説明

情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム

【課題】睡眠中における生体信号の測定結果に基づき、睡眠の質に関する評価をユーザに提示する。
【解決手段】本開示の一側面である情報処理装置は、被測定者の睡眠状態の時系列変化を示す睡眠経過図を解析して、前記被測定者の睡眠の特徴を示す睡眠パラメータを算出する解析部と、サンプルデータとしての前記睡眠経過図に対する診断結果が登録されているデータベースと、算出された前記睡眠パラメータとに基づき、前記被測定者の睡眠に関する評価を推定する推定部とを備える。本開示は、睡眠評価装置に適用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムに関し、特に、睡眠中の被験者から検出される生体信号に基づいて睡眠の質を評価するようにした情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、病院などにおいて、睡眠障害などの患者を医師が診断するに際しては、睡眠中の患者から脳波、眼電位、筋電位などを測定し、測定した脳波などに基づいて作成される睡眠経過図(睡眠状態の時系列遷移を示す)が用いられている。医師などの専門家は、病気とは診断しないまでも、例えば、意識に残らない覚醒反応などの睡眠の質を悪化させる要因を睡眠経過図から読み取ることができる。
【0003】
一方、一般家庭での使用が想定された、心拍や脈波などを計測するセンサと、その計測結果に基づいて睡眠状態を解析するアプリケーションプログラムから成る解析装置も存在する(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−115188号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般家庭において、睡眠中における脈拍などの生体信号の測定結果に基づいて、睡眠の質に関する医師の診断と同様の診断結果を得ることができれば便利である。また、睡眠障害など極度に問題のある症状には至らないものの、自らの睡眠が医師などの専門家から見てどのように評価されるか知りたいというニーズも多い。しかしながら、上記した従来の解析装置では、単に睡眠の深さを推定するに過ぎず、医師などの専門家が行うような睡眠の質の評価をユーザに提示することができなかった。
【0006】
本開示はこのような状況に鑑みてなされたものであり、睡眠中における生体信号の測定結果に基づき、睡眠の質を評価できるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一側面である情報処理装置は、被測定者の睡眠状態の時系列変化を示す睡眠経過図を解析して、前記被測定者の睡眠の特徴を示す睡眠パラメータを算出する解析部と、サンプルデータとしての前記睡眠経過図に対する診断結果が登録されているデータベースと、算出された前記睡眠パラメータとに基づき、前記被測定者の睡眠に関する評価を推定する推定部とを備える。
【0008】
本開示の一側面である情報処理装置は、推定された前記被測定者の睡眠に関する前記評価を提示する提示部をさらに備えることができる。
【0009】
本開示の一側面である情報処理装置は、推定された前記被測定者の睡眠に関する前記評価に基づいて評価説明文を作成する作成部をさらに備えることができ、前記提示部は、前記評価説明文も提示することができる。
【0010】
前記データベースには、サンプルデータとしての前記睡眠経過図に対する一人以上の専門医の診断結果が登録されているようにすることができる。
【0011】
前記推定部は、睡眠に対する前記被測定者の主観を入力する入力部を有し、前記データベースに診断結果が登録されている一人以上の専門医のうち、前記診断結果に基づいて推定される評価値と、入力された前記被測定者の主観とが類似する専門医を特定することができる。
【0012】
前記推定部は、前記データベースに登録されている診断結果のうちの、特定した前記専門医の診断結果と、算出された前記睡眠パラメータとに基づき、前記被測定者の睡眠に関する評価を推定することができる。
【0013】
前記解析部は、睡眠パラメータとして、少なくとも睡眠潜時、TST/SPT、SWS(%SPT)、WASO(%SPT)、S1とS2の遷移回数、REM latency、またはREM(%SPT)のうちの一つを算出することができる。
【0014】
本開示の一側面である情報処理装置は、睡眠中の被測定者から測定された生体信号を取得する取得部と、取得された前記生体信号に基づいて前記睡眠経過図を生成する生成部とをさらに備えることができる。
【0015】
本開示の一側面である情報処理装置は、睡眠中の被測定者から前記生体信号を測定する生体センサをさらに備えることができる。
【0016】
本開示の一側面である情報処理方法は、情報処理装置の情報処理方法において、前記情報処理装置による、被測定者の睡眠状態の時系列変化を示す睡眠経過図を解析して、前記被測定者の睡眠の特徴を示す睡眠パラメータを算出する解析ステップと、サンプルデータとしての前記睡眠経過図に対する診断結果が登録されているデータベースと、算出された前記睡眠パラメータとに基づき、前記被測定者の睡眠に関する評価を推定する推定ステップとを含む。
