説明

情報処理装置、情報処理方法及び情報処理用プログラム

【課題】 新規に受信したコンテンツを最も古いコンテンツに上書きしつつFIFO形式で当該コンテンツを再生する場合に、再生を一時中断したコンテンツの再生を再開する際、中断時の状態に関連付けて連続性を維持しつつ当該コンテンツを再生することが可能なコンテンツ再生置を提供する。
【解決手段】 デコーダ5に対するリングバッファメモリ2Aからのデータ出力を一時停止する際に、再生一時停止キーが操作されたタイミングでリングバッファメモリ2Aから出力されていたデータを含む曲情報を保存記憶し、一時停止していたデータのデコーダ5への出力を再開するとき、保存記憶されているデータから当該出力を再開する。また、再生の一時停止が指示されたタイミングでリングバッファメモリ2Aから出力されていたデータを含む曲情報のみを保存記憶する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及び情報処理用プログラムの技術分野に属し、より詳細には、外部から取得される情報を一時的に記憶し、その記憶順に出力して必要な処理に供させる情報処理装置及び情報処理方法並びに当該情報処理用のための情報処理用プログラムの技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
近年、放送電波を介して受信されるコンテンツ(画像情報又は音声情報の少なくともいずれか一方を含んで外部から取得される情報を言う。以下、同様)を、当該受信を継続しつつ再生するコンテンツ再生装置として、いわゆるセットトップボックスやDVD(Digital Versatile Disc)レコーダ/プレーヤ等が一般化しつつある。
【0003】
このようなコンテンツ再生装置において、例えば受信及び再生の途中で使用者がその場を離れる場合等においては、上記コンテンツが放送電波を介して取得されるものである(すなわち、受信後の記録ができない場合は再受信ができないものである)が故に、その不在間も必要なコンテンツの受信及び記録を継続し、その後に使用者が戻った際には、不在としたときからの続きのコンテンツの再生を再開することができる構成とされている。
【0004】
ここで、上述したように使用者がその場を離れる場合において、当該コンテンツ再生装置内の記録装置(具体的にはハードディスク又は固体メモリ等)の記録可能容量を越える情報量のコンテンツを受信した場合の処理方法としては二通りあった。
【0005】
すなわち、その第一は、当該記録可能容量を越える情報量のコンテンツについては、それを受信した後、現在記憶されている最も古いコンテンツに代えて(すなわち、上書きして)その受信したコンテンツを記憶する構成であり、その第二は、当該記録可能容量を越えた時点で新たなコンテンツの受信自体を停止する構成である。
【0006】
しかしながら、上記第一の方法の場合、長期間不在にする場合には、その場を離れた直後に受信されて記録されているコンテンツまで新たなコンテンツで上書きされてしまい、結果として、その場を離れた直後に再生されるべき続きのコンテンツが消滅してしまうこととなり、これを防ぐためには、受信したコンテンツの情報量が上記記録可能容量を越える前にコンテンツ再生装置の元まで戻らなければならなくなるという問題点があった。
【0007】
また、上記第二の方法の場合、使用者がその場を離れた後、上記記録装置の記録可能容量以下の情報量であるコンテンツはその受信及び記録が継続されるが、その記録可能容量を越えた場合はその時点でコンテンツの受信自体が停止してしまうため、使用者がコンテンツ再生装置の元まで戻って再生が再開されることに伴って受信が再開されるコンテンツの内容と、上記受信自体が停止した時点まで受信・記録されていたコンテンツの内容と、の間に不連続性が生じてしまう。そして、これに伴ってそれらの再生にも不連続な部分が生じてしまい、結果としてその使用者に違和感を与えることとなるという問題点があった。なお、この場合、特に音楽のような比較的短い時間のコンテンツを受信・再生しているときに、その場の雰囲気で聞き流しているような場合、突然の不連続な音が発生するとより大きな違和感を与えてしまうこととなる。
【0008】
ここで、このような不具合を防止するための従来技術として、以下の特許文献に記載されている装置がある。
【特許文献1】特開平7−336630号公報
【0009】
そして、当該特許文献1に記載された装置では、それに備えられた記録装置に記録し、その続きから再生したり、或いは指定時間だけ前に戻って再生したり、コンテンツの最初から再生したりすることが可能となっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、当該特許文献1に記載された装置によった場合でも、使用者が長時間その場を離れた場合等においては、これまでと同様の記録装置におけるコンテンツの上書き記録に伴う古いコンテンツの消去が発生してしまうため、当該記録装置の記録可能容量を越えた情報量のコンテンツの受信に関する上記各問題点は生じてしまうこととなる。
【0011】
そこで、本発明は上記の各問題点に鑑みて為されたもので、その目的は、受信順にコンテンツを記憶しつつ受信順に再生する場合であって、受信したコンテンツの情報量が上記記録可能容量を越えたときには最も古いコンテンツに対して上書きしつつ新しいコンテンツを記憶して再生する場合に、その再生を一時中断したコンテンツの再生を再開する際、中断時の状態に関連付けて連続性を維持しつつ再生することが可能な情報処理装置及び情報処理方法並びに当該コンテンツの再生を行うための情報処理用プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、情報単位に分割された情報を外部から取得して処理するデコーダ等の処理手段を備える情報処理装置において、前記取得した情報を取得順に一時的にリングバッファメモリ等の一時記憶手段に記憶させ、且つ当該取得順に当該一時記憶手段から前記処理手段に出力させるCPU等の一時記憶制御手段であって、前記情報の取得量が当該一時記憶手段の記憶可能容量を越えたとき、新たに取得される前記情報を、最も古い記憶済みの前記情報に代えて当該一時記憶手段に記憶させることを繰り返しつつ前記情報の前記処理手段への出力を行うCPU等の一時記憶制御手段と、前記処理手段における前記情報の処理を一時的に中断するとき、当該中断するタイミングにおいて前記処理手段に対して出力中の前記情報である中断情報が含まれている前記情報単位を構成する前記情報の内、少なくとも前記中断情報から当該中断情報が含まれている前記情報単位の最後尾までの当該情報をリングバッファメモリ等の保存記憶手段に保存記憶させるCPU等の保存記憶制御手段と、中断していた前記情報の前記処理手段に対する出力を再開するとき、前記保存記憶手段に保存記憶されている前記情報から当該出力を再開するCPU等の再生制御手段と、を備える。
【0013】
よって、処理手段に対する出力を中断する際に、中断情報から当該中断情報が含まれている情報単位の最後尾までの情報を保存記憶させ、中断していた情報の処理手段に対する出力を再開するとき、保存記憶されている情報から当該出力を再開するので、処理手段における処理を中断した中断情報の続きから当該中断情報が含まれている情報単位内の情報に対する処理を再開することができ、処理の中断前後における情報の連続性を確保することができる。
【0014】
また、中断情報が含まれている情報単位を構成する情報の内、少なくとも中断情報から当該中断情報が含まれている情報単位の最後尾までの当該情報を保存記憶させ、その他は最も古い記憶済みの情報を書き換えつつ新たな情報を取得するので、一時記憶手段の記憶容量を最小限としつつ上記連続性を確保することができる。
【0015】
上記の課題を解決するために、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の情報処理装置において、前記保存記憶手段は、前記一時記憶手段における記憶領域の一部であるように構成される。
【0016】
よって、請求項1に記載の発明の作用に加えて、他の記憶手段を使用することなく必要な保存記憶を実行することができるので、情報処理装置全体としての構成の簡略化が可能となる。
【0017】
上記の課題を解決するために、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の情報処理装置において、前記保存記憶手段は、前記一時記憶手段とは別個に備えられている。
【0018】
よって、請求項1に記載の発明の作用に加えて、保存記憶手段が一時記憶手段とは別個となっているので、一時記憶手段内の記憶領域を使用することなく必要な一時保存記憶を行うことができる。
【0019】
上記の課題を解決するために、請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理装置において、前記保存記憶制御手段は、前記最後尾を示す情報として、前記中断情報が含まれている前記情報単位の最後尾に含まれている前記情報を示す最後尾アドレス情報を前記保存記憶手段に保存記憶させるように構成される。
【0020】
よって、請求項1から3のいずれか一項に記載の発明の作用に加えて、中断情報が含まれている情報単位の最後尾を示す最後尾アドレス情報を保存記憶させるので、情報の処理手段への出力再開時において、保存記憶されている情報単位の最後尾を迅速に検索することができる。
【0021】
上記の課題を解決するために、請求項5に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理装置において、前記保存記憶制御手段は、前記最後尾を示す情報として、前記中断情報が含まれている前記情報単位の直後に再生されるべき前記情報単位の先頭に含まれている前記情報を示す先頭アドレス情報を前記保存記憶手段に保存記憶させるように構成される。
【0022】
よって、請求項1から3のいずれか一項に記載の発明の作用に加えて、保存記憶される中断情報が含まれている情報単位の直後に再生されるべき情報単位の先頭に含まれている情報を示す先頭アドレス情報を保存記憶させるので、情報の処理手段への出力再開時において、保存記憶されている情報単位の最後尾を迅速に検索することができる。
【0023】
上記の課題を解決するために、請求項6に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理装置において、前記単位情報には、当該単位情報の最後尾に含まれている前記情報を示す最後尾識別情報が含まれ、前記保存記憶制御手段は、前記最後尾を示す情報として前記最後尾識別情報を前記保存記憶手段に保存記憶させるように構成される。
【0024】
よって、請求項1から3のいずれか一項に記載の発明の作用に加えて、保存記憶される情報単位の最後尾を示す最後尾識別情報を保存記憶させるので、情報の処理手段への出力再開時において、保存記憶されている情報単位の最後尾を迅速且つ正確に検索することができる。
【0025】
