説明

情報処理装置、情報処理システムおよびプログラム

【課題】よりデータ未入力の状態を認識しやすい情報処理システムを提供すること。
【解決手段】情報処理装置は、日付、時間および第1の識別子を有する第1のデータの入力に用いられる第1の入力画面を表示手段に表示させる第1の入力画面制御手段と、前記第1のデータのうち対応する日付および時間が第1の条件を満たすデータについて、当該データの前記第1の入力画面表示手段を介した入力が完了しているか否かを示すステータスを取得する第1のステータス取得手段と、日付および時間に対応する領域を有する時間表を含む画面を前記表示手段に表示をさせ、前記表示の際、前記時間表のうち前記第1の条件を満たす前記第1のデータの日付および時間に対応する領域に、当該第1のデータの前記第1の識別子を、前記第1のステータス取得手段が取得したステータスおよび前記表示をする時刻に応じた態様で表示させる画面表示手段とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
いわゆる校務といわれる、学校における事務処理を行うためのソフトウェアや情報処理システムが知られている。学校の教員(先生)の仕事には、生徒の出欠の管理や、試験の成績などのデータの入力も含まれる。しかし、教員の仕事は本来的には授業を行って生徒に教えることであり、これらの事務処理は副次的なものである。教員は、授業およびその準備に時間をかけたいが、事務処理には時間をかけたくないという希望がある。したがって、ユーザフレンドリーな情報処理システムが求められている。特許文献1は、計算機システムを用いて所定の業務処理に関する業務処理表示を集約して表示させ、処理を行う際のデータ入力後の未処理チェック処理が一切不要なデータ入力ガイド方法および装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−149340号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、よりデータ未入力の状態を認識しやすい情報処理システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、日付、時間および第1の識別子を有する第1のデータの入力に用いられる第1の入力画面を表示手段に表示させる第1の入力画面制御手段と、前記第1のデータのうち対応する日付および時間が第1の条件を満たすデータについて、当該データの前記第1の入力画面制御手段を介した入力が完了しているか否かを示すステータスを取得する第1のステータス取得手段と、日付および時間に対応する領域を有する時間表を含む画面を前記表示手段に表示をさせ、前記時間表を含む表示の際、前記時間表のうち前記第1の条件を満たす前記第1のデータの日付および時間に対応する領域に、当該第1のデータの前記第1の識別子を、前記第1のステータス取得手段が取得したステータスおよび前記表示をする時刻に応じた態様で表示させる画面表示手段とを有する情報処理装置を提供する。
この情報処理装置によれば、時間表のうち第1の条件を満たす第1のデータの日付および時間に対応する領域に、第1のデータの第1の識別子を、第1のステータス取得手段が取得したステータスおよび表示をする時刻に応じた態様で表示させる画面表示手段を有しない構成と比較して、ユーザはよりデータ未入力の状態を認識しやすくなる。
【0006】
好ましい態様において、この情報処理装置は、日付および前記第1の識別子を有し、前記第1のデータと異なる第2のデータの入力に用いられる第2の入力画面を前記表示手段に表示させる第2の入力画面制御手段と、前記第2のデータのうち対応する日付が前記第1の条件と異なる第2の条件を満たすデータについて、当該データの入力が完了しているか否かを示すステータスを取得する第2のステータス取得手段とを有し、前記時間表を含む画面は、前記第2のデータのステータスを表示する領域を有し、前記画面表示手段は、前記時間表を含む表示の際、前記第2のデータの前記第1の識別子を、前記第2のステータス取得手段が取得したステータスおよび前記表示をする時刻に応じた態様で表示させてもよい。
【0007】
別の好ましい態様において、この情報処理装置は、前記第1のデータが、第2の識別子とデータ値との組み合わせを複数含み、第3の識別子および文字情報を含むメッセージを取得する取得手段を有し、前記時間表を含む画面は、前記メッセージに含まれる文字情報を表示する領域を有し、前記情報処理装置のユーザーと前記第1の識別子とを対応させる情報を記憶する記憶手段を有し、前記画面表示手段は、前記時間表を含む表示の際、前記メッセージに含まれる前記第3の識別子が、前記記憶手段に記憶された情報により前記ユーザーと対応することが示される前記第1の識別子を有する前記第1のデータに含まれる前記第2の識別子と同一であるか否かに応じた態様で、前記文字情報を表示させてもよい。
