説明

情報処理装置、及び情報処理装置の制御方法

【課題】 複数台の情報処理装置に入力操作を行う場合、外部機器としての入力装置を別途用意することなく、容易に入力装置を共有して使用する。
【解決手段】 PC10は、キーボード13またはタッチパッド16を含む入力装置と、外部の装置であるホストのPC20との通信接続を実行するUSBデバイスコネクタ141を有している。PC10の特定操作判定部303は、入力装置に対して切替特定キーCの入力が行われたか否かを判断し、通信確立判定部304は、USBデバイスコネクタ141を介してPC10との通信が確立しているPC20があるか否かを判断する。特定操作判定部303が切替特定キーCが入力されたと判断し、通信確立判定部304がPC10との通信が確立しているPC20があると判断した場合、出力先制御部306は入力信号の出力先をPC10からPC20へと切り替える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置に係り、特に入力装置のエミュレーション機能を有する情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルコンピュータ(以下、「PC」ともいう。)の機能発達に伴い、1人のユーザが複数のPCを同時に操作する場面が見られる。操作効率の観点からは2台のPCを操作するときに、操作したい方のPCのキーボードあるいはポインティングデバイスへ持ち替える手間を省きたいことがある。特許文献1にはUSB端子を有する複数台のPCに対して外部周辺機器である1組のキーボードとポインティングデバイスを切り替え可能な切替装置が開示されている。
【特許文献1】特開2001−43178号公報(第6頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
外付けの1組のキーボード等の周辺機器を用意し、特許文献1の切替え装置を用意すれば、複数台のPCでキーボードを共有することは可能である。
【0004】
しかし、複数台のPCの1つが例えばノートPCのような本体と入力装置とが一体のPCである場合、新たに外付けの1組のキーボード等の周辺機器を用意することはノートPCと一体になっている入力装置(キーボード、ポインティングディバイス)が未使用の状態で遊んでしまうこととなり、非効率である。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、入力装置を備えた情報処理装置に入力装置のエミュレーション機能を備えることで、複数台の情報処理装置に入力操作を行う場合、外部機器としての入力装置を別途用意することなく、容易に入力装置を共有して使用することができる情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る情報処理装置は、キーボードまたはポインティングデバイスを含む入力装置と、外部の装置であるホストの情報処理装置との通信接続を実行するデバイスコネクタと、前記入力装置に対して特定の操作入力が行われたか否かを判断する特定操作判断手段と、前記デバイスコネクタを介して自装置との通信が確立しているホストの情報処理装置があるか否かを判断する通信確立判断手段と、前記特定操作判断手段により前記特定の操作入力が行われたと判断され、前記通信確立判断手段により自装置との通信が確立しているホストの情報処理装置があると判断された場合には、前記入力装置に対する操作入力による入力信号の出力先を前記自装置から前記ホストの情報処理装置へと切り替える切替手段とを有することを特徴としている。
【0007】
また、本発明に係る他の情報処理装置は、キーボードまたはポインティングデバイスを含む入力装置と、外部の装置であるホスト側の情報処理装置との通信接続を実行するデバイスコネクタと、前記入力装置に対して特定の操作入力が行われたか否かを判断する特定操作判断手段と、前記デバイスコネクタを介して自装置との通信が確立しているホストの情報処理装置があるか否かを判断する通信確立判断手段と、前記特定操作判断手段により前記特定の操作入力が行われたと判断され、前記通信確立判断手段により自装置との通信が確立しているホストの情報処理装置があると判断された場合には、当該時点での前記入力装置に対する操作入力による入力信号の出力先が前記自装置のときは、前記ホストの情報処理装置へと出力先を切り替え、前記当該時点での前記入力装置に対する操作入力による入力信号の出力先が前記ホストの情報処理装置のときは、前記自装置へと出力先を切り替える切替手段とを有することを特徴としている。
