説明

情報処理システム及び情報処理装置

【課題】EPCglobal規格に準拠し、且つ、一の取引を処理単位として取り扱うことが可能な情報処理システム及び情報処理装置を提供する。
【解決手段】商品に付加されたRFIDタグから当該商品に関する商品情報を読み取る読取手段と、指示入力を受け付ける受付手段と、前記受付手段により一の取引の完了を指示する確定指示の入力が受け付けられると、当該確定指示の入力までに前記読取手段で読み取られた前記商品情報のリストと、この確定指示の入力時刻を表す時刻情報とを関連付けたリストデータを生成するリスト生成手段と、前記リストデータに含まれる前記商品情報の各々から所定のデータ項目を収集し、このリストデータに含まれる時刻情報と関連付けたレポートデータを生成するレポート生成手段を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、RFIDタグに保持されたEPCを管理する情報処理システム及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、店舗等では商品にRFIDタグ(無線タグ、ICタグ等ともいう)を付加し、この無線タグが保持する商品情報(EPC:Electronic Product Code)に基づいて商品を管理することが行われている。また、RFIDタグに関しては、EPCglobalにより技術の標準化が行われており、非特許文献1にその詳細な仕様が規定されている。
【0003】
ところで、EPCglobalで規格化された“ALE(Application Layer Event)”、“EPCIS(Electronic Product Code Information Services)”を、RFIDタグをPOS(Point Of Service)端末でのチェックアウトに使用する場合、以下のような動作となる。
【0004】
まず、POS端末で読み取られたEPCは一定時間毎にまとめられレポート出力される。このレポートには、POS端末で読み取られたEPCのリストと、そのレポートが発行された時刻とが記録される。また、ALEは、出力されたレポートにEPCに固有のステータス(ここでは、“POS精算”とする)を付加し、EPCISに蓄積する。POS端末では、ALEから出力されるレポートを受け取るか、又は、EPCISに蓄積されたデータを特定のステータス“POS精算”や時刻をもとに参照することで、RFIDタグから読み取ったEPCを画面上に表示する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記構成では一度読み込んだEPCを取り消すことができないため、誤ったデータがレポートとして出力されてしまう可能性がある。例えば、POS精算の場合、間違ってPOS端末周辺に存在する商品のRFIDタグを読み込んでしまった場合や、顧客からの要求で一部商品の取り消しをした場合等、実際には含める必要のないデータがレポート出力されてしまう。この場合、EPCISに蓄積されたデータを削除又はステータスを元に戻す(例えば、誤読で「POS精算」とステータスが変更されてしまったデータを、「店頭在庫」に戻すなど)操作が必要となるが、その操作は繁雑となるため利便性に欠ける。
【0006】
また、ALEからのレポート生成タイミングによっては、1取引分のデータが複数のレポートに分割された状態で生成される可能性がある。例えば、4つの商品A,B,C及びDを一人の顧客が購入する際、最初に商品A及びBのRFIDタグからEPCが読み取られ、時刻T1に商品A及びBについてのEPCが読み取られたという内容のレポートが生成され、続いて商品C及びDのRFIDタグからEPCが読み取られ、時刻T2に商品C及びDについてのEPCが読み取られたという内容のレポートが生成されたとする。この場合、POS端末側のアプリケーションでは、読み取りを開始した時刻T1移行から現在までに読み取ったEPCまでを1取引として管理するのに対し、EPCIC上に蓄積されるレポートは、異なる時刻での取引の記録として管理される。そのため、EPCICに蓄積される情報だけではPOS端末での取引単位を把握することはできず、取引を単位としたデータ分析を精度よく行うことができないという問題がある。
【0007】