【0008】
また、本発明は、日付、時間、および第1の識別子を有する第1のデータの入力に用いられる第1の入力画面を表示手段に表示させる第1の入力画面制御手段と、前記第1の入力画面を介して入力された前記第1のデータを記憶する記憶手段と、前記第1のデータのうち対応する日付および時間が第1の条件を満たすデータについて、当該データの入力が完了しているか否かを示すステータスを判定する判定手段と、前記判定手段により判定されたステータスを取得する第1のステータス取得手段と、日付および時間に対応する領域を有する時間表を含む画面を前記表示手段に表示をさせ、前記時間表を含む表示の際、前記時間表のうち前記第1の条件を満たす前記第1のデータの日付および時間に対応する領域に、当該第1のデータの前記第1の識別子を、前記第1のステータス取得手段が取得したステータスおよび前記表示をする時刻に応じた態様で表示させる画面表示手段とを有する情報処理システムを提供する。
【0009】
さらに、本発明は、コンピュータ装置を、日付、時間および第1の識別子を有する第1のデータの入力に用いられる第1の入力画面を表示手段に表示させる第1の入力画面制御手段と、前記第1のデータのうち対応する日付および時間が第1の条件を満たすデータについて、当該データの前記第1の入力画面制御手段を介した入力が完了しているか否かを示すステータスを取得する第1のステータス取得手段と、日付および時間に対応する領域を有する時間表を含む画面を前記表示手段に表示をさせ、前記時間表を含む表示の際、前記時間表のうち前記第1の条件を満たす前記第1のデータの日付および時間に対応する領域に、当該第1のデータの前記第1の識別子を、前記第1のステータス取得手段が取得したステータスおよび前記表示をする時刻に応じた態様で表示させる画面表示手段として機能させるためのプログラムを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】一実施形態に係る情報処理システム1の構成を示す図である。
【図2】情報処理システム1の機能構成を示す図である。
【図3】サーバー10のハードウェア構成を示す図である。
【図4】クライアント20のハードウェア構成を示す図である。
【図5】情報処理システム1の動作を示すシーケンスチャートである。
【図6】メニュー画面を例示する図である。
【図7】出欠データを例示する図である。
【図8】抽出された時間割表を例示する図である。
【図9】図8で例示した時間割表にフラグが付加された例を示す図である。
【図10】出欠データの入力処理を示すフローチャートである。
【図11】指導連絡情報の配信処理を示すシーケンスチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
1.構成
図1は、本発明の一実施形態に係る情報処理システム1の構成を示す図である。情報処理システム1は、サーバー10および少なくとも1のクライアント20を有する。図1では、3つのクライアント20が示されている。サーバー10とクライアント20とは、ネットワーク30を介して接続されている。情報処理システム1は、サーバー10上で動作するソフトウェア(サーバプログラム)およびクライアント20上で動作するソフトウェア(クライアントプログラム)により、サーバー10とクライアント20とが協働して情報処理を行う。ここでは、処理されるデータが校務(学校の教職員が行う事務)に係る場合を例として説明する。
【0012】
図2は、情報処理システム1の機能構成を示す図である。サーバー10は、記憶手段11および判定手段12を有する。クライアント20は、入力画面表示手段21、ステータス取得手段22および画面表示手段23を有する。
【0013】
入力画面制御手段21は、日付、時間および第1の識別子を有する第1のデータの入力に用いられる第1の入力画面を表示手段に表示させる。ステータス取得手段22は、第1のデータのうち対応する日付および時間が第1の条件を満たすデータについて、そのデータの第1の入力画面表示手段を介した入力が完了しているか否かを示すステータスを取得する。画面表示手段23は、日付および時間に対応する領域を有する時間表を含む画面を表示手段に表示をさせる。画面表示手段23は、その表示の際、時間表のうち第1の条件を満たす第1のデータの日付および時間に対応する領域に、第1のデータの第1の識別子を、ステータス取得手段22が取得したステータスおよび表示をする時刻に応じた態様で表示させる。
