説明

情報処理プログラム、情報処理装置、情報処理システム、および、マップ表示方法

【課題】仮想空間を表すマップをよりわかりやすくユーザに提示する。
【解決手段】ゲーム装置は、仮想空間を所定の視線方向から見た画像を画面に表示する。所定の条件が満たされたことに応じて、ゲーム装置は、視線方向が画面上における所定方向を向く視線方向マップを表示する。さらに、所定の条件が満たされたことに応じて、ゲーム装置は、仮想空間において予め設定される方向が画面上における所定方向を向く方向固定マップを表示する。なお、マップの画像を表示する場合、まず視線方向マップを表示した後で方向固定マップを表示することが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仮想空間を表すマップを画面に表示する情報処理プログラム、情報処理装置、情報処理システム、および、マップ表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ゲーム空間等の仮想空間の3次元画像を表示するとともに、仮想空間を表す2次元のマップを表示する技術がある。例えば、特許文献1には、3次元の仮想空間内においてプレイヤキャラクタを動作させてゲームを進行させるゲーム装置が記載されている。このゲーム装置では、仮想空間において予め設定される特定の方向が画面上における上向きとなるようにマップが表示される(文献1の図8参照)。
【0003】
また、特許文献2には、仮想カメラの視線方向に応じた向きとなるようにマップを表示するゲーム装置が記載されている。このゲーム装置は、仮想カメラの位置から見た仮想空間の画像を表示するとともに、仮想カメラの視線方向が画面上における上向きとなるようにマップを表示する(文献2の図22参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−325973号公報
【特許文献2】特開2005−230263号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1のように、仮想空間における特定方向を基準とするマップを表示する方法では、仮想空間における視線方向と画面に表示されるマップの上方向とが一致しない。そのため、仮想空間とマップとの対応がユーザにとって把握しづらくなってしまう。すなわち、上記の方法では、マップ上における仮想カメラの視線方向が把握しづらくなったり、マップ上に配置されるオブジェクトが、仮想空間に配置されるどのオブジェクトに対応するのかが把握しづらくなったりするという課題がある。
【0006】
一方、上記特許文献2のように、仮想カメラの視線方向を基準とするマップを表示する方法では、画面上に表示されるマップの向きが仮想カメラの視線方向によって変化してしまう。この方法では、画面に表示されるマップの向きが一定ではないので、仮想空間の全体構成や、仮想空間に対する現在位置が把握しづらくなってしまう。具体的には、「湖の北側に山があって、山の東側に洞窟がある」といった、仮想空間の全体構成を把握しにくかったり、どちらの方へ向かうべきかがわからなくなったりするという問題がある。
【0007】
以上のように、仮想空間における特定方向を基準とするマップにも仮想カメラの視線方向を基準とするマップにも短所があり、いずれか一方のマップを表示するだけでは、わかりやすいマップを提示することができない。
【0008】
それ故、本発明の目的は、仮想空間を表すマップをよりわかりやすくユーザに提示することができる情報処理プログラム、情報処理装置、情報処理システム、および、マップ表示方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記の課題を解決するために、以下の(1)〜(14)の構成を採用した。
【0010】
(1)
本発明は、仮想空間を表すマップを表示する情報処理装置のコンピュータに実行させる情報処理プログラムである。情報処理プログラムは、仮想空間表示手段と、第1マップ表示手段と、第2マップ表示手段としてコンピュータを機能させる。仮想空間表示手段は、仮想空間を所定の視線方向から見た画像を画面に表示する。第1マップ表示手段は、所定の条件が満たされたことに応じて、視線方向が画面上における所定方向を向く第1マップを表示する。第2マップ表示手段は、所定の条件が満たされたことに応じて、仮想空間において予め設定される方向が画面上における所定方向を向く第2マップを表示する。
【0011】
上記「仮想空間」は、後述する実施形態におけるゲーム空間の他、仮想的に構築された3次元空間であればどのようなものであってもよい。また、上記「マップ」は、仮想空間を表す画像であればよく、2次元のマップであってもよいし、仮想空間と同様の3次元空間に基づいて生成された画像であってもよい。例えば、上記「マップ」は、仮想空間を真上から見たものに限らず、仮想空間を斜め上から見下ろした様子を表す俯瞰マップでもよい。また、上記「マップ」は、仮想空間内に配置されるオブジェクトがアイコンや図形等によって簡易的に表されるマップ(簡易マップ)でもよいし、当該オブジェクトが詳細に(仮想空間表示手段による画像と同様に)表されるマップ(詳細マップ)でもよい。なお、詳細マップの画像は、仮想空間表示手段と同様の方法、すなわち、仮想空間に配置される仮想カメラを用いた方法によって生成されてもよい。
上記「情報処理装置」とは、後述する実施形態に記載のゲーム装置の他、コンピュータプログラムを実行することによって情報処理を行う任意のコンピュータを含む概念である。また、上記「情報処理装置」は、携帯型か否かを問わない。
上記「情報処理プログラム」とは、一例としては、後述する実施形態に記載のゲームプログラムであるが、パーソナルコンピュータや携帯端末において実行される任意のアプリケーションプログラムを含む概念である。
上記「第1マップ」は、視線方向が画面上における所定方向を向くマップであればよい。下記(3)の構成や後述する実施形態においては、第1マップは第2マップよりも狭い領域を表すマップであるが、第1マップは第2マップよりも狭域のマップに限らない。また、「第1マップ表示手段」における「所定方向」は、一般的には(画面の)上方向が好ましいが、他の方向でもあってもよい。
上記「第2マップ」は、マップが一定の向きに表示されるものであればどのようなものであってもよい。また、「第2マップ表示手段」における「所定方向」は、どの方向であってもよく、また、「第1マップ表示手段」における「所定方向」と一致する必要はない。
上記「所定の条件」とは、例えば、ユーザの指示があったことでもあってもよいし、本発明をゲームに適用する場合には、ゲーム内で設定される条件(例えば、プレイヤキャラクタがアイテムを取得したこと等)であってもよい。なお、「第1マップ表示手段」における「所定の条件」と、「第2マップ表示手段」における「所定の条件」とは、同じであっても異なっていてもよい。
【0012】
上記(1)の構成によれば、第1マップ表示手段および第2マップ表示手段によって、第1マップと第2マップという2種類のマップが表示される。ここで、第1マップは、仮想空間とマップとの対応が把握しやすいという特長を有するのに対して、第2マップは、仮想空間全体の構成が把握しやすいという特長を有する。つまり、上記(1)の構成によれば、特長の異なる2種類のマップをユーザに提示することができる。したがって、ユーザは2種類のマップのうちで状況や目的に応じた適切なマップを見ることができるので、本発明によれば、ユーザに対してわかりやすくマップを提示することができる。
【0013】
(2)
第1マップ表示手段は、仮想空間の画像が表示されている場合に所定の条件が満たされたことに応じて第1マップを表示してもよい。また、第2マップ表示手段は、第1マップが表示されている場合に所定の条件が満たされたことに応じて第2マップを表示してもよい。
【0014】
上記において、「第1マップ表示手段」における「所定の条件」と、「第2マップ表示手段」における「所定の条件」とは、同じであっても異なっていてもよい。
【0015】
上記(2)の構成によれば、仮想空間の画像(空間画像)が表示された後、まず第1マップが表示され、その次に第2マップが表示される。これによれば、空間画像が表示される後にまず第1マップを表示することで、ユーザに仮想空間とマップとの対応を把握させることができる。そして、仮想空間とマップとの対応を把握させた後で第2マップを表示するので、「仮想空間とマップとの対応が把握しづらい」という第2のマップの欠点を補うことができる。つまり、上記(2)の構成によれば、2種類のマップを適切な順序で表示することで、ユーザに対してマップをよりわかりやすく提示することができる。
【0016】
(3)
第2マップは、第1マップよりも広い範囲を表すマップでもよい。
【0017】
上記(3)の構成によれば、仮想空間とマップとの対応を把握しやすく、視点の周囲の状況を確認するために有効である第1マップは、相対的に狭い範囲を表すマップとして表示される。一方、仮想空間全体の構成を把握しやすい第2マップは、相対的に広い範囲を表すマップとして表示される。したがって、上記(3)の構成によれば、各マップの用途に適した範囲を表すように表示範囲の大きさが設定されるので、マップをよりわかりやすくユーザに提示することができる。
【0018】
(4)
第1マップ表示手段は、仮想空間の画像が表示される画面領域に第1マップを表示してもよい。また、第2マップ表示手段は、仮想空間の画像が表示される画面領域に第2マップを表示してもよい。
【0019】
上記(4)の構成によれば、空間画像が表示される画面領域にマップが表示されるので、マップが表示される場合には、空間画像が切り替わって(画面から消去されて)マップが表示されることとなる。そのため、上記(4)の構成によれば、(空間画像とマップの画像とを同時に表示する場合に比べて)各画像を大きく表示することができ、ユーザにマップを見やすく提示することができる。ここで、空間画像とマップとを切り替えて表示する場合には、各画像を大きく表示することができるというメリットがあるものの、空間画像とマップの画像とを同時に表示する場合に比べて空間画像とマップとの対応がわかりにくくなるというデメリットがある。しかしながら、本発明によれば、上記(1)の構成等によって2種類のマップを提示することによって上記のデメリットを抑止することができるので、上記構成(4)のように空間画像とマップとを切り替える場合には、本発明が特に有効である。
【0020】
(5)
情報処理プログラムは、ユーザの操作に応じて仮想空間に仮想カメラを設定する仮想カメラ設定手段としてコンピュータをさらに機能させてもよい。このとき、仮想空間表示手段は、仮想カメラ設定手段により設定された仮想カメラの視線方向を所定の視線方向として仮想空間の画像を表示する。
【0021】
上記(5)の構成によれば、仮想空間の画像の視線方向はユーザの操作に応じて変化する。このように、ユーザの操作に応じて仮想空間の画像の視線方向が変化する場合には、仮想空間内において視線方向がどこを向いているかをユーザが把握できなくなるおそれがあるので、本発明のように第1マップおよび第2マップを提示することが特に有効である。
【0022】
(6)
情報処理プログラムは、仮想空間に配置されたオブジェクトの移動をユーザの操作に応じて制御するオブジェクト動作制御手段としてコンピュータをさらに機能させてもよい。このとき、仮想カメラ設定手段は、オブジェクトの位置および向きの少なくともいずれかに基づいて仮想カメラの視線方向を設定する。第1マップ表示手段は、仮想空間におけるオブジェクトの位置を表す画像を第1マップ上に表示する。第2マップ表示手段は、仮想空間におけるオブジェクトの位置を表す画像を第2マップ上に表示する。
【0023】
上記(6)の構成によれば、ユーザがオブジェクトを移動させることに応じて仮想カメラの視線方向が変化する。このように、ユーザの操作対象であるオブジェクトが移動して視線方向が変化する場合には、ユーザは、仮想空間におけるオブジェクトの位置を把握できなくなるおそれがある。これに関して、上記(6)の構成によれば、第1マップおよび第2マップ上にオブジェクトの位置を表す画像が表示されるので、ユーザは、各マップを見ることで仮想空間におけるオブジェクトの位置を容易に把握することができる。
【0024】
(7)
第1マップ表示手段は、第2マップが表示されている場合にユーザによる第1指示があったことに応じて第1マップを表示してもよい。このとき、仮想空間表示手段は、第2マップが表示されている場合にユーザによる第2指示があったことに応じて仮想空間の画像を表示する。
【0025】
上記(7)の構成によれば、ユーザは、第1指示によって第2マップを第1マップへと切り替えることができるとともに、第2指示によって第2マップを空間画像へと切り替えることができる。これによれば、ユーザは2種類のマップと空間画像との切替を容易に行うことができる。
【0026】
(8)
仮想空間表示手段は、第1マップまたは第2マップが表示されている場合に所定の条件が満たされたことに応じて、仮想空間の画像を表示してもよい。このとき、情報処理プログラムは、仮想空間の画像が表示される前に表示されていたマップの情報を記憶する記憶手段としてコンピュータをさらに機能させる。また、第1マップ表示手段は、仮想空間の画像が表示されており、かつ、記憶手段に第1マップの情報が記憶されている場合、所定の条件が満たされたことに応じて第1マップを表示する。第2マップ表示手段は、仮想空間の画像が表示されており、かつ、記憶手段に第2マップの情報が記憶されている場合、所定の条件が満たされたことに応じて第2マップを表示する。
【0027】
上記(8)の構成によれば、マップ(第1マップまたは第2マップ)から空間画像へと切り替わった後で、さらに空間画像からマップへと切り替わる場合には、空間画像が表示される前に表示されていたマップが表示される。これによれば、マップが表示される場合には、前回と同じ種類のマップがまず表示されるので、マップをユーザにとって見やすく提示することができる。また、ユーザがいずれか一方のマップを使用する場合には、ユーザはマップの切替操作を行う必要がないので、特に有効である。
