説明

情報処理装置、音出力装置、記号表示装置、画像形成装置、ユーザ属性判定方法、プログラム

【課題】文書等からユーザの属性を判定できる情報処理装置、音出力装置、記号表示装置、画像形成装置、ユーザ属性判定方法及びプログラム、を提供することを目的とする。
【解決手段】複数のグループにより人間を特徴づける特徴カテゴリーにおける、文字データ(記号、数値、絵文字を含む)20の作成者が属するグループ(各ユーザ属性における区分に相当)を判定する情報処理装置111であって、文字データ20を入力する文字データ入力手段112と、グループと対応づけて文字列を記憶する文字列記憶手段131と、文字データ入力手段により入力された文字データに含まれる文字列に対応づけられた文字列記憶手段の前記グループを参照して、所定の特徴カテゴリーにおける作成者が属するグループを判定する属性判定手段22と、を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文字データの作成者又は機器のユーザのユーザ属性を判定する情報処理装置、音出力装置、記号表示装置、画像形成装置、ユーザ属性判定方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
日常的に様々な機器が利用されているが、これらの機器は種々の人間が利用する。例えば、携帯電話であれば10代から70代以上の人が利用しているし、学生、社会人又はフリータを問わず利用しているし、国籍を問わずに利用している。
【0003】
ところで、このように利用する人の属性によっては同じ携帯電話でも望まれる機能が異なる。このため、一つの機器において、ユーザの操作により所望の動作環境に設定することが可能になっている。例えば、携帯電話の場合、表示する文字のサイズ、輝度、待ち受け画面などを種々に設定することができ、若年層は携帯電話でのコミュニケーションをもっと面白くするよう設定し、高齢者は、操作画面の文字を大きくするよう設定することができる。
【0004】
このように、ユーザは機器の設定を自由に変更できるが、その反面、ユーザが設定しない限り設定は変わらないので、初心者にとっては敷居が高く、また、機能が多い機器ほど操作も複雑なため所望の設定が困難になっている。
【0005】
ユーザの属性を何らかの方法で取得すれば、属性に応じて機器を設定することが可能となる。例えば、所定の文書からユーザの感情を検出する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
特許文献1には、感情に関わる単語をいくつかの感情に重み付けした辞書を備え、文書に含まれる単語に基づき辞書を参照し、各文書の感情を判定する感情認識システムが記載さている。
【特許文献1】特開2002−230011号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1記載の感情認識システムは、感情に関わる文書の属性を検出するものであり、ユーザの属性を検出するものではない。また、文書のような生成物の属性(内容)はユーザの属性と異なり変化しやすいため、生成物の属性を検出しても機器を適切に制御することは困難である。
【0008】
本発明は上記課題に鑑み、文書等からユーザの属性を判定できる情報処理装置、音出力装置、記号表示装置、画像形成装置、ユーザ属性判定方法及びプログラム、を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題に鑑み、本発明は、複数のグループにより人間を特徴づける特徴カテゴリー(後述のユーザ属性に相当)における、文字データ(記号、数値、絵文字を含む)の作成者が属するグループ(各ユーザ属性における区分に相当)を判定する情報処理装置であって、文字データを入力する文字データ入力手段と、前記グループと対応づけて文字列を記憶する文字列記憶手段と、前記文字データ入力手段により入力された前記文字データから前記文字列を抽出する文字列抽出手段と、前記文字列抽出手段により抽出された前記文字列に対応づけられた前記グループを前記文字列記憶手段から抽出して前記作成者が属する前記グループを判定する属性判定手段と、を有することを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、文字データから所定の特徴カテゴリーにおける作成者のグループを判定することができる。
【0011】
また、本発明の一形態において、作成者のグループを記憶するグループ記憶手段と、属性判定手段が判定したグループを特徴カテゴリー毎にグループ記憶手段に登録するグループ登録手段と、を有することを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、ユーザ属性を登録しておくことができるので、当該情報処理装置を含む種々の機器の制御に利用できる。
【0013】
また、本発明の一形態において、特徴カテゴリーが高齢者とそれ以外のグループを有する年齢層である場合、属性判定手段は、文字データ入力手段により入力された文字データに所定以上の比率で第2水準の漢字が含まれている場合、作成者が高齢者のグループに属すると判定する、ことを特徴とする。
【0014】
本発明によれば、比較的高齢者が使用する漢字により文字データの作成者が高齢者であると判定できる。
【0015】
また、本発明の一形態において、特徴カテゴリーが男性と女性のグループを有する性別である場合、属性判定手段は、文字データ入力手段により入力された文字データに所定数以上の絵文字が含まれている場合、作成者が女性のグループに属すると判定する、ことを特徴とする。
【0016】
本発明によれば、女性が多用する絵文字により、文字データの作成者が女性であると判定できる。
【0017】
また、本発明の一形態において、特徴カテゴリーが高齢者等をグループとする年齢層の場合、文字列記憶手段は、高齢者等のグループと対応づけて当該グループの人間が使用する文字列を記憶しており、属性判定手段は、文字データ入力手段により入力された文字データに含まれる文字列の数をグループ毎にカウントし、作成者はカウントされた数が最も大きいグループに属すると判定する、ことを特徴とする。
【0018】
本発明によれば、文字列をデータベース化しておくことで年齢層においてユーザが属するグループを判定することができる。
【0019】
また、本発明の一形態において、特徴カテゴリーが国内の所定領域をグループとする出身地の場合、文字列記憶手段は、所定領域と対応づけて当該所定領域の人間のみが使用する文字列を記憶しており、属性判定手段は、文字データ入力手段により入力された文字データに含まれる文字列が、当該所定領域の人間のみが使用する文字列である場合、作成者は当該所定領域に属すると判定する、ことを特徴とする。
【0020】
本発明によれば、文字列をデータベース化しておくことで出身地においてユーザが属するグループを判定することができる。
【0021】
また、本発明の一形態において、グループ記憶手段に登録された作成者のグループに応じて、当該情報処理装置を制御する制御手段(例えば、UI制御手段24、フォント変更手段25)、を有することを特徴とする。
【0022】
本発明によれば、ユーザの属するグループに応じて機器を制御できるので、ユーザの利便性を向上できる。
【0023】
また、本発明の一形態において、特徴カテゴリーが高齢者とそれ以外のグループを有する年齢層の場合であって、グループ記憶手段に登録された作成者のグループが高齢者である場合、表示装置に表示する文字のサイズを所定値より大きくするUI制御手段、を有することを特徴とする。
【0024】
本発明によれば、ユーザが高齢者のグループに属する場合、表示される文字を大きくできるので、高齢者が見やすい機器にすることができる。
【0025】
また、本発明の一形態において、特徴カテゴリーが男性と女性の前記グループを有する性別の場合であって、グループ記憶手段に登録された作成者の前記グループが女性である場合、表示装置に表示する文字のフォントを変更するフォント変更手段、を有することを特徴とする。
【0026】
本発明によれば、ユーザが女性のグループに属する場合、印刷される文字を女性らしいフォントに変更できるので、ユーザの嗜好に適切な出力が可能となる。
【発明の効果】
【0027】
文書等からユーザの属性を判定できる情報処理装置、音出力装置、記号表示装置、画像形成装置、ユーザ属性判定方法及びプログラム、を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照しながら説明する。
本実施形態ではユーザの属性の判定と、判定の結果得られた属性を用いた機器の制御例について説明する。
【0029】
ユーザの属性とは、年齢層、性別、出身地、国籍、宗教、年収層、等、例えば長期間にわたり変化がないユーザの特性であり、また例えば一生変化がない特性、又は、先天的に定まるユーザの特性である。年齢層を1つのユーザ属性とした場合、ユーザの特性は各年齢層に区分される。以下、年齢層等を属性種別と称し、年齢層の各区分(10代、20代…)をユーザ属性という。
【0030】
〔属性種別毎のユーザ属性の判定〕
始めに、ユーザ属性の判定について説明する。図1は、ユーザ属性を判定する情報処理装置111A〜111C(以下、これらを総称して情報処理装置111という)の一例を示す図である。情報処理装置111A及び情報処理装置111Cは、例えばPC(パーソナルコンピュータ)であり、情報処理装置111Bは携帯電話である。これらはLANやインターネットなどのネットワークNを介して接続されておいる。なお、PCと携帯電話は一例であって、情報処理装置111A〜111Cは、コンピュータを備えた機器、例えば、PDA(Personal Digital(Data) Assistants)、PHS(Personal Handyphone System)、プリンタ、ファクシミリ装置、スキャナ装置、MFP(Multi Function Printer)、等であってもよい。
【0031】
例えば、ユーザはワープロソフトウェアなどのアプリケーションプログラムを起動した後、情報処理装置111Aのキーボード112及びマウス113を操作して文字を入力する。入力された文字は順次ディスプレイ114に反映され、最終的には文書や表等が生成される。情報処理装置111Bを用いた場合も同様であり、ユーザはメールソフトウェアなどのアプリケーションプログラムを起動した後、情報処理装置111Bのキーボード115及びマウス(ポインタ)116を操作して文字を入力する。入力された文字は順次ディスプレイ117に反映され、最終的には例えば電子メールが生成される。以下、文書データや電子メールなど文字を含むデータをテキストデータという。テキストデータがバイナリファイルに保存されるかテキストファイルに保存されるかは問わない。
【0032】
本実施形態の情報処理装置111A、111Bは、テキストデータを構成する自立語(主に日本語の場合)や単語(主に英語の場合)を抽出し、自立語や単語と属性判定データベース(以下、DBという)とを照らし合わせて、テキストデータを入力したユーザのユーザ属性を判定する。なお、自立語を日本語の構成要素として、単語は英語の構成要素として説明するが、他の言語であっても自立語や単語に相当する構成要素からユーザ属性を判定できる。
【0033】
また、例えば、情報処理装置111Aから情報処理装置111Cに文書データが送信されたり、情報処理装置111Bから情報処理装置111Cに電子メールが送信された場合、情報処理装置111Cはテキストデータに含まれる自立語に基づき、情報処理装置111A又は情報処理装置111Bのユーザのユーザ属性を判定する。
【0034】
図2は、情報処理装置111Aのハードウェア構成例を示す図である。情報処理装置111Aは、バスBで相互に接続されているRAM(Random Access Memory )121、ROM(Read-Only Memory)122、入力装置(図1のキーボード112、マウス113に相当)112,113、NIC(Network Interface Card)123、ドライブ装置124、表示制御部125、記憶装置126及びCPU127とを有する。
【0035】
RAM121は、OSやプログラムを実行する作業メモリになり、ROM122はBIOSなどOSを起動するためのプログラムや設定ファイルを記憶している。入力装置112、113はキーボードやマウスなど、ユーザからの様々な操作を入力するためのデバイスである。NIC123は、ネットワークNに接続するためのインターフェイスであり、TCP(Transmission Control Protocol )/IP(Internet Protocol)等のプロトコル処理を実行する。ドライブ装置124は、CD−RWやメモリカード等の記憶媒体128が着脱可能に構成されており、記憶媒体128にプログラムやデータを書き込む際に使用され、また、記憶媒体128に記録されたプログラムやデータを読み込み、記憶装置126に送出する。
【0036】
表示制御部125は、アプリケーションソフトウェアが指示する画面情報に基づき所定の解像度や色数等で、GUI(Graphical User Interface)画面を形成し、操作に必要な各種ウィンドウやデータ等をディスプレイ114に表示する。
【0037】
記憶装置126は、HDD(ハードディスクドライブ)やフラッシュメモリなど不揮発性メモリであり、OS、アプリケーションソフトウェア、プログラム133が記憶されている。CPU127は、OS、アプリケーションソフトウェア及びプログラム133を記憶装置126からロードして実行することで種々の機能を提供すると共に、情報処理装置111Aが行う処理を統括的に制御する。
【0038】
また、記憶装置126には、後述する属性判定DB131及び属性テーブル132が記憶されている。
【0039】
情報処理装置111Aが実行するプログラム133は、記録媒体128に記憶して配布されるか、所定のサーバからネットワークNを介して配布される。プログラム133を記録した記録媒体128がドライブ装置124にセットされると、プログラム133が記録媒体128からドライブ装置124を介して記憶装置126にインストールされる。また、サーバからプログラムが送信された場合、NIC123を介して記憶装置126にインストールされる。
