説明

情報処理装置、遠隔操作通信装置及び情報処理装置制御方法

【課題】遠隔操作通信装置が使用する通信網を携帯端末装置のOSも使用できる情報処理装置を提供する。
【解決手段】情報処理装置1は、OSを用いて処理を行うOS処理部11と、該OSから独立して動作する遠隔操作通信装置100とを備える。遠隔操作通信装置100は、外部ネットワークからデータを受信する通信部101と、通信部101が受信した受信データをOS処理部11へ送信し、さらに該受信データをバッファ部103に記憶させる通信制御部102と、バッファ部103に記憶されている受信データから遠隔操作通信装置100で処理する遠隔操作データを抽出する抽出部106と、抽出部106により抽出された遠隔操作データを基にOS処理部11を制御する処理部105とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、遠隔操作通信装置及び情報処理装置制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報をサーバから端末装置に配信する、ブッシュ型のデータ配信サービスが普及してきている。このようなサービスはプッシュサービスと呼ばれる。プッシュサービスとは、端末装置の電源のオン/オフの状態又は端末装置のネットワーク接続の有無に関わらず、サーバから端末装置に情報が配信されると、端末装置が自動的にその情報を受信できるサービスである。
【0003】
例えば、ノート型パソコンやPDA(Personal Digital Assistant)などの携帯端末装置を持つ人が増加している。このような携帯端末装置の普及により、業務に使用する携帯端末装置の盗難や紛失に伴う機密情報漏洩などの危険が高まってきている。特に、個人情報保護法の改正などにより、機密情報漏洩に対する企業リスクはより高まってきている。そこで、企業の情報システムの管理者が従業員の使用する携帯端末装置をいつでもどこからでも管理したいという要求が高まってきている。このような要求を受けて、遠隔からの命令により携帯端末装置に内蔵された暗号化HDD(Hard Disk Drive)の暗号鍵を消去することができるサービスが提供されてきている。これにより、盗難又紛失による携帯端末装置からの情報漏洩を防止することができる。このようなサービスがプッシュサービスの一例である。
【0004】
そして、携帯端末装置の場合、常時ネットワークに接続しているわけでは無いので、3G(Generation)通信網などの移動体通信網を用いてプッシュサービスによるデータを携帯端末装置に提供することが考えられている。
【0005】
このようなプッシュサービスを受けるために、移動体通信網との通信を行う携帯端末装置とは独立した動作が行える遠隔操作通信装置が携帯端末装置内に設けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−165697号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、プッシュサービスを常時受け付けるために遠隔操作通信装置が移動体通信網を用いた通信を占有してしまっている。そのため、携帯端末装置のOS(Operation System)はこの通信網を使用することが困難であった。例えば、遠隔操作通信装置が、移動体通信網を用いたWWAN(World Wide Area Network)通信機能を備えているとする。さらに、携帯端末装置も、移動体通信網を用いたWWAN通信機能を備えていたとする。しかし、移動体通信網を用いたWWAN通信機能は遠隔操作通信装置に占有されているため、携帯端末装置は、この通信機能が使用できない。したがって、携帯端末装置を持ち運び、無線LAN(Local Area Network)などを利用した社内ネットワークに接続できない場所に移動すると、通信ができなくなってしまう。
【0008】
このように、通信網をプッシュサービスだけに占有されて、他の通信に用いることができないとすると、通信網を使用する費用に対するサービスを十分に受けているとは言えず、割高な費用となってしまうおそれがあった。
【0009】
開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、遠隔操作通信装置が使用する通信網を携帯端末装置のOSも使用できる情報処理装置、遠隔操作通信装置及び情報処理装置制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願の開示する情報処理装置、遠隔操作通信装置及び情報処理装置制御方法は、一つの態様において、情報処理装置は、OSを用いて処理を行うOS処理部と、該OSから独立して動作する遠隔操作通信部とを備える。そして、前記遠隔操作通信部は、外部ネットワークからデータを受信する通信部と、前記データを記憶する記憶部と、前記通信部が受信した受信データを前記OS処理部へ送信し、さらに該受信データを前記記憶部に記憶させる通信制御部と、前記記憶部に記憶されている前記受信データから前記遠隔操作通信部で処理する遠隔操作データを抽出する抽出部と、前記抽出部により抽出された遠隔操作データを基に前記OS処理部を制御する処理部とを備える。
【発明の効果】
【0011】
本願の開示する情報処理装置、遠隔操作通信装置及び情報処理装置制御方法の一つの態様によれば、遠隔操作通信装置が使用する通信網を携帯端末装置のOSも使用できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、実施例1に係る情報処理装置のブロック図である。
【図2】図2は、OSI参照モデルの各階層に対応するように実施例1に係る情報処理装置の機能を表したブロック図である。
【図3】図3は、実施例1に係る情報処理装置のデータ受信処理のフローチャートである。
【図4】図4は、実施例2に係る情報処理装置のブロック図である。
【図5】図5は、OSI参照モデルの各階層に対応するように実施例2に係る情報処理装置の機能を表したブロック図である。
【図6】図6は、実施例2に係る情報処理装置における解析方式の処理及び解析方式からコピー方式への切り替え処理のフローチャートである。
【図7】図7は、実施例2に係る情報処理装置におけるコピー方式から解析方式への切り替え処理のフローチャートである。