【0028】
(9)
第1マップ表示手段は、第2マップが表示されている場合にユーザによる指示があったことに応じて第1マップを表示してもよい。このとき、第2マップ表示手段は、第1マップが表示されている場合にユーザによる指示があったことに応じて第2マップを表示する。
【0029】
上記(9)の構成によれば、ユーザは、2つのマップの間で相互に表示を切り替えることができるので、所望のマップを容易に表示させることができる。
【0030】
(10)
情報処理プログラムは、第1位置受付手段と、第1目印設置手段としてコンピュータをさらに機能させてもよい。第1位置受付手段は、仮想空間の画像が表示されている場合に、仮想空間内の位置を指定する第1位置指定指示をユーザから受け付ける。第1目印設置手段は、第1位置指定指示によって指定された位置に、仮想空間に配置される他の種類のオブジェクトよりも高い所定の目印オブジェクトを設置する。第1マップ表示手段は、第1位置指定指示によって指定された位置に対応する第1マップ上の位置に所定の目印画像を表示する。
【0031】
上記「他の種類のオブジェクト」とは、目印オブジェクト以外のオブジェクトを指す。したがって、目印オブジェクトが複数設置される場合には、各目印オブジェクトは同じ高さであってもよい。
【0032】
上記(10)の構成によれば、ユーザは、空間画像内の位置を指定する操作によって、指定した位置に目印を設置することができる。このとき、目印を設置した位置は第1マップにも反映されるので、1回の操作で仮想空間とマップとの両方に目印を設置することができる。また、仮想空間に設置される目印オブジェクトは、他の種類のオブジェクトよりも高いので、視点から離れた場所にあっても目印オブジェクトが表示され、ユーザは目印オブジェクトを容易に視認することができる。
【0033】
(11)
情報処理プログラムは、第2位置受付手段と、第2目印設置手段としてコンピュータをさらに機能させてもよい。第2位置受付手段は、第1マップが表示されている場合に、第1マップ上の位置を指定する位置指定指示をユーザから受け付ける。第2目印設置手段は、第2位置指定指示によって指定された位置に対応する仮想空間内の位置に、仮想空間に配置される他の種類のオブジェクトよりも高い所定の目印オブジェクトを設置する。このとき、第1マップ表示手段は、第2位置指定指示によって指定された位置に所定の目印画像を表示する。
【0034】
上記(11)の構成によれば、ユーザは、マップ上の位置を指定する操作によって、指定した位置に目印を設置することができる。このとき、目印を設置した位置は仮想空間内にも反映されるので、1回の操作で仮想空間とマップとの両方に目印を設置することができる。また、仮想空間に設置される目印オブジェクトは、他の種類のオブジェクトよりも高いので、視点から離れた場所にあっても目印オブジェクトが表示され、ユーザは目印オブジェクトを容易に視認することができる。
【0035】
(12)
仮想空間表示手段は、第1マップを表示するための指示があった場合、視線方向を仮想空間における下方向へ変化させて仮想空間の画像を表示してもよい。このとき、第1マップ表示手段は、視線方向が下方向へ変化された仮想空間の画像が表示された後、当該画像に代えて第1マップを表示する。
【0036】
上記「視線方向を仮想空間における下方向へ変化させ」とは、少なくとも視線方向を変化させればよく、後述する実施形態(図15)のように、視線方向を変化させるとともに視点の位置を移動させるものであってもよい。また、上記「下方向」とは、厳密に真下を向く方向に限らない。
【0037】
上記(12)の構成によれば、空間画像の後に第1マップが表示される場合、視線方向が下方向へ変化された仮想空間の画像が表示された後で第1マップが表示される。つまり、画面に表示される画像は、通常の視線方向の空間画像から、マップと同様の視線方向の空間画像へと変化した後、第1マップへと変化する。これによれば、第1マップが表示される前に第1マップと同様の視線方向の空間画像が表示されるので、ユーザは第1マップが表示される際に仮想空間とマップとの対応をよりわかりやすく把握することができる。
【0038】
(13)
仮想空間表示手段は、第1マップを表示するための指示があった場合、視線方向を仮想空間における下方向へ変化させ、かつ、仮想空間の画像を時間の経過に従って徐々に薄くなるように仮想空間の画像を表示してもよい。このとき、第1マップ表示手段は、第1マップを表示するための指示があった場合、当該第1マップを時間の経過に従って徐々に濃くなるように表示する。
【0039】
上記(13)の構成によれば、空間画像の後に第1マップが表示される場合、表示される画像は、仮想空間の画像から第1マップの画像へと次第に変化する。これによって、仮想空間とマップとの対応をよりわかりやすく把握することができる。
【0040】
(14)
情報処理プログラムは、第1マップが表示されている場合に、第2マップを表示するための所定の条件が満たされたことに応じて、視線方向から仮想空間において予め設定される方向まで当該第1マップを徐々に回転させて表示する回転表示手段としてコンピュータをさらに機能させてもよい。このとき、第2マップ表示手段は、回転表示手段によって第1マップが回転された後で第2マップを表示する。
【0041】
上記(14)の構成によれば、第1マップの後に第2マップが表示される場合、第1マップの画像が第2マップの画像へと連続的に変化する。これによって、第1マップと第2マップとの対応をよりわかりやすくユーザに提示することができる。
【0042】
また、本発明は、上記各手段と同等の手段を備える情報処理装置の形態で実施されてもよい。この情報処理装置においては、情報処理プログラムを実行するコンピュータによって上記各手段が実現されてもよいし、専用回路によって上記各手段の一部または全部が実現されてもよい。また、本発明は、上記各手段を備える1以上の情報処理装置からなる情報処理システムの形態で実施されてもよい。このとき、1以上の情報処理装置は、有線または無線通信によって直接通信を行ってもよいし、ネットワークを介して通信を行ってもよい。さらに、本発明は、上記各手段によって行われるマップ表示方法の形態で実施されてもよい。
【発明の効果】
【0043】
本発明によれば、第1マップおよび第2マップという2種類のマップをユーザに提示することによって、ユーザに対してわかりやすくマップを提示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】ゲームシステムの外観図
【図2】ゲーム装置の機能ブロック図
【図3】コントローラの外観構成を示す斜視図
【図4】コントローラの外観構成を示す斜視図
【図5】コントローラの内部構造を示す図
【図6】コントローラの内部構造を示す図
【図7】コントローラの構成を示すブロック図
【図8】空間画像の一例を示す図である。
【図9】視線方向マップの一例を示す図
【図10】方向固定マップの一例を示す図
【図11】目印オブジェクトが設定された場合の空間画像を示す図
【図12】目印が設定された場合の視線方向マップを示す図
【図13】ゲーム装置のメインメモリに記憶される主なデータを示す図
【図14】ゲーム装置において実行される処理の流れを示すメインフローチャート
【図15】ステップS8の処理による仮想カメラの動きを示す図
【図16】ステップS8の処理によって仮想カメラが移動した後の空間画像を示す図
【図17】図14に示すマップ表示処理(ステップS9)の流れを示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0045】
[ゲームシステムの全体構成]
図1を参照して、本発明の一実施形態に係る情報処理装置の一例であるゲーム装置を含むゲームシステム1について説明する。図1は、ゲームシステム1の外観図である。以下、据置型のゲーム装置を一例にして、本実施形態のゲーム装置およびゲームプログラムについて説明する。図1において、ゲームシステム1は、テレビジョン受像器(以下、単に「テレビ」と記載する)2、ゲーム装置3、光ディスク4、コントローラ5、およびマーカ部6を含む。本システムは、コントローラ5を用いたゲーム操作に基づいてゲーム装置3でゲーム処理を実行するものである。
【0046】
ゲーム装置3には、当該ゲーム装置3に対して交換可能に用いられる情報記憶媒体の一例である光ディスク4が脱着可能に挿入される。光ディスク4には、ゲーム装置3において実行されるためのゲームプログラムが記憶されている。ゲーム装置3の前面には光ディスク4の挿入口が設けられている。ゲーム装置3は、挿入口に挿入された光ディスク4に記憶されているゲームプログラムを読み出して実行することによってゲーム処理を実行する。
【0047】
ゲーム装置3には、表示装置の一例であるテレビ2が接続コードを介して接続される。テレビ2は、ゲーム装置3において実行されるゲーム処理の結果得られるゲーム画像を表示する。また、テレビ2の画面の周辺(図1では画面の上側)には、マーカ部6が設置される。マーカ部6は、その両端に2つのマーカ6Rおよび6Lを備えている。マーカ6R(マーカ6Lも同様)は、具体的には1以上の赤外LEDであり、テレビ2の前方に向かって赤外光を出力する。マーカ部6はゲーム装置3に接続されており、ゲーム装置3はマーカ部6が備える各赤外LEDの点灯を制御することが可能である。
【0048】
コントローラ5は、自機に対して行われた操作の内容を示す操作データをゲーム装置3に与える入力装置である。コントローラ5とゲーム装置3とは無線通信によって接続される。本実施形態では、コントローラ5とゲーム装置3との間の無線通信には例えばBluetooth(ブルートゥース)(登録商標)の技術が用いられる。なお、他の実施形態においてはコントローラ5とゲーム装置3とは有線で接続されてもよい。
【0049】
[ゲーム装置3の内部構成]
次に、図2を参照して、ゲーム装置3の内部構成について説明する。図2は、ゲーム装置3の構成を示すブロック図である。ゲーム装置3は、CPU10、システムLSI11、外部メインメモリ12、ROM/RTC13、ディスクドライブ14、およびAV−IC15等を有する。
【0050】
CPU10は、光ディスク4に記憶されたゲームプログラムを実行することによってゲーム処理を実行するものであり、ゲームプロセッサとして機能する。CPU10は、システムLSI11に接続される。システムLSI11には、CPU10の他、外部メインメモリ12、ROM/RTC13、ディスクドライブ14およびAV−IC15が接続される。システムLSI11は、それに接続される各構成要素間のデータ転送の制御、表示すべき画像の生成、外部装置からのデータの取得等の処理を行う。システムLSIの内部構成について後述する。揮発性の外部メインメモリ12は、光ディスク4から読み出されたゲームプログラムや、フラッシュメモリ17から読み出されたゲームプログラム等のプログラムを記憶したり、各種データを記憶したりするものであり、CPU10のワーク領域やバッファ領域として用いられる。ROM/RTC13は、ゲーム装置3の起動用のプログラムが組み込まれるROM(いわゆるブートROM)と、時間をカウントするクロック回路(RTC:Real Time Clock)とを有する。ディスクドライブ14は、光ディスク4からプログラムデータやテクスチャデータ等を読み出し、後述する内部メインメモリ11eまたは外部メインメモリ12に読み出したデータを書き込む。
【0051】
また、システムLSI11には、入出力プロセッサ(I/Oプロセッサ)11a、GPU(Graphics Processor Unit)11b、DSP(Digital Signal Processor)11c、VRAM11d、および内部メインメモリ11eが設けられる。図示は省略するが、これらの構成要素11a〜11eは内部バスによって互いに接続される。
【0052】
GPU11bは、描画手段の一部を形成し、CPU10からのグラフィクスコマンド(作画命令)に従って画像を生成する。VRAM11dは、GPU11bがグラフィクスコマンドを実行するために必要なデータ(ポリゴンデータやテクスチャデータ等のデータ)を記憶する。画像が生成される際には、GPU11bは、VRAM11dに記憶されたデータを用いて画像データを作成する。
【0053】
DSP11cは、オーディオプロセッサとして機能し、内部メインメモリ11eや外部メインメモリ12に記憶されるサウンドデータや音波形(音色)データを用いて、音声データを生成する。
【0054】
上述のように生成された画像データおよび音声データは、AV−IC15によって読み出される。AV−IC15は、読み出した画像データをAVコネクタ16を介してテレビ2に出力するとともに、読み出した音声データを、テレビ2に内蔵されるスピーカ2aに出力する。これによって、画像がテレビ2に表示されるとともに音がスピーカ2aから出力される。
【0055】
入出力プロセッサ11aは、それに接続される構成要素との間でデータの送受信を実行したり、外部装置からのデータのダウンロードを実行したりする。入出力プロセッサ11aは、フラッシュメモリ17、無線通信モジュール18、無線コントローラモジュール19、拡張コネクタ20、およびメモリカード用コネクタ21に接続される。無線通信モジュール18にはアンテナ22が接続され、無線コントローラモジュール19にはアンテナ23が接続される。
【0056】
