させる一方、クライアント端末10において、出題された問題に対する解答が正解であった場合にはその問題の解説および上記参照確認ボタンの表示を行なうことなくeラーニングを終了させるようにしてもよい。この場合、検知手段12は、出題された問題に対する解答が正解であったことを上記完了確認として検知することになる。
【0058】
なお、エージェントファイルが、上記所定の処理として、上述したeラーニングに代えて、クライアント端末10の利用者に対する情報通知(例えば社内情報の通知)をクライアント端末10に実行させるものとして設定されていてもよい。この場合、図7を参照しながら後述するごとく、クライアント端末10において、このクライアント端末10の利用者が前記情報通知の内容を参照したことを確認するための参照確認ボタン(図示略)をクライアント端末10の表示部(図示略)に表示し、この参照確認ボタンがクリック操作されるまで前記情報通知を継続実行(強制実行)させるようになっている。
【0059】
〔2〕本実施形態の情報処理システムの動作
次に、本実施形態の情報処理システム1の動作について、図2〜図8を参照しながら説明する。ここで、図2は本実施形態の情報処理システム1のeラーニング動作を説明するための図、図3は本実施形態の情報処理システム1におけるクライアント端末10の動作を説明するためのフローチャート、図4は本実施形態の情報処理システム1におけるファイルサーバ20の動作を説明するためのフローチャート、図5は本実施形態のクライアント端末10でのeラーニング動作(強制実行時)を説明するためのフローチャート、図6は本実施形態のクライアント端末10でのeラーニング動作(強制実行時)の変形例を説明するためのフローチャート、図7は本実施形態のクライアント端末10での情報通知動作(強制実行時)を説明するためのフローチャート、図8は本実施形態の情報処理システム1におけるファイルサーバ20の管理サーバとしての動作(管理動作)を説明するためのフローチャートである。
【0060】
まず、図2を参照しながら、本実施形態の情報処理システム1におけるeラーニング動作について概略的に説明する。
企業等の社内において、社員(利用者)が出勤し自分のPC(クライアント端末10)を立ち上げてログオンすると、クライアント端末10の実行指示手段11により、制御プログラムファイル211(ACP)の起動指示(エージェントファイル実行指示)がファイルサーバ20に送信される(図2の矢印A1参照)。ファイルサーバ20でクライアント端末10から上記起動指示を受けると、制御プログラムファイル211が実行されて実行手段22としての機能が起動され、この実行手段22により、スケジュールファイル212における実行スケジュールに従って、5つのエージェントファイル213−1〜213−5の中から、クライアント端末10を起動した日の曜日に応じた科目のeラーニングを行なうエージェントファイル213−iが選択されて実行される。
【0061】
そして、ファイルサーバ20でエージェントファイル213−iが実行されると、その実行に応じ(図2の矢印A2参照)、資産管理サーバ30により、ファイルサーバ20で実行されたエージェントファイル213−iに応じたタスクが実行され、そのエージェントファイル213−iに応じたアプリケーションプログラムが起動され、この資産管理サ
ーバ30からの指示(図2の矢印A3参照)に応じて、クライアント端末10において、曜日に応じたeラーニングが実行されることになる。
【0062】
eラーニングを開始したクライアント端末10では、社内コンテンツサーバ40にアクセスして曜日に応じた科目の問題提供(出題)を受け、利用者に対する出題が行なわれ、このクライアント端末10の利用者が、出題された問題(ここでは一問)に対する解答を行なって、eラーニングについての完了確認が検知手段12によって検知されると、その旨がファイルサーバ20に通知される。
【0063】
このようにして、毎朝、各社員が端末10を立ち上げてログオンを行なったタイミングで、その日の曜日に対応したエージェントファイル213−iがファイルサーバ20で実行され、その曜日に応じた科目についてのeラーニング(問題出題)がクライアント端末10で行なわれる。
【0064】
ただし、本実施形態において、eラーニング(問題出題)は、前述した通り、利用者が必要に応じてスキップさせて通常業務へ直ちに移行することもできるが、図8を参照しながら後述するごとく、ファイルサーバ20の制御手段25の機能により、通知手段24による通知後、所定時間だけ経過しても、そのクライアント端末10(検知手段12)がeラーニングについての完了通知を行なわない場合には、上記完了確認が検知手段12によって検知されるまで、eラーニングが継続実行つまり強制実行され、通常業務へのスキップは禁止される。
【0065】
図3に示すフローチャート(ステップS11〜S15)に従って、本実施形態の情報処理システム1におけるクライアント端末10の動作について説明する。
上述したように企業等の社内において社員が出勤し自分のクライアント端末10を立ち上げてログオンすると(ステップS11のYESルート)、資産管理サーバ30による資産情報の収集動作(もしくは一般的なウイルス駆除ツールによるウイルス駆除動作;ステップS12)を行なうのと並行して、クライアント端末10の実行指示手段11により、制御プログラムファイル211の起動指示がファイルサーバ20に送信され(ステップS13;図2の矢印A1参照)、図2を参照しながら上述した手順により、クライアント端末10において、曜日に応じた科目についてのeラーニング(問題出題)が実行される(ステップS14)。
【0066】
資産管理サーバ30による資産情報の収集動作(もしくはウイルス駆除動作)を完了するとともに、検知手段12によるeラーニングについての完了確認(上記参照確認ボタンのクリック操作)の検知、もしくは、利用者によるeラーニングのスキップ操作が行なわれると、クライアント端末10は、通常の運用状態へ移行する(ステップS15)。ここで、図8を参照しながら後述するごとく、ファイルサーバ20の制御手段25によりeラーニングの強制実行制御を行なわれた場合には、検知手段12によってeラーニングについての完了確認(上記参照確認ボタンのクリック操作)が検知されてファイルサーバ20に通知されるまで、eラーニングが強制的に継続実行される。
【0067】
図4に示すフローチャート(ステップS21〜S25)に従って、本実施形態の情報処理システム1におけるファイルサーバ20の動作について説明する。
ファイルサーバ20でクライアント端末10からACP起動指示(実行指示)を受けると(ステップS21のYESルート)、制御プログラムファイル211が実行されて実行手段22としての機能が起動される(ステップS22)。この実行手段22により、スケジュールファイル212における実行スケジュールが参照され(ステップS23)、5つのエージェントファイル213−1〜213−5の中から、本日の曜日に応じた科目のeラーニングを行なうエージェントファイル213−iが選択され(ステップS24)、選
択されたエージェントファイル213−iが実行される(ステップS25)。
【0068】
図5に示すフローチャート(ステップS31〜S36)に従って、本実施形態のクライアント端末10でのeラーニング動作(図3のステップS14;制御手段25による強制実行時の動作)について説明する。
【0069】
