説明

情報処理装置、機能設定制御方法および機能設定制御プログラム

【課題】ワイアレスキーボード利用時のユーザの操作性を向上させることを課題とする。
【解決手段】パーソナルコンピュータは、キーボードとの間の距離測定結果に応じて、キーボード側のコネクタ機能および本体側のコネクタ機能のいずれか一方が有効となるように設定する。例えば、キーボードと本体部がある一定以上の距離で離れている場合には、キーボード側のコネクタ機能が有効となるように設定する。したがって、例えば、ユーザが本体部から離れてキーボードを操作中、フラッシュメモリをUSBに接続して利用しようとする場合に、キーボードが有するUSBにフラッシュメモリを接続して利用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、情報処理装置、機能設定制御方法および機能設定制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パーソナルコンピュータなどの情報処理装置において、ユーザの使用環境に配慮した技術が存在する。例えば、特許文献1では、キーボードやリモコンなどの操作デバイスとディスプレイとの距離に応じて、ディスプレイに設けられたスピーカからの出力音声のボリュームを調整する技術が開示されている。
【0003】
また、近年、キーボードと本体部とを接続するワイアの煩わしさを解消することを目的として、ワイアレスキーボードを採用するパーソナルコンピュータが市場に流通し始めている。
【0004】
【特許文献1】特開2005−309931号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記したワイアレスキーボードを採用するパーソナルコンピュータなどの情報処理装置において、情報処理装置の本体部に付属した各種機能を利用するユーザの操作性に問題が発生する場合がある。例えば、ユーザが本体部から離れてワイアレスキーボードを操作中に、本体部に付属されたUSB(Universal Serial Bus)を利用しようとする場合には、本体部まで近づいて接続を行わねばならない。
【0006】
そこで、この発明は、上述した従来技術の課題を解決するためになされたものであり、ワイアレスキーボード利用時のユーザの操作性を向上させることが可能な情報処理装置、機能設定制御方法および機能設定制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、開示の装置は、ユーザからの操作を受け付ける操作デバイスとの間の距離を測定する距離測定部と、前記距離測定部により測定された操作デバイスとの距離に応じて、操作デバイスが備える自装置の備える機能と同一の機能が有効となるように設定する機能設定部とを有する。
【発明の効果】
【0008】
開示の発明によれば、ワイアレスキーボードを利用時のユーザの操作性を向上できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下に、情報処理装置、機能設定制御方法および機能設定制御プログラムの一実施形態を詳細に説明する。なお、情報処理装置の一例としてパーソナルコンピュータを例に挙げて説明する。
【実施例1】
【0010】
図1は、実施例1に係るパーソナルコンピュータを説明するための図である。同図に示すように、実施例1に係るパーソナルコンピュータは、ワイアレスキーボード利用時のユーザの操作性を向上させる。
【0011】
具体的に説明すると、実施例1に係るパーソナルコンピュータは、図1に示すように、本体部とワイアで接続することなく、ユーザのよる操作が可能なワイアレスキーボードを備える。また、実施例1に係るパーソナルコンピュータは、本体部およびキーボードの各々に同一のコネクタ機能を有する。例えば、マイクを接続するための「Line-in」やヘッドホンを接続するための「Line-out」、外部デバイスを接続するためのUSB(Universal Serial Bus)やメモリカードスロットなどを有する。
【0012】
そして、実施例1に係るパーソナルコンピュータは、キーボードとの間の距離測定結果に応じて、キーボード側のコネクタ機能および本体側のコネクタ機能のいずれか一方が有効となるように設定する。例えば、キーボードと本体部がある一定以上の距離離れている場合には、キーボード側のコネクタ機能が有効となるように設定する。したがって、例えば、ユーザが本体部から離れてキーボードを操作中、フラッシュメモリをUSBに接続して利用しようとする場合に、キーボードが有するUSBにフラッシュメモリを接続して利用できる。このようなことから、ユーザは、本体側のUSBにフラッシュメモリを接続する必要がなく、ワイアレスキーボード利用時のユーザの操作性を格段に向上させることができる。
【0013】
[パーソナルコンピュータの構成(実施例1)]
図2は、実施例1に係るパーソナルコンピュータの構成を示す図である。同図に示すように、実施例1に係るパーソナルコンピュータは、本体部100およびキーボード200を有する。本体部100は、コネクタ機能部110と、センサ部120と、信号送受信部130と、制御コントローラ140とを有する。