【0014】
入力画面制御手段24は、日付および第1の識別子を有し、第1のデータと異なる第2のデータの入力に用いられる第2の入力画面を表示手段に表示させる。ステータス取得手段25は、第2のデータのうち対応する日付が第1の条件と異なる第2の条件を満たすデータについて、当該データの入力が完了しているか否かを示すステータスを取得する。ここで、画面は、第2のデータのステータスを表示する領域を有する。また、画面表示手段23は、表示の際、第2のデータの識別子を、ステータス取得手段25が取得したステータスおよび表示をする時刻に応じた態様で表示させる。
【0015】
この例で、第1のデータは、第2の識別子とデータ値との組み合わせを複数含む。取得手段26は、第3の識別子および文字情報を含むメッセージを取得する。画面は、メッセージに含まれる文字情報を表示する領域を有する。記憶手段27は、情報処理装置のユーザーと第1の識別子とを対応させる情報を記憶する。画面表示手段23は、表示の際、メッセージに含まれる第3の識別子が、記憶手段27に記憶された情報によりユーザーと対応することが示される第1の識別子を有する第1のデータに含まれる第2の識別子と同一であるか否かに応じた態様で、文字情報を表示させる。
【0016】
記憶手段11は、第1の入力画面を介して入力された第1のデータを記憶する。判定手段12は、第1のデータのうち対応する日付および時間が第1の条件を満たすデータについて、そのデータの入力が完了しているか否かを示すステータスを判定する。
【0017】
図3は、サーバー10のハードウェア構成を示す図である。サーバー10は、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103、IF(Interface)104、キーボード・マウス105、ディスプレイ106、HDD(Hard Disk Drive)107、ネットワークIF108およびバス109を有する。CPU101は、プログラム等に含まれる命令に従って演算をし、他の要素を制御する処理装置である。ROM102は、サーバー10の動作に用いられるデータやプログラムを記憶する不揮発性の記憶装置である。RAM103は、CPU101がプログラムを実行する際のワークエリアとして機能する記憶装置である。IF104は、種々の入出力装置や記憶装置との間でデータおよび制御信号の入出力をするインターフェースである。キーボード・マウス105は、ユーザーがサーバー10に対して指示入力を行うための入力装置である。ディスプレイ106は、データの内容あるいは処理の状況などを表示する出力装置である(表示手段の一例)。HDD107は、各種プログラムおよびデータを記憶する記憶装置である。ネットワークIF108は、ネットワーク30を介して接続された他の装置との間でデータの送受信を行うためのインターフェースである。バス109は、制御信号およびデータの伝送路である。CPU101、ROM102、RAM103、およびIF104は、バス109を介して接続されている。この例で、HDD107は、サーバーとして機能させるためのサーバープログラムおよびデータベースを記憶している。CPU101がサーバープログラムを実行することにより、サーバー10は、図2に示される機能構成を備える。
【0018】
図4は、クライアント20のハードウェア構成を示す図である。クライアント20は、CPU201、ROM202、RAM203、IF204、キーボード・マウス205、ディスプレイ206、HDD207、ネットワークIF208およびバス209を有する。CPU201は、プログラム等に含まれる命令に従って演算をし、他の要素を制御する処理装置である。ROM202は、クライアント20の動作に用いられるデータやプログラムを記憶する不揮発性の記憶装置である。RAM203は、CPU201がプログラムを実行する際のワークエリアとして機能する記憶装置である。IF204は、種々の入出力装置や記憶装置との間でデータおよび制御信号の入出力をするインターフェースである。キーボード・マウス205は、ユーザーがクライアント20に対して指示入力を行うための入力装置である。ディスプレイ206は、データの内容あるいは処理の状況などを表示する出力装置である。HDD207は、各種プログラムおよびデータを記憶する記憶装置である。ネットワークIF208は、ネットワーク30を介して接続された他の装置との間でデータの送受信を行うためのインターフェースである。バス209は、制御信号およびデータの伝送路である。CPU201、ROM202、RAM203、およびIF204は、バス209を介して接続されている。この例で、HDD207は、クライアントとして機能させるためのクライアントプログラムを記憶している。CPU201がクライアントプログラムを実行することにより、クライアント20は、図2に示される機能構成を備える。