入出力プロセッサ11aは、無線通信モジュール18およびアンテナ22を介してネットワークに接続し、ネットワークに接続される他のゲーム装置や各種サーバと通信することができる。入出力プロセッサ11aは、定期的にフラッシュメモリ17にアクセスし、ネットワークへ送信する必要があるデータの有無を検出し、当該データが有る場合には、無線通信モジュール18およびアンテナ22を介してネットワークに送信する。また、入出力プロセッサ11aは、他のゲーム装置から送信されてくるデータやダウンロードサーバからダウンロードしたデータを、ネットワーク、アンテナ22および無線通信モジュール18を介して受信し、受信したデータをフラッシュメモリ17に記憶する。CPU10はゲームプログラムを実行することにより、フラッシュメモリ17に記憶されたデータを読み出してゲームプログラムで利用する。フラッシュメモリ17には、ゲーム装置3と他のゲーム装置や各種サーバとの間で送受信されるデータの他、ゲーム装置3を利用してプレイしたゲームのセーブデータ(ゲームの結果データまたは途中データ)が記憶されてもよい。
【0057】
また、入出力プロセッサ11aは、コントローラ5から送信される操作データをアンテナ23および無線コントローラモジュール19を介して受信し、内部メインメモリ11eまたは外部メインメモリ12のバッファ領域に記憶(一時記憶)する。
【0058】
さらに、入出力プロセッサ11aには、拡張コネクタ20およびメモリカード用コネクタ21が接続される。拡張コネクタ20は、USBやSCSIのようなインターフェースのためのコネクタであり、外部記憶媒体のようなメディアを接続したり、他のコントローラのような周辺機器を接続したり、有線の通信用コネクタを接続することによって無線通信モジュール18に替えてネットワークとの通信を行ったりすることができる。メモリカード用コネクタ21は、メモリカードのような外部記憶媒体を接続するためのコネクタである。例えば、入出力プロセッサ11aは、拡張コネクタ20やメモリカード用コネクタ21を介して外部記憶媒体にアクセスし、外部記憶媒体にデータを保存したり、外部記憶媒体からデータを読み出したりすることができる。
【0059】
ゲーム装置3には、電源ボタン24、リセットボタン25、およびイジェクトボタン26が設けられる。電源ボタン24およびリセットボタン25は、システムLSI11に接続される。電源ボタン24がオンされると、ゲーム装置3の各構成要素に対して、図示しないACアダプタを経て電源が供給される。リセットボタン25が押されると、システムLSI11は、ゲーム装置3の起動プログラムを再起動する。イジェクトボタン26は、ディスクドライブ14に接続される。イジェクトボタン26が押されると、ディスクドライブ14から光ディスク4が排出される。
【0060】
[コントローラ5の構成]
次に、図3〜図6を参照して、コントローラ5について説明する。図3は、コントローラ5の外観構成を示す斜視図である。図4は、コントローラ5の外観構成を示す斜視図である。図3は、コントローラ5の上側後方から見た斜視図であり、図4は、コントローラ5を下側前方から見た斜視図である。
【0061】
図3および図4において、コントローラ5は、例えばプラスチック成型によって形成されたハウジング31を有している。ハウジング31は、その前後方向(図3に示すZ軸方向)を長手方向とした略直方体形状を有しており、全体として大人や子供の片手で把持可能な大きさである。プレイヤは、コントローラ5に設けられたボタンを押下すること、および、コントローラ5自体を動かしてその位置や姿勢を変えることによってゲーム操作を行うことができる。
【0062】
ハウジング31には、複数の操作ボタンが設けられる。図3に示すように、ハウジング31の上面には、十字ボタン32a、1番ボタン32b、2番ボタン32c、Aボタン32d、マイナスボタン32e、ホームボタン32f、プラスボタン32g、および電源ボタン32hが設けられる。本明細書では、これらのボタン32a〜32hが設けられるハウジング31の上面を「ボタン面」と呼ぶことがある。一方、図4に示すように、ハウジング31の下面には凹部が形成されており、当該凹部の後面側傾斜面にはBボタン32iが設けられる。これらの各操作ボタン32a〜32iには、ゲーム装置3が実行するゲームプログラムに応じた機能が適宜割り当てられる。また、電源ボタン32hは遠隔からゲーム装置3本体の電源をオン/オフするためのものである。ホームボタン32fおよび電源ボタン32hは、その上面がハウジング31の上面に埋没している。これによって、プレイヤがホームボタン32fまたは電源ボタン32hを誤って押下することを防止することができる。
【0063】
ハウジング31の後面にはコネクタ33が設けられている。コネクタ33は、コントローラ5に他の機器を接続するために利用される。また、ハウジング31の後面におけるコネクタ33の両側には、上記他の機器が容易に離脱することを防止するために係止穴33aが設けられている。
【0064】
ハウジング31上面の後方には複数(図3では4つ)のLED34a〜34dが設けられる。ここで、コントローラ5には、他のメインコントローラと区別するためにコントローラ種別(番号)が付与される。各LED34a〜34dは、コントローラ5に現在設定されている上記コントローラ種別をプレイヤに通知したり、コントローラ5の電池残量をプレイヤに通知したりする等の目的で用いられる。具体的には、コントローラ5を用いてゲーム操作が行われる際、上記コントローラ種別に応じて複数のLED34a〜34dのいずれか1つが点灯する。
【0065】
また、コントローラ5は撮像情報演算部35(図6)を有しており、図4に示すように、ハウジング31前面には撮像情報演算部35の光入射面35aが設けられる。光入射面35aは、マーカ6Rおよび6Lからの赤外光を少なくとも透過する材質で構成される。
【0066】
ハウジング31上面における1番ボタン32bとホームボタン32fとの間には、コントローラ5に内蔵されるスピーカ49(図5)からの音を外部に放出するための音抜き孔31aが形成されている。
【0067】
次に、図5および図6を参照して、コントローラ5の内部構造について説明する。図5および図6は、コントローラ5の内部構造を示す図である。なお、図5は、コントローラ5の上筐体(ハウジング31の一部)を外した状態を示す斜視図である。図6は、コントローラ5の下筐体(ハウジング31の一部)を外した状態を示す斜視図である。図6に示す斜視図は、図5に示す基板30を裏面から見た斜視図となっている。
【0068】
図5において、ハウジング31の内部には基板30が固設されており、当該基板30の上主面上に各操作ボタン32a〜32h、各LED34a〜34d、加速度センサ37、アンテナ45、およびスピーカ49等が設けられる。これらは、基板30等に形成された配線(図示せず)によってマイクロコンピュータ(Micro Computer:マイコン)42(図6参照)に接続される。本実施形態では、加速度センサ37は、X軸方向に関してコントローラ5の中心からずれた位置に配置されている。これによって、コントローラ5をZ軸回りに回転させたときのコントローラ5の動きが算出しやすくなる。また、加速度センサ37は、長手方向(Z軸方向)に関してコントローラ5の中心よりも前方に配置されている。また、無線モジュール44(図7)およびアンテナ45によって、コントローラ5がワイヤレスコントローラとして機能する。
【0069】
一方、図6において、基板30の下主面上の前端縁に撮像情報演算部35が設けられる。撮像情報演算部35は、コントローラ5の前方から順に赤外線フィルタ38、レンズ39、撮像素子40、および画像処理回路41を備えている。これらの部材38〜41はそれぞれ基板30の下主面に取り付けられる。
【0070】
さらに、基板30の下主面上には、上記マイコン42およびバイブレータ48が設けられている。バイブレータ48は、例えば振動モータやソレノイドであり、基板30等に形成された配線によってマイコン42と接続される。マイコン42の指示によりバイブレータ48が作動することによってコントローラ5に振動が発生する。これによって、コントローラ5を把持しているプレイヤの手にその振動が伝達される、いわゆる振動対応ゲームを実現することができる。本実施形態では、バイブレータ48は、ハウジング31のやや前方寄りに配置される。つまり、バイブレータ48がコントローラ5の中心よりも端側に配置することによって、バイブレータ48の振動によりコントローラ5全体を大きく振動させることができる。また、コネクタ33は、基板30の下主面上の後端縁に取り付けられる。なお、図5および図6に示す他、コントローラ5は、マイコン42の基本クロックを生成する水晶振動子、スピーカ49に音声信号を出力するアンプ等を備えている。
【0071】
なお、図3〜図6に示したコントローラ5の形状や、各操作ボタンの形状、加速度センサやバイブレータの数および設置位置等は単なる一例に過ぎず、他の形状、数、および設置位置であっても、本発明を実現することができる。また、本実施形態では、撮像手段による撮像方向はZ軸正方向であるが、撮像方向はいずれの方向であってもよい。すなわち、コントローラ5における撮像情報演算部35の位置(撮像情報演算部35の光入射面35a)は、ハウジング31の前面でなくてもよく、ハウジング31の外部から光を取り入れることができれば他の面に設けられてもかまわない。
【0072】
図7は、コントローラ5の構成を示すブロック図である。コントローラ5は、操作部32(各操作ボタン32a〜32i)、コネクタ33、撮像情報演算部35、通信部36、および加速度センサ37を備えている。コントローラ5は、自機に対して行われた操作内容を示すデータを操作データとしてゲーム装置3へ送信するものである。
【0073】
操作部32は、上述した各操作ボタン32a〜32iを含み、各操作ボタン32a〜32iに対する入力状態(各操作ボタン32a〜32iが押下されたか否か)を示す操作ボタンデータを通信部36のマイコン42へ出力する。
【0074】
撮像情報演算部35は、撮像手段が撮像した画像データを解析してその中で輝度が高い領域を判別してその領域の重心位置やサイズなどを算出するためのシステムである。撮像情報演算部35は、例えば最大200フレーム/秒程度のサンプリング周期を有するので、比較的高速なコントローラ5の動きでも追跡して解析することができる。
【0075】
撮像情報演算部35は、赤外線フィルタ38、レンズ39、撮像素子40、および画像処理回路41を含んでいる。赤外線フィルタ38は、コントローラ5の前方から入射する光から赤外線のみを通過させる。レンズ39は、赤外線フィルタ38を透過した赤外線を集光して撮像素子40へ入射させる。撮像素子40は、例えばCMOSセンサやあるいはCCDセンサのような固体撮像素子であり、レンズ39が集光した赤外線を受光して画像信号を出力する。ここで、テレビ2の表示画面近傍に配置されるマーカ部6のマーカ6Rおよび6Lは、テレビ2の前方に向かって赤外光を出力する赤外LEDで構成される。したがって、赤外線フィルタ38を設けることによって、撮像素子40は、赤外線フィルタ38を通過した赤外線だけを受光して画像データを生成するので、マーカ6Rおよび6Lの画像をより正確に撮像することができる。以下では、撮像素子40によって撮像された画像を撮像画像と呼ぶ。撮像素子40によって生成された画像データは、画像処理回路41で処理される。画像処理回路41は、撮像画像内における撮像対象(マーカ6Rおよび6L)の位置を算出する。画像処理回路41は、算出された位置を示す座標を通信部36のマイコン42へ出力する。この座標のデータは、マイコン42によって操作データとしてゲーム装置3に送信される。以下では、上記座標を「マーカ座標」と呼ぶ。マーカ座標はコントローラ5自体の向き(傾斜角度)や位置に対応して変化するので、ゲーム装置3はこのマーカ座標を用いてコントローラ5の向きや位置を算出することができる。
【0076】
なお、他の実施形態においては、コントローラ5は画像処理回路41を備えていない構成であってもよく、撮像画像自体がコントローラ5からゲーム装置3へ送信されてもよい。このとき、ゲーム装置3は、画像処理回路41と同様の機能を有する回路あるいはプログラムを有しており、上記マーカ座標を算出するようにしてもよい。
【0077】
加速度センサ37は、コントローラ5の加速度(重力加速度を含む)を検出する、すなわち、コントローラ5に加わる力(重力を含む)を検出する。加速度センサ37は、当該加速度センサ37の検出部に加わっている加速度のうち、センシング軸方向に沿った直線方向の加速度(直線加速度)の値を検出する。例えば、2軸以上の多軸加速度センサの場合には、加速度センサの検出部に加わっている加速度として、各軸に沿った成分の加速度をそれぞれ検出する。例えば、3軸または2軸の加速度センサは、アナログ・デバイセズ株式会社(Analog Devices, Inc.)またはSTマイクロエレクトロニクス社(STMicroelectronics N.V.)から入手可能である種類のものでもよい。なお、加速度センサ37は、例えば静電容量式の加速度センサであるとするが、他の方式の加速度センサを用いるようにしてもよい。
【0078】
本実施形態では、加速度センサ37は、コントローラ5を基準とした上下方向(図3に示すY軸方向)、左右方向(図3に示すX軸方向)および前後方向(図3に示すZ軸方向)の3軸方向に関してそれぞれ直線加速度を検出する。加速度センサ37は、各軸に沿った直線方向に関する加速度を検出するものであるため、加速度センサ37からの出力は3軸それぞれの直線加速度の値を表すものとなる。すなわち、検出された加速度は、コントローラ5を基準に設定されるXYZ座標系(コントローラ座標系)における3次元のベクトル(ax,ay,az)として表される。以下では、加速度センサ37によって検出される3軸に関する各加速度値を各成分とするベクトルを加速度ベクトルと呼ぶ。
【0079】
加速度センサ37が検出した加速度を示すデータ(加速度データ)は、通信部36へ出力される。なお、加速度センサ37が検出した加速度は、コントローラ5自体の向き(傾斜角度)や動きに対応して変化するので、ゲーム装置3は加速度データを用いてコントローラ5の向きや動きを算出することができる。本実施形態では、ゲーム装置3は、加速度データに基づいてコントローラ5の姿勢(傾斜角度)を判断する。つまり、加速度センサ37は、コントローラ5の傾斜角度を判断するためのデータを出力するセンサとして用いられる。
