説明

情報処理システムおよび付属装置

【構成】 ゲームシステム10はゲーム装置12およびコントローラ22を含み、コントローラ22には付属装置36が装着される。付属装置36のスリット板(362)を外した場合には、コントローラ22は、モニタ34上に配置されたマーカ340m、340nから出力される赤外光についての高輝度部分の位置を検出し、それによってモニタ画面上の座標を指示する。また、スリット板(362)を装着した場合には、ドットのパターン(380)が印刷等されたカード(400)を、付属装置36のガイド溝(364)に沿ってスライドさせると、赤外光の照射される複数のドットについての高輝度部分の位置を検出し、それによってドットのパターン(380)に基づく情報処理が実行される。
【効果】 撮像装置を有するコントローラをポインティングデバイスおよびパターン読取装置として使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は情報処理システムおよび付属装置に関し、特にたとえば、撮像装置を備える入力装置を用いた、情報処理システムおよび付属装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の情報処理システムの一例が特許文献1に開示されている。特許文献1の情報処理システムでは、モニタ付近に配置された2つのLEDモジュールから出力される赤外線を、コントローラの先端部に設けた撮像情報演算処理ユニットの撮像装置によって撮像する。撮像情報演算処理ユニットの画像処理回路は、その赤外線を含む撮影画像を処理することによって、2つのLEDモジュールの位置や面積情報を高輝度点の情報として取得する。高輝度点の位置や大きさのデータがコントローラからゲーム機に送信され、ゲーム機で受信される。プレイヤがコントローラを動かすと、高輝度点の位置や大きさのデータが変化するため、それを利用して、ゲーム機はコントローラの動きに対応した操作信号を取得して、たとえば、画面内における、座標の直接入力や回転の入力が可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平2007−83024号[G06F 13/06,H01H 9/02]
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の情報処理システムでは、撮像装置を設けたコントローラを、座標の直接入力や回転の入力を行うような、ポインティングデバイスとしてしか使用していないため、他の用途について開発する余地があった。
【0005】
それゆえに、この発明の主たる目的は、新規な、情報処理システムおよび付属装置を提供することである。
【0006】
また、この発明の他の目的は、パターン読取装置として使用できる、情報処理システムおよび付属装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明は、入力装置と、入力装置に着脱可能に設けられる付属装置と、入力装置と通信を行って所定の情報処理を実行する情報処理装置を備える、情報処理システムである。入力装置は、撮像装置と、撮像装置によって撮像された画像内の高輝度部分の位置を算出する位置算出部と、少なくとも高輝度部分の位置に関するデータを送信する送信部を備える。付属装置は、撮像装置を覆うとともに、所定幅のスリットを有するカバーを備える。したがって、位置算出部は、スリットを通して撮像された画像内の高輝度部分の位置を算出する。情報処理装置は、送信部によって送信されたデータを受信する受信部と、受信部によって受信されたデータに基づいて所定の情報処理を実行する実行部を備える。
【0008】
第1の発明によれば、撮像装置を有する入力装置に付属装置を装着することにより、スリットを通して撮像された画像内の高輝度部分の位置を算出して、これに基づいて情報処理装置が所定の情報処理を実行するので、高輝度部分の位置を検出するようなパターン読取装置として入力装置を使用することができる。
【0009】
第2の発明は、第1の発明に従属し、付属装置は、撮像装置の撮像方向に向かって発光する発光部をさらに備える。たとえば、撮影方向に配置され、所定のパターンが記載された情報媒体に発光することにより、当該所定のパターンが高輝度にされる。したがって、様々な情報媒体を用意すれば、それに応じた所定の情報処理が実行される。
【0010】
第2の発明によれば、様々な情報媒体を用意すれば、それに応じた所定の情報処理が実行されるので、パターン読取装置としての汎用性を高めることができる。
【0011】
第3の発明は、第1または第2の発明に従属し、スリットの幅方向に延びるガイド部をさらに備える。したがって、カード形状の情報媒体を作成すれば、情報媒体をガイド部に沿ってスライドさせることにより、所定のパターンに従う高輝度部分の位置が検出される。
【0012】
第3の発明によれば、ガイド部を設けるので、所定距離を保つとともに、安定してカードのような情報媒体をスライドさせることができる。したがって、高輝度部分の位置を正しく検出することができる。
【0013】
第4の発明は、第1ないし第3の発明に従属し、付属装置は、スリットを含む板部材を着脱可能に設けた。板部材を外すと、通常の入力装置として使用される。
【0014】
第4の発明によれば、スリットを含む板部材を着脱可能に設けるので、付属装置自体を着脱することなく、通常の使用態様と、付属装置を装着した使用態様とで、入力装置を選択的に使用することができる。
【0015】
第5の発明は、撮像装置を有する入力装置に付属する付属装置である。この付属装置は、所定幅のスリットを含む板部材、板部材の外側から当該板部材の面と交差する方向に赤外光を出力する発光部、および板部材と平行に延びるガイド部を備える。たとえば、ドットのパターンが印刷されたカードを、ガイド部に沿ってスライドさせたり、ガイド部に差し込んだりすると、ドットのパターンが発光部からの赤外光によって高輝度にされる。また、高輝度部分の位置は、撮像装置によって撮像された撮像画像から検出される。
【0016】
第5の発明によれば、付属装置を用いることによって、撮像装置を備える入力装置を高輝度部分の位置を検出するようなパターン読取装置として使用することができる。
【0017】
第6の発明は、第5の発明に従属し、撮像装置、板部材および発光部を覆うように形成されたカバーをさらに備える。
【0018】
第6の発明よれば、撮像装置、板部材および発光部を覆うようにカバーを形成するので、スリットを通して撮像される画像に含まれる高輝度部分以外の高輝度部分を誤って検出するのを防止することができる。
【0019】
第7の発明は、板部材およびカバーに黒色を付した。つまり、発光部からの光が板部材やカバーの黒色によって吸収される。
【0020】
第7の発明によれば、板部材やカバーによって発光部からの赤外光は吸収されるので、スリットを通して撮影される高輝度部分の位置のみを正確に検出することができる。
【発明の効果】
【0021】
この発明によれば、スリットを通して検出される高輝度部分の位置に関するデータに基づいて所定の情報処理を実行するので、高輝度部分の位置そのものや高輝度部分の位置の変化に応じた情報処理が可能である。したがって、撮像装置を設けた入力装置をパターン読取装置として使用することができる。
【0022】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1はこの発明のゲームシステムの一実施例を示す図解図である。
【図2】図2は図1に示すゲームシステムの電気的な構成を示すブロック図である。
【図3】図3は図1に示すコントローラの外観を説明するための図解図である。