【0019】
2.動作
2−1.メニュー画面の表示
図5は、情報処理システム1の動作を示すシーケンスチャートである。図5のフローは、メニュー画面の表示を開始させるイベント、例えば、クライアント20においてクライアントプログラムの起動が指示されたというイベントが発生したことを契機として開始される。以下において、「クライアントプログラム」や「サーバプログラム」といったソフトウェアを処理の主体として説明するが、これは、そのソフトウェアを実行しているCPUがメモリやHDDなどのハードウェア資源を制御することにより、その処理を実行することを意味する。
【0020】
図6は、クライアントプログラムを実行しているクライアント20のディスプレイ206に表示されるメニュー画面を例示する図である。メニュー画面は、複数の表示領域を含む。ここではまず説明を簡単にするため、メニュー画面に含まれる表示領域のうち一つを例として説明する。領域501は、出欠未入力一覧を表示する領域である。出欠未入力一覧とは、ある期間の時間割において、生徒の出欠を示すデータ(以下「出欠データ」という。第1のデータの一例)が入力済みであるか否かを示す表である。
【0021】
図7は、出欠データ(の一部)を例示する図である。出欠データは、生徒の識別子(図7の例では氏名)および授業を特定する情報(図7の例では、日付、コマ数)を要素とする2次元表を含む。また、出欠データは、そのデータが出欠データであることを示す識別子(第1の識別子の一例)を含む。2次元表は、特定の共通性を持つデータ毎に設定されている。例えば、2次元表は、特定の教員が担当する特定の科目の授業について設定されている。この例では、教員「A先生」が担当する科目「数学I」について、5月10日から5月15日のデータが示されている。ここで、「○」は出席を、「×」は欠席を、「−」はデータが未入力であることを示す。例えば、科目「数学I」の5月10日の1コマ目に関しては、全生徒のデータが入力済みである。5月14日の4コマ目に関しては、未入力のデータが存在する。2次元表は、各コマについて出欠の入力が完了しているか否かを示すフラグを含む。「完」は出欠の入力が完了していることを、「未」は出欠の入力が完了していないことを示す。サーバー10のデータベースには、出欠のほかにも、素点、評定、ホームルームの出欠など種々のデータが記録されている。
【0022】
ステップS100において、クライアント20のクライアントプログラムは、サーバー10にログイン要求を送信する。ログイン要求は、サーバー10へのログインを要求するものであることを示す情報、およびログインに用いられる情報を含む。ログインに用いられる情報は、例えば、クライアント側に保持するサーバ名やプログラム管理番号等の識別子、ユーザーIDおよびパスワードを含む。
【0023】
クライアント20からログイン要求を受信すると、サーバー10のサーバプログラムは、ログイン処理を行う(ステップS110)。ログイン処理は、ユーザーIDとパスワードを用いたユーザーの認証を含む。ユーザーが認証された場合、サーバプログラムは、ログインが完了した旨の通知を含む応答をクライアント20に送信する。以下、サーバプログラムは、ユーザーがログオフするまで、クライアント20がサーバー10のデータベースにアクセスすることを許可する。ユーザーが認証されなかった場合、サーバプログラムは、認証が失敗した旨の通知を含む応答をクライアント20に送信する。以下、サーバプログラムは、ユーザーが認証されるまで、クライアント20がサーバー10のデータベースにアクセスすることを許可しない。
【0024】
ログインが完了した旨の通知を含む応答を受信すると、クライアントプログラムは、サーバー10にステータス要求を送信する(ステップS120)。ステータス要求は、ユーザーIDと、メニュー画面の表示に用いられる情報の送信を要求するものであることを示す情報とを含む。メニュー画面の表示に用いられる情報は、ステータス情報を含む。ステータス情報は、出欠の入力が完了しているか否かを示す情報を含む。なお、認証が失敗した旨の通知を含む応答を受信すると、クライアントプログラムはエラー処理を行う。
【0025】
