情報処理装置およびセンサ値情報処理方法
【課題】 各携帯電話などの通信装置において測定された紫外線量などセンサ値の分布を把握することができる情報処理装置およびセンサ値情報処理方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 情報処理装置200において、通信部201が、通信装置100から送信されたセンサ値および位置情報を受信し、センサ値DB202が、これらセンサ値および位置情報をそれぞれ記憶する。そして、一の通信装置100からの要求にしたがって、合成部204は、センサ値DB202に記憶されたセンサ値および位置情報のそれぞれを、予め記憶された地図に合成して、通信部201は、合成した地図情報を一の通信装置100に送信する。これにより、各地域においてセンサを設けることなく、センサ値を取得することができ、地図上におけるそのセンサ値の分布を把握することができる。
【解決手段】 情報処理装置200において、通信部201が、通信装置100から送信されたセンサ値および位置情報を受信し、センサ値DB202が、これらセンサ値および位置情報をそれぞれ記憶する。そして、一の通信装置100からの要求にしたがって、合成部204は、センサ値DB202に記憶されたセンサ値および位置情報のそれぞれを、予め記憶された地図に合成して、通信部201は、合成した地図情報を一の通信装置100に送信する。これにより、各地域においてセンサを設けることなく、センサ値を取得することができ、地図上におけるそのセンサ値の分布を把握することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動機などの通信装置において測定されたセンサ値を処理する情報処理装置およびセンサ値情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、女性は、美容に対する関心は大きく、乾燥や紫外線など肌に悪影響を及ぼす環境に敏感である。乾燥対策としては据え置き型の加湿器だけでなく、携帯可能な小型なものも開発されており、場所に関わらず対処をしたいと考えられている。そして、下記特許文献1においては、微細な区画に配置された紫外線センサを利用して、細かな区画における紫外線や乾燥の情報を得ることができる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−358590号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述特許文献1においては、紫外線量に基づいて決定された、適正な日焼け止めクリームなどをユーザに通知するものにとどまるものであり、ユーザは、自分が存在するエリア周辺や指定したエリアにおける紫外線量や、湿度・温度の分布を把握することができない。
【0005】
そこで、本発明においては、ユーザが、各携帯電話などの通信装置において測定された紫外線量などセンサ値の分布を把握することができる情報処理装置およびセンサ値情報処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の課題を解決するために、本発明の情報処理装置は、複数の通信装置においてそれぞれ計測されたセンサ値および当該通信装置の位置情報を取得する取得手段と、前記取得手段により取得されたセンサ値および位置情報をそれぞれ記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶されたセンサ値および位置情報のそれぞれを、予め記憶された地図に合成して出力する出力手段と、を備えている。
【0007】
また、本発明のセンサ値情報処理方法は、複数の通信装置においてそれぞれ計測されたセンサ値および当該通信装置の位置情報を取得する取得ステップと、前記取得ステップにより取得されたセンサ値および位置情報をそれぞれ記憶手段に記憶する記憶ステップと、前記記憶手段に記憶されたセンサ値および位置情報のそれぞれを、予め記憶された地図に合成して出力する出力ステップと、を備えている。
【0008】
この発明によれば、複数の通信装置においてそれぞれ計測されたセンサ値および当該通信装置の位置情報を取得し、取得されたセンサ値および位置情報をそれぞれ記憶する。そして、記憶されたセンサ値および位置情報のそれぞれを、予め記憶された地図に合成して出力する。これにより、各地域においてセンサを設けることなく、センサ値を取得することができ、地図上におけるそのセンサ値の分布を把握することができる。
【0009】
また、本発明の情報処理装置における前記取得手段は、さらにセンサ値のセンサ種別を取得し、前記記憶手段は、前記センサ種別をさらに対応付けて記憶するようにしてもよい。
【0010】
この発明によれば、さらにセンサ値のセンサ種別を取得し、センサ種別をさらに対応付けて記憶することで、複数のセンサ値に対する、地図上の分布を把握することができる。例えば、センサ種別として、温度、湿度、および紫外線があった場合、どのセンサ値がどのセンサ種別であるかを対応付けておくことで、さまざまなセンサ値の地図上の分布を把握することができる。
【0011】
また、本発明の情報処理装置は、前記取得手段により取得されたセンサ値に基づいて、前記通信装置は屋外にいるか否かを判断する判断手段をさらに備え、前記記憶手段は、前記判断結果に基づいて、少なくとも屋外にいる通信装置のセンサ値を他のセンサ値と区別して記憶し、前記出力手段は、前記記憶手段に記憶された、屋外にいる通信装置のセンサ値およびその位置情報を地図に合成するようにしてもよい。
【0012】
この発明によれば、取得されたセンサ値に基づいて、通信装置は屋外にいるか否かを判断し、屋外にいると判断された通信装置のセンサ値およびその位置情報を地図に合成する。これにより、屋内にいる通信装置からのセンサ値については、環境把握のための合成処理を行うことがなくなるため、より正確な環境を把握することができる。
【0013】
また、本発明の情報処理装置において、前記記憶手段は、屋内もしくは屋外のいずれにいるかを示す屋内・屋外情報を、さらに対応付けて記憶するようにしてもよい。
【0014】
この発明によれば、屋内もしくは屋外のいずれにいるかを示す屋内・屋外情報を、さらに対応付けて記憶することで、屋内・屋外に対する環境の把握を容易にさせることができる。例えば、屋外の環境を知りたい場合には、屋外のみのセンサ値を利用し、屋内の環境を知りたい場合には、屋内のみのセンサ値を利用することで、それぞれの状況に応じた環境を把握することができる。
【0015】
また、本発明の情報処理装置は、予め定めた基準値と関連情報とを対応付けて記憶する関連情報記憶手段と、一の通信装置から関連情報の要求を受けると、前記関連情報記憶手段から、前記一の通信装置の位置情報に基づいて、当該位置情報に対応付けられたセンサ値を抽出し、抽出したセンサ値に相当する基準値に対応付けられている関連情報を抽出する抽出手段と、前記抽出手段により抽出された関連情報を、当該一の通信装置宛に通知する通知手段とを、さらに備えるように構成してもよい。
【0016】
この発明によれば、予め定めた基準値と関連情報とを対応付けて記憶しておき、一の通信装置から関連情報の要求を受けると、当該一の通信装置の位置情報に基づいたセンサ値を抽出し、抽出したセンサ値に相当する基準値に対応する関連情報を抽出し、抽出された関連情報を、当該一の通信装置宛に通知する。これにより、環境に応じた適切な関連情報を通知することができる。例えば、関連情報としては、温度が高い場合には、水分補給を促すなどの情報を与えることができる。本発明においては、複数の点在する通信装置においてそれぞれ計測されたセンサ値を用いることで、より正確に、より細かく、さらにより簡易にセンサ値を取得することができ、そのセンサ値に基づいた関連情報をユーザは取得することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、各地域においてセンサを設けることなく、センサ値を取得することができ、地図上におけるそのセンサ値の分布を把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本実施形態における情報処理装置200を含んだ通信システムのシステム構成図である。
【図2】本実施形態の情報処理装置200の構成を示すブロック図である。
【図3】情報処理装置200のハードウェア構成図である。
【図4】センサ値DB202に記憶されるセンサ値テーブルを示す説明図である。
【図5】センサ値が合成された地図情報を示す説明図である。
【図6】情報処理装置200の処理を示すシーケン図である。
【図7】本実施形態の情報処理装置200aの機能を示すブロック図である。
【図8】センサ値DB202aのセンサ値テーブルの具体例を示す説明図である。
【図9】気象情報DB206に記憶される気象情報テーブルを示す説明図である。
【図10】本実施形態の情報処理装置200aの処理を示すシーケンス図である。
【図11】本実施形態の情報処理装置200bの機能を示すブロック図である。
【図12】関連情報DB207に記憶されている関連情報テーブルの具体例を示す説明図である。
【図13】情報処理装置200bの処理を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