【図8】図8は、情報処理装置のハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本願の開示する情報処理装置、遠隔操作通信装置及び情報処理装置制御方法の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施例により本願の開示する情報処理装置、遠隔操作通信装置及び情報処理装置制御方法が限定されるものではない。
【実施例1】
【0014】
図1は、実施例1に係る情報処理装置のブロック図である。本実施例に係る情報処理装置1は、図1に示すように、3G通信網4を介してサーバ2及びサーバ3と接続されている。そして、情報処理装置1とサーバ2及びサーバ3とは3G通信網4を介してデータの送受信が可能である。ここで、情報処理装置1とは、例えば、携帯用のパーソナルコンピュータなどである。
【0015】
サーバ2は、遠隔操作通信装置100を用いて情報処理装置1のOSから独立して情報処理装置1を制御する遠隔操作データを送信する。この遠隔操作データは、最終的には遠隔操作通信装置100宛に送信される。また、サーバ3は、情報処理装置1のOSで処理されるデータであるアプリケーションデータを送信する。このアプリケーションデータは、OS処理部11宛に送信される。
【0016】
情報処理装置1は、遠隔操作通信装置100及びOS処理部11を有している。OS処理部11は、OSを有している。
【0017】
OS処理部11は、後述する通信制御部102から遠隔操作データ及びアプリケーションデータを受信する。次に、OS処理部11は、受信した遠隔操作データ及びアプリケーションデータを解析しアプリケーションデータを抽出する。そして、OS処理部11は、OSを用いて抽出したアプリケーションデータを処理する。ここで、アプリケーションデータの処理とは、OSが実施可能な処理であれば特に制限はない。例えば、アプリケーションデータの処理としては、メールの送受信やデータベースの更新や情報提供といったものがある。
【0018】
また、OS処理部11は、通信情報の入力を後述する擬似応答部104から受ける。ここで、通信情報とは、通信を行うために必要な情報であり、例えば、DNS(Domain Name Service)サーバのアドレスや、送信に使用するパケットサイズのパラメータなどである。そして、OS処理部11は、受信した通信情報を用いてデータを擬似応答部104に向けて送信先アドレスとともに送信する。
【0019】
遠隔操作通信装置100は、通信部101、通信制御部102、バッファ部103、擬似応答部104、処理部105及び抽出部106を有している。ここで、本実施例では、遠隔操作通信装置100は、USB(Universal Serial Bus)インタフェースで接続される3G通信モジュールを用いて通信を行う場合で説明する。
【0020】
本実施例では、通信制御部102は、USBインタフェースで接続される3G通信モジュールを有する。そして、通信部101は、3G通信網4を介してサーバ2及びサーバ3からデータを受信する。ここで、サーバ2が遠隔操作データを情報処理装置1へ送信した時に、サーバ3がアプリケーションデータを情報処理装置1へ送信した場合、通信部101は、遠隔操作データ及びアプリケーションデータが混在したデータを受信する。これは、各データが細分化されパケージ化されて送信されるため、それぞれの細分化されたデータが互いに混ざり合ってしまうためである。以下では、遠隔操作データ及びアプリケーションデータが混在したデータを「混在データ」という。そして、本実施例では、通信部101は、受信した混在データをUSBのデータフォーマットに変換する。そして、通信部101は、データフォーマットを変換した混在データを通信制御部102へ出力する。
【0021】
また、通信部101は、サーバ2又はサーバ3へ送信するデータを通信制御部102から受ける。そして、通信部101は、3G通信網4を介して通信制御部102から指定されたサーバ2又はサーバ3へデータを送信する。
【0022】
通信制御部102は、電源投入時にネットワーク接続要求のコマンドをサーバ2及びサーバ3へ送信する。また、接続が切れた場合、通信制御部102は、再度ネットワーク接続要求のコマンドを発行する。そして、サーバ2及びサーバ3から応答を受けて、通信制御部102は、3G通信網4を介してサーバ2及びサーバ3と接続する。そして、通信制御部102は、通信部101が有する3G通信モジュールをUSB Communication Device Class(CDC)として認識し、モデムとして3G通信モジュールをコントロールする。そこで、通信制御部102は、モデムのコントロールコマンドであるATコマンドを使用して通信接続要求を行う。
【0023】
さらに、通信制御部102は、OS処理部11からのネットワーク接続要求を擬似応答部104から受ける。そして、通信制御部102は、受信したネットワーク接続要求への応答として、例えば、サーバ2及びサーバ3との間で確立している接続におけるDNSサーバのアドレスなどを含む通信情報を擬似応答部104へ出力する。
【0024】
そして、通信制御部102は、混在データの入力を通信部101から受ける。そして、通信制御部102は、受信した混在データをバッファ部103へ格納する。また、通信制御部102は、受信した混在データをOS処理部11へ出力する。例えば、本実施例では、通信制御部102は、USBデバイスドライバ経由でOS処理部11へ混在データを送信する。
【0025】
また、通信制御部102は、OS処理部11が送信したデータ及びそのデータの送信先のアドレスを擬似応答部104から受信する。そして、通信制御部102は、受信したデータ及び送信先のアドレスを通信部101へ出力する。
【0026】
擬似応答部104は、ネットワーク接続要求をOS処理部11から受ける。このネットワーク接続も、ATコマンドが用いられる。実際には、例えば、USBドライバが、OS処理部11が出力したATコマンドを受信する。この時、USBドライバは、ATコマンドにより指定された番号への発呼は行わない。そして、そのUSBドライバが、受信したATコマンドを擬似応答部104へ出力するといった処理が行われる。
【0027】
