説明

情報処理装置、及びその制御方法

【課題】過去に検索したWebサイトのURL内の位置情報を検索履歴として記憶しておき、現在位置周辺に関する検索履歴を抽出してその位置どうしを比較して一番近い情報を表示できるようにする。
【解決手段】情報の検索を行なった検索履歴を記憶し、GPS等により現在位置を取得し、記憶した検索履歴内の位置情報と取得した現在位置と、から情報を選別し、検索履歴内の位置と現在位置の距離差によってソートした情報をリスト表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットが一般社会に広く普及したことで、インターネット上の所望のウェブページをユーザが希望するキーワードを入力して検索することを可能とするサービスが多数提供されている。これらのサービスはWWW(World Wide Web)検索エンジンと呼ばれている。ユーザは検索サイトに接続し、希望のキーワードを入力する事でインターネット上に存在する関連ウェブページの情報を取得することができる。
【0003】
ここで取得した情報が、例えばこれから出かける旅行先や店舗やイベント情報など、将来の時点で再度必要となるような情報である場合、取得した情報を一旦記録し、後にその情報を適切なタイミングで参照できるようにする必要がある。従来は、ブラウザソフトの「お気に入り」や「ブックマーク」と呼ばれる機能により、一旦訪問したウェブページのアドレスを保持しておき、後にそのウェブページに簡易にアクセスできる機能でアクセスが実現されていた。
【0004】
引用文献1の情報提供方法では、ユーザ端末からの過去の検索要求に関する履歴情報として、ユーザID、検索要求ID、検索条件、検索結果とを対応付けて検索履歴DBに保持しておくものであった。
【0005】
又、引用文献2の位置情報提示装置では、検索を行なった時の位置と検索情報を履歴として記録し、何処で検索されたかを記録するものであった。
【0006】
又、引用文献3の情報提供システムでは、携帯電話と情報提供サーバとからなる。情報提供サーバは、携帯電話から送られる撮影画像データ及び位置情報を受信すると、位置情報に基づいて地図DBから、電話本体の現在地を検出する。情報抽出部は、この現在地に基づいて、地域情報及びイベント情報の各DBから、地域情報データを抽出するものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−6225号公報
【特許文献2】特開2003−91536号公報
【特許文献3】特開2005−150941号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、特許文献1の情報提供方法では、ユーザ端末から指定された検索条件を含む検索要求に応答して、この指定された検索条件に従って文書検索手段で情報検索を行なう。またこの検索要求に応答して、DBに保持された履歴情報から、ユーザIDが一致しかつ指定検索条件に一致する過去の検索要求を履歴検索手段により履歴検索する。その為、地名等を指定して過去の履歴を検索することはできるが、ある場所の周辺に関する履歴を検索することはできない。
【0009】
又、特許文献2の位置情報提示装置では、検索を行なった時の位置と検索情報を履歴として記録し、何処で検索されたかを記録するだけである。検索時の位置で履歴を検索することはできるかもしれないが、検索結果が示す情報を位置(緯度経度)で検索することはできない。
【0010】
又、特許文献3の情報提供システムでは、位置情報の現在地に基づいて、地域情報及びイベント情報の各DBから、地域情報データを抽出するだけである。その位置に関するユーザにとって関係無い情報も混在した結果が表示される。その為、そのたくさんの候補から選択する必要がある。携帯機器の狭い画面だとたくさんの候補から選択するのは操作が煩雑であった。
【0011】
本発明は、現在地周辺に関する検索履歴を抽出し一番近い情報を表示できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため、本発明の情報処理装置は、
情報の検索を行なった検索履歴を記憶する検索履歴記憶手段と、
現在位置を取得する位置取得手段と、
検索履歴記憶手段により記憶した検索履歴内の位置情報と位置取得手段により取得した現在位置と、から情報を選別する選別手段と、
を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、現在地周辺に関する検索履歴を抽出し一番近い情報を表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実際の使用形態を表す図である。
