説明

情報処理方法、プログラム及び装置

【課題】撮影機器の性能を適切に把握する。
【解決手段】本情報処理方法は、コンピュータが、(A)第1の画像データを識別する第1の画像の識別子を端末装置から受信する工程と、(B)画像の撮影位置を含む撮影条件の情報と当該画像を撮影した撮影機器の情報とを当該画像の識別子に対応付けて格納するデータ格納部を参照し、第1の画像の識別子に対応付けられている撮影機器及び撮影条件を特定する工程と、(C)データ格納部を参照し、特定された撮影条件と同一又は類似する撮影条件が対応付けられており、且つ、特定された撮影機器とは異なる撮影機器が対応付けられた第2の画像データの識別子を抽出する工程と、(D)画像データと当該画像の識別子とを対応付けて格納する画像データベースを参照し、第2の画像の識別子に対応付けられている第2の画像データを抽出し、端末装置に送信する工程とを実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、写真撮影についての情報処理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
撮影機器(例えばデジタルカメラ)の性能は、販売用のカタログや購入した際の説明書等に記載されている。しかし、撮影機器の性能は、カタログ等を見ただけではわからない部分も多く、実際にその撮影機器により撮影された写真を見て初めて性能の良し悪しに気付くこともある。
【0003】
例えば景観が美しい場所に旅行に行くことを予定している場合、旅行先で有名な観光スポットにおいて撮影された美しい写真を事前に見て、自身もこのような写真を撮影したいと考えることがある。しかし、自身が所持している撮影機器や旅行のために購入を検討している撮影機器が十分な性能を有しており、所望の写真を撮影することができるということを事前に確認できることはできなかった。
【0004】
従来、観光地における写真撮影に関する技術として、以下のような技術が存在する。具体的には、サーバ装置が撮像装置から位置情報を受信すると、位置情報や日時等に対応する画像情報と、画像情報に付加されている、撮影条件を設定するための制御情報とを撮像装置に送信する。そして、撮像装置が画像情報を受信して表示することにより、撮影者は、撮影者がいる場所での撮影シーンに対応するサンプル画像を参照することができる。また、撮像装置が制御情報を受信して撮影条件を設定することにより、撮影者がいる場所等を加味した撮影条件の設定がなされる。しかし、この技術は、撮影者が所持している撮像装置でサンプル画像に近い画像を得るための技術であり、撮像装置の性能を撮影者が検討することはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−348519号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本技術の目的は、一側面においては、撮影機器の性能を適切に把握するための技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本情報処理方法は、コンピュータが、(A)第1の画像データを識別する第1の画像の識別子を端末装置から受信する工程と、(B)画像の撮影位置を含む撮影条件の情報と当該画像を撮影した撮影機器の情報とを当該画像の識別子に対応付けて格納するデータ格納部を参照し、第1の画像の識別子に対応付けられている撮影機器及び撮影条件を特定する工程と、(C)データ格納部を参照し、特定された撮影条件と同一又は類似する撮影条件が対応付けられており、且つ、特定された撮影機器とは異なる撮影機器が対応付けられた第2の画像データの識別子を抽出する工程と、(D)画像データと当該画像の識別子とを対応付けて格納する画像データベースを参照し、第2の画像の識別子に対応付けられている第2の画像データを抽出し、端末装置に送信する工程とを実行する。
【発明の効果】
【0008】
撮影機器の性能を適切に把握できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、第1の実施の形態に係るシステムの概要を示す図である。
【図2】図2は、天候DBに格納されているデータの一例を示す図である。
【図3】図3は、変換テーブル格納部に格納されているデータの一例を示す図である。
【図4】図4は、モデル写真DBに格納されているデータの一例を示す図である。
【図5】図5は、一般写真DBに格納されているデータの一例を示す図である。
【図6】図6は、モデル条件DBに格納されているデータの一例を示す図である。
【図7】図7は、一般条件DBに格納されているデータの一例を示す図である。
【図8】図8は、仕様データ格納部に格納されているデータの一例を示す図である。
【図9】図9は、撮影が行われた際にユーザ端末が実施する処理の処理フローを示す図である。
【図10】図10は、写真データを受信したサーバにおいて行われる処理の処理フローを示す図である。
【図11】図11は、位置データ格納部に格納されているデータの一例を示す図である。
【図12】図12は、GPS端末が位置データを送信する処理の処理フローを示す図である。
【図13】図13は、位置データを受信したサーバにおいて行われる処理の処理フローを示す図である。
【図14】図14は、ユーザからモデル写真の指定を受け付けたユーザ端末において行われる処理の処理フローを示す図である。
【図15】図15は、ユーザ端末に表示される画面の一例を示す図である。
【図16】図16は、モデル写真要求及び一般写真要求を受信したサーバにおいて行われる処理の処理フローを示す図である。
【図17】図17は、モデル写真要求及び一般写真要求を受信したサーバにおいて行われる処理の処理フローを示す図である。
【図18】図18は、類似条件探索処理の処理フローを示す図である。
【図19】図19は、類似条件探索処理の処理フローを示す図である。
【図20】図20は、第2の実施の形態に係るシステムの概要を示す図である。
【図21】図21は、コンピュータの機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[実施の形態1]
第1の実施の形態に係るシステムの概要を図1に示す。例えばインターネットであるネットワーク1には、サーバ3と、デジタルカメラ等の撮影機器(以下では、撮影装置と呼ぶ場合もある)であるユーザ端末5と、GPS(Global Positioning System)機能を備えたGPS端末7(例えばスマートフォンや携帯電話)とが有線又は無線により接続されている。本実施の形態においては、ユーザがユーザ端末5及びGPS端末7の両方を所持しているものとする。なお、ユーザ端末5は、サーバ3に有線あるいは無線通信で接続されることを本来の目的として製造された装置でなくてもよい。
