説明

情報処理装置、表示位置決定方法およびプログラム

【課題】 テンプレートに画像を配置する際に、操作性が向上しつつも、テンプレート全体の視認性を保つテンプレートへの画像配置を行うことを目的とする。
【解決手段】 テンプレート上の選択された配置枠の近傍かつ所定の領域と重なりが小さくなるように前記テンプレートの表示画面上の位置を縮小された候補画像の一覧の表示位置として決定することを特徴とする画像配置装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像をテンプレートに配置する情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、写真館において、カメラマンが撮影した撮影画像をアルバムなどの商材として作成し、顧客に推奨するプレゼンテーションシステムが導入されている。このようなプレゼンテーションシステムでは、オペレータが顧客とともに、モニタに表示された画像を商材の台紙となるテンプレートに配置し、プレビューを見ることができる。しかしながら、近年の画像のデジタル化や画像を記憶する記憶装置の大容量化に伴い、配置する候補となる画像の増大により、テンプレートに画像を配置する作業の煩雑さが問題となっていた。このような状況を改善するための技術として特許文献1では、テンプレートに配置された画像と類似する画像を配置場所から吹き出し表示を行う技術が提案されている。特許文献1によれば、テンプレートに既に配置されている画像と所望する他の画像を容易に入れ替えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−301325号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したプレゼンテーションシステムでは、オペレータと顧客が同一のモニタを見る場合が多いため、大画面のディスプレイが使用される場合が多い。そのため、配置候補となる画像一覧からテンプレートに画像を実際に配置するための操作量の低減がより一層望まれている。また、商材を作成するにあたって、テンプレート全体のバランスを見ながらテンプレート上に配置する画像を適宜入れ替えることが商材全体の出来を大きく左右する要因となっている。
【0005】
しかしながら、上述の特許文献1では、例えばアルバムのように1ページに複数の画像配置枠が存在するテンプレートの場合などに、すでに画像が配置されている配置枠に重なって吹き出しが表示される場合がある。したがって、ページ全体、配置済みの画像の視認性を損なってしまう。これにより、テンプレートの同一ページ内の配置済みの画像と統一感のあるような画像を他の画像配置枠にレイアウトしたいような場合に、他の配置済みの画像を見ながらレイアウトすることができないという問題があった。つまり、テンプレート全体の視認性を損なってしまう恐れがあった。
【0006】
本発明は、上述した問題を鑑みてなされた発明であり、操作性が向上しつつも、テンプレート全体の視認性を保つテンプレートへの画像配置を行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決する一手段として、
画像をテンプレート上の配置枠に配置する情報処理装置であって、
前記画像を配置するために指定された前記配置枠を判別する判別手段と、
前記テンプレート上の前記画像が配置されている前記配置枠を検出する検出手段と、
前記配置枠に配置する候補となる画像の一覧の表示位置を決定する決定手段とを有し、
前記決定手段は、判別された前記配置枠の位置と前記検出手段により検出された前記配置枠の位置とに基づいて、前記画像の一覧を表示する前記テンプレートの位置を決定することを特徴とする情報処理装置を提供することにある。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、操作性が向上しつつも、テンプレート全体の視認性を保つテンプレートへの画像配置を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本実施形態に係る画像配置装置のハードブロック図である。
【図2】本実施形態に係る画像配置装置の機能構成を示す図である。
【図3】本実施形態に係る画像配置装置のUIの一例である。
【図4】本実施形態に係る画像配置装置のUIの他の一例である。
【図5】本実施形態に係る画像配置装置のUIの他の一例である。
【図6】本実施形態に係る画像配置装置の動作を示すフローチャートである。
【図7】本実施形態に係る画像配置装置のUIの他の一例である。
【図8】縮小候補画像表示領域決定処理の一例を示すフローチャートである。
【図9】本実施形態に係る画像配置装置のUIの他の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付の図面を参照して、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態において示す構成は一例に過ぎず、本発明は図示された構成に限定されるものではない。
【0011】
<実施形態1>