上記の課題を解決するために、請求項7に記載の発明は、請求項1から6のいずれか一項に記載の情報処理装置において、前記保存記憶制御手段は、前記中断情報が含まれている前記情報単位の先頭から最後尾までの情報を前記保存記憶手段に保存記憶させるように構成される。
【0026】
よって、請求項1から6のいずれか一項に記載の発明の作用に加えて、処理手段に対する出力を中断する際に、中断情報が含まれている情報単位の先頭から当該情報単位の最後尾までの情報を保存記憶させるので、出力中断時の情報が属していた情報単位の先頭から情報単位内に含まれる情報の全てを対象として処理手段に対する出力を再開することができる。
【0027】
上記の課題を解決するために、請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の情報処理装置において、前記保存記憶制御手段は、前記先頭を示す情報として、当該先頭に含まれている前記情報を示す先頭アドレス情報を前記保存記憶手段に保存記憶させるように構成される。
【0028】
よって、請求項7に記載の発明の作用に加えて、保存記憶される情報の先頭を示す先頭アドレス情報を保存記憶させるので、情報の処理手段への出力再開時において、保存記憶されている情報の先頭を迅速に検索することができる。
【0029】
上記の課題を解決するために、請求項9に記載の発明は、請求項7に記載の情報処理装置において、前記保存記憶制御手段は、前記先頭を示す情報として、前記中断情報が含まれている前記情報単位の直前に再生されるべき前記情報単位の最後尾に含まれている前記情報を示す最後尾アドレス情報を前記保存記憶手段に保存記憶させるように構成される。
【0030】
よって、請求項7に記載の発明の作用に加えて、保存記憶される中断情報が含まれている情報単位の直前に再生されるべき情報単位の最後尾に含まれている情報を示す最後尾アドレス情報を保存記憶させるので、情報の処理手段への出力再開時において、保存記憶されている情報の先頭を迅速に検索することができる。
【0031】
上記の課題を解決するために、請求項10に記載の発明は、請求項7に記載の情報処理装置において、前記単位情報には、当該単位情報の先頭に含まれている前記情報を示す先頭識別情報が含まれ、前記保存記憶制御手段は、前記先頭を示す情報として前記先頭識別情報を前記保存記憶手段に保存記憶させるように構成される。
【0032】
よって、請求項7に記載の発明の作用に加えて、保存記憶される情報の先頭を示す先頭識別情報を保存記憶させるので、情報の処理手段への出力再開時において、保存記憶されている情報の先頭を迅速且つ正確に検索することができる。
【0033】
上記の課題を解決するために、請求項11に記載の発明は、情報単位に分割された情報を外部から取得して処理する処理手段と、当該取得した情報を取得順に一時的にリングバッファメモリ等の一時記憶手段に記憶させ、且つ当該取得順に当該一時記憶手段から前記処理手段に出力させる一時記憶制御手段と、を備える情報処理装置において実行される情報処理方法において、前記情報の取得量が当該一時記憶手段の記憶可能容量を越えたとき、新たに取得される前記情報を、最も古い記憶済みの前記情報に代えて当該一時記憶手段に記憶させることを繰り返しつつ前記情報の当該一時記憶手段から前記処理手段への出力を行わせる一時記憶制御工程と、前記処理手段における前記情報の処理を一時的に中断するとき、当該中断するタイミングにおいて前記処理手段に対して出力中の前記情報である中断情報が含まれている前記情報単位を構成する前記情報の内、少なくとも前記中断情報から当該中断情報が含まれている前記情報単位の最後尾までの当該情報をリングバッファメモリ等の保存記憶手段に保存記憶させる保存記憶制御工程と、中断していた前記情報の前記処理手段に対する出力を再開するとき、前記保存記憶手段に保存記憶されている前記情報から当該出力を再開する再生制御工程と、を含む。
【0034】
よって、処理手段に対する出力を中断する際に、中断情報から当該中断情報が含まれている情報単位の最後尾までの情報を保存記憶させ、中断していた情報の処理手段に対する出力を再開するとき、保存記憶されている情報から当該出力を再開するので、処理手段における処理を中断した中断情報の続きから当該中断情報が含まれている情報単位内の情報に対する処理を再開することができ、処理の中断前後における情報の連続性を確保することができる。
【0035】
また、中断情報が含まれている情報単位を構成する情報の内、少なくとも中断情報から当該中断情報が含まれている情報単位の最後尾までの当該情報を保存記憶させ、その他は最も古い記憶済みの情報を書き換えつつ新たな情報を取得するので、一時記憶手段の記憶容量を最小限としつつ上記連続性を確保することができる。
【0036】
上記の課題を解決するために、請求項12に記載の発明は、情報単位に分割された情報を外部から取得して処理する処理手段を備える情報処理装置に含まれるコンピュータを、前記取得した情報を取得順に一時的にリングバッファメモリ等の一時記憶手段に記憶させ、且つ当該取得順に当該一時記憶手段から前記処理手段に出力させる一時記憶制御手段であって、前記情報の取得量が当該一時記憶手段の記憶可能容量を越えたとき、新たに取得される前記情報を、最も古い記憶済みの前記情報に代えて当該一時記憶手段に記憶させることを繰り返しつつ前記情報の前記処理手段への出力を行う一時記憶制御手段、前記処理手段における前記情報の処理を一時的に中断するとき、当該中断するタイミングにおいて前記処理手段に対して出力中の前記情報である中断情報が含まれている前記情報単位を構成する前記情報の内、少なくとも前記中断情報から当該中断情報が含まれている前記情報単位の最後尾までの当該情報をリングバッファメモリ等の保存記憶手段に保存記憶させる保存記憶制御手段、及び、中断していた前記情報の前記処理手段に対する出力を再開するとき、前記保存記憶手段に保存記憶されている前記情報から当該出力を再開する再生制御手段、として機能させる。
【0037】
よって、処理手段に対する出力を中断する際に、中断情報から当該中断情報が含まれている情報単位の最後尾までの情報を保存記憶させるようにコンピュータが機能し、中断していた情報の処理手段に対する出力を再開するとき、保存記憶されている情報から当該出力を再開するようにコンピュータが機能するので、処理手段における処理を中断した中断情報の続きから当該中断情報が含まれている情報単位内の情報に対する処理を再開することができ、処理の中断前後における情報の連続性を確保することができる。
【0038】
また、中断情報が含まれている情報単位を構成する情報の内、少なくとも中断情報から当該中断情報が含まれている情報単位の最後尾までの当該情報を保存記憶させ、その他は最も古い記憶済みの情報を書き換えつつ新たな情報を取得するようにコンピュータが機能するので、一時記憶手段の記憶容量を最小限としつつ上記連続性を確保することができる。
【発明の効果】
【0039】
請求項1に記載の発明によれば、処理手段における処理を中断した中断情報の続きから当該中断情報が含まれている情報単位内の情報に対する処理を再開することができ、処理の中断前後における情報の連続性を確保することができる。
【0040】
従って、一時中断した情報に対する処理を再開する際に、中断時の状態から関連付けて再生することができる。
【0041】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加えて、情報処理装置全体としての構成の簡略化が可能となる。
【0042】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加えて、一時記憶手段内の記憶領域を使用することなく必要な一時保存記憶を行うことができる。
【0043】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1から3のいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、情報の処理手段への出力再開時において、保存記憶されている情報単位の最後尾を迅速に検索することができる。
【0044】
請求項5に記載の発明によれば、請求項1から3のいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、情報の処理手段への出力再開時において、保存記憶されている情報単位の最後尾を迅速に検索することができる。
【0045】
請求項6に記載の発明によれば、請求項1から3のいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、情報の処理手段への出力再開時において、保存記憶されている情報単位の最後尾を迅速且つ正確に検索することができる。
【0046】
請求項7に記載の発明によれば、請求項1から6のいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、出力中断時の情報が属していた情報単位の先頭から情報単位内に含まれる情報の全てを対象として処理手段に対する出力を再開することができる。
【0047】
請求項8に記載の発明によれば、請求項7に記載の発明の効果に加えて、情報の処理手段への出力再開時において、保存記憶されている情報の先頭を迅速に検索することができる。
【0048】
請求項9に記載の発明によれば、請求項7に記載の発明の効果に加えて、情報の処理手段への出力再開時において、保存記憶されている情報の先頭を迅速に検索することができる。
【0049】
請求項10に記載の発明によれば、請求項7に記載の発明の効果に加えて、情報の処理手段への出力再開時において、保存記憶されている情報の先頭を迅速且つ正確に検索することができる。
【0050】
請求項11に記載の発明によれば、処理手段における処理を中断した中断情報の続きから当該中断情報が含まれている情報単位内の情報に対する処理を再開することができ、処理の中断前後における情報の連続性を確保することができる。
【0051】
従って、一時中断した情報に対する処理を再開する際に、中断時の状態から関連付けて再生することができる。
【0052】
また、一時記憶手段の記憶容量を最小限としつつ上記連続性を確保することができる。
【0053】
請求項12に記載の発明によれば、処理手段における処理を中断した中断情報の続きから当該中断情報が含まれている情報単位内の情報に対する処理を再開することができ、処理の中断前後における情報の連続性を確保することができる。
【0054】
従って、一時中断した情報に対する処理を再開する際に、中断時の状態から関連付けて再生することができる。
【0055】
また、一時記憶手段の記憶容量を最小限としつつ上記連続性を確保することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0056】