擬似応答部104は、受信したネットワーク接続要求を通信制御部102へ出力する。さらに、擬似応答部104は、ネットワーク接続要求の応答として、通信情報を通信制御部102から受信する。通信制御部102と擬似応答部104との間の情報共有は、具体的には、ソケット通信や共有メモリなどを用いたプロセス間通信により実現できる。そして、擬似応答部104は、受信した通信情報をネットワーク接続要求への応答としてOS処理部11へ出力する。これにより、擬似応答部104は、OS処理部11に対して、ネットワーク接続要求によってネットワーク接続が確立したように見せることができる。すなわち、実際には、遠隔操作通信装置100とサーバ2及びサーバ3との間でネットワーク接続が確立しているのであるが、OS処理部11は、自己とサーバ2及びサーバ3との間でネットワーク接続が確立していると把握する。
【0028】
擬似応答部104は、通信情報の入力を通信制御部102から受ける。そして、擬似応答部104は、受信した通信情報をOS処理部11へ出力する。
【0029】
バッファ部103は、メモリなどの記憶装置である。バッファ部103は、通信制御部102からの指示を受けて、混在データを格納する。このバッファ部が、「記憶部」の一例にあたる。
【0030】
抽出部106は、バッファ部103に格納されている混在データを取得する。本実施例では、抽出部106は、取得した混在データから遠隔操作通信装置100宛の遠隔操作データを抽出する。
【0031】
ここで、図2を参照して、抽出部106による混在データからの遠隔操作データの抽出について具体的に説明する。図2は、OSI参照モデルの各階層に対応するように実施例1に係る情報処理装置の機能を表したブロック図である。図2の範囲Rが物理層を表している。また、範囲Qがデータリンク層、ネットワーク層及びトランスポート層を表している。また、範囲Pがセッション層、プレゼンテーション層及びアプリケーション層を表している。ここで、図2では、各機能部の接続関係を表す線は省略している。
【0032】
抽出部106は、TCPパケット抽出部201及び通信管理部203の一部の機能に対応している。また、通信制御部102は、接続管理アプリケーション202、通信管理部203の一部の機能及びUSBホスト205の一部の機能に対応している。また、OS処理部11は、通信制御ソフト12、通信管理部13及びUSBホスト14に対応している。また、通信部101は、3G通信モジュール206に対応している。また、図2で図1と同じ符号を有する各部は、同じ機能を有するものとする。
【0033】
本実施例では、TCPレベルでデータの抽出を行うこととし、特定のポート番号を有するパケットのみを抽出するものとする。すなわち、遠隔操作通信装置100宛のデータは特定のポート番号宛に送信されたデータとなっている。
【0034】
TCPパケット抽出部201は、通信管理部203にパケットの取得の依頼を行う。通信管理部203は、TCPプロトコルスタック、IPプロトコルスタック及びPPPプロトコルスタックを有している。TCPプロトコルスタックは、パケットの取得の依頼を受けてIPプロトコルスタックへTCPパケットの取得を要求する。これを受けて、IPプロトコルスタックは、PPPプロトコルスタックへIPパケットの取得を要求する。これを受けて、PPPプロトコルスタックは、バッファ251から指定されたPPPパケットを取得する。そして、PPPプロトコルスタックは、PPPパケットのパッケージングを解いてIPパケットにする。そして、PPPプロトコルスタックは、IPパケットをIPプロトコルスタックへ出力する。IPプロトコルスタックは、PPPプロトコルスタックから受信したIPパケットのパッケージングを解いてTCPパケットにする。そして、IPプロトコルスタックは、TCPパケットをTCPプロトコルスタックへ出力する。TCPプロトコルスタックは、遠隔操作通信装置100宛の通信に使用される特定のポート番号を予め記憶している。例えば、このポート番号の記憶は、ROMに予め書込んでおいてもよいし、PRMにして書き換え可能な状態で保存しておく方法でも良い。TCPプロトコルスタックは、取得したTCPパケットのヘッダの送信ポート番号を参照し、遠隔操作通信装置100宛の通信として指定されたポート番号のパケットを抽出する。これにより、TCPプロトコルスタックは、混在データから遠隔操作データを抽出できる。そして、TCPプロトコルスタックは、抽出したパケットをTCPパケット抽出部201へ出力する。
【0035】
ここで、例えば、TCPプロトコルスタックが特定のポート番号宛のパケットを抽出する機能を有さない場合、範囲Pにある他のアプリケーションがTCPパケットを受信し、指定されたポート番号宛のデータを抽出するようにしてもよい。
【0036】
このようにして、抽出部106は、遠隔操作通信装置100宛の遠隔操作データを混在データから抽出することができる。
【0037】
抽出部106は、抽出したサーバ2から送信された遠隔操作通信装置100宛の遠隔操作データを処理部105へ出力する。
【0038】
処理部105は、サーバ2から送信された遠隔操作通信装置100宛の遠隔操作データの入力を抽出部106から受ける。そして、処理部105は、受信したデータに対応する処理を行う。例えば、受信した遠隔操作データがハードディスクの消去命令の場合、処理部105は、OS処理部11へ情報処理装置1のハードディスクの消去を実行する命令を送出する。例えば、処理部105は、OS処理部11の電源を投入し、BIOSに組み込まれたハードディスク消去プログラムをOS処理部11に実行させる。遠隔操作データは、遠隔操作通信装置100がBIOSで実行可能な命令をOS処理部11に処理させる命令を指示するデータを含む。この命令は、アクティブマネジメントテクノロジーと呼ばれるリモートデスクトップ処理などのOSを起動しなくても実行できる処理を含む。
【0039】
次に図2を参照して、遠隔操作通信装置100及びOS処理部11による外部ネットワークとの接続処理について説明する。ここで、図2において、外部ネットワークとの接続処理におけるデータの流れは一点鎖線の矢印により表している。
【0040】
