説明

情報処理装置、及びその制御方法

【課題】ログデータに含まれる位置情報等を補間する。
【解決手段】自装置の位置を示す位置情報を取得すると共に当該位置情報を取得した時刻を示す時刻情報を取得する測位手段を有する撮像装置が取得した前記位置情報及び前記時刻情報のペアを複数含んだログデータと、前記撮像装置が撮像した画像を表す画像データであって、当該画像が撮像された位置を示す位置情報及び時刻情報を含んだ前記画像データと、を格納する格納手段と、前記ログデータに含まれる前記複数のペアと前記画像データに含まれる位置情報及び時刻情報のペアとを含む補間ログデータを生成する生成手段と、を備えることを特徴とする情報処理装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、GPS(Global Positioning System)衛星からの信号を受信し、受信した位置情報と日時情報とをログデータとして記録するGPSログ装置が存在する。また、GPS受信機能を内蔵し、撮像画像に位置情報と日時情報とを付加して記録するデジタルカメラも登場している。これらの装置によって記録されたログデータや画像データは、緯度経度といった位置情報を持つため、位置情報が表す位置を地図上に表示することで、移動ルートや撮影場所に関する思い出の想起に役立てることができる。
【0003】
現在、ログデータの様々な活用法が知られている。例えば、デジタルカメラにGPS受信機能が無い場合(即ち、撮像画像に位置情報等が付加されない場合)に、デジタルカメラとは別のGPSログ装置で記録したログデータを利用して撮像画像に位置情報を付加することが知られている(特許文献1参照)。特許文献1によれば、ログデータに含まれる日時情報と撮像画像に付加された撮像日時情報とのマッチングを行うことにより、ログデータ内の対応する位置情報が撮像画像に付加される。また、特許文献1では、マッチングの際にデジタルカメラの内部時計のズレや時差を補正することで、マッチングの精度を向上させることや、地図上に画像の撮影位置とログデータに基づく移動ルートとを表示することなども提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−171269号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1では、移動ルートの精度はログデータの記録密度(位置情報等をログデータに記録する時間間隔)に依存するので、記録密度が低下する(時間間隔が長くなる)ほど移動ルートの精度も低下する。
【0006】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、ログデータに含まれる位置情報等を補間する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、第1の本発明は、自装置の位置を示す位置情報を取得すると共に当該位置情報を取得した時刻を示す時刻情報を取得する測位手段を有する撮像装置が取得した前記位置情報及び前記時刻情報のペアを複数含んだログデータと、前記撮像装置が撮像した画像を表す画像データであって、当該画像が撮像された位置を示す位置情報及び時刻情報を含んだ前記画像データと、を格納する格納手段と、前記ログデータに含まれる前記複数のペアと前記画像データに含まれる位置情報及び時刻情報のペアとを含む補間ログデータを生成する生成手段と、を備えることを特徴とする情報処理装置を提供する。
【0008】
なお、その他の本発明の特徴は、添付図面及び以下の発明を実施するための形態における記載によって更に明らかになるものである。
【発明の効果】
【0009】
以上の構成により、本発明によれば、ログデータに含まれる位置情報等を補間することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図4のS1050の処理(即ち、図13を参照して説明した補間処理)を行った場合に表示される画面の一例
【図2】第1の実施形態に係るコンピュータ200、及び、このコンピュータ200に対して画像データやログデータなどを提供するデジタルカメラ100の構成を示すブロック図
【図3】第1の実施形態に係るコンピュータ200が実行するアプリケーションのGUI300を示す図
【図4】図3のフォルダ指定領域301においてフォルダが選択された時の処理を示すフローチャート
【図5】Exif−JPEG500のデータ構造を例示する概念図
【図6】図4のS1020において実行される処理の詳細を示すフローチャート
【図7】画像管理リスト700の例を示す図
【図8】GPSログファイル800の例を示す図
【図9】移動ルート表示用管理リスト900の例を示す図
【図10】ログ管理リスト1000の例を示す図
【図11】図4のS1030において実行される処理の詳細を示すフローチャート
【図12】図4のS1050において実行される処理の詳細を示すフローチャート
【図13】図13のS1340の処理の結果として生成される、補間された移動ルート表示用管理リスト1300(補間ログデータ)を示す図
【図14】図4のS1060において実行される処理の詳細を示すフローチャート
【図15】図4のS1050の処理(即ち、図13を参照して説明した補間処理)を行わなかった場合に表示される画面の一例
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。なお、本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲によって確定されるのであって、以下の個別の実施形態によって限定されるわけではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせすべてが、本発明に必須とは限らない。
【0012】
以下の各実施形態において、「日時」及び「時刻」はいずれも、特に断らない限り、「年月日時分秒」を含む意味で使用される。しかしながら、発明の実施に際しては、「年月日時分秒」の一部が欠けてもよい。例えば、「年月日」が欠ける(「日時」及び「時刻」が「時分秒」しか含まない)場合であっても、例えば図11のS1260及びS1270などのように「日」を必要とする部分を除き、依然として発明は実施可能である。
【0013】
また、以下の各実施形態では、測位のためのシステムとしてGPSを使用する。しかしながら、位置情報及び時刻情報の取得が可能である限り、例えば無線の基地局を利用するなど、他のシステムを使用しても構わない。
【0014】
[第1の実施形態]