【0017】
本開示の一側面であるプログラムは、コンピュータを、被測定者の睡眠状態の時系列変化を示す睡眠経過図を解析して、前記被測定者の睡眠の特徴を示す睡眠パラメータを算出する解析部と、サンプルデータとしての前記睡眠経過図に対する診断結果が登録されているデータベースと、算出された前記睡眠パラメータとに基づき、前記被測定者の睡眠に関する評価を推定する推定部として機能させる。
【0018】
本開示の一側面においては、被測定者の睡眠状態の時系列変化を示す睡眠経過図が解析されて、被測定者の睡眠の特徴を示す睡眠パラメータが算出され、サンプルデータとしての睡眠経過図に対する診断結果が登録されているデータベースと、算出された睡眠パラメータとに基づき、被測定者の睡眠に関する評価が推定される。
【発明の効果】
【0019】
本開示の一側面によれば、睡眠中における生体信号の測定結果に基づき、睡眠の質を評価することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本開示を適用した睡眠評価装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】睡眠経過図の一例を示す図である。
【図3】睡眠に関する用語を説明するための図である。
【図4】睡眠パラメータと評価項目の対応関係を示す図である。
【図5】睡眠評価処理を説明するフローチャートである。
【図6】診断結果の一例を示す図である。
【図7】診断結果の評価説明文の一例を示す図である。
【図8】コンピュータの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本開示を実施するための最良の形態(以下、実施の形態と称する)について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0022】
[睡眠評価装置の構成例]
図1は、実施の形態である睡眠評価装置の構成例を示している。この睡眠評価装置10は、睡眠中のユーザ(被評価者)から取得した呼吸数、脈拍数、心拍数、脳波、体動による振動などに基づいて、ユーザの睡眠の質を評価するものである。
【0023】
睡眠評価装置10は、生体センサ11、生体信号取得部12、睡眠経過図生成部13、睡眠解析部14、推定部16、データベース15、評価説明文作成部17、および提示部18から構成される。
【0024】
生体センサ11は、ユーザの睡眠中における呼吸数、脈拍数、心拍数、脳波、体動による振動などを測定する各種センサから成る。生体センサ11は、少なくとも一般的な睡眠時間分の測定結果(以下、生体信号と称する)を保持することができ、生体信号取得部12からの要求に応じ、保持する生体信号を生体信号取得部12に出力する。なお、リアルタイムの測定結果を生体信号取得部12に順次出力することもできる。
【0025】
生体信号取得部12は、生体センサ11から生体信号を取得して睡眠経過図生成部13に出力する。睡眠経過図生成部13は、入力される生体信号に基づき、睡眠状態の時系列遷移を示す睡眠経過図を生成して睡眠解析部14に出力する。なお、睡眠経過図については後述する。
【0026】
睡眠解析部14は、生成された睡眠経過図に基づき、睡眠の特徴を示す複数の睡眠パラメータを算出して推定部16に出力する。
【0027】
データベース15には、サンプルとなる複数の各睡眠経過図に対応付けて、睡眠パラメータと睡眠経過図に対する専門医の診断結果(各評価項目および総合評価に対する評価値A,BまたはC)とが予め登録されているものとする。
【0028】
推定部16は、データベース15を参照し、算出された睡眠パラメータに基づいて、睡眠の質を評価するための複数の各評価項目に対する評価値A,BまたはC(例えば、A=100,B=50,C=0)と、それらの総合的な評価値A,BまたはCに属する確率を推定する。さらに、推定部16は、推定結果に基づいて期待値=評価値A×評価値Aに属する確率+評価値B×評価値Bに属する確率+評価値C×評価値Cに属する確率を算出して評価説明文作成部17に出力する。
【0029】
具体的には、例えば、事後確率最大化(MAP:maximum a posteriori probability)推定を採用し、次式に基づいて、算出された睡眠パラメータXに対して最も尤が高い評価値Yを推定する。
Y=arg maxP(Y|X)=arg max P(X|Y) P(Y)
ここで、P(Y|X)は事後確率(posteriori probability)であり、睡眠パラメータXに対して評価がYである確率を示す。P(X|Y)は尤度(likelihood)であり、評価値がYであるときのXの分布を示す。P(Y)は事後分布(priori)であり、評価値がYである確率を示す。この場合、データベース15には、専門医の診断結果に基づいて睡眠パラメータXの分布P(X|Y)が推定、登録されているものとする。
【0030】
各評価項目の推定については、ノンパラメトリックな分布推定方法としてカーネル密度推定法が用いられる。総合評価の推定については、パラメトリックな分布推定方法として混合ガウス分布を用いたEM(expectation maximization)アルゴリズムが採用される。
【0031】
