説明

情報処理装置、情報処理装置の制御方法、情報処理装置制御プログラムおよび該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体

【課題】片手で端末の保持およびアイコンの操作を可能とする。
【解決手段】表示部4に1または複数のアイコンを表示するとともに、該アイコンに対する指示を検知してアイコンに対する操作を受け付け、表示部4に対する接触を含む、自装置に対する操作を検知するとともに、表示部4における接触位置を取得する接触検知部11と、接触検知部11が検知した操作および取得した接触位置により、表示部4に表示されているカーソルを移動させるカーソル処理部12とを備え、カーソル処理部12は、カーソル移動中に接触検知部11が表示部4に対する第1の接触を検知すると、カーソルの移動を停止し、カーソルの移動を停止したときに、カーソルが上記1または複数のアイコンのうちの何れかの位置にある場合、アイコン移動可能動作を検知すると、カーソルの位置に存在するアイコンを移動可能状態とするアイコン表示処理部13を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、特に表示されているアイコンをカーソルで選択することでアイコンが示す処理を実行する情報処理装置、情報処理装置の制御方法、情報処理装置制御プログラムおよび該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォンと呼ばれる高機能携帯電話端末や携帯情報端末において、全面タッチパネルを備えた機種が普及してきている。全面タッチパネルを備えた機種は、タッチパネルにおいて、各種表示および操作の受け付けを行うことができるとともに、デザインも斬新で、多くの人から支持されている。
【0003】
このような、全面タッチパネルを備えた携帯情報端末に対し、ユーザは、指やペン等でタッチパネルに表示されたアイコン等をタッチすることにより各種操作を行っている。すなわち、片手(例えば左手)で携帯情報端末を把持し、他方の手(右手)や、他方の手で把持したペン等でアイコン等をタッチして操作している。
【0004】
また、片手で携帯情報端末の把持および操作を行う場合は、ユーザは、携帯情報端末を把持しながら、タッチパネル上で指の届く範囲はそのままタッチし、指が届かない範囲については、当該範囲に指が届くように携帯情報端末を持ち替える等して、操作を行っている。
【0005】
しかしながら、携帯情報端末を持ち替える等することは煩雑であり、落とす等により携帯情報端末を壊してしまう可能性もある。そこで、携帯情報端末を持ち替えることなく、アイコン等の操作を行うことができることが好ましい。
【0006】
そこで、アイコン等の表示を移動させることが考えられる。特許文献1には、検索キーが指示された場合に、指示された検索キーに応じた画像データと対応する画像(アイコン)を、所定の位置に集まるように表示する画像処理装置が記載されている。
【0007】
また、特許文献2には、表示されているオブジェクトをタッチしながら移動させることが可能なゲームプログラムにおいて、タッチしている指と操作対象のオブジェクトとが離れた場合に、該オブジェクトが操作対象となっていることを示す表示を行うゲームプログラムが記載されている。
【0008】
また、特許文献3には、カーソルを、指定の方向に存在するオブジェクトの位置に移動させるオブジェクト選択受付方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2010−128845号公報(2010年6月10日公開)
【特許文献2】特開2005−245858号公報(2005年9月15日公開)
【特許文献3】特開2001−155188号公報(2001年6月8日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上述した従来技術では、指の届かない範囲に存在するオブジェクトを、携帯情報端末を持ち替えることなく、携帯情報端末を把持している手で、所望の位置に移動させることはできない。
【0011】
特許文献1に記載の発明は、指示された検索キーに応じた画像データと対応する画像が、所定の位置に集まるように表示されるものであり、指の届かない範囲に存在するオブジェクト(画像データと対応する画像)を所望の位置に移動させることはできない。
【0012】
また、特許文献2に記載の発明は、タッチしている指と操作対象のオブジェクトとが離れた場合に、該オブジェクトが操作対象となっていることを示す表示を行うものであり、指の届かない範囲に存在するオブジェクトを移動させることはできない。
【0013】
また、特許文献3に記載の発明は、カーソルをオブジェクトに移動させるものであり、オブジェクトを移動させることはできない。
【0014】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、片手で装置を保持しながら、その手で端末に表示されているアイコン等の操作が可能な情報処理装置等を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決するために、本発明に係る情報処理装置は、表示部に1または複数のアイコンを表示するとともに、該アイコンに対する指示を検知して上記アイコンに対する操作を受け付ける情報処理装置において、上記表示部に対する接触を含む、自装置に対する操作を検知するとともに、該接触の該表示部における接触位置を取得する操作検知手段と、上記操作検知手段が検知した操作および取得した接触位置により、上記表示部に表示されているカーソルを移動させるカーソル移動手段と、を備え、上記カーソル移動手段は、カーソル移動中に、上記操作検知手段が上記表示部に対する第1の接触を検知すると、上記カーソルの移動を停止するものであり、上記第1の接触により、上記カーソル移動手段が上記カーソルの移動を停止し、該カーソルが上記1または複数のアイコンのうちの何れかの位置にあるときに、上記操作検知手段が、アイコンを移動可能状態とするアイコン移動可能動作を検知した場合、上記カーソルの位置に存在するアイコンを移動可能状態とするアイコン表示処理手段と、を備えていることを特徴としている。
【0016】
また、本発明に係る情報処理装置の制御方法は、表示部に1または複数のアイコンを表示するとともに、該アイコンに対する指示を検知して上記アイコンに対する操作を受け付ける情報処理装置の制御方法であって、上記情報処理装置にて、操作検知手段が、上記表示部に対する接触を含む、自装置に対する操作を検知するとともに、該接触の該表示部における接触位置を取得する操作検知ステップと、カーソル移動手段が、上記操作検知ステップで検知した操作および取得した接触位置により、上記表示部に表示されているカーソルを移動させるカーソル移動ステップと、カーソル移動手段が、上記カーソル移動ステップで、カーソル移動中に、上記表示部に対する第1の接触を検知すると、上記カーソルの移動を停止するカーソル停止ステップと、アイコン表示処理手段が、上記カーソル停止ステップで上記カーソルの移動が停止し、該カーソルが上記1または複数のアイコンのうちの何れかの位置にあるときに、上記操作検知手段が、アイコンを移動可能状態とするアイコン移動可能動作を検知した場合、上記カーソルの位置に存在するアイコンを移動可能状態とするアイコン表示処理ステップと、を含むことを特徴としている。
【0017】
