説明

情報処理装置、プログラム、及び無線印刷方法

【課題】端末からできる限り近い印刷装置で印刷を行う。
【解決手段】情報処理装置は、アクセスポイントを介して他の装置と無線通信を行う第
一モードと、アクセスポイントを介さずに他の装置と無線通信を行う第二モードとにより
、印刷装置と通信する。ここで、情報処理装置は、印刷指示を受け付ける受付手段と、前
記印刷指示を受け付けた場合に、前記第一モードで接続された印刷装置を、前記第二モー
ドの接続に切り替える切替手段と、前記第二モードで接続された印刷装置を、印刷対象の
印刷装置として選択する選択手段と、前記選択された印刷装置に対して、印刷データを送
信する送信手段と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置および印刷装置を備える印刷システムにおける無線印刷に関す
る。
【背景技術】
【0002】
近年、モバイルPC(Personal Computer)、携帯電話、スマートフォンなどの持ち運
び可能な端末(以下、「情報処理装置」ともいう)から、プリンター、コピー機、複合機
などの印刷装置を利用する機会が増えている。端末は、アプリケーションプログラム(以
下、単にアプリケーションともいう)等により、端末が利用可能な印刷装置を検索するこ
ともできる。
【0003】
端末及び印刷装置のネットワーク接続形態としては、例えば、端末及び印刷装置が、I
EEE802.11等の無線通信により、アクセスポイントなどの中継装置を介して、L
AN(Local Area Network)などのネットワークに無線接続するものがある。このような
ネットワーク接続形態は、例えば、インフラストラクチャーモードと呼ばれる。
【0004】
アクセスポイントは、例えば、LANに有線接続されるか、無線通信によりさらに他の
アクセスポイントを介してLANに接続される。端末及び印刷装置の一方は、アクセスポ
イントを介さずに(ハブ装置などを介して)LANに有線接続されてもよい。
【0005】
端末及び印刷装置の他のネットワーク接続形態として、例えば、端末及び印刷装置が、
IEEE802.11等の無線通信により、アクセスポイントなどの中継装置を介さずに
、ピア・ツー・ピアで無線接続するものがある。このようなネットワーク接続形態は、例
えば、アドホックモードと呼ばれる。
【0006】
また、端末が、所定の通知を受信した場合に、インフラストラクチャーモードからアド
ホックモードへ、又はアドホックモードからインフラストラクチャーモードとへ切り替え
る技術がある(例えば、特許文献1)。
【0007】
なお、インフラストラクチャーモードでは、端末及び印刷装置は、例えば、「ESS−
ID」「チャンネル」「WEP」といった無線通信を確立するためのパラメーター(以下
、単に「パラメーター」ともいう)を、アクセスポイントに設定されたパラメーターと一
致するように設定する必要がある。また、アドホックモードでは、端末及び印刷装置は、
各種パラメーターを互いに一致するように設定する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008−277919号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、インフラストラクチャーモードでは、アドホックモードの場合に比べて、端
末の位置からより遠い位置にある印刷装置であっても印刷が実行できる場合がある。イン
フラストラクチャーモードでは、アクセスポイントを介して端末と印刷装置の間の通信が
行われるからである。また、例えば、端末装置がインフラストラクチャーモードで無線通
信を行う場合であって、印刷装置がLANに有線接続されている、又は印刷装置が無線接
続されているアクセスポイントと端末装置が接続されているアクセスポイントとが異なる
場合にも、端末の位置からより遠い位置にある印刷装置で印刷が実行できる場合がある。
【0010】
しかし、端末の位置から遠い位置にある印刷装置で印刷結果が出力されると、当該印刷
装置の場所が分からない、当該印刷装置の場所まで移動するのに時間が掛かるなど、ユー
ザーにとって不便が生じる。
【0011】
そこで、本発明は、端末からできる限り近い印刷装置で印刷を行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題を解決するための本発明の第一の態様は、アクセスポイントを介して他の装
置と無線通信を行う第一モードと、アクセスポイントを介さずに他の装置と無線通信を行
う第二モードとにより、印刷装置と通信する情報処理装置であって、印刷指示を受け付け
る受付手段と、前記印刷指示を受け付けた場合に、前記第一モードで接続された印刷装置
を、前記第二モードの接続に切り替える切替手段と、前記第二モードで接続された印刷装
置を、印刷対象の印刷装置として選択する選択手段と、前記選択された印刷装置に対して
、印刷データを送信する送信手段と、を有することを特徴とする。
【0013】
ここで、上記の情報処理装置は、前記第二モードで接続された印刷装置の電波強度を測
定する測定手段と、前記電波強度が所定値を超えるか否かを判定する判定手段と、を有し
、前記選択手段は、前記電波強度が前記所定値を超える場合に、前記第二モードで接続さ
れた印刷装置を、前記印刷対象の印刷装置として選択する、ことを特徴としてもよい。
【0014】
また、上記の情報処理装置は、前記情報処理装置が利用可能な、前記第一モードで接続
された印刷装置を検索する検索手段を有し、前記切替手段は、検索された一以上の印刷装
置に対して、所定順に前記第二モードの接続に切り替える、ことを特徴としてもよい。
【0015】
また、前記選択手段は、前記検索された一以上の印刷装置の電波強度が、いずれも前記
所定値以下である場合、前記検索された一以上の印刷装置のうち、電波強度が最も強い印
