説明

情報処理プログラム、情報処理装置、情報処理方法

【課題】選択された印刷やスキャンなどの処理に適したデバイスをユーザに選択させる手間を減らすこと。
【解決手段】情報処理装置は、接続中のAPのMACアドレスと選択された処理と、に関連付けて設定履歴が記憶されていないときは、接続中のAP以外のAPのMACアドレスと選択された処理と、に関連付けて記憶されている設定履歴からモデル名を読み出し、そのモデル名と同じモデル名のデバイスを接続中のAPから検索する。そして、検索に成功した場合は、そのデバイス情報を用いて選択された処理を指示することができる。そのため、以前に接続中のAPを介して選択された処理をデバイスへ指示したことがなくても、ユーザにデバイスの選択という手間をかけさせることなく、選択された処理をその処理に適したデバイスへ指示することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、用途ごとに処理の実行を指示するデバイスを設定することができる情報処理プログラム、情報処理装置及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に記載されているような、GPS(Global Positioning System)を用いて、端末装置の近くに存在するプリンタの情報を端末装置へ通知する印刷システムが知られている。このようなシステムでは、ユーザは端末装置からプリンタへ印刷指示を送信し、移動先に存在するプリンタから印刷物を得ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−44024
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、通知されるプリンタは物理的な距離が近いことを条件として選出されているため、ユーザは端末装置に通知されたプリンタの中から、行おうとしている印刷目的に適しているプリンタを都度選択しなければならない。一方、印刷目的ごとにプリンタを記憶させる処理は、ユーザにとって面倒である。
【0005】
上述した点を含め、本発明では選択された印刷やスキャンなどの処理に適したデバイスをユーザに選択させる手間を減らすことを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために、本発明の情報処理プログラムは、操作部を備え、端末間の通信を中継するアクセスポイントを検出し、検出されたアクセスポイントを介してデバイスへ処理を指示する情報処理装置において実行される情報処理プログラムであって、前記情報処理装置を、前記処理に対して設定されたデバイスの特定情報と前記デバイスのモデル名と、をアクセスポイントの識別情報と前記処理と、に関連付けて記憶部へ記憶させる記憶制御手段と、前記接続部により接続中の一のアクセスポイントの識別情報を取得する取得手段と、前記取得手段が取得した前記識別情報と、前記操作部からデバイスへ指示する処理として複数の処理のうちから入力されたいずれかの処理と、に関連づけて前記特定情報が記憶されていないときは、前記取得手段が取得した前記識別情報とは異なる識別情報と前記いずれかの処理と、に関連付けて記憶されている前記モデル名を読み出す読み出し手段と、前記読み出し手段が読み出したモデル名と同じモデル名の、前記接続中のアクセスポイントに接続されている、デバイスを選出するデバイス選出手段と、前記デバイス選出手段が選出したデバイスへ処理を指示する指示手段として前記情報処理装置を機能させる。
【0007】
なお、本発明は、情報処理装置、情報処理装置を制御する制御装置、情報処理システム、情報処理方法、情報処理プログラムを記録する記録媒体等の種々の態様で実現可能である。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に記載の情報処理プログラム、請求項12に記載の情報処理装置、13に記載の情報処理方法によると、取得手段が取得した識別情報と、操作部からデバイスへ指示する処理として複数の処理のうちから入力されたいずれかの処理と、に関連づけて特定情報が記憶されていなくても、いずれかの処理を指示するデバイスの選択に要するユーザの作業負担を減らしつつ、適切なデバイスを選択できるという効果を奏する。
【0009】
請求項2に記載の情報処理プログラムによると、請求項1の情報処理プログラムの奏する効果に加え、確実に使用することができるデバイスを選択できるという効果を奏する。
【0010】
請求項3に記載の情報処理プログラムによると、請求項1又は2に記載の情報処理プログラムの奏する効果に加え、より適切なデバイスを選択することができるという効果を奏する。
【0011】
請求項4に記載の情報処理プログラムによると、請求項1又は2に記載の情報処理プログラムの奏する効果に加え、より短時間でデバイスを選択できるという効果を奏する。
【0012】
請求項5に記載の情報処理プログラムによると、請求項1〜4のいずれかに記載の情報処理プログラムの奏する効果に加え、最近に使用されたデバイスを選択することができるという効果を奏する。
【0013】
請求項6に記載の情報処理プログラムによると、請求項1〜3のいずれかに記載の情報処理プログラムの奏する効果に加え、より適切なデバイスを選択することができるという効果を奏する。
【0014】
請求項7に記載の情報処理プログラムによると、請求項1〜3のいずれかに記載の情報処理プログラムの奏する効果に加え、より適切なデバイスを選択することができるという効果を奏する。
【0015】
請求項8に記載の情報処理プログラムによると、請求項1〜7のいずれかに記載の情報処理プログラムの奏する効果に加え、印刷処理またはスキャン処理について、適切なデバイスを選択できるという効果を奏する。
【0016】
請求項9に記載の情報処理プログラムによると、請求項1又は2のいずれかに記載の情報処理プログラムの奏する効果に加え、効率的にデバイスの選択ができるという効果を奏する。
【0017】
請求項10に記載の情報処理プログラムによると、請求項9に記載の情報処理プログラムの奏する効果に加え、より効率的にデバイスの選択ができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】情報処理装置100の概略図
【図2】情報処理装置100の電気的構成を示すブロック図
【図3】アプリアイコン表示画面の一例
【図4】情報処理装置100と、情報処理装置100と通信を行うデバイスとの間の接続の模式図
【図5】処理選択画面の一例
【図6】処理の選択と、写真印刷処理或いはウェブ印刷処理が選択された場合の印刷対象の受け付けの過程を示すフローチャート
【図7】指示画面の一例
【図8】デバイスへ処理を指示する過程を示すフローチャート
【図9】デバイスの選出の過程を示すフローチャート
