説明

情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム

【課題】情報処理装置に、読取装置がいずれのプロトコルに準じて情報を読み取って送信してきたかを認識させることができるようにする。
【解決手段】読取装置100は、ICタグ20から情報を読み取ると、送信データを生成し、生成した送信データを、クライアント端末200を介して情報処理装置300に送信する。送信データには、読取装置100がICタグ20から読み取った情報と、読取装置100がICタグ20と通信ができたプロトコルのプロトコル識別情報が含まれる。情報処理装置300は、送信データに含まれるプロトコル識別情報を用いて、読取装置100がICタグ20から情報を読み取るときに使用されたプロトコルを識別する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、互いに異なるプロトコルに準拠している複数のICタグそれぞれからデータを読み取る読取装置から送信されてきた情報を処理する情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ICタグの一つにRFID(Radio Frequency Identification)がある。RFIDは安価であるという特徴があるが、複数の周波数帯や複数のプロトコルがある。そして周波数帯やプロトコルが異なる複数種類のRFIDを読むためには、それぞれの周波数帯やプロトコルに準じた複数のリーダを準備する必要がある。
【0003】
これに対して特許文献1〜3には、プロトコルを順次切り替えながらRFIDの読み取りを試みることにより、複数のプロトコルに対応することができる読取装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3142941号公報
【特許文献2】特開2001−283162号公報
【特許文献3】特開2007−134941号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、複数の種類のICタグを読むことが可能な読取装置と情報処理装置が通信網を介して接続していた場合、情報処理装置は、読取装置がいずれのプロトコルに準じて情報を読み取って送信してきたかを認識できない。この場合、読取装置が読み取った情報のフォーマット形式を情報処理装置が認識できない可能性がある。このため情報処理装置は、読取装置が読み取った情報を正確に処理できないおそれがある。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、読取装置がいずれのプロトコルに準じて情報をICタグから読み取って送信してきたかを識別することができる情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、読取装置がICタグから読み取ったデータを受信すると共に、前記読取装置が何れのプロトコルを用いて前記ICタグから前記データを読み取ったかを識別する情報処理装置であって、
互いに異なる複数のプロトコルには、予めプロトコル識別情報が付与されており、
前記読取装置が読み取った前記データ、及び前記データを読み取るときに使用されたプロトコルの前記プロトコル識別情報を受信する装置側受信手段と、
前記プロトコル識別情報を用いて、前記データを読み取るときに使用されたプロトコルを識別するプロトコル識別手段と、
を備える情報処理装置が提供される。
【0008】
本発明によれば、読取装置が何れのプロトコルを用いてICタグからデータを読み取ったかを識別する情報処理方法であって、
互いに異なる複数のプロトコルには、予めプロトコル識別情報が付与されており、
前記読取装置が読み取った前記データ、及び前記データを読み取るときに使用されたプロトコルの前記プロトコル識別情報を受信し、
前記プロトコル識別情報を用いて前記データを読み取るときに使用されたプロトコルを識別する情報処理方法が提供される。
【0009】
本発明によれば、コンピュータを、読取装置が何れのプロトコルを用いてICタグからデータを読み取ったかを識別する情報処理装置として機能させるためのプログラムであり、
互いに異なる複数のプロトコルには、予めプロトコル識別情報が付与されており、
前記コンピュータに、
前記読取装置が読み取った前記データ、及び前記データを読み取るときに使用されたプロトコルの前記プロトコル識別情報を受信する機能と、
前記プロトコル識別情報を用いて前記データを読み取るときに使用されたプロトコルを識別する機能と、
を実現させるプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、情報処理装置に、読取装置がいずれのプロトコルに準じて情報を読み取って送信してきたかを識別させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】第1の実施形態に係る情報送信システムの構成を示す図である。
【図2】読取装置の機能構成を示すブロック図である。
【図3】プロトコル記憶部が記憶しているデータをテーブル形式で示す図である。
【図4】ICタグが記憶しているデータのフォーマット形式の第1例を示す図である。