本実施形態では、予め画像を配置するための配置枠が規定されたテンプレートに画像を配置する画像配置装置について説明を行う。図1は、本実施形態に係る画像配置装置を情報処理装置(パーソナルコンピュータなど)であるコンピュータシステムで構成した場合のハードウェアブロック図である。なお、PC以外に、ワークステーション、コンピュータを内蔵したテレビ等の各種家電製品、ゲーム機、携帯電話等の情報処理装置、または、これらの組合せによっても実施可能である。
【0012】
図1の101は、コンピュータシステムの制御をつかさどる中央演算装置(Central Processing Unit)(以下CPUと記す)である。なお、画像配置装置の動作や各機能構成は後述するROM103に格納されるプログラムをCPU101が実行し、各ハードウェアを制御することで達成される。102は、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory)(以下RAMと記す)であり、CPU101の主メモリとして、実行プログラムの領域や該プログラムの実行エリアならびにワークメモリして機能する。103は、CPU101において実行され、画像配置装置の動作処理手順や各機能構成を実現させるプログラムを記録しているリードオンリーメモリー(Read Only Memory)(以下ROMと記す)である。ROM103には、コンピュータシステムの機器制御を行うシステムプログラムである基本ソフト(OS)や各種プログラムを記録したプログラムROMとシステムを稼動するために必要な情報などが記録されたデータROMがある。
【0013】
104は、ネットワークインターフェース(以下NETI/Fと記す)であり、ネットワークを介して外部装置とのデータ転送を行うための制御や接続状況の診断を行う。105は、ビデオRAM(以下VRAMと記す)であり、VRAM105に展開される画像情報を後述する表示装置106に表示させる。106は、表示装置であって、例えば、液晶ディスプレイやブラウン管ディスプレイである。107は、後述する入力装置108からの入力信号を制御するコントローラである。108は、コンピュータシステムの利用者がコンピュータシステムに対して行う操作を受け付けるための入力装置であり、例えば、キーボードやポインティングデバイスなどである。109は、ハードディスクドライブであり、画像を配置する台紙となるテンプレートや配置対象となる画像等を記憶している。なお、ROM103の代わりに各種プログラムを記憶していてもよい。110は、外部記憶装置I/Fであって、例えばフレキシブルディスクドライブ、CD−ROMドライブなどの外部記憶装置111から情報の入出力を制御する。バス100は、上述した各ユニット間の接続するための入出力バス(アドレスバス、データバス、及び制御バス)である。
【0014】
次に図2を用いて、本実施形態に係る画像配置装置における機能構成の説明を行う。なお、以下に述べる各機能構成は、CPU101がROM103に記憶されているプログラムを実行することで、各ハードウェアを制御することによって達成される。
【0015】
本実施形態に係る画像配置装置20は、UI部200、レイアウト部205、検出部206、決定部207、オブジェクト検出部208、記憶部209から構成される。UI部200は、ユーザからの入力の受付とユーザへの表示をつかさどる。UI部200は、さらにユーザへ表示装置106を介してテンプレートに画像を配置するためにテンプレート等の表示制御を行う表示部201と入力装置108を介したユーザからの入力を受け付ける入力部210から構成される。さらに、表示部201は、テンプレートに配置する候補となる複数の画像の一覧を表示制御する候補画像表示部202と、候補画像表示部202の縮小表示を表示制御する縮小候補画像表示部203を有する。さらに表示部201は、UI部200に対するユーザの選択、スクロールといった指示操作により表示変更される縮小候補画像表示部203の表示と候補画像表示部202の表示を同期させる同期部204を有する。
【0016】
レイアウト部205は、候補画像をテンプレートの画像配置場所である配置枠に配置するため、テンプレートと候補画像の合成を行う。検出部206は、同一ページ内またはテンプレートの表示部201に表示されている領域において、テンプレートの配置枠に画像が既に配置されている配置枠の検出や配置枠以外の領域である空き領域を検出する。なお、空き領域として、テンプレート中の配置枠とともに装飾のための背景のオブジェクトや文字データ以外の領域を検出するようにしても良い。決定部207は、検出部206の検出結果に基づいて、縮小候補画像表示部203による表示の位置を決定する。オブジェクト検出部208は、配置枠に配置された画像上の所定のオブジェクトを検出する。検出するオブジェクトとは例えば、顔や人物や主要被写体となり得るオブジェクトを検出する。記憶部209は、テンプレートや候補画像の記憶を行う。記憶部はHDD109から構成される。なお、記憶部209に記憶されるテンプレートや画像はNETI/Fを介して外部装置から取得してもよいし、外部記憶装置I/F110を介して外部記憶装置111から取得してもよい。