【0040】
情報処理装置111Aは、プログラム133を実行して実現される属性判定手段22、属性登録手段23、ディスプレイ114に表示する文字のサイズを可変に制御するUI(User Interface)制御手段24と、ディスプレイ114に表示する文字のフォントを変更するフォント変更手段25と、文字列を抽出する文字列抽出手段26と、を有する。属性判定手段22、属性登録手段23、UI制御手段24、フォント変更手段25及び文字列抽出手段26を実現するプログラム133は、Windows(登録商標)等のOS上で起動する。
【0041】
図3は、情報処理装置111Aの機能構成図を示す。図3では情報処理装置111Aを例に説明するが、ユーザ属性の判定方法は情報処理装置111B、111Cに共通である。
【0042】
属性判定手段22はテキストデータ20からユーザ属性を判定するので、OS上ではテキストデータ20を入力するためのアプリケーションソフトウェア27が実行されている。アプリケーションソフトウェア27は、例えば、ワープロソフトウェア、表計算ソフトウェア、電子メールソフトウェア等、テキストデータ20を入力しうるものであればよい。
【0043】
文字列抽出手段26、属性判定手段22及び属性登録手段23は、情報処理装置111Aの起動と共に実行されるか、アプリケーションソフトウェア27の起動に伴い実行される。
【0044】
キーボード112は指でキーを操作することで情報処理装置111Aに文字を入力する。ユーザがキーを押すと、対応するキーコード(例えば、ASCIIコード)が情報処理装置111Aに送られる。キーコードは例えばBIOS(Basic Input Output System)により対応する文字コードに変換される。なお、キーボード112はタッチパネルや手書き文字入力、音声キーボード等、文字に対応したキーコードを発生するものであればよい。
【0045】
テキストを日本語で入力する場合、ユーザの操作によりIM(Input Method)21が起動し、文字コードはIM21により日本語に変換される。変換せずに直接テキストを入力する場合は、文字コードは直接アプリケーションソフトウェア27及び属性判定手段22に入力される。
【0046】
IM21は、一連の文字コードを日本語等の言語に変換する、いわゆる、かな漢字変換システムである。例えば、キーボード112から「G・A・N・M・I」と入力された場合、IM21は辞書を参照して一連の文字コードを「がんみ」と変換すると共に、所定の操作や設定に応じて「ガンミ」や「ガン見」等に変換することを可能にする。「ガンミ」と変換した場合には「ガ」「ン」「ミ」それぞれに対応する3つの文字コードが生成される。なお、文字コードは、Unicode、JISコード、シフトJISコード等、いずれであってもよい。以下、ユーザ属性を判定する言葉を属性判定語という。
【0047】
文字列抽出手段26は、所定の文字又は文字列を抽出する。文字列抽出手段26は、テキストデータ20の文字コードを1語1語参照し、属性判定DB131に登録されている属性判定語を抽出する。また、辞書を参照しながらテキストデータ20の例えば一文ごとに周知の日本語構文解析を行い係り受け関係を抽出する。これにより属性判定語とその用いられ方、例えば、「バリ」という文字列の場合、地名の「バリ」と副詞の「バリ(すごく)」を抽出できる。
【0048】
そして、属性判定手段22は、属性判定DB131に登録された属性判定語に対応つけられたユーザ属性をテキストデータ20の作成者のユーザ属性として判定する。
【0049】
図4は、情報処理装置111Cの機能構成図の他の一例を示す。なお、図4において図3と同一構成部には同一の符号を付しその説明は省略する。図3では、キーボード112からテキストデータ20を入力する形態について説明したが、1つのファイルに含まれるテキストデータ20からも同様にユーザ属性を判定することができる。
【0050】
情報処理装置111Cが電子メールでテキストデータ20を受信する場合、テキストデータ20はいったん記憶装置126に記憶される。アプリケーションソフトウェア27はテキストデータ20を読み出しディスプレイ114に表示したり音声で読み上げたりするが、その際に、属性判定手段22はテキストデータ20を抽出し、図3と同様に、所定の文字列を抽出する。以降は、図3と同様にユーザ属性を判定することができる。なお、情報処理装置111Cが判定するユーザ属性は、電子メールを作成した情報処理装置111Aのユーザのユーザ属性となる。
【0051】
図5は属性判定DB131の一例を示す。図5は、属性種別が年齢層の場合の属性判定DB131である。図5では種々の属性判定語におよその年齢層が対応づけられている。例えば、「バリ」や「ガンミ」には10〜20才という年齢層が対応づけられ、「大東亜戦争」には60才以上の年齢層が対応づけられている。
【0052】
属性判定手段22はテキストデータ20が含むこのような年齢層を特徴づける属性判定語に基づき属性判定DB131を参照してそれぞれの属性判定語に対応づけられた年齢層を抽出する。そして、例えば、1つのテキストデータ20毎にユーザの年齢層を検出する。
【0053】
10〜20才の属性判定語が3つ、30〜40才の属性判定語が1つ、40〜50才の1つ、検出された場合、属性判定手段22は例えば検出された数が最も多い年齢層をユーザの年齢層に決定する。短期的にはこのような簡易な方法でユーザの年齢層を決定できる。
10〜20才 … xxx個
20〜30才 … xxx個
30〜40才 … xxx個
40〜50才 … xxx個
50〜60才 … xxx個
60才以上 … xxx個
また、検出された属性判定語の数を累積しておくことで、ユーザの年齢層の決定精度を向上できる。作成するテキストデータ20の数が増えるほど、使用する言葉は年齢層を反映すると考えられるので、検出された属性判定語の数を累積しておくこと精度よくユーザの年齢層を決定できる。十分な数を累積できれば、平均値や中央値の算出など統計的な処理によりユーザの年齢層を精度よく決定できる。
【0054】
また、JIS第2水準漢字「弌」(989F)〜「熙」(EAA0)が多用されている場合、60才以上であると判定してもよい。多用される例としては、JIS第2水準漢字が所定数以上、又は、全文字数に対し所定の比率(例えば20%)以上で検出される場合である。
また、ひらがなやカタカナを多用するユーザは10〜20才と判定してもよい。多用される例としては、全文字数に対し所定の比率(例えば80%)以上の場合である。JIS第2水準の漢字やひらがな・カタカナも属性判定語の一種である。
【0055】
属性判定語の数、JIS第2水準漢字、ひらがなやカタカナの多用、のそれぞれによる判定結果が異なる場合、最も確度の高い判定結果を用いる。確度に有意な差が確認できない場合は、それぞれを重み付けして判定するか、ユーザ属性を不明とする。
【0056】
属性種別のうち性別の判定について説明する。性別はテキストデータ20の性別に特徴的な表現から判定する。女性の場合、テキストデータ20に絵文字や顔文字を多用することが多い。したがって、例えば、属性判定手段22は絵文字や顔文字が多用されている場合、女性であると判定する。多用される例としては、絵文字が所定数以上検出される場合である。
【0057】
また、属性判定DB131に女性及び男性に特有の属性判定語を登録しておく。例えば「僕」、「俺」、「あいつ」、「〜だろ」、「ばかでかい」「メシ」等には男性のユーザ属性が対応づけられ、「あら」、「超ウケる」、「うち(は)」、「うふ」等には女性のユーザ属性が対応づけられる。属性判定手段22は、絵文字の数からは性別の判定が困難な場合、又は、絵文字の数による判定に加え、属性判定DB131を参照して属性判定語を累積し、属性判定語の数から性別を判定する。
【0058】
属性種別のうち出身地の判定について説明する。出身地はテキストデータ20の主に方言から判定する。属性判定DB131に方言に特有の属性判定語を登録しておく。例えば、「おかん」「自分(相手のこと)」「キタ」「ミナミ」「マクド」「おもろい」「〜回生」「しんどい」「ぼちぼち」等には、近畿圏の出身地が対応づけられる。
【0059】
また、例えば、「ばりかた」「〜ばい」「よか」「ばってん」「くれんね」「こまい」「いっちゃん」等には、九州の出身地が対応づけられる。
【0060】
また、例えば、「いーが」「どすべ(どうしよう)」「なんした(どうした)」「どっひゃー(元気してる)」「そい(それ)」「がへー(ださい)」「ひゃーろー(じゃあな)」等には、東北圏の出身地が対応づけられる。
【0061】
また、例えば、「しばれる」「あずましい(具合がよい)」「げっぱ(最下位)」等には、北海道の出身地が対応づけられる。
【0062】
方言の他にも、その地方の特産品、食べ物、名物、観光名称等、を属性判定DB131に登録しておくことで、出身地を判定することができる。
【0063】
また、国籍については、テキストデータ20を記述する言語により判定でき、テキストデータ20の外国語(アルファベット)が全文字数に対し所定の比率(例えば100%)以上で検出される場合、外国人(米国・英国)と判定する。
【0064】
宗教については○○教、宗主の氏名、宗教の創始者、戒律の内容を属性判定DB131に登録しておき、テキストデータ20の属性判定語と照らし合わせることで判定することができる。
【0065】
また、年収層については、物品やブランド名に年収層を対応づけて属性判定DB131に登録しておき、テキストデータ20の属性判定語と照らし合わせることで判定することができる。
【0066】
図6は、属性判定DB131のより詳細な構成を示す図である。図6では属性種別に分けることなく、年齢層のユーザ属性の属性判定語、出身地のユーザ属性の属性判定語等が登録されている。各属性判定語は、構成する文字毎に文字コードが登録されるので、テキストデータ20に属性判定語が含まれている場合は、対応するユーザ属性を抽出することができる。
【0067】
図7は、属性判定手段22がユーザ属性を判定する手順を示すフローチャート図である。まず、情報処理装置111Aにテキストデータ20が入力される(S10)。例えば、「この間のジャケットめちゃ良かった(^^)。」というテキストデータ20が入力される。
【0068】
属性判定手段22は、テキストデータ20の文字コード、82B1「こ」、82CC「の」…82DF「め」、82BF「ち」、82E1「や」、97C7「良」…0028「(」、005E「^」、005E「^」0029「)」から、属性判定DB131に登録された属性判定語に一致する文字列を抽出する(S20)。
【0069】
そして、抽出された属性判定語を用いて属性種別毎にユーザ属性を判定する(S30)。図8は、年齢層の属性種別におけるユーザ属性を判定する手順を示すフローチャート図である。
【0070】
属性判定手段22はJIS第2水準の漢字が所定数以上か否かを判定する(S31)。所定数以上であった場合(S31のYes)、高齢者である可能性が高いので属性判定手段22は60才以上のフラグAを立てる(S34)。
【0071】
JIS第2水準の漢字が所定数以上でない場合(S31のNo)、属性判定手段22はひらがな又はカタカナが所定以上の比率で使用されているか否かを判定する(S32)。ひらがな又はカタカナが所定以上の比率で使用されている場合(S32のYes)、低年齢者である可能性が高いので属性判定手段22は10〜20才以上のフラグBを立てる(S33)。
【0072】
ついで、属性判定手段22は各年齢層別に属性判定語をカウントする(S35)。そして、最大カウント数の年齢層にフラグCを立てる(S36)。フラグCが立ったと仮定すると、フラグCとフラグAの少なくとも一方、又は、フラグCとフラグBの少なくとも一方、が立ったことになる。
【0073】
属性判定手段22はフラグAとC、又は、フラグBとCが一致するか否かを判定する(S37)。一致する場合(S37のYes)、そのフラグの年齢層に属するとユーザ属性を判定する(S38)。
【0074】
一致しない場合(S37のNo)、フラグAとC、又は、フラグBとCのうち確からしい方の年齢層に属するとユーザ属性を判定する(S39)。確からしいとは、ステップS35のカウント数が他の年齢層に比べ突出して大きいか否か等から判定できる。なお、JIS第2水準の判定、ひらがな又はカタカナ多様の判定のみを記載したが、ユーザ属性を判定できるものであればこれに限るものではない。
【0075】
図6の属性判定DB131及び上記のテキストデータ20からは、例えば、テキストデータ20の作成者は10〜20代のユーザ属性と判定される。
【0076】
また、図8の判定を属性種別毎に繰り返すので、例えば、テキストデータ20の作成者は女性のユーザ属性と判定される。
【0077】
属性登録手段23は属性判定手段22が判定したユーザ属性を属性種別毎に属性テーブル132に登録する。図9は、属性テーブル132の一例を示す。属性テーブル132は、年齢層、性別、出身地、国籍、宗教、年収層毎に、ユーザ属性が登録されている。
【0078】
したがって、以上の構成により、ユーザがテキストデータ20を生成するだけで、ユーザ属性を判定して登録しておくことができる。
【0079】
<機器の制御例>
判定されたユーザ属性に応じた機器の制御例について説明する。
図10は、情報処理装置111AとMFP141とを有する印刷システムの構成図を示す。図10の情報処理装置111Aは既に属性テーブル132に年齢層(60才以上)のユーザ属性が登録されている。
【0080】
情報処理装置111Aのアプリケーションソフトウェア27がMFP141にテキストデータ20の印刷を要求したが(S1)、MFP141には印刷に十分な枚数のA4用紙がない場合を想定する。
【0081】
MFP141はA4用紙が切れた旨のエラーコードを情報処理装置111Aに送信する(S2)。情報処理装置111Aのプリンタアプリケーション(例えば、プリンタドライバ)はこのエラーコードを解釈し、ユーザにエラーメッセージを表示するが、ここでUI制御手段24は、ユーザ属性に応じてエラーメッセージを生成する。
【0082】