【図5】ICタグが記憶しているデータのフォーマット形式の第2例を示す図である。
【図6】ICタグが記憶しているデータのフォーマット形式の第3例を示す図である。
【図7】クライアント端末の機能構成を示すブロック図である。
【図8】情報処理装置の機能構成を示すブロック図である。
【図9】図1に示した情報処理システムの動作を示すフローチャートである。
【図10】図9のステップS70の詳細を示すフローチャートである。
【図11】第2の実施形態に係るクライアント端末の機能構成を示すブロック図である。
【図12】第2の実施形態に係る情報処理装置の機能構成を示すブロック図である。
【図13】第3の実施形態に係る情報処理システムの構成を示す図である。
【図14】第3の実施形態に係るクライアント端末の機能構成を示すブロック図である。
【図15】第3の実施形態に係る情報処理装置の機能構成を示すブロック図である。
【図16】第3の実施形態に係る情報処理装置の機能構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0013】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る情報送信システムの構成を示す図である。この情報処理システムは、読取装置100、クライアント端末200、及び情報処理装置300を備える。読取装置100はクライアント端末200に接続しており、クライアント端末200は、インターネットなどの通信網50を介して情報処理装置に接続している。
【0014】
読取装置100は、ICタグ20から情報を読み取る。本実施形態においてICタグ20は、RFID(Radio Frequency Identification)であるが、他の規格のICタグであっても良い。読取装置100は、ICタグ20のプロトコルを変えながら、ICタグ20と通信を試み、通信ができたプロトコルを用いてICタグ20から情報を読み取る。プロトコルには、予めプロトコル識別情報が付与されている。プロトコル識別情報は、例えば数字であるが、文字列であっても良いし、数字と文字列の組み合わせであっても良い。そして読取装置100は送信データを生成し、生成した送信データを、クライアント端末200を介して情報処理装置300に送信する。送信データには、読取装置100がICタグ20から読み取った情報と、読取装置100がICタグ20と通信ができたプロトコルのプロトコル識別情報が含まれる。
【0015】
情報処理装置300は、送信データに含まれるプロトコル識別情報を用いて、読取装置100がICタグ20から情報を読み取るときに使用されたプロトコルを識別する。このため、識別されたプロトコルのデータのフォーマット形式及びデータの記録方式を認識して、このフォーマット形式及びデータの記録方式を用いて情報を処理することにより、読取装置100がICタグ20から読み取った情報を正確に処理することができる。
【0016】
図2は、読取装置100の機能構成を示すブロック図である。読取装置100は、プロトコル記憶部110、読取処理部120、及び送信データ生成部130を備える。プロトコル記憶部110は、複数種類のプロトコルに準じたデータをICタグ20から読み取るための手順を示すデータを、プロトコル識別情報に対応付けて記憶している。読取処理部120は、プロトコル記憶部110から順次読み取りの手順を示すデータを読み出して、読み出したデータを用いてICタグ20からの情報の読み取りを試みる。そして読取処理部120は、ICタグ20からの情報の読み取りに成功したときに使用したデータに対応するプロトコル識別情報を、プロトコル記憶部110から読み出す。送信データ生成部130は、情報処理装置300に送信されるべき送信データを生成する。送信データは、読取処理部120がICタグ20から読み取った情報と、読取処理部120が読み出したプロトコル識別情報とを含む。そして送信データ生成部130は、生成した送信データをクライアント端末200に出力する。
【0017】
図3は、プロトコル記憶部110が記憶しているデータをテーブル形式で示す図である。プロトコル記憶部110は、プロトコル識別情報別にプロトコルを記憶している。例えばICタグ20がRFIDである場合、周波数は、13.56MHz、952〜955MHz、及び2.45GHzがある。そして、各周波数にも、ISOで規定されているものや民間の企業が規定しているものを含め、複数のプロトコルが存在している。プロトコル記憶部110は、これら全てのプロトコルを記憶している。これらのプロトコルの一つには、EPC(Electric Product Code)Gen2にフォーマットの形式が規定されたものがある。
【0018】
ただし、EPCGen2にはフォーマットの形式が規定されているが、データの記録方式は任意、またはEPCが払い出すユニークなコードを書き込むことになる。これら複数種類のプロトコルは、ICタグ20から情報を読み取るときには、共通の手順で読み取ることが可能であるが、データの記録方式は別々であることがある。このため、後述するように、情報処理装置は、ICタグ20がEPC(Electric Product Code)Gen2に規定されているプロトコルに準じている場合、ICタグ20から読み取られたデータのうち特定のビットを解析することにより、そのデータが何れの形式に準じたデータ構造を有しているかを判断する。
