説明

情報処理装置、情報処理方法及びプログラム

【課題】それ自体では放射線を発する線源の位置を特定することができない機材であっても、試料を侵襲することなく、放射線を発する線源の位置を特定することを可能とする情報処理装置、情報処理方法、及び、プログラムを提供する。
【解決手段】情報処理装置は、計測対象物内に存在する線源から発せられる放射線の進行方向に、前記線源からの距離に関係する放射線情報を少なくとも異なる2点で計測する計測媒体31及び32から、前記放射線情報を取得する放射線情報取得部と、前記線源と前記各点との間の距離及び前記放射線情報に基づいて、前記線源の位置を特定する線源情報特定部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、線源から発せられる放射線の情報により当該線源の情報を求める情報処理装置、情報処理方法及びプログラムの技術に関する。
【背景技術】
【0002】
医学、薬学、農学、生化学等の科学分野では、生体内における物質動態を非侵襲で可視化(イメージング)する技術が生体の機能を解明するための手段として重要な役割を果たしている。例えば、薬剤の開発では実験動物に投与した放射性標識薬剤の体内での移行や蓄積を動物が生きたままの状態でのイメージングを可能にする放射線計測技術が威力を発揮する。このためのイメージング装置としては、例えば3次元でマウスなどのイメージングが可能な小動物用PET(positron emission tomography)装置があるが、用途が限定されるとともに高額であることから一般に普及しているとは言いがたい状況にある。これに対し、イメージング装置として一般的に普及しているものには2次元放射線イメージング装置であるX線フィルムやイメージングプレートがある。
【0003】
イメージングプレートは、輝尽性蛍光体の微結晶をフィルムに塗布した記録媒体であり、高い位置分解能で放射線を検出でき、記録した計測情報を初期化することにより繰り返して使用できる特徴を有している。しかし、X線フィルムを用いたオートラジオグラフィー同様に、立体的な3次元形状を持ち、その内部に存在する放射線源のイメージングや位置の特定はできない。このため、実験動物に投与した放射性標識薬剤(例えば、RI(Radioisotope)標識薬剤)の体内分布(濃度分布)をイメージングプレートにより計測する場合、実験動物を薄切片にして(侵襲的)、イメージングプレートに当該薄切片を密着させることにより当該計測をする必要がある。これは、各位置における計測を行うことで、線源から発せられる放射線の正しい投影画像(2次元画像)を得るためである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特公表2004−512502号公報
【特許文献2】特開2008−267879号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】小田他、「イメージングプレートに記録されたPSL強度分布の解析」、日本放射線安全管理学会誌第5巻2号、2006年10月31日、p27−32
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以上のとおり、イメージングプレートのようにそれ自体では3次元的な形状を持つ計測対象物の内部、例えばマウス体内に存在する放射線を発する線源の位置を特定することができないような機材を用いて、線源から発せられる放射線の計測を行う場合、試料を侵襲する(薄切片にする)必要があるという問題点があった。
【0007】
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、それ自体では放射線を発する線源の位置を特定することができない機材であっても、試料を侵襲することなく、放射線を発する線源の位置を特定することを可能とする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上述した課題を解決するために、以下の構成を採用する。
【0009】
すなわち、本発明の情報処理装置は、計測対象物内に存在する線源から発せられる放射線の進行方向上において、前記線源からの距離に関係する放射線情報を少なくとも異なる2点で計測する計測媒体から、前記放射線情報を取得する放射線情報取得部と、前記線源と前記各点との間の距離及び前記放射線情報に基づいて、前記線源の位置を特定する線源情報特定部と、を備えることを特徴とする。
【0010】
ここで、放射線とは、非電離放射線又は電離放射線を含む。すなわち、放射線とは、例えば、赤外線、可視光線、紫外線等の非電離放射線又は、α線、β線、γ線、X線等の電離放射線である。
【0011】
上記構成によれば、計測対象物内に存在する線源から発せられる放射線の進行方向上の少なくとも異なる2点において、当該線源からの距離に関係する放射線情報が取得される。そして、上記構成によれば、放射線情報を取得した各点と線源との間の距離、及び、線源からの距離に関係する放射線情報に基づいて、線源の位置が特定される。
【0012】
したがって、上記構成によれば、それ自体では放射線を発する線源の位置を特定することができない機材であっても、試料を侵襲することなく、放射線を発する線源の位置を特定可能とすることができる。
【0013】
