説明

情報処理装置、情報処理プログラム及び組み込みシステム

【課題】EWF機能を用いてデータ保護を行いつつも、補助記憶装置内のデータに対して変更を行う際、情報処理装置の再起動回数を減らし、ユーザの利便性を向上させる。
【解決手段】本発明に係る情報処理装置では、EWF機能を有しEWF機能の無効化及び有効化の設定時に再起動を要する情報処理装置であって、EWFオーバーレイを含む主記憶装置と、EWF機能により保護されOSを含む各種データを記憶した第1補助記憶装置と、同一の各種データを記憶した第2補助記憶装置と、起動に使用するOSが含まれる補助記憶装置が規定された起動設定情報に規定された補助記憶装置のOSを使用して当該情報処理装置を起動する起動手段と、第1補助記憶装置のOSを使用して起動されたとき、EWFオーバーレイ及び第2補助記憶装置に対しデータを記憶させるとともに、起動設定情報に対して第2補助記憶装置を規定するデータ記憶手段とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理プログラム及び組み込みシステムの分野に関する。
【背景技術】
【0002】
情報処理装置のOS(オペレーティングシステム)に対し、OSやアプリケーションによるデータの変更や追加を行う場合、補助記憶装置(例えばHDD)のOSの格納領域に対して、データが直接書き込まれるので、データの変更や追加が頻繁であると、OSの格納領域に様々なデータやアプリケーションのファイルが格納されることで、OSの動作が遅くなったり、OSのオリジナルデータが壊れてしまうことがある。
【0003】
そこで近年、組み込みデバイス向けのOSであるWindows XP(登録商標) Embedded(以下XP Embeddedという)が開発され、このOSには、Enhanced Write Filter(以下EWFという)と呼ばれるOSのデータを保護する機能が知られている。
【0004】
組み込みデバイスなどの情報処理装置においてはハードウェア等の制約上、補助記憶装置(例えばHDD)への書き込みを禁止又は最小限に抑制する必要があるところ、このEWF機能によれば、OSやアプリケーションによるデータの変更時に、その変更内容を補助記憶装置(例えばHDD)には直接書き込まず、主記憶装置(例えばRAM)上に作成された記憶領域にリダイレクトすることで、情報処理装置内のOSのオリジナルデータの変更を保護し、OSのオリジナルデータを常にクリーンな状態に保つことができる。
【0005】
これに関する技術として、特許文献1には、EWFが適用されたOSのオリジナルデータに新たなアプリケーションをインストールする目的で、再起動時にユーザによるアプリケーションの再インストールを不要とするシステムが開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、EWF機能を適用した組み込みデバイスなどの情報処理装置においても、ときに補助記憶装置のOSの格納領域に対して、データを書き込む必要のある場合がある。この場合、ユーザはまず適用されたEWFを一旦解除(無効化)し、補助記憶装置内におけるデータの変更を行った後、再度EWFを適用(有効化)する。ここで、EWFの解除及び適用を行う際には、情報処理装置のOSを再起動する必要がある。従って、補助記憶装置内のデータに変更を加えると、EWFの解除時と適用時にそれぞれシステムの再起動が行われることになるので、ユーザの利便性が低下するという問題があった(再起動の間、待ち時間を要する等)。
【0007】
そこで本発明では上記のような点に鑑みて、EWF機能を用いてデータ保護を行いつつも、補助記憶装置内のデータに対して変更を行う際、情報処理装置の再起動回数を減らし、ユーザの利便性を向上させる情報処理装置、情報処理プログラム及び組み込みシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明に係る情報処理装置は、EWF機能を有し、EWF機能の無効化及び有効化の設定時に再起動を要する情報処理装置であって、EWFオーバーレイを含む主記憶装置と、EWF機能により保護され、OSを含む各種データを記憶した第1補助記憶装置と、前記各種データと同一の各種データを記憶した第2補助記憶装置と、起動に使用するOSが含まれる補助記憶装置が規定された起動設定情報を有し、該起動設定情報に規定された補助記憶装置のOSを使用して当該情報処理装置を起動する起動手段と、前記第1補助記憶装置のOSを使用して当該情報処理装置が起動されたとき、前記第1補助記憶装置に対しデータの記憶指示を受けると、前記EWFオーバーレイ及び前記第2補助記憶装置に対し該データを記憶させるとともに、前記起動設定情報に対して前記第2補助記憶装置を規定するデータ記憶手段とを有する。
【0009】