【0008】
また、本発明に係る他の情報処理装置は、キーボードまたはポインティングデバイスを含む入力装置と、外部の装置であるホスト側の情報処理装置との通信接続を実行する複数のデバイスコネクタと、前記入力装置に対して特定の操作入力が行われたか否かを判断する特定操作判断手段と、前記デバイスコネクタを介して自装置との通信が確立しているホストの情報処理装置が少なくとも1つあるか否かを判断する通信確立判断手段と、前記特定操作判断手段により前記特定の操作入力が行われたと判断され、前記通信確立判断手段により自装置との通信が確立しているホストの情報処理装置があると判断された場合には、前記入力装置に対する操作入力による入力信号の出力先を前記自装置から前記ホストの情報処理装置のいずれかへと切り替える切替手段とを有することを特徴としている。
【0009】
また、本発明に係る情報処理装置の制御方法は、キーボードまたはポインティングデバイスを含む入力装置と、外部の装置であるホストの情報処理装置との通信接続を実行するデバイスコネクタとを有した情報処理装置の制御方法であって、前記入力装置に対して特定の操作入力が行われたか否かを判断する特定操作判断ステップと、前記デバイスコネクタを介して自装置との通信が確立しているホストの情報処理装置があるか否かを判断する通信確立判断ステップと、前記特定操作判断ステップにより前記特定の操作入力が行われたと判断され、前記通信確立判断ステップにより自装置との通信が確立しているホストの情報処理装置があると判断された場合には、前記入力装置に対する操作入力による入力信号の出力先を前記自装置から前記ホストの情報処理装置へと切り替える切替ステップとを有することを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
複数台の情報処理装置に入力操作を行う場合、外部機器としての入力装置を別途用意することなく、容易に入力装置を共有して使用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
(第1の実施の形態)
以下、図面を参照して、本発明の第1の実施形態を説明する。
【0012】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る入力デバイスエミュレーションシステムの構成を示した図である。図1において、入力デバイスエミュレーションシステム1は、PC10と、PC20と、表示装置であるディスプレイ40とで構成されている。ここで、PC10とPC20とはケーブルK1で接続されており、PC20とディスプレイ40とはケーブルK2で接続されている。ここでケーブルK1は、USB(Universal Serial Bus)規格に準拠したケーブルである。尚、後述するように、入力デバイスエミュレーションシステム1では、PC20はUSB規格でいうホストとしての役割を果たす。また、PC10はUSB規格でいうデバイスとしての役割を果たす。従って、PC20は、USB規格に準拠したAコネクタを少なくとも1つ実装している。また、PC10はUSB規格に準拠したBコネクタをすくなくとも1つ実装している。
【0013】
またケーブルK1のAコネクタはPC20に接続され、ケーブルK1のBコネクタはPC10に接続されている。PC10は、例えばノートブック型のPCのように入力装置を有したPCである。このPC10は、入力装置のエミュレーション機能を有している。このエミュレーション機能は、PC10に予めインストールされている後述するエミュレーションソフトウエア300(図5,図6参照)によって実現されている。
【0014】
図2はPC10のディスプレイユニットを開いた状態における斜視図である。PC10は、コンピュータ本体11と、ディスプレイユニット12とから構成されている。
【0015】
ディスプレイユニット12には、例えばTFT−LCD(Thin Film Transistor Liquid Crystal Display)17から構成される表示装置が組み込まれている。ヒンジ18は、ディスプレイユニット12と、コンピュータ本体11とを開放位置と閉塞位置との間で回動自在に取り付けられている。
【0016】
コンピュータ本体11は薄い箱形の筐体を有しており、その上面にはキーボード(KB)13、PC10の電源をオン/オフするためのパワーボタン14、入力操作パネル15、およびタッチパッド16などを実装している。
