説明

情報処理システム及び情報処理方法

【課題】ユーザーの志向に応じたコンテンツの再生リストを作成することができる情報処理システム及び情報処理方法を提供する。
【解決手段】メディアプレーヤーからのコンテンツリストの作成要求に応じて、認識・検索情報エンジンPCでは、カメラアダプタ装置からメディアデータを受信し、その作成要求を反映した所定の条件を満たすメディアデータを検索して付随情報を作成する。そして、その検索に基づいて作成された付随情報を前記メディアデータの付随情報に反映し、前記反映した付随情報に基づいて、メディアデータのリスト情報を作成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は情報処理システム及び情報処理方法に関し、特に、ネットワークを経由してメディアデータを受信して再生するために用いて好適な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ネットワークを用いた家電が多く普及し、ホームネットワークにおいてデジタルAV機器やパーソナルコンピュータ(PC)を相互に接続することが可能となっている。これに伴い、動画、音楽、静止画等のメディアデータを相互利用する仕様を策定するためにDLNA(Digital Living Network Alliance)という技術仕様が規定された。
【0003】
DLNAガイドラインでは、メディアデータを提供するサーバーをDMS(Digital Media Server)と定義し、再生するクライアントをDMP(Digital Media Player)と定義している。DLNAガイドラインには、このDMSとDMPとの間の接続条件が定められている。これにより、このDLNAガイドラインに準拠した機器同士なら、単に線をつなぐだけで特別な設定を必要とせずに相互に接続することができ、メディアデータを共用することができるようになる。例えば、サーバー機能を備えたPCやLAN接続タイプのハードディスクに保持された動画、音楽、静止画ファイルなどのメディアデータを、LANを経由してアクセスし、ネットワークメディアプレーヤー(DMP)で再生させることができる。
【0004】
このDLNAガイドラインの基礎となっているプロトコルとしては、UPnPが挙げられる。さらに、このUPnPに基づき、ネットワークを通じて映像や音楽などのメディアデータを利用するためのプロトコルとして、UPnP−AVが用いられている。このUPnP−AVは、メディアデータファイルそのものの転送方式を規定しているのではなく、メディアデータファイルに付随されたメタデータなどの情報に関するサービスや接続に関するサービスなどについて規定している。中でもCDS(Content Directory Service)と呼ばれるサービスでは、メディアデータファイルの付随情報(メタデータ)を取得するとともに、そのメタデータを作成、削除したり修正したりすることができる。
【0005】
このメタデータには、メディアデータファイルを転送する際のURLが記述されており、このURLにアクセスすることによって、HTTPプロトコルのGETコマンドによりメディアデータファイルを転送することができる。この技術を用いたものとして、例えば特許文献1には、ネットワークを経由して提供されるメディアデータファイルのメタデータを管理するシステムについて開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−216171号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前述したように、ネットワークを通じて動画や静止画などのメディアデータをDMPで再生させるためには、そのメタデータを取得するサービスであるCDSが必要となる。ネットワークを介して、ユーザーが望むより多くのメディアデータをDMPで再生させるためには、このCDSの機能として、メディアデータファイルに対して、よりユーザーの志向に応じたコンテンツが含まれたメディアデータの再生リストが必要である。ところが、従来のシステムでは、このようなユーザーの志向が十分に反映されたメディアデータの再生リストを作成することができないという問題点がある。
【0008】
本発明は前述の問題点に鑑み、ユーザーの志向に応じたコンテンツの再生リストを作成することができる情報処理システム及び情報処理方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の情報処理システムは、メディアデータを再生する再生装置からの送信要求に応じて、メディアデータを前記再生装置に送信する情報処理システムであって、前記再生装置からのリスト情報の作成要求に応じて、前記作成要求を反映した所定の条件を満たすメディアデータを検索して付随情報を作成する検索手段と、前記検索手段による検索に基づいて作成された付随情報を前記メディアデータの付随情報に反映し、前記反映した付随情報に基づいて、前記メディアデータのリスト情報を作成するリスト情報作成手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ユーザーは、所望のコンテンツをより多く含んだ再生リストを入手することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】メディアデータ配信システムのネットワーク構成の一例を示す図である。