【図4】図4は図3に示すコントローラの電気的な構成を示すブロック図である。
【図5】図5は図1に示すコントローラを用いて仮想ゲームをプレイするときの状態を概説するための図解図である。
【図6】図6は図1に示すマーカおよびコントローラの視野角を説明するための図解図である。
【図7】図7は対象画像を含む撮像画像の一例を示す図解図である。
【図8】図8は図1に示すコントローラに着脱可能な付属装置の外観を示す図解図である。
【図9】図9は図1に示す付属装置が装着されたコントローラの使用態様を説明するための図解図である。
【図10】図10はゲームシステムにおいて、付属装置が装着されたコントローラを、パターン読取装置として使用する場合において、ドットのパターンを読み取る方法を説明するための図解図である。
【図11】図11はドットのパターンを説明するための図解図およびドットのパターンを読み取る際の概念図である。
【図12】図12は付属装置に用いられるスリット板の他の例を示す図解図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1を参照して、この発明の情報処理システムの一実施例であるゲームシステム10は、ビデオゲーム装置(以下、単に「ゲーム装置」という)12およびコントローラ22を含む。なお、図示は省略するが、この実施例のゲーム装置12は、最大4つのコントローラ22と通信可能に設計されている。また、ゲーム装置12と各コントローラ22とは、無線によって接続される。たとえば、無線通信は、Bluetooth(登録商標)規格に従って実行されるが、赤外線や無線LANなど他の規格に従って実行されてもよい。さらには、有線で接続されてもよい。ただし、図1に示すように、コントローラ22には、付属装置36が装着されている。この付属装置36は、コントローラ22に着脱可能である。
【0025】
ゲーム装置12は、略直方体のハウジング14を含み、ハウジング14の前面にはディスクスロット16が設けられる。ディスクスロット16から、ゲームプログラム等を記憶した情報記憶媒体の一例である光ディスク18が挿入されて、ハウジング14内のディスクドライブ54(図2参照)に装着される。図示は省略するが、ディスクスロット16の周囲には、LEDと導光板とが配置され、様々な処理に応答させて、ディスクスロット16を点灯または点滅させることが可能である。
【0026】
また、ゲーム装置12のハウジング14の前面であり、その上部には、電源ボタン20aおよびリセットボタン20bが設けられ、その下部には、イジェクトボタン20cが設けられる。さらに、リセットボタン20bとイジェクトボタン20cとの間であり、ディスクスロット16の近傍には、外部メモリカード用コネクタカバー28が設けられる。この外部メモリカード用コネクタカバー28の内側には、外部メモリカード用コネクタ62(図2参照)が設けられ、図示しない外部メモリカード(以下、単に「メモリカード」という)が挿入される。メモリカードは、光ディスク18から読み出したゲームプログラム等をローディングして一時的に記憶したり、このゲームシステム10を利用してプレイしたゲームのゲームデータ(ゲームの結果データまたは途中データ)を保存(セーブ)しておいたりするために利用される。ただし、上記のゲームデータの保存は、メモリカードに対して行うことに代えて、たとえばゲーム装置12の内部に設けられるフラッシュメモリ44(図2参照)のような内部メモリに対して行うようにしてもよい。また、メモリカードは、内部メモリのバックアップメモリとして用いるようにしてもよい。さらに、ゲーム装置12では、ゲーム以外の他のアプリケーションを実行することも可能であり、かかる場合には、メモリカードには当該他のアプリケーションのデータを保存することができる。
【0027】
なお、メモリカードとしては、汎用のSDカードを用いることができるが、メモリスティックやマルチメディアカード(登録商標)のような他の汎用のメモリカードを用いることもできる。
【0028】
図1では省略するが、ゲーム装置12のハウジング14の後面には、AVケーブルコネクタ58(図2参照)が設けられ、そのAVコネクタ58を用いて、AVケーブル32aを通してゲーム装置12にモニタ34およびスピーカ34aを接続する。このモニタ34およびスピーカ34aは典型的にはカラーテレビジョン受像機であり、AVケーブル32aによって、ゲーム装置12からの映像信号がカラーテレビのビデオ入力端子に入力され、ゲーム装置12からの音声信号が音声入力端子に入力される。したがって、カラーテレビ(モニタ)34の画面上にたとえば3次元(3D)ビデオゲームのゲーム画像が表示され、左右のスピーカ34aからゲーム音楽や効果音などのステレオゲーム音声が出力される。また、モニタ34の周辺(この実施例では、モニタ34の上側)には、2つの赤外LED(マーカ)340m,340nを備えるマーカ部34bが設けられる。このマーカ部34bは、電源ケーブル32bを通してゲーム装置12に接続される。したがって、マーカ部34bには、ゲーム装置12から電源が供給される。これによって、マーカ340m,340nは発光し、それぞれモニタ34の前方に向けて赤外光を出力する。
【0029】
なお、ゲーム装置12の電源は、一般的なACアダプタ(図示せず)によって与えられる。ACアダプタは家庭用の標準的な壁ソケットに差し込まれ、ゲーム装置12は、家庭用電源(商用電源)を、駆動に適した低いDC電圧信号に変換する。他の実施例では、電源としてバッテリが用いられてもよい。
【0030】
このゲームシステム10において、ユーザまたはプレイヤがゲーム(またはゲームに限らず、他のアプリケーション)をプレイするために、ユーザはまずゲーム装置12の電源をオンし、次いで、ユーザはビデオゲーム(もしくはプレイしたいと思う他のアプリケーション)のプログラムを記録している適宜の光ディスク18を選択し、その光ディスク18をゲーム装置12のディスクドライブ54にローディングする。応じて、ゲーム装置12がその光ディスク18に記録されているプログラムに基づいてビデオゲームもしくは他のアプリケーションを実行し始めるようにする。ユーザはゲーム装置12に入力を与えるためにコントローラ22を操作する。たとえば、入力手段26のどれかを操作することによってゲームもしくは他のアプリケーションをスタートさせる。また、入力手段26に対する操作以外にも、付属装置36をコントローラ22から外したり、付属装置36のスリット板36b(後述する)を外したりした状態で、コントローラ22自体を動かすことによって、動画オブジェクト(プレイヤオブジェクト)を異なる方向に移動させ、または3Dのゲーム世界におけるユーザの視点(カメラ位置)を変化させることができる。また、後述するように、付属装置36を装着した状態で、ドットのパターン(コード)を読み取ることによって、読み取ったドットのパターンに従う所定の情報処理(ゲーム処理)を実行することができる。
【0031】
たとえば、所定の情報処理(ゲーム処理)としては、ドットのパターンに基づいて、ゲームキャラクタを発生したり、ゲームキャラクタの属性を追加・変更したり、ゲームキャラクタに所定のアクションを実行させたり、マップを追加したり、人間の顔画像や個人情報を表示したり、文字コードを発生させたり、辞書(単語)を追加・変更したりするなどの様々な処理が該当する。つまり、所定の情報処理は、ドットのパターンおよび情報処理装置としてのゲーム装置12で実行されるアプリケーション(情報処理)に応じて予め決定される。
【0032】