本発明は上記に鑑みてなされたものであって、EPCglobal規格に準拠し、且つ、一の取引を処理単位として取り扱うことが可能な情報処理システム及び情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、商品に付加されたRFIDタグから当該商品に関する商品情報を読み取る読取手段と、指示入力を受け付ける受付手段と、前記受付手段により一の取引の完了を指示する確定指示の入力が受け付けられると、当該確定指示の入力までに前記読取手段で読み取られた前記商品情報のリストと、この確定指示の入力時刻を表す時刻情報とを関連付けたリストデータを生成するリスト生成手段と、前記リストデータに含まれる前記商品情報の各々から所定のデータ項目を収集し、このリストデータに含まれる時刻情報と関連付けたレポートデータを生成するレポート生成手段と、を備え、前記リスト生成手段は、前記確定指示の入力前に、前記受付手段により特定の商品情報の削除を指示する削除指示の入力が受け付けられると、当該削除指示により削除が指示された商品情報を前記リストから除外することを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、商品に付加されたRFIDタグから当該商品に関する商品情報を読み取る読取手段と、指示入力を受け付ける受付手段と、前記受付手段により一の取引の完了を指示する確定指示の入力が受け付けられると、当該確定指示の入力までに前記読取手段で読み取られた前記商品情報のリストと、この確定指示の入力時刻を表す時刻情報とを関連付けたリストデータを生成するリスト生成手段と、を備え、前記リスト生成手段は、前記確定指示の入力前に、前記受付手段により特定の商品情報の削除を指示する削除指示の入力が受け付けられると、当該削除指示により削除が指示された商品情報を前記リストから除外することを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、1又は複数の各商品に関する商品情報のリストと時刻情報とを関連付けた一の取引分のリストデータを格納する格納手段と、前記リストデータに含まれる前記商品情報の各々から所定のデータ項目を収集し、このリストデータに含まれる時刻情報と関連付けたレポートデータを生成するレポート生成手段と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、EPCglobal規格に準拠し、且つ、一の取引を処理単位として取り扱うことが可能な情報処理システム及び情報処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本発明の実施の一形態に係るEPC管理システムの全体構成を概略的に示した図である。
【図2】図2は、図1に示したPOS端末の構成を概略的に示した外観斜視図である。
【図3】図3は、図1に示したPOS端末の電装系の構成を示したブロック図である。
【図4】図4は、コンピュータのモジュール構成を示した図である。
【図5】図5は、図1に示したPOS端末、ALEサーバ及びEPCISサーバが備える各機能部を示した図である。
【図6】図6は、図1に示したPOS端末、ALEサーバ及びEPCISサーバの動作を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る情報処理装置及びプログラムの最良な実施形態を詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0014】
図1は、本発明の実施の一形態に係るEPC管理システムの全体構成を概略的に示した図である。本実施形態のEPC管理システムは、店舗内で販売される各商品に対して、その商品に関する商品情報(EPC)を保持したRFIDタグを付加し、このEPCに基づいて商品の在庫管理や売上管理を行う店舗で利用されるものである。
【0015】
図1に示したように、EPC管理システムは、複数台のPOS端末10と、ALEサーバ20と、EPCISサーバ30とを有し、各機器はLAN等のネットワークNを介して通信可能に接続されている。
【0016】
POS端末10は、精算場所に配設されてキャッシャが売上処理を行うための端末であり、図2に示すような構成とされている。ここで、図2は、POS端末10の構成を概略的に示した外観斜視図である。POS端末10には、本体11の上面側にキーボード12(受付手段)が設けられており、本体11の下部側にドロワ13が引出自在に設けられており、本体11の奥側に表示器14が設けられている。
【0017】
さらに、POS端末10には、商品に付加されたRFIDタグの読み取りを行うRFIDリーダ15が接続されており、当該RFIDリーダによりRFIDタグから読み取られたEPCがPOS端末10に入力されるよう構成されている。
【0018】
このようなPOS端末10の電装系は図3に示すように構成されている。ここで、図3はPOS端末10の電装系の構成を示したブロック図である。POS端末10は、CPU(Central Processing Unit)、当該CPUとの協働により後述する各機能部を実現するための各種プラグラムを格納するROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等で構成されるコンピュータ構成の制御部16、ネットワークNを介してALEサーバ20及びEPCISサーバ30との間の通信を制御する通信制御部17を備えるとともに、上述したキーボード12、表示器14及びRFIDリーダ15を備え、各部はバス18を介して接続されている。