【図2】本発明の情報機器のブロック図である。
【図3】本発明実施例の処理構成図である。
【図4】検索履歴情報の記憶データ概念図である。
【図5】検索履歴情報のソートデータ概念図である。
【図6】ソート処理のフローチャートである。
【図7】検索履歴データの位置情報の概念図である。
【図8】第2実施例の処理構成図である。
【図9】候補表示例である。
【図10】候補表示リスト作成処理のフローチャートである。
【図11】検索履歴データの概念図と候補表示例である。
【図12】第3実施例の処理構成図である。
【図13】検索履歴データの概念図と候補表示例である。
【図14】第2実施例の候補表示リスト作成処理のフローチャートである。
【図15】第4実施例の処理構成図である。
【図16】検索履歴データの概念図と候補表示例である。
【図17】第3実施例の候補表示リスト作成処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(第1の実施例)
図1は本発明の実際の使用形態を表している。1は、本発明が組み込まれている携帯端末であり、座標入力部、液晶表示部、CPU、ROM、RAM、とで構成されている。位置情報収得デバイスが組み込まれており、現在地を収得してその場所の地図を表示する様なアプリケーションが組み込まれている。現在地をサーバ−マシンに送ると、本特許の組み込み処理により、現在地に関する過去に調べた情報が送られてくる。2は、サーバーマシンである。本発明をネットワークベースのサービスとして組み込んだ場合その処理はこの様なサーバーマシンに組み込まれる。本発明をネットワークベースのサービスとして組み込んだ場合、自宅のパーソナルコンピュータで調べたあるお店の情報や、イベント情報等が、サーバ上に記憶される。現地に行った時にその情報が記載されているウェブページが自動的に1の携帯端末に送られてくる様な事が実現できる。従来のように調べた結果をマークしたり、印刷したりする必要が無くなる。
【0016】
図2は本発明実施例の携帯情報機器のブロック図である。
【0017】
3は、VAN公衆回線デバイスで、公衆回線に接続し、サーバーマシン等とデータのやり取りが実現できる。4は、無線ローカルエリアネットワークデバイスで、無線LANのアクセスポイントがある周辺ではアクセスポイントとのデータのやり取りが実現し、インターネットへの接続を行なえる。
【0018】
5は、GPS(全地球測位システム)のデバイスで、衛星と通信を行なう事により、現在位置を収得する。収得された緯度経度情報は11のシステムバス経由で8のCPUに送られる。6は、透明抵抗膜デジタイザで構成される位置座標入力部で、ペン等で表面上を押下されると、押下された位置のXY位置座標データが11のシステムバス経由で8のCPUに送られる。
【0019】
7は、液晶表示部で、液晶表示素子、液晶制御回路、表示メモリから構成され、11のシステムバス経由で8のCPUに接続している。8のCPUからの指示で、軌跡の表示や文字の表示が実行される。8は、CPUであり、システムバス11を介して、9のRAM、10のROM、7の液晶表示部等と接続しており、10のROMに記憶されているプログラムによって処理動作を行う。
【0020】
9は、RAMであり、ワーク領域として使われる。10は、ROMであり、ここに本特許の処理手順等が記憶されている。11は、システムバスで、8のCPUと10のROM、9のRAMや他のデバイス等とのデータのやり取りを行なう。
【0021】
図3は、本発明実施例の閲覧情報処理装置の構成図である。
【0022】
5は、GPS(全地球測位システム)のデバイスで、衛星と通信を行なう事により、現在位置を収得する。収得された緯度経度情報は、13の履歴情報の位置情報ソート手段に送られる。この実施例ではGPSデバイスで現在位置を取得する事にしたが、無線LANのアクセスポイントが多数存在する場合などであれば、アクセスポイントとの位置関係で現在位置を知る方法も存在するのでその様な方法でも構わない。
【0023】
12は、検索履歴記憶手段で、過去に検索したインターネットワーク上のウェブページのURLが日時順に記憶されている。ブラウザソフトで検索した結果が記憶されているわけである。この実施例では、1つの機器内で過去に検索した結果を記憶しておく構成とするが、携帯機器側では位置情報の収得と、情報の表示処理のみとして、本発明の処理はサーバ機器で行なう構成でも良いのは言うまでも無い。
【0024】