UI制御手段24は属性テーブル132を参照し(S3)、ユーザ属性を抽出する。年齢層のユーザ属性は「60才以上」なので、エラーメッセージを構成する文字を大きくして、エラーメッセージを表示する(S4)。
【0083】
例えば、通常のエラーメッセージを10ポイントで表示する場合、高齢者のユーザに対しては16ポイントの文字を使用することで、高齢者でも容易にエラーメッセージを視認することができる。文字を太くしてもよい。年齢層に応じてUI(エラーメッセージ)をどのように制御するかは予めUI制御手段24に登録されている。
【0084】
なお、文字サイズ等の変更と共に又は文字サイズ等を変更することなく、エラーメッセージを音声出力する場合に音量を大きくしてもよい。例えば高齢者の場合、「A4用紙が切れています。補充してください。」という音声が大きな音量で出力される。
【0085】
ところで、図10では情報処理装置111Aのディスプレイ114にエラーメッセージを表示したが、エラーメッセージはMFP141の表示部にも表示されるので、MFP141のエラーメッセージも大きく表示することが好ましい。
【0086】
しかしながら、MFP141は属性テーブル132を記憶していないので、MFP141にユーザ属性を通知する必要がある。この場合、情報処理装置111Aからテキストデータ20を送信するときに、テキストデータ20にユーザ属性を添付して送信すればよい。
【0087】
また、属性判定手段22はコンピュータを搭載したMFP141でも実行可能なので、MFP141がテキストデータ20からユーザ属性を判定してもよい。テキストデータ20は、文字コードのままMFP141に送信される場合と、情報処理装置111Aでラスタデータに変換されてからMFP141に送信される場合があるが、オフィスユースでは文字コードのままMFP141に送信されるので、MFP141の属性判定手段22は上述の方法でユーザ属性を判定できる。
【0088】
また、用紙をコピーする場合にも用紙切れ等のエラーが発生する場合があるが、同様に年齢層に応じてエラーメッセージの表示及び/又は音声出力する。この場合、コピー元の原稿をOCR(Optical Character Reader)して原稿から文字コードを検出し、ユーザ属性を判定する。そして、ユーザ属性に応じてエラーメッセージの文字サイズを大きくしたり音量を増大させる。
【0089】
なお、図10では、ユーザ属性に応じて情報処理装置111A又はMFP141のエラーメッセージの文字の大きさを制御したが、例えばフォントの種類を制御してもよい。
【0090】
図11は、情報処理装置111AとMFP141とを有する印刷システムの構成図を示す。なお、図11において図10と同一構成部には同一の符号を付しその説明は省略する。図11の情報処理装置111Aは既に属性テーブル132に性別(女性)のユーザ属性が登録されている。
【0091】
ユーザが情報処理装置111Aのアプリケーションソフトウェア27からテキストデータ20を例えばゴシックフォントで表示した状態で印刷操作をすると(S11)、情報処理装置111Aのプリンタアプリケーションは、属性テーブル132を参照する(S12)。
【0092】
情報処理装置111Aのユーザのユーザ属性は女性なので、フォント変更手段25は例えば、テキストデータ20を丸文字に変換して、プレビュー表示する(S13)。すなわち、ユーザ属性が女性の場合、女性らしいかわいらしいフォントに変換して印刷することができる。
【0093】
ユーザはプレビュー表示を確認して例えばYesを入力すれば、丸文字にフォントが変換されたテキストデータ20がMFP141に送信され、丸文字で印刷される(S14)。また、例えばNoを入力すれば、元のフォントでテキストデータ20がMFP141に送信され、印刷される(S14)。
【0094】
したがって、ユーザ属性を登録しておくことでユーザの嗜好に合致した印刷が可能となる。どのようなフォントに変更するかの情報は、予めフォント変更手段25が記憶している。
【0095】
なお、図11のようにフォントを変更する場合においても、MFP141がユーザ属性を判定して、MFP141がユーザ属性に応じた機器制御することができる。
【0096】
この場合、情報処理装置111AからMFP141にテキストデータ20が送信された後、MFP141はユーザ属性に応じて丸文字に変換したプレビュー表示用の画像データをいったん情報処理装置111Aに送信する。そして、これに対しユーザがYes又はNoを入力し、情報処理装置111AからMFP141にYes又はNoの信号を送信することで、丸文字又は元のフォントでテキストデータ20を印刷することができる。
【0097】
したがって、本実施形態の情報処理装置111によりユーザ属性を判定することで、種々の機器を制御することができるようになる。
【0098】
〔ユーザ属性を用いた機器の制御例〕
ユーザ属性が判定されれば、ユーザ属性に応じて種々の機器を制御することができ、機器の利便性を向上させることができる。本実施形態では、予め定めた文字又は自立語等(以下単に音楽ワードという)がテキストデータ20に含まれている場合に対応する音楽を出力する音楽出力装置、及び、予め定めた文字又は用語(後述の動き設定ワード)がテキストデータ20に含まれている場合にその文字等のフォントのビットマップデータを所定時間毎に書き換える動的フォント装置を例に説明する。
【0099】
ところで、ユーザ属性の判定では、ユーザ属性とはテキストデータ20を入力したユーザのユーザ属性としたが、機器を制御する場合は機器を利用するユーザのユーザ属性を用いることが好ましくなる。以下の機器の制御例では、ユーザ属性とは制御される機器のユーザのユーザ属性をいうものとする。
【0100】
<ユーザ属性による音楽出力装置の制御例>
図12は、音楽出力装置200の機能構成図の一例を示す。属性テーブル132が利用可能であれば音楽出力装置200は情報処理装置111Aと別体でもよいが、本実施形態では情報処理装置111Aが音楽出力装置200を有する。
【0101】
音楽出力装置200は、アプリケーションソフトウェア27が取得するテキストデータ20を検出して、テキストデータ20が含む音楽ワードに応じて音又は音楽(以下、単に音楽という)を出力する。なお、テキストデータ20はキーボード112から入力されてもよいし、記憶装置126から読み出しファイルとして入力されてもよい。
【0102】
ラスタライザ33は、テキストデータ20が含む文字コードに対応する文字をディスプレイ114に表示できるように、色付きの小さな点の集まりとして表現する。ラスタライザ33はフォントデータDB32を有しており、文字コードに対応するフォントデータをフォントデータDB32から抽出する。
【0103】
図13は、フォントデータDB32に格納されているフォントデータと後述する音楽データの一例を示す。フォントデータDB32には、文字コード毎にフォントデータが格納されている。フォントデータは、文字の輪郭を多数の線分に分割して各線分をベジェ曲線という関数より定まる曲線にて表現するため、線分の2つの端点位置、及び、曲線の曲がり具合を制御する1又は2の制御点の位置情報を有する。また、位置情報の他に輪郭の修正情報や塗りつぶしなどの描画情報を有している。
【0104】
ラスタライザ33は、文字コードに対応するフォントデータを抽出して、アプリケーションソフトウェア27が指定する文字サイズのマップに配置し点の集まりとして形成し、アプリケーションソフトウェア27に送出する。これによりアプリケーションソフトウェア27は文字をディスプレイ114に表示できる。
【0105】
これに対し、サウンドライザ31は、文字コードに対応づけられた音楽をスピーカ35により出力する。図13に示したように、フォントデータDB32には、文字コード毎に音楽データが格納されている。音楽データは、一音ずつの音程、長さ、強さ、持続時の変化の仕方などを設定した音楽情報を示している。サウンドライザ31は、文字コードに対応する音楽データを抽出して、音楽情報に基づく音源データ(例えば、FM音源データ、PCM音源データ、MIDI(Musical Instrument Digital Interface)音源データ)を生成する。なお、音楽データとして音源データをフォントデータDB32に格納しておいてもよい。
【0106】
音楽データには、文字の意味をイメージさせる音楽情報が格納されている。例えば、「車」の文字コードに対応して格納された音楽データは、スピーカ35から出力すると「ぶーん」という車が走行する音楽となる。同様にして、例えば、
・文字「烏(からす)」に対しては、「カーカー」という烏が鳴く音楽データが、
・文字「雨」に対しては、「ざーざー」という雨が降る音楽の音楽データが、
・文字「炎」に対しては、「ボーボー」という火が燃える音楽の音楽データが、
・文字「海」に対しては、「ザブーン」という波の音楽の音楽データが、
・文字「走」に対しては、「たったったった」という走る音楽の音楽データが、
それぞれ格納されている。
【0107】
したがって、テキストデータ20に音楽データに対応づけられた文字コードがある場合、
サウンドライザ31は、その音楽データから音源データを生成して音楽を出力するので、文字のイメージに合致した音楽を出力することができる。サウンドライザ31が生成した音源データは音源IC34に送出され、音源IC34が音源データに基づき予め定められた音色の音楽を、アンプで増幅した後スピーカ35から出力する。
【0108】
そして、本実施形態ではフォントデータDB32に、ユーザ属性に応じて異なる音楽データを格納しておくことで、ユーザ属性に応じて同じ文字でも出力する音楽を変更する。
【0109】
図14(a)はユーザ属性の一例として年齢層を、図14(b)はユーザ属性の一例として性別をそれぞれ用いた場合の、音楽データが記憶されたフォントデータDB32の一例を示す。図14では、実際にスピーカ35から出力した際の音楽を言葉で置き換えて音楽データを表している。
【0110】
図14(a)には、文字「馬」に対し、20才以下の年齢層には「ぱかぱか」という音楽の音楽データが記憶されており、21〜40才の年齢層には「ぱっかぱっか」という音楽の音楽データが記憶されており、41才以上の年齢層には「ひひーん」という音楽の音楽データが記憶されている。文字「車」、文字「海」についても同様に年齢層に応じて異なる音楽の音楽データが記憶されている。
【0111】
同様に、図14(b)には、文字「馬」に対し、男性には「ぱかぱか(早)」という音楽の音楽データが記憶されており、女性には「ぱかぱか(遅)」という音楽の音楽データが記憶されている。文字「車」、文字「海」についても同様に性別に応じて異なる音楽の音楽データが記憶されている。
【0112】
このように、ユーザ属性に応じた音楽を出力することで、年齢層や性別が異なってもユーザにテキストデータ20の内容をイメージさせやすい音楽を出力することができる。
【0113】
図13及び図14では、文字毎に音楽データを格納しておくこととしたが、音楽データは音楽ワード毎に格納されていてもよい。図15は、音楽ワードデータベース(DB)36に登録された音楽データの一例を示す。
【0114】
音楽ワードDB36には、音楽ワードコードに対応づけて音楽データが記憶されている。音楽ワードコードは音楽ワードを構成する文字の文字コードである。例えば「ラーメン」という音楽ワードの場合、「ラ」「ー」「メ」「ン」の各文字の文字コードにより構成されている。音楽データは図13と同様であるが、音楽データには、音楽ワードの意味をイメージさせる音楽の音楽データが記憶されている。例えば、
・「ラーメン」に対応して「づーづー」というラーメンをすする音楽の音楽データが、
・「台風」に対しては、「ごーごー」という風が強く吹く音楽の音楽データが、
・「小鳥」に対しては、「ピーチク」という小鳥のさえずる音楽の音楽データが、
・「バイク」に対しては、「ぶるんぶるん」というエンジンの音楽の音楽データが、
・「電車」に対しては、「がとんごとん」という走行時の音楽の音楽データが、
・「時計」に対しては、「ちくたく」という時計の音楽の音楽データが、
それぞれ記憶されている。
【0115】
サウンドライザ31は、テキストデータ20に音楽ワードDB36に記憶された音楽ワードがあるか否かをテキストデータ20から検出される毎に判定し、音楽データが登録された音楽ワードが検出された場合、音楽データを抽出する。サウンドライザ31は、該音楽データに基づいて音源データを生成するので、スピーカ35から音楽ワードに対応した音楽を出力することができる。
【0116】
したがって、テキストデータ20の意味をイメージさせやすい音楽ワードに対応した音楽を出力することができるので、テキストデータ20の読み手は容易にテキストデータ20の内容をイメージすることができる。
【0117】
音楽ワードDB36もユーザ属性に応じて異なる音楽データを格納しておくことが好適となる。
【0118】
図16(a)はユーザ属性の一例として年齢層を、図16(b)はユーザ属性の一例として性別をそれぞれ用いた場合の、音楽データが記憶された音楽ワードDB36の一例を示す。図16では、実際にスピーカ35から出力した際の音楽を言葉で置き換えて音楽データを表している。
【0119】
図16(a)には、音楽ワード「ラーメン」に対し、20才以下の年齢層には「づーづー」という音楽の音楽データが記憶されており、21〜40才の年齢層には「つるつる」という音楽の音楽データが記憶されており、41才以上の年齢層には「じゅるじゅる」という音楽の音楽データが記憶されている。音楽ワード「台風」、音楽ワード「小鳥」についても同様に年齢層に応じて異なる音楽の音楽データが記憶されている。
【0120】
同様に、図16(b)には、音楽ワード「ラーメン」に対し、男性には「ずるずる」という音楽の音楽データが記憶されており、女性には「ちゅるちゅる」という音楽の音楽データが記憶されている。音楽ワード「台風」、音楽ワード「小鳥」についても同様に性別に応じて異なる音楽の音楽データが記憶されている。
【0121】
なお、文字に対応した音楽と複数の文字に対応した音楽は、いずれか一方を出力してもよいし両方を出力してもよい。
【0122】