クライアント20からステータス要求を受信すると、サーバプログラムは、データベースからステータス情報を準備する(ステップS130)。詳細には以下のとおりである。データベースは、各担当教員が受け持っている授業の時間割表、およびユーザーIDと担当教員名を対応させるユーザーID表を含んでいる。サーバプログラムは、ユーザーID表を参照し、ステータス要求に含まれるユーザーIDに対応する担当教員を特定する。こうして特定された担当教員を、以下「対象教員」という。サーバプログラムは、データベースの中から、対象教員の時間割表のうち、現在時刻とあらかじめ決められた条件(第1の条件の一例)を満たす部分を抽出する。「現在時刻とあらかじめ決められた条件を満たす部分」とは、例えば、現在時刻が属する週の時間割表である。現在時刻が5月13日の水曜日であれば、5月11の月曜日から5月15日の金曜日までがこの部分に含まれる。
【0026】
図8は、抽出された時間割表を例示する図である。ここでは、対象教員がA先生である例が示されている。5月11日(月曜日)から5月15日(金曜日)までの期間において、A先生の第1コマから第7コマまでの時間割表が抽出されている。
【0027】
対象教員の時間割表を抽出すると、サーバプログラムは、抽出した時間割表に含まれる授業の各々について、出欠データから、入力が完了しているか否か示すフラグを抽出する。サーバプログラムは、抽出したフラグを各授業の属性として、時間割表に追加する。
【0028】
図9は、図8で例示した時間割表にフラグが付加された例を示す図である。この例では、5月14日の4コマ目以降の出欠データが入力されていない。この例では、フラグが付加された時間割表がステータス情報として用いられる。
【0029】
再び図5を参照する。ステータス情報の準備が完了すると、サーバプログラムは、ステータス情報を、ステータス要求の送信元であるクライアント20に送信する(ステップS140)。
【0030】
ステータス情報を受信すると、クライアントプログラムは、受信したステータス情報を用いて表示用のデータを生成する(ステップS150)。表示用のデータを生成する際、クライアントプログラムは、現在時刻に応じて表示態様を変化させる。具体的には、クライアントプログラムは当日と判断する領域に対して、例えば背景色を水色にさせるなど表示態様を変化させる。クライアントプログラムは、現在時刻よりも前に終了している授業であって、かつ、ステータス情報に含まれるフラグが「未」であるものについては、他の授業とは異なった態様で表示する。例えば他の授業が黒字で表示される場合、クライアントプログラムは、この条件を満たす授業を赤字で表示するデータを生成する。いま、現在時刻が5月14日の第5コマの最中であった場合を考える。すなわち、5月14日の第4コマまでは授業が終了している。このとき、5月14日の第4コマは、現在時刻よりも前に終了している授業であって、かつ、ステータス情報に含まれるフラグが「未」である。クライアントプログラムは、5月14日の第4コマの授業「数学I」を赤字で、これ以外の授業を黒字で表示するデータを生成する。
【0031】
表示用のデータを生成すると、クライアントプログラムは、生成したデータに従って、メニュー画面をディスプレイ106に表示する(ステップS160)。ユーザはこの画面を見ることにより、業務処理の到来した日または到来した日以前の未入力のデータがあることを直感的に把握することができる。
【0032】
2−2.出欠データの入力
図10は、出欠データの入力処理を示すフローチャートである。図10のフローは、クライアントプログラムを実行中に、ユーザが出欠データの入力の指示をした等、出欠データの入力処理を開始させるイベントが起こったことを契機として開始される。出欠データの入力の指示は、例えば、メニュー画面上から行われる。
【0033】
ステップS200において、クライアントプログラムは、出欠データ要求を送信する。出欠データ要求は、出欠データの入力を要求するものであることを示す情報、ユーザID、および処理の対象となる出欠データ(の一部)を特定する情報を含む。処理の対象となる出欠データを特定する情報は、例えば、日付「5/14」、時間「第4コマ」および授業名「数学I」のような授業の属性を含む。出欠データ要求を受信すると、サーバプログラムは、データベースの中の、出欠データ入力に含まれるユーザIDにより特定される教員の出欠データの中から、処理の対象となる出欠データを特定する情報により特定される部分を抽出する(ステップS210)。抽出される部分は、例えば、図7の表の第1列目(生徒の氏名)と第5列目(5/14第4コマの出欠)のデータである。出欠データを抽出すると、サーバプログラムは、抽出した出欠データを、出欠データ要求の送信元のクライアント20に送信する(ステップS220)。
【0034】