【0017】
次に、図3を参照して、PC10のシステム構成について説明する。図3は、PC10のシステム構成を示した図である。
【0018】
図3に示すように、PC10は、CPU111、ノースブリッジ112、メインメモリ113、グラフィクスコントローラ114、サウスブリッジ119、BIOS−ROM120、ハードディスクドライブ(HDD)121、光ディスクドライブ(ODD)122、エンベデッドコントローラ/キーボードコントローラIC(EC/KBC)124、USBホストコントローラ130、USBホストコネクタ131、USBデバイスコントローラ140、USBデバイスコネクタ141等を備えている。
【0019】
CPU111はPC10の動作を制御するために設けられたプロセッサであり、ハードディスクドライブ(HDD)121からメインメモリ113にロードされる、オペレーティングシステム(OS)、およびエミュレーションソフトウエア300のような各種プログラムを実行する。エミュレーションソフトウエア300の機能については後述する。また、CPU111は、BIOS−ROM120に格納されたシステムBIOS(Basic Input Output System)も実行する。システムBIOSはハードウェア制御のためのプログラムである。
【0020】
ノースブリッジ112はCPU111のローカルバスとサウスブリッジ119との間を接続するブリッジデバイスである。ノースブリッジ112は、メインメモリ113をアクセス制御するメモリコントローラも内蔵している。ノースブリッジ112は、AGP(Accelerated Graphics Port)バスなどを介してグラフィクスコントローラ114との通信を実行する機能も有している。
【0021】
グラフィクスコントローラ114はPC10のディスプレイモニタとして使用されるLCD17を制御する表示コントローラである。このグラフィクスコントローラ114はOSまたはエミュレーションソフトウエア300によってビデオメモリ(VRAM)114Aに書き込まれた画像データをLCD17に表示する。
【0022】
サウスブリッジ119は、LPC(Low Pin Count)バス上の各デバイス、およびPCI(Peripheral Component Interconnect)バス上の各デバイスを制御する。サウスブリッジ119は、HDD121、ODD122を制御するためのIDE(Integrated Drive Electronics)コントローラを内蔵している。
【0023】
HDD121は、各種ソフトウェア及びデータを格納する記憶装置である。ODD122は、DVDタイトルのようなビデオコンテンツが格納されたDVD、音楽データが格納されたCDなどの記憶メディアを駆動するためのドライブユニットである。
【0024】
EC/KBC124は、電力管理のためのエンベデッドコントローラと、キーボード(KB)13およびタッチパッド16を制御するためのキーボードコントローラとが集積された1チップマイクロコンピュータである。タッチパッド16はマウスとして機能するポインティングデバイスである。EC/KBC124は、ユーザによるパワーボタン14の操作に応じてPC10をパワーオン/パワーオフする機能を有している。PC10の各コンポーネントに供給される動作電源は、PC10に内蔵された図示せぬバッテリ、またはACアダプタを介して外部から供給される外部電源から生成される。
【0025】
USBホストコントローラ130は、USBホストコネクタ131を介して例えばUSB規格に準拠したマウス等のデバイスを接続することで、PC10とデバイスとの通信を実行する通信装置である。
【0026】
USBデバイスコントローラ140は、USBデバイスコネクタ141を介してUSBホストコントローラやUSBホストコネクタを有する外部装置であるホスト装置と接続することで、PC10とホスト装置との通信を実行する通信装置である。
【0027】
尚、エミュレーションソフトウエア300の制御は、キーボード(KB)13、タッチパッド16のような入力装置の操作のみならず、外部のリモコンユニットの操作によっても実行できるように構成しても良い。
【0028】
次に、図4を参照して、PC20のシステム構成について説明する。図4は、PC20のシステム構成を示した図である。PC20は例えばデスクトップ型のPCである。
【0029】