また上記課題を解決するため、本発明に係る情報処理プログラムは、EWF機能を有し、EWF機能の無効化及び有効化の設定時に再起動を要し、EWFオーバーレイを含む主記憶装置と、EWF機能により保護され、OSを含む各種データを記憶した第1補助記憶装置と、前記各種データと同一の各種データを記憶した第2補助記憶装置とを有する情報処理装置に、起動に使用するOSが含まれる補助記憶装置が規定された起動設定情報を有し、該起動設定情報に規定された補助記憶装置のOSを使用して当該情報処理装置を起動する起動手段と、前記第1補助記憶装置のOSを使用して当該情報処理装置が起動されたとき、前記第1補助記憶装置に対しデータの記憶指示を受けると、前記EWFオーバーレイ及び前記第2補助記憶装置に対し該データを記憶させるとともに、前記起動設定情報に対して前記第2補助記憶装置を規定するデータ記憶手段として機能させる。
【0010】
また上記課題を解決するため、本発明に係る組み込みシステムは、上記情報処理装置を含み構成される組み込みシステムである。
【0011】
なお、本発明の構成要素、表現または構成要素の任意の組合せを、方法、装置、システム、コンピュータプログラム、記録媒体、などに適用したものも本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、EWF機能を用いてデータ保護を行いつつも、補助記憶装置内のデータに対して変更を行う際、情報処理装置の再起動回数を減らし、ユーザの利便性を向上させる情報処理装置、情報処理プログラム及び組み込みシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本実施形態に係る情報処理装置1の主要構成を示すハードウェア構成図である。
【図2】本実施形態に係る情報処理装置1の主要機能を示す機能ブロック図である
【図3】本実施形態に係る情報処理装置1の情報処理を説明するフローチャートである。
【図4】本実施形態に係る各記憶装置の状態遷移図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための形態を各実施形態において図面を用いて説明する。
【0015】
[システム構成]
(ハードウェア)
本実施形態に係る情報処理装置1のハードウェア構成について説明する。図1は、本実施形態に係る情報処理装置1の主要構成を示すハードウェア構成図である。情報処理装置1は、主要な構成として、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、HDD(Hard Disk Drive)14、記憶媒体読取装置15、入力装置16、表示装置17、及び通信装置18を含む構成である。
【0016】
CPU11は、マイクロプロセッサ及びその周辺回路から構成され、装置全体を制御する回路である。また、ROM12は、CPU11で実行される所定の制御プログラム(ソフトウェア部品)を格納するメモリであり、RAM13は、主記憶装置としてCPU11が各種プログラムを実行して各種の制御を行うときの作業エリア(ワーク領域)として使用する揮発性のメモリである。
【0017】
HDD14は、OS(例えばEWF機能を有するXP Embedded)を含む各種情報を格納する補助記憶装置であり、不揮発性のメモリである。記憶媒体読取装置15には、USBメモリ、CD、DVD等の携帯型メディアをセットすることで、外部からの情報を取得できる。
【0018】
入力装置16は、ユーザが各種入力操作を行うための装置である。入力装置16は、マウス、キーボード、表示装置17の表示画面上に重畳するように設けられたタッチパネルスイッチなどを含む。表示装置17は、各種データを表示画面に表示する装置である。例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、CRT(Cathode Ray Tube)などから構成される。
【0019】
通信装置18は、ネットワークを介して他の機器との通信を行う装置である。有線ネットワークや無線ネットワークなど含む各種ネットワーク形態に応じた通信をサポートする。
【0020】
(機能)
図2は、本実施形態に係る情報処理装置1の主要機能を示す機能ブロック図である。図に示されるように情報処理装置1は、主要な機能として、補助記憶装置110、主記憶装置120、システムBIOS130、起動部140、データ記憶部150を含む構成である。
【0021】
補助記憶装置110は、上述のHDD14により実現され、OSやOSで利用するデータ、ユーザのデータを保存する記憶装置である。本実施形態においては、パーテーション等により仮想的に物理的に1の記憶装置を2つの記憶装置として構成する。つまり第1仮想記憶装置111と、第2仮想記憶装置112とを有する構成である(勿論物理的に2つの記憶装置を用いてもよい)。また本実施形態においては、第1仮想記憶装置111と、第2仮想記憶装置112とにおいては、同一のデータを記憶しているものとする。つまり第1仮想記憶装置111に、OSやOSで利用するデータ、ユーザのデータが保存されているとするならば、第2仮想記憶装置112においても同一のOSやOSで利用するデータ、ユーザのデータが保存されている。
