情報処理装置、情報処理方法、プログラム及び記憶媒体
【課題】ステープル設定と成果物との間での不整合を回避することを目的とする。
【解決手段】ユーザ操作に基づいて、ステープルの分割を指示する指示手段と、指示手段でステープルの分割が指示された場合、ステープル可能枚数を取得する取得手段と、取得手段で取得されたステープル可能枚数と、各章の枚数と、に基づいて、ステープル分割する位置を決定する決定手段と、決定手段で決定された位置を区切り単位にステープルすることを印刷装置に指示するステープル属性を設定するステープル設定手段と、を有することによって課題を解決する。
【解決手段】ユーザ操作に基づいて、ステープルの分割を指示する指示手段と、指示手段でステープルの分割が指示された場合、ステープル可能枚数を取得する取得手段と、取得手段で取得されたステープル可能枚数と、各章の枚数と、に基づいて、ステープル分割する位置を決定する決定手段と、決定手段で決定された位置を区切り単位にステープルすることを印刷装置に指示するステープル属性を設定するステープル設定手段と、を有することによって課題を解決する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、プログラム及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルコンピュータ等の情報処理装置上で編集中の文書を、ステープルを施して複数部印刷指示できるプリンタや複写機等の画像形成装置が実用化されている。更に、印刷ジョブ全体に対してステープルするか否かの指定のみならず、印刷対象の文書中のどこからどこまでをステープルするといった指定をすることができる情報処理システムも実用化されている。
このようなシステムでは、文書を複数の部分(章と表現する)に分けて、各章に対してステープルするか否かを指示する部分ステープル指示を設定することが可能である。更に、このようなシステムでは、設定された部分ステープル指示に応じて印刷データを生成し、その印刷データに従ってステープルを施す印刷処理装置が用いられている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−91380号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した特許文献1の構成では、印刷枚数がステープル許容枚数を超えた場合でも、ステープル設定が可能であった。このため、ステープル設定したにも関わらず、最終成果物ではステープルされず、期待する成果物をえられない場合があった。
【0005】
本発明はこのような問題点に鑑みなされたもので、ステープル設定と成果物との間での不整合を回避することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、本発明の情報処理装置は、ユーザ操作に基づいて、ステープルの分割を指示する指示手段と、前記指示手段でステープルの分割が指示された場合、ステープル可能枚数を取得する取得手段と、前記取得手段で取得されたステープル可能枚数と、各章の枚数と、に基づいて、ステープル分割する位置を決定する決定手段と、前記決定手段で決定された位置を区切り単位にステープルすることを印刷装置に指示するステープル属性を設定するステープル設定手段と、を有する。
【0007】
かかる構成とすることにより、例えば、ステープル可能な枚数を考慮したステープル分割を自動設定することができ、ステープル可能枚数を超過した設定は行えなくなるので、ステープル設定と成果物との間での不整合を回避することができる。
【0008】
また、本発明は、情報処理方法、プログラム及び記憶媒体としてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ステープル設定と成果物との間での不整合を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本実施形態の情報処理システムのソフトウェア構成の一例を示す図である。
【図2】本実施形態の文書処理システムのハードウェア構成の一例を示す図である。
【図3】ブックファイルの形式の一例を模式的に示す図である。
【図4】ブック属性(文書設定情報)の一例を示す図である。
【図5】章属性(章設定情報)の一例を示す図である。
【図6】ページ属性(ページ設定情報)の一例を示す図である。
【図7】ブックファイルを開き、そのブックファイルの構造、属性、内容に従ってユーザインタフェース(UI)画面を表示するUI画面の一例を示す図である。
【図8】ジョブチケットのデータ構造の一例を示す図である。
【図9】製本アプリケーションの「文書の詳細設定」ウインドウを示す図である。
【図10】製本アプリケーションの「章の詳細設定」ウインドウを示す図である。
【図11】製本アプリケーションの「ページの詳細設定」ウインドウを示す図である。
【図12】製本アプリケーションの文書の詳細設定ウインドウで、ステープルの設定をした一例を示す図である。
【図13】製本アプリケーションの「章の詳細設定」ウインドウを開き、章のステープル設定をしている一例を示す図である。
【図14】図4のブック属性(文書設定情報)の排紙属性の更に詳細な形式の一例を示す図である。
【図15】章属性(章設定情報)の排紙先属性のデータ構造の一例を示す図である。
【図16】製本アプリケーションのステープル可能枚数設定ダイアログの一例を示す図である。
【図17】実施形態1のステープル自動設定処理の一例を示すフローチャートである。
【図18】図17のステープル自動設定処理を実行した場合の結果表示の一例を示す図である。
【図19】実施形態2のステープル自動設定処理の一例を示すフローチャートである。
【図20】図19のステープル自動設定処理を実行した場合の結果表示の一例を示す図(その1)である。
【図21】図19のステープル自動設定処理を実行した場合の結果表示の一例を示す図(その2)である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
【0012】
<<実施形態1>>
[本実施形態の情報処理システムの概要]
第1の実施形態の情報処理システムの概要を、図1〜図13を参照して説明する。この情報処理システムでは、一般アプリケーションにより作成されたデータファイルが、電子原稿ライタによって電子原稿ファイルに変換される。製本アプリケーションはその電子原稿ファイルを編集する機能を提供している。なお、本例では、それぞれの機能が明瞭になるように、一般アプリケーション、電子原稿ライタ、製本アプリケーション、電子原稿デスプーラと分離して示している。しかしながらユーザに提供されるパッケージはこれらに限定されず、これらを組み合わせたアプリケーションやグラフィックエンジンとして提供されてもよい。以下、その詳細を説明する。
【0013】
<本実施形態の情報処理システムのソフトウェア構成例>
図1は、本実施形態の情報処理システムのソフトウェア構成の一例を示す図である。
情報処理システムは、情報処理装置の好適な実施形態であるホストコンピュータ100によって実現されている。一般アプリケーション101は、ワードプロセシングやスプレッドシート、フォトレタッチ、ドロー或いはペイント、プレゼンテーション、テキスト編集等の機能を提供するアプリケーションプログラムであり、OSに対する印刷機能を有している。これらアプリケーションは、作成された文書ファイルや画像ファイル等のアプリケーションデータを印刷するにあたって、オペレーティングシステム(OS)により提供される所定のインタフェース(一般に、GDIと呼ばれる)を利用する。
【0014】
即ち、一般アプリケーション101は、作成したデータを印刷するために、前記インタフェースを提供するOSの出力モジュールに対して、予め定められる、OSに依存する形式の出力コマンド(GDI関数と呼ばれる)を送信する。出力コマンドを受けたOSの出力モジュールは、プリンタ等の出力デバイスが処理可能な形式にそのコマンドを変換し、変換されたコマンド(DDI関数と呼ばれる)を出力する。出力デバイスが処理可能な形式はデバイスの種類やメーカ、機種等によって異なるために、デバイスごとにデバイスドライバが提供されている。OSではそのデバイスドライバを利用してコマンドの変換を行い、印刷データを生成し、JL(Job Language)でくくることにより印刷ジョブが生成される。
【0015】
電子原稿ライタ102は、前述のデバイスドライバを改良したものであり、本情報処理システム実現のために提供されるソフトウェアモジュールである。ただし、電子原稿ライタ102は特定の出力デバイスを目的としておらず、後述の製本アプリケーション104やプリンタドライバ106により処理可能な形式に出力コマンドを変換する。この電子原稿ライタ102による変換後の形式(以後、「電子原稿形式」と呼ぶ。)は、ページ単位の原稿を詳細な書式をもって表現可能であれば特に形式は問わない。実質的な標準形式として、例えばアドビシステムズによるPDF形式や、SVG形式等が電子原稿形式として採用できる。
【0016】
一般アプリケーション101により電子原稿ライタ102を利用させる場合には、出力に使用するデバイスドライバとして電子原稿ライタ102を指定してから印刷を実行させる。ただし、電子原稿ライタ102によって作成されたままの電子原稿ファイルは、電子原稿ファイルとしての形式を備えていない。そのため、デバイスドライバとして電子原稿ライタ102を指定するのは製本アプリケーション104であり、その管理下でアプリケーションデータの電子原稿ファイルへの変換が実行される。製本アプリケーション104は、電子原稿ライタ102が生成した新規の後述する形式を備えていない電子原稿ファイルを後述する形式を備えた電子原稿ファイルとして完成させる。以下では、この点を明瞭に識別する必要がある際には、電子原稿ライタ102によって作成されたファイルを電子原稿ファイルと呼び、製本アプリケーション104によって構造を与えられた電子原稿ファイルをブックファイルと呼ぶ。また、特に区別する必要がない場合は、アプリケーションにより生成される電子原稿ファイル及びブックファイルを何れも文書ファイルと呼ぶ。
【0017】
このようにデバイスドライバとして電子原稿ライタ102を使用することで、アプリケーションデータは一般アプリケーション101によって定義されたページ(以後、「論理ページ」或いは「原稿ページ」と呼ぶ。)を単位とする電子原稿形式に変換される。変換されたデータは電子原稿ファイル103としてハードディスク等の記憶媒体に格納される。なお、ハードディスクは、本実施形態の情報処理システムを実現するコンピュータが備えているローカルドライブであってもよいし、ネットワークに接続されている場合にはネットワーク上に提供されるドライブであってもよい。
製本アプリケーション104は、電子原稿ファイル或いはブックファイル103を読み込み、それを編集するための機能をユーザに提供する。ただし製本アプリケーション104は、各ページの内容を編集する機能は提供しておらず、ページを最小単位として構成される、後述する章やブックの構造を編集するための機能を提供している。
【0018】
製本アプリケーション104によって編集されたブックファイル103を印刷する際には、製本アプリケーション104によって電子原稿デスプーラ105が起動される。電子原稿デスプーラ105は、製本アプリケーション104で利用するブックファイル103を印刷する際に、プリンタドライバ106へ描画データを出力するために使用されるモジュールである。電子原稿デスプーラ105は、ブックファイル103に記述された形式で各ページを印刷するために、前述したOSの出力モジュールに適合する出力コマンドを生成し、不図示の出力モジュールに出力する。その際に、出力デバイスとして使用されるプリンタ107のプリンタドライバ106がデバイスドライバとして指定される。出力モジュールは、指定されたプリンタ107のプリンタドライバ106を用いて受信した出力コマンドを、プリンタ107で解釈実行可能なデバイスコマンドに変換する。そしてデバイスコマンドはプリンタ107に送信され、プリンタ107によってコマンドに応じた画像が印刷される。
【0019】
<本実施形態の文書処理システムのハードウェア構成例>
図2は、本実施形態の文書処理システムのハードウェア構成の一例を示す図である。図2において、ホストコンピュータ100は、ROM203内のプログラム用ROM或いは外部メモリ211に記憶された文書処理プログラム等に基づいて図形、イメージ、文字、表(表計算等を含む)等が混在した文書処理を実行するCPU201を備える。システムバス204に接続される各デバイスをCPU201が総括的に制御する。また、このROM203内のプログラム用ROM或いは外部メモリ211は、CPU201の制御プログラムであるオペレーティングシステムプログラム等を記憶する。ROM203内のフォント用ROM或いは外部メモリ211は、上記文書処理の際に使用するフォントデータ等を記憶する。ROM203内のデータ用ROM或いは外部メモリ211は、上記文書処理等を行う際に使用する各種データを記憶する。RAM202は、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。
【0020】
キーボードコントローラ(KBC)205は、キーボード209や不図示のポインティングデバイスからのキー入力を制御する。CRTコントローラ(CRTC)206は、CRTディスプレイ(CRT)210の表示を制御する。207はディスクコントローラ(DKC)で、ハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)等の外部メモリ211とのアクセスを制御する。外部メモリ211は、ブートプログラム、各種のアプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、編集ファイル、プリンタ制御コマンド生成プログラム(プリンタドライバ)等を記憶する。プリンタコントローラ(PRTC)208は、双方向性インタフェース(インタフェース)21を介してプリンタ107に接続されて、プリンタ107との通信制御処理を実行する。NC212はネットワークに接続されて、ネットワークに接続された他の機器との通信制御処理を実行する。
【0021】
なお、CPU201は、例えばRAM202上に設定された表示情報RAMへのアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行し、CRT210上でのWYSIWYGを可能としている。また、CPU201は、CRT210上の不図示のマウスカーソル等で指示されたコマンドに基づいて登録された種々のウインドウを開き、種々のデータ処理を実行する。ユーザは、印刷を実行する際、印刷の設定に関するウインドウを開き、プリンタの設定や、印刷モードの選択を含むプリンタドライバに対する印刷処理方法の設定を行える。
【0022】
プリンタ107は、CPU3120により制御される。プリンタのCPU3120は、ROM3130内のプログラム用ROMに記憶された制御プログラム等或いは外部メモリ3140に記憶された制御プログラム等に基づいて制御を行う。つまり、CPU3120は、システムバス3150に接続される印刷部(プリンタエンジン)3170に出力情報としての画像信号を出力する。また、このROM3130内のプログラムROMには、CPU3120の制御プログラム等を記憶する。ROM3130内のフォント用ROMには上記出力情報を生成する際に使用するフォントデータ等が記憶されている。ROM3130内のデータ用ROMには、ハードディスク等の外部メモリ3140がないプリンタの場合には、ホストコンピュータ上で利用される情報等が記憶されている。
【0023】