以上の構成を用いて、音楽出力装置200が入力されたテキストデータ20を用いて音楽を出力する処理の手順を図17のフローチャート図に基づき説明する。図17のフローチャート図は、例えばアプリケーションソフトウェア27が立ち上がって所定のテキストデータ20を読み出すとスタートする。ここでは、情報処理装置111Aが電子メールを受信したものとする。
【0123】
まず、所望のアプリケーションソフトウェア27を立ち上げ、テキストデータ20がキーボード112から入力されたり電子メールとして受信される(S10)。例えば、アプリケーションソフトウェア27が電子メールソフトウェアであった場合、受信した電子メールを開いた場合、本実施形態の音楽出力装置200が起動する。
【0124】
図18は、電子メールソフトウェアが起動してディスプレイ114に表示されるGUIの一例を示す。電子メールソフトウェアは、コマンド欄41、画面切り替え欄42、受信メール一覧43及び本文表示欄44とを有する。
【0125】
ユーザが、読みたい電子メールを受信メール一覧43からマウス113等で選択すると、選択された電子メールのテキストデータ20「台風の中、ラーメンを食べに行った」が本文表示欄44に表示される。
【0126】
サウンドライザ31は、属性テーブル132を参照して情報処理装置111Aのユーザのユーザ属性が登録されているか否かを判定する(S20)。ユーザ属性が既に登録されている場合(S20のYes)、ユーザ属性を抽出する(S30)。ここでは、年齢層のユーザ属性として20代のユーザ属性が抽出されたものとする。
【0127】
ユーザ属性が登録されていない場合(S20のNo)、例えば、既に情報処理装置111Aに記憶された所定のテキストデータ20から情報処理装置111Aのユーザ属性を判定してもよいし(S40)、受信したテキストデータ20からユーザ属性を代用的に判定してもよい。情報処理装置111Aは普段から使用されているはずなので、ユーザ属性が登録されていない可能性は低い。例えば、ステップS10で入力したテキストデータ20が電子メールでなく、ユーザが自ら入力したものであれば入力したテキストデータ20から情報処理装置111Aのユーザ属性を判定できる。
【0128】
ついで、サウンドライザ31は、ユーザ属性に応じて「台風の中、ラーメンを食べに行った」の各音楽ワードに対応する音楽データを音楽ワードDB36から抽出し、音楽ワードに対応する音楽データが記憶されているか否かを判定する(S50)。
【0129】
本実施形態では、「台風」及び「ラーメン」について音楽データが抽出される。なお、図18では、音楽データが抽出された音楽ワードに下線を付した。
【0130】
サウンドライザ31は、ユーザ属性に応じて「台風」及び「ラーメン」の音楽データの音源データを生成する(S60)。年齢層のユーザ属性が20代なので、例えば、サウンドライザ31は「台風」という音楽ワードに対して「びゅーびゅー」という音楽を、「ラーメン」という音楽ワードに対して「つるつる」という音楽をそれぞれ出力できるように音源データが生成される。音源データが生成されたら音源IC34は、スピーカ35から該音楽を出力する(S70)。音楽出力装置200は、以上の処理をテキストデータ20が終了するまで繰り返す(S80)。
【0131】
したがって、音楽出力装置200はユーザ属性に応じて出力する音楽を制御することができ、使用する機器のユーザに好適な音楽を出力することができる。
【0132】
・・・音楽出力の優先順位について
図17のフローチャート図では、テキストデータ20に現れる順番に音楽を出力したが、テキストデータ20には優先的に音楽を出力した方がよい音楽ワードが存在することが考えらえる。
【0133】
図19は、優先順位を有する音楽ワードDB36の一例を示す。図19で優先順位は整数で表示されており、「1」が最も優先順位が高く、数字が大きくなるほど優先順位が低くなる。図19のように音楽ワードに優先順位が割り振られている場合、優先順位の高いものから順番に又は優先順位の高いものから所定数だけ、出力することができる。
【0134】
サウンドライザ31は、テキストデータ20の所定の一文の中に、音楽データが対応づけられた複数の音楽ワードが含まれている場合、全ての音楽データ又は音源データを蓄積しておき、優先順位の高いものから順番にスピーカ35から出力する。
【0135】
優先順位の設定について説明する。優先順位は例えば3〜10段階程度に設定可能であり、ユーザが各用語毎に任意に設定することができる。
【0136】
図20(a)は、ディスプレイ114に表示される優先順位設定画面の一例を示す図である。図20(a)の画面は、ユーザが優先順位を設定するためのプログラムを起動することで表示される。優先順位を設定するための優先順位設定プログラムは、図19の音楽ワードDB36から音楽ワードと優先順位を読み出し図20(a)のように表示する。
【0137】
優先順位設定画面は、上側に音楽ワードの先頭文字を選択するための先頭文字選択欄45を有し、先頭文字を選択するとその先頭文字で始まる音楽ワードの優先順位設定欄46が表示される。図20(a)では先頭文字として「あ」が選択された場合を示す。
【0138】
優先順位設定欄46は、「あ」行の文字(あいうえお)を先頭文字とする音楽ワードが順番に表示される。音楽ワードの横に優先順位を入力する欄があるので、ユーザは指示に従い例えば1〜10の数値を入力することができる。
【0139】
優先順位の入力が終了しユーザが終了ボタン47を押下すると、優先順位設定プログラムは、優先順位を音楽ワードDB36に格納する。これにより、ユーザが任意で優先順位を設定することができる。
【0140】
また、優先順位は、品詞毎に設定可能であってもよい。図20(b)は優先順位設定画面の別の一例を示す。同様に、ユーザが優先順位を設定するためのプログラムを起動すると図20(b)のような画面が表示される。
【0141】
図20(b)では、品詞の例として名詞、動詞、形容詞(形容動詞)、副詞及び感動詞が表示されそれぞれに対応して優先順位の入力欄が表示されている。ユーザは自分の好みに応じて品詞毎に優先順位を入力できる。また、図20(b)では、品詞としての分類が困難であるが、品詞の一分類として擬音の優先順位の入力欄が表示されている。擬音(又は擬態語)は人や動物の声や物音をその音に似た形で描写したり、人や物の動き・様子を感覚的に描写したりするための言葉であり、例えば、「ひやり、どきどき、ぎらぎら、ドシュッ」などが該当する。擬音語は、音に似た響きを言葉で表現した音楽ワードなので、擬音語の優先順位を高く設定することで、文章の内容を音楽で出力した場合に有効である。
【0142】
サウンドライザ31は、テキストデータ20が入力されると図19の音楽ワードDB36を参照し、テキストデータ20に含まれる各音楽ワード毎に対応する音楽データ及び優先順位を抽出しておき、優先順位の高い順に音楽データをソートする。
【0143】
そして、サウンドライザ31は、ソートされた音楽データから順番に音源データを生成しスピーカ35から出力する。なお、音源データがそのまま音楽ワードDB36に格納されている場合、直接音源データを抽出すればよい。
【0144】
例えば、図17のフローチャート図の処理では台風の「びゅーびゅー」に次いで、ラーメンの「つるつる」という音楽が出力されたが、ラーメンの優先順位が台風よりも高い場合、「つるつる」に次いで、「びゅーびゅー」という音楽が出力される。
【0145】
なお、優先順位の同じ音楽ワードが一文に含まれていた場合、一文中に出現する順番に音楽を出力する。また、優先順位の高い順でなく低い順に音楽を出力してもよい。
【0146】
また、音楽ワードDB36に予め優先順位が登録されていない場合であっても、音楽を出力する順番を変えることができる。
【0147】
例えば、一文を形態素解析した場合に、主語と述語に相当する音楽ワードに音楽データが与えられていれば、主語と述語の音楽ワードの音楽を優先的に(最初に)出力する。「猫が犬に追いかけられて走り出した」のような文章では、主語が「猫」、述語が「走り出した」であるので、猫に対応する音楽「ニャー」に続いて「タタタ」という音楽が出力され、ユーザは音楽を聴くことで文章の内容をイメージしやすくなる。
【0148】
また、係り受け関係がない又は遠い音楽ワード間の音楽を出力する場合、係り受け関係のない音楽ワードの音楽を出力するまでの時間を長めにすることで、ユーザは音楽により文章の内容をイメージしやすくなる。例えば「明日、海へ行ってビールを飲もう」という文章であれば、「海」は「行く」に係り、「ビール」は「飲もう」に係る。音楽ワードDB36に「海」、「ビール」及び「飲」に対応する音楽データが格納されている場合、「海(ザブーン)」の音楽を出力した後、通常よりも時間間隔をあけ、「ビール(シュポッ)」と「飲(ごくごく)」の間は通常通りの時間間隔で出力する。これにより、音楽を出力する時間間隔で音楽ワード間の意味の結びつきを知ることができる。
【0149】
以上のように、音楽ワードに対応した音楽の出力に優先順位を設けることで、テキストデータ20の意味をより伝えやすくすることができる。
【0150】
・・・電子メールの着信音
電子メールにより送信されたテキストデータ20が含む音楽ワードに対応する音楽を電子メールの着信音として出力できれば、電子メールを受信したユーザは電子メールの内容を音楽により把握できて便利である。
【0151】
情報処理装置111A(PC)の場合、電子メールソフトウェアが新着の電子メールを受信すると、電子メールソフトウェア又はOSが予め設定された所定の音楽ファイル(WAVEやMP3等)が再生して電子メールを受信した旨を知らせる音楽を出力する。
【0152】
また、情報処理装置111B(携帯電話)の場合、携帯電話が電子メールを受信するとOSが予め設定された所定のMIDIデータなどの音源データを抽出し、音源IC34を介して当該音楽を出力する。また、情報処理装置111Bでは送信元のメールアドレスに応じて抽出する音源データを可変とすることもできる。
【0153】
本実施形態では、予め定められた着信音の代わりに電子メールのテキストデータ20が含む音楽ワードに対応した音楽を出力する。
【0154】
図21は、電子メールの着信音を音楽ワードに応じて出力する音楽出力装置200の機能構成図を示す。なお、図21において図12と同一構成部には同一の符号を付しその説明は省略する。
【0155】
図21ではテキストデータ20として電子メールが送信される。また、アプリケーションソフトウェア27は、情報処理装置111A(PC)の場合、電子メールソフトウェアであり、情報処理装置111C(携帯電話)の場合、電子メールの受信時に音楽を出力したりLEDを点灯させるOS又はOSが提供するプログラムである。
【0156】
例えば、電子メールソフトウェアやOSが出力する着信音の代わりに、音楽ワードに対応する音楽を出力する設定の場合、電子メールソフトウェアやOSは電子メールを受信しても、着信音を出力せず、サウンドライザ31にテキストデータ20を送出する。
【0157】
サウンドライザ31は、属性テーブル132を参照してユーザ属性を抽出し、テキストデータ20の音楽ワードを抽出した後、ユーザ属性に応じて音楽ワードDB36から音楽ワードに対応づけられた音楽データを抽出し、音楽を出力する。したがって、電子メールの着信音を、ユーザ属性に応じて可変とすることができる。
【0158】
図22は、音楽出力装置200が電子メールを受信した場合に、着信音の代わりに電子メールが含む音楽ワードに対応した音楽を出力する処理手順のフローチャート図である。なお、図22では携帯電話が電子メールを受信する場合について説明する。
【0159】
携帯電話の電源が入っている場合、アプリケーションソフトウェア(電子メールソフトウェア又はOS)27は電子メールの着信があるか否かの判定を繰り返す(S110)。そして、電子メールが着信すると、アプリケーションソフトウェア27は、電子メールに含まれるテキストデータ20をサウンドライザ31に送出する(S120)。図22のフローチャート図では、例えば「台風の中、ラーメンを食べに行った」というテキストデータ20がサウンドライザ31へ送出される。
【0160】
サウンドライザ31は、属性テーブル132から情報処理装置111Bのユーザの属性情報を抽出する(S130)。例えば、女性のユーザ属性が抽出されたものとする。
【0161】
サウンドライザ31は、テキストデータ20に含まれる各音楽ワードについて音楽ワードDB36を参照し対応づけて格納された音楽データをユーザ属性に応じて抽出する。音楽ワードDB36は、優先順位を有してもいなくてもよい。
【0162】
音楽データが抽出された場合はそれらを蓄積しておき、サウンドライザ31は音楽データが抽出されたことを示すフラグを当該電子メールに設定する。なお、音源データがそのまま音楽ワードDB36に格納されている場合、直接音源データを抽出する。
【0163】
そして、アプリケーションソフトウェア27はフラグを参照して、電子メール中に音楽データが存在したか否かを判定する(S140)。電子メール中に音楽データが存在した場合(S140のYes)、サウンドライザ31は蓄積した音楽データに基づき音源データを生成し音源IC34に送出する(S150)。これにより、音楽ワードに対応した音楽がスピーカ35から出力される(S160)。
【0164】
女性のユーザ属性では台風により「ぴゅーぴゅー」という音楽が、ラーメンにより「ちゅるちゅる」という音楽が、それぞれ出力される。
【0165】
したがって、予め設定されている着信音ではなく、電子メールの文章の内容に応じた音楽をユーザの属性に応じて出力することができる。なお、音楽ワードの音楽の音量や鳴動時間は予め設定されている。
【0166】
また、電子メール中に対応した音楽データが存在しない場合(S140のNo)、アプリケーションソフトウェア27は予め設定されている着信音をスピーカ35から出力する(S170)。
【0167】
以上のように、電子メールが着信した時に、電子メールの文書が含む音楽ワードに基づき音楽が出力されるので、ユーザは着信音により電子メールの内容を理解又は推測することができる。音楽は、ユーザ属性に応じてかわるので、ユーザの嗜好に合致した音楽を出き、電子メールの内容の理解や推測を容易にする。