以下、本発明の情報処理装置を所謂コンピュータに適用した実施形態について説明する。本実施形態では、GPS受信機能付きデジタルカメラが、位置情報付きの画像データをファイルとして記録し、また、移動ルートを表すログデータをGPSログファイルとして記録する。コンピュータ上で動作するアプリケーションソフトウェア(以下、単に「アプリケーション」と呼ぶ)は、それらのファイルを利用して、アプリケーションが表示する地図上に撮影位置を示すマークや移動ルートを表示する。
【0015】
図2は、撮像装置の一例であるデジタルカメラ100の構成を示す。なお、撮像装置としてはデジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラの他、いわゆるカメラ付き携帯電話などを用いることも可能である。図2において、デジタルカメラ100は、撮像部101と、GPS受信部102と、中央制御部103と、RAM104と、フラッシュメモリ105と、記録メディア106と、表示部107と、操作部108と、通信部109と、時計110とを備える。デジタルカメラ100の制御は、1つのハードウエアで行ってもよいし、複数のハードウエアが処理を分担して全体として必要な動作を実行してもよい。
【0016】
撮像部101は、レンズ、シャッタ、絞り、撮像素子などを含み、被写体からの光を適切な量とタイミングで撮像素子に結像させる。GPS受信部102(測位手段)は、GPS衛星からの信号を受信し、それを基に現在位置及び現在時刻の算出を行う。算出される現在時刻は、UTC(協定世界時:Universal time, coordinated)(第1標準時)で表される。UTCとは、原子時計が刻む国際原子時を基に決定された、国際協定による標準時である。GPS受信部102は、現在位置及び現在時刻を示す情報を、中央制御部103に提供する。従って、デジタルカメラ100は、GPS受信部102を用いて、自装置の位置を示す情報(位置情報)を取得すると共に、この位置情報を取得した時刻を示す情報(時刻情報)を取得することができる。
【0017】
中央制御部103は、入力された信号やプログラムに従って、各種の演算や、デジタルカメラ100を構成する各部分の制御を行う。具体的には、中央制御部103は、撮像制御、表示制御、記録制御、通信制御などを行う。RAM104は、一時的なデータを記録し、中央制御部103の作業用に使われる。フラッシュメモリ105は、デジタルカメラ100を制御するためのプログラム(ファームウェア)や各種の設定情報を記録する。
【0018】
記録メディア106は、撮影した画像ファイルやGPSログファイルなどを記録する。なお、本実施形態における記録メディア106は、着脱可能な所謂メモリカードであり、コンピュータなどに装着して画像ファイルやGPSログファイルを読み出すことが可能である。しかしながら、記録メディア106はデジタルカメラ100に内蔵されていてもよい。即ち、デジタルカメラ100は少なくとも記録メディア106へのアクセスが可能であり、記録メディア106に対する画像ファイルやGPSログファイルの読み書きが行えればよい。
【0019】
表示部107は、撮影時のビューファインダ画像の表示、撮影画像の表示、対話的な操作のための文字表示などを行う。なお、表示部107はデジタルカメラ100が必ずしも備える必要はなく、デジタルカメラ100は表示部107の表示を制御する表示制御機能を有していればよい。操作部108は、使用者の操作を受け付けるためのものである。操作部108は、例えばボタンやレバー、タッチパネルなどを用いることが可能である。
【0020】
通信部109は、外部装置と接続し制御コマンドやデータの送受信を行う。接続を確立し、データ通信するためのプロトコルとしては、例えばPTP(Picture Transfer Protocol)が用いられる。なお、通信部109は、本実施形態ではUSB(Universal Serial Bus)ケーブルを用いた有線接続により通信を行う。しかしながら、これに限定されることは無く、無線LANなどの無線接続により通信を行ってもよい。また、通信部109は、外部装置と直接接続してもよいし、サーバを経由したりしてインターネットなどのネットワークを介して外部装置と接続してもよい。
【0021】
時計110は、UTCとは異なる標準時(第2標準時)に従う時刻を表す時計であり、時刻を示す情報(時計時刻情報)を中央制御部103に供給する。なお、時計110が従う標準時が偶然UTCと一致していても構わない。
【0022】
デジタルカメラ100が画像を撮像すると、中央制御部103は、撮像時に時計110から取得した時計時刻情報を、図5を参照して後述する撮影日時5081としてExif形式で画像データに付与する。また、撮像時にGPS受信部102がGPS衛星からの信号を受信している場合、中央制御部103は、撮像時にGPS受信部102が取得した位置情報及び時刻情報をExif形式で画像データに付与する。位置情報及び時刻情報は、図5を参照して後述する緯度5101、経度5102、及び測位日時5103として画像データに付与される。中央制御部103は、時計時刻情報、位置情報、及び時刻情報が付与された画像データを、ファイルとして記録メディア106に記録する。一方、撮像時にGPS受信部102が位置情報等の算出に必要な信号を受信していない場合、位置情報及び時刻情報は画像ファイルには記録されない(時計時刻情報は記録される)。
【0023】
また、デジタルカメラ100は、ロガーモードを有し、ロガーモードの間はログデータの生成を行う。具体的には、GPS受信部102が、中央制御部103の制御に従い、RAM104に記録されている所定の間隔でGPS衛星からの信号を受信し、位置情報及び時刻情報を中央制御部103に供給する。中央制御部103は、定期的に供給される位置情報及び時刻情報をログデータとして順次記録する。従って、ログデータは位置情報及び時刻情報のペアを複数含む。ログデータは、例えば1日単位で、或いは、ユーザによって指定された日時等で分割され、分割された各ログデータがファイル形式で記録メディア106に記録される。なお、ロガーモードに移行するタイミングとしては、例えば撮影モードではない場合(再生モードなどの場合)があげられる。また、デジタルカメラ100の電源ボタンがオフにされたことに応じてロガーモードに移行し、測位及びログデータの生成に必要な最低限の電力で動作するようにしてもよい。
【0024】
コンピュータ200は、中央制御部203と、RAM204と、記録メディア206と、表示部207と、操作部208と、通信部209とを備える。中央制御部203は、入力された信号やプログラムに従って、各種の演算やデータの再生や、コンピュータ200を構成する各部分の制御を行う。