13は、履歴情報の位置情報ソート手段で、日時順で記憶されている検索履歴内の情報を現在地に距離的に近い順にソート処理を行なう。ソート結果の現在地に一番近い検索履歴の情報が14の現在地近傍履歴情報ページ表示手段に送られる。
【0025】
14は、現在地近傍履歴情報ページ表示手段で、13から送られてきたURLで表わされるインターネット上のhtmlファイルを読み込み画面表示データを作成する。画面表示データの作成自体は、ブラウザソフトの機能と同じ物である。7は、液晶表示部で、htmlファイルから作成された画面データの表示等を行なう。
【0026】
図4は、ブラウザソフトで検索し読み込んだウェブページの検索履歴情報の記憶データ概念図である。通常のブラウザソフトでは、検索閲覧履歴は、閲覧日時順に記録されている。1つのデータは、記録日時、URL、URL先のウェブページ内の位置情報が記録されている。例えば、デーパート等の商業施設のウェブページをブラウザソフトで閲覧すると、その閲覧日時が記録され、そのウェブページのURLが記録され、そのウェブページ内の商業施設の住所表示が記録される。
【0027】
この例では、全て住所表示等の情報があるウェブページを閲覧した時の例である。住所等と関係無いウェブページを閲覧した場合は位置情報の記録は空白となり、この実施例の処理では対象外となる。
【0028】
図5は、位置情報によりソートされた履歴情報の概念図である。図4で表わした履歴情報を、現在地からの距離順にソートした結果である。実施例での現在地は、渋谷駅とする。渋谷駅の情報項目が表の最初の項目となる。1つのデータは、記録日時、URL、URL先のウェブページ内の位置情報、現在地から距離情報が記録されている。
【0029】
図6は、検索履歴の位置情報でのソート処理を表したフローチャートである。このフローチャートに沿って処理を説明する。
【0030】
ステップS6‐1において、検索履歴を位置情報でソートする処理を開始する。ワーク領域等の初期化を行なう。図2の5のGPSデバイスにより、現在位置の緯度経度を知る。過去にこの機器のブラウザソフトで検索した情報の検索履歴と同じユーザが自宅のPCで検索した情報の検索履歴の記録が融合し、図4で表わした様に記録されている。
【0031】
ステップS6−2において、現在の位置情報をデバイスから取得する処理を行なう。図2の5のGPSデバイスにより、現在位置の緯度経度を知る。他の位置取得の方法としては、複数の無線LANアクセスポイント等との通信により大体の位置を取得する用な方法でも構わない。取得した現在地の緯度経度情報を記憶する。
【0032】
ステップS6−3において、検索履歴から1項目を読み込む処理を行う。検索履歴は、図4に表わした様に記憶されているので、最初は1項目目の2009/10/01の項目が読み込まれる。
【0033】
ステップS6−4において、URLで示されるウェブページを読み込み、その読み込んだウェブページ内の位置情報を読みだす。図4の1項目目の例だとhttp://abc−×.co.jp/が読み込まれ、そのURLでアクセスできるhtmlファイルをプロトコルを利用してサーバから読み込む。そのhtmlファイル内の位置情報を見つける。図4の例だと、東京都新宿区○丁目△−×がそのhtmlファイル内に書かれているとそれを読み込む。インターネットの店舗や施設やイベント等のウェブページではアクセス情報として、住所や問い合わせ先の電話番号等が書かれている場合が多いのでそれらを読み込む。
【0034】
ステップS6−5において、ウェブページの位置と現在地の緯度経度の差分を出す。現在地と、その検索履歴のウェブページの施設との住所の緯度経度の差分を計算する。例えば、東京都新宿区新宿○丁目△−×は139.70060348510742,35.688951476555985である。現在の位置が渋谷駅で139.70171928405762,35.65771468099295であるとすると。差分は、0.0011157989502、−0.031236795563035である。距離としては、約4.2Kmとなる。
【0035】
距離の具体的求め方であるが、緯度経度の値をXY座標として捉えると、位置を50mの単位の値として捉え、その緯度経度から来る値のX+Yの値を距離として捉える。整備された都市部だと碁盤目状に道路が配置されているので妥当な方法であろう。
【0036】