【0017】
ここで、図3を用いてUI部200による表示画面の一例を説明する。図3はテンプレートに画像をレイアウトする開始時に表示される表示画面の一例である。画面300は、テンプレート表示領域301、候補画像表示領域306から構成される。本実施形態において、テンプレートには、画像を配置可能な配置枠が予め規定されている。この配置枠の位置や大きさに関する情報はテンプレートに関連付けられて保持されている。図3において、配置枠302〜305を有するテンプレートがテンプレート表示領域301に表示されている。なお、図3において、配置枠の個数が4であるテンプレートを一例として示しているが、配置枠の個数は任意であり限定されるものではない。候補画像表示領域306は、記憶部209に記憶されている配置枠に配置される候補となる候補画像307を一覧表示する。入力部210は、ユーザの表示画面300に対しての指示動作を検出し、各指示動作を各機能構成に伝達を行う。一例として、スクロールバー308のユーザ操作による指示に応じて、候補画像表示部202は、候補画像表示領域306に表示される候補画像307をスクロールして表示変更を行う。
【0018】
続いて、候補画像を配置枠に配置する際のUI部200の表示の一例を図4に示す。図4において、ユーザが入力部210を介して、画像を配置する配置枠302を選択した場合の例である。ユーザが配置枠302を選択することにより、縮小候補画像表示部203は、縮小候補画像表示領域400を表示画面300内に表示させる。縮小候補画像表示領域400は、候補画像表示領域306を縮小表示した候補画像の一覧表示である。ユーザは、縮小候補画像表示領域400から配置枠に配置したい画像を選択すると、選択された画像が配置枠に配置される。
【0019】
以上の構成からなる画像配置装置20の動作を図6に示すフローチャートを参照して説明を行う。S600において、表示部208は、記憶部209に記憶されているテンプレートを表示画面300におけるテンプレート表示領域301に表示させる。なお、レイアウト対象となるテンプレートはユーザの入力により選択されるものとする。次に、S601において、入力部210は、テンプレート表示領域301に表示されたテンプレートにおける画像を配置する配置枠の選択を受付ける。入力部210は、ユーザにより指定された配置枠の判別を行う。S602において、検出部206は、選択された配置枠が存在するテンプレートの所定の範囲のテンプレート上の画像が配置済みである配置枠の検出を行う。ここで、所定の範囲とは、ページ内または表示画面におけるテンプレート上の画像が配置済みである配置枠の検出を行う。検出部206は、画像が配置済みである配置枠を検出した場合、その配置枠のテンプレートにおける位置や大きさを取得する。なお、本実施形態において、テンプレート表示領域301に表示されるテンプレートは印刷後の出力媒体の見開き1ページ(2ページ分)を常に表示する構成とする。したがって、検出部206は、選択された配置枠が存在するページ内を検出対象として今後の説明を行う。例えば、テンプレート表示領域301に表示されるテンプレートが可変に変更出来る場合やページ単位での表示ではない場合はテンプレート表示領域に表示されているテンプレート上の領域を検出対象とする。このように、テンプレート表示領域の表示に対応した範囲を検出範囲を設定するので、後述する縮小候補画像表示領域をユーザの操作性が良くなる適切な位置に表示することが可能となる。
【0020】
続いて、S603において、検出部206は、選択された配置枠が存在するページ内または表示画面におけるテンプレート上の空き領域を検出する。検出部206は、テンプレートと関連付けられて保持されているテンプレート上の配置枠の位置や大きさを取得し、取得した情報に基づいて空き領域の検出を行う。次に、S604において、決定部207は、選択された配置枠、空き領域と画像配置済み配置枠の検出結果に応じて縮小候補画像表示領域の表示位置を決定する。S604での表示位置決定処理の詳細を図8のフローチャートを用いて説明する。
【0021】
S801において、決定部207は、テンプレート上の空き領域が選択された配置枠の周囲に所定の面積以上存在するかの判断を行う。ここで、所定の面積とは、縮小候補画像表示領域の表示領域を鑑みて、適宜定めた値で構わない。なお、配置枠との縮小候補画像表示領域との重なりが過大にならないよう所定の面積を決定することが好ましい。また、縮小候補画像表示領域の表示サイズが可変に設定できる場合は、縮小候補画像表示領域の表示サイズに応じて、所定の面積の値を変化するように構成してよい。空き領域が所定の面積以上存在する場合はS802へ処理を進める。S802において、決定部207は、選択された配置枠から所定の領域内における中間地点までの距離を算出する。ここで、中間地点とは、複数の各配置枠と空き領域内の点の距離の和が最も小さくなる地点をいう。決定部207は、複数の各配置枠の位置や大きさを取得し、中間地点を算出する。そして、決定部207は、選択された配置枠と算出した中間地点との距離を算出する。S803において、決定部207は、S802において算出した距離が所定の値より小さいかを判断する。ここで、所定の値とは、縮小候補画像表示領域から配置枠へ配置する画像を決定する操作(ドラック&ドロップ)の操作性を鑑みて、適宜定めた値で構わない。算出した距離が所定の値より大きい場合はS804へ処理を進める。