上記の構成または方法によれば、カーソルを移動中に、表示部で第1の接触を検知するとカーソルを停止する。その後、アイコンを移動可能状態とするアイコン移動可能動作を検知すると、カーソルの停止位置に存在するアイコンを移動可能状態とする。ここで、アイコンが移動可能状態となるとは、当該状態で、接触位置が移動したことを検知すると、該移動に対応して当該アイコンが移動する状態をいう。
【0018】
これにより、表示部に対する接触によりアイコンを移動可能状態とすることができる。そして、当該接触の接触位置は限定されない。よって、ユーザに対し、ユーザの指が届く範囲での接触により、アイコンを移動可能状態とさせるということを提供することができる。したがって、ユーザが、片手で装置を保持しながら、その手で端末に表示されているアイコン等の操作を可能な状態にするということができる。
【0019】
本発明に係る情報処理装置では、上記アイコン移動可能動作は、上記第1の接触の接触時間が第1の所定時間を超えたことであってもよい。
【0020】
ここで、第1の所定時間とは、単に表示部にタップしたのではなく、接触を維持しているとユーザが感じるような時間である。
【0021】
上記の構成によれば、接触を維持しているとユーザが感じるような時間、接触を検知するとアイコンを移動可能状態とする。これにより、ユーザに対し、アイコンを移動可能状態とする動作を的確に提示することができる。
【0022】
本発明に係る情報処理装置では、上記アイコン表示処理手段は、上記移動可能状態としたアイコンの表示を、移動可能状態とするまでの表示と異ならせるものであってもよい。
【0023】
上記の構成によれば、移動可能状態となったアイコンは、移動可能状態となる前のアイコンと表示が異なる。これにより、ユーザに対し、移動可能状態となったアイコンを容易に認識させることができる。
【0024】
本発明に係る情報処理装置では、上記アイコン表示処理手段は、アイコンを移動可能状態にした後、上記操作検知手段が上記第1の接触の接触位置が移動したことを検知すると、移動可能状態にある上記アイコンを該接触位置の移動に対応させて移動させるものであってもよい。
【0025】
上記の構成によれば、アイコンが移動可能状態にあるときに、表示部に対する接触の接触位置が移動すると、上記アイコンも該移動に対応して移動する。これにより、アイコンが存在している位置と異なる位置に対する接触により、アイコンを移動させることができる。よって、ユーザは、自身の指が届く範囲で接触位置を移動させることにより、指が届かない範囲に存在しているアイコンを移動させることができる。
【0026】
本発明に係る情報処理装置では、上記アイコン表示処理手段は、移動可能状態にあるアイコンが存在する状態で、上記操作検知手段が検知した上記表示部に対する接触接触位置が、上記第1の所定時間より長い第2の所定時間を超える時間、移動しなかったとき、移動可能状態にある上記アイコンを、上記操作検知手段が取得した接触位置の近辺に移動させるものであってもよい。
【0027】
上記の構成によれば、第1の所定時間より長い第2の所定時間、接触位置が移動しないと、移動可能状態のアイコンが接触位置近辺に移動する。これにより、接触位置と異なる位置に存在しているアイコンを接触位置に移動させることができる。よって、ユーザは、第2の所定時間、接触位置を移動させないことにより、自身の指の位置近辺にアイコンを移動させることができる。
【0028】
本発明に係る情報処理装置では、上記表示部には、複数のアイコンが表示されており、上記アイコン表示処理手段は、移動可能状態にあるアイコンを移動中に、移動可能状態にない他のアイコンと接触したとき、該他のアイコンも移動可能状態とするものであってもよい。
【0029】
上記の構成によれば、移動中のアイコンが他のアイコンと接触すると、当該他のアイコンも移動可能状態となる、これにより、移動可能状態のアイコンを複数とすることができる。よって、ユーザは、移動中のアイコンを、所望のアイコンに接触させて、当該所望のアイコンを移動可能状態とすることができる。
【0030】
本発明に係る情報処理装置では、上記アイコン表示処理手段は、移動可能状態にあるアイコンが複数存在する場合、該複数のアイコン全てを、上記操作検知手段が検知した接触位置に移動に対応させて移動させるものであってもよい。
【0031】
上記の構成によれば、移動可能状態にある複数のアイコンが、接触位置の移動に対応して移動する。これにより、複数のアイコンを同時に移動させることができる。
【0032】
本発明に係る情報処理装置では、上記アイコン表示処理手段は、移動可能状態のアイコンが存在する場合に、上記操作検知手段が、第3の所定時間内に接触位置が所定距離以上移動する接触を検知したとき、移動可能状態にあるアイコンを、移動可能状態となったときの上記表示部における表示位置に移動させるものであってもよい。
【0033】
ここで、所定距離とは、ユーザがいわゆる弾く動作を行ったときに移動する接触位置の距離から導かれるものであり、当該所定距離以上であれば、弾く動作が含まれると考えられる距離である。また、第3の所定時間とは、ユーザが弾く動作を行ったときに接触している時間から導かれるものであり、当該第3の時間以内であれば、弾く動作が含まれると考えられる時間である。
【0034】
上記の構成によれば、第3の所定時間内に接触位置が所定距離以上移動する接触を検知すると、移動可能状態にあるアイコンが移動可能状態となったときの表示位置に戻る。すなわち、いわゆる弾く動作を検知すると、移動可能状態にあるアイコンを移動可能状態となったときの表示位置に戻す。これにより、移動可能状態となったときの表示位置に、容易にアイコンを戻すことができる。
【0035】
本発明に係る情報処理装置では、上記アイコン表示処理手段は、移動可能状態のアイコンが複数存在する場合に、上記操作検知手段が、第3の所定時間内に接触位置が所定距離以上移動する接触を検知し、その後、第4の所定時間内に上記接触位置に対する接触を検知したとき、移動可能状態にあるアイコンのうちの1つを、移動可能状態となったときの上記表示部における表示位置に移動させるものであってもよい。
【0036】
ここで、第4の所定時間とは、人が、表示部から離れた手を再び表示部に接触させたときに、すぐに戻したと感じられるような時間である。
【0037】
上記の構成によれば、弾く動作を検知した後、第4の所定時間内に再び、弾く動作を検知した位置に接触を検知すると、移動可能状態にある複数のアイコンのうち、1つを移動可能状態となったときの表示位置に戻す。これにより、移動可能状態にあるアイコンが複数存在するときでも、そのうちの1つを容易に移動可能状態となったときの表示位置に戻すことができる。
【0038】
本発明に係る情報処理装置では、上記アイコン表示処理手段は、移動可能状態にある複数のアイコンのうち、最後に移動可能状態となったアイコンを、移動可能状態となったときの上記表示部における表示位置に移動させるものであってもよい。
【0039】
上記の構成によれば、最後に移動可能状態になったアイコンを、移動可能状態となったときの表示位置に戻す。これにより、最後、すなわち直近に移動可能状態となったアイコンを戻すので、ユーザに対し、直感的な操作感を提供することができる。
【0040】
なお、上記情報処理装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記各手段として動作させることにより上記情報処理装置をコンピュータにて実現させる情報処理装置の制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0041】