添付図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。可能な場合には、同一の部分には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0020】
<第一の実施形態>
図1は、本実施形態における情報処理装置200を含んだ通信システムのシステム構成図である。図1において、情報処理装置200は、通信装置100と通信網を介して通信可能に接続されている。この通信装置100は、例えば、携帯電話などの移動端末であって、センサ101、位置測位部102、制御部103、および通信部104を含んで構成されている。
【0021】
ここでセンサ101は、温度センサ101a、湿度センサ101b、または紫外線センサ101cの少なくとも一つを備えている。温度センサ101aは、通信装置100の周辺の温度を測定するセンサであり、湿度センサは、湿度を測定するセンサであり、紫外線センサは紫外線量を測定するセンサである。これらセンサ101は、ユーザの操作により、または内蔵するタイマーにしたがって周期的に計測する。
【0022】
位置測位部102は、通信装置100の位置を測位する部分であり、例えば、基地局情報に基づいた概略位置情報や、GPS(Global Positioning System)により取得された詳細なGPS位置情報、または概略位置情報若しくは詳細なGPS位置情報にしたがって定められたエリア情報を測位する部分である。
【0023】
制御部103は、ユーザの操作が行われると、または内蔵するタイマーにより所定周期が経過すると、センサ101に対して測定の指示を行い、または位置測位部102に対して測位の指示を行い、その測定結果および測位結果を取得する部分である。なお、測定結果および測位結果においては、そのセンサ種別を含んで取得するように構成することができる。例えば、温度センサ101aからセンサ値として温度情報である数値とともに、温度センサ101aからの情報である旨を示すセンサ種別情報を取得する。そして、制御部103において取得された、測定結果および測位結果は、通信部104に送られる。
【0024】
通信部104は、制御部103から受け取ったセンサ値および位置情報を情報処理装置200に送信する部分である。
【0025】
このようにして、通信装置100は、ユーザによる操作により、または内蔵するタイマーにしたがって周期的に情報処理装置200に対して、センサ101において測定されたセンサ値や、位置測位部102により測位された位置情報を送信することができる。
【0026】
図2は、本実施形態の情報処理装置200の構成を示すブロック図である。図2に示されるように、情報処理装置200は、通信部201(取得手段)、合成部204(出力手段)、センサ値DB(データベース)202(記憶手段)、および地図DB(データベース)203を含んで構成されている。
【0027】
この情報処理装置200は、図3に示されるハードウェアにより構成されている。図3は、情報処理装置200のハードウェア構成図である。図2に示される情報処理装置200は、物理的には、図3に示すように、CPU11、主記憶装置であるRAM12及びROM13、入力デバイスであるキーボード及びマウス等の入力装置14、ディスプレイ等の出力装置15、ネットワークカード等のデータ送受信デバイスである通信モジュール16、ハードディスクや半導体メモリ等の補助記憶装置17などを含むコンピュータシステムとして構成されている。図2において説明した各機能は、図3に示すCPU11、RAM12等のハードウェア上に所定のコンピュータソフトウェアを読み込ませることにより、CPU11の制御のもとで入力装置14、出力装置15、通信モジュール16を動作させるとともに、RAM12や補助記憶装置17におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。以下、図2に示す機能ブロックに基づいて、各機能ブロックを説明する。
【0028】
通信部201は、通信網を介して通信装置100と通信する部分であり、通信装置100において測定された各種センサ値、センサ種別情報および位置情報を受信し、また通信装置100に対してセンサ値に基づいて解析された結果を送信する部分である。
【0029】
センサ値DB202は、通信部201により受信されたセンサ値、センサ種別情報および位置情報、ならびに入力時刻を記憶する部分である。図4にその具体例を示す。図4は、センサ値DB202に記憶されるセンサ値テーブルを示す説明図である。図4に示されるとおり、位置情報、入力時刻、およびセンサ値が対応付けて記憶されている。図4においては、位置情報は、エリア情報が測位された場合の例を示しており、IDと、サブIDとから構成されている。なお、IDは広域のエリアを示し、サブIDはその広域のエリアにおいて区画された狭域エリアを示す。なお、位置情報はIDのみから構成されてもよい。入力時刻は、通信部201において受信した時刻である。なお、入力時刻としてセンサ値を測定した測定時刻を用いてもよい。その場合、通信装置100において、センサ値等とともに測定時刻も情報処理装置200に送信される。センサ値は、温度、湿度、および紫外線の各項目から構成されており、通信部201において受信したセンサ種別に基づいて、どの項目(どのセンサ種別の項目)に記憶されるか決定される。
【0030】
また、異なる複数の通信装置から同一の入力時刻、同一の位置情報に対応するセンサ値、センサ種別が送信される場合が想定されるが、その場合、センサ種別ごとのセンサ値の平均値を当該入力時刻及び当該位置情報に対応するセンサ値としてもよい。
【0031】
地図DB203は、日本全国(または地域の一部でもよいし、世界地図でもよい)の地図情報を記憶する部分である。
【0032】
合成部204は、センサ値DB202に記憶されているセンサ値と、地図DB203に記憶されている地図情報とを合成する部分である。すなわち、センサ値DB202には、位置情報も記憶されており、この位置情報にしたがって、センサ値の分布を地図情報に合成する。
【0033】
図5は、その合成結果を示す説明図である。図5においては、エリア情報に基づいて、センサ値の分布が分かるように、太枠で区画されて色分けがなされていることを示している。このエリア情報は、例えば携帯電話のキャリア事業者により定められたものであり、基地局の位置若しくは、GPSによる位置情報に基づいて、どのエリアにいるか判断可能に定義された情報である。図5においては、エリア情報M1〜M5までを例示として表現しているが、当然にこれ以上のエリア情報があり、また首都圏等の地域をカバーしたものである。
【0034】
なお、地図情報の合成の仕方として、上述のエリア情報を利用してもよいし、GPSにより得られた位置情報若しくは概略位置情報で定められる地図上の位置にプロットして、点で表現することにより、センサ値の分布を表現するようにしてもよい。
【0035】
このようにして、情報処理装置200は、通信装置100から取得したセンサ値を地図に合成することで、その分布を表現することができる。特に、通信装置100は、一般的には携帯電話を想定しており、これを利用することにより、特別なセンサを用いることなく、より詳細なセンサ値の分布を提供することができる。
【0036】
つぎに、この情報処理装置200を用いて通信システムの処理について説明する。図6は、情報処理装置200の処理を示すシーケン図である。
【0037】
通信装置100aにおいて、センサ101によりセンサ値の測定がされる(S101)。そして、測定されたセンサ値、センサ種別情報、位置情報が、通信部104により、情報処理装置200に送信される(S102)。情報処理装置200において、通信部201により、センサ値、センサ種別情報、位置情報が受信され、センサ値DB202に記憶される(S103)。このとき、受信した時刻とともに記憶される。
【0038】
このような処理が、複数の通信装置100において行われ、情報処理装置200においては、複数の通信装置100からセンサ値を受信し、センサ値DB202に記憶することで、データベースを形成することができる。
【0039】
つぎに、一の通信装置100bからセンサ値DB202に記憶されているセンサ値を合成した地図の取得要求の操作が行われ、通信装置100bの現在位置を示す位置情報が送信される(S201)。本実施形態では、位置情報としてエリア情報を利用していることから、エリア情報のIDおよびそのサブIDが送信される。
【0040】
情報処理装置200では、通信部201により位置情報が受信され、合成部204においては、受信した位置情報に基づいた所定範囲の地図情報が地図DB203から切り出し処理される(S203)。さらに、センサ値DB202から、切り出された地図情報に相当する範囲あるセンサ値およびその位置情報が抽出され(S204)、位置情報に基づいた位置にセンサ値が地図情報に合成される(S205)。
【0041】
そして、センサ値が合成された地図情報は、通信部201により、通信装置100bに送信され(S206)、通信装置100bにおいては、通信部104により受信されて、合成後の地図情報が表示部(図示せず)に表示される(S207)。
【0042】
このようにして、複数の通信装置100において送信されたセンサ種別情報、センサ値および位置情報に基づいて、各地域におけるセンサ値(温度、湿度、紫外線量など)のデータベースが構築される。そして、これを利用して、指定した地域におけるセンサ値を取得することにより、環境をより高精度に把握することができる。