CPU3120は入力部3180を介してホストコンピュータとの通信処理が可能となっており、プリンタ内の情報等をホストコンピュータ100に通知できる。RAM3190は、CPU3120の主メモリや、ワークエリア等として機能するRAMで、図示しない増設ポートに接続されるオプションRAMによりメモリ容量を拡張することができるように構成されている。なお、RAM3190は、出力情報展開領域、環境データ格納領域、NVRAM等に用いられる。前述したハードディスク(HD)、ICカード等の外部メモリ3140は、メモリコントローラ(MC)20によりアクセスを制御される。外部メモリ3140は、オプションとして接続され、フォントデータ、エミュレーションプログラム、フォームデータ等を記憶する。また、3210は前述した操作部で、操作のためのスイッチ及びLED表示器等が配されている。
また、前述した外部メモリ3140は1個に限らず、複数個備えられ、内蔵フォントに加えてオプションカード、言語系の異なるプリンタ制御言語を解釈するプログラムを格納した外部メモリを複数接続できるように構成されていてもよい。更に、図示しないNVRAMを有し、操作部3210からのプリンタモード設定情報を記憶するようにしてもよい。
【0024】
<電子原稿データの形式例>
製本アプリケーション104の詳細を言及する前に、ブックファイルのデータ形式を説明する。ブックファイルは紙媒体の書物を模した3層の層構造を有する。上位層は「ブック」と呼ばれ、1冊の本を模しており、その本全般に係る属性が定義されている。その下の中間層は、本でいう章に相当し、やはり「章」と呼ばれる。各章についても、章ごとの属性を定義することができる。下位層は「ページ」であり、アプリケーションプログラムで定義された各ページに相当する。各ページについてもページごとの属性を定義することができる。一つのブックは複数の章を含んでいてよく、また、一つの章は複数のページを含むことができる。
【0025】
図3は、ブックファイルの形式の一例を模式的に示す図である。この例のブックファイルにおける、ブック、章、ページは、それぞれに相当するノードにより示されている。一つのブックファイルは一つのブックを含む。ブック、章は、ブックとしての構造を定義するための概念であるから、定義された属性値と下位層へのリンクとをその実体として含む。ページは、アプリケーションプログラムによって出力されたページごとのデータを実体として有する。そのため、ページは、その属性値の他、原稿ページの実体(原稿ページデータ)と各原稿ページデータへのリンクとを含む。なお、紙媒体等に出力する際の印刷ページは複数の原稿ページを含む場合がある。この構造に関してはリンクによって表示されず、ブック、章、ページ各階層における属性として表示される。
【0026】
図3では、ブックファイルが1つの完結したブックである必要はないので、「ブック」を「文書」として一般化して記載している。
まずブックファイルは、最上位に文書情報301を持つ。文書情報301は、302〜304の3つのパートに大別することができる。文書制御情報302は、文書ファイルのファイルシステムにおけるパス名等の情報を保持する。文書設定情報303は、ページレイアウト等のレイアウト情報とステープル等、印刷装置の機能設定情報とを保持し、ブックの属性に相当する。章情報リスト304は、文書を構成している章の集合をリスト形式で保持する。リストが保持するのは章情報305である。
章情報305も306〜308の3つのパートに大別することができる。章制御情報306は、章の名称等の情報を保持する。章設定情報307は、その章特有のページレイアウトやステープルの情報を保持し、章の属性に相当する。章ごとに設定情報を持つことで最初の章は2UPのレイアウト、その他の章は4UPのレイアウトのように複雑なレイアウトを持った文書を作成することができる。ページ情報リスト308は各章を構成する原稿ページの集合リスト形式で保持している。ページ情報リスト308が指示するのは、ページ情報309である。
【0027】
ページ情報309も310〜312の3つのパートに大別される。ページ制御情報310は、ツリー上に表示するページ番号等の情報を保持する。ページ設定情報311は、ページ回転角やページの配置位置情報等の情報を保持し、原稿ページの属性に相当する。ページデータリンク312は、ページに対応する原稿データである。この例では、ページ情報309が直接原稿データを持つのではなく、ページデータリンク312だけをもち、実際の原稿データは、ページデータリスト313で保持する構成としている。
【0028】
図4は、ブック属性(文書設定情報303)の一例を示す図である。通常、下位層と重複して定義可能な項目に関しては、下位層の属性値が優先採用される。そのため、ブック属性にのみ含まれる項目に関しては、ブック属性に定義された値はブック全体を通して有効な値となる。しかし、下位層と重複する項目については、下位層において定義されていない場合における既定値としての意味を有する。なお、図示された各項目は具体的に1項目に対応するのではなく、関連する複数の項目を含むものもある。
ブック属性に固有の項目は、印刷方法、製本詳細、表紙/裏表紙、インデックス紙、合紙、章区切りの6項目である。これらは、ブックを通して定義される項目である。印刷方法属性としては、片面印刷、両面印刷、製本印刷の3つの値を指定することができる。製本印刷とは、別途指定する枚数の用紙を束にして2つ折りにし、その束をつづり合わせることで製本が可能となる形式で印刷する方法である。製本詳細属性としては、製本印刷が指定されている場合に、見開き方向や、束になる枚数等を指定することができる。
【0029】
表紙/裏表紙属性は、ブックとしてまとめられる電子原稿ファイルを印刷する際に、表紙及び裏表紙となる用紙を付加することの指定及び付加した用紙への印刷内容の指定を含む。インデックス紙属性は、章の区切りとして、印刷装置に別途用意される耳付きのインデックス紙の挿入の指定及びインデックス(耳)部分への印刷内容の指定を含む。この属性は、印刷用紙とは別に用意された用紙を所望の位置に挿入するインサート機能を持ったインサータが使用する印刷装置に備えられている場合か、或いは、複数の給紙カセットを使用可能である場合に有効となる。これは合紙属性についても同様である。
合紙属性は、章の区切りとして、インサータから或いは給紙カセットから供給される用紙の挿入の指定及び合紙を挿入する場合には給紙元の指定等を含む。
章区切り属性は、章の区切り目において、新たな用紙を使用するか、新たな印刷ページを使用するか、特に何もしないか等の指定を含む。片面印刷時には新たな用紙の使用と新たな印刷ページの使用とは同じ意味を持つ。両面印刷時には、「新たな用紙の使用」が指定されていれば連続する章が1枚の用紙に印刷されることは無いが、「新たな印刷ページの使用」が指定されていれば、連続する章が1枚の用紙の表裏に印刷されることがあり得る。
【0030】
図5は、章属性(章設定情報307)の一例を示す図である。図6は、ページ属性(ページ設定情報311)の一例を示す図である。章属性とページ属性との関係もブック属性と下位層の属性との関係と同様である。
章属性に関しては、章に固有の項目はなく、全てブック属性と重複する。したがって、通常は、章属性における定義とブック属性における定義とが異なれば、章属性で定義された値が優先される。
ブック属性と章属性とにのみ共通する項目は、用紙サイズ、用紙方向、N−up印刷指定、拡大縮小、排紙方法の5項目である。このうち、N−up印刷指定属性は、1印刷ページに含まれる原稿ページ数を指定するための項目である。指定可能な配置としては、1×1や1×2、2×2、3×3、4×4等がある。排紙方法属性は、排出した用紙にステープル処理を施すか否かを指定するための項目であり、この属性の有効性は使用する印刷装置がステープル機能を有するか否かに依存する。
【0031】
ページ属性に固有の項目には、ページ回転指定、ズーム、配置位置、アノテーション、ページ分割等がある。ページ回転指定は、原稿ページを印刷ページに配置する際の回転角度を指定するための項目である。ズームは、原稿ページの変倍率を指定するための項目である。変倍率は、仮想論理ページ領域のサイズを100%として指定される。仮想論理ページ領域とは、原稿ページを、N−up等の指定に応じて配置した場合に、1原稿ページが占める領域である。例えば1×1であれば、仮想論理ページ領域は1印刷ページに相当する領域となり、1×2であれば、1印刷ページの各辺を約70パーセントに縮小した領域となる。
【0032】
ブック、章、ページについて共通な属性として、ウォーターマーク属性及びヘッダ・フッタ属性がある。ウォーターマークとは、アプリケーションで作成されたデータに重ねて印刷される、別途指定される画像や文字列等である。ヘッダ・フッタは、それぞれ各ページの上余白及び下余白に印刷されるウォーターマークである。ただし、ヘッダ・フッタには、ページ番号や日時等、変数により指定可能な項目が用意されている。なお、ウォーターマーク属性及びヘッダ・フッタ属性において指定可能な内容は、章とページとは共通であるが、ブックはそれらと異なっている。ブックにおいてはウォーターマークやヘッダ・フッタの内容を設定できるし、また、ブック全体を通してどのようにウォーターマークやヘッダ・フッタを印刷するかを指定することができる。一方、章やページでは、その章やページにおいて、ブックで設定されたウォーターマークやヘッダ・フッタを印刷するか否かを指定することができる。
【0033】
<本実施形態の情報処理システムの操作手順例>
(ブックファイルの生成手順例)
ブックファイルは、上述したような構造及び内容を有している。次に、製本アプリケーション104及び電子原稿ライタ102によってブックファイルを作成する手順を説明する。ブックファイルの作成は、製本アプリケーション104によるブックファイルの編集操作の一環として実現される。
図7は、ブックファイルを開き、そのブックファイルの構造、属性、内容に従ってユーザインタフェース(UI)画面を表示するUI画面の一例を示す図である。UI画面700は、ブックの構造を示すツリー部701と、印刷された状態を表示するプレビュー部702とを含む。ツリー部701には、ブックに含まれる章、各章に含まれるページが、図3のような層構造が分かるように表示される。ツリー部701に表示されるページは、原稿ページである。プレビュー部702には、印刷ページの内容が縮小されて表示される。その表示順序は、ブックの構造を反映したものとなっている。
また、UI画面700には「Auto Staple」ボタン703がある。本ボタンは後述する自動ステープルモードを実行するときに使用される。
【0034】
(ブックファイルの編集例)
以上のようにして、アプリケーションデータからブックファイルを作成することができる。生成されたブックファイルについては、章及びページに対して次のような編集操作が可能である。
(1)新規追加
(2)削除
(3)コピー
(4)切り取り
(5)貼り付け
(6)移動
(7)章名称変更
(8)ページ番号名称振り直し
(9)表紙挿入
(10)合紙挿入
(11)インデックス紙挿入
(12)各原稿ページに対するページレイアウト。
【0035】
この他、ブックファイルについては、一旦行った編集操作を取り消す操作や、更に取り消した操作をやり直す操作が可能である。これら編集機能により、例えば複数のブックファイルの統合、ブックファイル内で章やページの再配置、ブックファイル内で章やページの削除、原稿ページのレイアウト変更、合紙やインデックス紙の挿入等といった編集操作が可能となる。これらの操作を行うと、図4乃至図6に示す属性に操作結果が反映される、或いはブックファイルの構造に反映される。例えば、ブランクページの新規追加操作を行えば、指定された箇所にブランクページが挿入される。このブランクページは原稿ページとして扱われる。また、原稿ページに対するレイアウトを変更すれば、その変更内容は、印刷方法やN−up印刷、表紙/裏表紙、インデックス紙、合紙、章区切りといった属性に反映される。
【0036】
本例における、編集時の表示及び操作例については、以下で詳細に示す。
(ブックファイルの出力例)
以上のように作成・編集されるブックファイルは印刷出力を最終目的としている。ユーザが図7に示す製本アプリケーションのUI画面700からファイルメニューを選択し、そこから印刷を選択すると、ユーザが指定した出力デバイスによりブックファイルが印刷出力される。この際、まず製本アプリケーション104は、現在開かれているブックファイル103からジョブチケットを作成して電子原稿デスプーラ105に渡す。電子原稿デスプーラ105は、ジョブチケットをOSの出力コマンド、例えばウインドウズのGDIコマンドに変換し、それを出力モジュール、例えばGDIに送信する。出力モジュールは、指定されたプリンタドライバ106によってデバイスに適したコマンドを生成し、そのデバイスに送信する。
【0037】
即ち、図示しない出力モジュールのグラフィックエンジンは、印刷装置ごとに用意されたプリンタドライバ106を外部メモリ211からRAM202にロードし、出力をプリンタドライバ106に設定する。そして、出力モジュールは、受け取ったGDI関数からDDI関数に変換して、プリンタドライバ106へDDI関数を出力する。プリンタドライバ106は、出力モジュールから受け取ったDDI関数に基づいて、プリンタが認識可能な制御コマンド、例えばPDL(Page Description Language)に変換する。変換されたプリンタ制御コマンドは、OSによってRAM202にロードされたシステムスプーラを経て双方向性インタフェース21経由でプリンタ107へ印刷データとして出力される仕組みとなっている。
【0038】
ここで、上記ジョブチケットは、原稿ページを最小単位とする構造を有するデータである。ジョブチケットにおける構造は、用紙上における原稿ページのレイアウトを定義している。ジョブチケットは1ジョブにつき1つ発行される。そのため、まず最上位にドキュメントというノードがあり、文書全体の属性、例えば両面印刷/片面印刷等が定義されている。その下には、用紙ノードが属し、用いるべき用紙の識別子や、プリンタにおける給紙口の指定等の属性が含まれる。各用紙ノードには、その用紙で印刷されるシートのノードが属する。1シートは1枚の用紙に相当する。各シートには、印刷ページ(物理ページ)が属する。片面印刷ならば1シートには1物理ページが属し、両面印刷ならば1シートに2物理ページが属する。各物理ページには、その上に配置される原稿ページが属する。また物理ページの属性として、原稿ページのレイアウトが含まれる。
【0039】
ジョブチケットのデータ構造の例を図8に示す。図8は、ジョブチケットのデータ構造の一例を示す図である。印刷用のデータでは、文書は用紙の集合で構成されており、各用紙は表、裏の2面で構成されており、各面は原稿をレイアウトする領域(物理ページ)を持つ。各物理ページは、最小単位である原稿ページの集合から構成される。801は、文書に相当するデータで、文書全体に関係するデータと、文書を構成する用紙情報のリストとから構成される。用紙情報802は、用紙サイズ等用紙に関する情報と用紙上に配置される面情報のリストとから構成される。面情報803は、面に固有のデータと、面上に配置される物理ページのリストとから構成される。物理ページ情報804は、物理ページのサイズやヘッダ・フッタ等の情報と、物理ページを構成する原稿ページのリストとから構成される。
電子原稿デスプーラ105は、上述のジョブチケットを、出力モジュールへの出力コマンドに変換する。
【0040】
(プレビュー表示の内容例)