次に、本発明を実施するための最良の形態について、図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する実施形態は、インターネット等のネットワークを介して放送されているコンテンツとしての曲情報を複数曲分受信して再生するコンテンツ再生装置に対して本発明を適用した場合の実施の形態である。
【0057】
(I)第1実施形態
始めに、本発明に係る第1実施形態について、図1乃至図6を用いて説明する。
【0058】
なお、図1は第1実施形態に係るコンテンツ再生装置の概要構成を示すブロック図であり、図2及び図3は当該コンテンツ装置の細部構成及び動作を示す図であり、図4は当該コンテンツ装置の動作に伴って変化する各ポインタの内容等を例示する図であり、図5及び図6は第1実施形態に係るコンテンツ再生装置の動作を示すフローチャートである。
【0059】
図1に示すように、第1実施形態に係るコンテンツ再生装置Sは、一時記憶制御手段、保存記憶制御手段及び再生制御手段としてのCPU1と、ポインタメモリ2B並びにFIFO(First In First Out)形式でコンテンツ再生装置Sに入力されてくる曲情報を一時的に記憶する一時記憶手段及び保存記憶手段としてのリングバッファメモリ2Aを含むメモリ2と、当該曲情報が送信されてくる外部のネットワークNTに接続されているブロードバンドインターフェース3と、図示しない後述の再生一時停止キー及び再生再開キーを少なくとも含んだキーボード又はスイッチ操作部等からなる入力部4と、処理手段としてのデコーダ5と、スピーカ6と、ディスプレイ7と、上記CPU1、メモリ2、ブロードバンドインターフェース3、入力部4及びデコーダ5を情報の授受が可能に相互接続するバス8と、により構成されている。また、スピーカ6及びディスプレイ7はデコーダ5に直接接続されており、当該デコーダ5において復号された曲情報のうち、音信号として当該曲情報に含まれる部分はスピーカ6を介して放音され、画像信号として当該曲情報に含まれる部分はディスプレイ7により表示される。なお、以下に説明する第1実施形態におけるコンテンツは曲情報であるため、上記画像信号として当該曲情報に含まれる部分としては、例えば、その曲情報に対応する曲の題名、作者名又は歌詞等を示す文字情報や、その曲情報に関する著作権情報、或いはその曲情報に関する配信元の情報等が含まれている。
【0060】
上記の構成において、コンテンツ再生装置Sにおいて再生されるべき曲情報は、ネットワークNTを介して図示しない外部のサーバ装置等から放送として配信され、ブロードバンドインターフェース3において必要な入力処理が施された後、バス8を介してメモリ2内のリングバッファメモリ2Aに一時的に蓄積される。
【0061】
そして、リングバッファメモリ2Aは、後述する受信ポインタにより示される当該リングバッファメモリ2A内の領域に上記ブロードバンドインターフェース3による入力処理後の曲情報を一時的に格納し、後述する再生ポインタにより示される当該リングバッファメモリ2A内の領域に格納されている曲情報を、バス8を介してデコーダ5へ出力する。
【0062】
これにより、デコーダ5は、当該出力されてきた曲情報に対して必要な復号処理を施し、当該復号後の曲情報に含まれる音信号の部分を上記スピーカ6に出力して放音させ、当該復号後の曲情報に含まれる画像信号の部分(上記曲の題名等を示す文字情報等)を上記ディスプレイ7に出力して画像として表示させる。
【0063】
また、入力部4は、上述したように再生一時停止キー及び再生再開キーを少なくとも含み、コンテンツ再生装置Sの動作を指定するための操作が当該再生一時停止キー等を用いて使用者により実行されると、当該操作の内容に対応する操作信号を、バス8を介してCPU1へ出力する。
【0064】
これにより、CPU1は、当該操作信号に基づいて、当該操作信号により示される上記操作内容に対応した動作を実行するようにコンテンツ再生装置Sを構成する上記各構成部材を夫々制御し、後述する第1実施形態に係る再生処理を統括制御する。
【0065】
次に、上記メモリ2内に設けられているリングバッファメモリ2Aの動作について説明する。
【0066】
図2に示すように、リングバッファメモリ2Aは、例えば16メガバイトの記憶容量を有する揮発性のメモリであり、複数のセルCLに分割されたその記憶領域には、その先頭から「8000000h(hは16進数で表示された数であることを示す。以下、同様)」から「8EEEEEEh」までのアドレスが付与されている。
【0067】
そして、リングバッファメモリ2A内に何ら曲情報が記憶されていない状態で外部からの曲情報の受信処理を開始すると、その先頭アドレス(「8000000h」)に相当するセルCLから順次当該受信した曲情報が記憶されていく。その後、当該記憶処理が進行して最終アドレス(「8EEEEEEh」)に相当するセルCL内まで曲情報が記憶されると、当該最終アドレスに相当するセルCL内に記憶された曲情報の次に受信された曲情報は、先頭アドレスに相当するセルCL内に上書き記憶(すなわち、当該先頭アドレスに相当するセルCL内にそれまで記憶されていた曲情報(リングバッファメモリ2A内に記憶されているもっとも古い曲情報)を消去し、これに代えて新たな曲情報をそのセルCL内に記憶する上書き記憶)される。この上書き記憶処理が、継続して受信される曲情報についてリングバッファメモリ2A内において逐次繰り返される(図2中太矢印参照)ことで、当該リングバッファメモリ2AがFIFOメモリとして機能するのである。
【0068】
なおこのとき、図2に示す受信ポインタRPは、最新に受信された曲情報が記憶されるリングバッファメモリ2Aのアドレスを示すポインタであり、その具体的な値は上記ポインタメモリ2B内に記憶されている。また、同じく図2に示す再生ポインタPPは、次にデコーダ5に出力されるべき曲情報が記憶されているリングバッファメモリ2Aのアドレスを示すポインタであり、その具体的には値は上記ポインタメモリ2B内に記憶されている。そして、上記受信ポインタRPにより示されるアドレスに相当するセルCLと再生ポインタPPにより示されるアドレスに相当するセルCLとの間の記憶容量は、例えば、ネットワークNTの回線速度が100キロbps(bit per second)の場合は12.5キロバイト(受信される曲情報が音声情報である場合は再生時間1秒分に相当する)とされている。すなわち、リングバッファメモリ2Aに曲情報が記憶され始める受信処理当初においては、12.5キロバイトの曲情報の受信処理及び記憶処理が完了してからデコーダ5への出力が開始されるのであり、当該出力開始後は、12.5キロバイトの情報量差を常に維持しながら、再生ポインタPPが受信ポインタRPに追随しつつ、その受信処理、上書き記憶及び再生処理が一連の曲情報の再生処理完了まで繰り返し継続されることとなる。
【0069】
次に、上述したコンテンツ再生装置Sの構成を前提とした、第1実施形態に係る曲情報の再生制御処理について、図3及び図4を用いて説明する。
【0070】
なお、図3(a)及び(b)は曲情報の受信処理及び再生処理が通常状態で行われている間のリングバッファメモリ2A内の状態を例示する図であり、図4(a)乃至(c)は同じく通常の曲情報の受信処理及び再生処理が行われている間のポインタメモリ2B内に記憶されている情報の内容を例示する図である。また、図3(c)は曲情報の受信処理及び再生処理が通常状態で行われているときに入力部4内の再生一時停止キーが操作された後であって受信ポインタRPが再生ポインタPPよりも先のアドレスまで進んでいないときのリングバッファメモリ2A内の状態を例示する図であり、図4(c)及び(d)は図3(b)又は(c)に例示されるタイミングにおいてポインタメモリ2B内に記憶されている情報の内容を例示する図である。更に、図3(d)は図3(c)の場合と同様にして再生一時停止キーが操作された後であって受信ポインタRPが再生ポインタPPよりも先のアドレスまで進んでしまったときのリングバッファメモリ2A内の状態を例示する図であり、図4(e)及び(f)は図3(d)に例示されるタイミングにおいてポインタメモリ2B内に記憶されている情報の内容を例示する図である。
【0071】
更にまた、以下の第1実施形態では、ポインタメモリ2B内には、図4(a)、(c)及び(e)に例示するコンテンツリストCLと、図4(b)、(d)及び(f)に例示するポインタリストPLと、が記憶されている。このうち、コンテンツリストCLは、例えば図4に例示するように16曲分の領域が予め準備されており、各曲毎に、その曲の受信順を示す番号(曲自体を他の曲から識別するための番号ではなく、単に受信した順に付される番号である)である曲順番と、その曲が記憶されているリングバッファメモリ2A内の領域の先頭を示すスタートアドレスと、を記憶する領域が設定されている。一方、ポインタリストPLは、入力部4内の再生一時停止キーが操作されたときに再生されていた曲のスタートアドレスを記憶する一旦停止フラグ領域Fと、再生ポインタPPが現在指し示しているアドレス(すなわち、リングバッファメモリ2Aからデコーダ5に出力されるデータが記憶されているアドレス)を記憶する再生ポインタ領域PAと、受信ポインタRPが現在指し示しているアドレス(すなわち、受信後にデータが格納されたリングバッファメモリ2Aのアドレス)を記憶する受信ポインタ領域RAと、が、設定されている。
【0072】
先ず、受信される曲情報は、各曲毎に複数のパケットに分割されており、一の曲の先頭に位置して受信されるパケットは、当該曲情報内におけるその曲の順番を示す曲順番と、そのパケットがその曲における先頭のパケットであることを示す識別データと、実際の曲としての音データと、により構成されている。また、当該先頭に位置して受信されるパケット以外の後続のパケットは、当該後続のパケットであることを示す識別データと、そのパケットとしての音データと、により構成されている。
【0073】
そして、リングバッファメモリ2Aが全て空である状態において曲情報の受信処理が開始されると、当該受信された曲情報が各曲毎に一纏まりとして順次リングバッファメモリ2A内に記憶されていき、一の曲に相当する曲情報が受信される度に、その曲の曲順番と、その曲の先頭を受信したときに受信ポインタRPが示していたリングバッファメモリ2Aのアドレス(以下、コンテンツポインタと称する)と、が一組として、順次対応するコンテンツリストCL内に格納されていく。
【0074】
すなわち、例えば図3(a)は、一番目の曲に対応する曲情報C1から順に六番目の曲に対応する曲情報C6までのリングバッファメモリ2Aへの記憶が完了しており、更に七番目の曲に対応する曲情報C7の途中までの記憶が終了している状態を例示している。このとき、受信ポインタRPは、当該曲情報C7の途中までが受信されているリングバッファメモリ2Aの位置にあり、従って、このタイミングにおける受信ポインタRPと曲情報C1の先頭を示すコンテンツポインタCP1との間の領域は空領域Eとなっている。
【0075】