【0019】
図4は、ICタグ20が記憶しているデータのフォーマット形式の第1例を示す図である。本図に示すデータは、ICタグ20を相互に識別するタグ識別情報(ユニークID)と、データが書き込まれるデータ領域により構成されている。タグ識別情報は、一般的にICタグ20の製造時に書き込まれ、書き換え不可能な場合が多い。一方、データ領域に書き込まれるデータは書き換え可能である。このようなデータ構造を有するICタグ20の形式としては、例えば、ISO18092、及びISO180000−4で規定されている形式がある。なお、本図に示すデータ構造においてデータ領域を有さない場合もある。
【0020】
図5は、ICタグ20が記憶しているデータのフォーマット形式の第2例を示す図である。本図に示すデータは、EPCGen2に規定されている形式のうち、EPCで管理されている形式に従っている。この形式によれば、データは、「1.有効コード長(Length)を規定している領域(5bit)」、「2.RFU(Reserved forfuture use)として規定されている領域(2bit)」、「3.Toggle bitとして規定されている領域(1bit)」、「4.Reserved/AFI(Application Family Identifier)として規定されている領域(8bit)」、及び「5.EPCヘッダ領域として規定されている領域(8bit)」を含んでいる。これらのうち、「2.RFU」は、現状は使用されていない。また、「3.Toggle bit」は、EPCで管理されている形式であることを示すために、「1」となっている。また、「4.Reserved/AFI」は、ISO準拠のコード体系を使用する場合にISO15961で規定されるAFIを記載する領域である。
【0021】
図6は、ICタグ20が記憶しているデータのフォーマット形式の第3例を示す図である。本図に示すデータは、EPCGen2に規定されている形式のうち、EPC以外で管理されている形式に従っている。この形式によれば、図4に示す領域のほかに、「6.コード領域」を有している。これらのうち、「2.RFU」は、現状は使用されていない。また、「3.Toggle bit」は、EPC以外で管理されているプロトコルであることを示すために、「0」となっている。「5.EPCヘッダ領域として規定されている領域(8bit)」には、いずれで管理されている形式であるかを示すコード情報が記憶されている。また「6.コード領域」は、情報処理装置300がゲートウェイサーバを介して通信網50と接続している場合に、このゲートウェイサーバが用いる識別情報が記憶される領域として使用することができる。
【0022】
図7は、クライアント端末200の機能構成を示すブロック図である。クライアント端末200は、データ変換部210及びデータ送信部220を備える。データ変換部210は、読取装置100の送信データ生成部130から送信データを受信し、この送信データを送信可能なデータ形式に変換する。データ送信部220は、データ変換部210が変換した後の送信データを情報処理装置300に送信する。
【0023】
図8は、情報処理装置300の機能構成を示すブロック図である。情報処理装置300は、データ受信部310、プロトコル記憶部315、プロトコル識別部320、及びデータ処理部400を備える。データ受信部310は、クライアント端末200から送信データを受信し、受信した送信データの形式を、情報処理装置300でデータ処理可能な形式に変換する。プロトコル記憶部315は、プロトコル識別情報別に、そのプロトコル識別情報が示すプロトコルのフォーマット形式及びデータ構造を記憶している。またプロトコル記憶部315は、図6の「5.EPCヘッダ領域として規定されている領域(8bit)」に記載されているコード情報について、そのコード情報が示すフォーマット形式及びデータ構造を記憶している。
【0024】
プロトコル識別部320は、プロトコル識別情報を用いて、読取装置100がデータを読み取るときに使用したプロトコルを識別する。そして、識別したプロトコルを用いてデータ受信部310が受信したデータから、ICタグ20に記憶されていたデータを抽出してデータ処理部400に出力する。
【0025】
詳細には、プロトコル識別部320は、プロトコル識別情報判定部330、既知プロトコル処理部340、Toggle bit判定部350、EPCGen2処理部360、ISOコードタグ判定部370、ISOGen2処理部380、及びユニーク管理プロトコル処理部390を備える。これらの各機能については、フローチャートを用いて後述する。
【0026】
データ処理部400は、プロトコル識別部320から出力されたデータを処理する。
【0027】
なお、図8において、本発明の本質に関わらない部分の構成については省略している。図8に示した情報処理装置300の各構成要素は、ハードウエア単位の構成ではなく、機能単位のブロックを示している。情報処理装置300の各構成要素は、任意のコンピュータのCPU、メモリ、メモリにロードされた本図の構成要素を実現するプログラム、そのプログラムを格納するハードディスクなどの記憶ユニット、ネットワーク接続用インタフェースを中心にハードウエアとソフトウェアの任意の組合せによって実現される。そして、その実現方法、装置には様々な変形例があることは、当業者には理解されるところである。