【0168】
・・・電子メールサーバによる音源データの生成
これまでは携帯電話又はパソコンに搭載されたサウンドライザ31が音源データを生成しそのまま出力していたが、電子メールサーバに搭載されたサウンドライザ31がユーザ属性に応じて音源データをクライアントに送信し、クライアントが受信した音源データを再生する実施形態について説明する。
【0169】
図23は電子メールの配信システムの全体構成図を示す。携帯電話やPHS(以下、単に発信端末51という)の場合、発信端末51から発信された電波(電子メール)は所定の面積をカバーするように配置された基地局に受信され、電子メールは基地局から電話網を介してメールサーバ52に送信される。メールサーバ52は送信先アドレスが付与された電子メールをネットワークに送出し、SMTP等のプロトコルに従い、受信端末54の存在を検出している基地局から受信端末54に電子メールが送信される。
【0170】
また、パソコン53に電子メールを送信する場合、メールサーバ52はパソコン53が加入している例えばプロバイダのメールサーバ(不図示)に電子メールを送信し、プロバイダのメールサーバからパソコン53に電子メールが送信される。
【0171】
本実施例では、発信端末51、及び、受信端末54又はパソコン53(以下、区別せず単に受信端末54という)のいずれも音源データを生成せず、メールサーバ52が電子メールの文章に応じて音源データを生成し、電子メール及び音源データを受信端末54に送信する。
【0172】
ところで、送信者が音源データの添付を所望しない場合もある。そこで、送信者は音源データを受信端末54に送信したい場合、電子メールを送信する時に音源データを受信端末54に送信することをメールサーバ52に依頼する。音源データの送信を依頼する場合、送信者は発信端末51のメールソフトウェアに設けられたラジオボタンを選択する等の簡易な構成で実現できる。
【0173】
ラジオボタンの選択等、送信者の指示がある場合、発信端末51の電子メールソフトウェアは、音楽付加依頼情報を当該電子メールと共にメールサーバ52に送信する。音楽付加依頼情報は、HTMLメール(例えばデコメール(登録商標))のように所定のタグに記述されるようにしてもよいし、ヘッダ部の例えば「Subject」に記述される「題名」の最後に特殊な記号を付加したり、添付ファイルとして送信される。
【0174】
なお、受信者側が音源データの受信を所望しない場合、予めメールサーバ52にその旨の設定をしておけばよい。
【0175】
図24はメールサーバ52に搭載された音楽出力装置200のブロック図を示す。なお、図24において図12と同一部分には同一の符号を付しその説明は省略する。メールサーバ52はアプリケーションソフトウェア27の代わりにサービスプログラム48を有し、また、メールサーバ52は文字を表示するわけではないのでラスタライザ33を有さず、音楽を出力しないので音源IC34やスピーカ35を有さない。
【0176】
サービスプログラム48は、電子メールからテキストデータ20を抽出する機能及び生成された音源データを元の電子メールに添付して、ネットワークに送出するメールサーバプログラムである。例えば、メールサーバで使用されることがあるSendmail(登録商用)ソフトウェアを利用する。なお、メールサーバ52における音源データの生成方法は図12等で説明した手順と同じであるので説明は省略する。
【0177】
ところで、ユーザ属性に応じた音源データを添付するには、メールサーバ52が属性テーブル132を記憶している必要がある。メールサーバ52が属性テーブル132を記憶しておく方法は、各ユーザから登録しておく方法と、電子メールのテキストデータ20から属性判定手段22がユーザ属性を判定し、属性テーブル132に記憶しておく方法がある。
【0178】
なお、属性判定手段22が判定するユーザ属性は電子メールの送信元のユーザのユーザ属性であるので、属性登録手段23はユーザの識別情報に対応づけてユーザ属性を登録しておき、当該ユーザが送信先となった場合に事前に記憶しておいたユーザ属性を参照する。いずれの方法を採用しても、メールサーバ52のサウンドライザ31は電子メールの送信先のユーザのユーザ属性に応じて、音源データを電子メールに添付することができる。
【0179】
図25はメールサーバ52の音楽出力装置200が音源データを添付する処理手順を示すフローチャート図である。
【0180】
まず、サービスプログラム48は、電子メールを受信する(S210)。電子メールの文章は、例えば「台風の中、ラーメンを食べに行った」である。そしてサービスプログラム48は、電子メールと共に音楽付加依頼情報が送信されているか否かを判定する(S220)。
【0181】
音楽付加依頼情報がなければ(S220のNo)、サービスプログラム48はそのまま電子メールが受信端末54に送信される(S260)。
【0182】
音楽付加依頼情報がある場合(S220のYes)、サービスプログラム48は電子メール中のテキストデータ20を抽出し、サウンドライザ31に送出する。サウンドライザ31は電子メールの宛先のユーザのユーザ属性を属性テーブル132から抽出する(S230)。例えば、男性のユーザ属性が抽出される。
【0183】
そして、サウンドライザ31は、音楽ワードに対応した音楽データを音楽ワードDB36から抽出し、音源データを生成する(S240)。台風、ラーメンの音楽ワードに対し、男性のユーザ属性で抽出される音源データはそれぞれ「ぶぉんぶぉん」「ずるずる」である。
なお、メールサーバ52は比較的大容量の音楽ワードDB36を有することができるので、音楽ワードに対応した音源データを直接抽出するように構成してもよい。
【0184】
ついで、サービスプログラム48は音源データを電子メールに添付し、また、電子メールから音楽付加依頼情報を削除する(S250)。音楽付加依頼情報を削除することで、受信端末54に余計な情報を送信することが防止できる。サービスプログラム48は、音源データが添付された電子メールを送信する(S260)。以上のようにして、電子メールと共にユーザ属性に応じた音源データが受信端末54に送信される。
【0185】
図26は受信端末54が電子メールと共に音源データを受信して着信音として音楽を出力する手順を示すフローチャート図である。
【0186】
携帯電話の電源が入っている場合、受信端末54のアプリケーションソフトウェア(電子メールソフトウェア)27は電子メールの着信があるか否かの判定を繰り返す(S310)。そして、電子メールが着信すると、アプリケーションソフトウェア27は、電子メールに音源データが添付されているか否かを判定する(S320)。音源データが添付されているか否かの判定は、所定の拡張子の添付ファイルが添付されているか否かにより判定される。
【0187】
電子メールに音源データが添付されていない場合(S320のNo)、アプリケーションソフトウェア27は予め設定されている着信音をスピーカ35から出力する(S340)。
【0188】
電子メールに音源データが添付されている場合(S320のYes)、アプリケーションソフトウェア27は添付されている音源データに基づき音楽を出力する(S330)。すなわち、受信端末54のスピーカ35から「ぶぉんぶぉん」「ずるずる」という音楽が出力される。これにより、電子メールの内容に応じた音楽を着信音として出力することができ、着信音により電子メールの内容をイメージすることができる。また、受信者のユーザ属性に応じた音楽が出力できるので、内容の把握がより容易になる。
【0189】
なお、本実施例では、電子メールに添付された音源データを着信音として出力したが、音源データが添付されている場合も予め設定されている着信音を出力し、電子メールがオープンされた時に添付された音源データにより音楽を出力してもよい。
【0190】
<ユーザ属性による動的フォント装置の制御例>
液晶などの表示装置に表示された文字、絵文字、数値、記号(以下、単に文字という)は、その輪郭が変化することがなく、例えば、「火」という文字をある位置に表示すると「火」という文字の一部の郭線の配置や太さ、形状が変化しない。
【0191】
表示された文字に動きを持たせるためには、文字の構成を段階的に変えたビットマップ形式のイラストを紙芝居のように置き換える方法が考えられるが、同一の文字としてその構成が異なる文字のイラストを何枚も準備すると、記憶容量を圧迫してしまう。
【0192】
本実施形態の動的フォント装置300は、記憶容量を増大させることなく、表示される文字に動きを持たせ、多彩な表現方法を実現させることができる。
【0193】
図27は、動的フォント装置300の機能構成図の一例である。動的フォント装置300は、ラスタライザ33、ディスプレイ114、フォントデータDB32、各文字の動作内容を規定する動作設定ファイル63、ラスタライザ33に経過時間などを連絡するタイマ61、各文字の動作内容を記録しているメモリ62、を有する。ラスタライザ33は図12と同様であるので説明を省略する。
【0194】
図28は、フォントデータDB32のデータ構成例を示す図である。図28(a)は、所定の文字に対応付けられた文字コード、該文字を構成する要素のうち基本的な要素となる基本エレメントコード、該文字を構成する要素のうち時間の経過と共に更新される構成要素(記号要素)であるエレメントコード、基本エレメントコードの形状情報、エレメントの形状情報、が関連づけられて格納されている。
【0195】
図28(a)の例によれば、基本エレメントコードF040に対し、エレメントコードF041、F042,F043,F044のうちいずれか又は複数が、1つの文字として表示される。
【0196】
図28(b)は、例えば「火」という文字に対応する文字コード898Aにおいて、基本エレメントコードF040及びエレメントコードF044に基づいて、文字をビットマップ形式で生成し表示した例を示す。この場合、図28(a)の基本エレメント形状71とエレメント形状75が組み合わされ、火という文字が生成され表示される。
【0197】
このように、フォントデータDB32は、1つの文字コードに対し、1つの基本エレメントコードと複数のエレメントコードを対応させて格納するので、同一の文字コードでありながら種々の構成で表示することが可能となる。また、基本エレメントコードの形状情報だけを格納するので記憶容量が節約できる。なお、基本エレメント形状情報及びエレメント形状情報はアウトラインデータで記述されている。
【0198】
そして、本実施形態のフォントデータDB32は、さらにユーザ属性に対応づけてエレメント形状情報を記憶している。図29は、ユーザ属性に対応付けられたエレメント形状情報を有するフォントデータDB32の一例を示す。図29では、ユーザ属性の一例として年齢層を用いている。
【0199】
ユーザ属性に関わらず1つの文字に複数のエレメントコードが対応づけられているので、どちらの年齢層であっても文字に動きを持たせることは可能であるが、1〜40才のエレメント形状よりも41才以上のエレメント形状の方が太く・かつ長くなっており、視認性に優れる構成となっている。
【0200】
続いて、動作設定ファイル63について説明する。図30(a)は、動作設定ファイル63の一例を示す図である。図30(a)では、各エレメントコードに対して、色、サイズ、更新時間、表示位置、回転、が対応付けされている。色とは、対応するエレメントコードを表示する際の色を、サイズは対応するエレメントコードを表示する際のサイズを、更新時間は対応するエレメントコードを表示する期間を、表示位置は対応するエレメントコードを表示する際の位置を、回転は対応するエレメントコードを表示したときの記号要素の回転速度を、それぞれ表す。サイズ、更新時間、表示位置、回転の単位は、それぞれ適当な単位を使用する。
【0201】
従って、文字の一部となる記号要素は、更新時間で設定した時間の間だけ表示され、ラスタライザ33は、更新時間が経過すると、次に表示すべきエレメントコードに基づいて記号要素を生成し当該文字を更新する。文字を構成する記号要素が更新されることで文字に動きを持たせることができる。
【0202】
図30(b)は、「火」という文字において、エレメントコードがF041、F042、F043、F044の順番で更新された場合に、「火」という文字が時間と共に更新される様子を示す。なお、図30(b)においては、色、サイズ、表示位置、回転の設定内容は既に設定されているデフォルトの値を採用した。これら項目を個々に設定した値で表示しても良い。
【0203】
図30(b)において、文字76はF040とF041を、文字77はF040とF042を、文字78はF040とF043を、文字79はF040とF044を、それぞれ組み合わせて表示した文字である。各文字は、色が黒、サイズは10、表示位置は座標(X1、Y1)、回転はしない状態で、それぞれ更新時間、例えば5秒間隔で更新される。
【0204】
次に、文書の中で、文字に動きを設定する場合について説明する。図31は、アプリケーションソフトに入力されたテキストデータ20のうち、「火」という文字について動作を設定する場合のGUIの一例を示す。このGUIはプログラムを実行することで提供される。
【0205】
アプリケーションソフトウェア27は例えばワープロソフトウェアなど、文字を入力されるソフトウェアであればよい。「火」という文字について動作を設定する場合には、例えば「火」の上にマウス113を合わせ右クリックすることでポップアップウィンドウ80が開く。
【0206】
ポップアップウィンドウ80が開くと、基本エレメントコード及び各エレメントコードに基づいた記号要素の形状が表示される。各記号要素について、色、位置、サイズ、回転、時間、などを設定する欄があるので、各記号要素毎にこれらを設定する。なお、図示しないが、表示したいエレメントだけをアクティブする設定項目を設ければ、特定のエレメントコードに基づく記号要素だけを繰り返し表示可能である。ポップアップウィンドウ80は一例にすぎずこの他にも多様な設定方法で設定される。
【0207】
図31のポップアップウィンドウ80に表示される、色、位置、サイズ、回転、時間は、図30に示された動作設定ファイル63の設定項目に対応する。従って、ポップアップウィンドウ80において設定された設定内容は、所定のタイミングで図30に示された動作設定ファイル63の設定項目に格納される。