図4に示すように、PC20は、CPU111、ノースブリッジ112、メインメモリ113、グラフィクスコントローラ114、サウスブリッジ119、BIOS−ROM120、ハードディスクドライブ(HDD)121、光ディスクドライブ(ODD)122、エンベデッドコントローラ/キーボードコントローラIC(EC/KBC)124、USBホストコントローラ130、USBホストコネクタ131、ディスプレイ用コネクタ118等を備えている。ここで、PC10の有する要素と同一要素は同一記号で示し、その説明を省略する。
【0030】
即ち、PC20の構成要素は、PC10の構成要素と略同一である。但し、図4に示したように、PC20はPC10が有するUSBデバイスコントローラ140、USBデバイスコネクタ141、KB13、タッチパッド16は有していなくても良い。
【0031】
ディスプレイ用コネクタ118は、外部装置としてのディスプレイ40と接続するためのコネクタである。
【0032】
次に、図5、図6を参照して、入力デバイスエミュレーションシステム1における入力装置のエミュレーション機能について説明する。図5は、PC10で用いられるエミュレーションソフトウエアの機能構成の例を示したブロック図である。図6は、エミュレーションソフトウエア300の構成を示した図である。
【0033】
尚、以降の説明は、図1に示したようにPC10のUSBデバイスコネクタ141とPC20のKB13とがケーブルK1で接続され、PC10がデバイスとしての役割、PC20がホストとしての役割として機能する場合を例にとり説明する。
【0034】
エミュレーションソフトウエア300は、入力装置であるKB13やタッチパッド16を複数のPCで共有するためのプログラムである。即ち、図5に示すように、KB/マウスドライバ400は、キーボード(KB)13またはタッチパッド(マウス)16のような入力装置からの操作入力を入力信号に変換し、エミュレーションソフトウエア300へ送出する。エミュレーションソフトウエア300は受信した入力信号を自装置であるPC10内のCPU111へ送出するか、USBデバイスコントローラ140を通して外部装置であるPC20へ送出するかの切り替え処理を行う。
【0035】
図6に示すように、エミュレーションソフトウエア300は、フラグ初期設定部301と、入力判定部302と、特定操作判定部303と、通信確立判定部304と、フラグ切替部305と、出力先制御部306から構成されている。
【0036】
フラグ初期設定部301は、エミュレーションソフトウエア300が起動した際の最初のフラグFを設定する。フラグFは、エミュレーションソフトウエア300が入力信号をどの装置に送出するかを示す情報である。入力判定部302は、KB/マウスドライバ400から入力信号を受信することで、ユーザがKB13やタッチパッド16の入力装置から操作入力が行われたか否かを判断する。特定操作判定部303は、入力判定部302から入力信号を受信し、当該入力信号が予め決定しておいた特定の操作による入力信号であるか否かを判断する。通信確立判定部304は、USBデバイスコントローラ140を介して自装置との通信が確立しているホストの情報処理装置があるか否かを判断する。フラグ切替部305は、所定の条件を具備した場合にフラグFを変更する。出力先制御部306は、例えば、入力操作による入力信号の出力先を自装置からホストの情報処理装置へと切り替える等、入力装置からの入力信号の送出先を変更する制御を行う。
【0037】
次に、エミュレーションソフトウエア300によって実行される入力装置の切り替え方法を図7を用いて説明する。図7は、エミュレーションソフトウエア300の処理の流れを示したフローチャートである。
【0038】
まず、エミュレーションソフトウエア300が起動すると、フラグ初期設定部301によって初期のフラグF=0(ゼロ)に設定される(ステップS10)。本実施の形態では予めフラグF=0は、入力装置からの入力信号は自装置であるPC10のCPU111へ送出する設定であると定義しているとする。
【0039】
次に、入力判定部302は、KB13やタッチパッド16等の入力装置からの入力信号があるか否かを判断する(ステップS20)。この判断は入力判定部302がKB/マウスドライバ400から入力信号を受信したか否かで判断する。その結果、入力信号が無かった場合には(ステップS20のNo)、入力判定部302が入力があると判断するまで以降の処理は行わない。
【0040】
