説明

情報処理装置、プログラム及び情報処理システム

【課題】登録済みの文書情報から登録対象の文書情報への参照情報を登録可能な情報処理装置を提供する。
【解決手段】本発明の情報処理装置は、登録対象の文書情報の名称を表す文字列が、登録済みの文書情報に含まれるか否かを検索する検索部26と、検索結果に基づいて、登録済みの文書情報から登録対象の文書情報への参照情報を登録する参照関係管理部27と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、プログラム及び情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
文書は、本文中で他の文書を参照していることがある。特許文献1には、データベースに登録済みの文書情報の名称を表す文字列が、登録対象の文書情報に含まれる場合に、登録対象の文書情報から登録済みの文書情報への参照情報を登録する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−99387号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、登録済みの文書情報から登録対象の文書情報への参照情報を登録可能な情報処理装置、プログラム及び情報処理システムを提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、登録対象の文書情報の名称を表す文字列が、登録済みの文書情報に含まれるか否かを検索する検索手段と、検索結果に基づいて、前記登録済みの文書情報から前記登録対象の文書情報への参照情報を登録する登録手段と、を備えることを特徴とする情報処理装置である。
【0006】
また、請求項2に記載の発明は、前記登録手段は、前記登録済みの文書情報が参照する文書情報の一覧を更新する、請求項1に記載の情報処理装置である。
【0007】
また、請求項3に記載の発明は、登録対象の文書情報の名称を表す文字列が、登録済みの文書情報に含まれるか否かを検索する検索手段と、検索結果に基づいて、前記登録済みの文書情報から前記登録対象の文書情報への参照情報を登録する登録手段と、としてコンピュータを機能させるプログラムである。
【0008】
また、請求項4に記載の発明は、文書情報を記憶する記憶装置と、端末と、前記端末から文書情報の登録を受付ける受付手段と、登録対象の文書情報の名称を表す文字列が、登録済みの文書情報に含まれるか否かを検索する検索手段と、検索結果に基づいて、前記登録済みの文書情報から前記登録対象の文書情報への参照情報を登録する登録手段と、を備えることを特徴とする情報処理システムである。
【発明の効果】
【0009】
請求項1,3,4に記載の発明によると、登録済みの文書情報から登録対象の文書情報への参照情報を登録することが可能である。
【0010】
請求項2に記載の発明によると、登録済みの文書情報が参照する文書情報を一覧により把握することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】情報処理システムの構成例を表すブロック図である。
【図2】情報処理装置の機能構成例を表すブロック図である。
【図3】情報処理装置の動作例を表す説明図である。
【図4】情報処理装置の動作例を表すフローチャートである。
【図5】参照情報管理テーブルの内容例を表す図である。
【図6】逆テーブルの内容例を表す図である。
【図7】端末の画面表示例を表す図である。
【図8】情報処理装置の他の動作を表す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の情報処理装置、プログラム及び情報処理システムの実施形態を、図面を参照しながら説明する。
【0013】
図1は、情報処理システム1の構成例を表すブロック図である。情報処理システム1は、サーバとして構成された情報処理装置2と、1または複数の端末3と、を含んでいる。これら情報処理装置2及び端末3は、インターネット等の通信線を介して相互にデータ通信する。
【0014】
図2は、情報処理装置2の機能構成例を表すブロック図である。情報処理装置2は、データベースを記憶する記憶装置21と、装置全体の制御を司る制御部22と、インターフェース部24と、文書管理部25と、検索手段の例としての検索部26と、登録手段の例としての参照関係管理部27と、を備えている。
【0015】
各部の機能は、CPU等の演算部、メモリ等の記憶部、データの入出力を担う入出力部などを備えるコンピュータが、プログラムを読み取り、実行することによって実現される。プログラムは、CD−ROM等の、コンピュータ読み取り可能な情報記録媒体からコンピュータに提供されてもよいし、インターネット等の通信線を介してコンピュータに提供されてもよい。