まず、接続管理アプリケーション202は、電源が投入されると通信の接続要求を行うATコマンドを通信管理部203へ出力する(ステップS1)。そこで、通信管理部203は、受信したATコマンドをUSBホスト205へ出力する(ステップS2)。そして、USBホスト205は、受信したATコマンドを3G通信モジュール206へ出力する(ステップS3)。3G通信モジュール206は、ATコマンドでサーバへ発呼を行う。この後、接続管理アプリケーション202、通信管理部203及び3G通信モジュール206は、サーバからの応答を受けて、サーバとの接続を確立する。この時、接続管理アプリケーション202は、通信情報を保持している。
【0041】
次に、通信制御ソフト12は、通信管理部13に対してATコマンドを用いた接続要求を出力する(ステップS4)。そこで、通信管理部13は、受信したATコマンドをUSBホスト14へ出力する(ステップS5)。USBホスト14は、受信したATコマンドをUSBインタフェース204へ出力する(ステップS6)。
【0042】
そして、USBインタフェース204は、USBホスト14から受信したATコマンドを通信管理部203へ出力する(ステップS7)。この場合、USBインタフェース204は、USBホスト205へ直接ATコマンドを送信して、接続先への発呼を行わせることはしない。通信管理部203は、ATコマンドを擬似応答部104へ出力する(ステップS8)。
【0043】
擬似応答部104は、接続管理アプリケーション202が保持する通信情報を接続管理アプリケーション202から取得する(ステップS9)。
【0044】
擬似応答部104は、接続管理アプリケーション202から取得した通信情報を通信管理部203へ出力する(ステップS10)。そして、通信管理部203は、受信した通信情報をUSBインタフェース204へ出力する(ステップS11)。
【0045】
USBインタフェース204は、接続管理アプリケーション202から取得した通信情報をUSBホスト14へ出力する(ステップS12)。USBホスト14は、受信した通信情報を通信管理部13へ出力する(ステップS13)。そして、通信管理部13は、受信した通信情報を通信制御ソフト12へ出力する(ステップS14)。そして、通信制御ソフト12は、受信した通信情報を記憶する。その後、通信制御ソフト12は、記憶している通信情報を用いて通信を行う。このようにして接続を確立することで、OS処理部11は、実際には遠隔操作通信装置100を介して外部ネットワークと接続しているが、あたかも直接ネットワークと繋がっているように振舞うことができる。
【0046】
次に、図3を参照して、本実施例に係る情報処理装置1のデータ受信処理の流れについて説明する。図3は、実施例1に係る情報処理装置のデータ受信処理のフローチャートである。
【0047】
サーバ2は、遠隔操作データを遠隔操作通信装置100宛に送信する(ステップS101)。また、サーバ3は、アプリケーションデータをOS処理部11宛に送信する(ステップS102)。ここで、ステップS101とステップS102は説明の便宜上、順番に処理が行われるように記載しているが、実際にはステップS101とステップS102とは並列で処理される。
【0048】
通信部101は、遠隔操作データとアプリケーションデータが混在した混在データを受信する(ステップS103)。そして、通信部101は、受信した混在データを通信制御部102へ出力する。
【0049】
通信制御部102は、混在データの入力を通信部101から受ける。そして、通信制御部102は、混在データをバッファ部103へコピーして格納する(ステップS104)。さらに、通信制御部102は、混在データをOS処理部11へ転送する(ステップS105)。OS処理部11は、受信した混在データから自己宛のデータを抽出し、抽出したデータに対して処理を行う。
【0050】
そして、抽出部106は、バッファ部103に格納されている混在データを取得する。そして、抽出部106は、取得した混在データから遠隔操作データを抽出する(ステップS106)。抽出部106は、抽出した遠隔操作データを処理部105へ出力する。
【0051】
処理部105は、遠隔操作データの入力を抽出部106から受ける。そして、処理部105は、遠隔操作データを処理する(ステップS107)。
【0052】
以上に説明したように、本実施例に係る情報処理装置では、内部に設けられた遠隔操作通信装置が受信した混在データを記憶するとともにOSに転送している。また、遠隔通信装置がOSからの送信データを中継することで、OSと外部ネットワークとを擬似的に接続し通信可能にしている。これにより、プッシュサービスのために遠隔通信装置が使用している通信網を、携帯端末装置のOSも通信に使用することができる。さらに、混在データをそのままOSに転送しているため、OSの通信におけるリアルタイム性が維持することができる。言い換えれば、通信に不要な遅延を与えずに、OSと外部ネットワークとの間の通信を確立することができる。
【実施例2】
【0053】
図4は、実施例2に係る情報処理装置のブロック図である。本実施例に係る情報処理装置1は、実施例1の混在データ処理の機能に加えて遠隔操作通信装置100において混在データをアプリケーションデータと遠隔操作データに分離する処理を行う機能を有し、いずれの処理を行うかを選択して実行することが実施例1と異なる。そこで、以下では、遠隔操作通信装置100における混在データを分離する処理及び混在データに対する処理の選択について主に説明する。図4において、図1と同じ符号を有する各部は、特に説明の無い限り同じ機能を有するものとする。
【0054】
本実施例に係る情報処理装置1は、図4に示すように、応答部107、解析部108、再構成部109及び切替部110を図1の情報処理装置1に加えたものである。
【0055】
遠隔操作通信装置100における混在データをアプリケーションデータと遠隔操作データに分離する処理を行う各部について説明する。
【0056】
解析部108は、遠隔操作通信装置100との通信に用いられる特定のポートのポート番号を予め記憶している。
【0057】
解析部108は、混在データの入力を通信制御部102から受信する。そして、解析部108は、例えば、受信した混在データのパッケージングをTCPパケットまで解く。
【0058】