【0028】
図9は、図1に示した情報処理システムの動作を示すフローチャートである。まずユーザは、読取装置100にICタグ20をかざす。読取装置100の読取処理部120は、プロトコルを順次変えながら、ICタグ20からの情報の読み取りを試みる。そして読取処理部120は、ICタグ20から情報を読み取ることに成功したとき(ステップS10)、そのときに使用していたプロトコルに対応するプロトコル識別情報をプロトコル記憶部110から読み出す(ステップS20)。そして読取装置の送信データ生成部130は、ICタグ20から読み取った情報とプロトコル識別情報を用いて、送信データを生成する(ステップS30)。そして送信データ生成部130は、送信データをクライアント端末200に出力する(ステップS40)。
【0029】
クライアント端末200のデータ変換部210は、読取装置100から送信データを受信し、受信した送信データを送信可能なデータ形式に変換する(ステップS50)。通信可能なデータ形式とは、例えばXML形式、SOAP形式、又はHTTPプロトコルにおいてServletへのパラメータ渡しなどで用いられるテキスト形式であるが、他のデータ形式であっても良い。そしてクライアント端末200のデータ送信部220は、変換後の送信データを情報処理装置300に送信する(ステップS60)。情報処理装置300は、データの解析処理を行う(ステップS70)。
【0030】
図10は、図9のステップS70の詳細を示すフローチャートである。まず情報処理装置300のデータ受信部310は、送信データのデータ形式を、データ処理可能な形式に変換する(ステップS210)。次いでプロトコル識別情報判定部330は、送信データに含まれるプロトコル識別情報を認識し(ステップS220)、そのプロトコル識別情報が、EPCGen2であることを示しているか否かを判断する(ステップS230)。
【0031】
プロトコル識別情報がEPCGen2であることを示していない場合(ステップS230:No)、プロトコル識別情報判定部330は送信データに含まれる情報、すなわちICタグ20から読み取られた情報を既知プロトコル処理部340に渡す。既知プロトコル処理部340は、プロトコル識別情報に対応するプロトコルのフォーマット形式及びデータ構造をプロトコル記憶部315から読み出し、読み出したデータフォーマットに従って、ICタグ20から読み取られた情報を解析し(ステップS240)、必要なデータを抽出してデータ処理部400に出力する。このとき、データの変換や参照が行われても良い。
【0032】
プロトコル識別情報がEPCGen2であることを示している場合(ステップS230:Yes)、プロトコル識別情報判定部330は、ICタグ20から読み取られた情報をToggle bit判定部350に渡す。Toggle bit判定部350は、送信データに含まれるToggle bitを読み出し、Toggle bitが1であるか0であるか判断する。Toggle bitが0である場合(ステップS250:No)、Toggle bit判定部350は、ICタグ20から読み取られた情報をEPCGen2処理部360に渡す。EPCGen2処理部360は、EPCGen2に規定されたフォーマット形式及びデータ構造に従って、ICタグ20から読み取られた情報を解析し(ステップS260)、必要なデータを抽出してデータ処理部400に出力する。このとき、データの変換や参照が行われても良い。
【0033】
Toggle bitが1である場合(ステップS250:Yes)、Toggle bit判定部350は、ICタグ20から読み取られた情報をISOコードタグ判定部370に渡す。ISOコードタグ判定部370は、EPCヘッダ領域にコード情報が記憶されているか否かを判断する。コード情報が記憶されている場合(ステップS270:Yes)、ISOコードタグ判定部370は、ICタグ20から読み取られた情報をISO Gen2処理部380に渡す。ISO Gen2処理部380は、コード情報に対応するフォーマット形式及びデータ構造をプロトコル記憶部315から読み出し、このフォーマット形式及びデータ構造に従って、ICタグ20から読み取られた情報を解析し(ステップS280)、必要なデータを抽出してデータ処理部400に出力する。このとき、データの変換や参照が行われても良い。
【0034】
コード情報が記憶されていない場合(ステップS270:No)、ISOコードタグ判定部370は、ICタグ20から読み取られた情報をユニーク管理プロトコル処理部390に渡す。ユニーク管理プロトコル処理部390は、例えばICタグ20から読み取られた情報を溜めておき、情報処理装置の管理者からの入力に従って、ICタグ20から読み取られた情報を解析し(ステップS290)、必要なデータを抽出してデータ処理部400に出力する。このとき、データの変換や参照が行われても良い。
【0035】