【0025】
RAM204は、一時的なデータを記録し、中央制御部203の作業用に使われる。記録メディア206は、補助記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD)であり、各種データやプログラムなどを格納する。なお、OSや後述するアプリケーションも記録メディア206に格納されているものとする。表示部207は、本実施形態ではディスプレイであり、画像やアプリケーションの画面を表示したりする。なお、記録メディア206や表示部207はコンピュータ200に内蔵されていてもよいし、別体でもよい。
【0026】
操作部208は、キーボードやマウスなどであり、アプリケーションなどに対してユーザからの入力を行うためのものである。通信部209は、外部装置と接続し制御コマンドやデータの送受信を行う。本実施形態では、デジタルカメラ100との接続にUSBインタフェースを用いるが、通信部109と同様、これに限定されない。
【0027】
次に、本実施形態でのアプリケーションについて説明する。アプリケーションは、コンピュータ200内で実行されるものである。なお、下記の動作の前に、デジタルカメラ100からコンピュータ200には時計時刻情報、位置情報、及び時刻情報の付加された画像ファイルと、GPSログファイルとが送信されて記録メディア206に格納されているものとする。
【0028】
図3は、第1の実施形態に係るコンピュータ200が実行するアプリケーションのGUI300を示す図である。本実施形態でのアプリケーションは、画面上に地図を表示可能である。そして、アプリケーションは、コンピュータ200の記録メディア206に記録されている画像ファイルやGPSログファイルを参照し、そこに記録されている位置情報等に基づき、撮像画像データの存在を示すマークや移動ルートを地図上に表示する。以下、詳しく説明する。
【0029】
図3のGUI300において、フォルダ指定領域301は、アプリケーションで処理対象とする画像データを指定するためものである。フォルダ指定領域301では、コンピュータ200の記録メディア206内に構成されたファイルシステムのフォルダを選択可能である。本アプリケーションでは、ここで選択されたフォルダに格納されている画像ファイルが処理対象となる。サムネイルリスト表示領域302は、フォルダ指定領域301で選択されたフォルダに含まれている画像ファイルに応じたサムネイル画像(縮小画像)をリスト表示する。地図表示領域303は、地図を表示する。地図表示領域303においては、地図移動ボタン304や地図スケール変更バー305をユーザが操作することで、任意の位置の地図を表示可能である。なお、本実施形態のアプリケーションは、地図を構成するための地図データは一般的なWebサービスを参照して取得するが、これに限定するものではない。
【0030】
本アプリケーションでは、サムネイルリスト表示領域302に表示されているサムネイル画像に対応した画像データに含まれる位置情報に応じて、画像データの存在を示すマーク310が地図上に表示される。また、図3のサムネイルリスト表示領域302で選択中の画像に対応するGPSログファイルに基づき、GPSログデータに含まれる位置情報を結んだ移動ルート311が地図上に表示される(実際には、後述の図1に示すように補間された移動ルートが表示されるが、本図では説明のため、GPSログファイルのみに基づく移動ルートを表示している)。
【0031】
以下、図3の画面を表示するための処理を、図4のフローチャートを参照して説明する。なお、以下に示す処理は、コンピュータ200の中央制御部203が、記録メディア206に格納されているプログラムに従って行うものである。
【0032】
図4は、図3のフォルダ指定領域301においてフォルダが選択された時の処理を示すフローチャートである。初めに、S1005で、中央制御部203は、GPSログファイルの解析を行う。GPSログファイルは、記録メディア206内の所定のフォルダに保存されている。S1005の具体的な処理として、中央制御部203は、所定のフォルダに記録されている複数のGPSログファイルを順に参照し、後述する図9に示す移動ルート表示用管理リスト900、及び、図10に示すログ管理リスト1000を作成する。
【0033】
S1005での処理が完了すると、次に中央制御部203は、フォルダ指定領域301で指定されたフォルダに含まれている画像データを1つずつ処理する。具体的には、図4のS1010で、中央制御部203は、続くS1020とS1030の処理が全ての画像データに対して完了したか否かを判定する。未処理の画像データが存在する場合には、中央制御部203は、S1020に処理を移す。全ての画像データに対する処理が完了していた場合には、中央制御部203は、S1040に処理を移す。
【0034】
S1020で、中央制御部203は、処理対象の画像データに関する情報をまとめた画像管理リスト700(図7参照)を作成する。その際、中央制御部203は、画像データに対応するGPSログファイルを探す際のキーとなる撮影日時(時計時刻情報)のUTC換算時刻を求める処理も行う。S1020の処理の詳細は後述する。
【0035】
S1030で、中央制御部203は、画像データに含まれる時刻情報又はUTC換算された時計時刻情報に基づき、画像データに対応するGPSログファイルを特定する。また、中央制御部203は、特定されたGPSログファイルに関する情報を、S1020で作成した画像管理リスト700に記録する。S1030の処理の詳細は後述する。
【0036】
前述の通り、全ての画像データについてS1020及びS1030の処理が完了すると、処理はS1010からS1040に遷移する。S1040で、中央制御部203は、画像が存在することを示すマークを、画像管理リスト700に基づいて地図表示領域303の地図上に表示する。本実施形態では、中央制御部203は、図3に示すように、地図表示領域303に表示されている地図上の対応する位置に、マーク310を表示する。マーク310は、画像管理リスト700で管理されている画像のうち位置情報が記録されている全ての画像について表示される。
【0037】
S1050で、中央制御部203は、移動ルートの補間処理を行う(詳細は後述)。S1060で、中央制御部203は、地図表示領域303に表示されている地図上に、移動ルート311を表示する(詳細は後述)。
【0038】
(S1005:GPSログファイルの解析)