ここで、図5を参照して、解析部108による混在データのパッケージングを解く処理及び遠隔操作データの特定処理について具体的に説明する。図5は、OSI参照モデルの各階層に対応するように実施例2に係る情報処理装置の機能を表したブロック図である。図5の範囲Rが物理層を表している。また、範囲Qがデータリンク層、ネットワーク層及びトランスポート層を表している。また、範囲Pがセッション層、プレゼンテーション層及びアプリケーション層を表している。ここで、図5では、各機能部の接続関係を表す線は省略している。また、図5において図2と同様の符号を有する各部は同様の機能を有するものとする。
【0059】
解析部108は、TCPヘッダ解析部207及び通信管理部203の一部の機能に対応している。また、再構成部109は、TCPパケット再構成部208及び通信管理部203の一部の機能に対応している。
【0060】
TCPヘッダ解析部207は、通信管理部203にパケットの取得の依頼を行う。通信管理部203は、TCPプロトコルスタック、IPプロトコルスタック及びPPPプロトコルスタックを有している。TCPプロトコルスタックは、パケットの取得の依頼を受けてIPプロトコルスタックへTCPパケットの取得を要求する。これを受けて、IPプロトコルスタックは、PPPプロトコルスタックへIPパケットの取得を要求する。これを受けて、PPPプロトコルスタックは、バッファ251から指定されたPPPパケットを取得する。そして、PPPプロトコルスタックは、PPPパケットのパッケージングを解いてIPパケットにする。そして、PPPプロトコルスタックは、IPパケットをIPプロトコルスタックへ出力する。IPプロトコルスタックは、PPPプロトコルスタックから受信したIPパケットのパッケージングを解いてTCPパケットにする。そして、IPプロトコルスタックは、TCPパケットをTCPプロトコルスタックへ出力する。TCPプロトコルスタックは、遠隔操作通信装置100宛の通信に使用される特定のポート番号を予め記憶している。TCPプロトコルスタックは、取得したTCPパケットのヘッダの送信ポート番号を参照し、遠隔操作通信装置100宛の通信として指定されたポート番号のパケットを抽出する。これにより、TCPプロトコルスタックは、混在データから遠隔操作データを抽出できる。そして、TCPプロトコルスタックは、抽出したパケットをTCPヘッダ解析部207へ出力する。
【0061】
このようにして、解析部108は、TCPパケットのヘッダを確認して遠隔操作通信装置100との通信に用いられるポート宛に送信されたデータを遠隔操作データとして取得する。また、解析部108は、遠隔操作通信装置100との通信に用いられるポート宛に送信されたデータ以外のデータをアプリケーションデータとして取得する。
【0062】
そして、解析部108は、取得した遠隔操作データを処理部105へ出力する。また、解析部108は、取得したアプリケーションデータを再構成部109へ出力する。
【0063】
再構成部109は、アプリケーションデータの入力を解析部108から受ける。そして、再構成部109は、OS処理部11の通信形式に対応するよう、すなわち本実施例ではUSBフォーマットまでパッケージングすることでアプリケーションデータを再構成する。この時、再構成部109は、例えば、TCPヘッダのチェックサムを再計算して書き直すなどして、TCPパケットとして不都合が無いように処理を行ってもよい。
【0064】
ここで、図5を参照して、本実施例に係る再構成部109による再構成処理について具体的に説明する。TCPパケット再構成部208は、TCPヘッダのチェックサムを再計算して書き直し、TCPパケットを再構成する。そして、TCPパケット再構成部208は、再構成したTCPパケットを通信管理部203へ出力する。通信管理部203は、受信したTCPパケットに対して、各プロトコルスタックでパッケージングを施し、OS処理部11へ送信できるUSBフォーマットとなるようアプリケーションデータを再構成する。そして、通信管理部203は、再構成されたアプリケーションデータをTCPパケット再構成部208へ出力する。このようにして、再構成部109は、アプリケーションデータの再構成を行う。
【0065】
そして、再構成部109は、再構成したアプリケーションデータを通信制御部102を介してOS処理部11へ出力する。
【0066】
OS処理部11は、各プロトコルスタックを用いて受信したアプリケーションデータのパッケージングを解く。その後、OS処理部11は、アプリケーションデータを処理する。
【0067】
このように、受信した混在データを遠隔操作データとアプリケーションデータに分離することで、アプリケーションデータのみをOS処理部11へ送信することができる。すなわち、OS処理部11に対して遠隔操作データを送信することを回避することができる。例えば、遠隔操作通信装置100宛に送信されたハードディスクの消去命令やPCのセキュリティポリシ設定命令などは、OS上で内容が解析されると問題となる。具体的には、そのような命令がOSに送信された場合、コマンドフォーマットが知られてしまうことにより、正当な送信者以外からの命令が出されてしまうなど、セキュリティを揺るがす問題になってしまう可能性が有る。そこで、そのような命令のOSへの送信を回避することにより、セキュリティを強化することができる。
【0068】
次に、受信した混在データに対する処理の切り替えについて説明する。以下では、受信した混在データをバッファ部103に格納する処理方式を「コピー方式」と呼び、受信した混在データからアプリケーションデータを分離してOS処理部11へ送信する処理を「解析方式」と呼ぶ。
【0069】
切り替えの場合、プッシュサービスを行っているサーバ2の操作者は、切り替え命令を情報処理装置1へ送信する。例えば、情報処理装置1がコピー方式を実行している状態で、重要な遠隔操作データを送る場合には、それに先立ち、サーバ2の操作者は、サーバ2から情報処理装置1に対して解析方式への実行命令を送信させる。そして、情報処理装置1から解析方式への切り替え完了の通知を受けた後に、サーバ2の操作者は、サーバ2から遠隔操作データを情報処理装置1に対して送信する。また、例えば、情報処理装置1が解析方式を実行している状態で、コピー方式への切り替えの要求が有る場合には、サーバ2の操作者は、サーバ2から情報処理装置1に対してコピー方式への実行命令を送信させる。
【0070】
切替部110は、電源が投入されると、通信制御部102に対してバッファ部103にデータを格納するよう指示し、通信制御部102に混在データに対する処理としてコピー方式を選択させる。