【0014】
キーボード200は、本体部100とワイアで接続することなく、ユーザによる操作が可能なワイアレスデバイスであり、コネクタ機能部210、センサ部220および信号送受信部230を有する。なお、キーボード200は、例えば、一次電池や二次電池などに蓄えられた電気エネルギーを利用して動作する。
【0015】
コネクタ機能部210は、図3に示すように、マイクを接続するための「Line-in」やヘッドホンを接続するための「Line-out」が該当する。また、同図に示すように、フラッシュメモリなどの各種外部デバイスを接続するためのUSB(Universal Serial Bus)や、メモリカードを接続するためのメモリカードスロットなどが該当する。例えば、コネクタ機能部210は、信号送受信部230から音声信号を受けると、「Line-out」に接続されたヘッドホンに音声を出力する。なお、キーボード200は、図3に示すように、音声出力部としてのスピーカを備える。図3は、実施例1に係るキーボードの外観構成を示す図である。
【0016】
また、センサ部220は、キーボード200の移動を検知して、移動量を電気信号に変換し、本体部100へ伝送する。信号送受信部230は、コネクタ機能部210からの各種データ信号、およびユーザによるキーボード入力に関するデータを本体部100へ伝送し、本体部100から受けたデータ信号等をコネクタ機能部210に送出する。例えば、信号送受信部230は、コネクタ機能部210の「Line-in」に接続されたマイクを介して、ユーザから入力された音声を本体部100に伝送する。また、例えば、本体部100から受けたワンセグ放送データ内の音声信号をコネクタ機能部210に送出する。
【0017】
本体部100は、図2に示すように、コネクタ機能部110と、センサ部120と、信号送受信部130と、制御コントローラ140とを有する。コネクタ機能部110は、上述したキーボード200のコネクタ機能部210と同様の機能を有する。
【0018】
また、センサ部120は、キーボード200からキーボードの移動量に関するデータを受けると、キーボードの移動量に関するデータを電気信号に変換して、制御コントローラ140に送出する。信号送受信部130は、本体部100で発生したデータのうち、キーボード200へ伝送すべきデータを伝送する。例えば、本体部100のワンセグチューナー(図示せず)により受信されたワンセグ放送内の音声信号をキーボード200に伝送する。
【0019】
また、制御コントローラ140は、図2に示すように、キーボード位置検出部141および機能設定制御部142を有する。
【0020】
キーボード位置検出部141は、例えば、本体部100の電源が投入されると、センサ部120から受けた電気信号に基づいて、本体部100とキーボード200との間の距離を測定し、距離測定結果を機能設定制御部142に送出する。また、キーボード位置検出部141は、本体部100の稼働中、センサ部120から受けた電気信号に基づいて、キーボード200の移動を検出する。そして、キーボード200の移動が検出された場合には、改めて本体部100とキーボード200との間の距離を測定し、距離測定結果を機能設定制御部142に送出する。
【0021】
機能設定制御部142は、キーボード位置検出部141から受けた距離測定結果に応じて、キーボード200側のコネクタ機能部210および本体部100側のコネクタ機能部110のいずれか一方が有効となるように機能設定を実行する。
【0022】
具体的に説明すると、機能設定制御部142は、本体部100の電源投入時に、キーボード200との間の距離測定結果をキーボード位置検出部141から受けると、キーボード200との間の距離が所定の閾値を上回っているか否かを判定する。
【0023】
判定の結果、キーボード200との間の距離が所定の閾値を上回っている場合には、本体部100側のコネクタ機能部110が全て無効となるように設定するとともに、キーボード200側のコネクタ機能部210が全て有効となるように設定する。
【0024】
一方、判定の結果、キーボード200との間の距離が所定の閾値を上回っていない場合には、キーボード200側のコネクタ機能部210が全て無効となるように設定するとともに、本体部100側のコネクタ機能部110が全て有効となるように設定する。
【0025】
なお、機能設定制御部142は、図4に示すような機能設定テーブルを予め保有し、この機能設定テーブルに設定フラグ(「○」が有効、「×」が無効)を設定することで、機能設定制御を実行する。この機能設定テーブルを参照することで、機能設定制御部142は、キーボード200側のコネクタ機能部210および本体部100側のコネクタ機能部110のどちらが有効であるのか、現時点の設定状態を管理する。なお、図4は、実施例1に係る機能設定テーブルの構成例を示す図である。
【0026】
また、機能設定制御部142は、本体部100の稼働中に、キーボード200との間の距離測定結果をキーボード位置検出部141から受けると、キーボード200との間の距離が所定の閾値を下回っているか否かを判定する。すなわち、本体部100から離れた位置でキーボード200の操作を行っているユーザの本体部100側への接近を検知するものである。判定の結果、キーボード200との間の距離が所定の閾値を下回っている場合には、本体部100側のコネクタ機能部110を有効化することを決定する。