次に、図8乃至図10を参照して、図4のS1005で実行される処理の詳細について説明する。まず、本実施形態におけるGPSログファイルの構成について説明する。図8は、GPSログファイル800の例を示す図である。GPSログファイル800は、デジタルカメラ100の中央制御部103がGPS受信部102から取得した情報に基づいて、記録メディア106に保存したものである。
【0039】
GPSログファイル800の1行目には、GPSログ装置のモデル名801及びシリアル番号802が記録される。本実施形態では、デジタルカメラ100がGPSログ装置の機能(即ち、GPS受信部102)を備えるため、モデル名801及びシリアル番号802として、デジタルカメラ100のモデル名及びシリアル番号が記録される。モデル名801及びシリアル番号802は、GPSログファイル800を生成したデジタルカメラ100(撮像装置)を識別する識別情報として利用可能である。
【0040】
GPSログファイル800の2行目以降の$マークから始まる行は、GPSログ装置が信号を受信しログ情報として出力した、NMEA−0183フォーマットに則したメッセージである。NMEA−0183フォーマットとは、米国海洋電子機器協会(National Marine Electronics Association)が定めたGPS受信機とナビゲーション機器との間をシリアルポートを利用して通信するための規格である。本実施形態では、GPGGAとGPRMCという二種類のメッセージが記録されている。それぞれのメッセージに後続するデータフィールドはコンマで区切られる。
【0041】
GPGGAはGlobal Positioning System Fix Dataを表す。データフィールドは順に、UTCを基準とする測位時刻803、緯度804(緯度、及び、北緯(N)か南緯(S)かを示す記号)、経度805(経度、及び、東経(E)か西経(W)かを示す記号)、GPSのクオリティを含む。データフィールドは続いて、受信衛星数、HDOP(Horizontal Dilution of Precision)、平均海水面からのアンテナ高度(m)、WGS−84楕円体から平均海水面の高度差(m)を含む。データフィールドは更に続いて、DGPSデータのエイジ(秒)、DGPS基準局のID、チェックサムを含む。
【0042】
GPRMCはRecommended Minimum Specific GNSS Dataを表す。データフィールドは順に、UTCを基準とする測位時刻、有効(A)か無効(V)かのステータス、緯度、北緯(N)か南緯(S)かを示す記号、経度、東経(E)か西経(W)かを示す記号を含む。データフィールドは続いて、対地速度(ノット)、進行方向(度、真北)、UTCを基準とする測位日付806、地磁気の偏角、モード、チェックサムを含む。
【0043】
次に、GPSログファイル800に基づいて生成される移動ルート表示用管理リスト900について説明する。図9は、移動ルート表示用管理リスト900の例を示す図である。中央制御部203は、GPSログファイル800から、測位時刻803、緯度804、経度805、及び測位日付806を抽出し、移動ルート表示用管理リスト900に記録する。図9において、時刻901には、測位時刻803及び測位日付806の組み合わせが記録される。また、緯度902には緯度804が、経度903には経度805が、それぞれ記録される。ファイル種別904には、対応する時刻901等がログデータに由来するか、それとも画像データに由来するか(後述)を示す情報(由来情報)が記録される。図9に示すリストは、GPSログファイル800のみに基づいて作成されているため、全てのエントリについてファイル種別904には「ログ」が記録される。
【0044】
次に、ログ管理リスト1000について説明する。図10は、ログ管理リスト1000の例を示す図である。ログ管理リスト1000により、複数のGPSログファイルを扱うことが可能になる(この場合、記録メディア206は複数のGPSログファイルを格納可能である)。ログファイルパス1001には、各GPSログファイルのファイルパスが記録される。測位開始日時1002には、GPSログファイル800から抽出した測位開始日時(即ち、最先の時刻情報)が記録される。測位終了日時1003には、GPSログファイル800から抽出した測位終了日時(即ち、最後の時刻情報)が記録される。モデル名1004には、GPSログファイル800から抽出したモデル名801が記録される。シリアル番号1005には、GPSログファイル800から抽出したシリアル番号802が記録される。なお、ログ管理リスト1000は、測位開始日時1002で昇順にソートされる。また、ログ管理リスト1000は、記録メディア206内に記録されてもよいし、RAM204に一時的に管理されるだけでもよい。
【0045】
(S1020:画像管理リストの作成)
次に、図5乃至図7を参照して、図4のS1020において実行される処理の詳細について説明する。まず、画像管理リスト700について説明する。図7は、画像管理リスト700の例を示す図である。画像管理リスト700は、ユーザによって指定されたフォルダ(図3のフォルダ指定領域301参照)の全画像データを解析して得られた情報を管理する。画像管理リスト700は、画像ファイルパス701、緯度702、経度703、モデル名704、シリアル番号705、UTC換算時刻706、及び、対応ログファイルパス707を含む。このうち、画像ファイルパス701からUTC換算時刻706までが図4のS1020において記録され、対応ログファイルパス707は図4のS1030において記録される(図11を参照して後述)。
【0046】
図6は、図4のS1020において実行される処理の詳細を示すフローチャートである。S1110で、中央制御部203は、処理対象の画像データのファイルパスを画像管理リスト700の画像ファイルパス701に記録する。S1120で、中央制御部203は、画像データを解析して、緯度、経度、モデル名、シリアル番号を抽出し、それぞれ緯度702、経度703、モデル名704、シリアル番号705に記録する。
【0047】
ここで、図5を参照して、画像データの構成について説明する。前述の通り、画像データは、デジタルカメラ100により生成され、コンピュータ200に転送され、記録メディア206にファイル形式で記録される。本実施形態では、ファイル形式としてExif−JPEGを用いるが、Exif−TIFFやRAWなど、メタデータを記録可能な形式であればいかなる形式でもよい。なお、Exif(Exchangeable image file format)とは、JEIDA(日本電子工業振興協会)が策定したデジタルカメラ用の画像メタデータのフォーマットである。