eラーニングを開始したクライアント端末10では、社内コンテンツサーバ40から曜日に応じた科目の問題を一問だけ提供され、利用者に対する出題が行なわれる(ステップS31)。そして、その問題に対する解答の入力が利用者によって行なわれると(ステップS32のYESルート)、その解答の採点が直ちに行なわれ(ステップS33)、解答の正解/不正解にかかわらず、その問題についての正しい解答および解説がクライアント端末10の表示部上に表示されるとともに(ステップS34)、参照確認ボタンがクライアント端末10の表示部上に表示される(ステップS35)。
【0070】
そして、表示部上で正しい解答や解説を参照した利用者が、マウス等を操作して参照確認ボタンをクリック操作するまで(ステップS36での判定結果がNOからYESになるまで)、つまりは、eラーニングについての完了確認が検知手段12によって検知されるまで、eラーニングについての表示画面の表示、ここでは出題された問題についての正しい解答および解説と参照確認ボタンとの表示が強制的に継続実行される(ステップS34,S35)。
【0071】
図6に示すフローチャート(ステップS31〜S36,S331)に従って、本実施形態のクライアント端末10でのeラーニング動作(図3のステップS14;制御手段25による強制実行時の動作)の変形例について説明する。
【0072】
図6に示すeラーニング動作では、ステップS33での採点結果(正解/不正解)に応じて、ステップS34,S35による表示を行なうか否かを切り替えている点が、図5に示すeラーニング動作と異なっている。
【0073】
つまり、ステップS33での採点の結果、出題された問題に対する解答が不正解であった場合(ステップS331のNOルート)、その問題の正解や解説の表示および参照確認ボタンの表示を行ない(ステップS34,S35)、この参照確認ボタンが利用者によってクリック操作されるまで(ステップS36での判定結果がNOからYESになるまで)、上述と同様、eラーニングについての表示画面が強制的に継続表示される(ステップS34,S35)。これに対し、出題された問題に対する解答が正解であった場合(ステップS331のYESルート)には、ステップS34,S35の動作をスキップさせ、その問題の正解/解説および上記参照確認ボタンの表示を行なうことなくeラーニングを終了する。
【0074】
最後に、エージェントファイルが、上記所定の処理として、上述したeラーニングに代えて、クライアント端末10の利用者に対する情報通知(例えば社内情報の通知;制御手段25による強制実行時の動作)をクライアント端末10に実行させるものである場合の、本実施形態のクライアント端末10での情報通知動作について、図7に示すフローチャート(ステップS41〜S43)に従って説明する。
【0075】
この場合、ファイルサーバ20で情報通知用のエージェントファイルが実行され、その実行に応じ、資産管理サーバ30により、ファイルサーバ20で実行されたエージェントファイルに応じたタスクが実行され、そのエージェントファイルに応じたアプリケーションプログラムが起動され、この資産管理サーバ30からの指示に応じて、クライアント端末10において社内情報等の通知が実行される。具体的には、通知すべき情報がクライア
ント端末10の表示部上に表示される(ステップS41)。このとき、参照確認ボタンもクライアント端末10の表示部上に表示される(ステップS42)。
【0076】
そして、表示部上で表示された情報の内容を参照した利用者が、マウス等を操作して参照確認ボタンをクリック操作するまで(ステップS43での判定結果がNOからYESになるまで)、情報通知画面と参照確認ボタンとの表示が強制的に継続実行される(ステップS41,S42)。
【0077】
なお、所定の処理として情報通知を行なう場合には、eラーニングを行なう場合に用いた上述と同様の実行スケジュールに従って、日付や曜日に応じて異なる内容の情報を通知するようにしてもよいし、実行スケジュールを設定せず、通知すべき情報がある場合にのみ情報通知を行なうようにしてもよい。
【0078】
図8に示すフローチャート(ステップS101〜S111)に従って、本実施形態の情報処理システム1におけるファイルサーバ20の管理サーバとしての動作〔クライアント端末10において所定の処理(eラーニングもしくは情報通知)が実行されたか否かを管理する管理動作〕について説明する。
【0079】
ファイルサーバ20においては、このファイルサーバ20に対するログオンを行なったクライアント端末10の有無を監視しており(ステップS101)、ログオンを行なったクライアント端末10を検知すると(ステップS101のYESルート)、そのクライアント端末10に対して既に完了デスクトップスタンプ101を発行しているか否かを判断する(ステップS102)。
【0080】
完了デスクトップスタンプ101を既に発行している場合には、そのクライアント端末10に対する管理動作を終了して他のクライアント端末10に対する管理動作を実行する一方(ステップS102のYESルートからステップS101)、完了デスクトップスタンプ101をまだ発行していない場合(ステップS102のNOルート)には、そのクライアント端末10に対して未完了デスクトップスタンプ102を発行しているか否かを判断する(ステップS103)。
【0081】
未完了デスクトップスタンプ102をまだ発行していない場合(ステップS103のNOルート)、つまり、そのクライアント端末10に対して完了デスクトップスタンプ101も未完了デスクトップスタンプ102も発行されていない場合には、そのクライアント端末10(検知手段12)からeラーニング(もしくは情報通知)の完了通知が行なわれるか否かを判断する(ステップS104)。
【0082】
完了通知が行なわれた場合(ステップS104のYESルート)には、デスクトップスタンプ発行手段23により、そのクライアント端末10に対し完了デスクトップスタンプ101を発行して図9に示すごとくデスクトップ100上に刻印表示させてから(ステップS105)、そのクライアント端末10に対する管理動作を終了して他のクライアント端末10に対する管理動作を実行する(ステップS101)。
【0083】
完了通知が行なわれなかった場合(ステップS104のNOルート)には、デスクトップスタンプ発行手段23により、そのクライアント端末10に対し未完了デスクトップスタンプ102を発行して図10に示すごとくデスクトップ100上に刻印表示させてから(ステップS106)、そのクライアント端末10に対する管理動作を終了して他のクライアント端末10に対する管理動作を実行する(ステップS101)。
【0084】
また、ログオンしたクライアント端末10に対し未完了デスクトップスタンプ102を
発行している場合(ステップS103のYESルート)、そのクライアント端末10に対し通知手段24による通知が行なわれたか否かを判断する(ステップS107)。
【0085】
通知が行なわれていない場合(ステップS107のNOルート)、未完了デスクトップスタンプ102をクライアント端末10のデスクトップ100上に刻印表示してから所定時間だけ経過したか否かを判断し(ステップS108)、経過していない場合(ステップS108のNOルート)、そのクライアント端末10に対する管理動作を終了して他のクライアント端末10に対する管理動作を実行する(ステップS101)。
【0086】
一方、所定時間だけ経過している場合(ステップS108のYESルート)、通知手段24により、そのクライアント端末10においてeラーニングを完了していない旨が、そのクライアント端末10の利用者本人もしくは管理者(クライアント端末10もしくは管理コンソール端末50)に対して、例えば電子メールによって通知されてから(ステップS109)、そのクライアント端末10に対する管理動作を終了して他のクライアント端末10に対する管理動作を実行する(ステップS101)。