【0022】
S804において、決定部207は、選択された配置枠の周囲かつ他の配置枠と重なる面積が最小となる位置を縮小候補画像表示領域の表示位置として決定し、表示位置決定処理を終了する。このように、選択された配置枠の周囲かつ他の配置枠と重なる面積が最小となる位置を縮小候補画像表示領域の表示位置として決定するので、配置枠へ配置する画像を決定する操作の操作性を向上しつつ、テンプレート全体の視認性を保つことができる。
【0023】
一方、S803において、算出した距離が所定の値より小さい場合はS805へ処理を進める。S805において、決定部207は、中間地点を縮小候補画像表示領域の表示位置として決定し、表示位置決定処理を終了する。このように、中間地点を縮小候補画像表示領域の表示位置として決定する。したがって、配置枠へ配置する画像を決定する操作の操作性を向上しつつ、縮小候補画像表示領域が他の配置枠に重なったとしても、重なり量を低減できるためテンプレート全体の視認性を保つことができる。また、中間地点を縮小候補画像表示領域としているので選択されていない他の配置枠へも配置する画像を決定する操作が行いやすい。したがって、本実施形態おいて、S805により決定された表示位置は同一ページ内の他の配置枠全てに画像が配置されるまで表示され続けるとする。このように構成することで、テンプレート全体に画像を配置する操作の操作性を向上することできる。また、テンプレート全体の視認性を保ちながらテンプレート全体に画像を配置することが可能となる。なお、選択された配置枠に応じて、縮小候補画像表示領域を表示しなおす構成としてももちろん構わない。
【0024】
一方、S801に戻り、空き領域が所定の面積以上存在しない場合はS806へ処理を進める。S806において、検出部206は、選択された配置枠にすでに画像が配置されているかを判断する。選択された配置枠にすでに画像が配置されていない場合はS807に処理を進める。S807において、決定部207は、選択された配置枠の中心位置を縮小候補画像表示領域の表示位置として決定し、表示位置決定処理を終了する。このように、テンプレート上に空き領域が検出されなかったとしても、選択された配置枠の中心位置を縮小候補画像表示領域の表示位置とするので配置枠へ配置する画像を決定する操作の操作性の向上が図れる。また操作性を向上しつつも縮小候補画像表示領域が他の配置枠に重なることがない、または重なったとしても重なり量が小さくなるように制御を行うので、テンプレート全体の視認性を保つことが出来る。
【0025】
なお、選択された配置枠の中心位置を縮小候補画像表示領域の表示位置として決定したがこれに限られるものではない。例えば、UI部200は、S601におけるテンプレート上の配置枠の選択指示を受け付けた際のカーソルの位置を取得しておく。そして、決定部207は、取得したカーソルの位置から距離が最短となる選択された配置枠内の位置を縮小候補画像表示領域の表示位置として決定する構成としても良い。このように構成することにより、配置枠を選択する操作から画像を配置する操作の移動量をより低減することができるので、操作性を向上することできる。また、選択された配置枠内にカーソルを設定した場合、カーソルを追従するように、縮小候補画像表示領域の表示位置をカーソル位置に応じて可変とするように構成してもよい。
【0026】
一方、S806において、選択された配置枠にすでに画像が配置されている場合は、S808に処理を進める。S808において、オブジェクト検出部208は、選択された配置枠に配置された画像上の顔や人物等の主要被写体となり得るオブジェクトを検出する。検出方法としては、公知の顔検出技術やオブジェクト検出技術を用いればよいのでここでは詳細は省く。続いて、S809において、決定部207は、検出したオブジェクトと重ならない位置もしくは重なったとしても重なり量が最小となる選択された配置枠内の位置を縮小候補画像表示領域の表示位置として決定し、表示位置決定処理を終了する。このように、テンプレート上に空き領域が検出されず、すでに配置枠に画像が配置されていたとしても、主要被写体と重なりが少ない位置を縮小候補画像表示領域の表示位置を決定する。したがって、配置枠へ配置する画像を決定する操作の操作性を向上しつつ、テンプレート全体の視認性を保つことができる。
【0027】
以上説明したS604における表示位置決定処理に続いて図6に示すS605へ処理を進める。S605において、縮小候補像表示部203は、S604において決定された表示位置に縮小候補画像表示領域を表示させる。S606において、入力部210は、ユーザによる縮小候補画像表示領域への操作が行われたかを判断している状態となる。縮小候補画像表示領域へユーザが画像の選択や表示領域のスクロール操作を行った場合、S607に処理を進める。S607において、同期部204は、縮小候補画像表示領域へユーザが行った操作を候補画像表示部202に通知する。そして、同期部204は、候補画像表示部202と縮小候補画像表示部204に対してユーザ操作を反映するような表示変更を同期させて行うよう制御を行う。このように、縮小候補画像表示領域と候補画像表示領域の表示を同期させることで候補画像を大きい候補画像表示領域で容易に確認できるという候補画像の視認性の向上と、縮小候補画像表示領域による操作性の向上を達成することが可能となる。