【0048】
図5は、Exif−JPEG500のデータ構造を例示する概念図である。SOI501は、Exif−JPEG500の開始を示すマーカである。APP1 502は、Exif−JPEG500のヘッダ部に相当するアプリケーションマーカである。データブロック503は、量子化テーブル(DQT)、ハフマンテーブル(DHT)、フレーム開始マーカ(SOF)、及びスキャン開始マーカ(SOS)から構成される。Compressed Data504は、画像の圧縮データである。EOI505は、Exif−JPEG500の終端を示すマーカである。
【0049】
また、APP1 502は、図5の右側に示すように構成される。データブロック506は、APP1 502のサイズを示すAPP1 Length、及び、APP1 502の識別コードを示すExif Identifier Codeから構成される。0th IFD507は、圧縮された画像に関する付属情報を記録するデータブロックである。0th IFD507には例えば、撮影したデジタルカメラのモデル名5071が含まれる。0th IFD507の一部には、Exif IFD508とGPS IFD510のデータブロックが存在する。Exif IFD508は、Exifバージョンに関するタグ、画像データの特性や構造に関するタグ、撮影日時5081に関するタグ、シャッタースピードやレンズ焦点距離などが記録された撮影条件に関するタグなどから構成される。撮影日時5081には、デジタルカメラ100の時計110から取得された時計時刻情報が記録される。また、Exif IFD508には、MakerNote509のデータブロックが存在する。MakerNote509には、カメラメーカ固有の情報が記録されている。MakerNote509には例えば、本実施形態で使用する時差情報5091や撮影に用いられたデジタルカメラ100のユニークな番号を表すシリアル番号5092などの情報が含まれる。モデル名5071及びシリアル番号5092は、画像を撮像したデジタルカメラ100(撮像装置)を識別する識別情報として利用可能である。GPS IFD510は、GPS情報に関するタグから構成される。その中には、本実施形態で使用する緯度5101、経度5102といった位置情報や、UTCを基準とする測位日時5103が記録される。1st IFD511は、サムネイル画像に関する付属情報を記録するデータブロックである。Thumbnail512は、サムネイルの画像データを含む。
【0050】
ここで時差情報5091について説明する。前述の通り、デジタルカメラ100は時計110を備え、画像の撮像時に、その時の日時を画像の属性情報として画像データに関連付けて撮影日時5081として記録する。また、本実施形態におけるデジタルカメラ100は、時計110が従う標準時(第2標準時)とUTC(第1標準時)との時差を示す情報を設定することが可能である。本実施形態では、生成される画像データには、撮影日時5081に加えて、デジタルカメラ100に設定されている時差(時差情報5091)も記録される。例えば、ユーザが日本に滞在している場合、デジタルカメラ100の時計110を日本の現地時間に設定し、UTCからの時差を9時間(540分)と設定したものとする。この場合、撮像により生成される画像データの撮影日時5081には、撮像時の日本の現地時間が記録され、時差情報5091には、9時間(540分)という値が記録される。
【0051】
図6に戻り、S1120では、中央制御部203は、緯度5101、経度5102、モデル名5071、及びシリアル番号5092を画像データから抽出して画像管理リスト700の対応する場所に記録する。
【0052】
次にS1130で、中央制御部203は、画像データを解析し、撮影日時5081、測位日時5103、及び時差情報5091を抽出する。これらの情報は、画像データに対応するGPSログファイルを検索する際のキーとなるUTC換算時刻706を算出したり、移動ルート表示用管理リスト900を補間したりするために使用される。詳細は後述するが、ログ管理リスト1000(図10参照)では、各GPSログファイルの情報として、測位開始日時1002及び測位終了日時1003がUTCで記録されている。そのため、画像データに対応するGPSログファイルを見つけるためには、画像を撮影した時刻のUTCに相当する時刻(UTC換算時刻706)が必要である。但し、画像データによっては、必ずしも、撮影日時5081、測位日時5103、及び時差情報5091の全てが含まれているものではない。例えば、デジタルカメラ100が、緯度5101及び経度5102は記録するが測位日時5103は記録しないように構成されている場合がある。また、室内など、GPS衛星からの電波を捕捉できないような環境では、デジタルカメラ100のGPS受信部102は時刻情報を取得できない。この場合、測位日時5103は画像データに記録されない(この場合、位置情報(緯度5101及び経度5102)も記録されない)。また、デジタルカメラ100が時差情報を設定する機能を備えない場合、時差情報5091は記録されない。このため、S1140以下では、取得できたデータに応じて、処理が分岐する。
【0053】
S1140で、中央制御部203は、画像データに測位日時5103が存在するか否か(即ち、S1130において測位日時5103を取得できたか否か)を判定する。測位日時5103が存在する場合、中央制御部203は、S1150に処理を移す。この場合、S1150で、中央制御部203は、画像データから取得した測位日時5103をUTC換算時刻706として記録する(この場合、換算は不要である)。
【0054】
S1140において測位日時5103が存在しないと判定された場合、S1160へ処理が遷移する。この場合、S1160で、中央制御部203は、画像データに撮影日時5081が存在するか否かを判定する。撮影日時5081が存在しない場合、中央制御部203はS1195に処理を移し、エラーを意味する「0」を画像管理リスト700のUTC換算時刻706に記録する。
【0055】
S1160において撮影日時5081が存在すると判定された場合、S1170に処理が遷移する。この場合、S1170で、中央制御部203は、画像データに時差情報5091が存在するか否かを判定する。時差情報5091が存在する場合、中央制御部203はS1190に処理を移し、画像管理リスト700のUTC換算時刻706に、撮影日時5081から時差情報5091を減算した値を記録する。一方、時差情報5091が存在しない場合には、中央制御部203はS1180でユーザに時差情報の入力を求め、その値を基に、S1190でUTC換算時刻706を算出して記録する。