【0019】
ALEサーバ20は、POS端末10によりRFIDタグから読み取られたEPCと、この読み取りが行われた時間とを関連付けたレポートを生成するサーバ装置である。また、EPCISサーバ30は、ALEサーバ20で生成されたレポートを蓄積・管理するサーバ装置である。
【0020】
ところで、上述したALEサーバ20及びEPCISサーバ30は、一般的なコンピュータである。図4は、コンピュータのモジュール構成を示した図である。ALEサーバ20及びEPCISサーバ30であるコンピュータは、CPU、ROM、RAM等で構成されるコンピュータ構成の制御部21、処理経過や結果等を表示するCRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)等の表示部22、操作者が制御部21に命令や情報等を入力するためのキーボードやマウス等の入力部23、データベースとして機能するとともに各種のプログラムを記憶するHDD(Hard Disk Drive)等の記憶部24、ネットワークNを介して他の機器と通信により情報を伝達するための通信制御部25等から構成されており、これらの各部がバス26により接続されている。
【0021】
このようなコンピュータでは、オペレータが電源を投入するとCPUがROM内のローダーというプログラムを起動させ、記憶部24よりOS(Operating System)というコンピュータのハードウェアとソフトウェアとを管理するプログラムをRAMに読み込み、このOSを起動させる。このようなOSは、オペレータの操作に応じてプログラムを起動したり、情報を読み込んだり、保存を行ったりする。OSのうち代表的なものとしては、Windows(登録商標)等が知られている。これらのOS上で走る動作プログラムをアプリケーションプログラムと呼んでいる。なお、アプリケーションプログラムは、所定のOS上で動作するものに限らず、後述の各種処理の一部の実行をOSに肩代わりさせるものであってもよいし、所定のアプリケーションソフトやOSなどを構成する一群のプログラムファイルの一部として含まれているものであってもよい。
【0022】
パーソナルコンピュータは、OS上で動作するアプリケーションプログラムが起動すると、このアプリケーションプログラムに従い、制御部21が各種の演算処理を実行して各部を統括的に制御する。すなわち、記憶部24に記憶されているアプリケーションプログラムの違いによって、コンピュータは、ALEサーバ20及びEPCISサーバ30として夫々機能する。
【0023】
次に、図5を参照して、EPCシステムを構成する各装置の機能部について説明する。ここで、図5は、POS端末10、ALEサーバ20及びEPCISサーバ30が備える各機能部を示した図である。
【0024】
POS端末10は、上述した制御部16とROM等に予め記憶されたプログラムとの協働により実現される機能部として、RFIDリーダ制御部101と、EPCリスト生成部102とを備える。
【0025】
RFIDリーダ制御部101は、RFIDリーダ15の動作を制御するためのミドルウェアにより実現され、RFIDリーダ15を制御することで、RFIDタグからEPCの読み取りを行い、表示器14に表示する。RFIDリーダ制御部101を実現するミドルウェアとしては、例えば、OPOS(流通業界標準規格)等で規格化されたRFIDミドルウェアを用いることができる。
【0026】
EPCリスト生成部102は、RFIDリーダ制御部101で読み取られたEPCをRAMに一時記憶し、キーボード12を介して入力される指示に応じて、EPCの削除や後述する確定EPCリストデータの生成を行う。
【0027】
具体的に、EPCリスト生成部102は、RAMにEPCを一時記憶した状態において、キーボード12から特定のEPCの削除を指示したキーの入力を受け付けると、指示された特定のEPCをRAMの一時記憶対から削除する。
【0028】
例えば、RFIDリーダ制御部101により4つのRFIDタグから、EPC1,EPC2,EPC3及びEPC4が夫々読み取られたとする。このうちEPC4が誤読だった場合、キャッシャはキーボード12を介してEPC4の削除を指示すると、EPCリスト生成部102により、EPC4が一時記憶対象から削除される。なお、このとき、表示器14を制御し、EPC4の表示を消去することとしてもよい。
【0029】