【0043】
なお、本実施形態においては、通信装置100bの位置に基づいて地図情報を切り出し、その周辺領域のセンサ値を合成しているが、これに限るものではなく、通信装置100bにおいて指定した位置情報に基づいて、地図情報の切り出し処理等を行うようにしてもよい。また、通信装置100bは、地図情報を情報処理装置200から受信しているが、情報処理装置から、各通信装置100aの位置情報およびそのセンサ値の情報を取得して、通信装置100において地図情報を予め記憶、または取得しておいて、その地図情報に対して合成処理をするようにしてもよい。
【0044】
つぎに、本実施形態における情報処理装置200の作用効果について説明する。複数の通信装置100において、それぞれ備えられているセンサ101(温度センサ101a、湿度センサ101b、および紫外線センサ101c)が各センサ値を計測する。また一方で、位置測位部102が当該通信装置100の位置情報を測位する。そして、これらセンサ値および位置情報は、通信装置100から情報処理装置200に送信される。
【0045】
本実施形態の情報処理装置200において、通信部201が、通信装置100から送信されたセンサ値および位置情報を受信し、センサ値DB202が、これらセンサ値および位置情報をそれぞれ記憶する。そして、一の通信装置100からの要求にしたがって、合成部204は、センサ値DB202に記憶されたセンサ値および位置情報のそれぞれを、予め記憶された地図に合成して、通信部201は、合成した地図情報を一の通信装置100に送信する。これにより、各地域においてセンサを設けることなく、センサ値を取得することができ、地図上におけるそのセンサ値の分布を把握することができる。
【0046】
また、この情報処理装置200によれば、さらに通信装置100からセンサ値のセンサ種別を通信部201が受信し、センサ値DB202は、センサ種別をセンサ値および位置情報とともにさらに対応付けて記憶することで、複数のセンサ値に対する、地図上の分布を把握することができる。例えば、センサ種別として、温度、湿度、および紫外線があった場合、どのセンサ値がどのセンサ種別であるかを対応付けておくことで、さまざまなセンサ値の地図上の分布を把握することができる。一方で、予め温度センサのみしか扱わない場合には、センサ種別は必ずしも必須とはならない。通信装置100から受信した数値情報は、温度を示したものであることが、情報処理装置200においては判断できるためである。
【0047】
<第二の実施形態>
つぎに、第二の実施形態の情報処理装置200aについて説明する。図7は、本実施形態の情報処理装置200aの機能を示すブロック図である。この情報処理装置200aは、第一の実施形態の情報処理装置200を構成する通信部201(取得手段)、地図DB203、および合成部204(出力手段)のほかに、判断部205(判断手段)および気象情報DB206を含んで構成されている。また、センサ値DB202に代えて、センサ値DB202a(記憶手段)を備えている。なお、本実施形態の情報処理装置200aも、第一の実施形態と同様に、図3に示されるようなハードウェア構成により実現される。以下、第一の実施形態の情報処理装置200との構成と異なる部分について、その機能構成について説明し、重複する部分についての説明は省略する。
【0048】
判断部205は、通信部201により受信された位置情報、センサ種別情報およびセンサ値に基づいて、位置情報、センサ種別情報およびセンサ値を送信した通信装置100が屋外にいるか否かを判断する部分である。より詳細には、判断部205は、通信部201により受信された位置情報およびセンサ種別情報に対応する登録情報(例えば、温度、湿度、および紫外線量)を気象情報DB206から抽出し、受信されたセンサ値が、その抽出された登録情報との差分が所定値以内である場合には、屋外にいると判断する。そして、センサ値DB202aにおける、屋外である旨を示す項目欄に、位置情報、センサ種別情報およびセンサ値を記憶させる。
【0049】
また、判断部205は、その差分が所定値以上である場合、屋内にいると判断し、その場合には、センサ値DB202aにおける、屋内である旨を示す項目欄に、位置情報、センサ種別情報およびセンサ値を記憶させる。なお、屋内であると判断された場合には、センサ値等を、センサ値DB202aに記憶させなくてもよい。
【0050】
ここでは、センサ種別を利用して対応するセンサ値を用いた判断処理をしているが、センサ種別が1種類だけ利用されている場合(例えば、温度のみ)には、必ずしもセンサ種別は必須ではない。
【0051】
センサ値DB202aは、通信装置100から送信された位置情報、センサ種別情報、およびセンサ値を対応付けて記憶する部分である。このセンサ値DB202aは、判断部205による指示に従って、屋外欄または屋内欄のいずれかに、センサ値を記憶する。
【0052】
図8は、その具体例であって、センサ値DB202aのセンサ値テーブルの具体例を示す説明図である。図8に示されるとおり、センサ値テーブルは、位置情報、入力時刻、およびセンサ値が対応付けて構成されている。さらに、センサ値は、屋外欄および屋内欄に区分されており、それぞれ、温度、湿度および紫外線が記述可能に構成されている。そして、判断部205により屋内と判断されたセンサ値については、屋内欄に、屋外と判断されたセンサ値については、屋外欄に、記憶される。
【0053】
気象情報DB206は、気象庁等の外部機関から提供される温度、湿度、および紫外線量を、その位置情報(所定範囲の領域を示す情報)とともに記憶する部分である。ここに記憶される温度、湿度、および紫外線量は、屋外における情報であるが、デパート、ショッピングセンタなど大規模な屋内施設から、温度等が提供される場合には、それら情報を屋内の情報として記憶するようにしてもよい。
【0054】
図9は、気象情報DB206に記憶される気象情報テーブルを示す説明図である。この気象情報テーブルは、外部機関から提供された登録情報であって、エリア情報ごとに、温度と湿度とが、登録情報として記憶されている。なお、この例では、屋外欄のみから気象情報テーブルが構成されているが、上述のとおり、屋内欄のための情報を記憶してもよいが、その場合には、屋外欄と屋内欄とを区別して記憶しておく。
【0055】
つぎに、本実施形態の情報処理装置200aの処理について説明する。図10は、本実施形態の情報処理装置200aの処理を示すシーケンス図である。
【0056】
気象情報DB206は、定期的に更新処理されており、常に新しい気象情報が記憶されている(S301)。一方で、ユーザ操作などにしたがって、通信装置100aにおいて、センサ101によりセンサ値の測定がされる(S101)。そして、測定されたセンサ値、センサ種別情報、位置情報が、通信部104により、情報処理装置200aに送信される(S102)。情報処理装置200において、判断部205により、受信した位置情報に対応する登録情報が気象情報DB206から抽出される(S102a)。そして、受信したセンサ値と、抽出した気象情報DB206の登録情報との差分に基づいて、当該通信装置100aが屋外にいるか否かが判断される(S102b)。なお、気象情報DB206に、屋内の情報がさらに記憶されている場合には、その情報もあわせて利用して、屋外・屋内の判断を行うようにすることができる。
【0057】
そして、その判断結果にしたがって、センサ値DB202aにおける屋外欄、屋内欄のいずれかに、センサ値が記憶される(s103a)。このとき、受信した時刻とともに記憶される。
【0058】
このような処理が、複数の通信装置100において行われ、情報処理装置200aにおいては、複数の通信装置100からセンサ値を受信し、そのセンサ値と気象情報DB206に記憶されている登録情報との差分に基づいて、屋内・屋外を判断して、センサ値DB202における対応する屋内欄・屋外欄のいずれかに、記憶することで、データベースを形成することができる。S201からS207の処理は、第一の実施形態と同じであるため、その説明は省略する。
【0059】
以上のとおり、複数の通信装置100において送信されたセンサ種別情報、センサ値および位置情報に基づいて、各地域におけるセンサ値(温度、湿度、紫外線量など)のデータベースが、より正確に構築される。すなわち、屋内外を区別したデータベースを構築することができ、これを利用して、指定した地域におけるセンサ値を取得することにより、環境をより高精度に把握することができる。
【0060】
つぎに、本実施形態の情報処理装置200aの作用効果について説明する。この情報処理装置200aによれば、通信部201により受信されたセンサ値に基づいて、判断部205は、そのセンサ値を送信した通信装置100は屋外にいるか否かを判断する。そして、判断部205は、通信装置100は屋外にいると判断すると、センサ値DB202aは、少なくとも通信装置100が屋外にいるセンサ値を他のセンサ値(例えば、屋内にいる通信装置100のセンサ値)と区別して記憶する。
【0061】
そして、合成部204は、センサ値DB205に記憶されている、屋外にいる通信装置100のセンサ値およびその位置情報を地図に合成する。これにより、屋内にいる通信装置からのセンサ値については、環境把握のための合成処理を行うことがなくなるため、より正確な環境を把握することができる。
【0062】