【図2】実施形態に係るカメラアダプタ装置の構成例を示すブロック図である。
【図3】実施形態に係るメディアプレーヤーの構成例を示すブロック図である。
【図4】システムの動作手順の一例を示すタイミングチャートである。
【図5】コンテンツリストをXMLで記述した例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第1の実施形態)
以下、図面を参照しながら、本発明の第1の実施形態について詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係るメディアデータ配信システムのネットワーク構成の一例を示す図である。
図1に示すように、カメラアダプタ装置100には、デジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラなどのカメラ200が装着されている。カメラ200は、電池あるいはバッテリが装着された状態でユーザーにより持ち出され、静止画や動画の撮影を行って、カメラアダプタ装置100に装着されている。カメラアダプタ装置100は、カメラ200で撮影した画像のメディアデータを、無線アクセスポイント機能付きのルーター600を介して、メディアプレーヤー400に配信することができるものである。
【0013】
認識・検索情報エンジンPC300は、メディアデータファイルの付随情報(メタデータ)の作成機能を搭載するパーソナルコンピュータ(PC)などであり、ホームネットワーク500に接続されている。また、認識・検索情報エンジンPC300は、カメラ200で生成されたメディアデータに対して、搭載されている検索エンジンに設定された内容の検索を行い、その結果によってメディアデータの再生位置情報の作成、通知を行う。この検索エンジンは、静止画や動画に含まれている人物または物体について認識、弁別を行う認識エンジンや、音声レベルを検出して音声等の検出を行うエンジンの機能を搭載している。さらには、カメラ200で生成されたメディアデータに対し、ユーザーによって設定された範囲のデータを撮影時に付与されたGPSデータから抽出する位置情報エンジンなどの機能も搭載している。
【0014】
ルーター600は、無線アクセスポイント付きのルーターであり、カメラアダプタ装置100との間で無線通信を行い、ホームネットワーク500との接続を仲介する。メディアプレーヤー400は、カメラアダプタ装置100から配信されたメディアデータを受信し、様々なフォーマットによって符号化された各メディアデータを復号化してテレビモニタ700へ出力する。ディスプレイ装置800は、メディアプレーヤー機能を搭載した表示装置であり、例えば、デジタルフォトフレームのような機器である。なお、メディアデータ等の通信は、UPnPによって定義されたContent Directly Service規格(CDS規格)に準拠した通信により行われる。
【0015】
以下、図1に示すネットワーク構成において、メディアデータ配信システムの全体的な動作について詳細に説明する。
図2は、本実施形態に係るカメラアダプタ装置100の構成例を示すブロック図である。
図2において、電源供給部102は、カメラ200をカメラアダプタ装置100に接続した際に電源ケーブル109を介して電力供給を行うためのものである。すなわち、カメラ200にバッテリが装着された状態でカメラアダプタ装置100と接続された場合には、バッテリを充電するための電力供給を行う。USB I/F103は、USBケーブル108を通じてカメラ200とメディアデータや制御データのやり取りを行う通信インターフェースである。
【0016】
フラッシュメモリ106は、電気的に消去・記録可能な不揮発性メモリである。スイッチボタン107は、各種ボタンやタッチパネルからなる操作部であり、例えば、スイッチボタン107が押下されると、カメラ200のSDカードなどの記録メディアに記録されているメディアデータを入力する。そして、カメラアダプタ装置100の無線LAN I/F104、ルーター600及びホームネットワーク500を介して外部のストレージ装置などへアップロード等を行う。また、無線LAN I/F104は、メディアデータをパケット化して送信するとともに、アンテナ部105を介してルーター600との無線通信の適応化を測っている。システム制御部101は、カメラアダプタ装置100全体を制御するためのものであり、電源供給部102、USB I/F103、無線LAN I/F104の各部に対して検知や指示を行う。
【0017】
図3は、本実施形態に係るメディアプレーヤー400の構成例を示すブロック図である。