以上のように、本発明に係る情報処理装置は、表示部に対する接触を含む、自装置に対する操作を検知するとともに、該接触の該表示部における接触位置を取得する操作検知手段と、上記操作検知手段が検知した操作および取得した接触位置により、上記表示部に表示されているカーソルを移動させるカーソル移動手段と、を備え、上記カーソル移動手段は、カーソル移動中に、上記操作検知手段が上記表示部に対する第1の接触を検知すると、上記カーソルの移動を停止するものであり、上記第1の接触により、上記カーソル移動手段が上記カーソルの移動を停止し、該カーソルが上記1または複数のアイコンのうちの何れかの位置にあるときに、上記操作検知手段が、アイコンを移動可能状態とするアイコン移動可能動作を検知した場合、上記カーソルの位置に存在するアイコンを、上記操作検知手段が取得した接触位置の移動によって当該アイコンの上記表示部における位置が移動する移動可能状態とするアイコン表示処理手段と、を備えている構成である。
【0042】
また、本発明に係る情報処理装置の制御方法は、情報処理装置にて、操作検知手段が、上記表示部に対する接触を含む、自装置に対する操作を検知するとともに、該接触の該表示部における接触位置を取得する操作検知ステップと、カーソル移動手段が、上記操作検知ステップで検知した操作および取得した接触位置により、上記表示部に表示されているカーソルを移動させるカーソル移動ステップと、カーソル移動手段が、上記カーソル移動ステップで、カーソル移動中に、上記表示部に対する第1の接触を検知すると、上記カーソルの移動を停止するカーソル停止ステップと、アイコン表示処理手段が、上記カーソル停止ステップで上記カーソルの移動が停止し、該カーソルが上記1または複数のアイコンのうちの何れかの位置にあるときに、上記操作検知手段が、アイコンを移動可能状態とするアイコン移動可能動作を検知した場合、上記カーソルの位置に存在するアイコンを、上記操作検知手段が取得した接触位置の移動によって当該アイコンの上記表示部における位置が移動する移動可能状態とするアイコン表示処理ステップと、を含む方法である。
【0043】
これにより、表示部に対する接触によりアイコンを移動可能状態とすることができるという効果を奏する。そして、当該接触の接触位置は限定されない。よって、ユーザに対し、ユーザの指が届く範囲での接触により、アイコンを移動可能状態とさせるということを提供することができるという効果を奏する。したがって、ユーザが、片手で装置を保持しながら、その手で端末に表示されているアイコン等の操作を可能な状態にするということができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の実施の形態を示すものであり、携帯情報端末の要部構成を示すブロック図である。
【図2】上記携帯情報端末を示す図であり、図2の(a)は、携帯情報端末の外観を示す図であり、図2の(b)は、携帯情報端末を把持した状態を示す図である。
【図3】ユーザの操作とカーソル表示との関係を示す説明図であり、(a)は、カーソルを弾く前の様子を示す図であり、(b)および(c)は、弾いたカーソルの進行方向を示す図であり、(d)は、カーソルを弾いたあとに、特に操作が行われなかった様子を示す図である。
【図4】上記携帯情報端末における動作の流れを示すフローチャートである。
【図5】上記携帯情報端末の動作の流れにおけるアイコンドラッグ処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】ユーザの操作とアイコンの表示との関係を示す図である。
【図7】ユーザの操作とアイコンの表示との関係を示す図である。
【図8】アイコンが整列する様子を示す図である。
【図9】ユーザの操作とアイコンの表示との関係を示す図である。
【図10】ユーザの操作とアイコンの表示との関係を示す図である。
【図11】ユーザの操作とアイコンの表示との関係を示す図である。
【図12】ユーザの操作とアイコンの表示との関係を示す図である。
【図13】ユーザの操作とアイコンの表示との関係を示す図である。
【図14】ユーザの操作とアイコンの表示との関係を示す図である。
【図15】ユーザの操作とアイコンの表示との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
(全体概要)
本発明の一実施の形態について図1から図15に基づいて説明すれば、以下のとおりである。本実施の形態に係る携帯情報端末(情報処理装置)1は、片手で把持可能な情報端末であり、全面タッチパネル(操作受付部2、表示部4)を備えているものである。図2は、携帯情報端末1の外観を示す図であり、図2の(a)は、携帯情報端末1の外観を示し、図2の(b)は、携帯情報端末1を把持した状態を示す。図2に示すように、携帯情報端末1には、音声出力部5、操作スイッチ16、音声入力部17が備えられている。なお、これらは必須の構成ではない。
【0046】
本実施の形態に係る携帯情報端末1では、図2の(b)に示すように、片手で携帯情報端末1を把持したまま、親指でタッチパネルである操作受付部2を操作できるものである。そして、例えば、親指が届かない位置に操作対象となるアイコン900a〜f(以下、区別する必要がない場合はアイコン900と記載する)が存在する場合、親指近辺にカーソルを表示させ、該カーソルが親指で弾かれることによって、カーソルを移動させ、所望のアイコンの位置にカーソルか移動してきたときに、再度、親指で操作受付部2をタップされることにより、アイコンの処理を行うことができるものである。これにより、片手のみで把持および操作可能な携帯情報端末1を実現することができる。
【0047】
さらに、携帯情報端末1は、親指の接触操作により、カーソルの位置を操作することができ、これにより、アイコン900の表示位置を移動させることができるものである。アイコン900の表示位置を移動させることにより、親指が届かない領域に存在するアイコン900に対する操作を片手のみで行うことができる。
【0048】
(携帯情報端末1の構成)
次に、図1を参照して、携帯情報端末1の要部構成について説明する。図1は、携帯情報端末1の要部構成を示すブロック図である。
【0049】
図1に示すように、本実施の形態に係る携帯情報端末1は、操作受付部2、加速度センサー3、表示部4、音声出力部5、制御部6、記憶部7、操作スイッチ16、および音声入力部17を含む構成である。また、制御部6は、接触検知部(操作検知手段)11、カーソル処理部(カーソル移動手段)12、およびアイコン表示処理部(アイコン表示処理手段)13を含み、接触検知部11は、接触位置取得部21および接触時間測定部22を含む構成である。また、カーソル処理部12は、カーソル表示処理部31およびカーソル決定処理部32を含み、カーソル表示処理部31は、カーソル出現処理部41およびカーソル移動処理部42を含む構成である。また、記憶部7には、カーソル表示テーブル記憶部51が含まれている。
【0050】
記憶部7のカーソル表示テーブル記憶部51には、入力位置を示すカーソルを出現させる操作を記憶している。ここで、カーソルとは、該カーソルが、表示部4に表示されているアイコンの位置にあるときに、実行操作(例えば、タップ)がなされると、該アイコンが示す処理が実行されるものである。すなわち、パーソナルコンピュータにおけるマウスカーソルと同じ機能を有するものである。