また、この図3(a)の例に対応した内容のコンテンツリストCLは図4(a)に示すものであり、当該コンテンツリストCLは、曲情報C1乃至C6までの記憶が完了し、曲情報C7の記憶が完了していないこと(換言すれば、曲情報C8の先頭アドレスが記憶されていないことがその理由となる)を示している。そして、曲情報C1乃至C7夫々のコンテンツポインタCP1乃至CP7が示すアドレス(すなわち、各曲情報C1乃至C7の記憶が夫々開始されているリングバッファメモリ2A上のアドレス)は、順に、「8000000h」、「828EFFFh」、「85AEDCBh」、「8876EDFh」、「8B9ABC5h」、「8D25A54h」及び「8E97DCAh」と例示されている。
【0076】
一方、曲情報の受信処理を開始した後、上述した12.5キロバイトの情報がリングバッファメモリ2A内に記憶されたタイミングから、当該リングバッファメモリ2Aからデコーダ5への出力を、受信順に開始する。これにより、図3(a)に示すように、12.5キロバイトの間隔を空けて再生ポインタPPが受信ポインタRPを追随しながら、各曲情報C1乃至C7の受信処理及びデコーダ5への出力が行われる。
【0077】
ここで、曲情報の受信処理及び再生処理が開始されると、受信ポインタRPが示すアドレス及び再生ポインタPPが示すアドレス夫々が更新されつつ曲情報の受信処理と再生処理とが継続されることに応じて、図4(b)に例示するように再生ポインタ領域PA及び受信ポインタRA夫々の内容が更新される。
【0078】
例えば、図3(a)に対応した図4(b)に示す場合、再生ポインタPPは曲情報C6の途中の位置を示しているため(図3(a)参照)、図4(b)に示す再生ポインタ領域PA内に記憶されているアドレスも曲情報C6の途中の位置を示すアドレス「8DFA981h」となっている。また、受信ポインタPPは、曲情報C7の途中の位置を示しているため(図3(a)参照)、図4(b)に示す受信ポインタ領域RA内に記憶されているアドレスも曲情報C7の途中の位置を示すアドレス「8F56789h」となっている。
【0079】
なお、図3(a)及び図4(b)に例示する場合、再生一時停止キーの操作は行われていないため、一旦停止フラグ領域F内の値は無効な値「0000000h」となっている。
【0080】
次に、図3(a)に例示する状態から更に曲情報の受信処理及び再生処理が進行し、曲情報の先頭からの受信量がリングバッファメモリ2Aの記憶可能容量を越えると、コンテンツポインタCP1が示すアドレスよりも受信ポインタRPが示すアドレスの方がリングバッファメモリ2A上で先になり、新たに受信された曲情報により元の曲情報C1がその先頭から上書きされることになる。
【0081】
より具体的には、図3(a)に示す状態から更に曲情報C7の受信処理が継続されると、元の曲情報C1がその曲情報C7により上書きされる状態で当該曲情報C7がリングバッファメモリ2A内に記憶される。そして、当該曲情報C7に引き続き曲情報C8以降が受信され、順次それまでリングバッファメモリ2Aに記憶されていた曲情報C2等が上書きされることで、当該新たな曲情報C8以降が順次リングバッファメモリ2Aに記憶されていく。なお、この曲情報C7以降のリングバッファメモリ2Aへの記憶に引き続いて、当該記憶された各曲情報の再生処理も行われる。すなわち、図3(b)に示す場合では、曲情報C7に引き続いて曲情報C8及びC9が既に上書き記憶されており、更に曲情報C10が記憶中となっている。そして、再生ポインタPPがコンテンツポインタCP10の先のアドレスを示していることから、再生処理は、曲情報C7乃至C9については完了しており、引き続いて曲情報C10が再生処理に供され始めていることになる。
【0082】
次に、図3(b)に例示するように、既に記憶されている曲情報が新たに受信された曲情報により上書き記憶されているときのコンテンツリストCLの更新状態について説明する。
【0083】
第1実施形態においては、受信ポインタRPが曲情報の受信に伴って順次更新されているとき、曲情報の先頭からの受信量がリングバッファメモリ2Aの記憶可能容量を越えるとき、当該受信ポインタRPにより示されるアドレスが過去において記憶されていた曲情報に対応するコンテンツポインタ(図3(b)に例示する場合は例えばコンテンツポインタCP1)により示されるアドレスと一致することとなる。このとき、コンテンツリストCL上では、上書きされる曲情報のコンテンツポインタを「0000000h」に書き換える。この処理が古い曲情報が上書きされるたびに繰り返されることで、既に上書きされた曲情報が曲順番で何番目なのかが判別可能になるのである。より具体的には、図3(b)に例示する場合に対応する図4(c)のコンテンツリストCLでは、図3(a)に例示される状態から継続して曲情報が受信されたことにより少なくとも一部が上書きされてしまった曲情報C1乃至C4については、対応する曲順番のアドレスが全て「0000000h」となっている。そして、この状態がコンテンツリストCLが全て埋ってしまうまで保存されるので、過去に記憶されたどの曲情報までが有効にリングバッファメモリ2A内に記憶されているかが確認できるのである。
【0084】
次に、図3(a)に例示する状態において入力部4内の再生一時停止キーが操作された場合のリングバッファメモリ2A及びコンテンツリストCL並びにポインタリストPLの内容について、図3(c)、図4(c)及び図4(d)を用いて説明する。
【0085】
図3(a)に例示する状態において上記再生一時停止キーが操作されると、曲情報の再生処理を一時停止すべく、デコーダ5はその時点でリングバッファメモリ2Aから出力されてきている曲情報を復号してスピーカ6及びディスプレイ7に出力した後、一時的にその動作を停止させる。これにより、再生ポインタPPは、図3(a)に例示する位置で更新が停止される。
【0086】
このとき、一旦停止フラグ領域F内には、当該再生一時停止キーが操作されたときに再生されていた曲に対応する曲情報(図3(a)に例示する場合は曲情報C6)のスタートアドレスである「8D25A54h」が記憶される。これに加えて、再生ポインタ領域PA内には、再生処理の一時停止が解除されるまでの間、停止している再生ポインタPPにより示されるアドレス(図3(a)並びに図4(c)及び(d)に示される場合は「8E02150h」)が記憶され続ける。なお、再生処理を一時的に停止しても、放送により配信される曲情報の受信処理は継続されているため、受信ポインタRPは、例えば上記図3(b)を用いて説明した場合と同様に進み続け、結果として、曲情報C10の一部までが受信されて記憶されることで曲情報C1乃至C4が上書き記憶された図3(c)に例示する状態では、再生ポインタPPにより示されるアドレスは図3(a)の状態から変化しないものの、受信ポインタRPにより示されるアドレスは図3(b)において例示した場合と同じアドレス(例えば「8A95DC7h」)まで更新され、更に受信ポインタ領域RA内の内容及びコンテンツリストCLの内容は、夫々図4(c)及び図4(d)に例示されるように更新される。
【0087】
次に、再生一時停止キーにより曲情報の再生処理が一時停止されたまま新たな曲情報の受信処理が更に進んだ場合について、図3(d)、図4(e)及び図4(f)を用いて説明する。
【0088】
上述したように、図3(c)に例示した状態で再生処理が一時停止されたまま新たな曲情報の受信処理が継続されると、再生ポインタPPが示すアドレスは不変のまま、受信ポインタRPが示すアドレスは進み続け、その後に上記再生一時停止キーが操作されたときに再生されていた曲に対応する曲情報(図3(c)及び図3(d)に例示する場合は曲情報C6。以下一時停止曲情報C6と称する)のスタートアドレスである「8D25A54h」に到達する。
【0089】
このとき、第1実施形態に係る再生制御処理においては、一時停止フラグ領域Fの内容を確認することで一時停止曲情報C6のスタートアドレスに受信フラグRPが到達したことが検出されると、そのときに受信していた曲情報が一の曲の途中であっても、受信ポインタRPは、当該一時停止曲情報C6の次にリングバッファメモリ2A内に記憶されている曲情報(図3(c)及び図3(d)に例示する場合は曲情報C7)のスタートアドレスに飛び、そこから更に受信されて来る曲情報の上書き記憶を継続する。
【0090】
より具体的には、例えば、図3(d)並びに図4(e)及び(f)に例示する場合、曲情報C7乃至C10が受信された後、コンテンツポインタCP11(そのアドレスは、「8B5567Ah」)をスターアドレスとして曲情報C11がリングバッファ2Aに記憶される。そして、当該曲情報C11の記憶が、曲情報C5が記憶されていたリングバッファメモリ2Aの領域内で終了すると、引き続きコンテンツポインタCP12(そのアドレスは、「8CA978Ch」)をスタートアドレスとして曲情報C12の記憶が開始される。なおこのときでも、再生ポインタPPの示すアドレスは、一時停止曲情報C6内のアドレス(「8E02150h」)のままである。
【0091】
次に、曲情報C12の記憶が継続されると、受信ポインタRPは、一時停止曲情報C6のスタートアドレス(一時停止フラグ領域F内に記憶されているものであり、図3(c)及び(d)の場合は「8D25A54h」)に到達する。そして、更に曲情報C12の残りのデータが更に受信されると、当該更に受信されたデータは、一時停止曲情報C6の次の曲情報C7のコンテンツポインタC11のアドレスである「8E97DCAh」からその曲情報C12の最後まで引き続き記憶される。従って、上述した再生制御処理に基づいて曲情報のリングバッファメモリ2Aへの記憶が進行した場合、図3(d)に例示するように、一時停止曲情報C6が記憶されているリングバッファメモリ2Aの領域が、二つに分割された曲情報C12の記憶されている領域に挟まれる形となる。なお、図3(d)においては、曲情報C12の前半部分が記憶されている領域を符号C12−1で示しており、曲情報C12の後半部分が記憶されている領域を符号C12−2と示している。
【0092】
また、図4(e)に例示するコンテンツリストCLでは、上述した再生制御処理が実行された結果、曲順番が「7」である曲情報C7のスタートアドレスは、当該曲情報C7が上書き記憶により消去されたことを示す「0000000h」に書き換えられ、更に、一時停止曲情報C6を挟んで記憶される曲情報C12の後半部分のスタートアドレスが、元の曲情報C7のスタートアドレスである「8E97DCAh」と記憶されている。なお、図4(e)に例示するコンテンツリストCLにおいては、上記曲情報C12の後半部分を示す曲順番は、その曲順番で示される曲情報がそれの直前の曲順番である「12」が対応する曲情報C12の一部であることを示す「00」とされている。
【0093】