図3において、LAN I/F部401は、ホームネットワーク500の適応化を測りながら、カメラアダプタ装置100から配信されたメディアデータのパケットデータを受け取り、デパケット化を行う。そして、デパケット化されたメディアデータをトランスポートデコーダ402に出力する。トランスポートデコーダ402は、LAN I/F部401から入力されたメディアデータから、多重化された静止画データ、動画データ及び音声データを取り出す。そして、静止画データ、動画データをビデオデコーダ403へ出力し、音声データをオーディオデコーダ404へ出力する。
【0018】
ビデオデコーダ403は、トランスポートデコーダ402から入力された静止画データに対してJPEGなどのデコード処理を施し、動画データに対してはH.264などのデコード処理を施す。そして、復号した静止画データ、動画データを表示制御部405に出力する。オーディオデコーダ404は、トランスポートデコーダ402から入力された音声データに対して、MP3、Dolby Digitalなどのデコード処理を施し、復号した音声データをオーディオDA407に出力する。
【0019】
表示制御部405は、画面を切り換えたり、多重したりしてビデオDA406へ出力するためのものである。また、表示制御部405は、操作部410またはリモコン413の操作に応じて、操作に関わるキャラクタ信号等と、ビデオデコーダ403から出力される静止画データまたは動画データとを合成して表示するようビデオDA406に映像信号を出力する。
【0020】
ビデオDA406は、表示制御部405から入力された映像信号をアナログ信号に変換し、D端子などからテレビモニタ700へ映像信号を出力する。オーディオDA407は、オーディオデコーダ404から入力された音声データをアナログ信号に変換し、スピーカーなどの不図示の音声出力装置へ音声信号を出力する。なお、映像信号及び音声信号を、アナログ信号に変換せずに、HDMIなどのデジタル信号のまま、外部装置に出力してもよい。この場合、ビデオDA406及びオーディオDA407において、アナログ信号への変換機能を搭載しないようにしてもよい。
【0021】
USB I/F部408は、外部のストレージ装置などとケーブルを用いて接続された場合に、メディアデータを転送するためのものである。転送すべきメディアデータにデコード処理が必要な場合には、トランスポートデコーダ402に一旦メディアデータを出力し、前述したような処理が行われる。そして、デコード処理を施したメディアデータを、表示制御部405に出力する。
【0022】
リモコン受光部409は、リモコン413からの赤外信号などを受光して、その情報をシステム制御部411に送るためのものである。操作部410は、リモコン413と同様に、メディアプレーヤー400の操作手段である。ユーザーによる操作部410またはリモコン413の操作に応じて、システム制御部411は、カメラアダプタ装置100から通知されるメディアデータのリストの中から所望のメディアデータを選択する。さらに、カメラアダプタ装置100に接続されたカメラ200の記録メディアに記録されているメディアデータの再生、表示の操作も行うことができる。
【0023】
システム制御部411は、プログラムの実行装置を備え、操作部410またはリモコン413の操作に応じて、メディアプレーヤー400を構成する各部の制御を行う。メモリ部412には、システム制御部411で実行されるプログラムなどが格納されており、プログラムを実行する際には、システム制御部411へプログラムが転送される。
【0024】
なお、認識・検索情報エンジンPC300の内部構成については、公知のパーソナルコンピュータ(PC)と同様の構成であり、前述した検索のプログラム及び後述するコンテンツリストを作成するためのプログラムがROMに格納されている。不図示のI/Fを介してメディアデータを受信し、所定の条件を満たすメディアデータを検索してコンテンツリストを作成する場合には、ROMからそのプログラムをRAMに展開してCPUの制御により行う。そして、作成したコンテンツリストを前記I/Fから送信する。
【0025】
本実施形態では、図1に示すように、カメラアダプタ装置100と、ルーター600と、メディアプレーヤー400(あるいはメディアプレーヤー機能を搭載したディスプレイ装置800)とがホームネットワーク500に接続されている。ところが、図1に示したような例に限定されるものではなく、アドレスなどで識別することができれば、装置が多数存在してもかまわない。また、ホームネットワーク500に関しても、パケットデータを送信するのに十分な帯域があるインターネットやイントラネットなどのネットワークであれば何でもよい。
【0026】
一方、メディアプレーヤー400は、例えばゲーム機のような組み込み機器やネットワーク対応テレビのようなものを想定している。したがって、ホームネットワーク500への物理的な接続形態として、有線だけでなく無線の場合もありうるが、プロトコルに従って接続されているのであれば、物理的な形態は何でもよい。
【0027】
次に、メディアプレーヤー400に対するユーザーの操作により、カメラアダプタ装置100に接続されたカメラ200の記録メディアに記録されているメディアデータの再生、表示を行う場合の動作について説明する。
【0028】