【0027】
そして、機能設定制御部142は、機能設定テーブル(図4)を参照して、キーボード200側のコネクタ機能部210の中で動作中の機能があるか否かを判定する。判定の結果、キーボード200側のコネクタ機能部210の中で動作中の機能がない場合には、キーボード200側のコネクタ機能部210を全て無効化して、本体部100側のコネクタ機能部110が全て有効となるように機能設定テーブルの設定を行う。
【0028】
また、機能設定制御部142は、判定の結果、キーボード200側のコネクタ機能部210の中で動作中の機能がある場合には、キーボード200側で動作中の機能について有効状態を継続し、キーボード200側で動作中ではない機能を無効化して、対応する本体部100側のコネクタ機能部110が有効となるように機能設定テーブルの設定を行う。
【0029】
機能設定の完了後、機能設定制御部142は、キーボード200側で動作中である機能をモニタして動作完了を検知する。そして、キーボード200側で動作中である機能の動作完了を検知すると、動作完了を検知したキーボード200側の機能を無効化して、対応する本体部100側のコネクタ機能部110が有効となるように機能設定テーブルの設定を行う。
【0030】
一方、機能設定制御部142は、キーボード200との間の距離が所定の閾値を下回っているか否かを判定した結果、キーボード200との間の距離が所定の閾値を下回っていない場合には、キーボード200側のコネクタ機能部210を有効化することを決定する。
【0031】
そして、機能設定制御部142は、機能設定テーブル(図4)を参照して、本体部100側のコネクタ機能部110の中で動作中の機能があるか否かを判定する。判定の結果、本体部100側のコネクタ機能部110の中で動作中の機能がない場合には、キーボード200側のコネクタ機能を全て無効化して、本体部100側のコネクタ機能部210が全て有効となるように機能設定テーブルの設定を行う。
【0032】
また、機能設定制御部142は、判定の結果、本体部100側のコネクタ機能部110の中で動作中の機能がある場合には、本体部100側で動作中の機能について有効状態を継続し、本体部100側で動作中ではない機能を無効化して、対応するキーボード200側のコネクタ機能部210が有効となるように機能設定テーブルの設定を行う。
【0033】
機能設定の完了後、機能設定制御部142は、本体部100側で動作中である機能をモニタして動作完了を検知する。そして、本体部100側で動作中である機能の動作完了を検知すると、動作完了を検知した本体部100側の機能を無効化して、対応するキーボード200側のコネクタ機能部210が有効となるように機能設定テーブルの設定を行う。
【0034】
[パーソナルコンピュータによる処理(実施例1)]
図5は、実施例1に係るパーソナルコンピュータの電源投入時の処理の流れを示す図である。
【0035】
図5に示すように、キーボード位置検出部141は、本体部100の電源が投入されると、センサ部120から受けた電気信号に基づいて、本体部100とキーボード200との間の距離を測定し(ステップS1)、距離測定結果を機能設定制御部142に送出する。
【0036】
機能設定制御部142は、キーボード200との間の距離測定結果をキーボード位置検出部141から受けると、キーボード200との間の距離が所定の閾値を上回っているか否かを判定する(ステップS2)。
【0037】
判定の結果、キーボード200との間の距離が所定の閾値を上回っている場合には(ステップS2肯定)、機能設定制御部142は、本体部100側のコネクタ機能部110が全て無効となるように設定する(ステップS3)。
【0038】
続いて、機能設定制御部142は、キーボード200側のコネクタ機能部210が全て有効となるように設定する(ステップS4)。そして、実施例1に係るパーソナルコンピュータは、電源投入時の処理を終了して稼動状態に入る。
【0039】
ここで、ステップS2の説明に戻ると、機能設定制御部142は、判定の結果、キーボード200との間の距離が所定の閾値を上回っていない場合には(ステップS2否定)、キーボード200側のコネクタ機能部210が全て無効となるように設定する(ステップS5)。
【0040】
続いて、機能設定制御部142は、本体部100側のコネクタ機能部110が全て有効となるように設定する(ステップS6)。そして、実施例1に係るパーソナルコンピュータは、電源投入時の処理を終了して稼動状態に入る。
【0041】
図6は、実施例1に係るパーソナルコンピュータの稼働中における処理の流れを示す図である。
【0042】
同図に示すように、キーボード位置検出部141は、本体部100の稼働中、センサ部120から受けた電気信号に基づいて、キーボード200の移動を検出する(ステップS1)。
【0043】