データ処理部400は、抽出されたデータを処理する(ステップS300)。ここでの処理は、例えば顧客ごとのポイント加算のサービス、あるいはキャンペーン参加、商品情報の提供サービスなど様々なサービスがある。なお、データ処理部400による処理後のデータは、例えばクライアント端末200に送信される。この場合クライアント端末200は、受信したデータを表示する。
【0036】
以上、本実施形態によれば、読取装置100は、ICタグ20から読み取った情報を、プロトコル識別情報に対応付けて情報処理装置300に送信する。このため、情報処理装置300は、プロトコル識別情報を認識することにより、読取装置100がいずれのプロトコルに対応するICタグ20から情報を読み取ったかを判断することができる。従って、情報処理装置300は、読取装置100が読み取った情報を正確に処理することができる。
【0037】
また情報処理装置300は、まずEPCGen2に規定されたプロトコルに準じている情報と、他のプロトコルに準じている情報に分けて処理を行う。このため、情報処理装置300は、読取装置100が読み取った情報がいずれのプロトコルに準じているかを効率よく判断することができる。
【0038】
さらに情報処理装置300は、ICタグ20から読み取った情報がEPCGen2に規定されたプロトコルに準じている場合、Toggle bitを判断することにより、EPC管理下のプロトコルに準じているか、EPC以外の管理下のプロトコルに準じているかを判断している。このため、情報処理装置300は、読取装置100が読み取った情報がいずれのプロトコルに準じているかを効率よく判断することができる。
【0039】
(第2の実施形態)
図11は、第2の実施形態に係る情報処理システムのクライアント端末200の機能構成を示すブロック図であり、図12は、本実施形態における情報処理装置300の機能構成を示すブロック図である。本実施形態は、プロトコル記憶部315及びプロトコル識別部320を構成する各機能部が、情報処理装置300ではなくクライアント端末200に実装されている点を除いて、第1の実施形態と同様である。
【0040】
すなわち本実施形態では、クライアント端末200が、第1の実施形態において図10のステップS220〜ステップS290に示した処理を行う。そしてクライアント端末200のデータ変換部210は、プロトコル識別部320が抽出した後のデータを送信可能な形式に変換する。そしてデータ送信部220は、変換後のデータを情報処理装置300に送信する。
【0041】
情報処理装置300は、図12に示すように、第1の実施形態における図8に示した機能のうち、データ受信部310及びデータ処理部400のみを備えている。データ受信部310は、クライアント端末200から受信したデータを、処理可能な形式に変換し、データ処理部400に受け渡す。データ処理部400は、受け渡されたデータを処理する。
【0042】
本実施形態によっても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、クライアント端末200がプロトコルを識別する処理を行っているため、複数のクライアント端末200が一つの情報処理装置300に接続している場合に、情報処理装置300に負荷が集中することを抑制できる。
【0043】
(第3の実施形態)
図13は、第3の実施形態に係る情報処理システムの構成を示す図である。図14は、クライアント端末200の機能構成を示すブロック図である。図15は、情報処理装置300の機能構成を示すブロック図であり、図16は情報処理装置301の機能構成を示すブロック図である。本実施形態に係る情報処理システムは、以下の点を除いて、第1の実施形態にかかる情報処理システムと同様である。
【0044】
まず、情報処理システムは、情報処理装置300のほかに、情報処理装置301を備えている。情報処理装置300は、図15に示すように、データ受信部310、プロトコル記憶部315、既知プロトコル処理部340、及びデータ処理部400を備えている。
【0045】
情報処理装置301は、図16に示すように、データ受信部310、プロトコル記憶部315、Toggle bit判定部350、EPCGen2処理部360、ISOコードタグ判定部370、ISOGen2処理部380、ユニーク管理プロトコル処理部390、及びデータ処理部400を備える。
【0046】
そしてクライアント端末200は、図14に示すように、プロトコル識別情報判定部330、データ変換部210、及びデータ送信部220を備える。
【0047】
すなわち本実施形態では、クライアント端末200が、図10のステップS230に示した処理を行う。詳細には、クライアント端末200のプロトコル識別情報判定部330がプロトコル識別情報を判断して、読取装置100がICタグ20から情報を読み取るときに使用したプロトコルが、EPCGen2に準じたプロトコルであるか否かを判断する。そしてクライアント端末200のデータ送信部220は、EPCGen2に準じたプロトコルでない場合には送信データを情報処理装置300に送信し、EPCGen2に準じたプロトコルである場合には送信データを情報処理装置301に送信する。
【0048】
そして情報処理装置300は、図10のステップS240及びS300に示した処理を行う。また情報処理装置301は、図10のステップS250〜S300に示した処理を行う。