図4は、本実施形態におけるメディアデータ配信システムの動作手順の一例を示すタイミングチャートである。図4では、ホームネットワーク500にカメラアダプタ装置100と認識・検索情報エンジンPC300とが接続されており、メディアプレーヤー400またはディスプレイ装置800からのユーザーの操作による動作手順を表している。
【0029】
まず、メディアプレーヤー400がカメラアダプタ装置100にアクセスする上で必要な情報である機器の種類、アドレスなどは、例えば、通常のDLNAで規定された手順などに則り、UPnPなどのプロトコルに従う。そして、メディアプレーヤー400はすでにこれらの情報を取得しているものとする。また、カメラ200に装着されている記録メディアには、撮影された様々なフォーマットのメディアデータが蓄積されているものとする。例えば、デジタルカメラの場合、静止画データであれば、JPEG、CCD−RAW、TIFFなどのファイルであり、動画データであれば、AVIファイルでMPEG4あるいはMJPEG、さらにH.264などのファイルである。一方、AVCHDデジタルビデオカメラの場合、動画データとしてH.264ビデオにDolby Digital(AC3)オーディオが多重化されたMPEG2TS形式のファイルとなる。
【0030】
まず、カメラ200がカメラアダプタ装置100に接続される前に、予めメディアプレーヤー400からカメラアダプタ装置100に対し、どのようなコンテンツリストを作成するかについての設定を行う(T1)。設定の種類としては、1つ目には、静止画データの場合は、ある人物または物が写っているものを抽出する設定である。また、動画データの場合は、ある人物または物が映っているシーンを抽出する設定である。なお、ある物とは例えば、車、花、さらにはそれぞれの種類別などである。
【0031】
2つ目には、動画データの中で音声の盛り上がっているシーンを抽出する設定である。例えば、歓声が上がっているシーンの前後数分を含めて抽出する。3つ目は、静止画データや動画データに付随しているメタデータからある範囲に含まれるものを抽出する設定である。例えば、静止画データに付随しているGPS情報を基に、ある地図の範囲・地域に入っているものを抽出する。以上のように3種類の設定について説明したが、認識・検索情報エンジンPC300の検索エンジンで検索が可能であるならば、他の設定方法でもかまわない。
【0032】
以下、カメラアダプタ装置100に接続されたカメラ200の記録メディアに記録されているメディアデータのうち、「人物−○○」が登場する静止画、あるいは映っている動画のシーンをメディアプレーヤー400で再生させる動作を例に説明する。T1では、最初に「人物−○○」の静止画または動画のシーンのリストを作成するように、予めメディアプレーヤー400からカメラアダプタ装置100に対して設定を行う。具体的には、システム制御部411は、コンテンツリストの作成要求を生成し、LAN I/F部401を介してカメラアダプタ装置100に送信する。
【0033】
次に、カメラ200がカメラアダプタ装置100にUSBケーブル108により接続されると、システム制御部101は、USB I/F103を通じてカメラ200の記録メディアに蓄積されているメディアデータを検索する(T2)。そして、静止画データまたは動画データを選択し、USB I/F103からシステム制御部101へメディアデータを転送する。さらに、システム制御部101は、無線LAN I/F104を介して、認識・検索情報エンジンPC300へそのメディアデータを転送する(T3)。
【0034】
メディアデータを受信した認識・検索情報エンジンPC300は、作成要求を反映させるために、転送されたメディアデータのうち、「人物−○○」が含まれている静止画または動画のシーンを検索し、検索した結果のリストを作成する。例えば、静止画データの場合はファイル名を作成し、動画データの場合はファイル名とそのファイルの何byte目から何byte目まで映っているかという位置情報とを作成する。そして、作成したリストを、カメラアダプタ装置100へ転送する(T4)。
【0035】
カメラアダプタ装置100は、認識・検索情報エンジンPC300で作成されたリストを、無線LAN I/F104を介して受信する。そして、システム制御部101はリスト情報作成手段として機能し、静止画データの場合はファイル名をそのままにし、動画データの場合はそれぞれの位置情報に対応したメディアデータ名(ファイル名)に変更し、新たなコンテンツリストを作成する。そして、ファイル名を変更した新たなコンテンツリスト(リスト情報)をシステム制御部101における不図示のメモリまたはフラッシュメモリ106に保持する。このとき、フラッシュメモリ106に保持すれば、同じメディアデータが記録メディアに蓄積されているカメラ200が次回以降に接続された時にもそのまま使用できる。
【0036】