出欠データを受信すると、サーバプログラムは、データ入力用の画面において、受信した出欠データを表示する。ユーザは、キーボード・マウス205を操作して、出欠を入力する(ステップS230)。入力が完了すると、ユーザは入力したデータをサーバー10に送信するように、クライアントプログラムに指示をする。この指示を受けると、クライアントプログラムは、入力した出欠データをサーバー10に送信する(ステップS240)。
【0035】
出欠データを受信すると、サーバプログラムは、受信した出欠データを用いてデータベースを更新する(ステップS250)。こうして、出欠データの入力が完了する。
【0036】
2−3.ステータスバー
メニュー画面には、領域501(出欠未入力一覧)以外にも種々の領域がある。再び図6を参照する。領域502は、ステータスバーを表示する領域である。ステータスバーは、項目毎の領域を含む。図6の例では、「素点」、「評定」、「欠課」および「HR出欠」という4つの領域が示されている。各領域は、サーバー10のデータベースに記録されたデータに対応している。この例では、データベースは、素点、評定、欠課およびHR出欠のデータ(第2のデータの一例)を含んでいる。各データのデータ形式は自由であるが、各データは、少なくとも、日付、時間および項目名を属性として有する。例えば、素点のデータは、日付「1学期末テスト」、項目名「素点」および科目「数学I」という属性、および生徒名とその生徒の素点のデータを含む。
【0037】
ステータスバーには、領域501の出欠未入力一覧と同様に、データのステータスに応じた表示がされる。これらのデータには、あらかじめ入力期間が設定されている。例えば、素点データには試験の実施日から2週間という入力期間が設定されている。クライアントプログラムは、サーバー10から素点データのステータス情報を取得し、現在日時、設定された入力期間およびステータス情報に応じた態様で、ステータスバーの各領域の表示を変化させる。例えば、入力期間の起点となるイベント(例えば、期末試験の実施)から設定された入力期間が経過する前の時点で、未入力のデータが存在しない場合、領域は青で表示される。入力期間の起点となるイベントから設定された入力期間が経過した後の時点で、未入力のデータが存在しない場合、領域は白で表示される。入力期間の起点となるイベントから設定された入力期間が経過する前の時点で、未入力のデータが存在する場合、領域は黄で表示される。入力期間の起点となるイベントから設定された入力期間が経過した後の時点で、未入力のデータ(以上、第2の条件を満たすデータの一例)が存在する場合、領域は赤で表示される。
【0038】
出欠未入力一覧とあわせてステータスバーが表示されるので、ユーザは、出欠データ以外のデータについても、未入力の状態を直感的に把握することができる。ステータスバーの表示は、出欠未入力一覧の表示と同様に行われる。すなわち、ステータスバーの表示に用いられるステータス情報も、図5のフローと同様に処理される。
【0039】
2−4.サーバからの情報配信
領域503は、サーバから送信された情報を表示する領域である。この例では「生徒 指導連絡」という属性を有する情報(以下この情報を「指導連絡情報」という)が表示される。指導連絡情報は、いずれか一のクライアント20から入力され、サーバに保存されている。指導連絡情報は、生徒の識別子(例えば氏名、第3の識別子の一例)と、その生徒に関する文字情報(例えば「居眠りをしていた」という文字情報)を含む。さらに、指導連絡情報は、その情報を入力した教員名や、情報が入力された日時、科目などの情報を含んでもよい。クライアントプログラムは、指導連絡情報を入力するための画面等のインターフェース、および入力された指導連絡情報をサーバー10に送信する機能を有する。サーバー10には、複数のクライアント20から送信された指導連絡情報がデータベースに蓄積される。
【0040】
図11は、指導連絡情報の配信処理を示すシーケンスチャートである。図11のフローは、例えば、クライアントプログラムが起動されたことを契機として開始される。ステップS300において、クライアントプログラムは、サーバー10にログイン要求を送信する。ログイン要求を受信すると、サーバプログラムは、データベースに蓄積された指導連絡情報の中から、ログイン要求を受信した日(またはログイン要求を受信した時刻より後)に、ログイン要求に含まれるユーザIDにより特定される教員の授業を受講する生徒の指導連絡情報を抽出する(ステップS310)。サーバプログラムは、抽出した指導連絡情報を、ログイン要求の送信元のクライアント20に送信する(ステップS320)。指導連絡情報を受信したクライアントプログラムは、受信した情報を領域503に表示する(ステップS330)。図11の処理は、図5の処理とあわせて行われる。
【0041】