【0016】
文書管理部25は、記憶装置21に仮想的な保存場所を設ける。こうした保存場所はフォルダと呼ばれる。具体的には、文書管理部25は、端末3から送信された文書ファイルと文書ファイルの保存先として指定されたフォルダを含む登録要求とをインターフェース部24から受け取ると、その文書ファイルを指定されたフォルダと対応付けて記憶装置21に格納する。文書管理部25は、文書ファイルとフォルダとの対応関係が記述されたテーブルを保持している。また、各々のフォルダには、上位のフォルダも対応付けられている。各々のフォルダは複数の上位フォルダを持つことが可能であり、これによってネットワーク構造のデータベースが構成される。
【0017】
検索部26は、検索語が文書ファイルに含まれているかどうか、検索を実行する。すなわち、検索部26は、文書ファイルが表す本文の文字列の中に、検索語と同じ文字列が含まれているか否かを検索する。具体的には、検索部26は、これから記憶装置21に登録される登録対象の文書ファイルの名称を表す文字列が、既に記憶装置21に登録済みの文書ファイルに含まれるか否かを検索する。なお、検索語との完全一致に限らず、あいまい検索を行ってもよい。あいまい検索とは、検索条件に完全一致しない対象を一定の規則の元で抽出する検索方法のことで、公知の手法を用いることができる。
【0018】
参照関係管理部27は、検索部26による検索結果に基づいて、登録済みの文書ファイルから登録対象の文書ファイルへの参照情報を登録する。参照関係管理部27は、参照情報を管理するための参照情報管理テーブルを保持している。参照情報管理テーブルでは、後述するように、文書ファイルと、その文書ファイルを本文中で参照している文書ファイルとが対応付けられる。
【0019】
以下、情報処理装置2の具体的な動作について説明する。
【0020】
図3に示されるように、文書ファイルが記憶装置21に登録されるとき、検索部26は、登録対象の文書ファイルの名称を表す文字列が、既に記憶装置21に登録済みの文書ファイルに含まれるか否かを検索する。図4は、情報処理装置2の具体的な動作例を表すフローチャートである。
【0021】
S1において、検索部26は検索語を決定する。検索部26は、文書のタイトルを表す文字列や、ファイル名から拡張子を除いた文字列を、検索語として決定する。
【0022】
S2において、検索部26は、決定された検索語を用いて検索を実行する。検索は、記憶装置21に設けられた各フォルダに格納された文書ファイルに対して行われる。ここでは、文書ファイルの登録先のフォルダ及びその近傍のフォルダが検索範囲として設定される。近傍のフォルダとは、ネットワーク構造において登録先のフォルダと近い関係にあるフォルダをいう。近傍のフォルダとしては、例えば、登録先のフォルダの属するフォルダ(登録先のフォルダの親フォルダで、前述のとおり複数存在する場合がある)と登録先のフォルダから2世代まで下位のフォルダ(登録先のフォルダの子フォルダと孫フォルダ)を該当するものとして定めるようにしてもよい。
【0023】
S3において、参照関係管理部27は、検索により探し出された文書ファイルの関連度を評価する。関連度は、例えば、次のような基準で評価される。(1)両方向の参照関係が存在するか。すなわち、文書ファイル同士が互いを参照し合っている場合には、関連度が高く評価される。(2)参照を表す文字列が検索で一致した文字列の近くに存在するか。参照を表す文字列とは、例えば「参照」、「参考」、「参考文献」、「引用」等である。こうした文字列が、検索で一致した文字列と同じ行や同じ段落に存在する場合に、関連度が高く評価される。(3)検索で一致した文字列が引用符で囲まれているか。引用符とは、[ ]、「 」、“”、()、‘’等である。検索で一致した文字列がこうした引用符で囲まれている場合に、関連度が高く評価される。(4)保存場所同士が近いか。検索により探し出された文書ファイルの保存場所が、登録対象の文書ファイルの保存場所に近いほど、関連度が高く評価される。なお、(1)〜(4)の順に優先順位が低くなる。すなわち、(1)の基準に合致する文書ファイルのほうが、(4)の基準に合致する文書ファイルより関連度が高く評価される。
【0024】
S4において、参照関係管理部27は、検索・評価の結果に基づいて、参照情報管理テーブルを作成する。具体的には、参照関係管理部27は、登録対象の文書ファイルに、検索により探し出された登録済みの文書ファイルの情報を対応付ける。このとき、登録対象の文書ファイルには、関連度に関する情報も対応付けられる。また、検索により探し出された登録済みの文書ファイルは、関連度の高い順に並べられる。
【0025】