【0087】
そして、ログオンしたクライアント端末10に対し通知手段24による通知が行なわれている場合(ステップS107のYESルート)、通知手段24による通知後、所定時間だけ経過したか否かを判断し(ステップS110)、経過していない場合(ステップS110のNOルート)、そのクライアント端末10に対する管理動作を終了して他のクライアント端末10に対する管理動作を実行する(ステップS101)。
【0088】
一方、所定時間だけ経過している場合(ステップS110のYESルート)、制御手段25により、そのクライアント端末10からeラーニングもしくは情報通知についての完了通知が行なわれるまでそのクライアント端末10においてeラーニング/情報通知を強制的に継続実行させてから(ステップS111)、そのクライアント端末10に対する管理動作を終了して他のクライアント端末10に対する管理動作を実行する(ステップS101)。
【0089】
〔3〕本実施形態の情報処理システムの効果
このように、本発明の一実施形態としての情報処理システム1によれば、クライアント端末10において自動実行された所定の処理(eラーニング/情報処理)を完了した場合にその旨がファイルサーバ(管理サーバ)20に通知され、その通知を行なったクライアント端末10のデスクトップ100上には、その所定の処理を完了した旨を示す完了デスクトップスタンプ101が刻印表示される一方、完了通知を行なっていないクライアント端末(スキップ操作等により所定の処理を完了していない端末)10のデスクトップ100上には、その所定の処理を未だ完了していない旨を示す未完了デスクトップスタンプ102が刻印表示される。
【0090】
このデスクトップスタンプ(ビットマップ画像)101,102は、クライアント端末10側では削除/移動不可能な状態で、デスクトップ100の壁紙上に貼り付けられるため、利用者が自分で操作を行なってデスクトップスタンプ101,102を削除したり移動させたりすることができず、デスクトップ100上で常に表示され、利用者本人だけでなく他の人の目にもさらされることになる。
【0091】
従って、完了デスクトップスタンプ101や未完了デスクトップスタンプ102がデスクトップ100上で刻印表示されることにより、利用者が自発的に所定の処理を実行するように利用者の意志や意識に働きかけることができ、上記所定の処理を確実にかつ徹底して行なえるシステム環境が提供される。
【0092】
このとき、クライアント端末10の起動時(立ち上げ時)にはクライアント端末10からファイルサーバ20に実行指示が送信されてファイルサーバ20でエージェントファイル213−iが実行され、所定の処理(例えばeラーニングや情報通知など)がクライアント端末10上で自動的に実行されることになる。そして、上述したクライアント端末10での機能は、各クライアント端末10にこのクライアント端末10を実行指示手段11や検知手段12として機能させるプログラムをインストールするとともに、エージェントファイル213−iをファイルサーバ20に設定することによって実現することができる。つまり、上記機能を実現するにあたり各クライアント端末10には簡単なプログラムをインストールする〔具体的には、各クライアント端末10のレジストリにACP(制御プログラムファイル211)の起動用キーを設定する〕だけでよく、各クライアント端末10のメモリ領域を無駄に消費することがない。また、管理者は、複数のクライアント端末10によって共用される一つのファイルサーバ20にエージェントファイル213−iを設定するだけでよく、管理者に特別な負担を掛けることなく、共通の処理(管理者の望む処理)を全てのクライアント端末10に自動実行させることができる。これにより、eラーニングや情報通知等の処理を確実かつ徹底して行なえるシステム環境を、クライアント端末10のメモリ領域を無駄に消費することなく且つ管理者に負担を掛けることなく提供することができる。
【0093】
上述のごとき未完了デスクトップスタンプ102を刻印表示する機能のほかに、未完了デスクトップスタンプ102を刻印表示してから所定時間だけ経過しても所定の処理の完了通知を行なわないクライアント端末10については、その旨をクライアント端末10の利用者本人もしくは管理者に対してメール等によって通知したり、所定の処理の完了通知が行なわれるまで所定の処理を継続実行させたりすることで、いつまで経っても所定の処理を完了しないクライアント端末10においては所定の処理が強制的に実行されることになり、その所定の処理が確実にかつ徹底して行なわれることになる。
【0094】
このとき、ファイルサーバ20において、スケジュールファイル212の実行スケジュールに従って複数のエージェントファイル213−1〜213−5のうちの一つを選択して実行するように構成することにより、管理者は、曜日や日時などに応じた処理を各クライアント端末10に自動実行させることが可能になる。
【0095】
また、クライアント端末10が、その起動時に、資産管理サーバ30による資産情報収集動作(あるいはウイルス駆除動作等)と並行してeラーニングや情報通知等の処理を実行するように構成されているので、クライアント端末10において、資産情報収集動作中の無駄時間やウイルス駆除動作中の無駄時間を、上記処理を行なう時間として有効利用することが可能になる。
【0096】
そして、所定の処理として、クライアント端末10の利用者に対するeラーニングをクライアント端末10に実行させる場合、その利用者がクライアント端末10を立ち上げた際にeラーニングを自動的に受けさせられることになり、eラーニングを確実に且つ徹底して行なうことができる。この場合、曜日毎の実行スケジュールに従って曜日に応じたエージェントファイル213−iを実行することで、曜日毎に異なる科目のeラーニングを行なうことが可能になる。つまり、各社員は、毎朝、クライアント端末10を立ち上げてログオンを行なったタイミングで、その日の曜日に対応したエージェントファイル213−iがファイルサーバ20で実行され、その曜日に応じた科目についてのeラーニング(問題出題)がクライアント端末10で自動的に行なわれる。
【0097】
また、クライアント端末10の利用者が所定数の問題について解答を行なったことを所定の処理の完了として検知手段12が検知することにより、利用者は、所定数の問題の解答を行なわない限り、完了デスクトップスタンプ101を得ることができず、利用者に対
するeラーニングをより確実に且つ徹底して行なうことができる。
【0098】
さらに、クライアント端末10の利用者によって正しい解答や解説の参照確認ボタンがクリック操作されたことを所定の処理の完了として検知手段12が検知することにより、利用者に問題の解説を半強制的に読ませて問題の内容を確実に理解させることができる。その際、解答が不正解であった場合に正解/解説および参照確認ボタンの表示を行ない、解答が正解であった場合にはその表示を行なうことなくeラーニングを完了させることにより、不正解者に対してのみ問題の内容を徹底して理解させてから、また、正解者のクライアント端末10に対しては直ちに完了デスクトップスタンプが発行され、通常の運用状態へ移行させることができ、徹底したeラーニングを行ないながら効率のよいシステム運用を実現することができる。
【0099】
また、本実施形態のeラーニング手法では、各社員に、曜日毎に異なる科目の問題を毎日一問ずつ解答させることにより、各社員に特別な負担をかけることなく、各科目の教育内容を確実に啓蒙することができる。さらに、エージェントファイル213−iやスケジュールファイル212の内容は、管理者が管理コンソール端末50を操作することによって容易に設定したり変更したりすることができる。また、eラーニングの際に出題される各種問題のコンテンツについては、インターネット(WEB)経由で社内コンテンツサーバ40に定期的に配布し蓄積することで、同一社員に同一の問題が出題されることを防止することができる。