【0051】
また、記憶部7には、携帯情報端末1における各種処理に必要なプログラム、各種動作設定値、各種データ等も記憶している。記憶部7は、フラッシュメモリ、ROM(Read Only Memory)などの不揮発性の記憶デバイスと、RAM(Random Access Memory)などの揮発性の記憶デバイスとによって構成される。
【0052】
操作受付部2は、携帯情報端末1に対する操作を受け付けるものである。本実施の形態では表示と接触検知との両者を実現できるタッチパネル等のデバイスにより構成されており、表示部4と兼ねている。
【0053】
加速度センサー3は、携帯情報端末1自体の加速度を検出し、カーソル処理部12に通知するものである。加速度センサー3は、周知の技術で実現可能であるが、例えば、互いに直交する3つの軸方向の加速度を検出するようなセンサーで実現できる。
【0054】
表示部4は、各種情報を表示するものである。本実施の形態では表示と接触検知との両者を実現できるタッチパネル等のデバイスにより構成されており、操作受付部2と兼ねている。
【0055】
音声出力部5は、音声が出力されるものであり、スピーカ等により実現される。音声入力部17は、音声の入力を受け付けるものであり、マイク等により実現される。
【0056】
操作スイッチ16は、携帯情報端末1の電源のオン/オフを行うスイッチである。
【0057】
制御部6は、携帯情報端末1におけるカーソル動作、アイコン表示処理を実行するとともに、携帯情報端末1の各種処理を実行するものであり、接触検知部11、カーソル処理部12、およびアイコン表示処理部13を含んでいる。
【0058】
接触検知部11は、操作受付部2に対する接触(タップ)を検知するものであり、接触位置取得部21および接触時間測定部22を含んでいる。
【0059】
接触位置取得部21は、操作受付部2に対する接触があったときに、操作受付部2における接触位置(すなわち、表示部4における接触位置)を取得して、カーソル処理部12に通知するものである。
【0060】
接触時間測定部22は、操作受付部2に対する接触があったときに、接触が開始した時点からの時間を測定し、カーソル処理部12に通知するものである。
【0061】
カーソル処理部12は、カーソルの出現、動作、決定処理を行うものであり、カーソル表示処理部31、およびカーソル決定処理部32を含んでいる。
【0062】
カーソル表示処理部31は、カーソルの表示を処理するものであり、カーソル出現処理部41およびカーソル移動処理部42を含んでいる。
【0063】
カーソル出現処理部41は、接触検知部11から取得した操作受付部2に対する接触操作、および加速度センサー3から取得した携帯情報端末1の加速度が、カーソル表示テーブル記憶部51に記憶されているカーソル出現操作と対応する場合に、表示部4の、接触位置に対応する位置にカーソルを出現させるものである。
【0064】
カーソル移動処理部42は、接触検知部11から取得した接触位置に応じて、カーソルを移動させるものである。より詳細には、接触位置取得部21から取得した接触位置の変化の方向に、接触位置の変化のスピードに応じた距離だけ、カーソルを移動させる。
【0065】
また、カーソル移動処理部42は、カーソル移動中に、操作受付部2が接触を受け付けると、接触位置に合わせたカーソル移動方向の修正、およびドラッグに対応するカーソル移動も行う。
【0066】
さらに、カーソル移動処理部42は、移動しているカーソルの表示部4における位置をアイコン表示処理部13に通知する。
【0067】
カーソル決定処理部32は、接触検知部11から取得した接触位置、および接触時間に応じて、カーソル位置に表示されているアイコン等が示す処理を、該処理を行うアプリケーション等に実行させるものである。
【0068】
アイコン表示処理部13は、表示部4にアイコンを表示するとともに、カーソル移動処理部42から取得したカーソルの移動に応じて、アイコンの表示位置を移動させるものである。ここで、アイコンとは、携帯情報端末1に与えるコマンドを図形等で表現したものである。アイコン表示処理部13における詳細な処理の内容については、後述する。
【0069】
(携帯情報端末1における基本操作)
次に、図3を参照して、携帯情報端末1における基本操作について説明する。図3は、携帯情報端末1における、ユーザの操作とカーソル表示との関係を示す説明図であり、(a)は、カーソルを弾く前の様子を示す図であり、(b)および(c)は、弾いたカーソルの進行方向を示す図であり、(d)は、カーソルを弾いたあとに、特に操作が行われなかった様子を示す図である。
【0070】
図3の(a)に示すように、親指901が接触できる範囲から離れた位置に、アイコン900a〜fが存在している場合、カーソル902をアイコン900の位置へ移動させることによって、アイコン900が示す処理を実行する。具体的には、まず、カーソル出現処理部41は、カーソル出現処理を受け付けると、親指901が接触していた位置にカーソル902を表示させる。
【0071】
そして、例えば、アイコン900cの処理を行う場合、ユーザは、アイコン900c方向に、カーソル902を親指901で弾く(図3(b))。カーソル移動処理部42は、接触検知部11からカーソル902が弾かれたこと、すなわち、カーソル近傍で所定距離以上の接触があったことを受け付けると、図3の(b)に示すように、カーソル902を接触方向である矢印905方向に移動させる。その後、カーソル902がアイコン900cの位置に来たときに、再び表示部4に対する接触を検知すると、カーソル決定処理部32が、アイコン900cが示す処理を実行する。
【0072】
また、図3の(c)に示すように、カーソル近傍での所定距離以上の接触の速さが遅い場合は、カーソル移動処理部42は、矢印908に示すように、図3の(b)の場合と比較してカーソル902が移動する距離を短くする。
【0073】
また、図3の(d)に示すように、カーソル902が移動後、何の操作も行われないと、カーソル表示処理部31は、カーソル902を消去する(カーソル跡902´)。
【0074】
(携帯情報端末1の動作)
次に、図4〜14を参照して、携帯情報端末1における動作、および各処理時点における表示部4でのアイコンの表示について説明する。図4は携帯情報端末1における動作の流れを示すフローチャートである。また、図5は、携帯情報端末1における動作の流れのうち、アイコンドラッグ処理の流れを示すフローチャートである。また、図6〜15は、アイコンの表示を説明するための図である。
【0075】
図4に示すように、携帯情報端末1は、操作受付部2でカーソル出現操作を受け付けると(S101)、カーソル表示処理部31は表示部4にカーソルを表示させる(S102)。
【0076】
次に、接触位置取得部21が、表示されたカーソル902が弾かれたこと、すなわち、カーソル902の近傍で接触があり、かつ当該接触の接触位置が所定距離以上移動し、かつ移動時間が所定時間以下であることを検知すると(S103(操作検知ステップ)でYES)、カーソル移動処理部42は、表示されているカーソル902を、接触位置取得部21が検知した方向に、接触位置取得部21が検知した接触位置の変化のスピードに応じて、移動させる(S104、カーソル移動ステップ)。
【0077】