【0208】
なお、本実施例では、色、位置、サイズ、回転、時間、を自由に設定するが、予め設定可能な値を定めておき、それを選択するようにしても良い。選択する場合は、図30の動作設定ファイル63の各設定項目に予め選択可能な値を設定しておき、それをポップアップウィンドウ80において選択する。
【0209】
また、図31のポップアップウィンドウ80では、基本エレメントについても、色、位置、サイズ、回転、時間、を設定する項目があるが、本実施例では基本エレメントについて設定しない。
【0210】
ポップアップウィンドウ80における設定を、図30の動作設定ファイル63の各設定項目の設定座標と対応づけると、現在の文字の一連の動作を特定可能となる。すなわち、ポップアップウィンドウ80において、F041の設定は、色を黒、サイズを10、更新時間を5、表示位置を(x1,y1)、回転を0π、F042の設定は、色を黒、サイズを10、更新時間を5、表示位置を(x1,y1)、回転を0π、F043の設定は、色を黒、サイズを10、更新時間を5、表示位置を(x1,y1)、回転を0π、F044の設定は、色を黒、サイズを10、更新時間を5、表示位置を(x1,y1)、回転を0π、としたとする。
【0211】
この一連の動作内容は、図30の動作設定ファイル63の設定座標を利用して表現する。図30においては、色、サイズ、更新時間、表示位置、回転のそれぞれに1から4の番号を付した欄が設けてあり、色、サイズ、更新時間、表示位置、回転の変化パターンを、番号で指定する。例えば、図30において、色の番号1の欄には黒が設定されている。この番号(座標)を用いて、色、サイズ、更新時間、表示位置、回転の各設定を(1,1,1,1,1)と表現する。従って、例えば、F041の設定が、「色は黒、サイズは10、更新時間は5、表示位置は(x1,y1)、回転は0π」である場合、これをF041(1,1,1,1,1)と表す。もちろん、各設定項目の数は4つ以上であっても良い。
【0212】
また、「F041(1、1、1、1、1)の次にF042(1、1、1、1、1)を表示し、次にF043(1、1、1、1、1)を表示し、次にF044(1、1、1、1、1)を表示する」という一連の動作を特定するためには、例えば動作IDを用いる。動作IDにより上記一連の動作内容を特定できる。図31の現在の動作ID81は、「火」という字の現在の動作内容を特定したものである。実際の動作内容は、プレビューボタン82をクリックすると確認できる。
【0213】
ポップアップウィンドウ80で動作内容が設定されると、動作内容がこのテキストデータ20のメタデータ69として、テキストデータ20のファイルに添付される。
【0214】
図32は、メタデータ69の一例を示す。図32において、アプリケーション名はテキストデータ20を表示するアプリケーションソフトウェア27の名称を、ファイル名はテキストデータ20のファイル名(メタデータ69が添付されるファイル名)を示す。
【0215】
文字コードは、例えば、「火」の文字コードであり、基本エレメントコードは図28(a)で示した「火」という文字を構成する要素のうち基本的な要素となる記号要素のコードである。
【0216】
動作IDは、図31で示したように一連の動作を特定するために設定された項目であり、表示内容は当該動作IDで特定される動作内容を図30の動作設定ファイル63の座標で表示したものである。図32の表示内容の「F041(1、1、1、1、1)→F042(1、1、1、1、1)→F043(1、1、1、1、1)→F044(1、1、1、1、1)」における"→"は、動作の順番を表す。従って、図32の例では、F041(1、1、1、1、1)、F042(1、1、1、1、1)、F043(1、1、1、1、1)、F044(1、1、1、1、1)の順に表示内容が更新される。文字コードIDは、同一ファイルの中に同一の文字が複数個存在した場合に、特定の文字を識別するための項目である。
【0217】
表示内容をいくつか定めておき、表示内容を特定する動作IDとユーザ属性を対応づけておいてもよい。図33は、ユーザ属性に動作IDを対応づけた属性用動作設定ファイル68の一例を示す。
【0218】
予めユーザ属性毎に適当な表示内容を定めておき、それを動作IDで識別することで、属性用動作設定ファイル68でユーザ属性と表示内容を対応づけている。ユーザ属性は、年齢層、性別、出身地、国籍、宗教、年収層、等であり、例えば年齢層をユーザ属性とする場合、1〜40才と41才以上で異なる動作IDを対応づける。例えば、1〜40才では文字をカラフルに表示したり、エレメント形状1つ当たりの更新時間を短くしたりする。41才以上ではエレメント形状1つ当たりのサイズを大きめにしまた見やすい色に設定する。したがって、ユーザ属性に応じて文字の動きを可変にすることができる。
【0219】
以上の構成に基づき、動的フォント装置300の動作手順を図34及び図35のフローチャートを用いて詳細に説明する。図34の動作手順は、例えば、アプリケーションソフトウェア27が起動するとスタートする。
【0220】
まず、図27におけるアプリケーションソフトウェア27を実行し、テキストデータ20を含む所定のファイルが開かれると、ラスタライザ33は、属性テーブル132からユーザ属性を抽出する(S400)。ついで、アプリケーションソフトウェア27から該ファイルに添付されたメタデータ69を取得する(S410)。
【0221】
メタデータ69を取得すると、ラスタライザ33は、メタデータ69に設定されたアプリケーション名、ファイル名を特定し、タイマ61及びメモリ62へ登録する(S420)。
【0222】
図36は、図27におけるタイマ61及びメモリ62の登録例を示す。各文字の動作内容を記録し更新するメモリ62は、図36(a)に示すように、例えば、アプリケーション名、ファイル名を特定し、テキストデータ20の中で動きが設定された文字の文字コード、文字コードID、記号要素の色、サイズ、時間、位置、回転、現在表示中、の登録情報を有する。また、基本エレメントコードとエレメントコードに対応する形状情報をメモリ62に登録する。ここで、色、サイズ、時間、位置、回転は図30の動作設定ファイル63の設定項目と対応する。
【0223】
ラスタライザ33に経過時間などを通知するタイマ61は、図36(b)に示すように、例えば文字コードID、基本エレメントコード、エレメントコード、動き速度、カウント値から構成される。文字コードID、基本エレメントコード及びエレメントコードは、現在表示されている文字を特定し、時間は当該記号要素が表示される期間を示し、カウント値はタイマ61がクロックアップすることで時間の経過共に積算されていく現在の更新時間である。
【0224】
従って、メタデータ69が入力されると、メモリ62には、まず文字コード、文字コードID及び基本エレメントコードが登録さる。また、当該コードに該当する形状情報がフォントデータDB32を参照してメモリ62に登録される(S430)。これによりラスタライザ33は、メモリ62を参照すると当該文字の形状を特定できる。
【0225】
また、メタデータ69は動作IDにより各文字の表示内容を指定するので、ラスタライザ33は動作設定ファイル63を参照することで、メモリ62に、色、サイズ、時間、位置、回転をエレメントコード毎に設定することができる(S440)。これによりラスタライザ33は、各記号要素の色、サイズ、時間、位置、回転を特定できる。
【0226】
現在表示中のエレメントコードは、メモリ62にフラグを立てる方法で特定する。図36(a)では、表示中のエレメントコードにフラグとして"※"を付した。
【0227】
メモリ62のこれらの登録内容に基づいて、ラスタライザ33は特定の文字の表示を切り換える。初期状態の文字の設定は、メタデータ69の表示内容のうち、最初の記号要素、例えば図32ではF041(1、1、1、1、1)、に基づいて特定する(S450)。
【0228】
初期状態の文字が特定されると、ラスタライザ33は、図29に示すように、ユーザ属性に応じて抽出した基本エレメントコード、エレメントコードのエレメント形状情報に基づいて文字のビットマップデータを生成しディスプレイ114へ出力する(S460)。これによって、ユーザ属性に好適な初期状態の文字が表示された。
【0229】
ラスタライザ33がビットマップデータを出力すると、ラスタライザ33は、タイマ61がカウントする、出力したエレメントコードのカウント値を0にリセットする(S470)。これにより、出力したエレメントコードの表示期間のカウントが開始される。カウントはコンピュータなどが内蔵する時計を参照して行っても良いし、CPU127のクロックを利用しても良い。
【0230】
ラスタライザ33は、表示しているテキストデータ20の表示の終了命令があるか否かを判定し(S480)、表示の終了命令があると(S480のYes)、タイマ61及びメモリ62のうち、対象のファイルの登録内容をリセットし、このファイルに対する処理を終了する(S530)。図35では、ステップS480のタイミングで表示終了か否か判断しているが、ラスタライザ33への割り込みのタイミングはステップS480に限定されない。
【0231】
カウントが継続されている間、タイマ61は図36(b)の時間とカウント値を定期的に比較する(S490)。そして、カウント値が登録された時間以上にカウントアップされると、タイマ61からラスタライザ33へ文字コードIDと共に、所定期間が経過したことが通知される。
【0232】
所定期間が経過したことが通知されると、ラスタライザ33は、メモリ62に登録されている内容から該当する文字コードIDを検索し、その文字コードIDのうち現在表示中のエレメントコードの次のエレメントコードを特定する(S500)。エレメントコードが特定されると、エレメント形状情報、色、サイズ、時間、位置、回転の登録内容も特定されるので、これらの情報に基づいてラスタライザ33は、ビットマップデータを作成し、ディスプレイ114へ出力する(S510)。このとき、図36(a)の現在表示中のエレメントコードを次のエレメントコードに切り替える。
【0233】
ビットマップデータ等が出力されると、ラスタライザ33は、図36(b)のタイマ61の内容から、それまで表示していたエレメントコードを削除し、現在出力したエレメントコードに置き換える。そして、置き換えたエレメントコードのカウント値を0にリセットする(S520)。
【0234】
以上、説明したように動的フォント装置300は、表示する文字に動きを与えることが可能となる。文字の形状や動きはユーザ属性に応じて制御されるので、年齢層などのユーザ属性に適切な動きを与えることができる。
【0235】
なお、本実施形態では、メタデータ69が添付されたファイルを電子メールなどで送信した場合、受信者が同様のラスタライザ33、フォントデータDB32及び動作設定ファイル63を有すれば、同様に文字の動きを再現可能である。電子メールそのものに適用してもよい。仮に、受信者がこれらの環境を有さない場合、文字コードに基づいて静止状態の文字が表示されるため不具合は生じない。
【0236】
・・・文字の代わりに絵に動きを持たせる場合
動的フォント装置300では、記号として文字に動きを持たせる場合について説明したが、絵やアイコンなどに動きを持たせることもできる。以下では、説明のため絵素という言葉を使用するが、絵素とは一つの絵を構成する絵の要素をいう。例えば、人間の顔の絵があれば、顔を構成する目や鼻の絵は絵素となる。また、目だけを表示する絵があるときは、1つの絵素で構成された絵である。このように、絵と絵素には明確な区別ない。なお、動的フォント装置300の機能構成図は図27と同様である。
【0237】
図37は、絵素のフォントデータDB32の一例を示す。フォントデータDB32は、文字と同様に絵素コードにより絵素を特定すると共に、絵素毎に絵素形状情報を有する。
【0238】
図37の分類は、各絵素名を分類するためのグループ名を、絵素名は各絵素の名称であり絵素コードで特定される。各絵素は、絵素の形状を決定する絵素形状情報を有する。例えば、絵素コードM040は車を表し、M040を指定すると車の絵素形状の例として車83が表示される。同様に、絵素コードB013を指定すれば橋の形状情報の例として橋84が、絵素コードH024を指定すればハートの形状情報の例としてハートマーク85が表示される。
【0239】
また、絵素形状情報は、ユーザ属性に対応づけて登録されている。図37ではユーザ属性として男性と女性を用いた。したがって、同じ例えば車83でも男性ではスポーツカーの絵を登録しておき、女性では軽の絵を登録しておく等により、ユーザ属性に適切な絵を表示することができる。
【0240】
絵素の形状の生成は、文字と同様にラスタライザ33が行う。従って、フォントデータDB32には図37の絵素の情報の他に文字の情報が含まれる。
【0241】
続いて、アプリケーションソフトウェア27上で絵素の表示を指定する場合の設定例を図38に基づいて説明する。図38(a)は、アプリケーションソフトウェア27で例えば右クリックすることで絵素のポップアップウィンドウ80が開き、設定内容を入力したところである。図38(a)にその設定例がポップアップ表示されている。
【0242】
図38(a)の上段に示される「B013、FULL、固定」は、絵素コードB013で表示される絵素を画面上最大の大きさに(FULL)、固定された状態で表示することを意味する。また、図38(a)の下段に示される「M040、30×20、(A,09)〜(06,09)、5」は、絵素コードM040で表示される絵素を、30×20の大きさで、座標(A,09)〜(06,09)の間を、5秒毎に更新して表示することを意味する。このように、例えば、「絵素コード、大きさ、表示範囲、更新時間」の形で絵素の表示を指定できると規定すれば、簡単に絵に動きを指定することが可能となる。
【0243】
図38(b)は、図38(a)の設定の結果表示される絵を表す。B013の絵素コードで特定される橋の絵素が画面上最大に表示され、M040で特定される車の絵素が30×20の大きさで、座標(A,09)から座標(06,09)の間に表示されている。図38(b)では3台の車があるように見えるが、これは5秒ごとに更新される様子を示したものであり、実際には同時に1台の車が動くように表示される。