そして、キーボード位置検出部141は、キーボード200の移動を検出すると(ステップS1肯定)、改めて本体部100とキーボード200との間の距離を測定し(ステップS2)、距離測定結果を機能設定制御部142に送出する。
【0044】
一方、キーボード位置検出部141により、キーボード200の移動が検出されない場合には(ステップS1否定)、実施例1に係るパーソナルコンピュータは、機能設定テーブル(図4)の設定変更は行わず、そのまま現時点の機能設定状態を継続する(ステップS3)。
【0045】
機能設定制御部142は、本体部100の稼働中に、キーボード200との間の距離測定結果をキーボード位置検出部141から受けると、キーボード200との間の距離が所定の閾値を下回っているか否かを判定する(ステップS4)。判定の結果、キーボード200との間の距離が所定の閾値を下回っている場合には(ステップS4肯定)、本体部100側のコネクタ機能部110を有効化することを決定する(ステップS5)。
【0046】
そして、機能設定制御部142は、機能設定テーブル(図4)を参照して、キーボード200側のコネクタ機能部210の中で動作中の機能があるか否かを判定する(ステップS6)。判定の結果、キーボード200側のコネクタ機能部210の中で動作中の機能がある場合には(ステップS6肯定)、キーボード200側で動作中の機能について有効状態を継続し、キーボード200側で動作中ではない機能を無効化して、対応する本体部100側のコネクタ機能部110が有効となるように機能設定テーブルの設定を行う(ステップS7)。
【0047】
一方、機能設定制御部142は、判定の結果、キーボード200側のコネクタ機能部210の中で動作中の機能がない場合には(ステップS6否定)、キーボード200側のコネクタ機能部210を全て無効化して、本体部100側のコネクタ機能部110が全て有効となるように機能設定テーブルの設定を行う(ステップS8)。
【0048】
ここで、ステップS7以降の説明に戻ると、機能設定の完了後、機能設定制御部142は、キーボード200側で動作中である機能をモニタして動作完了を検知する(ステップS9)。機能設定制御部142は、キーボード200側で動作中である機能をモニタして動作完了が検知されていない場合には(ステップS9否定)、動作完了が検知するまでモニタを継続する。
【0049】
そして、機能設定制御部142は、キーボード200側で動作中である機能の動作完了を検知すると(ステップS9肯定)、動作完了を検知したキーボード200側の機能を無効化して、対応する本体部100側のコネクタ機能部110が有効となるように機能設定テーブルの設定を行う(ステップS10)。
【0050】
また、ステップS4の説明に戻ると、機能設定制御部142は、キーボード200との間の距離が所定の閾値を下回っているか否かを判定した結果、キーボード200との間の距離が所定の閾値を下回っていない場合には(ステップS4否定)、キーボード200側のコネクタ機能部210を有効化することを決定する(ステップS11)。
【0051】
そして、機能設定制御部142は、機能設定テーブル(図4)を参照して、本体部100側のコネクタ機能部110の中で動作中の機能があるか否かを判定する(ステップS12)。判定の結果、本体部100側のコネクタ機能部110の中で動作中の機能がある場合には(ステップS12肯定)、本体部100側で動作中の機能について有効状態を継続し、本体部100側で動作中ではない機能を無効化して、対応するキーボード200側のコネクタ機能部210が有効となるように機能設定テーブルの設定を行う(ステップS13)。
【0052】
一方、機能設定制御部142は、判定の結果、本体部100側のコネクタ機能部110の中で動作中の機能がない場合には(ステップS12否定)、キーボード200側のコネクタ機能を全て無効化して、本体部100側のコネクタ機能部210が全て有効となるように機能設定テーブルの設定を行う(ステップS14)。
【0053】
ここで、ステップS12以降の説明に戻ると、機能設定の完了後、機能設定制御部142は、本体部100側で動作中である機能をモニタして動作完了を検知する(ステップS15)。機能設定制御部142は、本体部100側で動作中である機能をモニタして動作完了が検知されていない場合には(ステップS15否定)、動作完了が検知するまでモニタを継続する。
【0054】
そして、機能設定制御部142は、本体部100側で動作中である機能の動作完了を検知すると(ステップS15肯定)、動作完了を検知した本体部100側の機能を無効化して、対応するキーボード200側のコネクタ機能部210が有効となるように機能設定テーブルの設定を行う(ステップS16)。
【0055】
なお、実施例1に係るパーソナルコンピュータは、稼働中、上述してきた処理(ステップS1〜ステップS16)を繰り返し実行する。
【0056】
[実施例1による効果]
上述してきたように、実施例1によれば、本体部100とキーボード200との間に所定以上の距離がある場合には、キーボード200側に備えられたコネクタ機能が有効となるように設定する。このようなことから、例えば、ユーザが本体部から離れてキーボードを操作中、フラッシュメモリをUSBに接続して利用しようとする場合に、キーボードが有するUSBにフラッシュメモリを接続して利用でき、ワイアレスキーボードを利用時のユーザの操作性を向上できる。