【0011】
サーバ3は、天候DB30と、変換テーブル格納部31と、位置データ格納部32と、モデル写真DB33と、モデル条件DB34と、一般写真DB35と、一般条件DB36と、写真データ登録部37と、写真データ抽出部38と、位置データ管理部39とを含む。
【0012】
写真データ登録部37は、ユーザ端末5から受信した写真データを一般写真DB35に格納したり、ユーザ端末5から受信した撮影条件のデータを一般条件DB36に格納する。写真データ抽出部38は、天候DB30、変換テーブル格納部31、位置データ格納部32、モデル写真DB33、モデル条件DB34、一般写真DB35及び一般条件DB36に格納されているデータを用いて、所定の条件を満たす一般写真のデータを抽出してユーザ端末5に送信する処理等を行う。位置データ管理部39は、GPS端末7から受信した位置データを位置データ格納部32に登録する処理を行う。
【0013】
ユーザ端末5は、仕様データ格納部51と、ユーザデータ格納部52と、写真表示管理部53と、写真データ送信部54とを含む。
【0014】
写真表示管理部53は、仕様データ格納部51及びユーザデータ格納部52に格納されているデータをサーバ3に送信したり、サーバ3から受信したモデル写真及び一般写真のデータを表示部(図示せず)に表示する処理を行う。写真データ送信部54は、撮影された写真のデータをサーバ3に送信する処理を行う。
【0015】
図2に、天候DB30に格納されているデータの一例を示す。図2の例では、日付と、天候のデータとが格納されている。
【0016】
図3に、変換テーブル格納部31に格納されているデータの一例を示す。図3の例では、メーカ名と、モデル名と、実焦点距離と、35ミリ換算焦点距離とが格納されている。画角は主に撮像素子の大きさ及び焦点距離によって決まる。特にデジタルカメラの場合、撮像素子の大きさが撮影機器により異なるため、単純に焦点距離が同じであれば画角も同じであると判定することはできない。そこで、変換テーブル格納部31に格納されているデータを用いて、実焦点距離を35ミリ換算焦点距離に変換するようにし、これによって画角の比較を行うようにする。
【0017】
なお、本実施の形態では、変換テーブル格納部31には、焦点距離に応じた機種間での相違を調節するための情報を格納したが、もちろん、機種間の相違を変換するこれ以外の情報を格納してもよい。
【0018】
例えば、撮影機器には、機器の設定をより簡便に行えるように、写真撮影の状況やユーザの意図する写真構成に応じて選択できる撮影パターン別自動設定機能が用意されている。そこで、変換テーブル格納部31に、メーカや機種に応じて、この撮影パターン別自動設定の各パターンに対応する具体的な機器設定情報を記録する。そして、ユーザ端末5から写真データと関連づけて撮影時に選択した撮影パターン別自動設定情報とをサーバ3が受信する。サーバ3は、モデル条件DB34や一般写真DB35に、受信した撮影パターン別自動設定を記録する。サーバ3は、変換テーブル格納部31を参照し、ある機種で撮影した写真の撮影パターン別自動設定に類似する機器設定をした別機種による写真を特定できる。
【0019】
図4に、モデル写真DB33に格納されているデータの一例を示す。図4の例では、モデル写真IDと、モデル写真データとが格納されている。なお、モデル写真IDは先頭の数文字に観光地IDが含まれており、これによりどの観光地の写真であるかを識別できるようになっている。また、モデル写真DB33には、例えば撮影機器メーカが販売を推奨する撮影機器により撮影された写真のデータや、観光スポットにおける観光協会等が観光客を増やすために公開している写真のデータが格納されているとする。
【0020】
図5に、一般写真DB35に格納されているデータの一例を示す。データ構造は、モデル写真DB33(図4)と同様である。なお、一般写真DB35には、一般のユーザが撮影した写真のデータが格納されているとする。
【0021】
図6に、モデル条件DB34に格納されているデータの一例を示す。図6の例では、モデル写真IDの列と、メーカ名の列と、モデル名の列と、撮影機器のタイプ(類型)の列と、撮影日時の列と、撮影位置の列と、撮影シーンの列と、ストロボ情報の列と、撮影方向の列と、35ミリ換算焦点距離の列とが含まれる。
【0022】
図7に、一般条件DB36に格納されているデータの一例を示す。データ構造は、モデル条件DB(図6)と同様である。
【0023】
なお、モデル条件DB34および一般条件DB36に含まれる撮影方向の情報については、例えば電子コンパスのような方位検知機能を搭載したユーザ端末5またはGPS端末7であれば、撮影時の撮影方向(前方)の方位情報を特定可能なので、この情報を登録する。電子コンパス機能とは、端末の前後・左右方向の地磁気、あるいは、それら2方向に加えて上下方向の地磁気を検出して、方位を特定する機能である。
【0024】
また、ユーザ端末5にもGPS端末7にも上記のような方位検知機能が存在しない場合は、GPS端末7からGPSの位置情報とともに撮影対象物に関する情報を受信することで、サーバ3が撮影方向を特定することも可能である。すなわち、サーバ3は、例えば、電子地図上で撮影対象物の情報をキーにその位置を検索し、受信したGPS位置を基点とする検索結果の位置の方位を算出する。そして、サーバ3は、算出した方位を撮影方向として、モデル条件DB34または一般条件DB36に登録する。
【0025】
図8に、仕様データ格納部51に格納されているデータの一例を示す。図8の例では、メーカ名と、モデル名と、タイプのデータとが格納されている。これらのデータは、ユーザ端末5の仕様を表している。
【0026】
次に、図9を用いて、図1に示したサーバ3、ユーザ端末5及びGPS端末7の動作について説明する。はじめに、ユーザがユーザ端末5を用いて写真を撮影した場合に行われる処理について説明する。
【0027】
例えば、ユーザがユーザ端末5及びGPS端末7を携帯して観光をしている際に、ユーザ端末5を用いて写真を撮影したとする。すると、ユーザ端末5における写真データ送信部54は、撮像部(図示せず)により撮像が行われたことを検出する(図9:ステップS1)。
【0028】
そして、写真データ送信部54は、ユーザ端末5の仕様データを仕様データ格納部51(図8)から読み出し、当該仕様データ及び撮像部により生成された写真データをサーバ3に送信する(ステップS3)。送信する仕様データには、ユーザ端末5のメーカ名、モデル名及びタイプのデータが含まれる。
【0029】