また、本発明の別の形態として、上記計測媒体は、線源から発せられる放射線の進行方向上に配置された、放射線を透過可能な少なくとも2つの媒体を備えてもよい。そして、上記放射線情報取得部は、当該放射線を透過可能な少なくとも2つの媒体によって得られる情報から、前記放射線情報を取得してもよい。
【0014】
ここで、放射線を透過可能な媒体とは、例えば、イメージングプレート、X線フィルム、又は、フィルムバッチである。すなわち、上記構成によれば、本発明は、イメージングプレート、X線フィルム、及び、フィルムバッチ等を例として挙げられる放射線を透過可能な媒体によって、線源の位置を特定することができる。
【0015】
また、本発明の別の形態として、上記計測媒体は、少なくとも異なる2点の各点に移動可能な検出器を備えてもよい。そして、上記放射線情報取得部は、当該検出器による放射線の測定結果から、放射線情報を取得してもよい。
【0016】
ここで、少なくとも異なる2点の各点に移動可能な検出器とは、例えば、駆動機構を備えた半導体検出器である。すなわち、上記構成によれば、本発明は、駆動機構を備えた半導体検出器等を例として挙げられる各点に移動可能な検出器によって、線源の位置を特定することができる。
【0017】
また、本発明の別の形態として、上記放射線情報は、放射線強度であってもよい。
【0018】
ここで、放射線強度は距離の二乗に反比例しており、線源からの距離に関係する。すなわち、上記構成によれば、本発明は、距離の二乗に反比例する放射線強度を用いることによって、線源の位置を特定することができる。
【0019】
また、本発明の別の形態として、上記計測媒体は、放射線情報を2次元に計測可能であってもよい。そして、上記放射線情報取得部は、放射線情報を2次元に取得可能な当該計測媒体から、放射線情報を取得してもよい。また、上記線源情報特定部は、線源と各点との間の距離及び放射線情報に基づいて、線源の2次元分布を特定してもよい。
【0020】
ここで、線源の2次元分布とは、例えば、線源がRI標識薬剤である場合、計測対象物内における当該薬剤の濃度分布である。
【0021】
上記構成によれば、放射線情報は、2次元に取得される。そして、放射線情報を取得した各点と線源との間の距離、及び、線源からの距離に関係する放射線情報に基づいて、放射線強度による線源の2次元分布が特定される。
【0022】
したがって、上記構成によれば、それ自体では放射線を発する線源の位置を特定することができない機材であっても、試料を侵襲することなく、放射線を発する線源の2次元分布を特定可能とすることができる。
【0023】
なお、本発明の別態様としては、以上の各構成を実現する情報処理方法であってもよいし、プログラムであってもよいし、このようなプログラムを記録したコンピュータが読み取り可能な記憶媒体であってもよい。また、本発明の別態様として、以上の各構成を実現する複数の装置が通信可能に構成された情報処理システムであってもよい。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、それ自体では放射線を発する線源の位置を特定することができない機材であっても、試料を侵襲することなく、放射線を発する線源の位置を特定することを可能とする情報処理装置、情報処理方法、及び、プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】実施の形態に係る情報処理装置及びその周辺装置を例示する図。
【図2】実施の形態に係る情報処理装置を例示する図。
【図3】実施の形態における放射線情報の計測例を示す斜視図。
【図4】実施の形態における放射線情報の計測例を示す図。
【図5】実施の形態における線源の位置及び濃度分布を求める手順を示すフローチャート。
【図6A】実施の形態における線源の位置の求め方を例示する図。
【図6B】実施の形態における線源の濃度分布の求め方を例示する図。
【図6C】線源における濃度分布と計測媒体における濃度分布とを例示する図。
【図7】実施の形態に係るイメージングプレートによる計測実験例に用いた実験動物を示す写真。
【図8】図7に示される実験動物を2枚のイメージングプレートにより観測することで得られた計測結果を示す写真。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に詳細に説明される情報処理装置は、本発明の一側面に係る情報処理装置、情報処理方法及びプログラムの実施の形態(以下、「本実施形態」とも表記する)である。ただし、本実施形態は例示であり、本発明は本実施形態の構成に限定されない。
【0027】
なお、本実施形態において登場するデータを自然言語(日本語等)により説明しているが、より具体的には、コンピュータが認識可能な疑似言語、コマンド、パラメタ、マシン語等で指定される。
【0028】
§1 本実施形態の概要
本実施形態に係る情報処理装置は、放射性標識薬剤に基づく線源から発せられる放射線の進行方向上の異なる2点に配置された2枚のイメージングプレート(本発明の計測媒体に相当)により放射線情報を取得する。そして、本実施形態に係る情報処理装置は、得られた放射線情報から、線源の位置及び線源における放射性標識薬剤の濃度分布(本発明の