なお、情報処理装置200aにおいて、センサ値DB202aは、通信装置100が屋内もしくは屋外のいずれにいるかを示す屋内・屋外情報を、さらに対応付けて記憶することで、屋内・屋外に対する環境の把握を容易にさせることができる。例えば、屋外の環境を知りたい場合には、屋外のみのセンサ値を利用し、屋内の環境を知りたい場合には、屋内のみのセンサ値を利用することで、それぞれの状況に応じた環境を把握することができる。
【0063】
<第三の実施形態>
つぎに、第三の実施形態の情報処理装置200bについて説明する。図11は、本実施形態の情報処理装置200bの機能を示すブロック図である。この情報処理装置200bは、通信部201(通知手段)、センサ値DB202、地図DB203、および合成部204(抽出手段)のほか、関連情報DB207(関連情報記憶手段)を含んで構成されている。この情報処理装置200bは、第一の実施形態の情報処理装置200に、関連情報DB207を追加したものである。以下、追加した構成要素を中心に説明する。
【0064】
合成部204aは、センサ値DB202に記憶されているセンサ値と、地図DB203に記憶されている地図情報とを合成する部分である。すなわち、センサ値DB202には、位置情報も記憶されており、この位置情報にしたがって、センサ値の分布を地図情報に合成する。
【0065】
さらに本実施形態においては、センサ値DB202に記憶されているセンサ値と地図DB203に記憶されている地図とを合成する際に、関連情報DB207から、地図情報の要求をした通信装置において計測されたセンサ値に対応する関連情報を抽出して、地図情報にさらに合成する。通信部201は、合成した地図情報を通信装置100に送信する。
【0066】
関連情報DB207は、センサ値ごとの関連情報を記憶する部分である。例えば、関連情報DB207は、温度、湿度、および紫外線量に応じた関連情報を記憶しており、関連情報として水分補給や、乾燥注意を喚起するものや、紫外線に対する化粧の注意を喚起するものが記憶される。
【0067】
図12は、関連情報DB207に記憶されている関連情報テーブルの具体例を示す説明図である。図12に示されるように、センサ種別、基準値、およびコメント(関連情報)が対応付けて記憶されている。例えば、温度が11℃、湿度が30%である場合には、コメントとして「人体影響あり。水分補給をしてください。」が対応付けられている。通信装置100において計測された温度および湿度が、関連情報DB207に記憶されている値と一致若しくは所定の誤差の範囲である場合には、その値に対応付けられているコメントが抽出され、地図情報に合成されて送信される。
【0068】
つぎに、本実施形態の情報処理装置200bの処理について説明する。図13は、情報処理装置200bの処理を示すシーケンス図である。
【0069】
S101からS103の処理は、上述第一の実施形態と同じであるため、その説明を省略する。なお、第二の実施形態と同様に、屋内・屋外の判断処理を行うようにしてもよい。
【0070】
つぎに、一の通信装置100bからセンサ値DB202に記憶されているセンサ値を合成した地図の取得要求の操作が行われる。この際、自装置において計測したセンサ種別およびセンサ値は、通信装置100bの現在位置を示す位置情報とともに送信される(S201a)。本実施形態では、位置情報としてエリア情報を利用していることから、エリア情報のIDおよびそのサブIDが送信される。
【0071】
情報処理装置200bでは、通信部201により、センサ種別情報、センサ値および位置情報が受信され、合成部204に出力される(S202a)。また、一方ではセンサ値DB202に出力され、S103と同様に、センサ種別情報、センサ値および位置情報が記憶される(S202b)。
【0072】
そして、合成部204においては、受信した位置情報に基づいた所定範囲の地図情報が地図DB203から切り出し処理される(S203)。また、センサ値DB202から、切り出された地図情報に相当する範囲あるセンサ値およびその位置情報が抽出される(S204)。さらに、受信されたセンサ種別情報およびセンサ値に基づいて、関連情報DB207から関連情報が取得される(S203a)。そして、位置情報に基づいた位置にセンサ値が、関連情報とともに地図情報に合成される(S205a)。
【0073】
そして、これら情報が合成された地図情報は、通信部201により、通信装置100bに送信され(S206)、通信装置100bにおいては、通信部104により受信されて、合成後の地図情報が表示部(図示せず)に表示される(S207)。
【0074】
このようにして、指定した地域におけるセンサ値を取得することにより、環境をより高精度に把握することができるとともに、自装置において計測したセンサ値に基づいた関連情報を取得することができる。
【0075】
なお、本実施形態においては、通信装置100aにおいて計測したセンサ値に基づいた関連情報を取得するようにしているが、これに限るものではなく、位置情報を指定することにより、その位置に応じた関連情報を取得するようにしてもよい。
【0076】
つぎに、本実施形態の情報処理装置200bの作用効果について説明する。この情報処理装置200bによれば、関連情報DB207は、基準値(センサ値に相当)に対応付けてセンサ値に関連する関連情報を記憶しておく。そして、通信部201は、一の通信装置100から関連情報の要求を受けると、合成部204aは、当該一の通信装置100の位置情報に基づいたセンサ値を、センサ値DB202から抽出し、そのセンサ値に一致する(若干の幅を持たせてもよい)基準値に対応する関連情報を、関連情報DB207から抽出する。合成部204aは、通信部201を介して、関連情報をセンサ値とともに地図情報に合成して、合成した地図情報を当該一の通信装置100宛に送信する。なお、合成部204aは、センサ値と地図情報とを合成することなく、関連情報のみを通知するようにしてもよい。
【0077】
これにより、環境に応じた適切な関連情報を通知することができる。例えば、関連情報としては、温度が高い場合には、水分補給を促すなどの情報を与えることができる。本実施形態においては、複数の点在する通信装置100においてそれぞれ計測されたセンサ値を用いることで、より正確に、より細かく、さらにより簡易にセンサ値を取得することができ、そのセンサ値に基づいた関連情報をユーザは取得することができる。
【符号の説明】
【0078】
100…通信装置、100a…通信装置、100b…通信装置、101…センサ、101a…温度センサ、101b…湿度センサ、101c…紫外線センサ、102…位置測位部、103…制御部、104…通信部、200…情報処理装置、200a…情報処理装置、200b…情報処理装置、201…通信部、202…センサ値DB、202a…センサ値DB、203…地図DB、204…合成部、204a…合成部、205…判断部、206…気象情報DB、207…関連情報DB。
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動機などの通信装置において測定されたセンサ値を処理する情報処理装置およびセンサ値情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、女性は、美容に対する関心は大きく、乾燥や紫外線など肌に悪影響を及ぼす環境に敏感である。乾燥対策としては据え置き型の加湿器だけでなく、携帯可能な小型なものも開発されており、場所に関わらず対処をしたいと考えられている。そして、下記特許文献1においては、微細な区画に配置された紫外線センサを利用して、細かな区画における紫外線や乾燥の情報を得ることができる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−358590号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述特許文献1においては、紫外線量に基づいて決定された、適正な日焼け止めクリームなどをユーザに通知するものにとどまるものであり、ユーザは、自分が存在するエリア周辺や指定したエリアにおける紫外線量や、湿度・温度の分布を把握することができない。
【0005】
そこで、本発明においては、ユーザが、各携帯電話などの通信装置において測定された紫外線量などセンサ値の分布を把握することができる情報処理装置およびセンサ値情報処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の課題を解決するために、本発明の情報処理装置は、複数の通信装置においてそれぞれ計測されたセンサ値および当該通信装置の位置情報を取得する取得手段と、前記取得手段により取得されたセンサ値および位置情報をそれぞれ記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶されたセンサ値および位置情報のそれぞれを、予め記憶された地図に合成して出力する出力手段と、を備えている。
【0007】
また、本発明のセンサ値情報処理方法は、複数の通信装置においてそれぞれ計測されたセンサ値および当該通信装置の位置情報を取得する取得ステップと、前記取得ステップにより取得されたセンサ値および位置情報をそれぞれ記憶手段に記憶する記憶ステップと、前記記憶手段に記憶されたセンサ値および位置情報のそれぞれを、予め記憶された地図に合成して出力する出力ステップと、を備えている。