【0100】
なお、所定の処理として、クライアント端末10の利用者に対する情報通知(例えば社内情報等の通知)をクライアント端末10に実行させる場合、その利用者がクライアント端末10を立ち上げた際に情報通知を半強制的に参照させられることになり、情報通知を確実に且つ徹底して行なうことができる。この場合、クライアント端末10の利用者によって参照確認ボタンがクリック操作されたことを所定の処理の完了として検知手段12が検知することにより、利用者は、情報通知の内容を参照して参照確認ボタンをクリック操作しない限り、完了デスクトップスタンプ101を得ることができず、利用者に対する情報通知をより確実に且つ徹底して行なうことができる。
【0101】
〔4〕その他
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【0102】
例えば、上述した実施形態では、所定の処理として電子教育と情報通知とを別々に行なう場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、両方をクライアント端末10に実行させるようにしてもよい。例えば、電子教育(eラーニング)終了時に社内情報等の情報通知を併せて行なうようにしてもよい。
【0103】
また、上述した実施形態では、実行スケジュールが曜日毎に実行すべきエージェントファイルを指定するものとして与えられる場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、実行スケジュールは、曜日に限らず、ある特定の日付や、月や、季節などに応じて実行すべきエージェントファイルを指定するものとして設定してもよい。
【0104】
さらに、上述した実施形態では、一回あたりの出題数を一問とし、5科目についてのeラーニングを行なう場合について説明したが、本発明は、これらの出題数や科目数に限定されるものではない。eラーニングによる問題の出題手法として、以下のような手法を採用してもよい。例えば、一つのテーマ(科目)について問題を予め100問準備し、これらの100問の問題を20問ずつに分けて5つのクール(問題列)を作成し、各クールの出題順序をずらしながら各社員に出題する。このような出題手法を採ることで、近くの社
員(同じ部署/グループ内の社員)と同じ問題が出題されるのを防ぎ各社員の学習効果を高めることができる。また、そのテーマ(科目)について1つのクールを終了する都度、各社員の採点結果を集計してレーダーチャートを作成してもよい。このようにして全てのクールに対する解答を終了した段階で社員毎に得られたレーダーチャートに基づいて、管理者(出題者)は、各社員の理解度の状況や傾向、学習効果の程度などを把握することができる。このような場合、検知手段12は、利用者がクライアント端末10において100問全てについて回答し解説を参照したことを、eラーニングの完了として検知するように構成する。
【0105】
また、本実施形態では、ファイルサーバ20に、クライアント端末10において所定の処理が実行されたか否かを管理する管理サーバとしての機能をもたせたが、この管理サーバは、ファイルサーバ20と別体としてそなえてもよい。また、ファイルサーバ20,資産管理サーバ30や社内コンテンツサーバ40を一つのサーバによって実現してもよい。
【0106】
ところで、上述した実行指示手段11および検知手段12としての機能(全部または一部の機能)は、クライアント端末10として機能するコンピュータ(CPU,情報処理装置,各種端末を含む)が所定のアプリケーションプログラムを実行することによって実現されるとともに、同様に、上述した保持手段21,実行手段22,デスクトップスタンプ発行手段23,通知手段24および制御手段25としての機能(全部または一部の機能)は、ファイルサーバ(管理サーバ)20として機能するコンピュータ(CPU,情報処理装置,各種端末を含む)が所定のアプリケーションプログラム(制御プログラムファイル211の内容を含む)を実行することによって実現される。
【0107】
そのアプリケーションプログラムは、例えばフレキシブルディスク,CD(CD−ROM,CD−R,CD−RWなど),DVD(DVD−ROM,DVD−RAM,DVD−R,DVD−RW,DVD+R,DVD+RWなど)等のコンピュータ読取可能な記録媒体に記録された形態で提供される。この場合、コンピュータはその記録媒体からアプリケーションプログラムを読み取って内部記憶装置または外部記憶装置に転送し格納して用いる。また、そのアプリケーションプログラムを、例えば磁気ディスク,光ディスク,光磁気ディスク等の記憶装置(記録媒体)に記録しておき、その記憶装置から通信回線を介してコンピュータに提供するようにしてもよい。
【0108】
ここで、コンピュータとは、ハードウエアとOS(オペレーティングシステム)とを含む概念であり、OSの制御の下で動作するハードウエアを意味している。また、OSが不要でアプリケーションプログラム単独でハードウェアを動作させるような場合には、そのハードウェア自体がコンピュータに相当する。ハードウエアは、少なくとも、CPU等のマイクロプロセッサと、記録媒体に記録されたコンピュータプログラムを読み取るための手段とをそなえている。上記所定のアプリケーションプログラムは、上述したクライアント端末10やファイルサーバ20として機能するコンピュータに、実行指示手段11,検知手段12,保持手段21,実行手段22,デスクトップスタンプ発行手段23,通知手段24および制御手段25としての機能を実現させるプログラムコードを含んでいる。また、その機能の一部は、アプリケーションプログラムではなくOSによって実現されてもよい。
【0109】
さらに、本実施形態における記録媒体としては、上述したフレキシブルディスク,CD,DVD,磁気ディスク,光ディスク,光磁気ディスクのほか、ICカード,ROMカートリッジ,磁気テープ,パンチカード,コンピュータの内部記憶装置(RAM,ROM等のメモリ),外部記憶装置等や、バーコードなどの符号が印刷された印刷物等の、コンピュータ読取可能な種々の媒体を利用することもできる。
【0110】
〔5〕付記
(付記1)
クライアント端末と、
該クライアント端末と相互に通信可能に接続され、該クライアント端末において所定の処理が実行されたか否かを管理する管理サーバとをそなえ、
該クライアント端末が、
該クライアント端末において前記所定の処理を完了したことを検知して該管理サーバに通知する検知手段をそなえて構成されるとともに、
該管理サーバが、
前記所定の処理を実行した該クライアント端末から前記所定の処理の完了通知を受けた場合に、前記所定の処理を完了した旨を示す完了デスクトップスタンプを発行し該クライアント端末のデスクトップ上に刻印表示させるデスクトップスタンプ発行手段をそなえて構成されていることを特徴とする、情報処理システム。
【0111】
(付記2)
該デスクトップスタンプ発行手段が、前記所定の処理の完了通知を行なっていないクライアント端末に対して前記所定の処理を未だ完了していない旨を示す未完了デスクトップスタンプを発行し当該クライアント端末のデスクトップ上に刻印表示させるように構成されていることを特徴とする、付記1記載の情報処理システム。
【0112】
(付記3)
該管理サーバが、