【0028】
ユーザ操作を反映する表示制御を行った後は再びS606へ戻る。S606において、入力部210が縮小候補画像領域への操作が、配置枠に配置する画像を決定する操作(ドラッグアンドドロップ)であると判断した場合は、S608に処理を進める。S608において、レイアウト部205が選択された画像を配置枠に配置するように合成処理を行い、表示部201は合成後のテンプレートの表示を行う。続いて、S609において、縮小候補画像表示部203は、S604において決定された決定された表示位置を判断し、表示位置に応じて処理を異ならせる。表示位置が中間位置である場合は、S610に処理を進める。表示位置が選択された配置枠内である場合はS613に処理を進める。表示位置が中間地点、選択された配置枠内以外である場合はS617に処理を進める。
【0029】
表示位置が中間位置であるの場合の処理を説明する。S610において、検出部206は、選択された配置枠を有するテンプレートのページ内における全ての配置枠に画像が配置済みかどうかを判定する。S610において、全ての配置枠に画像が配置済みでないと判定される場合は、再びS606の処理に戻り、他の配置枠への画像の配置、配置済みの配置枠への他の画像の配置に備える。S610において、全ての配置枠に画像が配置済みと判定される場合はS611に処理を進める。S611において、縮小候補画像表示部203は、非表示制御を行い、縮小候補画像表示領域を非表示にする。このように、ページ全体に画像が配置された場合に縮小候補画像領域を非表示にするので、テンプレート全体を俯瞰でき、テンプレート全体の視認性が向上する。したがって、ユーザはテンプレート全体の視認性を保ちつつ、テンプレート全体のバランスを考慮した画像レイアウトを行うことが可能となる。また、中間地点に縮小候補画像表示領域を全ての配置枠に画像が配置されるまで表示し続けるので、各配置枠への画像配置操作量を低減しながらも、表示非表示の回数が低減され、表示非表示が煩わしいユーザにとってはユーザビリティの向上となる。また、テンプレート内の各配置枠に重なりが少ない位置に縮小候補画像表示領域が表示され続けるのでテンプレート全体、または配置済みの画像の視認性を損なうことが軽減される。
【0030】
続く、S612において、入力部210は、ユーザの入力に基づいて、選択された配置枠と同一ページの画像配置済み配置枠に他の画像を再配置するかを判定する。なお、再配置の操作としては、所定のポインティンジェスチャーを予め規定すればよい。例えば、配置済みの配置枠をダブルクリックする入力を選択された配置枠に他の画像を再配置する動作とする。入力部210が再配置の動作を検出した場合、S615に進む。また、入力部210が再配置の動作を検出しなかった場合、S616に進む。再配置の動作を検出した場合、S615において、縮小候補画像表示部203は、S604で決定された表示位置に縮小候補画像表示領域を再表示し、S606に戻り、再配置する画像の選択に備える。このように、再配置する際は、縮小表示領域を再表示するので再配置の際の配置する画像を決定する操作量を低減する。S612において、入力部210が再配置の動作を検出しなかった場合、S616において、入力部210はユーザが画像配置を終了するかを判断する。画像配置を続ける場合は、S601に戻り、配置枠の選択を受付ける。
【0031】
一方、S609において、表示位置が選択された配置枠内と判定された場合の処理を説明する。S613において、縮小候補画像領域の表示位置が選択された配置枠内である場合、選択された配置枠に画像が配置されると縮小候補画像表示部203は、非表示制御を行い、縮小候補画像表示領域を非表示にする。このように、縮小候補画像表示領域を非表示にすることで配置された画像の視認性を損なうことが軽減される。そして、S614において、入力部210は。ユーザの入力に基づいて、選択された配置枠に他の画像を再配置するかを判定する。入力部210が再配置の動作を検出した場合、S615に進む。また、入力部210が再配置の動作を検出しなかった場合、S616に進む。再配置の動作を検出した場合、S615において、縮小候補画像表示部203は、S604で決定された表示位置に縮小候補画像表示領域を再表示し、S606に戻り、再配置する画像の選択に備える。このように、再配置する際は、配置済みの画像の視認性を考慮する必要がないので、前回決定された表示位置を用いることで表示位置を決定する処理量を低減する。S614において、入力部210が再配置の動作を検出しなかった場合、S616において、入力部210はユーザが画像配置を終了するかを判断する。画像配置を続ける場合は、S601に戻り、配置枠の選択を受付ける。
【0032】