その後、接触検知部11が、操作受付部2に対する接触(タップ、第1の接触)を検知すると、カーソル移動処理部42はカーソル902を停止し(S105でYES、カーソル停止ステップ)、かつ、該接触の接触時間が所定の時間(第1の所定時間)未満の場合(S107でNO、かつS106でYES)、カーソル決定処理部32は、その時点におけるカーソル902の位置で、タップ処理を行う(S111)。ここで、タップ処理とは、カーソルの位置に存在するアイコンが示す処理を実行することをいう。
【0078】
ステップS111における、表示部4の表示について図6を参照して説明する。図6の表示画面例601は、カーソル902を親指901で弾き、カーソル902がアイコン501cの位置に来たときに、親指901で表示部4が短時間のタップをされたときの様子を示している。表示画面例601のアイコン501a〜l(以下、区別する必要がない場合はアイコン501と記載する)は、表示部4に表示されている各種アイコンである。カーソル902がアイコン501cの位置に来たときに、表示部4が短時間のタップをされると、表示画面例602に示すように、アイコン501cが示す処理の内容が実行されて、画像ビューアにより画像が表示される。ここでは、アイコン501cは、画像ファイルのアイコンであり、該画像ファイルの内容が、表示画面例602に示すような木の葉の絵である場合を示している。
【0079】
ステップS111でタップ処理が行われると、携帯情報端末1は処理を終了する。一方、接触時間が所定時間以上の場合(S107でYES)、カーソル移動処理部42は、カーソル902の現在位置をアイコン表示処理部13に通知し、アイコン表示処理部13は、カーソル902の現在位置にアイコンが存在しているか否かを判定する(S108)。そして、カーソル902の現在位置にアイコンが存在していると(S108でYES)、アイコン表示処理部13は、当該アイコンをドラッグ可能状態(移動可能状態)とする(S109、アイコン表示処理ステップ)。ここで、ドラッグ可能状態とは、その後のカーソル移動により当該アイコンの表示位置が移動される状態をいう。
【0080】
なお、アイコンをドラッグ可能状態とする動作(アイコン移動可能動作)は、上述した接触時間が所定時間以上となる場合だけでなく、例えば、接触終了後の所定時間以内に再度接触があった場合(いわゆるダブルタッチ)や、接触中に、接触位置と異なる位置で接触を検知した場合(2本指でタッチした場合)や、接触終了後の所定時間以内に該接触の接触位置と異なる位置で接触を検知した場合(最初の指と異なる指でタッチした場合)であってもよい。
【0081】
ステップS109における、表示部4の表示について図7を参照して説明する。図7の表示画面例701は、カーソル902がアイコン501cの位置に来たときに、表示部4が長時間(所定時間以上)のタップをされたときの様子を示している。表示画面例701では、アイコン501cがドラッグ可能状態となっており、他のアイコン501(a、b、d〜l)と表示のされ方が異なっている。
【0082】
そして、ステップS109でアイコンがドラッグ可能状態となると、アイコン表示処理部13は、アイコンドラッグ処理に入る(S110)。
【0083】
一方、カーソル902の現在位置にアイコンが存在していない場合(S108でNO)、カーソル表示処理部31はカーソル902を消去して、携帯情報端末1は処理を終了する。
【0084】
次に、図5、8〜15を参照して、アイコンドラッグ処理の流れについて説明する。
【0085】
図5に示すように、アイコンドラッグ処理に入ると、まず、アイコン表示処理部13は、表示部4が接触されているか否かを、接触検知部11が接触を検知しているか否かによって判定する(S201)。そして、接触検知部11が接触を検知している場合(S201でYES)、アイコン表示処理部13は、当該接触の接触位置が所定時間(第2の所定時間)以上変化していないか否かを、接触位置取得部21が取得した接触位置から判定する(S202)。
【0086】
そして、接触位置が所定時間以上変化していないことはない、すなわち変化している場合(S202でNO)、アイコン表示処理部13は、接触位置の変化に応じたカーソル902の位置の変化に対応させて、ドラッグ可能状態のアイコンの表示位置を変化させる(S204)。
【0087】
ステップS204における、表示部4の表示について、図8、9を参照して説明する。図8は、ドラッグ可能状態のアイコンが1つの場合の表示画面例を示す図であり、アイコン501cがドラッグ可能状態の場合を示している。表示画面例701の状態から、親指901が、矢印911に示すように左方向に表示部4に接触しながら移動すると、アイコン表示処理部13は、カーソル902の移動に伴い、矢印912に示すようにアイコン501cを左方向に移動させる。
【0088】
また、所望のアイコンを別のアイコンの位置に移動させる場合は、表示画面例802に示すようになる。表示画面例802では、アイコン501cをアイコン501eに入れる(アイコン501eはフォルダ)場合を示している。表示画面例701の状態から、親指901が矢印921の示す方向に移動すると、アイコン表示処理部13は、カーソル902の移動に伴い、アイコン501cを矢印922の方向に移動させる。そして、移動後のアイコン501cの位置がアイコン501eの位置と重なり、そこで親指901の接触がなくなると、アイコン501cは、アイコン501eの中に入る。この、アイコンの中にアイコンが入る動作は、従来のアイコンの動作と同じであるので、その説明は省略する。
【0089】
また、表示画面例803はアイコンの位置が入れ替わる例を示している。アイコン501cとアイコン501bとの表示位置を入れ替える場合、表示画面例803に示すように、親指901を矢印931の方向に移動させると、ドラッグ可能状態にあるアイコン501cの表示位置が矢印932の方向に移動する。そして、カーソル902がアイコン501bの中心を通ることなく、アイコン501cとアイコン501bとが接触すると、アイコン501bとアイコン501cとの表示位置が入れ替わる。
【0090】
具体的に、アイコンの表示位置の移動について図9を用いて説明する。図9は、アイコンの表示位置がどのように変化するのかを示す図である。図9の表示画面例811に示すように、アイコン551a〜lが、表示部の左上から順に、縦4横3のマトリックスとなるように並んでいる場合を考える。この場合に、右上のアイコン551cが、上から3段目真ん中のアイコン551hの位置に移動した場合、表示画面例812に示すように、上から2段目の左側に位置していたアイコン551dが、一番上の段の右側(移動前のアイコン551cの位置)に移動し、上から2段目の真ん中および右側に位置していたアイコン551e、fが、上から2段目の左側および真ん中に移動する。
【0091】
また、上から3段目の左側に位置していたアイコン551gが、上から2段目の右側に移動する。そして、上から3段目の真ん中に位置していたアイコン551hが上から3段目の左側に移動し、上から3段目の真ん中にはアイコン551cが入る。
【0092】
一方、接触位置が所定時間以上変化していない場合(S202でYES)、アイコン表示処理部13は、ドラッグ可能状態となっているアイコン501を親指901が接触している位置に移動させる(S203)。なお、ステップS203では、親指901の接触位置に限られず、接触位置の近辺で親指901が届く範囲であればよい。
【0093】