既に説明したとおり、ブックファイルが製本アプリケーションによって開かれると、図7に示すUI画面700が表示される。ツリー部701には、開いているブック(以下、「注目ブック」と呼ぶ。)の構造を示すツリーが表示される。プレビュー部には、ユーザの指定に応じて、3通りの表示方法が用意されている。第1は、原稿ページをそのまま表示する原稿ビューと呼ばれるモードである。原稿ビューモードでは、注目ブックに属する原稿ページの内容が縮小されて表示される。プレビュー部の表示にレイアウトは反映されない。第2は、印刷ビューモードである。印刷ビューモードでは、プレビュー部702には、原稿ページのレイアウトが反映された形で原稿ページが表示される。第3は、簡易印刷ビューモードである。簡易印刷ビューモードでは、各原稿ページの内容はプレビュー部の表示には反映されず、レイアウトのみが反映される。
【0041】
<本実施形態の情報処理システムの属性設定例>
図9は、製本アプリケーション104の「文書の詳細設定」ウインドウ900を示す図である。
ユーザは、このウインドウを介して、「文書設定情報303」を表示/設定することができる。このウインドウは、図7にあるPrint Settingsメニューの「Settings for Entire Document」メニュー或いはツールバー上の「Settings for Entire Document」ボタンから起動される。「文書の詳細設定」ウインドウは、文書全体に影響する属性の設定を行うためのウインドウである。このウインドウは、Page Settings、Page Setup、Finishing、Edit、Paper Source、Qualityの6つのシートから構成されており、図9は、Paper Settingsシートを表示した状態を示している。このPaper Settingsシートでは、ユーザは、主にレイアウトに関する設定を行うことができ、用紙サイズや向き等の設定を指示することができる。
【0042】
図10は、製本アプリケーション104の「章の詳細設定」ウインドウ1000を示す図である。
ユーザは、このウインドウを介して、「章設定情報307」を表示/設定することができる。このウインドウは、図7のアプリケーション操作画面にあるPrint Settings メニューの「Settings for Chapter」メニュー或いはツールバー上の「Settings for Chapter」ボタンから起動される。「章の詳細設定」ウインドウは、章固有の属性の設定を行うためのウインドウである。このウインドウは、Paper Settings、Page Setup、Finishing、Edit、Paper Source、Front Cover/Inserted Sheet、Qualityの7つのシートから構成されている。図10は、Paper Settingsシートを表示した状態を示している。このPaper Settingsシートでは、ユーザは、主に各章で固有の用紙に関する設定を行うことができ、用紙サイズや向き、仕上がりサイズ等の設定を指示することができる。「文書の詳細設定」と「章の詳細設定」で重複する設定項目はUse Settings Different from Document for the Following Settingsチェックボックス1001、1002、1003で処理される。このチェックボックスにチェックが入っている項目グループについては、文書の設定値ではなく、本「章の詳細設定」で設定している値がその章に適用される。章固有の設定としては2種類に分類できる。一つは章でしか持たない設定項目である。もう一つは、上位階層の文書とは異なる独自の設定値を章の階層で保持している場合である。
【0043】
図11は、製本アプリケーション104の「ページの詳細設定」ウインドウ1100を示す図である。
ユーザは、このウインドウを介して、「ページ設定情報311」を表示/設定することができる。このウインドウは、図7のアプリケーション操作画面にあるPrint Settingsメニューの「Settings for Page」メニュー或いはツールバー上の「Settings for Page」ボタンから起動される。「ページの詳細設定」ウインドウは、各ページで固有の属性の設定を行うためのウインドウである。このウインドウは、Page Setup、Edit、Paper Source、Qualityの4つのシートから構成されており、図11は、Page Setupシートを表示した状態を示している。このPage Setupシートでは、ユーザは、主に各ページで固有のレイアウトに関する設定を行うことができ、原稿ページを配置する際の回転角や拡縮率等の設定を指示することができる。「章の詳細設定」と「ページの詳細設定」で重複する設定項目についてはUse Settings Different from Chapter for the Following Settingsチェックボックスコントロール1101で処理される。このチェックボックスにチェックが入っていない項目については、章の設定値がそのページにも適用される。
【0044】
なお、上記設定画面で設定されたチェックボックスコントロールの情報は、専用の領域に保持されてもよいが、図3に示した設定情報内に属性の1つとして保持するのが望ましい。この場合には、図5及び図6にチェックボックスコントロールの情報を保持する領域が追加される。
【0045】
<本実施形態の情報処理システムのステープル指定方法例>
図12は、製本アプリケーション104の文書の詳細設定のウインドウ900で、ステープルの設定をした一例を示す図である。
Finishingシートの「Staple」コンボボックス1201は、Off、All Page At Once、By Chapter、Auto Modeの4つの選択肢を持っている。Offを選択するとステープルなし、All Page At Onceを選択すると1部単位でステープル、By Chapterを選択すると章毎にステープル、Auto Modeを選択すると後述する自動ステープルモードでのステープルが可能となる。図12はFinishingシートを開き、StapleをBy Chapterで設定した状態を示している。
【0046】
図13は、製本アプリケーション104の「章の詳細設定」ウインドウ1000を開き、章のステープル設定をしている一例を示す図である。
Finishingシートの「Use Settings Different from Document for the Following Settings」チェックボックス1301をチェックすることで章固有の設定が可能な状態を示している。更に、「Enable Staple」チェックボックス1302のチェック状態を変えることで、この章のステープルをする・しないを指示することができる。更に「Staple together with previous chapter」チェックボックス1303をチェックすることで、前の章と連続してひとまとまりでのステープルを指示することができる。また、「Fixed Staple」チェックボックス1304をチェックすることで、自動ステープルモード時にチェックボックス1302、1303に設定している状態を優先して処理することができる。
【0047】
第1章でチェックボックス1302にチェックを入れた状態で、第2章でチェックボックス1302にチェックを入れてチェックボックス1303はチェックを外していると、第1章と第2章とは別々にステープルされる。また、第1章でチェックボックス1302にチェックを入れた状態で、第2章でチェックボックス1302とチェックボックス1303との双方でチェックを入れていると、第1章と第2章とはまとめてステープルされる。この場合、更に後続の章でチェックボックス1302とチェックボックス1303との双方でチェックを入れていると、その後続の章も含めてステープルされることになる。
第1章でチェックボックス1302のチェックを外している場合、第2章でチェックボックス1303にチェックを入れても第一章はステープル対象外であるため、第1章と第2章とは連続してステープルできない。そのためチェックボックス1303は前の章の設定によっては意味を持たない場合がある。
例えば、製本アプリケーション104は、前の章がステープルしない設定である場合や、先頭の章では、チェックボックス1303をDisableするという制御を行ってもよい。
【0048】
図14は、図4のブック属性(文書設定情報303)の排紙属性の更に詳細な形式の一例を示す図である。
排紙属性1400は、ステープル属性1401、パンチ属性1402、コレート属性1403、排紙先属性1404の4つの属性から構成されている。ステープル属性1401は、ステープルしない、まとめてステープル、章単位でステープル、自動ステープルモードの4つの属性値を持つことができる。ステープル属性1401は、ステープルする場合には、更にステープルの位置(右上一か所、右辺2か所、右下一か所等)の属性を持つことができる。また、ステープル可能枚数もステープル属性1401の属性の一つとして保持される。パンチ属性1402は、パンチする、パンチしない、の属性値を持つことができる。パンチする場合は更に、パンチ属性1402に、パンチの穴数についてサブ属性が追加される。コレート属性1403は、部単位で印刷するか、同一ページ順に印刷するかの2つの属性値を持つことができる。排紙先属性1404は、排紙口を指定する排紙口のIDを持つ。
【0049】
図15は、章属性(章設定情報307)の章排紙先属性1500のデータ構造の一例を示す図である。章排紙先属性1500は、章ステープル属性1501、前章継続属性1502、章固定属性1503から構成されている。章ステープル属性1501は、ステープルする、ステープルしない、章内分割する、の何れかの設定値を保持する。前章継続属性1502は、前の章とひとまとめにしてステープルするかどうかの設定値を保持する。章固定属性1503は、自動ステープルモード時に、現在の章ステープル属性1501、前章継続属性1502に設定されている状態を優先して処理するかどうかの設定値を保持する。これらの属性は、図13のステープルに関するGUIコントロール1302、1303、1304に対応している。
【0050】
図16は、製本アプリケーション104のステープル可能枚数設定ダイアログの一例を示す図である。本表示はホストコンピュータ100のCPU201が実行することによって、CRT210に表示される。
ステープル可能枚数スピンボックス1601は、ステープル可能枚数を表示したり、入力したりするものである。ユーザは、ステープル可能枚数スピンボックス1601に、数値を直接入力したり、上下のスピンボタンをクリックしたりすることで入力値を変更することができる。ここで、ステープル可能枚数のデフォルト値は製本アプリケーション104で一意に持っていてもよいし、選択されるプリンタドライバ106毎に保持するようにしてもよい。
【0051】
情報取得ボタン1602がクリックされると、CPU201は、双方向性インタフェース21を介してプリンタ107からステープル可能枚数を取得する。取得された情報はステープル可能枚数スピンボックス1601に反映される。
OKボタンがクリックされると、ステープル可能枚数スピンボックス1601に表示されている値がステープル属性1401内のステープル可能枚数として例えばRAM202等に保持される。
このようにプリンタ107からステープル可能枚数を取得する構成を有することで、最適なステープル可能枚数を設定することができる。
【0052】
図17は、実施形態1のステープル自動設定処理の一例を示すフローチャートである。
本フローチャートはホストコンピュータ100のCPU201が実行することによって実現される。本処理は、図7に示す「Auto Staple」ボタン703がクリックされたときに実行される。
S1701では、CPU201は、ステープル可能枚数(N)を設定する。これは図16で説明したステープル可能枚数設定ダイアログ1600によって、ステープル属性1401内のステープル可能枚数に保持された値を設定することで実現できる。また、本処理が開始される時点で、CPU201が、双方向性インタフェース21を介してプリンタ107からステープル可能枚数を取得するように構成してもいい。この場合、CPU201は、取得された値をNに設定すると共にステープル属性1401内のステープル可能枚数にも保持する。
【0053】
S1702では、CPU201は、変数の初期化を行い、現在章(X)と処理開始章(Y)とに1を設定し、物理枚数(M)に0を設定する。これらの変数はRAM202内に保持される。
S1703では、CPU201は、処理開始章(Y)の前章継続属性1502をオフに設定する。
S1704では、CPU201は、現在章(X)の物理枚数を算出し、物理枚数(M)に加算する。こうすることで、処理開始章(Y)から現在章(X)までの物理枚数の合計を物理枚数(M)として保持することができる。
S1705では、CPU201は、物理枚数(M)がステープル可能枚数(N)を超過しているかどうかを判断する。CPU201は、超過していないと判断した場合はS1706に進み、超過していると判断した場合はS1711に進む。CPU201は、ステップS1705の判断で、ステープル分割する位置を決定している。
【0054】
S1706では、CPU201は、現在章(X)が最終章かどうかを判断する。CPU201は、最終章ではないと判断した場合はS1707に進み、最終章と判断した場合はS1708に進む。
S1707では、CPU201は、現在章(X)を一つ加算しS1704に進む。
S1708では、CPU201は、最終章まで進んでいるので、処理開始章(Y)から現在章(X)までの全ての章の章ステープル属性1501をステープルするに設定する。
S1709では、CPU201は、処理開始章(Y)が現在章(X)より小さいか否かを判断し、小さければS1710に進み、小さくなければ図17に示す処理を終了する。
S1710では、CPU201は、「処理開始章(Y)+1」章から現在章(X)までの全ての章の前章継続属性1502をオンに設定し、図17に示す処理を終了する。
【0055】
S1711では、CPU201は、一つの章だけで物理枚数(M)がステープル可能枚数(N)を超過したのかどうかを判断する。これは、処理開始章(Y)と現在章(X)とが等しいかどうかで判断することができる。CPU201は、処理開始章(Y)と現在章(X)とが等しい、即ち、一つの章で超過したと判断した場合、S1712に進む。また、CPU201は、処理開始章(Y)と現在章(X)とが等しくない、即ち、二つ以上の章で超過したと判断した場合は、S1718に進む。CPU201は、ステップS1711の判断で、ステープル分割する位置を決定している。
S1712では、CPU201は、章内分割を行うかどうかの警告表示を行い(確認)、S1713では、章内分割するかどうかの判断を行う。これは、例えば、CPU201が、「X章を分割してステープルしますか?」というようなダイアログを表示し、ユーザの確認を促すことで実現できる。
ユーザ操作等に基づいてS1713で章内分割すると判断した場合、CPU201は、S1714において、現在章(X)の章ステープル属性1501を章内分割するに設定する。章内分割は、章内をステープル可能枚数(N)毎に区切るように構成してもよいし、ステープル可能枚数(N)を超えない範囲で均等に分割するように構成してもよい。
このような処理を行うことで、一つの章だけでステープル可能枚数(N)を超過した場合においても、適切な処理を行うことができる。
S1713で章内分割しないと判断した場合、CPU201は、S1715において、現在章(X)の章ステープル属性1501をステープルしないに設定する。
【0056】
S1716では、CPU201は、現在章(X)が最終章かどうかを判断する。CPU201は、最終章ではないと判断した場合はS1717に進み、最終章と判断した場合は図17に示す処理を終了する。
S1717では、CPU201は、現在章(X)を一つ加算し、S1721に進む。
S1718では、CPU201は、処理開始章(Y)から「現在章(X)−1」までの全ての章の章ステープル属性1501をステープルするに設定する。
S1719では、CPU201は、処理開始章(Y)が「現在章(X)−1」より小さいかどうかを判断し、小さければS1720に進み、小さくなければS1721に進む。