また、EPCリスト生成部102は、キーボード12から一の取引を完了させ、取引金額等の取引データを確定する確定指示を入力する特定のキー(以下、現計キー(取引確定指示)という)の入力を受け付けると、一時記憶したEPCのリストと、現在の日時を表す日時情報とを関連付けたデータ(以下、確定EPCリストデータという)を生成し、RAMをクリアする。ここで、EPCリスト生成部102は、生成する確定EPCリストデータのファイル名を「POS登録_YYMMDDhhmmss.rep(YYMMDDhhmmssは現在の年月日時分秒を表す)」とすることで、EPCのリストと現在日時との関連付けを行うものとする。なお“POS登録”は、登録操作を識別するための識別子となっており、他の操作の場合にはその操作内容を指示する識別子が付与されるものとする。
【0030】
例えば、現計キーの入力を受け付けた日時が、2008/1/1、9:00:00であったとすると、POS登録_20080101090000.repをファイル名とした確定EPCリストデータが、EPCリスト生成部102により生成されることになる。なお、EPCのリストに対する現在日時の関連付け方法は、この例に限らず、例えば、確定EPCリストデータに現在日時を記録する形態としてもよい。また、日時情報は、RTC(Real Time Clock)等の図示しない計時手段から取得されるものとする。
【0031】
さらに、EPCリスト生成部102は、生成した確定EPCリストデータを、ネットワークNを介して、ALEサーバ20の確定EPCリストデータ格納フォルダFに格納する。ここで、「確定EPCリストデータ格納フォルダF」とは、ALEサーバ20の記憶部24に設けられた確定EPCリストデータ格納用のフォルダであって、予め設けられているものとする。なお、確定EPCリストデータの格納方法は、特に問わず、ALEサーバ20で実行されるOSのフォルダ共有機能を利用する形態としてよいし、ソケット通信やFTP(File Transfer Protocol)等を用いて転送する形態としてもよい。
【0032】
このように、EPCリスト生成部102では、現計キーの入力に対応して一の取引を単位とした確定EPCリストデータを生成するため、現計キーの入力前に、誤ってRFIDタグを読み込んでしまった場合や、顧客からの要求で一部商品の取り消し処理を行うような場合であっても、これらのEPCを削除した確定EPCリストデータを生成することができる。
【0033】
次に、ALEサーバ20の機能構成について説明する。ALEサーバ20は、自己のコンピュータが備える制御部21と、記憶部24に記憶されたプログラムとの協働により実現される機能部として、ALE処理部201を備える。
【0034】
ALE処理部201は、ECSpecに従ってレポートを生成し、EPCISサーバ30へと送信するミドルウェアにより実現される機能部である。
【0035】
ここで、「ECSpec」は、EPCに含まれる各データをどのように収集するかを定義したものである。ALE処理部201は、このECSpecに定義されたデータ収集規則に従って、確定EPCリストデータに含まれるEPCからデータを収集し、収集したデータを、EPCglobalで定義されたECReport形式で記述したレポートを生成する。
【0036】
また、ECSpecは、ロジカルリーダと呼ばれる読取対象とするリーダ装置の情報が含まれる。EPCglobalで規格化されたALEでは、このロジカルリーダに定義されたリーダ(RFIDミドルウェア)からEPCを読み込み、レポートを出力するよう実装されている。この場合、リーダから一定時間内に入力されたEPCに基づきレポートが生成されることになるため、レポート生成タイミングによっては、1取引分のデータが複数のレポートに分割された状態で生成されという問題がある。
【0037】
そこで、本実施形態のALE処理部201では、ロジカルリーダに特定の値が設定されているときに、確定EPCリストデータ格納フォルダFに格納された確定EPCリストデータからEPCを読み出し、あたかもリーダ装置から読み取ったかのように仮想化して、EPCISサーバ30へレポートを出力するよう機能の拡張が行われている。即ち、確定EPCリストデータは、1取引単位で生成されているため、1取引分のデータが複数のレポートに分割されてしまうことを防止することが可能である。
【0038】
具体的に、ALE処理部201は、ECSpecに従って、確定EPCリストデータ格納フォルダFに格納された確定EPCリストデータ毎にレポートを生成し、EPCISサーバ30へ送信する。なお、本実施形態では、EPCが読み取られた時間をレポートに記録するため、確定EPCリストデータのファイル名に埋め込まれた日時情報(YYYYMMDDhhmmss)をレポート名としたレポートを生成するものとするが、これに限らず、各POS端末10を識別可能な識別子をファイル名に埋め込む形態としてもよいし、レポート中に日時情報を記述する形態としてもよい。また、レポートが生成された確定EPCリストデータについては、ALE処理部201の制御により、確定EPCリストデータ格納フォルダFから削除又は他のフォルダ等へ移動されるものとする。
【0039】