【0071】
そして、コピー方式の処理を実行している状態で、サーバ2から解析方式への切り替え命令が送信された場合、切替部110は、混在データに対する処理を解析方式へ切り替える指示を処理部105から受ける。そして、切替部110は、通信制御部102に対して解析部108へ混在データを出力するよう指示し、通信制御部102に処理方式を切り替えさせる。解析方式への切り替えが完了すると、切替部110は、切り替え完了の通知を処理部105へ送信する。
【0072】
また、解析方式の処理を実行している状態で、サーバ2からコピー方式への切り替え命令が送信された場合、切替部110は、混在データに対する処理をコピー方式へ切り替える指示を処理部105から受ける。そして、切替部110は、通信制御部102に対してバッファ部103にデータを格納するよう指示し、通信制御部102に処理方式を切り替えさせる。コピー方式への切り替え通知が完了すると、切替部110は、切り替え完了の通知を処理部105へ送信する。
【0073】
ここで、本実施例では、通信制御部102によるコピー方式及び解析方式の切り替え方法として、スイッチによりハードウェア的にバッファ部103への経路と解析部108への経路とを分けて、そのスイッチを切り替えることで実現している。ただし、これは他の方法でも良く、例えば、ソフトウェアモジュールとして抽出部106と解析部108を別にして動作するモジュールを切り替える方法や、ソフトウェアモジュールは1つで内部的に動作を切り替える方法などでもよい。
【0074】
処理部105は、コピー方式の処理を行っている場合には、遠隔操作データの入力を抽出部106から受ける。そして、処理部105は、受信した遠隔操作データが解析方式への切り替え命令か否かを判定する。解析方式への切り替え命令でなければ、処理部105は、その遠隔操作データに対して通常の処理を施す。ここで、通常の処理とは、例えば、ハードディスクの消去などの遠隔操作通信装置100以外の情報処理装置1に対する処理などである。これに対して、解析方式への切り替え命令の場合、処理部105は、命令受信前に受信した遠隔操作データの処理が全て完了したか否かを判定する。処理が完了していない遠隔操作データがある場合、処理部105は、処理が完了していない遠隔操作データの処理を行う。そして、全ての遠隔操作データの処理が完了した場合、処理部105は、解析方式への切り替えの指示を切替部110へ通知する。その後、処理部105は、切り替え完了の通知を切替部110から受信すると、応答部107に対して解析方式への切り替え完了の通知を送信する。
【0075】
また、処理部105は、解析方式の処理を行っている場合には、遠隔操作データの入力を解析部108から受ける。そして、処理部105は、受信した遠隔操作データがコピー方式への切り替え命令か否かを判定する。コピー方式への切り替え命令でなければ、処理部105は、その遠隔操作データに対して通常の処理を施す。ここで、通常の処理とは、例えば、ハードディスクの消去などの遠隔操作通信装置100以外の情報処理装置1に対する処理などである。これに対して、コピー方式への切り替え命令の場合、処理部105は、命令受信前に受信した遠隔操作データの処理が全て完了したか否かを判定する。処理が完了していない遠隔操作データがある場合、処理部105は、処理が完了していない遠隔操作データの処理を行う。そして、全ての遠隔操作データの処理が完了した場合、処理部105は、コピー方式への切り替えの指示を切替部110へ通知する。その後、処理部105は、切り替え完了の通知を切替部110から受信すると、応答部107に対してコピー方式への切り替え完了の通知を送信する。
【0076】
応答部107は、解析方式への切り替え完了の通知を処理部105から受信する。そして、応答部107は、通信制御部102及び通信部101を介してサーバ2に解析方式への切り替え完了を通知する。
【0077】
また、応答部107は、コピー方式への切り替え完了の通知を処理部105から受信する。そして、応答部107は、通信制御部102及び通信部101を介してサーバ2にコピー方式への切り替え完了を通知する。
【0078】
次に、図6を参照して、本実施例に係る情報処理装置における解析方式の処理及び解析方式からコピー方式への切り替え処理の流れについて説明する。図6は、実施例2に係る情報処理装置における解析方式の処理及び解析方式からコピー方式への切り替え処理のフローチャートである。
【0079】
サーバ2は、遠隔操作データを遠隔操作通信装置100宛に送信する(ステップS201)。また、サーバ3は、アプリケーションデータをOS処理部11宛に送信する(ステップS202)。ここで、ステップS201とステップS202は説明の便宜上、順番に処理が行われるように記載しているが、実際にはステップS201とステップS202とは並列で処理される。
【0080】
通信部101は、遠隔操作データとアプリケーションデータが混在した混在データを受信する(ステップS203)。そして、通信部101は、受信した混在データを通信制御部102へ出力する。通信制御部102は、混在データを解析部108へ出力する。
【0081】
解析部108は、受信した混在データを遠隔操作データ及びアプリケーションデータに分離する(ステップS204)。そして、解析部108は、遠隔操作データを処理部105へ出力し、アプリケーションデータを再構成部109へ出力する。
【0082】
再構成部109は、アプリケーションデータの入力を解析部108から受ける。そして、再構成部109は、受信したアプリケーションデータをパッケージングしUSBフォーマットに再構成する(ステップS205)。
【0083】
再構成部109は、再構成したアプリケーションデータを通信制御部102を介してOS処理部11へ送信する(ステップS206)。
【0084】
処理部105は、遠隔操作データの入力を解析部108から受ける。そして、処理部105は、受信した遠隔操作データが切り替え命令か否かを判定する(ステップS207)。切り替え命令で無い場合(ステップS207否定)、処理部105は、遠隔操作データを通常処理し(ステップS208)、ステップS201へ戻る。
【0085】