刷装置を印刷対象の印刷装置として選択する、ことを特徴としてもよい。
【0016】
また、前記切替手段は、検索された一以上の印刷装置のうち、最初に、ユーザーにより
指定された印刷装置に対して前記第二モードの接続に切り替える、ことを特徴としてもよ
い。
【0017】
また、前記切替手段は、前記電波強度が前記所定値以下である印刷装置を、前記第一モ
ードの接続に戻す、ことを特徴としてもよい。
【0018】
上記の課題を解決するための本発明の第二の態様は、アクセスポイントを介して他の装
置と無線通信を行う第一モードと、アクセスポイントを介さずに他の装置と無線通信を行
う第二モードとにより、印刷装置と通信する情報処理装置であって、印刷指示を受け付け
る受付手段と、前記印刷指示を受け付けた場合に、前記第一モードで接続された印刷装置
を、前記第二モードの接続に切り替える切替手段と、前記第二モードで接続された印刷装
置を、印刷対象の印刷装置として選択する選択手段と、前記選択された印刷装置に対して
、印刷データを送信する送信手段と、を有する。そして、前記第二モードで接続された印
刷装置の電波強度を測定する測定手段を有し、前記切替手段は、前記第一モードで接続さ
れた一以上の印刷装置に対して、所定順に前記第二モードの接続に切り替え、前記選択手
段は、前記第二モードで接続された一以上の印刷装置のうち、電波強度が最も強い印刷装
置を印刷対象の印刷装置として選択する、ことを特徴とする。
【0019】
上記の課題を解決するための本発明の第三の態様は、情報処理装置を、アクセスポイン
トを介して他の装置と無線通信を行う第一モードと、アクセスポイントを介さずに他の装
置と無線通信を行う第二モードとにより、印刷装置と通信する装置として機能させるプロ
グラムであって、印刷指示を受け付ける受付手段と、前記印刷指示を受け付けた場合に、
前記第一モードで接続された印刷装置を、前記第二モードの接続に切り替える切替手段と
、前記第二モードで接続された印刷装置を、印刷対象の印刷装置として選択する選択手段
と、前記選択された印刷装置に対して、印刷データを送信する送信手段として、前記情報
処理装置を機能させることを特徴とする。
【0020】
上記の課題を解決するための本発明の第四の態様は、アクセスポイントを介して他の装
置と無線通信を行う第一モードと、アクセスポイントを介さずに他の装置と無線通信を行
う第二モードとにより、印刷装置と通信する情報処理における無線印刷方法であって、印
刷指示を受け付ける受付ステップと、前記印刷指示を受け付けた場合に、前記第一モード
で接続された印刷装置を、前記第二モードの接続に切り替える切替ステップと、前記第二
モードで接続された印刷装置を、印刷対象の印刷装置として選択する選択ステップと、前
記選択された印刷装置に対して、印刷データを送信する送信ステップと、を含むことを特
徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第一実施形態の一例に係る印刷システムのハードウェア構成の概要を示すブロック図。
【図2】本発明の第一実施形態の一例に係る印刷システムの機能構成を示すブロック図。
【図3】本発明の第一実施形態の一例に係る印刷装置検索画面を説明する図。
【図4】本発明の第一実施形態の一例に係る情報処理装置のアドホック印刷処理を示すフロー図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の第一実施形態の一例について、図面を参照して説明する。
【0023】
図1は、本発明の第一実施形態の一例に係る印刷システムのハードウェア構成の概要を
示すブロック図である。
【0024】
印刷システム1は、印刷装置2(A〜D)と、情報処理装置3と、アクセスポイント4
とを備える。
【0025】
アクセスポイント4は、中継装置として機能する。アクセスポイント4は、例えば、L
ANなどのネットワーク(不図示)に有線接続され、アクセスポイント4に無線接続され
る装置と前記ネットワークとの間や、アクセスポイント4に無線接続される装置間の通信
を中継する。すなわち、インフラストラクチャーモードの通信環境を提供する。従って、
印刷装置2と情報処理装置3は、互いにアクセスポイント4を介して通信することができ
る。
【0026】
情報処理装置3は、OS(Operating System)プログラムやアプリケーションプログラ
ムによる各種処理、プリンタードライバープログラム(以下、単にプリンタードライバー
ともいう)による各種処理等を実現する。例えば、情報処理装置3は、印刷装置2に印刷
指示を出す。すなわち、印刷対象データに基づいて印刷装置2が解釈できる印刷データを
生成して印刷装置2に送信する、印刷制御装置として機能する。
【0027】
情報処理装置3は、無線通信可能であり、アクセスポイント4を介した他の装置との通
信、又はアクセスポイント4を介さない他の装置との通信を選択的に行う。例えば、情報
処理装置3は、インフラストラクチャーモード又はアドホックモードで印刷装置2と通信
することができる。
【0028】
なお、後述するように、情報処理装置3は、情報処理装置3が利用可能(接続可能)な
印刷装置2を検索する機能を有する。また、印刷を実行する際に、印刷装置2との接続を
インフラストラクチャーモードからアドホックモードに切り替える機能を有する。
【0029】
印刷装置2は、印刷指示に基づいて印刷を実行する印刷機能を有する。すなわち、情報
処理装置3から受信した印刷データに基づいて印刷を行なう。
【0030】
印刷装置2は、無線通信可能であり、アクセスポイント4を介した他の装置との通信、
又はアクセスポイント4を介さない他の装置との通信を選択的に行う。例えば、印刷装置
2は、インフラストラクチャーモード又はアドホックモードで情報処理装置3と通信する
ことができる。
【0031】