【0056】
このように、S1130からS1190の処理により、画像データに少なくとも撮影日時5081又は測位日時5103が含まれていれば、UTC換算時刻706を取得することができる。
【0057】
(S1030:対応ログファイルの検索)
次に、図11を参照して、図4のS1030において実行される処理を詳細に説明する。S1030では、中央制御部203は、ログ管理リスト1000とS1020で取得したUTC換算時刻706とを参照して、画像データに対応するGPSログファイルを特定し、画像管理リスト700の対応ログファイルパス707を設定する。
【0058】
図11は、図4のS1030において実行される処理の詳細を示すフローチャートである。S1210で、中央制御部203は、画像管理リスト700から、処理対象の画像データのモデル名704、シリアル番号705、及びUTC換算時刻706を取得する。S1220で、中央制御部203は、変数Nを0に初期化する。変数Nは、図10のログ管理リスト1000に含まれるGPSログファイルの順序を示す。S1230で、中央制御部203は、変数Nの値を1だけインクリメントする。S1235で、中央制御部203は、ログ管理リスト1000のN番目のログ情報を参照する。S1240で、中央制御部203は、S1210で取得したモデル名704及びシリアル番号705が、N番目のログ情報のモデル名1004及びシリアル番号1005と一致しているか否かを判断する。一致していない場合、中央制御部203は、S1230に処理を戻す(この場合、N番目のGPSログファイルは処理対象の画像データに対応しないと判断される)。一致していた場合、中央制御部203はS1250に処理を進める。
【0059】
S1250で、中央制御部203は、S1210で取得したUTC換算時刻706がN番目のGPSログファイルの測位開始日時1002よりも前であるか否かを判定する。前であった場合、中央制御部203はS1260に処理を進め、UTC換算時刻とN番目のGPSログファイルの測位開始日時1002とが同一の日を示すか否かを判定する。同一である場合、中央制御部203はS1265で、N番目のGPSログファイルを対応ログファイルと決定し、S1298に処理を進める。同一でない場合、中央制御部203はS1270に処理を進める
S1270で、中央制御部203は、UTC換算時刻706と、n番目(n<N)のGPSログファイルの測位終了日時1003とが、同一の日を示すか否かを判定する。n番目のGPSログファイルはS1240でモデル名及びシリアル番号が一致した最後のGPSログファイルである。UTC換算時刻706とn番目のGPSログファイルの測位終了日時1003とが同一の日を示す場合、中央制御部203はS1275に処理を進め、n番目のGPSログファイルを対応ログファイルと決定してS1298に処理を進める。UTC換算時刻706とn番目のGPSログファイルの測位終了日時1003とが同一の日を示さない場合、中央制御部203はS1280に処理を進め、対応するGPSログファイルは存在しないと決定する。この場合、UTC換算時刻706と同日の時刻を示す測位開始日時1002及び測位終了日時1003は存在しない。
【0060】
S1260及びS1270の判断により、GPSログファイルの最先の時刻(測位開始日時1002)と最後の時刻(測位終了日時1003)との間にUTC換算時刻706が入るようなGPSログファイルが存在しない場合に対処可能となる。この場合、S1265又はS1275で、UTC換算時刻706と同日の時刻を示す時刻情報を含むGPSログファイルが選択される。また、このような判断の結果、図7に示すように、C:¥20100908¥IMG_0007.JPGの対応GPSログファイルは存在しないということが記録される。しかしながら、日にちが一致するGPSログファイルがなくても、測位開始日時1002又は測位終了日時1003が最も近いGPSログファイルを対応ログファイルと決定してもよい。また、さらにその場合、測位開始日時1002又は測位終了日時1003が最も近いGPSログファイルであっても、日時の差が閾値を超える場合は対応ログファイルではないと判断してもよい。
【0061】
S1250でUTC換算時刻706がN番目のGPSログファイルの測位開始日時1002よりも前でないと判断された場合、処理はS1290に進む。この場合、中央制御部203はS1290で、UTC換算時刻706がN番目のGPSログファイルの測位終了日時1003よりも前であるか否かを判定する。前であった場合、中央制御部203はS1295で、N番目のGPSログファイルを対応ログファイルと決定してS1298に処理を進める。この場合、UTC換算時刻706は、N番目のGPSログファイルの測位開始日時1002と測位終了日時1003との間に入っている。
【0062】
一方、S1290でUTC換算時刻706がN番目のGPSログファイルの測位終了日時1003よりも前でないと判断された場合、中央制御部203はS1296で、全GPSログファイルの参照が終了したか否かを判定する。全GPSログファイルの参照が終了していない場合、処理はS1230に戻る。全GPSログファイルの参照が終了した場合、中央制御部203はS1297で、対応するGPSログファイルは存在しないと決定し、S1298に処理を進める。S1298で、中央制御部203は、決定した対応GPSログファイルのパスを図7の画像管理リスト700の対応ログファイルパス707に記録する。
【0063】
なお、本実施形態では、図6のS1190で説明した通り、画像管理リスト700の作成時に、画像の撮像時刻(撮影日時5081)をUTCに換算した。しかしながら、撮像時刻をUTCに換算する代わりに、GPSログファイルの時刻情報(時刻901)に対して時計110とUTCとの時差を加えてもよい。結局のところ、いかなるやり方であれ、撮影日時5081と時刻901とが同じ標準時に従うように撮影日時5081及び時刻901の少なくとも一方を補正すればよい。但し、時刻901を補正する場合、図6のS1150において測位日時5103を同様に補正する必要がある。
【0064】
また、本実施形態では、S1240でモデル名及びシリアル番号の一致を確認したが、この処理は省略してもよい。例えば、デジタルカメラ100とは別のGPSログ装置がGPSログファイルを生成する場合、画像データに含まれるモデル名等とGPSログファイルに含まれるモデル名等とは一致しない。このような場合、S1240の処理を省略すれば、対応ログファイルの検索が可能である。
【0065】