評価説明文作成部17は、推定部16から入力されるユーザの睡眠に対する期待値に基づいて評価説明文を作成し、期待値とともに提示部18に出力する。提示部18は、ユーザの睡眠に対する各評価項目の期待値を提示するとともに、作成された評価説明文をユーザに提示する。期待値の提示方法については、単に各評価項目に対する期待値を示す他、例えば、データベース15に登録されているサンプルの分布に対する相対的な位置を示したりするようにしてもよい。
【0032】
[睡眠経過図について]
ここで、人の睡眠について、図2および図3を参照して説明する。図2は睡眠経過図の一例を示している。図3は睡眠に関する用語を説明するための図である。
【0033】
一般に、人は就寝すると数分で睡眠状態となる。睡眠は、身体は眠っているが脳は活動しているレム(REM(rapid eye movement))睡眠と、身体と脳が眠っているノンレム(non-REM)睡眠に分類され、就寝後にはまずノンレム睡眠が出現し、1,2時間後にレム睡眠に推移する。その後はノンレム睡眠とレム睡眠とが交互に出現する。
【0034】
ノンレム睡眠はさらに、浅い方から順にステージ1(S1)、ステージ2(S2)、ステージ3(S3)、ステージ4(S4)の4段階に分類される。S3,S4はいわゆる深い眠り(SWS:slow wave sleep)といわれる状態である。なお、S3とS4を統合する分類方法もある。
【0035】
睡眠時間を表現する用語としては、TIB(time in bed),SPT(sleep period time),TST(total sleep time)が用いられる。
【0036】
TIBは、就寝してから起床までの時間(睡眠前後の覚醒の時間を含む)を指す。SPTは、TIBから睡眠前後の覚醒(就寝後に入眠するまで時間と、目覚めてから起床するまでの時間)を除いたものである。TSTは、SPTから中途覚醒(WASO: wake after sleep onset)の時間を除いたものである。
【0037】
[睡眠パラメータと評価項目]
図4は、睡眠経過図から算出される睡眠パラメータと、各睡眠パラメータに基づく評価項目の対応関係を示している。
【0038】
睡眠パラメータとしては、睡眠潜時、TST/SPT、SWS(%SPT)、WASO(%SPT)、S1とS2の遷移回数、REM latency、REM(%SPT)の7種類が算出される。
【0039】
睡眠潜時は、就寝してから入眠する(S1が3回以上連続して出現するか、S2,S3,S4またはレム睡眠が出現する)の時間を指し、これに基づいて入眠し易さが評価される。
【0040】
TST/SPTは、SPTのTSTに対する割合を指し、これに基づいて睡眠効率が評価される。
【0041】
SWS(%SPT)は、S3またはS4に遷移している時間のSPTに対する割合を指し、これに基づいて、深い睡眠の量が評価される。
【0042】
WASO(%SPT)は、睡眠中において脳が覚醒している状態の時間のSPTに対する割合を指し、これに基づいて睡眠分断の程度が評価される。
【0043】
睡眠パラメータのS1とS2の遷移回数からは、微小覚醒(micro arousal)が評価される。
【0044】
REM latencyは、入眠してから最初のレム睡眠が出現するまでの時間(睡眠周期)を指し、これに基づいてレム睡眠の開始が評価される。
【0045】
REM(%SPT)は、レム睡眠時間のSPTに対する割合を指し、これに基づいてレム睡眠の量が評価される。
【0046】
さらに、睡眠潜時乃至REM(%SPT)の全ての睡眠パラメータに基づいて、睡眠の質が総合的に評価される。
【0047】
なお、睡眠パラメータについては、上述した全てのものを必ずしも算出しなくてもよい。また、上述した種類以外の睡眠パラメータを算出するようにしてもよい。
【0048】
[睡眠推定処理の説明]
図5は、睡眠評価装置10による睡眠評価処理を説明するフローチャートである。
【0049】
この睡眠評価処理の前提として、既に生体センサ11に内蔵されたメモリには、睡眠中のユーザから検出された生体信号が保持されているものとする。
【0050】
ステップS1において、生体信号取得部12は、生体センサ11から生体信号を取得して睡眠経過図生成部13に出力する。ステップS2において、睡眠経過図生成部13は、生体信号取得部12から入力された生体信号に基づき、睡眠経過図を生成して睡眠解析部14に出力する。
【0051】
ステップS3において、睡眠解析部14は、生成された睡眠経過図に基づき、睡眠の特徴を示す複数の睡眠パラメータを算出して推定部16に出力する。ステップS4において、推定部16は、データベース15を参照し、算出された睡眠パラメータに基づいて、睡眠の質を評価するための複数の各評価項目に対する評価値A,BまたはCと、それらの総合的な評価値A,BまたはCに属する確率を推定する。ステップS15において推定部16は、各評価値A,B,Cに対して設定する値(例えば、100,50,0)と、推定した確率をそれぞれ乗算して加算することにより、その期待値を算出して評価説明文作成部17に出力する。
【0052】
ステップS6において、評価説明文作成部17は、推定部16から入力されるユーザの睡眠に対する期待値に基づいて評価説明文を作成し、期待値とともに提示部18に出力する。ステップS7において、提示部18は、ユーザの睡眠に対する各評価項目の期待値を提示するとともに、作成された評価説明文をユーザに提示する。