ステップS6−6において、位置の差分の小さい順に記憶する。ソートの方法としては、現在地を中心に北側を上に南側を下にソートする。図4の検索履歴がソートされると、図5の検索履歴になる。図5の例で説明すると、1項目目の2009/10/02 http://def−×.co.jp/東京都渋谷区道玄坂○丁目△−×が現在地の項目である。その次が2009/10/03http://geh−×.co.jp/03−××××−××××で、1.7km離れている。このようになる距離差の小さい順にソートされる。
【0037】
ステップS6‐7において、次の項目があるかをチェックする。ここでは、検索履歴全部をチェックしたかをテストする。全ての検索履歴のソートが終わっていれば、ステップS6‐8に進み、まだ未処理の項目があれば、ステップS6‐3に進む。検索履歴の記憶量が少なければ、すべてのデータを処理する構成でよいが、多量のデータが記憶されている場合であれば、時間軸で一ヶ月以内とか、制限を設けても良い。又、距離を計算した後で、100km以上離れている項目はソート処理後記憶しない構成にしても良い。または、項目数によって、100kmから10kmまで可変にしても良い。
【0038】
ステップS6‐8において、このソート処理を終了する。ソート処理が終了すると、図5のソート結果の様な検索履歴が得られる。
【0039】
図7は、検索履歴の時間軸でのデータ例と、その記憶されているURLが表わす場所の位置を2次元上に表示した例である。図7の15は、検索履歴を時間軸順に記憶している例である。図7の16は、検索履歴のURLが表わす場所の位置を、現在地を中心に2次元に配置した例である。現在地はBの渋谷だとすると、その場所を中心にA:新宿、C:原宿が北側のデータになる。
【0040】
南側は、E:恵比寿、D:目黒となる。現在地は、渋谷であるから、そのソート結果から渋谷の項目は第一候補として表示され、図1の1の端末上の画面にその施設、又は店舗のウェブページが表示される事が実現される。
【0041】
本実施形態によれば、現在地周辺に関する検索履歴を抽出し一番近い情報を表示する事が実現できる。
【0042】
(第2の実施例)
第2実施例では、第一実施例の構成に加え、ソート候補リスト表示作成手段を加える構成により、検索履歴の現在地に近い情報の候補リストの表示を作成する。
【0043】
図8は、第2実施例の閲覧情報処理装置の構成図である。第1実施例の構成と同じ処理手段は同一部番であり説明を省く。図8の17は、ソート候補リスト表示作成手段で、検索履歴を現在位置との位置関係でソートを行いその候補を候補リストして作成する。
【0044】
図9は、候補リストの表示例である。18は表示画面の例で、現在の位置の地図が表示されている。19は、現地情報メニュー入力領域で、特定のボタンを押下するか、その位置を指示入力する事により候補リスト表示がポップアップメニューとして表示される。図9‐20は候補リスト表示で、現在地に一番近い表示が真中に表示されている。その候補を選ぶと、その検索履歴URLに該当するウェブページが画面上に表示される。
【0045】
図10はソート検索履歴からの候補リスト作成処理のフローチャートである。
【0046】
図11は検索履歴と候補リストの例を表わした図である。図11の21は、検索履歴を表わした表である。22は検索履歴の位置関係を2次元で表わした図で、23は候補リストの表示例である。
【0047】
図10のフローチャートにそって処理を説明する。
【0048】
ステップS10−1において、ソート検索履歴からの候補リスト作成処理を開始する。ワーク領域等の初期化を行なう。実施例1で説明したように位置情報でソートを行なって図5の状態になってからこの処理が呼ばれる。
【0049】
ステップS10−2において、現在の位置情報を図2の5のGPSデバイスから収得する処理を行う。GPSデバイスがGPS衛星からの電波を受信し、経度緯度情報を取得する。経度緯度情報から現在位置がわかる。
【0050】
ステップS10−3において、位置情報でソートされた検索履歴から1項目を読み込む処理を行なう。図5で表わした位置情報によりソートされた検索履歴情報を1項毎、読み込んで処理を行なう。
【0051】
ステップS10−4において、現在地に一番近い検索履歴情報を候補リストの中央に配置する処理を行なう。ステップS10−3において読み込んだ検索履歴項目が現在地に一番近い検索履歴情報であれば候補リストの中央に配置する処理を行なう。
【0052】
ステップS10−5において、読み込んだ検索履歴項目が現在地より北側の情報かをチェックし北側の情報であれば候補リストの中央に配置した一番近い検索履歴情報の上に配置する処理を行なう。
【0053】
ステップS10−6において、読み込んだ検索履歴項目が現在地より南側の情報かをチェックし南側の情報であれば候補リストの中央に配置した一番近い検索履歴情報の下に配置する処理を行う。