また、図11のフローチャートに従うと各画像データの対応ログファイルは1つであるが、各画像データが2以上の対応ログファイルを持ち得るように処理を変更してもよい。例えば、S1265、S1275、及びS1295からS1298へ進むのではなくS1230に戻るように処理を変更すれば、各画像データが2以上の対応ログファイルを持ち得る。
【0066】
(S1050:移動ルートの補間)
次に、図12及び図13を参照して、図4のS1050において実行される処理を詳細に説明する。図12は、図4のS1050において実行される処理の詳細を示すフローチャートである。S1310で、中央制御部203は、変数Nを0に初期化する。変数Nは、図10のログ管理リスト1000に含まれるGPSログファイルの順序を示す。S1320で、中央制御部203は、変数Nの値を1だけインクリメントする。S1330で、中央制御部203は、図7の画像管理リスト700の対応ログファイルパス707を参照して、ログ管理リスト1000のN番目のGPSログファイルを対応GPSログファイルとしている画像データを抽出する。
【0067】
S1340で、中央制御部203は、N番目のGPSログファイルに対応した図9の移動ルート表示用管理リスト900の補間を行う。具体的には、中央制御部203は、S1330で抽出した画像データのUTC換算時刻706、緯度702、及び経度703を、それぞれ時刻901、緯度902、及び経度903として時間順に移動ルート表示用管理リスト900に挿入する。その際、ファイル種別904は、挿入されたエントリが画像データに由来することを示す「画像」とする。このようにすることで、ログデータを画像データに含まれる位置情報で補間することが可能となる。図13は、S1340の処理の結果として生成される、補間された移動ルート表示用管理リスト1300(補間ログデータ)を示す図である。
【0068】
続いて、S1350で、中央制御部203は、全てのGPSログファイルの移動ルート表示用管理リスト900の補間処理が完了したか否か(即ち、ログ管理リスト1000の最後のGPSログファイルまで補間処理が完了したか否か)を判定する。完了していた場合、中央制御部203は本フローチャートの処理を終了し、完了していない場合、中央制御部203はS1320に処理を戻す。
【0069】
(S1060:移動ルートの表示)
次に、図14、図15、及び図1を参照して、図4のS1060において実行される処理を詳細に説明する。図14は、図4のS1060において実行される処理の詳細を示すフローチャートである。S1410で、中央制御部203は、図7の画像管理リスト700から、図3のサムネイルリスト表示領域302で選択中の画像の情報を取得する。S1420で、中央制御部203は、画像管理リスト700を参照して、選択中の画像に対応するGPSログファイルに対応する、補間された移動ルート表示用管理リスト1300を取得する。S1430で、中央制御部203は、変数Nを0に初期化する。変数Nは、図13の補間された移動ルート表示用管理リスト1300に含まれるエントリの順序を示す。S1440で、中央制御部203は、変数Nの値を1だけインクリメントする。S1450で、中央制御部203は、補間された移動ルート表示用管理リスト1300のN番目とN+1番目のエントリのファイル種別が共にログであるか否かを判定する。共にログである場合、中央制御部203はS1460で、移動ルートとして、N番目とN+1番目の緯度経度情報に対応する地図上の位置を実線で結んで描画する。一方、共にログではない(少なくとも一方のファイル種別が「画像」である)場合、中央制御部203はS1470で、移動ルートとして、N番目とN+1番目の緯度経度情報に対応する地図上の位置を点線で結んで描画する。S1480で、中央制御部203は、補間された移動ルート表示用管理リスト1300の最後まで処理が完了したか否かを判定する。完了していた場合、中央制御部203は本フローチャートの処理を終了し、完了していない場合、中央制御部203はS1440に処理を戻す。
【0070】
図15は、図4のS1050の処理(即ち、図13を参照して説明した補間処理)を行わなかった場合に表示される画面の一例を示す。図15において、マーク1501は、対応するGPSログファイルの測位開始日時の前に撮影した画像の位置を示すマーカである。また、マーク1502は、対応するGPSログファイルの測位終了日時の後に撮影した画像の位置を示すマーカである。それ他のマークは、対応するGPSログファイルの測位開始日時と測位終了日時との間で撮影した画像の位置を示すマーカである。太線が移動ルート1503として表示されており、GPSログファイルの測位開始日時に記録された緯度経度の場所が移動ルートの始点1504であり、GPSログファイルの測位終了日時に記録された緯度経度の場所が移動ルートの終点1505である。また、地点1506から地点1507の間を移動する間、デジタルカメラ100が撮影モードになって、GPSログファイルへの記録がされていない。移動ルートは、GPSログファイルに記録される緯度経度情報を線分で結んで描画したものであるため、GPSログファイルへの記録がされていない間隔が長いと、実際には通っていないはずの場所が移動ルートとして描画される。そのため、地点1506から地点1507の間は直線で結ばれた移動ルートが表示されている。
【0071】
一方、図1は、図4のS1050の処理(即ち、図13を参照して説明した補間処理)を行った場合に表示される画面の一例を示す。図1に示すマーク部分の位置情報付き画像によって補間された移動ルートは点線(例えば1601、1602、および1603)で描画され、表示画像に対応するGPSログファイルに記録される緯度経度情報による移動ルートは実線で描画されている。点線1601はGPSログファイルの測位開始日時と測位終了日時との間に撮影された位置情報付き画像によって補間された移動ルートである。点線1602はGPSログファイルの測位開始日時の前に撮影された位置情報付き画像によって追加された移動ルートであり、点線1603はGPSログファイルの測位終了日時の後に撮影された位置情報付き画像によって追加された移動ルートである。
【0072】
なお、本実施形態では、説明のため、あるいは、GPSログファイルに記録された情報と区別可能にするために、画像によって補間された移動ルートは点線で描画するようにしたが、実線であってもよい。また、破線や線分の色でGPSログファイルに記録された情報と区別しても良い。
【0073】