【0008】
この発明によれば、複数の通信装置においてそれぞれ計測されたセンサ値および当該通信装置の位置情報を取得し、取得されたセンサ値および位置情報をそれぞれ記憶する。そして、記憶されたセンサ値および位置情報のそれぞれを、予め記憶された地図に合成して出力する。これにより、各地域においてセンサを設けることなく、センサ値を取得することができ、地図上におけるそのセンサ値の分布を把握することができる。
【0009】
また、本発明の情報処理装置における前記取得手段は、さらにセンサ値のセンサ種別を取得し、前記記憶手段は、前記センサ種別をさらに対応付けて記憶するようにしてもよい。
【0010】
この発明によれば、さらにセンサ値のセンサ種別を取得し、センサ種別をさらに対応付けて記憶することで、複数のセンサ値に対する、地図上の分布を把握することができる。例えば、センサ種別として、温度、湿度、および紫外線があった場合、どのセンサ値がどのセンサ種別であるかを対応付けておくことで、さまざまなセンサ値の地図上の分布を把握することができる。
【0011】
また、本発明の情報処理装置は、前記取得手段により取得されたセンサ値に基づいて、前記通信装置は屋外にいるか否かを判断する判断手段をさらに備え、前記記憶手段は、前記判断結果に基づいて、少なくとも屋外にいる通信装置のセンサ値を他のセンサ値と区別して記憶し、前記出力手段は、前記記憶手段に記憶された、屋外にいる通信装置のセンサ値およびその位置情報を地図に合成するようにしてもよい。
【0012】
この発明によれば、取得されたセンサ値に基づいて、通信装置は屋外にいるか否かを判断し、屋外にいると判断された通信装置のセンサ値およびその位置情報を地図に合成する。これにより、屋内にいる通信装置からのセンサ値については、環境把握のための合成処理を行うことがなくなるため、より正確な環境を把握することができる。
【0013】
また、本発明の情報処理装置において、前記記憶手段は、屋内もしくは屋外のいずれにいるかを示す屋内・屋外情報を、さらに対応付けて記憶するようにしてもよい。
【0014】
この発明によれば、屋内もしくは屋外のいずれにいるかを示す屋内・屋外情報を、さらに対応付けて記憶することで、屋内・屋外に対する環境の把握を容易にさせることができる。例えば、屋外の環境を知りたい場合には、屋外のみのセンサ値を利用し、屋内の環境を知りたい場合には、屋内のみのセンサ値を利用することで、それぞれの状況に応じた環境を把握することができる。
【0015】
また、本発明の情報処理装置は、予め定めた基準値と関連情報とを対応付けて記憶する関連情報記憶手段と、一の通信装置から関連情報の要求を受けると、前記関連情報記憶手段から、前記一の通信装置の位置情報に基づいて、当該位置情報に対応付けられたセンサ値を抽出し、抽出したセンサ値に相当する基準値に対応付けられている関連情報を抽出する抽出手段と、前記抽出手段により抽出された関連情報を、当該一の通信装置宛に通知する通知手段とを、さらに備えるように構成してもよい。
【0016】
この発明によれば、予め定めた基準値と関連情報とを対応付けて記憶しておき、一の通信装置から関連情報の要求を受けると、当該一の通信装置の位置情報に基づいたセンサ値を抽出し、抽出したセンサ値に相当する基準値に対応する関連情報を抽出し、抽出された関連情報を、当該一の通信装置宛に通知する。これにより、環境に応じた適切な関連情報を通知することができる。例えば、関連情報としては、温度が高い場合には、水分補給を促すなどの情報を与えることができる。本発明においては、複数の点在する通信装置においてそれぞれ計測されたセンサ値を用いることで、より正確に、より細かく、さらにより簡易にセンサ値を取得することができ、そのセンサ値に基づいた関連情報をユーザは取得することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、各地域においてセンサを設けることなく、センサ値を取得することができ、地図上におけるそのセンサ値の分布を把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本実施形態における情報処理装置200を含んだ通信システムのシステム構成図である。
【図2】本実施形態の情報処理装置200の構成を示すブロック図である。
【図3】情報処理装置200のハードウェア構成図である。
【図4】センサ値DB202に記憶されるセンサ値テーブルを示す説明図である。
【図5】センサ値が合成された地図情報を示す説明図である。
【図6】情報処理装置200の処理を示すシーケン図である。
【図7】本実施形態の情報処理装置200aの機能を示すブロック図である。
【図8】センサ値DB202aのセンサ値テーブルの具体例を示す説明図である。
【図9】気象情報DB206に記憶される気象情報テーブルを示す説明図である。
【図10】本実施形態の情報処理装置200aの処理を示すシーケンス図である。
【図11】本実施形態の情報処理装置200bの機能を示すブロック図である。
【図12】関連情報DB207に記憶されている関連情報テーブルの具体例を示す説明図である。
【図13】情報処理装置200bの処理を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
添付図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。可能な場合には、同一の部分には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0020】
<第一の実施形態>
図1は、本実施形態における情報処理装置200を含んだ通信システムのシステム構成図である。図1において、情報処理装置200は、通信装置100と通信網を介して通信可能に接続されている。この通信装置100は、例えば、携帯電話などの移動端末であって、センサ101、位置測位部102、制御部103、および通信部104を含んで構成されている。
【0021】
ここでセンサ101は、温度センサ101a、湿度センサ101b、または紫外線センサ101cの少なくとも一つを備えている。温度センサ101aは、通信装置100の周辺の温度を測定するセンサであり、湿度センサは、湿度を測定するセンサであり、紫外線センサは紫外線量を測定するセンサである。これらセンサ101は、ユーザの操作により、または内蔵するタイマーにしたがって周期的に計測する。
【0022】
位置測位部102は、通信装置100の位置を測位する部分であり、例えば、基地局情報に基づいた概略位置情報や、GPS(Global Positioning System)により取得された詳細なGPS位置情報、または概略位置情報若しくは詳細なGPS位置情報にしたがって定められたエリア情報を測位する部分である。
【0023】
制御部103は、ユーザの操作が行われると、または内蔵するタイマーにより所定周期が経過すると、センサ101に対して測定の指示を行い、または位置測位部102に対して測位の指示を行い、その測定結果および測位結果を取得する部分である。なお、測定結果および測位結果においては、そのセンサ種別を含んで取得するように構成することができる。例えば、温度センサ101aからセンサ値として温度情報である数値とともに、温度センサ101aからの情報である旨を示すセンサ種別情報を取得する。そして、制御部103において取得された、測定結果および測位結果は、通信部104に送られる。
【0024】
通信部104は、制御部103から受け取ったセンサ値および位置情報を情報処理装置200に送信する部分である。
【0025】
このようにして、通信装置100は、ユーザによる操作により、または内蔵するタイマーにしたがって周期的に情報処理装置200に対して、センサ101において測定されたセンサ値や、位置測位部102により測位された位置情報を送信することができる。
【0026】
図2は、本実施形態の情報処理装置200の構成を示すブロック図である。図2に示されるように、情報処理装置200は、通信部201(取得手段)、合成部204(出力手段)、センサ値DB(データベース)202(記憶手段)、および地図DB(データベース)203を含んで構成されている。
【0027】
この情報処理装置200は、図3に示されるハードウェアにより構成されている。図3は、情報処理装置200のハードウェア構成図である。図2に示される情報処理装置200は、物理的には、図3に示すように、CPU11、主記憶装置であるRAM12及びROM13、入力デバイスであるキーボード及びマウス等の入力装置14、ディスプレイ等の出力装置15、ネットワークカード等のデータ送受信デバイスである通信モジュール16、ハードディスクや半導体メモリ等の補助記憶装置17などを含むコンピュータシステムとして構成されている。図2において説明した各機能は、図3に示すCPU11、RAM12等のハードウェア上に所定のコンピュータソフトウェアを読み込ませることにより、CPU11の制御のもとで入力装置14、出力装置15、通信モジュール16を動作させるとともに、RAM12や補助記憶装置17におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。以下、図2に示す機能ブロックに基づいて、各機能ブロックを説明する。
【0028】