【0022】
また図2において、情報処理装置1は、第1仮想記憶装置111のOSが起動されているものとし、またEWF機能が有効化設定されているので、第1仮想記憶装置111内の空き領域には、EWFボリュームが作成される。EWFボリュームは、EWFで保護されているボリュームの数、サイズ、EWFオーバーレイの情報など、EWF構成情報を格納する場所である。
【0023】
主記憶装置120は、上述のRAM13により実現され、CPU11の作業エリアとして使用するメモリである。また本実施形態においてはEWF機能が有効化設定(例えばRAM Mode)されているので、EWFオーバーレイ(EWF領域)が確保される。EWFオーバーレイは、保護パーティション(例えば第1仮想記憶装置111)に対する書き込み情報や変更情報をリダイレクトし、書き込み情報や変更情報を記憶する場所である。
【0024】
システムBIOS130は、情報処理装置1の起動時に実行されるプログラムとして実現され、起動時、情報処理装置1内の各種デバイス(補助記憶装置、主記憶装置等)を認識する。
【0025】
起動部140は、システムBIOS130により起動され、OSを読み込むことにより、情報処理装置1のシステムを起動させる。なお本実施形態に係る起動部140は、システムを起動させる際、起動設定情報141に基づいてどの補助記憶装置のOSでシステムを起動するかを決定する。起動設定情報141は、起動に使用するOSが含まれる補助記憶装置が規定されているもので、本実施形態においては第1補助記憶装置111又は第2補助記憶装置112の何れかが規定されている。そして上述の如く、ここでは第1仮想記憶装置111のOSが起動されているので、起動設定情報141において第1補助記憶装置111が規定されていることになる。つまり起動部140は、この起動設定情報141を参照し、第1補助記憶装置111のOSでシステムを起動したものである。
【0026】
データ記憶部150は、起動に使用されたOSが含まれる補助記憶装置に対しデータの記憶指示を受けると、EWFオーバーレイ及び、起動に使用されていないOSが含まれる記憶装置に対し該データを記憶させる。より具体的に、ここでは第1仮想記憶装置111に対しデータの記憶指示を受けると、EWFオーバーレイ及び第2仮想記憶装置112に対し該データを記憶させる。またこのときデータ記憶部150は、起動設定情報141に対して、起動に使用する補助記憶装置として、現行の起動に使用されたOSが含まれる補助記憶装置(例えば第1仮想記憶装置111)に代え、起動に使用されていないOSが含まれる記憶装置(例えば第2仮想記憶装置112)を規定する(書き換える)。これにより再起動された際(次回起動時)、起動部140は、起動設定情報141を参照し、第2仮想記憶装置112のOSでシステムを起動することになる
なお、上記これらの機能部は、実際にはCPU11が実行するプログラムにより実現される。
【0027】
[情報処理]
本実施形態に係る情報処理装置1の情報処理について説明する。図3は、本実施形態に係る情報処理装置1の情報処理を説明するフローチャートである。また図4は、本実施形態に係る各記憶装置の状態遷移図である。なお図4において、Cドライブは第1仮想記憶装置111、Dドライブは第2仮想記憶装置112に対応する。また上述したように、本実施形態においては、Cドライブ、Dドライブの両ドライブには、OSを含め同一のデータを記憶しているものとする。なおまた、OSではEWF機能が標準で有効となっている。以下両図面を参照しながら説明する。
【0028】
S1:ユーザは、情報処理装置1の電源を入れることにより、システムの起動を要求する。
【0029】
S2:電源が投入されると、システムBIOS130が起動され、システムBIOS130は、利用可能なデバイスの認識を行う。これにより例えば、Cドライブ、Dドライブ、主記憶装置120等々が認識される。
【0030】
S3:次に起動部140は、システムBIOS130からのOS起動命令を受け、そのためまず起動設定情報141を取得する。起動に使用するOSが含まれるドライブ(仮想記憶装置)を決定するためである。ここでは、起動設定情報141は、起動に使用するOSのドライブとして、Cドライブ(第1仮想記憶装置111)が規定されているものとする。
【0031】
S4:起動部140は、起動設定情報141に従って、その起動設定情報141に規定されるドライブCのOSを起動する。
【0032】
S5:起動部140は、起動するCドライブに対しEWF機能を有効化する。またこれに伴い、主記憶装置120の空き領域にEWFオーバーレイ(EWF領域)が、Cドライブ内の空き領域にはEWFボリュームが確保される。以上S1〜S5を踏まえ図4の(a)を参照する。図に示されるように、起動ドライブであるCドライブのOSからシステムが起動されるとともに、CドライブはEWF機能による保護されている。