以上説明したように、本実施形態によれば、コンピュータ200は、ログデータに含まれる位置情報及び時刻情報の複数のペアと画像データに含まれる位置情報及び時刻情報のペアとを含む補間ログデータ(補間された移動ルート表示用管理リスト1300)を生成する。これにより、ログデータに含まれる位置情報等を画像データに含まれる位置情報で補間することが可能となる。
【0074】
なお、この補間の方法は、特にロギングモードと撮影モードが排他的なモードとなっている場合に有効である。なぜならロギングモードと撮影モードが排他となっている場合、撮影モード中はロギングモードでの測位が行えないこととなるため、結果としてGPSログデータは撮影モード中の位置情報が欠損することとなる。そこで本件では、撮影モード中に得られた位置情報付きの画像データを利用することで、GPSログデータのちょうど欠損している箇所を補間するようにした。
【0075】
[その他の実施形態]
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自装置の位置を示す位置情報を取得すると共に当該位置情報を取得した時刻を示す時刻情報を取得する測位手段を有する撮像装置が取得した前記位置情報及び前記時刻情報のペアを複数含んだログデータと、前記撮像装置が撮像した画像を表す画像データであって、当該画像が撮像された位置を示す位置情報及び時刻情報を含んだ前記画像データと、を格納する格納手段と、
前記ログデータに含まれる前記複数のペアと前記画像データに含まれる位置情報及び時刻情報のペアとを含む補間ログデータを生成する生成手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記生成手段は、前記補間ログデータに含まれる各ペアが前記ログデータに由来するか前記画像データに由来するかを示す由来情報を前記補間ログデータに含め、
前記情報処理装置は、地図を表示する地図表示手段を更に備え、
前記地図表示手段は、前記補間ログデータに含まれる各ペアが示す位置を各ペアが示す時刻の順に結ぶルートを、前記ログデータに由来する部分と前記画像データに由来する部分とを区別可能なように前記地図上に示す
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記格納手段は、複数の前記ログデータを格納可能であり、
前記生成手段は、前記複数の前記ログデータのうち、前記画像データに含まれる時刻情報が示す時刻が複数の前記ペアが示す最先の時刻と最後の時刻との間に入るログデータを使用して、前記補間ログデータを生成する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記生成手段は、前記画像データに含まれる時刻情報が示す時刻が複数の前記ペアが示す最先の時刻と最後の時刻との間に入るログデータが前記格納手段に格納されていない場合、前記複数の前記ログデータのうち、当該時刻情報が示す時刻と同日の時刻を示すペアを含むログデータを使用して、前記補間ログデータを生成する
ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記生成手段は、前記画像データに含まれる時刻情報が示す時刻が複数の前記ペアが示す最先の時刻と最後の時刻との間に入るログデータが前記格納手段に格納されていない場合、前記複数の前記ログデータのうち、当該時刻情報が示す時刻に最も近い時刻を示すペアを含むログデータを使用して、前記補間ログデータを生成する
ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記ログデータは、当該ログデータの前記複数のペアを取得した撮像装置を識別する識別情報を含み、
前記画像データは、当該画像データが表す画像を撮像した撮像装置を識別する識別情報を含み、
前記生成手段は、前記ログデータに含まれる識別情報と前記画像データに含まれる識別情報とが一致した場合に、前記補間ログデータを生成する
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記測位手段は、第1標準時に従う時刻情報を取得するように構成され、
前記撮像装置は、第2標準時に従う時刻を表す時計を更に有し、
前記画像データは、当該画像データが表す画像が撮像された際の前記時計の時刻を示す時計時刻情報を更に含み、
前記生成手段は、前記画像データが前記時刻情報を含んでいない場合、前記時刻情報の代わりに前記時計時刻情報を使用して前記補間ログデータを生成し、
前記生成手段は、前記時刻情報の代わりに前記時計時刻情報を使用する場合、前記第1標準時と前記第2標準時との時差に基づき、前記ログデータに含まれる時刻情報と前記時計時刻情報とが同一の標準時に従うように前記ログデータに含まれる時刻情報及び前記時計時刻情報の少なくとも一方を補正する
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記生成手段は、前記時差を示す情報を、前記画像データから又はユーザの入力から取得する
ことを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
自装置の位置を示す位置情報を取得すると共に当該位置情報を取得した時刻を示す時刻情報を取得する測位手段を有する撮像装置が取得した前記位置情報及び前記時刻情報のペアを複数含んだログデータと、前記撮像装置が撮像した画像を表す画像データであって、当該画像が撮像された位置を示す位置情報及び時刻情報を含んだ前記画像データと、を格納する格納手段を備える情報処理装置の制御方法であって、
前記情報処理装置の生成手段が、前記ログデータに含まれる前記複数のペアと前記画像データに含まれる位置情報及び時刻情報のペアとを含む補間ログデータを生成する生成工程
を備えることを特徴とする制御方法。
【請求項10】
コンピュータに請求項9に記載の制御方法の前記生成工程を実行させるためのプログラム。

【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図1】
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【図3】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−165144(P2012−165144A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−23245(P2011−23245)
【出願日】平成23年2月4日(2011.2.4)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】