このように、ALEサーバ20では、EPCglobal標準のALEの機能を活用しながら、誤読データ等の不要なデータが取り除かれた1取引毎のレポートを生成する。
【0040】
次に、EPCISサーバ30の機能構成について説明する。EPCISサーバ30は、自己のコンピュータが備える制御部21と、記憶部24に記憶されたプログラムとの協働により実現される機能部として、記憶制御部301を備える。
【0041】
記憶制御部301は、EPCglobalで規格化されたEPCIS Capturing Applicationに相当し、ALEサーバ20から送信されるレポートを、EPCISサーバ30が備える記憶部24の所定の領域(EPSIS Repository)に蓄積する。
【0042】
以下、図6を参照して、上述したEPCに係るEPCシステムの動作について説明する。ここで、図6は、POS端末10、ALEサーバ20及びEPCISサーバ30の動作を示したフローチャートである。
【0043】
まず、POS端末10では、EPCリスト生成部102が、RFIDタグからEPCが読み取られるまで待機する(ステップS11;No→ステップS13;No)。ここで、
RFIDリーダ制御部101の制御によりRFIDタグから読み取られたEPCが入力されると(ステップS11;Yes)、EPCリスト生成部102は、このEPCをRAMに一時記憶する(ステップS12)。
【0044】
次いで、EPCリスト生成部102は、キーボード12の操作が検出されたか否かを判定し、キー入力を検知できない場合には(ステップS13;No)、ステップS11に再び戻る。
【0045】
また、EPCリスト生成部102は、キーボード12を介して特定のEPCの削除が指示されたと判定した場合(ステップS13;Yes→ステップS14;Yes)、一時記憶したEPCの中から削除が指示されたEPCを削除し(ステップS15)、ステップS11に再び戻る。
【0046】
また、EPCリスト生成部102は、キーボード12から現計キーが入力されたと判定すると(ステップS13;Yes→ステップS14;No→ステップS16;Yes)、一時記憶したEPCのリストと、現在日時とを関連付けた確定EPCリストデータを生成する(ステップS17)。次いで、EPCリスト生成部102は、ステップS17で生成した確定EPCリストデータを、ALEサーバ20の確定EPCリストデータ格納フォルダFに格納した後(ステップS18)、一時記憶したEPCをクリアする(ステップS19)。これにより、1取引分の確定EPCリストデータが生成される。なお、キーボード12のキー操作として、EPCの削除及び現計キー以外のキーが入力された場合には(ステップS13;Yes→ステップS14;No→ステップS16;No)、ステップS11に再び戻るものとする。
【0047】
一方、ALEサーバ20では、ALE処理部201が、確定EPCリストデータ格納フォルダFを常時又は所定期間毎に監視する(ステップS20;No)。ここで、ALE処理部201は、確定EPCリストデータ格納フォルダFに確定EPCリストデータが格納されていると判定すると(ステップS20;Yes)、ECSpecに従って、確定EPCリストデータ毎にレポートを生成し(ステップS21)、EPCISサーバ30へ送信する(ステップS22)。また、ALE処理部201は、レポートを生成し終えると、確定EPCリストデータ格納フォルダFに格納された確定EPCリストデータを削除又は他のフォルダに移動させ(ステップS23)、処理を終了する。
【0048】
EPCISサーバ30では、ALEサーバ20からレポートを受信すると、記憶制御部301が、このレポートを自己の装置が備える記憶部24の所定の領域(EPSIS Repository)に蓄積し(ステップS24)、処理を終了する。
【0049】
このように、本実施形態によれば、現計キーの入力に応じて1取引分のEPCをリスト化した確定EPCリストデータを生成し、この確定EPCリストデータに基づいてレポートを生成することで、1取引分のレポートをEPCISサーバ30に蓄積する。これにより、EPCglobal規格に準拠し、且つ、一の取引を処理単位として取り扱うことが可能なレポートを効率的に生成することができる。
【0050】
また、RFIDリーダ制御部101として、OPOS等の非EPCGlobal規格のRFIDタグミドルウェアを用いた場合であっても、ALE処理部201により、ECReport形式に準拠したレポートを生成することができるため、EPCglobal規格に準拠したEPCISにレポートを蓄積することが可能である。
【0051】
以上、発明の実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲での種々の変更、置換、追加等が可能である。
【0052】