【0053】
図6は、睡眠の各評価項目の期待値を提示する画面の表示例を示している。同図に示されるように、期待値を用いることにより、評価値A,B,またはCの3段階ではなく、より細かい評価(評価値A,B,Cの間の値)をユーザに提示することができる。
【0054】
図7は、評価説明文を提示する画面の一例を示している。このような評価説明文も提示することにより、単に評価項目の期待値だけを提示する場合に比較して、ユーザにとって自身の睡眠をより容易に理解することができる。以上で、睡眠評価処理の説明を終了する。
【0055】
[変形例]
図1に示された睡眠評価装置10の構成要素については、一体的に配置してもよいし、離散的に配置してもよい。例えば、生体センサ11だけを分離させたり、提示部18を携帯ゲーム機、スマートフォンなどの端末装置に組み込むようにしたりしてもよい。
【0056】
また例えば、睡眠経過図生成部13乃至評価説明文作成部17のうちの一部または全てを、インターネット上のサーバに設けるようにしてもよい。
【0057】
インターネット上のサーバに設けられたデータベース15に対しては、専門医が任意にアクセスし、そこに登録されている、他の専門医によって診断済みの睡眠経過図に対して、自己の診断結果を追加登録できるようにしてもよい。これにより、専門医にとっては自己の診断経験を増加させることができる。
【0058】
同一の睡眠経過図に対する複数の専門医の診断結果をデータベース15に登録するに際しては、専門医毎に診断結果の相違が有り得るので、専門医毎に診断結果を分類して登録するようにする。
【0059】
この場合、データベース15に診断結果を登録している複数の専門医のうち、だれの診断結果を参照するかをユーザが選択できる操作入力部を推定部16に設け、推定部16においては、選択された専門医の診断結果を参照して、評価値を推定するようにしてもよい。
【0060】
あるいは、ユーザ自身の睡眠に対する主観(自己評価)を入力できる操作入力部を推定部16に設け、推定部16にて、ユーザの主観に類似した推定結果を得ることができる登録済みの診断結果をデータベース15から検出し、検出された診断結果を登録した専門医を特定するようにしてもよい。これ以降、評価値の推定には、特定された専門医の診断結果を自動的に採用するようにすれば、睡眠の質について、ユーザの主観に近い評価結果を得ることができる。また、特定された専門医の情報をユーザに提示するようにしてもよい。
【0061】
ところで、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行することもできるし、ソフトウエアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウエアにより実行する場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、コンピュータにインストールされる。ここで、コンピュータには、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータや、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどが含まれる。
【0062】
図8は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するコンピュータのハードウェアの構成例を示すブロック図である。
【0063】
コンピュータにおいて、CPU(Central Processing Unit)101,ROM(Read Only Memory)102,RAM(Random Access Memory)103は、バス104により相互に接続されている。
【0064】
バス104には、さらに、入出力インタフェース105が接続されている。入出力インタフェース105には、入力部106、出力部107、記憶部108、通信部109、およびドライブ110が接続されている。
【0065】
入力部106は、キーボード、マウス、マイクロフォンなどよりなる。出力部107は、ディスプレイ、スピーカなどよりなる。記憶部108は、ハードディスクや不揮発性のメモリなどよりなる。通信部109は、ネットワークインタフェースなどよりなる。ドライブ110は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は半導体メモリなどのリムーバブルメディア111を駆動する。
【0066】
以上のように構成されるコンピュータでは、CPU101が、例えば、記憶部108に記憶されているプログラムを、入出力インタフェース105およびバス104を介して、RAM103にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。
【0067】
コンピュータ(CPU101)が実行するプログラムは、例えば、パッケージメディア等としてのリムーバブルメディア111に記録して提供することができる。また、プログラムは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供することができる。
【0068】