【0054】
ステップS10−7において、次の項目があるかのチェックを行なう。全ての項目が処理済であればステップS10−8に進み、そうでなければステップS10‐3に進む。もしソートされた候補数が多い場合は、全てを候補リストとして表示すると携帯端末の小さな画面でははみ出してしまうので、最大候補数は6とかで処理を終了するようにしても良い。
【0055】
ステップS10−8において、この処理を終了する。全ての処理が終了すると、図11の23に表わした様な候補リストが作成され画面上に表示される。図11の23様に現在地に一番近い場所が“渋谷 現在地”のように色が変わった状態で表示される。他の候補も現在地との距離に応じてグレースケールを変えたり、色の明度を変えたりして、どの位離れているかを表わしても良い。
【0056】
又この実施例では、北側南側で候補を分ける構成としているが、東側西側で分ける構成でも構わない。
【0057】
本実施形態によれば、現在地との距離差でソートされた候補リストを作成できる。この様な候補リスト表示により、小型画面の携帯端末でも必要な情報へ直ぐアクセスする事が実現できる。
【0058】
(第3の実施例)
携帯端末で歩きながら情報を見ている場合、進行方向の情報は必要であるが、逆方向の情報は不必要であると考えられる。但し静止している場合などは、どちらへ向かうか考えている事が有るのでその場合は、実施例1、2の構成で構わないかもしれない。
【0059】
図12は、第3実施例の閲覧情報処理装置の構成図である。第1実施例の構成と同じ処理手段は同一部番であり説明を省く。図12の24は進行方向取得手段で、図12の5のGPSデバイスからの位置情報を1分間隔等で記録する事により、ユーザの移動方向を検出しその移動方向情報を図12の25の進行方向側履歴情報抽出手段に送る。図12の25は進行方向側履歴情報抽出手段で、図12の24進行方向取得手段で取得された進行方向に応じて、検索履歴情報を選別する処理を行なう。例えば、進行方向が南であれば、現在地より南に位置する検索履歴情報のみを抽出する。
【0060】
図12の26は現在地近傍履歴進行方向候補リスト表示作成手段で、図12の25進行方向側履歴情報抽出手段で選別された進行方向に応じた検索履歴情報の候補リスト作成処理を行なう。
【0061】
図13は、検索履歴データの位置情報による2次元配置図と候補リスト例である。27は、検索履歴データの位置情報による2次元配置図である。現在の進行方向が北に向かっていると検出されると、南側のE,Dのデータは無視される。図13の28は、候補リスト例である。進行方向北側の“A新宿,C原宿と現在地B渋谷”が表示されている。
【0062】
図14はソート検索履歴進行方向リスト作成処理を表わしたフローチャートである。
【0063】
図14のフローチャートに沿って処理を説明する
ステップS14−1において、ソート検索履歴進行方向リスト作成処理を開始する。ワーク領域等の初期化を行なう。対象とする検索履歴のデータは、実施例1で説明したように位置情報でソートを行なって図5の状態になってからこの処理が呼ばれる。
【0064】
ステップS14−2において、位置情報の経過から進行方向を検出する処理を行なう。図12の24進行方向取得手段にあたる処理である。図12の5のGPSデバイスから送られて来る。緯度経度情報を数分おきに記録し、数分前地点との現時点との位置を結んだ方向を進行方向とし、その進行方向角度を例えば、南、北、東、西に判別する処理を行なう。数分おきが不安定であれば、数十分おきで処理する。車等の使用で移動速度が速い場合は、間隔が短い方が、都合が良いかもしれない。
【0065】
ステップS14−3において、ソートされている検索履歴から1項目を読み込む処理を行なう。図5で表わした距離差でソートされている検索履歴データを1項目毎読み込んで処理を行なうわけである。
【0066】
ステップS14−4において、進行方向側の検索履歴項目かをチェックする。進行方向側のデータ項目である場合はステップS14−5に進み、進行方向以外のデータ項目である場合は、ステップS14−6に進む。現在地の緯度経度とデータ項目の緯度経度を結んだ線の方向角度を求め例えば、現在の進行方向と同一角度又は、±45度の範囲であれば、同一方向とする。または、進行方向の判断を南北の2方向とするなら、±90度の範囲内であれば、同一方向とする。
【0067】