S1720では、CPU201は、「処理開始章(Y)+1」章から「現在章(X)−1」章までの全ての章の前章継続属性1502をオンに設定し、S1721に進む。
S1721では、CPU201は、処理開始章(Y)に現在章(X)を設定し、物理枚数(M)に0を設定して、S1703の処理に戻る。
このような処理を行うことで、ステープル可能枚数を考慮したステープル分割の自動設定を行うことが可能となり、ステープル設定と成果物との間での不整合を回避することができる。
【0057】
図18は、図17のステープル自動設定処理を実行した場合の結果表示の一例を示す図である。本表示はホストコンピュータ100のCPU201が実行することによって、CRT210に表示される。より具体的に説明すると、製本アプリケーション104のUI画面700内のツリー部701に表示される。
本例では、1章から6章までの全6章の文書ファイルで、各章の物理枚数は、8枚、8枚、6枚、3枚、5枚、7枚となっている。
このような文書ファイルに対して、ステープル可能枚数(N)が20の場合に、図17のステープル自動設定処理を行うと、1章と2章とでステープル、3章から5章まででステープル、6章だけでステープルという結果になる。
全ての章の章ステープル属性1501はステープルするに設定され、また、2章、4章、5章の前章継続属性1502はオンに設定される。
このように、製本アプリケーション104のUI画面700内のツリー部701に処理結果を表示することで、視認性を高めユーザビリティ向上を図ることができる。
【0058】
<<実施形態2>>
図19は、実施形態2のステープル自動設定処理の一例を示すフローチャートである。
本フローチャートはホストコンピュータ100のCPU201が実行することによって実現される。本処理も、図7に示す「Auto Staple」ボタン703がクリックされたときに実行される。
S1801では、CPU201は、ステープル可能枚数(N)を設定する。これはS1701と同様の処理で実現できる。
S1802では、CPU201は、変数の初期化を行い、現在章(X)と処理開始章(Y)とに1を設定し、物理枚数(M)に0を設定する。更に、CPU201は、ステープル固定処理中フラグにオフを設定する。これらの変数はRAM202内に保持される。
S1803では、CPU201は、処理開始章(Y)の前章継続属性1502をオフに設定する。
【0059】
S1804では、CPU201は、現在章(X)がステープルオフ固定の設定になっているかどうかを判断する。これは、現在章(X)の章固定属性1503がオンで、かつ、章ステープル属性1501がステープルしない設定になっているかどうかに基づいて判断することができる。CPU201は、現在章(X)がステープルオフ固定の設定になっていると判断した場合はS1807に進み、ステープルオフ固定の設定ではないと判断した場合はS1805に進む。
S1805では、CPU201は、現在章(X)がステープルオン固定の設定になっているかどうかを判断する。これは、現在章(X)の章固定属性1503がオンで、かつ、章ステープル属性1501がステープルする設定になっているかどうかに基づいて判断することができる。CPU201は、現在章(X)がステープルオン固定の設定になっていると判断した場合はS1808に進み、ステープルオン固定の設定ではないと判断した場合はS1806に進む。
【0060】
S1806では、CPU201は、ステープル固定処理中フラグがオンかどうかを判断し、オンならばS1825、オフならばS1811に進む。
S1807では、CPU201は、ステープルオフ固定設定時の処理を開始する。CPU201は、現在章(X)が処理開始章(Y)と同じかどうかを判断し、同じであればS1822に進む。一方、同じでなければ、CPU201は、前章まではステープル処理する必要があるため、S1825に進む。
S1808では、CPU201は、ステープルオン固定設定時の処理を開始する。CPU201は、現在章(X)が処理開始章(Y)と同じかどうかを判断し、同じであればS1810、同じでなければS1809に進む。
【0061】
S1809では、CPU201は、現在章(X)の前章継続属性1502がオンに設定されているかどうかを判断する。CPU201は、オンに設定されていればS1810に進む。一方、オンに設定されていなければ、CPU201は、前章までとは継続しない、即ち、前章までで一旦ステープルして、現在章(X)から別のステープルを行うことになるので、S1825に進む。
S1810では、CPU201は、ステープル固定処理中フラグをオンに設定し、S1811に進む。
S1811からS1827までの処理はS1704からS1720までと同様の処理で実現することができる。
S1828では、ステープル固定処理中フラグをオフに設定し、S1829に進む。
S1829では、CPU201は、処理開始章(Y)に現在章(X)を設定し、物理枚数(M)に0を設定して、S1803に戻る。
このような処理を行うことで、途中にステープルオン固定の章やステープルオフ固定の章を優先設定した上で、ステープル分割設定を行うことが可能となり、さらなるユーザビリティ向上を図ることができる。
【0062】
図20は、図19のステープル自動設定処理を実行した場合の結果表示の一例を示す図(その1)である。本表示はホストコンピュータ100のCPU201が実行することによって、CRT210に表示される。より具体的に説明すると、製本アプリケーション104のUI画面700内のツリー部701に表示される。
本例でも図18と同様、1章から6章までの全6章の文書ファイルで、各章の物理枚数は、8枚、8枚、6枚、3枚、5枚、7枚となっている。
本例は、2章と3章とがステープルオフ固定に設定されている場合、即ち、章固定属性1503がオンで、かつ、章ステープル属性1501がステープルしない設定になっている場合である。
このような文書ファイルに対して、ステープル可能枚数(N)が20の場合に、図19のステープル自動設定処理を行うと、1章だけでステープル、2章と3章とはステープルなし、4章から6章まででステープルという結果になる。
1章、及び、4章から6章までの章ステープル属性1501はステープルするに設定され、また、5章と6章との前章継続属性1502はオンに設定される。
【0063】
図21は、図19のステープル自動設定処理を実行した場合の結果表示の一例を示す図(その2)である。本表示はホストコンピュータ100のCPU201が実行することによって、CRT210に表示される。より具体的に説明すると、製本アプリケーション104のUI画面700内のツリー部701に表示される。
本例でも図20と同様、1章から6章までの全6章の文書ファイルで、各章の物理枚数は、8枚、8枚、6枚、3枚、5枚、7枚となっている。
本例は、4章と5章とがステープルオン固定に設定されている場合、即ち、章固定属性1503がオンで、かつ、章ステープル属性1501がステープルする設定になっている場合である。更に、本例は、5章の前章継続属性1502はオンに設定されている場合である。
このような文書ファイルに対して、ステープル可能枚数(N)が20の場合に、図19のステープル自動設定処理を行うと、1章と2章とでステープル、3章だけでステープル、4章と5章とでステープル、6章だけでステープルという結果になる。
全ての章の章ステープル属性1501はステープルするに設定され、また、2章と5章との前章継続属性1502はオンに設定される。
図20、図21のように、製本アプリケーション104のUI画面700内のツリー部701に処理結果を表示することで、視認性を高めユーザビリティ向上を図ることができる。
【0064】
<<その他の実施形態>>
また、上述した実施形態の目的は、以下のようにすることによって達成される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体(又は記録媒体)を、システム或いは装置に供給する。そして、そのシステム或いは装置の中央演算処理手段(CPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行する。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が上述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記録した記憶媒体は上述した実施形態を構成することになる。
【0065】
また、システム或いは装置の前記中央演算処理手段が読み出したプログラムコードを実行することにより、そのプログラムコードの指示に基づき、システム或いは装置上で稼働しているオペレーティングシステム(OS)等が実際の処理の一部又は全部を行う。その処理によって上述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0066】
更に、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、前記システム或いは装置に挿入された機能拡張カードや、接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれたとする。その後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって上述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0067】
上述した実施形態を前記記憶媒体に適用する場合、その記憶媒体には、先に説明したフローチャートに対応するプログラムコードが格納されることになる。
【0068】
以上、上述した各実施形態によれば、ステープル可能枚数を考慮したステープル分割を自動設定することが可能となり、ステープル可能枚数を超過した設定は行えなくなるので、ステープル設定と成果物との間での不整合を回避することができる。また、途中にステープルオン固定の章やステープルオフ固定の章を優先設定した上で、ステープル分割設定を行うことが可能となり、さらなるユーザビリティ向上を図ることができる。
【0069】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0070】
100 ホストコンピュータ:107 プリンタ
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、プログラム及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルコンピュータ等の情報処理装置上で編集中の文書を、ステープルを施して複数部印刷指示できるプリンタや複写機等の画像形成装置が実用化されている。更に、印刷ジョブ全体に対してステープルするか否かの指定のみならず、印刷対象の文書中のどこからどこまでをステープルするといった指定をすることができる情報処理システムも実用化されている。
このようなシステムでは、文書を複数の部分(章と表現する)に分けて、各章に対してステープルするか否かを指示する部分ステープル指示を設定することが可能である。更に、このようなシステムでは、設定された部分ステープル指示に応じて印刷データを生成し、その印刷データに従ってステープルを施す印刷処理装置が用いられている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−91380号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した特許文献1の構成では、印刷枚数がステープル許容枚数を超えた場合でも、ステープル設定が可能であった。このため、ステープル設定したにも関わらず、最終成果物ではステープルされず、期待する成果物をえられない場合があった。
【0005】
本発明はこのような問題点に鑑みなされたもので、ステープル設定と成果物との間での不整合を回避することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、本発明の情報処理装置は、ユーザ操作に基づいて、ステープルの分割を指示する指示手段と、前記指示手段でステープルの分割が指示された場合、ステープル可能枚数を取得する取得手段と、前記取得手段で取得されたステープル可能枚数と、各章の枚数と、に基づいて、ステープル分割する位置を決定する決定手段と、前記決定手段で決定された位置を区切り単位にステープルすることを印刷装置に指示するステープル属性を設定するステープル設定手段と、を有する。
【0007】
かかる構成とすることにより、例えば、ステープル可能な枚数を考慮したステープル分割を自動設定することができ、ステープル可能枚数を超過した設定は行えなくなるので、ステープル設定と成果物との間での不整合を回避することができる。
【0008】
また、本発明は、情報処理方法、プログラム及び記憶媒体としてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ステープル設定と成果物との間での不整合を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本実施形態の情報処理システムのソフトウェア構成の一例を示す図である。
【図2】本実施形態の文書処理システムのハードウェア構成の一例を示す図である。
【図3】ブックファイルの形式の一例を模式的に示す図である。
【図4】ブック属性(文書設定情報)の一例を示す図である。
【図5】章属性(章設定情報)の一例を示す図である。
【図6】ページ属性(ページ設定情報)の一例を示す図である。
【図7】ブックファイルを開き、そのブックファイルの構造、属性、内容に従ってユーザインタフェース(UI)画面を表示するUI画面の一例を示す図である。
【図8】ジョブチケットのデータ構造の一例を示す図である。
【図9】製本アプリケーションの「文書の詳細設定」ウインドウを示す図である。
【図10】製本アプリケーションの「章の詳細設定」ウインドウを示す図である。
【図11】製本アプリケーションの「ページの詳細設定」ウインドウを示す図である。
【図12】製本アプリケーションの文書の詳細設定ウインドウで、ステープルの設定をした一例を示す図である。
【図13】製本アプリケーションの「章の詳細設定」ウインドウを開き、章のステープル設定をしている一例を示す図である。
【図14】図4のブック属性(文書設定情報)の排紙属性の更に詳細な形式の一例を示す図である。
【図15】章属性(章設定情報)の排紙先属性のデータ構造の一例を示す図である。
【図16】製本アプリケーションのステープル可能枚数設定ダイアログの一例を示す図である。
【図17】実施形態1のステープル自動設定処理の一例を示すフローチャートである。
【図18】図17のステープル自動設定処理を実行した場合の結果表示の一例を示す図である。
【図19】実施形態2のステープル自動設定処理の一例を示すフローチャートである。
【図20】図19のステープル自動設定処理を実行した場合の結果表示の一例を示す図(その1)である。
【図21】図19のステープル自動設定処理を実行した場合の結果表示の一例を示す図(その2)である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
【0012】
<<実施形態1>>
[本実施形態の情報処理システムの概要]
第1の実施形態の情報処理システムの概要を、図1〜図13を参照して説明する。この情報処理システムでは、一般アプリケーションにより作成されたデータファイルが、電子原稿ライタによって電子原稿ファイルに変換される。製本アプリケーションはその電子原稿ファイルを編集する機能を提供している。なお、本例では、それぞれの機能が明瞭になるように、一般アプリケーション、電子原稿ライタ、製本アプリケーション、電子原稿デスプーラと分離して示している。しかしながらユーザに提供されるパッケージはこれらに限定されず、これらを組み合わせたアプリケーションやグラフィックエンジンとして提供されてもよい。以下、その詳細を説明する。