【図10】フラッシュメモリ109に記憶されている設定履歴の一例
【図11】モデル名とモデル名に対応するカウンタとからなるテーブルの模式図
【図12】デバイスの選出の過程を示すフローチャート
【図13】デバイスの選出の過程を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0019】
(第1の実施形態)
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1に示す情報処理装置100は、例えば携帯電話や携帯端末装置などの携帯型の装置である。情報処理装置100の筐体は偏平な箱状に形成されており、その一側面は操作面100aとして形成されている。操作面100aの中央部には表示領域101、表示領域101の下部には入力I/F104が設けられている。
【0020】
図2に示すように情報処理装置100は、表示手段102、タッチパネル103、入力I/F104、無線通信I/F105、CPU106、ROM107、RAM108、フラッシュメモリ109などを備えており、これらはバス110を介して互いに接続されている。
【0021】
表示手段102は、表示領域101を備える。表示手段102は、CPU106から出力される画信号を受信し、受信した画信号にもとづき、画像を表示領域101に表示させる。表示手段102としては、例えばLCDや、有機ELパネルなどを用いることができる。以下、CPU106が表示手段102を制御し表示領域101に文字や画像を表示させる処理を、単に表示領域101に表示させる、と称する。
【0022】
タッチパネル103は透明な部材により形成され、表示領域101の表面を覆うようにして配設されている。タッチパネル103は、ユーザの指などによりタッチされた位置を検出し、検出した位置情報をCPU106へ出力する。以下、CPU106がタッチパネル103から出力される位置情報を受け取ることを、CPU106がタッチを受け付けたと表現する。
【0023】
入力I/F104は、例えば操作ボタンである。入力I/F104が押下されると、情報処理装置100は起動される。
【0024】
CPU106は、ROM107やフラッシュメモリ109に記憶されるプログラムに従い、バス110に接続された各部を制御する。ROM107には、CPU106で実行されるプログラムが格納されている。RAM108はCPU106の処理に必要な情報を一時的に記憶する。フラッシュメモリ109は、不揮発性のメモリである。フラッシュメモリ109には、画像データや、文書データなどが記憶可能である。また、詳細は後述するが、設定履歴などが記憶されている。さらに、フラッシュメモリ109には、様々なアプリケーションプログラム(以下、単にアプリと称する)を記憶することができる。フラッシュメモリ109に記憶されているアプリのアイコンは、表示領域101に表示される。図3に示すように、アプリアイコン表示画面には、カレンダーアプリ、プリント&スキャンアプリ、インターネットブラウザアプリ、写真ビュアアプリ、メモ帳アプリのアイコンが表示されている。CPU106はアイコンのタッチを受け付けると、アイコンに対応するアプリを起動する。
【0025】
情報処理装置100は、無線通信I/F105を介して、無線LAN方式の無線通信により、図4に示すアクセスポイント(以降APと称する)201、又はAP301と通信を行う。AP201には、インクジェットMFP202、カラーレーザープリンタ203が接続されている。ここで、MFPとは、印刷機能、スキャン機能、コピー機能を備える多機能周辺装置(Multifunction Peripheral)を示す。AP301には、インクジェットMFP302、カラーレーザープリンタ303、スキャナ304が無線接続されている。情報処理端末はAP201と通信を行うことができる通信可能エリア200の領域内に存在していれば、AP201を介して、印刷要求をインクジェットMFP202やカラーレーザープリンタ203に送信することができる。すなわち、AP201を介してインクジェットMFP202、カラーレーザープリンタ203を使用することができる。また、同様に、情報処理装置100は通信可能エリア300の領域内に存在していれば、AP301を介して、インクジェットMFP302、カラーレーザープリンタ303、スキャナ304を使用することができる。この模式図は一例に過ぎず、AP201、AP301のそれぞれに、より多くのデバイスが接続されていてもよい。さらに、AP201、AP301以外にもAPが存在してもよい。
【0026】
図5は、プリント&スキャンアプリが起動された後、表示領域101に表示される処理選択画面である。本実施形態では、写真印刷処理、ウェブ印刷処理、スキャン処理が挙げられる。CPU106は、表示領域101において、処理を示すアイコンのタッチを受け付けると、タッチされたアイコンが示す処理を選択されたと判断する。写真印刷処理が選択されると、情報処理装置100はデバイスへ写真印刷処理、すなわちJPEGやBitmap、GIFなどの画像データの印刷処理の指示をデバイスへ行い、デバイスに印刷を実行させる。ウェブ印刷処理が選択されると、情報処理装置100はウェブ印刷処理、すなわちウェブページの印刷処理の指示をデバイスへ行い、デバイスに印刷を実行させる。スキャン処理が選択されると、情報処理装置100がスキャン処理、すなわち原稿をスキャンしスキャンして得られたスキャンデータをデバイスへ送信する指示をデバイスへ行い、デバイスへスキャンデータを送信させる。
【0027】
以下、図6〜図8を用いて、プリント&スキャンアプリに従いCPU106が各部を制御することで実行される過程について説明する。図6は、プリント&スキャンアプリが起動されると、処理の選択と、写真印刷処理或いはウェブ印刷処理が選択された場合の印刷対象の受け付けの過程が実行される。CPU106は、写真印刷処理を示すアイコン、ウェブ印刷処理を示すアイコン、スキャン処理を示すアイコンいずれか1つのタッチを受け付けたか、判断する(S601)。CPU106が、いずれか1つのタッチを受け付けたと判断した場合は(S601・Yes)、S602へ進む。一方CPU106がアイコンのタッチを受け付けていないと判断した場合は(S601・No)、タッチを受け付けるまで判断を繰り返す。
【0028】
S602ではCPU106はS601で受け付けた処理が、印刷処理であるかスキャン処理であるか判断する。本実施形態ではS601で写真印刷処理或いはウェブ印刷処理を受け付けた場合は、印刷処理が選択されたと判断し(S602・印刷)、S603へ進み、スキャン処理を受け付けた場合はスキャン処理を受け付けたと判断し(S602・スキャン)、S605へと進む。
【0029】