【0033】
S6:次にデータ変更部150は、システム起動後、CドライブのOSやOSが使用するデータ等に対するデータ変更の有無を確認する。ここで例えば、ユーザ又はOS自身により同OSに対するパッチデータの適用が実行されたものとする。
【0034】
S7:データ変更部150は、まず起動ドライブであるCドライブはEWF機能により保護されているので、主記憶装置120のEWFオーバーレイに対し、同パッチデータの書き込みを行う。これはEWFの本来機能に基づくもので、OSやアプリケーションによるデータの変更時に、その変更内容を保護されているCドライブには直接書き込まず、主記憶装置120上に作成された記憶領域にリダイレクトすることで、情報処理装置内のOSのオリジナルデータの変更を保護するためである。以上S6〜S7を踏まえ図4の(b)を参照する。図に示されるように、主記憶装置120のEWFオーバーレイには同パッチデータが記憶されていることが分かる。
【0035】
S8:次にデータ変更部150は、非起動ドライブであるDドライブに対して同パッチデータを適用する。以上S8を踏まえ図4の(c)を参照する。図に示されるように、Dドライブには同パッチデータが記憶されていることが分かる。
【0036】
S9:データ変更部150は、起動設定情報141を更新する。起動設定情報141は、起動に使用する補助記憶装置が規定されているところ、具体的にこの時点においては起動ドライブであるCドライブが規定されているが、データ変更部150はこれを非起動ドライブであるDドライブへと書き換える。これにより次回起動時は、DドライブのOSからシステムが起動されることになる。
【0037】
S10:またデータ変更部150(又はデータ変更部150からの命令により起動部140)は、次回起動時、現行の起動ドライブであるCドライブに対するEWF機能を解除する設定を行っておく。再起動後、EWF機能によるCドライブの保護を解除するためである。本実施形態に係るOSではEWF機能が標準で有効化されているが、これにより次回Cドライブが起動される際、EWF機能は無効化されて起動するので、以後EFW機能により保護されるDドライブに対しデータの変更がなされる場合、同データをEWFオーバーレイとともに、今度はCドライブに対しても同データの書き込みを行えるようになる。また本実施形態に係るOSではEWF機能が標準で有効となっているものとしたが、そうでない場合には、現行の非起動ドライブであるDドライブに対するEWF機能を有効化する設定を行っておく。再起動後、EWF機能によりDドライブを保護するためである。
【0038】
続いて、情報処理装置1のシステムが再起動される。なお再起動はユーザの指示により明示的に再起動するか、またもしくはS10の後にシステムが自動的に再起動するようにすることもできる。以下、再びフローチャートのS1から説明する。
【0039】
再S1:ユーザは、情報処理装置1の電源を入れることにより、またもしくは上述の如くシステムが自動的に再起動することにより、システムの起動を要求する。
【0040】
再S2:電源が投入されると、システムBIOS130が起動され、システムBIOS130は、利用可能なデバイスの認識を行う。これにより例えば、Cドライブ、Dドライブ、主記憶装置120等々が認識される。
【0041】
再S3:次に起動部140は、システムBIOS130からのOS起動命令を受け、起動設定情報141を取得する。起動に使用するOSが含まれるドライブ(仮想記憶装置)を決定するためである。ここでは、上述のS9により、起動設定情報141では、起動に使用するOSのドライブとして、Dドライブ(第2仮想記憶装置112)が規定されている。
【0042】
再S4:起動部140は、起動設定情報141に従って、その起動設定情報141に規定されるドライブDのOSを起動する。
【0043】
再S5:起動部140は、起動するDドライブに対しEWF機能を有効化する(S10参照)。またこれに伴い、主記憶装置120の空き領域にEWFオーバーレイ(EWF領域)が、Dドライブ内の空き領域にはEWFボリュームが確保される。以上再S1〜再S5を踏まえ図4の(d)を参照する。図に示されるように、起動ドライブであるDドライブのOSからシステムが起動されるとともに、DドライブはEWF機能による保護されている。またさらに、このDドライブのOSに対してはパッチデータが適用されているので、このOSはパッチデータ適用済みのOSである。なお、主記憶装置120は例えばRAM13等により実現される揮発性メモリであるので、主記憶装置120はEWFオーバーレイのパッチデータは再起動により削除される。
【0044】
[総括]