なお、後述するように、印刷装置2は、無線接続をインフラストラクチャーモードから
アドホックモードに、又はアドホックモードからインフラストラクチャーモードに切り替
える指示を情報処理装置3から受けて、アドホックモード又はインフラストラクチャーモ
ードに切り替える機能を有する。
【0032】
なお、印刷システム1の形態は、上記に限られない。例えば、情報処理装置3、印刷装
置2、及びアクセスポイント4の台数は、図示した例に限られない。情報処理装置3、及
び印刷装置2は、異なるアクセスポイント4に接続されてもよい。また、例えば、情報処
理装置3及び印刷装置2は、有線通信によりネットワーク又はアクセスポイント4に接続
してもよい。また、例えば、印刷装置2に、印刷対象データに基づいて印刷データを生成
する機能を付加して、印刷システム1を構成してもよい。
【0033】
次に、印刷装置2及び情報処理装置3のハードウェア構成についてより具体的に説明す
る。
【0034】
印刷装置2は、例えば、インクジェット方式のプリンターである。印刷装置2は、例え
ば、印刷装置2を統合的に制御するコントローラー20と、アクセスポイント4又は他の
装置に無線接続してデータの送受信等を行うネットワークインターフェイス(I/F)2
4と、記憶媒体などの外部装置と接続するUSB(Universal Serial Bus) I/F25
と、印刷媒体への印刷を行う印刷エンジン26と、各種情報の表示やユーザー操作の入力
受付などを行う操作パネル27とを備える。有線接続を行うネットワークI/Fを備えて
いてもよい
【0035】
コントローラー20は、各種プログラムに基づいて処理を行なうCPU(Central Proc
essing Unit)21と、印刷データ等を一時的に記憶するRAM(Random Access Memory
)22と、印刷装置2を制御するための各種データ、各種プログラム等があらかじめ不揮
発的に記憶されているROM(Read Only Memory)23とを備える。コントローラー20
は、画像処理や印刷エンジン26の動作を制御する専用のASIC(Application Specif
ic Integrated Circuit)を備えるようにしてもよい。
【0036】
コントローラー20は、印刷エンジン26の動作を制御する。コントローラー20は、
例えば、情報処理装置3から受信した印刷データに基づいて、印刷エンジン26を制御す
るためのイメージデータを生成する。また、イメージデータに基づいて、駆動信号を生成
し、印刷ヘッドからインクを吐出させるとともに、印刷エンジン26の各種機構の動作を
制御する。例えば、キャリッジを往復移動するためのモーター、紙送りのためのモーター
、給紙排紙のためのモーター等を駆動し、キャリッジの往復移動、紙送り、給排紙等を制
御する。
【0037】
印刷エンジン26は、例えば、カラーのインクジェット方式である。印刷エンジン26
は、各色のインクを充填したインクカートリッジを着脱可能に装填し、これらのインクを
記録用紙等の印刷媒体に吹き付けて印刷を行なう。印刷エンジン26は、例えば、インク
を吐出する印刷ヘッド、印刷ヘッドを搭載するキャリッジ、キャリッジを主走査方向に駆
動するキャリッジ駆動機構、印刷媒体の副走査方向の搬送を行う紙送り機構、印刷媒体の
副走査方向の給排紙を行う給排紙機構等の各種機構を備える。
【0038】
操作パネル27は、例えば、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display)や有機EL
ディスプレイ(Electro-Luminescence Display)などのディスプレイと、入力装置として
機能するタッチパネル、ハードスイッチ等を備える。
【0039】
情報処理装置3は、例えば、PCや携帯端末などである。情報処理装置3は、情報処理
装置3を統合的に制御するコントローラー30と、HDD(Hard Disk Drive)やSDD
(Solid State Drive)等の内蔵又は外付けの補助記憶装置37と、キーボード、マウス
、タッチパネル等の入力装置38と、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等のディ
スプレイ39とを備える。
【0040】
コントローラー30は、各種プログラムに基づいて処理を行なうCPU31と、データ
等を一時的に記憶するRAM32と、情報処理装置3を制御するための各種データ、各種
プログラム等があらかじめ不揮発的に記憶されているROM33と、アクセスポイント4
又は他の装置に無線接続してデータの送受信等を行うネットワークI/F34と、記憶媒
体などの外部装置と接続するUSB I/F35と、を備える。有線接続を行うネットワ
ークI/Fを備えていてもよい
【0041】
もちろん、上記の印刷システム1、印刷装置2、および情報処理装置3の構成は、本願
発明の特徴を説明するにあたって主要構成を説明したのであって、上記に限られない。ま
た、一般的な印刷システム、印刷装置、および情報処理装置が備える他の構成を排除する
ものではない。例えば、印刷装置2は、インクジェットプリンターに限られず、レーザー
方式のプリンターであってもよい。また、印刷装置2は、さらにスキャナー機能やファク
シミリ機能を有する複合機やコピー機であってもよい。また、情報処理装置3は、携帯電
話やスマートフォンなどであってもよい。
【0042】
図2は、本発明の第一実施形態の一例に係る印刷システムの機能構成を示すブロック図
である。
【0043】
以下では、情報処理装置3及び印刷装置2は、インフラストラクチャーモードで通信を
行っている状態を基点として説明する。
【0044】
情報処理装置3は、設定受付部310と、検索部320と、印刷装置選択部330と、
印刷データ生成部340と、無線通信部350とを有する。
【0045】