メディアデータ名を作成する場合、例えば、「Movie1.mts」ファイルのA byte目からB byte目については、ファイル名を「000- Movie1.mts」とする。また、「Movie1.mts」ファイルのC byte目からD byte目については、ファイル名を「001- Movie1.mts」とする。このとき、メディアプレーヤー400から「000- Movie1.mts」というファイル名の再生要求を受けた時には、「Movie1.mts」ファイルのA byte目からB byte目の再生を行うことができるよう対応付けしておく。そのため、カメラアダプタ装置100は、変更前のコンテンツリストも同時に保持しておくようにする。
【0037】
なお、2つ目の設定として、動画データの中で音声の盛り上がっているシーンを抽出したコンテンツリストを作成する場合も、同様の手順で行うことが可能である。そして、フラッシュメモリ106にコンテンツリストを保持しておくことにより、複数の設定をしておくことも可能である。
【0038】
一方、3つ目の設定として、ある範囲に含まれるものを抽出したコンテンツリストを作成する場合は、前述した手順のうち、一部が異なる。この場合、カメラ200の記録メディアに蓄積されているメディアデータを認識・検索情報エンジンPC300へ転送するのではなく、蓄積されているメディアデータのメタデータのみを認識・検索情報エンジンPC300へ転送する。例えば、静止画データのメタデータとして付随しているGPS情報を認識・検索情報エンジンPC300へ転送する。そして、認識・検索情報エンジンPC300では、ある地図上の設定した範囲内で撮影された静止画を抽出し、該当するメディアデータのファイル名をカメラアダプタ装置100へ通知する。そして、カメラアダプタ装置100では、この通知を受けてシステム制御部101はコンテンツリストを作成し、システム制御部101のメモリ上またはフラッシュメモリ106に保持する。
【0039】
一方、動画データであっても、メタデータとしてある一定の時間ごとのGPS情報が付随している場合には、動画データのファイル名と付随しているGPS情報と、その時の再生位置の情報とを認識・検索情報エンジンPC300へ転送する。そして、認識・検索情報エンジンPC300は、同様の手順で該当するものを抽出し、該当するものを返信する。カメラアダプタ装置100は、静止画データとともにコンテンツリストを作成し、同様に保持する。このとき、動画データに付随しているGPS情報の尤度が高ければ、前述の1つ目、2つ目の設定と同様に、メディアデータ名を作成して、保持することも可能である。
【0040】
以上の手順により、カメラアダプタ装置100と認識・検索情報エンジンPC300とで情報処理システムが構成されることにより、カメラアダプタ装置100にて設定されたコンテンツリストが保持される。この時に、メディアプレーヤー400は、カメラアダプタ装置100に対し、コンテンツリストに関する情報とその各メディアデータのフォーマット情報を受け取るために"CDS:Browseリクエスト"を送信する(T5)。ここで、コンテンツリストに関する情報とは、リスト名など、どのような設定でコンテンツリストを作成したのかなどの情報である。具体的には、システム制御部411は、"CDS:Browseリクエスト"を生成し、LAN I/F部401を介してカメラアダプタ装置100に送信する。
【0041】
カメラアダプタ装置100では、無線LAN I/F104を介して"CDS:Browseリクエスト"を受信する。そして、システム制御部101は、設定されたコンテンツのリスト名の情報などを、無線LAN I/F104を介してメディアプレーヤー400へ"CDS:Browseレスポンス"として送信する(T6)。例えば、『「人物−○○」が含まれている静止画または動画のシーン』や、『盛り上がっているシーン』といったリスト名の情報を送信する。T1では、「人物−○○」が含まれている静止画または動画のシーンのリストを作成する要求がなされているため、ここでは、『「人物−○○」が含まれている静止画または動画のシーン』というリスト名の情報を送信する。
【0042】
メディアプレーヤー400は、LAN I/F部401を介して設定したコンテンツのリスト名に関する情報を受信する。そして、ユーザーによりリモコン413または操作部410を介してのそのリスト名が選択されると、システム制御部411は、そのコンテンツリストを送信するようカメラアダプタ装置100に要求する。例えば、「人物−○○」が含まれている静止画または動画のコンテンツリストが選択されると、システム制御部411は、LAN I/F部401を介して、そのコンテンツリストの送信要求を"CDS:Browseリクエスト"として送信する(T7)。
【0043】
カメラアダプタ装置100では、無線LAN I/F104を介して"CDS:Browseリクエスト"を受信する。そして、要求されたコンテンツリストをメディアプレーヤー400へ"CDS:Browseレスポンス"として送信する(T8)。
【0044】
図5は、コンテンツリストをXMLで記述した例を示す図である。
図5に示すように、メディアデータの位置は所在を示すURLによって通知される。コンテンツリストを受信すると、メディアプレーヤー400は、メディアデータのコンテンツリストをテレビモニタ700に表示する。ここで、ユーザーによるリモコン413の操作により、メディアデータが選択され、再生ボタンが押下されると、HTTPのGETコマンドをカメラアダプタ装置100に送信する(T9)。