通信部201は、通信網を介して通信装置100と通信する部分であり、通信装置100において測定された各種センサ値、センサ種別情報および位置情報を受信し、また通信装置100に対してセンサ値に基づいて解析された結果を送信する部分である。
【0029】
センサ値DB202は、通信部201により受信されたセンサ値、センサ種別情報および位置情報、ならびに入力時刻を記憶する部分である。図4にその具体例を示す。図4は、センサ値DB202に記憶されるセンサ値テーブルを示す説明図である。図4に示されるとおり、位置情報、入力時刻、およびセンサ値が対応付けて記憶されている。図4においては、位置情報は、エリア情報が測位された場合の例を示しており、IDと、サブIDとから構成されている。なお、IDは広域のエリアを示し、サブIDはその広域のエリアにおいて区画された狭域エリアを示す。なお、位置情報はIDのみから構成されてもよい。入力時刻は、通信部201において受信した時刻である。なお、入力時刻としてセンサ値を測定した測定時刻を用いてもよい。その場合、通信装置100において、センサ値等とともに測定時刻も情報処理装置200に送信される。センサ値は、温度、湿度、および紫外線の各項目から構成されており、通信部201において受信したセンサ種別に基づいて、どの項目(どのセンサ種別の項目)に記憶されるか決定される。
【0030】
また、異なる複数の通信装置から同一の入力時刻、同一の位置情報に対応するセンサ値、センサ種別が送信される場合が想定されるが、その場合、センサ種別ごとのセンサ値の平均値を当該入力時刻及び当該位置情報に対応するセンサ値としてもよい。
【0031】
地図DB203は、日本全国(または地域の一部でもよいし、世界地図でもよい)の地図情報を記憶する部分である。
【0032】
合成部204は、センサ値DB202に記憶されているセンサ値と、地図DB203に記憶されている地図情報とを合成する部分である。すなわち、センサ値DB202には、位置情報も記憶されており、この位置情報にしたがって、センサ値の分布を地図情報に合成する。
【0033】
図5は、その合成結果を示す説明図である。図5においては、エリア情報に基づいて、センサ値の分布が分かるように、太枠で区画されて色分けがなされていることを示している。このエリア情報は、例えば携帯電話のキャリア事業者により定められたものであり、基地局の位置若しくは、GPSによる位置情報に基づいて、どのエリアにいるか判断可能に定義された情報である。図5においては、エリア情報M1〜M5までを例示として表現しているが、当然にこれ以上のエリア情報があり、また首都圏等の地域をカバーしたものである。
【0034】
なお、地図情報の合成の仕方として、上述のエリア情報を利用してもよいし、GPSにより得られた位置情報若しくは概略位置情報で定められる地図上の位置にプロットして、点で表現することにより、センサ値の分布を表現するようにしてもよい。
【0035】
このようにして、情報処理装置200は、通信装置100から取得したセンサ値を地図に合成することで、その分布を表現することができる。特に、通信装置100は、一般的には携帯電話を想定しており、これを利用することにより、特別なセンサを用いることなく、より詳細なセンサ値の分布を提供することができる。
【0036】
つぎに、この情報処理装置200を用いて通信システムの処理について説明する。図6は、情報処理装置200の処理を示すシーケン図である。
【0037】
通信装置100aにおいて、センサ101によりセンサ値の測定がされる(S101)。そして、測定されたセンサ値、センサ種別情報、位置情報が、通信部104により、情報処理装置200に送信される(S102)。情報処理装置200において、通信部201により、センサ値、センサ種別情報、位置情報が受信され、センサ値DB202に記憶される(S103)。このとき、受信した時刻とともに記憶される。
【0038】
このような処理が、複数の通信装置100において行われ、情報処理装置200においては、複数の通信装置100からセンサ値を受信し、センサ値DB202に記憶することで、データベースを形成することができる。
【0039】
つぎに、一の通信装置100bからセンサ値DB202に記憶されているセンサ値を合成した地図の取得要求の操作が行われ、通信装置100bの現在位置を示す位置情報が送信される(S201)。本実施形態では、位置情報としてエリア情報を利用していることから、エリア情報のIDおよびそのサブIDが送信される。
【0040】
情報処理装置200では、通信部201により位置情報が受信され、合成部204においては、受信した位置情報に基づいた所定範囲の地図情報が地図DB203から切り出し処理される(S203)。さらに、センサ値DB202から、切り出された地図情報に相当する範囲あるセンサ値およびその位置情報が抽出され(S204)、位置情報に基づいた位置にセンサ値が地図情報に合成される(S205)。
【0041】
そして、センサ値が合成された地図情報は、通信部201により、通信装置100bに送信され(S206)、通信装置100bにおいては、通信部104により受信されて、合成後の地図情報が表示部(図示せず)に表示される(S207)。
【0042】
このようにして、複数の通信装置100において送信されたセンサ種別情報、センサ値および位置情報に基づいて、各地域におけるセンサ値(温度、湿度、紫外線量など)のデータベースが構築される。そして、これを利用して、指定した地域におけるセンサ値を取得することにより、環境をより高精度に把握することができる。
【0043】
なお、本実施形態においては、通信装置100bの位置に基づいて地図情報を切り出し、その周辺領域のセンサ値を合成しているが、これに限るものではなく、通信装置100bにおいて指定した位置情報に基づいて、地図情報の切り出し処理等を行うようにしてもよい。また、通信装置100bは、地図情報を情報処理装置200から受信しているが、情報処理装置から、各通信装置100aの位置情報およびそのセンサ値の情報を取得して、通信装置100において地図情報を予め記憶、または取得しておいて、その地図情報に対して合成処理をするようにしてもよい。
【0044】
つぎに、本実施形態における情報処理装置200の作用効果について説明する。複数の通信装置100において、それぞれ備えられているセンサ101(温度センサ101a、湿度センサ101b、および紫外線センサ101c)が各センサ値を計測する。また一方で、位置測位部102が当該通信装置100の位置情報を測位する。そして、これらセンサ値および位置情報は、通信装置100から情報処理装置200に送信される。
【0045】
本実施形態の情報処理装置200において、通信部201が、通信装置100から送信されたセンサ値および位置情報を受信し、センサ値DB202が、これらセンサ値および位置情報をそれぞれ記憶する。そして、一の通信装置100からの要求にしたがって、合成部204は、センサ値DB202に記憶されたセンサ値および位置情報のそれぞれを、予め記憶された地図に合成して、通信部201は、合成した地図情報を一の通信装置100に送信する。これにより、各地域においてセンサを設けることなく、センサ値を取得することができ、地図上におけるそのセンサ値の分布を把握することができる。
【0046】
また、この情報処理装置200によれば、さらに通信装置100からセンサ値のセンサ種別を通信部201が受信し、センサ値DB202は、センサ種別をセンサ値および位置情報とともにさらに対応付けて記憶することで、複数のセンサ値に対する、地図上の分布を把握することができる。例えば、センサ種別として、温度、湿度、および紫外線があった場合、どのセンサ値がどのセンサ種別であるかを対応付けておくことで、さまざまなセンサ値の地図上の分布を把握することができる。一方で、予め温度センサのみしか扱わない場合には、センサ種別は必ずしも必須とはならない。通信装置100から受信した数値情報は、温度を示したものであることが、情報処理装置200においては判断できるためである。
【0047】
<第二の実施形態>
つぎに、第二の実施形態の情報処理装置200aについて説明する。図7は、本実施形態の情報処理装置200aの機能を示すブロック図である。この情報処理装置200aは、第一の実施形態の情報処理装置200を構成する通信部201(取得手段)、地図DB203、および合成部204(出力手段)のほかに、判断部205(判断手段)および気象情報DB206を含んで構成されている。また、センサ値DB202に代えて、センサ値DB202a(記憶手段)を備えている。なお、本実施形態の情報処理装置200aも、第一の実施形態と同様に、図3に示されるようなハードウェア構成により実現される。以下、第一の実施形態の情報処理装置200との構成と異なる部分について、その機能構成について説明し、重複する部分についての説明は省略する。
【0048】
判断部205は、通信部201により受信された位置情報、センサ種別情報およびセンサ値に基づいて、位置情報、センサ種別情報およびセンサ値を送信した通信装置100が屋外にいるか否かを判断する部分である。より詳細には、判断部205は、通信部201により受信された位置情報およびセンサ種別情報に対応する登録情報(例えば、温度、湿度、および紫外線量)を気象情報DB206から抽出し、受信されたセンサ値が、その抽出された登録情報との差分が所定値以内である場合には、屋外にいると判断する。そして、センサ値DB202aにおける、屋外である旨を示す項目欄に、位置情報、センサ種別情報およびセンサ値を記憶させる。