【0244】
また、図38(b)の上方及び右側にある数値は座標を説明のために表示したもので実際のアプリケーション上では表示されない。
【0245】
図38の絵素の動作の設定内容は、文字と同様にアプリケーションソフトウェア27のテキストデータ20(ファイル)に添付できる。図39は絵素に対するメタデータ69の一例を示す。なお、図39の内容は文字と同様にメモリ62に登録される。
【0246】
そして、図39では、更新時間がユーザ属性に応じて設定されている。年齢をユーザユーザ属性とした場合、絵素M040は1〜40才のユーザでは3秒ごとに更新され、41才以上のユーザでは5秒ごとに更新される。このように更新時間を設定すれば、ユーザ属性に応じて異なる動きを見せることができる。
【0247】
ラスタライザ33は、移動範囲に設定されている座標「(A,09)→(06,09)」を、例えば図38(b)の上方及び右側にある座標を用いて、(A,09)、(09,09)(08,09)(07,09)(06,09)と展開し、メモリ62に登録する。
【0248】
絵素コード、大きさ、更新時間についても同様に登録する。色、サイズ、時間、回転は固定であり、位置のみが展開された値になる。したがって、メモリ62に登録された内容に従い、ラスタライザ33が車の絵素を5秒ごとに座標を変更して表示することができる。
【0249】
また、図38では、大きさ、座標及び更新時間のみを設定できるようにしたが、これに加え色や回転といった内容も設定できるようにしても良い。
【0250】
このように、絵を絵素で構成することでテキストデータ20に含まれる絵に動きを持たせることができる。絵素は、アウトラインデータで保存されているため、ビットマップデータよりもファイル容量を節約できる。これら絵素を組み合わせることで、豊かな表現を実現できる。例えば、顔文字などを構成する絵素に動き与え電子メールなどで送信した場合、受信者が同様のラスタライザ33、フォントデータDB32を有すれば、顔文字の動きを再現可能である。絵素の場合、動作設定ファイル63はなくてもよい。また、ユーザ属性に応じて同じ絵素でも動きが変わるので、ユーザ属性に応じてユーザに多様な表現を提供できる。
【0251】
・・・文字と絵素を組み合わせた表示
文字と絵素のそれぞれに動きを持たせる動的フォント装置300について説明したが、文字と絵素を組み合わせて動きを持たせてもよい。
【0252】
図40は、フォントデータDB32の一例を示す。図40のフォントデータDB32は、文字の形状を構成する、基本エレメントコード及びその形状情報並びにエレメントコード及びその形状情報から成り、更に、当該文字と共に表示可能な絵素コード及びその形状情報を有する。
【0253】
例えば、図40では、文字コード611Bで指定される文字を「愛」とすると、愛と共に表示可能な絵素として、絵素コードH024で指定されるハートマークが登録されている。
【0254】
絵素コードは、その絵素と共に表示する文字にのみ対応づけられて登録されている。なお、複数の絵素コードが1つの文字に登録されていてもよい。
【0255】
「愛」という文字も「火」という文字と同様に、基本エレメント形状情報及び単数又は複数のエレメント形状情報に基づいて生成される記号要素から構成される。ただし、ここでは、基本エレメント形状情報及びエレメント形状情報ではなく、「愛」という文字全体に対して絵素を重畳させる表示形態に関して説明する。
【0256】
アプリケーションソフトウェア27における入力画面に基づいて説明する。図41(a)は、アプリケーションソフトウェア27上で絵素と文字に動作を設定する場合の入力例である。図41(a)において、図31と同一構成部分には同一の符号を付しその説明は省略する。
【0257】
例えば「愛」という字の上にマウス113を合わせ右クリックすることで図41のポップアップウィンドウ80が開く。ポップアップウィンドウ80が開くと、絵素コードに基づいた絵素の形状及び本来の文字コードに基づいた文字の形状が表示される。従って、文字又は絵素それぞれについて、色、位置、サイズ、回転、時間、などを設定することができる。
【0258】
図41(a)のポップアップウィンドウ80に表示される、絵素の色、位置、サイズ、回転、時間は、図30に示された動作設定ファイル63の設定項目に対応する。従って、ポップアップウィンドウ80において設定された設定内容は、所定のタイミングで図30に示された動作設定ファイル63の設定項目に格納される。本実施例で明らかなように、絵素と文字を組み合わせて表示する場合であっても、動作設定ファイル63は構成を変更することなく使用できる。
【0259】
ポップアップウィンドウ80で動作内容が設定されると、動作内容はメタデータ69に記録され、このアプリケーションソフトウェア27で開いているファイルに添付される。
【0260】
図41(b)は、メタデータ69の一例を示す。図41(b)において、アプリケーション名は「愛」という字の動きを設定したアプリケーションソフトウェア名を、ファイル名はメタファイルが添付されるテキストデータ20のファイル名を示す。
【0261】
文字コードは、ここでは「愛」の文字コードであり、基本エレメントコードは図40のフォントデータDB32に示した文字を構成する要素のうち基本的な要素となる記号要素のコードである。
【0262】
動作IDは、一連の動作を特定するために設定された項目であり、表示内容は、当該動作IDで特定される動作内容を図32と同様に動作設定ファイル63の座標で表示したものである。文字コードIDは、同一ファイル中に同一の文字が複数あった場合に、文字を特定するための識別番号である。
【0263】
図41(b)の表示内容によると、「H024(1、1、1、1、1)→H024(1、2、1、1、1)→H024(1、3、1、1、1)→H024(1、4、1、1、1)」となっている。これは、H024で指定されるハートマークの絵素のサイズが変化する(大きくなる)ことを示す。
【0264】
以降は、文字に重畳する形でハートマークが表示するため、「愛」という文字と生成されたハートマークを合成する処理を行ってから表示する。
【0265】
図41(c)は、愛という文字に対し、ハートマークの絵素を「H024(1、1、1、1、1)→H024(1、2、1、1、1)→H024(1、3、1、1、1)→H024(1、4、1、1、1)」に従って表示した例を示す。図41(c)は、上から順番に、5秒ごとの、「君のこと愛している!」という一文を示す。「君のこと愛している!」というテキストデータ20の愛に重畳して、ハートマークが5秒ごとに大きくなる。ハートマークと共に「愛」という文字を構成する記号要素に動作を設定しても良い。
【0266】
したがって、文字と絵素を組み合わせて表示し、さらに文字及び絵素に動きを持たせることができるため、より表現方法が向上する。また、絵素はユーザ属性に応じて変えることができるので、ユーザの嗜好に合致した表現が可能となる。
【0267】
・・・複数の文字に動きを持たせる場合
1つの文字と1つの絵素のそれぞれに動きを持たせる動的フォント装置300について説明したが、複数の文字又は複数の絵素に対し動きを持たせてもよい。以下、複数の文字又は複数の絵素を動き設定ワードという。
【0268】
図42は、動的フォント装置300の機能構成例を示す図である。図42において、図27と同一構成部分については同一の符号を用い、その説明は省略する。
【0269】
図42は、表示方法規定ファイル70を有する点で図27と異なる。表示方法規定ファイル70の構成例を図43に示す。図43によると、表示方法規定ファイル70には複数の動き設定ワードが登録されており、各動き設定ワードに対し、予め表示内容及び更新時間が登録されている。すなわち、表示方法規定ファイル70は、所定の動き設定ワードに対し、表示内容に基づいて、動き設定ワード全体に動きを持たせるための情報を設定したファイルである。
【0270】
例えば、アプリケーションソフトウェア27で開いたテキストデータ20の中に、「ジャンプ」という文字列が存在する場合、ラスタライザ33は、ユーザ属性に応じて表示方法規定ファイル70から「ジャンプ」に対応づけられた表示内容及び更新時間を抽出する。
【0271】
動きがあっても文字自体が同じなので説明のため、ジャンプの表示内容「ジャンプ→ジャンプ」に「ジャンプ(L)→ジャンプ(R)」と記号を付す。例えば、1〜41才の場合、左側の「ジャンプ(L)」は、動き設定ワードの右に行くほどサイズが徐々に大きくなっており、右側の「ジャンプ(R)」は動き設定ワードの右にいくほどサイズが徐々に小さくなっている。従って、当該表示内容を実施すると、ディスプレイ114に表示された「ジャンプ」は、ジャンプ(L)とジャンプ(R)が交互に表示され、飛び上がって動いているように見える。
【0272】
具体的にはラスタライザ33は、動き設定ワード「ジャンプ」を、文字"ジ"、"ャ"、"ン"、"プ"に展開し、4つの文字を、"ジ(L)"から"ジ(R)"へ、"ャ(L)"から"ャ(R)"へ、"ン(L)"から"ン(R)へ、"プ(L)"から"プ(R)"へ、同時に更新することでジャンプという動き設定ワード全体に動きを持たせることができる。
【0273】
「ジャンプ」という動き設定ワードが更新して表示される様子を、メモリ62に登録される内容で説明する。
【0274】
図44は動き設定ワード「ジャンプ」がメモリ62に登録された登録例を示す。ラスタライザ33は、表示方法規定ファイル70のジャンプを各文字に展開し、色、サイズ、更新時間を設定する。その際、現在表示している文字又は初期状態で表示する文字全てに現在表示中のフラグを立てる。以降は、タイマ61から更新時間が経過して割り込みがあるたびに、現在表示中の文字と同一の文字コードの文字を検出し、当該文字の設定内容で文字のビットマップデータを生成し更新する。
【0275】
例えば図44では、上側の4文字の"ジ"、"ャ"、"ン"、"プ"に表示中のフラグがたっているため、更新時間が経過すると、同一文字コードである下側の4文字の"ジ"、"ャ"、"ン"、"プ"の文字のビットマップデータが生成され更新される。
【0276】
なお、表示方法規定ファイル70の登録は、ポップアップウィンドウ80により登録できる。例えば、テキストデータ20の「ジャンプ」に動きを登録する場合、次のように設定する。
・「ジャンプ」を選択する(これにより反転表示される)。
・表示方法規定ファイル70の編集プログラムを起動する。
・表示内容のLとRのそれぞれの「ジャンプ」を設定する。図44の場合は、"ジ"、"ャ"、"ン"、"プ"それぞれの文字サイズを指定すればよい。
・更新時間を設定する。
【0277】
このように、動き設定ワード全体に動きを持たせることでより豊かな表現が可能となる。また、ユーザ属性に応じて動き設定ワードの動きを可変にできるので、ユーザの嗜好に合致した表現が可能となる。
【0278】
以上説明したように、テキストデータ20の作成者又は情報処理装置111等のユーザのユーザ属性を判定することで、種々の機器をユーザ属性に応じて制御することが可能となる。例えば、音楽出力装置200はユーザ属性に応じて音楽を変えることができ、動的フォント装置300はユーザ属性に応じて動きを変えることできるので、機器のユーザビリティを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0279】
【図1】ユーザ属性を判定する情報処理装置の一例を示す図である。
【図2】情報処理装置のハードウェア構成例を示す図である。
【図3】情報処理装置の機能構成図の一例である。
【図4】情報処理装置の機能構成図の他の一例を示す図である。
【図5】属性判定DBの一例を示す図である。
【図6】属性判定DBの詳細例を示す図である。
【図7】属性判定手段がユーザ属性を判定する手順を示すフローチャート図の一例である。
【図8】年齢層の属性種別におけるユーザ属性を判定する手順を示すフローチャート図の一例である。
【図9】属性テーブルの一例を示す図である。
【図10】情報処理装置とMFPとを有する印刷システムの構成図の一例である。
【図11】情報処理装置とMFPとを有する印刷システムの構成図の一例である。
【図12】音楽出力装置の機能構成図の一例を示す図である。
【図13】フォントデータDBに格納されているフォントデータと音楽データの一例を示す図である。
【図14】ユーザ属性が対応づけられて音楽データが記憶されたフォントデータDBの一例を示す図である。
【図15】音楽データDBに登録された音楽データの一例を示す図である。
【図16】ユーザ属性が対応づけられた音楽データが記憶された音楽ワードDBの一例を示す図である。
【図17】音楽出力装置が入力されたテキストデータを用いて音楽を出力する処理の手順を示すフローチャート図である。
【図18】電子メールソフトウェアが起動してディスプレイに表示されるGUIの一例を示す図である。
【図19】優先順位を有する音楽ワードDBの一例を示す図である。
【図20】ディスプレイに表示される優先順位設定画面の一例を示す図である。
【図21】電子メールの着信音を音楽ワードに応じて出力する音楽出力装置の機能構成図の一例である。
【図22】音楽出力装置が電子メールを受信した場合に、着信音の代わりに電子メールが含む音楽ワードに対応した音楽を出力する処理手順を示すフローチャート図である。
【図23】電子メールの配信システムの全体構成図の一例である。
【図24】メールサーバに搭載された音楽出力装置のブロック図の一例である。
【図25】メールサーバの音楽出力装置が音源データを添付する処理手順を示すフローチャート図である。
【図26】受信端末が電子メールと共に音源データを受信して着信音として音楽を出力する手順を示すフローチャート図である。
【図27】動的フォント装置の機能構成図の一例である。
【図28】フォントデータDBのデータ構成例を示す図である。
【図29】ユーザ属性に対応付けられたエレメント形状情報を有するフォントデータDBの一例を示す図である。
【図30】動作設定ファイルの一例を示す図である。