一方、S609において、表示位置が中間地点、選択された配置枠内以外である場合は、S617において、入力部210はユーザが画像配置を終了するかを判断する。画像配置を続ける場合は、S618に進み、他の配置枠が選択されたかを判断する。他の配置枠が選択された場合は、S619において、縮小候補画像表示部203は、非表示制御を行い、縮小候補画像表示領域を非表示にする。そして、S602の処理に戻る。一方、S618において、他の配置枠が選択されなかった場合は、選択された配置枠の再配置に備えて、縮小候補画像表示領域を表示したまま、S605の処理に戻る。このように、選択された配置枠の周囲かつ他の配置枠と重なる面積が最小の位置が表示位置の場合、画像再配置に備えて縮小候補画像表示領域を表示し続けるので、容易に画像の再配置が行える。
【0033】
以上のように、縮小候補画像領域の表示位置に応じて縮小候補画像表示領域を非表示にすることで、テンプレート全体を俯瞰でき、テンプレート全体の視認性が向上する。したがって、ユーザはテンプレート全体の視認性を保ちつつ、テンプレート全体のバランスを考慮した画像レイアウトを行うことが可能となる。また、画像の再配置に備えて、適切なタイミングで縮小候補画像表示領域を再表示するので操作性を向上できる。
【0034】
上述した動作を行う画像配置装置20のUI部200の表示例を図4、5、7、9に示す。図4に示す表示例では、テンプレート表示領域301に表示されているテンプレートの左ページ部分に配置枠302と配置枠303が存在する(S600)。ここで、ユーザが配置枠302を画像を配置する配置枠として選択したとする(S601)。入力部210は、ユーザのより指定された配置枠302を判別する。検出部206は、配置枠303にはまだ画像が配置されていないので、このページ内における画像配置済み配置枠は存在しないことを検出する(S602)。検出部206は、配置枠以外の空き領域を検出する。(S603)。そして、決定部207は、検出された空き領域において、配置枠302と配置枠303の中間地点に縮小候補画像表示領域を表示位置として決定する(S801、S802、S803、S805)。縮小候補画像表示部203は、決定された表示位置に縮小候補画像表示領域400を表示する(S605)。ユーザの縮小候補画像表示領域400に対する選択、スクロール等の操作に応じて、縮小候補画像表示領域400と候補画像表示領域306が同期して表示変更が行われる(S606,S607)。候補画像307の選択状態の変更や、スクロールバー308の動作、候補画像一覧のスクロールが行われる。
【0035】
ユーザの縮小候補画像表示領域400から配置枠302に画像をドラッグアンドドロップすることに応じて、レイアウト部205は、配置枠302に当該画像を配置する(S608)。配置枠302に画像が配置された後も、中間位置が表示位置であり、配置枠303に画像が配置されていないため、縮小候補画像表示領域400は、表示され続け、配置枠303に対する画像配置に備える。(S609、S610)。配置枠303に画像が配置され、同一ページ内の全ての配置枠に画像が全て配置された場合に、縮小候補画像表示部203は、縮小候補画像表示領域400を非表示とする非表示制御を行う(S610、S612)。
【0036】
続いて、配置枠302、配置枠303に画像を配置後、右ページの配置枠304を選択した場合の表示例を図5に示す(S612、S616、S601)。図5の場合は、テンプレート表示領域301に表示されているテンプレートの右ページ部分に配置枠304と配置枠305が存在する。入力部210が右ページの配置枠304の指定を判別するとページ内の2つの配置枠以外の空き領域を、検出部206により検出を行う。図5の場合は、縮小候補画像表示領域400を表示するのに十分な空き領域が存在しないが、所定の面積以上存在すると判断される。つまり、配置枠304と配置枠305に重なって縮小候補画像表示領域400が表示されるが、中間地点に表示するため、それぞれの配置枠に重なっている領域は最小となる。したがって、配置枠へ配置する画像を決定する操作の操作性を向上しつつ、縮小候補画像表示領域が他の配置枠に重なったとしても、重なり量を低減できるためテンプレート全体の視認性を保つことができる。つまり、縮小候補画像表示領域は、配置枠に重ならないよう表示もしくは、重なったとしても最小量であるため、テンプレート全体及び他の配置枠に配置された画像の視認性を保ったまま表示することができる。
【0037】
UI部200の他の表示例を図7に示す。図7の場合、テンプレート表示領域301に表示されたテンプレートは、左ページおよび右ページにそれぞれ最大サイズの配置枠700、配置枠701が存在する。ユーザが配置枠700を選択した際の表示例である。入力部210によりユーザが指定した画像枠700を判別すると、配置枠700が位置する左ページ内の配置枠以外の空き領域を、検出部206により検出することになるが、この場合、ページ内に空き領域が存在しないことを検出する。そして、決定部207は、画像を配置しようとしている配置枠700の中央を縮小候補画像表示領域の表示位置と決定する(S801、S806、S807)。また、ユーザが縮小候補画像表示領域400から配置枠700に画像をドラッグアンドドロップすることにより、レイアウト部205により、配置枠700に当該画像が配置される。配置枠700に画像が配置された後は、配置後の画像の視認性を確保するために、縮小候補画像表示領域400は、非表示状態になる(S606、S608、S609、S613)。