2次元分布に相当)を求める。図1は、本実施形態に係る情報処理装置に接続される装置の例を示す。図1に示されるとおり、本実施形態に係る情報処理装置1は、読み取り装置2と接続している。なお、「線源から発せられる放射線の進行方向上の異なる2点に配置された」とは、例えば、放射線の進行方向に対して垂直に向けた2枚のイメージングプレートを平行に重ねた場合である。
【0029】
<読み取り装置>
読み取り装置2は、イメージングプレートから放射線情報を読み出す装置である。例えば、読み取り装置2は、BAS-1800(富士フイルム株式会社製)、R-AXIS VII(株式会社リガク製)等、イメージングプレートを搭載することによりその情報を読み出す読み取り装置である。
【0030】
イメージングプレートは、例えば、支持体の上部に輝尽性蛍光体(例えば、BaFX:Eu2+(X=Cl,Br,I),バリウムフルオロハライド)が塗布されたものであり、二次元放射線検出器として機能する。イメージングプレートは、放射線に露光することにより、放射線情報を記録する。具体的には、放射線量子(光子、電子、粒子など)が輝尽蛍光結晶(支持体の上部に塗布された輝尽性蛍光体)に入射すると、電子−正孔対が生成される。生成された電子は当該結晶中の格子欠陥に捕獲された状態、つまり放射線情報が記録された状態となる。
【0031】
読み取り装置2は、放射線情報が記録された状態であるイメージングプレートに対して、例えば、He-Neレーザーの赤色光(633nm)を照射することにより生じる青色光(400nm
)の強度(PSL(Photo-Stimulated Luminescence)強度)を測定する。このPSL強
度は、輝尽発光の信号強度であり、入射放射線量子数に比例しており、予め既知の放射能を持つ物質でラベルされたスケールにより検量しておけば、ただちに放射線強度として定量することができる。読み取り装置2は、この放射線強度を放射線情報として取得する。
【0032】
ここで、放射線強度とは、その単位をBq/cm2と表記され、その点の単位面積、単位時
間当たりに入射する放射線のエネルギー量(個々の光子エネルギーと光子数の積)を示す。
【0033】
なお、これらの処理は読み取り装置2内で動作するアプリケーションによって実現される。例えば、BAS-1800(富士フィルム株式会社製)では、Image Readerによりイメージングプレートの画像データ(PSL強度の測定結果)が取得される。そして、得られた画像データは、Image Gauge及びScience Lab又はImageJにより画像処理される。これにより、PSL強度及び放射線強度の2次元分布が得られる。これらの動作は、読み取り装置2が自律的に動作することにより実行されてもよいが、本実施形態では、後述する放射線情報取得部21に制御されることにより読み取り装置2内で実行される。
【0034】
また、読み取り装置2は、イメージングプレートに対して可視光を照射することにより放射線情報を消去することができるものでもよい。つまり、イメージングプレートは繰り返し使用することができる。
【0035】
情報処理装置1は、このようにして得られた放射線情報から、線源の位置及び濃度分布を求める。なお、本実施形態では、放射線情報は放射線強度の2次元分布である。以下、放射線情報を放射線強度の2次元分布として説明する。
【0036】
§2 情報処理装置の構成例
次に、本実施形態に係る情報処理装置1の構成例について説明する。図2は、本実施形態における情報処理装置1の構成例を示す。情報処理装置1は、図2に示されるとおり、
そのハードウェア構成として、バス13で接続される、記憶部11、制御部12、入出力部14等の既存のハードウェアを有している。
【0037】
記憶部11は、例えばハードディスクであり、制御部12で実行される処理で利用される各種データ及びプログラムを記憶する(不図示)。記憶部11は、例えば、ハードディスクによって実現される。記憶部11は、USBメモリ等の記録媒体により実現されてもよい。なお、記憶部11が格納する当該各種データ及びプログラムは、CD(Compact Disc)又はDVD(Digital Versatile Disc)等の記録媒体に格納されていてもよい。そして、記憶部11は、当該記録媒体から当該各種データ及びプログラムを取得してもよい。また、記憶部11は、制御部12の外部にあるという意味で外部記憶装置と呼んでもよい。
【0038】
制御部12は、マイクロプロセッサ又はCPU(Central Processing Unit)等の1又
は複数のプロセッサであり、このプロセッサの処理に利用される周辺回路(ROM(Read
Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、インタフェース回路等)を有する。制御部12は、記憶部11に格納されている各種データ及びプログラムを実行することにより、本実施形態における情報処理装置1の処理を実現する。ROM、RAM等は、制御部12内のプロセッサが取り扱うアドレス空間に配置されているという意味で主記憶装置と呼んでもよい。
【0039】
入出力部14は、情報処理装置1の外部に存在する装置とデータの送受信を行うためのインタフェースである。入出力部14は、例えば、USB(Universal Serial Bus)等、ハードウェアインタフェースとして周知のものである。また、入出力部14は、例えば、IP(Internet Protocol)パケット等の送受信を行う通信部として構成されてもよい。