情報処理装置3の各機能部は、例えば、CPU31が補助記憶装置37からRAM32
にロードした所定のプログラムを実行することにより実現される。この所定のプログラム
は、例えば、ネットワーク上のサーバーからダウンロードされて、情報処理装置3にイン
ストールされ、もしくは更新される。もちろん、持ち運び可能な記録媒体に予め記録され
ており、当該記録媒体から読み取られて、情報処理装置3にインストールされ、もしくは
更新されてもよい。
【0046】
本実施形態では、情報処理装置3の各機能部は、例えば、複数の種類の印刷装置に対応
可能なプリンタードライバー(例えば、共通ドライバーなどともいう)により実現される
ものとする。従って、当該プリンタードライバーは、印刷を実行する印刷装置の選択を受
け付け、又は自動的に印刷装置を選択し、当該選択された印刷装置に印刷を指示すること
ができる。
【0047】
もちろん、情報処理装置3の少なくとも一部の機能部は、プリンタードライバーとは別
のプログラムにより実現されてもよい。また、プリンタードライバーは、共通ドライバー
に限られず、各印刷装置に対応する複数のプリンタードライバーであってもよい。これら
の場合、例えば、印刷装置の検索、印刷装置の選択、無線通信などを行う機能は、プリン
タードライバーとは別のプログラムで実現することができる。
【0048】
なお、情報処理装置3は、OS部やアプリケーション部(いずれも不図示)を有してい
てもよい。OS部やアプリケーション部は、例えば、CPU31が補助記憶装置37から
RAM32ロードした所定のOSプログラムやアプリケーションプログラムを実行するこ
とにより実現される。
【0049】
設定受付部310は、印刷設定、印刷開始の指示等を受け付ける。また、設定受付部3
10は、アプリケーション部等が作成した印刷対象データを受け付ける。
【0050】
設定受付部310は、例えば、OS部又はアプリケーション部が表示する所定のユーザ
ーインターフェイス画面を介して、ユーザーの操作により印刷設定の指示を受け付けた場
合に、印刷設定等を受け付ける所定のユーザーインターフェイス画面を表示して、印刷設
定を受け付ける。本実施形態では、印刷設定の受け付けに関する処理は主要な機能ではな
いため説明を省略する。
【0051】
また、設定受付部310は、所定のユーザーインターフェイス画面をディスプレイ39
に表示して、印刷装置の検索の指示の受け付け、検索結果の表示を行う。
【0052】
設定受付部310は、例えば、OS部又はアプリケーション部が表示する所定のユーザ
ーインターフェイス画面を介して、印刷開始の指示を受け付けた場合に、印刷装置の検索
の指示の受け付け、検索結果の表示、アドホックモードを用いたアドホック印刷(詳細は
後述する)の指示の受け付け、などを行うための所定のユーザーインターフェイス画面を
表示する。
【0053】
より具体的には、設定受付部310は、例えば、図3に示すような印刷装置検索画面4
00を表示する。図3は、本発明の第一実施形態の一例に係る印刷装置検索画面を説明す
る図である。
【0054】
印刷装置検索画面400は、印刷装置の検索を実行するための検索ボタン410と、印
刷装置の検索結果を一覧表示する検索結果領域420と、検索結果の一覧に含まれる印刷
装置のいずれかを印刷実行対象として指定するための印刷装置選択領域430と、印刷装
置選択領域430で選択された印刷装置を印刷実行対象(印刷データを出力するポート)
として適用するための印刷ボタン450と、アドホック印刷を実行するためのアドホック
印刷ボタン460と、印刷の実行をキャンセルするキャンセルボタン470とを含んでい
る。
【0055】
もちろん、印刷装置検索画面400の構成は、上記に限られない。例えば、各種領域の
配置や表示態様は、上記に限られない。また、例えば、各ボタンや領域は、同一の画面に
含まれていなくてもよく、別々の画面に表示されるようにしてもよい。
【0056】
設定受付部310は、検索ボタン410に対するユーザーの操作を受け付けた場合、情
報処理装置3が利用可能な印刷装置2の検索処理を検索部320に要求する。なお、印刷
装置検索画面400を表示した際に、自動的に検索処理の要求を検索部320に出すよう
にしてもよい。
【0057】
設定受付部310は、検索部320による印刷装置2の検索処理が終了した場合、検索
部320から検索結果を取得して、検索結果領域420に表示する。検索結果は、例えば
、印刷装置の機種名及びポートを示す情報が対応付けられたエントリーの一覧で構成され
る。もちろん、検索結果の構成はこれに限られない。また、設定受付部310は、各エン
トリーに対応させて、印刷装置選択領域430を表示する。
【0058】
設定受付部310は、検索結果領域420に表示された各印刷装置に対応する印刷装置
選択領域430のうち、いずれか一つの指定をユーザー操作により受け付ける。
【0059】
設定受付部310は、印刷ボタン450の操作を受け付けた場合、印刷装置選択領域4
30により指定された印刷装置2を、印刷実行対象として特定する。そして、特定された
印刷装置2に対して印刷データを送信するように印刷データ生成部340に指示する。ま
た、印刷装置検索画面400を閉じる。
【0060】
設定受付部310は、アドホック印刷ボタン460の操作を受け付けた場合、検索結果
領域420に表示された印刷装置のうちいずれかをアドホック印刷の対象として選択する
ように、印刷装置選択部330に指示する。また、印刷装置選択部330により選択され
た印刷装置2に対して、印刷データを送信するように印刷データ生成部340に指示する
。また、印刷装置検索画面400を閉じる。
【0061】
検索部320は、設定受付部310からの要求を受けて、インフラストラクチャーモー
ドの状態において、情報処理装置3が利用可能な印刷装置2をネットワーク上から検索す
る。そして、検索した各印刷装置2から当該装置の情報を取得し、これらの情報に基づい