また、写真データ送信部54は、ユーザ端末5がGPS機能を有しているかを判断する(ステップS5)。第1の実施の形態では、ユーザ端末5はGPS機能を有していないので(ステップS5:Noルート)、写真データ送信部54は、ユーザIDをユーザデータ格納部52から読み出し、サーバ3に送信する(ステップS9)。なお、ユーザ端末5がGPS機能を有している場合(ステップS5:Yesルート)については、第2の実施の形態で説明する。
【0030】
さらに、写真データ送信部54は、撮像部により生成された写真データに付加されているEXIF(exchangeable image file format)情報を抽出し、撮影条件のデータとしてサーバ3に送信する(ステップS11)。そして処理を終了する。なお、撮影条件のデータは、ステップS3において写真データと共にサーバ3に送信するようにしてもよい。
【0031】
以上のような処理を実施することにより、ユーザが撮影した写真のデータをサーバ3に登録させることができるようになる。
【0032】
次に、図10及び図11を用いて、ユーザ端末5から写真データを受信したサーバ3において行われる処理について説明する。まず、サーバ3における写真データ登録部37は、仕様データ及び写真データをユーザ端末5から受信する(図10:ステップS21)。そして、写真データ登録部37は、受信した写真データに一般写真IDを割り当て、一般写真ID及び写真データを一般写真DB35(図5)に登録する(ステップS23)。また、写真データ登録部37は、ステップS23において割り当てた一般写真ID及び仕様データを一般条件DB36(図7)に登録する(ステップS25)。
【0033】
そして、写真データ登録部37は、ユーザIDをユーザ端末5から受信したか判断する(ステップS27)。ユーザIDをユーザ端末5から受信した(すなわち、ユーザ端末においてステップS9の処理が行われた)場合(ステップS27:Yesルート)、受信したユーザIDに係るユーザの位置データを位置データ格納部32から抽出し、一般写真IDに対応付けて一般条件DB36(図7)の撮影位置の列に格納する(ステップS31)。
【0034】
図11に、位置データ格納部32に格納されているデータの一例を示す。図11の例では、日時と、緯度及び経度で示された位置データとが格納されている。位置データ格納部32には、ユーザID毎に位置データが格納されている。
【0035】
一方、ユーザIDをユーザ端末5から受信していない場合(すなわち、ユーザ端末5においてステップS7の処理が行われた)場合(ステップS27:Noルート)、ユーザ端末5から受信した位置データを一般写真IDに対応付けて一般条件DB36(図7)に登録する(ステップS29)。
【0036】
そして、写真データ登録部37は、ユーザ端末5から受信した撮影条件のデータを一般条件DB36(図7)に登録する(ステップS33)。そして処理を終了する。
【0037】
以上のような処理を実施することにより、一般写真に関するデータを一般写真DB35及び一般条件DB36(図7)に蓄積することができるようになる。
【0038】
次に、図12を用いて、GPS端末7がサーバ3に位置データを送信する処理について説明する。GPS端末7はユーザに携帯されており、GPS端末7における位置データ処理部71が、所定時間(例えば10秒)間隔で所定の基地局等からユーザの現在位置のデータを取得する(図12:ステップS41)。そして、位置データ処理部71は、図示しない記憶装置等に格納されているユーザIDを読み出し、読み出したユーザIDと現在位置のデータとをサーバ3に送信する(ステップS43)。そして処理を終了する。
【0039】
このような処理を実施すれば、ユーザの撮影機器にGPS機能が備えられていない場合においても、サーバ3にユーザの現在位置のデータを送信することができるようになる。
【0040】
次に、図13を用いて、現在位置のデータを受信したサーバ3において行われる処理について説明する。まず、サーバ3における位置データ管理部39は、GPS端末7からユーザID及び現在位置のデータを受信する(図13:ステップS51)。そして、位置データ管理部39は、位置データ格納部32(図11)における、ユーザ端末5のユーザ用のデータを格納する領域に、日時及び現在位置のデータを登録する(ステップS53)。そして処理を終了する。
【0041】
このような処理を実施することにより、サーバ3においてユーザ毎に位置データを管理することができるようになる。
【0042】
次に、図14及び図15を用いて、サーバ3から受信した写真のデータをユーザ端末5のユーザが閲覧するための処理について説明する。ユーザは、観光地において撮影された写真を閲覧できるウェブページをユーザ端末5の表示部(図示せず)に表示させる。ここで、ユーザは、まず表示部に指示を与えることにより観光地を指定し、当該観光地において撮影されたモデル写真を見ることを要求する。すると、ユーザ端末5の写真表示管理部53は、ユーザから観光地の指定を受け付け(図14:ステップS61)、指定された観光地のIDを含むモデル写真要求をサーバ3に送信する(ステップS63)。
【0043】
そして、ユーザ端末5の写真表示管理部53は、モデル写真要求に応答したサーバ3からモデル写真のデータを受信し、メインメモリ等の記憶装置に格納する(ステップS65)。ステップS65においては、モデル写真の撮影条件のデータも受信するようにしてもよい。
【0044】
また、写真表示管理部53は、受信したモデル写真のデータを表示部(図示せず)に表示し、ユーザからモデル写真の指定を受け付ける(ステップS67)。ユーザは、指定した観光地において撮影されたモデル写真のデータを閲覧し、自身も撮影してみたいと考えるモデル写真を指定するとする。
【0045】
さらに、写真表示管理部53は、仕様データ格納部51(図8)から仕様データを読み出し(ステップS69)、読み出された仕様データ及びステップS67において指定されたモデル写真のIDを含む一般写真要求をサーバ3に送信する(ステップS71)。
【0046】
そして、写真表示管理部53は、一般写真要求に応答したサーバ3から、一般写真及び当該一般写真の撮影条件のデータを受信する(ステップS73)。そして、写真表示管理部39は、モデル写真及び一般写真のデータと、一般写真の撮影条件のデータ(ステップS67においてモデル写真の撮影条件のデータを受信している場合には、モデル写真の撮影条件のデータも含む)とを含む表示データを生成し、表示部(図示せず)に表示する(ステップS75)。そして処理を終了する。
【0047】
なお、写真表示管理部53は、ステップS73において、一般写真及び当該一般写真の撮影条件のデータと共に、モデル写真及び当該モデル写真の撮影条件のデータを含む表示データを受信して、その表示データをステップ75で表示部に表示しても良い。