更に、図4(f)に例示するポインタリストPL内の一時停止フラグ領域F内には依然として一時停止曲情報C6のスタートアドレスである「8D25A54h」が記憶されており、更に再生ポインタ領域PA内には一時停止している再生ポインタPPが示すアドレス「8E02150h」が依然として記憶されている。これに対し、受信ポインタ領域RA内には、継続されている曲情報の受信量に従って進行する受信ポインタRPが示すアドレス(図3(d)及び図4(f)に示す場合は、曲情報C12の後半部分の受信・記憶によって上書きされた曲情報C7が記憶されていた領域内のアドレスである「81A5468h」)が記憶され且つその後の曲情報の更なる受信処理の進行に従って逐次更新されていく。そして、更に新たな曲情報の受信処理が進行し、受信ポインタRPが示すアドレスが図3(d)に示すコンテンツポインタCP6まで到達した場合は、再度当該曲情報C6が記憶されているリングバッファメモリ2A内の領域を飛ばして受信ポインタRPが進行し、当該曲情報C6を残したまま新たな曲情報の記憶が継続する。
【0094】
次に、現在一時停止されている曲情報の再生処理が再開される場合について、図3(d)を用いて説明する。
【0095】
入力部4における再生再開キーが使用者により操作されることでリングバッファメモリ2A内の曲情報の再生処理が再開されると、現在再生ポインタPPが示している曲情報C6中のアドレス「8E02150h」からデータをデコーダ5へ出力し、その再生処理を再開する。
【0096】
そして、曲情報C6の再生処理が完了すると、次に再生ポインタRPは、曲情報C6より後に記憶された曲情報のうち、図4(e)に例示するコンテンツリストCLにおける曲順番が「00」でない最初の曲情報のスタートアドレスに移動する。すなわち、例えば図3(d)に例示する場合は、曲情報C6の再生処理が完了したときに未だ受信ポインタRPがコンテンツポインタCP8より前にあるときは、当該曲情報C6を再生した後の再生ポインタRPは、当該コンテンツポインタCP8により示されるアドレス「8205AACh」に移動し曲情報C8の再生処理を継続することとなる。
【0097】
次に、図3及び図4を用いて説明した第1実施形態に係る再生制御処理においてCPU1を中心として実行される処理の細部について、より具体的に図5及び図6を用いて説明する。
【0098】
なお、図5(a)は当該再生制御処理の全体を示すフローチャートであり、図5(b)はリングバッファメモリ2Aへの曲情報の記憶を実行中においてデコーダ5を用いた再生処理を行う際に実行される割込処理を示すフローチャートであり、図5(c)は曲情報の再生処理を実行中においてその一時停止を行うべく上記入力部4内の再生一時停止キーが操作されたときに実行される割込処理を示すフローチャートであり、図6は曲情報を受信してリングバッファメモリ2Aに記憶しつつ且つコンテンツリストCLの内容を更新する割込処理を示すフローチャートである。ここで、図5(b)及び(c)並びに図6に夫々示される割込処理は、図5(a)に示される処理が開始された後は随時許可されるものである。
【0099】
図5(a)に示すように、第1実施形態に係る曲情報の再生処理においては、リングバッファメモリ2Aに何ら曲情報が記憶されていない状態で、先ず、一時停止フラグ、受信ポインタRP及び再生ポインタPPが夫々「0000000h」、「8000000h」及び「8000000h」に初期化し、更にコンテンツリストCL内の情報を全て消去した後、当該コンテンツリストCLにおいて次の曲順番の曲情報として格納すべきアドレスを示すパラメータであるパラメータSADR_CLISTをコンテンツリストCLにおける先頭の領域を示すアドレスに設定し、更に曲情報を構成するデータを受信するための割込処理(図6に示すフローチャートにより示される割込処理)の実行を許可する(ステップS1)。
【0100】
そして、当該割込処理が実行されることで曲情報が順次受信されてリングバッファメモリ2A内に記憶され始めると、次に、受信ポインタRPにより示されるアドレスと再生ポインタPPにより示されるアドレスとの間の領域に記憶されている曲情報の情報量が、例えば12.5キロバイト以上となったか否かの監視を開始する(ステップS2)。
【0101】
当該ステップS2の処理において、監視している情報量が12.5キロバイト以上でないときは(ステップS2;NO)、再生ポインタPPを進行させることなく停止させたまま(現在の再生ポインタPPとしてのアドレスは、初期化状態のままの「8000000h」である)曲情報の受信処理を継続しつつ受信済みの曲情報の情報量に対応して受信ポインタRPを進行させ、一方、監視している情報量が12.5キロバイト以上となったときは(ステップS2;YES)、デコーダ5へのリングバッファメモリ2Aからの出力のための割込処理(図5(b)に示す割込処理)の実行を許可し(ステップS3)、引き続き曲情報の受信処理を継続すべく上記ステップS2の処理に戻る。そして、図5(a)に示す処理は、例えばコンテンツ再生装置Sの電源スイッチが「断」とされるまで繰り返し継続される。
【0102】
次に、必要量の曲情報がリングバッファメモリ2A内に記憶され且つ上記ステップS3が実行された後にその実行が許可されるデコーダ5へのリングバッファメモリ2Aからのデータの出力処理について、具体的に図5(b)を用いて説明する。
【0103】
デコーダ5からの要求によりデコーダ5に対するリングバッファメモリ2Aからの曲情報の出力を開始して曲の再生処理を開始した後においては、リングバッファメモリ2Aからその曲の最後のデータを出力したか否か野監視を開始し(ステップS10)、曲の最後までリングバッファメモリ2Aからデータを出力していないときは(ステップS10;NO)、次に出力すべきデータを一バイト分デコーダ5へ出力し、再生ポインタPPを当該一バイト分だけ進め(ステップS11)、更にデコーダ5からの次のデータ要求があるか否かを確認する(ステップS13)。そして、次のデータ要求があるときは(ステップS13;NO)引き続きそのデータ要求に対応して曲情報のデータを出力すべく上記ステップS13に戻り、一方、次のデータ要求がないときは(ステップS13;YES)、曲情報の再生処理が停止されていることとなるので、そのまま割込処理を停止して図5(a)に示す処理に戻る。
【0104】
他方、上記ステップS10の判定において、一の曲に対応する最後のデータを出力したときは(ステップS10;YES)、コンテンツリストCLを参照して曲順番の内容が「00」でないスタートアドレスのうち、現在の再生ポインタRPにより示されるアドレスの次にあるスタートアドレスから記憶されている曲情報を再生すべくその次にあるスタートアドレスに再生ポインタPPを移動させ(ステップS12)、以後上記ステップS13以降の処理を継続する。
【0105】
以上説明した図5(b)に示す処理により、再生ポインタPPにより示されるアドレスを更新しつつ曲情報のデコーダ5への出力が、入力部4において再生停止の操作が為されるまで実行される。
【0106】
次に、当該曲情報の再生処理中において入力部4における再生一時停止キーが操作された場合の処理について、具体的に図5(c)を用いて説明する。
【0107】
曲情報の再生処理中において入力部4内のいずれかのキーが操作された場合、図5(c)に示すように、先ずその操作されたキーが再生一時停止キーであるか否かが確認され(ステップS15)、それが再生一時停止キーであるときは(ステップS15;YES)、デコーダ5からのデータ要求情報の出力を禁止し、その時に再生ポインタPPが示していたアドレスを含む曲情報(図3及び図4に示す場合は曲情報C6)のスタートアドレス(図3及び図4に示す場合は「8D25A54h」)を一時停止フラグ領域F内に記憶させ(ステップS16)、図5(c)に示す割込処理を終了して図5(a)に示す処理に戻る。
【0108】
一方、ステップS15の判定において、操作されたキーが再生一時停止キーでないときは(ステップS15;NO)、次にその操作されたキーが再生再開キーであるか否かが確認され(ステップS17)、操作されたのが再生再開キーであるときは(ステップS17;YES)、デコーダ5からのデータ要求情報の出力を解禁し、一時停止フラグ領域Fの内容を初期状態の「0000000h」に書き換えて(ステップS18)、図5(c)に示す割込処理を終了して図5(a)に示す処理に戻る。他方、ステップS17の判定において、操作されたのが再生再開キーでもないときは(ステップS17;NO)、その時に操作された他のキーに対応して必要な処理を実行し、図5(a)に示す処理に戻る。
【0109】
次に、図5(a)に示すステップS1の処理が終了した後に実行される曲情報受信のための割込処理について、具体的に図6を用いて説明する。
【0110】
当該割込処理においては、始めにネットワークNTを介して送信されてくるパケットを受信し(ステップS20)、その受信したパケットが一つの曲の先頭を示す上記スタートパケットであるか否かを確認する(ステップS21)。
【0111】
そして、そのパケットがスタートパケットでないときは(ステップS21;NO)そのまま後述するステップS24の処理に移行し、そのパケットがスタートパケットであるときは(ステップS21;YES)、その時にパラメータSADR_CLISTが示しているコンテンツリストCLの欄(組)にそのスタートパケットを受信したときに受信ポインタRPにより示されていたアドレスを記述し、対応する曲順番も記述し(ステップS22)、当該パラメータSADR_CLISTの値を欄一つ分だけ更新する(ステップS23)。
【0112】
次に、受信済みの曲情報の情報量を一時的に示すパラメータであるパラメータTempADRの値を、現在の受信ポインタRPにより示されるアドレスにその後に受信された曲情報の情報量を加算した値とし(ステップS24)、次に、現在のコンテンツリストCL内に、現在のパラメータTempADRにより示されるアドレスと現在の受信ポインタRPにより示されるアドレスとの間にあるスタートアドレスが存在しているか、すなわち、リングバッファメモリ2Aにおいて古い曲情報のスタートアドレス(コンテンツポインタ)を越える情報量の新しい曲情報が受信されているか否かを確認する(ステップS25)。
【0113】
そして、現在のパラメータTempADRにより示されるアドレスと現在の受信ポインタRPにより示されるアドレスとの間にあるスタートアドレスが現在のコンテンツリストCL内に存在していないときは(ステップS25;NO)、現在までに受信された曲情報により古い曲情報が新たに上書きされることがないことになるので、そのまま受信したデータをリングバッファメモリ2Aに記憶し、受信ポインタRPにより示されるアドレスを現在のパラメータTempADRにより示されるアドレスに更新し(ステップS28)、元の図5(a)におけるステップS2以降の処理に戻る。
【0114】
一方、上記ステップS25の判定において、現在のパラメータTempADRにより示されるアドレスと現在の受信ポインタRPにより示されるアドレスとの間にあるスタートアドレスが現在のコンテンツリストCL内に存在しているときは(ステップS25;YES)、次に、そのスタートアドレスが一時停止フラグ領域F内に記憶されているアドレスと同一か否か、すなわち、一時停止曲情報(図3及び図4に示す場合は曲情報C6)として保存されるべき曲情報が上書きされようとしているか否かを確認する(ステップS26)。そして、そのスタートアドレスが一時停止フラグ領域F内に記憶されているアドレスとは異なる場合は(ステップS26;NO)、そのスタートアドレスから開始される曲情報は上書き記憶されても問題ない曲情報であることになるので、そのスタートアドレスを「0000000h」としてコンテンツリストCLを更新し(図4(c)又は(e)参照。ステップS27)、上記ステップS28の処理に移行する。