該未完了デスクトップスタンプを当該クライアント端末のデスクトップ上に刻印表示してから所定時間だけ経過しても当該クライアント端末が前記所定の処理の完了通知を行なわない場合に、当該クライアント端末において前記所定の処理を完了していない旨を当該クライアント端末の利用者本人もしくは管理者に対して通知する通知手段をさらにそなえて構成されていることを特徴とする、付記2記載の情報処理システム。
【0113】
(付記4)
該管理サーバが、
該未完了デスクトップスタンプを当該クライアント端末のデスクトップ上に刻印表示してから所定時間だけ経過しても当該クライアント端末が前記所定の処理の完了通知を行なわない場合に、前記所定の処理の完了通知が行なわれるまで当該クライアント端末において前記所定の処理を強制実行させるように当該クライアント端末を制御する制御手段をさらにそなえて構成されていることを特徴とする、付記2記載の情報処理システム。
【0114】
(付記5)
該管理サーバが、
該通知手段による通知を行なってから所定時間だけ経過しても当該クライアント端末が前記所定の処理の完了通知を行なわない場合に、前記所定の処理の完了通知が行なわれるまで当該クライアント端末において前記所定の処理を強制実行させるように当該クライアント端末を制御する制御手段をさらにそなえて構成されていることを特徴とする、付記3記載の情報処理システム。
【0115】
(付記6)
該デスクトップスタンプ発行手段が、前記デスクトップスタンプとしてのビットマップ画像を、該クライアント端末側では削除/移動不可能な状態で、該クライアント端末の表示部に表示されたデスクトップの壁紙上に貼り付けることにより、前記デスクトップスタンプを該クライアント端末のデスクトップ上に刻印表示させるように構成されていることを特徴とする、付記1〜付記5のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【0116】
(付記7)
各種ファイルの管理を行なうファイルサーバと、
該ファイルサーバにおける前記各種ファイルを利用すべく該ファイルサーバと相互に通信可能に接続されたクライアント端末とをそなえ、
該ファイルサーバが、
所定の処理を該クライアント端末に実行させるエージェントファイルを保持する保持手段と、
該ファイルサーバにログオンした該クライアント端末から実行指示を受けた場合に該保持手段における該エージェントファイルを実行する実行手段と、
該実行手段による該エージェントファイルの実行に伴って前記所定の処理を実行した該クライアント端末から前記所定の処理の完了通知を受けた場合に、前記所定の処理を完了した旨を示す完了デスクトップスタンプを発行し該クライアント端末のデスクトップ上に刻印表示させるデスクトップスタンプ発行手段とをそなえて構成されるとともに、
該クライアント端末が、
該クライアント端末の利用者が該クライアント端末を立ち上げ該ファイルサーバにログオンする都度、該ファイルサーバにおける該エージェントファイルを実行させるべく前記実行指示を該ファイルサーバに送信する実行指示手段と、
該クライアント端末において前記所定の処理を完了したことを検知して該ファイルサーバに通知する検知手段とをそなえて構成されていることを特徴とする、情報処理システム。
【0117】
(付記8)
該デスクトップスタンプ発行手段が、前記所定の処理の完了通知を行なっていないクライアント端末に対して前記所定の処理を未だ完了していない旨を示す未完了デスクトップスタンプを発行し当該クライアント端末のデスクトップ上に刻印表示させるように構成されていることを特徴とする、付記1記載の情報処理システム。
【0118】
(付記9)
該ファイルサーバが、
該未完了デスクトップスタンプを当該クライアント端末のデスクトップ上に刻印表示してから所定時間だけ経過しても当該クライアント端末が前記所定の処理の完了通知を行なわない場合に、当該クライアント端末において前記所定の処理を完了していない旨を当該クライアント端末の利用者本人もしくは管理者に対して通知する通知手段をさらにそなえて構成されていることを特徴とする、付記8記載の情報処理システム。
【0119】
(付記10)
該ファイルサーバが、
該未完了デスクトップスタンプを当該クライアント端末のデスクトップ上に刻印表示してから所定時間だけ経過しても当該クライアント端末が前記所定の処理の完了通知を行なわない場合に、前記所定の処理の完了通知が行なわれるまで当該クライアント端末において前記所定の処理を継続実行させるように当該クライアント端末を制御する制御手段をさらにそなえて構成されていることを特徴とする、付記8記載の情報処理システム。
【0120】
(付記11)
該ファイルサーバが、
該通知手段による通知を行なってから所定時間だけ経過しても当該クライアント端末が前記所定の処理の完了通知を行なわない場合に、前記所定の処理の完了通知が行なわれるまで当該クライアント端末において前記所定の処理を継続実行させるように当該クライアント端末を制御する制御手段をさらにそなえて構成されていることを特徴とする、付記9
記載の情報処理システム。
【0121】
(付記12)
該デスクトップスタンプ発行手段が、前記デスクトップスタンプとしてのビットマップ画像を、該クライアント端末側では削除/移動不可能な状態で、該クライアント端末の表示部に表示されたデスクトップの壁紙上に貼り付けることにより、前記デスクトップスタンプを該クライアント端末のデスクトップ上に刻印表示させるように構成されていることを特徴とする、付記7〜付記11のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【0122】
(付記13)
該保持手段が、前記所定の処理として複数の異なる処理を該クライアント端末にそれぞれ実行させる複数のエージェントファイルを保持するとともに、該複数のエージェントファイルの実行スケジュールを保持し、
該実行手段が、該クライアント端末からの実行指示を受けると、前記実行スケジュールに従って該複数のエージェントファイルのうちの少なくとも一つを実行することを特徴とする、付記7〜付記12のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【0123】
(付記14)
該ファイルサーバおよび該クライアント端末と相互に通信可能に接続され、該クライアント端末を管理する管理サーバをさらにそなえ、
該管理サーバが、該ファイルサーバでの該エージェントファイルの実行に応じて、該クライアント端末に前記所定の処理を実行させることを特徴とする、付記7〜付記12のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【0124】
(付記15)
該管理サーバが、該クライアント端末における資産情報を収集し該クライアント端末における資産を管理する資産管理サーバであることを特徴とする、付記14記載の情報処理システム。
【0125】
(付記16)
該クライアント端末が、該クライアント端末の起動時に、該資産管理サーバによる前記資産情報の収集動作と並行して前記所定の処理を実行することを特徴とする、付記15記載の情報処理システム。
【0126】
(付記17)
該エージェントファイルが、前記所定の処理として、該クライアント端末の利用者に対する電子教育を該クライアント端末に実行させることを特徴とする、付記7〜付記16のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【0127】
(付記18)
該保持手段が、前記所定の処理として、曜日毎に異なる科目の電子教育を行なうべく複数の科目の電子教育を該クライアント端末にそれぞれ実行させる複数のエージェントファイルを保持するとともに、該複数のエージェントファイルの曜日毎の実行スケジュールを保持し、