更に、入出力部14は、複数のインタフェースであってもよい。
【0040】
本実施形態では、入出力部14は、読み取り装置2に対して制御信号を送信し、読み取り装置2から放射線情報を受信する。また、入出力部14は、不図示のユーザインタフェース(キーボード、マウス、ディスプレイ等の入出力装置)と接続してもよい。更に、入出力部14は、CDドライブ、DVDドライブ等の着脱可能な記憶媒体の入出力装置、或いはメモリカード等の不揮発性の可搬型の記憶媒体等の入出力装置と接続していてもよい。
【0041】
なお、情報処理装置1は、PC(Personal Computer)等のような汎用コンピュータで
構成されてもよい。
【0042】
本実施形態では、情報処理装置1は、記憶部11に格納されたデータが制御部12によって処理されることにより、読み取り装置2で得られた放射線情報から線源の位置及び濃度分布を求める。この処理を実現する制御部12について、以下、説明する。
【0043】
<制御部>
図2に示されるとおり、制御部12は、放射線情報取得部21及び線源情報特定部22を含む。放射線情報取得部21及び線源情報特定部22は、記憶部11に格納されたプログラム等が制御部12の周辺回路であるRAM等に展開され、制御部12のプロセッサにより実行されることによって実現される。なお、具体的な処理の一例については、下記「§3 動作例」において説明するため、ここでは、各構成部について簡単に説明する。
【0044】
<放射線情報取得部>
放射線情報取得部21は、読み取り装置2を制御し、イメージングプレートから放射線情報を取得する。本実施形態では、放射線情報取得部21は、線源から発せられる放射線
の進行方向上の異なる2点に配置された2枚のイメージングプレートから放射線情報を取得する。
【0045】
この時、作業者は、露光後の2枚のイメージングプレートを読み取り装置2に搭載する必要がある。読み取り装置2が1枚ずつしかイメージングプレートの放射線情報を読み出すことができない装置であるならば、作業者は、2枚のイメージングプレートをそれぞれ1枚ずつ読み取り装置2に搭載する必要がある。この時、放射線情報取得部21は、読み取り装置2に1枚ずつ搭載されたイメージングプレートから放射線情報を取得する。
【0046】
なお、読み取り装置2が複数のイメージングプレートの放射線情報を読み出すことができるならば、作業者は、2枚のイメージングプレートを同時に読み取り装置2に搭載することができる。ただし、上記の場合と比較して、作業者がイメージングプレートを搭載する作業の回数が異なるだけであり、放射線情報取得部21が取得する放射線情報に違いはない。
【0047】
<線源情報特定部>
線源情報特定部22は、放射線情報取得部21が取得した放射線情報を用いて、線源の位置及び濃度分布(2次元分布)を求める。
【0048】
本実施形態における放射線情報は、放射線強度の2次元分布である。放射線強度は、線源からの距離の二乗に反比例する。放射線情報取得部21が取得する放射線情報は、線源から発せられる放射線の進行方向上の異なる2点に配置された2枚のイメージングプレートから取得されたものである。
【0049】
線源情報特定部22は、これらの2枚のイメージングプレートの位置関係及び2枚のイメージングプレートから取得される放射線強度から、線源の位置及び濃度分布を特定する。
【0050】
§3 動作例
次に、図3、4、5、6A、6B及び6Cを用いて、本実施形態における情報処理装置1の処理手順を説明する。図3は、実験動物内に存在する線源から発せられる放射線を2枚のイメージングプレートにより計測する例を示す。図4は、図3に示される計測例における、実験動物及び2枚のイメージングプレートの関係を示す。図5は、本実施形態における線源の位置及び濃度分布を求める手順を示す。図6Aは、本実施形態における線源の位置の求め方を例示する。図6Bは、本実施形態における線源の濃度分布の求め方を例示する。図6Cは、図6Bにおける、線源の濃度分布と計測媒体の濃度分布との関係を拡大した例を示す。なお、当該線源は、放射性標識薬剤を実験動物に投与することにより設けられたものである。
【0051】
図3及び図4に示されるとおり、平行に重ねられた2枚のイメージングプレート(31、32)の上部に線源40を含む実験動物(計測対象物)を置くことで、線源40から発せられる放射線が測定される。つまり、本動作例では、実験動物(計測対象物)内に存在する線源40から発せられる放射線は、平行に重ねられた2枚のイメージングプレート(31、32)により計測される。なお、図3における一点鎖線は、イメージングプレート31による放射線の計測結果を示す。また、図3における点線(イメージングプレート32の形状を表した点線を除く)は、イメージングプレート32による放射線の計測結果を示す。
【0052】
本動作例における情報処理装置1は、イメージングプレート(31、32)の放射線情報の2次元分布を用いて、実験動物内に存在する線源40の位置及び線源40における放