ステップS14−5において、候補リストに登録する処理を行なう。前記ステップS14−4で進行方向側の項目であると判断された項目を候補表示リストに登録する。登録された候補が図13の28の表示の用なリストに表示され、その中の例えば、A:新宿の項目を選べば、新宿の駅ビルのURLが読み込まれその指し示されるhtmlファイルが読み込まれ、新宿の駅ビルの情報が表示される。ソート順に処理されるので、登録順もソート順と同一である。進行方向以外の項目は登録されない為、候補表示から除外される。
【0068】
ステップS14−6において、未処理のソートされている検索履歴データが有るかをチェックする。全てのデータがチェックされていればステップS14−7に進み、そうでなければステップS14−3に進んで次の検索履歴データを読み込む。
【0069】
ステップS14‐7において、ソート検索履歴進行方向リスト作成処理を終了する。順次ソート検索履歴データを処理する事により、ステップS14−5で登録されたデータによりソート検索履歴進行方向リストが作成される。
【0070】
本実施形態によれば、現在地との距離差でソートされた進行方向側の情報候補リストが作成できる。この様な選別された候補リスト表示により、小型画面の携帯端末でも必要な情報へ直ぐアクセスする事が実現できる。進行方向は常時チェックしているので、変更された場合その時点で候補も変更される。一定時間停止している場合は、全方向の候補に切り替えるように進行方向収得手段の処理で行なうようにしても良い。
【0071】
(第4の実施例)
第3実施例の構成に履歴項目重要度加算手段を加える事により、検索履歴の中の重要度が高い項目を距離でソートされた検索履歴項目内に挿入する事ができる。それにより、ある程度の距離が近いもので重要度が高い項目情報にはアクセスし易くなる。
【0072】
図15は、第4実施例の閲覧情報処理装置の構成図である。第3実施例の構成と同じ処理手段は同一部番であり説明を省く。図15の29は履歴項目重要度加算手段で、距離でソートされている履歴項目の中の重要度が高い項目を上位に移動させる。これにより重要度が高い項目はアクセスし易くなる。検索履歴項目内の重要度のデータはブラウザソフト等でその検索したhtmlファイルを閲覧した時の、閲覧時間や、回数が多い物でその操作のときにカウントされ検索履歴項目内に記憶されている。例えば、閲覧時間もその閲覧時のページ送りやスクロール操作がされる時にカウントするようにすれば、そのウェブページを放置している場合のノイズ等は防げる。
【0073】
図16は、検索履歴項目内の重要度のデータと、検索履歴の位置情報の2次元表示と、処理結果の候補の例である。図16の29は検索履歴の概念図で、1項目は、URL,場所(緯度経度)重要度で構成されている。図16の30は検索履歴の位置情報を2次元に表示した概念図である。
【0074】
図16の31は、処理後の候補表示例である。
【0075】
図17は、重要度を加味した候補リスト作成処理のフローチャートである。図17のフローチャートに沿って処理を説明する。
【0076】
ステップS17−1において、重要度を加味した候補リスト作成処理を開始する。ワーク領域等の初期化を行なう。対象とするソート検索履歴は、図5に表わした様に現在地とURL先の位置情報の距離差によりソートされて記憶されている。
【0077】
ステップS17−2において、ソート検索履歴の1項目を読み込む処理を行なう。ソート検索履歴の1項目図16の29の様な構成で、URL,位置(緯度経度)、現在地からの距離差、重要度の値を読み込む。
【0078】
ステップS17−3において、距離差−重要度の計算により、重要度が高い項目を優先する処理を行なう。X+Y‐重要度*αの計算式の個々意味は下記の様である。Xを経度から求め、Yを緯度から求める。現在地と注目地点のx方向の距離差がXになる。現在地と注目地点のy方向の距離差がYになる。例えば、座標軸の単位を1kmとすると。現在地と注目地点の経度の差からx方向の距離差が1km、現在地と注目地点の緯度の差からy方向の距離差が3.2kmなら、X+Yで1+3.2=4.2kmになる。αは距離差と項目重要度という異なる情報量を調整する為の定数で、この実施例では0.038としている。項目重要度は閲覧時間が20分以上5回以上閲覧したものを100とする。閲覧時間が10分以上のものは50とし、閲覧時間が1分以下ものは0としている。
【0079】
例えば、距離差−(項目重要度*α)=新たな距離差とする。この新たな距離差で、ソートする事により重要度が高い項目を優先して候補として表示する事が実現できる。
例えば、図16の項目新宿の距離差が4.2‐(100*0.038)=4.2‐3.8=0.4になる。図16の項目原宿の距離差が1.7‐(0*0.038)=1.7になり、新宿の方が上位となり、優先される。