該実行手段が、該クライアント端末からの実行指示を受けると、前記実行スケジュールを参照し曜日に応じたエージェントファイルを実行することを特徴とする、付記11記載の情報処理システム。
【0128】
(付記19)
該検知手段が、該クライアント端末において該クライアント端末の利用者が所定数の問
題について解答を行なったことを、前記所定の処理の完了として検知することを特徴とする、付記17または付記18に記載の情報処理システム。
【0129】
(付記20)
該クライアント端末において、該クライアント端末の利用者が所定数の問題について解答を行なった後に当該問題についての解説を参照したことを確認するための参照確認ボタンを該クライアント端末の表示部に表示し、
該検知手段が、当該参照確認ボタンがクリック操作されたことを、前記所定の処理の完了として検知することを特徴とする、付記17または付記18に記載の情報処理システム。
【0130】
(付記21)
該クライアント端末において、前記所定数の問題についての解答が不正解であった場合に前記解説および該参照確認ボタンの表示を行なうことを特徴とする、付記20記載の情報処理システム。
【0131】
(付記22)
該クライアント端末において、前記所定数の問題についての解答が正解であった場合には前記解説および該参照確認ボタンの表示を行なうことなく前記電子教育を完了させることを特徴とする、付記20または付記21に記載の情報処理システム。
【0132】
(付記23)
該エージェントファイルが、前記所定の処理として、該クライアント端末の利用者に対する情報通知を該クライアント端末に実行させることを特徴とする、付記7〜付記22のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【0133】
(付記24)
該クライアント端末において、該クライアント端末の利用者が前記情報通知の内容を参照したことを確認するための参照確認ボタンを該クライアント端末の表示部に表示し、
該検知手段が、当該参照確認ボタンがクリック操作されたことを、前記所定の処理の完了として検知することを特徴とする、付記23記載の情報処理システム。
【0134】
(付記25)
クライアント端末と相互に通信可能に接続され、該クライアント端末において所定の処理が実行されたか否かを管理する管理サーバを、
前記所定の処理を実行した該クライアント端末から前記所定の処理の完了通知を受けた場合に、前記所定の処理を完了した旨を示す完了デスクトップスタンプを発行し該クライアント端末のデスクトップ上に刻印表示させるデスクトップスタンプ発行手段として機能させることを特徴とする、プログラム。
【0135】
(付記26)
該デスクトップスタンプ発行手段が、前記所定の処理の完了通知を行なっていないクライアント端末に対して前記所定の処理を未だ完了していない旨を示す未完了デスクトップスタンプを発行し当該クライアント端末のデスクトップ上に刻印表示させるように、該管理サーバを機能させることを特徴とする、付記25記載のプログラム。
【0136】
(付記27)
該未完了デスクトップスタンプを当該クライアント端末のデスクトップ上に刻印表示してから所定時間だけ経過しても当該クライアント端末が前記所定の処理の完了通知を行なわない場合に、当該クライアント端末において前記所定の処理を完了していない旨を当該
クライアント端末の利用者本人もしくは管理者に対して通知する通知手段として、該管理サーバを機能させることを特徴とする、付記26記載のプログラム。
【0137】
(付記28)
該未完了デスクトップスタンプを当該クライアント端末のデスクトップ上に刻印表示してから所定時間だけ経過しても当該クライアント端末が前記所定の処理の完了通知を行なわない場合に、前記所定の処理の完了通知が行なわれるまで当該クライアント端末において前記所定の処理を強制実行させるように当該クライアント端末を制御する制御手段として、該管理サーバを機能させることを特徴とする、付記26記載のプログラム。
【0138】
(付記29)
該通知手段による通知を行なってから所定時間だけ経過しても当該クライアント端末が前記所定の処理の完了通知を行なわない場合に、前記所定の処理の完了通知が行なわれるまで当該クライアント端末において前記所定の処理を強制実行させるように当該クライアント端末を制御する制御手段として、該管理サーバを機能させることを特徴とする、付記27記載のプログラム。
【0139】
(付記30)
該デスクトップスタンプ発行手段が、前記デスクトップスタンプとしてのビットマップ画像を、該クライアント端末側では削除/移動不可能な状態で、該クライアント端末の表示部に表示されたデスクトップの壁紙上に貼り付けることにより、前記デスクトップスタンプを該クライアント端末のデスクトップ上に刻印表示させるように、該管理サーバを機能させることを特徴とする、付記25〜付記29のいずれか一項に記載のプログラム。
【0140】
(付記31)
クライアント端末によって利用される各種ファイルの管理を行なうファイルサーバを、
所定の処理を該クライアント端末に実行させるエージェントファイルを保持する保持手段、
該ファイルサーバにログオンした該クライアント端末から実行指示を受けた場合に該保持手段における該エージェントファイルを実行する実行手段、および、
該実行手段による該エージェントファイルの実行に伴って前記所定の処理を実行した該クライアント端末から前記所定の処理の完了通知を受けた場合に、前記所定の処理を完了した旨を示す完了デスクトップスタンプを発行し該クライアント端末のデスクトップ上に刻印表示させるデスクトップスタンプ発行手段として機能させることを特徴とする、プログラム。
【0141】
(付記32)
該デスクトップスタンプ発行手段が、前記所定の処理の完了通知を行なっていないクライアント端末に対して前記所定の処理を未だ完了していない旨を示す未完了デスクトップスタンプを発行し当該クライアント端末のデスクトップ上に刻印表示させるように、該ファイルサーバを機能させることを特徴とする、付記31記載のプログラム。
【0142】
(付記33)
該未完了デスクトップスタンプを当該クライアント端末のデスクトップ上に刻印表示してから所定時間だけ経過しても当該クライアント端末が前記所定の処理の完了通知を行なわない場合に、当該クライアント端末において前記所定の処理を完了していない旨を当該クライアント端末の利用者本人もしくは管理者に対して通知する通知手段として、該ファイルサーバを機能させることを特徴とする、付記32記載のプログラム。
【0143】
(付記34)
該未完了デスクトップスタンプを当該クライアント端末のデスクトップ上に刻印表示してから所定時間だけ経過しても当該クライアント端末が前記所定の処理の完了通知を行なわない場合に、前記所定の処理の完了通知が行なわれるまで当該クライアント端末において前記所定の処理を継続実行させるように当該クライアント端末を制御する制御手段として、該ファイルサーバを機能させることを特徴とする、付記32記載のプログラム。
【0144】
(付記35)
該通知手段による通知を行なってから所定時間だけ経過しても当該クライアント端末が前記所定の処理の完了通知を行なわない場合に、前記所定の処理の完了通知が行なわれるまで当該クライアント端末において前記所定の処理を継続実行させるように当該クライアント端末を制御する制御手段として、該ファイルサーバを機能させることを特徴とする、付記33記載のプログラム。
【0145】
(付記36)