【0115】
他方、ステップS26の判定において、そのスタートアドレスが一時停止フラグ領域F内に記憶されているアドレスとは同一の場合は(ステップS26;YES)、そのスタートアドレスから始る曲情報はリングバッファメモリ2A内に保存記憶しておく必要がある曲情報なので(図3(c)又は(d)参照)、次に今受信しているパケットをそのスタートアドレスにより示されているアドレスまでリングバッファメモリ2A内に記憶した後当該パケットの記憶を一時中断する(図3(d)の曲情報C12−1参照。ステップS29)。次に、受信済みの曲情報の情報量を一時的に示す他のパラメータであるパラメータTempADR1の値を、コンテンツリストCL上で保存記憶すべき曲情報のスタートアドレスの次に記憶されているスタートアドレスの値(図4(c)に例示する場合は、曲順番「7」の「8E97DCAh」)に設定した上で、当該次に記憶されているスタートアドレスの値を「0000000h」とする(図4(e)の曲順番「7」参照。ステップS30)。そして、ステップS29の処理において一時中断していたパケットのリングバッファメモリ2Aへの記憶を、現在のパラメータTempADR1により示されるアドレスから再開し、受信ポインタRPにより示されるアドレスを、現在のパラメータTempADR1により示されるアドレスから現在一時停止フラグ領域F内に記憶されているアドレスを減算した値を現在のパラメータTempADRにより示されるアドレスに対して加算した値に更新し(ステップS31)、元の図5(a)におけるステップS2以降の処理に戻る。
【0116】
ここで、上記ステップS24からS26を経てステップS29乃至S31に至る処理を更に具体的に図3(d)を用いて説明すると、先ず、ステップS26の判定が「YES」となった時点では、図3(d)に例示する場合では受信ポインタRPにより示されるアドレスはコンテンツポインタCP12−1により示されるアドレスとなっている。この状態でステップS29の処理を実行すると、パラメータTempADRの値は、
TempADR=受信ポインタRPにより示されるアドレス(=コンテンツポイン
タCP12−1により示されるアドレス)+曲情報C12−1の
情報量
となる。
【0117】
そして、更にステップS30乃至S31の処理が実行されると、その時には新たな曲情報C12−2のリングバッファメモリ2Aへの記憶が完了していることになるので、結局、パラメータTempADRの値が
TempADR=受信ポインタRPにより示されるアドレス(=コンテンツポイン
タCP12−1により示されるアドレス)+曲情報C12全体の
情報量
となっているから、これに、保存記憶されるべき曲情報C6の情報量(=現在のパラメータTempADR1により示されるアドレス−一時停止フラグ領域F内に記憶されているアドレス)を加えれば、現在の受信ポインタRPにより示されるべきアドレス(図3(d)符号RP参照)が(ステップS31に示される式により)算出できることとなる。
【0118】
以上説明したように、第1実施形態に係るコンテンツ再生装置Sにおける再生制御処理によれば、デコーダ5に対するリングバッファメモリ2Aからのデータ出力を一時停止する際に、再生一時停止キーが操作されたタイミングでリングバッファメモリ2Aから出力されていたデータを含む曲情報(図3及び図4の場合は曲情報C6)を保存記憶し、一時停止していたデータのデコーダ5への出力を再開するとき、保存記憶されているデータから当該出力を再開するので、デコーダ5における再生処理を一時停止した曲情報の続きやその先頭から再生処理を再開することができ、再生処理の中断前後における曲情報の連続性を確保することができる。
【0119】
また、再生処理の一時停止が指示されたタイミングでリングバッファメモリ2Aから出力されていたデータを含む曲情報のみを保存記憶し、その他の曲情報については最も古い記憶済みの曲情報を書き換えつつ新たな曲情報を取得するので、リングバッファメモリ2Aの記憶容量を最小限としつつ上記連続性を確保することができる。
【0120】
更に、他のメモリ等を使用することなくリングバッファメモリ2A内に必要な保存記憶を実行することができるので、コンテンツ再生装置S全体としての構成の簡略化が可能となる。
【0121】
更にまた、デコーダ5への出力を一時停止する際に、その一時停止が指示されたタイミングで当該デコーダ5に出力されていたデータを含む曲情報全体が保存記憶されるので、その曲情報の全てを対象としてデコーダ5に対する出力を再開することができる。
【0122】
また、保存記憶される曲情報の先頭を示すアドレスをポインタリストPLに保存記憶させるので、デコーダ5への出力再開時において、保存記憶されている曲情報の先頭を迅速に検索することができる。
【0123】
更に、保存記憶される曲情報の先頭を示すスタートアドレスをポインタリストPLに保存記憶させるので、デコーダ5への出力再開時において、保存記憶されている曲情報の先頭を迅速且つ正確に検索することができる。
【0124】
(II)第2実施形態
次に、本願に係る他の実施形態である第2実施形態について、図7及び図8を用いて説明する。なお、図7及び図8は第2実施形態に係るコンテンツ再生装置の動作を示すフローチャートである。また、第2実施形態に係るコンテンツ再生装置の構成は、第1実施形態に係るコンテンツ再生装置Sの構成と基本的に同様であるので、同様の部材番号を用いて説明し対応する細部説明は省略する。更に、第1実施形態において図3及び図4を用いて説明した例をそのまま引用して以下の第2実施形態に係る再生制御処理を説明する。
【0125】
上述した第1実施形態では、再生処理が一時停止された曲情報C6をリングバッファメモリ2A内に領域を確保して保存記憶する構成としたが、以下に説明する第2実施形態では、メモリ2内のリングバッファメモリ2A及びポインタメモリ2B以外の領域(以下、当該領域をバッファ領域と称する)に当該曲情報C6を移動して保存し、リングバッファメモリ2Aは専ら受信した曲情報の一時記憶処理にのみ使用する。
【0126】
次に、第2実施形態に係る再生制御処理について、具体的に図7及び図8を用いて説明する。
【0127】
なお、図7(a)は当該再生制御処理の全体を示すフローチャートであり、図7(b)はリングバッファメモリ2Aへの曲情報の記憶を実行中においてデコーダ5を用いた再生処理を行う際に実行される割込処理を示すフローチャートであり、図7(c)は曲情報の再生処理を実行中においてその一時停止を行うべく上記入力部4内の再生一時停止キーが操作されたときに実行される割込処理を示すフローチャートであり、図8は曲情報を受信してリングバッファメモリ2Aに記憶しつつ且つコンテンツリストCLの内容を更新する割込処理を示すフローチャートである。ここで、図7(b)及び(c)並びに図8に夫々示される割込処理は、図7(a)に示される処理が開始された後は随時許可されるものである。
【0128】
図7(a)に示すように、第2実施形態に係る曲情報の再生処理においては、リングバッファメモリ2Aに何ら曲情報が記憶されていない状態で、先ず、一時停止フラグ、受信ポインタRP及び再生ポインタPPが夫々「0000000h」、「8000000h」及び「8000000h」に初期化し、更にコンテンツリストCL内の情報を全て消去した後、第1実施形態と同様の意味を有するパラメータSADR_CLISTをコンテンツリストCLにおける先頭の領域を示すアドレスに設定し、更に曲情報を構成するデータを受信するための割込処理(図8に示すフローチャートにより示される割込処理)の実行を許可する(ステップS40)。これに加えて、ステップS40では、入力部4において一時停止のための操作が為されたときに再生されていたデータを含む曲情報のコンテンツリストCLにおける曲順番(以下、単に一時停止曲順番と称する)も併せて「00」に初期化する。なお、当該一時停止曲順番を示す情報は、メモリ2内のコンテンツリストCL及びポインタリストPL以外の領域に記憶されている。
【0129】
そして、図8に示す割込処理が実行されることで曲情報が順次受信されてリングバッファメモリ2A内に記憶され始めると、次に、受信ポインタRPにより示されるアドレスと再生ポインタPPにより示されるアドレスとの間の領域に記憶されている曲情報の情報量が、例えば12.5キロバイト以上となったか否かの監視を開始する(ステップS41)。
【0130】
当該ステップS41の処理において、監視している情報量が12.5キロバイト以上でないときは(ステップS41;NO)、再生ポインタPPを進行させることなく停止させたまま(現在の再生ポインタPPとしてのアドレスは、初期化状態のままの「8000000h」である)曲情報の受信処理を継続しつつ受信済みの曲情報の情報量に対応して受信ポインタRPを進行させ、一方、監視している情報量が12.5キロバイト以上となったときは(ステップS41;YES)、デコーダ5へのリングバッファメモリ2Aからの出力のための割込処理(図7(b)に示す割込処理)の実行を許可し(ステップS42)、引き続き曲情報の受信処理を継続すべく上記ステップS41の処理に戻る。そして、図7(a)に示す処理は、例えば第2実施形態に係るコンテンツ再生装置の電源スイッチが「断」とされるまで繰り返し継続される。
【0131】
次に、必要量の曲情報がリングバッファメモリ2A内に記憶され且つ上記ステップS42が実行された後にその実行が許可されるデコーダ5へのリングバッファメモリ2Aからのデータの出力処理について、具体的に図7(b)を用いて説明する。
【0132】
デコーダ5からの要求によりデコーダ5に対する曲情報の出力を開始して曲の再生処理を開始した後においては、先ず、そのデコーダ5に対する曲情報の出力が、リングバッファメモリ2Aからの出力か或いは第2実施形態に係るバッファ領域からの出力かを確認する(ステップS45)。そして、当該出力がリングバッファメモリ2Aからの出力であるときは(ステップS45;YES)、次に、そのリングバッファメモリ2Aからその曲の最後のデータを出力したか否かを監視し(ステップS46)、曲の最後までリングバッファメモリ2Aからデータを出力していないときは(ステップS46;NO)、次に出力すべきデータを一バイト分デコーダ5へ出力し、再生ポインタPPを当該一バイト分だけ進め(ステップS49)、更にデコーダ5からの次のデータ要求があるか否かを確認する(ステップS51)。そして、次のデータ要求があるときは(ステップS51;NO)引き続きそのデータ要求に対応して曲情報のデータを出力すべく上記ステップS45に戻り、一方、次のデータ要求がないときは(ステップS51;YES)、曲情報の再生処理が停止されていることとなるので、そのまま割込処理を停止して図7(a)に示す処理に戻る。
【0133】