【0048】
図15に、ステップS75において表示される表示画面の一例を示す。図15の例では、モデル写真と一般写真とが併置して表示されるようになっている。また、モデル写真の撮影条件及び一般写真の撮影条件のデータが表示されるようになっている。
【0049】
以上のように、撮影条件が類似する写真を併置して表示することで、ユーザが撮影機器の性能を適切に比較することができるようになる。すなわち、写真が併置されて表示されるため、複数の写真の写り具合の違いを細かく、且つ、容易に比較することができる。また、自身が所持する撮影機器でどのような写真を撮ることができるかを知ることができるようになる。また、自身が所持する撮影機器での撮影時の各種設定について、その撮影条件を参考にすることができる。
【0050】
次に、図16を用いて、モデル写真要求を受信したサーバ3において行われる処理について説明する。まず、サーバ3における写真データ抽出部38は、観光地IDを含むモデル写真要求をユーザ端末5から受信する(図16:ステップS81)。
【0051】
また、写真データ抽出部38は、観光地IDが含まれるモデル写真IDに対応付けられているモデル写真のデータをモデル写真DB33(図4)から抽出し、ユーザ端末5に送信する(ステップS83)。この後、ユーザ端末5においてはモデル写真が指定される。なお、ステップS83においては、モデル写真IDに対応付けられている撮影条件のデータをモデル条件DB34(図6)から抽出し、モデル写真のデータと共にユーザ端末5に送信する場合もある。
【0052】
そして、写真データ抽出部38は、モデル写真の指定を受け付けたユーザ端末5から、モデル写真ID及び仕様データを含む一般写真要求を受信し、メインメモリ等の記憶装置に格納する(ステップS85)。また、写真データ抽出部38は、受信したモデル写真IDに対応付けられている撮影条件のデータをモデル条件DB34(図6)から特定し、メインメモリ等の記憶装置に格納する(ステップS87)。そして、写真データ抽出部38は、類似条件探索処理を実施する(ステップS89)。類似条件探索処理については、図18及び図19を用いて説明する。
【0053】
まず、写真データ抽出部38は、モデル写真の撮影日と同一の撮影日の一般写真が有るか判断する(図18:ステップS121)。モデル写真の撮影日と同一の撮影日の一般写真が有ると判断された場合(ステップS121:Yesルート)、写真データ抽出部38は、撮影日が同じである一般写真のIDを一般条件DB36(図7)から特定し、メインメモリ等の記憶装置に格納する(ステップS123)。
【0054】
一方、モデル写真の撮影日と同一の撮影日の一般写真が無いと判断された場合(ステップS121:Noルート)、写真データ抽出部38は、モデル写真の撮影日と天候が同じであり且つモデル写真の撮影日に最も近い日を天候DB30から特定する(ステップS125)。そして、写真データ抽出部38は、ステップS125において特定された日と同じ日に撮影された一般写真のIDを一般条件DB36(図7)から特定し、メインメモリ等の記憶装置に格納する(ステップS127)。なお、ステップS125において特定された日と同じ日に撮影された一般写真が無い場合には、ステップS125において特定された日に最も近い日を特定するようにしてもよい。
【0055】
そして、写真データ抽出部38は、ステップS123又はS127において特定された一般写真の中に、撮影時刻の差が1時間以内である一般写真が有るか判断する(ステップS129)。撮影時刻の差が1時間以内である一般写真が有ると判断された場合(ステップS129:Yesルート)、写真データ抽出部38は、撮影時刻の差が1時間以内である一般写真のIDを一般条件DB36(図7)から特定し、メインメモリ等の記憶装置に格納する(ステップS131)。
【0056】
一方、撮影時刻の差が1時間以内である一般写真が無いと判断された場合(ステップS129:Noルート)、写真データ抽出部38は、撮影時刻の差が3時間以内である一般写真のIDを一般条件DB36(図7)から特定し、メインメモリ等の記憶装置に格納する(ステップS133)。なお、撮影時刻の差が3時間以内である一般写真が無い場合には、さらに条件を緩くして特定するようにしてもよい(例えば6時間以内など)。また、判断対象の一般写真の数によっては、時間を短くしても良い(例えば、30分以内という条件で有無を判断し、その後で1時間以内という条件で有無を判断する)し、逆に長くしても良い。
【0057】
そして、写真データ抽出部38は、ステップS131又はS133において特定された一般写真の中に、撮影位置のずれが直線距離で3メートル以内である一般写真が有るか判断する(ステップS135)。ステップS135においては、緯度及び経度のデータを用いて距離を算出することにより判断する。撮影位置のずれが直線距離で3メートル以内である一般写真が有ると判断された場合(ステップS135:Yesルート)、写真データ抽出部38は、撮影位置のずれが直線距離で3メートル以内である一般写真のIDを一般条件DB36(図7)から特定し、メインメモリ等の記憶装置に格納する(ステップS137)。
【0058】
一方、撮影位置のずれが直線距離で3メートル以内である一般写真が無いと判断された場合(ステップS135:Noルート)、写真データ抽出部38は、撮影位置のずれが直線距離で10メートル以内である一般写真のIDを一般条件DB36(図7)から特定し、メインメモリ等の記憶装置に格納する(ステップS139)。なお、撮影位置のずれが直線距離で10メートル以内である一般写真が無い場合には、さらに条件を緩くして特定するようにしてもよい(例えば15メートル以内など)。処理は端子Cを介して図19のステップS141の説明に移行する。なお、判断対象の一般写真の数によっては、範囲を狭くしても良い(例えば、1メートル以内の有無を判断し、その後で3メートル以内の有無を判断する)し、また、逆に広くしても良い。
【0059】
図19の説明に移行し、写真データ抽出部38は、ステップS137又はS139において特定された一般写真の中に、撮影方向の差が5度以内である一般写真が有るか判断する(ステップS141)。撮影方向の差が5度以内である一般写真が有ると判断された場合(ステップS141:Yesルート)、写真データ抽出部38は、撮影方向の差が5度以内である一般写真のIDを一般条件DB36(図7)から特定し、メインメモリ等の記憶装置に格納する(ステップS143)。
【0060】