EWF機能を適用した組み込みデバイスなどの情報処理装置においても、ときに補助記憶装置(例えばHDD)のOSの格納領域に対して、データを書き込む必要のある場合があるが、従来、ユーザはまず適用されたEWFを一旦解除(無効化)し、システムを再起動する。起動後、補助記憶装置内におけるデータの変更を行った後、再度EWFを適用(有効化)する必要があるので、再度システムを再起動する。
【0045】
一方、本実施形態に係る情報処理装置1においては、上述の如く1回の再起動により、EWF機能により保護される補助記憶装置のOSの格納領域に対して、データを書き込むことが可能となっている。即ち、本実施形態に係る情報処理装置1によれば、EWF機能を用いてデータ保護を行いつつも、補助記憶装置内のデータに対して変更を行う際、情報処理装置の再起動回数を減らし、ユーザの利便性を向上させることが可能となる。
【0046】
なお、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。例えば、本実施形態に係る情報処理装置1は、特に組み込み製品に対し有効なEWF機能を有するので、組み込みデバイス、組み込みシステム等に組み込むことも可能である。
【符号の説明】
【0047】
1 情報処理装置
11 CPU
12 ROM
13 RAM
14 補助記憶装置
15 記憶媒体読取装置
16 入力装置
17 表示装置
18 通信装置
110 補助記憶装置
111 第1仮想記憶装置
112 第2仮想記憶装置
120 主記憶装置
130 システムBIOS
140 起動部
141 起動設定情報
150 データ記憶部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0048】
【特許文献1】特開2011−086247号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
EWF機能を有し、EWF機能の無効化及び有効化の設定時に再起動を要する情報処理装置であって、
EWFオーバーレイを含む主記憶装置と、
EWF機能により保護され、OSを含む各種データを記憶した第1補助記憶装置と、
前記各種データと同一の各種データを記憶した第2補助記憶装置と、
起動に使用するOSが含まれる補助記憶装置が規定された起動設定情報を有し、該起動設定情報に規定された補助記憶装置のOSを使用して当該情報処理装置を起動する起動手段と、
前記第1補助記憶装置のOSを使用して当該情報処理装置が起動されたとき、前記第1補助記憶装置に対しデータの記憶指示を受けると、前記EWFオーバーレイ及び前記第2補助記憶装置に対し該データを記憶させるとともに、前記起動設定情報に対して前記第2補助記憶装置を規定するデータ記憶手段と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記データ記憶手段により前記第2補助記憶装置に対し該データが記憶された後に当該情報処理装置が再起動される前、前記第1補助記憶装置に対して、EWF機能による保護の無効化設定がされること、
を特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記データ記憶手段により前記第2補助記憶装置に対し該データが記憶された後に当該情報処理装置が再起動される前、前記第2補助記憶装置に対して、EWF機能による保護の有効化設定がされること、
を特徴とする請求項1又は2記載の情報処理装置。
【請求項4】
EWF機能を有し、EWF機能の無効化及び有効化の設定時に再起動を要し、
EWFオーバーレイを含む主記憶装置と、
EWF機能により保護され、OSを含む各種データを記憶した第1補助記憶装置と、
前記各種データと同一の各種データを記憶した第2補助記憶装置とを有する情報処理装置に、
起動に使用するOSが含まれる補助記憶装置が規定された起動設定情報を有し、該起動設定情報に規定された補助記憶装置のOSを使用して当該情報処理装置を起動する起動手段と、
前記第1補助記憶装置のOSを使用して当該情報処理装置が起動されたとき、前記第1補助記憶装置に対しデータの記憶指示を受けると、前記EWFオーバーレイ及び前記第2補助記憶装置に対し該データを記憶させるとともに、前記起動設定情報に対して前記第2補助記憶装置を規定するデータ記憶手段として機能させるための情報処理プログラム。
【請求項5】
請求項1ないし3記載の情報処理装置を含み構成される組み込みシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−105338(P2013−105338A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−249073(P2011−249073)
【出願日】平成23年11月14日(2011.11.14)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】