ただし、ビデオゲームや他のアプリケーションのプログラムは、ゲーム装置12の内部メモリ(フラッシュメモリ42(図2参照))に記憶(インストール)しておき、当該内部メモリから実行するようにしてもよい。かかる場合には,光ディスク18のような記憶媒体に記憶されたプログラムを内部メモリにインストールしてもよいし、ダウンロードされたプログラムを内部メモリにインストールしてもよい。
【0033】
図2は図1実施例のゲームシステム10の電気的な構成を示すブロック図である。図示は省略するが、ハウジング14内の各コンポーネントは、プリント基板に実装される。図2に示すように、ゲーム装置12には、CPU40が設けられ、ゲームプロセッサとして機能する。また、CPU40には、システムLSI42が接続される。このシステムLSI42には、外部メインメモリ46、ROM/RTC48、ディスクドライブ54およびAV IC56が接続される。
【0034】
外部メインメモリ46は、ゲームプログラム等のプログラムを記憶したり、各種データを記憶したりして、CPU40のワーク領域やバッファ領域として用いられる。ROM/RTC48は、いわゆるブートROMであり、ゲーム装置12の起動用のプログラムが組み込まれるとともに、時間をカウントする時計回路が設けられる。ディスクドライブ54は、光ディスク18からプログラム、画像データや音声データ等を読み出し、CPU40の制御の下で、後述する内部メインメモリ42eまたは外部メインメモリ46に書き込む。
【0035】
システムLSI42には、入出力プロセッサ42a、GPU(Graphics Processor Unit)42b,DSP(Digital Signal Processor)42c,VRAM42dおよび内部メインメモリ42eが設けられ、図示は省略するが、これらは内部バスによって互いに接続される。入出力プロセッサ(I/Oプロセッサ)42aは、データの送受信を実行したり、データのダウンロードを実行したりする。データの送受信やダウンロードについては後述する。
【0036】
GPU42bは、描画手段の一部を形成し、CPU40からのグラフィクスコマンド(作画命令)を受け、そのコマンドに従ってゲーム画像データを生成する。ただし、CPU40は、グラフィクスコマンドに加えて、ゲーム画像データの生成に必要な画像生成プログラムをGPU42bに与える。
【0037】
図示は省略するが、上述したように、GPU42bにはVRAM42dが接続される。GPU42bが作画コマンドを実行するにあたって必要なデータ(画像データ:ポリゴンデータやテクスチャデータなどのデータ)は、GPU42bがVRAM42dにアクセスして取得する。ただし、CPU40は、描画に必要な画像データを、GPU42bを介してVRAM42dに書き込む。GPU42bは、VRAM42dにアクセスして描画のためのゲーム画像データを作成する。
【0038】
なお、この実施例では、GPU42bがゲーム画像データを生成する場合について説明するが、ゲームアプリケーション以外の任意のアプリケーションを実行する場合には、GPU42bは当該任意のアプリケーションについての画像データを生成する。
【0039】
また、DSP42cは、オーディオプロセッサとして機能し、内部メインメモリ42eや外部メインメモリ46に記憶されるサウンドデータや音波形(音色)データを用いて、スピーカ34aから出力する音、音声或いは音楽に対応するオーディオデータを生成する。
【0040】
上述のように生成されたゲーム画像データおよびオーディオデータは、AV IC56によって読み出され、AVコネクタ58を介してモニタ34およびスピーカ34aに出力される。したがって、ゲーム画面がモニタ34に表示され、ゲームに必要な音(音楽)がスピーカ34aから出力される。
【0041】
また、入出力プロセッサ42aには、フラッシュメモリ44、無線通信モジュール50および無線コントローラモジュール52が接続されるとともに、拡張コネクタ60およびメモリカード用コネクタ62が接続される。また、無線通信モジュール50にはアンテナ50aが接続され、無線コントローラモジュール52にはアンテナ52aが接続される。
【0042】
図示は省略するが、入出力プロセッサ42aは、無線通信モジュール50を介して、ネットワークに接続される他のゲーム装置や各種サーバと通信することができる。ただし、ネットワークを介さずに、直接的に他のゲーム装置と通信することもできる。入出力プロセッサ42aは、定期的にフラッシュメモリ44にアクセスし、ネットワークへ送信する必要があるデータ(「送信データ」とする)の有無を検出し、当該送信データが有る場合には、無線通信モジュール50およびアンテナ50aを介してネットワークに送信する。また、入出力プロセッサ42aは、他のゲーム装置から送信されるデータ(「受信データ」とする)を、ネットワーク、アンテナ50aおよび無線通信モジュール50を介して受信し、当該受信データをフラッシュメモリ44に記憶する。ただし、受信データが一定の条件を満たさない場合には、当該受信データはそのまま破棄される。さらに、入出力プロセッサ42aは、ダウンロードサーバからダウンロードしたデータ(ダウンロードデータとする)をネットワーク、アンテナ50aおよび無線通信モジュール50を介して受信し、そのダウンロードデータをフラッシュメモリ44に記憶する。
【0043】
また、入出力プロセッサ42aは、コントローラ22から送信される入力データをアンテナ52aおよび無線コントローラモジュール52を介して受信し、内部メインメモリ42eまたは外部メインメモリ46のバッファ領域に記憶(一時記憶)する。入力データは、CPU40の処理(たとえば、ゲーム処理などの情報処理)によって利用された後、バッファ領域から消去される。
【0044】
なお、この実施例では、上述したように、無線コントローラモジュール52は、Bluetooth規格に従ってコントローラ22との間で通信を行う。
【0045】
さらに、入出力プロセッサ42aには、拡張コネクタ60およびメモリカード用コネクタ62が接続される。拡張コネクタ60は、USBやSCSIのようなインターフェイスのためのコネクタであり、外部記憶媒体のようなメディアを接続したり、コントローラ22とは異なる他のコントローラのような周辺機器を接続したりすることができる。また、拡張コネクタ60に有線LANアダプタを接続し、無線通信モジュール50に代えて当該有線LANを利用することもできる。メモリカード用コネクタ62には、メモリカードのような外部記憶媒体を接続することができる。したがって、たとえば、入出力プロセッサ42aは、拡張コネクタ60やメモリカード用コネクタ62を介して、外部記憶媒体にアクセスし、データを保存したり、データを読み出したりすることができる。
【0046】
詳細な説明は省略するが、図1にも示したように、ゲーム装置12(ハウジング14)には、電源ボタン20a,リセットボタン20bおよびイジェクトボタン20cが設けられる。電源ボタン20aは、システムLSI42に接続される。この電源ボタン20aがオンされると、システムLSI42には、ゲーム装置12の各コンポーネントに図示しないACアダプタを経て電源が供給され、通常の通電状態となるモード(以下、「通常モード」という)が設定される。一方、電源ボタン20aがオフされると、システムLSI42には、ゲーム装置12の一部のコンポーネントのみに電源が供給され、消費電力を必要最低限に抑えるモード(以下、「スタンバイモード」という)が設定される。
【0047】
この実施例では、スタンバイモードが設定された場合には、システムLSI42は、入出力プロセッサ42a、フラッシュメモリ44、外部メインメモリ46、ROM/RTC48および無線通信モジュール50、無線コントローラモジュール52以外のコンポーネントに対して、電源供給を停止する指示を行う。したがって、この実施例では、スタンバイモードにおいて、CPU40がアプリケーションを実行することはない。