【0013】
<本実施形態の情報処理システムのソフトウェア構成例>
図1は、本実施形態の情報処理システムのソフトウェア構成の一例を示す図である。
情報処理システムは、情報処理装置の好適な実施形態であるホストコンピュータ100によって実現されている。一般アプリケーション101は、ワードプロセシングやスプレッドシート、フォトレタッチ、ドロー或いはペイント、プレゼンテーション、テキスト編集等の機能を提供するアプリケーションプログラムであり、OSに対する印刷機能を有している。これらアプリケーションは、作成された文書ファイルや画像ファイル等のアプリケーションデータを印刷するにあたって、オペレーティングシステム(OS)により提供される所定のインタフェース(一般に、GDIと呼ばれる)を利用する。
【0014】
即ち、一般アプリケーション101は、作成したデータを印刷するために、前記インタフェースを提供するOSの出力モジュールに対して、予め定められる、OSに依存する形式の出力コマンド(GDI関数と呼ばれる)を送信する。出力コマンドを受けたOSの出力モジュールは、プリンタ等の出力デバイスが処理可能な形式にそのコマンドを変換し、変換されたコマンド(DDI関数と呼ばれる)を出力する。出力デバイスが処理可能な形式はデバイスの種類やメーカ、機種等によって異なるために、デバイスごとにデバイスドライバが提供されている。OSではそのデバイスドライバを利用してコマンドの変換を行い、印刷データを生成し、JL(Job Language)でくくることにより印刷ジョブが生成される。
【0015】
電子原稿ライタ102は、前述のデバイスドライバを改良したものであり、本情報処理システム実現のために提供されるソフトウェアモジュールである。ただし、電子原稿ライタ102は特定の出力デバイスを目的としておらず、後述の製本アプリケーション104やプリンタドライバ106により処理可能な形式に出力コマンドを変換する。この電子原稿ライタ102による変換後の形式(以後、「電子原稿形式」と呼ぶ。)は、ページ単位の原稿を詳細な書式をもって表現可能であれば特に形式は問わない。実質的な標準形式として、例えばアドビシステムズによるPDF形式や、SVG形式等が電子原稿形式として採用できる。
【0016】
一般アプリケーション101により電子原稿ライタ102を利用させる場合には、出力に使用するデバイスドライバとして電子原稿ライタ102を指定してから印刷を実行させる。ただし、電子原稿ライタ102によって作成されたままの電子原稿ファイルは、電子原稿ファイルとしての形式を備えていない。そのため、デバイスドライバとして電子原稿ライタ102を指定するのは製本アプリケーション104であり、その管理下でアプリケーションデータの電子原稿ファイルへの変換が実行される。製本アプリケーション104は、電子原稿ライタ102が生成した新規の後述する形式を備えていない電子原稿ファイルを後述する形式を備えた電子原稿ファイルとして完成させる。以下では、この点を明瞭に識別する必要がある際には、電子原稿ライタ102によって作成されたファイルを電子原稿ファイルと呼び、製本アプリケーション104によって構造を与えられた電子原稿ファイルをブックファイルと呼ぶ。また、特に区別する必要がない場合は、アプリケーションにより生成される電子原稿ファイル及びブックファイルを何れも文書ファイルと呼ぶ。
【0017】
このようにデバイスドライバとして電子原稿ライタ102を使用することで、アプリケーションデータは一般アプリケーション101によって定義されたページ(以後、「論理ページ」或いは「原稿ページ」と呼ぶ。)を単位とする電子原稿形式に変換される。変換されたデータは電子原稿ファイル103としてハードディスク等の記憶媒体に格納される。なお、ハードディスクは、本実施形態の情報処理システムを実現するコンピュータが備えているローカルドライブであってもよいし、ネットワークに接続されている場合にはネットワーク上に提供されるドライブであってもよい。
製本アプリケーション104は、電子原稿ファイル或いはブックファイル103を読み込み、それを編集するための機能をユーザに提供する。ただし製本アプリケーション104は、各ページの内容を編集する機能は提供しておらず、ページを最小単位として構成される、後述する章やブックの構造を編集するための機能を提供している。
【0018】
製本アプリケーション104によって編集されたブックファイル103を印刷する際には、製本アプリケーション104によって電子原稿デスプーラ105が起動される。電子原稿デスプーラ105は、製本アプリケーション104で利用するブックファイル103を印刷する際に、プリンタドライバ106へ描画データを出力するために使用されるモジュールである。電子原稿デスプーラ105は、ブックファイル103に記述された形式で各ページを印刷するために、前述したOSの出力モジュールに適合する出力コマンドを生成し、不図示の出力モジュールに出力する。その際に、出力デバイスとして使用されるプリンタ107のプリンタドライバ106がデバイスドライバとして指定される。出力モジュールは、指定されたプリンタ107のプリンタドライバ106を用いて受信した出力コマンドを、プリンタ107で解釈実行可能なデバイスコマンドに変換する。そしてデバイスコマンドはプリンタ107に送信され、プリンタ107によってコマンドに応じた画像が印刷される。
【0019】
<本実施形態の文書処理システムのハードウェア構成例>
図2は、本実施形態の文書処理システムのハードウェア構成の一例を示す図である。図2において、ホストコンピュータ100は、ROM203内のプログラム用ROM或いは外部メモリ211に記憶された文書処理プログラム等に基づいて図形、イメージ、文字、表(表計算等を含む)等が混在した文書処理を実行するCPU201を備える。システムバス204に接続される各デバイスをCPU201が総括的に制御する。また、このROM203内のプログラム用ROM或いは外部メモリ211は、CPU201の制御プログラムであるオペレーティングシステムプログラム等を記憶する。ROM203内のフォント用ROM或いは外部メモリ211は、上記文書処理の際に使用するフォントデータ等を記憶する。ROM203内のデータ用ROM或いは外部メモリ211は、上記文書処理等を行う際に使用する各種データを記憶する。RAM202は、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。
【0020】
キーボードコントローラ(KBC)205は、キーボード209や不図示のポインティングデバイスからのキー入力を制御する。CRTコントローラ(CRTC)206は、CRTディスプレイ(CRT)210の表示を制御する。207はディスクコントローラ(DKC)で、ハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)等の外部メモリ211とのアクセスを制御する。外部メモリ211は、ブートプログラム、各種のアプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、編集ファイル、プリンタ制御コマンド生成プログラム(プリンタドライバ)等を記憶する。プリンタコントローラ(PRTC)208は、双方向性インタフェース(インタフェース)21を介してプリンタ107に接続されて、プリンタ107との通信制御処理を実行する。NC212はネットワークに接続されて、ネットワークに接続された他の機器との通信制御処理を実行する。
【0021】
なお、CPU201は、例えばRAM202上に設定された表示情報RAMへのアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行し、CRT210上でのWYSIWYGを可能としている。また、CPU201は、CRT210上の不図示のマウスカーソル等で指示されたコマンドに基づいて登録された種々のウインドウを開き、種々のデータ処理を実行する。ユーザは、印刷を実行する際、印刷の設定に関するウインドウを開き、プリンタの設定や、印刷モードの選択を含むプリンタドライバに対する印刷処理方法の設定を行える。
【0022】
プリンタ107は、CPU3120により制御される。プリンタのCPU3120は、ROM3130内のプログラム用ROMに記憶された制御プログラム等或いは外部メモリ3140に記憶された制御プログラム等に基づいて制御を行う。つまり、CPU3120は、システムバス3150に接続される印刷部(プリンタエンジン)3170に出力情報としての画像信号を出力する。また、このROM3130内のプログラムROMには、CPU3120の制御プログラム等を記憶する。ROM3130内のフォント用ROMには上記出力情報を生成する際に使用するフォントデータ等が記憶されている。ROM3130内のデータ用ROMには、ハードディスク等の外部メモリ3140がないプリンタの場合には、ホストコンピュータ上で利用される情報等が記憶されている。
【0023】
CPU3120は入力部3180を介してホストコンピュータとの通信処理が可能となっており、プリンタ内の情報等をホストコンピュータ100に通知できる。RAM3190は、CPU3120の主メモリや、ワークエリア等として機能するRAMで、図示しない増設ポートに接続されるオプションRAMによりメモリ容量を拡張することができるように構成されている。なお、RAM3190は、出力情報展開領域、環境データ格納領域、NVRAM等に用いられる。前述したハードディスク(HD)、ICカード等の外部メモリ3140は、メモリコントローラ(MC)20によりアクセスを制御される。外部メモリ3140は、オプションとして接続され、フォントデータ、エミュレーションプログラム、フォームデータ等を記憶する。また、3210は前述した操作部で、操作のためのスイッチ及びLED表示器等が配されている。
また、前述した外部メモリ3140は1個に限らず、複数個備えられ、内蔵フォントに加えてオプションカード、言語系の異なるプリンタ制御言語を解釈するプログラムを格納した外部メモリを複数接続できるように構成されていてもよい。更に、図示しないNVRAMを有し、操作部3210からのプリンタモード設定情報を記憶するようにしてもよい。
【0024】
<電子原稿データの形式例>
製本アプリケーション104の詳細を言及する前に、ブックファイルのデータ形式を説明する。ブックファイルは紙媒体の書物を模した3層の層構造を有する。上位層は「ブック」と呼ばれ、1冊の本を模しており、その本全般に係る属性が定義されている。その下の中間層は、本でいう章に相当し、やはり「章」と呼ばれる。各章についても、章ごとの属性を定義することができる。下位層は「ページ」であり、アプリケーションプログラムで定義された各ページに相当する。各ページについてもページごとの属性を定義することができる。一つのブックは複数の章を含んでいてよく、また、一つの章は複数のページを含むことができる。
【0025】
図3は、ブックファイルの形式の一例を模式的に示す図である。この例のブックファイルにおける、ブック、章、ページは、それぞれに相当するノードにより示されている。一つのブックファイルは一つのブックを含む。ブック、章は、ブックとしての構造を定義するための概念であるから、定義された属性値と下位層へのリンクとをその実体として含む。ページは、アプリケーションプログラムによって出力されたページごとのデータを実体として有する。そのため、ページは、その属性値の他、原稿ページの実体(原稿ページデータ)と各原稿ページデータへのリンクとを含む。なお、紙媒体等に出力する際の印刷ページは複数の原稿ページを含む場合がある。この構造に関してはリンクによって表示されず、ブック、章、ページ各階層における属性として表示される。
【0026】
図3では、ブックファイルが1つの完結したブックである必要はないので、「ブック」を「文書」として一般化して記載している。
まずブックファイルは、最上位に文書情報301を持つ。文書情報301は、302〜304の3つのパートに大別することができる。文書制御情報302は、文書ファイルのファイルシステムにおけるパス名等の情報を保持する。文書設定情報303は、ページレイアウト等のレイアウト情報とステープル等、印刷装置の機能設定情報とを保持し、ブックの属性に相当する。章情報リスト304は、文書を構成している章の集合をリスト形式で保持する。リストが保持するのは章情報305である。
章情報305も306〜308の3つのパートに大別することができる。章制御情報306は、章の名称等の情報を保持する。章設定情報307は、その章特有のページレイアウトやステープルの情報を保持し、章の属性に相当する。章ごとに設定情報を持つことで最初の章は2UPのレイアウト、その他の章は4UPのレイアウトのように複雑なレイアウトを持った文書を作成することができる。ページ情報リスト308は各章を構成する原稿ページの集合リスト形式で保持している。ページ情報リスト308が指示するのは、ページ情報309である。
【0027】
ページ情報309も310〜312の3つのパートに大別される。ページ制御情報310は、ツリー上に表示するページ番号等の情報を保持する。ページ設定情報311は、ページ回転角やページの配置位置情報等の情報を保持し、原稿ページの属性に相当する。ページデータリンク312は、ページに対応する原稿データである。この例では、ページ情報309が直接原稿データを持つのではなく、ページデータリンク312だけをもち、実際の原稿データは、ページデータリスト313で保持する構成としている。
【0028】
図4は、ブック属性(文書設定情報303)の一例を示す図である。通常、下位層と重複して定義可能な項目に関しては、下位層の属性値が優先採用される。そのため、ブック属性にのみ含まれる項目に関しては、ブック属性に定義された値はブック全体を通して有効な値となる。しかし、下位層と重複する項目については、下位層において定義されていない場合における既定値としての意味を有する。なお、図示された各項目は具体的に1項目に対応するのではなく、関連する複数の項目を含むものもある。
ブック属性に固有の項目は、印刷方法、製本詳細、表紙/裏表紙、インデックス紙、合紙、章区切りの6項目である。これらは、ブックを通して定義される項目である。印刷方法属性としては、片面印刷、両面印刷、製本印刷の3つの値を指定することができる。製本印刷とは、別途指定する枚数の用紙を束にして2つ折りにし、その束をつづり合わせることで製本が可能となる形式で印刷する方法である。製本詳細属性としては、製本印刷が指定されている場合に、見開き方向や、束になる枚数等を指定することができる。
【0029】
表紙/裏表紙属性は、ブックとしてまとめられる電子原稿ファイルを印刷する際に、表紙及び裏表紙となる用紙を付加することの指定及び付加した用紙への印刷内容の指定を含む。インデックス紙属性は、章の区切りとして、印刷装置に別途用意される耳付きのインデックス紙の挿入の指定及びインデックス(耳)部分への印刷内容の指定を含む。この属性は、印刷用紙とは別に用意された用紙を所望の位置に挿入するインサート機能を持ったインサータが使用する印刷装置に備えられている場合か、或いは、複数の給紙カセットを使用可能である場合に有効となる。これは合紙属性についても同様である。
合紙属性は、章の区切りとして、インサータから或いは給紙カセットから供給される用紙の挿入の指定及び合紙を挿入する場合には給紙元の指定等を含む。
章区切り属性は、章の区切り目において、新たな用紙を使用するか、新たな印刷ページを使用するか、特に何もしないか等の指定を含む。片面印刷時には新たな用紙の使用と新たな印刷ページの使用とは同じ意味を持つ。両面印刷時には、「新たな用紙の使用」が指定されていれば連続する章が1枚の用紙に印刷されることは無いが、「新たな印刷ページの使用」が指定されていれば、連続する章が1枚の用紙の表裏に印刷されることがあり得る。