これに対して、切り替え命令の場合(ステップS207肯定)、処理部105は、切り替え前に受信したパケットの処理を全て終了したか否かを判定する(ステップS209)。処理部105は、処理していないパケットが有る場合(ステップS209否定)、ステップS204へ戻る。
【0086】
これに対して、パケットの処理が全て終了している場合(ステップS209肯定)、処理部105は、切替部110に対して切り替えを指示する(ステップS210)。
【0087】
切替部110は、解析方式からコピー方式への切り替えを通信制御部102へ通知する(ステップS211)。切り替えが完了すると、切替部110は、コピー方式への切り替え完了を処理部105へ通知する。そして、処理部105は、コピー方式への切り替え完了を応答部107へ通知する。
【0088】
応答部107は、コピー方式への切り替え完了をサーバ2に対して通知する(ステップS212)。
【0089】
次に、図7を参照して、本実施例に係る情報処理装置におけるコピー方式から解析方式への切り替え処理の流れについて説明する。図7は、実施例2に係る情報処理装置におけるコピー方式から解析方式への切り替え処理のフローチャートである。
【0090】
通信制御部102は、コピー方式で混在データを処理するよう動作する(ステップS301)。
【0091】
サーバ2は、解析方式への切り替え命令を送信する(ステップS302)。
【0092】
処理部105は、受信した遠隔操作データの中から解析方式への切り替え命令を抽出する(ステップS303)。
【0093】
次に、処理部105は、解析方式への切り替えを切替部110へ通知する(ステップS304)。
【0094】
処理部105は、解析方式への切り替えを通信制御部102へ指示し、混在データの処理方法を解析方式へ切り替える(ステップS305)。
【0095】
通信制御部102は、解析方式で混在データを処理するよう動作する(ステップS306)。
【0096】
応答部107は、解析方式への切り替え完了をサーバ2へ通知する(ステップS307)。
【0097】
以上に説明したように、本実施例に係る情報処理装置は、遠隔操作通信装置内で混在データを分離して、アプリケーションデータのみをOSに送信する解析方式で処理を行う機能を有している。さらに、本実施例に係る情報処理装置は、解析方式とコピー方式とを切り替えて、混在データを処理することができる。そして、解析方式で処理を行うことにより、セキュリティを揺るがす問題が発生する可能性のある命令のOSへの送信を回避することができ、セキュリティを強化することができる。ここで、解析方式は、一旦混在データのパッケージングを解除し、その後再度パッケージングを施した後にOSへ送信するため、その間のタイムラグが発生してしまい、情報処理装置の処理能力が劣化するおそれがある。そこで、解析方式とコピー方式を切り替えることで、セキュリティを揺るがす問題が発生する可能性のある命令で無い場合には、OSによる通信がリアルタイムで行えるコピー方式を用いることができ、処理能力を向上させることができる。
【0098】
〔ハードウェア構成〕
次に、情報処理装置1のハードウェア構成を説明する。図8は、情報処理装置のハードウェア構成図である。図8に示すように、各実施例に係る情報処理装置1に搭載された遠隔操作通信装置100は、サブCPU(Central Processing Unit)301、3G通信網通信部302、メモリ(RAM:Random Access Memory)303及びメモリ(OS−ROM(Read Only Memory))304を有している。さらに、情報処理装置1は、電源管理ユニット306、メインCPU307、メモリ(BIOS(Basic Input/Output System)−ROM)308、電源(バッテリ)309及びメモリ(RAM)310を有している。さらに、情報処理装置1は、通信部311、HDD(Hard Disk Drive)312、グラフィックチップ313及びその他デバイス314を有している。
【0099】
遠隔操作通信装置100では、サブCPU301が、3G通信網通信部302、メモリ303及びメモリ304と接続されている。メモリ304には、遠隔操作通信装置100上で動作するOSが記憶されている。また、3G通信網通信部302は、例えば、図1に示した通信部101の機能を実現する。
【0100】
メモリ303は、図1に示したバッファ部103の機能を実現する。そして、サブCPU301、メモリ303及びメモリ304は、例えば、図1に示した通信制御部102、処理部105、抽出部106及び擬似応答部104等の機能を実現する。例えば、メモリ303には、図1に例示した通信制御部102、処理部105、抽出部106及び擬似応答部104等による処理を実現する各種プログラムを記憶している。そして、サブCPU301、これらの各種プログラムを読み出して実行することで、上述した各機能を実現するプロセスを生成する。ここで、サブCPU301は、情報処理装置1のメインCPU307とは独立して動作する。すなわち、メインCPU307が動作していない状態でも、サブCPU301は処理を行うことができる。また、遠隔操作通信装置100には、電源管理ユニット306から電源が常時供給される。ただし、電源管理ユニット306からの電源供給ラインは図には記載していない。さらに、サブCPU301は、電源管理ユニット306と接続されている。そして、サブCPU301は、メインCPU307とは独立して電源管理ユニット306を制御することができる。すなわち、サブCPU301は、メインCPU307が動作していなくても、電源管理ユニット306を制御して情報処理装置1全体を起動することができる。
【0101】
メモリ308、メモリ310、通信部311、HDD312、グラフィックチップ313及びその他デバイス314は、メインCPU307と接続されている。HDD312は、OSやアプリケーションが記憶されている。また、メモリ308には、BIOSが記憶されている。メインCPU307、メモリ310及びHDD312は、例えば図1に示したOS処理部11等の機能を実現する。例えば、メインCPU307は、メモリ308に記憶されているBIOSを読み出し実行し、HDD312に記憶されているOSを起動する。そして、メインCPU307は、HDD312からOS処理部11等の処理を実現するプログラムを読み出し、起動したOS上でそのプログラムを実行する。通信部311は、3G通信網通信部302が接続されたネットワーク以外のネットワークに接続されている。例えば、通信部311は、LAN(Local Area Network)に接続されている。グラフィックチップ313は、モニタなどに画像を表示する。その他デバイス314は、プリンタ、モニタ、キーボードなどを有する。