該デスクトップスタンプ発行手段が、前記デスクトップスタンプとしてのビットマップ画像を、該クライアント端末側では削除/移動不可能な状態で、該クライアント端末の表示部に表示されたデスクトップの壁紙上に貼り付けることにより、前記デスクトップスタンプを該クライアント端末のデスクトップ上に刻印表示させるように、該ファイルサーバを機能させることを特徴とする、付記31〜付記35のいずれか一項に記載のプログラム。
【図面の簡単な説明】
【0146】
【図1】本発明の一実施形態としての情報処理システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態の情報処理システムのeラーニング動作を説明するための図である。
【図3】本実施形態の情報処理システムにおけるクライアント端末の動作を説明するためのフローチャートである。
【図4】本実施形態の情報処理システムにおけるファイルサーバの動作を説明するためのフローチャートである。
【図5】本実施形態のクライアント端末でのeラーニング動作(強制実行時)を説明するためのフローチャートである。
【図6】本実施形態のクライアント端末でのeラーニング動作(強制実行時)の変形例を説明するためのフローチャートである。
【図7】本実施形態のクライアント端末での情報通知動作(強制実行時)を説明するためのフローチャートである。
【図8】本実施形態の情報処理システムにおけるファイルサーバの管理サーバとしての動作(管理動作)を説明するためのフローチャートである。
【図9】本実施形態においてクライアント端末のデスクトップに刻印表示される完了デスクトップスタンプの一例を示す図である。
【図10】本実施形態においてクライアント端末のデスクトップに刻印表示される未完了デスクトップスタンプの一例を示す図である。
【符号の説明】
【0147】
1 情報処理システム
10 クライアント端末
11 実行指示手段
12 検知手段
20 ファイルサーバ(管理サーバ)
21 保持手段
211 制御プログラムファイル
212 スケジュールファイル(実行スケジュール)
213−1〜213−5 エージェントファイル
22 実行手段
23 デスクトップスタンプ発行手段
24 通知手段
25 制御手段
30 資産管理サーバ(管理サーバ)
40 社内コンテンツサーバ
50 管理コンソール端末
60 社内LAN
100 デスクトップ
101 完了デスクトップスタンプ
102 未完了デスクトップスタンプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クライアント端末と、
該クライアント端末と相互に通信可能に接続され、該クライアント端末において所定の電子教育が実行されたか否かを管理する管理サーバとをそなえ、
該クライアント端末は、
該クライアント端末を構成するCPUが所定のプログラムを実行することにより、前記所定の電子教育を完了したことを検知して該管理サーバに通知する検知手段をそなえて構成されるとともに、
該管理サーバは、
該管理サーバを構成するCPUが所定のプログラムを実行することにより、前記所定の電子教育の完了通知を行なっていないクライアント端末に対して前記所定の電子教育が未だ完了していない旨を表示させる手段と、
当該クライアント端末に前記表示をしてから所定時間だけ経過しても当該クライアント端末が前記所定の電子教育の完了通知を行なわない場合に、当該クライアント端末において前記所定の電子教育を強制実行させるように当該クライアント端末を制御する制御手段とをそなえて構成されていることを特徴とする、情報処理システム。
【請求項2】
クライアント端末と、
該クライアント端末と相互に通信可能に接続され、該クライアント端末において所定の電子教育が実行されたか否かを管理する管理サーバとをそなえ、
該クライアント端末は、
該クライアント端末を構成するCPUが所定のプログラムを実行することにより、前記所定の電子教育を完了したことを検知して該管理サーバに通知する検知手段をそなえて構成されるとともに、
該管理サーバは、
該管理サーバを構成するCPUが所定のプログラムを実行することにより、前記所定の電子教育の完了通知を行なっていないクライアント端末に対して前記所定の電子教育が未だ完了していない旨を表示させる手段と、
当該クライアント端末に前記表示をしてから所定時間だけ経過しても当該クライアント端末が前記所定の電子教育の完了通知を行なわない場合に、当該クライアント端末において前記所定の電子教育を完了していない旨を当該クライアント端末の利用者本人もしくは管理者に対して通知する通知手段と、
該管理サーバを構成するCPUが所定のプログラムを実行することにより、該通知手段による通知を行なってから所定時間だけ経過しても当該クライアント端末が前記所定の電子教育の完了通知を行なわない場合に、当該クライアント端末において前記所定の電子教育を強制実行させるように当該クライアント端末を制御する制御手段とをそなえて構成されていることを特徴とする、情報処理システム。
【請求項3】
各種ファイルの管理を行なうファイルサーバと、
該ファイルサーバにおける前記各種ファイルを利用すべく該ファイルサーバと相互に通信可能に接続されたクライアント端末とをそなえ、
該ファイルサーバは、
所定の電子教育を該クライアント端末に実行させるエージェントファイルを保持する保持手段と、
該ファイルサーバを構成するCPUが所定のプログラムを実行することにより、該ファイルサーバにログオンした該クライアント端末から実行指示を受けた場合に該保持手段における該エージェントファイルを実行する実行手段と、
該ファイルサーバを構成するCPUが所定のプログラムを実行することにより、該実行手段による該エージェントファイルの実行に伴って前記所定の電子教育の完了通知を行な
っていないクライアント端末に対して前記所定の電子教育が未だ完了していない旨を表示させる手段と、
当該クライアント端末に前記表示をしてから所定時間だけ経過しても当該クライアント端末が前記所定の電子教育の完了通知を行なわない場合に、当該クライアント端末において前記所定の電子教育を強制実行させるように当該クライアント端末を制御する制御手段とをそなえて構成されるとともに、
該クライアント端末は、
該クライアント端末を構成するCPUが所定のプログラムを実行することにより、該クライアント端末の利用者が該クライアント端末を立ち上げ該ファイルサーバにログオンする都度、該ファイルサーバにおける該エージェントファイルを実行させるべく前記実行指示を該ファイルサーバに送信する実行指示手段と、
該クライアント端末を構成するCPUが所定のプログラムを実行することにより、前記所定の電子教育を完了したことを検知して該ファイルサーバに通知する検知手段とをそなえて構成されていることを特徴とする、情報処理システム。
【請求項4】
各種ファイルの管理を行なうファイルサーバと、
該ファイルサーバにおける前記各種ファイルを利用すべく該ファイルサーバと相互に通信可能に接続されたクライアント端末とをそなえ、
該ファイルサーバは、
所定の電子教育を該クライアント端末に実行させるエージェントファイルを保持する保持手段と、
該ファイルサーバを構成するCPUが所定のプログラムを実行することにより、該ファイルサーバにログオンした該クライアント端末から実行指示を受けた場合に該保持手段における該エージェントファイルを実行する実行手段と、
該ファイルサーバを構成するCPUが所定のプログラムを実行することにより、該実行手段による該エージェントファイルの実行に伴って前記所定の電子教育の完了通知を行なっていないクライアント端末に対して前記所定の電子教育が未だ完了していない旨を表示させる手段と、