【0038】
このように、テンプレート上に空き領域が検出されなかったとしても、選択された配置枠の中心位置を縮小候補画像表示領域として決定する。したがって、配置枠へ配置する画像を決定する操作の操作性を向上しつつ、縮小候補画像表示領域が他の配置枠に重なることがないので、テンプレート全体の視認性を保つことが出来る。また、配置枠内に縮小候補画像表示領域が表示されたとしても画像配置後に縮小候補画像表示領域は非表示となるので、配置された画像の視認性を確保することができる。
【0039】
UI部200の他の表示例を図9に示す。図9の表示例は、選択された配置枠の同一ページ内において配置枠以外の空き領域が検出できなかった場合であり、かつ、すでに配置枠に画像が配置済みの場合の例である。図9において、テンプレート表示領域301に表示されたテンプレートは、左右のページにそれぞれ最大サイズの配置枠700、配置枠701が存在し、かつ画像が配置済みである。そして、ユーザが配置枠700を選択した際の表示例である。配置枠700が位置する左ページ内の配置枠以外の空き領域を、検出部206により検出することになるが、この場合、ページ内に空き領域が存在しないことを検出する(S801)。さらに、検出部206は、画像を配置しようとしている配置枠700に画像が配置済みであることを検出する(S806)。続いて、オブジェクト検出部208は、配置枠700に配置済みの画像から主要被写体となり得るオブジェクトの検出を行う。ここで、オブジェクト検出部208は配置枠700に配置済みの画像は、顔が主要被写体であると判断し、顔領域の検出を行う(S808)。決定部207は、画像上の顔領域と重ならない位置を縮小候補画像表示位置とする(S809)。
【0040】
このように、テンプレート上に空き領域が検出されず、すでに配置枠に画像が配置されていいたとしても、画像上の主要被写体と重ならないように縮小候補画像表示領域の表示位置を決定する。したがって、配置枠へ配置する画像を決定する操作の操作性を向上しつつ、テンプレート全体の視認性を保つことができる。
【0041】
以上説明したように、本実施形態によれば、テンプレート上の配置対象として選択された配置枠の周囲かつ他の配置枠に重ならないまたは重なったとしても所定の値より小さく重ならせて縮小画像の一覧を表示させる。したがって、配置枠へ配置する画像を決定する操作の操作性を向上しつつ、他の配置枠と縮小候補画像の一覧との重なり量を低減できるためテンプレート全体の視認性、すでに配置済みの画像等の視認性を保つことができる。
【0042】
また、操作性を考慮した縮小候補画像表示領域とは別に、縮小候補画像を拡大した複数の候補画像を表示する候補画像表示領域も併せて表示する構成としているので、候補画像の視認性も保ちつつ、操作性の改善を達成することができる。なお、縮小候補画像を拡大した候補画像表示領域は図示した領域に限られるものではない。また、縮小候補画像からどの程度拡大するかの拡大の比率についても適宜定めればよい。
【0043】
<その他の実施形態>
上述の実施形態において説明したUI部200における表示は画像配置装置20に接続された外部装置に出力する構成としてもよい。また画像配置装置20にwebサーバとしての機能を備えて、クライアントである外部装置と情報の入出力を行う構成としてもよい。例えば、画像配置装置20は配置候補画像をクライアントである外部装置から取得し、UI部200による表示を外部装置に出力する構成としても良い。また、ユーザのUI部200への入力をリクエストとして画像配置装置20に送信する構成とすればよい。
【0044】
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【符号の説明】
【0045】
100 入出力バス
101 CPU
102 RAM
103 ROM
104 NETI/F
105 VRAM
106 表示装置
107 入力コントローラ
108 入力装置
109 HDD
110 外部記憶装置I/F
111 外部記憶装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像をテンプレート上の配置枠に配置する情報処理装置であって、
前記画像を配置するために指定された前記配置枠を判別する判別手段と、
前記テンプレート上の前記画像が配置されている前記配置枠を検出する検出手段と、
前記配置枠に配置する候補となる画像の一覧の表示位置を決定する決定手段とを有し、
前記決定手段は、判別された前記配置枠の位置と前記検出手段により検出された前記配置枠の位置とに基づいて、前記画像の一覧を表示する前記テンプレートの位置を決定することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記決定手段は、判別された前記配置枠内またはその周囲を前記画像の一覧を表示する位置として決定することを特徴とする請求項1記載に情報処理装置。