【0045】
カメラアダプタ装置100では、HTTPのGETコマンドを受信し、システム制御部101は、保持していた情報を基に、Range指定のパラメータを付加するものと解釈する。そして、メディアプレーヤー400へレスポンスとして、カメラ200の記録メディアに蓄積されているメディアデータを指定されたRangeで送信する(T10)。
【0046】
なお、以上の手順によれば、認識・検索情報エンジンPC300で検索結果が作成される。一方、インターネット501に接続し、認識・検索情報エンジンPC300で賄いきれない検索をインターネット501の所定のサイトにあるweb上で行うことによって、検索結果の作成を代行させてもよい。
【0047】
以上のように本実施形態によれば、ユーザーの志向のコンテンツリストを作成するために、認識・検索情報エンジンPC300において、再生位置情報を含んだメディアデータのメタデータを作成する。そして、メディアデータの再生位置情報を含んだメタデータをカメラアダプタ装置100に通知し、それを基にコンテンツリスト(再生リスト)を作成するようにした。これにより、ユーザーは、所望のコンテンツをより多く含んだコンテンツリストを入手することができる。
【0048】
(その他の実施形態)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【符号の説明】
【0049】
100 カメラアダプタ装置、300 認識・検索情報エンジンPC

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メディアデータを再生する再生装置からの送信要求に応じて、メディアデータを前記再生装置に送信する情報処理システムであって、
前記再生装置からのリスト情報の作成要求に応じて、前記作成要求を反映した所定の条件を満たすメディアデータを検索して付随情報を作成する検索手段と、
前記検索手段による検索に基づいて作成された付随情報を前記メディアデータの付随情報に反映し、前記反映した付随情報に基づいて、前記メディアデータのリスト情報を作成するリスト情報作成手段とを備えることを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記検索手段は、所定の人物または物体が含まれているメディアデータを検索することを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記メディアデータは動画データであり、
前記検索手段は、前記動画データの中で音声の盛り上がりを含むシーンを検索することを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記検索手段は、前記メディアデータのGPS情報に基づいて所定の地域で撮影されたメディアデータを検索することを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記検索手段は、前記所定の条件を満たす静止画データ、または動画データのシーンを検索することを特徴とする請求項2または4に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記リスト情報作成手段は、前記メディアデータの所在を示すURLを含むリスト情報を作成することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記検索手段及びリスト情報作成手段はそれぞれ、互いに異なる装置において構成されることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記情報処理システムは、前記再生装置にメディアデータを送信する場合に、UPnPによって定義されたContent Directly Service規格に準拠した通信により行うことを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の情報処理システム。
【請求項9】
メディアデータを再生する再生装置からの送信要求に応じて、メディアデータを前記再生装置に送信する情報処理方法であって、
前記再生装置からのリスト情報の作成要求に応じて、前記作成要求を反映した所定の条件を満たすメディアデータを検索して付随情報を作成する検索工程と、
前記検索工程における検索に基づいて作成された付随情報を前記メディアデータの付随情報に反映し、前記反映した付随情報に基づいて、前記メディアデータのリスト情報を作成するリスト情報作成工程とを備えることを特徴とする情報処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−150649(P2011−150649A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−13337(P2010−13337)
【出願日】平成22年1月25日(2010.1.25)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】