ステップS203における、表示部4の表示について、図10、12を参照して説明する。図10はドラッグ可能状態のアイコン501が1つの場合を示す図であり、図12はドラッグ可能状態のアイコン501が複数の場合を示す図である。
【0094】
図10の表示画面例1001に示すように、接触位置が所定時間以上変化していない場合、すなわち、ユーザが所定時間以上のタップである長タップを行った場合、ドラッグ可能状態にあるアイコン501cを親指901の接触位置に移動させる。表示画面例1001では、表示部4の右上に存在していたアイコン501cが表示部4の左下側の親指901の接触位置に移動している。これにより、所望のアイコン501を親指901で操作可能な位置に移動させることができる。
【0095】
よって、例えば、表示画面例1002に示すように、親指901が届く範囲に移動したアイコン501cを、親指901でゴミ箱フォルダ502へ移動させることができる。また、表示画面例1003に示すように、親指901が届く範囲に移動したアイコン501cを、親指901で、アイコン501jが存在していた位置(表示部4の左下の位置)に移動させて、アイコン501の整列順序を変えることもできる。
【0096】
また、図12の表示画面例1201に示すように、ドラッグ可能状態のアイコン501が複数存在していれば、当該複数のアイコン501を親指901の接触位置に移動させる。表示画面例1201に示す例では、アイコン501cとアイコン501fとが親指901の接触位置に移動している。これにより、複数の所望のアイコン501を親指901で操作可能な位置に移動させることができる。
【0097】
よって、例えば、表示画面例1202に示すように、親指901が届く範囲に移動したアイコン501cおよびアイコン501fを、親指901でゴミ箱フォルダ502へ移動させることができる。また、表示画面例1203に示すように、親指901が届く範囲に移動したアイコン501cおよびアイコン501fを、親指901で、アイコン501jが存在していた位置(表示部4の左下の位置)に移動させて、アイコン501の整列順序を変えることもできる。この場合、ドラッグ可能状態になった順にアイコン501が並べられる。よって、アイコン501cが先に、アイコン501fが後にドラッグ可能状態になったとすると、アイコン501cが上から3段目の右側に、アイコン501fが上から4段目の左側に位置することになる。
【0098】
また、複数のアイコン501をドラッグ可能状態とするためには、親指901を表示部4の端部にまで移動させる必要がある場合は、表示画面例1204に示すように、親指901を一旦、表示部4の端部にまで移動させ、少しだけ戻った位置で長タップすることにより、複数のアイコン501を親指901の接触位置に移動させることができる。表示画面例1204に示す例では、アイコン501c、アイコン501f、アイコン501iの3つのアイコン501をドラッグ可能状態とするために、親指901を矢印994の方向に移動させ、表示部4の下端部に到達後、カーソル902がアイコン501iの位置に到達するまで(すなわち、アイコン501iがドラッグ可能状態となるまで)、親指901を表示部4の下端部で維持し、カーソル902がアイコン501iの位置に到達後、少しだけ矢印995の方向へ親指901を移動させ、移動後に長タップを行った状態を示す。これにより、アイコン501c、アイコン501f、アイコン501iの3つのアイコン501をドラッグ可能状態として、親指901の接触位置に移動させることができる。
【0099】
引き続き、アイコンドラッグ処理の流れを説明する。ステップS204の後、アイコン表示処理部13は、接触検知部11で検知している接触位置が、表示部4の端部となったか否かを判定する(S205)。そして、接触位置が表示部4の端部となっていれば(S205でYES)、アイコン表示処理部13は、それまでのアイコンの移動を維持する(S206)。
【0100】
ステップS206における表示部4の表示について、図8を参照して説明する。図8の表示画面例804は、接触位置が表示部4の端部にある場合を示している。表示画面例804に示すように、親指901が最初に接触した位置から矢印941の方向に移動し、表示部4の端部に届き、そのまま接触が維持されると、親指901の移動に伴って移動しているアイコン501cは、それまでの移動を維持する。すなわち、それまで移動してきた方向と同じ方向に移動を続ける。
【0101】
その後、アイコン表示処理部13は、親指901の移動に伴って移動しているカーソル902が、移動しているアイコン以外のアイコンの中心に接触したか否かを判定する(S207)。そして、移動しているアイコン以外のアイコンの中心に接触し(S207でYES)、接触したアイコンがゴミ箱フォルダ502、またはその他のフォルダであれば(S208でYES)、移動しているアイコンをゴミ箱フォルダ502、または当該その他のフォルダへ入れる(S209)。
【0102】
一方、接触したアイコンがゴミ箱フォルダ502、またはその他のフォルダでなければ(S208でNO)、アイコン表示処理部13は、接触したアイコンもドラッグ可能状態とする(S216)。
【0103】
ステップS216における表示部4の表示について、図11を参照して説明する。図11に示す表示画面例1101では、ドラッグ可能状態にあるアイコン501cが、親指901が矢印951方向に移動されることによって、カーソル902が矢印952方向に移動し、これに伴って移動している状態を示している。そして、カーソル902がアイコン501fに接触(カーソル902がアイコン501fの中心を通る)すると、アイコン501cに加え、アイコン501fもドラッグ可能状態となる。
【0104】
さらに、表示画面例1101の状態から、親指901を矢印961の方向に移動させることにより、カーソル902が矢印962の方向に移動し、これに伴いアイコン501cおよびアイコン501fが移動する。そして、カーソル902がアイコン501eに接触すると、アイコン501c、アイコン501fに加えてアイコン501eもドラッグ可能状態となる。
【0105】
また、表示画面例1101の状態から、さらに、親指901を矢印971の方向に移動させるとともに、表示部4の下端部で接触を維持することにより、カーソル902が矢印972の方向に移動する。これに伴い、アイコン501c、アイコン501fが移動する。そして、カーソル902がアイコン501iに接触すると、アイコン501c、アイコン501fに加えアイコン501iもドラッグ可能状態となる。その後、親指901を矢印981方向に移動させると、カーソル902が矢印982方向に移動する。これに伴い、アイコン501c、アイコン501f、アイコン501iが移動する。そして、カーソル902がアイコン501eに接触すると、アイコン501c、アイコン501f、アイコン501iに加えアイコン501eもドラッグ可能状態となる。
【0106】
また、アイコン表示処理部13は、移動しているアイコン以外のアイコンの中心に接触せずに(S207でNO)、指が弾かれたことを検知すると(S210でYES)、弾かれた後、所定時間内に弾かれた位置での接触の有無を判定する(S211)。
【0107】