【0057】
また、実施例1では、ワイアレスなキーボード200と本体部100との間の距離に応じて、キーボード200が有する機能を設定制御する方法(図5、図6等参照)について説明した。しかしながら、これに限定されるものではなく、キーボード200に代わるデバイスとして、ワイアレスなマウスなどにも、上記の実施例1で説明した方法を同様に適用することができる。
【0058】
また、実施例1では、キーボード200と本体部100がある一定以上の距離離れている場合には、本体側で現に起動中の機能をのぞいて、キーボード200側のコネクタ機能部210の全てが有効となるように設定する方法を説明した。しかしながら、これに限定されるものではなく、例えば、キーボード200が備えるコネクタ機能部210のうち、スピーカ機能を有効化する距離と、USB機能を有効化する距離とに違いを持たせるようにしてもよい。このようにすることで、キーボード200および本体部100のそれぞれに備えられた同一のコネクタ機能内の個別機能ごとに、キーボード200側の機能の有効設定を細かく制御することができる。
【0059】
また、実施例1では、キーボード200と本体部100がある一定の距離内にある場合には、キーボード200側の機能を無効とするので、キーボードの動力源である一次電池や二次電池の省電力化を実現できる。
【実施例2】
【0060】
以下に、情報処理装置、機能設定制御方法および機能設定制御プログラムの他の実施形態について説明する。
【0061】
(1)装置構成等
図2に示したパーソナルコンピュータの各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、パーソナルコンピュータの分散・統合の具体的形態は同図に示すものに限られず、例えば、キーボード位置検出部141と機能設定制御部142とを統合することもできる。このように、同図に示すパーソナルコンピュータの全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。さらに、同図に示すパーソナルコンピュータにて行なわれる各処理機能(図5、図6等参照)は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0062】
(2)機能設定制御プログラム
また、上記の実施例1でパーソナルコンピュータの各種の処理(図5、図6等参照)は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータシステムで実行することによって実現することができる。そこで、以下では、図7を用いて、上記の実施例1と同様の機能を有する機能設定制御プログラムを実行するコンピュータの一例を説明する。図7は、機能設定制御プログラムを実行するコンピュータを示す図である。
【0063】
同図に示すように、コンピュータ300は、センサ310、信号送受信部320、HDD330、RAM340およびCPU350をバス400で接続して構成される。
【0064】
ここで、センサ310は、キーボードなどの操作デバイスから各種データを受け付ける。信号送受信部320は、キーボードなどの操作デバイスとの間で各種データのやり取りを行う。HDD330は、CPU350による各種処理の実行に必要な情報を記憶する。RAM340は、各種情報を一時的に記憶する。CPU350は、各種演算処理を実行する。
【0065】
そして、HDD330には、図7に示すように、上記の実施例1に示したパーソナルコンピュータの各処理部と同様の機能を発揮する機能設定制御プログラム331と、機能設定制御用データ332とがあらかじめ記憶されている。なお、この機能設定制御プログラム331を適宜分散させて、ネットワークを介して通信可能に接続された他のコンピュータの記憶部に記憶させておくこともできる。
【0066】
そして、CPU350が、この機能設定制御プログラム331をHDD330から読み出してRAM340に展開することにより、図7に示すように、機能設定制御プログラム331は機能設定制御プロセス341として機能するようになる。すなわち、機能設定制御プロセス341は、機能設定制御用データ332等をHDD330から読み出して、RAM340において自身に割り当てられた領域に展開し、この展開したデータ等に基づいて各種処理を実行する。なお、機能設定制御プロセス341は、図2に示したパーソナルコンピュータの制御コントローラ140(キーボード位置検出部141および機能設定制御部142等)において実行される処理にそれぞれ対応する。
【0067】
なお、上記した機能設定制御プログラム331については、必ずしも最初からHDD330に記憶させておく必要はなく、例えば、コンピュータ300に挿入されるフレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカードなどの「可搬用の物理媒体」、さらには、公衆回線、インターネット、LAN、WANなどを介してコンピュータ300に接続される「他のコンピュータ(またはサーバ)」などに各プログラムを記憶させておき、コンピュータ300がこれらから各プログラムを読み出して実行するようにしてもよい。