一方、入力判定部302が入力装置からの入力信号があったと判断した場合には(ステップSPC20のYes)、入力信号を特定操作判定部303に送出し、特定操作判定部303は、入力信号が予め決定しておいた特定の操作(切替特定キーC)による操作入力が行われたか否かを判断する(ステップS30)。切替特定キーCとは、例えばKB13からコントロールキー(Ctrl)とAltキーとXキーとを同時に押す(入力する)等、通常のアプリケーションでは操作しないようなキー操作のことを言う。
【0041】
その結果、特定操作判定部303が切替特定キーC以外の入力操作が行われたと判断した場合には(ステップS30のNo)、後述するステップS70の処理を行う。一方、切替特定キーCの入力操作が行われたと判断した場合には(ステップS30のYes)、通信確立判定部304がUSBデバイスコントローラ140を介して自装置との通信が確立しているホストの情報処理装置があるか否かを判断する(ステップS40)。
【0042】
ステップS40の判断の結果、通信確立判定部304が通信が確立しているホストの情報処理装置(ここではPC20)がないと判断した場合には(ステップS40のNo)、後述するステップS70の処理を行う。一方、通信確立判定部304が通信が確立しているホストの情報処理装置があると判断した場合には(ステップS40のYes)、フラグ切替部305がステップS50、ステップS60、ステップS90の処理を行うことによりフラグFの切り替えを行う。
【0043】
即ち、フラグ切替部305が現在の設定がフラグF=0であるか否かを判断する(ステップS50)。その結果、フラグF=0でないと判断した場合には(ステップS50のNo)、フラグFを0(ゼロ)に設定する(ステップS90)。一方、フラグF=0であると判断した場合には(ステップS50のYes)、フラグFを1に設定する(ステップS60)。ここでエミュレーションソフトウエア300では予めフラグF=1は、入力装置からの入力信号は送出先がホストの情報処理装置(ここではPC20)へ送出する設定であると定義しているとする。
【0044】
次に、出力先制御部306は、指定されたPCへ入力信号を出力する(ステップS70)。即ち、フラグF=0の場合は入力信号をPC10のCPU111へ送出し、フラグF=1の場合は入力信号をUSBデバイスコントローラ140を介してホスト装置であるPC20へ送出する。
【0045】
次に、図示せぬ制御部がエミュレーションソフトウエア300の終了命令があるか否かを判断する(ステップS80)。その結果、終了命令がないと判断した場合には(ステップS80のNo)、ステップS20に戻り、上述した処理を行う。一方終了命令があったと判断した場合には(ステップS80のYes)、エミュレーションソフトウエア300の処理が終了する。
【0046】
以上のように、本実施形態によれば、特性操作である切替特定キーCがキーボード(KB)13またはタッチパッド(マウス)16から入力された場合、それ以降の入力信号の出力先を外部装置であるホスト装置としてのPC20へ切り替えることで、エミュレーション機能を実現する。従って、複数台の情報処理装置に入力操作を行う場合、外部機器としての入力装置を別途用意することなく、容易に入力装置を共有して使用することができる。
【0047】
(第2の実施の形態)
以下、図8〜図10を参照して、本発明の第2の実施形態を説明する。図8は、本発明の第2の実施の形態におけるエミュレーションソフトウエアの構成を示した図である。
【0048】
図8において、図6の構成図と同一部分は同一記号で示し、その説明を省略する。本実施形態が、上述した第1の実施形態と異なる点は、切替画面表示部307が追加された点である。切替画面表示部307は、切替特定キーCが入力された場合に、LCD17に入力装置から入力した操作をどのPCへ出力するかの選択表示機能を有する。また、出力先のPCが選択された場合にはその内容をフラグ切替部305に送出する。
【0049】
図9は、本発明の第2の実施形態におけるエミュレーションソフトウエアの処理の流れを示したフローチャートである。図9のフローチャートにおいて、図7のフローチャートと同一部分は同一記号で示し、その説明を省略する。
【0050】
本実施形態が、上述した第1の実施形態と異なる点は、ステップS40の次に切替設定画面を表示するステップS45が追加された点、ステップS45の次に表示された画面の中から1が選択されたかを判断するステップS46が追加された点、選択されたPCのフラグFを設定するステップS47が追加された点、更にステップS50、ステップS60、ステップS90が削除された点である。
【0051】