一方、撮影方向の差が5度以内である一般写真が無いと判断された場合(ステップS141:Noルート)、写真データ抽出部38は、撮影方向の差が10度以内である一般写真のIDを一般条件DB36(図7)から特定し、メインメモリ等の記憶装置に格納する(ステップS145)。撮影方向の差が10度以内である一般写真が無い場合には、さらい条件を緩くして特定するようにしてもよい(例えば15度以内など)。また、判断対象の一般写真の数によっては、範囲を狭くしても良い(例えば、3度以内の有無を判断し、その後で5度以内の有無を判断する)し、また、逆に広くしても良い。
【0061】
そして、写真データ抽出部38は、ステップS143又はS145において特定された一般写真の中に、モデル写真の撮影シーンと同一の撮影シーンの一般写真が有るか判断する(ステップS147)。モデル写真の撮影シーンと同一の撮影シーンの一般写真が有ると判断された場合(ステップS147:Yesルート)、写真データ抽出部38は、撮影シーンが同一である一般写真のIDを一般条件DB36(図7)から特定し、メインメモリ等の記憶装置に格納する(ステップS153)。そしてステップS155の処理に移行する。
【0062】
一方、モデル写真の撮影シーンと同一の撮影シーンの一般写真が無いと判断された場合(ステップS147:Noルート)、写真データ抽出部38は、モデル写真の撮影シーンが夜景であるか判断する(ステップS149)。モデル写真の撮影シーンが夜景であると判断された場合(ステップS149:Yesルート)、写真データ抽出部38は、該当する一般写真が無いと判定し、判定結果を表すデータをメインメモリ等の記憶装置に格納する(ステップS157)。夜景とその他の撮影シーンでは、写真の様相が大きく変わってしまうからである。
【0063】
一方、モデル写真の撮影シーンが夜景では無いと判断された場合(ステップS149:Noルート)、写真データ抽出部38は、夜景以外の撮影シーンで撮影された一般写真のIDを一般条件DB36(図7)から特定し、メインメモリ等の記憶装置に格納する(ステップS151)。
【0064】
そして、写真データ抽出部38は、ステップS151又はS153において特定された一般写真の中に、ストロボに関する条件が同じである一般写真が有るか判断する(ステップS155)。ストロボに関する条件が同じである一般写真が無いと判断された場合(ステップS155:Noルート)、ステップS157の処理に移行する。ストロボの条件が異なると写真の様相が大きく変わってしまうからである。
【0065】
一方、ストロボに関する条件が同じである一般写真が有ると判断された場合(ステップS155:Yesルート)、写真データ抽出部38は、ストロボに関する条件が同じである一般写真のIDを一般条件DB36(図7)から特定し、メインメモリ等の記憶装置に格納する(ステップS159)。そして元の処理に戻る。
【0066】
以上のような処理を実施することにより、モデル写真の撮影条件に類似する(同一である場合もある)撮影条件で撮影された一般写真を適切に特定することができるようになる。
【0067】
図16の説明に戻り、写真データ抽出部38は、類似条件探索処理において撮影条件が類似する一般写真が特定されたか判断する(ステップS91)。撮影条件が類似する一般写真が特定されていないと判断された場合(ステップS91:Noルート)、写真データ抽出部38は、該当する一般写真が無い旨を表す通知をユーザ端末5に送信する(ステップS95)。そして端子Bを介して処理を終了する。
【0068】
一方、撮影条件が類似する一般写真が特定されたと判断された場合(ステップS91:Yesルート)、写真データ抽出部38は、ステップS159において特定された一般写真の中に、ユーザ端末5と同一タイプの撮影機器で撮影された一般写真が有るかを判断する(ステップS93)。ステップS93においては、一般条件DB36(図7)におけるタイプのデータが、モデル写真の撮影機器のタイプのデータと同じであるか否かにより判断する。ユーザ端末5と同一タイプの撮影機器で撮影された一般写真が無いと判断された場合(ステップS93:Noルート)、ステップS95の処理に移行する。
【0069】
一方、ユーザ端末5と同一タイプの撮影機器で撮影された一般写真が有ると判断された場合(ステップS93:Yesルート)、写真データ抽出部38は、ユーザ端末5と同一タイプの撮影機器で撮影された一般写真のIDを一般条件DB36(図7)から特定し、メインメモリ等の記憶装置に格納する(ステップS97)。処理は端子Aを介して図17のステップS97に移行する。
【0070】
図17の説明に移行し、写真データ抽出部38は、ステップS97において特定された一般写真から未処理の一般写真(以下、処理対象の一般写真とする)を1つ特定する(ステップS99)。そして、写真データ抽出部38は、一般条件DB36(図7)において、処理対象の一般写真のIDに対応付けられている撮影条件のデータを一般条件DB36(図7)から特定し、当該撮影条件のデータに35ミリ換算焦点距離が含まれるか判断する(ステップS101)。一般写真の撮影条件のデータに35ミリ換算焦点距離が含まれないと判断された場合(ステップS101:Noルート)、写真データ抽出部38は、処理対象の一般写真の撮影条件のデータに含まれるメーカ名、モデル名及び実焦点距離のデータの組み合わせに対応する35ミリ換算焦点距離を変換テーブル格納部31から特定し、メインメモリ等の記憶装置に格納する(ステップS103)。
【0071】
一方、一般写真の撮影条件のデータに35ミリ換算の焦点距離が含まれると判断された場合(ステップ101:Yesルート)、写真データ抽出部38は、未処理の一般写真が有るか判断する(ステップS105)。未処理の一般写真が有ると判断された場合(ステップS105:Yesルート)、次の一般写真について処理するため、ステップS99の処理に戻る。
【0072】
一方、未処理の一般写真が無いと判断された場合(ステップS105:Noルート)、写真データ抽出部38は、モデル写真のIDに対応付けられている撮影条件のデータをモデル条件DB34(図6)から特定し、当該撮影条件のデータに35ミリ換算焦点距離が含まれるか判断する(ステップS107)。モデル写真の撮影条件のデータに35ミリ換算焦点距離が含まれないと判断された場合(ステップS107:Noルート)、写真データ抽出部38は、モデル写真の撮影条件のデータに含まれるメーカ名、モデル名及び実焦点距離のデータの組み合わせに対応する35ミリ換算焦点距離を変換テーブル格納部31から特定し、メインメモリ等の記憶装置に格納する(ステップS109)。
【0073】
一方、モデル写真の撮影条件のデータに35ミリ換算の焦点距離が含まれると判断された場合(ステップS107:Yesルート)、写真データ抽出部38は、ステップS97において特定された一般写真のうち、35ミリ換算焦点距離がモデル写真の35ミリ換算焦点距離に最も近い一般写真を特定する(ステップS111)。