【0102】
電源管理ユニット306は、電源309が出力する電力を各部へ供給する。電源管理ユニット306は、メインCPU307、メモリ308、メモリ310、通信部311、HDD312及びグラフィックチップ313等に電源を供給する。ただし、電源管理ユニット306からの電源供給ラインは図には記載していない。そして、電源管理ユニット306は、メインCPU307と接続され、メインCPU307の制御を受ける。
【0103】
メインCPU307とサブCPU301とは、IF(Inter Face)305によって接続されている。例えば、IF305は、USBインタフェース204の機能を実現する。そして、メインCPU307とサブCPU301とは、IF305を介してデータの授受を行うことができる。例えば、コピー方式における混在データや解析方式におけるアプリケーションデータが、サブCPU301からIF305を介してメインCPU307へ送信される。
【符号の説明】
【0104】
1 情報処理装置
2、3 サーバ
4 3G通信網
11 OS処理部
100 遠隔操作通信装置
101 通信部
102 通信制御部
103 バッファ部
104 擬似応答部
105 処理部
106 抽出部
107 応答部
108 解析部
109 再構成部
110 切替部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置は、
OSを用いて処理を行うOS処理部と、該OSから独立して動作する遠隔操作通信部とを備え、
前記遠隔操作通信部は、
外部ネットワークからデータを受信する通信部と、
前記データを記憶する記憶部と、
前記通信部が受信した受信データを前記OS処理部へ送信し、さらに該受信データを前記記憶部に記憶させる通信制御部と、
前記記憶部に記憶されている前記受信データから前記遠隔操作通信部で処理する遠隔操作データを抽出する抽出部と、
前記抽出部により抽出された遠隔操作データを基に前記OS処理部を制御する処理部と
を備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記受信データから前記遠隔操作データと前記遠隔操作データとは異なるアプリケーションデータとを分離する解析部と、
前記解析部で分離された前記アプリケーションデータを前記OS処理部へ送信するパケットに再構成し、前記OS処理部へ送信する再構成部と、
前記通信制御部による前記遠隔操作データを含む受信データを前記OS処理部へ送信する第1処理、又は、前記解析部による前記遠隔操作データを分離した前記アプリケーションデータを前記OS処理部へ送信する第2処理のいずれかに切り替えを行う切替部とをさらに備え、
前記処理部は、前記切替部により前記第1処理が選択された場合、前記抽出部により抽出された遠隔操作データを基に前記OS処理部を制御し、前記切替部により前記第2処理が選択された場合、前記解析部により分離された前記遠隔操作データを基に前記OS処理部を制御する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記切替部は、前記遠隔操作データを用いた切り替え指示を受けて前記第1処理又は前記第2処理の一方の処理から他方の処理へ切り替えることを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記遠隔操作通信装置は、前記切替部により前記第1処理又は前記第2処理の一方の処理から他方の処理へ前記通信制御部の制御が切り替えられた場合、前記遠隔操作データを送信した外部装置へ切り替え完了の通知を行う応答部をさらに備えたことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記遠隔操作通信装置は、前記通信部が前記外部ネットワークとの接続に使用する通信情報を前記OS処理部に対して通知し、前記OS処理部が該通信情報を用いて送信したデータを受信し、前記通信部を介して該データを前記外部ネットワークに送信する擬似応答部をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一つに記載の情報処理装置。
【請求項6】
情報処理装置で実行されるOSから独立して操作される遠隔操作通信装置であって、
外部ネットワークからデータを受信する通信部と、
前記データを記憶する記憶部と、
前記通信部が受信した受信データを前記OSを用いて処理を行うOS処理部へ送信し、さらに該受信データを前記記憶部に記憶させる通信制御部と、
前記記憶部に記憶されている前記受信データから前記情報処理装置を遠隔操作する遠隔操作データを抽出する抽出部と、
前記抽出部により抽出された遠隔操作データを基に前記情報処理装置を制御する処理部と
を備えたことを特徴とする遠隔操作通信装置。
【請求項7】
情報処理装置の制御方法であって、
OSを用いて処理を行い、該OSから独立して動作する遠隔操作通信部を備える前記情報処理装置に備えられる前記遠隔操作通信装置に、
外部ネットワークからデータを受信させ、
前記受信した受信データを前記OSへ送信させ
前記データを記憶させ、
前記記憶した受信データから前記遠隔操作通信部で処理する遠隔操作データを抽出させ、
抽出した遠隔操作データを基に前記情報処理装置を制御させ、
前記情報処理装置で実行するOSに、
前記送信された受信データから前記OSが処理するアプリケーションデータを抽出させ、
前記抽出したアプリケーションデータを処理させる
ことを特徴とする情報処理装置制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−208704(P2012−208704A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−73386(P2011−73386)
【出願日】平成23年3月29日(2011.3.29)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】