【0049】
本実施形態によっても第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、情報の処理を、読取装置100がICタグ20から情報を読み取るときに使用したプロトコルによって、情報処理装置300,301に分散しているため、効率よく情報を分散処理することができる。
【0050】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【符号の説明】
【0051】
20 ICタグ
50 通信網
100 読取装置
110 プロトコル記憶部
120 読取処理部
130 送信データ生成部
200 クライアント端末
210 データ変換部
220 データ送信部
300 情報処理装置
301 情報処理装置
310 データ受信部
315 プロトコル記憶部
320 プロトコル識別部
330 プロトコル識別情報判定部
340 既知プロトコル処理部
350 Toggle bit判定部
360 EPCGen2処理部
370 ISOコードタグ判定部
380 ISOGen2処理部
390 ユニーク管理プロトコル処理部
400 データ処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
読取装置がICタグから読み取ったデータを受信すると共に、前記読取装置が何れのプロトコルを用いて前記ICタグから前記データを読み取ったかを識別する情報処理装置であって、
互いに異なる複数のプロトコルには、予めプロトコル識別情報が付与されており、
前記読取装置が読み取った前記データ、及び前記データを読み取るときに使用されたプロトコルの前記プロトコル識別情報を受信する装置側受信手段と、
前記プロトコル識別情報を用いて、前記データを読み取るときに使用されたプロトコルを識別するプロトコル識別手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置において、
前記プロトコルの一つは、EPC(Electric Product Code)Gen2に規定されたプロトコルであり、
前記EPCGen2にフォーマットの形式が規定されたプロトコルと、他の複数の前記プロトコルそれぞれに、前記プロトコル識情報が付与されており、
前記プロトコル識別手段は、前記プロトコル識情報により、前記データを読み取るときに使用された前記プロトコルが、前記EPCGen2に規定されたプロトコルか、前記他の複数のプロトコルのいずれかであるかを判断する情報処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理装置において、
前記プロトコル識別手段は、前記装置側受信手段が受信した前記プロトコル識情報が前記EPCGen2にフォーマットの形式が規定されたプロトコルであるとき、前記データのToggle bitが1であるか0であるか判断する情報処理装置。
【請求項4】
請求項3に記載の情報処理装置において、
前記プロトコル識別手段は、Toggle bitが1であるとき、EPCヘッダ領域に記録されているコード情報を読み、前記コード情報を用いてデータの記録方式を識別する情報処理装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一つに記載の情報処理装置において、
前記プロトコル識別手段は、識別した前記プロトコルに対応するデータの記録方式を用いて前記データを解析し、
さらに、前記プロトコル識別手段が解析した前記データを処理するデータ処理手段を備える情報処理装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一つに記載の情報処理装置において、
前記データと、前記プロトコル識別手段が識別したプロトコルの種類を示す情報を、通信網を介して前記データを処理するデータ処理装置に送信する送信手段をさらに備える情報処理装置。
【請求項7】
読取装置が何れのプロトコルを用いてICタグからデータを読み取ったかを識別する情報処理方法であって、
互いに異なる複数のプロトコルには、予めプロトコル識別情報が付与されており、
前記読取装置が読み取った前記データ、及び前記データを読み取るときに使用されたプロトコルの前記プロトコル識別情報を受信し、
前記プロトコル識別情報を用いて前記データを読み取るときに使用されたプロトコルを識別する情報処理方法。
【請求項8】
コンピュータを、読取装置が何れのプロトコルを用いてICタグからデータを読み取ったかを識別する情報処理装置として機能させるためのプログラムであり、
互いに異なる複数のプロトコルには、予めプロトコル識別情報が付与されており、
前記コンピュータに、
前記読取装置が読み取った前記データ、及び前記データを読み取るときに使用されたプロトコルの前記プロトコル識別情報を受信する機能と、
前記プロトコル識別情報を用いて前記データを読み取るときに使用されたプロトコルを識別する機能と、
を実現させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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