【0048】
なお、システムLSI42には、スタンバイモードにおいても電源が供給されるが、GPU42b、DSP42cおよびVRAM42dへのクロックの供給を停止することにより、これらを駆動しないようにして、消費電力を低減するようにしてある。
【0049】
また、図示は省略するが、ゲーム装置12のハウジング14内部には、CPU40やシステムLSI42などのICの熱を外部に排出するためのファンが設けられる。スタンバイモードでは、このファンも停止される。
【0050】
ただし、スタンバイモードを利用したくない場合には、スタンバイモードを利用しない設定にしておくことにより、電源ボタン20aがオフされたときに、すべての回路コンポーネントへの電源供給が完全に停止される。
【0051】
また、通常モードとスタンバイモードとの切り替えは、コントローラ22の電源スイッチ26hのオン/オフの切り替えによって、遠隔操作によって行うことが可能である。当該遠隔操作を行わない場合には、スタンバイモードにおいて無線コントローラモジュール52aへの電源供給を行わない設定にしてもよい。
【0052】
リセットボタン20bもまた、システムLSI42に接続される。リセットボタン20bが押されると、システムLSI42は、ゲーム装置12の起動プログラムを再起動する。イジェクトボタン20cは、ディスクドライブ54に接続される。イジェクトボタン20cが押されると、ディスクドライブ54から光ディスク18が排出される。
【0053】
図3(A)ないし図3(E)は、コントローラ22の外観の一例を示す。図3(A)はコントローラ22の先端面を示し、図3(B)はコントローラ22の上面を示し、図3(C)はコントローラ22の右側面を示し、図3(D)はコントローラ22の下面を示し、そして、図3(E)はコントローラ22の後端面を示す。
【0054】
図3(A)ないし図3(E)を参照して、コントローラ22は、たとえばプラスチック成型によって形成されたハウジング22aを有している。ハウジング22aは、略直方体形状であり、ユーザが片手で把持可能な大きさである。ハウジング22a(コントローラ22)には、入力手段(複数のボタンないしスイッチ)26が設けられる。具体的には、図3(B)に示すように、ハウジング22aの上面には、十字キー26a,1ボタン26b,2ボタン26c,Aボタン26d,−ボタン26e,HOMEボタン26f,+ボタン26gおよび電源スイッチ26hが設けられる。また、図3(C)および図3(D)に示すように、ハウジング22aの下面に傾斜面が形成されており、この傾斜面に、Bトリガースイッチ26iが設けられる。
【0055】
十字キー26aは、4方向プッシュスイッチであり、矢印で示す4つの方向、前(または上)、後ろ(または下)、右および左の操作部を含む。この操作部のいずれか1つを操作することによって、プレイヤによって操作可能なキャラクタまたはオブジェクト(プレイヤキャラクタまたはプレイヤオブジェクト)の移動方向を指示したり、カーソルの移動方向を指示したり、単に方向を指示したりすることができる。
【0056】
1ボタン26bおよび2ボタン26cは、それぞれ、押しボタンスイッチである。たとえば3次元ゲーム画像を表示する際の視点位置や視点方向、すなわち仮想カメラの位置や画角を調整する等のゲームの操作に使用される。または、1ボタン26bおよび2ボタン26cは、Aボタン26dおよびBトリガースイッチ26iと同じ操作或いは補助的な操作をする場合に用いるようにしてもよい。
【0057】
Aボタンスイッチ26dは、押しボタンスイッチであり、プレイヤキャラクタまたはプレイヤオブジェクトに、方向指示以外の動作、すなわち、打つ(パンチ)、投げる、つかむ(取得)、乗る、ジャンプするなどの任意のアクションをさせるために使用される。たとえば、アクションゲームにおいては、ジャンプ、パンチ、武器を動かすなどを指示することができる。また、ロールプレイングゲーム(RPG)やシミュレーションRPGにおいては、アイテムの取得、武器やコマンドの選択および決定等を指示することができる。また、Aボタンスイッチ26dは、コントローラ22をポインティングデバイスとして用いる場合に、ゲーム画面上でポインタ(指示画像)が指示するアイコンないしボタン画像の決定を指示するために使用される。たとえば、アイコンやボタン画像が決定されると、これらに対応して予め設定されている指示ないし命令(コマンド)を入力することができる。
【0058】
−ボタン26e、HOMEボタン26f、+ボタン26gおよび電源スイッチ26hもまた、押しボタンスイッチである。−ボタン26eは、ゲームモードを選択するために使用される。HOMEボタン26fは、ゲームメニュー(メニュー画面)を表示するために使用される。+ボタン26gは、ゲームを開始(再開)したり、一時停止したりするなどのために使用される。電源スイッチ26hは、ゲーム装置12の電源を遠隔操作によってオン/オフするために使用される。
【0059】
なお、この実施例では、コントローラ22自体をオン/オフするための電源スイッチは設けておらず、コントローラ22の入力手段26のいずれかを操作することによってコントローラ22はオンとなり、一定時間(たとえば、30秒)以上操作しなければ自動的にオフとなるようにしてある。
【0060】
Bトリガースイッチ26iもまた、押しボタンスイッチであり、主として、弾を撃つなどのトリガを模した入力を行ったり、コントローラ22で選択した位置を指定したりするために使用される。また、Bトリガースイッチ26iを押し続けると、プレイヤオブジェクトの動作やパラメータを一定の状態に維持することもできる。また、一定の場合には、Bトリガースイッチ26iは、通常のBボタンと同様に機能し、Aボタン26dによって決定したアクションやコマンドなどを取り消すなどのために使用される。
【0061】
また、図3(E)に示すように、ハウジング22aの後端面に外部拡張コネクタ22bが設けられ、また、図3(B)に示すように、ハウジング22aの上面であり、後端面側にはインジケータ22cが設けられる。外部拡張コネクタ22bは、コントローラ22とは異なる拡張コントローラ(図示せず)を接続するためなどに使用される。インジケータ22cは、たとえば、4つのLEDで構成される。たとえば、インジケータ22cでは、4つのうちのいずれか1つを点灯させることにより、点灯したLEDに応じて、コントローラ22の識別情報(コントローラ番号)を示すことができる。また、インジケータ22cでは、点灯させるLEDの個数によってコントローラ22の電池残量を示すこともできる。
【0062】
さらに、コントローラ22は、撮像情報演算部80(図4参照)を有しており、図3(A)に示すように、ハウジング22aの先端面には撮像情報演算部80の光入射口22dが設けられる。また、コントローラ22は、スピーカ86(図4参照)を有しており、このスピーカ86は、図3(B)に示すように、ハウジング22aの上面であり、1ボタン26bとHOMEボタン26fとの間に設けられる音抜き孔22eに対応して、ハウジング22a内部に設けられる。
【0063】
なお、図3(A)ないし図3(E)に示したコントローラ22の形状や、各入力手段26の形状、数および設置位置等は単なる一例に過ぎず、それらが適宜改変された場合であっても、本発明を実現できることは言うまでもない。
【0064】
図4はコントローラ22の電気的な構成を示すブロック図である。この図4を参照して、コントローラ22はプロセッサ70を含み、このプロセッサ70には、内部バス(図示せず)によって、外部拡張コネクタ22b、入力手段26、メモリ72、加速度センサ74、無線モジュール76、撮像情報演算部80、LED82(インジケータ22c)、バイブレータ84、スピーカ86および電源回路88が接続される。また、無線モジュール76には、アンテナ78が接続される。