射性標識薬剤の濃度分布を特定する。なお、本実施形態では、それぞれのイメージングプレート(31、32)は、実験動物の外部に存在する。そして、実験動物とイメージングプレート31、及び、イメージングプレート31とイメージングプレート32は、密着している。しかし、本発明はこのような状態に限定される訳ではない。実験動物とイメージングプレート31との間、及び、イメージングプレート31とイメージングプレート32との間に空気などの層が存在してもよい。線源40からイメージングプレート31及びイメージングプレート32の間の空間は、散乱が生じるような空間であってもよく、線源40から発せられる放射線がそれぞれのイメージングプレート(31、32)に到達するような空間であれば、任意の空間でよい。
【0053】
以下、図5に示されるフローチャートにしたがって情報処理装置1の具体的な処理例を示す。
【0054】
図5に示されるとおり、本実施形態における情報処理装置1は、作業者の操作により、本実施形態に係るプログラムが実行されることで、本実施形態に係る情報処理を開始する(S100)。
【0055】
次に、本実施形態に係る情報処理が開始されると、放射線情報取得部21は、読み取り装置2を制御し、当該読み取り装置2に搭載されたイメージングプレートから放射線情報を取得する(S101)。読み取り装置2に搭載されるイメージングプレートは、イメージングプレート31及びイメージングプレート32である。イメージングプレート31及びイメージングプレート32は、実験動物内に存在する線源40から発せられる放射線の進行方向上の異なる2点に配置された2枚のイメージングプレートである。
【0056】
読み取り装置2では、それぞれのイメージングプレートに対して、例えば、まず、He-Neレーザーの赤色光を照射することにより生じる青色光の強度(PSL強度)を測定した
結果である画像データ(図4参照)が得られる。そして、当該画像データが画像処理されることにより、PSL強度及び放射線強度の2次元分布が得られる。
【0057】
次に、図5に示されるとおり、放射線情報取得部21は、得られた画像データ又は放射線強度の2次元分布を用いることにより、それぞれのイメージングプレート(31、32)における基準点を求める(S102)。当該基準点は、イメージングプレート31及びイメージングプレート32における線源40に対応する点である。放射線情報取得部21は、イメージングプレート31及びイメージングプレート32の位置合わせを行うために、当該基準点を求める。
【0058】
それぞれのイメージングプレート(31、32)における放射線の計測結果は、例えば、図4に示されるような図形で示される。放射線情報取得部21は、上記Image Gauge又
はImageJにより当該図形の重心を求めて基準点とする。しかし、本発明は、当該処理に限定される訳ではない。例えば、放射線情報取得部21は、S101の処理により得た放射線強度分布における放射線強度の最も強い点を基準点としてもよい。
【0059】
放射線情報取得部21は、それぞれのイメージングプレート(31、32)における放射線強度の2次元分布から、それぞれのイメージングプレート(31、32)の基準点における放射線強度を取得する(S103)。ここで、イメージングプレート31の基準点における放射線強度をA1、イメージングプレート32の基準点における放射線強度をA2とする。
【0060】
次に、図5に示されるとおり、線源情報特定部22は、それぞれのイメージングプレート(31、32)の位置関係及び放射線強度(A1、A2)から、線源の位置を特定する
(S104)。当該処理を、図6Aを用いて説明する。
【0061】
図6Aは、線源40、イメージングプレート31、イメージングプレート31の基準点41、イメージングプレート32、及びイメージングプレート32の基準点42の位置関係を示す。図6Aに示されるとおり、線源40とイメージングプレート31との間の距離をL1とする。また、イメージングプレート31とイメージングプレート32との間の距離をL2とする。L1は未知の値であるが、L2は、実験条件であるため、既知である。線源情報特定部22は、L2、A1、及びA2を用いて、未知の値であるL1を特定する。
【0062】
ここで、放射線は、イメージングプレート31を透過する時、その一部が吸収される。つまり、イメージングプレート31の基準点における放射線強度A1と、イメージングプレート31を透過した直後の放射線強度B1は、[数1]で表すことができる。
【0063】
【数1】

なお、kは、イメージングプレート31における放射線の透過率を示す。透過率kは、例えば、EGS(Electron Gamma Shower)と呼ばれるコードを用いることにより算出す
ることができる。EGSは、1KeVから数百GeVまでのエネルギー範囲での電子・光子輸送計算のモンテカルロシミュレーションを、任意のジオメトリー内で行うことができる汎用パッケージである。当該シミュレーションにおいて、線源の線種及び強度、イメージングプレート31を構成する元素等を指定することにより、透過率kを算出することができる。
【0064】
また、放射線強度は、線源からの距離の2乗に反比例する。したがって、実験動物内に存在する線源から発せられる放射線の一部がイメージングプレート31によって吸収されることを考慮すると、放射線強度A1(B1)と放射線強度A2との比は、[数2]で表すことができる。
【0065】
【数2】