【請求項3】
前記決定手段は、前記検出手段により検出された前記配置枠と前記画像の一覧との重なりが所定の値より少なくなる前記テンプレート上の位置を前記画像の一覧を表示する位置として決定することを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記画像の一覧を決定された表示位置に表示させる表示制御手段を更に有することを特徴とする請求項1乃至3何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記テンプレートの空き領域を検出する空き領域の検出手段を更に有し、
前記決定手段は、前記空き領域の検出手段による検出に基づいて、前記画像の一覧を表示する位置を決定することを特徴とする請求項1乃至4何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記決定手段は、前記テンプレート上の複数の前記配置枠との距離の和が最小となる位置を前記画像の一覧を表示する位置として決定することを特徴とする請求項1乃至5何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記判別手段により判別された前記配置枠に画像が配置されていないことを前記検出手段が検出した場合、
前記決定手段は、前記判別手段により判別された前記配置枠内を前記画像の一覧を表示する位置として決定することを特徴とする請求項1乃至5何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記判別手段により判別された配置枠に画像が配置されていることを前記検出手段が検出した場合に、当該配置枠に配置された画像上のオブジェクトを検出するオブジェクトの検出手段を更に有し、
前記決定手段は、当該配置枠に配置された画像上のオブジェクトの検出手段により検出されたオブジェクトに基づいて、前記表示する位置を決定することを特徴とする請求項1乃至5何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記検出手段により前記テンプレート上の所定の範囲の前記配置枠の全てに前記画像が配置されたことを検出した場合、前記画像の一覧を非表示とさせる非表示制御手段を更に有することを特徴とする請求項6項記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記画像の一覧を表示する位置が前記配置枠内と決定され、当該配置枠に前記画像が配置されたことを前記検出手段が検出した場合に、前記画像の一覧を非表示とさせる非表示制御手段を更に有することを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記画像が配置された前記配置枠に他の画像を再配置するかを判定する判定手段とを更に有し、
前記判定手段により前記配置枠に他の画像を再配置すると判定された場合、前記画像の一覧を再表示させる再表示手段とを更に有することを特徴とする請求項9または10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記画像の一覧に対する表示変更の指示を受け付ける受付手段と、
前記画像の一覧を拡大した画像の一覧を表示させる表示制御手段と
前記画像の一覧に対する前記表示変更を前記拡大した画像の一覧と同期させて表示変更させる同期手段とを更に有することを特徴とする請求項1乃至11何れか1項記載の情報処理装置。
【請求項13】
テンプレート上の配置枠に配置する候補となる画像の一覧を表示する位置の決定方法であって、
前記画像を配置するために指定された前記配置枠を判別する判別工程と、
前記テンプレート上の前記画像が配置されている前記配置枠を検出する検出工程と、
前記配置枠に配置する候補となる画像の一覧の表示位置を決定する決定工程とを有し、
前記決定工程は、判別された前記配置枠の位置と前記検出工程により検出された前記配置枠の位置とに基づいて、前記画像の一覧を表示する前記テンプレートの位置を決定することを特徴とする表示する位置の決定方法。
【請求項14】
情報処理装置にテンプレート上の配置枠に配置する候補となる画像の一覧を表示する位置を決定させるためのプログラムであって、
前記画像を配置するために指定された前記配置枠を判別する判別ステップと、
前記テンプレート上の前記画像が配置されている前記配置枠を検出する検出ステップと、
前記配置枠に配置する候補となる画像の一覧の表示位置を決定する決定ステップとを有し、
前記決定ステップは、判別された前記配置枠の位置と前記検出ステップにより検出された前記配置枠の位置とに基づいて、前記画像の一覧を表示する前記テンプレートの位置を決定することを特徴とするプログラム。
プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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