例えば、上記実施形態では、ALEサーバ20がALE処理部201を備える形態としたが、POS端末10がALE処理部201の機能を備える形態としてもよい。なお、確定EPCリストデータ格納フォルダFは、POS端末10に付加した記憶装置(HDD等)内に設けられる形態としてもよいし、他の装置が備える記憶装置内に設けられる形態としてもよい。
【0053】
また、POS端末10内に確定EPCリストデータ格納フォルダFを設け、ALEサーバ20のALE処理部201が、各POS端末10の確定EPCリストデータ格納フォルダFを参照する形態としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0054】
以上のように、本発明にかかる情報処理システム及び情報処理装置は、RFIDタグに保持された商品情報(EPC)に基づいて商品管理を行うのに有用であり、特に、EPCglobal規格に準じたALE、EPCISを用いる場合に適している。
【符号の説明】
【0055】
10 POS端末
11 本体
12 キーボード
13 ドロワ
14 表示器
15 RFIDリーダ
16 制御部
17 通信制御部
18 バス
20 ALEサーバ
30 EPCISサーバ
21 制御部
22 表示部
23 入力部
24 記憶部
25 通信制御部
26 バス
101 RFIDリーダ制御部
102 EPCリスト生成部
201 ALE処理部
301 記憶制御部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0056】
【非特許文献1】EPCglobal The Application Level Events (ALE) Specification Version 1.0 page.8

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品に付加されたRFIDタグから当該商品に関する商品情報を読み取る読取手段と、
指示入力を受け付ける受付手段と、
前記受付手段により一の取引の完了を指示する確定指示の入力が受け付けられると、当該確定指示の入力までに前記読取手段で読み取られた前記商品情報のリストと、この確定指示の入力時刻を表す時刻情報とを関連付けたリストデータを生成するリスト生成手段と、
前記リストデータに含まれる前記商品情報の各々から所定のデータ項目を収集し、このリストデータに含まれる時刻情報と関連付けたレポートデータを生成するレポート生成手段と、
を備え、
前記リスト生成手段は、前記確定指示の入力前に、前記受付手段により特定の商品情報の削除を指示する削除指示の入力が受け付けられると、当該削除指示により削除が指示された商品情報を前記リストから除外することを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
商品に付加されたRFIDタグから当該商品に関する商品情報を読み取る読取手段と、
指示入力を受け付ける受付手段と、
前記受付手段により一の取引の完了を指示する確定指示の入力が受け付けられると、当該確定指示の入力までに前記読取手段で読み取られた前記商品情報のリストと、この確定指示の入力時刻を表す時刻情報とを関連付けたリストデータを生成するリスト生成手段と、
を備え、
前記リスト生成手段は、前記確定指示の入力前に、前記受付手段により特定の商品情報の削除を指示する削除指示の入力が受け付けられると、当該削除指示により削除が指示された商品情報を前記リストから除外することを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
前記リストデータを、自己の装置又は外部装置が具備する記憶装置の所定の領域に格納する格納手段を更に備えたことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
1又は複数の各商品に関する商品情報のリストと時刻情報とを関連付けた一の取引分のリストデータを格納する格納手段と、
前記リストデータに含まれる前記商品情報の各々から所定のデータ項目を収集し、このリストデータに含まれる時刻情報と関連付けたレポートデータを生成するレポート生成手段と、
を備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
前記レポート生成手段は、前記格納手段に格納されたリストデータ毎に前記レポートデータを生成することを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−224719(P2010−224719A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−69422(P2009−69422)
【出願日】平成21年3月23日(2009.3.23)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】