ここで、B1、A2、L2は上記までの記載によりすでに求められている。したがって、[数2]の関係を用いることにより、線源情報特定部22は、L1を求め、線源の位置を特定することができる。この線源の位置は、線源(三次元)における放射能量(Bq/cm3)の平均に相当する位置に該当するものと考えられる。
【0066】
なお、本動作例では、それぞれのイメージングプレート(31、32)の厚さは考慮していない。例えば、L1及びL2に対して、それぞれのイメージングプレート(31、32)の厚さを加算することにより、それぞれのイメージングプレート(31、32)の厚さを考慮してもよい。
【0067】
S104までの処理により、情報処理装置1は、実験動物内に存在する線源40の位置(深度情報)を特定した。次に、情報処理装置1は、以下の処理により、実験動物内に存在する線源40の2次元分布である放射性標識薬剤の濃度分布を特定する。当該濃度分布の特定を説明するために、図6B及び図6Cを用いる。
【0068】
なお、放射性標識薬剤(化合物)1分子に対して標識される放射線の数(原子の数)は、通常1個である。したがって、放射線の強度は、放射性標識薬剤に比例する。言い換えると、線源40における放射性標識薬剤の濃度分布は、線源40における放射線強度の分布と比例関係にある。つまり、情報処理装置1は、線源40における放射線強度の分布を求めることにより、線源40における放射性標識薬剤の濃度分布を求めることができる。以下、線源40における放射線強度の分布を求めることを、線源40における放射性標識薬剤の濃度分布を求めることとして説明する。
【0069】
ここで、線源40における放射線強度をA0とした場合に、放射線強度a0が[数3]を満たす領域を考える。
【0070】
【数3】

hは、線源の濃度分布を求める際に、作業者が所望する濃度分布に対応する値である。例えば、h=0.5の時、a0は、線源40における放射線強度の半分の値以上の放射線強
度を持つ領域を示す。つまり、情報処理装置1は、作業者が所望するhの値に対する領域を求めることで、線源40における放射性標識薬剤の濃度分布を特定する。
【0071】
濃度分布を特定するために、まず、図5に示されるとおり、線源情報特定部22は、それぞれのイメージングプレート(31、32)において上記a0の領域に対応する領域を特定する(S105)。図6Bに示されるとおり、イメージングプレート31においてa0の領域に対応する領域は、a1の領域である。また、イメージングプレート32においてa0の領域に対応する領域は、a2の領域である。a1及びa2の領域は、線源における放射線強度の関係により、[数4]を満たす領域として求めることができる。
【0072】
【数4】

次に、図5に示されるとおり、線源情報特定部22は、a1及びa2の領域を用いて、a0の領域を特定する(S106)。図6Cを用いて、当該処理について説明する。
【0073】
ここで、当該処理を簡単に説明するため、図6B及び図6Cに示されるとおり、a0、a1及びa2の領域について、任意の方向における当該領域の長さ(1次元)の関係を考える。図6Cに示されるとおり、a0の領域について、線源40の重心から当該領域の境界までの直線の長さをW0とする。また、a1の領域について、基準点41から当該領域の境界までの直線の長さをW1とする。更に、a2の領域について、基準点42から当該領域の境界までの直線の長さをW2とする。これらのように各長さが与えられると、三角形の比例関係により、[数5]の関係が成立する。
【0074】
【数5】

L1は、S104までの処理により求められている。L2は、実験条件であり、既知である。W1及びW2は、上記S105の処理により求められている。したがって、未知の
値はW0のみであり、数5を解くことによって、W0を求めることができる。このような[数5]の関係は、a0、a1及びa2の2次元領域についても同様に説明することができる。線源情報特定部22は、[数5]の関係を用いることにより、a1及びa2の領域からa0の領域を特定する。
【0075】
なお、hの値は、記憶部11に格納されたプログラム等のパラメタにより設定されてもよいし、不図示のユーザインタフェースを介する作業者の入力操作により設定されてもよい。作業者は、hの値を任意に設定することができる。
【0076】
次に、図5に示されるとおり、情報処理装置1は、濃度分布の特定が完了したかどうかの判定を行う(S107)。例えば、情報処理装置1は、記憶部11に格納されたプログラムにおいて設定されたパラメタに対応する濃度分布が求められた場合は、処理を終了する(S108)。また、例えば、情報処理装置1は、記憶部11に格納されたプログラムにおいて設定されたパラメタに対応する濃度分布が求められていない場合は、hの値を変更し再度S105及びS106の処理を繰り返す。これにより、実験動物内に存在する線源40における放射性標識薬剤の濃度分布が特定される。
【0077】
<イメージングプレートによる計測実験例>
なお、本実施形態に係る2枚のイメージングプレートにおいて、図3及び図4に示されるような放射線情報が本当に取得可能であるかどうか、計測実験例により示す。図7は、当該計測実験例に用いた実験動物を示す写真である。
【0078】
図7に示されるとおり、当該計測実験に用いた実験動物は、マウスである。また、当該計測実験に用いた放射性標識薬剤は、ルテチウム−177(177Lu)である。そして、当