図10は、切替画面表示部307の処理によりLCD17に出力された画面の一例を示した図である。
【0052】
ステップS40で、通信確立判定部304が通信が確立しているホストの情報処理装置置があると判断した場合には(ステップS40のYes)、図10に示すように切替画面表示部307が、入力装置から入力した操作をどのPCへ出力するかを選択させるための選択画面XをLCD17に表示させる(ステップS45)。図10に示すように、選択画面XはPC10を選択させる為の選択ボタンaと、PC20を選択させるための選択ボタンbを有している。ここでは選択ボタンaにはフラグF=0が割り当てられ、選択ボタンbにはフラグF=1が割り当てられているとする。
【0053】
次に、切替画面表示部307は上述した選択ボタンaまたは選択ボタンbのどちらかが選択されたか否かを判断する(ステップS46)。その結果、どちらも選択されない場合は(ステップS46のNo)、どちらかの選択ボタンが選択されるまで以降の処理は行わない。一方、どちらか一方の選択ボタンが選択された場合には(ステップS46のYes)、フラグ切替部305において選択ボタンに対応するフラグFが設定される(ステップS47)。そして、既述のステップS70以降の処理を行う。
【0054】
以上のような第2の実施形態においても、特性操作である切替特定キーCがキーボード(KB)13またはタッチパッド(マウス)16から入力された場合、それ以降の入力信号の出力先を外部装置であるホスト装置としてのPC20へ切り替えることで、エミュレーション機能を実現する。従って、複数台の情報処理装置に入力操作を行う場合、外部機器としての入力装置を別途用意することなく、容易に入力装置を共有して使用することができる。また、その切り替えも視覚的に分かりやすく切り替えることが可能である。
【0055】
なお、本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。例えば、図3のUSBデバイスコントローラ140、USBデバイスコネクタ141を複数設ける。
【0056】
これによりPC10、PC20だけでなく更別のホスト機能を有するPCを追加した場合でも、切替特定キーCの操作入力毎に順次入力信号の出力先を替える構成にすることでエミュレーション機能を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る入力デバイスエミュレーションシステムの構成を示した図。
【図2】PC10のディスプレイユニットを開いた状態における斜視図。
【図3】PC10のシステム構成を示した図。
【図4】PC20のシステム構成を示した図。
【図5】PC10で用いられるエミュレーションソフトウエアの機能構成の例を示したブロック図。
【図6】エミュレーションソフトウエア300の構成を示した図。
【図7】エミュレーションソフトウエア300の処理の流れを示したフローチャート。
【図8】本発明の第2の実施の形態におけるエミュレーションソフトウエアの構成を示した図。
【図9】本発明の第2の実施形態におけるエミュレーションソフトウエアの処理の流れを示したフローチャート。
【図10】切替画面表示部307の処理によりディスプレイ17に出力された画面の一例を示した図。
【符号の説明】
【0058】
1 入力デバイスエミュレーションシステム
10,20 PC
11 コンピュータ本体
12 ディスプレイユニット
13 KB
14 パワーボタン
15 入力操作パネル
16 タッチパッド
17 LCD
18 ヒンジ
40 ディスプレイ
111 CPU
112 ノースブリッジ
113 メインメモリ
114 グラフィクスコントローラ
118 ディスプレイ用コネクタ
119 サウスブリッジ
120 BIOS−ROM
121 ハードディスクドライブ(HDD)
122 光ディスクドライブ(ODD)
124 EC/KBC
130 USBホストコントローラ
131 USBホストコネクタ
300 エミュレーションソフトウエア
301 フラグ初期設定部
302 入力判定部
303 特定操作判定部
304 通信確立判定部
305 フラグ切替部
306 出力先制御部
307 切替画面表示部
K1,K2 ケーブル
X 選択画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キーボードまたはポインティングデバイスを含む入力装置と、