【0080】
なお、加速度センサ37から出力される加速度の信号に基づいて、ゲーム装置3のプロセッサ(例えばCPU10)またはコントローラ5のプロセッサ(例えばマイコン42)等のコンピュータが処理を行うことによって、コントローラ5に関するさらなる情報を推測または算出(判定)することができることは、当業者であれば本明細書の説明から容易に理解できるであろう。例えば、加速度センサ37を搭載するコントローラ5が静止状態であることを前提としてコンピュータ側の処理が実行される場合(すなわち、加速度センサによって検出される加速度が重力加速度のみであるとして処理が実行される場合)、コントローラ5が現実に静止状態であれば、検出された加速度に基づいてコントローラ5の姿勢が重力方向に対して傾いているか否かまたはどの程度傾いているかを知ることができる。具体的には、加速度センサ37の検出軸が鉛直下方向を向いている状態を基準としたとき、1G(重力加速度)がかかっているか否かによって、コントローラ5が基準に対して傾いているか否かを知ることができるし、その大きさによって基準に対してどの程度傾いているかも知ることができる。また、多軸の加速度センサ37の場合には、さらに各軸の加速度の信号に対して処理を施すことによって、重力方向に対してコントローラ5がどの程度傾いているかをより詳細に知ることができる。この場合において、プロセッサは、加速度センサ37からの出力に基づいてコントローラ5の傾斜角度を算出してもよいし、当該傾斜角度を算出せずに、コントローラ5の傾斜方向を算出するようにしてもよい。このように、加速度センサ37をプロセッサと組み合わせて用いることによって、コントローラ5の傾斜角度または姿勢を判定することができる。
【0081】
一方、コントローラ5が動的な状態(コントローラ5が動かされている状態)であることを前提とする場合には、加速度センサ37は重力加速度に加えてコントローラ5の動きに応じた加速度を検出するので、検出された加速度から重力加速度の成分を所定の処理により除去することによってコントローラ5の動き方向を知ることができる。また、コントローラ5が動的な状態であることを前提とする場合であっても、検出された加速度から、加速度センサの動きに応じた加速度の成分を所定の処理により除去することによって、重力方向に対するコントローラ5の傾きを知ることが可能である。なお、他の実施例では、加速度センサ37は、内蔵の加速度検出手段で検出された加速度信号をマイコン42に出力する前に当該加速度信号に対して所定の処理を行うための、組込み式の処理装置または他の種類の専用の処理装置を備えていてもよい。組込み式または専用の処理装置は、例えば、加速度センサ37が静的な加速度(例えば、重力加速度)を検出するために用いられる場合、加速度信号を傾斜角(あるいは、他の好ましいパラメータ)に変換するものであってもよい。
【0082】
なお、本実施形態では、コントローラの動きに応じて変化する値を出力するセンサとして、例えば静電容量式の加速度センサを用いることとしたが、他の方式の加速度センサやジャイロセンサを用いるようにしてもよい。ただし、加速度センサは各軸に沿った直線方向の加速度をそれぞれ検出するものであるのに対して、ジャイロセンサは回転に伴う角速度を検出するものである。つまり、加速度センサに代えてジャイロセンサを採用する場合には、検出される信号の性質が異なるため、両者を簡単に置き換えることはできない。そこで、加速度センサの代わりにジャイロセンサを用いて姿勢(傾斜角度)を算出する場合には、例えば次のような変更を行う。具体的には、ゲーム装置3は、検出開始の状態において姿勢の値を初期化する。そして、当該ジャイロセンサから出力される角速度のデータを積分する。さらに、積分結果を用いて、初期化された姿勢の値からの姿勢の変化量を算出する。この場合、算出される姿勢は、角度で表されることになる。
【0083】
なお、既に説明したように、加速度センサによって傾斜角度(姿勢)を算出する場合には、加速度ベクトルを用いて傾斜角度を算出する。したがって、算出される傾斜角度はベクトルで表すことが可能であり、初期化を行わずとも絶対的な方向を算出することが可能である点で、加速度センサを用いる場合とジャイロセンサを用いる場合とは異なる。また、傾斜角度として算出される値の性質についても上記のように角度であるかベクトルであるかの違いがあるので、加速度センサからジャイロセンサへの置き換えを行う際には当該傾斜角度のデータに対しても所定の変換を行う必要がある。
【0084】
通信部36は、マイコン42、メモリ43、無線モジュール44、およびアンテナ45を含んでいる。マイコン42は、処理を行う際にメモリ43を記憶領域として用いながら、マイコン42が取得したデータをゲーム装置3へ無線送信する無線モジュール44を制御する。また、マイコン42はコネクタ33に接続されている。
【0085】
操作部32、撮像情報演算部35、および加速度センサ37からマイコン42へ出力されたデータは、一時的にメモリ43に格納される。これらのデータは、上記操作データとしてゲーム装置3へ送信される。すなわち、マイコン42は、ゲーム装置3の無線コントローラモジュール19への送信タイミングが到来すると、メモリ43に格納されている操作データを無線モジュール44へ出力する。無線モジュール44は、例えばBluetooth(ブルートゥース)(登録商標)の技術を用いて、所定周波数の搬送波を操作データで変調し、その微弱電波信号をアンテナ45から放射する。つまり、操作データは、無線モジュール44で微弱電波信号に変調されてコントローラ5から送信される。微弱電波信号はゲーム装置3側の無線コントローラモジュール19で受信される。受信された微弱電波信号について復調や復号を行うことによって、ゲーム装置3は操作データを取得することができる。そして、ゲーム装置3のCPU10は、取得した操作データとゲームプログラムとに基づいて、ゲーム処理を行う。なお、通信部36から無線コントローラモジュール19への無線送信は所定の周期毎に逐次行われるが、ゲームの処理は1/60秒を単位として(1フレーム時間として)行われることが一般的であるので、この時間以下の周期で送信を行うことが好ましい。コントローラ5の通信部36は、例えば1/200秒に1回の割合で各操作データをゲーム装置3の無線コントローラモジュール19へ出力する。
【0086】
上記コントローラ5を用いることによって、プレイヤは、各操作ボタンを押下する従来の一般的なゲーム操作に加えて、コントローラ5自体を動かす操作を行うことができる。例えば、コントローラ5を任意の傾斜角度に傾ける操作、コントローラ5によって画面上の任意の位置を指示する操作、および、コントローラ5を振る操作を行うことができる。
【0087】
[マップ表示の概要]
以下、図8〜図12を参照して、ゲーム装置3において実行されるゲーム処理におけるマップ表示の概要を説明する。本ゲーム処理によって行われるゲームは、3次元の仮想空間(ゲーム空間)に登場するプレイヤキャラクタをプレイヤ(ユーザ)が操作するゲームである。ゲーム処理においては、3次元の仮想空間が構築され、仮想空間の画像がテレビ2の画面に表示される。なお、以下では、画面に表示される仮想空間の画像を「空間画像」と呼ぶ。
【0088】
図8は、空間画像の一例を示す図である。図8に示すように、空間画像は、仮想空間を所定の視線方向から見た画像である。本実施形態では、仮想空間に仮想カメラが設定され、仮想カメラの位置から、仮想カメラの視線方向(上記所定の視線方向)に見た仮想空間の画像が空間画像として表示される。また、図8においては、空間画像には、プレイヤによる操作対象であるプレイヤキャラクタ51が含まれる。本実施形態においては、仮想カメラの位置および姿勢は、プレイヤキャラクタ51の位置および向きに応じて制御される。具体的には、仮想カメラの位置はプレイヤキャラクタ51の後方の位置となり、仮想カメラの姿勢(視線方向)はプレイヤキャラクタ51の前方向となるように制御される。また、図8においては、空間画像とともにカーソル52が表示される。カーソル52は、仮想空間内の位置を指定するための画像であり、後述する目印オブジェクトを設置する位置の指定等に使用される。
【0089】
上記空間画像が表示されている状態において、プレイヤが所定のマップ表示操作(例えば1番ボタン32bを押下する操作)を行うと、ゲーム装置3は、仮想空間を表すマップを生成して表示する。ここで、本実施形態においては、ゲーム装置3は、上記仮想空間を表すマップとして、視線方向マップ、および、方向固定マップという2種類のマップを表示する。
【0090】
空間画像が表示されている状態においてマップ表示操作が行われると、最初に視線方向マップが表示される。図9は、視線方向マップの一例を示す図である。なお、図9に示す視線方向マップは、図8に示す空間画像に対応する。図9に示すように、視線方向マップは、仮想カメラの視線方向が画面上における上方向を向くマップである。視線方向マップは、仮想カメラの視線方向が常に画面の上方向となるので、仮想空間とマップとの対応が把握しやすいという利点がある。また、視線方向マップは、仮想空間のうちの(方向固定マップと比較して)相対的に狭い範囲を表す。なお、図9に示すように、視線方向マップが表示される場合、プレイヤマーク53と、カーソル54とが視線方向マップ上に表示される。プレイヤマーク53は、プレイヤキャラクタ51の位置および向きをマップ上において表す画像である。カーソル54は、マップ上において仮想空間内の位置を指定するための画像であり、後述する目印オブジェクトを設置する位置の指定等に使用される。
【0091】
視線方向マップが表示されている状態で、所定のマップ切替操作(例えば2番ボタン32cを押下する操作)が行われると、方向固定マップが表示される。図10は、方向固定マップの一例を示す図である。なお、図10に示す方向固定マップは、図8に示す空間画像および図9に示す視線方向マップに対応する。図10に示すように、方向固定マップは、仮想空間において予め設定される方向が画面上における所定方向を向くマップである。本実施形態では、仮想空間において東西南北の方向が設定されており、北方向が画面上で上方向となる方向固定マップが表示される。方向固定マップは、仮想空間における特定の方向が常に画面の上方向となるので、(仮想カメラの視線方向にかかわらず)マップが常に同じ向きで表示されるため、仮想空間全体の構成が把握しやすいという利点がある。また、方向固定マップは、仮想空間のうちの(視線方向マップと比較して)相対的に広い範囲を表す。ここでは、ゲーム空間は複数のステージに分かれており、方向固定マップはそのうちの1つのステージ全体を表すものとする。なお、本実施形態では、方向固定マップにおいても視線方向マップと同様、プレイヤマーク53およびカーソル54が方向固定マップ上に表示される。
【0092】
以上のように、本実施形態では、ゲーム装置3は、視線方向マップと方向固定マップという2種類のマップを表示する。2種類のマップを表示することによって、仮想空間を表すマップをプレイヤにとってわかりやすく提示することができる。すなわち、視線方向マップによれば、仮想空間とマップとの対応が把握しやすいので、プレイヤは、例えばプレイヤキャラクタ51とその周囲のオブジェクトとの位置関係を直感的に把握することができる。したがって、例えばプレイヤキャラクタ51の周囲の状況を確認したい場合には、プレイヤは視線方向マップを見ると良い。一方、方向固定マップによれば、仮想空間(ここでは1つのステージ)全体の構成が把握しやすい。また、方向固定マップによれば、常に特定の方向(ここで北方向)が上向きに表示されるので、(プレイヤキャラクタ51を移動させている状況において)仮想空間内でプレイヤキャラクタ51がどちらから来てどちらに向かっているかを把握しやすい。したがって、例えば「東にある洞窟に向かう」というように、ゲーム空間における特定の方向に移動したい場合には、プレイヤは方向固定マップによってプレイヤキャラクタ51の進むべき方向を確認しながら移動すると良い。このように、本実施形態では、プレイヤは2種類のマップのうちで状況や目的に応じた適切なマップを見ることができるので、ゲーム装置3はプレイヤに対してわかりやすくマップを提示することができる。
【0093】
また、本実施形態では、視線方向マップがまず表示され、その後、方向固定マップが表示される。視線方向マップによれば仮想空間とマップとの対応がわかりやすいので、空間画像が表示される後にまず視線方向マップを表示することで、ゲーム装置3は、プレイヤに仮想空間とマップとの対応を把握させることができる。そして、ゲーム装置3は、視線方向マップを表示した後で方向固定マップを表示する。ここで、方向固定マップは、仮想空間における視線方向と画面に表示されるマップの上方向とが一致しないため、仮想空間とマップとの対応が把握しづらいという欠点がある。これに対して、本実施形態では、方向固定マップを表示する前に視線方向マップを表示するので、方向固定マップを見る前に視線方向マップによって仮想空間とマップとの対応をプレイヤに把握させておくことができる。したがって、方向固定マップを見たプレイヤが仮想空間とマップとの対応が把握できずに混乱してしまうことを防止することができる。このように本実施形態では、方向固定マップを表示する前に視線方向マップを表示することで、方向固定マップの欠点を補うことができる。つまり、本実施形態によれば、2種類のマップを適切な順序で表示することで、よりわかりやすくマップを提示することができる。
【0094】
さらに、本実施形態では、ゲーム装置3は、視線方向マップを狭域のマップとし、方向固定マップを広域のマップとしている。これは、視線方向マップは、上述したように、プレイヤキャラクタ51の周囲の様子を見る場合に有効であるので、プレイヤキャラクタ51の周囲をより見やすくするためには視線方向マップを狭域のマップにすることが好ましいと考えられるからである。また、方向固定マップは、仮想空間の全体構成を把握したい場合に有効であるので、仮想空間のある程度広い範囲を見ることができるように方向固定マップを広域のマップにすることが好ましいと考えられるからである。このように、本実施形態では、視線方向マップおよび方向固定マップを、それぞれのマップの用途に適した範囲を表すようにすることで、よりわかりやすくマップを表示することができる。