【0030】
図5は、章属性(章設定情報307)の一例を示す図である。図6は、ページ属性(ページ設定情報311)の一例を示す図である。章属性とページ属性との関係もブック属性と下位層の属性との関係と同様である。
章属性に関しては、章に固有の項目はなく、全てブック属性と重複する。したがって、通常は、章属性における定義とブック属性における定義とが異なれば、章属性で定義された値が優先される。
ブック属性と章属性とにのみ共通する項目は、用紙サイズ、用紙方向、N−up印刷指定、拡大縮小、排紙方法の5項目である。このうち、N−up印刷指定属性は、1印刷ページに含まれる原稿ページ数を指定するための項目である。指定可能な配置としては、1×1や1×2、2×2、3×3、4×4等がある。排紙方法属性は、排出した用紙にステープル処理を施すか否かを指定するための項目であり、この属性の有効性は使用する印刷装置がステープル機能を有するか否かに依存する。
【0031】
ページ属性に固有の項目には、ページ回転指定、ズーム、配置位置、アノテーション、ページ分割等がある。ページ回転指定は、原稿ページを印刷ページに配置する際の回転角度を指定するための項目である。ズームは、原稿ページの変倍率を指定するための項目である。変倍率は、仮想論理ページ領域のサイズを100%として指定される。仮想論理ページ領域とは、原稿ページを、N−up等の指定に応じて配置した場合に、1原稿ページが占める領域である。例えば1×1であれば、仮想論理ページ領域は1印刷ページに相当する領域となり、1×2であれば、1印刷ページの各辺を約70パーセントに縮小した領域となる。
【0032】
ブック、章、ページについて共通な属性として、ウォーターマーク属性及びヘッダ・フッタ属性がある。ウォーターマークとは、アプリケーションで作成されたデータに重ねて印刷される、別途指定される画像や文字列等である。ヘッダ・フッタは、それぞれ各ページの上余白及び下余白に印刷されるウォーターマークである。ただし、ヘッダ・フッタには、ページ番号や日時等、変数により指定可能な項目が用意されている。なお、ウォーターマーク属性及びヘッダ・フッタ属性において指定可能な内容は、章とページとは共通であるが、ブックはそれらと異なっている。ブックにおいてはウォーターマークやヘッダ・フッタの内容を設定できるし、また、ブック全体を通してどのようにウォーターマークやヘッダ・フッタを印刷するかを指定することができる。一方、章やページでは、その章やページにおいて、ブックで設定されたウォーターマークやヘッダ・フッタを印刷するか否かを指定することができる。
【0033】
<本実施形態の情報処理システムの操作手順例>
(ブックファイルの生成手順例)
ブックファイルは、上述したような構造及び内容を有している。次に、製本アプリケーション104及び電子原稿ライタ102によってブックファイルを作成する手順を説明する。ブックファイルの作成は、製本アプリケーション104によるブックファイルの編集操作の一環として実現される。
図7は、ブックファイルを開き、そのブックファイルの構造、属性、内容に従ってユーザインタフェース(UI)画面を表示するUI画面の一例を示す図である。UI画面700は、ブックの構造を示すツリー部701と、印刷された状態を表示するプレビュー部702とを含む。ツリー部701には、ブックに含まれる章、各章に含まれるページが、図3のような層構造が分かるように表示される。ツリー部701に表示されるページは、原稿ページである。プレビュー部702には、印刷ページの内容が縮小されて表示される。その表示順序は、ブックの構造を反映したものとなっている。
また、UI画面700には「Auto Staple」ボタン703がある。本ボタンは後述する自動ステープルモードを実行するときに使用される。
【0034】
(ブックファイルの編集例)
以上のようにして、アプリケーションデータからブックファイルを作成することができる。生成されたブックファイルについては、章及びページに対して次のような編集操作が可能である。
(1)新規追加
(2)削除
(3)コピー
(4)切り取り
(5)貼り付け
(6)移動
(7)章名称変更
(8)ページ番号名称振り直し
(9)表紙挿入
(10)合紙挿入
(11)インデックス紙挿入
(12)各原稿ページに対するページレイアウト。
【0035】
この他、ブックファイルについては、一旦行った編集操作を取り消す操作や、更に取り消した操作をやり直す操作が可能である。これら編集機能により、例えば複数のブックファイルの統合、ブックファイル内で章やページの再配置、ブックファイル内で章やページの削除、原稿ページのレイアウト変更、合紙やインデックス紙の挿入等といった編集操作が可能となる。これらの操作を行うと、図4乃至図6に示す属性に操作結果が反映される、或いはブックファイルの構造に反映される。例えば、ブランクページの新規追加操作を行えば、指定された箇所にブランクページが挿入される。このブランクページは原稿ページとして扱われる。また、原稿ページに対するレイアウトを変更すれば、その変更内容は、印刷方法やN−up印刷、表紙/裏表紙、インデックス紙、合紙、章区切りといった属性に反映される。
【0036】
本例における、編集時の表示及び操作例については、以下で詳細に示す。
(ブックファイルの出力例)
以上のように作成・編集されるブックファイルは印刷出力を最終目的としている。ユーザが図7に示す製本アプリケーションのUI画面700からファイルメニューを選択し、そこから印刷を選択すると、ユーザが指定した出力デバイスによりブックファイルが印刷出力される。この際、まず製本アプリケーション104は、現在開かれているブックファイル103からジョブチケットを作成して電子原稿デスプーラ105に渡す。電子原稿デスプーラ105は、ジョブチケットをOSの出力コマンド、例えばウインドウズのGDIコマンドに変換し、それを出力モジュール、例えばGDIに送信する。出力モジュールは、指定されたプリンタドライバ106によってデバイスに適したコマンドを生成し、そのデバイスに送信する。
【0037】
即ち、図示しない出力モジュールのグラフィックエンジンは、印刷装置ごとに用意されたプリンタドライバ106を外部メモリ211からRAM202にロードし、出力をプリンタドライバ106に設定する。そして、出力モジュールは、受け取ったGDI関数からDDI関数に変換して、プリンタドライバ106へDDI関数を出力する。プリンタドライバ106は、出力モジュールから受け取ったDDI関数に基づいて、プリンタが認識可能な制御コマンド、例えばPDL(Page Description Language)に変換する。変換されたプリンタ制御コマンドは、OSによってRAM202にロードされたシステムスプーラを経て双方向性インタフェース21経由でプリンタ107へ印刷データとして出力される仕組みとなっている。
【0038】
ここで、上記ジョブチケットは、原稿ページを最小単位とする構造を有するデータである。ジョブチケットにおける構造は、用紙上における原稿ページのレイアウトを定義している。ジョブチケットは1ジョブにつき1つ発行される。そのため、まず最上位にドキュメントというノードがあり、文書全体の属性、例えば両面印刷/片面印刷等が定義されている。その下には、用紙ノードが属し、用いるべき用紙の識別子や、プリンタにおける給紙口の指定等の属性が含まれる。各用紙ノードには、その用紙で印刷されるシートのノードが属する。1シートは1枚の用紙に相当する。各シートには、印刷ページ(物理ページ)が属する。片面印刷ならば1シートには1物理ページが属し、両面印刷ならば1シートに2物理ページが属する。各物理ページには、その上に配置される原稿ページが属する。また物理ページの属性として、原稿ページのレイアウトが含まれる。
【0039】
ジョブチケットのデータ構造の例を図8に示す。図8は、ジョブチケットのデータ構造の一例を示す図である。印刷用のデータでは、文書は用紙の集合で構成されており、各用紙は表、裏の2面で構成されており、各面は原稿をレイアウトする領域(物理ページ)を持つ。各物理ページは、最小単位である原稿ページの集合から構成される。801は、文書に相当するデータで、文書全体に関係するデータと、文書を構成する用紙情報のリストとから構成される。用紙情報802は、用紙サイズ等用紙に関する情報と用紙上に配置される面情報のリストとから構成される。面情報803は、面に固有のデータと、面上に配置される物理ページのリストとから構成される。物理ページ情報804は、物理ページのサイズやヘッダ・フッタ等の情報と、物理ページを構成する原稿ページのリストとから構成される。
電子原稿デスプーラ105は、上述のジョブチケットを、出力モジュールへの出力コマンドに変換する。
【0040】
(プレビュー表示の内容例)
既に説明したとおり、ブックファイルが製本アプリケーションによって開かれると、図7に示すUI画面700が表示される。ツリー部701には、開いているブック(以下、「注目ブック」と呼ぶ。)の構造を示すツリーが表示される。プレビュー部には、ユーザの指定に応じて、3通りの表示方法が用意されている。第1は、原稿ページをそのまま表示する原稿ビューと呼ばれるモードである。原稿ビューモードでは、注目ブックに属する原稿ページの内容が縮小されて表示される。プレビュー部の表示にレイアウトは反映されない。第2は、印刷ビューモードである。印刷ビューモードでは、プレビュー部702には、原稿ページのレイアウトが反映された形で原稿ページが表示される。第3は、簡易印刷ビューモードである。簡易印刷ビューモードでは、各原稿ページの内容はプレビュー部の表示には反映されず、レイアウトのみが反映される。
【0041】
<本実施形態の情報処理システムの属性設定例>
図9は、製本アプリケーション104の「文書の詳細設定」ウインドウ900を示す図である。
ユーザは、このウインドウを介して、「文書設定情報303」を表示/設定することができる。このウインドウは、図7にあるPrint Settingsメニューの「Settings for Entire Document」メニュー或いはツールバー上の「Settings for Entire Document」ボタンから起動される。「文書の詳細設定」ウインドウは、文書全体に影響する属性の設定を行うためのウインドウである。このウインドウは、Page Settings、Page Setup、Finishing、Edit、Paper Source、Qualityの6つのシートから構成されており、図9は、Paper Settingsシートを表示した状態を示している。このPaper Settingsシートでは、ユーザは、主にレイアウトに関する設定を行うことができ、用紙サイズや向き等の設定を指示することができる。
【0042】
図10は、製本アプリケーション104の「章の詳細設定」ウインドウ1000を示す図である。
ユーザは、このウインドウを介して、「章設定情報307」を表示/設定することができる。このウインドウは、図7のアプリケーション操作画面にあるPrint Settings メニューの「Settings for Chapter」メニュー或いはツールバー上の「Settings for Chapter」ボタンから起動される。「章の詳細設定」ウインドウは、章固有の属性の設定を行うためのウインドウである。このウインドウは、Paper Settings、Page Setup、Finishing、Edit、Paper Source、Front Cover/Inserted Sheet、Qualityの7つのシートから構成されている。図10は、Paper Settingsシートを表示した状態を示している。このPaper Settingsシートでは、ユーザは、主に各章で固有の用紙に関する設定を行うことができ、用紙サイズや向き、仕上がりサイズ等の設定を指示することができる。「文書の詳細設定」と「章の詳細設定」で重複する設定項目はUse Settings Different from Document for the Following Settingsチェックボックス1001、1002、1003で処理される。このチェックボックスにチェックが入っている項目グループについては、文書の設定値ではなく、本「章の詳細設定」で設定している値がその章に適用される。章固有の設定としては2種類に分類できる。一つは章でしか持たない設定項目である。もう一つは、上位階層の文書とは異なる独自の設定値を章の階層で保持している場合である。
【0043】
図11は、製本アプリケーション104の「ページの詳細設定」ウインドウ1100を示す図である。
ユーザは、このウインドウを介して、「ページ設定情報311」を表示/設定することができる。このウインドウは、図7のアプリケーション操作画面にあるPrint Settingsメニューの「Settings for Page」メニュー或いはツールバー上の「Settings for Page」ボタンから起動される。「ページの詳細設定」ウインドウは、各ページで固有の属性の設定を行うためのウインドウである。このウインドウは、Page Setup、Edit、Paper Source、Qualityの4つのシートから構成されており、図11は、Page Setupシートを表示した状態を示している。このPage Setupシートでは、ユーザは、主に各ページで固有のレイアウトに関する設定を行うことができ、原稿ページを配置する際の回転角や拡縮率等の設定を指示することができる。「章の詳細設定」と「ページの詳細設定」で重複する設定項目についてはUse Settings Different from Chapter for the Following Settingsチェックボックスコントロール1101で処理される。このチェックボックスにチェックが入っていない項目については、章の設定値がそのページにも適用される。
【0044】
なお、上記設定画面で設定されたチェックボックスコントロールの情報は、専用の領域に保持されてもよいが、図3に示した設定情報内に属性の1つとして保持するのが望ましい。この場合には、図5及び図6にチェックボックスコントロールの情報を保持する領域が追加される。
【0045】
<本実施形態の情報処理システムのステープル指定方法例>
図12は、製本アプリケーション104の文書の詳細設定のウインドウ900で、ステープルの設定をした一例を示す図である。
Finishingシートの「Staple」コンボボックス1201は、Off、All Page At Once、By Chapter、Auto Modeの4つの選択肢を持っている。Offを選択するとステープルなし、All Page At Onceを選択すると1部単位でステープル、By Chapterを選択すると章毎にステープル、Auto Modeを選択すると後述する自動ステープルモードでのステープルが可能となる。図12はFinishingシートを開き、StapleをBy Chapterで設定した状態を示している。
【0046】
図13は、製本アプリケーション104の「章の詳細設定」ウインドウ1000を開き、章のステープル設定をしている一例を示す図である。
Finishingシートの「Use Settings Different from Document for the Following Settings」チェックボックス1301をチェックすることで章固有の設定が可能な状態を示している。更に、「Enable Staple」チェックボックス1302のチェック状態を変えることで、この章のステープルをする・しないを指示することができる。更に「Staple together with previous chapter」チェックボックス1303をチェックすることで、前の章と連続してひとまとまりでのステープルを指示することができる。また、「Fixed Staple」チェックボックス1304をチェックすることで、自動ステープルモード時にチェックボックス1302、1303に設定している状態を優先して処理することができる。