【0074】
また、写真データ抽出部38は、特定された一般写真のIDに対応付けられている一般写真のデータを一般写真DB35(図5)から抽出し、また特定された一般写真のIDに対応付けられている撮影条件のデータを一般条件DBB36(図7)から抽出する。そして、写真データ抽出部38は、抽出された一般写真のデータ及び当該一般写真の撮影条件のデータをユーザ端末5に送信する(ステップS113)。そして処理を終了する。
【0075】
なお、写真データ抽出部38は、ステップS113において、一般写真及び当該一般写真の撮影条件のデータと共に、モデル写真及び当該モデル写真の撮影条件のデータを含む表示データを生成し、その表示データをユーザ端末5に送信してもよい。
【0076】
以上のような処理を実施することにより、ユーザ端末5においては、モデル写真と、当該モデル写真と類似する撮影条件で撮影され且つユーザ端末5と同一タイプの撮影機器で撮影された一般写真とをユーザに提示することができるようになる。これにより、ユーザは、モデル写真と、ユーザ端末5で撮影する写真に近い写真とを同時に比較することができ、撮影装置の性能を適切に検討することができるようになる。さらに、ユーザはユーザ端末5で撮影する場合の好ましい撮影条件を入手できるので、その撮影条件を、撮影時のユーザ端末5の各種設定に関する参考情報として利用できる。
【0077】
なお、本実施の形態では、ユーザ端末5と同一種類の撮影装置で撮影された一般写真が無いと判断された場合(ステップS93:Noルート)は、ユーザ端末5には該当する写真が無い旨を通知する(ステップS95)が、別の処理も可能である。
【0078】
すなわち、撮影条件が類似する一般写真が特定されたと判断された場合(ステップS91:Yesルート)であれば、同一種類の撮影装置で撮影された写真の有無に限らず、サーバ3はステップS99の処理に移行し、モデル写真と同一または類似の撮影条件の一般写真を特定し、特定された一般写真およびその撮影条件をユーザ端末に送信する。
【0079】
このような処理をサーバ3が実行することで、ユーザ端末5を使用するユーザは、同一種類の撮影装置に限らず、複数の撮影装置による写真を比較検討することが可能になる。なお、このような処理を実行する場合には、ユーザ端末5はステップS21において仕様データをサーバ3に対して送信しなくてもよい。
【0080】
さらに、サーバ3がユーザ端末5に送信すべき一般写真を特定する処理を以下のように実行しても良い。
【0081】
サーバ3は、ステップS89において、写真を特定する毎に、一般条件DB36(図7)を参照して撮影装置のメーカ名・モデル名・タイプを識別し、以降、同一種類の撮影装置で撮影した写真を送信すべき写真として特定しないようにする。
【0082】
このような処理をサーバ3が実行することで、撮影装置の種類が重複することなく、複数種類の撮影装置で撮影した写真をユーザ端末5に送信できる。ユーザ端末5を使用するユーザは、撮影装置の種類が重複しない写真を比較できるので、撮影装置の違いによる写真の比較がさらに容易となる。
【0083】
また、このような処理を実行する場合、サーバ3は、ステップS87においてモデル写真の撮影条件を特定する際に、モデル写真を撮影した撮影装置を識別しておく。そして、ステップS91において、モデル写真を撮影した撮影装置に対応づけられた一般写真は、送信すべき写真として特定しないようにしてもよい。
【0084】
このようにすれば、ユーザ端末5に送信される写真は、モデル写真を撮影した撮影装置とは異なる撮影装置によって撮影された写真だけになるので、撮影装置の違いによる写真の比較がさらに容易になる。
【0085】
なお、本実施例では、ユーザ端末5が直接サーバ3とのデータ通信を行うようにしているが、このような例には限られない。例えば、ユーザ端末5の写真データを一旦GPS端末7に格納したうえ、GPS端末7がサーバ3に送信しても良い。
【0086】
また、モデル写真の指定及び一般写真データの表示に関する処理(図14に説明される一連の処理フロー)を、ユーザ端末5ではなく、GPS端末7が実行しても良い。或いは、例えばユーザが使用する他の情報処理装置(例えばパーソナルコンピュータ、図示せず)が実行しても良い。但し、GPS端末7や当該他の情報処理装置は、ユーザが所持するユーザ端末5をサーバ3に指定する場合は、ユーザ端末5を識別する情報(例えば、メーカ名、モデル名、タイプ)を明示的にサーバ3に送信する。このような処理を想定した場合は、ユーザ端末5は、写真表示管理53や写真データ54を有していなくてもよい。
【0087】
[実施の形態2]
第2の実施の形態に係るシステムの概要を図20に示す。例えばインターネットであるネットワーク1には、サーバ3と、カメラ機能及びGPS機能を備えたユーザ端末5とが有線又は無線により接続されている。本実施例におけるユーザ端末5も、サーバ3に通信接続されることを本来の目的として製造された装置でなくてもよい。
【0088】
第2の実施の形態は、ユーザがユーザ端末5だけを所持している点で第1の実施の形態と異なっている。ユーザ端末5は、位置データ処理部55を有しており、当該位置データ処理部55が所定の基地局等から位置データを取得して、サーバ3に送信する(ステップS7)。すなわち、ユーザ端末5は、ステップS5の処理においてはYesルートを介してステップS7の処理を実施する。
【0089】
そのため、サーバ3は位置データをユーザ毎に管理しておかなくてもよいので、サーバ3には位置データ格納部32及び位置データ管理部39は設けられていない。
【0090】
このような第2の実施の形態を採用しても、第1の実施の形態と同様の効果を実現することができるようになる。
【0091】
以上本技術の一実施の形態を説明したが、本技術はこれに限定されるものではない。例えば、上で説明したサーバ3、ユーザ端末5及びGPS端末7の機能ブロック図は必ずしも実際のプログラムモジュール構成に対応するものではない。
【0092】
また、上で説明した各テーブルの構成は一例であって、必ずしも上記のような構成でなければならないわけではない。さらに、処理フローにおいても、処理結果が変わらなければ処理の順番を入れ替えることも可能である。さらに、並列に実行させるようにしても良い。
【0093】
なお、ステップS93の処理においては、ユーザが所持する撮影機器と同一タイプの撮影機器を特定するようにしているが、全く同一の撮影機器(例えばメーカ名及びモデル名が同じ撮影機器)を特定するようにしてもよい。
【0094】