【0049】
また、判断部205は、その差分が所定値以上である場合、屋内にいると判断し、その場合には、センサ値DB202aにおける、屋内である旨を示す項目欄に、位置情報、センサ種別情報およびセンサ値を記憶させる。なお、屋内であると判断された場合には、センサ値等を、センサ値DB202aに記憶させなくてもよい。
【0050】
ここでは、センサ種別を利用して対応するセンサ値を用いた判断処理をしているが、センサ種別が1種類だけ利用されている場合(例えば、温度のみ)には、必ずしもセンサ種別は必須ではない。
【0051】
センサ値DB202aは、通信装置100から送信された位置情報、センサ種別情報、およびセンサ値を対応付けて記憶する部分である。このセンサ値DB202aは、判断部205による指示に従って、屋外欄または屋内欄のいずれかに、センサ値を記憶する。
【0052】
図8は、その具体例であって、センサ値DB202aのセンサ値テーブルの具体例を示す説明図である。図8に示されるとおり、センサ値テーブルは、位置情報、入力時刻、およびセンサ値が対応付けて構成されている。さらに、センサ値は、屋外欄および屋内欄に区分されており、それぞれ、温度、湿度および紫外線が記述可能に構成されている。そして、判断部205により屋内と判断されたセンサ値については、屋内欄に、屋外と判断されたセンサ値については、屋外欄に、記憶される。
【0053】
気象情報DB206は、気象庁等の外部機関から提供される温度、湿度、および紫外線量を、その位置情報(所定範囲の領域を示す情報)とともに記憶する部分である。ここに記憶される温度、湿度、および紫外線量は、屋外における情報であるが、デパート、ショッピングセンタなど大規模な屋内施設から、温度等が提供される場合には、それら情報を屋内の情報として記憶するようにしてもよい。
【0054】
図9は、気象情報DB206に記憶される気象情報テーブルを示す説明図である。この気象情報テーブルは、外部機関から提供された登録情報であって、エリア情報ごとに、温度と湿度とが、登録情報として記憶されている。なお、この例では、屋外欄のみから気象情報テーブルが構成されているが、上述のとおり、屋内欄のための情報を記憶してもよいが、その場合には、屋外欄と屋内欄とを区別して記憶しておく。
【0055】
つぎに、本実施形態の情報処理装置200aの処理について説明する。図10は、本実施形態の情報処理装置200aの処理を示すシーケンス図である。
【0056】
気象情報DB206は、定期的に更新処理されており、常に新しい気象情報が記憶されている(S301)。一方で、ユーザ操作などにしたがって、通信装置100aにおいて、センサ101によりセンサ値の測定がされる(S101)。そして、測定されたセンサ値、センサ種別情報、位置情報が、通信部104により、情報処理装置200aに送信される(S102)。情報処理装置200において、判断部205により、受信した位置情報に対応する登録情報が気象情報DB206から抽出される(S102a)。そして、受信したセンサ値と、抽出した気象情報DB206の登録情報との差分に基づいて、当該通信装置100aが屋外にいるか否かが判断される(S102b)。なお、気象情報DB206に、屋内の情報がさらに記憶されている場合には、その情報もあわせて利用して、屋外・屋内の判断を行うようにすることができる。
【0057】
そして、その判断結果にしたがって、センサ値DB202aにおける屋外欄、屋内欄のいずれかに、センサ値が記憶される(s103a)。このとき、受信した時刻とともに記憶される。
【0058】
このような処理が、複数の通信装置100において行われ、情報処理装置200aにおいては、複数の通信装置100からセンサ値を受信し、そのセンサ値と気象情報DB206に記憶されている登録情報との差分に基づいて、屋内・屋外を判断して、センサ値DB202における対応する屋内欄・屋外欄のいずれかに、記憶することで、データベースを形成することができる。S201からS207の処理は、第一の実施形態と同じであるため、その説明は省略する。
【0059】
以上のとおり、複数の通信装置100において送信されたセンサ種別情報、センサ値および位置情報に基づいて、各地域におけるセンサ値(温度、湿度、紫外線量など)のデータベースが、より正確に構築される。すなわち、屋内外を区別したデータベースを構築することができ、これを利用して、指定した地域におけるセンサ値を取得することにより、環境をより高精度に把握することができる。
【0060】
つぎに、本実施形態の情報処理装置200aの作用効果について説明する。この情報処理装置200aによれば、通信部201により受信されたセンサ値に基づいて、判断部205は、そのセンサ値を送信した通信装置100は屋外にいるか否かを判断する。そして、判断部205は、通信装置100は屋外にいると判断すると、センサ値DB202aは、少なくとも通信装置100が屋外にいるセンサ値を他のセンサ値(例えば、屋内にいる通信装置100のセンサ値)と区別して記憶する。
【0061】
そして、合成部204は、センサ値DB205に記憶されている、屋外にいる通信装置100のセンサ値およびその位置情報を地図に合成する。これにより、屋内にいる通信装置からのセンサ値については、環境把握のための合成処理を行うことがなくなるため、より正確な環境を把握することができる。
【0062】
なお、情報処理装置200aにおいて、センサ値DB202aは、通信装置100が屋内もしくは屋外のいずれにいるかを示す屋内・屋外情報を、さらに対応付けて記憶することで、屋内・屋外に対する環境の把握を容易にさせることができる。例えば、屋外の環境を知りたい場合には、屋外のみのセンサ値を利用し、屋内の環境を知りたい場合には、屋内のみのセンサ値を利用することで、それぞれの状況に応じた環境を把握することができる。
【0063】
<第三の実施形態>
つぎに、第三の実施形態の情報処理装置200bについて説明する。図11は、本実施形態の情報処理装置200bの機能を示すブロック図である。この情報処理装置200bは、通信部201(通知手段)、センサ値DB202、地図DB203、および合成部204(抽出手段)のほか、関連情報DB207(関連情報記憶手段)を含んで構成されている。この情報処理装置200bは、第一の実施形態の情報処理装置200に、関連情報DB207を追加したものである。以下、追加した構成要素を中心に説明する。
【0064】
合成部204aは、センサ値DB202に記憶されているセンサ値と、地図DB203に記憶されている地図情報とを合成する部分である。すなわち、センサ値DB202には、位置情報も記憶されており、この位置情報にしたがって、センサ値の分布を地図情報に合成する。
【0065】
さらに本実施形態においては、センサ値DB202に記憶されているセンサ値と地図DB203に記憶されている地図とを合成する際に、関連情報DB207から、地図情報の要求をした通信装置において計測されたセンサ値に対応する関連情報を抽出して、地図情報にさらに合成する。通信部201は、合成した地図情報を通信装置100に送信する。
【0066】
関連情報DB207は、センサ値ごとの関連情報を記憶する部分である。例えば、関連情報DB207は、温度、湿度、および紫外線量に応じた関連情報を記憶しており、関連情報として水分補給や、乾燥注意を喚起するものや、紫外線に対する化粧の注意を喚起するものが記憶される。
【0067】
図12は、関連情報DB207に記憶されている関連情報テーブルの具体例を示す説明図である。図12に示されるように、センサ種別、基準値、およびコメント(関連情報)が対応付けて記憶されている。例えば、温度が11℃、湿度が30%である場合には、コメントとして「人体影響あり。水分補給をしてください。」が対応付けられている。通信装置100において計測された温度および湿度が、関連情報DB207に記憶されている値と一致若しくは所定の誤差の範囲である場合には、その値に対応付けられているコメントが抽出され、地図情報に合成されて送信される。
【0068】
つぎに、本実施形態の情報処理装置200bの処理について説明する。図13は、情報処理装置200bの処理を示すシーケンス図である。
【0069】
S101からS103の処理は、上述第一の実施形態と同じであるため、その説明を省略する。なお、第二の実施形態と同様に、屋内・屋外の判断処理を行うようにしてもよい。
【0070】
つぎに、一の通信装置100bからセンサ値DB202に記憶されているセンサ値を合成した地図の取得要求の操作が行われる。この際、自装置において計測したセンサ種別およびセンサ値は、通信装置100bの現在位置を示す位置情報とともに送信される(S201a)。本実施形態では、位置情報としてエリア情報を利用していることから、エリア情報のIDおよびそのサブIDが送信される。
【0071】
情報処理装置200bでは、通信部201により、センサ種別情報、センサ値および位置情報が受信され、合成部204に出力される(S202a)。また、一方ではセンサ値DB202に出力され、S103と同様に、センサ種別情報、センサ値および位置情報が記憶される(S202b)。
【0072】