該計測実験に用いた2枚のイメージングプレート(31、32)は、厚さ1mm程度のBAS-MP 2040Sである。当該2枚のイメージングプレート(31、32)により計測される放射線情報を読み取るために用いた本実施形態に係る読み取り装置2は、富士フイルム株式会社製のBAS-1500Macである。ただし、放射性標識薬剤、イメージングプレート、及び、
放射線情報を読み取るために用いる読み取り装置は、これらに限定される訳ではない。本計測実験例における放射性標識薬剤、イメージングプレート、及び読み取り装置2は、177Lu、BAS-MP 2040S、及びBAS-1500Macと同様の用途に用いられるものであればよい。
【0079】
本計測実験では、マウスは、右前脚付近に230KBq(キロベクレル)のルテチウムを、左前脚付近に920KBqのルテチウムを、右後脚付近に1.8MBq(メガベクレル)のルテチウムを、左後脚付近に460KBqのルテチウムを、背中2か所に1.8MBqと920KBqのルテチウムを、それぞれ注射されている。そして、注射後5分経過した後、密着させた2枚のイメージングプレート(31、32)の上にマウスを乗せて、10分間露光することにより、放射線の計測が行われた。
【0080】
図8は、この時の計測結果を示す写真である。計測結果51は、イメージングプレート31により計測された放射線強度を読み取り装置2で読み取った結果を示す。また、計測結果52は、イメージングプレート32により計測された放射線強度を読み取り装置2で読み取った結果を示す。図8に示されるように、背中2か所に存在するはずの線源は計測されなかったが、その他の線源は、2枚のイメージングプレート(31、32)それぞれにおいて観測された。また、図8から、イメージングプレート31において計測された放射線強度に比べて、イメージングプレート32において計測された放射線強度は、減衰していることが分かる。
【0081】
以上の計測実験により、本実施形態に係る2枚のイメージングプレートにおいて、図3及び図4に示されるような放射線情報が取得可能であることが分かった。したがって、本
実施形態に係る放射性標識薬剤の濃度分布の特定処理は、実行可能であることが分かった。
【0082】
§4 実施の形態に係る作用及び効果
以上によれば、本実施形態では、2枚のイメージングプレート(31、32)を用いることにより、実験動物を侵襲することなく、当該実験動物内に存在する線源から発せられる放射線が測定される。放射線情報取得部21は、当該2枚のイメージングプレート(31、32)から、それぞれのイメージングプレートにおける放射線強度の2次元分布を取得する。そして、線源情報特定部22は、放射線情報取得部21により取得された放射線強度の2次元分布と、2枚のイメージングプレート(31、32)の位置関係を用いることによって、実験動物内に存在する線源の位置(深度情報)及び濃度分布を特定する。これにより、本実施形態に係る情報処理装置によれば、それ自体では放射線を発する線源の位置を特定することができない機材であっても、実験動物を侵襲することなく、放射線を発する線源の位置及び濃度分布を特定することを可能とする。これにより、同一の実験動物により実験を継続することができるため、個体差を考慮しなくてもよくなる。すなわち、統計処理に対応可能な個体数に対して実験する必要なく、実験に用いる実験動物の個体数を少なくすることができる。
【0083】
§5 変形例
以上、本発明の実施の形態を詳細に説明してきたが、前述までの説明はあらゆる点において本発明の例示に過ぎず、その範囲を限定しようとするものではない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。
【0084】
例えば、本実施形態において、放射線情報を得る2枚のイメージングプレートを一定時間ごとに交換することによって、放射線情報取得部21は、一定時間ごとの放射線情報を取得してもよい。このとき、線源情報特定部22は、線源の位置及び濃度分布の経時的な情報を取得することが可能となる。
【0085】
また、例えば、本実施形態では、イメージングプレートを2枚用いたが、イメージングプレートを3枚以上用いてもよい。イメージングプレートを3枚以上用いても、上記[数1]から[数5]までの関係は変わらず、本実施形態と同様の処理により、線源の位置及び濃度分布を求めることができる。
【0086】
また、例えば、本実施形態におけるイメージングプレートに代えて、X線フィルム又はフィルムバッチ等を用いてもよい。これらの計測媒体は、放射線を透過可能な媒体である。放射線を透過可能かどうかは、計測媒体と線源から発せされる放射線のエネルギーに依存する。すなわち、作業者は、用いる放射性標識薬剤に基づいて、計測媒体を選択すればよい。
【0087】
また、例えば、本実施形態におけるイメージングプレートに代えて、放射線の進行方向上の少なくとも異なる2点の各点に移動可能な検出器を用いてもよい。また、当該検出器は、放射線を透過可能な媒体でなくてもよい。なぜなら、検出器は、放射線を透過させなくても、移動することで異なる2点において放射線を測定することが可能であるからである。
【0088】
当該検出器として、例えば、駆動機構を備えた、ゲルマニウム検出器又はシリコン検出器等の半導体検出器を用いてもよい。この場合、放射線情報取得部21は、半導体検出器に備えられた駆動機構を制御することにより、半導体検出器の位置を変更する。そして、放射線情報取得部21は、当該放射線の進行方向上の少なくとも異なる2点に当該半導体検出器を移動させ、線源から発せられる放射線を測定する。これにより、放射線情報取得