【0095】
次に、図11および図12を参照して、仮想空間およびマップ上に設定される目印(目印オブジェクトおよび目印画像)について説明する。本実施形態では、プレイヤは、仮想空間またはマップ上に目印(目印オブジェクトおよび目印画像)を設定することができる。目印は、仮想空間内の所望の位置をプレイヤが覚えておく等の目的で使用されるものである。プレイヤは、例えば、プレイヤキャラクタ51に何らかの動作を行わせるべき場所(その場所でプレイヤキャラクタ51が特定の動作を行うことでイベントが発生してゲームが進行する)や、プレイヤキャラクタ51の目的地に目印を設定する。
【0096】
図11は、目印オブジェクトが設定された場合の空間画像を示す図である。図11においては、仮想空間内に目印オブジェクト56が設置され、空間画像には目印オブジェクト56が表示される。目印オブジェクト56は、所定の高さを有する立体のオブジェクトである。本実施形態では、仮想カメラが離れた場所にあっても目印オブジェクト56が表示されるように、上記所定の高さは、仮想空間に配置される他の種類のオブジェクト(図11で言えば、山や岩や木のオブジェクト)よりも高く設定される。目印オブジェクト56は、空間画像が表示されている状態においてプレイヤが設定することが可能である。すなわち、プレイヤは、カーソル52を動かし、目印オブジェクト56を設置したい場所にカーソル52を合わせて、所定の目印設定操作(例えば、Aボタン32dを押下する操作)を行う。この設定操作が行われた場合、ゲーム装置3は、カーソル52が指し示す仮想空間内の位置に目印オブジェクト56を設置する。
【0097】
また、仮想空間内において目印オブジェクト56が設置された場合、マップ(視線方向マップおよび方向固定マップ)にも目印が反映される。図12は、目印が設定された場合の視線方向マップを示す図である。なお、図12に示す視線方向マップは、図11に示す空間画像に対応する。図12に示すように、仮想空間内において目印オブジェクト56が設置されている場合、視線方向マップには、目印オブジェクト56が設置された位置に目印画像57が表示される。なお、図11では視線方向マップを示しているが、方向固定マップにおいても目印オブジェクト56が設置された位置に目印画像57が表示される。このように、本実施形態では、仮想空間に目印オブジェクト56が設置された場合、マップにおいても目印を確認することができる。
【0098】
さらに、本実施形態では、プレイヤは、マップ上において目印を設置することができる。すなわち、プレイヤは、カーソル54を動かし、目印画像57を設置したい位置にカーソル54を合わせて、所定の設定操作(例えば、Aボタン32dを押下する操作)を行う。この設定操作が行われた場合、ゲーム装置3は、カーソル54が指し示すマップ上の位置に目印画像57を表示する。また、この場合、ゲーム装置3は、マップ上における目印画像57の位置に対応する仮想空間の位置に目印オブジェクト56を設置する。例えば、図12に示す視線方向マップ上で目印画像57が設置された場合には、図11に示す空間画像、すなわち、目印画像57に対応する位置に目印オブジェクト56が設置された空間画像が表示される。このように、本実施形態では、マップ上で目印画像57を設置することによって、仮想空間に目印オブジェクト56を設置することができる。
【0099】
[ゲーム処理の詳細]
次に、ゲーム装置3において実行される処理の詳細について説明する。まず、ゲーム装置3における処理において用いられる主なデータについて図13を用いて説明する。図13は、ゲーム装置3のメインメモリ(外部メインメモリ12または内部メインメモリ11e)に記憶される主なデータを示す図である。図13に示すように、ゲーム装置3のメインメモリには、ゲームプログラム61、操作データ62、および処理用データ66が記憶される。なお、メインメモリには、図13に示すデータの他、ゲームに登場する各種オブジェクトの画像データや、マップを表すデータや、オブジェクトの各種パラメータを示すデータ等、ゲーム処理に必要なデータが記憶される。
【0100】
ゲームプログラム61は、ゲーム装置3に電源が投入された後の適宜のタイミングで光ディスク4からその一部または全部が読み込まれてメインメモリに記憶される。ゲームプログラム61は、コントローラ5から操作データをゲーム入力として用いて所定のゲーム処理を実行するためのプログラムが含まれる。また、ゲームプログラム61には、上記空間画像と各マップ(視線方向マップおよび方向固定マップ)を表示する処理を実行するためのプログラムが含まれる。
【0101】
操作データ62は、コントローラ5からゲーム装置3へ送信されてくる操作データである。上述したように、コントローラ5からゲーム装置3へ1/200秒に1回の割合で操作データが送信されるので、メインメモリに記憶される操作データ62はこの割合で更新される。なお、メインメモリには、最新の(最後に取得された)ものから順に所定個数の操作データが記憶される。
【0102】
操作データ62には、加速度データ63、マーカ座標データ64、および操作ボタンデータ65が含まれる。加速度データ63は、加速度センサ37によって検出された加速度(加速度ベクトル)を示すデータである。マーカ座標データ64は、撮像情報演算部35の画像処理回路41によって算出される座標、すなわち上記マーカ座標を示すデータである。操作ボタンデータ65は、各操作ボタン32a〜32iに対する入力状態を示すデータである。なお、コネクタ33を介してコントローラ5に他のセンサ装置(例えば、ジャイロセンサ)が接続される場合には、操作データには、当該センサ装置の検出結果(例えば、ジャイロセンサが検出した角速度)を示すデータが含まれていてもよい。
【0103】
処理用データ66は、後述するゲーム処理(図14)において用いられるデータである。処理用データ66には、カメラデータ67、マップデータ68、目印オブジェクトデータ69、目印画像データ70、およびマップ画像データ71が含まれる。なお、図13に示すデータの他、処理用データ66は、ゲーム処理において用いられる各種データ(ゲームパラメータを示すデータ等)を含む。
【0104】
カメラデータ67は、仮想空間における仮想カメラの位置および姿勢を示すデータである。なお、本実施形態では、仮想カメラの位置および姿勢は、プレイヤキャラクタ51の位置および向きに応じて制御される。
【0105】
マップデータ68は、視線方向マップおよび方向固定マップのいずれを表示するかを示すデータである。すなわち、マップデータ68は、視線方向マップおよび方向固定マップのいずれかを示すデータであってもよいし、オンまたはオフ(オンが視線方向マップに対応し、オフが方向固定マップに対応する)を示すフラグのデータであってもよい。
【0106】
目印オブジェクトデータ69は、仮想空間において目印オブジェクト56を設置する位置を示すデータである。なお、本実施形態では、目印オブジェクト56は複数個設置されることが可能である。目印オブジェクト56が複数個設置される場合、目印オブジェクトデータ69は、各目印オブジェクト56の位置をそれぞれ示す。
【0107】
目印画像データ70は、マップ上において目印画像57を表示する位置を示すデータである。目印画像データ70は、目印オブジェクトデータ69が示す仮想空間内の位置に対応するマップ上の位置を示す。なお、目印画像57が複数個設定される場合、目印画像データ70は、各目印画像57の位置をそれぞれ示す。
【0108】
マップ画像データ71は、視線方向マップおよび方向固定マップの画像を示すデータである。本実施形態では、視線方向マップおよび方向固定マップは、同じ画像データを用いて生成される。すなわち、1つのステージを表すマップの画像は1種類であり、方向固定マップを表示する場合には、当該画像がそのまま表示され、視線方向マップを表示する場合には、当該画像に対して回転・拡大等の処理が行われて表示される。
【0109】
次に、ゲーム装置3において行われる処理の詳細を、図14〜図17を用いて説明する。図14は、ゲーム装置3において実行される処理の流れを示すメインフローチャートである。ゲーム装置3の電源が投入されると、ゲーム装置3のCPU10は、図示しないブートROMに記憶されている起動プログラムを実行し、これによってメインメモリ等の各ユニットが初期化される。そして、光ディスク4に記憶されたゲームプログラムがメインメモリに読み込まれ、CPU10によって当該ゲームプログラムの実行が開始される。図14に示すフローチャートは、以上の処理が完了した後に行われる処理を示すフローチャートである。
【0110】
図14に示すステップS1において、CPU10は初期処理を実行する。初期処理は、仮想空間を構築し、仮想空間に登場する各オブジェクトを初期位置に配置したり、ゲーム処理で用いる各種パラメータの初期値を設定したりする処理である。なお、ここでは、ゲーム開始時(ステップS1)においては、目印オブジェクトおよび目印画像は設定されないものとする。ただし、例えばゲーム装置3がセーブデータを読み込んで前回のゲームの続きからゲームが開始される場合には、上記目印オブジェクトデータ69および目印画像データ70をセーブデータに含めておき、前回までに設定された目印オブジェクトおよび目印画像がステップS1において設定されるようにしてもよい。ステップS1の次にステップS2の処理が実行される。
【0111】
ステップS2において、CPU10は操作データを取得する。すなわち、入力装置8から送信されてくる操作データが無線コントローラモジュール19を介して受信されるので、CPU10は、受信された操作データをメインメモリに記憶する。ステップS2の次にステップS3の処理が実行される。
【0112】
ステップS3において、CPU10は、プレイヤによってマップ表示操作が行われたか否かを判定する。マップ表示操作は、空間画像に替えてマップを表示するための操作であり、例えば、コントローラ5の1番ボタン32bを押下する操作である。CPU10は、操作ボタンデータ65をメインメモリから読み出し、操作ボタンデータ65を参照して1番ボタン32bが押下されたか否かを判定する。ステップS3の判定結果が肯定である場合、後述するステップS8およびS9の処理が実行される。一方、ステップS3の判定結果が否定である場合、ステップS4の処理が実行される。
【0113】
ステップS4において、CPU10は、プレイヤによって目印設定操作が行われたか否かを判定する。目印設定操作は、目印(目印オブジェクト56および目印画像57)を設定するための操作であり、例えば、コントローラ5のAボタン32dを押下する操作である。CPU10は、操作ボタンデータ65をメインメモリから読み出し、操作ボタンデータ65を参照してA番ボタン32dが押下されたか否かを判定する。ステップS4の判定結果が肯定である場合、後述するステップS10およびS11の処理が実行される。一方、ステップS4の判定結果が否定である場合、ステップS5の処理が実行される。
【0114】
ステップS5において、CPU10は、ゲームを進行させるためのゲーム進行処理を実行する。ゲーム進行処理は、例えば、コントローラ5に対する入力に従ってプレイヤキャラクタ51の動作を制御する処理、予め定められた制御ルールに従って他のオブジェクト(例えば敵オブジェクト)の動作を制御する処理、および、仮想カメラの位置および姿勢を制御する処理を含む。なお、ここでは、仮想カメラの位置および姿勢は、プレイヤキャラクタの位置および向きの少なくともいずれかに基づいて設定される。つまり、本実施形態においては、仮想カメラはユーザの操作に応じて配置される。具体的には、仮想カメラの位置はプレイヤキャラクタ51の後方の位置となり、仮想カメラの姿勢(視線方向)はプレイヤキャラクタ51の前方向となるように制御される。仮想カメラの位置および姿勢を示すデータは、カメラデータ67としてメインメモリに記憶される。
【0115】
また、本実施形態では、ゲーム進行処理には、画面上に表示されるカーソル52の位置をコントローラ5に対する入力に基づいて算出する処理が含まれる。カーソル52の位置は、例えば、コントローラ5の十字ボタン32aによって制御されてもよいし、コントローラ5の姿勢、あるいは、コントローラ5(コントローラ5のZ軸)が指し示す画面上の位置から算出されてもよい。なお、コントローラ5の姿勢や、コントローラ5が指し示す画面上の位置は、加速度データ63および/またはマーカ座標データ64に基づいて算出されてもよいし、ジャイロセンサが検出した角速度を示すデータが操作データに含まれる場合には、当該角速度のデータに基づいて算出されてもよい。以上のステップS5の処理によって、ゲーム空間に登場するプレイヤキャラクタ51等のオブジェクトの動作が制御され、ゲームが進行する。ステップS5の次にステップS6の処理が実行される。
【0116】
ステップS6において、CPU10は、仮想空間の画像(空間画像)をテレビ2の画面に表示する。すなわち、CPU10は、カメラデータ67をメインメモリから読み出して仮想カメラの位置および姿勢を特定し、仮想カメラの位置から、仮想カメラの視線方向に見た仮想空間の画像を生成する。そして、生成された画像を画面に表示する。これによって、例えば図8に示すような空間画像が表示されることになる。さらに、本実施形態においては、空間画像に加えてカーソル52が表示される。カーソル52の表示位置は、上記ステップS5で算出されている。ステップS6の次にステップS7の処理が実行される。
【0117】