そして、合成部204においては、受信した位置情報に基づいた所定範囲の地図情報が地図DB203から切り出し処理される(S203)。また、センサ値DB202から、切り出された地図情報に相当する範囲あるセンサ値およびその位置情報が抽出される(S204)。さらに、受信されたセンサ種別情報およびセンサ値に基づいて、関連情報DB207から関連情報が取得される(S203a)。そして、位置情報に基づいた位置にセンサ値が、関連情報とともに地図情報に合成される(S205a)。
【0073】
そして、これら情報が合成された地図情報は、通信部201により、通信装置100bに送信され(S206)、通信装置100bにおいては、通信部104により受信されて、合成後の地図情報が表示部(図示せず)に表示される(S207)。
【0074】
このようにして、指定した地域におけるセンサ値を取得することにより、環境をより高精度に把握することができるとともに、自装置において計測したセンサ値に基づいた関連情報を取得することができる。
【0075】
なお、本実施形態においては、通信装置100aにおいて計測したセンサ値に基づいた関連情報を取得するようにしているが、これに限るものではなく、位置情報を指定することにより、その位置に応じた関連情報を取得するようにしてもよい。
【0076】
つぎに、本実施形態の情報処理装置200bの作用効果について説明する。この情報処理装置200bによれば、関連情報DB207は、基準値(センサ値に相当)に対応付けてセンサ値に関連する関連情報を記憶しておく。そして、通信部201は、一の通信装置100から関連情報の要求を受けると、合成部204aは、当該一の通信装置100の位置情報に基づいたセンサ値を、センサ値DB202から抽出し、そのセンサ値に一致する(若干の幅を持たせてもよい)基準値に対応する関連情報を、関連情報DB207から抽出する。合成部204aは、通信部201を介して、関連情報をセンサ値とともに地図情報に合成して、合成した地図情報を当該一の通信装置100宛に送信する。なお、合成部204aは、センサ値と地図情報とを合成することなく、関連情報のみを通知するようにしてもよい。
【0077】
これにより、環境に応じた適切な関連情報を通知することができる。例えば、関連情報としては、温度が高い場合には、水分補給を促すなどの情報を与えることができる。本実施形態においては、複数の点在する通信装置100においてそれぞれ計測されたセンサ値を用いることで、より正確に、より細かく、さらにより簡易にセンサ値を取得することができ、そのセンサ値に基づいた関連情報をユーザは取得することができる。
【符号の説明】
【0078】
100…通信装置、100a…通信装置、100b…通信装置、101…センサ、101a…温度センサ、101b…湿度センサ、101c…紫外線センサ、102…位置測位部、103…制御部、104…通信部、200…情報処理装置、200a…情報処理装置、200b…情報処理装置、201…通信部、202…センサ値DB、202a…センサ値DB、203…地図DB、204…合成部、204a…合成部、205…判断部、206…気象情報DB、207…関連情報DB。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の通信装置においてそれぞれ計測されたセンサ値および当該通信装置の位置情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得されたセンサ値および位置情報をそれぞれ記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶されたセンサ値および位置情報のそれぞれを、予め記憶された地図に合成して出力する出力手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記取得手段は、さらにセンサ値のセンサ種別を取得し、
前記記憶手段は、前記センサ種別をさらに対応付けて記憶する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記記憶手段は、前記位置情報及び前記センサ種別情報に対応する登録情報を予め記憶し、
前記取得手段により取得されたセンサ値と前記登録情報の差分が所定値以内であるかどうかに基づいて、前記通信装置は屋外にいるか否かを判断する判断手段をさらに備え、
前記記憶手段は、前記判断結果に基づいて、少なくとも屋外にいる通信装置のセンサ値を他のセンサ値と区別して記憶し、
前記出力手段は、前記記憶手段に記憶された、屋外にいる通信装置のセンサ値およびその位置情報を地図に合成することを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記記憶手段は、屋内もしくは屋外のいずれにいるかを示す屋内・屋外情報を、さらに対応付けて記憶することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
予め定めた基準値と関連情報とを対応付けて記憶する関連情報記憶手段と、
一の通信装置から関連情報の要求を受けると、前記関連情報記憶手段から、前記一の通信装置の位置情報に基づいて、当該位置情報に対応付けられたセンサ値を抽出し、抽出したセンサ値に相当する基準値に対応付けられている関連情報を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段により抽出された関連情報を、当該一の通信装置宛に通知する通知手段と
を備える請求項1から4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
複数の通信装置においてそれぞれ計測されたセンサ値および当該通信装置の位置情報を取得する取得ステップと、
前記取得ステップにより取得されたセンサ値および位置情報をそれぞれ記憶手段に記憶する記憶ステップと、
前記記憶手段に記憶されたセンサ値および位置情報のそれぞれを、予め記憶された地図に合成して出力する出力ステップと、
を備えるセンサ値情報処理方法。
【請求項1】
複数の通信装置においてそれぞれ計測されたセンサ値および当該通信装置の位置情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得されたセンサ値および位置情報をそれぞれ記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶されたセンサ値および位置情報のそれぞれを、予め記憶された地図に合成して出力する出力手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記取得手段は、さらにセンサ値のセンサ種別を取得し、
前記記憶手段は、前記センサ種別をさらに対応付けて記憶する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記記憶手段は、前記位置情報及び前記センサ種別情報に対応する登録情報を予め記憶し、
前記取得手段により取得されたセンサ値と前記登録情報の差分が所定値以内であるかどうかに基づいて、前記通信装置は屋外にいるか否かを判断する判断手段をさらに備え、
前記記憶手段は、前記判断結果に基づいて、少なくとも屋外にいる通信装置のセンサ値を他のセンサ値と区別して記憶し、
前記出力手段は、前記記憶手段に記憶された、屋外にいる通信装置のセンサ値およびその位置情報を地図に合成することを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記記憶手段は、屋内もしくは屋外のいずれにいるかを示す屋内・屋外情報を、さらに対応付けて記憶することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
予め定めた基準値と関連情報とを対応付けて記憶する関連情報記憶手段と、
一の通信装置から関連情報の要求を受けると、前記関連情報記憶手段から、前記一の通信装置の位置情報に基づいて、当該位置情報に対応付けられたセンサ値を抽出し、抽出したセンサ値に相当する基準値に対応付けられている関連情報を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段により抽出された関連情報を、当該一の通信装置宛に通知する通知手段と
を備える請求項1から4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
複数の通信装置においてそれぞれ計測されたセンサ値および当該通信装置の位置情報を取得する取得ステップと、
前記取得ステップにより取得されたセンサ値および位置情報をそれぞれ記憶手段に記憶する記憶ステップと、
前記記憶手段に記憶されたセンサ値および位置情報のそれぞれを、予め記憶された地図に合成して出力する出力ステップと、
を備えるセンサ値情報処理方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図5】
【図2】
【図3】
【図4】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図5】
【公開番号】特開2012−244394(P2012−244394A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−112301(P2011−112301)
【出願日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】
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