他方、上記ステップS46の判定において、一の曲に対応する最後のデータを出力したときは(ステップS46;YES)、コンテンツリストCLを参照して曲順番の内容が「00」でないスタートアドレスのうち、現在の再生ポインタRPにより示されるアドレスの次にあるスタートアドレスから記憶されている曲情報を再生すべくその次にあるスタートアドレスに再生ポインタPPを移動させ(ステップS48)、以後上記ステップS51以降の処理を継続する。
【0134】
更に、上記ステップS45の判定において、デコーダ5に対する曲情報の出力がリングバッファメモリ2Aからの出力でない、すなわち、上記バッファ領域に記憶されていた曲情報の出力であるときは(ステップS45;NO)、次に、そのバッファ領域からその曲の最後のデータを出力したか否かを監視し(ステップS47)、曲の最後までバッファ領域からデータを出力していないときは(ステップS47;NO)、上述したステップS49及びS51の処理に移行する。
【0135】
一方、ステップS47の判定において、曲の最後までバッファ領域からデータが出力されたときは(ステップS47;YES)、次に、現在のコンテンツリストCLの内容を参照することで、コンテンツリストCLにおいてスタートアドレスが「0000000h」ではなく、且つ、一時停止曲情報C6以降の曲順番で当該一時停止曲情報C6に最も近い曲順番を有する曲情報のスタートアドレスを再生ポインタPPにより示されるアドレスに設定し(ステップS50)、以後、上述したステップS51の処理に移行する。
【0136】
以上説明した図7(b)に示す処理により、再生ポインタPPにより示されるアドレスを更新しつつ曲情報のデコーダ5への出力が、入力部4において再生停止の操作が為されるまで実行され、上記バッファ領域に格納されている曲情報(すなわち、これより前に曲の再生処理が一時停止された場合であって、その一時停止のための操作が入力部4において実行されたときに再生されていた曲情報(第2実施形態の場合は曲情報C6))がデコーダ5に出力されている場合は、それに継続してリングバッファメモリ2Aに記憶されている次の有効なスタートアドレスを有する曲情報がデコーダ5に出力され始めることとなる。
【0137】
次に、当該曲情報の再生処理中において入力部4における再生一時停止キーが操作された場合の処理について、具体的に図7(c)を用いて説明する。
【0138】
曲情報の再生処理中において入力部4内のいずれかのキーが操作された場合、図7(c)に示すように、先ずその操作されたキーが再生一時停止キーであるか否かが確認され(ステップS55)、それが再生一時停止キーであるときは(ステップS55;YES)、デコーダ5からのデータ要求情報の出力を禁止し、その時に再生ポインタPPが示していたアドレスを含む曲情報(第2実施形態の場合(図3及び図4に示す場合)は曲情報C6)のスタートアドレス(「8D25A54h」)を一時停止フラグ領域F内に記憶させ、一時停止曲順番を示す情報を、再生一時停止キーが操作された時に再生ポインタPPが示していたアドレスを含む曲情報の曲順番の値に更新し(ステップS56)、図7(c)に示す割込処理を終了して図7(a)に示す処理に戻る。
【0139】
一方、ステップS55の判定において、操作されたキーが再生一時停止キーでないときは(ステップS55;NO)、次にその操作されたキーが再生再開キーであるか否かが確認され(ステップS57)、操作されたのが再生再開キーであるときは(ステップS57;YES)、デコーダ5からのデータ要求情報の出力を解禁し、一時停止フラグ領域Fの内容を初期状態の「0000000h」に書き換えて(ステップS58)、図7(c)に示す割込処理を終了して図7(a)に示す処理に戻る。他方、ステップS57の判定において、操作されたのが再生再開キーでもないときは(ステップS57;NO)、その時に操作された他のキーに対応して必要な処理を実行し、図7(a)に示す処理に戻る。
【0140】
次に、図7(a)に示すステップS40の処理が終了した後に実行される曲情報受信のための割込処理について、具体的に図8を用いて説明する。
【0141】
当該割込処理においては、始めにネットワークNTを介して送信されてくるパケットを受信し(ステップS60)、その受信したパケットが一つの曲の先頭を示す上記スタートパケットであるか否かを確認する(ステップS61)。
【0142】
そして、そのパケットがスタートパケットでないときは(ステップS61;NO)そのまま後述するステップS64の処理に移行し、そのパケットがスタートパケットであるときは(ステップS61;YES)、その時にパラメータSADR_CLISTが示しているコンテンツリストCLの欄(組)にそのスタートパケットを受信したときに受信ポインタRPにより示されていたアドレスを記述し、対応する曲順番も記述し(ステップS62)、当該パラメータSADR_CLISTの値を欄一つ分だけ更新する(ステップS63)。
【0143】
次に、第1実施形態の場合と同様の意味を有するパラメータTempADRの値を、現在の受信ポインタRPにより示されるアドレスにその後に受信された曲情報の情報量を加算した値とし(ステップS64)、次に、現在のコンテンツリストCL内に、現在のパラメータTempADRにより示されるアドレスと現在の受信ポインタRPにより示されるアドレスとの間にあるスタートアドレスが存在しているか、すなわち、リングバッファメモリ2Aにおいて古い曲情報のスタートアドレス(コンテンツポインタ)を越える情報量の新しい曲情報が受信されているか否かを確認する(ステップS65)。
【0144】
そして、現在のパラメータTempADRにより示されるアドレスと現在の受信ポインタRPにより示されるアドレスとの間にあるスタートアドレスが現在のコンテンツリストCL内に存在していないときは(ステップS65;NO)、現在までに受信された曲情報により古い曲情報が新たに上書きされることがないことになるので、そのまま受信したデータをリングバッファメモリ2Aに記憶し、受信ポインタRPにより示されるアドレスを現在のパラメータTempADRにより示されるアドレスに更新し(ステップS69)、元の図7(a)におけるステップS2以降の処理に戻る。
【0145】
一方、上記ステップS65の判定において、現在のパラメータTempADRにより示されるアドレスと現在の受信ポインタRPにより示されるアドレスとの間にあるスタートアドレスが現在のコンテンツリストCL内に存在しているときは(ステップS65;YES)、次に、そのスタートアドレスが一時停止フラグ領域F内に記憶されているスタートアドレスと同一か否かを確認する(ステップS66)。そして、そのスタートアドレスが一時停止フラグ領域F内に記憶されているスタートアドレスとは異なる場合は(ステップS66;NO)、そのスタートアドレスから開始される曲情報は上書き記憶されても問題ない曲情報であることになるので、そのスタートアドレスを「0000000h」としてコンテンツリストCLを更新し(図4(c)又は(e)参照。ステップS68)、上記ステップS69の処理に移行する。
【0146】
他方、ステップS66の判定において、そのスタートアドレスが一時停止フラグ領域F内に記憶されているスタートアドレスと同一の場合は(ステップS66;YES)、そのスタートアドレスから始まる曲情報はバッファ領域内に保存記憶しておく必要がある曲情報なので、次に、一時停止フラグ領域F内に記憶されているスタートアドレス(すなわち、ステップS65の判定において判断対象となったスタートアドレス)を有する曲情報C6のデータ全てをバッファ領域内に移動し、更に再生再開時に曲情報が検出され始めるべきリングバッファメモリ2A内のアドレスを示す再生再開ポインタの値として、リングバッファメモリ2Aの先頭アドレス(BUADR)に、その再生再開すべき曲情報C6のスタートアドレスから再生が一時停止されたアドレスまでのデータ数を加算した値を設定する(ステップS67)。
【0147】
その後、曲情報C6が記憶されていたコンテンツリストCLの領域を空けるべく、当該曲情報C6のスタートアドレスを「0000000h」とし(ステップS68)、以下上記ステップS69の処理に移行して元の図7(a)におけるステップS41以降の処理に戻る。
【0148】
以上説明したように、第2実施形態に係るコンテンツ再生装置Sにおける再生制御処理によれば、デコーダ5に対するリングバッファメモリ2Aからのデータ出力を一時停止する際に、再生一時停止キーが操作されたタイミングでリングバッファメモリ2Aから出力されていたデータを含む曲情報を保存記憶し、一時停止していたデータのデコーダ5への出力を再開するとき、保存記憶されているデータから当該出力を再開するので、デコーダ5における再生処理を一時停止した曲情報の続きやその先頭から再生処理を再開することができ、再生処理の中断前後における曲情報の連続性を確保することができる。
【0149】
また、再生処理の一時停止が指示されたタイミングでリングバッファメモリ2Aから出力されていたデータを含む曲情報のみを保存記憶し、その他の曲情報については最も古い記憶済みの曲情報を書き換えつつ新たな曲情報を取得するので、バッファ領域の記憶容量を最小限としつつ上記連続性を確保することができる。
【0150】
更に、バッファ領域がリングバッファメモリ2Aとは別個となっているので、リングバッファメモリ2A内の記憶領域を使用することなく必要な一時保存記憶を行うことができる。
【0151】
更にまた、デコーダ5への出力を一時停止する際に、その一時停止が指示されたタイミングで当該デコーダ5に出力されていたデータを含む曲情報全体が保存記憶されるので、その曲情報の全てを対象としてデコーダ5に対する出力を再開することができる。
【0152】
また、保存記憶される曲情報の先頭を示すアドレスをポインタリストPLに保存記憶させるので、デコーダ5への出力再開時において、保存記憶されている曲情報の先頭を迅速に検索することができる。
【0153】
更に、保存記憶される曲情報の先頭を示すスタートアドレスをポインタリストPLに保存記憶させるので、デコーダ5への出力再開時において、保存記憶されている曲情報の先頭を迅速且つ正確に検索することができる。
【0154】
なお、上述した第1及び第2実施形態においては、保存記憶すべき曲情報のスタートアドレスをポインタリストPL内に記憶する構成としたが、これ以外に、保存記憶される曲情報の直前に再生されるべき曲情報の最後尾を示すアドレスをポインタリストPL内の一時停止フラグ領域F内に保存記憶させてもよい。この構成でも、デコーダ5へのデータの出力再開時において、保存記憶されている曲情報の先頭を迅速に検索することができる。
【0155】
また、上述した第1及び第2実施形態においては、保存記憶すべき曲情報全体を保存記憶することとしたが、これ以外に、一時停止操作が入力部4において実行されたときに再生されていたデータから、そのデータを含む曲情報の最後尾までを保存記憶するように構成することもできる。
【0156】