【図31】アプリケーションソフトに入力されたテキストデータのうち、「火」という文字について動作を設定する場合のGUIの一例を示す図である。
【図32】メタデータの一例を示す図である。
【図33】ユーザ属性に動作IDを対応づけた属性対応動作設定ファイルの一例を示す図である。
【図34】動的フォント装置の動作手順を示すフローチャート図である。
【図35】動的フォント装置の動作手順を示すフローチャート図である。
【図36】タイマ及びメモリの登録例を示す図である。
【図37】絵素のフォントデータDBの一例を示す図である。
【図38】アプリケーションソフトウェア上で絵素の表示を指定する場合の設定例を示す図である。
【図39】絵素に対するメタデータの一例を示す図である。
【図40】フォントデータDBの一例を示す図である。
【図41】アプリケーションソフトウェア上で絵素と文字に動作を設定する場合の入力例を示す図である。
【図42】動的フォント装置の機能構成例を示す図である。
【図43】表示方法規定ファイルの構成例を示す図である。
【図44】動き設定ワード「ジャンプ」がメモリに登録された登録例を示す図である。
【符号の説明】
【0280】
20 テキストデータ
21 IM
22 属性判定手段
23 属性登録手段
24 UI制御手段
25 フォント変更手段
26 文字列抽出手段
27 アプリケーションソフトウェア
31 サウンドライザ
32 フォントデータDB
33 ラスタライザ
36 音楽ワードDB
61 タイマ
62 メモリ
63 動作設定ファイル
68 属性用動作設定ファイル
69 メタデータ
70 表示方法規定ファイル
80 ポップアップウィンドウ
111 情報処理装置
114 ディスプレイ
131 属性判定DB
132 属性テーブル
133 プログラム
141 MFP
200 音楽出力装置
300 動的フォント装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のグループにより人間を特徴づける特徴カテゴリーにおける、文字データの作成者が属する前記グループを判定する情報処理装置であって、
複数の文字の前記文字データを入力する文字データ入力手段と、
前記グループと対応づけて文字列を記憶する文字列記憶手段と、
前記文字データ入力手段により入力された前記文字列に対応づけられた前記文字列記憶手段の前記グループを参照して、所定の前記特徴カテゴリーにおける前記作成者が属する前記グループを判定する属性判定手段と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記作成者の前記グループを記憶するグループ記憶手段と、
前記属性判定手段が判定した前記グループを前記特徴カテゴリー毎に前記グループ記憶手段に登録するグループ登録手段と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
前記特徴カテゴリーが高齢者とそれ以外の前記グループを有する年齢層である場合、
前記属性判定手段は、前記文字データ入力手段により入力された前記文字データに所定数以上の第2水準の漢字が含まれているか、又は、所定以上の比率で第2水準の漢字が含まれている場合、前記作成者が高齢者の前記グループに属すると判定する、
ことを特徴とする請求項1又は2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記特徴カテゴリーが男性と女性の前記グループを有する性別である場合、
前記属性判定手段は、前記文字データ入力手段により入力された前記文字データに、所定数以上の絵文字が含まれている場合、前記作成者が女性の前記グループに属すると判定する、
ことを特徴とする請求項1又は2記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記特徴カテゴリーが複数の年齢区分を前記グループとする年齢層の場合、
前記文字列記憶手段は、前記年齢区分と対応づけて、それぞれの前記年齢区分の前記作成者が、それ以外の前記年齢区分の前記作成者よりも高い頻度で使用する前記文字列を記憶しており、
前記属性判定手段は、前記文字データ入力手段により入力された前記文字データに含まれる前記文字列のうち、前記文字列記憶手段に記憶された前記文字列の数を前記年齢区分毎にカウントし、前記作成者はカウントされた数が最も大きい前記年齢区分に属すると判定する、
ことを特徴とする請求項1又は2記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記特徴カテゴリーが国内の所定領域を前記グループとする出身地の場合、
前記文字列記憶手段は、前記所定領域と対応づけて、それぞれの前記所定領域の前記作成者が、それ以外の前記所定領域の前記作成者よりも高い頻度で使用する前記文字列を記憶しており、
前記属性判定手段は、前記文字データ入力手段により入力された前記文字データに含まれる前記文字列のうち、前記文字列記憶手段に記憶された前記文字列の数を前記所定領域毎にカウントし、前記作成者はカウントされた数が最も大きい前記所定領域に属すると判定する、
ことを特徴とする請求項1又は2記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記グループ記憶手段に登録された前記作成者の前記グループに応じて、当該情報処理装置を制御する制御手段、
を有することを特徴とする請求項2記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記特徴カテゴリーが高齢者とそれ以外の前記グループを有する年齢層の場合であって、前記グループ記憶手段に登録された前記作成者の前記グループが高齢者である場合、
表示装置に表示する文字のサイズを所定値より大きくするUI制御手段、
を有することを特徴とする請求項2記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記特徴カテゴリーが男性と女性の前記グループを有する性別の場合であって、前記グループ記憶手段に登録された前記作成者の前記グループが女性である場合、
表示装置に表示する文字のフォントを変更するフォント変更手段、
を有することを特徴とする請求項2記載の情報処理装置。
【請求項10】
音を出力する音出力装置において、
複数のグループにより人間を特徴づける特徴カテゴリーにおける、当該音出力装置のユーザが属する前記グループを記憶するグループ記憶手段と、
記号を識別する記号コードを入力する入力手段と、
前記記号コードに対応する記号の描画情報と、前記記号コード及び前記グループに対応づけて記憶された第1の音楽データと、が記憶されたフォントデータベースと、
前記記号コードに対応する前記描画情報に基づき記号を表示装置に表示する記号表示手段と、
前記記号コード及び前記グループに対応する前記第1の音楽データに基づきスピーカから音楽を出力する音楽出力手段と、
を有することを特徴とする音出力装置。
【請求項11】
複数の記号から構成される音楽ワードの音楽ワードコード及び前記グループに対応づけて記憶された第2の音楽データが記憶された音楽データ記憶手段と、
前記記号コードに対応する前記描画情報に基づき記号を表示装置に表示する記号表示手段、を有し、
前記音楽出力手段は、前記音楽ワードコード及び前記グループ記憶手段に記憶された前記グループに対応する前記第2の音楽データに基づきスピーカから音楽を出力する、
ことを特徴とする請求項10記載の音出力装置。
【請求項12】
前記入力手段はキーボードであって、前記記号コード又は前記音楽ワードコードは、前記キーボードから入力される、
ことを特徴とする請求項10又は11記載の音出力装置。
【請求項13】
前記記号コード又は前記音楽ワードコードは、アプリケーションソフトウェアのデータファイルから入力される、
ことを特徴とする請求項10又は11記載の音出力装置。
【請求項14】
前記音楽ワードコードを含む電子メールを受信する受信手段と、
前記電子メールに含まれる前記音楽ワードコードに対応した前記第2の音楽データが前記音楽データ記憶手段に記憶されているか否かを判定する手段と、
前記音楽ワードコードに対応した前記第2の音楽データが前記音楽データ記憶手段に記憶されている場合、
前記音楽出力手段は、前記電子メールの着信音として前記第2の音楽データに基づき生成された音楽を出力し、
前記音楽ワードコードに対応した前記第2の音楽データが前記音楽データ記憶手段に記憶されていない場合、前記電子メールの着信音を出力する、
ことを特徴とする請求項10記載の音出力装置。
【請求項15】
記号を生成して表示する記号表示装置において、
複数のグループにより人間を特徴づける特徴カテゴリーおける、当該記号表示装置のユーザが属する前記グループを記憶するグループ記憶手段と、
記号を識別する記号コードを入力する入力手段と、
記号のイメージの全体又は一部を構成する所定の記号要素の要素データを複数含む記号のフォントデータを、前記グループに対応づけて記憶するフォントデータ記憶手段と、
前記グループ記憶手段に記憶された前記グループに応じて、該フォントデータ記憶手段に記憶されたフォントデータを参照して記号のイメージを作成するイメージ作成手段と、
該イメージ作成手段が作成したイメージを表示装置に表示する表示手段と、を有し、
前記イメージ作成手段は、前記記号要素の複数の要素データを設定された更新時間毎に順番に読み出して、記号のイメージを更新時間毎に更新する、
ことを特徴とする記号表示装置。
【請求項16】
前記フォントデータ記憶手段は、
絵を構成するエレメントである絵素のアウトラインデータを絵素コード及び前記グループに対応づけて記憶しており、
前記イメージ作成手段は、前記グループ記憶手段に記憶された前記グループに応じて、絵素のアウトラインデータを設定された更新時間毎に順番に読み出して、絵素のイメージを更新時間毎に更新する、
ことを特徴とする請求項15記載の記号表示装置。
【請求項17】
前記記号要素の色を指示する色情報、
前記記号要素若のサイズを指示するサイズ情報
前記記号要素の記号に対する相対位置を指示する位置情報、
前記記号要素の回転角度を指示する回転情報、又は、
前記記号要素の更新時間を指示する更新時間情報、
のいずれか規定する動作設定ファイルを記憶する動作設定ファイル記憶手段、
を有することを特徴とする請求項15又は16記載の記号表示装置。
【請求項18】
前記記号コードがアプリケーションソフトウェアのデータファイルに含まれている場合、
前記データファイルは、
前記記号要素の色を指示する色情報、
前記記号要素のサイズを指示するサイズ情報
前記記号要素の記号に対する相対位置を指示する位置情報、
前記記号要素若しくは前記絵素の回転を指示する回転情報、又は、
前記記号要素の更新時間を指示する更新時間情報、
のいずれか規定する第1のメタデータを有する、
ことを特徴とする請求項15又は16記載の記号表示装置。
【請求項19】
前記データファイルは、
複数の記号からなる動き設定ワード及び前記グループに対応づけて、該動き設定ワードの少なくとも一部の前記記号毎に、2以上の記号コード、サイズ又は更新時間のいずれかを登録した第2のメタデータを有し、
前記イメージ作成手段は、前記グループ記憶手段に記憶された前記グループに応じて、前記動き設定ワードを構成する記号のフォントデータを前記更新時間毎に読み出して、動き設定ワードを構成する前記記号のイメージを更新する、
ことを特徴とする請求項18記載の記号表示装置。
【請求項20】
文書データの画像を形成して用紙に印刷する画像形成装置において、
前記文書データと共に、
複数のグループにより人間を特徴づける特徴カテゴリーおける、当該画像形成装置のユーザが属する前記グループのグループ情報を受信するグループ情報受信手段と、
前記グループ情報受信手段により受信した前記グループ情報に応じて、当該画像形成装置を制御する制御手段と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項21】
文字を表示する表示手段を有し、
前記特徴カテゴリーが高齢者とそれ以外の前記グループを有する年齢層であり、前記グループ受信手段により受信した前記グループ情報の前記グループが高齢者である場合、
前記制御部は、表示装置に表示する文字のサイズを所定値より大きくする、
をことを特徴とする請求項20記載の画像形成装置。
【請求項22】
複数のグループにより人間を特徴づける特徴カテゴリーにおける、当該機器のユーザが属する前記グループを判定する前記機器のユーザ属性判定方法であって、
文字データ入力手段から文字データを入力するステップと、
属性判定手段が、前記グループと対応づけて文字列を記憶する文字列記憶手段から、前記文字データ入力手段により入力された前記文字データに含まれる前記文字列が対応づけられた前記グループを参照して、所定の前記特徴カテゴリーにおける前記作成者が属する前記グループを判定するステップと、
を有することを特徴とするユーザ属性判定方法。
【請求項23】
複数のグループにより人間を特徴づける特徴カテゴリーにおける、当該コンピュータのユーザの前記グループを判定するプログラムであって、
前記文字データを入力する文字データ入力手段と、前記グループと対応づけて文字列を記憶する文字列記憶手段と、接続可能な前記コンピュータを、
前記文字データ入力手段により入力された前記文字データに含まれる前記文字列に対応づけられた前記文字列記憶手段の前記グループを参照して、所定の前記特徴カテゴリーにおける前記作成者が属する前記グループを判定する属性判定手段、
として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【公開番号】特開2009−104231(P2009−104231A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−272845(P2007−272845)
【出願日】平成19年10月19日(2007.10.19)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【出願人】(596017761)リコーテクノシステムズ株式会社 (37)
【Fターム(参考)】