参照情報管理テーブルは、図5に示されるように、文書ID、参照元文書ID、参照関連部分、引用符、距離などの項目を含んでいる。文書IDは、文書ファイルの識別情報であり、参照元文書IDは、その文書ファイルを本文中で参照している文書ファイルの識別情報である。参照関連部分、引用符および距離は、関連度の評価基準の(2)〜(4)に対応する項目である。参照情報管理テーブルでは、文書ファイルが登録される毎に、その文書ファイルを本文中で参照している既に登録済みの文書ファイルがリスト化される。
【0026】
S5において、参照関係管理部27は、逆テーブルを更新する。逆テーブルは、参照情報管理テーブルとは逆の参照関係を管理するためのテーブルであり、逆の参照関係を表す参照情報を迅速に取得可能とするために作成される。すなわち、逆テーブルでは、文書ファイルと、その文書ファイルが本文中で参照している文書ファイルとが対応付けられている。
【0027】
逆テーブルは、図6に示されるように、文書ID、参照先文書IDなどの項目を含んでいる。文書IDは、文書ファイルの識別情報であり、参照先文書IDは、その文書ファイルが本文中で参照している文書ファイルの識別情報である。なお、参照関連部分、引用符、距離の項目は、参照情報管理テーブルから読み出せるので、逆テーブルには設けられていない。逆テーブルでは、文書ファイルが登録される毎に、既に登録済みの文書ファイルが本文中で参照している文書ファイルのリストが更新される。
【0028】
S6において、インターフェース部24は、検索により探し出された登録済みの文書ファイルの一覧を参照情報管理テーブルから読み出し、この一覧をユーザに報知するための画面情報を生成し、端末3に送信する。端末3の画面には、図7に示されるように、登録対象の文書ファイルを参照している可能性のある登録済みの文書ファイルの一覧が表示される。検索により探し出された登録済みの文書ファイルが複数ある場合には、関連度に応じて並べられる。なお、関連度が比較的高い文書ファイルのみが表示されてもよい。
【0029】
次に、情報処理装置2の他の動作について説明する。図8は、情報処理装置2の他の動作を表す説明図である。
【0030】
図8に示されるように、文書ファイルが記憶装置21に登録されるとき、検索部26は、既に記憶装置21に登録済みの文書ファイルの名称を表す文字列が、これから記憶装置21に登録される登録対象の文書ファイルに含まれるか否かを検索する。情報処理装置2の具体的な動作は、上記図4に示したフローチャートと同様である。端末3の画面には、図7に示されるように、登録対象の文書ファイルが参照している可能性のある登録済みの文書ファイルの一覧も表示される。
【0031】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形実施が当業者にとって可能であるのはもちろんである。
【符号の説明】
【0032】
1 情報処理システム、2 情報処理装置、3 端末、21 記憶装置、22 制御部、24 インターフェース部、25 文書管理部、26 検索部、27 参照関係管理部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
登録対象の文書情報の名称を表す文字列が、登録済みの文書情報に含まれるか否かを検索する検索手段と、
検索結果に基づいて、前記登録済みの文書情報から前記登録対象の文書情報への参照情報を登録する登録手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記登録手段は、前記登録済みの文書情報が参照する文書情報の一覧を更新する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
登録対象の文書情報の名称を表す文字列が、登録済みの文書情報に含まれるか否かを検索する検索手段と、
検索結果に基づいて、前記登録済みの文書情報から前記登録対象の文書情報への参照情報を登録する登録手段と、
としてコンピュータを機能させるプログラム。
【請求項4】
文書情報を記憶する記憶装置と、
端末と、
前記端末から文書情報の登録を受付ける受付手段と、
登録対象の文書情報の名称を表す文字列が、登録済みの文書情報に含まれるか否かを検索する検索手段と、
検索結果に基づいて、前記登録済みの文書情報から前記登録対象の文書情報への参照情報を登録する登録手段と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−53655(P2012−53655A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−195458(P2010−195458)
【出願日】平成22年9月1日(2010.9.1)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】