この場合、より具体的には、当該最後尾までの曲情報と当該最後尾を示すアドレスとを保存記憶するようにしても良いし、或いは、その曲情報の次に再生されるべき曲情報の先頭アドレスを、上記最後尾を示す情報として保存記憶するようにしても良い。これらいずれの場合でも、再生処理を一時停止した曲情報のデコーダ5への出力再開時において、保存記憶されている曲情報の最後尾を迅速に検索することができる。
【0157】
更に、曲情報が各実施形態に係るコンテンツ再生装置に配信される時点で、各曲情報の最後尾のパケットであることを示す識別データを含めて配信する構成とすれば、その識別データを手がかりに、保存記憶すべき曲情報の最後尾を検出することができる。
【0158】
また、上述した図5乃至図8に示すフローチャートに対応するプログラムを、フレキシブルディスク又はハードディスク等の情報記録媒体に記録しておき、又はインターネット等を介して取得して記録しておき、これらを汎用のコンピュータで読み出して実行することにより、当該コンピュータを実施形態に係るCPU1として機能させることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0159】
以上夫々説明したように、本発明はネットワークを介した画像情報又は音声情報の配信の分野に利用することが可能であり、特に放送形式による当該画像情報等の配信の分野に適用すれば特に顕著な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0160】
【図1】第1実施形態に係るコンテンツ再生装置の概要構成を示すブロック図である。
【図2】第1実施形態に係るコンテンツ再生装置の細部構成及び動作を示す図(I)である。
【図3】第1実施形態に係るコンテンツ再生装置の細部構成及び動作を示す図(II)であり、(a)及び(b)は通常状態で曲情報の受信処理及び再生処理が実行される場合のリングバッファメモリ内の変化を例示する図であり、(c)及び(d)は再生処理が一時停止された状態を含んで曲情報の受信処理及び再生処理が実行される場合のリングバッファメモリ内の変化を例示する図である。
【図4】第1実施形態に係るコンテンツ装置の動作に伴って変化する各ポインタの内容等を例示する図であり、(a)、(c)及び(e)は第1実施形態に係る再生制御処理に伴うコンテンツリストの変化の内容を例示する図であり、(b)、(d)及び(f)は第1実施形態に係る再生制御処理に伴うポインタリストの変化の内容を例示する図である。
【図5】第1実施形態に係るコンテンツ再生装置の動作を示すフローチャート(I)であり、(a)はその動作の全体を示すフローチャートであり、(b)はデコーダからのデータ要求の割込処理を示すフローチャートであり、(c)は再生一時停止キーの操作が行われたときの割込処理示すフローチャートである。
【図6】第1実施形態に係るコンテンツ再生装置の動作を示すフローチャート(II)である。
【図7】第2実施形態に係るコンテンツ再生装置の動作を示すフローチャート(I)であり、(a)はその動作の全体を示すフローチャートであり、(b)はデコーダからのデータ要求の割込処理を示すフローチャートであり、(c)は再生一時停止キーの操作が行われたときの割込処理示すフローチャートである。
【図8】第2実施形態に係るコンテンツ再生装置の動作を示すフローチャート(II)である。
【符号の説明】
【0161】
1 CPU
2 メモリ
2A リングバッファメモリ
2B ポインタメモリ
3 ブロードバンドインターフェース
4 入力部
5 デコーダ
6 スピーカ
7 ディスプレイ
S コンテンツ再生装置
8 バス
CL セル
NT ネットワーク
PP 再生ポインタ
RP 受信ポインタ
C1、C2、C3、C4、C5、C6、C7、C8、C9、C10、C11、C12−1、C12−2 曲情報
CP1、CP2、CP3、CP4、CP5、CP6、CP7、CP8、CP9、CP10、CP11、CP12−1、CP12−2 コンテンツポインタ
CL コンテンツリスト
PL ポインタリスト
F 一時停止フラグ領域
PA 再生ポインタ領域
RA 受信ポインタ領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報単位に分割された情報を外部から取得して処理する処理手段を備える情報処理装置において、
前記取得した情報を取得順に一時的に一時記憶手段に記憶させ、且つ当該取得順に当該一時記憶手段から前記処理手段に出力させる一時記憶制御手段であって、前記情報の取得量が当該一時記憶手段の記憶可能容量を越えたとき、新たに取得される前記情報を、最も古い記憶済みの前記情報に代えて当該一時記憶手段に記憶させることを繰り返しつつ前記情報の前記処理手段への出力を行う一時記憶制御手段と、
前記処理手段における前記情報の処理を一時的に中断するとき、当該中断するタイミングにおいて前記処理手段に対して出力中の前記情報である中断情報が含まれている前記情報単位を構成する前記情報の内、少なくとも前記中断情報から当該中断情報が含まれている前記情報単位の最後尾までの当該情報を保存記憶手段に保存記憶させる保存記憶制御手段と、
中断していた前記情報の前記処理手段に対する出力を再開するとき、前記保存記憶手段に保存記憶されている前記情報から当該出力を再開する再生制御手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置において、
前記保存記憶手段は、前記一時記憶手段における記憶領域の一部であることを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
請求項1に記載の情報処理装置において、
前記保存記憶手段は、前記一時記憶手段とは別個に備えられていることを特徴とする情報処理装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理装置において、
前記保存記憶制御手段は、前記最後尾を示す情報として、前記中断情報が含まれている前記情報単位の最後尾に含まれている前記情報を示す最後尾アドレス情報を前記保存記憶手段に保存記憶させることを特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理装置において、
前記保存記憶制御手段は、前記最後尾を示す情報として、前記中断情報が含まれている前記情報単位の直後に再生されるべき前記情報単位の先頭に含まれている前記情報を示す先頭アドレス情報を前記保存記憶手段に保存記憶させることを特徴とする情報処理装置。
【請求項6】
請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理装置において、
前記単位情報には、当該単位情報の最後尾に含まれている前記情報を示す最後尾識別情報が含まれ、
前記保存記憶制御手段は、前記最後尾を示す情報として前記最後尾識別情報を前記保存記憶手段に保存記憶させることを特徴とする情報処理装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載の情報処理装置において、
前記保存記憶制御手段は、前記中断情報が含まれている前記情報単位の先頭から最後尾までの情報を前記保存記憶手段に保存記憶させることを特徴とする情報処理装置。
【請求項8】
請求項7に記載の情報処理装置において、
前記保存記憶制御手段は、前記先頭を示す情報として、当該先頭に含まれている前記情報を示す先頭アドレス情報を前記保存記憶手段に保存記憶させることを特徴とする情報処理装置。
【請求項9】
請求項7に記載の情報処理装置において、
前記保存記憶制御手段は、前記先頭を示す情報として、前記中断情報が含まれている前記情報単位の直前に再生されるべき前記情報単位の最後尾に含まれている前記情報を示す最後尾アドレス情報を前記保存記憶手段に保存記憶させることを特徴とする情報処理装置。
【請求項10】
請求項7に記載の情報処理装置において、
前記単位情報には、当該単位情報の先頭に含まれている前記情報を示す先頭識別情報が含まれ、
前記保存記憶制御手段は、前記先頭を示す情報として前記先頭識別情報を前記保存記憶手段に保存記憶させることを特徴とする情報処理装置。
【請求項11】
情報単位に分割された情報を外部から取得して処理する処理手段と、当該取得した情報を取得順に一時的に一時記憶手段に記憶させ、且つ当該取得順に当該一時記憶手段から前記処理手段に出力させる一時記憶制御手段と、を備える情報処理装置において実行される情報処理方法において、
前記情報の取得量が当該一時記憶手段の記憶可能容量を越えたとき、新たに取得される前記情報を、最も古い記憶済みの前記情報に代えて当該一時記憶手段に記憶させることを繰り返しつつ前記情報の当該一時記憶手段から前記処理手段への出力を行わせる一時記憶制御工程と、
前記処理手段における前記情報の処理を一時的に中断するとき、当該中断するタイミングにおいて前記処理手段に対して出力中の前記情報である中断情報が含まれている前記情報単位を構成する前記情報の内、少なくとも前記中断情報から当該中断情報が含まれている前記情報単位の最後尾までの当該情報を保存記憶手段に保存記憶させる保存記憶制御工程と、
中断していた前記情報の前記処理手段に対する出力を再開するとき、前記保存記憶手段に保存記憶されている前記情報から当該出力を再開する再生制御工程と、
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項12】
情報単位に分割された情報を外部から取得して処理する処理手段を備える情報処理装置に含まれるコンピュータを、
前記取得した情報を取得順に一時的に一時記憶手段に記憶させ、且つ当該取得順に当該一時記憶手段から前記処理手段に出力させる一時記憶制御手段であって、前記情報の取得量が当該一時記憶手段の記憶可能容量を越えたとき、新たに取得される前記情報を、最も古い記憶済みの前記情報に代えて当該一時記憶手段に記憶させることを繰り返しつつ前記情報の前記処理手段への出力を行う一時記憶制御手段、
前記処理手段における前記情報の処理を一時的に中断するとき、当該中断するタイミングにおいて前記処理手段に対して出力中の前記情報である中断情報が含まれている前記情報単位を構成する前記情報の内、少なくとも前記中断情報から当該中断情報が含まれている前記情報単位の最後尾までの当該情報を保存記憶手段に保存記憶させる保存記憶制御手段、及び、
中断していた前記情報の前記処理手段に対する出力を再開するとき、前記保存記憶手段に保存記憶されている前記情報から当該出力を再開する再生制御手段、
として機能させることを特徴とする情報処理用プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−164398(P2006−164398A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−354472(P2004−354472)
【出願日】平成16年12月7日(2004.12.7)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】