【0068】
(3)機能設定方法
上記の実施例1で説明したパーソナルコンピュータにより、以下のような機能設定制御方法が実現される。
【0069】
すなわち、ユーザからの操作を受け付けるキーボード200との間の距離を測定する距離測定ステップと(例えば、図5のステップS1参照)、距離測定ステップにより測定されたキーボード200との距離に応じて、キーボード200および本体部100の各々に備えられた同一のコネクタ機能のうち、キーボード200および本体部100のいずれか一方が有効となるように設定する機能設定ステップと(例えば、図5のステップS2〜ステップS6参照)を含んだ機能設定制御方法が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】実施例1に係るパーソナルコンピュータを説明するための図である。
【図2】実施例1に係るパーソナルコンピュータの構成を示す図である。
【図3】実施例1に係るキーボードの外観構成を示す図である。
【図4】実施例1に係る機能設定テーブルの構成例を示す図である。
【図5】実施例1に係るパーソナルコンピュータ電源投入時の処理の流れを示す図である。
【図6】実施例1に係るパーソナルコンピュータの稼働中における処理の流れを示す図である。
【図7】機能設定制御プログラムを実行するコンピュータを示す図である。
【符号の説明】
【0071】
100 本体部
110 コネクタ機能部
120 センサ部
130 信号送受信部
140 制御コントローラ
141 キーボード位置検出部
142 機能設定制御部
200 キーボード
210 コネクタ機能部
220 センサ部
230 信号送受信部
300 コンピュータ
310 センサ
320 信号送受信部
330 HDD(Hard Disk Drive)
331 機能設定制御プログラム
332 機能設定制御用データ
340 RAM(Random Access Memory)
341 機能設定制御プロセス
350 CPU(Central Processing Unit)
400 バス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザからの操作を受け付ける操作デバイスとの間の距離を測定する距離測定部と、
前記距離測定部により測定された操作デバイスとの距離に応じて、操作デバイスが備える自装置の備える機能と同一の機能が有効となるように設定する機能設定部と
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記機能設定部は、前記距離測定部により測定された操作デバイスとの距離が所定の閾値を超えている場合には、操作デバイス側の機能が有効となるように設定するとともに、自装置側の機能が無効となるように設定することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
操作デバイス位置の変化を検出する位置検出部をさらに有し、
前記距離測定部は、前記位置検出部により操作デバイス位置の変化が検出された場合には、操作デバイスとの間の距離を再測定し、
前記機能設定部は、前記距離測定部により再測定された操作デバイスとの距離が所定の閾値を超えている場合には、操作デバイス側の機能が有効となるように設定するとともに、自装置側の機能が無効となるように設定することを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記機能設定部は、操作デバイス側の機能が有効となるように設定する場合に、自装置側で現に動作中以外の機能について、操作デバイス側の機能が有効となるように設定することを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
ユーザからの操作を受け付ける操作デバイスとの間の距離を測定する距離測定ステップと、
前記距離測定ステップにより測定された操作デバイスとの距離に応じて、操作デバイスが備える自装置の備える機能と同一の機能が有効となるように設定する機能設定ステップと
を含んだことを特徴とする機能設定制御方法。
【請求項6】
ユーザからの操作を受け付ける操作デバイスとの間の距離を測定する距離測定手順と、
前記距離測定手順により測定された操作デバイスとの距離に応じて、操作デバイスが備える自装置の備える機能と同一の機能が有効となるように設定する機能設定手順と
をコンピュータに実行させることを特徴とする機能設定制御プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2010−146118(P2010−146118A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−320184(P2008−320184)
【出願日】平成20年12月16日(2008.12.16)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】