S603では、CPU106は、S601で受け付けたいずれかの印刷処理に対応するデータの中から印刷対象となるデータの選択を受け付ける。印刷対象となるデータの選択方法は周知であり、さらに本願の趣旨ではないので詳細は省略するが、以下にその一例を示す。写真印刷処理のように、印刷対象となるデータがフラッシュメモリ109に記憶されている場合は、次のように構成することができる。CPU106は印刷対象となる画像ファイルをフラッシュメモリ109から読み出し、そのファイル名とサムネイルを、表示領域101に一覧表示させる。CPU106は表示領域101に表示させたファイル名とサムネイルのいずれかのタッチを受け付ける(S603)。ウェブ印刷の場合は、次のように構成することができる。CPU106は、ユーザが所望するウェブページを表示領域101へ表示させる。ウェブページの表示方法は記載を省略する。CPU106は、表示領域101にウェブページと併せて、ウェブページのURLと、表示されているウェブページを印刷対象とするよう指示するアイコンとを表示させる。そのアイコンのタッチを受け付けると、CPU106は表示しているウェブページを印刷対象とする指示を受け付ける(S603)。次いで、S604へ進む。
【0030】
S604ではCPU106は印刷対象として受け付けたデータの所在情報をRAM108に記憶する(S604)。具体的には、データが画像データ、或いは文書データの場合は絶対パスを含む所在情報を、データがウェブページである場合はウェブページのURLをRAM108に記憶させる。そして、S605へ進む。
【0031】
S605では、CPU106はデバイスへの指示過程を実行するためのプログラムを起動し、この図6のフローチャートが示す過程を終了し、デバイスへの指示過程へと進む。
【0032】
図8に示す、デバイスへ処理を指示する過程を実行するプログラムが起動すると、S800では、CPU106は、接続中のAPに接続されているデバイスが複数あるかを判断する(S800)。具体的には、CPU106は、無線通信I/Fを制御して、S601で受け付けた処理を実行することができるデバイスへ、モデル名を返信するよう要求するパケットを、接続中のAPを介してブロードキャストさせる。すると、デバイスからのパケットへの返信が無線通信I/Fに受信される。CPU106は受信されたパケットから、送信元のデバイスのIPアドレスを読み出すなどにより、接続中のAPに接続されているデバイスの数を数える。そして、デバイスの数が複数あるときは、S801へ進み、デバイスの数が複数ではない、すなわち1以下のときはS806へ進む。なお、S601で受け付けた処理を実行することができるデバイスとは、例えば、S601でスキャン処理が選択された場合は、スキャン機能を備えることを指し、ウェブ印刷処理が選択された場合は、印刷機能を備えることを指し、写真印刷が選択された場合は、カラー印刷機能を備えることを指す。また、S601で受け付けた処理を実行することができる条件として、さらに解像度や、階調、処理のスピードなどの条件を加えてもよい。
【0033】
S801では、CPU106は、フラッシュメモリ109の領域A(以下領域Aと称する)に接続中のAPのMACアドレスとS601で受け付けた処理とに関連付けて設定履歴が記憶されているか判断する(S801)。ここで設定履歴について説明する。詳細はS808でも述べるが、情報処理装置100はS601で受け付けた処理を指示するデバイスの選択を、タッチパネル103を介して受け付ける。そして、デバイスの選択を受け付けるとCPU106は、受け付けたデバイスのIPアドレスとモデル名と選択を受け付けた日時とを、S601で受け付けた処理と接続中のAPのMACアドレスと関連付けて、設定履歴としてフラッシュメモリ109の領域Aに記憶させる。フラッシュメモリ109の領域Aは、写真印刷処理、ウェブ印刷処理、スキャン処理のいずれかと、APのMACアドレスと、デバイスのIPアドレスと、モデル名と、からなる設定履歴を記憶させるためのフラッシュメモリ109の、ある領域を指す。領域Aに記憶されている設定履歴の一例を、図10に示す。
【0034】
S801の時点で、以前に接続中のAPを介してS601で受け付けた処理を指示するデバイスを受け付けたことがあれば、設定履歴は記憶されている。しかし、以前にAPを介してS601で受け付けた処理を指示するデバイスを受け付けたことがなければ、設定履歴は記憶されていない。APから送出されるビーコン信号には、そのAPのMACアドレスが含まれている。そのため、CPU106は無線通信I/Fにビーコン信号を受信させることで、接続中のAPのMACアドレスを取得することができる。CPU106が領域AにS601で受け付けた処理と接続中のAPのMACアドレスと、に関連づけて設定履歴が記憶されていると判断すれば(S801・Yes)、設定履歴に含まれるIPアドレスとモデル名とをRAM108の所定領域Bへ記憶させS804へ進み、記憶されていないと判断すれば(S801・No)、S802へ進む。なお、CPU106は後述する指示画面を表示領域101に表示させる際、RAM108の領域Bに記憶されているデバイスのモデル名を読み出し、S601で受け付けた処理を指示するデバイスのモデル名として表示させる。また、後述するS810においてCPU106は、無線通信I/F105を制御して、RAM108の領域Bに記憶されているIPアドレスのデバイスへ指示を送信させる。つまり、RAM108の領域Bとは、S601で受け付けた処理の指示を送信するデバイスの、IPアドレスとモデル名が記憶される領域である。
【0035】
S802はデバイスの選出を行う。この過程はサブルーチンとなっており、図9を用いてデバイスの選出の過程を説明する。
【0036】
まず、CPU106は先述したフラッシュメモリ109の領域Aに対象となる設定履歴が記憶されているか判断する(S901)。ここで対象となる設定履歴について説明する。対象となる設定履歴とは、接続中ではないAPのMACアドレスとS601で受け付けた処理とに関連付けて領域Aに記憶されている設定履歴のことを指す。対象となる設定履歴として記憶されているデバイスは、以前に、現在接続中のAPとは異なるAPにおいて、S601で受け付けた処理を指示するデバイスとして選択されたものである。そのためS601で受け付けた処理を指示するデバイスとして適している可能性が高い。CPU106が対象となる設定履歴が記憶されていると判断した場合は(S901・Yes)、S902へ進む。一方記憶されていないと判断した場合はこの過程を終了し、S803へ進む。
【0037】
S902ではCPU106はカウンタの値iを1にし(S902)、S903へ進む。
【0038】
S903ではCPU106は、対象となる設定履歴のうち、日付がi番目に新しいものに含まれるモデル名を読み出す(S903)。例えば、iが1である場合は一番新しく領域Aに記憶された設定履歴に含まれるモデル名が読み出され、iが2である場合は二番目に新しく領域Aに記憶された設定履歴に含まれるモデル名が読み出されることになる。