ステップS7において、CPU10は、ゲームを終了するか否かを判定する。ステップS7の判定は、例えば、ゲームがクリアされたか否かや、ゲームオーバーとなったか否かや、プレイヤがゲームを中止する指示を行ったか否か等によって行われる。ステップS7の判定結果が否定の場合、ステップS2の処理が再度実行される。一方、ステップS7の判定結果が肯定の場合、CPU10は図14に示すゲーム処理を終了する。
【0118】
以上のステップS2〜S7に示したように、マップ表示操作が行われない場合(ステップS3でNoとなる場合)には、ステップS2〜S7の処理が繰り返し実行される。その結果、ゲーム空間を表す空間画像が表示されることとなる。
【0119】
次に、マップ表示操作が行われる場合に実行される処理を説明する。プレイヤによってマップ表示操作が行われた場合、上記ステップS3における判定結果が肯定となり、ステップS8およびS9の処理が実行される。以下、ステップS8およびS9の処理の詳細を説明する。
【0120】
ステップS8において、CPU10は、仮想カメラの位置および姿勢を変化させる処理を行う。図15は、ステップS8の処理による仮想カメラの動きを示す図である。ステップS8の処理が実行される前の状態では、仮想カメラ59は、図15に示すように、プレイヤキャラクタ51の後方においてプレイヤキャラクタ51の方を向くように配置されている。ここで、ステップS8の処理においては、仮想カメラ59は、視線方向が仮想空間における鉛直下向きとなるように回転しつつ、上方向に移動するように制御される(図15に示す矢印参照)。さらに、本実施形態においては、仮想カメラ59は、上方向とともにプレイヤキャラクタ51の前方へ移動する(図15に示す矢印参照)。なお、仮想カメラ59は、視線方向を軸とした回転方向については回転を行わない。ステップS8の処理による仮想カメラ59の移動は、仮想カメラ59が所定の視線方向(例えば、鉛直下方向)を向くまで行われ、仮想カメラ59が所定の視線方向を向いた時点で終了する。また、仮想カメラ59を移動させる処理は、複数フレームにわたって実行される。そのため、テレビ2の画面には、仮想空間を見る視点が次第に下向きになりつつ斜め上方へ上がっていく画像(動画)が表示される。
【0121】
図16は、ステップS8の処理によって仮想カメラが移動した後の空間画像を示す図である。図16に示すように、ステップS8の処理によって、仮想空間を上から下へ見た画像が表示されることになる。また、ステップS8の処理後の空間画像においては、ステップS8の処理前における視線方向は、画面上の上向きとなっている。以上のステップS8の次にステップS9の処理が実行される。
【0122】
以上より、本実施形態によれば、空間画像が表示されている状態においてマップ表示操作が行われた場合(ステップS3でYesとなる場合)、視点が下を向きつつ上方へ上がっていく画像が表示される(ステップS8)。つまり、ステップS8の処理によって、空間画像における視線は、仮想空間を上から下へ見る視線へと変化することになり、表示される空間画像は、マップと同様の視線(鉛直下向きの視線)で仮想空間を見た画像へと変化する。また、この変化によって、ステップS8の処理前における視線方向は、画面上の上向きとなる。さらに、詳細は後述するが、ステップS8の後のステップS9の処理によって、視線方向マップが表示されることになる。したがって、本実施形態では、マップ表示操作が行われる場合、画面に表示される画像は、通常の視線方向の空間画像(図8)から、マップと同様の視線方向の空間画像(図16)へと変化した後、視線方向マップ(図9)へと切り替わることになる。これによれば、プレイヤは、空間画像からマップの画像へと表示が切り替わる際に、仮想空間とマップとの対応を直感的に把握することができる。また、本実施形態においては、仮想カメラ59は、下方向を向く回転とともに、プレイヤキャラクタ51の前方へ移動する。これによって、移動後の仮想カメラ59に基づく仮想空間の画像におけるプレイヤキャラクタ51の位置を、視線方向マップにおけるプレイヤマーク53の位置と一致させることができる。例えば図16に示す空間画像と図9に示す視線方向マップとでは、プレイヤキャラクタ51の位置とプレイヤマーク53の位置とが一致している。したがって、プレイヤにとっては、仮想空間とマップとの対応がより把握しやすくなる。
【0123】
なお、本実施形態においては、CPU10は、仮想カメラの視線方向を仮想空間における下方向へ変化させつつ、仮想カメラを斜め上方向(上方および前方)へ移動させるように制御した。ここで、他の実施形態においては、CPU10は、仮想カメラの視線方向を仮想空間における下方向へ変化させればよく、仮想カメラの位置を動かさなくてもよい。また、仮想カメラの位置を動かす場合であっても、CPU10は仮想カメラを斜め上方向に動かさずに、真上方向に動かすようにしてもよい。
【0124】
図14の説明に戻り、ステップS9において、CPU10はマップ表示処理を実行する。マップ表示処理は、視線方向マップまたは方向固定マップをテレビ2の画面に表示させる処理である。以下、図17を参照して、マップ表示処理の詳細を説明する。
【0125】
図17は、図14に示すマップ表示処理(ステップS9)の流れを示すフローチャートである。マップ表示処理においては、まずステップS21において、CPU10は、画面に表示させるべき対象を視線方向マップに設定する。具体的には、視線方向マップを示すデータをマップデータ68としてメインメモリに記憶させる。なお、詳細は後述するが、後述する表示処理(ステップS26〜S28)では、視線方向マップと方向固定マップのうち、マップデータ68が示すマップが画面に表示される。したがって、ステップS21の処理によって、本実施形態では、マップ表示操作が行われると、空間画像に代えてまず視線方向マップが表示されることとなる。つまり、ステップS21の処理は、空間画像の次に(方向固定マップではなく)視線方向マップを表示させるための処理である。ステップS21の次にステップS22の処理が実行される。
【0126】
ステップS22において、CPU10は操作データを取得する。ステップS22の処理が上記ステップS2の処理と同じである。ステップS22の次にステップS23の処理が実行される。
【0127】
ステップS23において、CPU10は、プレイヤによってマップ切替操作が行われたか否かを判定する。マップ切替操作は、視線方向マップおよび方向固定マップのうち表示対象となるマップを切り替えるための操作であり、例えば、コントローラ5の2番ボタン32cを押下する操作である。CPU10は、操作ボタンデータ65をメインメモリから読み出し、操作ボタンデータ65を参照して2番ボタン32cが押下されたか否かを判定する。ステップS23の判定結果が肯定である場合、ステップS24の処理が実行される。一方、ステップS23の判定結果が否定である場合、ステップS24の処理がスキップされてステップS25の処理が実行される。
【0128】
ステップS24において、CPU10は、メインメモリに記憶されているマップデータ68を更新する。具体的には、更新前のマップデータが視線方向マップを示す場合、マップデータは方向固定マップを示すように更新される。また、更新前のマップデータが方向固定マップを示す場合、マップデータは視線方向マップを示すように更新される。つまり、CPU10は、更新後のマップデータが、更新前のマップデータが示すマップとは異なるマップを示すようにマップデータ68を更新する。上記ステップS24の処理によって、後述する表示処理(ステップS26〜S28)において、表示対象となるマップが切り替えられたこととなる。ステップS24の次にステップS25の処理が実行される。
【0129】
ステップS25において、CPU10は、プレイヤによって目印設定操作が行われたか否かを判定する。なお、本実施形態においては、目印設定操作のための入力操作は、空間画像が表示されている場合とマップが表示されている場合とで同じ(Aボタン32dを押下する操作)である。そのため、ステップS25の処理は上記ステップS4の処理と同じである。ただし、他の実施形態においては、目印設定操作のための入力操作は、空間画像が表示されている場合とマップが表示されている場合とで異なっていてもよい。ステップS25の判定結果が肯定である場合、後述するステップS30およびS31の処理が実行される。一方、ステップS25の判定結果が否定である場合、ステップS30およびS31の処理がスキップされてステップS26の処理が実行される。
【0130】
ステップS26において、CPU10は、視線方向マップを表示するか否かを判定する。具体的には、CPU10は、マップデータ68をメインメモリから読み出し、マップデータ68が視線方向マップを示すか否かを判定する。ステップS26の判定結果が肯定である場合、ステップS27の処理が実行される。一方、ステップS26の判定結果が否定である場合、ステップS28の処理が実行される。
【0131】
ステップS27において、CPU10は、視線方向マップをテレビ2の画面に表示する。具体的には、CPU10は、マップ画像データ71をメインメモリから読み出し、仮想空間における仮想カメラの視線方向が画面上の上向きとなるようにマップ画像を回転させて表示する。また、本実施形態においては、マップ画像全体のうち、プレイヤキャラクタ51の周囲の領域を表す画像が表示される。具体的には、マップ画像全体のうちで表示される領域は、プレイヤキャラクタ51の位置が当該領域の中央(または中央よりやや下)になるように設定される。また、マップ画像全体のうちで表示される領域の大きさは、後述する方向固定マップとして表示される領域よりも狭い大きさに予め設定されている。したがって、CPU10は、マップ画像データ71が表すマップ画像を、所定の縮尺となるように拡大させて表示する。以上のように、上記ステップS27においては、用意されているマップ画像に対して回転等の処理が行われることによって視線方向マップの画像が生成される。
【0132】
また、ステップS27においては、視線方向マップの画像に重ねて、プレイヤマーク53およびカーソル54が表示される。プレイヤマーク53は、仮想空間におけるプレイヤキャラクタ51の位置に対応する位置に表示される。カーソル54の表示位置は、プレイヤの入力操作に応じてカーソル54が移動するように決定されればよく、例えば、空間画像上に表示されるカーソル52と同様の方法で算出される。さらに、目印画像57が設定されている場合には、視線方向マップの画像に重ねて目印画像57が表示される。詳細は後述するが、目印画像57の表示位置は目印画像データ70により示されている。以上のステップS27の次にステップS29の処理が実行される。
【0133】
一方、ステップS28において、CPU10は、方向固定マップをテレビ2の画面に表示する。具体的には、CPU10は、マップ画像データ71をメインメモリから読み出し、予め定められた所定方向(本実施形態では、北方向)が画面上の上向きとなるようにマップ画像を表示する。また、本実施形態においては、方向固定マップとしては、1ステージ分のマップ画像全体が表示される。なお、ステップS28において、方向固定マップの画像に重ねて、プレイヤマーク53、カーソル54、および(必要に応じて)目印画像57が表示される点については、上記ステップS27と同様である。以上のステップS28の次にステップS29の処理が実行される。
【0134】
なお、上記ステップS27およびS28においては、各マップは、空間画像が表示される画面領域(本実施形態では、テレビ2の画面全体)に表示される。つまり、空間画像が消去されてマップの画像が表示される。なお、他の実施形態においては、上記ステップS27およびS28においては、CPU10は、空間画像を画面の一部に表示しつつ、マップの画像を表示するようにしてもよい。
【0135】
上記ステップS27およびS28によれば、視線方向マップおよび方向固定マップは、同じ画像データを用いて生成される。すなわち、CPU10は、マップ全体を表すマップ画像データ71をメインメモリに用意(記憶)しておき、視線方向マップを表示する場合には、当該画像に対して回転・拡大等の処理を行って表示し、方向固定マップを表示する場合には、当該画像をそのまま表示する。このように、1種類の画像データを用いて視線方向マップおよび方向固定マップを生成することによって、用意する画像データの量を低減することができる。また、1種類の画像データを用いて視線方向マップおよび方向固定マップを生成する場合には、後述する変形例のように、視線方向マップと方向固定マップとの間の切替時にマップを連続的に変化させることもできる。なお、他の実施形態においては、視線方向マップを生成するためのマップ画像データと、方向固定マップを生成するためのマップ画像データとは、別であってもよい。
【0136】
ステップS29において、CPU10は、プレイヤによって仮想空間表示操作が行われたか否かを判定する。仮想空間表示操作は、マップの画像に替えて空間画像を表示するための操作であり、例えば、コントローラ5の1番ボタン32bを押下する操作である。CPU10は、操作ボタンデータ65をメインメモリから読み出し、操作ボタンデータ65を参照して1番ボタン32bが押下されたか否かを判定する。ステップS29の判定結果が否定である場合、ステップS22の処理が再度実行される。以降、ステップS29においてマップ表示処理を終了すると判定されるまで、ステップS22〜S29(および必要に応じてステップS30およびS31)の処理が繰り返し実行される。一方、ステップS29の判定結果が肯定である場合、CPU10はマップ表示処理を終了する。マップ表示処理の終了後は、ステップS2の処理が再度実行されるので、空間画像が表示されることとなる。
【0137】