【0047】
第1章でチェックボックス1302にチェックを入れた状態で、第2章でチェックボックス1302にチェックを入れてチェックボックス1303はチェックを外していると、第1章と第2章とは別々にステープルされる。また、第1章でチェックボックス1302にチェックを入れた状態で、第2章でチェックボックス1302とチェックボックス1303との双方でチェックを入れていると、第1章と第2章とはまとめてステープルされる。この場合、更に後続の章でチェックボックス1302とチェックボックス1303との双方でチェックを入れていると、その後続の章も含めてステープルされることになる。
第1章でチェックボックス1302のチェックを外している場合、第2章でチェックボックス1303にチェックを入れても第一章はステープル対象外であるため、第1章と第2章とは連続してステープルできない。そのためチェックボックス1303は前の章の設定によっては意味を持たない場合がある。
例えば、製本アプリケーション104は、前の章がステープルしない設定である場合や、先頭の章では、チェックボックス1303をDisableするという制御を行ってもよい。
【0048】
図14は、図4のブック属性(文書設定情報303)の排紙属性の更に詳細な形式の一例を示す図である。
排紙属性1400は、ステープル属性1401、パンチ属性1402、コレート属性1403、排紙先属性1404の4つの属性から構成されている。ステープル属性1401は、ステープルしない、まとめてステープル、章単位でステープル、自動ステープルモードの4つの属性値を持つことができる。ステープル属性1401は、ステープルする場合には、更にステープルの位置(右上一か所、右辺2か所、右下一か所等)の属性を持つことができる。また、ステープル可能枚数もステープル属性1401の属性の一つとして保持される。パンチ属性1402は、パンチする、パンチしない、の属性値を持つことができる。パンチする場合は更に、パンチ属性1402に、パンチの穴数についてサブ属性が追加される。コレート属性1403は、部単位で印刷するか、同一ページ順に印刷するかの2つの属性値を持つことができる。排紙先属性1404は、排紙口を指定する排紙口のIDを持つ。
【0049】
図15は、章属性(章設定情報307)の章排紙先属性1500のデータ構造の一例を示す図である。章排紙先属性1500は、章ステープル属性1501、前章継続属性1502、章固定属性1503から構成されている。章ステープル属性1501は、ステープルする、ステープルしない、章内分割する、の何れかの設定値を保持する。前章継続属性1502は、前の章とひとまとめにしてステープルするかどうかの設定値を保持する。章固定属性1503は、自動ステープルモード時に、現在の章ステープル属性1501、前章継続属性1502に設定されている状態を優先して処理するかどうかの設定値を保持する。これらの属性は、図13のステープルに関するGUIコントロール1302、1303、1304に対応している。
【0050】
図16は、製本アプリケーション104のステープル可能枚数設定ダイアログの一例を示す図である。本表示はホストコンピュータ100のCPU201が実行することによって、CRT210に表示される。
ステープル可能枚数スピンボックス1601は、ステープル可能枚数を表示したり、入力したりするものである。ユーザは、ステープル可能枚数スピンボックス1601に、数値を直接入力したり、上下のスピンボタンをクリックしたりすることで入力値を変更することができる。ここで、ステープル可能枚数のデフォルト値は製本アプリケーション104で一意に持っていてもよいし、選択されるプリンタドライバ106毎に保持するようにしてもよい。
【0051】
情報取得ボタン1602がクリックされると、CPU201は、双方向性インタフェース21を介してプリンタ107からステープル可能枚数を取得する。取得された情報はステープル可能枚数スピンボックス1601に反映される。
OKボタンがクリックされると、ステープル可能枚数スピンボックス1601に表示されている値がステープル属性1401内のステープル可能枚数として例えばRAM202等に保持される。
このようにプリンタ107からステープル可能枚数を取得する構成を有することで、最適なステープル可能枚数を設定することができる。
【0052】
図17は、実施形態1のステープル自動設定処理の一例を示すフローチャートである。
本フローチャートはホストコンピュータ100のCPU201が実行することによって実現される。本処理は、図7に示す「Auto Staple」ボタン703がクリックされたときに実行される。
S1701では、CPU201は、ステープル可能枚数(N)を設定する。これは図16で説明したステープル可能枚数設定ダイアログ1600によって、ステープル属性1401内のステープル可能枚数に保持された値を設定することで実現できる。また、本処理が開始される時点で、CPU201が、双方向性インタフェース21を介してプリンタ107からステープル可能枚数を取得するように構成してもいい。この場合、CPU201は、取得された値をNに設定すると共にステープル属性1401内のステープル可能枚数にも保持する。
【0053】
S1702では、CPU201は、変数の初期化を行い、現在章(X)と処理開始章(Y)とに1を設定し、物理枚数(M)に0を設定する。これらの変数はRAM202内に保持される。
S1703では、CPU201は、処理開始章(Y)の前章継続属性1502をオフに設定する。
S1704では、CPU201は、現在章(X)の物理枚数を算出し、物理枚数(M)に加算する。こうすることで、処理開始章(Y)から現在章(X)までの物理枚数の合計を物理枚数(M)として保持することができる。
S1705では、CPU201は、物理枚数(M)がステープル可能枚数(N)を超過しているかどうかを判断する。CPU201は、超過していないと判断した場合はS1706に進み、超過していると判断した場合はS1711に進む。CPU201は、ステップS1705の判断で、ステープル分割する位置を決定している。
【0054】
S1706では、CPU201は、現在章(X)が最終章かどうかを判断する。CPU201は、最終章ではないと判断した場合はS1707に進み、最終章と判断した場合はS1708に進む。
S1707では、CPU201は、現在章(X)を一つ加算しS1704に進む。
S1708では、CPU201は、最終章まで進んでいるので、処理開始章(Y)から現在章(X)までの全ての章の章ステープル属性1501をステープルするに設定する。
S1709では、CPU201は、処理開始章(Y)が現在章(X)より小さいか否かを判断し、小さければS1710に進み、小さくなければ図17に示す処理を終了する。
S1710では、CPU201は、「処理開始章(Y)+1」章から現在章(X)までの全ての章の前章継続属性1502をオンに設定し、図17に示す処理を終了する。
【0055】
S1711では、CPU201は、一つの章だけで物理枚数(M)がステープル可能枚数(N)を超過したのかどうかを判断する。これは、処理開始章(Y)と現在章(X)とが等しいかどうかで判断することができる。CPU201は、処理開始章(Y)と現在章(X)とが等しい、即ち、一つの章で超過したと判断した場合、S1712に進む。また、CPU201は、処理開始章(Y)と現在章(X)とが等しくない、即ち、二つ以上の章で超過したと判断した場合は、S1718に進む。CPU201は、ステップS1711の判断で、ステープル分割する位置を決定している。
S1712では、CPU201は、章内分割を行うかどうかの警告表示を行い(確認)、S1713では、章内分割するかどうかの判断を行う。これは、例えば、CPU201が、「X章を分割してステープルしますか?」というようなダイアログを表示し、ユーザの確認を促すことで実現できる。
ユーザ操作等に基づいてS1713で章内分割すると判断した場合、CPU201は、S1714において、現在章(X)の章ステープル属性1501を章内分割するに設定する。章内分割は、章内をステープル可能枚数(N)毎に区切るように構成してもよいし、ステープル可能枚数(N)を超えない範囲で均等に分割するように構成してもよい。
このような処理を行うことで、一つの章だけでステープル可能枚数(N)を超過した場合においても、適切な処理を行うことができる。
S1713で章内分割しないと判断した場合、CPU201は、S1715において、現在章(X)の章ステープル属性1501をステープルしないに設定する。
【0056】
S1716では、CPU201は、現在章(X)が最終章かどうかを判断する。CPU201は、最終章ではないと判断した場合はS1717に進み、最終章と判断した場合は図17に示す処理を終了する。
S1717では、CPU201は、現在章(X)を一つ加算し、S1721に進む。
S1718では、CPU201は、処理開始章(Y)から「現在章(X)−1」までの全ての章の章ステープル属性1501をステープルするに設定する。
S1719では、CPU201は、処理開始章(Y)が「現在章(X)−1」より小さいかどうかを判断し、小さければS1720に進み、小さくなければS1721に進む。
S1720では、CPU201は、「処理開始章(Y)+1」章から「現在章(X)−1」章までの全ての章の前章継続属性1502をオンに設定し、S1721に進む。
S1721では、CPU201は、処理開始章(Y)に現在章(X)を設定し、物理枚数(M)に0を設定して、S1703の処理に戻る。
このような処理を行うことで、ステープル可能枚数を考慮したステープル分割の自動設定を行うことが可能となり、ステープル設定と成果物との間での不整合を回避することができる。
【0057】
図18は、図17のステープル自動設定処理を実行した場合の結果表示の一例を示す図である。本表示はホストコンピュータ100のCPU201が実行することによって、CRT210に表示される。より具体的に説明すると、製本アプリケーション104のUI画面700内のツリー部701に表示される。
本例では、1章から6章までの全6章の文書ファイルで、各章の物理枚数は、8枚、8枚、6枚、3枚、5枚、7枚となっている。
このような文書ファイルに対して、ステープル可能枚数(N)が20の場合に、図17のステープル自動設定処理を行うと、1章と2章とでステープル、3章から5章まででステープル、6章だけでステープルという結果になる。
全ての章の章ステープル属性1501はステープルするに設定され、また、2章、4章、5章の前章継続属性1502はオンに設定される。
このように、製本アプリケーション104のUI画面700内のツリー部701に処理結果を表示することで、視認性を高めユーザビリティ向上を図ることができる。
【0058】
<<実施形態2>>
図19は、実施形態2のステープル自動設定処理の一例を示すフローチャートである。
本フローチャートはホストコンピュータ100のCPU201が実行することによって実現される。本処理も、図7に示す「Auto Staple」ボタン703がクリックされたときに実行される。
S1801では、CPU201は、ステープル可能枚数(N)を設定する。これはS1701と同様の処理で実現できる。
S1802では、CPU201は、変数の初期化を行い、現在章(X)と処理開始章(Y)とに1を設定し、物理枚数(M)に0を設定する。更に、CPU201は、ステープル固定処理中フラグにオフを設定する。これらの変数はRAM202内に保持される。
S1803では、CPU201は、処理開始章(Y)の前章継続属性1502をオフに設定する。
【0059】
S1804では、CPU201は、現在章(X)がステープルオフ固定の設定になっているかどうかを判断する。これは、現在章(X)の章固定属性1503がオンで、かつ、章ステープル属性1501がステープルしない設定になっているかどうかに基づいて判断することができる。CPU201は、現在章(X)がステープルオフ固定の設定になっていると判断した場合はS1807に進み、ステープルオフ固定の設定ではないと判断した場合はS1805に進む。
S1805では、CPU201は、現在章(X)がステープルオン固定の設定になっているかどうかを判断する。これは、現在章(X)の章固定属性1503がオンで、かつ、章ステープル属性1501がステープルする設定になっているかどうかに基づいて判断することができる。CPU201は、現在章(X)がステープルオン固定の設定になっていると判断した場合はS1808に進み、ステープルオン固定の設定ではないと判断した場合はS1806に進む。
【0060】
S1806では、CPU201は、ステープル固定処理中フラグがオンかどうかを判断し、オンならばS1825、オフならばS1811に進む。
S1807では、CPU201は、ステープルオフ固定設定時の処理を開始する。CPU201は、現在章(X)が処理開始章(Y)と同じかどうかを判断し、同じであればS1822に進む。一方、同じでなければ、CPU201は、前章まではステープル処理する必要があるため、S1825に進む。
S1808では、CPU201は、ステープルオン固定設定時の処理を開始する。CPU201は、現在章(X)が処理開始章(Y)と同じかどうかを判断し、同じであればS1810、同じでなければS1809に進む。
【0061】
S1809では、CPU201は、現在章(X)の前章継続属性1502がオンに設定されているかどうかを判断する。CPU201は、オンに設定されていればS1810に進む。一方、オンに設定されていなければ、CPU201は、前章までとは継続しない、即ち、前章までで一旦ステープルして、現在章(X)から別のステープルを行うことになるので、S1825に進む。
S1810では、CPU201は、ステープル固定処理中フラグをオンに設定し、S1811に進む。
S1811からS1827までの処理はS1704からS1720までと同様の処理で実現することができる。
S1828では、ステープル固定処理中フラグをオフに設定し、S1829に進む。
S1829では、CPU201は、処理開始章(Y)に現在章(X)を設定し、物理枚数(M)に0を設定して、S1803に戻る。
このような処理を行うことで、途中にステープルオン固定の章やステープルオフ固定の章を優先設定した上で、ステープル分割設定を行うことが可能となり、さらなるユーザビリティ向上を図ることができる。
【0062】
図20は、図19のステープル自動設定処理を実行した場合の結果表示の一例を示す図(その1)である。本表示はホストコンピュータ100のCPU201が実行することによって、CRT210に表示される。より具体的に説明すると、製本アプリケーション104のUI画面700内のツリー部701に表示される。
本例でも図18と同様、1章から6章までの全6章の文書ファイルで、各章の物理枚数は、8枚、8枚、6枚、3枚、5枚、7枚となっている。
本例は、2章と3章とがステープルオフ固定に設定されている場合、即ち、章固定属性1503がオンで、かつ、章ステープル属性1501がステープルしない設定になっている場合である。
このような文書ファイルに対して、ステープル可能枚数(N)が20の場合に、図19のステープル自動設定処理を行うと、1章だけでステープル、2章と3章とはステープルなし、4章から6章まででステープルという結果になる。
1章、及び、4章から6章までの章ステープル属性1501はステープルするに設定され、また、5章と6章との前章継続属性1502はオンに設定される。
【0063】
図21は、図19のステープル自動設定処理を実行した場合の結果表示の一例を示す図(その2)である。本表示はホストコンピュータ100のCPU201が実行することによって、CRT210に表示される。より具体的に説明すると、製本アプリケーション104のUI画面700内のツリー部701に表示される。