【0039】
S904ではCPU106はS903で読み出した設定履歴に含まれるモデル名と同じモデル名のデバイスを、接続中のAPを介して検索する(S904)。具体的には、次のような処理を行う。CPU106は無線通信I/F105を制御し読み出した設定履歴に含まれるモデル名のデバイスは、情報処理装置100へ返信するよう要求するパケットを、接続対象としているAPを介してブロードキャストさせる。CPU106は無線通信I/F105を制御して、ブロードキャストされたパケットに対するデバイスからの返信を受信させる。
【0040】
S905では、CPU106は所定時間経過後、デバイスを検索に成功したかを判断する(S905)。具体的には、次のようになる。CPU106は無線通信I/F105がデバイスからの返信を所定時間内に受信したかを判断する。CPU106は無線通信I/F105がデバイスからの返信を受信したと判断した場合は、成功したと判断し(S905・Yes)、S906へ進む。一方、無線通信I/F105がデバイスからの返信を所定時間内に受信しなかったと判断した場合は、失敗したと判断し(S905・No)、S907へ進む。
【0041】
S906ではCPU106はS905で受信したパケットから送信元のデバイスのIPアドレスを読み出し、モデル名とともにRAM108の所定の領域Bに記憶させる。そして、このデバイスの選出の過程を終了し、図8のS803へ進む。
【0042】
S907ではCPU106はカウンタの値iを1加算する(S907)。そしてS908へ進む。
【0043】
S908ではCPU106は対象となる設定履歴に含まれるモデル名をすべて読み出したか判断する(S908)。すべてのモデル名を読み出したと判断した場合は(S908・Yes)、デバイスの選出の過程を終了し、図8のS803へ進む。一方、まだ対象となる設定履歴に含まれるすべてのモデル名は読み出していないと判断した場合は(S908・No)、S903へ進む。なお、対象となるすべての設定履歴に含まれるモデル名を、重複なく読み出す方法としては、例えばすでにモデル名が読み出された設定履歴には、対応付けられたフラグをオンにする方法などが挙げられる。しかし、これらの方法は周知であるので詳細は省略する。
【0044】
再び図8に戻り説明する。S803ではCPU106はデバイスの選出の過程でデバイスを選出できたかを判断する(S803)。具体的には、CPU106はRAM108の所定領域BにデバイスのIPアドレスとモデル名が記憶されているかに基づき判断する。領域BにデバイスのIPアドレスとモデル名が記憶されている場合は、CPU106はデバイスを選出できたと判断し(S803・Yes)、S804へ進む。一方、領域BにデバイスのIPアドレスとモデル名が記憶されていない場合は、デバイスを選出できなかったと判断し(S803・No)、S806へ進む。
【0045】
S804ではCPU106は表示領域101に図7に示すような指示画面を表示させる。この表示画面は、S601で受け付けた処理により異なる。写真印刷処理を受け付けた場合は図7(a)が、ウェブ印刷処理を受け付けた場合は図7(b)が、スキャン処理を受け付けた場合は図7(c)を表示させる。デバイス名アイコン701は、指示を送信するデバイスのモデル名を示している。CPU106はRAM108の領域Bから読み出したモデル名を示すアイコンを、デバイス名アイコン701として表示させている。詳細は後述するが、指示アイコン702はデバイス名アイコン701が示すデバイスへ指示を行うアイコンであり、再選択アイコン703はデバイスの再選択を指示するアイコンである。そして、S805へ進む。
【0046】
S805ではCPU106は再選択アイコン703のタッチを受け付けたか判断する(S805)。タッチされたと判断した場合は(S805・Yes)、S806へ進む。一方、タッチされていないと判断した場合は(S805・No)、S810へ進む。
【0047】
S806では、CPU106は接続中のAPを介して接続可能なデバイスのモデル名の一覧を選択可能に表示する。具体的には、次のような処理が行われる。CPU106は無線通信I/F105を制御して、デバイスのモデル名を返信するよう要求するパケットを、接続中のAPを介してブロードキャストさせる。その後CPU106は無線通信I/F105を制御して、各デバイスから返信されるパケットを受信させる。無線通信I/F105が受信するパケットは、それぞれデバイスのIPアドレスを送信元アドレスとして、情報処理装置100のIPアドレスを受信先アドレスとして、さらに情報処理装置100の要求への応答としてデバイスのモデル名を含んでいる。そこで、CPU106は無線通信I/F105に受信させた、それぞれのパケットに含まれているデバイスのモデル名と、デバイスのIPアドレスとを対応付けてそれぞれRAM108に記憶させる。そして、CPU106はRAM108に記憶させたデバイスのモデル名を示すアイコンを、表示領域101に表示させる。なお、(S800・No)でS806へ進んだ場合は、S806へ進んだ時点ですでに、デバイスから返信されるパケットを受信している。そのため、デバイスのモデル名を返信するよう要求するパケットを、無線通信I/Fを制御して送受信させる処理は省略してもよい。そして、S807へ進む。
【0048】
S807ではデバイスの選択を受け付ける。具体的にはCPU106は、S806で表示させたモデル名のアイコンのうち、タッチされたアイコンが示すモデル名のデバイスが選択されたと判断し、選択されたデバイスのIPアドレスとモデル名とをRAM108の領域Bに記憶させる。そして、S808へ進む。
【0049】
S808では、RAM108の領域BからデバイスのIPアドレスとモデル名を読み出し、フラッシュメモリ109の領域Aへ設定履歴として記憶させる(S808)。より詳細には、CPU106は領域Bに記憶されているIPアドレスとモデル名と現在の日時とからなる設定履歴を、S601で受け付けた処理と接続中のAPのMACアドレスと、に関連付けて設定履歴としてフラッシュメモリ109の領域Aに記憶させる。前述したように、以後、現在接続中のAPと同じAPと接続し、今回S601で受け付けた処理と同じ処理を選択が選択された場合は、今回のS808で記憶させた設定履歴がフラッシュメモリの領域Aに記憶されている。そのため、S804で自動的に印刷指示画面を表示することができる。つまり、ユーザにとっては煩わしいデバイスの選択を省くことができる。さらに、自動的に入力されるデバイスは、過去にユーザが処理に適したデバイスとして選択したものなので、ユーザの好みに適している可能性が高い。
【0050】
S809ではCPU106はS804で表示するものと同じ指示画面を表示領域101に表示させる(S809)。またS804と同様に、CPU106はRAM108の領域Bから読み出したモデル名のアイコンを、デバイス名アイコン701として表示させている。そして、S810へ進む。