また、ステップS129乃至S145において閾値として使用している具体的な数値は、上記のような値に限られるわけではない。
【0095】
また、ユーザ端末5が撮影機器ではない場合には、サーバ3との間で通信を行うことができるユーザ端末5に、撮影機器から写真データを取り込み、ユーザ端末5が当該写真データをサーバ3に送信するようにしてもよい。
【0096】
なお、上で述べたサーバ3は、コンピュータ装置であって、図21に示すように、メモリ2501とCPU2503とハードディスク・ドライブ(HDD)2505と表示装置2509に接続される表示制御部2507とリムーバブル・ディスク2511用のドライブ装置2513と入力装置2515とネットワークに接続するための通信制御部2517とがバス2519で接続されている。オペレーティング・システム(OS:Operating System)及び本実施例における処理を実施するためのアプリケーション・プログラムは、HDD2505に格納されており、CPU2503により実行される際にはHDD2505からメモリ2501に読み出される。CPU2503は、アプリケーション・プログラムの処理内容に応じて表示制御部2507、通信制御部2517、ドライブ装置2513を制御して、所定の動作を行わせる。また、処理途中のデータについては、主としてメモリ2501に格納されるが、HDD2505に格納されるようにしてもよい。本技術の実施例では、上で述べた処理を実施するためのアプリケーション・プログラムはコンピュータ読み取り可能なリムーバブル・ディスク2511に格納されて頒布され、ドライブ装置2513からHDD2505にインストールされる。インターネットなどのネットワーク及び通信制御部2517を経由して、HDD2505にインストールされる場合もある。このようなコンピュータ装置は、上で述べたCPU2503、メモリ2501などのハードウエアとOS及びアプリケーション・プログラムなどのプログラムとが有機的に協働することにより、上で述べたような各種機能を実現する。
【0097】
なお、図1及び図20に示した各処理部は、CPU2503及びプログラムの組み合わせ、すなわち、CPU2503がプログラムを実行することにより実現してもよい。より具体的には、CPU2503は、HDD2505又はメモリ2501に記憶されたプログラムに従った動作を行うことで、上で述べたような処理部として機能してもよい。また、図2及び図20に示した各データ格納部は、図21におけるメモリ2501やHDD2505等として実現してもよい。
【0098】
以上述べた本技術の実施の形態をまとめると以下のようになる。
【0099】
本実施の形態に係る情報処理方法は、(A)第1の撮影機器の情報及び第1の写真の識別子をユーザの端末から受信するステップと、(B)写真の撮影位置及び撮影日時の情報を含む撮影条件と当該写真を撮影した撮影機器の情報とを当該写真の識別子に対応付けて格納するデータ格納部から、第1の写真の識別子に対応付けられている撮影条件を特定するステップと、(C)特定された撮影条件と同一又は類似する撮影条件が対応付けられており且つ第1の撮影機器と同一種類(例えば、コンパクトデジタル、デジタル一眼レフといった類型)の撮影機器の情報が対応付けられている第2の写真の識別子を、データ格納部から抽出する抽出ステップと、(D)写真のデータを当該写真の識別子に対応付けて格納する写真データベースから、第2の写真の識別子に対応付けられている第2の写真のデータを抽出し、ユーザの端末に送信する送信ステップとを含む。
【0100】
このようにすれば、ユーザは、第1の写真と同一又は類似する撮影条件の下で第1の撮影機器を用いて撮影を行った場合にどのような写真を撮影できるかを知ることができるようになる。これにより、ユーザは第1の撮影機器の性能を適切に把握できるようになる。
【0101】
また、上で述べた撮影条件には、撮影方向の情報がさらに含まれるようにしてもよい。このようにすれば、第1の写真の被写体と同じ被写体を撮影した可能性が高い写真をユーザに提示することができるようになる。
【0102】
また、上で述べたデータ格納部には、写真の識別子に対応付けて実焦点距離の情報がさらに格納されていてもよい。そして、本方法が、(E)第1及び第2の写真の識別子に対応付けられている実焦点距離の情報をデータ格納部から抽出し、当該実焦点距離を、実焦点距離と所定条件下における焦点距離との対応関係を表すデータを格納する変換テーブルを用いて、所定条件下における焦点距離に変換するステップと、(F)第2の写真の識別子のうち、変換後の焦点距離が第1の写真についての変換後の焦点距離に最も近い第3の写真の識別子を特定するステップとをさらに含むようにしてもよい。そして、上で述べた送信ステップにおいて、第3の写真の識別子に対応付けられている写真のデータを写真データベースから抽出し、ユーザの端末に送信するようにしてもよい。このようにすれば、第1の写真の画角に近い画角で撮影した写真をユーザに提示することができるようになる。
【0103】
また、第2の写真の識別子に対応付けられている撮影条件をデータ格納部から抽出し、ユーザの端末に送信するようにしてもよい。このようにすれば、ユーザは、第1の写真のような写真を第1の撮影機器で撮影するための撮影条件を知ることができるようになる。
【0104】
なお、上記方法による処理をコンピュータに行わせるためのプログラムを作成することができ、当該プログラムは、例えばフレキシブルディスク、CD−ROM、光磁気ディスク、半導体メモリ、ハードディスク等のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体又は記憶装置に格納される。尚、中間的な処理結果はメインメモリ等の記憶装置に一時保管される。
【0105】
以上の実施例を含む実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0106】
(付記1)
コンピュータが、
第1の画像データを識別する第1の画像の識別子を端末装置から受信する受信ステップと、
画像の撮影位置を含む撮影条件の情報と当該画像を撮影した撮影機器の情報とを当該画像の識別子に対応付けて格納するデータ格納部を参照し、前記第1の画像の識別子に対応付けられている撮影機器及び撮影条件を特定するステップと、
前記データ格納部を参照し、特定された前記撮影条件と同一又は類似する撮影条件が対応付けられており、且つ、特定された前記撮影機器とは異なる撮影機器が対応付けられた第2の画像データの識別子を抽出する抽出ステップと、
画像データと当該画像の識別子とを対応付けて格納する画像データベースを参照し、前記第2の画像の識別子に対応付けられている第2の画像データを抽出し、前記端末装置に送信する送信ステップと、