部21は、当該放射線の進行方向上の少なくとも異なる2点において測定した放射線情報を取得する。
【0089】
この時、上記[数1]において、「k=1」の関係が成立している。これは、検出器にお
いて放射線の透過が起きないためである。したがって、この場合でも、線源情報特定部22は、本実施形態と同様の処理で、線源の位置及び濃度分布を特定することができる。
【0090】
また、例えば、本実施形態において線源は、放射性標識薬剤を実験動物に投与することにより実現したが、その他の線源を用いてもよい。例えば、赤外線、可視光線、赤外線などの光源を用いてもよい。また、例えば、荷電粒子加速器や原子炉等の放射線源を用いてもよい。
【0091】
§6 補足
本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈される。また、当業者は、上記本実施形態の記載から、特許請求の範囲の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができる。また、本明細書において使用される用語は、特に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いられる。したがって、他に定義されない限り、本明細書中で使用される全ての専門用語および技術用語は、本発明の属する分野の当業者によって一般的に理解される意味と同じ意味を有する。両者が矛盾する場合、本明細書において使用される用語は、本明細書(定義を含めて)に記載された意味において理解される。
【符号の説明】
【0092】
1 情報処理装置
2 読み取り装置
11 記憶部
12 制御部
13 バス
14 入出力部
21 放射線情報取得部
22 線源情報特定部
31、32 イメージングプレート
40 線源
41、42 基準点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
計測対象物内に存在する線源から発せられる放射線の進行方向上において、前記線源からの距離に関係する放射線情報を少なくとも異なる2点で計測する計測媒体から、前記放射線情報を取得する放射線情報取得部と、
前記線源と前記各点との間の距離及び前記放射線情報に基づいて、前記線源の位置を特定する線源情報特定部と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記計測媒体は、前記線源から発せられる放射線の進行方向上に配置された、前記放射線を透過可能な少なくとも2つの媒体を備え、
前記放射線情報取得部は、前記放射線を透過可能な少なくとも2つの媒体によって得られる情報から、前記放射線情報を取得する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記計測媒体は、前記少なくとも異なる2点の各点に移動可能な検出器を備え、
前記放射線情報取得部は、前記検出器による放射線の測定結果から、前記放射線情報を取得することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記放射線情報は、放射線強度であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記計測媒体は、前記放射線情報を2次元に計測可能であり、
前記放射線情報取得部は、前記放射線情報を2次元に取得可能な前記計測媒体から、前記放射線情報を取得し、
前記線源情報特定部は、前記線源と前記各点との間の距離及び前記放射線情報に基づいて、前記線源の2次元分布を特定する
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
コンピュータが、
計測対象物内に存在する線源から発せられる放射線の進行方向上において、前記線源からの距離に関係する放射線情報を少なくとも異なる2点で計測する計測媒体から、前記放射線情報を取得するステップと、
前記線源と前記各点との間の距離及び前記放射線情報に基づいて、前記線源の位置を特定するステップと、
を実行することを特徴とする情報処理方法。
【請求項7】
コンピュータに、
計測対象物内に存在する線源から発せられる放射線の進行方向上において、前記線源からの距離に関係する放射線情報を少なくとも異なる2点で計測する計測媒体から、前記放射線情報を取得するステップと、
前記線源と前記各点との間の距離及び前記放射線情報に基づいて、前記線源の位置を特定するステップと、
を実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−181056(P2012−181056A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−43073(P2011−43073)
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【出願人】(505374783)独立行政法人日本原子力研究開発機構 (727)
【出願人】(504145364)国立大学法人群馬大学 (352)
【Fターム(参考)】