て印刷装置の一覧を作成し、検索結果として、RAM32や補助記憶装置37に記憶する

【0062】
印刷装置2から取得できる情報としては、例えば、ネットワークに接続されている印刷
装置2を識別する情報(IPアドレス、MACアドレス、機種名等)、印刷装置2の機能
を示す情報(給紙装置の数、給紙されている用紙のサイズ、両面印刷機構の有無等)、印
刷装置2のステータスを示す情報(アイドル中、印刷中、インク量等)等である。
【0063】
なお、本実施形態では、印刷装置の具体的な検索処理は、主要な機能ではないため説明
を省略する。印刷装置の検索には、例えば、UPnP(Universal Plug and Play)や、
Bonjourなどの技術が利用できる。
【0064】
印刷装置選択部330は、設定受付部310からの要求を受け付けて、アドホックモー
ドにより所定条件で接続可能な印刷装置2を選択する。
【0065】
具体的には、印刷装置選択部330は、検索部320による検索結果である印刷装置の
一覧を取得し、所定の順(例えば、エントリーの並んでいる順序)で選択した印刷装置2
に対して、アドホックモードによる無線接続を試みるように無線通信部350に指示する
。前記選択した印刷装置2とアドホックモードによる接続が成功した場合、当該接続先の
印刷装置2の電波強度(印刷装置2のネットワークI/F24から送信される電波の強度
)の測定を行うように無線通信部350に指示する。
【0066】
また、印刷装置選択部330は、接続先の印刷装置2の電波強度が所定値(例えば、電
波強度を1〜5レベルに分けた場合のレベル4)を超えるか否かを判定する。電波強度が
所定値を超える場合、当該接続先の印刷装置2を印刷データの送信先として選択する。ア
ドホックモードによる接続に失敗した場合、又は電波強度が所定値以下である場合、次の
印刷装置2に対して上述と同様の処理(アドホックモードによる接続、電波強度の測定、
電波強度の判定)を行う。
【0067】
検索結果に含まれるいずれの印刷装置2も、印刷データの送信先として選択されなかっ
た場合、印刷装置選択部330は、電波強度を測定できた印刷装置2のうち、最も電波強
度が強い印刷装置2を、印刷データの送信先として選択する。
【0068】
印刷データ生成部340は、印刷設定や印刷対象データに基づいて、印刷装置2に印刷
を行わせるための印刷データを生成する。このため、印刷データ生成部340は、ラスタ
ライズ処理、色変換処理、中間調処理などを行う機能を有する。
【0069】
印刷ボタン450の操作がされた場合、印刷データ生成部340は、設定受付部310
から指定された印刷装置2に印刷を行わせるための印刷データを生成し、無線通信部35
0を介して送信し、印刷を行わせる。
【0070】
また、アドホック印刷ボタン460の操作がされた場合、印刷データ生成部340は、
アドホック印刷の対象として印刷装置選択部330により選択された印刷装置2に印刷を
行わせるための印刷データを生成し、無線通信部350を介して送信し、印刷を行わせる

【0071】
無線通信部350は、ネットワークI/F34を制御して、データの送受信を行う。ま
た、無線通信部350は、インフラストラクチャーモードによる無線接続とアドホックモ
ードによる無線接続とを切り替える。
【0072】
切り替えの方法は特に限定されないが、インフラストラクチャーモードからアドホック
モードへ切り替える場合は、無線通信部350は、例えば、ユーザーが設定した又は所定
のアドホックモード用のパラメーターを自装置に設定するとともに、検索結果に含まれる
アドホック接続対象の印刷装置2に対して、アドホックモード切り替えの指示と前記アド
ホックモード用のパラメーターとを送信し、このパラメーターを設定させる。
【0073】
アドホックモードからインフラストラクチャーモードへ切り替える場合は、無線通信部
350は、例えば、ユーザーが設定した又は所定のインフラストラクチャーモード用のパ
ラメーターを自装置に設定するとともに、検索結果に含まれるアドホック接続対象の印刷
装置2に対して、インフラストラクチャーモード切り替えの指示を送信する。当該指示を
受信した印刷装置2は、ユーザーが設定した又は所定のインフラストラクチャーモード用
のパラメーターを自装置に設定する。
【0074】
また、無線通信部350は、ネットワークI/F34を制御して、インフラストラクチ
ャーモード及びアドホックモードにおいて、接続先(例えば、インフラストラクチャーモ
ードであれば、アクセスポイント4、アドホックモードであれば、印刷装置2)の電波強
度を測定する。電波強度の測定方法は特に限定されない
【0075】
印刷装置2は、無線通信部210と、印刷制御部220とを有する。
【0076】
印刷装置2の各機能部は、例えば、CPU21がROM23からRAM22にロードし
た所定のプログラムを実行することにより実現される。この所定のプログラムは、例えば
、印刷装置2の製造時にROM23に予め格納される。もちろん、ネットワーク上のサー
バーからダウンロードされて、更新されてもよい。また、持ち運び可能な記録媒体に予め
記録されており、当該記録媒体から読み取られて、更新されてもよい。
【0077】
無線通信部210は、ネットワークI/F24を制御して、データの送受信を行う。ま
た、無線通信部210は、インフラストラクチャーモードによる無線接続とアドホックモ
ードによる無線接続とを切り替える。
【0078】
切り替えの方法は特に限定されないが、例えば、インフラストラクチャーモードからア
ドホックモードへの切り替えの指示、及びアドホックモード用のパラメーターを、情報処
理装置3から受信した場合、無線通信部210は、当該受信したパラメーターを自装置に
設定する。
【0079】
また、例えば、アドホックモードからインフラストラクチャーモードへの切り替えの指