外部の装置であるホストの情報処理装置との通信接続を実行するデバイスコネクタと、 前記入力装置に対して特定の操作入力が行われたか否かを判断する特定操作判断手段と、
前記デバイスコネクタを介して自装置との通信が確立しているホストの情報処理装置があるか否かを判断する通信確立判断手段と、
前記特定操作判断手段により前記特定の操作入力が行われたと判断され、前記通信確立判断手段により自装置との通信が確立しているホストの情報処理装置があると判断された場合には、前記入力装置に対する操作入力による入力信号の出力先を前記自装置から前記ホストの情報処理装置へと切り替える切替手段と
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
キーボードまたはポインティングデバイスを含む入力装置と、
外部の装置であるホスト側の情報処理装置との通信接続を実行するデバイスコネクタと、
前記入力装置に対して特定の操作入力が行われたか否かを判断する特定操作判断手段と、
前記デバイスコネクタを介して自装置との通信が確立しているホストの情報処理装置があるか否かを判断する通信確立判断手段と、
前記特定操作判断手段により前記特定の操作入力が行われたと判断され、前記通信確立判断手段により自装置との通信が確立しているホストの情報処理装置があると判断された場合には、
当該時点での前記入力装置に対する操作入力による入力信号の出力先が前記自装置のときは、前記ホストの情報処理装置へと出力先を切り替え、
前記当該時点での前記入力装置に対する操作入力による入力信号の出力先が前記ホストの情報処理装置のときは、前記自装置へと出力先を切り替える切替手段と
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
前デバイスコネクタによる通信接続はUSB規格に準拠していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
キーボードまたはポインティングデバイスを含む入力装置と、
外部の装置であるホスト側の情報処理装置との通信接続を実行する複数のデバイスコネクタと、
前記入力装置に対して特定の操作入力が行われたか否かを判断する特定操作判断手段と、
前記デバイスコネクタを介して自装置との通信が確立しているホストの情報処理装置が少なくとも1つあるか否かを判断する通信確立判断手段と、
前記特定操作判断手段により前記特定の操作入力が行われたと判断され、前記通信確立判断手段により自装置との通信が確立しているホストの情報処理装置があると判断された場合には、前記入力装置に対する操作入力による入力信号の出力先を前記自装置から前記ホストの情報処理装置のいずれかへと切り替える切替手段と
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
前記切替手段における出力先の切り替えは、前記通信確立判断手段により自装置との通信が確立しているホストの情報処理装置が複数あると判断した場合には、前記特定操作判断手段により前記特定の操作入力が行わる毎に所定の順序で順次切り替えることを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
キーボードまたはポインティングデバイスを含む入力装置と、外部の装置であるホストの情報処理装置との通信接続を実行するデバイスコネクタとを有した情報処理装置の制御方法であって、
前記入力装置に対して特定の操作入力が行われたか否かを判断する特定操作判断ステップと、
前記デバイスコネクタを介して自装置との通信が確立しているホストの情報処理装置があるか否かを判断する通信確立判断ステップと、
前記特定操作判断ステップにより前記特定の操作入力が行われたと判断され、前記通信確立判断ステップにより自装置との通信が確立しているホストの情報処理装置があると判断された場合には、前記入力装置に対する操作入力による入力信号の出力先を前記自装置から前記ホストの情報処理装置へと切り替える切替ステップと
を有することを特徴とする情報処理装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−334599(P2007−334599A)
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−165162(P2006−165162)
【出願日】平成18年6月14日(2006.6.14)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】