【0051】
S810ではCPU106は指示アイコン702がタッチされたか判断する(S810)。タッチされたと判断した場合は(S810・Yes)、S811へ進む。一方、タッチされていないと判断した場合は(S810・No)、S805へ進む。
【0052】
S811ではCPU106はS601で選択された処理を、領域Bから読み出したIPアドレスのデバイスへ指示する。なお、印刷を指示する場合は、S603で受け付けた印刷対象となるファイルあるいはファイルを展開して得られた印刷データなどを送信する(S811)。そして、この処理を終了する。
【0053】
以上、説明したように、本実施形態では選択された処理を指示するデバイスの選択を受け付けた場合は、接続中のAPのMACアドレスと選択された処理と、に関連付けて、選択されたデバイスのIPアドレスとモデル名とそのときに日時と、からなる設定履歴を記憶する。そして、以後情報処理装置100が同じAPに接続し、S601で同じ処理が選択された場合は、設定履歴が示すデバイスへ選択された処理を指示することができる。
【0054】
また、接続中のAPのMACアドレスと選択された処理と、に関連付けて設定履歴が記憶されていないときは、接続中のAP以外のAPのMACアドレスと選択された処理と、に関連付けて記憶されている設定履歴からモデル名を読み出し、そのモデル名と同じモデル名のデバイスを接続中のAPから検索する。そして、検索に成功した場合は、そのデバイス情報を用いて選択された処理を指示することができる。そのため、以前に接続中のAPを介して選択された処理をデバイスへ指示したことがなくても、ユーザにデバイスの選択という手間をかけさせることなく、選択された処理をその処理に適したデバイスへ指示することができる。
【0055】
また、接続中のAPに接続されているデバイスが複数台あるときに限り、接続中のAP以外のAPのMACアドレスと選択された処理と、に関連付けて記憶されている設定履歴からモデル名を読み出し、そのモデル名と同じモデル名のデバイスを接続中のAPから検索する。そのため、接続中のAPに接続されているデバイスが1台以下であるにもかかわらず、デバイスの選出の過程を実行するという無駄を避け、効率化を図ることができる。
【0056】
また、接続中のAP以外のAPのMACアドレスと選択された処理と、に関連付けて記憶されている設定履歴のうち、新しく記憶された設定履歴に含まれるモデル名から順に読み出し、読み出したモデル名と同じモデル名のデバイスを検索する。そのため、よりユーザの好みに適したデバイスを入力することができる。さらに、モデル名を読み出すごとにデバイスの検索を行うので、接続中のAP以外のAPのMACアドレスと選択された処理と、に関連付けて記憶されている設定履歴に含まれるすべてのモデル名の読み出しが終わってから検索を行うよりも、早くデバイスを検索することができる。
【0057】
なお、本実施形態ではAPの識別情報としてMACアドレスを用いたが、MACアドレスに替えてESSID(Extended Service Set ID)を用いてもよい。その場合、情報処理装置100のフラッシュメモリ109やRAM108などに、APのMACアドレスと、ESSIDを対応させて記憶させる。そして、APを介してデバイスへ各要求を送信するときは、ESSIDに対応するMACアドレスを読み出し、各要求の送信に用いる。
【0058】
いずれかの処理といずれかのMACアドレスと、に関連付けられた設定履歴は、各処理と各MACアドレスとの組み合わせごとに1つ記憶し、同じ処理とMACアドレスとの組み合わせにおいて、新たに設定履歴を記憶させるときは上書きするようにしても、所定の数を上限として複数記憶する構成としてもよい。
【0059】
また、S906では領域BにIPアドレスとともに記憶させるモデル名は、S903で読み出したものでもよいし、S905で通信I/F105に受信させたパケットに含まれるものでもよい。
【0060】
また、本実施例では、設定履歴としてデバイスのIPアドレスとモデル名とデバイスの現在日時とを、S601で受け付けた処理と接続中のAPのMACアドレスと関連付けて、設定履歴としてフラッシュメモリ109の領域Aに記憶させたが、現在日時に変えて、領域Aに新しく記憶された順番を示す値を記憶させてもよい。この場合、CPU106は新たに記憶される設定履歴としてデバイスのIPアドレスとモデル名と領域Aに新しく記憶されたと順番を示す値として1を記憶させる。そして、同じ処理に関連付けられて記憶されている設定履歴に含まれる順番を示す値を、それぞれ1増加させる。さらに、S903ではCPU106は、i番目に小さい順番を示す値を含む設定履歴に含まれるモデル名を読みだす。
【0061】
また、本実施形態では接続中のAP以外のAPのMACアドレスと選択された処理と、に関連付けて記憶されている設定履歴のうち、新しく記憶された設定履歴に含まれるモデル名から順に読み出し、読み出したモデル名と同じモデル名のデバイスを検索したが、必ずしもこのように構成する必要はない。例えば、接続中のAP以外のAPのMACアドレスと選択された処理と、に関連付けて記憶されている設定履歴のうち、図6のS601で受け付けた処理に関して最も能力が高いデバイスのモデル名を含むものから順に検索するようにしてもよい。その場合、図9のS903、S904は、次にように置き換えられる。CPU106は、接続中のAP以外のAPのMACアドレスと選択された処理と、に関連付けて記憶されているすべての設定履歴に含まれるモデル名を読み出す。その後、i番目にS601で受け付けた処理に関して能力が高いデバイスのモデル名を選択する(S903)。そして、S903で選択したモデル名のデバイスと同じもモデル名のデバイスを検索する(S904)。その場合は、この際、能力が高いというのは例えば次のようなことを指す。写真印刷処理の場合は、印刷物の解像度が高いことや、階調が多いことなどである。ウェブ印刷処理の場合は印字速度が速いことなどである。スキャン処理の場合は読み取りの解像度が高いことや、読み取り速度が速いことなどである。なお、新しく記憶された設定履歴に含まれるモデル名から順に読み出し、読み出したモデル名と同じモデル名のデバイスを検索するように構成しない場合は、設定履歴に日時を含める必要はない。
【0062】