まず、ステップS210における、指が弾かれたか否かの判定は、接触位置取得部21が検知した接触の移動距離が所定距離以上で、かつ、接触位置取得部21が取得した該接触の接触時間が所定時間(第3の所定時間)内であったか否かによって行う。そして、指が弾かれた後、所定時間(第4の所定時間)内に弾いた位置で接触を検知すると(S211でYES)、アイコン表示処理部13は、ドラッグ可能状態となっているアイコンが複数存在するか否かを判定する(S212)。そして、ドラッグ可能状態となっているアイコンが複数存在する場合(S212でYES)、複数存在するアイコンのうち、最後にドラッグ可能状態となったアイコンを元の位置に戻す(S213)。そして、残りのアイコンのドラッグ可能状態を維持する(S214)。
【0108】
ステップS213における表示部4の表示について、図13を参照して説明する。図13の表示画面例1301では、アイコン501c、アイコン501f、アイコン501iがドラッグ可能状態となっており、親指901で表示部4を弾くとともに、すぐに戻した場合を示している。この場合、アイコン501c、アイコン501f、アイコン501iのうち、最後にドラッグ可能状態となったアイコン501iが元の位置に戻っている。ここで、元の位置とは、ドラッグ可能状態となったときの位置である。そして、アイコン501iが元に位置に戻り、アイコン501およびアイコン501fはドラッグ可能状態のままである。
【0109】
一方、指が弾かれた後、所定時間内に弾いた位置で接触を検知しない場合(S211でNO)、または、ドラッグ可能状態となっているアイコンが複数存在しない場合(S212でNO)、アイコン表示処理部13は、ドラッグ可能状態のアイコンを全て元の位置に戻す(S217)。
【0110】
ステップS217における表示部4の表示について、図14を参照して説明する。図14に示す表示画面例1401では、アイコン501c、アイコン501f、アイコン501iがドラッグ可能状態で、親指901により表示部4が弾かれた場合を示している。この場合、アイコン501c、アイコン501f、アイコン501iは、それぞれ元の位置である、上から1段目の右側、上から2段目の右側、上から3段目の右側に戻る。
【0111】
また、表示部4に対する接触の検知をしなくなると(S201でNO)、ドラッグ中のアイコン501は、現在の位置でドラッグ可能状態を解除される(S215)。
【0112】
ステップS215における表示部4の表示について、図15を参照して説明する。図15の表示画面例1501は、ドラッグ可能状態にあったアイコン501cおよびアイコン501fが、表示部4の下方中央付近にドラッグされていたときに、親指901の接触がなくなった状態を示している。この場合、ドラッグ可能状態になかった残りのアイコン501は、親指901の接触が無くなった時点で、整列しなおされる。表示画面例1501の示す例の場合は、アイコン501dが上から2段目から上から1段目の右側に移動し、アイコン501eが上から2段目中央から左側へ移動している。また、アイコン501g、アイコン501hが上から3段目から上から2段目に移動している。残りのアイコン501も、順次移動している。
【0113】
表示画面例1501の状態になると、再び、携帯情報端末1に対する操作が可能となる。よって、表示画面例1502に示すように、カーソル表示操作を行うことによりカーソル902を表示させ、表示画面例1503に示すように、上述した操作を行うことにより、アイコン501を移動させることができる。表示画面例1503では、アイコン501c、アイコン501d、アイコン501fが親指901の接触位置に移動し、さらに、ドラッグされている状態を示している。
【0114】
ステップS215でドラッグ可能状態を解除された後、ステップS203でドラッグ可能状態のアイコン501が接触位置に移動した後、ステップS209でドラッグ可能状態のアイコン501がゴミ箱フォルダ502に入れられた後、およびステップS217でドラッグ可能状態の全てのアイコン501が元の位置に戻された後は、カーソル表示処理部31はカーソル902を消去して(S218)、携帯情報端末1における処理が終了する。
【0115】
(ソフトウェアによる処理)
最後に、携帯情報端末1の各ブロック、特に制御部6の接触検知部11(接触位置取得部21、接触時間測定部22)、カーソル処理部12(カーソル表示処理部31、カーソル出現処理部41、カーソル移動処理部42、カーソル決定処理部32)、およびアイコン表示処理部13は、集積回路(ICチップ)上に形成された論理回路によってハードウェア的に実現していてもよいし、CPU(central processing unit)を用いてソフトウェア的に実現してもよい。
【0116】
後者の場合、携帯情報端末1は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである携帯情報端末1の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記携帯情報端末1に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU(microprocessor unit))が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0117】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ類、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM(compact disc read-only memory)/MO(magneto-optical)/MD(Mini Disc)/DVD(digital versatile disk)/CD−R(CD Recordable)等の光ディスクを含むディスク類、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード類、マスクROM/EPROM(erasable programmable read-only memory)/EEPROM(electrically erasable and programmable read-only memory)/フラッシュROM等の半導体メモリ類、あるいはPLD(Programmable logic device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の論理回路類などを用いることができる。
【0118】
また、携帯情報端末1を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークは、プログラムコードを伝送可能であればよく、特に限定されない。例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN(local area network)、ISDN(integrated services digital network)、VAN(value-added network)、CATV(community antenna television)通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、この通信ネットワークを構成する伝送媒体も、プログラムコードを伝送可能な媒体であればよく、特定の構成または種類のものに限定されない。例えば、IEEE(institute of electrical and electronic engineers)1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL(asynchronous digital subscriber loop)回線等の有線でも、IrDA(infrared data association)やリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、IEEE802.11無線、HDR(high data rate)、NFC(Near Field Communication)、DLNA(Digital Living Network Alliance)、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【産業上の利用可能性】