本例でも図20と同様、1章から6章までの全6章の文書ファイルで、各章の物理枚数は、8枚、8枚、6枚、3枚、5枚、7枚となっている。
本例は、4章と5章とがステープルオン固定に設定されている場合、即ち、章固定属性1503がオンで、かつ、章ステープル属性1501がステープルする設定になっている場合である。更に、本例は、5章の前章継続属性1502はオンに設定されている場合である。
このような文書ファイルに対して、ステープル可能枚数(N)が20の場合に、図19のステープル自動設定処理を行うと、1章と2章とでステープル、3章だけでステープル、4章と5章とでステープル、6章だけでステープルという結果になる。
全ての章の章ステープル属性1501はステープルするに設定され、また、2章と5章との前章継続属性1502はオンに設定される。
図20、図21のように、製本アプリケーション104のUI画面700内のツリー部701に処理結果を表示することで、視認性を高めユーザビリティ向上を図ることができる。
【0064】
<<その他の実施形態>>
また、上述した実施形態の目的は、以下のようにすることによって達成される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体(又は記録媒体)を、システム或いは装置に供給する。そして、そのシステム或いは装置の中央演算処理手段(CPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行する。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が上述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記録した記憶媒体は上述した実施形態を構成することになる。
【0065】
また、システム或いは装置の前記中央演算処理手段が読み出したプログラムコードを実行することにより、そのプログラムコードの指示に基づき、システム或いは装置上で稼働しているオペレーティングシステム(OS)等が実際の処理の一部又は全部を行う。その処理によって上述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0066】
更に、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、前記システム或いは装置に挿入された機能拡張カードや、接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれたとする。その後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって上述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0067】
上述した実施形態を前記記憶媒体に適用する場合、その記憶媒体には、先に説明したフローチャートに対応するプログラムコードが格納されることになる。
【0068】
以上、上述した各実施形態によれば、ステープル可能枚数を考慮したステープル分割を自動設定することが可能となり、ステープル可能枚数を超過した設定は行えなくなるので、ステープル設定と成果物との間での不整合を回避することができる。また、途中にステープルオン固定の章やステープルオフ固定の章を優先設定した上で、ステープル分割設定を行うことが可能となり、さらなるユーザビリティ向上を図ることができる。
【0069】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0070】
100 ホストコンピュータ:107 プリンタ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ操作に基づいて、ステープルの分割を指示する指示手段と、
前記指示手段でステープルの分割が指示された場合、ステープル可能枚数を取得する取得手段と、
前記取得手段で取得されたステープル可能枚数と、各章の枚数と、に基づいて、ステープル分割する位置を決定する決定手段と、
前記決定手段で決定された位置を区切り単位にステープルすることを印刷装置に指示するステープル属性を設定するステープル設定手段と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
ユーザ操作に基づいて、ステープルしない章を優先設定する優先設定手段を更に有し、
前記決定手段は、前記取得手段で取得されたステープル可能枚数と、各章の枚数と、前記優先設定手段で優先設定されたステープルしない章と、に基づいて、ステープル分割する位置を決定する請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
ユーザ操作に基づいて、ステープルする章を優先設定する優先設定手段を更に有し、
前記決定手段は、前記取得手段で取得されたステープル可能枚数と、各章の枚数と、前記優先設定手段で優先設定されたステープルする章と、に基づいて、ステープル分割する位置を決定する請求項1記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記取得手段で取得されたステープル可能枚数と、各章の枚数と、に基づいて、一つの章でステープル可能な枚数を超えているか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段で一つの章でステープル可能な枚数を超えていると判断された場合、章内を分割するか否かをユーザに選択させる確認手段と、
を更に有する請求項1乃至3の何れか1項記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記ステープル設定手段で設定された結果を表示する表示手段を更に有する請求項1乃至4の何れか1項記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記取得手段は、ユーザ操作に基づいて、設定されたステープル可能枚数を取得する請求項1乃至5の何れか1項記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記取得手段は、前記印刷装置よりステープル可能枚数を取得する請求項1乃至5の何れか1項記載の情報処理装置。
【請求項8】
情報処理装置が、ユーザ操作に基づいて、ステープルの分割を指示する指示ステップと、
前記情報処理装置が、前記指示ステップでステープルの分割が指示された場合、ステープル可能枚数を取得する取得ステップと、
前記情報処理装置が、前記取得ステップで取得されたステープル可能枚数と、各章の枚数と、に基づいて、ステープル分割する位置を決定する決定ステップと、
前記情報処理装置が、前記決定ステップで決定された位置を区切り単位にステープルすることを印刷装置に指示するステープル属性を設定するステープル設定ステップと、
を有する情報処理方法。
【請求項9】
前記情報処理装置が、ユーザ操作に基づいて、ステープルしない章を優先設定する優先設定ステップを更に有し、
前記決定ステップでは、前記取得ステップで取得されたステープル可能枚数と、各章の枚数と、前記優先設定ステップで優先設定されたステープルしない章と、に基づいて、ステープル分割する位置を決定する請求項8記載の情報処理方法。
【請求項10】
前記情報処理装置が、ユーザ操作に基づいて、ステープルする章を優先設定する優先設定ステップを更に有し、
前記決定ステップでは、前記取得ステップで取得されたステープル可能枚数と、各章の枚数と、前記優先設定ステップで優先設定されたステープルする章と、に基づいて、ステープル分割する位置を決定する請求項8記載の情報処理方法。
【請求項11】
前記情報処理装置が、前記取得ステップで取得されたステープル可能枚数と、各章の枚数と、に基づいて、一つの章でステープル可能な枚数を超えているか否かを判断する判断ステップと、
前記情報処理装置が、前記判断ステップで一つの章でステープル可能な枚数を超えていると判断された場合、章内を分割するか否かをユーザに選択させる確認ステップと、
を更に有する請求項8乃至10の何れか1項記載の情報処理方法。
【請求項12】
前記情報処理装置が、前記ステープル設定ステップで設定された結果を表示する表示ステップを更に有する請求項8乃至11の何れか1項記載の情報処理方法。
【請求項13】
前記取得ステップでは、ユーザ操作に基づいて、設定されたステープル可能枚数を取得する請求項8乃至12の何れか1項記載の情報処理方法。
【請求項14】
前記取得ステップでは、前記印刷装置よりステープル可能枚数を取得する請求項8乃至12の何れか1項記載の情報処理方法。
【請求項15】
コンピュータを、
ユーザ操作に基づいて、ステープルの分割を指示する指示手段と、
前記指示手段でステープルの分割が指示された場合、ステープル可能枚数を取得する取得手段と、
前記取得手段で取得されたステープル可能枚数と、各章の枚数と、に基づいて、ステープル分割する位置を決定する決定手段と、
前記決定手段で決定された位置を区切り単位にステープルすることを印刷装置に指示するステープル属性を設定するステープル設定手段と、
して機能させるプログラム。
【請求項16】
請求項15記載のプログラムを記憶したコンピュータが読み取り可能な記憶媒体。
【請求項1】
ユーザ操作に基づいて、ステープルの分割を指示する指示手段と、
前記指示手段でステープルの分割が指示された場合、ステープル可能枚数を取得する取得手段と、
前記取得手段で取得されたステープル可能枚数と、各章の枚数と、に基づいて、ステープル分割する位置を決定する決定手段と、
前記決定手段で決定された位置を区切り単位にステープルすることを印刷装置に指示するステープル属性を設定するステープル設定手段と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
ユーザ操作に基づいて、ステープルしない章を優先設定する優先設定手段を更に有し、
前記決定手段は、前記取得手段で取得されたステープル可能枚数と、各章の枚数と、前記優先設定手段で優先設定されたステープルしない章と、に基づいて、ステープル分割する位置を決定する請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
ユーザ操作に基づいて、ステープルする章を優先設定する優先設定手段を更に有し、
前記決定手段は、前記取得手段で取得されたステープル可能枚数と、各章の枚数と、前記優先設定手段で優先設定されたステープルする章と、に基づいて、ステープル分割する位置を決定する請求項1記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記取得手段で取得されたステープル可能枚数と、各章の枚数と、に基づいて、一つの章でステープル可能な枚数を超えているか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段で一つの章でステープル可能な枚数を超えていると判断された場合、章内を分割するか否かをユーザに選択させる確認手段と、
を更に有する請求項1乃至3の何れか1項記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記ステープル設定手段で設定された結果を表示する表示手段を更に有する請求項1乃至4の何れか1項記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記取得手段は、ユーザ操作に基づいて、設定されたステープル可能枚数を取得する請求項1乃至5の何れか1項記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記取得手段は、前記印刷装置よりステープル可能枚数を取得する請求項1乃至5の何れか1項記載の情報処理装置。
【請求項8】
情報処理装置が、ユーザ操作に基づいて、ステープルの分割を指示する指示ステップと、
前記情報処理装置が、前記指示ステップでステープルの分割が指示された場合、ステープル可能枚数を取得する取得ステップと、
前記情報処理装置が、前記取得ステップで取得されたステープル可能枚数と、各章の枚数と、に基づいて、ステープル分割する位置を決定する決定ステップと、
前記情報処理装置が、前記決定ステップで決定された位置を区切り単位にステープルすることを印刷装置に指示するステープル属性を設定するステープル設定ステップと、
を有する情報処理方法。
【請求項9】
前記情報処理装置が、ユーザ操作に基づいて、ステープルしない章を優先設定する優先設定ステップを更に有し、
前記決定ステップでは、前記取得ステップで取得されたステープル可能枚数と、各章の枚数と、前記優先設定ステップで優先設定されたステープルしない章と、に基づいて、ステープル分割する位置を決定する請求項8記載の情報処理方法。
【請求項10】
前記情報処理装置が、ユーザ操作に基づいて、ステープルする章を優先設定する優先設定ステップを更に有し、
前記決定ステップでは、前記取得ステップで取得されたステープル可能枚数と、各章の枚数と、前記優先設定ステップで優先設定されたステープルする章と、に基づいて、ステープル分割する位置を決定する請求項8記載の情報処理方法。
【請求項11】
前記情報処理装置が、前記取得ステップで取得されたステープル可能枚数と、各章の枚数と、に基づいて、一つの章でステープル可能な枚数を超えているか否かを判断する判断ステップと、
前記情報処理装置が、前記判断ステップで一つの章でステープル可能な枚数を超えていると判断された場合、章内を分割するか否かをユーザに選択させる確認ステップと、
を更に有する請求項8乃至10の何れか1項記載の情報処理方法。
【請求項12】
前記情報処理装置が、前記ステープル設定ステップで設定された結果を表示する表示ステップを更に有する請求項8乃至11の何れか1項記載の情報処理方法。
【請求項13】
前記取得ステップでは、ユーザ操作に基づいて、設定されたステープル可能枚数を取得する請求項8乃至12の何れか1項記載の情報処理方法。
【請求項14】
前記取得ステップでは、前記印刷装置よりステープル可能枚数を取得する請求項8乃至12の何れか1項記載の情報処理方法。
【請求項15】
コンピュータを、
ユーザ操作に基づいて、ステープルの分割を指示する指示手段と、
前記指示手段でステープルの分割が指示された場合、ステープル可能枚数を取得する取得手段と、
前記取得手段で取得されたステープル可能枚数と、各章の枚数と、に基づいて、ステープル分割する位置を決定する決定手段と、
前記決定手段で決定された位置を区切り単位にステープルすることを印刷装置に指示するステープル属性を設定するステープル設定手段と、
して機能させるプログラム。
【請求項16】
請求項15記載のプログラムを記憶したコンピュータが読み取り可能な記憶媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2010−218037(P2010−218037A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−61682(P2009−61682)
【出願日】平成21年3月13日(2009.3.13)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ウィンドウズ
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月13日(2009.3.13)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ウィンドウズ
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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