また、S904では、S903で読み出したモデル名のデバイスと同じモデル名のデバイスを検索したが、接続中のAPに接続されているすべてのデバイスのモデル名を取得し、S903で読み出したデバイスと同じモデル名のデバイスを探すようにしてもよい。具体的には図9を次のように変更すればよい。まず、S901とS902の間のタイミングに、CPU106は無線通信I/F105を制御して、デバイスのモデル名を返信するよう要求するパケットを、接続中のAPを介してブロードキャストさせる。その後CPU106は無線通信I/F105を制御して、各デバイスから返信されるパケットを受信させる。I/F105が受信するパケットは、それぞれデバイスのIPアドレスを送信元アドレスとして、情報処理装置100のIPアドレスを受信先アドレスとして、さらに情報処理装置100の要求への応答としてデバイスのモデル名を含んでいる。そこで、CPU106はI/F106に受信させた、それぞれのパケットに含まれているデバイスのモデル名と、デバイスのIPアドレスとを対応付けてそれぞれRAM108に記憶させる。そして、S902へ進む。S902、S903は通常通り行う。S904ではS903で読み出したモデル名のデバイスを検索することに変えて、S903で読み出したモデル名と同じモデル名がRAM108に記憶されているか判断する。記憶されていればS906へ進み、記憶されていなければS907へ進む。S906ではCPU106はRAM108に記憶されていると判断したデバイスのモデル名と、そのデバイスのIPアドレスをRAM108の領域Bに記憶させる。また、このように図9の過程が実行された場合は、すでに接続中のAPに接続されているデバイスのIPアドレスとモデル名はRAM108に記憶されているので、図8のS806ではCPU106はRAM108に記憶させたデバイスのモデル名を示すアイコンを、表示領域101に表示させるだけでよい。
【0063】
また、接続中のAP以外のAPのMACアドレスと選択された処理と、に関連付けて記憶されている設定履歴に含まれるモデル名と同じモデル名のデバイスであって、接続中のAPに接続されているデバイスが複数ある場合は、ユーザに選択させる構成としてもよい。その場合、図9を次のように変更する。S905で検索が成功した場合S906に代えて、検索に成功したデバイスのモデル名をRAM108に記憶させる。そしてS907へ進む。S908で対象となるすべてのモデル名を読み出したと判断したら、CPU106はRAM108に記憶させたモデル名、すなわち検索が成功したモデル名を示すアイコンを表示領域101に表示させる。そして、タッチを受け付けたアイコンが示すモデル名のデバイスのIPアドレスとモデル名を、RAM108の領域Bに記憶させる。そして、図8のS803へ進む。
【0064】
また、S808の処理は、S810とS811の間か、S811の後に行うこととしてもよい。
【0065】
また、接続中のAP以外のAPのMACアドレスと選択された処理と、に関連付けて記憶されているいくつかの設定履歴において、高い割合で含まれるモデル名と同じモデル名のデバイスから順に検索するようにしてもよい。その場合、図8のS802のデバイスの選出の過程が第1の実施形態とは異なる。以降、第2の実施形態として、図12を用いてデバイスの選出の過程について説明する。なお第2の実施形態はS802以外は第1の実施形態と同じものである。
【0066】
S1201ではCPU106は領域Aを参照し対象となる設定履歴が記憶されているか判断する(S1201)。対象となる設定履歴は先述したように接続中ではないAPのMACアドレスとS601で受け付けた処理とに関連付けて領域Aに記憶されている設定履歴のことを指す。設定履歴が記憶されていると判断した場合は(S1201・Yes)、S1202へ進み、記憶されていないと判断した場合は(S1201・No)この過程を終了し、図8のS803へ進む。
【0067】
S1202ではCPU106は、各モデル名が対象となる設定履歴のうちいくつの設定履歴に含まれているかを示すカウンタ(以下、モデル名のカウンタと称する)を0にする。ここで、モデル名のカウンタについて説明する。図11に、モデル名とモデル名に対応するカウンタとからなるテーブルの模式図を示す。このようなテーブルはRAM108或いはフラッシュメモリ109の所定の領域Cに記憶されている。S1202の段階では、対象となるすべての設定履歴のそれぞれにおいて含まれているモデル名が不明である。そのため、図11(a)に示すようにモデル名の領域には何も記憶されていない。また、各モデル名が対象となる設定履歴のうちいくつの設定履歴に含まれているかは以降の処理でカウントする。そのため、モデル名のカウンタを0にする(S1202)。そしてS1203へ進む。
【0068】
S1203ではCPU106は領域Aから対象となる設定履歴の1つからモデル名を読読み出す。そしてS1204へ進む。
【0069】
S1204ではCPU106は読み出したモデル名のカウンタに1を加算する(S1204)。この際、読み出したモデル名が領域Cの図11のテーブルに記憶されていないときは、そのモデル名を領域Cのテーブルに新たに記憶させる。そして、記憶させたモデル名に対応するカウンタは当然0であるので、1を加算し、カウンタの値を1にする。また、S1203で読み出したモデル名がすでに領域Cの図11のテーブルに記憶されている場合は、その対応するモデル名のカウンタの値に1を加算する。そして、S1205へ進む。
【0070】
S1205ではCPU106は対象となる設定履歴に含まれるモデル名をすべて読み出したかを判断する(S1205)。すべて読み出したと判断した場合は(S1205・Yes)、S1206へ進む。一方、対象となる設定履歴に含まれるモデル名をまだすべて読み出していないと判断した場合は(S1205・No)、S1203へ進む。対象となるすべての設定履歴に含まれるモデル名を、重複なく読み出す方法としては、先述したように、すでにモデル名が読み出された設定履歴に対応付けられたフラグをオンにする方法などが挙げられる。しかし、これらの方法は周知であるので詳細は省略する。
【0071】
S1206ではカウンタjの値を1にする。カウンタjはモデル名のカウンタとは独立したカウンタである。そしてS1207へ進む。
【0072】
S1207ではCPU106はS1202〜S1205の処理でカウントしたモデル名のカウンタのうちj番目に値が大きいものに対応するモデル名と同じモデル名のデバイスを、接続中のAPを介して検索する(S1206)。詳細はS904と同様であるので省略する。そしてS1208へ進む。
【0073】
S1208ではCPU106はS1206の検索の結果、検索に成功したか判断する(S1208)。詳細はS905と同様であるので省略する。CPU106が成功したと判断した場合は(S1208・Yes)、S1209へ進む。一方失敗したと判断した場合は(S1208・No)、S1210へ進む。
【0074】
S1209ではCPU106はS1208で検索に成功したデバイスのIPアドレスとモデル名とをRAM108の所定の領域Bに記憶させる(S906)。そしてこの過程を終了する。
【0075】
S1210ではCPU106はカウンタjに1を加算する。そして、S1211へ進む。
【0076】