以上のように、マップ表示処理によれば、空間画像が表示されている状態でマップ表示操作が行われたことに応じて、まず視線方向マップが表示される(ステップS21およびS27)。その後、視線方向マップが表示されている場合にマップ切換操作が行われたことに応じて(ステップS23でYes)、方向固定マップが表示される(ステップS24およびS28)。つまり、上記マップ表示処理によれば、空間画像が表示された後にまず視線方向マップを表示することで、仮想空間とマップとの対応をプレイヤにわかりやすく把握させた後、方向固定マップが表示される。したがって、上記マップ表示処理によれば、方向固定マップを表示する前に視線方向マップを表示することで、「仮想空間とマップとの対応がわかりにくい」という方向固定マップの欠点を補うことができるので、プレイヤに対してよりわかりやすくマップを提示することができる。
【0138】
また、上記マップ表示処理によれば、方向固定マップが表示されている場合にマップ切換操作が行われた(ステップS23でYes)ことに応じて、視線方向マップが表示される(ステップS24およびS27)。また、方向固定マップが表示されている場合に仮想空間表示操作が行われたことに応じて(ステップS29でYes)、空間画像が表示される(ステップS6)。したがって、上記マップ表示処理によれば、方向固定マップから視線方向マップへと切り替えることも可能であるし、方向固定マップから空間画像へと切り替えることも可能であるので、プレイヤは表示される画像の切り替えを容易に行うことができる。
【0139】
また、上記マップ表示処理によれば、視線方向マップと方向固定マップとの間で相互に表示を切り替えることができるので、プレイヤによりわかりやすくマップを提示することができる。さらに、上記マップ表示処理によれば、視線方向マップと方向固定マップのいずれが表示されている場合であっても、仮想空間表示操作が行われた場合(ステップS29でYes)には空間画像が表示される(ステップS6)。したがって、視線方向マップと方向固定マップのいずれが表示されている場合であってもプレイヤは1回の操作で空間画像に表示を切り替えることができるので、プレイヤはマップと空間画像との切替を容易に行うことができる。
【0140】
なお、上記マップ表示処理では示していないが、マップ表示処理においては、表示された視線方向マップおよび方向固定マップに対して、回転・拡大・縮小・移動(スクロール)等の操作を行うことができるようにしてもよい。すなわち、CPU10は、コントローラ5に対する入力に従って、表示されたマップの画像に対して回転・拡大・縮小・移動等を行って画面に表示するようにしてもよい。
【0141】
次に、目印設定操作が行われる場合に実行される処理を説明する。空間画像が表示されている状態においてプレイヤによって目印設定操作が行われた場合、図14に示すステップS4における判定結果が肯定となり、ステップS10およびS11の処理が実行される。
【0142】
ステップS10において、CPU10は目印オブジェクト56を設置する。具体的には、CPU10は、カーソル52が指し示す仮想空間内の位置を算出し、算出された位置を示すデータを目印オブジェクトデータ69としてメインメモリに記憶する。なお、カーソル52の表示位置は、上記ステップS5と同じ方法で算出することができる。ステップS10の次にステップS11の処理が実行される。
【0143】
ステップS11において、CPU10は目印画像57を設置する。具体的には、CPU10は、ステップS10で記憶された目印オブジェクトデータ69を読み出し、目印オブジェクトデータ69が示す位置に対応するマップ上の位置を算出する。算出された(マップ上の)位置を示すデータは、目印画像データ70としてメインメモリに記憶される。ステップS11の次にステップS5の処理が実行される。
【0144】
なお、他の実施形態においては、ゲーム装置3は、設置された目印オブジェクト56を消去することができるようにしてもよい。例えば、カーソル52が目印オブジェクト56を指し示している状態で所定の消去操作が行われた場合、CPU10は、カーソル52が指し示す目印オブジェクト56を表す目印オブジェクトデータ69をメインメモリから削除する。さらに、CPU10は、削除された目印オブジェクトデータ69に対応する目印画像データ70をメインメモリから削除する。これによって、プレイヤは、仮想空間において設定した目印を個別に消去することができる。
【0145】
一方、マップが表示されている状態においてプレイヤによって目印設定操作が行われた場合には、図17に示すステップS25における判定結果が肯定となり、ステップS30およびS31の処理が実行される。
【0146】
ステップS30において、CPU10は目印画像57を設置する。具体的には、CPU10は、カーソル54が指し示すマップ上の位置を算出し、算出された位置を示すデータを目印画像データ70としてメインメモリに記憶する。なお、カーソル54の表示位置は、上記ステップS27およびS28と同じ方法で算出することができる。ステップS30の次にステップS31の処理が実行される。
【0147】
ステップS31において、CPU10は目印オブジェクト56を設置する。具体的には、CPU10は、ステップS30で記憶された目印画像データ70を読み出し、目印画像データ70が示す位置に対応する仮想空間内の位置を算出する。算出された(仮想空間内の)位置を示すデータは、目印オブジェクトデータ69としてメインメモリに記憶される。ステップS31の次にステップS26の処理が実行される。
【0148】
なお、他の実施形態においては、ゲーム装置3は、設置された目印画像57を消去することができるようにしてもよい。例えば、カーソル54が目印画像57を指し示している状態で所定の消去操作が行われた場合、CPU10は、カーソル54が指し示す目印画像57を表す目印画像データ70をメインメモリから削除する。さらに、CPU10は、削除された目印画像データ70に対応する目印オブジェクトデータ69をメインメモリから削除する。これによって、プレイヤは、マップ上に設定した目印を個別に消去することができる。
【0149】
上記ステップS10またはステップS31の処理によって目印オブジェクトデータ69が記憶された場合、その後に実行されるステップS5において、CPU10は、目印オブジェクトデータ69をメインメモリから読み出し、目印オブジェクトデータ69が示す位置に目印オブジェクト56を設置する。その結果、ステップS6においては、目印オブジェクト56が設置された空間画像(図11)が表示されることとなる。なお、目印オブジェクト56は、その奥に配置される他のオブジェクトをプレイヤが視認できるように、透明または半透明であることが好ましい。また、複数の目印オブジェクト56が設置される場合には、各目印オブジェクト56の色および/または形状が異なるようにすることが好ましい。
【0150】
また、本実施形態では、目印オブジェクト56の高さは予め定められているものとするが、他の実施形態においては、CPU10は、目印オブジェクト56の高さを周囲の状況やゲーム空間の種類に応じて変化させるようにしてもよい。例えば、CPU10は、目印オブジェクト56の設置位置から所定距離内にあるオブジェクトの高さよりも高くなるように、目印オブジェクト56の高さを設定してもよい。また例えば、CPU10は、ゲーム空間のステージ毎に目印オブジェクト56の高さを設定するようにしてもよい。具体的には、山等の高いオブジェクトが存在するステージでは、目印オブジェクト56を相対的に高く設定し、草原が広がるステージのように、他に高いオブジェクトが存在しないステージでは、目印オブジェクト56を相対的に低く設定してもよい。
【0151】
また、上記ステップS11またはステップS30の処理によって目印画像データ70が記憶された場合、その後に実行されるステップS27またはS28において、CPU10は、目印画像データ70をメインメモリから読み出し、目印画像データ70が示す位置に目印画像57を表示する。これによって、マップ上に目印画像57が表示されることとなる(図12)。なお、複数の目印画像57が設置される場合には、目印オブジェクト56の場合と同様、各目印画像57の色や形状を異なるようにすることが好ましい。
【0152】
なお、本実施形態においては、視線方向マップが表示される状態と方向固定マップが表示される状態の両方でプレイヤが目印画像57を設定できるものとしたが、他の実施形態においては、ゲーム装置3は、いずれか一方の状態でのみプレイヤが目印画像57を設定できるようにしてもよい。例えば、広い領域を表す方向固定マップが表示される場合には操作が難しいと考えられるため、ゲーム装置3は、目印設定操作を受け付けないようにし、狭い領域を表す視線方向マップが表示される場合にのみ目印設定操作を受け付けるようにしてもよい。
【0153】
以上、図14に示したゲーム処理によれば、ゲーム装置3は、仮想空間を表すマップとして、視線方向マップと方向固定マップという2種類のマップを表示する。このように、2種類のマップを表示することによって、仮想空間を表すマップをプレイヤにとってわかりやすく提示することができる。
【0154】
[変形例]
(ゲーム空間以外の他の仮想空間に用いる変形例)
上記実施形態においては、本発明に係る情報処理装置または情報処理プログラムの一例としてゲーム装置3およびゲームプログラム61を例に挙げ、仮想空間の一例としてゲーム空間をマップにより表す場合を例として説明した。ここで、本発明は、ゲーム空間に限らず、任意の仮想空間を表すマップを表示する場合に適用可能である。本発明は、例えば、地図を立体的に表した仮想空間と、地図を平面的に表したマップとを表示するナビゲーション装置に適用することも可能である。
【0155】
(各マップを表示するための条件に関する変形例)
上記実施形態においては、プレイヤによる指示があったことに応じてマップ(視線方向マップおよび方向固定マップ)が表示されたが、他の実施形態においては、マップは、所定の条件が満たされたことに応じて表示されればよい。例えば、CPU10は、プレイヤキャラクタ51が所定のアイテムを取得(あるいは使用)したことやプレイヤキャラクタ51が仮想空間内の特定の位置に移動してきたことに応じて、マップを表示するようにしてもよい。
【0156】
また、上記実施形態においては、空間画像が表示されている場合にプレイヤの指示があったことに応じて視線方向マップが表示され、視線方向マップが表示されている場合にプレイヤの指示があったことに応じて方向固定マップが表示された。ここで、他の実施形態においては、空間画像が表示されている場合にプレイヤの指示があったことに応じて視線方向マップが表示され、その後、所定時間が経過したことに応じて方向固定マップが表示されるようにしてもよい。つまり、ゲーム装置3は、方向固定マップを表示する場合、方向固定マップの前に視線方向マップを所定期間表示するようにしてもよい。また、このとき、ゲーム装置3は、方向固定マップを表示するための指示とは異なる指示に応じて、視線方向マップを継続して表示するようにしてもよい。
【0157】
(空間画像から視線方向マップへの切り替えに関する変形例)
上記実施形態においては、空間画像から視線方向マップへ画面が切り替えられる場合、仮想カメラ59は、視線方向が仮想空間における鉛直下向きとなるように回転しつつ、上方向に移動するように制御された(図15参照)。ここで、他の実施形態においては、上記の場合、CPU10は、上記の仮想カメラ59の移動に加えて(あるいは、移動に代えて)、仮想カメラ59による仮想空間の画像と視線方向マップの画像とを重畳して表示するようにしてもよい。具体的には、CPU10は、仮想空間の画像を時間の経過に従って次第に薄くなるように表示するとともに、視線方向マップを時間の経過に従って次第に濃くなるように表示してもよい。これによれば、空間画像からマップの画像へと表示が切り替わる際、ユーザは仮想空間とマップとの対応をよりわかりやすく把握することができる。なお、仮想空間の画像と視線方向マップの画像との重畳表示を開始するタイミングはどのようなタイミングでもよい。例えば、上記マップ表示操作が行われてから所定時間が経過したタイミングで重畳表示が開始されてもよいし、仮想カメラ59の位置が所定位置に到達したタイミングで重畳表示が開始されてもよい。
【0158】
さらに、上記重畳表示が行われる場合、視線方向マップの画像は、仮想空間の画像に対応するように縮尺が変化することが好ましい。つまり、仮想空間の画像と視線方向マップの画像とが重畳して表示される期間において、仮想カメラ59による仮想空間の画像が表す範囲と、視線方向マップが表す範囲とが一致することが好ましい。例えば、(仮想空間の画像が表す範囲が視線方向マップが表す範囲よりも小さい場合)CPU10は、仮想カメラ59の移動によって仮想空間の画像がより広域を表すように変化することに合わせて、次第に縮尺を小さくしながら視線方向マップの画像を表示するようにしてもよい。これによれば、仮想空間の画像と視線方向マップの画像とをより正確に対応させることができ、仮想空間とマップとの対応をよりわかりやすくユーザに提示することができる。
【0159】
また、上記重畳表示が行われる場合、CPU31は、仮想カメラ59の位置に合わせて視線方向マップの表示範囲を移動させるようにしてもよい。つまり、重畳表示が行われる間において視線方向マップ上における仮想カメラ59の位置が視線方向マップの表示範囲内の所定位置に固定されるように、視線方向マップの表示範囲が移動されてもよい。これによれば、仮想空間の画像と視線方向マップの画像とをより正確に対応させることができ、仮想空間とマップとの対応をよりわかりやすくユーザに提示することができる。
【0160】
なお、上記重畳表示を行うための画像の合成(重畳)方法はどのような方法であってもよく、例えば、α値(透明度)を用いた方法であってもよい。すなわち、CPU10は、仮想空間の画像のα値を1から0へと次第に変化させるとともに、視線方向マップの画像のα値を0から1へと次第に変化させる(なお、両者のα値の和が1となるようにする)ことによって、上記重畳表示を行ってもよい。
【0161】
(視線方向マップから方向固定マップへの切り替えに関する変形例)