【0065】
なお、簡単のため、図4では省略するが、上述したように、インジケータ22cは4つのLED82によって構成される。
【0066】
プロセッサ70は、コントローラ22の全体制御を司り、入力手段26、加速度センサ74および撮像情報演算部80によって入力された情報(入力情報)を、入力データとして無線モジュール76およびアンテナ78を介してゲーム装置12に送信(入力)する。このとき、プロセッサ70は、メモリ72を作業領域ないしバッファ領域として用いる。また、上述した入力手段26(26a−26i)からの操作信号(操作データ)は、プロセッサ70に入力され、プロセッサ70は操作データを一旦メモリ72に記憶する。
【0067】
加速度センサ74は、コントローラ22の縦方向(y軸方向)、横方向(x軸方向)および前後方向(z軸方向)の3軸で各々の加速度を検出する。この加速度センサ74は、典型的には、静電容量式の加速度センサであるが、他の方式のものを用いるようにしてもよい。
【0068】
たとえば、加速度センサ74は、第1所定時間毎に、x軸,y軸,z軸の各々についての加速度(ax,ay,az)を検出し、検出した加速度のデータ(加速度データ)をプロセッサ70に入力する。たとえば、加速度センサ74は、各軸方向の加速度を、−2.0g〜2.0g(gは重力加速度である。以下、同じ。)の範囲で検出する。プロセッサ70は、加速度センサ74から与えられる加速度データを、第2所定時間毎に検出し、一旦メモリ72に記憶する。
【0069】
プロセッサ70は、操作データ、加速度データおよび後述するマーカ座標データの少なくとも1つを含む入力データを作成し、作成した入力データを、第3所定時間(たとえば、5msec)毎にゲーム装置12に送信する。
【0070】
なお、図3(A)−図3(E)では省略したが、この実施例では、加速度センサ74は、ハウジング22a内部の基板上の十字キー26aが配置される付近に設けられる。
【0071】
無線モジュール76は、たとえばBluetoothの技術を用いて、所定周波数の搬送波を入力データで変調し、その微弱電波信号をアンテナ78から放射する。つまり、入力データは、無線モジュール76によって微弱電波信号に変調されてアンテナ78(コントローラ22)から送信される。この微弱電波信号が上述したゲーム装置12に設けられた無線コントローラモジュール52によって受信される。受信された微弱電波は、復調および復号の処理を施され、したがって、ゲーム装置12(CPU40)は、コントローラ22からの入力データを取得することができる。そして、CPU40は、取得した入力データとアプリケーションプログラムとに従ってアプリケーションの処理を行う。
【0072】
さらに、上述したように、コントローラ22には、撮像情報演算部80が設けられる。この撮像情報演算部80は、赤外線フィルタ80a、レンズ80b、撮像素子80cおよび画像処理回路80dによって構成される。赤外線フィルタ80aは、コントローラ22の前方から入射する光から赤外線のみを通過させる。上述したように、モニタ34の表示画面近傍(周辺)に配置されるマーカ340mおよび340nは、モニタ34の前方に向かって赤外光を出力する赤外LEDである。したがって、赤外線フィルタ80aを設けることによってマーカ340mおよび340nの画像をより正確に撮像することができる。レンズ80bは、赤外線フィルタ80aを透過した赤外線を集光して撮像素子80cへ出射する。撮像素子80cは、たとえばCMOSセンサあるいはCCDのような固体撮像素子であり、レンズ80bによって集光された赤外線を撮像する。したがって、撮像素子80cは、赤外線フィルタ80aを通過した赤外線だけを撮像して画像データを生成する。以下では、撮像素子80cによって撮像された画像を撮像画像と呼ぶ。また、赤外線フィルタ80a、レンズ80bおよび撮像素子80cによって、撮像装置(カメラ)800が構成される。撮像素子80cによって生成された画像データは、画像処理回路80dで処理される。画像処理回路80dは、撮像画像内における撮像対象(マーカ340mおよび340n)の位置を算出し、第4所定時間毎に、当該位置を示す各座標値を撮像データ(後述するマーカ座標データ)としてプロセッサ70に出力する。なお、画像処理回路80dにおける処理については後述する。
【0073】
図示は省略するが、付属装置36への電源供給をコントローラ22から行うようにする場合には、コネクタ22bと付属装置36(赤外LED366:図10参照)とが電源ケーブル(図示せず)を用いて接続される。そして、プロセッサ70の制御によって、電源回路88から付属装置36(赤外LED366)に電源が供給されたり停止されたりする。
【0074】
ただし、付属装置36にバッテリのような電源を設ける場合には、コネクタ22bと付属装置36とを電源ケーブルによって接続する必要はない。
【0075】
図5は、コントローラ22を用いてゲームプレイするときの状態を概説する図解図である。ただし、ゲームプレイのみならず、他のアプリケーションを実行する場合も同様である。ここでは、説明の都合上、付属装置36がコントローラ22に装着されていない場合について説明する。図5に示すように、ゲームシステム10でコントローラ22を用いてゲームをプレイする際、プレイヤは、一方の手でコントローラ22を把持する。厳密に言うと、プレイヤは、コントローラ22の先端面(撮像情報演算部80が撮像する光の入射口22d側)がマーカ340mおよび340nの方を向く状態でコントローラ22を把持する。ただし、図1からも分かるように、マーカ340mおよび340nは、モニタ34の画面の横方向と平行に配置されている。この状態で、プレイヤは、コントローラ22が指示する画面上の位置を変更したり、コントローラ22と各マーカ340mおよび340nとの距離を変更したりすることによってゲーム操作を行う。
【0076】
図6は、マーカ340mおよび340nと、コントローラ22との視野角を説明するための図である。図6に示すように、マーカ340mおよび340nは、それぞれ、視野角θ1の範囲で赤外光を放射する。また、撮像情報演算部80の撮像素子80cは、コントローラ22の視線方向を中心とした視野角θ2の範囲で入射する光を受光することができる。たとえば、マーカ340mおよび340nの視野角θ1は、共に34°(半値角)であり、一方、撮像素子80cの視野角θ2は41°である。プレイヤは、撮像素子80cが2つのマーカ340mおよび340nからの赤外光を受光することが可能な位置および向きとなるように、コントローラ22を把持する。具体的には、撮像素子80cの視野角θ2の中にマーカ340mおよび340nの少なくとも一方が存在し、かつ、マーカ340mまたは340nの少なくとも一方の視野角θ1の中にコントローラ22が存在する状態となるように、プレイヤはコントローラ22を把持する。この状態にあるとき、コントローラ22は、マーカ340mおよび340nの少なくとも一方を検知することができる。プレイヤは、この状態を満たす範囲でコントローラ22の位置および向きを変化させることによってゲーム操作を行うことができる。
【0077】
なお、コントローラ22の位置および向きがこの範囲外となった場合、コントローラ22の位置および向きに基づいたゲーム操作を行うことができなくなる。以下では、上記範囲を「操作可能範囲」と呼ぶ。
【0078】