S1211では対象となるすべてのモデル名に関して、接続中のAPを介して検索をしたか判断する。ここで対象となるモデル名とは、領域C図11のテーブルの、モデル名を記憶する領域に記憶されているモデル名のことを指す。対象となるすべてのモデル名に関して検索をしたと判断した場合は(S1211・Yes)この過程を終了する。一方、対象となるすべてのモデル名に関してまだ検索していないと判断した場合は(S1211・No)、S1207へ進む。
【0077】
このように、本実施形態では接続中のAP以外のAPのMACアドレスと選択された処理と、に関連付けて記憶されているいくつかの設定履歴に含まれるモデル名のうち、それらの設定履歴に多く含まれているモデル名すなわち多く記憶されたモデル名、から順に読み出し、読み出したモデル名と同じモデル名のデバイスを検索する。つまり、S601で選択された処理を指示するデバイスとして高い確率で選択されるデバイスから優先的に設定することができる。そのため、以前に接続中のAPを介して選択された処理をデバイスへ指示したことがなくても、ユーザに手間をかけさせることなく、選択された処理に適したデバイスを入力することができる。
【0078】
また、接続中のAP以外のAPのMACアドレスと選択された処理と、に関連付けて記憶されている設定履歴に含まれるすべてのモデル名の読み出しが終わってから検索を行うと、デバイスの性能や記憶されている設定履歴の傾向などに基づき、優先的に検索するデバイスを決めることができる。そのため、より選択された処理やユーザの好みに適したデバイスを選択することができる。
【0079】
また、接続中のAP以外のAPのMACアドレスと選択された処理と、に関連付けて記憶されているいくつかの設定履歴において、現在接続中ではないものの、接続可能なAPに接続されているデバイスと同じモデル名のデバイスから順に検索するようにしてもよい。その場合、図8のS802のデバイスの選出の過程が第1の実施形態とは異なる。以降、第3の実施形態として、S802のデバイスの選出の過程について、図13を用いて説明する。なお第3の実施形態は、S802以外は第1の実施形態と同じものである。
【0080】
図13において、図9と同様の処理については、図9と同一の記号を付した。ここでは図9と異なる点のみを説明する。S1301では、CPU106は、接続中のAP以外に、接続可能なAPが存在するか判断する。具体的にはCPU106は、無線通信I/F105を制御し、APから送出されるビーコン信号を受信させる。そして、受信したビーコン信号からMACアドレスを読み出す。そして読み出したMACアドレスに、接続中のAPのMACアドレス以外のMACアドレスで、かつ領域Aに記憶されているものが存在するかを判断する。CPU106が、存在すると判断した場合は(S1301・Yes)、S1302へ進む。一方、存在しないと判断した場合は(S1301・No)、S1304へ進む。
【0081】
S1302では、CPU106は、S1301で存在すると判断したMACアドレスとS601で受け付けた処理とに関連づけて領域Aに設定履歴が記憶されているかを判断する(S1302)。記憶されていると判断する場合は(S1302・Yes)、S1303へ進み、その設定履歴のうち、モデル名を読み出す(S1303)。一方、記憶されてないと判断した場合は(S1302・No)、S1304へ進む。
【0082】
S1304では、CPU106は、接続中ではないAPのMACアドレスとS601で受け付けた処理とに関連付けて領域Aに記憶されている設定履歴からモデル名を読み出す(S1304)。そして、S904へ進む。
【0083】
このように構成すれば現在物理的に近い位置に存在するデバイスと同じモデル名のデバイスを優先して用いることができる。物理的に近い位置にあるデバイスは、ユーザが直近に使用した可能性が高く、ユーザにとって使い勝手がよいことが予想される。そのため、よりユーザにとって使いやすいデバイスを選択することができる。
【0084】
なお、図9のS903と図12のS1203とにおいてCPU106は、まず設定履歴に含まれる情報をすべて読み出し、その後読み出した設定履歴に含まれるモデル名のみを用いる構成としてもよい。
【0085】
また、上記実施形態では、プリント&スキャンアプリが行う処理は、写真印刷処理、ウェブ印刷処理、スキャン処理であったが、本発明の処理はこれらに限定されない。例えば、FAX送信処理や、コピー処理などを含んでもよい。また、写真印刷処理、ウェブ印刷処理、スキャン処理のすべてを含む必要もない。
【0086】
上記実施形態において、プリント&スキャンアプリが、本発明の情報処理プログラムである。情報処理装置100が情報処理装置の一例である。タッチパネル103が操作部の一例である。IPアドレスアドレスが、デバイスの特定情報の一例である。APのMACアドレスが、アクセスポイントの識別情報の一例である。フラッシュメモリ109が記憶部の一例である。S808の処理を行うCPU106が記憶制御手段の一例である。S903、S1203、S1303の処理を行うCPU106が読み出し手段の一例である。S802の処理を行うCPU106がデバイス選出手段の一例である。S811の処理を行うCPU106が指示手段の一例である。S904、S1207の処理を行うCPU106が、検索手段の一例である。S800の処理を行うCPU106が判断手段の一例である。ただし、記憶制御手段、読み出し手段、デバイス選出手段、指示手段、検索手段、判断手段は、オペレーティングシステムなど本発明以外のプログラムを実行することにより動作するハードウェアを一部含んでも良い。
【符号の説明】
【0087】
100 情報処理装置
102 表示手段
103 タッチパネル
104 入力I/F
105 無線通信I/F
106 最新設定管理テーブル
107 ROM
108 RAM
109 フラッシュメモリ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作部を備え、端末間の通信を中継するアクセスポイントを検出し、検出されたアクセスポイントを介してデバイスへ処理を指示する情報処理装置において実行される情報処理プログラムであって、
前記情報処理装置を、
前記処理に対して設定されたデバイスの特定情報と前記デバイスのモデル名と、をアクセスポイントの識別情報と前記処理と、に関連付けて記憶部へ記憶させる記憶制御手段と、
前記接続部により接続中の一のアクセスポイントの識別情報を取得する取得手段と、
前記取得手段が取得した前記識別情報と、前記操作部からデバイスへ指示する処理として複数の処理のうちから入力されたいずれかの処理と、に関連づけて前記特定情報が記憶されていないときは、前記取得手段が取得した前記識別情報とは異なる識別情報と前記いずれかの処理と、に関連付けて記憶されている前記モデル名を読み出す読み出し手段と、