を実行することを特徴とする情報処理方法。
【0107】
(付記2)
前記コンピュータは、
前記受信ステップにおいて、さらに、第1の撮影機器を識別する第1の撮影機器の識別子を受信し、
前記抽出ステップにおいて、前記データ格納部を参照し、特定された前記撮影条件と同一又は類似する撮影条件に対応付けられ、且つ、受信した前記第1の撮影機器の識別子に対応付けられた第2の画像データの識別子を抽出する
ことを特徴とする付記1記載の情報処理方法。
【0108】
(付記3)
前記撮影条件には、撮影日時又は撮影方向の情報がさらに含まれ、
前記コンピュータは、
前記抽出ステップにおいて、特定された前記撮影条件に含まれる撮影日時又は撮影方向と同一または類似する撮影日時又は撮影方向が対応付けられた前記第2の画像データの識別子を抽出する
ことを特徴とする付記1記載の情報処理方法。
【0109】
(付記4)
前記撮影条件には、画像が撮影された際の実焦点距離の情報がさらに含まれ、
前記コンピュータは、
前記抽出ステップにおいて、実焦点距離と所定条件下における焦点距離との対応関係を表すデータを格納する変換テーブルを参照して、前記データ格納部に記憶された前記撮影条件の実焦点距離を変換し、前記第1の画像の識別子に対応付けられた撮影条件と同一または類似する撮影条件に対応づけられた前記第2の画像データの識別子を抽出する
ことを特徴とする付記1記載の情報処理方法。
【0110】
(付記5)
端末装置から指定された第1の画像データに基づき、第2の画像データを当該端末装置へ送信する情報処理装置であって、
画像の撮影位置を含む撮影条件の情報と当該画像を撮影した撮影機器の情報を当該画像の識別子に対応付けて格納したデータ格納部と、
画像と当該画像の識別子を対応付けて格納した画像データベースと、
前記第1の画像を識別する第1の画像の識別子を端末装置から受信する受信部と、
前記データ格納部を参照し、前記第1の画像の識別子に対応付けられている撮影機器及び撮影条件を特定する特定部と、
前記データ格納部を参照し、特定された前記撮影条件と同一又は類似する撮影条件が対応付けられており、且つ、特定された前記撮影機器とは異なる撮影機器が対応付けられた第2の画像の識別子を抽出する抽出部と、
前記画像データベースを参照し、当該第2の画像データの識別子に対応付けられている第2の画像データを抽出し、前記端末装置に送信する写真データ処理部と、
を有する情報処理装置。
【符号の説明】
【0111】
1 ネットワーク 3 サーバ
5 ユーザ端末 7 GPS端末
30 天候DB 31 変換テーブル格納部
32 位置データ格納部 33 モデル写真DB
34 モデル条件DB 35 一般写真DB
36 一般条件DB 37 写真データ登録部
38 写真データ抽出部 39 位置データ管理部
51 仕様データ格納部 52 ユーザデータ格納部
53 写真表示管理部 54 写真データ送信部
55,71 位置データ処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータが、
第1の画像データを識別する第1の画像の識別子を端末装置から受信する受信ステップと、
画像の撮影位置を含む撮影条件の情報と当該画像を撮影した撮影機器の情報とを当該画像の識別子に対応付けて格納するデータ格納部を参照し、前記第1の画像の識別子に対応付けられている撮影機器及び撮影条件を特定するステップと、
前記データ格納部を参照し、特定された前記撮影条件と同一又は類似する撮影条件が対応付けられており、且つ、特定された前記撮影機器とは異なる撮影機器が対応付けられた第2の画像データの識別子を抽出する抽出ステップと、
画像データと当該画像の識別子とを対応付けて格納する画像データベースを参照し、前記第2の画像の識別子に対応付けられている第2の画像データを抽出し、前記端末装置に送信する送信ステップと、
を実行することを特徴とする情報処理方法。
【請求項2】
前記コンピュータは、
前記受信ステップにおいて、さらに、第1の撮影機器を識別する第1の撮影機器の識別子を受信し、
前記抽出ステップにおいて、前記データ格納部を参照し、特定された前記撮影条件と同一又は類似する撮影条件に対応付けられ、且つ、受信した前記第1の撮影機器の識別子に対応付けられた第2の画像データの識別子を抽出する
ことを特徴とする請求項1記載の情報処理方法。
【請求項3】
前記撮影条件には、撮影日時又は撮影方向の情報がさらに含まれ、
前記コンピュータは、
前記抽出ステップにおいて、特定された前記撮影条件に含まれる撮影日時又は撮影方向と同一または類似する撮影日時又は撮影方向が対応付けられた前記第2の画像データの識別子を抽出する
ことを特徴とする請求項1記載の情報処理方法。
【請求項4】
前記撮影条件には、画像が撮影された際の実焦点距離の情報がさらに含まれ、
前記コンピュータは、
前記抽出ステップにおいて、実焦点距離と所定条件下における焦点距離との対応関係を表すデータを格納する変換テーブルを参照して、前記データ格納部に記憶された前記撮影条件の実焦点距離を変換し、前記第1の画像の識別子に対応付けられた撮影条件と同一または類似する撮影条件に対応づけられた前記第2の画像データの識別子を抽出する
ことを特徴とする請求項1記載の情報処理方法。
【請求項5】
端末装置から指定された第1の画像データに基づき、第2の画像データを当該端末装置へ送信する情報処理装置であって、
画像の撮影位置を含む撮影条件の情報と当該画像を撮影した撮影機器の情報を当該画像の識別子に対応付けて格納したデータ格納部と、
画像と当該画像の識別子を対応付けて格納した画像データベースと、
前記第1の画像を識別する第1の画像の識別子を端末装置から受信する受信部と、
前記データ格納部を参照し、前記第1の画像の識別子に対応付けられている撮影機器及び撮影条件を特定する特定部と、
前記データ格納部を参照し、特定された前記撮影条件と同一又は類似する撮影条件が対応付けられており、且つ、特定された前記撮影機器とは異なる撮影機器が対応付けられた第2の画像の識別子を抽出する抽出部と、
前記画像データベースを参照し、当該第2の画像データの識別子に対応付けられている第2の画像データを抽出し、前記端末装置に送信する写真データ処理部と、
を有する情報処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2012−190290(P2012−190290A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−53626(P2011−53626)
【出願日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】