操作可能範囲内でコントローラ22が把持される場合、撮像情報演算部80によって各マーカ340mおよび340nの画像が撮像される。すなわち、撮像素子80cによって得られる撮像画像には、撮像対象である各マーカ340mおよび340nの画像(対象画像)が含まれる。図7は、対象画像を含む撮像画像の一例を示す図である。対象画像を含む撮像画像の画像データを用いて、画像処理回路80dは、各マーカ340mおよび340nの撮像画像における位置を表す座標(マーカ座標)を算出する。
【0079】
撮像画像の画像データにおいて対象画像は高輝度部分として現れるため、画像処理回路80dは、まず、この高輝度部分を対象画像の候補として検出する。次に、画像処理回路80dは、検出された高輝度部分の大きさに基づいて、その高輝度部分が対象画像であるか否かを判定する。撮像画像には、対象画像である2つのマーカ340mおよび340nに対応する画像340m’および340n’のみならず、窓からの太陽光や部屋の蛍光灯の光によって対象画像以外の画像が含まれていることがある。高輝度部分が対象画像であるか否かの判定処理は、対象画像である画像340m’および340n’と、それ以外の画像とを区別し、対象画像を正確に検出するために実行される。具体的には、当該判定処理においては、検出された高輝度部分が、予め定められた所定範囲内の大きさであるか否かが判定される。そして、高輝度部分が所定範囲内の大きさである場合には、当該高輝度部分は対象画像を表すと判定される。逆に、高輝度部分が所定範囲内の大きさでない場合には、当該高輝度部分は対象画像以外の画像を表すと判定される。
【0080】
さらに、上記の判定処理の結果、対象画像を表すと判定された高輝度部分について、画像処理回路80dは当該高輝度部分の位置を算出する。具体的には、当該高輝度部分の重心位置を算出する。ここでは、当該重心位置の座標をマーカ座標と呼ぶ。また、重心位置は撮像素子80cの解像度よりも詳細なスケールで算出することが可能である。ここでは、撮像素子80cによって撮像された撮像画像の解像度が126×96であるとし、重心位置は1024×768のスケールで算出されるものとする。つまり、マーカ座標は、(0,0)から(1024,768)までの整数値で表現される。
【0081】
なお、撮像画像における位置は、撮像画像の左上を原点とし、下向きをY軸正方向とし、右向きをX軸正方向とする座標系(XY座標系)で表現されるものとする。
【0082】
また、対象画像が正しく検出される場合には、判定処理によって2つの高輝度部分が対象画像として判定されるので、2箇所のマーカ座標が算出される。画像処理回路80dは、算出された2箇所のマーカ座標を示すデータを出力する。出力されたマーカ座標のデータ(マーカ座標データ)は、上述したように、プロセッサ70によって入力データに含まれ、ゲーム装置12に送信される。
【0083】
ゲーム装置12(CPU40)は、受信した入力データからマーカ座標データを検出すると、このマーカ座標データに基づいて、モニタ34の画面上におけるコントローラ22の指示位置(指示座標)と、コントローラ22からマーカ340mおよび340nまでの各距離とを算出することができる。具体的には、2つのマーカ座標の中点の位置から、コントローラ22の向いている位置すなわち指示位置が算出される。また、撮像画像における対象画像間の距離が、コントローラ22と、マーカ340mおよび340nとの距離に応じて変化するので、2つのマーカ座標間の距離を算出することによって、ゲーム装置12はコントローラ22と、マーカ340mおよび340nとの間の距離を把握できる。さらに、2つのマーカ座標を通る直線の傾きから、コントローラ22の光入射口22dをマーカ340mおよび340n(モニタ34)側に向けた場合における、コントローラ22の長手方向を回転軸としたコントローラ22の回転量を検出することができる。
【0084】
図8(A)および図8(B)は、コントローラ22に着脱可能に設けられる付属装置36の外観構成を示す図解図である。図8(A)および図8(B)に示すように、付属装置36は、本体360とスリット板362とによって構成される。また、本体360は、大きく分けて、コントローラ22に接合するための接合部3600と、スリット板362を装着するための装着部3602とによって構成される。接合部3600は、装着部3602を構成する板部材3622(図8(B)参照)の平面に対して垂直に延びて、断面が略四角形状の筒で構成される。
【0085】
図8(A)に示すように、本体360の接合部3600には、付属装置36をコントローラ22に装着する際に、コントローラ22の先端部を挿入するための挿入口360aが設けられる。また、接合部3600の一部には切り欠き360bが設けられ、したがって、コントローラ22に付属装置36を着脱する際、挿入口360aが拡大される。このため、付属装置36をコントローラ22に着脱し易い。また、図示は省略するが、コントローラ22の先端部には、撮像装置800が収納されており、したがって、付属装置36をコントローラ22に装着すると、撮像装置800は接合部3600によって囲まれることになる。
【0086】
また、装着部3602には、ドットのパターン380を印刷ないし貼り付けたカード400(図9(B)参照)のような情報媒体から、そのパターン(コード)を読み取る場合に、そのカード400をスライドさせるためのガイド溝364が設けられる。これは、カード400(ドットのパターン380)とコントローラ22(撮像装置800)との距離を一定に保つためであり、スライド時にコントローラ22(撮像装置800)に対してカード400(ドットのパターン80)が斜めになるのを防止するためである。ただし、場合によっては、カード400をスライドさせずに、ガイド溝364に差し込むだけでもよい。
【0087】
また、接合部3600の側面には、2つの赤外LED366(図8では省略)を取り付けるための2つの取付孔360cが設けられる。図示は省略するが、赤外LED366のうち、少なくとも発光する部分が本体360の内部に配置されるように、赤外LED366は取り付けられる。また、この実施例では、2つの赤外LED366を取り付けるため、2つの取付孔360cを設けるようにしてある。つまり、取付孔360cの数は、取り付ける赤外LED366の数によって決定される。ただし、取り付ける赤外LED366の数は、赤外光を照射する範囲(赤外光の照射範囲)の大きさや形状に応じて決定される。
【0088】
図8(B)は、図8(A)の挿入口360aとは逆方向から付属装置36を見た図解図である。この図8(B)では、スリット板362を本体360(装着部3602)から外した状態の付属装置36を示してある。図8(B)に示すように、装着部3602には、四角形の貫通孔360dが設けられる。また、図面では分かり難いが、接合部3600の内部には、光入射口22dとほぼ同じ大きさ(形状)の切り抜き部3610を有するストッパ360eが設けられる。図8(B)に示すように、ストッパ360eは、取付孔360cよりも挿入口360a側に設けられ、付属装置36をコントローラ22に装着する際、差し込む方向におけるコントローラ22の位置(移動)を規制する。
【0089】
図面では分かり難いが、貫通孔360dおよびストッパ360eに設けられる切り抜き部3610の大きさは、コントローラ22に設けられる撮像素子80cの画角(図6に示した視野角θ2参照)に応じて決定される。また、ストッパ360eの位置は、コントローラ22の光入射口22d(撮像素子80c)と、ガイド溝364(ドットのパターン380)との距離が所定距離になるように、決定される。ただし、所定距離は、撮像素子80cによって後述するドットのパターン380(図10および図11(A)参照)を撮像した場合に、撮像画像における高輝度部分(上述した「対象画像」と同様である)およびその高輝度部分の位置を正しく認識できる距離であり、ドットの大きさや撮像素子80cの解像度等によって決定される。