示を、情報処理装置3から受信した場合、無線通信部210は、ユーザーが設定した又は
所定のインフラストラクチャーモード用のパラメーターを自装置に設定する。
【0080】
印刷制御部220は、情報処理装置3から受信した印刷データに基づいて、印刷エンジ
ン26を制御するためのイメージデータを生成する。また、イメージデータに基づいて、
駆動信号を生成し、印刷ヘッドからインクを吐出させるとともに、印刷エンジン26の各
種機構の動作を制御する。詳細は、コントローラー20の説明で記載されたとおりである

【0081】
以上の各構成要素は、印刷システム1、印刷装置2、および情報処理装置3の構成を理
解容易にするために、主な処理内容に応じて分類したものである。構成要素の分類の仕方
や名称によって、本願発明が制限されることはない。印刷システム1、印刷装置2、およ
び情報処理装置3の構成は、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素に分類することも
できる。また、1つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもでき
る。また、各構成要素の処理は、1つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハー
ドウェアで実行されてもよい。
【0082】
次に、上記の印刷システム1において実行される特徴的な処理について説明する。
【0083】
図4は、本発明の第一実施形態の一例に係る情報処理装置のアドホック印刷処理を示す
フロー図である。
【0084】
本フローは、上述の印刷装置検索画面400のアドホック印刷ボタン460が操作され
た場合に開始される。なお、印刷装置2は、情報処理装置3の指示に従ってインフラスト
ラクチャーモードとアドホックモードとを相互に切り替えるものとする。
【0085】
S1では、印刷装置選択部330は、全ての印刷装置2の電波強度の測定が終了したか
否かを判定する。具体的には、検索部320による検索結果である印刷装置の一覧に含ま
れる全ての印刷装置2に対して、電波強度の測定の試み(S2〜S4)が終了したか否か
を判定する。全ての印刷装置2に対する測定が終了した場合(S1:YES)、処理をS
8に進める。全ての印刷装置2に対する測定が終了していない場合(S1:NO)、処理
をS2に進める。
【0086】
S2では、印刷装置選択部330は、電波強度の測定対象を選択する。具体的には、印
刷装置選択部330は、印刷装置の一覧から、所定の順(例えば、エントリーの並んでい
る順序)で、一つの印刷装置2を選択する。そして、処理をS3に進める。
【0087】
S3では、印刷装置選択部330は、アドホックモードへの切り替えを行う。具体的に
は、印刷装置選択部330は、S2で選択した測定対象の印刷装置2に対して、アドホッ
クモードによる無線接続を試みるように無線通信部350に指示する。そして、処理をS
4に進める。なお、無線通信部350は、例えば、アドホックモード用のパラメーターを
設定するとともに、測定対象の印刷装置2に対して、アドホックモード切り替えの指示と
前記アドホックモード用のパラメーターを送信する。
【0088】
S4では、印刷装置選択部330は、アドホックモードによる無線接続が成功したか否
かを判定する。具体的には、印刷装置選択部330は、S3で無線通信部350が実行し
たインフラストラクチャーモードからアドホックモードへの切り替えの結果を取得する。
接続が成功した場合(S4:YES)、処理をS5に進める。接続に失敗した場合(S4
:NO)、処理をS7に進める。
【0089】
S5では、印刷装置選択部330は、電波強度の測定を行う。具体的には、印刷装置選
択部330は、S3でアドホックモードにより接続した印刷装置2の電波強度の測定を行
うように無線通信部350に指示する。そして、処理をS6に進める。
【0090】
S6では、印刷装置選択部330は、電波強度が所定値を超えるか否かを判定する。具
体的には、印刷装置選択部330は、アドホックモードで接続している印刷装置2の電波
強度を、無線通信部350から取得する。また、取得した電波強度が所定値を超えるか否
かを判定する。所定値を超える場合(S6:YES)、アドホックモードで接続している
印刷装置2を印刷データの送信先として選択し、処理をS10に進める。所定値以下であ
る場合(S6:NO)、処理をS7に進める。
【0091】
S7では、印刷装置選択部330は、インフラストラクチャーモードへの切り替えを行
う。具体的には、印刷装置選択部330は、S2で選択した測定対象の印刷装置2に対し
てインフラストラクチャーモードによる無線接続に切り替える指示を行うように、無線通
信部350に指示する。そして、処理をS1に戻す。なお、無線通信部350は、例えば
、インフラストラクチャーモード用のパラメーターを設定するとともに、測定対象の印刷
装置2に対して、インフラストラクチャーモード切り替えの指示を送信する。
【0092】
S8では、印刷装置選択部330は、電波強度が最も強い印刷装置2を選択する。具体
的には、印刷装置選択部330は、S5で電波強度を測定することができた印刷装置2の
うち、電波強度が最も強い印刷装置2を印刷データの送信先として選択し、処理をS9に
進める。
【0093】
なお、全ての印刷装置2の電波強度も測定することができなかった場合(全ての測定対
象の印刷装置2で、S4:NOの場合)、印刷装置選択部330は、例えば、本フローを
終了し、設定受付部310に印刷装置検索画面400を再表示させればよい。このように
すれば、ユーザーは、印刷装置選択領域430を指定し、印刷ボタン450を操作し、イ
ンフラストラクチャーモードで印刷を実行できる。もちろん、印刷装置選択部330は、
所定の規則(例えば、印刷装置の一覧の一番上の印刷装置を選択する、又は印刷装置選択