前記読み出し手段が読み出したモデル名と同じモデル名の、前記接続中のアクセスポイントに接続されている、デバイスを選出するデバイス選出手段と、
前記デバイス選出手段が選出したデバイスへ処理を指示する指示手段として前記情報処理装置を機能させることを特徴とした情報処理プログラム。
【請求項2】
前記情報処理装置を、前記読み出し手段が読み出したモデル名と同じモデル名のデバイスを、接続中のアクセスポイントに接続されているデバイスから検索する検索手段として機能させ、
前記デバイス選出手段は前記検索手段に検索されたデバイスから、デバイスを選出することを特徴とする請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項3】
前記読み出し手段は前記取得手段が取得した前記識別情報とは異なる識別情報と前記いずれかの処理と、に関連付けて記憶されているすべての前記モデル名を読み出すものであり、
前記検索手段は前記読み出し手段が、読み出したモデル名と同じモデル名のデバイスを所定の順に検索し、
前記選出手段は前記検索手段に最初に検索されたデバイスを選出することを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の情報処理装置プログラム。
【請求項4】
前記読み出し手段は所定の順に前記モデル名を読み出し、
前記検索手段は読み出し手段がモデル名を読み出すごとに同じモデル名のデバイスを接続中のアクセスポイントを介して検索し、
前記デバイス選出手段は前記検索手段に最初に検索に成功したデバイスを選出することを特徴とする請求項1又は2記載の情報処理プログラム。
【請求項5】
前記デバイス選出手段は、最新に前記記憶部に記憶されたモデル名と同じモデル名の、接続中のアクセスポイントに接続されている、デバイスを選出することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の情報処理プログラム。
【請求項6】
前記デバイス選出手段は、前記いずれかの処理に関して最も処理能力が高いデバイスのモデル名と同じモデル名の、接続中のアクセスポイントに接続されている、デバイスを選出することを特徴とした請求項1、2、3のいずれかに記載の情報処理プログラム。
【請求項7】
前記デバイス選出手段は、前記記憶部に最も多く記憶されたモデル名の、接続中のアクセスポイントに接続されている、デバイスを選出することを特徴とする請求項1、2、3のいずれかに記載の情報処理プログラム。
【請求項8】
前記読み出し手段が読み出した前記モデル名と同じモデル名の、接続中のアクセスポイントに接続されているデバイスのうち一のデバイスを受け付ける受け付け手段として前記情報処理装置を機能させ、
前記デバイス選出手段は前記受け付け手段が受け付けたデバイスを選出することを特徴とした請求項1〜7のいずれかに記載の情報処理プログラム。
【請求項9】
前記情報処理装置を、前記接続中のアクセスポイントに接続されているデバイスが複数あるか判断する判断手段として機能させ、
前記読み出し手段は前記判断手段が複数あると判断したときに前記モデル名を読み出し、
前記デバイス選出手段は前記読み出し手段が前記モデル名を読み出したときに、前記読み出し手段が読み出したモデル名と同じモデル名の、前記接続中のアクセスポイントに接続されている、デバイスを選出することを特徴とした請求項1又は2に記載の情報処理プログラム。
【請求項10】
前記判断手段は、前記接続中のアクセスポイントに接続されており、前記いずれかの処理を実行可能なデバイスが複数あるか判断することを特徴とする、請求項9に記載の情報処理プログラム。
【請求項11】
前記記憶制御手段は、印刷またはスキャンを含む複数の処理のうちいずれかの処理である、前記処理に対して設定されたデバイスの特定情報と前記デバイスのモデル名と、をアクセスポイントの識別情報と前記処理と、に関連付けて記憶部へ記憶させるものであることと特徴とする、請求項1〜10に記載の情報処理プログラム。
【請求項12】
端末間の通信を中継するアクセスポイントを検出し、検出されたアクセスポイントを介してデバイスへ処理を指示する情報処理装置であって、
前記処理に対して設定されたデバイスの特定情報と前記デバイスのモデル名と、をアクセスポイントの識別情報と処理と、に関連付けて記憶部へ記憶させる記憶制御手段と、
前記接続部により接続中の一のアクセスポイントの識別情報を取得する取得手段と、
前記取得手段が取得した前記識別情報と、操作部からデバイスへ指示する処理として複数の処理のうちから入力されたいずれかの処理と、に関連づけて前記特定情報が記憶されていないときは、前記取得手段が取得した前記識別情報とは異なる識別情報と前記選択手段が選択した処理と、に関連付けて記憶されている前記モデル名を読み出す読み出し手段と、
前記読み出し手段が読み出したモデル名と同じモデル名の、前記接続中のアクセスポイントに接続されている、デバイスを選出するデバイス選出手段と、
前記デバイス選出手段が選出したデバイスへ処理を指示する指示手段と、を備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項13】
端末間の通信を中継するアクセスポイントを検出し、検出されたアクセスポイントを介してデバイスへ処理を指示し、
前記処理に対して以前に設定されたデバイスの特定情報と前記デバイスのモデル名と、をアクセスポイントの識別情報と処理と、に関連付けて記憶された記憶部とを備えた情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
前記接続部により接続中の一のアクセスポイントの識別情報を取得する取得ステップと、
前記取得ステップが取得した前記識別情報と、操作部からデバイスへ指示する処理として複数の処理のうちから入力されたいずれかの処理と、に関連づけて前記特定情報が記憶されていないときは、前記取得ステップが取得した前記識別情報とは異なる識別情報と前記選択ステップが選択した処理と、に関連付けて記憶されている前記モデル名を読み出す読み出しステップと、
前記読み出しステップが読み出したモデル名と同じモデル名の、接続中のアクセスポイントに接続されている、デバイスを選出するデバイス選出ステップと、
前記選出ステップが選出したデバイスへ処理を指示する指示ステップと、を実行することを特徴とした情報処理方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−203623(P2012−203623A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−67253(P2011−67253)
【出願日】平成23年3月25日(2011.3.25)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】