当該クライアント端末に前記表示をしてから所定時間だけ経過しても当該クライアント端末が前記所定の電子教育の完了通知を行なわない場合に、当該クライアント端末において前記所定の電子教育を完了していない旨を当該クライアント端末の利用者本人もしくは管理者に対して通知する通知手段と、
該ファイルサーバを構成するCPUが所定のプログラムを実行することにより、該通知手段による通知を行なってから所定時間だけ経過しても当該クライアント端末が前記所定の電子教育の完了通知を行なわない場合に、当該クライアント端末において前記所定の電子教育を強制実行させるように当該クライアント端末を制御する制御手段とをそなえて構成されるとともに、
該クライアント端末は、
該クライアント端末を構成するCPUが所定のプログラムを実行することにより、該クライアント端末の利用者が該クライアント端末を立ち上げ該ファイルサーバにログオンする都度、該ファイルサーバにおける該エージェントファイルを実行させるべく前記実行指示を該ファイルサーバに送信する実行指示手段と、
該クライアント端末を構成するCPUが所定のプログラムを実行することにより、前記所定の電子教育を完了したことを検知して該ファイルサーバに通知する検知手段とをそなえて構成されていることを特徴とする、情報処理システム。
【請求項5】
該保持手段が、前記所定の電子教育として複数の異なる科目の電子教育を該クライアント端末にそれぞれ実行させる複数のエージェントファイルを保持するとともに、該複数のエージェントファイルの実行スケジュールを保持し、
該実行手段が、該クライアント端末からの実行指示を受けると、前記実行スケジュール
に従って該複数のエージェントファイルのうちの少なくとも一つを実行することを特徴とする、請求項4または請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項6】
該ファイルサーバおよび該クライアント端末と相互に通信可能に接続され、該クライアント端末を管理する管理サーバをさらにそなえ、
該管理サーバを構成するCPUが所定のプログラムを実行することにより、該ファイルサーバでの該エージェントファイルの実行に応じて、該クライアント端末に前記所定の電子教育を実行させることを特徴とする、請求項4または請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項7】
該管理サーバは、該管理サーバを構成するCPUが所定のプログラムを実行することにより、該クライアント端末における資産情報を収集し該クライアント端末における資産を管理する資産管理サーバであることを特徴とする、請求項6に記載の情報処理システム。
【請求項8】
該クライアント端末が、該クライアント端末の起動時に、該資産管理サーバによる前記資産情報の収集動作と並行して前記所定の電子教育を実行することを特徴とする、請求項7記載の情報処理システム。
【請求項9】
クライアント端末と相互に通信可能に接続され、該クライアント端末において所定の電子教育が実行されたか否かを管理する管理サーバを構成するCPUによって実行されるプログラムであって、該CPUが該プログラムを実行することにより、
前記所定の電子教育の完了通知を行なっていないクライアント端末に対して前記所定の電子教育が未だ完了していない旨を表示させる手段、および、
当該クライアント端末に前記表示をしてから所定時間だけ経過しても当該クライアント端末が前記所定の電子教育の完了通知を行なわない場合に、当該クライアント端末において前記所定の電子教育を強制実行させるように当該クライアント端末を制御する制御手段として、該CPUを機能させることを特徴とする、プログラム。
【請求項10】
クライアント端末と相互に通信可能に接続され、該クライアント端末において所定の電子教育が実行されたか否かを管理する管理サーバを構成するCPUによって実行されるプログラムであって、該CPUが該プログラムを実行することにより、
前記所定の電子教育の完了通知を行なっていないクライアント端末に対して前記所定の電子教育が未だ完了していない旨を表示させる手段、
当該クライアント端末に前記表示をしてから所定時間だけ経過しても当該クライアント端末が前記所定の電子教育の完了通知を行なわない場合に、当該クライアント端末において前記所定の電子教育を完了していない旨を当該クライアント端末の利用者本人もしくは管理者に対して通知する通知手段、および、
該通知手段による通知を行なってから所定時間だけ経過しても当該クライアント端末が前記所定の電子教育の完了通知を行なわない場合に、当該クライアント端末において前記所定の電子教育を強制実行させるように当該クライアント端末を制御する制御手段として、該CPUを機能させることを特徴とする、プログラム。
【請求項11】
クライアント端末によって利用される各種ファイルの管理を行なうファイルサーバを構成するCPUによって実行されるプログラムであって、該CPUが該プログラムを実行することにより、
所定の電子教育を該クライアント端末に実行させるエージェントファイルを保持する保持手段、
該ファイルサーバにログオンした該クライアント端末から実行指示を受けた場合に該保持手段における該エージェントファイルを実行する実行手段、
該実行手段による該エージェントファイルの実行に伴って前記所定の電子教育の完了通
知を行なっていないクライアント端末に対して前記所定の電子教育が未だ完了していない旨を表示させる手段、および、
当該クライアント端末に前記表示をしてから所定時間だけ経過しても当該クライアント端末が前記所定の電子教育の完了通知を行なわない場合に、当該クライアント端末において前記所定の電子教育を強制実行させるように当該クライアント端末を制御する制御手段として、該CPUを機能させることを特徴とする、プログラム。
【請求項12】
クライアント端末によって利用される各種ファイルの管理を行なうファイルサーバを構成するCPUによって実行されるプログラムであって、該CPUが該プログラムを実行することにより、
所定の電子教育を該クライアント端末に実行させるエージェントファイルを保持する保持手段、
該ファイルサーバにログオンした該クライアント端末から実行指示を受けた場合に該保持手段における該エージェントファイルを実行する実行手段、
該実行手段による該エージェントファイルの実行に伴って該デスクトップスタンプ発行手段が、前記所定の電子教育の完了通知を行なっていないクライアント端末に対して前記所定の電子教育が未だ完了していない旨を表示させる手段、
当該クライアント端末に前記表示をしてから所定時間だけ経過しても当該クライアント端末が前記所定の電子教育の完了通知を行なわない場合に、当該クライアント端末において前記所定の電子教育を完了していない旨を当該クライアント端末の利用者本人もしくは管理者に対して通知する通知手段、および、
該通知手段による通知を行なってから所定時間だけ経過しても当該クライアント端末が前記所定の電子教育の完了通知を行なわない場合に、当該クライアント端末において前記所定の電子教育を強制実行させるように当該クライアント端末を制御する制御手段として、該CPUを機能させることを特徴とする、プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−65848(P2008−65848A)
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−278374(P2007−278374)
【出願日】平成19年10月26日(2007.10.26)
【分割の表示】特願2005−254278(P2005−254278)の分割
【原出願日】平成17年9月2日(2005.9.2)
【出願人】(592112938)クオリティ株式会社 (121)
【Fターム(参考)】