この場合において、指導連絡情報は、病欠等、生徒が学校に登校していないことを示す情報を含んでもよい。例えば、指導連絡情報は、生徒が登校していないことを示す情報をフラグとして含む。このフラグが、指導連絡情報が生徒の登校に関する情報であることを示す場合、クライアントプログラムは、他の指導連絡情報と異なる態様で(例えば、他の指導連絡情報が黒字で表示される場合に赤字で)表示してもよい。
【0042】
あるいは別の例で、サーバプログラムは、データベースから、指導連絡情報を、時系列順に決められた数抽出してもよい。この場合において、サーバプログラムは、ログイン要求を受信した日(またはログイン要求を受信した時刻より後)に、ログイン要求に含まれるユーザIDにより特定される教員の授業を受講する生徒の指導連絡情報という条件を満たす指導連絡情報に、その旨を示す情報を付加してもよい。この場合において、クライアントプログラムは、この情報が付加された指導連絡情報を、他の指導連絡情報と異なる態様で表示してもよい。
【0043】
この例によれば、生徒の登校に関する情報が他と異なる態様で表示されるので、ユーザが重要な情報を直感的に把握することができる。
【0044】
3.他の実施形態
本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能である。以下、変形例をいくつか説明する。以下の変形例のうち、2つ以上のものが組み合わせて用いられてもよい。
【0045】
3−1.変形例1
上述の実施形態において、ステータス情報や現在時刻に応じてメニュー画面の色などの表示態様が変化する例を説明した。このとき、メニュー画面の色は、色弱者でも識別可能な配色であってもよい。あるいは、クライアントプログラムは、非色弱者用の配色パターンおよび色弱者用の配色パターンと、ユーザIDと色弱者か否かを示す情報とを対応して記憶しておき、ログインするユーザが色弱者である場合に、色弱者用の配色パターンを用いて、非色弱者である場合に非色弱者用の配色パターンを用いてもよい。あるいは、クライアントプログラムにおいて、ユーザIDおよびパスワードを入力させる画面を色弱テストの画面とし、このテストの結果に応じた配色パターンを用いることとしてもよい。
【0046】
3−2.変形例2
サーバプログラムとクライアントプログラムとの役割分担は、実施形態で説明したものに限定されない。実施形態でサーバプログラムが行うものとして説明した処理の一部または全部が、クライアントプログラムにより実行されてもよい。例えば、データベースを管理する機能やデータベースから出欠データや指導連絡情報を抽出する機能をすべてクライアントプログラムに集約し、スタンドアローンで用いる構成としてもよい。
【0047】
3−3、変形例3
対象教員の時間割表を抽出する際に用いられる条件は、実施形態で説明したものに限定されない。現在時刻との関係においてデータの範囲を限定できる条件であれば、どのような条件が用いられてもよい。あるいは、クライアントプログラムが、サーバー10に対して、対象教員の時間割表を抽出する際に用いられる条件を送信してもよい。この場合、サーバー10は、この条件を用いて対象教員の時間割表を抽出する。
【0048】
3−4.変形例4
処理の対象となるデータは校務に関するものに限定されない。日付、時間および識別子を有するものであれば、どのようなデータが処理の対象となってもよい。
【0049】
3−5.変形例5
クライアントプログラムまたはサーバプログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスク(HDD、FD(Flexible Disk))など)、光記録媒体(光ディスク(CD(Compact Disk)、DVD(Digital Versatile Disk))など)、光磁気記録媒体、半導体メモリ(フラッシュROMなど)などのコンピュータ読取り可能な記録媒体に記憶した状態で提供されてもよい。また、このプログラムは、インターネットのようなネットワーク経由でダウンロードされてもよい。
【符号の説明】
【0050】
1…情報処理システム、10…サーバー、11…記憶手段、12…判定手段、20…クライアント、21…入力画面制御手段、22…ステータス取得手段、23…画面表示手段、24…入力画面制御手段、25…ステータス取得手段、26…取得手段、27…記憶手段、30…ネットワーク、101…CPU、102…ROM、103…RAM、104…IF、105…キーボード・マウス、106…ディスプレイ、107…HDD、108…ネットワークIF、109…バス、201…CPU、202…ROM、203…RAM、204…IF、205…キーボード・マウス、206…ディスプレイ、207…HDD、208…ネットワークIF、209…バス、501…領域、502…領域、503…領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