【0119】
携帯情報端末を、片手で把持し、把持している手の届かないアイコンでも操作することができるので、片手で把持しつつ、該片手で画面を操作するような携帯情報端末に好適である。
【符号の説明】
【0120】
1 携帯情報端末(情報処理装置)
2 操作受付部
4 表示部
11 接触検知部(接触検知手段)
12 カーソル処理部(カーソル移動手段)
13 アイコン表示処理部(アイコン表示処理手段)
21 接触位置取得部
22 接触時間測定部
31 カーソル表示処理部
32 カーソル決定処理部
42 カーソル移動処理部(カーソル移動手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部に1または複数のアイコンを表示するとともに、該アイコンに対する指示を検知して上記アイコンに対する操作を受け付ける情報処理装置において、
上記表示部に対する接触を含む、自装置に対する操作を検知するとともに、該接触の該表示部における接触位置を取得する操作検知手段と、
上記操作検知手段が検知した操作および取得した接触位置により、上記表示部に表示されているカーソルを移動させるカーソル移動手段と、を備え、
上記カーソル移動手段は、カーソル移動中に、上記操作検知手段が上記表示部に対する第1の接触を検知すると、上記カーソルの移動を停止するものであり、
さらに、上記第1の接触により、上記カーソル移動手段が上記カーソルの移動を停止し、該カーソルが上記1または複数のアイコンのうちの何れかの位置にあるときに、上記操作検知手段が、アイコンを移動可能状態とするアイコン移動可能動作を検知した場合、上記カーソルの位置に存在するアイコンを移動可能状態とするアイコン表示処理手段を備えていることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
上記アイコン移動可能動作は、上記第1の接触の接触時間が第1の所定時間を超えたことであることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
上記アイコン表示処理手段は、上記移動可能状態としたアイコンの表示を、移動可能状態とするまでの表示と異ならせることを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
上記アイコン表示処理手段は、アイコンを移動可能状態にした後、上記操作検知手段が上記第1の接触の接触位置が移動したことを検知すると、移動可能状態にある上記アイコンを該接触位置の移動に対応させて移動させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
上記アイコン表示処理手段は、移動可能状態にあるアイコンが存在する状態で、上記操作検知手段が検知した上記表示部に対する接触位置が、上記第1の所定時間より長い第2の所定時間を超える時間、移動しなかったとき、移動可能状態にある上記アイコンを、上記操作検知手段が取得した接触位置の近辺に移動させることを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
上記表示部には、複数のアイコンが表示されており、
上記アイコン表示処理手段は、移動可能状態にあるアイコンを移動中に、移動可能状態にない他のアイコンと接触したとき、該他のアイコンも移動可能状態とすることを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項7】
上記アイコン表示処理手段は、移動可能状態にあるアイコンが複数存在する場合、該複数のアイコン全てを、上記操作検知手段が検知した接触位置に移動に対応させて移動させることを特徴とする請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
上記アイコン表示処理手段は、移動可能状態のアイコンが存在する場合に、上記操作検知手段が、第3の所定時間内に接触位置が所定距離以上移動する接触を検知したとき、移動可能状態にあるアイコンを、移動可能状態となったときの上記表示部における表示位置に移動させることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
上記アイコン表示処理手段は、移動可能状態のアイコンが複数存在する場合に、上記操作検知手段が、第3の所定時間内に接触位置が所定距離以上移動する接触を検知し、その後、第4の所定時間内に上記接触位置に対する接触を検知したとき、移動可能状態にあるアイコンのうちの1つを、移動可能状態となったときの上記表示部における表示位置に移動させることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
上記アイコン表示処理手段は、移動可能状態にある複数のアイコンのうち、最後に移動可能状態となったアイコンを、移動可能状態となったときの上記表示部における表示位置に移動させることを特徴とする請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1項に記載の情報処理装置を動作させる情報処理装置制御プログラムであって、コンピュータを上記の各手段として機能させるための情報処理装置制御プログラム。
【請求項12】
請求項11に記載の情報処理装置制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項13】
表示部に1または複数のアイコンを表示するとともに、該アイコンに対する指示を検知して上記アイコンに対する操作を受け付ける情報処理装置の制御方法であって、
上記情報処理装置にて、
操作検知手段が、上記表示部に対する接触を含む、自装置に対する操作を検知するとともに、該接触の該表示部における接触位置を取得する操作検知ステップと、
カーソル移動手段が、上記操作検知ステップで検知した操作および取得した接触位置により、上記表示部に表示されているカーソルを移動させるカーソル移動ステップと、
カーソル移動手段が、上記カーソル移動ステップで、カーソル移動中に、上記表示部に対する第1の接触を検知すると、上記カーソルの移動を停止するカーソル停止ステップと、
アイコン表示処理手段が、上記カーソル停止ステップで上記カーソルの移動が停止し、該カーソルが上記1または複数のアイコンのうちの何れかの位置にあるときに、上記操作検知手段が、アイコンを移動可能状態とするアイコン移動可能動作を検知した場合、上記カーソルの位置に存在するアイコンを移動可能状態とするアイコン表示処理ステップと、を含むことを特徴とする情報処理装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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