【0090】
図8(B)に戻って、装着部3602は、さらに、板部材3620と板部材3622とによって構成される。板部材3620と板部材3622とは、2つの連結部3604で連結(接着)される。図面では分かり難いが、板部材3622には、スリット板362を装着するためのガイド溝が形成される。スリット板362が板部材3622に装着されると、板部材3620とスリット板362が装着された板部材3622とによって、上述したガイド溝364が形成される。図8(A)および図8(B)からも分かるように、ガイド溝364は、装着部3602を構成する板部材3620、3622と平行に延びて形成される。言い換えると、ガイド溝364は、スリット362aの幅方向に延びて形成されている。
【0091】
また、スリット板362の中央下部には、スリット362aが設けられる。スリット362aは、縦長の長方形状であり、所定の長さおよび所定の幅を有している。ただし、所定の長さは、後述するドットのパターン380の縦の長さ(一列のドットの数およびドットの大きさで決まる長さ)と同程度の長さに設定される。また、所定の幅は、ドットのパターン380におけるドットの横幅よりも少し長く設定される。たとえば、所定の幅は、カード400(ドットのパターン380)が少し斜めになった場合であっても、一列の4つの白色のドットを読み取れる長さである。
【0092】
図示は省略するが、少なくとも、本体360の内部(内面)であり、ストッパ360eとスリット板362とを含み、それらの間の範囲においては、黒色が付される。ただし、付属装置36の全体を黒色にしてもよい。これは、後述するように、ドットのパターン380以外の高輝度を検出しないようにするためである。
【0093】
たとえば、図9(A)に示すように、付属装置36をコントローラ22に装着した状態で、スリット板362を取り外した場合には、図5−図7を用いて説明したように、コントローラ22は、2つのマーカ340mおよびマーカ340nを撮像することによって、モニタ34上の座標入力などに用いられる。つまり、かかる場合には、コントローラ22を、ポインティングデバイスとして使用することができる。
【0094】
一方、図9(B)に示すように、付属装置36をコントローラ22に装着した状態で、スリット板362も装着している場合には、コントローラ22は、赤外LED366から赤外光を照射されたカード400に印刷等されたドットのパターン380の一部を撮像することによって、ドットのパターン380に従う所定の情報処理を実行するために用いられる。つまり、かかる場合には、コントローラ22を、ドットのパターン380(コード)を読み取る装置(パターン読取装置)として使用することができる。
【0095】
なお、図9(B)では分かり難いが、カード400の裏面(コントローラ22側)にドットのパターン380は印刷等されている。
【0096】
ここで、コントローラ22を、ポインティングデバイスとして使用する場合と、パターン読取装置として使用する場合とは、情報処理プログラムのようなアプリケーションプログラムからの要請に応じて切り替えられる。たとえば、前者の場合には、ゲーム装置12からマーカ340m、340nに電源が供給されるが、ゲーム装置12からの指示に従ってコントローラ22から赤外LED366に電源は供給されない。後者の場合には、ゲーム装置12からマーカ340m、340nに電源は供給されないが、ゲーム装置12からの指示に従ってコントローラ22から赤外LED366に電源が供給される。
【0097】
ただし、付属装置36にバッテリを設ける場合には、たとえば、スリット板362を付属装置36に装着したときに、赤外LED366に電源が供給され、スリット板362を付属装置36から外したときに、赤外LED366への電源が停止されるスイッチ機構(図示せず)を設けることにより、上述したように、コントローラ22を、ポインティングデバイスまたはパターン読取装置として使用するようにすればよい。
【0098】
このようにすれば、マーカ340m、340nまたは赤外LED366を使用しないときに、電源供給を停止することができ、無駄な消費電力を削減することができる。
【0099】
たとえば、コントローラ22を、パターン読取装置として使用する場合には、付属装置36を装着したコントローラ22では、図9(B)に示したように、ドットのパターン380が印刷等されたカード400がユーザないしプレイヤによってガイド溝364をスライドされる。ここで、図10に示すように、付属装置36では、コントローラ22の反対側であり、スリット板362に設けられるスリット362aに対向する位置に、赤外光が出力される。図10からも分かるように、ドットのパターン380の読み取り時には、コントローラ22(光入射口22d)とドットのパターン380(カード400)との間に、スリット362a(スリット板362)が配置されることになる。ただし、図10では分かり易く示すために、付属装置36の本体360を省略し、スリット板362の一部と赤外LED366のみを示してある。実際には、スリット362aを含むスリット板362と赤外LED366とは、本体360によって囲まれている。また、図10では、スリット板362とドットのパターン380とを分かり易く示すために、黒色に代えて斜線を付してある。
【0100】
したがって、上述したように、カード400をガイド溝364に沿ってスライドさせる場合には、カード400に印刷等されたドットのパターン380の一部(赤外光の照射範囲)に赤外光が照射される。ただし、この実施例では、スリット板362の一部ないし全部およびドットのパターン380の背景は黒色にされるため、その黒色部分によって赤外LED366からの赤外光が吸収され、白色のドットのみを高輝度にするとともに、スリット362aを通して検出される高輝度部分以外の高輝度部分を検出しないようにすることができる。つまり、誤検出が防止される。
【0101】
ここで、ドットのパターン380は、図11(A)に示すように、黒色の背景に、複数の白色のドットが描画されることにより、表される。ただし、図11(B)に示すように、ドットのパターン380の縦の長さは、6個のドットが配列可能な長さに設定されており、6個のドットのうちのいずれか4個に白色が付され、残りの2個に黒色が付される。したがって、2つの黒色のドットは背景と区別がつかない。
【0102】
なお、ドットのパターン380は、このようなドットのパターン380を使用するアプリケーションプログラムの開発者やプログラマ等によって設定される。
【0103】
たとえば、縦方向に一列に並ぶ4つの白色のドットによって1つの情報を与えることができる。ただし、ドットのパターン380の全体を認識することにより、つまり、ドットのパターン380に含まれるすべての列の白色のドットの位置を検出することにより、認識したドットのパターン380に基づいて、ゲーム装置12では、上述した所定の情報処理が実行される。
【0104】
たとえば、コントローラ22では、一定時間(1フレーム)毎に、撮像装置800による撮像処理が実行され、1つの撮像画像から4つの高輝度部分の座標(位置)が検出される。ドットのパターン380のすべての列についての座標データ(上述の「マーカ座標データ」に相当する)を含む入力データがゲーム装置12に送信される。したがって、上述したように、ゲーム装置12側では、ドットのパターン380に基づいて、所定の情報処理が実行される。ただし、上述したように、入力データは、第3所定時間毎にゲーム装置12に送信されるため、ドットのパターン380のすべての列についての座標データが分割して送信されることもある。
【0105】