領域430で指定された印刷装置を選択する)に従って印刷装置2を選択し、インフラス
トラクチャーモードでの印刷を印刷データ生成部340に指示してもよい。
【0094】
S9では、印刷装置選択部330は、アドホックモードへの切り替えを行う。具体的に
は、印刷装置選択部330は、S8で選択した印刷装置2に対して、アドホックモードに
よる無線接続を試みるように無線通信部350に指示する。そして、処理をS10に進め
る。
【0095】
S10では、印刷データ生成部340は、印刷データを生成する。具体的には、印刷デ
ータ生成部340は、印刷設定と印刷対象データとに基づいて、S3又はS9でアドホッ
クモード接続された印刷装置2に印刷を行わせるための印刷データを生成する。そして、
処理をS11に進める。
【0096】
S11では、印刷データ生成部340は、S10で生成した印刷データを、S3又はS
9でアドホックモード接続された印刷装置2に、無線通信部350を介して送信し、印刷
を行わせる。そして、処理をS12に進める。
【0097】
S12では、印刷装置選択部330は、インフラストラクチャーモードへの切り替えを
行う。具体的には、印刷装置選択部330は、S3又はS9でアドホックモード接続され
た印刷装置2に対してインフラストラクチャーモードによる無線接続に切り替える指示を
行うように、無線通信部350に指示する。そして、本フローを終了する。
【0098】
以上の図4の各処理単位は、情報処理装置3の処理を理解容易にするために、主な処理
内容に応じて分割したものである。処理単位の分割の仕方や名称によって、本願発明が制
限されることはない。情報処理装置3の処理は、処理内容に応じて、さらに多くの処理単
位に分割することもできる。また、1つの処理単位がさらに多くの処理を含むように分割
することもできる。
【0099】
以上、本発明の第一実施形態の一例について説明した。本実施形態によれば、端末から
できる限り近い印刷装置で印刷を行うことができる。
【0100】
すなわち、本実施形態では、情報処理装置は、検索された各印刷装置について、アドホ
ックモードで接続することにより電波強度を測定する。また、電波強度が所定値を超える
印刷装置を選択してアドホックモードで印刷を指示する。このような構成により、情報処
理装置の位置に近いと予測される印刷装置に対して印刷が実行される。そのため、ユーザ
ーの利便性が向上する。
【0101】
また、本実施形態では、情報処理装置は、電波強度が所定値を超える印刷装置が存在し
ない場合に、電波強度が所定値以下の印刷装置の中から最も電波強度が強い印刷装置が選
択し、アドホックモードで印刷を指示する。このような構成により、電波強度が所定値以
下であっても、情報処理装置の位置に近いと予測される印刷装置に対して印刷が実行され
る。
【0102】
また、本実施形態では、インフラストラクチャーモードからアドホックモードに切り替
えてから印刷が実行される。このような構成により、アクセスポイントやLANなどから
印刷データ等を傍受されるなど、インフラストラクチャーモードにおけるセキュリティ上
のリスクを低減できる。
【0103】
以上の本発明の実施形態は、本発明の要旨と範囲を例示することを意図し、限定するも
のではない。多くの代替物、修正および変形例が当業者にとって明らかである。
【0104】
<変形例1>
印刷装置選択部330は、アドホック印刷ボタン460が操作された場合に、まず、検
索部320による検索結果である印刷装置の一覧に含まれる全ての印刷装置2に対して電
波強度の測定を試み、最も電波強度が強い印刷装置2を選択するようにしてもよい。この
ような構成によれば、情報処理装置の位置に近いと予測される印刷装置をより精度よく選
択することができる。
【0105】
<変形例2>
印刷装置選択部330は、最初に、印刷装置選択領域430で指定された印刷装置を電
波強度の測定対象として選択するようにしてもよい。このような構成によれば、ユーザー
の希望する印刷装置が選択される可能性が高まる。
【0106】
<変形例3>
印刷装置選択部330は、最初に、印刷装置選択領域430で指定された印刷装置を電
波強度の測定対象として選択し、当該印刷装置がアドホックモードによる印刷データの送
信先として選択されなかった場合に、当該印刷装置をインフラストラクチャーモードによ
る印刷データの送信先として選択するようにしてもよい。このような構成によれば、ユー
ザーの希望する印刷装置で印刷が行われる。
【0107】
<変形例4>
印刷装置選択部330は、電波強度に加え又は電波強度に替えて、セキュリティの安全
性を判断するようにしてもよい。例えば、アドホックモード用のパラメーターにパスワー
ドが含まれない場合、又は含まれるパスワードがインフラストラクチャーモード用のパラ
メーターに含まれるパスワードよりも解析され易い(例えば、文字数が短いなど)場合、
印刷装置選択部330は、アドホックモードによる印刷を中止するようにしてもよい。中
止した場合は、インフラストラクチャーモードで印刷するようにすればよい。
【0108】
<その他の変形例>
例えば、上記の実施形態や変形例は、プリンター、コピー機、複合機などの印刷装置に
限られず、スキャナー装置などの装置にも適用できる。
【0109】
また、例えば、上記の第一実施形態の一例では、情報処理装置3の印刷データ生成部3
40が印刷データの生成を行っているが、印刷装置2の印刷制御部220が、印刷データ
を生成するようにしてもよい。例えば、情報処理装置3は、写真や文書ファイルなどの印
刷対象データを、印刷装置2に送信する。そして、印刷制御部220は、これらの印刷対
象データに基づいて印刷データ、イメージデータを生成する。
【0110】
もちろん、上記の第一実施形態の一例、各種変形例は、適宜、一つ以上を組み合わせて
もよい。
【符号の説明】
【0111】