【0080】
ステップS17−4において、全ての項目の処理が終了したかをチェックする。処理が終了していればステップS17‐5に進み、そうでなければステップS17‐2に進む。
【0081】
ステップS17−5において、再ソート結果から候補リストを作成する。項目重要度を加味した新たな距離差でソートされた結果が記憶されているので、そこから候補リストを作成する。候補リストの表示としては、図16の31のようになる。距離差のみでは、図16の30の様な位置関係なので、渋谷、原宿、新宿順になるが、新宿の重要度を加味すると、渋谷、新宿、原宿の順になる。候補リストの表示は図16の31の様になり、渋谷、新宿、原宿の順である。
【0082】
ステップS17‐6において、重要度を加味した候補リスト作成処理を終了する。ワーク領域等の開放を行なう。
【0083】
本実施形態によれば、現在地との距離差でソートされた情報候補リストに項目の重要度を加味した候補リストが作成できる。この様な選別された候補リスト表示により、小型画面の携帯端末でも必要な情報へ直ぐアクセスする事が実現できる。ある程度の距離内の重要な項目に関しては、直ぐアクセスできる候補リストに表示される。場合によっては、自動的にある程度の距離内の重要な項目を1オペレーションで表示する様な機器を実現できる。
【0084】
以上のように、本実施形態によれば、現在地周辺に関する検索履歴を抽出し一番近い情報を表示することができる。例えば、事前に、行く場所の情報を調べておくと、その場所の周辺に実際に行った時に、自動でそのウェブページを表示する事ができる。携帯機器で現地での情報確認が便利になる。ユーザの必要な情報を距離によりソートしたリストとして表示するので、小さな画面でも選択しやすい。また、ユーザの向きを検出できる機器においては、進行方向に応じたリストに絞るので使い勝手が良い。
【0085】
本発明は前述の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記録媒体をシステムあるいは装置に供給し、システムあるいは装置のコンピュータ(CPU、MPU)が記録媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0086】
1 情報端末
2 サーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報の検索を行なった検索履歴を記憶する検索履歴記憶手段と、
現在位置を取得する位置取得手段と、
検索履歴記憶手段により記憶された検索履歴内の位置情報と、位置取得手段により取得した現在位置と、から情報を選別する選別手段と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
検索履歴内の位置情報と現在位置の距離差によってソートすることを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
検索履歴内の位置情報と現在位置の距離差によってソートした情報を1次元のリスト表示を作成して表示する表示手段を更に有する事を特徴とする請求項2記載の情報処理装置。
【請求項4】
更に、前記情報処理装置の進行方向を取得する進行方向取得手段と、
進行方向側の履歴情報を抽出する抽出手段と、
を有することを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項5】
検索履歴の履歴項目の重要度を加算する加算手段を更に有することを特徴とする請求項2記載の情報処理装置。
【請求項6】
情報の検索を行なった検索履歴を記憶する検索履歴記憶工程と、
現在位置を取得する位置取得工程と、
検索履歴記憶工程において記憶された検索履歴内の位置情報と、位置取得工程において取得した現在位置と、から情報を選別する選別工程と、
を有することを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項7】
請求項6記載の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2011−128905(P2011−128905A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−286898(P2009−286898)
【出願日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】