コンピュータでは、プログラムは、リムーバブルメディア111をドライブ110に装着することにより、入出力インタフェース105を介して、記憶部108にインストールすることができる。また、プログラムは、有線または無線の伝送媒体を介して、通信部109で受信し、記憶部108にインストールすることができる。その他、プログラムは、ROM102や記憶部108に、あらかじめインストールしておくことができる。
【0069】
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであってもよいし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであってもよい。
【0070】
本開示の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0071】
10 睡眠評価装置, 11 生体センサ, 12 生体信号取得部, 13 睡眠経過図生成部, 14 睡眠解析部, 15 データベース, 16 推定部, 17 評価説明文作成部, 18 提示部, 100 コンピュータ, 101 CPU

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定者の睡眠状態の時系列変化を示す睡眠経過図を解析して、前記被測定者の睡眠の特徴を示す睡眠パラメータを算出する解析部と、
サンプルデータとしての前記睡眠経過図に対する診断結果が登録されているデータベースと、算出された前記睡眠パラメータとに基づき、前記被測定者の睡眠に関する評価を推定する推定部と
を備える情報処理装置。
【請求項2】
推定された前記被測定者の睡眠に関する前記評価を提示する提示部を
さらに備える請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
推定された前記被測定者の睡眠に関する前記評価に基づいて評価説明文を作成する作成部をさらに備え、
前記提示部は、前記評価説明文も提示する
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記データベースには、サンプルデータとしての前記睡眠経過図に対する一人以上の専門医の診断結果が登録されている
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記推定部は、睡眠に対する前記被測定者の主観を入力する入力部を有し、前記データベースに診断結果が登録されている一人以上の専門医のうち、前記診断結果に基づいて推定される評価値と、入力された前記被測定者の主観とが類似する専門医を特定する
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記推定部は、前記データベースに登録されている診断結果のうちの、特定した前記専門医の診断結果と、算出された前記睡眠パラメータとに基づき、前記被測定者の睡眠に関する評価を推定する
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記解析部は、睡眠パラメータとして、少なくとも睡眠潜時、TST/SPT、SWS(%SPT)、WASO(%SPT)、S1とS2の遷移回数、REM latency、またはREM(%SPT)のうちの一つを算出する
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項8】
睡眠中の被測定者から測定された生体信号を取得する取得部と、
取得された前記生体信号に基づいて前記睡眠経過図を生成する生成部と
をさらに備える請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項9】
睡眠中の被測定者から前記生体信号を測定する生体センサを
さらに備える請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
情報処理装置の情報処理方法において、
前記情報処理装置による、
被測定者の睡眠状態の時系列変化を示す睡眠経過図を解析して、前記被測定者の睡眠の特徴を示す睡眠パラメータを算出する解析ステップと、
サンプルデータとしての前記睡眠経過図に対する診断結果が登録されているデータベースと、算出された前記睡眠パラメータとに基づき、前記被測定者の睡眠に関する評価を推定する推定ステップと
を含む情報処理方法。
【請求項11】
コンピュータを、
被測定者の睡眠状態の時系列変化を示す睡眠経過図を解析して、前記被測定者の睡眠の特徴を示す睡眠パラメータを算出する解析部と、
サンプルデータとしての前記睡眠経過図に対する診断結果が登録されているデータベースと、算出された前記睡眠パラメータとに基づき、前記被測定者の睡眠に関する評価を推定する推定部と
して機能させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−52165(P2013−52165A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−193527(P2011−193527)
【出願日】平成23年9月6日(2011.9.6)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】