日付、時間および第1の識別子を有する第1のデータの入力に用いられる第1の入力画面を表示手段に表示させる第1の入力画面制御手段と、
前記第1のデータのうち対応する日付および時間が第1の条件を満たすデータについて、当該データの前記第1の入力画面制御手段を介した入力が完了しているか否かを示すステータスを取得する第1のステータス取得手段と、
日付および時間に対応する領域を有する時間表を含む画面を前記表示手段に表示をさせ、前記時間表を含む表示の際、前記時間表のうち前記第1の条件を満たす前記第1のデータの日付および時間に対応する領域に、当該第1のデータの前記第1の識別子を、前記第1のステータス取得手段が取得したステータスおよび前記表示をする時刻に応じた態様で表示させる画面表示手段と
を有する情報処理装置。
【請求項2】
日付および前記第1の識別子を有し、前記第1のデータと異なる第2のデータの入力に用いられる第2の入力画面を前記表示手段に表示させる第2の入力画面制御手段と、
前記第2のデータのうち対応する日付が前記第1の条件と異なる第2の条件を満たすデータについて、当該データの入力が完了しているか否かを示すステータスを取得する第2のステータス取得手段と
を有し、
前記時間表を含む画面は、前記第2のデータのステータスを表示する領域を有し、
前記画面表示手段は、前記時間表を含む表示の際、前記第2のデータの前記第1の識別子を、前記第2のステータス取得手段が取得したステータスおよび前記表示をする時刻に応じた態様で表示させる
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第1のデータが、第2の識別子とデータ値との組み合わせを複数含み、
第3の識別子および文字情報を含むメッセージを取得する取得手段を有し、
前記時間表を含む画面は、前記メッセージに含まれる文字情報を表示する領域を有し、
前記情報処理装置のユーザーと前記第1の識別子とを対応させる情報を記憶する記憶手段を有し、
前記画面表示手段は、前記時間表を含む表示の際、前記メッセージに含まれる前記第3の識別子が、前記記憶手段に記憶された情報により前記ユーザーと対応することが示される前記第1の識別子を有する前記第1のデータに含まれる前記第2の識別子と同一であるか否かに応じた態様で、前記文字情報を表示させる
ことを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
日付、時間、および第1の識別子を有する第1のデータの入力に用いられる第1の入力画面を表示手段に表示させる第1の入力画面制御手段と、
前記第1の入力画面を介して入力された前記第1のデータを記憶する記憶手段と、
前記第1のデータのうち対応する日付および時間が第1の条件を満たすデータについて、当該データの入力が完了しているか否かを示すステータスを判定する判定手段と、
前記判定手段により判定されたステータスを取得する第1のステータス取得手段と、
日付および時間に対応する領域を有する時間表を含む画面を前記表示手段に表示をさせ、前記時間表を含む表示の際、前記時間表のうち前記第1の条件を満たす前記第1のデータの日付および時間に対応する領域に、当該第1のデータの前記第1の識別子を、前記第1のステータス取得手段が取得したステータスおよび前記表示をする時刻に応じた態様で表示させる画面表示手段と
を有する情報処理システム。
【請求項5】
コンピュータ装置を、
日付、時間および第1の識別子を有する第1のデータの入力に用いられる第1の入力画面を表示手段に表示させる第1の入力画面制御手段と、
前記第1のデータのうち対応する日付および時間が第1の条件を満たすデータについて、当該データの前記第1の入力画面制御手段を介した入力が完了しているか否かを示すステータスを取得する第1のステータス取得手段と、
日付および時間に対応する領域を有する時間表を含む画面を前記表示手段に表示をさせ、前記時間表を含む表示の際、前記時間表のうち前記第1の条件を満たす前記第1のデータの日付および時間に対応する領域に、当該第1のデータの前記第1の識別子を、前記第1のステータス取得手段が取得したステータスおよび前記表示をする時刻に応じた態様で表示させる画面表示手段と
して機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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