上記実施形態においては、視線方向マップと方向固定マップとを切り替える場合、一方のマップから他方のマップへ即座に表示が変更された。ここで、他の実施形態においては、上記の場合、ゲーム装置3は、一方のマップから他方のマップへとマップが連続的に変化するようにマップを表示してもよい。具体的には、上記実施形態において、視線方向マップから方向固定マップへ切り替えられる場合(マップデータ68が更新された場合)、CPU10は、視線方向マップを徐々に回転させ、かつ、徐々に縮小して表示する。より具体的には、CPU10は、1フレーム毎に視線方向マップを所定角度ずつ回転させ、かつ、所定の割合だけ縮小させて表示する。上記のように視線方向マップが回転・縮小されることによって、最終的に方向固定マップが表示される。つまり、方向固定マップは、視線方向マップが回転・縮小された後で表示される。これによって、視線方向マップは、方向固定マップへと連続的に変化する。これによれば、視線方向マップと方向固定マップとの対応をよりわかりやすくプレイヤに提示することができる。なお、方向固定マップから視線方向マップへ切り替えられる場合、CPU10は、1フレーム毎に方向固定マップを所定角度ずつ回転させ、かつ、所定の割合だけ拡大させて表示することで、方向固定マップを視線方向マップへと連続的に変化させるようにしてもよい。また、他の実施形態においては、一方のマップから他方へのマップへと切り替える際、一方のマップを回転のみさせた(拡大縮小はさせない)後で他方のマップを表示するようにしてもよい。
【0162】
(各マップを表示する順序に関する変形例)
上記実施形態においては、ゲーム装置3は、空間画像からマップへと表示が切り替わる場合、まず視線方向マップを表示した(ステップS21)。ここで、他の実施形態においては、空間画像からマップへと表示が切り替わる場合、ゲーム装置3は、空間画像が表示される前に表示されていたマップ(すなわち最後に表示されていたマップ)と同じ種類のマップを、まず表示するようにしてもよい。具体的には、マップ表示処理において、CPU10は、ステップS21の処理を実行しないようにしてもよい。これによれば、前回にマップ表示処理が実行された時のマップデータ68が次のマップ表示処理が実行されるまで保存されるので、上記ステップS24の処理によって、空間画像が表示される前に表示されていたマップの情報を記憶しておくことができる。その結果、次にマップ表示処理が実行された場合には、記憶されていたマップ、すなわち、最後に表示されていたマップが最初に表示される。具体的には、空間画像が表示されており、かつ、視線方向マップを示すマップデータ68が記憶されている場合、マップ表示操作が行われたことに応じて視線方向マップが表示される。また、空間画像が表示されており、かつ、方向固定マップを示すマップデータ68が記憶されている場合、マップ表示操作が行われたことに応じて方向固定マップが表示される。なお、図14に示すゲーム処理が実行されてから最初にマップ表示処理が実行される場合には、予め定められた種類のマップ(例えば、視線方向マップ)が最初に表示される。さらに、他の実施形態においては、前回に表示されたマップが表す仮想空間と、今回に表示するマップが表す仮想空間とが異なる場合(例えば、ステージが変更された場合)、マップデータ68の内容をリセットし、同じ場合にはマップデータ68を保存するようにしてもよい。
【0163】
(ゲームシステムに関する変形例)
上記実施形態においては、空間画像およびマップを表示するための一連の処理が単一の装置(ゲーム装置3)において実行される場合を説明したが、他の実施形態においては、一連の処理が複数の情報処理装置からなる情報処理システムにおいて実行されてもよい。例えば、端末側装置と、当該端末側装置とネットワークを介して通信可能なサーバ側装置とを含む情報処理システムにおいて、上記一連の処理のうちの一部の処理(例えば、上記ステップS5のゲーム進行処理等)がサーバ側装置によって実行されてもよい。また、上記情報処理システムにおいて、サーバ側のシステムは、複数の情報処理装置によって構成され、サーバ側で実行するべき処理を複数の情報処理装置が分担して実行してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0164】
以上のように、本発明は、仮想空間を表すマップに関してよりわかりやすくマップを提示すること等を目的として、例えばゲーム装置やゲームプログラムとして利用することが可能である。
【符号の説明】
【0165】
1 ゲームシステム
2 テレビ
3 ゲーム装置
4 光ディスク
5 コントローラ
6 マーカ部
10 CPU
11e 内部メインメモリ
12 外部メインメモリ
51 プレイヤキャラクタ
52 カーソル
53 プレイヤマーク
54 カーソル
56 目印オブジェクト
57 目印画像
61 ゲームプログラム
67 カメラデータ
68 マップデータ
69 目印オブジェクトデータ
70 目印画像データ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想空間を表すマップを画面に表示する情報処理装置のコンピュータに実行させる情報処理プログラムであって、
前記仮想空間を所定の視線方向から見た画像を表示する仮想空間表示手段と、
所定の条件が満たされたことに応じて、前記視線方向が画面上における所定方向を向く第1マップを表示する第1マップ表示手段と、
所定の条件が満たされたことに応じて、前記仮想空間において予め設定される方向が画面上における所定方向を向く第2マップを表示する第2マップ表示手段として前記コンピュータを機能させる、情報処理プログラム。
【請求項2】
前記第1マップ表示手段は、前記仮想空間の画像が表示されている場合に所定の条件が満たされたことに応じて前記第1マップを表示し、
前記第2マップ表示手段は、前記第1マップが表示されている場合に所定の条件が満たされたことに応じて前記第2マップを表示する、請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項3】
前記第2マップは、前記第1マップよりも広い範囲を表す、請求項1または請求項2に記載の情報処理プログラム。
【請求項4】
前記第1マップ表示手段は、前記仮想空間の画像が表示される画面領域に前記第1マップを表示し、
前記第2マップ表示手段は、前記仮想空間の画像が表示される画面領域に前記第2マップを表示する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の情報処理プログラム。
【請求項5】
ユーザの操作に応じて前記仮想空間に仮想カメラを設定する仮想カメラ設定手段として前記コンピュータをさらに機能させ、
前記仮想空間表示手段は、前記仮想カメラ設定手段により設定された仮想カメラの視線方向を前記所定の視線方向として前記仮想空間の画像を表示する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の情報処理プログラム。
【請求項6】
前記仮想空間に配置されたオブジェクトの移動をユーザの操作に応じて制御するオブジェクト動作制御手段として前記コンピュータをさらに機能させ、
前記仮想カメラ設定手段は、前記オブジェクトの位置および向きの少なくともいずれかに基づいて前記仮想カメラの視線方向を設定し、
前記第1マップ表示手段は、仮想空間における前記オブジェクトの位置を表す画像を第1マップ上に表示し、
前記第2マップ表示手段は、仮想空間における前記オブジェクトの位置を表す画像を第2マップ上に表示する、請求項5に記載の情報処理プログラム。
【請求項7】
前記第1マップ表示手段は、前記第2マップが表示されている場合にユーザによる第1指示があったことに応じて前記第1マップを表示し、
前記仮想空間表示手段は、前記第2マップが表示されている場合にユーザによる第2指示があったことに応じて前記仮想空間の画像を表示する、請求項2に記載の情報処理プログラム。
【請求項8】
前記仮想空間表示手段は、前記第1マップまたは第2マップが表示されている場合に所定の条件が満たされたことに応じて、前記仮想空間の画像を表示し、
前記情報処理プログラムは、前記仮想空間の画像が表示される前に表示されていたマップの情報を記憶する記憶手段として前記コンピュータをさらに機能させ、
前記第1マップ表示手段は、前記仮想空間の画像が表示されており、かつ、前記記憶手段に第1マップの情報が記憶されている場合、所定の条件が満たされたことに応じて前記第1マップを表示し、
前記第2マップ表示手段は、前記仮想空間の画像が表示されており、かつ、前記記憶手段に第2マップの情報が記憶されている場合、所定の条件が満たされたことに応じて前記第2マップを表示する、請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項9】
前記第1マップ表示手段は、前記第2マップが表示されている場合にユーザによる指示があったことに応じて前記第1マップを表示し、
前記第2マップ表示手段は、前記第1マップが表示されている場合にユーザによる指示があったことに応じて前記第2マップを表示する、請求項8に記載の情報処理プログラム。
【請求項10】
前記仮想空間の画像が表示されている場合に、仮想空間内の位置を指定する第1位置指定指示をユーザから受け付ける第1位置受付手段と、
前記第1位置指定指示によって指定された位置に、前記仮想空間に配置される他の種類のオブジェクトよりも高い所定の目印オブジェクトを設置する第1目印設置手段として前記コンピュータをさらに機能させ、
前記第1マップ表示手段は、前記第1位置指定指示によって指定された位置に対応する第1マップ上の位置に所定の目印画像を表示する、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の情報処理プログラム。
【請求項11】
前記第1マップが表示されている場合に、第1マップ上の位置を指定する第2位置指定指示をユーザから受け付ける第2位置受付手段と、
前記第2位置指定指示によって指定された位置に対応する仮想空間内の位置に、前記仮想空間に配置される他の種類のオブジェクトよりも高い所定の目印オブジェクトを設置する第2目印設置手段として前記コンピュータをさらに機能させ、
前記第1マップ表示手段は、前記第2位置指定指示によって前記指定された位置に所定の目印画像を表示する、請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の情報処理プログラム。
【請求項12】
前記仮想空間表示手段は、前記第1マップを表示するための指示があった場合、視線方向を仮想空間における下方向へ変化させて前記仮想空間の画像を表示し、
前記第1マップ表示手段は、視線方向が下方向へ変化された仮想空間の画像が表示された後、当該画像に代えて前記第1マップを表示する、請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の情報処理プログラム。
【請求項13】
前記仮想空間表示手段は、前記第1マップを表示するための指示があった場合、視線方向を仮想空間における下方向へ変化させ、かつ、前記仮想空間の画像を時間の経過に従って徐々に薄くなるように前記仮想空間の画像を表示し、
前記第1マップ表示手段は、前記第1マップを表示するための指示があった場合、当該第1マップを時間の経過に従って徐々に濃くなるように表示する、請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の情報処理プログラム。
【請求項14】
前記第1マップが表示されている場合に、前記第2マップを表示するための所定の条件が満たされたことに応じて、前記視線方向から前記仮想空間において予め設定される方向まで当該第1マップを徐々に回転させて表示する回転表示手段として前記コンピュータをさらに機能させ、
前記第2マップ表示手段は、前記回転表示手段によって前記第1マップが回転された後で前記第2マップを表示する、請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の情報処理プログラム。
【請求項15】
仮想空間を表すマップを画面に表示するための情報処理システムであって、
前記仮想空間を所定の視線方向から見た画像を表示する仮想空間表示手段と、
所定の条件が満たされたことに応じて、前記視線方向が画面上における所定方向を向く第1マップを表示する第1マップ表示手段と、
所定の条件が満たされたことに応じて、前記仮想空間において予め設定される方向が画面上における所定方向を向く第2マップを表示する第2マップ表示手段とを備える、情報処理システム。
【請求項16】
仮想空間を表すマップを画面に表示する情報処理装置であって、
前記仮想空間を所定の視線方向から見た画像を表示する仮想空間表示手段と、
所定の条件が満たされたことに応じて、前記視線方向が画面上における所定方向を向く第1マップを表示する第1マップ表示手段と、
所定の条件が満たされたことに応じて、前記仮想空間において予め設定される方向が画面上における所定方向を向く第2マップを表示する第2マップ表示手段とを備える、情報処理装置。
【請求項17】
仮想空間を表すマップを画面に表示するマップ表示方法であって、
前記仮想空間を所定の視線方向から見た画像を表示する仮想空間表示ステップと、
所定の条件が満たされたことに応じて、前記視線方向が画面上における所定方向を向く第1マップを表示する第1マップ表示ステップと、
所定の条件が満たされたことに応じて、前記仮想空間において予め設定される方向が画面上における所定方向を向く第2マップを表示する第2マップ表示ステップとを備える、マップ表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2011−255057(P2011−255057A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−133509(P2010−133509)
【出願日】平成22年6月11日(2010.6.11)
【出願人】(000233778)任天堂株式会社 (1,115)
【Fターム(参考)】