ただし、フレームは、ゲーム画面などの画面を更新する単位時間(1/60秒)である。
【0106】
なお、図11(B)では、ドットを分かり易く示すために、背景およびドットの黒色を省略するとともに、各ドットの外周を実線で示してある。
【0107】
また、ドットのパターン380の縦の長さは、7個以上のドットが配列可能な長さにされてもよい。また、各列において、白色が付された4個のドットによって1つの情報が与えられるようにしてあるが、白色が付されたドットの数は1つ以上であれば、5個以上であっても構わない。つまり、ドットの位置のみならず、ドットの位置および個数によって情報を与えることができる。ただし、撮像情報演算部80によって一度に処理可能な高輝度部分(ドット)の数によって、各列に表示される白色が付されたドットの最大数は決定される。
【0108】
さらに、この実施例では、スリット362aを縦長に形成したため、ドットのパターン380において、各列単位で1つの情報が与えられるようにしたが、スリット362aの幅を広げたり、向きを変えたりした場合には、複数列単位で1つの情報が与えられたり、行単位で情報が与えられたりするように、ドットのパターン380を形成する必要がある。これらは設計事項であり、付属装置36をコントローラ22に装着することにより、コントローラ22をパターン読取装置として使用できる点に着目されたい。
【0109】
したがって、図9(B)および図10に示したように、カード400に印刷等されたドットのパターン380を読み取る場合には、図11(C)に示すように、スリット板362に設けられたスリット362aを通して、列毎に4つの白色のドットが高輝度部分として検出される。具体的には、1フレーム毎に撮像された撮像画像から高輝度部分の位置(マーカ座標)が検出される。ただし、図11(C)では、スリット362とドットのパターン380とを分かり易く示すために、ドットのパターン380の背景およびドットの一部を灰色で示してあるが、実際には、上述したように、黒色である。
【0110】
この実施例によれば、撮像装置を備えるコントローラに付属装置を装着することにより、コントローラをポインティングデバイスおよびパターン読取装置として使用することができる。
【0111】
なお、この実施例では、スリット板に縦長のスリットを設けるようにしたが、これに限定される必要はない。図12(A)に示すように、横長のスリット362bを設けるようにしてもよい。ただし、かかる場合には、赤外LEDの配置を変更する必要がある。図示は省略するが、縦方向または横方向から斜めに傾けたスリットを設けるようにしてもよい。
【0112】
また、スリットは1つに限定される必要はない。たとえば、図12(B)に示すように、縦長のスリット362aと横長のスリット362bとを設けるようにしてもよい。かかる場合には、2つのスリットに対向する位置を照射するように、赤外LEDを配置する必要がある。また、かかる場合には、各スリットを通して読み取られる情報のそれぞれに基づいて、異なる情報処理を実行することも可能である。ただし、スリットの個数や形状は、例示のものに限定される必要はない。
【0113】
さらに、この実施例では、付属装置をコントローラに着脱可能に設けるようにしたが、付属装置が一体的に設けられたコントローラを用いるようにしてもよい。
【0114】
さらにまた、この実施例では、カードに印刷等したドットのパターンを読み取るようにしたが、これに限定される必要はない。雑誌に載せたり、ゲーム画面(モニタ)に表示したりしたドットのパターンを読み取るようにしてもよい。かかる場合には、たとえば、付属装置がドットパターンの表示された雑誌やゲーム画面に接触するように、付属装置が装着されたコントローラを押し当てた状態で、コントローラを2次元方向(左、右、上、下、斜め)に移動させることにより、ドットのパターンを読み取るようにすればよい。
【0115】
さらにまた、この実施例では、高輝度にしたいドットについては、白色を付すようにしてが、黒色以外であれば、赤外光は吸収されないため、他の色を付すようにしてもよい。
【符号の説明】
【0116】
10 …ゲームシステム
12 …ゲーム装置
18 …光ディスク
22 …コントローラ
24 …受信ユニット
34 …モニタ
34a …スピーカ
36 …付属装置
40 …CPU
42 …システムLSI
42a …入出力プロセッサ
42b …GPU
42c …DSP
42d …VRAM
42e …内部メインメモリ
44 …フラッシュメモリ
46 …外部メインメモリ
48 …ROM/RTC
50 …無線通信モジュール
52 …無線コントローラモジュール
54 …ディスクドライブ
56 …AV IC
58 …AVコネクタ
60 …拡張コネクタ
62 …メモリカード用コネクタ
70 …プロセッサ
74 …加速度センサ
80 …画像情報演算部
80c …撮像素子
80d …画像処理回路
360 …本体
362 …スリット板
362a …スリット
364 …ガイド溝
366 …赤外LED
380 …ドットのパターン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力装置と、
前記入力装置に着脱可能に設けられる付属装置と、
前記入力装置と通信を行って所定の情報処理を実行する情報処理装置を備える、情報処理システムであって、
前記入力装置は、
撮像装置と、
前記撮像装置によって撮像された画像内の高輝度部分の位置を算出する位置算出部と、
少なくとも前記高輝度部分の位置に関するデータを送信する送信部を備え、
前記付属装置は、
前記撮像装置を覆うとともに、所定幅のスリットを有するカバーを備え、
前記情報処理装置は、
前記送信部によって送信されたデータを受信する受信部と、
前記受信部によって受信されたデータに基づいて所定の情報処理を実行する実行部を備える、情報処理システム。
【請求項2】
前記付属装置は、前記撮像装置の撮像方向に向かって発光する発光部をさらに備える、請求項1記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記付属装置は、前記スリットの幅方向に延びるガイド部をさらに備える、請求項1または2記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記付属装置は、前記スリットを含む板部材を着脱可能に設けた、請求項1ないし3のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項5】
撮像装置を有する入力装置に付属する付属装置であって、
所定幅のスリットを含む板部材、
前記板部材の外側から当該板部材の面と交差する方向に赤外光を出力する発光部、および
前記板部材と平行に延びるガイド部を備える、付属装置。
【請求項6】
前記撮像装置、前記板部材および前記発光部を覆うように形成されたカバーをさらに備える、請求項5記載の付属装置。
【請求項7】
前記板部材および前記カバーに黒色を付した、請求項6記載の付属装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図12】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−224239(P2011−224239A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−98575(P2010−98575)
【出願日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【出願人】(000233778)任天堂株式会社 (1,115)
【Fターム(参考)】