1:印刷システム、2(A〜D):印刷装置、3:情報処理装置、4:アクセスポイント
、20:コントローラー、21:CPU、22:RAM、23:ROM、24:ネットワ
ークI/F、25:USB I/F、26:印刷エンジン、27:操作パネル、30:コ
ントローラー、31:CPU、32:RAM、33:ROM、34:ネットワークI/F
、35:USB I/F、37:補助記憶装置、38:入力装置、39:ディスプレイ、
210:無線通信部、220:印刷制御部、310:設定受付部、320:検索部、33
0:印刷装置選択部、340:印刷データ生成部、350:無線通信部、400:印刷装
置検索画面、410:検索ボタン、420:検索結果領域、430:印刷装置選択領域、
450:印刷ボタン、460:アドホック印刷ボタン、470:キャンセルボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクセスポイントを介して他の装置と無線通信を行う第一モードと、アクセスポイント
を介さずに他の装置と無線通信を行う第二モードとにより、印刷装置と通信する情報処理
装置であって、
印刷指示を受け付ける受付手段と、
前記印刷指示を受け付けた場合に、前記第一モードで接続された印刷装置を、前記第二
モードの接続に切り替える切替手段と、
前記第二モードで接続された印刷装置を、印刷対象の印刷装置として選択する選択手段
と、
前記選択された印刷装置に対して、印刷データを送信する送信手段と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記第二モードで接続された印刷装置の電波強度を測定する測定手段と、
前記電波強度が所定値を超えるか否かを判定する判定手段と、を有し、
前記選択手段は、前記電波強度が前記所定値を超える場合に、前記第二モードで接続さ
れた印刷装置を、前記印刷対象の印刷装置として選択する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理装置であって、
前記情報処理装置が利用可能な、前記第一モードで接続された印刷装置を検索する検索
手段を有し、
前記切替手段は、検索された一以上の印刷装置に対して、所定順に前記第二モードの接
続に切り替える、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項4】
請求項3に記載の情報処理装置であって、
前記選択手段は、前記検索された一以上の印刷装置の電波強度が、いずれも前記所定値
以下である場合、前記検索された一以上の印刷装置のうち、電波強度が最も強い印刷装置
を印刷対象の印刷装置として選択する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
請求項3又は4に記載の情報処理装置であって、
前記切替手段は、検索された一以上の印刷装置のうち、最初に、ユーザーにより指定さ
れた印刷装置に対して前記第二モードの接続に切り替える、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項6】
請求項1〜5いずれか一項に記載の情報処理装置であって、
前記切替手段は、前記電波強度が前記所定値以下である印刷装置を、前記第一モードの
接続に戻す、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項7】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記第二モードで接続された印刷装置の電波強度を測定する測定手段を有し、
前記切替手段は、前記第一モードで接続された一以上の印刷装置に対して、所定順に前
記第二モードの接続に切り替え、
前記選択手段は、前記第二モードで接続された一以上の印刷装置のうち、電波強度が最
も強い印刷装置を印刷対象の印刷装置として選択する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項8】
情報処理装置を、アクセスポイントを介して他の装置と無線通信を行う第一モードと、
アクセスポイントを介さずに他の装置と無線通信を行う第二モードとにより、印刷装置と
通信する装置として機能させるプログラムであって、
印刷指示を受け付ける受付手段と、
前記印刷指示を受け付けた場合に、前記第一モードで接続された印刷装置を、前記第二
モードの接続に切り替える切替手段と、
前記第二モードで接続された印刷装置を、印刷対象の印刷装置として選択する選択手段
と、
前記選択された印刷装置に対して、印刷データを送信する送信手段として、
前記情報処理装置を機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項9】
アクセスポイントを介して他の装置と無線通信を行う第一モードと、アクセスポイント
を介さずに他の装置と無線通信を行う第二モードとにより、印刷装置と通信する情報処理
における無線印刷方法であって、
印刷指示を受け付ける受付ステップと、
前記印刷指示を受け付けた場合に、前記第一モードで接続された印刷装置を、前記第二
モードの接続に切り替える切替ステップと、
前記第二モードで接続された印刷装置を、印刷対象の印刷装置として選択する選択ステ
ップと、
前記選択された印刷装置に対して、印刷データを送信する送信ステップと、
を含むことを特徴とする無線印刷方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−191301(P2012−191301A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−51325(P2011−51325)
【出願日】平成23年3月9日(2011.3.9)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】